事業の概要
- 消防・防災事業櫻護謨グループは、主に消防ホース、消防用吸管、防災救助資機材、労働安全機器などの製造販売を手掛けています。これは、火災や災害から人々の命と財産を守るための重要な製品であり、社会の安全に貢献する事業です。桜ホース株式会社や日本エス・エイ・エス株式会社がこの分野で活動しています。
- 航空・宇宙、工業用品事業航空機や宇宙関連の部品、金属部品、ダクト、複合材、石油関連のゴム製品、建築土木関連のゴム製品、さらにはゴム製品製造用の金型などを製造・販売しています。高度な技術が求められる分野で、株式会社川尻機械がこの事業を担っています。
- 不動産賃貸事業笹塚ショッピングモールなどの不動産の賃貸と運営を行っています。これは、安定した賃料収入を得ることで、グループ全体の収益基盤を支える役割を果たす事業です。株式会社二十一世紀がこの事業を担当しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 消防・防災事業この事業は、消防ホースや防災救助資機材などの製造販売を通じて、社会の安全に貢献しています。売上高は68億3,967万円、営業利益は3億4,421万円で、グループの主要な収益源の一つであり、安定した需要が見込まれる分野です。
- 航空・宇宙、工業用品事業航空機や宇宙関連の部品、各種工業用ゴム製品、金属部品などを製造販売しています。売上高は48億4,966万円、営業利益は6億4,088万円と、高い利益率を誇る事業であり、技術力の高さが強みとなっています。
- 不動産賃貸事業笹塚ショッピングモールなどの不動産賃貸と運営を行っています。売上高は4億9,913万円、営業利益は1億347万円で、グループ全体の収益基盤を支える安定的な事業として貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| FireFightingAndDisasterPreventionProducts | 事業 | 68 | 3 | 5.0% |
| AircraftAerospaceAndIndustrialProducts | 地域 | 48 | 6 | 13.2% |
| RealEstateLeasing | 事業 | 5 | 1 | 20.7% |
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3 【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社4社の計5社で構成されており、消防・防災事業、航空・宇宙、工業用品事業、不動産賃貸事業を展開しております。 当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。(消防・防災事業)主に、当社、桜ホース㈱並びに日本エス・エイ・エス㈱において、消防ホース、消防用吸管、防災救助資機材、労働安全機器などの製造販売を行っております。(航空・宇宙、工業用品事業)主に、当社及び㈱川尻機械において、航空・宇宙関連部品、金属部品、ダクト、複合材、石油関連ゴム製品、建築土木関連ゴム製品及びゴム製品等製造用金型などの製造販売を行っております。(不動産賃貸事業)当社及び㈱二十一世紀において、主に笹塚ショッピング・モールの賃貸、運営を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 原材料価格高騰時に販売価格への転嫁に限界があるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 消防・防災、航空・宇宙関連部品、石油関連ゴム製品などの製造技術。 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:原材料の価格高騰、入手困難性 / 製品の欠陥 / 大規模自然災害リスク並びに感染症拡大リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
櫻護謨は特定の強力なブランド、特許ポートフォリオ、または規制ライセンスに関する公開情報が限定的であり、無形資産による競争優位性は現時点では明確に確認できない。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
一部の特殊用途向けゴム製品においては、顧客の仕様に合わせたカスタマイズや長年の取引実績により、一定のスイッチング・コストが存在する可能性がある。しかし、汎用品においてはその効果は限定的と考えられる。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
櫻護謨の事業モデルは、ユーザー数の増加が製品・サービスの価値を直接高めるネットワーク効果を生み出す構造にはない。
コスト優位★★☆☆☆
長年の操業による生産ノウハウの蓄積や、一部の原材料調達における規模の経済がコスト優位に寄与している可能性はある。しかし、業界全体で激しい価格競争が存在し、顕著なコスト優位性は確認しにくい。
規模の経済★★☆☆☆
ゴム製品業界は多数のプレイヤーが存在する競争環境であり、櫻護謨が業界規模に対して最適化された少数寡占の一角を占めているとは言えない。一定の生産規模は有しているものの、圧倒的な効率規模の優位性は見られない。
- 多角的な事業展開櫻護謨グループは、消防・防災、航空・宇宙、工業用品、不動産賃貸という多様な事業を展開しており、特定の市場変動リスクを分散し、安定的な収益基盤を構築している可能性があります。各事業が異なる市場ニーズに対応することで、経営の安定性を高めています。
- 専門性の高い技術力航空・宇宙関連部品や特殊なゴム製品の製造販売は、高度な技術力と品質管理体制が求められる分野です。長年の経験とノウハウにより培われた専門技術は、競合他社に対する優位性となり、高付加価値製品の提供を可能にしていると考えられます。
- 社会インフラへの貢献消防・防災事業は、社会の安全と安心を支える不可欠なインフラの一部であり、安定した需要が見込まれます。また、航空・宇宙分野も国の重要産業であり、これらの事業を通じて社会に貢献することで、企業としての信頼性やブランド力を高めている可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針及び目標とする経営指標当社グループは、顧客第一の精神に徹し、「顧客に満足される製品(もの)作り」、「正確な仕事で品質保証」を実践することにより広く社会に貢献することを経営理念としております。目標とする経営指標は、持続的な成長と企業価値の向上という観点から「連結売上高経常利益率3%以上の維持」としており、安定的な収益の確保を目指しております。 (2)経営環境及び対処すべき課題当社グループの製品やサービスは、安心・安全な社会の維持に不可欠なものも多く、供給を続けることが使命となっております。現在計画中の大田原製作所事務棟建設により研究開発および品質保証体制を強化するとともに、今後の生産体制を強化するため、省人化設備の導入や老朽化設備の更新が必要となります。これらの投資は、短期的に償却負担による収益押下げ要因となりますが、金利動向や収益とのバランスを踏まえた投資へ取り組んでまいります。調達・購買関連につきましては、地政学リスクや世界的な需給バランスの変化により、当社が必要とする原材料等の価格上昇、生産中止、調達リードタイムの長期化などが継続しております。これらに対処すべく、調達先の複数確保、代替材料の選定を進めてまいります。人材の確保については、非常に困難な状況が続いております。採用の強化、多様性を備えた人材の活用、従業員満足度の向上を図り、事業競争力を高めてまいります。消防・防災事業では、消火活動並びに災害救助の現場におけるニーズは多様化しております。顧客ニーズを取り込む商材の企画開発と提案型営業による販売力の強化を目指すとともに、生産合理化による収益性の向上を進めてまいります。航空・宇宙、工業用品事業では、金属3Dプリンタを活用した宇宙分野への販売拡大と、航空宇宙・原油貯蔵施設・発電所向け各製品の製造技術を活かした新分野への研究開発を進めてまいります。また、新規需要に対する開発スピードは必要不可欠であるため、研究開発体制の強化に取り組んでまいります。不動産賃貸事業は、今後も同事業の中核である商業施設のテナント様と連携を図り地域社会に貢献してまいります。また、同事業の営業キャッシュフローは当社グループの安定経営にとって重要な構成要素であり、事業価値の維持に取り組んでまいります。今後も強固な経営基盤の確立と持続的な成長を目指して、グループ一丸となり対処すべき課題に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針及び目標とする経営指標当社グループは、顧客第一の精神に徹し、「顧客に満足される製品(もの)作り」、「正確な仕事で品質保証」を実践することにより広く社会に貢献することを経営理念としております。目標とする経営指標は、持続的な成長と企業価値の向上という観点から「連結売上高経常利益率3%以上の維持」としており、安定的な収益の確保を目指しております。 (2)経営環境及び対処すべき課題当社グループの製品やサービスは、安心・安全な社会の維持に不可欠なものも多く、供給を続けることが使命となっております。現在計画中の大田原製作所事務棟建設により研究開発および品質保証体制を強化するとともに、今後の生産体制を強化するため、省人化設備の導入や老朽化設備の更新が必要となります。これらの投資は、短期的に償却負担による収益押下げ要因となりますが、金利動向や収益とのバランスを踏まえた投資へ取り組んでまいります。調達・購買関連につきましては、地政学リスクや世界的な需給バランスの変化により、当社が必要とする原材料等の価格上昇、生産中止、調達リードタイムの長期化などが継続しております。これらに対処すべく、調達先の複数確保、代替材料の選定を進めてまいります。人材の確保については、非常に困難な状況が続いております。採用の強化、多様性を備えた人材の活用、従業員満足度の向上を図り、事業競争力を高めてまいります。消防・防災事業では、消火活動並びに災害救助の現場におけるニーズは多様化しております。顧客ニーズを取り込む商材の企画開発と提案型営業による販売力の強化を目指すとともに、生産合理化による収益性の向上を進めてまいります。航空・宇宙、工業用品事業では、金属3Dプリンタを活用した宇宙分野への販売拡大と、航空宇宙・原油貯蔵施設・発電所向け各製品の製造技術を活かした新分野への研究開発を進めてまいります。また、新規需要に対する開発スピードは必要不可欠であるため、研究開発体制の強化に取り組んでまいります。不動産賃貸事業は、今後も同事業の中核である商業施設のテナント様と連携を図り地域社会に貢献してまいります。また、同事業の営業キャッシュフローは当社グループの安定経営にとって重要な構成要素であり、事業価値の維持に取り組んでまいります。今後も強固な経営基盤の確立と持続的な成長を目指して、グループ一丸となり対処すべき課題に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の概要① 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や設備投資意欲を背景とした内需と、円安環境が好影響をもたらす業種を中心として緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、慢性的な人手不足、円安の長期化と物価上昇の継続、米国の保護主義的な動きや地政学的な不確実性の増大により、先行きに慎重さが求められる状況で推移しました。 このような状況のもと当社グループでは、受注残の増加に対応した生産を実行するとともに、消防・防災事業では、多発する自然災害の現場ニーズに応える商材の企画開発と提案営業を行い、航空・宇宙、工業用品事業では、新規顧客からの受注や難易度の高い製品製造にも注力し、お客様の期待に応えられるよう事業活動を進めてまいりました。売上高は、全ての事業セグメントにおいて前期比で増収となりました。 利益面は、原材料価格の上昇やエネルギー価格の高止まりは継続しているものの、増収効果は大きく、また、一部製品における販売価格の改定効果が出始めていることなどから、前期比で増益となりました。その結果、売上高は14,540百万円(前期比19.3%増)、営業利益1,231百万円(前期比91.3%増)、経常利益1,188百万円(前期比81.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益666百万円(前期比56.4%増)となりました。当連結会計年度における報告セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 (消防・防災事業)消防ホース・消火栓ホースの販売は、堅調に推移いたしました。資機材では、災害避難生活の環境改善対応資機材、林野火災対応の資機材、車両積載用の救助資機材の販売が増加しております。特殊車両は資材等の一部に調達遅延があり、顧客承認のもと納期を次年度へ延長したことから販売が減少しております。 利益面では、販売費や商材企画開発費用が増加したものの、増収効果により増益となりました。その結果、売上高8,297百万円(前期比21.3%増)、セグメント利益(営業利益)は522百万円(前期比51.8%増)となりました。(航空・宇宙、工業用品事業)航空・宇宙部門は、官需大型機用部品やエンジン用部品の販売が増加したほか、民需向けシール部品や宇宙関連の製品の販売が伸長しております。工業用品部門では、原油貯蔵施設向けタンクシールの大型案件数が前期に比べ増加した結果、販売が増加しております。 利益面では、輸入材料や部品を中心にコスト上昇が継続しております。また、当期においては難易度の高い一部製品の生産コスト増加の影響も受けております。一方、売価再設定などの対策効果に加え当期は増収効果が大きく、前期比で増益となりました。その結果、売上高は5,731百万円(前期比18.2%増)、セグメント利益(営業利益)は1,102百万円(前期比72.1%増)となりました。 (不動産賃貸事業)テナント収益が好調なことから賃料収入は増加しております。 利益面では、前期に比べ修繕費が増加したことから減益となりました。その結果、売上高は511百万円(前期比2.5%増)、セグメント利益(営業利益)は92百万円(前期比10.5%減)となりました。 ② 財政状態の状況(流動資産)当連結会計年度末の流動資産残高は14,717百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,726百万円の増加となりました。主として受取手形、売掛金及び契約資産が1,038百万円、棚卸資産が1,485百万円それぞれ増加したことによるものです。(固定資産)当連結会計年度末の固定資産残高は4,902百万円となり、前連結会計年度末に比べ303百万円の増加となりました。主として、有形固定資産が40百万円、投資有価証券が388百万円それぞれ増加したことによるものです。(流動負債)当連結会計年度末の流動負債残高は7,139百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,787百万円の増加となりました。主として、支払手形及び買掛金が465百万円、短期借入金が970百万円、未払法人税等が344百万円それぞれ増加したことによるものです。(固定負債)当連結会計年度末の固定負債残高は2,469百万円となり、前連結会計年度末に比べ291百万円の増加となりました。主として、資産除去債務が113百万円増加したことによるものです。(純資産)当連結会計年度末の純資産残高は10,010百万円となり、前連結会計年度末に比べ950百万円の増加となりました。主として、利益剰余金においては親会社株主に帰属する当期純利益666百万円の増加と剰余金の処分125百万円による減少、その他の包括利益累計額においては、その他有価証券評価差額金が271百万円増加したことによるものです。③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より318百万円減の2,656百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、601百万円の資金の減少(前期は423百万円の資金の増加)となりました。これは、主として税金等調整前当期純利益1,046百万円、減価償却費284百万円などの資金増加要因と、売上債権の増加額1,456百万円、棚卸資産の増加額1,485百万円などの資金減少要因によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、564百万円の資金の減少(前期は197百万円の資金の減少)となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出557百万円によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは、847百万円の資金の増加(前期は101百万円の資金の減少)となりました。これは、主として借入金による収支978百万円の増加、配当金の支払額124百万円などによるものです。 ④ 生産、受注及び販売の状況a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(千円)前期比(%)消防・防災事業1,746,224△9.4航空・宇宙、工業用品事業5,688,138+17.2合計7,434,362+9.6 (注) 金額は、販売価格によっております。 b. 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)消防・防災事業10,056,354+48.32,030,301+646.8航空・宇宙、工業用品事業6,611,152△14.28,777,081+11.1合計16,667,506+15.010,807,383+32.3 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)消防・防災事業8,297,901+21.3航空・宇宙、工業用品事業5,731,432+18.2不動産賃貸事業511,429+2.5合計14,540,763+19.3 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)官公庁2,640,75621.72,885,75019.8三菱重工業㈱1,249,06610.21,476,28910.2 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループは、最近の当社グループを取り巻く経営環境の変化が大きいことから、引き続き安定的な収益率の確保へ注力し、目標とする経営指標を「連結売上高経常利益率3%の維持」としております。当連結会計年度は、消防・防災事業において防災需要の拡大等により売上が増加したことに加え、航空・宇宙、工業用品事業において航空機関連及び工業製品の需要増加を背景に販売が拡大したことから、全体として増収となりました。利益面では、航空・宇宙、工業用品事業の増収が利益を押し上げたほか、消防・防災事業においても増収効果が寄与し、全体として増益となりました。その結果、当連結会計年度は連結売上高経常利益率8.2%となり、目標とする経営指標を達成しております。一方で、原材料価格やエネルギー価格の上昇、人件費の増加といったコスト増加要因は継続しており、利益の押下げ要因となっております。足元では物価上昇、賃上げ、金利上昇などのコスト上昇要因が継続しており、売価の見直し等の対策を進めておりますが、原材料価格については依然として不透明な状況が続いており、引き続き価格動向を注視していく必要があります。また、当社グループの中長期的な成長に向けては、設備投資や人的資本への投資を継続していくことが重要な課題であります。これらの課題に対応しつつ、次期以降も目標である「経常利益率3%の維持」を目指してまいります。 (消防・防災事業)売上高の増加、固定費負担割合の影響により、外部顧客への売上高に対するセグメント営業利益率は6.3%(前期5.0%)に上昇しております。なお、エンドユーザーの多くは官公庁であり、その予算による調達品目や金額により事業の売上高は増減する状況にあります。そのような状況の中で、顧客ニーズに寄り添う営業活動や自社企画開発品の展開により、今後の需要創出に向けた取り組みを進めております。(航空・宇宙、工業用品事業)航空・宇宙部門では、エンドユーザーの中期的な計画による官需大型機用製品、エンジン用部品の販売が増加しております。工業用品部門では、タンクシールの大型案件による売上高が増加に寄与しております。その結果、外部顧客への売上高に対するセグメント営業利益率は19.2%(前期13.2%)となりました。一方、航空・宇宙部門で使用するチタン材やアルミ材などの原材料と部品の価格高騰が継続しており、原材料価格の上昇に対して売価の再設定など対策を進めましたが、受注から生産・出荷までのリードタイムが長い案件においては随時対応が必要な状況が続いております。増収効果による利益押上げ要因が原材料価格上昇の利益押下げ要因を上回り、利益率は前期比で上昇しております。(不動産賃貸事業)外部顧客への売上高に対するセグメント営業利益率は18.1%(前期20.7%)となりました。修繕費の増加により減益となっておりますが、事業の収益性に問題はありません。 ② 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容(流動資産)主要な科目残高の前期比は、現金及び預金89.8%、売上債権(受取手形、売掛金及び契約資産並びに電子記録債権の合計。)127.7%、棚卸資産(商品及び製品、半製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品の合計。)144.1%となりました。現金及び預金は、地政学的リスクをはじめとする外部環境の動向を踏まえ、適切な流動性を確保しております。 売上債権は、例年、消防・防災事業の販売が顧客予算との関連性から年度後半に集中するため、期末の残高が増加する傾向にあります。期末残高の前期比につきましては、消防・防災事業は救助用資機材等の販売に伴い、増加しております。また、航空・宇宙、工業用品事業の期末残高は、継続した受注増加を背景に売上高が伸長し、増加しております。棚卸資産は、前期から引き続き、受注の増加、原材料価格の高騰に伴い残高が増加しております。とくに、航空・宇宙、工業用品事業の受注増加は同事業の受注から生産・出荷までのリードタイムが長いことから、棚卸資産の増加要因となっております。引き続き調達及び生産の効率化に向けた取り組みが必要と認識しております。 (固定資産)当連結会計年度は、有形固定資産及び無形固定資産への投資額240百万円(建設仮勘定を除く。)に対し、減価償却費(無形固定資産の償却費を含む。)284百万円となりました。工場設備の能力強化・合理化・更新等並びに賃貸商業施設の更新等を行った結果となっております。これらは中長期的な投資行動として適切であると判断しております。 (流動負債、固定負債)支払手形及び買掛金と電子記録債務の合計残高は前期比118.7%となっております。売上高増加に伴う取引量の拡大により仕入高が増加し、その結果として営業債務が増加しております。資金調達関連として、社債、長期借入金並びに短期借入金の合計残高は前期比132.6%となりました。在庫運転資金等に対応するため増加しておりますが、有利子負債残高は適切な水準で推移しているものと判断しております。 (純資産)親会社株主に帰属する当期純利益の計上や配当実施の結果、株主資本残高は前期比106.2%となりました。その他の包括利益累計額はその他有価証券の時価上昇により768百万円(前期比214.7%)となっております。なお、自己資本比率は51.0%(前期54.6%)であり、経営基盤の安定性は引き続き確保しているものと判断しております。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、消防・防災事業及び航空・宇宙、工業用品事業において販売増加となったことに加え、一部製品の販売価格改定効果もあり、営業利益及び経常利益は全連結会計年度を上回って推移いたしました。一方で、受注拡大に伴う売上債権及び棚卸資産の増加により運転資金需要が増加したことから、営業キャッシュ・フローは減少し、運転資金需要に対応する資金調達を銀行借り入れにより実施した結果、財務キャッシュ・フローはプラスとなっております。投資活動によるキャッシュ・フローでは、生産能力強化及び事業基盤維持を目的とした設備投資を継続して行っております。その結果、現金及び現金同等物の残高は前期比10.7%減となっております。資金調達については、金融機関からの借入を基本としております。調達した資金は自己資金とあわせ、原材料や商品購入資金、人件費や経費支払いなどの運転資金並びに研究開発費や設備投資資金に充当しております。長期借入を行う場合、借入期間は原則5年以内としておりますが、不動産取得などの投資資金については、投資回収期間を考慮し借入期間を別途設定する場合があります。なお、当社は運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行5行と当座貸越契約を締結しており、突発的な資金需要が発生した場合の手許流動性を確保する手段を準備しております。当連結会計年度末日現在の当座貸越契約の未実行残高は570百万円であります。④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産、負債の報告数値及び報告期間における収益、費用の報告数値に影響を与える見積りを行う必要があります。見積りを行った時点で合理的と考えられる仮定に基づき判断を行いますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる可能性があります。当期の連結財務諸表に対して、重要な会計上の見積りとして認識している項目は以下のとおりであります。(棚卸資産の評価)棚卸資産について適正な価値で貸借対照表に計上するため、評価を行っております。過剰、滞留、陳腐化した棚卸資産については、合理的な見積り在庫回転期間に基づき評価損を計上しております。また、収益性の低下した棚卸資産については、将来の需要や販売価格等の見積りに基づき、正味実現可能価額まで評価損を計上しております。(繰延税金資産)繰延税金資産について、将来の課税所得の見積りやタックス・プランニングに基づき、一定期間における回収可能性が高いと判断した部分に限り計上しております。回収可能性が見込めないと判断した部分については評価性引当金を計上しております。将来の課税所得の見積りやタックス・プランニングは、事業計画を基礎として過去の業績等も考慮し策定しておりますが、経済情勢の変動、経営成績の悪化、事業計画の変更などにより、適宜、見直しが行われます。繰延税金資産の回収可能性についても定期的に検討を行い、繰延税金資産の計上額及び税金費用に適切に反映しております。 詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- 原材料価格の変動と供給不安定性石油化学製品や金属素材の価格高騰は、製品の原価を押し上げ、利益を圧迫する可能性があります。また、世界的な需給ひっ迫や地政学リスクにより原材料の入手が困難になった場合、生産活動の遅延や停止を招き、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
- 製品の品質問題製品に重大な欠陥や品質事故が発生した場合、追加コストの発生や顧客からの信頼失墜、取引量の減少につながる可能性があります。特に消防・防災や航空・宇宙といった人命に関わる製品では、品質問題が経営に与える影響は甚大です。
- 大規模災害・感染症・情報セキュリティ大規模な自然災害や感染症の拡大は、事業拠点や生産設備の損壊、従業員の安全確保、サプライチェーンの寸断、経済活動の停滞など、多岐にわたる影響を及ぼし、事業継続を困難にする可能性があります。また、サイバー攻撃による情報漏洩は、企業の信用失墜や損害賠償につながるリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 (1) 原材料の価格高騰、入手困難性当社グループは、石油化学製品や金属素材を主な原材料とする製品を製造しております。原油価格や金属素材価格の変動に対しては、資材調達時のロット購入や適切な在庫管理によるコストダウンを図っておりますが、世界的な需給のひっ迫や地政学リスクの上昇などにより、原材料価格が急激に高騰する局面では販売価格への転嫁にも限界があり、原価の上昇や支払代金の増加など経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、世界的な需給バランスの変化や社会情勢の変化により、生産中止、調達リードタイムの長期化など、一部の原材料の入手困難性が顕在化しております。このような状況が拡大した場合、生産活動の遅延や一時停止により経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。(2) 製品の欠陥当社グループは、国内及び海外の品質基準により製品の製造を行い、全ての製品につき欠陥が発生しないように万全の品質保証体制を整えておりますが、重大な品質不良、品質事故が発生した場合、追加コストの発生や製品評価の低下による取引高の減少など、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。(3) 大規模自然災害リスク並びに感染症拡大リスク当社グループは、災害リスク等に対して、リスク管理規定並びに防災計画を整備し、想定外の事象を極力排除し対策を実施しております。しかしながら、ひとたび大規模災害等が発生した場合、従業員の心身へのダメージや、事業拠点・生産設備の損壊・閉鎖などによる直接的影響、社会インフラの不安定化に伴う受注量の大幅減、原材料の調達難、物流機能の低下など間接的影響により、甚大な損害が発生し事業の継続を困難にする可能性があります。また、未知の感染症の発生と感染拡大により社会の混乱や経済活動の制約が生じた場合、従業員並びに関係者の感染リスク軽減を最優先事項として、十分に安全を確保した体制のもと事業活動を行ってまいりますが、様々な取引の遅延や中断などにより経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。(4) 情報セキュリティについて当社グループは、自社の技術・営業・その他事業に関する機密情報を保有し、また、取引先等の機密情報に接することがあります。最新のセキュリティ環境によるシステムやネットワークの構築と、情報セキュリティポリシー、リスク管理等の諸規定に基づく情報利用を徹底し、情報漏洩防止について対策しておりますが、サイバー攻撃等による情報漏洩が発生した場合、取引の中断や停止、当社グループの有形無形を問わない財産を毀損する可能性があります。(5) 人材の確保について当社グループは、事業活動と持続的な成長にあたり、研究開発部門の技術者、製造部門の熟練技能者をはじめ、品質管理、販売、調達並びに経営管理の各部門の業務遂行とマネジメントなどに有能な人材の確保が不可欠であり、定期的な人材の採用と育成に努めております。企業間の人材獲得競争が激しくなるなど人材の確保が困難な状況となった場合、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。(6) 知的財産権について当社グループは、事業活動に関連する有用な知的財産権の取得並びに保護に努めております。その知的財産権について訴訟やクレーム等の問題が発生した場合、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。(7) 為替・金利変動リスク当社グループは、外貨建の輸入取引に係る為替や資金調達に係る金利など、市況変動の影響を受ける取引をしております。為替変動に対しては為替予約などの利用、金利変動に対しては金利の固定化や金利スワップなどの利用により、それぞれ一定の範囲内で変動リスクを低減する取引を行っておりますが、短期及び中長期の予測を超えた市況変動があった場合、為替決済代金や金利支払額の増加などにより経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (8) 固定資産の減損当社グループは、工場や賃貸用不動産など多くの固定資産を事業に活用しております。中長期的な視点による経営管理のもと固定資産を評価しておりますが、今後、事業環境が大幅に悪化した場合、減損損失が発生し、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。(9) 退職給付制度について当社グループの退職給付制度は、主として確定給付型企業年金制度を採用しております。退職給付債務及び退職給付費用は、合理的な見積に基づく基礎率の設定と数理計算を行っておりますが、年金資産の運用状況の急激な悪化や従業員の就業環境等に変化があった場合、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月24日)現在において、当社グループが判断したものであります。