5232

住友大阪セメント(5232)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

ガラス・土石製品 建設・資材

事業の概要

  • セメント事業が基盤
    住友大阪セメントグループは、セメントの製造・販売を中核事業としています。これには、生コンクリートの製造販売、セメント工場での電力販売、リサイクル原料の処理、各種工事、品質試験サービスなどが含まれ、建設業界の基盤を支える重要な役割を担っています。
  • 多角的な事業展開
    セメント事業に加え、石灰石や骨材の採掘・販売を行う鉱産品事業、コンクリート補修材料などを手掛ける建材事業、光通信部品や計測機器を製造販売する光電子事業、そしてセラミックスやナノ粒子材料を扱う新材料事業など、幅広い分野で収益を上げています。
  • 不動産・ITサービスも
    主要事業の他にも、遊休地を活用した不動産賃貸や情報処理サービスといった「その他事業」も展開しており、事業ポートフォリオの多様化を図っています。これにより、特定の事業に依存しすぎない安定した収益構造を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • セメント事業が最大の柱
    売上高1564.4億円、営業利益8.77億円と、グループの中で最も大きな売上を誇る基幹事業です。セメントの製造・販売を中心に、生コンクリート、電力販売、リサイクル処理、各種工事など、幅広い関連事業を展開し、日本の建設を支えています。
  • 鉱産品事業は高収益
    売上高173.67億円に対し、営業利益31.48億円と、売上規模はセメント事業に劣るものの、高い利益率を誇る事業です。石灰石や骨材の採掘・販売が中心で、製鉄原料や道路工事、生コンクリート製造に不可欠な資源を提供しています。
  • 建材事業も堅調な収益
    売上高235.91億円、営業利益18.39億円と、セメント事業に次ぐ規模を持つ事業です。コンクリート構造物向け補修材料の製造・販売や関連工事、地盤改良工事などを手掛け、社会インフラの維持・補修に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Cement 事業 1,564 9 0.6%
MineralProducts 事業 174 31 18.1%
ConstructionMaterials 事業 236 18 7.8%
Photoelectron 事業 25 -4 -14.1%
NewMaterials 事業 157 23 14.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,289 文字
3【事業の内容】当社グループは、連結財務諸表提出会社(以下当社という)と子会社45社及び関連会社13社で構成されております。 セメント事業については、セメントの製造・販売を中心とし、生コンクリートの製造・販売、セメント工場における電力の販売やリサイクル原燃料の受入処理、電設・営繕工事、各種品質試験サービス等の事業を行っております。鉱産品事業については、石灰石や骨材の採掘・販売等を行っております。建材事業については、コンクリート構造物向け補修材料等の製造・販売、その関連工事等を行っております。光電子事業については、光通信部品及び計測機器等の製造・販売を行っております。新材料事業については、各種セラミックス製品・各種ナノ粒子材料等の製造・販売を行っております。その他事業については、遊休地を活用した不動産賃貸や情報処理サービス等を行っております。当社グループの事業に係る位置づけ、及びセグメントとの関連は、次の通りであります。 セメント事業当社、八戸セメント㈱、及び和歌山高炉セメント㈱がセメントの製造を行い、当社経由でスミセ建材㈱、東海スミセ販売㈱及び北浦エスオーシー㈱などの特約販売店等に販売しております。なお、その輸送にあたっては、エスオーシー物流㈱などが海上輸送を、和泉運輸㈱が陸上輸送を行っております。また、当社がセメント系固化材の製造・販売及びセメント工場における電力の販売を行うほか、東京エスオーシー㈱などが当社から特約店を経由して供給しているセメントを主原料にして生コンクリートの製造・販売、泉工業㈱が建設発生土の中間処理及び木質チップ等の製造・販売等、㈱中研コンサルタントが各種品質試験サービス、千代田エンジニアリング㈱が各種電気設備工事及び電気炉等の設置工事、エスオーエンジニアリング㈱などが当社の場内営繕工事を行っております。 鉱産品事業当社が各地に所有する石灰石鉱山から、製鉄原料としての石灰石や道路工事用、生コンクリート製造用の骨材等を採掘、販売しているほか、滋賀鉱産㈱などが同様の事業展開、秋芳鉱業㈱が石灰石、骨材を採掘し、当社経由で販売を行っております。 建材事業当社がコンクリート構造物向け補修材料等の製造・販売やその関連工事を行っております。また、㈱エステックが地盤改良工事等の施工、コンクリート構造物向け補修材料等を製造し当社経由での販売、㈱SNCがコンクリート2次製品を使用した各種工事の施工、㈱クリコンが各種コンクリート製品の製造・販売等を行っております。 光電子事業当社が光通信部品及び計測機器の製造・販売を行っているほか、㈱スミテックが各種汎用電子機器の製造・販売を行っております。 新材料事業当社が各種セラミック製品等、各種新素材の製造・販売を行っているほか、住龍納米技術材料(深セン)有限公司が機能性塗料を製造し、当社経由で販売を行っております。 その他事業当社が賃貸ビル及び倉庫等の不動産賃貸を行っております。また住友セメントシステム開発㈱が各種ソフトウェアの製作・販売を行っております。 事業の系統図は次の通りであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
石炭価格上昇によるコスト増加分は販売価格への転嫁に努め、業績への影響の軽減を図っているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
セメント工場は大型設備を有しており、効率的な生産・物流体制の構築が必要なため。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:セメント国内需要の減少リスク / 原材料の価格高騰リスク / 光電子事業、新材料事業の市場変化に対するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

住友グループの一員としてのブランド力は一定の信頼を得ているが、特許や独自技術による明確な無形資産の優位性は限定的。セメント業界全体で技術のコモディティ化が進んでいる。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

建設業界におけるセメントは、品質や納期の安定性が重視されるため、一度取引が始まると顧客が他社へ乗り換えるハードルは一定程度存在する。しかし、価格や供給能力が乗り換えの主要因となりうる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

セメント製造・販売事業には、ユーザーが増えることでサービスの価値が増すようなネットワーク効果は基本的に存在しない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

大規模な生産設備と効率的な物流網の構築により、一定のコスト競争力を維持している。特に、石灰石の採掘から製造、輸送までの一貫体制は、コスト削減に寄与する可能性がある。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

セメント業界は、大規模な設備投資と地域的な供給網が重要であり、業界全体で上位数社による寡占構造が見られる。住友大阪セメントは、国内有数の生産能力と販売網を有し、効率規模の優位性を享受している。

  • 石灰石の自社供給体制
    セメントの主要原材料である石灰石を自社鉱山から採掘・販売しているため、原材料の安定供給とコストコントロールにおいて優位性を持っています。これにより、外部環境の変化による原材料価格高騰リスクを一部軽減できる強みがあります。
  • 多角的な事業ポートフォリオ
    セメント、鉱産品、建材、光電子、新材料といった多岐にわたる事業を展開することで、特定の市場変動リスクを分散し、安定した収益基盤を構築しています。特に高機能品事業は、技術革新が求められる分野で競争力を高めています。
  • 長年の実績と技術力
    セメント製造で培われた高い資源・エネルギー効率の技術や、コンクリート補修材料、光通信部品、新素材開発における専門技術は、同社の競争力の源泉です。長年の事業活動で蓄積されたノウハウと信頼は、顧客からの評価に繋がっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、「私たちは、地球環境に配慮し、たゆまない技術開発と多様な事業活動を通じて、豊かな社会の維持・発展に貢献する企業グループを目指します。」という企業理念のもと、セメントをはじめとする各種製品の安定供給を推進するとともに、持続的発展のため、グループを挙げて事業拡大及びコスト削減等に取り組んでまいります。 今後のわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるものの、中東情勢や米国の通商政策の影響等による下押しリスクがあり、景気の先行きは予断を許さない状況にあります。セメント業界におきましては、能登震災復興需要等により、官公需は、前年並みと見込まれ、また、人手不足や建設コストの上昇等により、民需は、減少すると見込まれることから、セメント国内需要は、減少するものと思われます。 当社グループは、中長期ビジョンとして2035年のありたい姿「SOC Vision2035」を定めました。本ビジョンにおいては、環境解決をキーワードとして、持続的な成長を通じて、社会から必要とされる存在感のある会社となることを目指しており、その最初のステップとして、「2023―25年度 中期経営計画」を策定し、次の通り取り組んでまいりました。 ①既存事業収益改善 (イ)セメント事業収益力回復 適正価格の確保に努め、セメント工場における化石エネルギー代替物の増量を目的とした設備投資、輸送力 の確保に努めてまいりました。 (ロ)次世代光通信部品のシェア獲得による収益改善 次世代光通信部品の開発に取り組んでまいりました。 ②成長基盤構築 (イ)半導体製造装置向け電子材料事業へのリソース集中投入による規模拡大・収益力強化 新製造棟をはじめとする半導体製造装置向け電子材料の生産能力の増強及び次世代半導体製造装置向け電子 材料の開発に取り組んでまいりました。 (ロ)海外事業拡大 豪州ターミナル事業の収益安定化を進めるなど豪州事業の拡大に努めました。また、新たにフィリピンにお いてセメント事業を行う企業に出資いたしました。 (ハ)脱炭素分野の新規事業開発 人工石灰石を使用した製品の開発等に取り組んでまいりました。 これらに加え、鉱産品事業は、秋芳鉱山船積バースの延伸を行い、鉱量確保のための新規鉱画開発を進め、 継続して事業の持続的な成長に取り組んでまいりました。建材事業は、都市部における建築物の土木工事の受 注拡大に努め、建設ICTにより更なる省力化と生産性向上に取り組んでまいりました。 ③経営基盤強化 (イ)人財戦略 人財基本方針を策定し、多様な人財の採用による人財確保や人財育成のための研修強化に取り組んでまいり ました。 (ロ)研究開発戦略 高機能品事業分野、脱炭素分野の新規事業創出のための研究開発強化に努めてまいりました。 (ハ)知財戦略 知財スキル人財育成及び知財情報解析の経営戦略への活用(IPランドスケープ)の推進に努めてまいりまし た。 (ニ)DX戦略 AIを活用した業務ツールの試行、業務効率化に繋がるデジタル活用に取り組みました。デジタル推進部の新 設によるDX推進、サイバーセキュリティ対策の強化等、経営基盤強化に取り組んでまいりました。 これらの取り組みを行ったものの、セメント事業においては、当初の想定よりも国内需要が低迷したほか、人手不足やインフレの加速、諸資材の高騰等の要因により、利益率は伸び悩みました。また、高機能品事業は、販売数量回復の遅れにより、当初計画を下回りました。 その結果、ROE(自己資本当期純利益率)は、5.8%、ROIC(投下資本利益率)は、3.3%となりました。 当社グループは、「SOC Vision2035」の第2ステップとして事業ポートフォリオの変革推進をメインテーマに掲げた「2026―28年度 中期経営計画」を策定いたしました。本中期経営計画では、前中期経営計画からの継続施策を早期に成果に結びつけ、成長に向けた基盤の一層の強化及び中長期ビジョンの達成を見据えた新規事業の始動を目的として、次の通り取り組んでまいります。 ①事業ポートフォリオ変革による利益成長 (イ)セメント事業を中心とした既存事業の収益安定化 セメント国内需要の動向を踏まえ、適正価格の実現、コスト構造改革及び生産・物流の全体最適化を通じ て、収益力の安定化に取り組むとともに、製品及び製造プロセスにおけるCO2削減を図り、カーボンニュート ラル施策を進めてまいります。 (ロ)成長分野の拡大(高機能品事業の利益成長) 高機能品事業について、半導体製造装置分野を中心に新製造棟の稼働を起点とした増産及びシェア拡大を推 進し、当社グループの成長分野として事業拡大と利益成長を目指してまいります。 (ハ)新規事業の始動 CO2資源化(人工石灰石等)について、前中期経営計画で推進した研究・実証フェーズを踏まえて、新規事 業の事業化に向けた取り組みを進めてまいります。 ②事業ポートフォリオ変革を支える経営基盤の強化 事業ポートフォリオ変革による利益成長を確実なものとするため、資本コストを意識した経営を進め、資本効率 の向上及び適切な財務・資本政策のため、以下の事項に取り組んでまいります。 (イ)適切な財務戦略・配当政策、政策保有株式の縮減 (ロ)事業別ROICによる事業別ポートフォリオ管理 ③事業ポートフォリオ変革を支える無形資産の成長 事業ポートフォリオ変革を支える基盤として、人的資本投資やDX投資の強化等を通じ、無形資産の成長に取り組 んでまいります。 これらの取り組みを通じて利益成長を図り、株主還元方針に沿って、安定配当を含めた持続的な株主還元を図ると ともに、政策保有株式の売却を含む資産圧縮等による資本最適化を通じて、2028年度の数値目標として、ROE9%以上及びROIC6%以上を目指してまいります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、「私たちは、地球環境に配慮し、たゆまない技術開発と多様な事業活動を通じて、豊かな社会の維持・発展に貢献する企業グループを目指します。」という企業理念のもと、セメントをはじめとする各種製品の安定供給を推進するとともに、持続的発展のため、グループを挙げて事業拡大及びコスト削減等に取り組んでまいります。 今後のわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるものの、中東情勢や米国の通商政策の影響等による下押しリスクがあり、景気の先行きは予断を許さない状況にあります。セメント業界におきましては、能登震災復興需要等により、官公需は、前年並みと見込まれ、また、人手不足や建設コストの上昇等により、民需は、減少すると見込まれることから、セメント国内需要は、減少するものと思われます。 当社グループは、中長期ビジョンとして2035年のありたい姿「SOC Vision2035」を定めました。本ビジョンにおいては、環境解決をキーワードとして、持続的な成長を通じて、社会から必要とされる存在感のある会社となることを目指しており、その最初のステップとして、「2023―25年度 中期経営計画」を策定し、次の通り取り組んでまいりました。 ①既存事業収益改善 (イ)セメント事業収益力回復 適正価格の確保に努め、セメント工場における化石エネルギー代替物の増量を目的とした設備投資、輸送力 の確保に努めてまいりました。 (ロ)次世代光通信部品のシェア獲得による収益改善 次世代光通信部品の開発に取り組んでまいりました。 ②成長基盤構築 (イ)半導体製造装置向け電子材料事業へのリソース集中投入による規模拡大・収益力強化 新製造棟をはじめとする半導体製造装置向け電子材料の生産能力の増強及び次世代半導体製造装置向け電子 材料の開発に取り組んでまいりました。 (ロ)海外事業拡大 豪州ターミナル事業の収益安定化を進めるなど豪州事業の拡大に努めました。また、新たにフィリピンにお いてセメント事業を行う企業に出資いたしました。 (ハ)脱炭素分野の新規事業開発 人工石灰石を使用した製品の開発等に取り組んでまいりました。 これらに加え、鉱産品事業は、秋芳鉱山船積バースの延伸を行い、鉱量確保のための新規鉱画開発を進め、 継続して事業の持続的な成長に取り組んでまいりました。建材事業は、都市部における建築物の土木工事の受 注拡大に努め、建設ICTにより更なる省力化と生産性向上に取り組んでまいりました。 ③経営基盤強化 (イ)人財戦略 人財基本方針を策定し、多様な人財の採用による人財確保や人財育成のための研修強化に取り組んでまいり ました。 (ロ)研究開発戦略 高機能品事業分野、脱炭素分野の新規事業創出のための研究開発強化に努めてまいりました。 (ハ)知財戦略 知財スキル人財育成及び知財情報解析の経営戦略への活用(IPランドスケープ)の推進に努めてまいりまし た。 (ニ)DX戦略 AIを活用した業務ツールの試行、業務効率化に繋がるデジタル活用に取り組みました。デジタル推進部の新 設によるDX推進、サイバーセキュリティ対策の強化等、経営基盤強化に取り組んでまいりました。 これらの取り組みを行ったものの、セメント事業においては、当初の想定よりも国内需要が低迷したほか、人手不足やインフレの加速、諸資材の高騰等の要因により、利益率は伸び悩みました。また、高機能品事業は、販売数量回復の遅れにより、当初計画を下回りました。 その結果、ROE(自己資本当期純利益率)は、5.8%、ROIC(投下資本利益率)は、3.3%となりました。 当社グループは、「SOC Vision2035」の第2ステップとして事業ポートフォリオの変革推進をメインテーマに掲げた「2026―28年度 中期経営計画」を策定いたしました。本中期経営計画では、前中期経営計画からの継続施策を早期に成果に結びつけ、成長に向けた基盤の一層の強化及び中長期ビジョンの達成を見据えた新規事業の始動を目的として、次の通り取り組んでまいります。 ①事業ポートフォリオ変革による利益成長 (イ)セメント事業を中心とした既存事業の収益安定化 セメント国内需要の動向を踏まえ、適正価格の実現、コスト構造改革及び生産・物流の全体最適化を通じ て、収益力の安定化に取り組むとともに、製品及び製造プロセスにおけるCO2削減を図り、カーボンニュート ラル施策を進めてまいります。 (ロ)成長分野の拡大(高機能品事業の利益成長) 高機能品事業について、半導体製造装置分野を中心に新製造棟の稼働を起点とした増産及びシェア拡大を推 進し、当社グループの成長分野として事業拡大と利益成長を目指してまいります。 (ハ)新規事業の始動 CO2資源化(人工石灰石等)について、前中期経営計画で推進した研究・実証フェーズを踏まえて、新規事 業の事業化に向けた取り組みを進めてまいります。 ②事業ポートフォリオ変革を支える経営基盤の強化 事業ポートフォリオ変革による利益成長を確実なものとするため、資本コストを意識した経営を進め、資本効率 の向上及び適切な財務・資本政策のため、以下の事項に取り組んでまいります。 (イ)適切な財務戦略・配当政策、政策保有株式の縮減 (ロ)事業別ROICによる事業別ポートフォリオ管理 ③事業ポートフォリオ変革を支える無形資産の成長 事業ポートフォリオ変革を支える基盤として、人的資本投資やDX投資の強化等を通じ、無形資産の成長に取り組 んでまいります。 これらの取り組みを通じて利益成長を図り、株主還元方針に沿って、安定配当を含めた持続的な株主還元を図ると ともに、政策保有株式の売却を含む資産圧縮等による資本最適化を通じて、2028年度の数値目標として、ROE9%以上及びROIC6%以上を目指してまいります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (経営成績等の概要)(1)財政状態及び経営成績の状況当期におけるわが国経済は、物価上昇の影響がみられたものの、雇用・所得環境の改善や経済対策等の効果もあり、緩やかな回復が続きました。セメント業界におきましては、建設業界の慢性的な人手不足に加え、週休2日制浸透の影響により、官公需、民需ともに減少したことから、セメント国内需要は、前期を6.5%下回る30,532千トンとなりました。一方、輸出は、前期を7.1%上回りました。この結果、輸出分を含めた国内メーカーの総販売数量は、前期を3.8%下回る39,299千トンとなりました。このような情勢の中で、当社グループは、当期を最終年度とする「2023―25年度 中期経営計画」に基づき、「既存事業収益改善」として、セメント事業収益力回復、次世代光通信部品の市場シェア獲得による収益改善、「成長基盤構築」として、半導体製造装置向け電子材料事業へのリソース集中投入による規模拡大・収益力強化、海外事業拡大(豪州事業)、脱炭素分野の新規事業開発、「経営基盤強化」として、人財戦略、研究開発戦略、知財戦略、DX戦略に係る諸施策に取り組んでまいりました。以上の結果、当期の売上高は、セメント事業、新材料事業等で増収となったことから、223,686百万円と前期実績を1.9%上回りました。損益につきましては、セメント事業等で増益となったことから、経常利益は、14,405百万円と前期に比べ5,038百万円の増益となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産の減損損失を特別損失に計上したことなどから、11,214百万円と前期に比べ2,205百万円の増益となりました。 事業別の概況は、次のとおりであります。 1. セメントセメントの国内販売数量が前期を下回ったものの、コストアップに対応した国内販売価格の値上げを実施したことなどから、売上高は、158,799百万円と前期に比べ2,359百万円(1.5%)増となり、営業利益は、5,495百万円と前期に比べ4,617百万円(526.0%)増となりました。 2. 鉱産品製品の価格改定をしたことなどから、売上高は、17,505百万円と前期に比べ137百万円(0.8%)増となったものの、採掘コストが増加したことなどから、営業利益は、2,986百万円と前期に比べ162百万円(5.2%)減となりました。 3. 建材コンクリート構造物補修・補強材及び重金属汚染対策材の販売数量が減少したことなどから、売上高は、23,020百万円と前期に比べ571百万円(2.4%)減となり、営業利益は、1,480百万円と前期に比べ358百万円(19.5%)減となりました。 4. 光電子光計測機器の販売数量が増加したことなどから、売上高は、2,732百万円と前期に比べ222百万円(8.9%)増となり、光通信部品のコスト削減等により、損益は、前期に比べ298百万円の好転となったものの、56百万円の営業損失となりました。 5. 新材料半導体製造装置向け電子材料の品種構成の影響等により、売上高は、18,074百万円と前期に比べ2,396百万円(15.3%)増となり、営業利益は、2,479百万円と前期に比べ214百万円(9.5%)増となりました。 6. その他ソフトウエアの販売が減少したことから、売上高は、3,553百万円と前期に比べ323百万円(8.3%)減となり、営業利益は、1,393百万円と前期に比べ223百万円(13.8%)減となりました。 (2)キャッシュ・フローの状況当期の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によって34,539百万円増加し、また、投資活動によって28,566百万円減少し、財務活動によって5,954百万円減少したことなどにより、前期末に比べ77百万円の増加となりました。その結果、当期末の資金残高は16,588百万円(前期比0.5%増)となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、34,539百万円(前期比38.8%の収入増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益16,041百万円、減価償却費23,591百万円等によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、28,566百万円(前期比30.9%の支出増加)となりました。これは、固定資産の取得による支出32,661百万円、投資有価証券の売却による収入6,379百万円があったことなどによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、5,954百万円(前期比11.5%の支出増加)となりました。これはコマーシャル・ペーパーの発行による収入28,000百万円とコマーシャル・ペーパーの償還による支出31,000百万円があったことなどによるものです。 (生産、受注及び販売の状況)(1)生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)セメント86,61894.3鉱産品12,620111.9建材4,52794.0光電子1,733106.6新材料14,042107.5その他1,17292.3合計120,71497.5 (注) 金額は製造原価ベースによっております。 (2)受注状況当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次の通りであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)建材18,857120.73,55589.7その他422105.240-合計19,279120.33,59590.7 (注) 対象は、建材セグメントにおける各種工事、その他セグメントにおける各種ソフトウェア製作であります。なお、上記以外のセグメントについては、受注生産形態をとらない製品がほとんどであるため、記載を省略しております。 (3)販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)セメント158,799101.5鉱産品17,505100.8建材23,02097.6光電子2,732108.9新材料18,074115.3その他3,55391.7合計223,686101.9 (注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上となる取引先が存在しないため、記載を省略しております。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度における経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下の通りであります。 (1)経営成績の分析当連結会計年度の経営成績の概況については、「(経営成績等の概要)の(1)財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 1 セメント需要、当社セメント販売数量の推移(最近5連結会計年度) 2022年3月(第159期)2023年3月(第160期)2024年3月(第161期)2025年3月(第162期)2026年3月(第163期)セメント需要 国内需要(千トン)37,88237,28034,57732,65630,532 輸出(千トン)11,4848,1376,8558,2078,790当社販売数量 国内(千トン)8,3428,1457,7727,1966,971 輸出(千トン)1,5351,1509421,2681,375 計(千トン)9,8769,2958,7148,4648,346 2 売上高、損益の推移(最近5連結会計年度) 2022年3月(第159期)2023年3月(第160期)2024年3月(第161期)2025年3月(第162期)2026年3月(第163期)売上高(百万円)184,209204,705222,502219,465223,686営業利益又は営業損失(△)(百万円)6,878△8,5557,2519,35113,648経常利益又は経常損失(△)(百万円)9,834△7,8498,4769,36714,405親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)(百万円)9,674△5,71915,3399,00811,214総資産額(百万円)331,107356,558356,283353,029361,980売上高経常利益率(%)5.3△3.83.84.36.4総資産経常利益率(%)3.0△2.32.42.64.0 (2)財政状態(流動性及び資本の源泉)の分析当連結会計年度末の総資産は361,980百万円となり、前連結会計年度末に比べて8,950百万円の増加となりました。流動資産は103,655百万円となり、前連結会計年度末に比べて488百万円の減少となりました。固定資産は258,324百万円となり、前連結会計年度末に比べて9,438百万円の増加となりました。流動資産減少の主な要因は、原材料及び貯蔵品の減少等によるものです。固定資産増加の主な要因は、有形固定資産及び投資有価証券の増加等によるものです。当連結会計年度末の負債の合計は164,031百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,662百万円の増加となりました。流動負債は86,350百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,607百万円の増加となりました。固定負債は77,680百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,054百万円の増加となりました。流動負債増加の主な要因は、1年内償還予定の社債の増加等によるものです。固定負債増加の主な要因は、長期借入金の増加等によるものです。当連結会計年度末の純資産は197,948百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,288百万円の増加となりました。主な要因は、利益剰余金及びその他有価証券評価差額金の増加等によるものです。 (3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況は、「(経営成績等の概要)の(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの資金需要は、製品の製造販売に関わる原材料費・運搬費や営業費用などの運転資金、設備投資資金及び研究開発などであります。資金調達は、主として内部資金により充当し、必要に応じ金融機関からの借入やコマーシャル・ペーパー、社債の発行などにより確保しております。最近5連結会計年度においては、2022年度は営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなったことから、金融機関からの借入やコマーシャル・ペーパー、社債の発行などにより必要となる現金及び現金同等物(以下「資金」という。)を確保いたしましたが、その後は営業活動によるキャッシュ・フローはプラスに転じ、得られた資金は設備投資等に活用いたしました。有利子負債は、2026年3月期には86,422百万円となりました。今後、当社グループは、2035年のありたい姿である「SOC Vision2035」を目指す中で、収益の改善・拡大に努め、営業活動で獲得した資金は、維持更新に加えてカーボンニュートラルや成長戦略への投資、株主還元等に活用していく方針であります。 1 キャッシュ・フローの推移(最近5連結会計年度) 2022年3月(第159期)2023年3月(第160期)2024年3月(第161期)2025年3月(第162期)2026年3月(第163期)営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)18,255△16,14643,73124,88534,539投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△16,062△19,818△15,350△21,816△28,566財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△7,99537,292△24,395△5,341△5,954現金及び現金同等物の期末残高(百万円)13,08514,50018,66216,51116,588 2 有利子負債の推移(最近5連結会計年度) 2022年3月(第159期)2023年3月(第160期)2024年3月(第161期)2025年3月(第162期)2026年3月(第163期)有利子負債残高(百万円)56,64199,71979,52983,33486,422純資産額(百万円)203,173184,591196,775193,660197,948有利子負債/純資産(%)27.954.040.443.043.7 (注) 有利子負債残高は短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債及び長期借入金の合計額であります。 (4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、固定資産の減損会計や繰延税金資産の回収可能性等については、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。当社グループは、これらの見積りの妥当性に対し継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。

事業リスク

  • 国内セメント需要の減少
    日本の公共投資や民間設備投資の動向に強く影響されるため、国内セメント需要が急激に減少した場合、売上や利益に大きな影響を及ぼす可能性があります。ただし、セメントは社会インフラに不可欠であり、中長期的には一定の需要が確保されると見られています。
  • 原材料価格の高騰
    セメント事業で不可欠な石炭などの原材料価格が高騰すると、製造コストが増加し、収益を圧迫する可能性があります。特に石炭は国際情勢に左右されやすく、価格転嫁が難しい場合は業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
  • 地球温暖化・カーボンニュートラル規制
    セメント製造はCO2排出量が多い産業であり、今後、CO2排出や化石燃料利用に関する新たな規制が導入された場合、事業活動が制約を受けたり、コストが増加したりする可能性があります。これに対応するための投資も必要となります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,474 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、当連結会計年度において、事業を取り巻くリスク環境が変化していること、また当社グループの中長期ビジョン「SOC Vision2035」に対応したリスクマネジメントにするために、事業等のリスクの見直しをしております。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)市場リスク ①セメント国内需要の減少リスク セメントの国内需要は、わが国の公共投資や民間設備投資等の動向に強く影響を受けるため、国内の公共投資や民間設備投資が急激に減少した場合、当社グループに重要な影響を及ぼす可能性があります。 しかしながら、セメントは欠かすことができないものであり、中長期的には一定規模以上の需要は安定的に確保されることが予想され、また当面の国内需要の減少を見据え、効率的な生産・物流体制の見直しを行うとともに、さまざまなコスト削減や販売価格の改善にも取り組んでおります。 ②原材料の価格高騰リスク 主力事業であるセメント事業では、石灰石、粘土、石炭等さまざまな原材料を使用しているため、原材料の価格高騰はセメント製造コストの増加を招き、当社グループに重要な影響を及ぼす可能性があります。 しかしながら、石灰石は当社グループの自社鉱山があるため、長期にわたって安定供給することができる体制が整っている一方、石炭は国際情勢の悪化等に伴う価格高騰や供給トラブルを招く可能性があるため、カーボンニュートラルへ向け石炭使用量削減を進めるとともに、地政学リスク低減に向けた分散調達を実施し、石炭価格上昇によるコスト増加分は販売価格への転嫁に努め、業績への影響の軽減を図っております。 ③高機能品事業(光電子事業、新材料事業)の市場変化に対するリスク 高機能品事業は、半導体製造装置用部品や光関連製品など電子デバイス関連製品が多く、市場における急速な技術革新や技術標準の進展、顧客所要の変化を受けるため、当社グループに重要な影響を及ぼす可能性があります。 そのため、競争の激しい市場での厳しい要求に応えるべく、経営資源を投入し継続的に研究開発や改良に取り組んでおります。 ④固定資産の減損リスク 固定資産減損会計の適用に伴い、固定資産が収益性の低下や市場価値の下落により投資額の回収が見込めないと判断された場合、将来の収益計画等に関する予測に基づき、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額する固定資産の減損処理が必要となります。事業環境の変化等により、割引前将来キャッシュ・フローが資産グループの帳簿価額を下回ることで減損損失が発生した場合、当社グループに重要な影響を及ぼす可能性があります。 (2)地球温暖化・カーボンニュートラルリスク 当社グループは、高レベルの資源・エネルギー効率でセメントを生産しておりますが、今後CO2の排出や化石燃料の利用に対する新たな規制等が導入された場合には、セメント事業を中心に事業活動が制約を受けコストが増加するなど、当社グループに重要な影響を受ける可能性があります。 そのため、2026年に改訂・公表した2050年カーボンニュートラルへ向けた長期ビジョン“SOCN2050”Version2.0に基づき、CO2排出削減への取組を進めております。 (3)自然災害リスク セメント工場は大型設備を有しているため、自然災害など予期せぬ事態により工場操業に支障をきたした場合、復旧するための時間やコストを浪費するなど、当社グループに重要な影響を及ぼす可能性があります。 そのため、定期的な設備点検や災害防止パトロールを行い、生産計画に基づいた安定操業を図るべく万全の配慮を払い、また工場操業に支障をきたす事態が発生した場合でも、BCP(事業継続計画)を策定・運用していることで、操業リスクを最小限に抑制する施策を講じております。なお、工場で操業に支障をきたす事態が発生した場合でも、セメント工場間の操業振替や業務提携先からの仕入等により、取引先に対するセメント供給は安定して行うことが可能であります。 (4)安全衛生・感染症リスク 当社グループは多くの操業要員によって製品を製造しているため、労働災害や感染症により操業要員を確保できない場合、当社グループに重要な影響を及ぼす可能性があります。 そのため、安全に厳しい企業として災害ゼロを目指し、「安全に厳しい風土づくり」を醸成すべく、各種安全教育の実施や全社の安全衛生・保安対策本部での定期的な連絡会の実施等、安全に対する一層の取組強化を行っております。また、感染症に対しては、罹患者が発生した場合の感染拡大を防止する施策として、当社策定の対応基本マニュアルを運用しております。 (5)人権・ハラスメントリスク 住友の事業精神と当社グループの企業理念に基づき、高い社会規範の意識と企業倫理を持って事業活動を行うことを基本としておりますが、事業活動を通じて直接・間接的に人権問題が発生した場合、当社グループに重要な影響を及ぼす可能性があります。 そのため、人権尊重に対するコミットメント遵守のために、住友大阪セメントグループ人権方針を策定し、人権リスク評価マップによる重点課題への対応や人権デュー・ディリジェンス、役員や従業員対象の人権セミナーの実施などを通じて、私たちが事業活動において人権を侵害することがないよう取り組んでおります。 (6)人財確保リスク セメント事業を始め高機能品事業などさまざまな事業活動を永続的に行うためには、労働力の確保として優秀な人財を採用し雇用を維持する必要がありますが、採用人数が充足できない場合や優秀な人財の流出が発生した場合、当社グループは「SOC Vision2035」で掲げる事業ポートフォリオ変革や事業拡大が達成できない等の重要な影響を及ぼす可能性があります。 そのため、労働環境や労働条件を整備するなど魅力ある企業づくりを推進し、また多様な人財がいきいきと働ける企業を目指し、女性の積極採用並びに活躍の場の拡充、育児・介護などと仕事の両立支援に関する諸制度の充実に向けた取組も行っております。 (7)DXリスク 当社グループの事業環境は、デジタル技術の進化や市場環境の不確実性の高まり等により急速に変化しており、これらの環境変化に対応したDXへの取組が十分に進展しない場合、環境変化への適応が遅れ、リスクが顕在化する可能性があります。具体的には、当社のDXへの取組が遅延し、他社がデジタル技術の活用による生産性向上やサプライチェーンの最適化等を通じて競争力を高めた場合、当社グループの収益性や市場競争力が低下するおそれがあります。 これに対し、当社では2025年4月にデジタル推進部を設置するとともに、DX戦略を策定・開示し、データ基盤の整備、業務改革、デジタル人財の育成に加え、企業文化及び組織改革を含めた取組を全社ロードマップ及びガバナンス体制のもとで推進することにより、リスクの低減に取り組んでおります。 (8)情報セキュリティリスク 当社グループは、取引先の顧客情報や社員の個人情報、研究開発に関する機密情報等の重要な情報を保有しており、サイバー攻撃や情報機器の脆弱性に起因した情報漏洩が発生した場合、当社グループの業績及び社会的信用に重要な影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクに対応するため、外部からのサイバー攻撃等に対して、セキュリティサービスの導入やインフラ基盤の整備を適宜実施するとともに、巧妙化・多様化する脅威に対応するため、定期的な情報セキュリティアセスメントを行い、その結果に基づく改善及び追加対策を実施しております。 また、人的要因による情報漏洩リスクの低減を目的として、全従業員を対象に標的型攻撃メール訓練を含む情報セキュリティ教育・啓発活動を定期的に実施しております。これらの取組においては、訓練結果やアンケート等の分析を通じて教育内容や対策の見直しを行い、対応力の継続的な向上を図っております。 さらに、万が一情報セキュリティ事故が発生した場合には、被害の拡大防止及び早期復旧を目的として、関係部門が連携する対応体制を整備し、あらかじめ定めた手順に基づき適切に対応しております。

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