事業の概要
- 研磨関連製品製造販売マイポックスグループは、研磨フィルム、液体研磨剤、研磨装置などの製造販売を主な事業としています。これらは半導体や電子部品の製造に不可欠な精密加工技術を支える製品であり、国内外のエレクトロニクス業界に提供されています。特に、高精度な表面加工が求められる分野で強みを持っています。
- 受託加工サービス提供顧客からの依頼に基づき、塗布製造、コンバーティング(加工)、研磨加工といった専門的なサービスを提供しています。これは自社製品だけでなく、顧客の特定のニーズに応じたカスタマイズされた加工を行うことで収益を得るビジネスモデルです。特に有限会社大久保鉄工所がこの受託研磨加工を担っています。
- グローバルな事業展開日本を拠点としつつ、マレーシア、中国、インドなどアジアを中心に海外にも製造・販売拠点を展開しています。これにより、世界中のエレクトロニクスメーカーに対して製品供給や営業支援を行い、国際的な市場で収益を上げています。連結子会社を通じて、地域ごとの需要に対応しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 製品事業の収益貢献製品事業(Products)は、売上高が99.56億円、営業利益が13.21億円と、マイポックスグループの主要な収益源となっています。研磨フィルム、液体研磨剤、研磨装置などの製造販売が中心であり、国内外のエレクトロニクス業界向けに展開されています。この事業がグループ全体の利益を牽引しています。
- 受託事業の収益性と課題受託事業(Polishing Services)は、売上高が12.16億円である一方で、営業利益は-3.79億円と赤字となっています。受託塗布製造や受託研磨加工などを手掛けていますが、現状では収益性が課題となっています。工場の稼働率安定化や顧客分散によるリスク軽減が今後の改善点と考えられます。
- グローバルな事業展開マイポックスグループは、日本だけでなく、マレーシア、中国、インドなどアジアを中心にグローバルに事業を展開しています。製品事業はこれらの地域で研磨フィルムや液体研磨剤などを販売しており、国際的な需要を取り込むことで事業規模を拡大しています。連結子会社を通じて地域ごとの市場ニーズに対応しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Products | 事業 | 100 | 13 | 13.3% |
| PolishingServices | 事業 | 12 | -4 | -31.2% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社8社及び非連結子会社1社により構成されており、製品事業と受託事業の2つを主たる業務としております。連結子会社であるMIPOX Asia Pte. Ltd.およびMipox (Thailand) Co., Ltd.は、清算手続き中であります。また、非連結子会社につきましては重要性が乏しいため、記載を省略しております。 当社グループの主な関係会社及びセグメントの主要な事業内容は、次のとおりであります。 (1) 日本[主な関係会社]① マイポックス株式会社ⅰ)製品事業主要な事業は、研磨フィルム、液体研磨剤、研磨装置、研磨関連製品の製造販売等であります。ⅱ)受託事業主要な事業は、受託塗布製造、受託コンバーティング、受託研磨加工等であります。 ② 有限会社大久保鉄工所受託事業主要な事業は、受託研磨加工等であります。 ③ 株式会社ウジケ製品事業主要な事業は、圧着・接着加工等であります。 (2) マレーシア[主な関係会社]MIPOX Malaysia Sdn. Bhd.製品事業主要な事業は、研磨フィルム、液体研磨剤、研磨関連製品の製造販売等であります。 (3) 中国 [主な関係会社]MIPOX (Shanghai) Trading Co., Ltd.製品事業主要な事業は、研磨フィルム、液体研磨剤、研磨装置、研磨関連製品の販売等であります。 (4) その他[主な関係会社]① MIPOX International Corporation② MIPOX Abrasives India Pvt. Ltd.製品事業主要な事業は、情報提供等の営業支援、研磨フィルム、液体研磨剤、研磨関連製品の販売等であります。 (注) ① 製造した半製品を、当社並びに子会社に販売するルートを表します。② 加工した製品を、当社並びに子会社に販売するルートを表します。③ 当社及び子会社が、海外ユーザー並びに国内ユーザーに販売するルートを表します。④ 当社又は委託会社の注文により加工を行い、その製品を納品する受託製造のルートを表します。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 代替技術の出現や競合他社の参入により価格競争に晒される可能性があるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 研磨フィルム、液体研磨剤、研磨装置、研磨関連製品の製造販売、受託塗布製造、受託コンバーティング、受託研磨加工の技術 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:経営環境の変化によるリスク / 海外情勢の変化によるリスク / 代替技術の出現によるリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
公開情報からは、特許、ブランド力、規制ライセンスなどの無形資産に関する具体的な情報は確認できませんでした。同社は特殊ガラス製品を製造していますが、その技術やブランドが他社に対して明確な優位性を持つことを示す証拠は見当たりません。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
特殊ガラス製品は、顧客の仕様に合わせてカスタマイズされる場合が多く、一度採用されると仕様変更に伴うコストや手間から、他社への乗り換えが容易ではない可能性があります。しかし、乗り換えコストの具体的な大きさを示す情報は限定的です。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社の事業モデルは、ネットワーク効果を生み出すようなプラットフォーム型ではなく、BtoBの製造業であり、ユーザー数の増加が製品価値を高める構造にはありません。
コスト優位★☆☆☆☆
ガラス・土石製品業界は一般的に設備投資が大きく、規模の経済が働きやすいですが、マイポックスが他社と比較して構造的に著しく低いコスト構造を持つという具体的な証拠はありません。原材料価格の変動リスクは存在します。
規模の経済★★☆☆☆
特殊ガラス分野において一定の市場シェアを有している可能性はありますが、業界全体を支配するような寡占状態ではなく、規模の経済による明確なコスト優位性を確立しているとは言えません。主要プレイヤーの一つとして認識されています。
- 精密研磨技術の専門性マイポックスグループは、研磨フィルムや液体研磨剤、研磨装置といった精密研磨技術に特化した製品とサービスを提供しています。これは半導体や電子部品など、高度な表面加工が求められる分野で不可欠な技術であり、長年の経験とノウハウが競争優位の源泉となっています。
- 受託事業による柔軟性製品販売だけでなく、受託塗布製造、受託コンバーティング、受託研磨加工といったサービスも提供しています。これにより、顧客の多様なニーズに柔軟に対応できるだけでなく、特定の製品に依存しない収益源を確保し、市場変動への対応力を高めています。
- グローバルな供給体制日本国内に加え、マレーシアや中国、インドなどアジア地域に製造・販売拠点を持ち、グローバルな供給体制を構築しています。これにより、世界中のエレクトロニクスメーカーに製品やサービスを提供できるため、特定の地域市場のリスクを分散し、広範な顧客基盤を築いています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社グループでは、経営基本方針である「エンジニアリングアプローチによる製品事業の付加価値向上」「受託事業からエンジニアリングサービス事業への転換」「早い変化と多様性に対応できる経営基盤の整備」のもと、事業活動を行っております。この経営基本方針は、当社グループの価値として掲げる「塗る・切る・磨く」の3つの領域にわたるコア技術により、付加価値の高い製品・サービスの提供を目指すものであります。 ① エンジニアリングアプローチによる製品事業の付加価値向上ハイテク関連である精密分野と一般研磨分野の双方でお客様に対する付加価値の高い製品を提供するため、積極的な研究開発や、新事業への取組みを図ってまいります。 ② 受託事業からエンジニアリングサービス事業への転換単に受託業という枠に留まらず、お客様にとってのカスタマーズサクセスを創り上げるエンジニアリングパートナーとなるため、お客様のニーズに対してよりスピーディーで包括的なサービスが提供できる体制づくりを図ってまいります。 ③ 早い変化と多様性に対応できる経営基盤の整備積極的なIT投資によるさらなる効率化とともに、多様性を尊重した働き方や人材育成の推進を図ってまいります。また、IT等を活用した場所を選ばない働き方の促進により、従来より多くの社内コミュニケーションやステークホルダーの皆様との繋がりを促進してまいります。 (2) 目標とする経営指標当社グループでは、2026年3月期に創立100周年を迎え、引き続き、MipoxWayとして定める使命、価値、志に基づく事業活動を多角的かつ積極的に進めてまいります。また、経営基本方針に基づく安定的で継続的な成長を重視しており、各段階利益を主な経営指標としております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループでは、上記3つの経営基本方針をもとに、各種課題への取組みを図ってまいります。 ① より付加価値の高い製品・サービスの提供による安定利益の実現安定収益を確保し、成長し続けるためには、既存製品・サービスの伸長に加え、当社独自の技術で新たな製品・サービスを創出していくことが重要な課題と認識しており、次世代半導体の「課題」解決に対するニーズにマイポックスのコア技術を組み合わせた「創造」×「エンジニアリング」で応えてまいります。受託請負ではなく、課題に一緒に取組むエンジニアリングパートナーとしてマイポックスにしか出来ない付加価値を提供してまいります。製品事業・受託事業の両事業の設備・ノウハウ・人材の共有により製品能力・開発力を向上させることで両事業で最先端のニーズに対応してまいります。さらに、通信インフラやデータセンター関連等への注目も引き続き高まっていることから、電子デバイス関連と同様に当分野への取組み強化が重要と捉え、取組みの強化を図り、将来の安定利益の実現へ繋げてまいります。 ② 経営基盤の強化における取組み当社グループ生産拠点の再編、製品の安定供給を目的とした製造設備の有効活用、原材料における複数購買及び代替品の調査や不測の事態等へ速やかに対処することが出来るよう努めており、2022年4月1日に栃木県鹿沼市に工場を取得いたしました。受託事業生産能力の拡大、事業成長のための場所の確保、BCPの観点からの生産体制の分散となります。現在稼働に向けて、受託事業を中心に設備、機械、人材の移動・新規導入、増強を実施しており、順次立上げを行っており、グループ内での製造・受注等の複雑化の解消と日本国内での一気通貫体制の構築、生産体制の再編を行ってまいります。このような活動によりステークホルダーの皆様へ安定的な供給を図っております。 ③ スマートファクトリー化の加速人・もの・情報全てとつながる工場、スマートファクトリー化の強化に向けて、引き続きデジタルデータ活用により業務プロセスの改革、品質・生産性の向上を継続発展的に実現する工場へ向けた取組強化を進めてまいります。その中で、工場やシステムだけでなく、働く人のDX化にも注力してまいります。組織内でのDX人材を中長期的に育成し、各製造部門や、開発部門、生産管理部門等でDXに関わる知識やスキルを持つことで、スマートファクトリー化に向けた動きをより加速させることができます。 ④ カスタマーエクスペリエンス(CX)を軸とした多様化するニーズへの対応カスタマーエクスペリエンス(CX)向上の実現に向け製品・サービスの提供能力を強化していきます。セールス部門の細分化により、リード獲得までの連携とフォローアップ体制の強化生産リードタイムの短縮と適正在庫の見直しによる即納体制の構築エンジニアリングによる製品・サービスの向上及び新しいニーズにあった新製品の開発メーカーとして「モノをつくって売る」だけのビジネスから、「価値を提供する」ビジネスへ、様々な取組みや改革でカスタマーエクスペリエンスの向上を実現してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社グループでは、経営基本方針である「エンジニアリングアプローチによる製品事業の付加価値向上」「受託事業からエンジニアリングサービス事業への転換」「早い変化と多様性に対応できる経営基盤の整備」のもと、事業活動を行っております。この経営基本方針は、当社グループの価値として掲げる「塗る・切る・磨く」の3つの領域にわたるコア技術により、付加価値の高い製品・サービスの提供を目指すものであります。 ① エンジニアリングアプローチによる製品事業の付加価値向上ハイテク関連である精密分野と一般研磨分野の双方でお客様に対する付加価値の高い製品を提供するため、積極的な研究開発や、新事業への取組みを図ってまいります。 ② 受託事業からエンジニアリングサービス事業への転換単に受託業という枠に留まらず、お客様にとってのカスタマーズサクセスを創り上げるエンジニアリングパートナーとなるため、お客様のニーズに対してよりスピーディーで包括的なサービスが提供できる体制づくりを図ってまいります。 ③ 早い変化と多様性に対応できる経営基盤の整備積極的なIT投資によるさらなる効率化とともに、多様性を尊重した働き方や人材育成の推進を図ってまいります。また、IT等を活用した場所を選ばない働き方の促進により、従来より多くの社内コミュニケーションやステークホルダーの皆様との繋がりを促進してまいります。 (2) 目標とする経営指標当社グループでは、2026年3月期に創立100周年を迎え、引き続き、MipoxWayとして定める使命、価値、志に基づく事業活動を多角的かつ積極的に進めてまいります。また、経営基本方針に基づく安定的で継続的な成長を重視しており、各段階利益を主な経営指標としております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループでは、上記3つの経営基本方針をもとに、各種課題への取組みを図ってまいります。 ① より付加価値の高い製品・サービスの提供による安定利益の実現安定収益を確保し、成長し続けるためには、既存製品・サービスの伸長に加え、当社独自の技術で新たな製品・サービスを創出していくことが重要な課題と認識しており、次世代半導体の「課題」解決に対するニーズにマイポックスのコア技術を組み合わせた「創造」×「エンジニアリング」で応えてまいります。受託請負ではなく、課題に一緒に取組むエンジニアリングパートナーとしてマイポックスにしか出来ない付加価値を提供してまいります。製品事業・受託事業の両事業の設備・ノウハウ・人材の共有により製品能力・開発力を向上させることで両事業で最先端のニーズに対応してまいります。さらに、通信インフラやデータセンター関連等への注目も引き続き高まっていることから、電子デバイス関連と同様に当分野への取組み強化が重要と捉え、取組みの強化を図り、将来の安定利益の実現へ繋げてまいります。 ② 経営基盤の強化における取組み当社グループ生産拠点の再編、製品の安定供給を目的とした製造設備の有効活用、原材料における複数購買及び代替品の調査や不測の事態等へ速やかに対処することが出来るよう努めており、2022年4月1日に栃木県鹿沼市に工場を取得いたしました。受託事業生産能力の拡大、事業成長のための場所の確保、BCPの観点からの生産体制の分散となります。現在稼働に向けて、受託事業を中心に設備、機械、人材の移動・新規導入、増強を実施しており、順次立上げを行っており、グループ内での製造・受注等の複雑化の解消と日本国内での一気通貫体制の構築、生産体制の再編を行ってまいります。このような活動によりステークホルダーの皆様へ安定的な供給を図っております。 ③ スマートファクトリー化の加速人・もの・情報全てとつながる工場、スマートファクトリー化の強化に向けて、引き続きデジタルデータ活用により業務プロセスの改革、品質・生産性の向上を継続発展的に実現する工場へ向けた取組強化を進めてまいります。その中で、工場やシステムだけでなく、働く人のDX化にも注力してまいります。組織内でのDX人材を中長期的に育成し、各製造部門や、開発部門、生産管理部門等でDXに関わる知識やスキルを持つことで、スマートファクトリー化に向けた動きをより加速させることができます。 ④ カスタマーエクスペリエンス(CX)を軸とした多様化するニーズへの対応カスタマーエクスペリエンス(CX)向上の実現に向け製品・サービスの提供能力を強化していきます。セールス部門の細分化により、リード獲得までの連携とフォローアップ体制の強化生産リードタイムの短縮と適正在庫の見直しによる即納体制の構築エンジニアリングによる製品・サービスの向上及び新しいニーズにあった新製品の開発メーカーとして「モノをつくって売る」だけのビジネスから、「価値を提供する」ビジネスへ、様々な取組みや改革でカスタマーエクスペリエンスの向上を実現してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況a. 経営成績当連結会計年度における我が国の経済は、引き続き消費者物価の上昇による家計への影響が懸念される中、米国の通商政策の不透明感や中国経済の停滞継続等、世界的なリスク要因が高まりをみせました。一方、雇用・所得環境は底堅く推移し、緩やかな回復の動きが続いたものの、先行きは依然として不透明な状況にあります。 このような状況の中、当社グループは、経営基本方針である「エンジニアリングアプローチによる製品事業の付加価値向上」、「受託事業からエンジニアリングサービス事業への転換」、「早い変化と多様性に対応できる経営基盤の整備」のもと、当社グループの使命である「塗る・切る・磨くで世界を変える」を実現するための取り組みを継続してまいりました。 当社グループの事業環境におきましては、AI・データセンター投資を背景としたデータネットワーク分野が依然として好調に推移し、HDD関連及び光ファイバー関連の製品の売上高は高水準を維持しました。また、一般研磨関連製品は主要顧客向け出荷の増加や競合製品からの切り替えの進展等を背景に、各用途ともに安定した売上を確保いたしました。一方、受託事業においては、材料費の高止まりなどの市場環境の変化や顧客動向の変化により、量産案件の減少や新規試作案件の獲得に苦戦した影響で、売上高は低調に推移しました。 その結果、当連結会計年度における当社グループの業績は売上高120億59百万円(前年同期比7.9%増)、営業利益は5億79百万円(前年同期比38.5%減)、経常利益は6億13百万円(前年同期比28.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億5百万円(前年同期比44.5%減)となりました。 セグメント別の業績は次のとおりであります。 ・ 製品事業製品事業の売上高は113億39百万円(前年同期比13.9%増)、セグメント利益は9億27百万円(前年同期比29.8%減)となりました。ハイテク関連製品は、AI・データセンター投資を背景とした光ファイバー及びHDD関連の需要が依然として旺盛で、光ファイバー用途、HDD関連用途は高水準を維持しました。また、一般研磨関連製品は、主要顧客向け出荷の増加や競合製品からの切り替え進展を背景に安定した売上を確保しました。 ・ 受託事業受託事業の売上高は、7億20百万円(前年同期比40.8%減)、セグメント損失は3億48百万円(前年同期は3億79百万円のセグメント損失)となりました。国内の受託塗布・スリットの縮小が主要因で、売上は減少となりました。また、材料費の高止まりなどの市場環境の変化や顧客動向の変化により、量産案件の減少や新規試作案件の獲得にも苦戦した影響で、売上高は低調に推移しました。 b. 財政状態(資産)当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ21億37百万円増加の180億69百万円となりました。主な内容は、現金及び預金の増加7億77百万円、売掛金の増加3億60百万円、棚卸資産の増加6億47百万円、有形固定資産の増加1億3百万円、投資有価証券の増加1億14百万円等であります。 (負債)当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ16億54百万円増加の91億22百万円となりました。主な内容は、買掛金の増加44百万円、短期借入金の増加15億11百万円、リース債務の増加1億78百万円、繰延税金負債の増加1億10百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少1億73百万円等によるものであります。 (純資産)当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ4億83百万円増加の89億46百万円となりました。主な内容は、親会社株主に帰属する当期純利益5億5百万円、為替換算調整勘定の増加2億66百万円、配当金の支払による利益剰余金の減少1億44百万円、自己株式の増加による減少1億55百万円等であります。 この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、49.5%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ7億64百万円増加の30億79百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、3億22百万円の増加(前年同期は15億96百万円の増加)となりました。主な内容は、税金等調整前当期純利益8億31百万円、減価償却費7億72百万円、負ののれん発生益2億18百万円、売上債権の増加による減少2億3百万円、棚卸資産の増加による減少5億10百万円、未収入金の増加による減少1億15百万円、法人税等の支払額2億67百万円等であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、5億33百万円の減少(前年同期は6億95百万円の減少)となりました。主な内容は、有形固定資産の取得による支出5億83百万円、投資有価証券の取得による支出1億3百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入1億30百万円等であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、8億76百万円の増加(前年同期は10億56百万円の減少)となりました。主な内容は、短期借入金の純増額15億円、長期借入れによる収入12億円、長期借入金の返済による支出14億35百万円、自己株式の取得による支出1億99百万円、配当金の支払額1億43百万円等であります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)製品事業10,892,641117.8%受託事業720,29259.2%合計11,612,934111.0% (注) 金額は、販売価格によっております。 b. 受注実績当社グループの事業は、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)製品事業11,339,086113.9%受託事業720,29259.2%合計12,059,379107.9% (注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)Fiber Optic Center, Inc.1,598,77314.3%2,347,15419.5% (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社の主要顧客マーケットである半導体、ハードディスク、光ファイバー関連市場は生成AIの普及等の影響もあり好調な状況が継続する見通しである一方、地政学的リスクや米国の通商政策による貿易コストの上昇、資源価格の高騰や為替変動リスクなどの先行き不透明感が依然強く、事業環境の大きな変化に備え、慎重かつ柔軟な対応が一層求められると想定されます。 このような環境下で、当社グループは2025年11月に創業100周年を迎えました。その次の100年も見据えた経営を目指しており、「塗る・切る・磨く」の領域を一層拡げるべく、製品事業・受託事業共にさらなる成長を目指してまいります。特に、堅調な成長が見込まれる製品事業に対する成長投資として工場の自動化・省力化、AI関連の設備投資等を進めると共に、ECを活用した販売チャネルの多様化、将来に向け人材育成をはじめとする人的資本への投資も強化してまいります。また、成長戦略としてのM&Aを強化するとともに、50%を超える海外売上比率への対応として為替予約等を通じて為替リスクへの対応を進めてまいります。 2027年3月期の業績予想につきましては、売上高は130億円、営業利益は9億円、経常利益は9億円、親会社株主に帰属する当期純利益は7億円を見込んでおります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループは、国内外での事業活動について中長期的な視野から資金需要を認識しており、運転資金及び設備投資資金については、主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金の他、社債の発行、エクイティファイナンス及び金融機関からの借入等による資金調達にて対応しております。資金調達については、調達コストとリスク分散を勘案し、調達手段の多様化を図ることで、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めております。また、これらの資金需要に対応するため、GCMS(グローバル・キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、当社グループにおける資金の可視化、資金の有効活用や金融費用の削減、またリスク管理の高度化を図っております。当連結会計年度末における借入金、リース債務を含む有利子負債残高は、15億34百万円増加し、68億74百万円となりました。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は30億79百万円となりました。なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- エレクトロニクス市場変動リスク半導体などの電子部品業界は、製造プロセスの世代交代や需給バランスの変動が激しく、景気後退や需要の増減がマイポックスグループの業績に大きな影響を与える可能性があります。特にEUV露光装置の登場など技術革新が速いため、市場の動向を常に注視する必要があります。
- 海外情勢とサプライチェーンリスクウクライナ情勢のような国際的な緊張や制裁措置は、原油・天然ガスなどのエネルギー価格高騰やレアガス・レアメタルといった半導体材料の供給不足を引き起こす可能性があります。これにより、研磨フィルムの販売数減少やマーケットエリアの変更など、サプライチェーン全体に影響が及ぶ恐れがあります。
- 技術革新と代替技術リスクエレクトロニクス業界の技術変化は目覚ましく、既存の技術に代わる新技術が登場する可能性があります。もし予想外の代替技術が開発された場合、マイポックスグループの製品やサービスが陳腐化し、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。常に最新技術への対応が求められます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営環境の変化によるリスクEUV露光装置や次世代EUV(High-NA EUV)の登場等、半導体を筆頭とする電子部品業界で数年ごとに生じる製造プロセスの世代交代に伴い、半導体メモリー市場は、定期的に需給バランスが大きく崩れ、需要変動が激しくなるリスクがあります。特に近年は、生成AIやデータセンター投資の急増に伴うHBM(広帯域メモリ)やAIアクセラレータ向け先端半導体需要の急拡大と、それに伴う反動減といった急激な需要変動が懸念されます。当社グループの営業収入はエレクトロニクス業界の需要動向と密接に関係しており、景気後退や需要の増減に業績・財務状況が影響を受ける可能性があります。 (2) 地政学的リスクおよびサプライチェーンに関するリスクウクライナや中東における情勢の緊迫化に加え、米中対立を背景とした半導体関連の輸出管理規制(米国EAR等)の強化、台湾海峡等の地政学的緊張により、エレクトロニクス業界のサプライチェーンが分断されるリスクがあります。これにより、原油・天然ガス等のエネルギー価格の高騰のみならず、物流網の混乱、原材料調達難が生じる可能性があります。これらサプライチェーンへの影響により、当社研磨フィルムの販売数の増減、マーケットエリアの大幅変更、あるいは調達コストの上昇が事業に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 代替技術の出現によるリスク当社グループと密接な関係にあるエレクトロニクス業界の技術変化は目覚ましく、従来から継続的に活用されている技術にとって代わる新技術が台頭する可能性があります。技術革新動向については細心の注意を払っておりますが、予期せぬ代替技術が普及した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 新製品開発力、技術革新によるリスク当社グループが事業展開するエレクトロニクス市場は需要変動が激しく、技術革新も目覚ましい産業構造となっております。ハードディスクビジネスにおいては、記憶媒体のトレンド変化(NAND/SSDへのシフト等)や新記録方式リリース時の使用部材変更の恐れがあります。また、最先端受託研磨ビジネスや生成AI関連の精密加工需要においては常に高品質化が求められており、技術革新により新たな競合が現れる可能性があります。外部環境を含めて技術革新動向には細心の注意を払っておりますが、顧客の高度な要求水準を満たせない場合や、自社開発スケジュールが著しく遅延した場合、競合他社の参入を許し、業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。 (5) 商品在庫に関するリスク当社グループは、お客様の多様な商品ニーズに対する即納体制の確立のために、多品種の在庫を有しています。そのため、市況の急激な変化により過剰在庫を抱える可能性があり、商品評価損の計上により業績及び財務状態に影響を与え、キャッシュ・フローが滞る可能性があります。 (6) 新規事業に関するリスク当社グループは、今後も継続的な成長を維持するため、次世代パワー半導体領域をはじめとする新規事業への取り組みを行ってまいります。しかしながら、その内容によっては研究開発・設備投資・人材確保のための費用が先行して発生する可能性があります。また、安定的な収益を得るまでに一定期間を要することから、その期間の当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 為替レートの変動によるリスク当社グループの外国通貨建取引については為替変動リスクを軽減するための施策を実行しておりますが、完全にリスクを排除できるとは限りません。特に、昨今の長期化する円安局面や各国の金融政策の転換による急激な為替変動は、原材料の輸入調達コストの上昇等を招き、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、連結財務諸表作成にあたっては、在外連結子会社の現地通貨建ての報告数値を円換算しているため、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。 (8) 自然災害・感染症等に関するリスク当社グループには国内及び海外に活動拠点があり、これらの拠点、特に工場において、予想を遥かに超える大規模な地震、火災、台風や洪水等の風水害、あるいは未知の感染症等により重大な被害が発生した場合には、相当期間にわたって生産活動が停止し、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対し、事業継続計画(BCP)や危機管理規程を策定しており、定期的な訓練や計画の見直しを行うことで、迅速な復旧対応ができるよう実効性の高い防災体制づくりを進めております。 (9) 情報セキュリティによるリスク当社グループは事業運営において、機密情報や個人情報を保有し、様々な情報システムを利用しています。近年、製造業を標的としたランサムウェア攻撃や、サプライチェーンを経由した不正アクセス、工場内の制御系(OT)システムへのサイバー攻撃の脅威が高まっています。法的保護や秘密管理体制の構築、セキュリティ対策の強化に努めておりますが、万が一これらの攻撃等によりシステムの停止、データの消失、技術情報の漏洩が発生した場合、操業の停止や社会的信用の失墜により、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (10) 人材の確保・育成に関するリスク当社グループが最先端の技術開発を継続し、持続的な成長を遂げるためには、優れた技術者や専門知識を有する優秀な人材の確保と育成、技能の継承が不可欠です。しかしながら、労働市場における人材獲得競争の激化や人件費の高騰により、必要な人材を十分に確保・定着できない場合、事業展開や技術競争力に制約が生じ、当社グループの業績および今後の成長に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 気候変動・環境規制に関するリスク当社グループは、持続可能な社会の実現に向けて環境負荷低減に取り組んでおります。しかし、気候変動に伴う物理的リスク(猛暑や水害等による操業環境の悪化)に加え、移行リスクとして、各国の環境規制の強化(炭素税の導入等)や、顧客からのサプライチェーン全体を通じた脱炭素化の要請が高まっています。これらに対応するための設備投資や再生可能エネルギー調達などの環境対応コストが想定以上に増加した場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。