5258

トランザクション・メディア・ネットワークス(5258)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • キャッシュレス決済ゲートウェイ: トランザクション・メディア・ネットワークス(TMN)は、流通業の店舗を顧客とし、複数のキャッシュレス決済事業者と店舗をつなぐ「ゲートウェイサービス」を提供しています。これにより、店舗はクレジットカード、電子マネー、QRコードなど46種類もの多様な決済サービスを1台の端末で一括して導入・管理できるようになります。このサービスは、決済端末の販売や関連するシステム開発も伴い、キャッシュレス決済サービス事業として展開されています。
  • クラウド型決済のパイオニア: TMNは、国内で初めて「クラウド(シンクライアント)型電子決済」を商用化した企業です。この技術により、店舗に複数あった決済端末を1台に集約し、ネットワークを簡素化することで障害を減らし、保守性を大幅に向上させました。安価な端末導入コスト、優れた拡張性、運用の簡素化といった競争優位性を持ち、業界の新たなスタンダードを牽引しています。
  • 安定的な収益構造: TMNの収益は、決済端末の販売による「フロー収入」と、月額固定の決済処理利用料や登録設定料、QR・バーコード精算料といった「ストック収入」で構成されています。端末販売はストック収入の入り口として機能し、端末台数の増加に伴い安定的なストック収入が増加するビジネスモデルです。2025年3月末現在、接続端末台数は110万台、年間決済処理金額は4.9兆円、年間決済処理件数は25億件に達しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

同社グループは、キャッシュレス決済サービス事業の単一セグメントで構成されています。この事業では、流通業の顧客に対して、電子マネー、クレジットカード、QR・バーコード決済など、多様なキャッシュレス決済サービスをワンストップで提供しています。決済端末の販売やシステム開発も行い、これらのサービスを通じて収益を得ています。子会社のウェブスペース株式会社はPOSシステムやMMKサービスを提供し、関連会社の株式会社ジィ・シィ企画は大規模流通事業者向けのクレジットゲートウェイサービスを提供しており、これらもキャッシュレス決済サービス事業の拡大に貢献しています。海外比率や地域構成に関する具体的な記述はありません。

有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,588 文字
3【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社2社及び関連会社1社により構成されており、「ありえないを、やり遂げる。」をコーポレートミッションに掲げ、社員・株主・お客様・業界の「理想」を追求し、あらゆる手段を講じてそれらを実現し社会のためになる事業を推進しております。主に流通業の事業者を顧客(以下、「加盟店」という)とし、複数のキャッシュレス決済事業者と加盟店をつなぎ、あらゆるキャッシュレス決済サービスをワンストップで提供するゲートウェイサービス(注1)と、また、それに伴う決済端末の販売や、関連する開発等を提供しております(以下、「キャッシュレス決済サービス事業」という)。なお、当社グループはキャッシュレス決済サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。当社は「クラウド(シンクライアント)型電子決済」(注2)を国内で初めて商用化した企業です(注3)。決済サービスをクラウド化したことで、それまで店舗に複数台設置されていた決済ブランドごとの決済端末を1台に集約することが可能となったほか、複雑な複数層のネットワークの簡素化による障害箇所の低減や、決済情報をデータベース化のうえ、一元管理することによる保守性の大幅改善等を実現しました。また、従来のリッチ型決済端末の処理方式(注4)に比べ、「安価な端末導入コスト」、決済手段追加時の「優れた拡張性」、「運用の簡素化」等の競争優位性を有し、業界の新たなスタンダードを牽引していきたいと考えております。当社の技術力だけでなく、大手POSメーカーやカード会社との緊密な連携を梃に、クラウド型決済プラットフォームとしてシェアを拡大してきました。現在は加盟店に対して電子マネーのみならずクレジット、QR・バーコード、ハウスプリペイド、共通ポイントといった幅広い43の決済サービスをワンストップで提供できる企業として事業を拡張し、1台の端末で複数の決済手段に対応したい小売店舗のニーズと、多くの小売店舗とつながりたい決済ブランド事業者のニーズに対応するゲートウェイとして、1,000社を超える加盟店に導入されています。2026年3月末現在で接続されている決済端末台数は121万台、年間で5.5兆円、28億件(2026年3月期実績)の決済処理を行うまでに規模拡大を続けております。現在、あらゆるデジタルデータのゲートウェイを目指して「総合的な流通・CRMソリューション(注5)」を提供するなど、流通業のデジタライゼーション等の変革を支援するとともに、データエコノミーの到来を見据え、各社がデータ利活用できる高度なインフラサービスを提供することで情報プロセシング事業を推進しております。また、2026年3月期には手形・小切手の廃止等の法改正を追い風とし、新たな決済サービスの柱とすべく、法人間決済サービスとして、請求書カード払い「支払革命」をリリースしました。2026年3月期に連結子会社化した株式会社フォー・ジェイは、システムエンジニアリングサービス、ソフト受託開発等を主な事業としております。多様なスキルセットの人材を有する同社を当社の人材プラットフォームとしても活用することにより、各種案件への対応能力を強化し、当社事業拡大への寄与を見込んでおります。同じく連結子会社であるウェブスペース株式会社は、リテールサービスプロバイダとして創業以来、POS(販売時点情報管理)・EOS(補充発注システム)を主体としたリテールシステム及びMMK料金収納窓口サービス(以下、「MMKサービス」という)を中心に事業を展開しております。同社のPOSシステムは約2,000店舗、MMKサービスについては、スーパーマーケットやドラッグストアチェーンを中心に約10,000店舗に導入され、大手チェーンから中小規模店舗まで幅広い顧客基盤を築いております。当社の決済端末導入店舗へのMMKサービス導入や、全国の営業・アフターサポート網を活用するなど、同社が持つリテールシステムのネットワークやノウハウを活用し、当社の情報プロセシング事業拡大の更なる加速を見込んでおります。また、関連会社である株式会社ジィ・シィ企画は、当社創業以来の開発パートナーであり、当社と同様に、国内で事業展開する複数のクレジットゲートウェイサービス事業者の中でも、大規模流通事業者向けにサービス提供を行う数少ない事業者です。またサービスプロバイダとしてだけでなく、決済端末からシステム開発までワンストップで手掛ける点においても当社と類似性が高く、技術やノウハウを活かすことで決済領域にとどまらず金融やマーケティング事業領域でも新たなサービス開発を行い、更なる事業拡大を見込んでおります。 接続端末台数、年間決済処理金額及び年間決済処理件数の推移 2020/3期2021/3期2022/3期2023/3期2024/3期2025/3期2026/3期接続端末台数(注6)502,000台589,000台696,000台833,000台968,000台1,102,000台1,213,000台年間決済処理金額(注7)1.7兆円2.6兆円3.1兆円3.7兆円4.6兆円4.9兆円5.5兆円年間決済処理件数(注8)12億件15億件17億件20億件24億件25億件28億件(注)1.複数の異なるネットワークを接続し処理を行うシステムサービス2.端末には読取等必要最小限の機能のみを搭載し、残りのすべての処理をサーバー側で行うキャッシュレス決済方式3.一般社団法人キャッシュレス推進協議会「キャッシュレス・ロードマップ2022」(2022/6)4.決済認証等の機能をすべて端末側で処理する決済方式5. Customer Relationship Management(顧客関係管理)6.各事業年度3月末時点 2019/3期は十万台未満を、2020/3期以降は千台未満を切り捨てにしております。7.0.1兆円未満を四捨五入にしております。8.億件未満を四捨五入にしております。 [事業の特徴と強み]当社グループは、キャッシュレスの支払手段の中でも「電子マネー」決済処理のクラウドサービス及び決済端末の販売を祖業としておりますが、広域で汎用電子マネーを取扱うにあたり、電子マネー事業者による独自の厳格な基準に対応するため、技術力を磨き、大規模な投資を行うとともに、自社のオリジナル端末を開発することで、センターオペレーターとしてソフトウエア技術だけでなく、端末サプライヤーとしてハードウエアの技術力も蓄積してきました。小売事業者が汎用電子マネーに対応するには、少数である当社グループのようなゲートウェイ事業者のうちどこか(及びホワイトレーベル先(注1))と接続する必要がありますが、特に大規模小売店のPOSと接続するためには、ポイント連携等多様なニーズに対応するため、大規模なカスタマイズ開発が必要となることから、当社グループのハードウエア、ソフトウエア双方における技術力が競争力の源泉にもなっております。また、小売事業者のシステムと密接に結合していることからスイッチングコストが高額となることが事業の特徴であり、多くの消費者が利用している汎用電子マネーサービスをフックに、クレジットやQR・バーコード等、その他の決済手段もセットで販売できる1ストップソリューションも強みとなっております。(注)1.ある企業が提供するサービスや商品を他の企業が自社ブランドとして販売すること [事業の主なビジネスモデル]現状の当社の収益源は、(1)当社が製造・販売する非接触リーダー・ライター等の「決済端末販売売上」、(2)加盟店へのデータ還元や決済ブランド追加等のシステムカスタマイズによる「開発売上」、(3)主に加盟店等から得られる月額固定の決済処理利用料である「センター利用料」、(4)利用する決済ブランドごとの課金及び台数から設定する「登録設定料」(5)当社から加盟店への入金精算の手数料である「QR・バーコード精算料」の5点となります。当社ではサービス内容に従って(1)「決済端末販売売上」(2)「開発売上」をフロー収入、(3)「センター利用料」(4) 「登録設定料」(5)「QR・バーコード精算料」をストック収入と区分しております。フロー収入は、その後のセンター利用料(ストック収入)につながる入り口として機能し、端末台数の累積に伴い、ストック収入が増加する安定的な収益構造となっております。また、連結子会社のウェブスペース株式会社の収益源は(1)同社が提供するPOSシステム、MMK処理端末の「機器販売売上」、(2)POSシステム、MMKサービスの利用料、アフターサポートサービス料の「定常売上」(3)決済サービスの利用金額に応じた「決済キックバック手数料」からなり、当社同様、「機器販売」はその後の「定常売上」の入り口として機能し、機器販売数に伴い定常売上が累積増加する安定的な収益構造となっております。当期に連結子会社化した株式会社フォー・ジェイの主な収益源は、システムエンジニアリングサービス事業における派遣料と、ソフト受託開発事業における業務委託料の2点となります。関連会社の株式会社ジィ・シィ企画の主な収益源は、フロー収入として(1)ペイメントインテグレーション事業における決済処理システムの提供、決済端末販売があり、需要により売上が変動します。ストック収入として(2)ペイメントサービス事業における決済ASPサービス、保守運用サービスがあり、安定的な収益構造となっております。 [事業系統図]当社の事業は主に大型加盟店向けのダイレクト営業による「POSレジ直結型」及びホワイトレーベルによる中小加盟店向けの「CCT(クレジットカード端末)接続型」の2つの接続方式にて商流は大別できます。「POSレジ直結型」では、加盟店のシステムと当社センターを密接に結合させるため、大型加盟店独自の多様なニーズに対応する大規模開発(カスタマイズ)が必要となり、技術力と運用体制を強みに、さまざまな業種で導入を獲得しております。一方、「CCT接続型」では、クレジット共同利用端末と当社に接続する決済端末がセット(あるいは当社のオールインワンの決済端末)で、クレジットカード会社により販売されるため、株主であるクレジットカード会社との協力・連携体制を構築するなど、徹底的なホワイトレーベルにより、面的拡大を図っております。なお、事業系統図の中の番号は上記[事業の主なビジネスモデル]の収益源(1)「決済端末販売売上」、(2)「開発売上」、(3)「センター利用料」、(4)「登録設定料」、(5)「QR・バーコード精算料」と対応しております。他方、連結子会社であるウェブスペース社の事業はダイレクト営業による顧客獲得となっております。POSシステムについては、POSベンダーから筐体を仕入れ、同社開発のPOSシステムをインストールして販売しております。MMKサービスにおいては、MMK端末の販売と併せて、顧客からサービス利用料を月額定額でいただいております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
クラウド型決済の先駆者であり、大手POSメーカーやカード会社との連携でシェアを拡大。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
国内初のクラウド型電子決済商用化、46の決済サービスをワンストップ提供する技術力。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:キャッシュレス決済市場の成長鈍化・競争激化 / 特定のデータセンターへの依存と災害リスク / 情報処理センターネットワークの障害・契約終了
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

財務データが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、IPなどの無形資産に関する具体的な評価は不可能。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

決済システムやポイントサービスは、導入・移行にコストや手間がかかるため、一定のスイッチング・コストが存在する可能性がある。しかし、具体的な顧客基盤やサービスの詳細が不明なため、その強さは現時点では判断できない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果に関する具体的な情報がなく、ユーザー数の増加がサービスの価値向上に直接繋がる構造は見られない。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

コスト優位性を示すような情報(例:独自の生産技術、規模の経済による低コスト構造)は現時点で確認できない。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

決済・ポイントサービス業界は一定の規模を持つが、同社が業界規模に対し最適な少数寡占を形成しているかは不明。市場シェアや事業規模に関する情報が不足している。

  • クラウド型決済の技術力: TMNは、国内で初めて「クラウド(シンクライアント)型電子決済」を商用化した企業であり、この分野における高い技術力が強みです。決済処理をクラウド化することで、店舗側の端末をシンプルにし、導入コストの削減、決済手段追加時の高い拡張性、運用簡素化を実現しています。この技術力は、大規模小売店のPOSシステムとの連携や多様なニーズへの対応を可能にし、競争力の源泉となっています。
  • 強固な顧客基盤とスイッチングコスト: 1,000社を超える加盟店に導入され、接続端末台数は110万台に達する強固な顧客基盤を持っています。特に大規模小売店のPOSシステムと密接に結合しているため、他社サービスへの切り替えにかかるコスト(スイッチングコスト)が高額になる傾向があり、顧客の囲い込みに繋がっています。これにより、安定的な収益を確保しやすい構造です。
  • ワンストップソリューションとネットワーク効果: 電子マネーだけでなく、クレジット、QR・バーコード、ハウスプリペイド、共通ポイントなど幅広い46の決済サービスをワンストップで提供できる点が強みです。これにより、複数の決済手段に対応したい小売店舗と、多くの小売店舗とつながりたい決済ブランド事業者の双方のニーズに応えるゲートウェイとして機能し、ネットワーク効果によって事業を拡大しています。大手POSメーカーやカード会社との緊密な連携も、この強みを支えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(または本書提出日)現在において当社が判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社は、キャッシュレス決済サービス事業を取巻く経営環境が大きく変化する中、これまでに醸成されてきた社内文化や価値観を改めて明文化し、Corporate Identityである「ミッション(存在意義)・ビジョン(目指す姿)・バリュー(価値観)」を2020年12月に新たに制定いたしました。これらを、経営戦略の策定や経営の意思決定における根幹の考え方と位置づけ、全社一丸となって持続的成長を目指しております。 当社のキャッシュレス決済サービス事業は、社会インフラであり日本中の生活者の暮らしを支えるものとして高い倫理観を持ち続けながらも、「新しい生活を生み出す会社。」として、更なる便利で安全な消費社会の創出を目指し、「ありえないを、やり遂げる。」の精神で今後もダイナミックにチャレンジを続けてまいります。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、主な連結財務指標としては売上高、親会社株主に帰属する当期純損益を特に重視しておりますが、KPIとしては、①全社の売上高、②全社の営業利益率、③EBITDA、④ROE、⑤当社センターへの接続端末台数(注)、⑥サービスレベル目標(SLO: Service Level Object)の達成の6点を事業計画上定めております。また、サスティナブル経営の観点からも、事業環境の変化に応じてマテリアリティの見直しを行うなど、持続的な成長と企業価値の向上に取組んでおります。(注)加盟店に対する物理的な「ラストワンマイル」であり非財務指標における当社の事業規模を示すものとして定めております。(3)経営環境2018年4月の経済産業省「キャッシュレス・ビジョン」において、2025年にキャッシュレス決済比率40%の実現を目指す(将来的には世界最高水準の80%を目指す)ことがうたわれ、「国策」としてキャッシュレス決済が推進されております。この目標に対し経済産業省の発表(2026年3月31日)において、2025年のキャッシュレス決済比率が58.0%(約162.7兆円)に達し、政府目標の2025年40%を大幅に超えるまでに成長しております。また、将来的な目標に向けた中間目標は、2030年に国内指標で65%(国際比較指標で55%)と定められ更なる市場拡大が見込まれ、これを追い風に、同業界においては、生活様式の変化を踏まえつつ、無人店舗やモバイルを起点とした新たなサービスやソリューションが増加しています。 経済産業省「2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました」2026/3/31から当社作成 当社の最大の強みでもある電子マネーについてはキャッシュレス決済の利用動態の変化等の要因もあり、2025年に発表された野村総合研究所の予測によれば、2024年に6.2兆円であった市場規模が2028年には5.1兆円と、将来的には利用が減少していく見込ではありますが、当社の占有率は2025年時点で41.7%と増加しており、今後もこの領域においての高い占有率を活かしたアップセル・クロスセル施策の推進を行っていく方針です。一方、政府の成長戦略により業界全体に対する決済手数料の削減圧力が予見されており、また、決済ネットワーク領域では、NTTデータが運営するCAFIS、日本カードネットが運営するCARDNET、三井住友カードが運営するsteraといった主要プレイヤーの競合が激化しております。当社は決済業界における各プレイヤーと、一部では競合しながらも、多くのプレイヤーと広く協業し、面を拡大するオープン戦略を取っていることから市場再編や新規参入にも柔軟に対応していく方針です。 マクロでは、雇用人口減少に伴う自動化の発展、特に主な対面市場となっている小売業のニューリテイル(注)化の流れは新規プレイヤーの参入を促す脅威でもあると同時に、新たな市場機会と捉えております。 [ 決済業界の各プレイヤーと当社の関係性 ] (注)小売業において、IT及びデータを活用することで、売上の拡大やコスト削減を図るとともに、消費者に対しオンラインとオフラインの融合等により新しい消費体験を提供するコンセプト (4)経営戦略当社は、これまで市場が求めるすべての決済端末に接続しあらゆる決済サービスを高いセキュリティかつワンストップで提供するという方針のもと、クラウド型の電子決済処理で事業を拡大してまいりました。既に接続端末台数は121万台超(2026年3月末時点)、年間で5.5兆円(2026年3月期実績)を超える決済を処理する社会インフラとして拡大しております。 [短期成長戦略]当社の売上の8割を占めるストック収入は、接続端末台数が増加すればするほど拡大していく構造となっており、短期経営戦略としては、「キャッシュレス決済サービス事業」の面的拡大・岩盤化を推進するとともに、端末1台当たりの売上も成長させていくことで更なる収益拡大を図る方針です。 ①接続端末の面的拡大決済事業者との協業による加盟店拡大に加え、他決済事業者との協業、自販機・精算機市場への販売拡大により、新たな面の拡大を追求しております。なお、自社端末としては、協業販売先を通じて「UTP-11」の大型案件の導入が決まるなど、協業の拡大を図るとともに、品質と価格競争力に優れた「UT-X11」の拡販に注力しております。また、他社端末での電子マネー対応を支援し、当社決済処理センターでのプロセシングを行う等、引き続きセンター運用強化のために端末レイヤーはオープンに協業を進める戦略です。 ②端末1台当たりの売上拡大キャッシュレス推進の追い風を捉え、QR・バーコード決済等の市場に導入される新決済サービスについても電子マネー領域の高い占有率を活かしたクロスセルによりブランド拡充を推進し、決済処理金額の増加による端末1台当たりの売上拡大を図るとともに、昨今のコスト上昇に見合う単価上昇及び端末あたりの定額(決済手段やブランド数に依存するが、処理件数、金額に連動しない)サブスクリプション型の課金体系から一部(QR・バーコード決済精算業務等)の従量課金(GMV課金(注1)、処理件数課金)の導入を進めており、ストック収入による収益拡大と合わせて、定額型・従量型のベストミックスを追求していきます。 [中長期成長戦略]中長期での経営戦略としては、決済インフラを梃に、店舗の高度化を目的とした「総合流通ソリューション」の提供を通じて、新たな収益基盤の構築を目指しております。その取組の一環として、特に決済と親和性の高い店舗業務のラストワンマイルであるPOS(販売時点情報管理システム)に着目し、POSのクラウド化及びIoT化サービスを開始しております。また、当社の基盤事業である、キャッシュレス決済サービス事業と推進中の情報プロセシング事業の融合により得られる購買データ等の活用により、「新しいリテールのかたち」を創造する「PFM」事業構想の実現に挑戦し、情報プロセシング事業の収益化を合わせた展開を行ってまいります。また、キャッシュレス決済サービス事業及び情報プロセシング事業の更なる拡大のため、業界のロールアップも視野に入れ、積極的にM&Aを行っていき、持続的、非連続的成長に努めてまいります。 (注)1. Gross Merchandise Value(流通取引総額) (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① セキュリティ体制の継続的強化及び決済システムの強化電子決済サービスを提供している当社の事業には強固なセキュリティ、セキュアなシステムが求められており、それらを継続して強化していくことが当社の課題であると認識しております。具体的には、クレジットカード業界のセキュリティ基準協議団体(PCI SSC)が定めるPCI DSSの基準に則った運用をしており、決済端末で暗号化されたカード情報は、システムで復号化されるまで、決済処理の経路上でカード情報を取得できないようにしております。また、当社の事業がインターネットを介しての通信ネットワークに依存していることから、システム内の多層化・冗長化に取組んでおります。システム上の観点のみならず、情報セキュリティに関する規程に基づく管理の徹底と社内教育及び研修の実施によりセキュリティの強化に努めてまいります。 ② 顧客満足度向上当社の更なる成長を実現していくために、より多くの顧客に継続的に選ばれるよう、顧客満足度向上に努めることが、当社の事業競争力の強化に資すると考えております。そのために、決済遅延やシステム障害を未然に防止し、常時安定したサービスを提供できるインフラの整備や、顧客の声を反映しながら機能や性能の向上を図る改善サイクルの確立、顧客からのご意見・ご要望に迅速かつ的確に対応できる体制の強化等、サービス品質向上に努めてまいります。 ③ 一時的な収益性悪化への対応当期は、データセンター移設及びシステムの安全性確保やサービスの安定提供を目的に複数の対策を実施したことにより、一時的なコストが増加したほか、フロー収入である端末販売について前期の大型案件受注の反動や顧客の計画見直しによる導入遅延等が重なり、収益性が悪化しました。これらは将来的な事業基盤強化を目的とした先行投資及び一過性の要因であると認識しており、販売施策の強化による売上回復に加え、事業ポートフォリオの見直し、業務プロセスの効率化により、収益構造の早期改善に向け努めてまいります。なお、データセンター移設については、当期中に全工程を完了しております。 ④ ストック収入による定常的な利益の創出当社の収益モデルは、顧客端末が当社決済処理センターに接続され継続して利用されることで収益が積み上がっていくストック型の構造にありますが、収益を積み上げていくために先行して費用が計上されるインフラ事業的要素があります。顧客基盤の拡大と端末設置台数の増加に伴い、当社決済処理センターへの接続による売上のみで定常的な利益を創出することが課題となるため、コストマネジメントを徹底し利益の創出に取組んでまいります。 ⑤ 「情報プロセシング」事業の拡大当社は決済のみならず流通業が必要とするソリューションを総合的に提供する企業体、そしてデータを保存・分析・連携する「情報プロセシング」を提供する高度なインフラ事業体へと進化を遂げることが戦略的方向性であることから、「情報プロセシング」の安定的な収益化が課題であると認識しております。「情報プロセシング」の主なサービスである「クラウドPOS」「Xinfony DataHub」「RXクラウド」については、更なる導入拡大を図るとともに、スケールメリットを活かしたコスト効率の改善等利益体質の強化にも注力してまいります。その他のサービスにおいても、顧客との実証実験などを通じ具体化を図り、取組みを加速させていくことで収益化を図ってまいります。 ⑥ M&A及びアライアンスによる企業価値向上当社は、当連結会計年度において、株式会社フォー・ジェイを子会社化し、PMIを実施してまいりました。当社グループの中長期的な持続的成長と企業価値向上のため、グループ企業間での人材交流や最適配置の促進により外部へのコスト流出を抑止して収益性の向上を図るとともに、多様なスキルセットを有する人材の獲得に取組んでまいります。 ⑦ 子会社との連携強化と子会社管理体制の確立当社と経営統合した子会社との間で協業の体制を構築するとともに、相互に事業シナジーを創出し、当社グループの企業価値を向上させていくことが必要であると認識しております。当社の経営方針に沿った子会社の経営管理体制を強化し、引き続き当社と子会社のサービスの融合、相互送客によりグループシナジーを創出してまいります。 ⑧ 人的資本経営の推進当社の持続的な成長と企業価値の向上には、何事もやりきることができる強い「組織」とそれを構成するあらゆる「人材」が必要不可欠と考えております。事業を牽引する意欲が高い「人材」を確保し、戦略的な教育と成果に応じた評価と処遇の実行及び安心して働くことができる職場環境の向上をもって、より一層の人的資本経営の推進を行ってまいります。 ⑨ 人件費・外部支出増加への対応近年のIT分野の人材不足、円安や国内外の政情による経済への影響等により、人件費並びに外部委託費用やサービス提供に必要となる機器やソフトウエアの価格が上昇しており、当社収益を圧迫する要因となっています。更なる事業成長のために、サービス品質を維持・向上させながら、持続可能な収益性を確保するために、引き続きムリムラムダの極小化と原資配分の最適化に努め、適正なコントロールを目指してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(または本書提出日)現在において当社が判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社は、キャッシュレス決済サービス事業を取巻く経営環境が大きく変化する中、これまでに醸成されてきた社内文化や価値観を改めて明文化し、Corporate Identityである「ミッション(存在意義)・ビジョン(目指す姿)・バリュー(価値観)」を2020年12月に新たに制定いたしました。これらを、経営戦略の策定や経営の意思決定における根幹の考え方と位置づけ、全社一丸となって持続的成長を目指しております。 当社のキャッシュレス決済サービス事業は、社会インフラであり日本中の生活者の暮らしを支えるものとして高い倫理観を持ち続けながらも、「新しい生活を生み出す会社。」として、更なる便利で安全な消費社会の創出を目指し、「ありえないを、やり遂げる。」の精神で今後もダイナミックにチャレンジを続けてまいります。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、主な連結財務指標としては売上高、親会社株主に帰属する当期純損益を特に重視しておりますが、KPIとしては、①全社の売上高、②全社の営業利益率、③EBITDA、④ROE、⑤当社センターへの接続端末台数(注)、⑥サービスレベル目標(SLO: Service Level Object)の達成の6点を事業計画上定めております。また、サスティナブル経営の観点からも、事業環境の変化に応じてマテリアリティの見直しを行うなど、持続的な成長と企業価値の向上に取組んでおります。(注)加盟店に対する物理的な「ラストワンマイル」であり非財務指標における当社の事業規模を示すものとして定めております。(3)経営環境2018年4月の経済産業省「キャッシュレス・ビジョン」において、2025年にキャッシュレス決済比率40%の実現を目指す(将来的には世界最高水準の80%を目指す)ことがうたわれ、「国策」としてキャッシュレス決済が推進されております。この目標に対し経済産業省の発表(2026年3月31日)において、2025年のキャッシュレス決済比率が58.0%(約162.7兆円)に達し、政府目標の2025年40%を大幅に超えるまでに成長しております。また、将来的な目標に向けた中間目標は、2030年に国内指標で65%(国際比較指標で55%)と定められ更なる市場拡大が見込まれ、これを追い風に、同業界においては、生活様式の変化を踏まえつつ、無人店舗やモバイルを起点とした新たなサービスやソリューションが増加しています。 経済産業省「2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました」2026/3/31から当社作成 当社の最大の強みでもある電子マネーについてはキャッシュレス決済の利用動態の変化等の要因もあり、2025年に発表された野村総合研究所の予測によれば、2024年に6.2兆円であった市場規模が2028年には5.1兆円と、将来的には利用が減少していく見込ではありますが、当社の占有率は2025年時点で41.7%と増加しており、今後もこの領域においての高い占有率を活かしたアップセル・クロスセル施策の推進を行っていく方針です。一方、政府の成長戦略により業界全体に対する決済手数料の削減圧力が予見されており、また、決済ネットワーク領域では、NTTデータが運営するCAFIS、日本カードネットが運営するCARDNET、三井住友カードが運営するsteraといった主要プレイヤーの競合が激化しております。当社は決済業界における各プレイヤーと、一部では競合しながらも、多くのプレイヤーと広く協業し、面を拡大するオープン戦略を取っていることから市場再編や新規参入にも柔軟に対応していく方針です。 マクロでは、雇用人口減少に伴う自動化の発展、特に主な対面市場となっている小売業のニューリテイル(注)化の流れは新規プレイヤーの参入を促す脅威でもあると同時に、新たな市場機会と捉えております。 [ 決済業界の各プレイヤーと当社の関係性 ] (注)小売業において、IT及びデータを活用することで、売上の拡大やコスト削減を図るとともに、消費者に対しオンラインとオフラインの融合等により新しい消費体験を提供するコンセプト (4)経営戦略当社は、これまで市場が求めるすべての決済端末に接続しあらゆる決済サービスを高いセキュリティかつワンストップで提供するという方針のもと、クラウド型の電子決済処理で事業を拡大してまいりました。既に接続端末台数は121万台超(2026年3月末時点)、年間で5.5兆円(2026年3月期実績)を超える決済を処理する社会インフラとして拡大しております。 [短期成長戦略]当社の売上の8割を占めるストック収入は、接続端末台数が増加すればするほど拡大していく構造となっており、短期経営戦略としては、「キャッシュレス決済サービス事業」の面的拡大・岩盤化を推進するとともに、端末1台当たりの売上も成長させていくことで更なる収益拡大を図る方針です。 ①接続端末の面的拡大決済事業者との協業による加盟店拡大に加え、他決済事業者との協業、自販機・精算機市場への販売拡大により、新たな面の拡大を追求しております。なお、自社端末としては、協業販売先を通じて「UTP-11」の大型案件の導入が決まるなど、協業の拡大を図るとともに、品質と価格競争力に優れた「UT-X11」の拡販に注力しております。また、他社端末での電子マネー対応を支援し、当社決済処理センターでのプロセシングを行う等、引き続きセンター運用強化のために端末レイヤーはオープンに協業を進める戦略です。 ②端末1台当たりの売上拡大キャッシュレス推進の追い風を捉え、QR・バーコード決済等の市場に導入される新決済サービスについても電子マネー領域の高い占有率を活かしたクロスセルによりブランド拡充を推進し、決済処理金額の増加による端末1台当たりの売上拡大を図るとともに、昨今のコスト上昇に見合う単価上昇及び端末あたりの定額(決済手段やブランド数に依存するが、処理件数、金額に連動しない)サブスクリプション型の課金体系から一部(QR・バーコード決済精算業務等)の従量課金(GMV課金(注1)、処理件数課金)の導入を進めており、ストック収入による収益拡大と合わせて、定額型・従量型のベストミックスを追求していきます。 [中長期成長戦略]中長期での経営戦略としては、決済インフラを梃に、店舗の高度化を目的とした「総合流通ソリューション」の提供を通じて、新たな収益基盤の構築を目指しております。その取組の一環として、特に決済と親和性の高い店舗業務のラストワンマイルであるPOS(販売時点情報管理システム)に着目し、POSのクラウド化及びIoT化サービスを開始しております。また、当社の基盤事業である、キャッシュレス決済サービス事業と推進中の情報プロセシング事業の融合により得られる購買データ等の活用により、「新しいリテールのかたち」を創造する「PFM」事業構想の実現に挑戦し、情報プロセシング事業の収益化を合わせた展開を行ってまいります。また、キャッシュレス決済サービス事業及び情報プロセシング事業の更なる拡大のため、業界のロールアップも視野に入れ、積極的にM&Aを行っていき、持続的、非連続的成長に努めてまいります。 (注)1. Gross Merchandise Value(流通取引総額) (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① セキュリティ体制の継続的強化及び決済システムの強化電子決済サービスを提供している当社の事業には強固なセキュリティ、セキュアなシステムが求められており、それらを継続して強化していくことが当社の課題であると認識しております。具体的には、クレジットカード業界のセキュリティ基準協議団体(PCI SSC)が定めるPCI DSSの基準に則った運用をしており、決済端末で暗号化されたカード情報は、システムで復号化されるまで、決済処理の経路上でカード情報を取得できないようにしております。また、当社の事業がインターネットを介しての通信ネットワークに依存していることから、システム内の多層化・冗長化に取組んでおります。システム上の観点のみならず、情報セキュリティに関する規程に基づく管理の徹底と社内教育及び研修の実施によりセキュリティの強化に努めてまいります。 ② 顧客満足度向上当社の更なる成長を実現していくために、より多くの顧客に継続的に選ばれるよう、顧客満足度向上に努めることが、当社の事業競争力の強化に資すると考えております。そのために、決済遅延やシステム障害を未然に防止し、常時安定したサービスを提供できるインフラの整備や、顧客の声を反映しながら機能や性能の向上を図る改善サイクルの確立、顧客からのご意見・ご要望に迅速かつ的確に対応できる体制の強化等、サービス品質向上に努めてまいります。 ③ 一時的な収益性悪化への対応当期は、データセンター移設及びシステムの安全性確保やサービスの安定提供を目的に複数の対策を実施したことにより、一時的なコストが増加したほか、フロー収入である端末販売について前期の大型案件受注の反動や顧客の計画見直しによる導入遅延等が重なり、収益性が悪化しました。これらは将来的な事業基盤強化を目的とした先行投資及び一過性の要因であると認識しており、販売施策の強化による売上回復に加え、事業ポートフォリオの見直し、業務プロセスの効率化により、収益構造の早期改善に向け努めてまいります。なお、データセンター移設については、当期中に全工程を完了しております。 ④ ストック収入による定常的な利益の創出当社の収益モデルは、顧客端末が当社決済処理センターに接続され継続して利用されることで収益が積み上がっていくストック型の構造にありますが、収益を積み上げていくために先行して費用が計上されるインフラ事業的要素があります。顧客基盤の拡大と端末設置台数の増加に伴い、当社決済処理センターへの接続による売上のみで定常的な利益を創出することが課題となるため、コストマネジメントを徹底し利益の創出に取組んでまいります。 ⑤ 「情報プロセシング」事業の拡大当社は決済のみならず流通業が必要とするソリューションを総合的に提供する企業体、そしてデータを保存・分析・連携する「情報プロセシング」を提供する高度なインフラ事業体へと進化を遂げることが戦略的方向性であることから、「情報プロセシング」の安定的な収益化が課題であると認識しております。「情報プロセシング」の主なサービスである「クラウドPOS」「Xinfony DataHub」「RXクラウド」については、更なる導入拡大を図るとともに、スケールメリットを活かしたコスト効率の改善等利益体質の強化にも注力してまいります。その他のサービスにおいても、顧客との実証実験などを通じ具体化を図り、取組みを加速させていくことで収益化を図ってまいります。 ⑥ M&A及びアライアンスによる企業価値向上当社は、当連結会計年度において、株式会社フォー・ジェイを子会社化し、PMIを実施してまいりました。当社グループの中長期的な持続的成長と企業価値向上のため、グループ企業間での人材交流や最適配置の促進により外部へのコスト流出を抑止して収益性の向上を図るとともに、多様なスキルセットを有する人材の獲得に取組んでまいります。 ⑦ 子会社との連携強化と子会社管理体制の確立当社と経営統合した子会社との間で協業の体制を構築するとともに、相互に事業シナジーを創出し、当社グループの企業価値を向上させていくことが必要であると認識しております。当社の経営方針に沿った子会社の経営管理体制を強化し、引き続き当社と子会社のサービスの融合、相互送客によりグループシナジーを創出してまいります。 ⑧ 人的資本経営の推進当社の持続的な成長と企業価値の向上には、何事もやりきることができる強い「組織」とそれを構成するあらゆる「人材」が必要不可欠と考えております。事業を牽引する意欲が高い「人材」を確保し、戦略的な教育と成果に応じた評価と処遇の実行及び安心して働くことができる職場環境の向上をもって、より一層の人的資本経営の推進を行ってまいります。 ⑨ 人件費・外部支出増加への対応近年のIT分野の人材不足、円安や国内外の政情による経済への影響等により、人件費並びに外部委託費用やサービス提供に必要となる機器やソフトウエアの価格が上昇しており、当社収益を圧迫する要因となっています。更なる事業成長のために、サービス品質を維持・向上させながら、持続可能な収益性を確保するために、引き続きムリムラムダの極小化と原資配分の最適化に努め、適正なコントロールを目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における流動資産は17,866,355千円となり、前連結会計年度末に比べ619,964千円増加いたしました。これは主に売掛金が133,609千円、商品が291,585千円、1年内回収予定の長期貸付金が97,680千円増加したことによるものであります。固定資産は10,681,544千円となり、前連結会計年度末に比べ938,190千円増加いたしました。これは主に無形固定資産のソフトウエアが347,110千円、のれんが201,032千円増加し、投資その他の資産の投資有価証券が63,942千円、長期貸付金が322,383千円増加したことによるものであります。この結果、総資産は、28,547,899千円となり、前連結会計年度末に比べ1,558,155千円増加いたしました。 (負債)当連結会計年度末における流動負債は15,765,174千円となり、前連結会計年度末に比べ736,748千円増加いたしました。これは主に預り金が610,275千円減少したものの、1年内返済予定の長期借入金が1,434,652千円増加したことによるものであります。固定負債は6,217,060千円となり、前連結会計年度末に比べ4,381,781千円増加いたしました。これは主に長期借入金が4,778,338千円増加したことによるものであります。この結果、負債合計は、21,982,234千円となり、前連結会計年度末に比べ5,118,530千円増加いたしました。 (純資産)当連結会計年度末における純資産合計は6,565,665千円となり、前連結会計年度末に比べ3,560,374千円減少いたしました。これは主に自己株式の取得3,499,980千円に伴うものであります。この結果、自己資本比率は22.8%(前連結会計年度末は37.3%)となりました。 ②経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の継続的な改善や、インバウンド需要の拡大がみられたものの、中東情勢の悪化に伴い、原材料や食料品をはじめとする物価上昇など経済の回復基調を下押しするリスクがあり、依然として先行きは不透明な状況が続いております。キャッシュレス業界においては、政府はキャッシュレス決済の推進を国策として、2025年には同決済比率を40%、将来的に世界最高水準となる80%を目指しておりましたが(注1)、経済産業省の発表(2026年3月31日)において、2025年のキャッシュレス決済比率(国内指標)は58.0%(注2)に達し、堅調に上昇しております。このような経済状況のもと、当社データセンターに接続する端末は堅調に増加しており、稼働端末台数は121万台となりました(2026年3月31日)。特に、ストック収入に当たるセンター利用料、QR・バーコード精算料は前期比で増加となり継続して当社グループの売上を牽引しております。また、JR西日本の新決済サービス「Wesmo!」及びローソンにて札幌電子マネー「SAPICA」を導入するなど、決済ブランドの拡充を図ったことに加え、第4四半期には飲料自販機への電子マネー導入を開始しました。今後更なる決済量の拡大を見込まれるため、2024年からデータセンターの移設拡充作業を進めており2025年9月に完了済みです。しかしながら、フロー収入に当たる端末販売売上は、前期の第3四半期に大型案件の受注があったことの反動及びその他売上(情報プロセシング事業等)において事業の立ち上がりの遅れがあったことで、前期比で減少する結果となりました。なお、子会社のウェブスペース株式会社は堅調に推移しました。これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は13,276,989千円(前期比7.9%増加)、売上総利益は3,796,159千円(前期比11.6%増加)、営業利益は642千円(前期は504,561千円の営業損失)、経常損失は73,575千円(前期は513,215千円の経常損失)となりました。また新株予約権戻入益22,156千円の計上により親会社株主に帰属する当期純損失は60,522千円(前期は682,434千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。なお、当社の事業セグメントはキャッシュレス決済サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。また、当社で起用している派遣・業務委託先の一部を内製化することにより外部支出低減と利益改善を図ることを目的に、2025年9月に株式会社フォー・ジェイの全株式を取得しました。(注1)「キャッシュレス・ビジョン」経済産業省(2018年4月)(注2)「2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました」経済産業省(2026年3月) (参考情報)当社グループは、投資家が会計基準の差異にとらわれることなく、当社グループの業績評価を行い、当社グループの企業価値についての純粋な成長を把握するうえで有用な情報を提供することを目的として、連結財務諸表及び財務諸表に記載された売上高以外に、当社グループの主要なサービスごとに外部顧客への売上高の推移を下表のとおり把握しています。またEBITDAを経営成績に関する参考指標としており、当該EBITDA及び算出方法は以下のとおりであります。 日本基準に基づくEBITDA=経常利益+減価償却費+支払利息 (単位:千円)連結会計期間第15期第16期第17期第18期第19期売上高--10,370,03612,300,72713,276,989(売上内訳)-- センター利用料--4,285,3194,646,9795,040,955決済端末販売売上--1,730,7911,730,5231,375,381QR・バーコード精算料--2,231,8982,992,4273,790,813登録設定料等--537,154489,833430,696開発売上--861,756536,925656,635その他--723,1151,904,0381,982,507経常利益--765,780△513,215△73,575調整額:+減価償却費+支払利息-- 1,615,0888,273 1,921,93227,656 2,573,07991,658調整額小計--1,623,3621,949,5882,664,738EBITDA--2,389,1431,497,8412,591,162(注)第17期より連結財務諸表を作成しているため第16期以前の各数値については記載しておりません。 (単位:千円)会計期間第15期第16期第17期第18期第19期売上高7,139,1597,831,43510,370,03610,938,44411,708,808(売上内訳) センター利用料3,496,5503,822,0144,285,3194,646,9795,040,955決済端末販売売上1,364,4681,360,8861,730,7911,730,5231,375,381QR・バーコード精算料486,8121,147,7782,231,8982,992,4273,790,813登録設定料等728,445647,724537,154489,833430,696開発売上897,052636,416861,756536,925656,635その他165,829216,615723,115541,755414,325経常利益712,345535,357818,089△461,48011,925調整額:+減価償却費+支払利息 1,463,9264,624 1,601,425255 1,615,0888,273 1,812,71226,350 2,398,94689,284調整額小計1,468,5501,601,6811,623,3621,839,0622,488,231EBITDA2,180,8962,137,0392,441,4521,377,5822,500,156 ③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、14,007,157千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの変動要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、1,167,936千円となりました(前期比67.8%減少)。これは主に、税金等調整前当期純損失の計上額52,603千円、預り金の減少額613,682千円、棚卸資産の増加額295,311千円、利息の支払額97,242千円による減少があるものの、減価償却費の計上額2,484,470千円、仕入債務の増加額140,133千円、契約負債の増加額70,314千円、のれん償却額の計上額68,319千円による増加によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は、3,584,126千円となりました(前期は2,644,931千円の支出)。これは主に、有形固定資産の取得による支出676,037千円及び、無形固定資産の取得による支出2,222,584千円、長期貸付金の貸付による支出500,000千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果獲得した資金は、2,354,130千円となりました(前期は83,282千円の支出)。これは主に、長期借入金の借入による収入7,080,000千円、長期借入金の返済による支出936,726千円、自己株式の取得による支出3,499,980千円によるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。b.受注実績 当社グループは、受注から役務提供の開始までの期間が短いため受注実績に関する記載は省略しております。c.販売実績 当社グループは、提供するサービスについて、サービス内容に従って「センター利用料」、「決済端末販売売上」、「開発売上」、「登録設定料等」、「QR・バーコード精算料」、「その他」の6つに売上を区分しております。 センター利用料電子決済処理の月額利用料決済端末販売売上非接触リーダー・ライター等の販売開発売上決済処理サービスに関連する開発売上登録設定料等決済処理センターへの登録料QR・バーコード精算料QR決済処理の利用料その他上記以外の売上 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはキャッシュレス決済サービス事業の単一セグメントであるため、上記のサービス別に記載しております。 (単位:千円) サービスの名称当連結会計年度(自2025年4月1日至2026年3月31日)前年同期比(%)センター利用料5,040,9557.8決済端末販売売上1,375,381△25.8QR・バーコード精算料3,790,81321.1登録設定料等430,696△13.7開発売上656,63518.2その他1,982,5074.0合計13,276,9897.4 (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自2024年4月1日至2025年3月31日)当連結会計年度(自2025年4月1日至2026年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)株式会社日本カードネットワーク1,478,12312.01,505,59611.3三井住友カード株式会社1,064,9218.71,403,35310.6 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容①重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。 ②財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 (売上高、売上原価、売上総利益)売上高は主にセンター利用料及びQR・バーコード精算料が増加したことにより、13,276,989千円(前年同期比7.9%増)となりました。売上原価は主にセンター利用料及びQR・バーコード精算料の売上増に伴い増加したことにより、9,480,830千円(前年同期比6.5%増)となりました。その結果、売上総利益は、3,796,159千円(前年同期比11.6%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益)販売費及び一般管理費は主に給料及び手当、業務委託料の減少により、3,795,517千円(前年同期比2.8%減)となりました。その結果、営業利益は642千円(前年同期は504,561千円の営業損失)となりました。 (営業外損益、経常損失)営業外収益は主に受取利息の増加により、33,238千円(前年同期比74.8%増)となりました。営業外費用は主に支払利息の増加により、107,456千円(前年同期比288.4%増)となりました。その結果、経常損失は73,575千円(前年同期は513,215千円の経常損失)となりました。 (特別損益、当期純損失)特別利益は新株予約権戻入益の発生により、22,156千円となりました。特別損失は固定資産の除却損を計上した結果、1,184千円となりました。これに法人税等7,919千円(前年同期比92.2%減)を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、60,522千円となりました。(前年同期は682,434千円の親会社株主に帰属する当期純損失) ③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、運転資金や設備投資等の調達につきましては、自己資金、金融機関からの借入及びリースを基本としております。必要な運転資金は、金融機関との当座貸越契約を締結し十分な借入枠を有しております。 ④経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照下さい。 ⑤経営者の問題意識と今後の方針に関して経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。 ⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループが連結財務諸表作成に際して採用している重要な会計方針及び重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。 ⑦経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、第18期の有価証券報告書において、第2(事業の状況)(経営方針、経営環境及び対処すべき課題等)(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等に記載のとおり、①全社の売上高、②「情報プロセシング」分野の売上高、③ストック収入売上、④接続端末台数、⑤EBITDAの5点を重要指標としております。 前連結会計年度(自2024年4月1日至2025年3月31日)当連結会計年度(自2025年4月1日至2026年3月31日)全社の売上高(千円)12,300,72713,276,989情報プロセシング分野の売上高(千円)1,904,0381,839,733ストック収入売上(千円)8,129,2409,262,465接続端末台数(台)※1,102,0001,213,000EBITDA(千円)1,497,8412,591,162※接続端末台数は、千台未満を切り捨て処理しております。

事業リスク

  • 経営環境の変化: 日本政府のキャッシュレス推進政策が追い風となり市場が拡大していますが、政府の方針転換やキャッシュレス決済の成長鈍化により、取扱高や新規案件が減少し、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、QR・バーコード決済の普及に伴い新規参入企業が増加しており、競争環境の変化が業績に影響を与える可能性も指摘されています。
  • 特定のデータセンターへの依存と災害リスク: 決済処理センターが特定のデータセンターで管理されており、火災、地震などの自然災害や大規模通信障害、人的ミスなどによりサービスが停止した場合、収益機会の損失や顧客からの信頼低下、解約に繋がる可能性があります。データセンター移設作業の遅延も発生しており、移行作業中に予期せぬ事象が発生するリスクも存在します。
  • 情報処理センターネットワークの利用: 当社の決済サービスは、NTTデータが運営する「CAFIS」や日本カードネットワークが運営する「CARDNET」、三井住友カードが運営する「stera」といった主要な決済プラットフォームと連携しています。これらのネットワークシステムに障害が発生したり、接続に関する契約が終了したりした場合、当社のサービス提供が困難になり、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|6,819 文字
3【事業等のリスク】本書に記載した当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上で重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。以下の記載のうち将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。 (1)経営環境について 顕在化可能性:中影響度:中当社グループの売上の大宗を占めているキャッシュレス決済サービス事業に関しては、政府のキャッシュレス推進の追い風により市場拡大が見込まれております。しかしながら、キャッシュレス決済の利用動態の変化等により、当社の最大の強みでもある電子マネーの利用が将来的に減少に転じた場合、取扱高の減少や新規案件の減少等による接続端末台数の減少が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、近年のQR・バーコード決済の普及等において、新たに決済事業分野に参入してきている企業もあり、事業者が多様化している中、今後の競争環境の変化が当社業績に影響を及ぼす可能性があります。当リスクについては事業計画をモニタリングし、兆候の把握と情報プロセシング事業等の収益の多角化によってリスクの低減に向けた対応を行っております。 (2)感染症・伝染病の発生・蔓延について 顕在化可能性:低影響度:小治療法が確立されていない感染症や伝染病の発生、蔓延に伴う外部環境の変化に対応するため、当社ではリモートワーク制度を導入しており、感染症の感染拡大局面においても、事業を継続できる体制を整備しております。しかしながら、当社の役職員等に大規模な感染が発生し、事業活動に支障が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)海外部材・製品の調達について 顕在化可能性:中影響度:小当社は、データセンターにおいて海外製の機器やソフトウエアを利用しているほか、決済端末等のハードウエアを調達しております。為替の変動、米国の関税政策、米中経済摩擦、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢等の国際情勢の変化、さらには世界的な物価高騰などにより、当社サービスの提供に必要なハードウエア・ソフトウエアの不足や価格上昇が顕在化するリスクがあります。これらの要因によって納期の遅延や調達コストの増加による収益性の低下が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに対し、当社グループは、決済端末製造企業との連携強化による半導体不足等を見据えた在庫確保に努めるとともに、業務効率化や調達戦略の見直し等を行い、サービス品質の維持・向上と持続可能な収益性の確保を図っております。 (4)災害リスクについて 顕在化可能性:低影響度:大地震、台風、津波等の自然災害や火災等の事故災害の発生、及び気候変動の影響により、当社グループの拠点や利用するデータセンター等の設備が被災し、サービスの提供ができなくなる可能性があります。また、こうした事態に伴い経済状況が悪化することにより、決済取扱高の減少等を通じて収益が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)売上高の計上時期について 顕在化可能性:低影響度:中当社は納期管理を徹底しており当社起因による納期遅延の事例は少ないものの、大型開発案件等で検収時期が遅延し、計画どおりに売上計上ができない場合があります。特に期末月の3月に予定されていた顧客の検収に遅延が生じた場合には、当該事業・売上自体がなくなるわけではないですが、売上計上が翌期にずれ込むため、当期業績に対しては影響を及ぼす可能性があります。 (6)特定の取引先(仕入先等)への依存について 顕在化可能性:中影響度:中当社は、複数のメーカーと調達契約を締結することで、購買ルートの分散を図っておりますが、顧客のニーズ等を勘案して取引先を選定した結果、特定の調達先からの仕入構成比が比較的高くなっております。2026年3月期においては、端末販売売上において、PAX Japan株式会社からの仕入が金額ベースで78%を占めており、自然災害、感染症、経済摩擦等の要因により、決済端末の生産体制に支障を生じるような事態が発生した場合など、予期せぬ事象の発生によって決済端末の調達が困難になり、収益機会の損失等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、仕入れた決済端末の不具合や予期せぬ問題の発生等によって、当社責任のもと、端末交換の実施など何らかの対応策を講じる必要が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)特定のデータセンター業者への依存について 顕在化可能性:低影響度:大当社の事業を支える決済処理センターは、特定のデータセンター事業者が提供する設備を利用して運用されております。当社では、複数のサーバーによる負荷分散や定期的なバックアップの実施等により、システム障害を未然に防ぐ取組みを行っております。また、障害発生時に備え、リアルタイムのアクセスログチェック機能やソフトウエア障害を即時にスタッフへ通知する仕組みを整備するとともに、障害を想定した復旧訓練も実施しております。しかしながら、特定のデータセンターを活用していることから、外的大規模通信障害、ハードウエアの外的破損、人的ミスによるシステム障害、その他予期せぬ事象の発生により、万が一、当社グループの設備及びネットワークの利用に支障が生じた場合には、サービスの停止等を余儀なくされる可能性があります。その結果、収益機会の損失や顧客からの信頼低下等による解約が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度においてデータセンターの移設を完了し、システムの更なる安定稼働に向けた体制整備を図っております。 (8)情報処理センターネットワークの利用について 顕在化可能性:中影響度:大株式会社エヌ・ティ・ティ・データが運営する「CAFIS」のネットワークや、株式会社日本カードネットワークが運営する「CARDNET」のネットワーク、三井住友カード株式会社が運営する「stera」などと連携して当社の決済サービスを提供している場合があり、今後これらのネットワークシステムの障害等により、当社のサービス提供が困難になる可能性があります。また、株式会社エヌ・ティ・ティ・データは「INFOX」、株式会社日本カードネットワークは「JET-S」、三井住友カード株式会社は「stera」のサービス名称で、国内の主要な決済プラットフォームを提供しており、当社の決済処理センターはそのすべてと接続されております。これらの接続に関する契約の終了等が発生した場合、当社グループの業績に対して影響を及ぼす可能性があります。 (9)技術革新への対応とシステムインフラ等への投資について 顕在化可能性:低影響度:中当社は新技術の積極的な投入を行い、適時に独自のサービスを構築していく方針ではありますが、技術革新等への対応が遅れ、計画外の追加設備投資等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、事業の拡大に応じて、システムインフラ等への継続的な投資を計画、実行しておりますが、当社の想定を超える急激なアクセス数の増加等によるキャパシティ不足や、インターネット技術の急速な進歩等に伴う、想定外のハードウエアやソフトウエアへの投資が必要となった場合、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。引き続き、サービス品質の維持、向上に向けて、技術革新を採り入れながら高い信頼性を実現するシステムの開発・運用、及びその体制整備に継続的に投資してまいりますが、当社のアプリケーション、ソフトウエアやシステムにおいて、各種不具合が発生する可能性があります。その不具合に対し適切な対応を講ずることができない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)「情報プロセシング」について 顕在化可能性:中影響度:中当社は、情報プロセシング事業の立ち上げと拡大を目指しておりますが、同事業の多くは未だ先行投資のフェーズにあります。同事業の成長フェーズへの移行が当初の計画通りに進まなかった場合、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに対し、投資管理のモニタリングを強化し、撤退基準を明確にすることで、事業リスクの極小化を図ってまいります。 (11)情報漏洩リスクについて 顕在化可能性:低影響度:大当社のクレジット決済ゲートウェイを利用する場合、クレジットカード番号を当社のコンピュータシステムに送信する必要があります。また、プリペイドサービスにおいてはクレジットカード番号のほかに氏名・住所・電話番号・メールアドレス等の個人情報の登録を求める場合があり、登録された情報は当社の管理下にあるデータベースに保管しております。昨今、企業が保有する個人情報の漏洩が相次ぐ中、個人情報の扱いに対する社会的関心が高まっており、今後益々個人情報管理の徹底が必要となります。このような中、当社は一般社団法人日本クレジット協会へ加入し、同協会で義務化されている個人情報保護指針に基づく個人情報管理の運用を実施しています。クレジットカード情報及び個人情報を守るために、プライバシーマークやPCI DSSの認定(有効期限2026年9月、1年更新で PCI SSCが認定する審査機関による監査に基づき更新されるもの)を取得し、個人情報の漏洩を未然に防止するよう努めております。PCI DSSの認定は当社のクレジット決済ゲートウェイサービス提供の前提となっている一方、その認定取消し基準等が明確に設定されておらず、万が一、重大な個人情報漏洩等によりPCI DSSの認定がPCI SSCによって取消された場合、認定を再取得するまでの期間において一部のサービス提供が困難になる可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、本日時点において、許認可が取消されるような事象は生じておりません。当社は、取引先情報等、さまざまな企業情報を保有していることから、情報セキュリティの基本方針を定め、外部及び内部からの不正なアクセスを防止する対策を講じており、社内の情報セキュリティの状況を常に把握し、必要な対応を迅速かつ円滑に実施すべく情報セキュリティ委員会を設置し管理しています。また、当社のクレジット決済ゲートウェイサービス提供部門においては、情報セキュリティにおける国際標準規格であるISO27001(ISMS認証)の認定を受け、情報漏洩を未然に防止するよう努めております。しかし、人為的なミスや、外部及び内部からの何らかの不正なアクセス方法等により、クレジットカード情報や企業情報等の重要な情報が外部に流出した場合には、セキュリティインシデントに対する対応コストの発生や、当社の社会的信用の失墜等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12)知的財産について 顕在化可能性:中影響度:中当社は、第三者の知的財産権を侵害することのないように弁護士・弁理士等と連携し、知的財産権に関する啓蒙及び社内管理体制を強化しておりますが、当社の事業分野における知的財産権の現況を完全に把握することは困難であり、当社が把握できないところで第三者が既に特許・著作権・その他知的財産を保有している可能性は否めません。今後、当社の事業分野において第三者が当社より早く特許・著作権・その他知的財産を保護し、当社に対し損害賠償または使用差止等の請求をしてきた場合には、当社グループの業績に何らかの影響を及ぼす可能性があります。 (13)訴訟リスクについて 顕在化可能性:低影響度:中当社は、現時点において、係争中の訴訟を有しておりませんが、当社事業分野において、第三者が当社より早く特許権・著作権・その他知的財産権を保護し、当社に対し損害賠償または使用差止等の請求をしてきた場合や、予期せぬトラブルの発生等により訴訟を提起された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このような事実が判明した時は直ちに、事案に応じて、弁護士・弁理士等と連携し解決に努める体制を整備しております。 (14)減損損失について 顕在化可能性:中影響度:中当社は、将来の収益獲得あるいは費用削減が確実であると認められた開発費用についてはソフトウエア(ソフトウエア仮勘定含む)に計上しております。このソフトウエアについて、今後使用状況の変更やサービスの陳腐化等により収益獲得、費用削減効果が大幅に損なわれた場合や、利用期間が想定より短縮された場合に、ソフトウエアの償却や減損が必要になり、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。 (15)特定の経営者への依存について 顕在化可能性:低影響度:中代表取締役社長 大高 敦は当社の創業者であり、経営方針や事業戦略等の策定を含め、経営の重要な役割を果たしております。現在、当社では同氏に過度に依存しないよう、本部制を導入し各本部長が本部体制を整備・強化しておりますが、現在の状況において、同氏が当社の業務を遂行することが困難となった場合には、当社の事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (16)事業の拡大に応じた経営管理体制について 顕在化可能性:低影響度:中当社は、業容の拡大及び従業員の増加に合わせた組織及び内部管理体制の整備に加え、当社の経営方針に沿った子会社の経営管理体制の整備を進めており、今後も一層の充実を図る予定ですが、適切な人的・組織的な対応をできずに、子会社を含む事業規模に応じた経営管理体制、内部管理体制の構築が追いつかない場合には、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。 (17)人員の育成・確保について 顕在化可能性:中影響度:中当社グループは、今後の更なる事業拡大に向けて人員の採用を積極的に進めるとともに、処遇や労働環境の改善等に継続的に取組んでおります。しかしながら、経済産業省の調査等でも指摘されているとおり、国内におけるIT人材の需給ギャップは今後さらに拡大することが見込まれており、技術力の高い人材の獲得競争は激化しております。このような状況下において、当社グループが事業拡大に必要な人員を十分に確保できなかった場合、あるいは中核となる人材が流出した場合には、事業展開の遅延等が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (18)配当政策について 顕在化可能性:中影響度:小当社は、経営基盤の長期安定に向けた財務体質の強化及び事業の継続的な拡大発展を実現するためには、内部留保の充実が重要であると考え、会社設立以来、当事業年度を含め配当を実施しておりません。株主利益の最大化は、重要な経営目標の一つであり、業績の推移、財務状況、今後の事業・投資計画、内部留保等を総合的に勘案し、株主還元を適切に講じていく方針です。 (19)税務上の繰越欠損金について 顕在化可能性:高影響度:中2026年3月31日現在において、当社に税務上の繰越欠損金が存在しております。今後、当社の業績が事業計画に比して順調に推移し、繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当期純利益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。 (20)M&Aの影響について 顕在化可能性:中影響度:中当社は、事業拡大を加速する有効な手段の一つとして、当社に関連する事業及び同事業を展開する企業のM&Aを推進してまいります。M&A実行に際しては、対象企業の事業・財務・法務等についてデューデリジェンスを行うことにより、各種リスクの低減に努める方針です。しかしながら、実行後に経営資源の統合・活用が円滑に進まず、想定どおりに事業を拡大できず、また、その結果として、のれん等の減損処理を行う可能性があり、その場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

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