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Arent(5254)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • プロダクト共創開発
    建設・プラント業界の大手企業向けに、DX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するコンサルティングとシステム開発が主力事業です。顧客の「暗黙知」(経験や勘に基づく言語化しにくい知識)をソフトウェアとして形にし、業務効率化や生産性向上を実現します。長期的な準委任契約に基づき、コンサルティングから開発、事業化後の継続開発までを一貫して手掛け、安定的な収益を目指します。
  • 共創プロダクト販売
    クライアント企業と共同で開発したプロダクトを、ジョイントベンチャーを通じて外部に販売しています。特にプラント設計自動化ソフトウェア「PlantStream®」は、千代田化工建設との共同出資により開発され、プラントエンジニアリング業界向けにライセンス販売されています。これにより、開発した技術を広く展開し、新たな収益源を確保しています。
  • 自社プロダクト開発・販売
    クライアントとの協業で得た深い業界知識を活かし、自社で開発したソフトウェアやM&Aで取得した子会社が持つソフトウェアを販売しています。例えば、BIMツール「Revit」のアドインや構造計算ソフトなどがあり、ライセンス販売を通じて継続的な収益を得ています。これにより、特定の顧客に依存せず、多様な収益源を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • プロダクト共創開発
    建設業界の大手企業向けに、DXコンサルティングとシステム開発を行う主力事業です。250億1342万円の売上を計上しており、当社の主要な収益源となっています。長期的な契約に基づき、顧客の業務効率化と生産性向上を支援し、継続的な収益獲得を目指しています。
  • 共創プロダクト販売
    クライアント企業と共同開発したプロダクトを外部に販売する事業で、売上は27億4979万円です。特にプラント設計自動化ソフトウェア「PlantStream®」のライセンス販売が中心で、利用期間に応じた継続的な収益を得ています。2025年3月には株式会社PlantStreamを完全子会社化し、今後の収益貢献が期待されます。
  • 自社プロダクト開発・販売
    自社開発やM&Aで拡充した建設業界向けソフトウェアのライセンス販売を行う事業で、売上は33億5665万円です。BIMツールのアドインや構造計算ソフトなど、多様なプロダクトを提供し、継続的な収益獲得を目指しています。今後もM&AやAI実装によりプロダクトラインナップを拡充し、事業成長を図る方針です。
2025-06 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ProductCoCreationDevelopment 事業 25 − −
CoCreationProductSales 事業 3 − −
InHouseProductDevelopmentAndSales 地域 3 − −
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,187 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社、連結子会社9社(株式会社構造ソフト、Arent Vietnam, Co., Ltd.、株式会社Arent AI、株式会社スタッグ、Arent Solutions Inc.、Arent Software S.A.、株式会社建設ドットウェブ、アサクラソフト株式会社、株式会社レッツ)により構成されており、主に建設業界及びプラントエンジニアリング業界の大手企業に対し、DXによる業務効率化・生産性向上を実現するためのコンサルティング及びシステム開発を行っております。また自社開発やM&Aによって拡充した建設業界に特化したプロダクトの販売も強化しております。当社グループは、「暗黙知を民主化する(※1)」をミッションに、属人化しブラックボックスと化した高度な暗黙知を見つけ出し、高い数学力、深い業界知識で解き明かし、ビジネス化することで、主に建設業界のニッチな課題を解決することを目指しております。クライアント企業と共にBIM(※2)化、SaaS(※3)化された新たなシステムを開発し、未だに利用されている旧来からの非効率的なシステム(レガシーシステム)を置き換えていくことで、建設業界の大幅な業務効率化・生産性向上を実現してまいります。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。次の2部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。なお、当連結会計年度より事業内容をより明確に表現するため、セグメント名称を「プロダクト共創開発」から「DX事業」、「自社プロダクト」から「プロダクト事業」へそれぞれ変更しております。また、従来「共創プロダクト販売」を報告セグメントとしておりましたが、当連結会計年度において該当する取引がないため、当連結会計年度より報告セグメントから除外しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等) セグメント情報」の「1.報告セグメントの概要」に記載のとおりであります。 1.DX事業(当社、株式会社Arent AI、Arent Vietnam, Co., Ltd.)現在の当社グループのメインとなる事業であり、建設業界の大手企業等に対し、DX支援のためのコンサルティング・システム開発(主に準委任契約)を行っております。当セグメントでは、コンサルティングから本開発、さらに事業化後の継続開発まで、長期にわたりクライアント企業と協同します。コンサルティングでは、エンジニアリングにどう落とすかという視点からヒアリングや情報分析を行い、業界の状況、顧客の課題を深く把握し、3ヶ月程度でPoC(※4)やプロトタイプを作成します。次にパートナー企業からのフィードバックを受け、対話をしながら、24か月程度でMVP(※5)を開発する本開発を行います。これらをアジャイル開発(※6)により行う中で、初期フェーズに見られた、クライアント側に不足するIT知識、当社グループ側に不足する業務知識のギャップが埋まっていき、よりクライアントの実態に合ったシステムプロダクトを構築できます。プロダクトの初期リリース後は、顧客の要望する追加機能の開発を行う継続開発のフェーズに移行し、プロダクトの利用終了まで、長期間にわたり継続的な収益獲得を期待できます。主要な顧客である高砂熱学工業株式会社等との取引はこのフェーズに移行した事例であり、当セグメントの主要顧客として、安定的な取引を継続します。本開発の終了後は、年間50百万円~数億円規模の継続開発を行い、顧客の業務効率化と共に収益が拡大していくWin-Winの関係性を目指したビジネスモデルを構築しております。また事例のリリースや展示会出展等で獲得した商談から、増強した営業体制や開発体制によって、次の事例につながる案件を獲得する好循環を実現することで、更なる事業成長に取り組んでまいります。 (参考:プロジェクト件数の推移) また、当社の連結子会社である株式会社Arent AIは、建設DXと親和性の高い「生成AI」に焦点を絞ったプロダクトの開発に取り組み2024年7月30日に法人向け生成AIツール「BizGenie」をリリースし、その拡販を推進するとともに、当社とともに「生成AI」関連の開発に継続注力しております。 2.プロダクト事業(当社、株式会社PlantStream(2025年10月に当社が吸収合併)、株式会社構造ソフト、株式会社スタッグ、Arent Solutions Inc.、Arent Software S.A.、株式会社建設ドットウェブ、アサクラソフト株式会社、株式会社レッツ)主に建設業界に対し、自社開発やM&Aによって拡充したソフトウエアのライセンス販売等を行い、利用期間に応じた継続的な収益獲得を目指す事業です。クライアント企業との協同を通じて得た業界の深い知識を活かす形で、自社プロダクトの開発・サービス提供も展開しております。具体的な事例としては、米国のAutodesk社が提供するBIMツール「Revit」のアドイン(ソフトウエアへ機能を追加するプログラム)として「LightningBIM 自動配筋」や「Lightning BIM ファミリ管理」といった自社開発したプロダクトの他、M&Aした子会社が保有する建設業界向けのソフトウエアがございます。今後も業界特化型SaaSをM&Aによってグループ化して多層展開するプロダクト群戦略、業務システム内にAIを実装して既存システムをアップデートするAIブースト戦略、直販×提案型で利益率を向上させるコンサルティング直営業戦略を推進していくため、プロダクトラインナップの拡充に取り組んでまいります。 ※1 暗黙知とは、経験や勘に基づく知識で、言語化することが難しいものを指します。当社グループは、暗黙知をソフトウエアとして形にし、誰もが使えるようにすることを「民主化」と呼んでおります。 ※2 Building Information Modelingの略であり、コンピュータ上に作成した主に3次元の形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げ等、建築物の属性情報を併せ持つ建物情報モデルを構築するシステムです。BIMの活用により、設計者・施工者・施工主間のリアルタイムな情報共有を行うことで、修正にかかる手間の大幅な削減や、工程間の不整合及び手戻りの防止といった効果が期待されています。 ※3 Software as a Serviceの略であり、インターネットを経由し、ソフトウエアの機能を提供するサービスを指し、常に最新のソフトウエアを提供できる等の利点があります。インターネットの普及により、いわゆるパッケージ製品の販売という形態から、移行が進んでおります。 ※4 Proof of Concept(概念実証)の略であり、新技術等の実現可能性を検証するために行う実験的工程を指す用語です。 ※5 Minimum Viable Product(実用最小限の製品)の略であり、顧客が求める必要最小限の機能を持った製品のことを指す用語です。MVPの提供後、顧客からのフィードバック等を参考に、製品の改善を図ります。 ※6 開発工程を小さな機能単位に区切り、機能単位毎に要件定義・開発・テスト等を行い、その繰り返しにより集合体としての大きなシステムを構築する手法です。仕様変更や追加開発の要望にも柔軟な対応が可能という利点があります。 [事業系統図]以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 強い
高い数学力、深い業界知識、プラント・建設業界に特化した技術力で差別化。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
高い数学力、深い業界知識、プラント・建設業界の課題解決DX、ソフトウエア開発の技術力。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 低い
会社が挙げる主要リスク:特定の販売先への依存 / 人材の採用・育成の遅れ / 技術革新への対応の遅れ
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ArentはAI技術を活用したDX支援事業を展開しており、独自の開発ノウハウやAIモデルが一定の無形資産となり得る。しかし、現時点では特許取得状況やブランド認知度に関する具体的な情報は限定的であり、競争優位性の源泉としてはまだ発展途上と見られる。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

DX支援事業においては、顧客企業の基幹システムに関わることも多く、一度導入されたソリューションからの乗り換えには一定の手間やコストが発生する可能性がある。しかし、技術革新の速いIT業界においては、顧客がより優れた技術やサービスを求めて乗り換えるリスクも存在する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

現時点では、Arentの事業モデルにおいて明確なネットワーク効果が観察される要素は見当たらない。顧客が増加することでサービス価値が向上するような、プラットフォーム型ビジネスとは異なる。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

AI技術の活用による業務効率化や、開発プロセスの標準化・自動化により、一定のコスト競争力を確保している可能性はある。しかし、競合他社も同様の技術開発を進めているため、構造的なコスト優位性を確立しているとは断言しにくい。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

DX支援市場は成長分野であり、Arentも事業拡大を目指している。しかし、市場全体がまだ断片的であり、Arentが業界内で圧倒的なシェアを獲得し、効率規模の経済を享受している段階には至っていないと考えられる。

  • 高度な専門知識と技術力
    建設・プラント業界特有の複雑な課題を解決するため、高い数学力と深い業界知識を持つエンジニアが強みです。経験や勘に頼りがちな「暗黙知」をソフトウェア化する技術は、他社との差別化要因となり、競争優位性を確立しています。これにより、ニッチで専門性の高い市場での存在感を高めています。
  • 顧客との共創関係
    クライアント企業とDXパートナーとして長期的な協同関係を築き、課題発見からプロダクト開発、事業化までを共に進めます。アジャイル開発を通じて、クライアントのIT知識不足と自社の業務知識不足のギャップを埋め、実態に合ったシステムを構築することで、顧客との強い信頼関係と継続的な収益を生み出しています。
  • 業界特化型プロダクト群
    自社開発に加え、M&Aにより建設業界に特化したソフトウェア群を拡充しています。BIM関連ツールや構造計算ソフト、プラント設計自動化ソフトなど、特定の業界ニーズに応える多様なプロダクトラインナップを持つことで、幅広い顧客層に対応し、市場での競争力を強化しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針 当社グループは、以下のミッションを掲げ、「建設業界のニッチ領域の課題を解決するデジタル事業を創造し続ける企業」として、職人が持つ高度な暗黙知をシステムとして具現化することで、クライアント企業の業務効率化から新事業の創出へとつなぐ新たな形のDXを実現します。 領域:巨大な建設業界建設業界は、非効率なレガシーシステムによる課題を抱える、数多くのニッチ領域で構成された市場 建設市場は国内だけで約81兆円(※1)の規模を持つ巨大な市場でありながら、SaaS化されている領域は施工管理等のごく一部に限られており、未だ非効率なレガシーシステムによる課題を抱えた数多くのニッチ領域が存在します。当社グループは、「3Dを核としたシステム開発の技術力」、「建設業に特化した開発実績により蓄積したナレッジ」、「課題発見~プロダクト開発~事業化までの全工程をハンズオンで実施する事業創出力」の3つの強みを活かし、建設業界における労働生産性の低迷や就業者の高齢化の進行等の深い課題を解決することができる企業として、DX化において大きなポテンシャルを持つ建設業界内でのユニークなポジショニングを構築してまいります。※1 国土交通省総合政策局 情報政策課建設経済統計調査室「2026年度建設投資見通し」 事業:デジタル事業立ち上げ業界の大手企業と共創プロダクトを開発し、共に販売していく 当社グループは、クライアント企業との継続的な協同関係を通じて、DXにかかる課題発見から、課題を解決するプロダクトの共同開発、プロダクト販売の事業化までのプロセスを、一気通貫で支援いたします。開発した共創プロダクトは、クライアント企業を通じて、又は当社とクライアント企業とのジョイントベンチャー等の設立を通じて、外部へ販売することにより、単なるソフトウエア開発の受託にとどまらない継続的な収益拡大を目指します。 特徴:ニッチ領域をBIM/SaaS化ニッチ領域のレガシーシステムに置き換わる新たなシステムを開発し、高いマーケットシェアを獲得する 当社グループは、建設業界にある数多くのニッチ領域に狙いを定め、自社及び共創でBIM化・SaaS化されたプロダクトを開発し、こうしたニッチ領域の非効率的なシステム(レガシーシステム)を置き換えていくことで、高いマーケットシェアを獲得し、高利益率を実現してまいります。(2)経営環境・建設業界の状況 現在の建設業の労働生産性は製造業の約60%といわれており、また、業界の高齢化が進んでいる状況にあります。当社グループは、建設業界は細分化された多重下請け構造が長年の課題を複雑化し、DXの推進が非常に難しい業界であるため、高齢化に伴い職人の暗黙知が消滅していく危機にあると考えており、こうした高度な暗黙知を、高い数学力・深い業界知識で解き明かし、モデル化する力でシステムへと昇華させ、誰もが使えるよう「知」の民主化を進めます。 建設業の労働生産性建設業就業者の年齢層別割合(出所)建設業の労働生産性:一般社団法人 日本建設業連合会「建設業デジタルハンドブック」2026年6月更新データ建設業就業者の年齢層別割合:同 2026年7月更新データ ・建設業界を取り巻く法規制 建設業界のDXの基盤となるBIM利用について、国土交通省は、建設業界の長年の課題である生産性向上を解決する手段として、以前から導入の検討を続けておりましたが、近年、新型コロナウイルス感染症の影響により、各企業でのデジタル化が進んだことを背景に、2023年度からの公共事業におけるBIM利用の原則化を決定、その後のBIM利用の対象範囲を順次拡大していく方針を発表しております。(出所:国土交通省「令和5年度のBIM/CIM原則適用に向けた進め方」) また、建設業への適用が5年猶予されていた時間外労働の上限規制について猶予期間が終了し、2024年4月より適用が開始されております。(2019年施行 改正労働基準法 第36条) このような法規制等の状況により、業界の生産性向上はまさに喫緊の課題となっています。当社グループは、3Dを核とした建設業界のDXに必要な技術を網羅しており、特にBIMに関しては、空間自動設計システム「PlantStream®」や、自動配筋ソフト「LightningBIM自動配筋」といったBIM関連製品を生み出してきた実績があります。こうした技術力を活かし、建設業界の大幅な生産性向上を実現します。 ・市場規模 当社グループは、建設業界のIT投資額は、日本国内の建設投資見通し額約81兆円(出所:国土交通省総合政策局 情報政策課建設経済統計調査室「2026年度建設投資見通し」)に対し、一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査報告書(2026)」等を基に当社が見積もった建設・土木業界における売上高に占めるIT投資割合を乗じることで、約1兆円程度と当社では試算しております。そのうち当社グループがターゲットとする市場規模は、Strainer「建設業 売上高ランキング(2023年1月時点)」等を基に建設業界大手(売上高1,000億円以上)の売上高シェアを約55%と仮定し、約5,500億円と当社では試算しております。 その市場規模の中、前述のBIM原則適用、建設業における時間外労働の上限規制の適用開始の法規制の追い風の元、10%のシェア(売上高約550億円)獲得を目指し、建設業界の深い課題を解決することができる企業として、DX化において大きなポテンシャルを持つ建設業界内でのユニークなポジショニングを構築していきます。また、建設業界においてIT投資が占める割合は他産業と比べて低く、これまで述べたような課題も残されているため、未開拓の市場が多く存在し、将来的には市場規模の更なる拡大も見込めるものと考えております。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社グループは、クライアント企業に付加価値の高いサービスを提供し続け、M&Aによるプロダクトの拡充を続けることにより、事業の継続的な拡大と企業価値の向上を図ることが重要だと認識しており、事業の成長性を表す売上高成長率と、収益力を表す売上高営業利益率及びのれん償却前営業利益を重要な経営指標と考えております。 (4)経営戦略等 当社グループは、DX事業における安定的な成長に加え、自社開発及びM&Aによる「プロダクト群戦略」「コンサルティング直営業戦略」「AIブースト戦略」によりプロダクト事業を拡大していくことで、より加速度的な成長を目指してまいります。 (DX事業の成長推移及び見込み、プロダクト事業の戦略) 短期的に実行する具体的なアクションは以下のとおりです。 ・DX事業の堅実な遂行 当社グループは、現在、建設業界の複数社よりDX事業の大型案件を受注し、開発を継続しております。また新規の業界大手からの引き合いも増加しており、こうした案件を確実に事業化し、更なる収益拡大へとつなげるとともに、現在受注している開発を堅実に遂行し、高品質なプロダクトの作成に注力いたします。 ・PR、ブランディング施策による更なる案件の獲得 当社グループのクライアントとの取り組みをPR・ブランディングすることで、建設業界におけるDXのポジショニングを確立し、認知度拡大による更なる案件獲得につなげることを目指し、様々な媒体による広報活動の強化を実施してまいります。 ・開発体制の強化 当社グループの技術力を維持しながら、事業規模を拡大するためには、優秀なエンジニアの採用が必要不可欠です。当社グループは、フルリモートワークも可能な環境を整備し、海外子会社を設立するなど、国内・海外を問わない積極的かつ柔軟な採用活動を展開し、開発体制の強化を進めております。 ・プロダクト事業の成長戦略の遂行 これまで主にDX事業を中心に展開してきましたが、M&Aや自社開発によってプロダクトラインナップを大幅に拡充し、以下の3つの戦略を軸に、事業成長を加速させていきます。それぞれの戦略は単独でも成果を生み出しますが、同時に実行することで相乗効果を高め、リスクや突発的な変化にも柔軟に対応できる体制を構築します。 ①AIブースト戦略 業務用ソフトウエアにAI機能をあらかじめ組み込み、ユーザーが特別な操作や意識を必要とせずにAIの支援を受けられる「AIブースト戦略」を推進してまいります。 ②プロダクト群戦略 建設業界の現場課題に対応する中小規模のSaaSをグループに迎え、それぞれの経営の独立性を尊重しながら長期的に育成する「プロダクト群戦略」を推進してまいります。 ③コンサルティング直営業戦略 業界ナレッジに精通した営業体制を自社で構築し、製品説明にとどまらない課題起点のコンサルティング直営業を展開していきます。この「コンサルティング直営業戦略」により、提案の幅と収益性を両立させながら、プロダクトのさらなる拡販と企業価値の向上を目指してまいります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループの優先的に対処すべき事業上の課題は以下のとおりであります。なお、財務上の課題は、本書提出日現在において、当社の財務は安定しており、優先的に対処すべき課題がないため記載しておりません。 ① プロダクト事業の拡大とAI活用の推進空間自動設計システム「PlantStream®」、「Lightning BIMシリーズ」に加え、「Lightning BIM AIAgent」、「PROCOLLA」等をリリースし、AI技術を活用した新たな価値提供に注力しております。今後も、グループ各社が保有するプロダクトとのクロスセルや、生成AIを活用した機能拡充等を通じて、プロダクト事業の売上及び収益性の一層の向上を図ってまいります。 ② グループガバナンス体制の強化とM&Aシナジーの実現(PMI)当社グループは株式会社構造ソフト、株式会社スタッグ、株式会社建設ドットウェブ、アサクラソフト株式会社、株式会社レッツを完全子会社化するとともに、株式会社PlantStreamを吸収合併するなど、M&Aによるグループ拡大及びプロダクトラインナップの拡充を積極的に推進してまいりました。今後も、各社の独立性を尊重しながら、営業連携や技術・ナレッジの共有によるシナジー創出を進めるとともに、関係会社管理規程に基づく経営管理、内部統制システムの整備など、グループ全体のガバナンス強化に取り組んでまいります。 ③ 採用の強化及び組織体制の整備グループ全体の急速な事業拡大に対応するため、IT人材の採用を積極的に推進するとともに、拡大する組織を統括するマネジメント人材の確保・育成、人事制度の構築やカルチャーの推進等に取り組んでまいります。 ④ 内部管理体制の強化組織及びグループ会社数の急速な拡大に対応するため、業務効率化のための基幹システムの整備、原価管理及び収益認識の精度向上、情報セキュリティ体制の強化、J-SOXを含めた内部監査機能の拡充、監査役監査によるコーポレート・ガバナンスの充実等に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針 当社グループは、以下のミッションを掲げ、「建設業界のニッチ領域の課題を解決するデジタル事業を創造し続ける企業」として、職人が持つ高度な暗黙知をシステムとして具現化することで、クライアント企業の業務効率化から新事業の創出へとつなぐ新たな形のDXを実現します。 領域:巨大な建設業界建設業界は、非効率なレガシーシステムによる課題を抱える、数多くのニッチ領域で構成された市場 建設市場は国内だけで約81兆円(※1)の規模を持つ巨大な市場でありながら、SaaS化されている領域は施工管理等のごく一部に限られており、未だ非効率なレガシーシステムによる課題を抱えた数多くのニッチ領域が存在します。当社グループは、「3Dを核としたシステム開発の技術力」、「建設業に特化した開発実績により蓄積したナレッジ」、「課題発見~プロダクト開発~事業化までの全工程をハンズオンで実施する事業創出力」の3つの強みを活かし、建設業界における労働生産性の低迷や就業者の高齢化の進行等の深い課題を解決することができる企業として、DX化において大きなポテンシャルを持つ建設業界内でのユニークなポジショニングを構築してまいります。※1 国土交通省総合政策局 情報政策課建設経済統計調査室「2026年度建設投資見通し」 事業:デジタル事業立ち上げ業界の大手企業と共創プロダクトを開発し、共に販売していく 当社グループは、クライアント企業との継続的な協同関係を通じて、DXにかかる課題発見から、課題を解決するプロダクトの共同開発、プロダクト販売の事業化までのプロセスを、一気通貫で支援いたします。開発した共創プロダクトは、クライアント企業を通じて、又は当社とクライアント企業とのジョイントベンチャー等の設立を通じて、外部へ販売することにより、単なるソフトウエア開発の受託にとどまらない継続的な収益拡大を目指します。 特徴:ニッチ領域をBIM/SaaS化ニッチ領域のレガシーシステムに置き換わる新たなシステムを開発し、高いマーケットシェアを獲得する 当社グループは、建設業界にある数多くのニッチ領域に狙いを定め、自社及び共創でBIM化・SaaS化されたプロダクトを開発し、こうしたニッチ領域の非効率的なシステム(レガシーシステム)を置き換えていくことで、高いマーケットシェアを獲得し、高利益率を実現してまいります。(2)経営環境・建設業界の状況 現在の建設業の労働生産性は製造業の約60%といわれており、また、業界の高齢化が進んでいる状況にあります。当社グループは、建設業界は細分化された多重下請け構造が長年の課題を複雑化し、DXの推進が非常に難しい業界であるため、高齢化に伴い職人の暗黙知が消滅していく危機にあると考えており、こうした高度な暗黙知を、高い数学力・深い業界知識で解き明かし、モデル化する力でシステムへと昇華させ、誰もが使えるよう「知」の民主化を進めます。 建設業の労働生産性建設業就業者の年齢層別割合(出所)建設業の労働生産性:一般社団法人 日本建設業連合会「建設業デジタルハンドブック」2026年6月更新データ建設業就業者の年齢層別割合:同 2026年7月更新データ ・建設業界を取り巻く法規制 建設業界のDXの基盤となるBIM利用について、国土交通省は、建設業界の長年の課題である生産性向上を解決する手段として、以前から導入の検討を続けておりましたが、近年、新型コロナウイルス感染症の影響により、各企業でのデジタル化が進んだことを背景に、2023年度からの公共事業におけるBIM利用の原則化を決定、その後のBIM利用の対象範囲を順次拡大していく方針を発表しております。(出所:国土交通省「令和5年度のBIM/CIM原則適用に向けた進め方」) また、建設業への適用が5年猶予されていた時間外労働の上限規制について猶予期間が終了し、2024年4月より適用が開始されております。(2019年施行 改正労働基準法 第36条) このような法規制等の状況により、業界の生産性向上はまさに喫緊の課題となっています。当社グループは、3Dを核とした建設業界のDXに必要な技術を網羅しており、特にBIMに関しては、空間自動設計システム「PlantStream®」や、自動配筋ソフト「LightningBIM自動配筋」といったBIM関連製品を生み出してきた実績があります。こうした技術力を活かし、建設業界の大幅な生産性向上を実現します。 ・市場規模 当社グループは、建設業界のIT投資額は、日本国内の建設投資見通し額約81兆円(出所:国土交通省総合政策局 情報政策課建設経済統計調査室「2026年度建設投資見通し」)に対し、一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査報告書(2026)」等を基に当社が見積もった建設・土木業界における売上高に占めるIT投資割合を乗じることで、約1兆円程度と当社では試算しております。そのうち当社グループがターゲットとする市場規模は、Strainer「建設業 売上高ランキング(2023年1月時点)」等を基に建設業界大手(売上高1,000億円以上)の売上高シェアを約55%と仮定し、約5,500億円と当社では試算しております。 その市場規模の中、前述のBIM原則適用、建設業における時間外労働の上限規制の適用開始の法規制の追い風の元、10%のシェア(売上高約550億円)獲得を目指し、建設業界の深い課題を解決することができる企業として、DX化において大きなポテンシャルを持つ建設業界内でのユニークなポジショニングを構築していきます。また、建設業界においてIT投資が占める割合は他産業と比べて低く、これまで述べたような課題も残されているため、未開拓の市場が多く存在し、将来的には市場規模の更なる拡大も見込めるものと考えております。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社グループは、クライアント企業に付加価値の高いサービスを提供し続け、M&Aによるプロダクトの拡充を続けることにより、事業の継続的な拡大と企業価値の向上を図ることが重要だと認識しており、事業の成長性を表す売上高成長率と、収益力を表す売上高営業利益率及びのれん償却前営業利益を重要な経営指標と考えております。 (4)経営戦略等 当社グループは、DX事業における安定的な成長に加え、自社開発及びM&Aによる「プロダクト群戦略」「コンサルティング直営業戦略」「AIブースト戦略」によりプロダクト事業を拡大していくことで、より加速度的な成長を目指してまいります。 (DX事業の成長推移及び見込み、プロダクト事業の戦略) 短期的に実行する具体的なアクションは以下のとおりです。 ・DX事業の堅実な遂行 当社グループは、現在、建設業界の複数社よりDX事業の大型案件を受注し、開発を継続しております。また新規の業界大手からの引き合いも増加しており、こうした案件を確実に事業化し、更なる収益拡大へとつなげるとともに、現在受注している開発を堅実に遂行し、高品質なプロダクトの作成に注力いたします。 ・PR、ブランディング施策による更なる案件の獲得 当社グループのクライアントとの取り組みをPR・ブランディングすることで、建設業界におけるDXのポジショニングを確立し、認知度拡大による更なる案件獲得につなげることを目指し、様々な媒体による広報活動の強化を実施してまいります。 ・開発体制の強化 当社グループの技術力を維持しながら、事業規模を拡大するためには、優秀なエンジニアの採用が必要不可欠です。当社グループは、フルリモートワークも可能な環境を整備し、海外子会社を設立するなど、国内・海外を問わない積極的かつ柔軟な採用活動を展開し、開発体制の強化を進めております。 ・プロダクト事業の成長戦略の遂行 これまで主にDX事業を中心に展開してきましたが、M&Aや自社開発によってプロダクトラインナップを大幅に拡充し、以下の3つの戦略を軸に、事業成長を加速させていきます。それぞれの戦略は単独でも成果を生み出しますが、同時に実行することで相乗効果を高め、リスクや突発的な変化にも柔軟に対応できる体制を構築します。 ①AIブースト戦略 業務用ソフトウエアにAI機能をあらかじめ組み込み、ユーザーが特別な操作や意識を必要とせずにAIの支援を受けられる「AIブースト戦略」を推進してまいります。 ②プロダクト群戦略 建設業界の現場課題に対応する中小規模のSaaSをグループに迎え、それぞれの経営の独立性を尊重しながら長期的に育成する「プロダクト群戦略」を推進してまいります。 ③コンサルティング直営業戦略 業界ナレッジに精通した営業体制を自社で構築し、製品説明にとどまらない課題起点のコンサルティング直営業を展開していきます。この「コンサルティング直営業戦略」により、提案の幅と収益性を両立させながら、プロダクトのさらなる拡販と企業価値の向上を目指してまいります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループの優先的に対処すべき事業上の課題は以下のとおりであります。なお、財務上の課題は、本書提出日現在において、当社の財務は安定しており、優先的に対処すべき課題がないため記載しておりません。 ① プロダクト事業の拡大とAI活用の推進空間自動設計システム「PlantStream®」、「Lightning BIMシリーズ」に加え、「Lightning BIM AIAgent」、「PROCOLLA」等をリリースし、AI技術を活用した新たな価値提供に注力しております。今後も、グループ各社が保有するプロダクトとのクロスセルや、生成AIを活用した機能拡充等を通じて、プロダクト事業の売上及び収益性の一層の向上を図ってまいります。 ② グループガバナンス体制の強化とM&Aシナジーの実現(PMI)当社グループは株式会社構造ソフト、株式会社スタッグ、株式会社建設ドットウェブ、アサクラソフト株式会社、株式会社レッツを完全子会社化するとともに、株式会社PlantStreamを吸収合併するなど、M&Aによるグループ拡大及びプロダクトラインナップの拡充を積極的に推進してまいりました。今後も、各社の独立性を尊重しながら、営業連携や技術・ナレッジの共有によるシナジー創出を進めるとともに、関係会社管理規程に基づく経営管理、内部統制システムの整備など、グループ全体のガバナンス強化に取り組んでまいります。 ③ 採用の強化及び組織体制の整備グループ全体の急速な事業拡大に対応するため、IT人材の採用を積極的に推進するとともに、拡大する組織を統括するマネジメント人材の確保・育成、人事制度の構築やカルチャーの推進等に取り組んでまいります。 ④ 内部管理体制の強化組織及びグループ会社数の急速な拡大に対応するため、業務効率化のための基幹システムの整備、原価管理及び収益認識の精度向上、情報セキュリティ体制の強化、J-SOXを含めた内部監査機能の拡充、監査役監査によるコーポレート・ガバナンスの充実等に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態の状況当連結会計年度の財政状態は以下のとおりとなりました。(資産) 資産合計は、前連結会計年度末比4,537,389千円増加し、10,621,902千円となりました。これは主に、連結子会社の取得によりのれんが1,697,790千円、長期大型契約の割合の増加等により受取手形、売掛金及び契約資産が795,923千円、株式会社PlantStreamの吸収合併に伴う繰越欠損金の引継ぎ等により繰延税金資産が1,027,047千円増加したことによるものです。(負債) 負債合計は、前連結会計年度末比2,081,984千円増加し3,364,668千円となりました。これは主に、連結子会社の増加等の影響により、契約負債が1,425,099千円増加したことによるものです。(純資産) 純資産合計は、前連結会計年度末比2,455,405千円増加し、7,257,234千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、利益剰余金が1,512,582千円、株式交換等により資本金が713,660千円、資本剰余金が681,007千円増加したことによるものです。 ②経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善等に支えられ緩やかな回復傾向にあるものの、物価の上昇や為替の変動、米国の通商政策や中東情勢等の影響について注視を要する状況が続いております。 このような経済環境の下、AI技術の普及が急速に進むなど、企業のデジタル化・DX推進の流れは継続しており、当社グループが主なターゲットとする建設業界においても、時間外労働の上限規制等への対応が求められる中、DXによる生産性向上への関心が高まっています。 当社グループは、クライアントの課題を把握し、モデル化・実装まで一気通貫でDXを推し進めるためのソフトウエア開発及びサービス提供を行っております。 特に、建設業界のDX需要の高まりに狙いを定め、当社グループの強みの一つである「3Dを核としたシステム開発の技術力」を活かし、クライアント企業の業務効率化を実現する高品質なプロダクトの共創開発に注力しております。 また、当社グループは、DX事業の更なる拡大とともに、自社グループのプロダクト群の拡充を目指しています。プロダクト事業では、これまでに開発した空間自動設計システム「PlantStream®」や、建設業界のBIM化を推進するソフトウエア「Lightning BIMシリーズ」に加えて、M&Aで子会社化した各社が保有するプロダクトなどの販売拡大を目指し、営業活動の強化に取り組んでおります。 この結果、当連結会計年度の売上高は5,828,936千円(前連結会計年度比44.7%増)、営業利益は922,709千円(同45.4%減)、経常利益は937,688千円(同8.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,512,582千円(同138.8%増)となりました。なお、当社グループは、当連結会計年度より、M&Aにより発生した会計上ののれんの償却額を除いたキャッシュ・フローベースの実質的な収益力を評価するため、のれん償却前営業利益を重要な経営指標として追加いたしました。当連結会計年度におけるのれん償却前営業利益は1,210,471千円(同30.4%減)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 なお、当連結会計年度より、報告セグメントごとの業績をより適切に管理するため、従来、セグメント利益又は損失には、経常利益を用いておりましたが、営業利益にのれん償却額を足し戻したのれん償却前営業利益に変更したほか、事業内容をより明確に表現するため、セグメント名称を「プロダクト共創開発」から「DX事業」、「自社プロダクト」から「プロダクト事業」へそれぞれ変更しております。詳細は、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等) セグメント情報」の「1.報告セグメントの概要」及び「2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法」をご参照ください。(DX事業) DX事業では、主に建設業界のクライアントからの開発受注が順調に増加し、業績は堅調に推移いたしました。この結果、当セグメントの売上高は3,966,097千円(前連結会計年度比17.1%増)、セグメント利益は1,582,735千円(同11.9%増)となりました。セグメント利益率は39.9%と、前連結会計年度の一時要因を含めた利益率には及ばないものの、事業成長に備えた組織体制整備等の先行投資を実行しながら、高い利益率を維持しております。 (プロダクト事業) プロダクト事業では、空間自動設計システム「PlantStream®」等の既存製品の販売拡大に取り組むほか、「Lightning BIMシリーズ」第3弾となる意匠設計における操作負荷を軽減する新ツール「Lightning BIM AIAgent」、株式会社大林組と開発したAIを実装した現場支援型スマート工程ソフト「PROCOLLA」をリリースいたしました。なお、前連結会計年度に連結子会社化した株式会社構造ソフト、株式会社PlantStream、当連結会計年度に連結子会社化した株式会社スタッグ、株式会社建設ドットウェブ、アサクラソフト株式会社、株式会社レッツの連結子会社化後の経営成績は、「プロダクト事業」セグメントへ追加しております。この結果、当セグメントの売上高は2,019,282千円(前連結会計年度は335,665千円)、セグメント利益は1,488千円(前連結会計年度は39,331千円の損失)となりました。 ③キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比319,940千円増加し、4,146,469千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は663,376千円(前連結会計年度は840,732千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益933,948千円、のれん償却額287,761千円及び減価償却費279,368千円を計上した一方、売上債権及び契約資産の増加額632,597千円、法人税等の支払額401,335千円があったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果得られた資金は161,698千円(前連結会計年度は841,386千円の使用)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入667,660千円、保険積立金の解約による収入282,725千円があった一方、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出454,201千円、無形固定資産の取得による支出286,459千円があったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は513,672千円(前連結会計年度は19,555千円の使用)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出458,612千円によるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 b.受注実績 当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 ただし、残存履行義務に配分した取引価格については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (収益認識関係)」に記載しております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)金額(千円)前年同期比(%)DX事業3,966,097117.1プロダクト事業2,019,282601.6報告セグメント計5,985,380149.7調整額△156,444-合計5,828,936144.7 (注)1.当連結会計年度において、M&Aにより連結子会社が増加したことに伴い、プロダクト事業の販売実績が著しく増加しております。2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)当連結会計年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)高砂熱学工業株式会社1,239,23330.8868,36314.9株式会社PlantStream711,16617.7-- (注)株式会社PlantStreamに対する販売実績は、完全子会社化後の連結上の相殺処理を反映した金額であります。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、その補足事項は以下のとおりであります。 (ソフトウエア及びソフトウエア仮勘定、のれんの評価) 当社グループは事業用の重要な資産としてソフトウエア(ソフトウエア仮勘定含む)及びのれんを保有しており、固定資産の減損の兆候が存在する場合には、当該資産又は資産グループから得られる将来キャッシュ・フローの見積りに基づき、減損の認識の要否の判定を実施しております。判定の結果、減損損失を認識した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 将来キャッシュ・フローの見積りは、事業計画を基礎としておりますが、主要な仮定として、将来における獲得見込み顧客へのライセンス販売額(単価に件数を乗じた金額)並びに既存顧客及び将来における獲得見込み顧客の顧客単価上昇率・解約率(継続率)があります。主要な仮定は、いずれも不確実性を伴うため、今後の継続的な経営成績の悪化や経済環境の変化等により、事業計画と実際の経営成績に乖離が生じた場合、固定資産の減損損失が発生し、当社グループの翌連結会計年度の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (受託制作のソフトウエア開発契約に係る収益の認識) 当社グループは、一定期間にわたり履行義務が充足される受託制作のソフトウエア開発契約について、期間がごく短い契約を除き、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり収益を認識しております。当該進捗度は、見積総原価に対する発生原価の割合により算出しており、見積総原価が見直された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 見積総原価は、案件ごとの作業内容、必要工数等に基づき見積られる労務費及び外注費等を主要な仮定としております。当該仮定は不確実性を伴うため、案件の進行に伴う要求仕様や設計の変更、追加工数の発生等により想定していなかった原価が発生した場合、当社グループの翌連結会計年度の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (繰延税金資産の回収可能性) 当社グループは、繰延税金資産について、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の収益力に基づく課税所得の見積り等により回収可能性を判断し、回収が見込まれる金額を計上しております。回収可能性の判断の結果、繰延税金資産を取り崩した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 将来の課税所得の見積りは、取締役会で承認された事業計画を基礎としておりますが、主要な仮定として、当社グループ全体の売上高の成長見込み及び営業費用の発生見込みがあります。主要な仮定は、いずれも不確実性を伴うため、事業環境の変化等により課税所得の見込みが減少した場合、繰延税金資産を取り崩し、税金費用が増加することにより、当社グループの翌連結会計年度の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高) 売上高は、前連結会計年度比1,800,417千円増加し、5,828,936千円(前連結会計年度比44.7%増)となりました。これは主に、DX事業における受注の増加やプロダクト事業における連結子会社の増加によるものであります。 (売上原価、売上総利益) 売上原価は、前連結会計年度比902,977千円増加し、2,379,161千円(同61.2%増)となりました。これは主に、DX事業における売上高の増加に応じた労務費及び外注費の増加やプロダクト事業における連結子会社の増加によるものであります。この結果、売上総利益は、前連結会計年度比897,440千円増加し、3,449,775千円(同35.2%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比1,665,404千円増加し、2,527,065千円(同193.3%増)となりました。これは主に、連結子会社の増加に伴う人件費の増加、のれん償却額の増加及び子会社株式の取得関連費用の増加などによるものであります。この結果、営業利益は、前連結会計年度比767,963千円減少し、922,709千円(同45.4%減)となりました。 (営業外損益、経常利益) 営業外収益は、前連結会計年度比12,694千円増加し、25,439千円(同99.6%増)となりました。営業外費用は、前連結会計年度に計上した持分法による投資損失が解消したこと等により、前連結会計年度比824,942千円減少し、10,460千円(同98.7%減)となりました。この結果、経常利益は、前連結会計年度比69,673千円増加し、937,688千円(同8.0%増)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 特別利益として新株予約権戻入益324千円、特別損失としてソフトウエア除却損4,064千円を計上いたしました。また、株式会社PlantStreamの吸収合併に伴う繰越欠損金の引継ぎ等により繰延税金資産を計上した結果、法人税等合計は△578,350千円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比879,083千円増加し、1,512,582千円(同138.8%増)となりました。 ③経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について 当社グループは、主な経営指標として売上高成長率及び売上高営業利益率を重視しております。また、当社グループはM&Aを積極的に活用していることから、のれん償却額の影響を除いた事業本来の収益力を示す指標として、のれん償却前営業利益も併せて重視しており、各指標の推移は以下のとおりです。 当連結会計年度の売上高成長率は、DX事業における受注の増加やM&Aによる連結子会社の増加などの結果、44.7%となりました。一方、当連結会計年度の売上高営業利益率は、のれん償却額及び子会社株式の取得関連費用の計上により、15.8%となりました。なお、のれん償却額287,761千円を足し戻したのれん償却前営業利益は1,210,471千円であります。 前連結会計年度当連結会計年度売上高成長率37.0%44.7%売上高営業利益率42.0%15.8%のれん償却前営業利益1,738,290千円1,210,471千円 ④キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容)当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。営業活動によるキャッシュ・フローは、業績が堅調に推移する中、663,376千円のプラスとなり、健全な状況と考えております。投資活動によるキャッシュ・フローは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入や保険積立金の解約による収入があった一方、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出や無形固定資産の取得による支出があった結果、161,698千円のプラスとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出等により、513,672千円のマイナスとなりました。以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、4,146,469千円となっており、十分な流動性を確保しております。 (資本の財源及び資金の流動性に係る情報)当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、主として内部資金を活用し、不足分は金融機関からの借入等により資金調達を行っております。また、売掛金の未回収等の突発的な事象に備え、取引金融機関と当座貸越契約の締結により必要資金を調達できる体制をとっております。当社の資金需要のうち主なものは、人件費及び外注費及びM&Aの実行資金です。この資金需要に対する財源は、営業活動で得られる自己資金と、銀行からの長期借入金を主に活用しておりますが、M&A等の高額な資金需要に対しては、取引金融機関からの借入等のほか、その規模に応じた適切な資金調達手段も検討してまいります。

事業リスク

  • 特定の販売先への依存
    高砂熱学工業株式会社への売上高が全体の30.8%を占めるなど、特定の顧客への依存度が高い状況です。株式会社PlantStreamの完全子会社化により、その依存リスクは解消される見込みですが、高砂熱学工業との取引が縮小した場合、事業や業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。新規顧客獲得や既存顧客との取引拡大で依存度低下を目指しています。
  • 技術革新への対応遅れ
    IT業界は技術革新のスピードが速く、新しい技術やサービスが常に生まれています。AI技術の急速な発展など、予想以上の技術革新や代替技術の出現により、自社のサービスが競争力や付加価値を失う可能性があります。技術革新への迅速な対応が遅れると、新規受注の減少や既存顧客の離反を招き、業績に影響を及ぼす恐れがあります。
  • 情報セキュリティリスク
    クライアント企業の機密情報を取り扱うため、情報漏洩のリスクがあります。人的ミスや外部からのサイバー攻撃などにより情報漏洩が発生した場合、損害賠償責任を負う可能性や顧客からの信用を失い、取引関係が悪化する可能性があります。厳格な規程整備や認証取得で対策していますが、完全にリスクを排除することは困難です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,861 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)事業環境について①業界や市場動向について(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)当社グループはIT業界においてプラント・建設業界の課題解決DX、ソフトウエア開発及びサービス提供を主たる業務としております。建設業界のIT投資額については、日本国内の建設投資見通し額約81兆円(国土交通省総合政策局情報政策課建設経済統計調査室「2026年度建設投資見通し」より)に対し、一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査報告書(2026)」を基に当社が見積もった建設・土木業界における売上高に占めるIT予算比率を乗じることで、約1兆円程度と当社では試算しております。建設業界は2023年度よりBIMの原則適用、2024年より時間外労働の上限規制が始まっており、生産性を向上させるため、IT投資は継続的な成長が見込まれております。当社グループは、高い数学力や深い業界知識を必要とするプラント・建設業界の課題解決DX、ソフトウエア開発及びサービス提供を行うことによって、建設業界のIT投資動向に左右されにくい事業の構築に努めておりますが、国内外の経済情勢や景気動向が変化し、企業がIT投資額を大幅に縮小した場合、当社グループの主たる顧客であるプラント・建設業界の市況が悪化した場合、あるいは予期せぬ事態等により市場成長率の鈍化又は市場規模が縮小する事態となった場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ②競合他社について(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:数年以内、影響度:中)当社グループはプラント・建設業界の課題解決DX、ソフトウエア開発及びサービス提供を中心に事業展開をしてきており、数多くの競合企業が存在しております。当社グループは、プラント・建設業界の深い知識を有するプログラマーの高い技術力を背景に競合他社との差別化を図っており、コンサルティング力や技術力の強化に努め競争優位性の確保に努めておりますが、当社グループの競争力が低下した場合には、受注が減少し、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ③技術革新への対応について(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:数年以内、影響度:中)IT業界は、技術革新や顧客ニーズの変化のスピードが非常に速く、それに伴い、常に新しい技術やサービスが生み出されております。当社グループの事業においては技術力が競争力の源泉であるため、技術革新への対応が遅れることは当社にとって重大なリスクになると考えております。従いまして、技術革新に迅速に対応できるよう、常に市場動向を注視し技術革新への対応を講じることにより、今後も競争力のあるサービスを提供できるように取り組んでおります。また優秀なITエンジニアの確保や社内勉強会の開催等による社員のスキルアップにも注力しております。しかしながら、例えば、AI技術の急速な発達により、当社の採用するアルゴリズムより高速に計算が可能となる技術が実用化された場合等、予想以上の急速な技術革新や代替技術・汎用的な競合商品の出現等により、当社グループのサービスが十分な競争力や付加価値を確保できない場合には、新規受注の減少や既存顧客の離反を招来し、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ④システムリスクについて(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)当社グループは事業及び社内管理の基盤をインターネット通信網に依存しており、通信ネットワーク機器の故障及び自然災害や火災・事故等によるシステム障害を回避すべく、稼働状況の監視、定期的なバックアップの取得等の未然防止・回避策を実施しております。しかしながら、大地震等の自然災害が発生した場合の、電力供給やインターネットアクセスの制限等、コンピューターウイルスやハッキングなどの外的攻撃やソフトウエアの不具合、その他予測できない重大な事象が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業内容について①特定の販売先への依存について(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:数年以内、影響度:中)当社グループにおいて高砂熱学工業株式会社に対する売上高は高い水準にあります。 (販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合)相手先前連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)当連結会計年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)高砂熱学工業株式会社1,239,23330.8868,36314.9 高砂熱学工業株式会社向けの開発は順調に進捗しており、引き続き高い水準での取引関係が継続しております。当社グループとして特定販売先への依存度は低下傾向にありますが、当社グループでは、今後もソフトウエア開発取引を継続しながら、他の既存顧客との取引拡大や新規顧客の獲得をすることによって、依存度が低下していくものと考えております。しかしながら、依存度が想定どおり低下せず、当該取引先との取引が縮小した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②情報セキュリティについて(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)当社グループでは、クライアント企業のシステム開発を手掛けているため、顧客側で保有している機密情報に触れる場合があります。機密情報の取り扱いについては、情報システム管理規程、個人情報取扱規程等を整備し、定期的に社内研修を実施することにより周知徹底を図るとともに、外部機関の情報セキュリティに関する認証を取得するなど、適切な運用を義務づけております。しかしながら、このような対策にも関わらず当社グループの人的オペレーションのミス、その他予期せぬ要因等により情報漏洩が発生した場合には、当社グループが損害賠償責任等を負う可能性や顧客からの信用を失うことにより取引関係が悪化する可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)法的規制について①知的財産について(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)ソフトウエア業界においては、多くの特許出願がなされており、当社グループにおいても新技術に対して積極的に特許出願を行っております。今後も数多くの特許出願が予測され、あわせて特許権侵害等の問題が生じることが考えられます。当社グループでは、製品開発において特許権の侵害等がないかチェックを行っております。また、リスク管理委員会・コンプライアンス委員会の活動を通して課題と対応策の検討を行っております。しかしながら、このような対策にも関わらず、第三者と知的財産権に関する問題が発生した場合、顧問弁護士及び弁理士と対応を協議していく方針ですが、案件によっては解決に時間と費用を要し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②訴訟について(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)当社グループは、本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、事業を展開するなかで、当社グループが提供するサービスの不備等により、何かしらの問題が生じた場合等、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟の提起がなされる可能性があります。その場合、当該訴訟に対する防御の為に費用と時間を要する可能性があるほか、当社グループの社会的信用が毀損され、また損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)社内組織について①内部管理体制について(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)当社グループは、企業価値を継続的かつ安定的に高めていくためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、適切な内部管理体制の整備が必要不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な整備・運用、更に法令・定款・社内規程等の遵守を徹底しておりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の整備が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②子会社管理について(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)当社グループは、当連結会計年度において連結子会社化した株式会社スタッグ、株式会社建設ドットウェブ、アサクラソフト株式会社及び株式会社レッツを含む子会社の事業運営を通じて事業を拡大しており、子会社の事業特性や所在地域、組織規模の違い等により、グループとしてのガバナンス及び内部統制の整備・運用が十分に機能しない可能性があります。例えば、意思決定・権限分掌・稟議運用の不徹底、会計・税務処理や取引管理の不備、コンプライアンス違反、不正、情報管理の不備等が発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー、並びに社会的信用に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ③人材の採用・育成について(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)当社グループは、今後急速な成長が見込まれる事業の展開や企業規模の拡大に伴い、継続的に幅広く優秀な人材を採用し続けることが必須であると認識しております。質の高いサービスの提供や競争力の向上に当たっては、開発部門を中心に極めて高度な技術力・企画力を有する人材が要求されていることから、一定以上の水準を満たす優秀な人材を継続的に採用すると共に、成長ポテンシャルの高い人材の採用及び既存の人材の更なる育成・維持に積極的に努めていく必要性を強く認識しております。そのため、当社では採用体制の強化、人材育成計画・人事評価制度の向上を図る方針であります。しかしながら、特にエンジニア等の一定の人材の確保に関する競争は激しく、当社グループの採用基準を満たす優秀な人材の確保や人材育成が計画どおりに進まなかった場合、コアメンバー、熟練エンジニアの退職又は人材確保のためにより高額の報酬を支払うこととなった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④特定の人物への依存に係るリスクについて(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)当社の代表取締役社長である鴨林広軌は、当社の経営方針や事業戦略の立案・決定及び遂行において、重要な役割を果たしております。当社グループでは、取締役会やその他会議体において役員及び従業員への情報共有や権限委譲を進めるなど組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社の経営執行を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)その他①株式の希薄化について(発生可能性:大、発生する可能性のある時期:数年以内、影響度:小)当社は、2019年12月に、役職員等に対して会社業績の向上への意識を強くさせるため、新株予約権信託を用いたインセンティブプランを導入する等、新株予約権の発行を行っております。この新株予約権が行使された場合は、新株式が発行され、当社の1株当たりの株式価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は234,200株であり、発行済株式総数6,954,295株の3.4%に相当しております。 ②M&Aについて(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)当社グループは、子会社を取得したことに伴い、のれんを計上しております。取得後の業績が計画を下回る等により、のれんの評価に用いる将来キャッシュ・フローの見積りが変動した場合、のれんの減損損失を計上する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ③繰延税金資産について(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画等に基づき課税所得が十分に見込まれ、当該課税所得の発生時期及び税務上の制限を考慮した結果、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等に対して計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、事業環境の変化等により当該見積りの前提となる条件又は仮定が変更され、課税所得の見込みが減少した場合には、繰延税金資産を取り崩し、税金費用が増加する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ④資金使途について(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:数年以内、影響度:中)株式上場時における公募増資による調達資金の使途については、当社グループの事業のさらなる拡大のため、広告宣伝費及び事業成長のための採用費用、人員増による人件費、自社プロダクトの開発費などに充当する予定であります。しかしながら、上述に記載したように様々なリスク・不確実性のなかで事業運営を行っており、事業環境が変化することも考えられるため、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても、想定どおりの投資効果を得られない可能性があります。また、市場環境の変化により、計画の変更を迫られ調達資金を上記以外の目的で使用する可能性が発生した場合には、速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。

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