5185

フコク(5185)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

ゴム製品 自動車・輸送機

事業の概要

  • 主要事業の多角化
    フコクグループは、機能品、防振、ライフサイエンス、金属加工、ホースの5つの主要事業を展開しています。これにより、特定の産業に依存することなく、多様な市場からの収益を確保し、事業ポートフォリオのリスク分散を図っています。各事業は国内外の複数の子会社を通じて製造・販売されており、グローバルな事業展開が特徴です。
  • グローバルな製造販売網
    機能品事業では、日本、韓国、タイ、インドネシア、インド、ベトナム、中国、アメリカ、メキシコに製造拠点を持ち、それぞれの地域で製品を製造・販売しています。防振事業も同様に、アジアを中心に複数の国で製造販売を行っており、地域ごとの需要に合わせた供給体制を構築しています。
  • 専門性の高い製品群
    機能品事業ではシール部品やワイパーブレードラバー、防振事業ではダンパーやマウント、ライフサイエンス事業ではバイオ関連製品など、それぞれ専門性の高い製品を製造販売しています。これにより、特定の技術やノウハウを活かした高付加価値製品を提供し、収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 機能品事業(Functional Parts)
    売上高404.55億円、営業利益49.99億円と、フコクグループの主要な収益源です。シール部品やワイパーブレードラバー、OA機器関連製品の製造販売を手掛けており、日本、韓国、タイ、インドネシア、インド、ベトナム、中国、アメリカ、メキシコに製造拠点を持ち、グローバルに展開しています。
  • 防振事業(Anti Vibration)
    売上高381.67億円、営業利益28.67億円と、機能品事業に次ぐ規模を誇ります。ダンパー、マウント、ウレタン製品の製造販売を行っており、自動車や産業機械の振動を抑える重要な役割を担っています。日本、韓国、タイ、インドネシア、インド、中国、アメリカに製造販売拠点を持ち、こちらも国際的に事業を展開しています。
  • 金属加工事業(Metalworking)
    売上高53.42億円、営業利益0.8億円で、トラックや建設機械用の金属部品を製造販売しています。末吉工業株式会社が製造販売を担っており、特定の産業機械分野に特化した事業を展開しています。他の主要事業と比較すると規模は小さいですが、専門性の高いニッチ市場で収益を上げています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
FunctionalParts 事業 405 50 12.4%
AntiVibration 事業 382 29 7.5%
LifeScience 事業 10 3 25.6%
Metalworking 事業 53 1 1.5%
Hose 事業 47 2 4.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,096 文字
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社フコク)及び連結子会社17社、持分法適用関連会社1社により構成されており、機能品事業、防振事業、ライフサイエンス事業、金属加工事業、ホース事業を主な事業として営んでおります。当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。次の5事業はセグメントの区分と同一であります。 機能品事業・・・・・・・・シール部品、ワイパーブレードラバー及びOA等の製品の製造販売であります。当社及び韓国フコク㈱、サイアムフコク㈱、㈱フコク東海ゴムインドネシア、フコクインディア㈱、フコクベトナム㈲、東莞フコク有限公司、フコクアメリカインク、フコクメキシコ㈱が製造しております。販売については、当社は国内及び海外の得意先に販売しており、韓国フコク㈱、サイアムフコク㈱、㈱フコク東海ゴムインドネシア、フコクインディア㈱、フコクベトナム㈲、東莞フコク有限公司、フコク(上海)貿易有限公司、フコクアメリカインク、フコクメキシコ㈱は主としてそれぞれの国内の得意先に販売しております。なお、FKCアメリカインクは製造販売に向け準備しております。防振事業・・・・・・・・・ダンパー、マウント及びウレタン等の製品の製造販売であります。当社及び韓国フコク㈱、タイフコク㈱、サイアムフコク㈱、タイフコクパナプラスファウンドリー㈱、㈱フコク東海ゴムインドネシア、フコクインディア㈱、上海フコク有限公司、東莞フコク有限公司、青島フコク有限公司、南京富国勃朗峰橡膠有限公司が製造しております。販売については、当社は国内及び海外の得意先に販売しており、韓国フコク㈱、タイフコク㈱、サイアムフコク㈱、タイフコクパナプラスファウンドリー㈱、㈱フコク東海ゴムインドネシア、フコクインディア㈱、上海フコク有限公司、東莞フコク有限公司、青島フコク有限公司、フコク(上海)貿易有限公司、フコクアメリカインク、南京富国勃朗峰橡膠有限公司は主としてそれぞれの国内の得意先に販売しております。なお、FKCアメリカインクは製造販売に向け準備しております。ライフサイエンス事業・・・バイオ関連製品の製造販売であります。当社及び東莞フコク有限公司が製造販売しております。金属加工事業・・・・・・・建設機械用金属部品等の製品の製造販売であります。末吉工業㈱が製造販売しております。ホース事業・・・・・・・・ホース等ゴム製品の製造販売であります。㈱東京ゴム製作所、サイアムフコク㈱、㈱トリムラバーが製造販売しております。 「事業系統図」以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
世界トップシェアのワイパーブレードラバーメーカーであり、技術支援戦略が実を結んでいるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
放熱ギャップフィラーの国際特許出願、ソフトロボティクス分野の国内特許出願など技術開発に注力。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:内部統制不備による業績・財務状況・社会的信用の影響 / コンプライアンス違反による信用低下や費用発生 / 災害・戦争・社会インフラ麻痺等による事業活動への影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

フコク(5185)の財務サマリデータが不足しており、ブランド力、特許、規制ライセンス、IPなどの無形資産に関する具体的な評価が困難です。公開情報からは、強力な無形資産の存在を示す明確な証拠は見当たりません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

ゴム製品という性質上、顧客が他のサプライヤーに切り替える際の直接的な金銭的損失は限定的と考えられます。しかし、長年の取引関係や特定の仕様への適合性から、一定のスイッチング・コストが存在する可能性はあります。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ゴム製品の製造・販売事業において、ネットワーク効果が働くビジネスモデルは一般的ではありません。フコクの事業内容からも、ユーザー数の増加が製品価値を向上させるようなネットワーク効果は想定されません。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

ゴム製品業界は一般的に価格競争が激しく、原材料費や製造コストの管理が重要です。フコクが長年事業を継続していることから、一定のコスト管理能力や効率的な生産体制を有している可能性はありますが、圧倒的なコスト優位性を示すデータはありません。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

ゴム製品業界は多岐にわたる製品群が存在し、フコクがどのセグメントで事業を展開しているかによって規模の経済性は異なります。特定のニッチ市場で一定のシェアを確保している可能性はありますが、業界全体を代表するような規模の経済性を持つかは不明です。

  • グローバルな生産・販売体制
    フコクグループは、機能品事業や防振事業において、日本だけでなく韓国、タイ、インドネシア、インド、ベトナム、中国、アメリカ、メキシコなど世界各地に製造・販売拠点を展開しています。これにより、各地域の市場ニーズに迅速に対応し、効率的なサプライチェーンを構築することで、競争優位性を確立していると考えられます。
  • 多様な事業ポートフォリオ
    機能品、防振、ライフサイエンス、金属加工、ホースといった多岐にわたる事業を展開している点が強みです。特定の事業や産業の景気変動リスクを分散し、安定した経営基盤を築いています。特に自動車関連部品が売上の8割以上を占めるものの、ライフサイエンスのような成長分野も取り入れることで、将来的な収益源の多様化を図っています。
  • 長年の技術とノウハウの蓄積
    シール部品やワイパーブレードラバー、ダンパー、マウントといった製品は、長年の研究開発と製造経験によって培われた独自の技術とノウハウが不可欠です。これらの専門性の高い製品群は、新規参入企業が容易に模倣できない技術的障壁となり、フコクグループの競争力を支えていると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針と経営戦略 当社グループは、「Yes, We Do!」の創業の精神の下、お客様の要望に真摯に向き合い、創業以来のモノづくりで培った設計・試作・評価・量産のノウハウを集結させ、常に新しい価値創造に挑戦し続ける企業として、持続的な成長を遂げてまいりました。 現在、自動車産業は電動化や自動運転などの次世代技術への移行が進みつつあり、既存のビジネスモデルを超越した価値の創造が求められています。 当社グループは、これらの大きな変化をチャンスと捉え、より高い経営目標を達成するため、2023年6月に「新中期経営計画2026」(最終年度2027年3月期)を策定・公表いたしました。 計画達成に向けた取り組みを全社一丸となって進めているほか、中長期的視点においては、独自のコア技術で高付加価値製品やソリューションを提供し続けることで飛躍的に成長するとともに、サステナブルな社会の実現に貢献できる“心から愛される企業”を目指してまいります。 (2) 中期経営計画 当社は、「新中期経営計画2026」を2023年6月に公表しております。 この「新中期経営計画2026」は、「中期経営計画(2021年度-2023年度)」にて培ってきた「体質改善(生産工程合理化・不良削減・間接業務効率化)」をさらに推し進めるとともに、「既存事業の強化」と「成長事業・新事業の拡大」の事業戦略の両輪に加え、「ESGの各観点を重視した経営基盤の改革」を通じて、収益力の最大化を狙うことを戦略スキームとして、2026年3月期は以下の取り組みを進めてまいりました。<「新中期経営計画 2026」戦略スキーム> ①「既存事業の強化」ⅰ)ソリューションビジネスによる拡販・当社の主力製品であるワイパーブレードラバーにおいては、顧客要求(高払拭性能・迅速性)に応えるため、ラバーの形状だけでなく、ラバーの最適な動きを科学し、その動きに影響を与えるワイパーシステム側構成部品の設計仕様に対しても提案可能な体制を、中国でのR&D強化や日本での実験施設の拡充などを通じて構築しております。・こうしたソリューションビジネスを通じて、ワイパーシステムの開発期間が大幅に短縮したほか、中国ローカルメーカーへの拡販が進んでおります。結果、中国国内シェアが大きく拡大したほか、中資系ワイパーシステムメーカーと協働した欧州系メーカーへの拡販も進んだことで、ワイパーブレードラバーの世界シェアは2024年度の50%から58%へ増加しております。 今後も、顧客要求にスピーディにお応えできる体制を強化することで、ワイパー事業の拡大、及び、グローバルシェアの拡大につなげてまいります。 ⅱ)強い成長地域への拡販・強い成長地域の一つと見込んでいるインドにおいては、現地シェアの約半分を占める日系メーカーへの拡販を進めるほか、韓国系メーカーとのダンパー取引を開始しました。またインド系メーカーへのワイパー拡販とともに、自動車以外の分野である建機・農機、鉄道、バッテリー製品への開拓も進めることで、事業拡大を進めてまいります。・またインドネシアにおきましても、防振事業の鉄道製品について、インドネシア国営鉄道(INKA)より受注を獲得いたしました。お客様から信頼いただいている技術力・対応力を活かして、強い成長地域における拡販を続けてまいります。 ② 「成長事業・新事業の拡大」ⅰ)CASE市場への拡大・EV車への転換については地域的に停滞も見られますが、将来的な電動化の拡大を見据えて、多様なお客様のニーズに応えるべく、「バッテリーホールドシート」や「放熱ギャップフィラー」の製品ラインアップを拡充していきます。また、AIの普及・拡大でデータセンター等の熱の問題もクローズアップされており、各種の熱マネ課題へも貢献してまいります。 ⅱ)ライフサイエンス製品の拡大・バイオ製品では、技術的強みを活かしたソリューション提案に注力しています。細胞別培地、用途別バッグの開発力を強化しており、2026年3月に新製品「活性化NK細胞大量培養キット」を発売いたしました。事業規模拡大に向け、世界最大市場である中国での現地生産化を進めているほか、アカデミアとの共同研究も継続し技術力の強化を図ってまいります。・細菌検査分野では、2026年2月に「RaST-TAS腸内細菌目細菌用試薬チップ(研究用試薬)」発売し、薬剤耐性菌検査チップの拡販も進めております。さらなる拡販に向けて、今後保険適用を取得し、売上拡大・医療現場への本格展開を目指してまいります。 ③ 「ESGを主体とした経営基盤の改革」ⅰ)環境への取組み(E)・当社は環境負荷低減・脱炭素社会を実現するために「フコク環境目標」を設定し、この目標を達成するための重点取組事項に沿って、製造工程廃棄物の削減とCO2の削減に向けて活動しております。また、TCFD提言に賛同し、TCFDが推奨するシナリオ分析によって、気候変動が企業にもたらすリスクと機会を把握し、その影響に対する戦略策定を行っています。また、2026年2月には、国際環境非営利団体CDPの実施した気候変動分野の質問書において、昨年に引き続き「B」スコアを獲得いたしました。・これらの環境への取り組み内容の詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 気候変動への取組み」をご参照ください。 ⅱ)社会への取組み(S)・ダイバーシティ&インクルージョンへの対応や働き甲斐のある環境づくりに積極的に取組んでおります。・人的資本に関する取り組み内容の詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」をご参照ください。 ⅲ)ガバナンスへの取組み(G)・コーポレート・ガバナンスやコンプライアンスの強化に取組むとともに、従来の発想から抜け出し、価値創造に貢献する組織風土の醸成を推進しております。・創業70周年を節目として、これまでの企業理念を刷新し、2023年に制定されたMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の社内推進活動を行っております。・2024年11月に発覚した当社連結子会社元従業員の不正な経理処理による資金の着服行為の発生を受け、当該子会社の管理体制の立て直し及び当社の当該子会社を含むグループ会社に対する内部統制の改善・強化を目的とした再発防止策を策定・推進してまいりましたが、当連結会計年度末において、当社の財務報告に係る内部統制は有効であると判断いたしました。引き続きガバナンス向上のための活動を推進しています。 尚、「新中期経営計画2026」の数値目標は、2026年5月15日公表の『中期経営計画最終年度の業績目標「取り下げ」に関するお知らせ』に記載の通り一旦取り下げ、2027年3月期の通期連結業績予想値に置き換えております。2027年3月期は、「持続的成長のための強固な事業基盤構築」を最優先課題と位置づけ、経営が強くコミットし変革に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針と経営戦略 当社グループは、「Yes, We Do!」の創業の精神の下、お客様の要望に真摯に向き合い、創業以来のモノづくりで培った設計・試作・評価・量産のノウハウを集結させ、常に新しい価値創造に挑戦し続ける企業として、持続的な成長を遂げてまいりました。 現在、自動車産業は電動化や自動運転などの次世代技術への移行が進みつつあり、既存のビジネスモデルを超越した価値の創造が求められています。 当社グループは、これらの大きな変化をチャンスと捉え、より高い経営目標を達成するため、2023年6月に「新中期経営計画2026」(最終年度2027年3月期)を策定・公表いたしました。 計画達成に向けた取り組みを全社一丸となって進めているほか、中長期的視点においては、独自のコア技術で高付加価値製品やソリューションを提供し続けることで飛躍的に成長するとともに、サステナブルな社会の実現に貢献できる“心から愛される企業”を目指してまいります。 (2) 中期経営計画 当社は、「新中期経営計画2026」を2023年6月に公表しております。 この「新中期経営計画2026」は、「中期経営計画(2021年度-2023年度)」にて培ってきた「体質改善(生産工程合理化・不良削減・間接業務効率化)」をさらに推し進めるとともに、「既存事業の強化」と「成長事業・新事業の拡大」の事業戦略の両輪に加え、「ESGの各観点を重視した経営基盤の改革」を通じて、収益力の最大化を狙うことを戦略スキームとして、2026年3月期は以下の取り組みを進めてまいりました。<「新中期経営計画 2026」戦略スキーム> ①「既存事業の強化」ⅰ)ソリューションビジネスによる拡販・当社の主力製品であるワイパーブレードラバーにおいては、顧客要求(高払拭性能・迅速性)に応えるため、ラバーの形状だけでなく、ラバーの最適な動きを科学し、その動きに影響を与えるワイパーシステム側構成部品の設計仕様に対しても提案可能な体制を、中国でのR&D強化や日本での実験施設の拡充などを通じて構築しております。・こうしたソリューションビジネスを通じて、ワイパーシステムの開発期間が大幅に短縮したほか、中国ローカルメーカーへの拡販が進んでおります。結果、中国国内シェアが大きく拡大したほか、中資系ワイパーシステムメーカーと協働した欧州系メーカーへの拡販も進んだことで、ワイパーブレードラバーの世界シェアは2024年度の50%から58%へ増加しております。 今後も、顧客要求にスピーディにお応えできる体制を強化することで、ワイパー事業の拡大、及び、グローバルシェアの拡大につなげてまいります。 ⅱ)強い成長地域への拡販・強い成長地域の一つと見込んでいるインドにおいては、現地シェアの約半分を占める日系メーカーへの拡販を進めるほか、韓国系メーカーとのダンパー取引を開始しました。またインド系メーカーへのワイパー拡販とともに、自動車以外の分野である建機・農機、鉄道、バッテリー製品への開拓も進めることで、事業拡大を進めてまいります。・またインドネシアにおきましても、防振事業の鉄道製品について、インドネシア国営鉄道(INKA)より受注を獲得いたしました。お客様から信頼いただいている技術力・対応力を活かして、強い成長地域における拡販を続けてまいります。 ② 「成長事業・新事業の拡大」ⅰ)CASE市場への拡大・EV車への転換については地域的に停滞も見られますが、将来的な電動化の拡大を見据えて、多様なお客様のニーズに応えるべく、「バッテリーホールドシート」や「放熱ギャップフィラー」の製品ラインアップを拡充していきます。また、AIの普及・拡大でデータセンター等の熱の問題もクローズアップされており、各種の熱マネ課題へも貢献してまいります。 ⅱ)ライフサイエンス製品の拡大・バイオ製品では、技術的強みを活かしたソリューション提案に注力しています。細胞別培地、用途別バッグの開発力を強化しており、2026年3月に新製品「活性化NK細胞大量培養キット」を発売いたしました。事業規模拡大に向け、世界最大市場である中国での現地生産化を進めているほか、アカデミアとの共同研究も継続し技術力の強化を図ってまいります。・細菌検査分野では、2026年2月に「RaST-TAS腸内細菌目細菌用試薬チップ(研究用試薬)」発売し、薬剤耐性菌検査チップの拡販も進めております。さらなる拡販に向けて、今後保険適用を取得し、売上拡大・医療現場への本格展開を目指してまいります。 ③ 「ESGを主体とした経営基盤の改革」ⅰ)環境への取組み(E)・当社は環境負荷低減・脱炭素社会を実現するために「フコク環境目標」を設定し、この目標を達成するための重点取組事項に沿って、製造工程廃棄物の削減とCO2の削減に向けて活動しております。また、TCFD提言に賛同し、TCFDが推奨するシナリオ分析によって、気候変動が企業にもたらすリスクと機会を把握し、その影響に対する戦略策定を行っています。また、2026年2月には、国際環境非営利団体CDPの実施した気候変動分野の質問書において、昨年に引き続き「B」スコアを獲得いたしました。・これらの環境への取り組み内容の詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 気候変動への取組み」をご参照ください。 ⅱ)社会への取組み(S)・ダイバーシティ&インクルージョンへの対応や働き甲斐のある環境づくりに積極的に取組んでおります。・人的資本に関する取り組み内容の詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」をご参照ください。 ⅲ)ガバナンスへの取組み(G)・コーポレート・ガバナンスやコンプライアンスの強化に取組むとともに、従来の発想から抜け出し、価値創造に貢献する組織風土の醸成を推進しております。・創業70周年を節目として、これまでの企業理念を刷新し、2023年に制定されたMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の社内推進活動を行っております。・2024年11月に発覚した当社連結子会社元従業員の不正な経理処理による資金の着服行為の発生を受け、当該子会社の管理体制の立て直し及び当社の当該子会社を含むグループ会社に対する内部統制の改善・強化を目的とした再発防止策を策定・推進してまいりましたが、当連結会計年度末において、当社の財務報告に係る内部統制は有効であると判断いたしました。引き続きガバナンス向上のための活動を推進しています。 尚、「新中期経営計画2026」の数値目標は、2026年5月15日公表の『中期経営計画最終年度の業績目標「取り下げ」に関するお知らせ』に記載の通り一旦取り下げ、2027年3月期の通期連結業績予想値に置き換えております。2027年3月期は、「持続的成長のための強固な事業基盤構築」を最優先課題と位置づけ、経営が強くコミットし変革に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における我が国の経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、景気の先行きについては、米国の通商政策の動向や物価上昇の継続による景気の下振れリスクに加え、中東情勢の緊迫化・不安定化に伴う地政学リスクの高まりやエネルギー・原材料価格の変動に注視する必要が出てくるなど、先行きの不透明感が一段と高まっております。自動車業界においては、生産台数は中国では増加基調で推移し、日本においても底堅く推移した一方、東南アジアの一部地域では伸び悩みの動きが見られるなど、地域ごとの動向に差が生じました。また、電気自動車の需要においては、中長期的には普及が進むことが想定されるものの、足元では政策変更等の影響を受けて調整局面を迎えていることなどから、今後の市場動向についても慎重に見極めていく必要があるものと考えております。当連結会計年度の業績については、連結売上高は、機能品事業、ライフサイエンス事業、ホース事業の売上高が堅調に推移したことで、前年同期比0.4%増の900億25百万円となりました。営業利益は、売上高がほぼ前年並みで推移する中、生産性の向上や合理化、売価反映等の取り組みを進めた一方、原材料費や労務費等の上昇分を吸収出来なかったことに加え、2024年11月に発覚した当社連結子会社における不正行為に係る一過性の売上原価の戻し(2024年度に4億23百万円を計上)の反動があったことから、前年同期比19.4%減の38億6百万円となりました。経常利益は、資本効率の向上を目的とした政策保有株式の一部売却による有価証券売却益の計上や為替差益の発生、また、上記の不正行為に係る一過性の費用(同じく2024年度に貸倒引当金繰入額及び特別調査費用計6億37百万円を計上)の反動等があったものの、営業利益の落ち込みを挽回することができず、前年同期比15.4%減の38億64百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、「防振事業」セグメントにおいて、当社の固定資産の減損損失を9億18百万円計上したことから、前年同期比61.0%減の11億44百万円となりました。 セグメントの経営成績は次のとおりです。 機能品事業売上高は、当社が拡販に注力している放熱ギャップフィラー及び中国ローカルワイパーメーカー向け受注等が堅調に推移したことから、前年同期比3.7%増の426億89百万円となりました。セグメント利益は、売上高の増加に加え、生産性の向上や合理化、売価反映等の取り組みを進めたものの、原材料費や労務費等の上昇分を吸収出来ず、前年同期比7.2%減の46億40百万円となりました。 防振事業売上高は、国内外含めた受注が総じて伸び悩んだことから、前年同期比0.8%減の378億57百万円となりました。セグメント利益は、売上高が伸び悩む中で、生産性の向上や合理化、売価反映等の取り組みを進めたものの、金具鋼材費や労務費等の上昇分を吸収出来なかったことに加え、上記の不正行為に係る一過性の売上原価の戻し(2024年度に4億23百万円を計上)の反動があったことで、前年同期比6.0%減の26億94百万円となりました。 ライフサイエンス事業売上高は、バイオ関連製品の受注が堅調に推移したことから、前年同期比6.2%増の10億41百万円となりました。セグメント利益は、主に売上高の増加が寄与し、前年同期比2.5%増の2億57百万円となりました。 金属加工事業売上高は、採算性向上に向けた事業の選択と集中を進めたことから、前年同期比25.8%減の39億61百万円となりました。セグメント損益は、非採算部品撤退による採算性向上を進めているものの、原材料費や労務費の比率上昇分を吸収出来ず、2億1百万円の損失となりました(前年同期は80百万円の利益)。 ホース事業売上高は、商用車向けの受注が堅調に推移したことから、前年同期比10.4%増の52億80百万円となりました。セグメント利益は、売上高の増加に加え、原材料費や労務費等の上昇を自動化による生産性の向上や合理化、売価反映等により吸収したことで、前年同期比104.6%増の4億20百万円となりました。 財政状態の状況は次のとおりです。 総資産は、前連結会計年度末に比べて22億83百万円増加し、816億86百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加等による流動資産の増加24億45百万円によるものです。負債は、前連結会計年度末に比べて44億15百万円増加し、378億81百万円となりました。主な要因は、借入金の増加等による固定負債の増加38億63百万円によるものです。純資産は、前連結会計年度末に比べて21億31百万円減少し、438億5百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の減少23億56百万円、為替換算調整勘定の増加7億33百万円等によるものです。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ19億58百万円増加し、139億40百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は80億44百万円(前年同期は66億31百万円)となりました。これは主に減価償却費52億22百万円、税金等調整前当期純利益29億46百万円等による資金の増加と、仕入債務の減少7億36百万円等の資金の減少によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は53億84百万円(前年同期は58億35百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得が52億27百万円あったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は8億14百万円(前年同期は6億40百万円)となりました。これは主に自己株式の取得が31億63百万円、配当金の支払が12億89百万円あったことによる資金の減少と、借入による収入が借入金の返済を37億79百万円上回ったことによる資金の増加によるものです。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年同期比(%)機能品(百万円)41,796102.0防振(百万円)38,207100.4ライフサイエンス(百万円)1,059107.1金属加工(百万円)3,96774.5ホース(百万円)5,250112.0合計(百万円)90,280100.3 (注) 金額は販売価格によっております。 b. 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)機能品42,292105.73,662110.5防振37,895100.43,106102.6ライフサイエンス1,067111.591140.1金属加工3,83871.932772.7ホース5,317112.2482112.9合計90,412101.87,670105.3 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年同期比(%)機能品(百万円)41,944103.7防振(百万円)37,81599.1ライフサイエンス(百万円)1,041106.2金属加工(百万円)3,96174.2ホース(百万円)5,262111.7合計(百万円)90,025100.4 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。固定資産の減損固定資産のうち減損の兆候のある資産又は資産グループについて、将来キャッシュ・フロー及び経済的残存使用年数到来後の不動産の正味売却価額を見積り、将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a. 財政状態の分析 資産当連結会計年度末の総資産は、前年同期比22億83百万円(2.9%)増の816億86百万円となりました。うち流動資産は同24億45百万円(5.4%)増の480億43百万円、固定資産は同1億61百万円(0.5%)減の336億43百万円となっております。流動資産の増加は、売上増加と借入金増加に伴う現金及び預金の増加等によるものです。固定資産の減少は、僅少であります。 負債当連結会計年度末の負債の合計は、前年同期比44億15百万円(13.2%)増の378億81百万円となりました。うち流動負債は同5億51百万円(2.3%)増の247億91百万円、固定負債は同38億63百万円(41.9%)増の130億90百万円となっております。負債の増加は、借入金の増加等によるものです。 純資産当連結会計年度末における純資産は、前年同期比21億31百万円(4.6%)減の438億5百万円となりました。その主な要因は、自己株式の消却による利益剰余金の減少と自己株式の増加による純資産の減少及び為替換算調整勘定の増加によるものです。為替換算調整勘定は主としてタイバーツ及び中国元の為替変動の影響により前連結会計年度末の66億40百万円から73億74百万円に増加しました。非支配株主持分は、非支配株主に帰属する当期純利益2億96百万円の計上により、前年同期比2億73百万円(10.3%)増の29億35百万円となりました。上記の結果、自己資本比率は前年同期比4.5ポイント減の50.0%、1株当たり純資産は前年同期比188.99円増の2,873.63円となりました。 b. 経営成績の分析当連結会計年度は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、景気の先行きについては、米国の通商政策の動向や物価上昇の継続による景気の下振れリスクに加え、中東情勢の緊迫化・不安定化に伴う地政学リスクの高まりやエネルギー・原材料価格の変動に注視する必要が出てくるなど、先行きの不透明感が一段と高まっております。自動車業界においては、生産台数は中国では増加基調で推移し、日本においても底堅く推移した一方、東南アジアの一部地域では伸び悩みの動きが見られるなど、地域ごとの動向に差が生じました。また、電気自動車の需要においては、中長期的には普及が進むことが想定されるものの、足元では政策変更等の影響を受けて調整局面を迎えていることなどから、今後の市場動向についても慎重に見極めていく必要があるものと考えております。このような経済情勢の下で、連結売上高は、機能品事業、ライフサイエンス事業、ホース事業の売上高が堅調に推移したことで、前年同期比0.4%増の900億25百万円となりました。営業利益は、売上高がほぼ前年並みで推移する中、生産性の向上や合理化、売価反映等の取り組みを進めた一方、原材料費や労務費等の上昇分を吸収出来なかったことに加え、2024年11月に発覚した当社連結子会社における不正行為に係る一過性の売上原価の戻し(2024年度に4億23百万円を計上)の反動があったことから、前年同期比19.4%減の38億6百万円となりました。経常利益は、資本効率の向上を目的とした政策保有株式の一部売却による有価証券売却益の計上や為替差益の発生、また、上記の不正行為に係る一過性の費用(同じく2024年度に貸倒引当金繰入額及び特別調査費用計6億37百万円を計上)の反動等があったものの、営業利益の落ち込みを挽回することができず、前年同期比15.4%減の38億64百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、「防振事業」セグメントにおいて、当社の固定資産の減損損失を9億18百万円計上したことから、前年同期比61.0%減の11億44百万円となりました。なお、セグメント別の業績分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。 c. キャッシュ・フローの分析当社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比14億12百万円増の80億44百万円の収入となりました。前年同期が金融機関の休日影響等で仕入債務のキャッシュ・フローが減少していたことが主な要因となります。なお法人税等の支払額は13億88百万円(前年同期は12億74百万円)となっております。投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比4億50百万円減の53億84百万円の支出となりました。設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出の減少が主な要因となります。財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比1億73百万円増の8億14百万円の支出となりました。配当金の支払いが主な要因となります。またその他の変動として、借入金の収入が返済を上回ったことによる収入が前年同期は6億11百万円、当連結会計年度は37億79百万円となり、当連結会計年度の自己株式の取得による支出が31億63百万円となります。現金及び現金同等物に係る換算差額は、主にタイバーツ及び中国元の為替変動の影響により1億13百万円となりました。この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて19億58百万円増加し、139億40百万円となりました。 d. 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、設備投資並びに配当金の支払いであります。これらの資金需要につきましては、自己資金及び金融機関からの借入による資金調達にて対応していくことを基本方針としております。また、突発的な資金需要に備え、当社は主要な取引銀行との間でコミットメントライン契約を締結し、手許流動性リスクに備えております。なお、これについて当連結会計年度末の借入実行残高はありません。当連結会計年度末における有利子負債は166億75百万円となっており、前連結会計年度末に比べ40億12百万円増加しております。キャッシュ・フローの状況の詳細については、「c.キャッシュ・フローの分析」に記載のとおりであります。 e. 戦略的現状と見通し雇用・所得環境の改善や各種政策の効果を背景に、景気の回復は続く一方、米国の通商政策の動向や物価上昇の継続による景気の下振れリスク、中東情勢の緊迫化・不安定化に伴う地政学リスクの高まりや、エネルギー・原材料価格の変動によるサプライチェーンへの負の影響を注視する必要が出てくるなど、先行きの不透明感が一段と高まっております。自動車業界においては、地域差はあるものの生産台数の回復基調が底堅く続くものと見ておりますが、BEVを含む電気自動車化の動向については、中長期的には普及が進むことが想定されるものの、調整局面を迎えていることから、今後の市場動向についても慎重に見極める必要があります。このような状況下、当社グループは「持続的成長のための強固な事業基盤構築」を最優先課題と位置づけ、経営が強くコミットし変革に取り組んでまいります。具体的には、以下4つの取組を実行します。・「稼ぐ力の更なる向上」…赤字・不採算製品の削減、原価低減を進めます。・「市場戦略強化」…当社の製品・市場の強みが活かせる市場への取組を強化します。・「モノづくり力強化」…開発・生産・製造プロセスを改革し、将来型工法を実現します。・「M&Aも活用した新規事業の立ち上げ」…バッテリー周辺の電動化関連新製品やソフトマテリアル事業などの新しい事業の創出に、M&Aの活用も視野に入れて取り組みます。2026年度の変革への取組みを踏まえ、2027年度を初年度とする次期中期経営計画では、稼ぐ力の強化を軸に収益性・資本効率を高め、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。また長期的には、当社独自のコア技術で高付加価値商品やソリューションを提供することで、サステナブルな社会の実現に貢献できる“心から愛される企業”を目指してまいります。

事業リスク

  • 内部統制の不備
    連結子会社で不正な経理処理による資金着服が発生しており、内部統制の改善・強化が急務です。今後、予期せぬ重大な不備や不正が発生した場合、業績や財務状況だけでなく、企業の社会的信用に大きな影響を与える可能性があります。投資家は企業の信頼性低下や損失発生のリスクを考慮する必要があります。
  • 自動車産業への高い依存度
    売上高の8割以上を自動車関連部品が占めているため、自動車メーカーの経営戦略、生産動向、特にEV化の進展やグローバル生産体制の見直しが、フコクグループの需要に大きな影響を及ぼす可能性があります。自動車市場の変動は、直接的にフコクグループの業績と財務状況に影響を与えるリスクがあります。
  • 災害・戦争・社会インフラ麻痺
    国内外に広く事業を展開しているため、地震、津波、戦争、電力不足、パンデミックなどの発生は、原材料や部品の調達、生産活動、製品の販売、物流に遅延や停滞を引き起こす可能性があります。これにより、受注減少や取引停止が発生し、業績と財務状況に悪影響を及ぼすリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,245 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。 (内部統制不備)当社グループは、法令、定款を遵守し、創業の精神やMission・Vision・Valueの実践を通じて、当社及び当社子会社の着実な経営基盤の強化と文化・風土改革を推進しております。しかしながら、事業活動を行う上で、内部統制上の重大な不備・不正・誤謬等が発生した場合には、当社グループの業績や財務状況、また社会的な信用に大きな影響を与える可能性があります。これに対し、フコクグループ社員行動指針やコンプライアンスガイドブック、フコクグループ国内外子会社用マネジメントブック、各種規程の整備により当社及び当社子会社の損失の危険及びその他事業運営全般に関して詳細を定めているほか、管理部門が定期的にヒアリングを行うなど、管理体制の強化を図っております。尚、2024年11月に発覚した当社連結子会社元従業員の不正な経理処理による資金の着服行為の発生を受け、当該子会社の管理体制の立て直し及び当該子会社を含むグループ会社に対する内部統制の改善・是正措置を図ってまいりましたが、当連結会計年度末において、開示すべき重要な不備は是正され、当社の財務報告に係る内部統制は有効であると判断いたしました。 (コンプライアンス)当社グループは、人権遵守、コンプライアンス遵守の経営を進めております。しかしながら、事業活動を行う上で、法令に抵触する等の事態が発生した場合は、当社グループの信用低下や損害等による費用の発生等により、当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。これに対し、当社グループとしてはこのような事態が発生しないよう、当社グループのミッション、ビジョン、バリューの浸透、組織風土改革、コンプライアンス啓発活動によるコンプライアンス意識及び知識の向上、違反の予防の徹底等に取り組んでおります。 (災害・戦争・社会インフラ麻痺等の影響)当社グループは国内外に広く事業を展開しており、地震や津波等の自然災害、戦争、電力不足等の社会インフラの麻痺、伝染病、パンデミック、テロ、ストライキ等が発生した地域においては、原材料や部品の調達、生産活動、製品の販売及び物流などの遅延や停滞、また、受注減少や取引停止の可能性があります。そのような場合には、当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。これに対し、大規模な自然災害を想定した災害発生時において、最大限事業活動を継続し、製品の安定的な供給が図れることを目的とした事業継続計画(BCP)を策定しているほか、これらを含む有事の際には必要に応じ危機対策組織を立ち上げることで、「安全最優先」の基本方針に則って従業員の安全・安心を守ると同時に、当社グループ内の連携と相互支援を強めるなど、経営への影響を最小限に留めるよう努めております。 (情報セキュリティ)当社グループは、事業活動を通して得意先、取引先等の個人情報や機密情報を入手することがあり、また営業上・技術上の機密情報を保有しております。万一、サイバー攻撃その他によって情報セキュリティの仕組みが無効化し、これらの情報が流出または破壊された場合や、システムの停止等に陥った場合には、当社グループの業績や財務状況が影響を被る可能性があります。これに対し、万全のセキュリティを企図したグループ・ネットワークを構築し、日々の進化を図るとともに、当社グループ内の情報セキュリティ教育・啓蒙にも努めております。 (製造物責任)大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、当社グループの業績と財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。これに対し、設計から製品のリリースまでの全プロセスにおいて顧客や取引先との密なる連携に基づく工程並びに機能、品質の作りこみを常に心掛けております。また、万一の事態においては迅速なリカバリーと供給体制の維持に努めます。 (原材料及び部品の外部業者への依存) 当社グループは多数の外部の取引先から原材料及び部品を購入しており、原材料及び部品の高騰、供給逼迫、さらには取引先の廃業などによって影響を被る可能性があります。これに対し、取引先との良好な関係を維持しつつ、製造原価の低減に資する選択的購入や切り替え、災害等の不測の事態における安定調達を目的として、継続的に取引先の拡充や適正化を進めると同時に、取引先の経営状況の把握や必要な支援の提供等にも努めております。 (為替変動)当社グループは海外に多くの取引先や提携先を持ち、事業所を展開しておりますため、為替レートの変動によって当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。これに対し、継続的に変動を注視するとともに、必要に応じてネッティングや予約等の施策を講じ、可能な限りマイナスインパクトを軽減するべく努めております。 (需要変動等)当社グループは、自動車関連部品が売上高の8割以上を占めており、自動車メーカー及び一次部品メーカーの経営戦略、生産動向の影響を受けます。特に、自動車メーカーのEV化、一次部品メーカーの統合やグローバル生産体制の見直しは、当社グループの需要動向に大きな影響を及ぼす可能性があります。これに対し、顧客からの要請・ニーズの変化等を想定し、日常的な情報収集を進め、必要な技術開発投資などを適切に判断しながら対応策を検討しております。 (政治経済情勢) 当社グループは、世界各地に工場及び事業所を保有しており、各国の政治体制下における政策、及び経済状況の影響を受ける可能性があります。これに対し、積極的に情報収集を進め、さまざまなケースを想定して対策を講ずるべく努めております。 (戦略的提携と合弁事業) 当社グループが推進する戦略的提携や合弁事業は、パートナーの経営方針や経営環境の変化により維持不可能となった場合には、当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。これに対し、パートナーと常に良好なコミュニケーションを維持しながら情報交換や必要な交渉に努め、不測の事態の回避を図ると同時に、状況の変化に即応できる態勢を維持しております。 (株式等の大量買付行為等) 企業価値や株主の共同利益を損なう恐れのある第三者による株式等の大量買付行為等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に対して影響を及ぼす可能性があります。 これに対し、株主価値の最大化に資する取り組みとして、中期経営計画の策定及び実行、配当・株主還元の充実を図っているほか、コーポレート・ガバナンスの強化に向けた取り組みを進めております。また、企業価値及び株主共同の利益の確保・向上といった観点から、当社株式等の大量買付行為等に関する対応策(買収への対応方針)を導入しております。 (環境規制)自動車部品業界は広範囲な環境その他の法的規制に服しており、これらの規制を遵守するための費用が、当社グループの事業にとって重大な金額となる可能性もあります。これに対し、日常的に情報の取得に努め、材料変更、工法・設備の改良、生産地変更など、負担軽減に向けた対応策を講じております。 (知的財産の侵害)当社グループが保有する、自社製品に関連する多数の特許及び商標等の知的財産が広範囲にわたって保護できない場合、あるいは不当に侵害された場合には、事業活動が影響を被る可能性があります。これに対し、常に侵害にあたる事実の把握に努めており、そのような事実を認めた場合には適切な対抗手段を取れる体制を整えております。

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