事業の概要
- 先端素材の開発・製造・販売JX金属グループは、半導体や情報通信分野に不可欠な銅やレアメタルを原料とした先端素材の開発、製造、販売を世界中で展開しています。特に、半導体製造に使うスパッタリングターゲットや、電子機器の基板に使われる圧延銅箔が主力製品です。これらの製品を通じて、現代社会のデジタル化を支える重要な役割を担っています。
- 資源開発からリサイクルまで同社グループは、銅やレアメタルの資源を開発する「上流」から、それらを精錬・加工し、さらに使用済み製品から金属を回収する「リサイクル」まで、一貫したサプライチェーンを構築しています。これにより、原材料の安定的な確保と供給を実現し、持続可能な社会の発展に貢献するビジネスモデルを確立しています。
- 半導体・情報通信が収益柱事業は「半導体材料」「情報通信材料」「基礎材料」の3つのセグメントで構成されています。このうち「半導体材料」と「情報通信材料」を成長戦略の核となる「フォーカス事業」と位置づけ、技術の差別化と市場創造により、市場全体の成長を上回る利益成長を目指しています。これらが同社の主要な収益源となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 半導体材料事業このセグメントは、半導体製造に不可欠なスパッタリングターゲット、高純度金属、表面処理剤などを開発・製造・販売しています。特に、ロジックやメモリ向けの半導体用スパッタリングターゲットが主力で、世界市場で64%のシェアを占めています。高純度化や組成・組織制御といった独自の技術を駆使し、最先端のIT機器や電気自動車などに使われる製品をグローバルに展開しています。
- 情報通信材料事業このセグメントでは、圧延銅箔、チタン銅、コルソン合金といった製品を扱っています。これらは情報通信機器の基板や部品に使われる重要な材料です。また、東邦チタニウムによる超微粉ニッケルや高純度酸化チタン、タツタ電線による電磁波シールドフィルムや電線などもこのセグメントに含まれ、幅広い情報通信分野のニーズに応えています。
- 基礎材料事業このセグメントは、銅やレアメタルの資源開発、製錬、リサイクルを担い、半導体材料や情報通信材料といったフォーカス事業を支える役割を担っています。銅精鉱、電気銅、貴金属、硫酸などが主要製品で、チリのカセロネス鉱山への出資や、使用済み製品からの金属リサイクルを通じて、原材料の安定供給と持続可能な資源循環に貢献しています。
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3 【事業の内容】当社グループは、半導体・情報通信分野に欠かせない銅やレアメタルを原料とする先端材料の開発・製造・販売を主な内容としてグローバルな事業活動を行っており、半導体用スパッタリングターゲットや圧延銅箔を主力製品としています。これらに加えて、銅やレアメタルの資源開発や、製錬・リサイクル事業を手掛けており、上流から下流までをつなぐ強固なサプライチェーンを有することにより、安定的に先端材料をマーケットに供給し、持続可能な経済・社会の発展に貢献しています。 当社グループは、半導体材料セグメント、情報通信材料セグメント、基礎材料セグメントの3つの報告セグメントにて構成されています。成長戦略のコアである半導体材料セグメントと情報通信材料セグメントをフォーカス事業と位置づけ、先端材料分野での技術の差別化や市場創造を通じて、市場成長以上の利益成長を目指しています。一方、基礎材料セグメントをベース事業と位置づけ、銅・レアメタルの安定供給を通じてフォーカス事業を支える役割を担っています。各報告セグメントの主要製品、主要会社は以下のとおりです。区分セグメント事業部・事業会社主要製品主要な会社フォーカス事業半導体材料薄膜材料事業部半導体用スパッタリングターゲット、高純度金属、表面処理剤、化合物半導体・結晶材料当社、JX Advanced Metals USA, Inc.、JX Advanced Metals Singapore Pte.Ltd.、JX Advanced Metals Korea Co., Ltd.、JX金属商事㈱、台湾日鉱金属股份有限公司 タンタル・ニオブ事業部タンタル・ニオブ金属粉末、タンタル・ニオブ酸化物粉末、塩化物・化合物当社、TANIOBIS GmbH、東京電解㈱ 情報通信材料機能材料事業部圧延銅箔、チタン銅、コルソン合金当社、JX METALS PHILIPPINES, Inc.、日鉱金属(蘇州)有限公司、JX金属商事㈱、台湾日鉱金属股份有限公司 東邦チタニウム超微粉ニッケル、高純度酸化チタン、触媒製品、スポンジチタン、チタンインゴット東邦チタニウム㈱ タツタ電線電磁波シールドフィルム、導電性ペースト、ボンディングワイヤ、漏水検知システム、医療機器部材、インフラ・産業機器用電線タツタ電線㈱ベース事業基礎材料資源事業部銅精鉱、電気銅、モリブデン精鉱、含金珪酸鉱、タンタル精鉱当社、SCM Minera Lumina Copper Chile、Minera Los Pelambres、Minera Escondida 金属・リサイクル事業部電気銅、型銅、貴金属、硫酸当社、JX金属製錬㈱、パンパシフィック・カッパー㈱、JX金属サーキュラーソリューションズ㈱、eCycle Solutions Inc.、台湾日鉱金属股份有限公司 以下の事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記7.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一であり、各事業を構成する主要な関係会社の状況については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載しています。 (1) 半導体材料セグメント(薄膜材料事業部)高純度化や組成・組織制御などの当社のコア技術を駆使し、半導体や磁性材料向けのスパッタリングターゲットをはじめ、各種高機能デバイス、最先端IT機器、医療機器、電気自動車に用いられる製品をグローバルに展開しています。中でも、ロジックやメモリに用いられる半導体用スパッタリングターゲットが主力製品の一つであり、世界的にも高い評価を得ています。当社は様々な素材の半導体用スパッタリングターゲットを取り扱っており、半導体の主要配線層に用いられる銅や銅合金、そのバリア層に用いられるタンタルに加えて、半導体の回路形成やトランジスタ部分等に用いられるチタン、コバルト及びタングステンの製品でグローバル市場におけるトップクラスの地位を確立しています。半導体はシリコンウエハ上に数百回以上にわたり回路を形成して製造されますが、半導体用スパッタリングターゲットは回路形成に必要となる素材の層をつくる工程(成膜工程)の材料として用いられます。成膜に当たっては、真空状態の装置内でスパッタリングターゲットにアルゴンイオンを衝突させ、放出したターゲット原子を基板(シリコンウエハ等)上に付着させることによって薄膜を形成します。半導体が目的とする機能を発揮するためには様々な種類の高純度素材による回路形成が必要となりますが、当社の強みである高純度化技術や、多種多様な元素・合金を取り扱う技術により、様々な材料ニーズを満たしたスパッタリングターゲットの製造が可能です。 ① 半導体用スパッタリングターゲット製造における当社のコア技術電解精製にて製造された高純度の電気銅を溶解してインゴットにし、そのインゴットを適切な幅に切断したのち、鍛造・圧延を施して必要な直径を持った円盤状の板(ターゲット材)に加工します。その後、熱処理によって結晶組織を均一化したターゲット材を、スパッタリング装置へ固定する役割を果たすバッキングプレートと接合(ボンディング)し、顧客から求められる特性に応じて表面の粗化から鏡面仕上げ等の加工を行い、品質や機能の分析評価を経て製品化されます。この一連の加工の中で、以下に記載する当社の複数のコア技術が活かされており、多数の金属品種において高品質な製品の安定的な供給を実現しています。 ・高純度化技術電解精製工程において、創業以来培ってきた高純度化技術により9N(99.9999999%)の銅の製造を実現しています。当技術により高純度銅スパッタリングターゲットに要求される6Nの銅を安定的に生産しています。・組成・組織制御技術ターゲット材の結晶組織がスパッタリングに適した大きさや向きとなるように制御・管理しています。これにより、成膜時の組成・組織が均一となり半導体の欠陥を引き起こす不純物であるパーティクル(発塵)の発生を抑えることに寄与しています。・表面制御技術バッキングプレートとターゲット材との接合状態が不均一な場合、スパッタリング時にターゲット材の表面温度が不均一になり様々な障害が生じます。そこで、ろう材による接合や異種材料間の拡散接合など、それぞれの材料に適した技術により、均一で強固な接合を実現しています。また、異種材料接合技術の応用により、銅箔と樹脂の複合材など、新しい材料の開発を進めています。また、スパッタリングターゲットなどの材料は、その組成や純度だけでなく、表面状態も顧客のプロセスにおける製造効率に影響します。そのため、出荷前の最終工程において、エッチングによる表面の粗化から鏡面仕上げまで、求められる特性に応じた最終加工を行っています。・分析評価技術当社で製造したスパッタリングターゲットは、材料として顧客のスパッタリング装置に組み込まれて使用されます。当社は自前のスパッタリング装置を所有しており、顧客が使用する条件下で評価を行うことによって最終形態で期待される機能や特性の実現、性能改善を図っています。 ② 半導体製造装置メーカーとの強固な関係当社は半導体製造装置メーカーから受ける素材提案を通じて品質技術情報を獲得し、その情報を基に半導体製造装置メーカーに対して材料提案や先行開発を継続して実施してきました。長年にわたるこれらの活動の結果、当社製品の多くが半導体製造装置メーカーから標準材料として指定されており、それにより当半導体製造装置メーカーの製造装置を使用する半導体メーカーからの安定的な受注獲得につながっていると考えています。事実として、当社は大手半導体メーカーと長年にわたり取引を継続してきた実績を有しています。加えて、高品質な製品の安定的供給が顧客から高く評価されています。 ③ 半導体メーカー拠点との地理的優位性を有する生産体制当社は、半導体の世界的生産地である米国、台湾、韓国において、スパッタリングターゲット製造の下工程(注)である機械加工拠点を有し、一定の在庫を保有することで、安定的かつ素早い製品供給体制を構築しています。また、米国・台湾においては技術サービス拠点としての役割も担い、顧客への迅速な品質対応も行っています。当社の高い技術レベルと各拠点での速やかな技術対応を組み合わせることにより、高い顧客満足度を実現しています。 (注) 下工程は、半導体用スパッタリングターゲット製造プロセスにおける加工・ボンディング工程を指します。 (タンタル・ニオブ事業部)当社グループのTANIOBISは、世界各地に製造・販売拠点を有する世界有数のタンタルとニオブの材料メーカーであり、主要製品は半導体用スパッタリングターゲットやコンデンサ用のタンタル粉・ニオブ粉、SAWデバイスや光学レンズ用のタンタル酸化物・ニオブ酸化物、半導体用のタンタルやニオブ等の塩化物、その他の高機能粉末材料です。半導体用スパッタリングターゲット用のタンタル粉については、当社グループの東京電解株式会社(以下、「東京電解」という。)にてインゴット状に加工のうえ当社薄膜材料事業部に供給し、スパッタリングターゲットの材料として使用されています。また、当社グループは、ブラジルのMibra鉱山におけるタンタル原料生産事業に出資しており、安全や人権に配慮した倫理的かつ持続可能な「責任ある調達」を推進するとともに、TANIOBISの年間調達量の一定割合のタンタル鉱石を安定的に調達する体制を構築しています。これらの取り組みによって、当社グループとして半導体用タンタルスパッタリングターゲットを上流から下流まで一気通貫で安定的に供給する体制を確立しています。 (2) 情報通信材料セグメント(機能材料事業部)機能材料事業部では、主力製品である圧延銅箔に加えて、AIサーバ向け等の高機能コネクタなどに使われるチタン銅、コネクタやリードフレームに使われるコルソン合金などの銅合金を取り扱っています。圧延銅箔は、スマートフォンやウェアラブル端末、モビリティ(xEV/ADAS)の分野で使用されるハイエンドなフレキシブル回路基板(FPC)用途に広く採用されています。屈曲性や耐久性といった性能面での高い要求に応える技術力や、市場開拓を含めた継続的な取り組みを通じて、グローバル市場において当該分野で確固たる地位を築いています。銅合金は、銅に様々な元素を添加して製造した製品で、AIサーバやスマートフォン、パソコンなどの電子機器のコネクタ端子や半導体リードフレームなどに使用されており、近年の情報化社会の進展に伴い、これらの用途における重要性が一層高まっています。当社ではTi(チタン)を主な副成分とするチタン銅や、Ni(ニッケル)・Si(ケイ素)を主な副成分とするコルソン合金を中心に、顧客ニーズに合わせた多様な特性の製品を幅広く取り揃えています。 ① 圧延銅箔製造における当社の技術優位性圧延銅箔は、電気銅やリサイクル原料を溶解・鋳造して製造されたインゴットを熱間圧延・冷間圧延により必要な厚さにまで薄くして製造します。その後、結晶組織を均一にするための焼鈍や、顧客の要求するスペックにするための仕上げ圧延、表面に微細な凹凸を形成してプリント基板の樹脂との密着性を高めるための表面処理、幅分割等の工程を経て最終的に製品化がなされます。圧延銅箔の主要用途であるFPCは、導電性金属である圧延銅箔と絶縁性を持った薄く柔らかいベースフィルム(ポリイミド等)とを貼り合わせた基材(FCCL)に電気回路を形成した基板です。僅かな隙間や繰り返し屈曲する可動部に用いられることから、圧延銅箔には優れた屈曲性や耐久性が求められます。当社は、FPC向けにHA箔を生産していますが、当該製品は結晶粒・結晶方位を調整することにより屈曲性・耐久性を飛躍的に向上させており、疲労寿命を迎えるまでに類似品である特殊電解銅箔と比較して高い曲げ耐性を有する製品を提供しています。また、当社は独自のノウハウにより高品質な薄箔の製造を実現しており、FPC用途において6μm(髪の毛の約10分の1)の薄さまで製造可能です。 ② 市場開発型アプローチ当社は、FPC向け圧延銅箔のエンドユーザーであるスマートフォンメーカー、ウェアラブル端末メーカー及びモビリティメーカーと長年にわたる取引関係を構築しており、これらのエンドユーザーとの対話を通じて、早期の開発ニーズの把握や、ニーズに基づく材料提案を行ってきました。当社製品がエンドユーザーから材料指定を受けることにより、エンドユーザーに製品供給を行うCCL及びFPCメーカーからの安定的な受注を実現しています。 (東邦チタニウム)チタンは、軽量・高強度・高耐食という特性を持つ金属であり、航空機や海水淡水化プラント、発電プラントなど幅広い分野で利用されています。当社グループの東邦チタニウム株式会社では、金属チタン事業・触媒事業・化学品事業を軸とした事業展開を行っています。金属・チタン事業では、航空機材料用、医療用、産業設備用と幅広い分野で使用されているスポンジチタンやスポンジチタンを溶解・鋳造したチタンインゴットなどを製造しています。触媒事業では、ポリオレフィン製造用触媒などを製造しています。化学品事業では、積層セラミックコンデンサ等に使用される超微粉ニッケルや高純度酸化チタンなどを製造しています。 (タツタ電線)電線・ケーブル製造で培った技術を多様な製品や事業に発展させており、電子材料事業、電線・ケーブル事業、その他事業を軸とした事業展開を行っています。電子材料事業では、モバイル端末等に使われる機能性フィルム、半導体分野で需要が高まる機能性ペースト、データセンターやサーバ向けの漏水検知システム、医療機器向け材料や部材などのメディカル関連製品を展開しています。電線・ケーブル事業では、ビルや住宅で使用される電力ケーブルからロボット用ケーブル、鉄道やプラントで使われる産業用ケーブルまで幅広く対応しています。 (3) 基礎材料セグメント(資源事業部)資源事業は当社の祖業であり、1905年に日立鉱山を開業して以来、国内外の鉱山を対象として、探鉱から開発、操業、休廃止鉱山の管理に至るまでをステークホルダーと協業しながら行ってきました。長年の現場経験を通じて培った鉱床評価技術、低品位銅鉱石から効率的に銅を分離・回収する技術、低環境負荷技術等を活用し、現在は海外の銅鉱山やレアメタル鉱山への参画や国内の含金珪酸鉱鉱山の操業を行っています。銅鉱山については、カセロネス銅鉱山(チリ)、ロス・ペランブレス銅鉱山(チリ)及びエスコンディーダ銅鉱山(チリ)の権益を保有しており、当社銅製錬事業の原料となる銅精鉱の安定確保を図るとともに、投資リターンを得ています。このうち、エスコンディーダ銅鉱山及びロス・ペランブレス銅鉱山は、世界有数の生産規模を有しています。カセロネス銅鉱山については、2024年3月期にLundin社を経営パートナーとして迎え、同社の豊富な知見や高い鉱山運営能力を活かして、生産性向上やコスト競争力の強化を進めています。レアメタルについては、当社グループの半導体材料・情報通信材料事業を支える重要な資源であり、その希少性や地理的遍在性を背景に、長期的な安定確保が重要な経営課題となっています。このため当社は、資源の調達先の多様化及びサプライチェーンの強化を目的として、調査・開発段階からの事業参画を含めた取り組みを進めています。こうした取り組みの一環として、オーストラリアにおけるミネラルサンド鉱床開発プロジェクトに参画しています。当社は、本プロジェクトを通じて、フォーカス事業を支える基盤である基礎材料セグメントとしての役割を一層強化するとともに、将来の事業環境変化に備えた資源ポートフォリオの高度化に取り組んでいます。また、当社グループ会社である鹿児島県の春日鉱山株式会社においては含金珪酸鉱の生産を行っており、銅製錬の副原料(溶剤)としてJX金属製錬株式会社 佐賀関製錬所などに供給しています。 (金属・リサイクル事業部)金属・リサイクル事業部は、金属製錬とリサイクルの一体的な事業運営を推進しています。銅精鉱と使用済み家電製品・電子機器などのリサイクル原料から、高効率な製錬プロセスを通じて純度99.99%以上の銅地金を生産するとともに、銅を製錬する過程の副産物として、貴金属やレアメタル、硫酸などの生産を行っています。当社グループの主要な製錬拠点であるJX金属製錬株式会社 佐賀関製錬所は、世界有数の生産能力を持つ製錬所として位置づけられており、原料受入から製錬、回収、精製に至るまでの高度な技術力を活かした安定操業を継続しています。今後、銅の需要はますます伸びていくことが予想されており、この需要拡大を支えるには銅精鉱に加えてリサイクル原料の活用拡大が必要不可欠であることから、当社グループはリサイクル原料の受入・処理能力を拡大し、リサイクル原料処理比率の向上を図っています。 ① グリーンハイブリッド製錬JX金属製錬株式会社 佐賀関製錬所では、リサイクル原料の増処理を進めるに当たり、銅精鉱が自ら発する酸化反応熱を最大限に活用し、化石燃料使用量をミニマイズするグリーンハイブリッド製錬を推進しています。これにより生産された銅は、拡大する需要を支える安定供給体制の構築と脱炭素や資源循環等のサステナビリティを重視した生産と供給という2つの使命を果たすために最適なサステナブルな銅であると考えています。2040年に銅製錬時のリサイクル原料処理比率を50%まで高めることを目標に、技術開発やリサイクル原料の増集荷・増処理体制の構築を進めています。 ② 戦略的パートナーシップの構築によるサーキュラーエコノミーの推進当社は、2022年に策定したサステナブルカッパー・ビジョンの実現に向け、国内商社との戦略的パートナーシップを活用しながらリサイクル原料の増集荷・増処理体制の構築を進めています。具体的には、2022年8月にeCycle Solutions Inc.をグループに迎え入れた際に、ITAD事業に知見を有する双日株式会社と協業関係を構築し、2023年4月より連携を開始しています。また、2024年4月には、三菱商事株式会社(以下、「三菱商事」という。)とともに、廃家電や廃電子機器、廃車載用リチウムイオン電池等の再利用を推進することを目的として、JX金属サーキュラーソリューションズ株式会社を新設し、同年7月より事業を開始しました。三菱商事が有する産業横断型のグローバルネットワークや知見を活用することで、リサイクル原料の集荷やサプライチェーン全体の連携強化を図り、銅やレアメタル等の非鉄金属資源のリサイクル拡大を目指しています。採掘された資源を廃棄せずに再利用し続けるサーキュラーエコノミーの実現に向け、貢献してまいります。 事業の系統図は以下のとおりです。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 強い 半導体用スパッタリングターゲットで世界シェア64%を占めるため |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 高純度化や組成・組織制御などのコア技術、研究開発と先端技術の知的財産権の権利化 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:フォーカス事業における競争優位性の喪失リスク / 中長期事業目標の未達リスク / 半導体市場等の変動リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
同社は銅製錬・加工で高い技術力を有するが、特許やブランド力が直接的な競争優位に結びつく度合いは限定的。一部の特殊材料分野ではIPの重要性が増す可能性はあるが、現時点では広範な無形資産による優位性は弱い。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
銅やその他の非鉄金属は汎用品としての側面が強く、顧客が他社製品に切り替える際の直接的な損失は小さい。ただし、長年の取引関係や品質への信頼からくる一定のスイッチングコストは存在する可能性がある。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
非鉄金属の製造・販売事業には、ネットワーク効果が働く要素は基本的に見られない。製品の価値は個々の品質や価格に依存する。
コスト優位★★★☆☆
大規模な製錬設備と長年の操業ノウハウによる効率的な生産体制がコスト競争力の源泉。資源調達力やリサイクル技術もコスト削減に寄与する可能性がある。ただし、原料価格の変動リスクは大きい。
規模の経済★★★★★
日本の銅製錬業界においてトップクラスの生産能力とシェアを誇る。大規模な設備投資と操業ノウハウは新規参入障壁となり、寡占的な市場構造を維持している。グローバルな資源調達網も規模の優位性。
- 高純度化と精密加工技術同社は、創業以来培ってきた電解精製技術により、9N(99.9999999%)という極めて高い純度の銅を製造できる強みを持っています。この高純度化技術に加え、スパッタリングターゲットの結晶組織や表面状態を精密に制御する技術により、半導体製造における欠陥(パーティクル)の発生を抑え、高品質な製品を安定的に供給しています。
- 半導体装置メーカーとの連携半導体製造装置メーカーとの長年にわたる強固な信頼関係を築き、最新の開発動向や顧客ニーズをいち早く把握しています。これにより、同社製品の多くが半導体製造装置メーカーの標準材料として採用されており、その装置を使う半導体メーカーからの安定的な受注につながっています。Intel社やTSMC社からの受賞歴も、その品質と供給能力の高さを示すものです。
- グローバルな生産供給体制半導体の主要生産拠点である米国、台湾、韓国にスパッタリングターゲットの機械加工拠点を持ち、一定の在庫を保有しています。これにより、顧客に対して安定的かつ迅速な製品供給体制を構築しており、地理的な優位性を活かして、世界の半導体メーカーの多様なニーズに対応できる体制を整えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
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経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営の基本方針当社グループは、2019年6月にJX金属グループ2040年長期ビジョンを策定し(2023年5月に一部改定)、「装置産業型企業」から「技術立脚型企業」への転身により、激化する国際競争の中にあっても高収益体質を実現し、半導体材料・情報通信材料のグローバルリーダーとして持続可能な社会の実現に貢献することを基本方針といたしました。この方針のもと、半導体材料セグメントと情報通信材料セグメントからなるフォーカス事業を成長戦略のコアとして位置づけ、先端材料分野での技術の差別化や市場創造を通じて、市場成長以上の利益成長を目指しています。基礎材料セグメントからなるベース事業は、最適な規模の事業体制のもとで、銅やレアメタルの安定供給を通じてフォーカス事業を支えるとともに、サステナブルな社会の実現に向けて貢献してまいります。 [JX金属グループフィロソフィー]当社は、2025年3月に東京証券取引所プライム市場に上場するとともに、創業120周年という大きな節目を迎えました。これらを契機として、当社グループとしての存在意義(Purpose)及び価値観・行動指針(Way)を明確化し、グループ全体の一体感を高めるとともに、社会に対して提供する価値をより一層高めていくことを目的として、2025年9月に「JX金属グループフィロソフィー」を策定しました。 本フィロソフィーは、当社グループが事業活動を通じて社会に提供する価値の考え方を示すものであり、世界的に不確実性や複雑性が高まる事業環境の中においても、自由な発想に基づく価値創出を追求し、人々の暮らしをより良いものにしていくという当社グループの姿勢を表しています。また、当社グループ全体で本フィロソフィーを実践できるよう、推進体制を整え、本フィロソフィーの定着に向けた施策を重点的に進めました。本フィロソフィーを当社グループの活動の軸として、ステークホルダーとの協調を図り、持続的な企業価値の向上に取り組みます。 (2) 経営環境近年、デジタルトランスフォーメーションの進展、脱炭素社会形成に向けた動きの加速、資源不足・枯渇懸念の深刻化、企業に求められる社会的責任の高まりなど、当社グループを取り巻く社会環境、事業環境は大きな変化に直面しています。当社グループを取り巻く経営環境について、報告セグメント別の状況は以下のとおりです。 ① フォーカス事業:半導体材料セグメント半導体ロジック・メモリ市場は、生成AIの急速な普及拡大やこれに伴うデータ通信需要の拡大等を背景に、成長基調が継続する事業環境にあります。特に、半導体製造技術の進展に伴い、最先端半導体分野においては需要の拡大が見込まれており、多層化・微細化の進展も継続するものと思われます。半導体の成膜方法であるPVD(Physical Vapor Deposition:物理気相成長法)に用いられる当社の主力製品である半導体用スパッタリングターゲットはロジック・メモリをはじめとした各種半導体デバイスの製造に用いられていますが、最先端ロジックほど配線層数が多くなり、半導体用スパッタリングターゲットの使用量が増加する傾向にあることから、その販売量は半導体ロジック・メモリ市場の成長を上回ることが期待されます。また、最先端ロジックほど配線が細かくなり、PVDが適さない微細な配線に対するCVD/ALDによる薄膜形成ニーズも高まっています。さらに、データ演算需要の飛躍的な増加及び生成AIの伸長を背景に、生成AIを搭載したサーバを大量に運用できるAIデータセンターの建設も進んでおり、これに伴いAIサーバの出荷台数は大きく増加しています。AIサーバにはチップ内の配線材料としての半導体用スパッタリングターゲットをはじめとして、光通信向け材料としてのInP基板、タンタルキャパシタ向けの高純度タンタル粉、大容量HDD向けの磁性材用ターゲットなど、半導体材料セグメントの当社製品が多く用いられていることから、このような傾向は本セグメントの収益拡大の追い風になることが見込まれます。加えて、AIサーバには高速の並列演算を担うために多数のGPUが搭載されており、データセンター向けGPUの出荷数量も増加しています。GPUに対して高機能を付与するためには多層化・微細化に加えてパッケージング分野における技術革新が必要であり、パッケージングにおいてはチップ間の配線材(TSV・RDL)やチップレット間をつなぐ配線等の用途における成膜機会の拡大からも、当社の半導体用スパッタリングターゲットの需要の拡大を見込んでいます。 ② フォーカス事業:情報通信材料セグメント電子機器製品等に搭載されるFPCの面積は、電子機器の高機能化・小型化の進展を背景に中長期的な拡大が見込まれており、今後も堅調な需要が期待されています。今後は、AI搭載等によるスマートフォンやパソコン向け部材の更なる小型化・高機能化に加え、スマートウォッチやスマートグラスといったウェアラブル等の周辺機器の市場成長により圧延銅箔の使用拡大が見込まれます。また、世界的なEV販売台数の増加に伴い、配線用や誤作動防止のために用いられるシールド材用の圧延銅箔の採用・使用量の拡大が期待されるとともに、中長期的には産業機械、ロボット等の分野において小型化、軽量化が進み、複雑な動きに対して疲労耐性の強い圧延銅箔の使用量拡大が見込まれています。これらの市場動向を背景に、当社主力製品である圧延銅箔についても、需要の拡大が見込まれます。積層セラミックコンデンサの内部電極に使用される超微粉ニッケルについては、AIを搭載する高機能通信機器の普及や、EVや自動運転の普及に伴う電装化の進展、データサーバやAIサーバ等の成長が需要を牽引し、市場は次第に成長軌道に回帰していくものと想定しています。また、半導体材料セグメントが属する市場環境において記載しているAIサーバの導入拡大は本セグメントの収益拡大の追い風になることも見込まれており、特にAIサーバ向けのコネクタにおいては高耐熱・高強度などの特性が求められ、要求ニーズに応えるチタン銅の採用が急速に拡大しているほか、高温となるAIサーバ内における冷却液の漏液を検知するための漏液センサーの需要拡大も見込まれます。 ③ ベース事業:基礎材料セグメント脱炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの導入が拡大するとともに、様々な産業や領域において電化が進行しており、中長期的に銅素材の需要拡大が見込まれます。例えば、電気自動車では、モーターコイルやバッテリーなどにガソリン車の約4倍の銅が使用されています。銅需要拡大の一方で、既存鉱山からの銅鉱石の供給量には限界があり、銅の需給はひっ迫することが見込まれており、銅価は堅調に推移していくものと考えられます。技術革新、製品寿命の短期化、人口増加等の要因により電気・電子機器の廃棄物であるE-Wasteの発生量は、今後も世界的に増加していくことが見込まれています。一方で、脱炭素に向けた世界的な環境意識の高まりにより、リサイクル原料確保への動きが加速していることに加えて、環境規制強化の流れもあり、リサイクル原料の調達コストは上昇することが予想されます。また、アジア域内での製錬所建設が進むことにより、銅地金のサプライヤーが増加し、銅地金の販売環境の悪化が見込まれています。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 経営の基本方針-長期ビジョン 当社グループは、長期ビジョンに基づき、「装置産業型企業」から「技術立脚型企業」への転身により、激化する国際競争の中にあっても高収益体質を実現し、半導体材料・情報通信材料のグローバルリーダーとして持続可能な社会の実現に貢献することを基本方針としています。フォーカス事業を成長戦略のコアとして位置づけ、先端材料分野での技術の差別化や市場創造を通じて、市場成長以上の利益成長を目指します。また、ベース事業は、最適な規模の事業体制のもとで、銅やレアメタルの安定供給を通じてフォーカス事業を支えるとともに、サステナブルな社会の実現に向けて貢献していきます。 ② データセンター需要拡大に伴う当社関連製品の生産能力の増強生成AIの普及やデジタル化の進展を背景に、AIサーバを中心としたデータセンター向け投資は世界的に拡大しています。これに伴い、先端半導体の高性能化や、データ通信の高速・大容量化が進展しており、半導体材料や光通信関連材料の需要は中長期的に拡大していくことが見込まれています。このような事業環境のもと、当社では、データセンター需要の拡大を重要な成長機会と捉え、半導体用スパッタリングターゲット、磁性材用スパッタリングターゲット、InP(インジウムリン)基板、タンタル粉、チタン銅など、データセンターやAIサーバに使用される製品(以下図)の生産能力の増強や生産性向上を目的とした設備投資を計画的に実施し、市場の成長を確実に捕捉する生産体制の構築を目指します。 ③ 次世代のグローバルトップシェア製品の開発当社は、次世代半導体分野における持続的な成長を見据え、将来のグローバルトップシェア製品の創出を企図した施策を展開しています。特に、半導体の高性能化・高集積化の進展に伴い重要性が高まる先端材料及び先端パッケージ分野に注力し、顧客ニーズを踏まえた材料開発と、量産化を見据えた生産設備や技術基盤の整備を進めています。具体的には、次世代半導体パッケージ技術に関する国際的な研究開発コンソーシアム「JOINT3」への参画に加え、スタートアップ企業や大学との連携を通じて、最先端の技術動向や外部の知見を取り込み、技術開発の高度化と新規用途の探索に取り組んでいます。さらに、長年培った高純度化、表面制御、組成、分析評価等の技術を活用し、メディカル・センサー分野での成長が期待されるCdZnTe(カドミウムジンクテルル)基板等の結晶材料分野に加え、次世代半導体材料として期待されているCVD・ALD材料等の薄膜形成材料分野においても、事業拡大を図っています。以上のように、次世代のグローバルトップシェア製品の創出に向け、今後も着実に事業基盤と技術力の強化を推進していきます。 ④ サーキュラーエコノミー実現に向けた取組み脱炭素化社会の進展に伴い、再生可能エネルギー導入の拡大や、様々な産業・領域における電化が進行しており、銅やレアメタルなどの金属資源の需要は今後さらに拡大していくことが見込まれています。こうした中、自動車業界や家電・電子機器業界を中心に、使用済み製品を回収・再資源化し、同一素材として再利用するクローズドループ・リサイクルへの関心が高まっていますが、その処理は必ずしも容易ではなく、実現にあたっては、製品ライフサイクルに関わるサプライチェーン全体が連携して資源効率性を高める仕組みを整備することが不可欠です。当社グループは、台湾、米国、カナダ、ドイツ、シンガポールに集荷拠点・営業拠点を有し、世界規模のリサイクル原料集荷体制を整えています。さらに、金属・リサイクル事業においては、リサイクル原料の増処理に向け、低品位のE-waste等を含む多様なリサイクル原料への対応力強化を目的に、JX金属製錬株式会社 佐賀関製錬所に前処理プロセスを中心とした設備投資を進めています。これらの設備投資を通じて、リサイクル原料の処理能力及び処理効率の向上を図るとともに、鉱石の酸化反応熱を活用し化石燃料使用量の抑制を図るグリーンハイブリッド製錬の高度化を推進しています。こうした施策を通じて、資源循環の促進及び金属資源の安定的な確保に貢献し、サーキュラーエコノミーの実現を目指していきます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営の基本方針当社グループは、2019年6月にJX金属グループ2040年長期ビジョンを策定し(2023年5月に一部改定)、「装置産業型企業」から「技術立脚型企業」への転身により、激化する国際競争の中にあっても高収益体質を実現し、半導体材料・情報通信材料のグローバルリーダーとして持続可能な社会の実現に貢献することを基本方針といたしました。この方針のもと、半導体材料セグメントと情報通信材料セグメントからなるフォーカス事業を成長戦略のコアとして位置づけ、先端材料分野での技術の差別化や市場創造を通じて、市場成長以上の利益成長を目指しています。基礎材料セグメントからなるベース事業は、最適な規模の事業体制のもとで、銅やレアメタルの安定供給を通じてフォーカス事業を支えるとともに、サステナブルな社会の実現に向けて貢献してまいります。 [JX金属グループフィロソフィー]当社は、2025年3月に東京証券取引所プライム市場に上場するとともに、創業120周年という大きな節目を迎えました。これらを契機として、当社グループとしての存在意義(Purpose)及び価値観・行動指針(Way)を明確化し、グループ全体の一体感を高めるとともに、社会に対して提供する価値をより一層高めていくことを目的として、2025年9月に「JX金属グループフィロソフィー」を策定しました。 本フィロソフィーは、当社グループが事業活動を通じて社会に提供する価値の考え方を示すものであり、世界的に不確実性や複雑性が高まる事業環境の中においても、自由な発想に基づく価値創出を追求し、人々の暮らしをより良いものにしていくという当社グループの姿勢を表しています。また、当社グループ全体で本フィロソフィーを実践できるよう、推進体制を整え、本フィロソフィーの定着に向けた施策を重点的に進めました。本フィロソフィーを当社グループの活動の軸として、ステークホルダーとの協調を図り、持続的な企業価値の向上に取り組みます。 (2) 経営環境近年、デジタルトランスフォーメーションの進展、脱炭素社会形成に向けた動きの加速、資源不足・枯渇懸念の深刻化、企業に求められる社会的責任の高まりなど、当社グループを取り巻く社会環境、事業環境は大きな変化に直面しています。当社グループを取り巻く経営環境について、報告セグメント別の状況は以下のとおりです。 ① フォーカス事業:半導体材料セグメント半導体ロジック・メモリ市場は、生成AIの急速な普及拡大やこれに伴うデータ通信需要の拡大等を背景に、成長基調が継続する事業環境にあります。特に、半導体製造技術の進展に伴い、最先端半導体分野においては需要の拡大が見込まれており、多層化・微細化の進展も継続するものと思われます。半導体の成膜方法であるPVD(Physical Vapor Deposition:物理気相成長法)に用いられる当社の主力製品である半導体用スパッタリングターゲットはロジック・メモリをはじめとした各種半導体デバイスの製造に用いられていますが、最先端ロジックほど配線層数が多くなり、半導体用スパッタリングターゲットの使用量が増加する傾向にあることから、その販売量は半導体ロジック・メモリ市場の成長を上回ることが期待されます。また、最先端ロジックほど配線が細かくなり、PVDが適さない微細な配線に対するCVD/ALDによる薄膜形成ニーズも高まっています。さらに、データ演算需要の飛躍的な増加及び生成AIの伸長を背景に、生成AIを搭載したサーバを大量に運用できるAIデータセンターの建設も進んでおり、これに伴いAIサーバの出荷台数は大きく増加しています。AIサーバにはチップ内の配線材料としての半導体用スパッタリングターゲットをはじめとして、光通信向け材料としてのInP基板、タンタルキャパシタ向けの高純度タンタル粉、大容量HDD向けの磁性材用ターゲットなど、半導体材料セグメントの当社製品が多く用いられていることから、このような傾向は本セグメントの収益拡大の追い風になることが見込まれます。加えて、AIサーバには高速の並列演算を担うために多数のGPUが搭載されており、データセンター向けGPUの出荷数量も増加しています。GPUに対して高機能を付与するためには多層化・微細化に加えてパッケージング分野における技術革新が必要であり、パッケージングにおいてはチップ間の配線材(TSV・RDL)やチップレット間をつなぐ配線等の用途における成膜機会の拡大からも、当社の半導体用スパッタリングターゲットの需要の拡大を見込んでいます。 ② フォーカス事業:情報通信材料セグメント電子機器製品等に搭載されるFPCの面積は、電子機器の高機能化・小型化の進展を背景に中長期的な拡大が見込まれており、今後も堅調な需要が期待されています。今後は、AI搭載等によるスマートフォンやパソコン向け部材の更なる小型化・高機能化に加え、スマートウォッチやスマートグラスといったウェアラブル等の周辺機器の市場成長により圧延銅箔の使用拡大が見込まれます。また、世界的なEV販売台数の増加に伴い、配線用や誤作動防止のために用いられるシールド材用の圧延銅箔の採用・使用量の拡大が期待されるとともに、中長期的には産業機械、ロボット等の分野において小型化、軽量化が進み、複雑な動きに対して疲労耐性の強い圧延銅箔の使用量拡大が見込まれています。これらの市場動向を背景に、当社主力製品である圧延銅箔についても、需要の拡大が見込まれます。積層セラミックコンデンサの内部電極に使用される超微粉ニッケルについては、AIを搭載する高機能通信機器の普及や、EVや自動運転の普及に伴う電装化の進展、データサーバやAIサーバ等の成長が需要を牽引し、市場は次第に成長軌道に回帰していくものと想定しています。また、半導体材料セグメントが属する市場環境において記載しているAIサーバの導入拡大は本セグメントの収益拡大の追い風になることも見込まれており、特にAIサーバ向けのコネクタにおいては高耐熱・高強度などの特性が求められ、要求ニーズに応えるチタン銅の採用が急速に拡大しているほか、高温となるAIサーバ内における冷却液の漏液を検知するための漏液センサーの需要拡大も見込まれます。 ③ ベース事業:基礎材料セグメント脱炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの導入が拡大するとともに、様々な産業や領域において電化が進行しており、中長期的に銅素材の需要拡大が見込まれます。例えば、電気自動車では、モーターコイルやバッテリーなどにガソリン車の約4倍の銅が使用されています。銅需要拡大の一方で、既存鉱山からの銅鉱石の供給量には限界があり、銅の需給はひっ迫することが見込まれており、銅価は堅調に推移していくものと考えられます。技術革新、製品寿命の短期化、人口増加等の要因により電気・電子機器の廃棄物であるE-Wasteの発生量は、今後も世界的に増加していくことが見込まれています。一方で、脱炭素に向けた世界的な環境意識の高まりにより、リサイクル原料確保への動きが加速していることに加えて、環境規制強化の流れもあり、リサイクル原料の調達コストは上昇することが予想されます。また、アジア域内での製錬所建設が進むことにより、銅地金のサプライヤーが増加し、銅地金の販売環境の悪化が見込まれています。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 経営の基本方針-長期ビジョン 当社グループは、長期ビジョンに基づき、「装置産業型企業」から「技術立脚型企業」への転身により、激化する国際競争の中にあっても高収益体質を実現し、半導体材料・情報通信材料のグローバルリーダーとして持続可能な社会の実現に貢献することを基本方針としています。フォーカス事業を成長戦略のコアとして位置づけ、先端材料分野での技術の差別化や市場創造を通じて、市場成長以上の利益成長を目指します。また、ベース事業は、最適な規模の事業体制のもとで、銅やレアメタルの安定供給を通じてフォーカス事業を支えるとともに、サステナブルな社会の実現に向けて貢献していきます。 ② データセンター需要拡大に伴う当社関連製品の生産能力の増強生成AIの普及やデジタル化の進展を背景に、AIサーバを中心としたデータセンター向け投資は世界的に拡大しています。これに伴い、先端半導体の高性能化や、データ通信の高速・大容量化が進展しており、半導体材料や光通信関連材料の需要は中長期的に拡大していくことが見込まれています。このような事業環境のもと、当社では、データセンター需要の拡大を重要な成長機会と捉え、半導体用スパッタリングターゲット、磁性材用スパッタリングターゲット、InP(インジウムリン)基板、タンタル粉、チタン銅など、データセンターやAIサーバに使用される製品(以下図)の生産能力の増強や生産性向上を目的とした設備投資を計画的に実施し、市場の成長を確実に捕捉する生産体制の構築を目指します。 ③ 次世代のグローバルトップシェア製品の開発当社は、次世代半導体分野における持続的な成長を見据え、将来のグローバルトップシェア製品の創出を企図した施策を展開しています。特に、半導体の高性能化・高集積化の進展に伴い重要性が高まる先端材料及び先端パッケージ分野に注力し、顧客ニーズを踏まえた材料開発と、量産化を見据えた生産設備や技術基盤の整備を進めています。具体的には、次世代半導体パッケージ技術に関する国際的な研究開発コンソーシアム「JOINT3」への参画に加え、スタートアップ企業や大学との連携を通じて、最先端の技術動向や外部の知見を取り込み、技術開発の高度化と新規用途の探索に取り組んでいます。さらに、長年培った高純度化、表面制御、組成、分析評価等の技術を活用し、メディカル・センサー分野での成長が期待されるCdZnTe(カドミウムジンクテルル)基板等の結晶材料分野に加え、次世代半導体材料として期待されているCVD・ALD材料等の薄膜形成材料分野においても、事業拡大を図っています。以上のように、次世代のグローバルトップシェア製品の創出に向け、今後も着実に事業基盤と技術力の強化を推進していきます。 ④ サーキュラーエコノミー実現に向けた取組み脱炭素化社会の進展に伴い、再生可能エネルギー導入の拡大や、様々な産業・領域における電化が進行しており、銅やレアメタルなどの金属資源の需要は今後さらに拡大していくことが見込まれています。こうした中、自動車業界や家電・電子機器業界を中心に、使用済み製品を回収・再資源化し、同一素材として再利用するクローズドループ・リサイクルへの関心が高まっていますが、その処理は必ずしも容易ではなく、実現にあたっては、製品ライフサイクルに関わるサプライチェーン全体が連携して資源効率性を高める仕組みを整備することが不可欠です。当社グループは、台湾、米国、カナダ、ドイツ、シンガポールに集荷拠点・営業拠点を有し、世界規模のリサイクル原料集荷体制を整えています。さらに、金属・リサイクル事業においては、リサイクル原料の増処理に向け、低品位のE-waste等を含む多様なリサイクル原料への対応力強化を目的に、JX金属製錬株式会社 佐賀関製錬所に前処理プロセスを中心とした設備投資を進めています。これらの設備投資を通じて、リサイクル原料の処理能力及び処理効率の向上を図るとともに、鉱石の酸化反応熱を活用し化石燃料使用量の抑制を図るグリーンハイブリッド製錬の高度化を推進しています。こうした施策を通じて、資源循環の促進及び金属資源の安定的な確保に貢献し、サーキュラーエコノミーの実現を目指していきます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営成績等の状況の概要当社グループを取り巻く環境当期における世界経済は、米国の関税政策や中東における紛争等の地政学的リスクの高まりが重石となり、全体としては緩やかな拡大にとどまりました。国際的な通商・投資環境においては、関税措置や輸出管理規制・投資規制の強化等が複合的に作用し、企業活動を取り巻く環境は従来以上に不確実性の高い状況となりました。こうした影響を受け、世界経済は成長率の下振れリスクが意識される局面が続きました。国内経済は、米国の関税政策を巡る不透明感が企業収益や輸出動向に影響を及ぼしたものの、所得環境の改善を背景に個人消費には持ち直しの動きがみられるなど、内需を中心に緩やかな回復基調となりました。円の対米ドル相場は、米国関税政策に伴う市場の不透明感等を背景に、期初には1米ドル当たり140円近辺まで円高が進行しました。その後は、米国経済の堅調な推移に加え、日本において実質的な金融緩和状態が継続したことなどから円安基調へと転じ、当期末には160円、期平均では前年同期比2円高の151円となりました。銅の国際価格(LME〔ロンドン金属取引所〕価格)は、期初は1ポンド当たり438セントから始まり、米国における銅への関税賦課を巡る懸念に加え、海外鉱山でのトラブル等による供給不安、さらには米国の利下げ観測等を背景とした投機資金の流入等を受け、概ね上昇基調で推移しました。2026年1月29日には当時の史上最高値となる1ポンド当たり628セントを記録しました。その後は高値圏での調整局面を経て、当期末には1ポンド当たり552セント、期平均では前年同期比66セント高の1ポンド当たり491セントとなりました。半導体市場は、旺盛なAI関連投資を背景に、データセンターにおけるAIサーバやネットワーク機器向け需要の拡大を受け、大きく成長しました。ネットワーク機器では、光通信領域の拡大もみられました。情報通信市場は、スマートフォンやパソコン・タブレットにおいて、Windows11への移行やAI機能搭載等に伴う更新需要を背景に、堅調に推移しました。これらを背景に、当社グループを取り巻く事業環境は、米国の関税政策や地政学的リスク等による不確実性が続く一方で、AI関連投資の力強い拡大に支えられる状況となりました。このような経営環境の中、当社の成長戦略のコアであるフォーカス事業の成長をさらに加速させる取組みや、ベース事業における資本効率を意識した事業の強靭化など、「JX金属グループ2040年長期ビジョン」(長期ビジョン)の実現に向けた各施策を推進しました。また、2026年3月26日には、半導体分野をはじめとする先端材料の新たな中核拠点としてひたちなか工場を開業しました。本工場では、AIデータセンター向けを中心とした先端ロジック半導体や先端メモリ半導体(HBM等)の需要拡大を見据え、半導体用スパッタリングターゲット等の供給力強化に加え、研究開発や新規事業の創出を通じて、先端半導体サプライチェーンにおける競争力の向上を図っていきます。 ① 財政状態及び経営成績の状況a. 経営成績当連結会計年度における当社グループの売上高は、円高に伴う減収要因はあるものの、半導体用スパッタリングターゲットや圧延銅箔等の主力製品の増販、銅価の上昇等を主因として、前期比23.7%増の8,846億円となりました。営業利益は、前期比625億円増の1,750億円となりました。金融収益と金融費用の純額59億円を差し引いた結果、税引前利益は、前期比616億円増の1,691億円となり、法人所得税費用403億円を差し引いた当期利益は、前期比474億円増の1,287億円となりました。なお、当期利益の内訳は、親会社の所有者に帰属する当期利益が1,046億円、非支配持分に帰属する当期利益が241億円となりました。セグメントごとの経営成績は次のとおりです。 (半導体材料セグメント)円高による減益要因はあるものの、AI関連需要の拡大は継続、データ生成量の増加に対応する大容量データ保存、データ通信高速化等のニーズが高まり、先端ロジック半導体やメモリ需要は高い水準で推移しました。これにより、半導体用スパッタリングターゲットをはじめとする主要製品の増販を主因に、前期比増益となりました。こうした状況のもと、半導体材料セグメントの当期における売上高は、前期比20%増の1,772億円となりました。営業利益は前期比128億円増益の395億円となりました。 (情報通信材料セグメント)円高及び2024年8月に実施したタツタ電線株式会社の連結子会社化に伴う負ののれん発生益の剥落等による減益要因はあるものの、スマートフォンの需要回復を受けた圧延銅箔の増販及びAIサーバ用途におけるチタン銅をはじめとする当社高機能銅合金の採用拡大により、前期比増益となりました。これに加えて、収益性向上、生産性改善等を目的に推進した収益構造改革も増益に寄与しています。こうした状況のもと、情報通信材料セグメントの当期における売上高は、前期比20%増の3,187億円となりました。営業利益は前期比64億円増益の315億円となりました。 (基礎材料セグメント)円高及び2024年7月に実施したSCM Minera Lumina Copper Chile(以下、「MLCC」という。)株式の一部譲渡による譲渡益の剥落及び持分法投資利益の一部剥落等による減益要因はあるものの、銅価等の上昇及びMLCCにおける繰延税金資産の計上による持分法投資利益の増益を主因に前期比増益となりました。また、金属・リサイクル事業においては、足許の銅精鉱買鉱条件が著しく悪化していることから、当社グループが運営する製錬所において減産措置を実施する方向で検討を進めています。こうした状況のもと、基礎材料セグメントの当期における売上高は、前期比33%増の4,079億円となりました。営業利益は前期比649億円増益の1,395億円となりました。 b. 財政状態① 資産 当連結会計年度末における資産合計は、営業債権及びその他の債権、棚卸資産、有形固定資産、持分法で会計処理されている投資の増加等により、前連結会計年度末比2,223億円増加の1兆5,053億円となりました。② 負債連結会計年度末における負債合計は、営業債務及びその他の債務、借入金、引当金の増加等により、前連結会計年度末比958億円増加の6,671億円となりました。有利子負債残高は、前連結会計年度末比230億円増加の3,243億円となり、また、手元資金等を控除したネット有利子負債は同150億円増加の2,579億円となりました。③ 資本連結会計年度末における資本合計は、配当金の支払いによる減少等があったものの、当期利益の計上等により、前連結会計年度末比1,265億円増加の8,383億円となりました。 なお、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末比0.3ポイント増加し48.3%、1株当たり親会社所有者帰属持分は前連結会計年度末比120.86円増加の784.44円、ネットD/Eレシオ(ネット・デット・エクイティ・レシオ)は前連結会計年度末比0.04ポイント改善し、0.36倍となりました。 ② キャッシュ・フローの状況現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ80億円増加し、663億円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、資金は1,075億円増加しました(前期は2,154億円の増加)。これは、営業債権及びその他の債権、棚卸資産の増加、法人所得税の支払等の資金減少要因があったものの、税引前利益の計上、配当金の受取、営業債務及びその他の債務の増加等の資金増加要因が上回ったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、資金は773億円減少しました(前期は221億円の減少)。これは、主に有形固定資産の取得等による資金減少が要因です (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、資金は249億円減少しました(前期は1,722億円の減少)。これは、主に配当金の支払等の資金減少が要因です。(2) 生産、受注及び販売の実績a.生産実績及び受注実績当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また連結会社間の取引が複雑で、報告セグメントごとの生産実績及び受注実績を正確に把握することは困難なため、当社の主要な品目等についてのみ「(1) 経営成績等の状況の概要」において、各報告セグメントの業績に関連付けて記載しています。 b.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称売上高(百万円)前年同期比(%)半導体材料177,195119.7情報通信材料318,744120.2基礎材料407,877133.1その他9,811110.7調整額△28,989213.5連結財務諸表計上額884,638123.7 (注) 1.セグメント間の取引については、各セグメントに含めて表示しています。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)パンパシフィック・カッパー㈱204,47928.6321,41136.3 (3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しています。連結財務諸表の作成に当たって、過去の実績や状況を踏まえ、合理的と考えられる様々な要因を考慮したうえで、見積り及び判断を行っていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「同 4.重要な会計上の見積り及び判断」をご参照ください。 ② 経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しています。 ③ 資本の財源及び資金の流動性について当社グループでは、運転資金及び設備投資等の資金需要に対して、自己資金や必要に応じ金融機関からの借入等で資金調達を行っています。また、子会社の資金調達については、グループ資金の効率性確保の観点から原則として当社が実施し、当社から当社グループ子会社に貸付けを実施いたします。当社グループでは、グループ資金を当社が集中して管理し、グループ全体としての資金の効率的な調達・運用を実現しています。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。 ⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。 ⑥ 経営者の問題意識と今後の方針経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
事業リスク
- 競争優位性喪失の可能性同社の主要事業である半導体材料や情報通信材料分野では、顧客ニーズへの対応不足、代替製品の登場、あるいは技術革新の遅れなどにより、現在の競争優位性を失うリスクがあります。新規製品開発に注力していますが、それが収益基盤となるまでには時間と経営資源が必要であり、その間に競争力を失うと業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
- 事業目標未達のリスク同社は中長期の事業戦略と目標を公表していますが、これは半導体市場の成長見通し、為替、金利、銅価格などの前提に基づいて策定されています。半導体市場の成長鈍化や急激な円高進行など、これらの前提が想定通りに進まない場合、事業目標の達成が困難となり、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 市場環境変動の影響半導体市場は中長期的には成長が見込まれるものの、世界経済の動向や最終製品の需要変動により、需給バランスが崩れて市場規模が急激に変動するリスクがあります。市場の縮小は生産過剰や在庫増加につながり、逆に需要の急増に対応できない場合は機会損失が生じる可能性があります。また、金属価格や為替の急激な変動も、原材料費や販売収益に影響を与え、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財務状況に重大な影響を与える可能性がある主要なリスクを以下に記載しています。当社グループでは、事業活動を取り巻く多様なリスクに対して的確な対応を図ることでJⅩ金属グループの経営を支えることを目的に、統合的にリスクを管理するERM(Enterprise Risk Management)を導入しています。特に当社グループにおける重要なリスクに関しては、当社の経営会議において議論・決定し、各リスク所管部署が実施しているリスク対応の状況をモニタリングしています。ERMを運用することで、2040年長期ビジョンの実現をより確実にすることを目指してまいります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。 1. フォーカス事業における競争優位性の喪失リスク当社では、特にフォーカス事業である半導体材料/情報通信材料セグメントにおいて、顧客との永続的な強い信頼関係を構築することで、顧客要望や最新の開発動向などをいち早く入手し、的確にそれに応え続けることで競争優位性を確保しています。また、そのために、研究開発と先端技術の知的財産権の権利化・第三者による権利侵害の防止、事業運営に必要な人材の採用・育成、複数購買をはじめとするサプライチェーンの強靭化、品質管理体制の強化及び供給責任を果たすための生産能力の拡大等に積極的に取り組んでいます。しかしながら、当社が顧客要望に十分に応えられないケースが続いた場合には、シェアの喪失や販売マージンの縮小、あるいは代替製品の登場や顧客ニーズの変化等の事業環境の変化によっては、競争優位性を失う可能性があります。現在の製品群が競争優位性を失った場合の対応として、注力領域を定め、新規製品・事業開発の取り組みを進めており、その実現に向けて、社内リソースは元より、当社グループ間の技術のコラボレーション、大学との共同研究及び外部企業とのパートナーシップ等、様々な外部リソースについても積極的に活用しています。しかしながら、新規製品・事業創出に向けた取り組みが、当社の収益基盤に成長するまでには、相応の時間と経営資源の投入が必要となります。そのため、新規製品・事業が創出できていない状況で、半導体材料/情報通信材料セグメントでの競争優位性を喪失した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 2. 中長期事業目標の未達リスク当社グループは、半導体材料・情報通信材料のグローバルリーダーとして、先端材料で社会の発展と革新に貢献することを目指すべく、2024年5月に中長期の事業戦略及び事業目標を公表いたしました。当該中長期の事業戦略及び事業目標は、半導体市場の成長を中心とする事業環境の見通し、為替動向、金利動向、銅価格の見通し等、策定時点における経済・事業環境の認識を中心とした様々な前提に基づいて策定したものであります。しかしながら、半導体をはじめとする先端材料関連市場の成長鈍化や急激な円高進行による外貨建て取引の収益減等、経済・事業環境認識の前提が想定どおりとならない可能性を常に抱えています。加えて、当社は、収益性及び資本効率の改善を目的として、構造改革を推進しています。当該施策においては運転資本の改善、設備投資の最適化、拡販・売価見直し及び全社での間接費を含むコストの最適化を進めており、その効果を当該事業目標の中に織込んでいます。施策の件数や各施策がもたらす財務指標の改善効果については実現可能性や進捗に応じて段階的に管理しています。また、事業環境の変化や経営判断により、中長期事業目標の策定時点では想定していなかった事業戦略を実施する可能性があり、その結果、当該事業目標の達成に影響を及ぼす可能性があります。このような前提及び施策が想定どおりに実現しない場合には、当該中長期の事業戦略及び事業目標の達成が困難となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3. 市場環境の変化に関するリスク(1) 半導体市場等の変動持続可能な社会の実現に向けて、IT、モビリティ、ヘルスケア、エネルギー、建築など様々な産業でデジタルデータの活用が進展し、各分野に用いられる先端材料のニーズがさらに拡大しています。なかでも半導体市場は、生成AIの急速な普及拡大やこれに伴うデータ通信需要の拡大等を背景に成長基調が継続する事業環境にあります。当社は、先端材料を通じた社会の発展に貢献することを目指し、半導体メーカーをはじめとする世界各国に存在する顧客に対して製品を製造・販売していますが、世界経済の動向や最終製品の需要増減等の要因により、成長の過程で需給バランスが崩れ市場規模が急激に変動することがあります。例えば、半導体市場が縮小した場合には、需給バランスの崩れから生産過剰や在庫増加等が発生する可能性があります。また一方では、設備投資の実行タイミングの遅れや、市場の成長規模の見誤りなどにより、需要の増加に対応できない場合には、製品の供給において顧客のニーズに応えることができず、機会損失が生じる可能性があります。かかる状況を想定し、当社では、市場動向や顧客の需要動向の調査・分析結果を基に、生産量・在庫量の適正化を図っています。また、製品ラインナップの多様化や生産体制の増強に向けて時機をとらえた柔軟な設備投資判断に努めています。しかしながら、将来において当社の想定を超える市場環境の著しい変化が起きた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 金属価格・為替等の変動当社グループでは、先端材料の製造・開発を成長戦略のコアとして位置づけ、そこに良質な原料を供給するため、資源開発から製錬・リサイクル事業を一貫して展開しています。製品の販売や原材料及び資材の購入は、その多くを米国ドルや現地通貨建てで行っています。そのため、金属価格や為替変動等のリスクにさらされており、先物ヘッジ取引の活用等によるリスク低減に努めています。しかしながら、金属価格及び為替等の急激かつ大幅な変動が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4. M&Aや事業提携に関するリスク当社は、事業の成長を加速させるうえで有効な手段となる場合や競争優位性に寄与する場合には、必要に応じてM&Aや事業提携(出資、合弁及びスタートアップ投資等を含む)を実施しています。これらの実施に当たっては、相手企業の財務状況や事業内容について可能な限り情報収集と分析を踏まえた事前審査を行っています。しかしながら、事前審査にも関わらず市場環境の将来的な著しい変化等により、事業を計画どおりに展開することができない場合には、投下資金の未回収等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5. 地政学リスク当社グループは世界の各地域に事業拠点を有しており、グローバルなネットワークを構築しています。資源事業においては南米チリのカセロネス鉱山をはじめ銅やレアメタル鉱山への出資、探鉱、開発を行っているほか、金属・リサイクル事業やタンタル・ニオブ事業においても、世界各国から原料を調達し、半導体材料や情報通信材料に不可欠な原料のサプライチェーン強化に向けた取り組みを進めています。また、当社グループではグループ内シンクタンクと連携し、オープンソースだけではなく各分野の専門家とのネットワーキングを駆使して情報を収集し、社内への提供に努めています。近年、将来における資源枯渇への危機意識や資源需給の不均衡に加え、資源国のロイヤルティ課税や高付加価値化政策の導入といった戦略物資化(いわゆる資源ナショナリズム)や紛争鉱物問題、需要国におけるリサイクル原料などの囲い込みの動きなどが進んでいます。このような動きがさらに進むと、原料の調達がより困難になる可能性があります。こうした原料調達リスクに加え、国際的な政治対立が深まり、当社製品のサプライチェーンが寸断された場合、事業継続に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの海外における事業活動が訴訟、紛争、その他の法的手続の対象になることがあります。当社はこのような訴訟における争点及び進捗について定期的にモニタリングを行っており、事業継続にあたって重大な支障をきたす恐れはないものと判断していますが、訴訟には不確実性が伴うことから、複数の訴訟において多額の和解金や損害賠償請求が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 6. 自然災害リスク近年の異常気象により自然災害は激甚化する傾向にあります。当社グループは、国内外に多数の事業拠点とグループ会社を有し、グローバルに事業活動を展開しています。地震、津波、洪水、大雪等の規模が極めて大きい自然災害が発生した場合、社会インフラや経済活動の停止によるサプライチェーンの寸断だけではなく、当社資産の甚大な被害により、長期にわたって、顧客への供給遅延や供給停止が発生し、収益を悪化させる可能性があります。また、従業員の被災により、人命に関わる事態となる可能性があります。このような事態に備え、当社グループでは、危機・緊急事態対応規則に基づき人的・物的被害の最小化及び早期復旧を図るための事業継続計画を策定し、定期的な各種訓練と、その結果に基づく改善を継続的に行っています。しかしながら、当社の想定を遥かに超える被災状況に陥り、早期復旧が困難な場合には、当社グループの事業継続に支障をきたす可能性があります。 7. 感染症流行リスク新型コロナウイルスの発生時には、JX金属グループ感染症対策基本規則及び感染症対応マニュアルを定め、政府・官公庁・地方自治体等の公的機関等、適切と考えうる国内外の情報を収集し、さらに、基本方針、実施する対策、出社方針・勤務体制の変更、感染した場合の行動等を適宜従業員に対して周知徹底いたしました。上記のとおり、感染症流行時には、適切な対応を実施し、当社グループの事業運営に大きな影響を発生させないよう努めています。しかしながら、将来において予期せぬ強毒性かつ感染力の高い新たなパンデミックが発生した場合には、拠点地域での人流の抑制や既存のサプライチェーンの寸断が発生する可能性があります。また、当社従業員が当該感染症にり患し、生産拠点での必要な人員を確保できない場合、当社グループの事業継続に支障をきたす可能性があります。 8. サステナビリティに関するリスク近年、ステークホルダーから企業に対して、脱炭素・循環型社会への貢献、生物多様性や水資源の保全、人権の尊重等、サステナビリティに関する各分野に対する取り組みが求められています。当社グループでは、長期ビジョンにおいて、持続可能な社会の実現に貢献することを打ち出し、経営方針として同分野の取り組みを重点課題に定め、その中でも特に優先的に取り組むべき7つのテーマをマテリアリティとして特定し、各種施策の推進・対応を積極的に進めています。しかしながら、将来においてステークホルダーからの要請の厳格化や諸外国の規制強化に対して、十分な対応が取れない場合、顧客との取引関係の解消、操業の縮小に追い込まれる等、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響が発生する可能性があります。また、当社グループのブランドに対する社会的信用の低下につながる可能性があります。 9. 人事リスク少子高齢化により国内労働人口が減少するなか、現役世代、特に10-30代の働き方への価値観は、急激に変化かつ多様化しています。また、海外で主流だったキャリア志向は、国内にて近年急速に広く定着したものと認識しています。当社では、優秀な人材の獲得及び定着に向けて、人事制度の見直しによる処遇改善により、雇用市場における競争力を高める取り組みや、自己申告に基づく柔軟な配置転換の実施及び多様な人材が活躍できる仕組み作り等により、事業環境の変化に対応できる組織風土を醸成する取り組みを進めています。しかしながら、当社が、将来的な労働市場の変化に十分に対応できない場合、従業員が当社で働く魅力は相対的に低下し、離職者が増加する可能性があります。また当社が求めるあらゆる人材の層において、新規採用者の確保が困難となることが想定されます。さらに、人員の不足が長期にわたり継続する場合には、事業運営に支障をきたし、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響が発生する可能性があります。 10. 労務リスク当社グループは、グローバルにビジネスを展開しており、国内外に多くの従業員を抱えていることから、各国の関連法令、ルール等の定めにしたがって、各種人事制度と内部通報制度を整備するとともに、役員・従業員向け教育を充実することで、コンプライアンス知識や意識の向上を図っています。しかしながら、それらの制度設計やその運用が、将来において関連法規の予期せぬ変更に追従できない場合、当局から課徴金の支払をはじめとする行政処分を受ける可能性があります。また、不適切な労働時間の管理による長時間労働や、モラルの欠如による各種ハラスメント行為、海外の労働慣習からの逸脱行為等が発生した場合、従業員の心身の健康が損なわれたり、人材の流出や訴訟に発展することにより、当社グループの財政状態に影響を及ぼすだけでなく、社会的信用の低下を招く可能性があります。 11. 内部統制に関するリスク当社グループは、業務の効率性と適正性を十分に確保するための内部統制システムを、取締役会の監督のもと、「内部統制システム整備・運用の基本方針」に基づき整備し運用するとともに、その状況についてモニタリングを実施しています。しかしながら、当社及びグループ各社において、取り組みの範囲を超える予期せぬ事態により、内部統制システムが有効に機能せず、法令・規則違反、巨額な損失リスクの顕在化(契約違反による損害賠償、役員・従業員等の不正の誘発などを含む)、ディスクロージャーの信頼性の毀損等に発展した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 12. 情報セキュリティリスクサイバー攻撃や誤操作、内部不正により、当社や取引先の情報資産が流出・毀損し、生産・事業運営の停止や、顧客・サプライチェーンへの深刻な影響が発生する可能性があります。当社グループでは、ISO/IEC27001に基づく情報セキュリティマネジメントシステムを導入し、その運用状況について情報セキュリティ委員会でレビューを実施するとともに、サプライチェーン全体における情報セキュリティの強化を推進しています。また、役員・従業員等の情報セキュリティ意識向上に向けて研修を実施することで、情報資産を確実に保護する体制を整備し継続的に改善しています。しかしながら、サイバー攻撃や産業スパイ等による機密情報を狙う手口は巧妙化しており、当社グループの取り組みの範囲を超える予期せぬ事態による情報流出事故等が発生した場合、行政処分による課徴金や刑事訴訟による罰金、民事訴訟による損害賠償金等を課せられ、当社グループの財政状態に影響を及ぼすだけでなく、社会的信用の低下を招く可能性があります。 13. 製品品質リスク当社グループは、国内外生産拠点において、国際品質マネジメント規格や各業界で求められる基準に従い、多様な製品の品質マネジメントを実施しています。また、独自に保有する品質技術や過去から蓄積する品質トラブルデータを活用し、製品の企画、設計、試作、製造の各段階での設計審査、内部監査、サプライヤーとの協力関係構築・品質監査・指導、工程管理等を通じて製品の信頼性や安全性を十分に確保するため、品質管理体制の構築を図っているほか、各拠点における検査自動化、人材育成を継続的に推進しています。しかしながら、当社グループの取り組みの範囲を超える予期せぬ事態により、品質上の不具合(規制物質含有を含む)や不正が発生した場合、回収コストや賠償費用が発生し、当社グループの財政状態に影響を及ぼすだけでなく、社会的信用の低下を招く可能性があります。 14. 環境問題に関するリスク当社グループの事業は、国内外で様々な環境関連法令の適用を受けており、それらの法令に基づき、環境保全活動を行っています。子会社であるグールド・エレクトロニクス社(米国法人、以下、「グールド社」という。)は、過去の事業において生産拠点を展開していた米国内の地域における環境問題に関連して、米国スーパーファンド法等の環境法令に基づき特定のサイトについて潜在的責任当事者として浄化作業を中心とする環境対策等に関する責任の対象とされています。同社の最終的な負担額は、地域指定の原因となった物質の量及び性質、他の潜在的責任当事者の総数及びその財政状態、対応工事の方法及び技術、環境法令の改正、物価の動向など多くの要因に左右され、相応に多額となる可能性があります。グールド社は、上記に関しては、合理的な見積りに基づき引当計上を行っていますが、上記要因により実際の負担額が引当額を上回り、結果として、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは長年の事業活動の結果、全国各地に休廃止鉱山を所有しています。鉱山保安法に基づき、それらの休廃止鉱山の坑廃水処理などの活動を実施していますが、関連法令の改正や自然災害等が発生した場合には、休廃止鉱山の管理に要する費用が変更となる可能性があります。上記負担額に関しては、合理的な見積りに基づき引当計上を行っていますが、上記要因により実際の負担額が引当額を上回る可能性があり、この場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響が生じる可能性があります。 15. 役員・大株主・関係会社等に関する重要事項等当連結会計年度末日現在、ENEOSホールディングス株式会社(以下、「ENEOSホールディングス」という。)が所有する当社株式の割合は、42.38%です。なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 36.後発事象」に記載の本株式交換により、本株式交換効力発生日(本年6月1日)後、ENEOSホールディングスが所有する当社株式の割合は、41.29%です。また、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 36.後発事象」に記載の自己株式の公開買付けにより、同社が所有する当社株式の割合は、35.28%となる予定です。当社グループとENEOSグループとの間には事業上の競合及び当社グループの経営において事前にENEOSホールディングスの承認を要する事項等はありませんが、当社は引き続き経営意思決定の透明性・公正性を確保すべく、取締役11名のうち独立社外取締役を5名選任しているほか、委員の過半数かつ議長を独立社外取締役で構成する指名・報酬諮問委員会において、当社取締役の選解任及び役員報酬に関連する重要事項について審議しています。なお、当社は、ENEOSホールディングスの監査等委員である取締役を務める塩田智夫氏を監査等委員である取締役として選任していますが、当該人事は、上場会社の監査等委員としての経験と実績や財務・会計に係る専門性に基づき、他の監査等委員とともに当社経営の職務の執行を監査・監督することを期待したもので、企業経営の健全性及び少数株主保護の観点からも支障がないとして、指名・報酬諮問委員会に諮問の上で決定しています。また、当社グループでは、健全な取引を実施し少数株主の利益に十分配慮すべく、ENEOSホールディングスを含む関連当事者との取引を行うに当たっては、関連当事者取引規則に基づき、各取引について合理性及び取引条件の妥当性が担保される場合に限り取引を実施することとしています。以上を踏まえれば、当社グループの事業運営の独立性は確保されていると判断しています。