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大和工業(5444)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

鉄鋼 鉄鋼・非鉄

事業の概要

  • 鉄鋼製品の製造・販売
    大和工業グループは、H形鋼、溝形鋼、鋼矢板などの多岐にわたる鉄鋼製品を製造し、国内外で販売しています。特に、建築や土木工事に不可欠な構造材を提供しており、社会インフラを支える基盤産業として収益を上げています。日本、タイ、インドネシアに製造拠点を持ち、グローバルな供給体制を構築しています。
  • 軌道用品の加工・販売
    鉄道の安全運行に欠かせない分岐器類、伸縮継目、接着絶縁レールなどの軌道用品を加工し、鉄道会社などに販売しています。この事業は、鉄道インフラの維持・更新需要に支えられており、安定した収益源となっています。専門性の高い製品を提供することで、特定の市場で存在感を示しています。
  • 多角的な事業展開
    鉄鋼事業と軌道用品事業を主軸としつつ、運送、医療廃棄物処理、不動産、カウンターウェイトの製造・販売など、多角的な事業を展開しています。これにより、特定の事業に依存するリスクを分散し、グループ全体の収益安定化を図っています。各事業が相互に補完し合うことで、持続的な成長を目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 日本鉄鋼事業
    日本の鉄鋼事業は、売上高595.14億円、営業利益59.61億円を計上しており、グループの主要な収益源の一つです。H形鋼、溝形鋼、鋼矢板などを製造・販売し、国内の建築・土木分野に貢献しています。圧延設備更新に伴う操業停止の影響で減益を予想していますが、JFEスチールグループとの協業などで販売強化を図っています。
  • タイ鉄鋼事業
    タイの鉄鋼事業は、売上高691.15億円、営業利益53.45億円を計上しており、グループ内で最も高い売上を誇ります。H形鋼、溝形鋼などを製造・販売し、鉄道・港湾整備などの公共事業やデータセンターなどの民間プロジェクト需要を取り込んでいます。中国材に対するアンチダンピング関税措置の発効により、販売数量増加と鋼材マージン拡大を見込み、増益を予想しています。
  • インドネシア鉄鋼事業
    インドネシアの鉄鋼事業は、売上高279.66億円、営業利益37.87億円を計上しています。H形鋼、溝形鋼などを製造・販売し、送電鉄塔プロジェクトや石油・ガス関連の民間プロジェクトが進行中です。安価な中国材の流入による価格競争激化で鋼材マージン縮小を見込みつつも、高付加価値製品へのシフトや市場戦略の見直しで収益力回復を目指しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
SteelJapan 地域 595 60 10.0%
SteelThailandReportableSegment 事業 691 53 7.7%
SteelIndonesiaReportableSegment 事業 280 38 13.5%
RailwayTrackAccessories 事業 87 14 16.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|712 文字
3 【事業の内容】当社及び当社の関係会社(主に連結子会社10社及び持分法適用関連会社6社(2026年3月31日現在)により構成)の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 [ 鉄 鋼 事 業 (日 本)]H形鋼、溝形鋼、I形鋼、鋼矢板、縞H形鋼、造船用形鋼、鋳鋼品、船舶製缶品、重機械加工品を製造・販売しております。[主な関係会社]ヤマトスチール㈱[ 鉄 鋼 事 業 (タ イ)]H形鋼、溝形鋼、I形鋼、鋼矢板、等辺山形鋼を製造・販売しております。[主な関係会社]サイアム・ヤマト・スチールカンパニーリミテッド[ 鉄 鋼 事 業(インドネシア)]H形鋼、溝形鋼、等辺山形鋼を製造・販売しております。[主な関係会社]PTガルーダ・ヤマト・スチール[ 軌 道 用 品 事 業 ]分岐器類、伸縮継目、NEWクロッシング、接着絶縁レール、脱線防止ガード、タイプレート類、ボルト類を加工・販売しております。[主な関係会社]大和軌道製造㈱[ そ の 他 ]運送、医療廃棄物処理、不動産事業、カウンターウエイトの製造・販売等を行っております。[主な関係会社]大和商事㈱、㈱松原テクノ、ヤマト・コリア・ホールディングスカンパニーリミテッド (事業系統図)以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。 2026年3月31日現在

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
製品販売価格が主原料価格や国内外の経済情勢に大きく影響されるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
電炉メーカーとして大量の電力を使用する生産設備が必要であり、新規参入には大規模な設備投資が伴う。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:海外進出に潜在するリスク / 製品販売価格と主原料価格の変動 / 為替レートの変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

大和工業は鉄鋼業であり、特許やブランドによる無形資産の優位性は限定的。特定の技術やノウハウは存在する可能性はあるが、公開情報からは明確な無形資産による競争優位性は確認できない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

鉄鋼製品は汎用品としての側面が強く、顧客が他社製品に切り替える際の直接的な損失は小さい。ただし、長年の取引関係や特定の品質要求を満たすためのサプライヤー選定プロセスにより、一定のスイッチングコストは存在する可能性がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

鉄鋼業は製造業であり、製品の利用者が増えることで価値が増大するネットワーク効果は基本的に存在しない。プラットフォームビジネスのような性質はない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

鉄鋼業は規模の経済が働きやすく、生産効率や原材料調達力によってコスト優位性が生まれる。大和工業が長年事業を継続できていることから、一定のコスト競争力を持っていると推測されるが、具体的なコスト構造の優位性は詳細な分析が必要。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

鉄鋼業は設備投資が大きく、業界再編が進む中で、一定の生産規模を持つ企業は効率的な操業が可能となる。大和工業が業界内で一定の地位を占めているとすれば、効率規模による優位性が存在する可能性がある。

  • グローバルな生産・販売網
    日本国内だけでなく、米国、タイ、インドネシアなど世界各地に生産・販売拠点を展開しています。これにより、特定の地域経済の変動リスクを分散し、各国のインフラ投資需要を捉えることで、安定的な収益基盤を築いています。特に新興国の成長を取り込む戦略が強みです。
  • 技術力と品質管理
    長年の経験で培われた鉄鋼製品の製造技術と品質管理体制は、顧客からの信頼を得る重要な要素です。特に、国内の姫路工場を海外展開を支えるマザー工場と位置付け、コスト競争力の強化、品質の安定と向上、顧客サービスの向上に継続的に取り組んでいます。これにより、高品質な製品を安定供給できる体制を確立しています。
  • 多様な製品ラインナップ
    H形鋼や鋼矢板といった汎用性の高い鉄鋼製品から、造船用形鋼、鋳鋼品、船舶製缶品、重機械加工品、さらには鉄道用の分岐器やレール関連製品まで、幅広い製品を提供しています。これにより、多様な顧客ニーズに対応し、様々な産業分野への供給を可能にしています。製品の多様性が市場変動への対応力を高めています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 海外事業の安定・発展・拡大
    日本国内市場が成熟しているため、成長の源泉を海外事業に置き、需要が堅実な市場やインフラ投資が期待できる新興国での事業をさらに安定・発展・拡大させる方針です。これにより、グローバルな収益基盤を強化し、持続的な成長を目指しています。
  • マザー工場としての国内拠点強化
    国内の姫路工場を海外展開を支えるグループのマザー工場と位置付け、技術と経営の基盤強化を推進しています。コスト競争力の強化、品質の安定と向上、顧客サービスの向上に継続的に取り組み、グループ全体の生産効率と製品競争力を高めることを目指しています。
  • 新たな事業領域への進出と人材育成
    カーボンニュートラル・循環型社会の実現に向け、コア事業である形鋼事業の強靭化に加え、M&Aなどを通じて新たな鉄・インフラ・グリーン事業領域への進出を目指しています。これを支えるプロフェッショナル人材の育成と充実に注力し、技術獲得やバリューチェーン強化を図ることで、将来の成長機会を創出する戦略です。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは持株会社体制のもと、社会に貢献できる可能性をあらゆる角度から検討し、傘下の事業会社のそれぞれの特性と機能を活かし、活力と調和のとれたグループ経営を推し進めるとともに、世界市場をターゲットとした事業を展開してまいります。また、当社グループでは、2019年に創立75周年を迎えたことを機に、これまでの伝統を踏まえつつ、これからの当社グループの方針・理念をより明確にするため、あらたに下記のとおりMission, Vision, Yamato SPIRITを制定いたしました。 鉄鋼事業・軌道事業ともに日本国内市場は成熟していることから、当社グループとしてこれからも更に発展していくために、需要が堅実な市場や今後インフラ投資の伸びが期待出来る新興国などに拠点を持ち、その国の成長に寄与していくと同時に成長の果実として収益を取り込んでいく所存です。このMission, Vision, Yamato SPIRITのもと、当社グループの成長の源泉が、海外事業にあることを改めて発信し、今後も海外事業を更に安定・発展・拡大させてまいります。そのためにも、モノづくり企業として技術、経営のベースである国内姫路の工場を当社の海外展開を支えるグループのマザー工場として位置付け、更なる基盤強化を推し進めるとともに、コスト競争力の強化、品質の安定と向上、デリバリーを含む顧客サービスの向上に不断の努力を続けてまいります。また、人材教育・育成にもより一層力を入れ、更なる事業の発展に努めてまいります。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社は、世界的な経済構造の激しい変革に対応できる経営方針として、事業の一極化をさけ、主に海外に事業投資を行い、投資の分散化を進めてまいりました。健全な財務体質を維持しつつ、将来の成長分野へ投資する方針であり、キャッシュ・フローを重視した経営を行ってまいります。なお、当社グループの業績は、製品販売価格と原材料価格の変動に大きく影響され、各々の市場価格は、国内外の経済情勢をはじめ外部環境に大きく影響を受けることから、中長期の収益計画は作成しておりません。短期的な業績の見通しにつきましては、中東情勢の緊迫化が続くなか、原油高や物流停滞が懸念されるなど世界経済の不確実性が高まっております。また、中国においては不動産不況の長期化により内需回復は当面期待し難い状況にあり、中国からの安価な鋼材輸出は引続き高水準で推移するものと思われます。当社グループを取り巻く経営環境は、米国を除く拠点においては総じて厳しい状況が継続する見込みでありますが、米国事業においては、中東情勢の緊迫化や中国景気低迷等の外部環境の影響は限定的であり、引続き安定した高収益を確保できる事業環境にあります。各拠点において、中国材への対抗策を図り、引続き販売数量の確保、鋼材マージンの維持およびコスト低減等に努めてまいります。 以上を踏まえ、次期の業績予想につきましては、売上高は166,000百万円、営業利益は4,500百万円、経常利益は68,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は47,000百万円を予想しております。 現時点での各国・地域の事業状況の前提は以下のとおりとしております。 日本建築・土木案件の需要停滞が長期化するなか、下期以降には土木関連を中心とした需要の緩やかな持ち直しへの期待感も一部でありますが、中東情勢の緊迫化を背景とした建設活動の下振れ懸念が強まるなど、依然として厳しい事業環境が続く見通しです。このような環境のもと、販売価格の押上げに加え、製販一体となった短納期対応やJFEスチールグループとのH形鋼事業における協業など、販売面の更なる強化を推し進めておりますが、鉄スクラップ価格の先行高に加え、エネルギーコストをはじめ諸コストは高止まり、収益性の改善には時間を要する見込みです。業績につきましては、圧延設備更新に伴う事前工事として、5月、6月の2カ月間にわたる操業停止の影響も踏まえ、前期比で減益を予想しております。 タイ国内の形鋼需要は鉄道・港湾整備などの公共事業に加え、データセンターなどの民間プロジェクトにより回復基調にあります。しかしながら、中東情勢の動向次第では建設活動が再び停滞する懸念が残っております。また、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギーコスト等の上昇も懸念されますが、一方で中東地域からASEAN地域等への鉄鋼製品・半製品の輸出減少やドル高・バーツ安による輸出競争力の改善が期待されます。昨年11月に中国材に対するアンチダンピング関税措置(5年間 30.86%~54.19%)が発効されて以降、中国材の流入は減少傾向にあり、業績につきましては、販売数量の増加及び鋼材マージン拡大により、前期比で増益を予想しております。 インドネシア政府によるインフラ投資予算の抑制は継続しておりますが、送電鉄塔プロジェクトの再開などにより前期比では増額が見込まれ、民間プロジェクトも石油・ガス及びデータセンター関連を中心に進行しております。販売戦略強化により販売数量増を見込むものの、安価な中国材の流入拡大を背景に国内外メーカーとの価格競争は一段と激化する見込みであることから鋼材マージンの縮小を織り込み、業績につきましては、前期並みを予想しております。セグメント利益(のれん償却額等含む)は継続して黒字を確保する見込みであるものの、売上高・損益ともに株式取得決定時の想定を下回り推移しております。引続き高付加価値製品へのシフトや市場戦略の見直し等を通じた構造的な収益力の回復に取り組んでまいります。 米国米国経済は、政治情勢に先行き不透明感が残るものの、旺盛なAI関連投資を中心とした内需に支えられ、引続き底堅く推移する見込みです。データセンター向け及び半導体関連分野を中心に形鋼需要は堅調であり、高水準の受注残を維持しており、高付加価値製品の販売促進も相俟って販売数量は増加傾向にあります。また、鉄鋼製品に対する高水準な輸入関税が維持されるなか、形鋼市況の上昇基調が続いております。業績につきましては、販売数量の増加及び鋼材マージン拡大により、前期比で増益を予想しております。 ベトナムベトナム経済は比較的高い成長率を維持しており、公共投資関連を中心に形鋼需要は緩やかな回復が見込まれます。一方で、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギーコスト等の上昇による景気への影響が懸念され、中国材等の安価な輸入材との厳しい競争は続く見込みです。主要輸出先の韓国の需要低迷が続く見込みのなか、販売数量確保に向け、輸出拡販に取り組んでおり、業績につきましては、前期並みを予想しております。 韓国韓国経済は底打ちの兆しが見られるものの、鉄筋需要の回復には時間を要する見込みです。官公庁向けの販売強化や更なるコスト削減を推し進めており、業績につきましては、前期比で改善する見込みですが、事業環境は依然として厳しい状況が続いております。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、グローバルな鉄事業を通して、国際社会の発展や豊かな地域社会の実現に貢献することをミッションとして、これからもサステナブルな社会の実現に向けた取組を継続してまいります。地政学的リスクが顕在化するなか、当社グループを取り巻く経営環境は不確実性を増しております。こうした変化に迅速かつ柔軟に対応しつつ、当社グループは、「2030年ありたい姿」に掲げた重点戦略を進めていく所存です。カーボンニュートラル・循環型社会実現に向け、「コア事業である形鋼事業の強靭化」において、アジア等の成長地域での販売拡大、高度な操業ノウハウと最先端技術の導入による各拠点の収益力維持・向上を推し進めるとともに、「新たな鉄・インフラ・グリーン事業領域への進出」において、国内外での積極的なM&Aなどを通じた製品群の拡充やバリューチェーンの強化、技術獲得に挑戦し、それらを支えるプロフェッショナル人材の育成と充実に一層注力してまいります。 国内におきましては、ヤマトスチールにおいて、競争力強化とシェア拡大に向け戦略的設備投資や協業関係強化に取り組んでおります。戦略的設備投資として、安全性の向上、コスト競争力の強化、品質の安定と向上等を目的に、圧延ライン更新などをここ数年掛けて実施してまいります。また、協業関係強化として、JFEスチールグループと両社の強みを活かした形鋼事業の一体運営の在り方について協議を進めております。 海外におきましては、ASEAN地域のマザー工場であるタイのサイアム・ヤマト・スチールカンパニーリミテッドを核に、タイ・インドネシア・ベトナムの3拠点でのシナジー最大化を図り、域内シェアを拡大し、ASEAN地域を米国事業に次ぐ第二の収益の柱に成長させてまいります。足元では安価な中国材との競争が激しさを増すなど厳しい環境下にあるものの、高耐震性製品など当社グループの技術力を活かした高付加価値製品の製造販売を強化するなど収益力強化に取り組んでおります。また、インドネシアにおいては、政府によるインフラ投資予算の大幅削減等により、足元の形鋼需要は停滞しておりますが、将来の需要回復を見越し、製品ラインナップ拡充や生産効率向上等を目的とした大型圧延ライン増強に取り組むなど、中長期戦略による成長投資を推進しております。形鋼グローバルNo.1としての地位を確固たるものにすべく、形鋼生産能力800万トン体制構築に向け、既存拠点の競争力強化に取り組むとともに、有力候補であるインドをはじめとした新拠点獲得による生産拠点の拡大により、グローバルでの持続的な成長を図ってまいります。なお、当社グループにおきましては、従来から鉄鋼製品製造会社間で技術会議を定期的に開催し、技術情報の交換と技術向上に努めておりますが、人材育成面や更なる技術交流の機会を創出していくためにも、海外の関係会社と姫路のヤマトスチールとの間でエンジニアの交流等を一層活発化させることでグループの技術情報の共有及び人材の底上げを図り、競争力の強化にも努めていく所存です。当社グループはサステナビリティへの取組を重要な経営課題と位置付け、事業活動を通じて各国・各地域の発展と人々の未来を支え、持続可能な社会の実現に寄与してまいります。2026年3月には、外部環境の変化および「2030年ありたい姿」を踏まえ、新たな「サステナビリティ中期計画(2026~2030年度)」を策定しており、中期的な視点から当社グループのサステナビリティへの取組を具体的に推進し、持続的な成長を支えるためのリスクと機会への対応について積極的に進めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは持株会社体制のもと、社会に貢献できる可能性をあらゆる角度から検討し、傘下の事業会社のそれぞれの特性と機能を活かし、活力と調和のとれたグループ経営を推し進めるとともに、世界市場をターゲットとした事業を展開してまいります。また、当社グループでは、2019年に創立75周年を迎えたことを機に、これまでの伝統を踏まえつつ、これからの当社グループの方針・理念をより明確にするため、あらたに下記のとおりMission, Vision, Yamato SPIRITを制定いたしました。 鉄鋼事業・軌道事業ともに日本国内市場は成熟していることから、当社グループとしてこれからも更に発展していくために、需要が堅実な市場や今後インフラ投資の伸びが期待出来る新興国などに拠点を持ち、その国の成長に寄与していくと同時に成長の果実として収益を取り込んでいく所存です。このMission, Vision, Yamato SPIRITのもと、当社グループの成長の源泉が、海外事業にあることを改めて発信し、今後も海外事業を更に安定・発展・拡大させてまいります。そのためにも、モノづくり企業として技術、経営のベースである国内姫路の工場を当社の海外展開を支えるグループのマザー工場として位置付け、更なる基盤強化を推し進めるとともに、コスト競争力の強化、品質の安定と向上、デリバリーを含む顧客サービスの向上に不断の努力を続けてまいります。また、人材教育・育成にもより一層力を入れ、更なる事業の発展に努めてまいります。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社は、世界的な経済構造の激しい変革に対応できる経営方針として、事業の一極化をさけ、主に海外に事業投資を行い、投資の分散化を進めてまいりました。健全な財務体質を維持しつつ、将来の成長分野へ投資する方針であり、キャッシュ・フローを重視した経営を行ってまいります。なお、当社グループの業績は、製品販売価格と原材料価格の変動に大きく影響され、各々の市場価格は、国内外の経済情勢をはじめ外部環境に大きく影響を受けることから、中長期の収益計画は作成しておりません。短期的な業績の見通しにつきましては、中東情勢の緊迫化が続くなか、原油高や物流停滞が懸念されるなど世界経済の不確実性が高まっております。また、中国においては不動産不況の長期化により内需回復は当面期待し難い状況にあり、中国からの安価な鋼材輸出は引続き高水準で推移するものと思われます。当社グループを取り巻く経営環境は、米国を除く拠点においては総じて厳しい状況が継続する見込みでありますが、米国事業においては、中東情勢の緊迫化や中国景気低迷等の外部環境の影響は限定的であり、引続き安定した高収益を確保できる事業環境にあります。各拠点において、中国材への対抗策を図り、引続き販売数量の確保、鋼材マージンの維持およびコスト低減等に努めてまいります。 以上を踏まえ、次期の業績予想につきましては、売上高は166,000百万円、営業利益は4,500百万円、経常利益は68,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は47,000百万円を予想しております。 現時点での各国・地域の事業状況の前提は以下のとおりとしております。 日本建築・土木案件の需要停滞が長期化するなか、下期以降には土木関連を中心とした需要の緩やかな持ち直しへの期待感も一部でありますが、中東情勢の緊迫化を背景とした建設活動の下振れ懸念が強まるなど、依然として厳しい事業環境が続く見通しです。このような環境のもと、販売価格の押上げに加え、製販一体となった短納期対応やJFEスチールグループとのH形鋼事業における協業など、販売面の更なる強化を推し進めておりますが、鉄スクラップ価格の先行高に加え、エネルギーコストをはじめ諸コストは高止まり、収益性の改善には時間を要する見込みです。業績につきましては、圧延設備更新に伴う事前工事として、5月、6月の2カ月間にわたる操業停止の影響も踏まえ、前期比で減益を予想しております。 タイ国内の形鋼需要は鉄道・港湾整備などの公共事業に加え、データセンターなどの民間プロジェクトにより回復基調にあります。しかしながら、中東情勢の動向次第では建設活動が再び停滞する懸念が残っております。また、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギーコスト等の上昇も懸念されますが、一方で中東地域からASEAN地域等への鉄鋼製品・半製品の輸出減少やドル高・バーツ安による輸出競争力の改善が期待されます。昨年11月に中国材に対するアンチダンピング関税措置(5年間 30.86%~54.19%)が発効されて以降、中国材の流入は減少傾向にあり、業績につきましては、販売数量の増加及び鋼材マージン拡大により、前期比で増益を予想しております。 インドネシア政府によるインフラ投資予算の抑制は継続しておりますが、送電鉄塔プロジェクトの再開などにより前期比では増額が見込まれ、民間プロジェクトも石油・ガス及びデータセンター関連を中心に進行しております。販売戦略強化により販売数量増を見込むものの、安価な中国材の流入拡大を背景に国内外メーカーとの価格競争は一段と激化する見込みであることから鋼材マージンの縮小を織り込み、業績につきましては、前期並みを予想しております。セグメント利益(のれん償却額等含む)は継続して黒字を確保する見込みであるものの、売上高・損益ともに株式取得決定時の想定を下回り推移しております。引続き高付加価値製品へのシフトや市場戦略の見直し等を通じた構造的な収益力の回復に取り組んでまいります。 米国米国経済は、政治情勢に先行き不透明感が残るものの、旺盛なAI関連投資を中心とした内需に支えられ、引続き底堅く推移する見込みです。データセンター向け及び半導体関連分野を中心に形鋼需要は堅調であり、高水準の受注残を維持しており、高付加価値製品の販売促進も相俟って販売数量は増加傾向にあります。また、鉄鋼製品に対する高水準な輸入関税が維持されるなか、形鋼市況の上昇基調が続いております。業績につきましては、販売数量の増加及び鋼材マージン拡大により、前期比で増益を予想しております。 ベトナムベトナム経済は比較的高い成長率を維持しており、公共投資関連を中心に形鋼需要は緩やかな回復が見込まれます。一方で、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギーコスト等の上昇による景気への影響が懸念され、中国材等の安価な輸入材との厳しい競争は続く見込みです。主要輸出先の韓国の需要低迷が続く見込みのなか、販売数量確保に向け、輸出拡販に取り組んでおり、業績につきましては、前期並みを予想しております。 韓国韓国経済は底打ちの兆しが見られるものの、鉄筋需要の回復には時間を要する見込みです。官公庁向けの販売強化や更なるコスト削減を推し進めており、業績につきましては、前期比で改善する見込みですが、事業環境は依然として厳しい状況が続いております。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、グローバルな鉄事業を通して、国際社会の発展や豊かな地域社会の実現に貢献することをミッションとして、これからもサステナブルな社会の実現に向けた取組を継続してまいります。地政学的リスクが顕在化するなか、当社グループを取り巻く経営環境は不確実性を増しております。こうした変化に迅速かつ柔軟に対応しつつ、当社グループは、「2030年ありたい姿」に掲げた重点戦略を進めていく所存です。カーボンニュートラル・循環型社会実現に向け、「コア事業である形鋼事業の強靭化」において、アジア等の成長地域での販売拡大、高度な操業ノウハウと最先端技術の導入による各拠点の収益力維持・向上を推し進めるとともに、「新たな鉄・インフラ・グリーン事業領域への進出」において、国内外での積極的なM&Aなどを通じた製品群の拡充やバリューチェーンの強化、技術獲得に挑戦し、それらを支えるプロフェッショナル人材の育成と充実に一層注力してまいります。 国内におきましては、ヤマトスチールにおいて、競争力強化とシェア拡大に向け戦略的設備投資や協業関係強化に取り組んでおります。戦略的設備投資として、安全性の向上、コスト競争力の強化、品質の安定と向上等を目的に、圧延ライン更新などをここ数年掛けて実施してまいります。また、協業関係強化として、JFEスチールグループと両社の強みを活かした形鋼事業の一体運営の在り方について協議を進めております。 海外におきましては、ASEAN地域のマザー工場であるタイのサイアム・ヤマト・スチールカンパニーリミテッドを核に、タイ・インドネシア・ベトナムの3拠点でのシナジー最大化を図り、域内シェアを拡大し、ASEAN地域を米国事業に次ぐ第二の収益の柱に成長させてまいります。足元では安価な中国材との競争が激しさを増すなど厳しい環境下にあるものの、高耐震性製品など当社グループの技術力を活かした高付加価値製品の製造販売を強化するなど収益力強化に取り組んでおります。また、インドネシアにおいては、政府によるインフラ投資予算の大幅削減等により、足元の形鋼需要は停滞しておりますが、将来の需要回復を見越し、製品ラインナップ拡充や生産効率向上等を目的とした大型圧延ライン増強に取り組むなど、中長期戦略による成長投資を推進しております。形鋼グローバルNo.1としての地位を確固たるものにすべく、形鋼生産能力800万トン体制構築に向け、既存拠点の競争力強化に取り組むとともに、有力候補であるインドをはじめとした新拠点獲得による生産拠点の拡大により、グローバルでの持続的な成長を図ってまいります。なお、当社グループにおきましては、従来から鉄鋼製品製造会社間で技術会議を定期的に開催し、技術情報の交換と技術向上に努めておりますが、人材育成面や更なる技術交流の機会を創出していくためにも、海外の関係会社と姫路のヤマトスチールとの間でエンジニアの交流等を一層活発化させることでグループの技術情報の共有及び人材の底上げを図り、競争力の強化にも努めていく所存です。当社グループはサステナビリティへの取組を重要な経営課題と位置付け、事業活動を通じて各国・各地域の発展と人々の未来を支え、持続可能な社会の実現に寄与してまいります。2026年3月には、外部環境の変化および「2030年ありたい姿」を踏まえ、新たな「サステナビリティ中期計画(2026~2030年度)」を策定しており、中期的な視点から当社グループのサステナビリティへの取組を具体的に推進し、持続的な成長を支えるためのリスクと機会への対応について積極的に進めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 (1) 経営成績当連結会計年度における当社グループの経営環境は、中国の過剰生産を背景とした安価な鋼材の輸出が引続き高水準で推移するなか、米国を除く地域においては鋼材需要の停滞及び市況低迷が長期化するなど、総じて厳しい状況となりました。一方、米国事業は堅調な需要に加え、政府による関税強化措置を背景とした市況上昇により安定した高収益を確保し、引続き連結業績を牽引しております。なお、中東事業に関しましては、2025年6月に株式譲渡契約を締結(最終合意に伴い、追加損失58億円(持分法損失49億円、特別損失9億円)を計上)し、2026年2月に株式譲渡実行を完了(当該関係会社株式の売却処理に伴う為替換算調整勘定222億円を取崩)しております。 日本におきましては、建設業界の施工能力不足や建設コストの高止まりを背景に形鋼需要の停滞が続いております。下期以降、諸コスト高に加え、円安の影響による鉄スクラップ価格の上昇を受けて、メーカー各社が収益改善を目的に値上げ姿勢を強めた結果、形鋼市況は持ち直しの兆しが見られますが、依然として十分な改善には至っておりません。ヤマトスチールにおきましては、一部製品の値上げを先行して打ち出すとともに、製販一体となった短納期対応による受注確保に努めましたが、電力費等の諸コスト上昇に加え、鉄スクラップ価格上昇による鋼材マージンの一段の悪化により、業績につきましては前期比で減収減益となりました。以上により、セグメントの鉄鋼事業(日本)の売上高は、前連結会計年度比6,533百万円減の52,981百万円、セグメント利益(営業利益)は、前連結会計年度比4,467百万円減の1,494百万円となりました。 連結子会社を有するタイ、インドネシア、また持分法適用関連会社を有する米国、ベトナム、韓国におきましては、いずれも2025年1月~12月の業績が当連結会計年度に反映されます。 タイの連結子会社サイアム・ヤマト・スチールカンパニーリミテッド(SYS)におきましては、タイ国内の形鋼需要は治水事業等の公共事業やデータセンター等の民間プロジェクトを中心に回復傾向にあり、輸出を含めた販売強化等により、販売数量は前期を上回りました。一方、需要低迷や安価な中国材の流入を受けて下落基調が続いていた国内販売価格は当第3四半期に漸く下げ止まったものの前期を下回り、輸出販売価格は中国材との激しい競争にバーツ高の影響が重なり下落基調が継続し、鋼材マージンが縮小したことで、業績につきましては前期比で減収減益となりました。以上により、セグメントの鉄鋼事業(タイ)の売上高は、前連結会計年度比594百万円減の68,520百万円、セグメント利益(営業利益)は、前連結会計年度比1,108百万円減の4,236百万円となりました。なお、2026年3月にSYS株式5.82%を追加取得し、SYSへの出資比率は従来の64.18%から70.00%となっております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」の(企業結合等関係)をご参照下さい。 インドネシアの連結子会社PTガルーダ・ヤマト・スチール(GYS)におきましては、新政権下での予算編成の見直しによるインフラ投資予算の大幅削減に加え、期中では米国との関税措置交渉の影響により民間投資が一時的に停滞したことから、形鋼需要は低調に推移しました。形鋼需要が伸び悩むなか、耐震性に優れた建築鋼材の拡販等に取り組み、ASEAN拠点の中では比較的高水準の鋼材マージンを確保したものの、安価な中国材の流入は勢いを増しており、国内外メーカーとの厳しい競争環境が継続しています。以上により、セグメントの鉄鋼事業(インドネシア)の売上高は、前連結会計年度比(前期は第2四半期会計期間以降) 2,933百万円減の25,033百万円、セグメント利益(営業利益)は前連結会計年度比2,761百万円減の1,025百万円となりました。なお、セグメント利益には企業結合に伴う無形資産の償却額181百万円及びのれん償却額1,025百万円が含まれております。なお、当連結会計年度よりGYSにおける機能通貨を米ドルからインドネシアルピアに変更しております。 セグメントの軌道用品事業の売上高は、前連結会計年度比948百万円増の9,674百万円、セグメント利益(営業利益)は、前連結会計年度比300百万円増の1,731百万円となりました。 セグメントのその他の売上高は、前連結会計年度比1,235百万円増の4,180百万円、セグメント利益(営業利益)は、前連結会計年度比68百万円増の365百万円となりました。 米国の持分法適用関連会社ニューコア・ヤマト・スチールカンパニー(NYS)におきましては、データセンターやスタジアム等の大型建築案件向け中心に形鋼需要は堅調に推移し、政府による関税強化措置の影響に加え、高付加価値製品の製造・販売強化等により販売数量は前期比で増加しました。また、鉄スクラップが低位安定で推移するなか、高水準の受注残を背景に販売価格は期初より上昇基調を維持し、鋼材マージンも改善したことから、業績につきましては、前期比で増益となりました。 ベトナムの持分法適用関連会社ポスコ・ヤマト・ビナ・スチールジョイントストックカンパニー(PY VINA)におきましては、ベトナム経済が堅調に推移するなか、国内の形鋼需要は回復傾向にあるものの、中国材等の安価な輸入材との厳しい競争環境は続いております。また、韓国向け等の輸出販売は輸出先の需要低迷の影響を受け、伸び悩んでおります。業績につきましては、前期比では増益でありますが、黒字を確保している水準に留まっています。 韓国の持分法適用関連会社ワイケー・スチールコーポレーション(YKS)におきましては、長引く建設・不動産業界の不振の影響を受け、韓国内の鉄筋需要が大幅に落ち込み、生産・販売量が大幅に減少しました。業績につきましては、販売数量減及び販売価格の下落による鋼材マージンの悪化により、前期比で減益となりました。 なお、当連結会計年度の経営分析の結果は以下のとおりです。 (売上高)当連結会計年度の売上高は160,389百万円であり、前連結会計年度に比べ7,878百万円減少しました。 (売上原価、販売費及び一般管理費)当連結会計年度の売上原価は138,074百万円であり、前連結会計年度に比べ666百万円減少しました。また、販売費及び一般管理費は17,819百万円であり、前連結会計年度に比べ214百万円減少しました。 (営業外収益、営業外費用)当連結会計年度の営業外収益は61,071百万円であり、前連結会計年度に比べ17,490百万円増加しました。これは、主に持分法による投資利益が47,490百万円と前連結会計年度に比べ19,716百万円増加したことによります。また、営業外費用は331百万円であり、前連結会計年度に比べ340百万円減少しました。 (特別利益、特別損失)当連結会計年度の特別利益は16,834百万円であり、特別損失は1,580百万円でありました。特別利益の主なものは投資有価証券売却益16,821百万円であります。 (法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額)当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の総額は16,560百万円であり、前連結会計年度に比べ3,331百万円減少しました。 (非支配株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益は1,539百万円であり、前連結会計年度に比べ618百万円減少しました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比7,878百万円減の160,389百万円となりました。利益につきましては、営業利益は前連結会計年度比6,998百万円減の4,495百万円、経常利益は前連結会計年度比10,833百万円増の65,235百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比30,556百万円増の62,389百万円となりました。なお、兵機海運株式会社(2025年1月31日付で資本業務提携契約を締結)を当第1四半期連結会計期間末より持分法適用関連会社としております。 生産、受注及び販売の実績は以下のとおりであります。① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)鉄鋼事業(日本)53,292△11.2鉄鋼事業(タイ)68,804+0.9鉄鋼事業(インドネシア)24,308△12.9軌道用品事業10,267+14.7その他3,610+52.8合計160,283△4.3 (注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 ② 受注状況当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)鉄鋼事業(日本)54,230△3.47,878+18.8鉄鋼事業(タイ)69,269△3.510,708+7.5鉄鋼事業(インドネシア)25,643△5.22,557+31.4軌道用品事業9,978+10.12,262+15.6その他3,684+57.5125+121.1合計162,806△2.123,532+14.5 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)鉄鋼事業(日本)52,981△11.0鉄鋼事業(タイ)68,520△0.9鉄鋼事業(インドネシア)25,033△10.5軌道用品事業9,674+10.9その他4,180+41.9合計160,389△4.7 (注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。 (2) 財政状態(流動資産)当連結会計年度末における流動資産の残高は310,145百万円であり、前連結会計年度に比べ29百万円増加しました。 (固定資産)当連結会計年度末における固定資産の残高は323,395百万円であり、前連結会計年度に比べ23,970百万円減少しました。減少の主な要因は、中東事業の当社持分法適用関連会社の株式譲渡を実行したことによります。 (流動負債)当連結会計年度末における流動負債の残高は22,426百万円であり、前連結会計年度に比べ2,838百万円減少しました。減少の主な要因は、未払法人税等の残高が1,460百万円減少したことによります。 (固定負債)当連結会計年度末における固定負債の残高は29,696百万円であり、前連結会計年度に比べ420百万円増加しました。増加の主な要因は、繰延税金負債の残高が862百万円増加したことによります。 (純資産)当連結会計年度末における純資産の残高は581,417百万円であり、前連結会計年度に比べ21,522百万円減少しました。減少の主な要因は、為替換算調整勘定の残高が26,361百万円減少したことによります。また、自己資本比率は85.5%であり、前連結会計年度に比べ0.7ポイント増加しております。 (3) キャッシュ・フロー並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報① キャッシュ・フロー 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが52,035百万円増加し、投資活動によるキャッシュ・フローが40,875百万円減少し、財務活動によるキャッシュ・フローが57,776百万円減少いたしました。これに資金に係る換算差額の減少1,946百万円を加えた結果、当連結会計年度末の資金残高は、前連結会計年度末比48,563百万円減の75,458百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、営業活動による資金の増加は52,035百万円(前連結会計年度は71,028百万円の増加)となりました。これは主に、当連結会計年度において、税金等調整前当期純利益が80,490百万円(前連結会計年度は53,883百万円)及び、利息及び配当金の受取額が50,169百万円(前連結会計年度は70,538百万円)であったこと等によります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において、投資活動による資金の減少は40,875百万円(前連結会計年度は85,679百万円の減少)となりました。これは主に、当連結会計年度において、定期預金の預入による支出が447,799百万円(前連結会計年度は278,010百万円)及び、定期預金の払戻による収入が404,553百万円(前連結会計年度は261,323百万円)であったこと等によります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において、財務活動による資金の減少は57,776百万円(前連結会計年度は42,987百万円の減少)となりました。これは主に、当連結会計年度において、配当金の支払額が24,534百万円(前連結会計年度は28,549百万円)及び、自己株式の取得による支出が25,394百万円(前連結会計年度は11,004百万円)であったこと等によります。 ② 資金需要当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料、副資材、電気代、燃料代等の製造費用と販売費及び一般管理費等、営業費用によるものです。また、当社グループの投資資金需要のうち主なものは、安定収益源としての既存設備の維持更新、生産効率向上・品質強化・省力化及び省エネルギー化等を伴う既存設備能力の戦略的増強のための投資、将来の成長に向けた新たな事業拠点・事業領域への投資や環境対策等によるものです。当社グループが事業を営む業界では、新規工場建設、買収資金等の投資額が非常に多額となること、市況産業であることから業績は景気変動に大きく影響を受けること等を踏まえ、今後も財務健全性の維持に努めながら、将来の成長投資にも積極的に手元資金を配分していく方針です。なお、株主還元につきましては、毎期の営業キャッシュ・フロー未使用分を適切に配分してまいります。配当につきましては、連結配当性向40%を目処に毎期の配当額を決定するとともに、継続的かつ安定的な配当の維持にも努め、当面の間は1株当たり最低配当額を年間300円としております。また、自己株式の取得につきましては、中長期的に株主価値を高める観点から、市場環境や事業投資機会などを総合的に勘案し、機動的に実施を検討してまいります。 ③ 資金調達当社グループの運転資金及び設備投資資金については、営業活動により獲得した資金及び内部資金を充当することを基本方針としております。また、戦略的な資金についても主として内部資金によって充当していく方針です。なお、不測の事態に備え、当社と金融機関3社との間で30,000百万円まで設定可能なコミットメントライン契約を設定しており、資金調達が適時滞りなく実施可能と認識しております。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、可能な限り合理的な根拠に基づいた仮定を用いて会計上の見積りを行っております。

事業リスク

  • 海外事業における地政学的リスク
    米国、タイ、インドネシアなど複数の国で事業を展開しており、テロ、戦争、政治・法環境の変化、経済状況の変化などが、関係会社の業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。グローバル展開は成長機会をもたらす一方で、各国の不安定要因に晒されるリスクも伴います。
  • 製品価格と原料価格の変動
    主力である鉄鋼事業の業績は、製品販売価格と主原料であるスクラップ価格の変動に大きく左右されます。これらの市場価格は国内外の経済情勢に影響されるため、価格変動が収益性を不安定にする可能性があります。特に、原料価格の高騰を製品価格に転嫁できない場合、利益が圧迫されるリスクがあります。
  • 電力コストと気候変動リスク
    電炉メーカーとして大量の電力を消費するため、電力単価の大幅な引き上げや電力使用制限は、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動に伴う原材料やエネルギーコストの上昇、カーボンプライシング導入による燃料価格高騰も、コスト増を通じて収益を圧迫するリスクがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,647 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 海外進出に潜在するリスク当社グループの生産及び販売活動は、国内のみならず、米国、タイ、インドネシア等で行われ、世界市場をターゲットとして、グローバルに事業を展開しております。これらの海外市場への事業進出においては、各国で発生する恐れのあるテロ、戦争、その他の要因による社会的混乱により関係会社の業績と財務状況に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。また、各国での予期し得ない政治又は法環境の変化、経済状況の変化等により、事業の遂行に問題が生じる可能性もあります。 (2) 製品販売価格と主原料価格の変動当社グループの主力である鉄鋼事業の業績は、製品販売価格と主原料であるスクラップ価格の変動に大きく影響され、各々の市場価格は、国内外の経済情勢をはじめ外部環境により大きく影響を受ける可能性があります。 (3) 為替レートの変動当社グループは、世界市場をターゲットとして、グローバルに事業を展開しており、在外子会社、関連会社等の業績が連結の経営成績に大きく影響を及ぼします。連結財務諸表は、各国の現地通貨を円換算して作成しているため、為替レートの変動により財務内容に影響を及ぼします。また、当社グループが保有する現金及び預金のうち、外貨の占める割合は高く、一般に、他の通貨に対する円高は、当社に悪影響を及ぼし、円安は当社に好影響をもたらすことになります。なお、為替レートの変動による為替換算調整勘定の増減が包括利益並びに純資産に大きく影響を及ぼしますが、為替換算調整勘定は在外子会社等を保有することで生じる連結財務諸表の報告上のものであり、当社の業績そのものを左右するものでなく、今後とも引続き海外事業の展開を続ける方針であることから為替換算調整勘定の変動に対してヘッジは行っておりません。 (4) 電力リスク当社グループはグローバルに事業を展開する電炉メーカーであり、大量の電力を使用する当社グループにとって、大幅な電力単価の引上げや電力使用制限があれば、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 気候変動リスク気候変動リスクにつきましては、原材料、電力等エネルギー、水等のコストが上昇、または供給が不安定になる可能性及びカーボンプライシングなどに伴い燃料価格が高騰し、コストが上昇する可能性などがあります。詳細につきましては、当社ホームページをご参照ください。(https://www.yamatokogyo.co.jp/sustainability/environment/climate.php) (6) サイバーセキュリティに関するリスク当社グループは、業務の効率化や競争力の強化を目的として、各種情報システムの活用を進めるとともに、機密情報や個人情報、顧客情報等を日常的に取り扱っております。当該リスクが顕在化した場合、業務の停止や顧客への損害、風評損害、法的責任の発生により、当社グループの事業活動や経営成績、財務状況、さらには社会的信用に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの脅威に対し、当社グループでは、セキュリティ対策ソフトの導入、ネットワークの多層防御、クラウドサービスの活用やシステムの冗長化など、予防及び被害最小化に努めております。また、外部機関による脆弱性診断やセキュリティ監査の実施、サプライチェーン全体を含めたセキュリティ意識の向上にも取り組んでおります。しかしながら、技術の高度化・巧妙化も進展していることから完全なリスクの排除は困難であると捉えており、今後も継続的な対策強化が必要と認識しています。

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