事業の概要
- 上下水道・ガス用資材の製造販売日本鋳鉄管グループは、上下水道やガスといった社会インフラに不可欠なダクタイル鋳鉄製品(鋳鉄管、鉄蓋)や樹脂管、関連付属品の製造販売を主軸としています。これらの製品は、私たちの生活を支える重要なライフラインの整備・維持に貢献しています。
- 多角的な事業展開主力製品の製造販売に加え、倉庫業、道路貨物運送業、産業廃棄物の運搬・積み替え保管事業も手掛けています。これにより、製品の供給から物流、リサイクルまで一貫したサービスを提供し、事業の安定化と効率化を図っています。
- JFEスチールとの連携JFEスチール株式会社は同社の主要な関係会社であり、一部の原材料をJFEスチールから購入しています。これにより、安定した原材料調達を実現し、製品の品質維持と生産体制の安定化に繋がっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- ダクタイル鋳鉄関連事業この事業は、上下水道やガス供給に用いられるダクタイル鋳鉄製の管や鉄蓋、関連部品の製造・販売が中心です。最新年度の売上高は146.78億円、営業利益は0.41億円で、同社グループの主要な収益源となっています。
- 樹脂管・ガス関連事業この事業では、主にガス配管などに使用される樹脂製の管や関連資材の製造・販売を行っています。最新年度の売上高は22.55億円、営業利益は2.14億円で、ダクタイル鋳鉄関連事業に次ぐ規模の事業であり、比較的高い利益率を上げています。
- その他事業有価証券報告書では詳細なセグメント情報が記載されていませんが、倉庫業、道路貨物運送業、産業廃棄物の運搬・積み替え保管事業なども展開しており、これらは主力事業を補完し、グループ全体の事業基盤を強化する役割を担っています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| DuctileCastIronRelated | 事業 | 147 | 0 | 0.3% |
| PlasticConduitAndGasRelated | 事業 | 23 | 2 | 9.5% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、当社と連結子会社4社で構成され、上下水道・ガス用資材であるダクタイル鋳鉄製品(鋳鉄管、鉄蓋)、樹脂管及び関連付属品の製造販売を主な事業としており、さらに倉庫業、道路貨物運送業、産業廃棄物の運搬及び積み替え保管事業等を展開しております。なお、JFEスチール㈱は、当社の主要な関係会社にあたり、一部の原材料等を購入しております。当社グループの事業内容と、当社及び主要な関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。下記区分は後記、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等]の注記に掲げる[セグメント情報]の区分と同一であります。 日鋳商事株式会社当社の販売店株式会社鶴見工材センターガス用配管材等の保管及び運送日鋳サービス株式会社鉄管類リサイクル事業等株式会社イガラシ水道用の資材の販売等JFEスチール株式会社原材料等の購入等 事業の系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 原材料・仕入部品の価格変動が大きく、公共事業予算に依存するため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 設備 ダクタイル鋳鉄製品の製造には大規模な設備投資が必要と推測される。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:原材料・仕入部品の価格変動リスク / 市場リスク(公共事業予算への依存) / 貸倒損失の発生リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
日本鋳鉄管は、特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPによる顕著な無形資産の優位性は見られない。主力製品である鋳鉄管は汎用品としての性質が強く、差別化要因は限定的である。
スイッチングコスト★★☆☆☆
上下水道インフラは、一度導入された配管システムの交換には多大なコストと時間、そして社会的な影響が伴うため、一定のスイッチング・コストが存在する。しかし、新規インフラ整備や更新において、競合他社製品への切り替え可能性はゼロではない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
鋳鉄管の製造・販売事業には、ユーザー数の増加が製品価値を向上させるネットワーク効果は存在しない。製品の利用者はインフラ管理者であり、その数が増えても製品自体の魅力や機能が増すわけではない。
コスト優位★★★☆☆
長年の操業で培われた鋳鉄管の製造ノウハウや、原材料調達における規模の経済性、効率的な生産体制により、一定のコスト優位性を有している可能性がある。ただし、鉄鋼業界全体の価格変動リスクは存在する。
規模の経済★★★☆☆
国内の鋳鉄管市場において、日本鋳鉄管は主要プレイヤーの一つであり、一定の市場シェアを有している。インフラ関連という性質上、安定した需要が見込まれる中で、生産規模による効率化が競争力の源泉となりうる。
- 社会インフラへの貢献上下水道やガスといった生活に不可欠なインフラを支える鋳鉄管や関連資材を提供しており、社会貢献性の高い事業を展開しています。これにより、公共性の高い事業体からの安定的な需要が見込まれます。
- 技術革新とDX推進AIを活用した管路劣化診断技術「Fracta-AI」や、マンホール点検業務のDXソフト「だいさくくん」、ドローンによる水管橋点検など、最新技術を積極的に導入しています。これにより、インフラメンテナンスの効率化と質の向上に貢献し、新たな事業機会を創出しています。
- 施工性向上製品の開発一人で簡単に接合できる「楽ちゃく」や、非開削工法における耐震治具「オセール」など、現場の作業効率を大幅に改善する製品を開発しています。これらの製品は、人手不足が課題となる建設業界において、顧客からの高い評価と需要を獲得しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 「管路分野のInnovative All in ワンストップ企業」への転換老朽化する管路インフラの更新需要が増大する一方で、人口減少や担い手不足といった課題が深刻化しています。これに対応するため、単なる管の供給に留まらず、管路更新サイクル全般に関与する事業スタイルへの変革を目指し、インフラ維持管理の包括的なソリューション提供企業としての地位確立を図っています。
- コア事業の収益力強化と新技術導入鋳鉄管等の主力事業において、販売力強化のための新商品・新分野開発、コスト競争力向上、人材育成・ESG経営の推進を重点課題としています。具体的には、クボタとの製造合弁会社設立による生産能力増強とコスト削減、電気炉導入によるカーボンニュートラル推進、AI管路診断技術やDXソフト「だいさくくん」の展開、ドローン点検技術の活用などを進めています。
- 持続可能な社会への貢献と企業価値向上カーボンニュートラル実現に向けた電気炉導入や、国際NGOへの寄付を通じたSDGsへの貢献、地域貢献イベントの開催など、ESG経営を推進しています。また、情報発信強化やIR活動を通じてステークホルダーとのコミュニケーションを深め、企業価値の向上と社会的な使命の両立を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社は上下水道、ガス、情報通信を中心とした地域インフラ整備に対して、鋳鉄管、鉄蓋、樹脂管及び関連資材の供給を中心とした事業展開を図ってまいりました。インフラに携わる企業として、その機能の維持継続が使命と考えております。2025年1月の埼玉県八潮市での下水管路の老朽化を原因とした道路陥没事故など、深刻な被害をもたらす上下水道の漏水・陥没事故も発生しており、上下水道の管路老朽化は多くの水道事業体において喫緊の課題となっています。ガス管路においても同様に老朽化が進み、事故の発生も報道されるところであり、水道・ガスともに年々進行する管路老朽化に対し、更新の潜在需要は増大していると認識しています。一方で人口減少や節水の浸透により給水量が減少し、水道事業体の水道料金収入が減少することで十分な管路更新予算が確保できないこと、水道事業体の管路設計技術者や工事の担い手である施工事業者の人手不足等による工事施工量の制約を背景として、水道管やガス管といった資材そのものの需要は回復しているとはいいがたい状況です。2025年7月に発表した中期経営計画において、水事業では、「水道管路の変革を先進し、世界随一の水道インフラを持続させる」、ガス事業では「技術と知識で、安心・安全なガスインフラに責任を果たす」を指針としています。これに基づき、従来の原料調達・製造・販売を中心とする事業展開にとどまらず、工事施工、管路の診断・データベース化、設計など、管路整備サイクル全般への関与をさらに進めてまいります。製造基盤の強化においては、株式会社クボタ(以下、クボタ)との製造合弁子会社の設立により、上下水道管路市場において主要な母材供給元としての地位を確立します。管路更新の好循環をつくることで潜在需要を顕在化させ、安定的な収益を確保するとともに、環境変化に俊敏かつ柔軟に対応できる組織能力を獲得し、企業体質を強化します。今後も、継続的に株主様等のステークホルダーの皆様のご期待に沿えるよう努めてまいります。 (2)対処すべき課題(主要施策)経済性の追求・製造合弁会社設立による 生産性の向上、収益の拡大・安定生産、品質向上およびコスト競争力向上の実現・品種戦略のアップデートによる経営資源の効率的な活用 事業領域の拡大・販売力の強化に向けた新商品・新分野を含めた開発・拡販と需要喚起・上下水道ガスDXの推進と顧客満足度の向上・電気炉導入による脱炭素促進、上下水道ガスインフラを効率的に維持管理 ESG経営の推進・管路整備サイクルの強化・国際NGOへの寄付の継続、地域貢献の継続・コーポレートガバナンス・コードを遵守した経営、ステークホルダーとの対話強化 安全・健康管理・人材活躍・「安全は全てに優先する」の深化・メンタルヘルス強化、コンプライアンス遵守、働きやすい職場環境の構築・人材確保と育成強化および女性活躍の推進 1.経済性の追求 1)製造合弁会社設立による生産性の向上、収益の拡大 当社とクボタは、今後も社会インフラを支える企業として供給責任を果たしていくため、生産設備を再編し、クボタの京葉工場で生産している小口径(呼び径75mm~250mm)のダクタイル鉄管(直管)の完成品及び半完成品をOEM供給する製造合弁会社の設立に関する契約を締結するとともに、クボタからのOEM受託生産を実行するにあたり必要なダクタイル鉄管(直管)の生産能力の増強に係る設備投資について、2025年3月27日に決定、公表しております。製造合弁会社設立と組織構築・資産移管等の準備作業を進めており、ダクタイル鋳鉄管の生産能力の増強に係る設備投資についても、工事を進めております。 クボタ向けの母材を生産することにより、製造合弁会社の生産量は現在の当社久喜工場の生産量から大幅に増加すると見込んでおります。増産による生産性の向上、重量当たりコストの低減により収益の拡大を図るべく計画を進めております。 2)安定生産、品質向上およびコスト競争力向上の実現製造業の競争力の源泉である、高品質・高効率な生産活動を追求し、操業の効率化や歩留の向上、エネルギー効率改善など不断の改善活動・コスト削減活動により、お客様にご満足いただける品質の維持向上と継続的な製造コストの低減を進めます。カーボンニュートラル実現に向けた電気炉投資、製造合弁会社設立に係るダクタイル鋳鉄管の生産能力の増強に係る設備投資を着実に実施するとともに、1981年の工場稼働後、45年を経過している久喜工場の生産設備における老朽更新投資について、設備の状態を精緻に把握し優先順位を明確にしたうえで、適時適切な更新投資を計画的に行ってまいります。 3)品種戦略のアップデートによる経営資源の効率的な活用従来の直管製品の売り切りに注力したビジネスから、より高収益が見込まれる製品分野・商流への経営資源の配分を進めます。グループの商社・倉庫機能を生かし、付属品等を含めた荷揃いにおいてお客様のご希望に寄り添うことで、管路更新のビジネス全体において収益を確保し、連結トータルでの収益改善を進めます。製品ポートフォリオとして、クボタへの直管半製品供給開始に加え、水道・ガス関連の異形管、鉄蓋等の領域において、新製品の投入を進めるとともに、既存製品の他社への製造委託、他社からの生産受託の拡大により、自社の販売網を活用した拡販と、自社設備の生産効率最適化を進めます。 2.事業領域の拡大1)販売力の強化に向けた新商品・新分野を含めた開発・拡販と需要喚起①㈱水研との業務提携 ㈱水研と当社で知的財産を共同保有しておりますポリエチレン管用不断水バルブ「KATANAバルブ」は、当社が製造を担い、㈱水研が販売を進めております。切粉を一切混入させることなく短時間で簡単に管路にバルブを設置できるようにすることで、水質確保や施工時間の短縮といった社会課題解決に寄与しております。ポリエチレン管の需要が高い海外での展開をも視野に入れております。②円形消火栓プレキャスト工法 本工法は、消火栓・排水栓設置における弁室工事に適用する工法です。当社は、ダクタイル鉄管、異形管、鉄蓋、レジンコンクリート製品を製造・販売する資器材メーカーとしての強みを生かし、それらを使用する円形消火栓設置工事に着目しました。従来工法のコンクリート基礎よりも施工性を格段に向上させ、東京都水道局様にご採用いただきました。2025年度より順調に施工実績を伸ばしており、2026年度はより収益に貢献するものと期待しております。③新商品開発とイノベーションの継続 各種資材・労務費の高騰や人手不足を機会ととらえ、DX技術の活用、管路工事における施工期間の短縮、工法の簡便化等に資するイノベーティブな新商品開発を推進し、水道管路事業での顧客基盤を活用した需要の創出を図ってまいります。 2)上下水道ガスDXの推進と顧客満足度の向上DX技術においてはFracta Japan㈱とのパートナーシップによるFracta-AI管路診断技術につき、当社の水道管における顧客基盤を最大限活用し、水道事業体様への展開を進めてまいりました。2025年1月のインフラメンテナンス大賞・内閣総理大臣賞受賞を受け、メディアで取り上げられる機会も増加し、水道事業体の皆様の認知も進んできております。限られた管路更新予算を有効に活用するため、管路の劣化進行状態を詳細に把握し、管路更新計画の精緻化を図りたいとの水道事業体の需要を追い風に採用が拡大しており、さらなる拡販を進めます。マンホールの点検業務におけるDX推進の一環として開発いたしました「だいさくくん」は、スマートフォンやタブレットで、データ収集・集計、自動編集できるDXソフトです。作業効率の改善を実現したもので、マンホール点検業務でご使用いただき、高評価を得ております。2026年度は自治体とタイアップした点検イベントの開催などが進んでおり、当社の顧客基盤を生かして拡販を進めます。 3)電気炉導入による脱炭素促進、上下水道ガスインフラを効率的に維持管理当社はカーボンニュートラルの実現に向け、キュポラ炉の電気炉への全面転換を公表しております。電気炉設備を導入し2025年7月より生産稼働を開始、10月には全量電気炉生産を達成いたしました。電気炉への転換効果により、2027年度には2013年度比50%のGHG排出削減を見込んでおります。今後も電気炉の電力原単位の改善や脱炭素電力の導入検討を通じ、2050年カーボンニュートラルへの道筋を明らかにするよう進めてまいります。長年にわたる管路事業において蓄積された製造、販売、管理における社内のデータ基盤、管路施工技術の蓄積を活用するとともに、当社独自の新工事工法の拡大や施工能力を持つグループ会社との連携により、管路DB方式サービスへの進出を進めます。長期的にはウォーターPPPへのチャレンジも視野に、他社連携の強化も含めたグループ全体でのインフラ維持管理技術の推進・拡大を進めてまいります。 3.ESG経営の推進 1)管路整備サイクルの強化①水管橋ドローン点検 点検困難とされていた水管橋上部工の目視不可部を、ドローンに搭載した高解像度カメラで撮影し、水管橋上部工の劣化状況(表層劣化・発錆・破断等)について近接目視と同等の点検を可能とする技術です。当社の水管橋ドローン点検は、動画だけでなく、解像度の高い静止画撮影を行うことで、劣化状況をより詳細に把握することが可能です。国土交通省が、2025年3月28日に公開した「上下水道DX技術カタログ」に掲載されており、引き続き顧客基盤を活用した拡販を進めてまいります。②プリセット接合工具「楽ちゃく」の拡販 水道管埋設工事の施工要員の不足への対応として、水道管を楽に、早く、確実に一人で接合できるプリセット接合工具を開発し、販売してまいりました。従来の半分の時間で正確な接合が可能であること、管上部から作業できるクリーン施工をセールスポイントとしており、引き続き拡販を進めてまいります。③さや管推進工法治具「オセール」の拡販 鉄道、交差点、河川横断等、水道管の上部を開削して工事が困難な箇所で行う非開削工法において耐震性能を維持できる治具として、「オセール」を開発し、2019年6月より販売開始、毎年拡販を進めてきております。地上で組み立てが極めて容易で、大幅に工数を削減できる特性を持ち、支持をいただいております。大口径サイズの対応を進めており、さらなる拡販を図ってまいります。 2)国際NGOへの寄付の継続 、地域貢献の継続、社員満足度の向上世界34か国で活動する水・衛生専門の国際NGOウォーターエイドに対し、ダクタイル鉄管の販売本数に応じた寄付を2021年度より行っております。鋳鉄管を購入いただいた顧客の皆様にも、間接的に参画していただくことでSDGsへの貢献の輪を広げております。また、地元や市民の皆様に自然と親しみ笑顔を届けられる当社の活動として、久喜工場近隣の久喜菖蒲公園において、“Nature Play Carnival in Kuki”と称する地域貢献のイベントを毎月開催しております。2021年の開始以来2026年4月までに50回開催し、市民のみなさまに好評をいただいております。 3)コーポレートガバナンス・コードを遵守した経営、ステークホルダーとの対話強化 上場会社に求められるガバナンス水準を意識し、コーポレートガバナンス・コードを遵守した経営を進めます。株主の実質的な平等性の確保に資する、適切な情報開示と透明性の確保を基本とする経営を進め、財務情報・非財務情報ともに法令に基づく開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示以外の情報提供にも主体的に取り組みます。配当政策においては、上下水道・ガス事業といった公共インフラを対象とした事業展開を背景として、安定的な配当の維持を基本方針としていきます。 情報発信サービスnoteやコーポレートサイトなどを最大限活用し、株式関連情報のタイムリーな発信を行うとともに、新製品情報等、当社の情報をきめ細かく発信してまいります。サイト等に寄せられるご意見を活用した双方向のコミュニケーションにより、情報開示をさらに充実させ、さまざまなステークホルダーの皆様に当社の活動をご理解いただけるよう努めてまいります。 4.安全・健康管理・人材活躍 1)「安全は全てに優先する」の深化「安全活動は最優先で取り組むべき仕事である」と認識し『安全最優先の意識』の浸透を図ることをテーマとし、以下に取り組んできており、引き続き労働災害0を目標として活動を深化・強化します。 2)メンタルヘルス強化、コンプライアンス遵守、働きやすい職場環境の構築メンタルヘルス強化として、すべての階層へのハラスメント防止教育を継続的に実施するとともに、人事部門・産業カウンセラーへの相談が可能となる窓口機能の整備を行っています。さらに、「コミュニケーション診断」として360度評価を導入し、結果を適切にフィードバックすることで、公正な評価とハラスメントの防止を進めています。当社グループでは、企業理念・行動規範に基づいた企業活動を実践するための指針として、「グループ企業行動基準」を制定し、グループ全体で役員・従業員に対する周知を図っております。法令遵守を進めていくため、eラーニングなどを活用し、独占禁止法、公務員への贈賄、ハラスメントなどに関する教育を行っています。効果の測定として全社員を対象とした意識調査を実施し、結果を経営層にて共有しております。今後も企業倫理の向上とコンプライアンスの徹底を図ります。また、当社グループは、人権尊重が企業の社会的責任であるとともに経営基盤の一つであると考え、2023年度に取り組み姿勢をより明確に示すため、「グループ調達ガイドライン」を制定いたしました。持続可能な社会の実現に向けた活動をサプライチェーン全体で推進していくことを目的としており、取引先の皆様と本ガイドラインを共有し、サステナビリティに関する取り組みをサプライチェーン全体で推進していきます。働きやすい環境の構築において、有給休暇取得率は2026年3月末までに80%以上を目標としており、2025年度は85%となり目標達成いたしました。小学校6年生までの子供がいる社員を対象に育児短時間勤務を導入し、育児期の社員より好評を得ております。男性の育児休業取得についても積極的に取り組んでおり、育児休業取得率は80%を超えております。在宅勤務の継続・ノー残業デーの実施などの取り組みも含め、埼玉県の「多様な働き方実践企業」認定制度において、最上位のプラチナ認定を受けており、取り組みに対する評価もいただいております。 3)人材確保と育成強化および女性活躍の推進当社は50歳代以上が在籍の半数を占める年齢構成となっており、30歳代以下の社員が少ないことから、将来を担う若手社員の確保と育成が事業活動の継続において重要な課題となります。地元地域への働きかけを中心に、新卒採用・中途採用の強化を進めてまいります。採用した人材を早期に戦力化するとともに、継続的な能力向上を担保するため、新入社員から管理監督者、経営人材に至るまでの網羅的な人材育成体系を整備し、技能習得等のOJT、スキル向上を進めるOFF-JTともに充実させることで、若手・中堅・管理者各階層における育成を充実させます。さらに、モチベーション向上に寄与する人事賃金制度の改定、社員の帰属意識向上に寄与するインナーブランディングの推進を通じて、社員の採用・定着・能力向上を総合的に進めてまいります。女性社員の活躍を増やすため、積極的な採用・育成と登用に取り組んでいます。実績として、2025年度の総合職新卒社員のうち過半数が女性となっており、部長級、課長級の管理職社員も複数活躍しております。今後も事業の中核において女性の比率を向上させるべく進めてまいります。管理職に占める女性労働者の割合は、2028年3月末までに8%以上を目標としており、2026年3月末時点で6.3%です。男女の賃金の差異につきましては、2026年3月末までに73%以上を目標としており、2026年3月末時点で全労働者の76.1%、全正規労働者の75.2%となり目標を達成いたしました。 今後とも株主の皆様の一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社は上下水道、ガス、情報通信を中心とした地域インフラ整備に対して、鋳鉄管、鉄蓋、樹脂管及び関連資材の供給を中心とした事業展開を図ってまいりました。インフラに携わる企業として、その機能の維持継続が使命と考えております。2025年1月の埼玉県八潮市での下水管路の老朽化を原因とした道路陥没事故など、深刻な被害をもたらす上下水道の漏水・陥没事故も発生しており、上下水道の管路老朽化は多くの水道事業体において喫緊の課題となっています。ガス管路においても同様に老朽化が進み、事故の発生も報道されるところであり、水道・ガスともに年々進行する管路老朽化に対し、更新の潜在需要は増大していると認識しています。一方で人口減少や節水の浸透により給水量が減少し、水道事業体の水道料金収入が減少することで十分な管路更新予算が確保できないこと、水道事業体の管路設計技術者や工事の担い手である施工事業者の人手不足等による工事施工量の制約を背景として、水道管やガス管といった資材そのものの需要は回復しているとはいいがたい状況です。2025年7月に発表した中期経営計画において、水事業では、「水道管路の変革を先進し、世界随一の水道インフラを持続させる」、ガス事業では「技術と知識で、安心・安全なガスインフラに責任を果たす」を指針としています。これに基づき、従来の原料調達・製造・販売を中心とする事業展開にとどまらず、工事施工、管路の診断・データベース化、設計など、管路整備サイクル全般への関与をさらに進めてまいります。製造基盤の強化においては、株式会社クボタ(以下、クボタ)との製造合弁子会社の設立により、上下水道管路市場において主要な母材供給元としての地位を確立します。管路更新の好循環をつくることで潜在需要を顕在化させ、安定的な収益を確保するとともに、環境変化に俊敏かつ柔軟に対応できる組織能力を獲得し、企業体質を強化します。今後も、継続的に株主様等のステークホルダーの皆様のご期待に沿えるよう努めてまいります。 (2)対処すべき課題(主要施策)経済性の追求・製造合弁会社設立による 生産性の向上、収益の拡大・安定生産、品質向上およびコスト競争力向上の実現・品種戦略のアップデートによる経営資源の効率的な活用 事業領域の拡大・販売力の強化に向けた新商品・新分野を含めた開発・拡販と需要喚起・上下水道ガスDXの推進と顧客満足度の向上・電気炉導入による脱炭素促進、上下水道ガスインフラを効率的に維持管理 ESG経営の推進・管路整備サイクルの強化・国際NGOへの寄付の継続、地域貢献の継続・コーポレートガバナンス・コードを遵守した経営、ステークホルダーとの対話強化 安全・健康管理・人材活躍・「安全は全てに優先する」の深化・メンタルヘルス強化、コンプライアンス遵守、働きやすい職場環境の構築・人材確保と育成強化および女性活躍の推進 1.経済性の追求 1)製造合弁会社設立による生産性の向上、収益の拡大 当社とクボタは、今後も社会インフラを支える企業として供給責任を果たしていくため、生産設備を再編し、クボタの京葉工場で生産している小口径(呼び径75mm~250mm)のダクタイル鉄管(直管)の完成品及び半完成品をOEM供給する製造合弁会社の設立に関する契約を締結するとともに、クボタからのOEM受託生産を実行するにあたり必要なダクタイル鉄管(直管)の生産能力の増強に係る設備投資について、2025年3月27日に決定、公表しております。製造合弁会社設立と組織構築・資産移管等の準備作業を進めており、ダクタイル鋳鉄管の生産能力の増強に係る設備投資についても、工事を進めております。 クボタ向けの母材を生産することにより、製造合弁会社の生産量は現在の当社久喜工場の生産量から大幅に増加すると見込んでおります。増産による生産性の向上、重量当たりコストの低減により収益の拡大を図るべく計画を進めております。 2)安定生産、品質向上およびコスト競争力向上の実現製造業の競争力の源泉である、高品質・高効率な生産活動を追求し、操業の効率化や歩留の向上、エネルギー効率改善など不断の改善活動・コスト削減活動により、お客様にご満足いただける品質の維持向上と継続的な製造コストの低減を進めます。カーボンニュートラル実現に向けた電気炉投資、製造合弁会社設立に係るダクタイル鋳鉄管の生産能力の増強に係る設備投資を着実に実施するとともに、1981年の工場稼働後、45年を経過している久喜工場の生産設備における老朽更新投資について、設備の状態を精緻に把握し優先順位を明確にしたうえで、適時適切な更新投資を計画的に行ってまいります。 3)品種戦略のアップデートによる経営資源の効率的な活用従来の直管製品の売り切りに注力したビジネスから、より高収益が見込まれる製品分野・商流への経営資源の配分を進めます。グループの商社・倉庫機能を生かし、付属品等を含めた荷揃いにおいてお客様のご希望に寄り添うことで、管路更新のビジネス全体において収益を確保し、連結トータルでの収益改善を進めます。製品ポートフォリオとして、クボタへの直管半製品供給開始に加え、水道・ガス関連の異形管、鉄蓋等の領域において、新製品の投入を進めるとともに、既存製品の他社への製造委託、他社からの生産受託の拡大により、自社の販売網を活用した拡販と、自社設備の生産効率最適化を進めます。 2.事業領域の拡大1)販売力の強化に向けた新商品・新分野を含めた開発・拡販と需要喚起①㈱水研との業務提携 ㈱水研と当社で知的財産を共同保有しておりますポリエチレン管用不断水バルブ「KATANAバルブ」は、当社が製造を担い、㈱水研が販売を進めております。切粉を一切混入させることなく短時間で簡単に管路にバルブを設置できるようにすることで、水質確保や施工時間の短縮といった社会課題解決に寄与しております。ポリエチレン管の需要が高い海外での展開をも視野に入れております。②円形消火栓プレキャスト工法 本工法は、消火栓・排水栓設置における弁室工事に適用する工法です。当社は、ダクタイル鉄管、異形管、鉄蓋、レジンコンクリート製品を製造・販売する資器材メーカーとしての強みを生かし、それらを使用する円形消火栓設置工事に着目しました。従来工法のコンクリート基礎よりも施工性を格段に向上させ、東京都水道局様にご採用いただきました。2025年度より順調に施工実績を伸ばしており、2026年度はより収益に貢献するものと期待しております。③新商品開発とイノベーションの継続 各種資材・労務費の高騰や人手不足を機会ととらえ、DX技術の活用、管路工事における施工期間の短縮、工法の簡便化等に資するイノベーティブな新商品開発を推進し、水道管路事業での顧客基盤を活用した需要の創出を図ってまいります。 2)上下水道ガスDXの推進と顧客満足度の向上DX技術においてはFracta Japan㈱とのパートナーシップによるFracta-AI管路診断技術につき、当社の水道管における顧客基盤を最大限活用し、水道事業体様への展開を進めてまいりました。2025年1月のインフラメンテナンス大賞・内閣総理大臣賞受賞を受け、メディアで取り上げられる機会も増加し、水道事業体の皆様の認知も進んできております。限られた管路更新予算を有効に活用するため、管路の劣化進行状態を詳細に把握し、管路更新計画の精緻化を図りたいとの水道事業体の需要を追い風に採用が拡大しており、さらなる拡販を進めます。マンホールの点検業務におけるDX推進の一環として開発いたしました「だいさくくん」は、スマートフォンやタブレットで、データ収集・集計、自動編集できるDXソフトです。作業効率の改善を実現したもので、マンホール点検業務でご使用いただき、高評価を得ております。2026年度は自治体とタイアップした点検イベントの開催などが進んでおり、当社の顧客基盤を生かして拡販を進めます。 3)電気炉導入による脱炭素促進、上下水道ガスインフラを効率的に維持管理当社はカーボンニュートラルの実現に向け、キュポラ炉の電気炉への全面転換を公表しております。電気炉設備を導入し2025年7月より生産稼働を開始、10月には全量電気炉生産を達成いたしました。電気炉への転換効果により、2027年度には2013年度比50%のGHG排出削減を見込んでおります。今後も電気炉の電力原単位の改善や脱炭素電力の導入検討を通じ、2050年カーボンニュートラルへの道筋を明らかにするよう進めてまいります。長年にわたる管路事業において蓄積された製造、販売、管理における社内のデータ基盤、管路施工技術の蓄積を活用するとともに、当社独自の新工事工法の拡大や施工能力を持つグループ会社との連携により、管路DB方式サービスへの進出を進めます。長期的にはウォーターPPPへのチャレンジも視野に、他社連携の強化も含めたグループ全体でのインフラ維持管理技術の推進・拡大を進めてまいります。 3.ESG経営の推進 1)管路整備サイクルの強化①水管橋ドローン点検 点検困難とされていた水管橋上部工の目視不可部を、ドローンに搭載した高解像度カメラで撮影し、水管橋上部工の劣化状況(表層劣化・発錆・破断等)について近接目視と同等の点検を可能とする技術です。当社の水管橋ドローン点検は、動画だけでなく、解像度の高い静止画撮影を行うことで、劣化状況をより詳細に把握することが可能です。国土交通省が、2025年3月28日に公開した「上下水道DX技術カタログ」に掲載されており、引き続き顧客基盤を活用した拡販を進めてまいります。②プリセット接合工具「楽ちゃく」の拡販 水道管埋設工事の施工要員の不足への対応として、水道管を楽に、早く、確実に一人で接合できるプリセット接合工具を開発し、販売してまいりました。従来の半分の時間で正確な接合が可能であること、管上部から作業できるクリーン施工をセールスポイントとしており、引き続き拡販を進めてまいります。③さや管推進工法治具「オセール」の拡販 鉄道、交差点、河川横断等、水道管の上部を開削して工事が困難な箇所で行う非開削工法において耐震性能を維持できる治具として、「オセール」を開発し、2019年6月より販売開始、毎年拡販を進めてきております。地上で組み立てが極めて容易で、大幅に工数を削減できる特性を持ち、支持をいただいております。大口径サイズの対応を進めており、さらなる拡販を図ってまいります。 2)国際NGOへの寄付の継続 、地域貢献の継続、社員満足度の向上世界34か国で活動する水・衛生専門の国際NGOウォーターエイドに対し、ダクタイル鉄管の販売本数に応じた寄付を2021年度より行っております。鋳鉄管を購入いただいた顧客の皆様にも、間接的に参画していただくことでSDGsへの貢献の輪を広げております。また、地元や市民の皆様に自然と親しみ笑顔を届けられる当社の活動として、久喜工場近隣の久喜菖蒲公園において、“Nature Play Carnival in Kuki”と称する地域貢献のイベントを毎月開催しております。2021年の開始以来2026年4月までに50回開催し、市民のみなさまに好評をいただいております。 3)コーポレートガバナンス・コードを遵守した経営、ステークホルダーとの対話強化 上場会社に求められるガバナンス水準を意識し、コーポレートガバナンス・コードを遵守した経営を進めます。株主の実質的な平等性の確保に資する、適切な情報開示と透明性の確保を基本とする経営を進め、財務情報・非財務情報ともに法令に基づく開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示以外の情報提供にも主体的に取り組みます。配当政策においては、上下水道・ガス事業といった公共インフラを対象とした事業展開を背景として、安定的な配当の維持を基本方針としていきます。 情報発信サービスnoteやコーポレートサイトなどを最大限活用し、株式関連情報のタイムリーな発信を行うとともに、新製品情報等、当社の情報をきめ細かく発信してまいります。サイト等に寄せられるご意見を活用した双方向のコミュニケーションにより、情報開示をさらに充実させ、さまざまなステークホルダーの皆様に当社の活動をご理解いただけるよう努めてまいります。 4.安全・健康管理・人材活躍 1)「安全は全てに優先する」の深化「安全活動は最優先で取り組むべき仕事である」と認識し『安全最優先の意識』の浸透を図ることをテーマとし、以下に取り組んできており、引き続き労働災害0を目標として活動を深化・強化します。 2)メンタルヘルス強化、コンプライアンス遵守、働きやすい職場環境の構築メンタルヘルス強化として、すべての階層へのハラスメント防止教育を継続的に実施するとともに、人事部門・産業カウンセラーへの相談が可能となる窓口機能の整備を行っています。さらに、「コミュニケーション診断」として360度評価を導入し、結果を適切にフィードバックすることで、公正な評価とハラスメントの防止を進めています。当社グループでは、企業理念・行動規範に基づいた企業活動を実践するための指針として、「グループ企業行動基準」を制定し、グループ全体で役員・従業員に対する周知を図っております。法令遵守を進めていくため、eラーニングなどを活用し、独占禁止法、公務員への贈賄、ハラスメントなどに関する教育を行っています。効果の測定として全社員を対象とした意識調査を実施し、結果を経営層にて共有しております。今後も企業倫理の向上とコンプライアンスの徹底を図ります。また、当社グループは、人権尊重が企業の社会的責任であるとともに経営基盤の一つであると考え、2023年度に取り組み姿勢をより明確に示すため、「グループ調達ガイドライン」を制定いたしました。持続可能な社会の実現に向けた活動をサプライチェーン全体で推進していくことを目的としており、取引先の皆様と本ガイドラインを共有し、サステナビリティに関する取り組みをサプライチェーン全体で推進していきます。働きやすい環境の構築において、有給休暇取得率は2026年3月末までに80%以上を目標としており、2025年度は85%となり目標達成いたしました。小学校6年生までの子供がいる社員を対象に育児短時間勤務を導入し、育児期の社員より好評を得ております。男性の育児休業取得についても積極的に取り組んでおり、育児休業取得率は80%を超えております。在宅勤務の継続・ノー残業デーの実施などの取り組みも含め、埼玉県の「多様な働き方実践企業」認定制度において、最上位のプラチナ認定を受けており、取り組みに対する評価もいただいております。 3)人材確保と育成強化および女性活躍の推進当社は50歳代以上が在籍の半数を占める年齢構成となっており、30歳代以下の社員が少ないことから、将来を担う若手社員の確保と育成が事業活動の継続において重要な課題となります。地元地域への働きかけを中心に、新卒採用・中途採用の強化を進めてまいります。採用した人材を早期に戦力化するとともに、継続的な能力向上を担保するため、新入社員から管理監督者、経営人材に至るまでの網羅的な人材育成体系を整備し、技能習得等のOJT、スキル向上を進めるOFF-JTともに充実させることで、若手・中堅・管理者各階層における育成を充実させます。さらに、モチベーション向上に寄与する人事賃金制度の改定、社員の帰属意識向上に寄与するインナーブランディングの推進を通じて、社員の採用・定着・能力向上を総合的に進めてまいります。女性社員の活躍を増やすため、積極的な採用・育成と登用に取り組んでいます。実績として、2025年度の総合職新卒社員のうち過半数が女性となっており、部長級、課長級の管理職社員も複数活躍しております。今後も事業の中核において女性の比率を向上させるべく進めてまいります。管理職に占める女性労働者の割合は、2028年3月末までに8%以上を目標としており、2026年3月末時点で6.3%です。男女の賃金の差異につきましては、2026年3月末までに73%以上を目標としており、2026年3月末時点で全労働者の76.1%、全正規労働者の75.2%となり目標を達成いたしました。 今後とも株主の皆様の一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績2025年度においては、水道事業体のダクタイル鋳鉄管の発注量が前年度同様、全国的に低調に推移しており、特に当社が主力とする小口径サイズの発注量は前年度を下回る結果となりました。またガス事業においても、導管工事量は減少傾向が続いております。加えて、部品仕入価格や資材価格、人件費等の諸経費の上昇も続いており、収益を大きく圧迫する要因となりました。 このような状況において、当期は売上高は前年同期比減収であった一方、販売価格への転嫁やコスト削減の積上げ、高付加価値商品の販売拡大などの企業努力により収益の確保に努めた結果、営業利益は前年同期並みとなりました。経常利益は、支払利息の増加等により前年同期比減益となりました。 今後は上下水道の老朽化に伴う更新需要はあるものの、業界全体の生産設備が過剰な状態を解消すべく、2026年12月を目途に設立を予定している、当社と株式会社クボタとの製造合弁会社※設立に向けて着実に準備を進めております。 ※クボタの京葉工場で生産している小口径のダクタイル鉄管(直管)の完成品および半完成品をOEM供給する製造合弁会社(当社の子会社として、当社久喜工場のダクタイル鉄管(直管)の製造部門を分社) 加えて、カーボンニュートラルへの対応として、久喜工場にて2025年7月に生産稼働を開始した電気炉については、10月より100%電気炉化を実現いたしました。2027年度には、当社製品の50%のCO2排出量削減(対2013年度)を目指しております。 現下は厳しい環境ではありますが、生産設備の再編、コスト削減等の企業努力やグループ会社との連携拡大などに加え、お客様にご理解いただきながら販売価格の改定を進め、収益の改善を図ってまいります。 また、2025年7月には『生活基盤の平穏と更なる進化のため、あらゆる技術を築き磨く』を指針とし、経済性の追求、事業領域の拡大、ESG経営の推進、安全・健康管理・人材活躍を主要な活動とする中期経営計画を発表しました。水道・ガスそれぞれのインフラに携わる企業として、『管路維持サイクル』の実現に向け、管の製造・販売のみならず、管路整備サイクル一周すべてに関わるビジネスモデルを目指してまいります。新製品の開発としては、さや管推進工法対応部品「オセール」の適用管径サイズ拡大、「円形消火栓プレキャスト工法」の東京都水道局様によるご採用などの成果を挙げております。また、DX技術においてはFracta社とのパートナーシップによるFracta-AI管路診断技術につき、管路更新計画の精緻化を図りたいとの水道事業体の需要を追い風に採用が拡大しております。 当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなっております。 売上高につきましては、水道事業体の管路布設向け鋳鉄管発注量およびガス導管工事量の減少影響を受ける中、受注量の確保と販売価格の改善に努めたものの、9億90百万円(前年同期比5.8%)減少の、159億42百万円となりました。 収益につきましては、売上高が減少したことに加え、電気炉の生産稼働開始に伴う一過性の費用増、部品仕入れやエネルギー価格・物流費等の諸物価の上昇影響があったものの、高付加価値品の拡大や徹底したコスト削減を実施し、営業利益は2百万円(前年同期比1.0%)減少し2億58百万円、経常利益は支払利息の増加等により51百万円(前年同期比19.4%)減少し2億15百万円になりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期に電気炉建設のための既設撤去費用等1億33百万円を特別損失として計上した一方、当期は製造合弁会社設立準備に伴う受取精算金を特別利益に1億65百万円、特別損失として電気炉の生産稼働開始・100%電気炉化に伴うキュポラ炉停止や、製造合弁会社の設立に伴うダクタイル鉄管(直管)の生産能力増強工事に対応した固定資産の除却損失として、特別損失に73百万円を計上したこと等により、3億21百万円増加し91百万円の利益となりました。 引き続き、皆様のご期待に添えるような企業運営に努め、さらなる安定利益を確保するよう一層努力してまいりますので、ご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。 セグメントの経営成績は、以下のとおりであります。 ダクタイル鋳鉄関連当連結会計年度の売上高につきましては、水道管路布設工事の遅れ・水道事業体の発注量の減少に伴う鋳鉄管販売数量の減少等により、前年同期と比べ7億22百万円(前年同期比4.9%)減少し、139億55百万円となりました。セグメント利益につきましては、鋳鉄管販売数量の減少があったものの、価格改定と徹底したコスト削減努力により、前年同期と比べ45百万円(前年同期比109.4%)増加し、87百万円のセグメント利益となりました。 樹脂管・ガス関連当連結会計年度の売上高につきましては、ガス導管工事の減少に伴い、親会社の販売数量減少および子会社の取引高が減少したこと等により、前年同期と比べ2億67百万円(前年同期比11.9%)減少し、19億87百万円となりました。セグメント利益につきましては、販売価格改定による収益改善に努めたものの、親会社の販売数量減少および子会社の取引高が減少したこと等により、前年同期と比べ45百万円(前年同期比21.2%)減少し、1億68百万円のセグメント利益となりました。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。 ① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)ダクタイル鋳鉄関連6,825+2.0樹脂管・ガス関連732△13.0合計7,558+0.4 (注) 1. セグメント間取引はありません。2. 金額は販売価格を以って計上しております。 ② 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)ダクタイル鋳鉄関連13,699△9.02,885△8.2樹脂管・ガス関連1,996△11.512+185.5合計15,695△9.32,898△7.9 (注) 1. セグメント間取引はありません。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)ダクタイル鋳鉄関連13,955△4.9樹脂管・ガス関連1,987△11.9合計15,942△5.8 (注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。2. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合 相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)太三機工㈱2,90317.22,20313.8東京ガスネットワーク㈱ 1,5889.41,3998.8 (2) 財政状態当連結会計年度末の総資産は、256億26百万円と前連結会計年度末と比べ34億4百万円増加しました。これは主に電気炉建設等による「現金及び預金」が9億73百万円、「機械装置及び運搬具(純額)」が10億73百万円、「リース資産(純額)」が5億91百万円増加したこと、「退職給付に係る資産」が9億83百万円増加したこと等によるものであります。負債合計は、153億60百万円と前連結会計年度末と比べ27億78百万円増加しました。これは主に電気炉の新設や製造合弁会社の設立にあたってのダクタイル鉄管(直管)の生産能力増強工事に伴う資金準備のためのシンジケートローン組成により、長期借入金(1年内返済予定の分を含む)が28億円増加したこと等によるものであります。純資産合計は、102億65百万円と前連結会計年度末と比べ6億26百万円増加しました。これは主に配当金の支払いにより80百万円減少した一方、「退職給付に係る調整累計額」が5億67百万円増加したこと、「親会社株主に帰属する当期純利益」91百万円の計上したこと等によるものであります。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、38億81百万円と前連結会計年度末に比べて9億73百万円の増加となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金の増加は、2億97百万円(前連結会計年度は1億42百万円の増加)となりました。これは主に、増加要因として税金等調整前当期純利益が3億11百万円、売上債権が8億1百万円、減価償却費が7億27百万円であったこと、減少要因として棚卸資産が5億60百万円、仕入債務が7億88百万円あったこと等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金の減少は、31億89百万円(前連結会計年度は14億74百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出32億74百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金の増加は、38億65百万円(前連結会計年度は8億20百万円の増加)となりました。これは主に、電気炉の新設や製造合弁会社の設立にあたってのダクタイル鉄管(直管)の生産能力増強工事等の資金準備のための短期借入れによる収入が13億円、長期借入れによる収入が28億円、リース債務の返済による支出が1億20百万円あったこと等によるものであります。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、連結財務諸表「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- 原材料価格の変動リスク主要商品の製造原価の約半分を占める鋼屑、コークス、石油関連製品の購入価格が国際市況の影響を大きく受けます。これらの価格が大幅に変動した場合、製造原価が増加し、会社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 公共事業予算への依存リスク同社グループの製品は、地方自治体等の公共事業向けが多いため、国の公共事業予算の動向に業績が大きく左右されます。公共事業予算が減少した場合、国内需要や市況価格が変動し、売上高や利益に悪影響を与える可能性があります。
- 貸倒損失の発生リスク上下水道用資機材の販売は、主に地域の特約店を経由して行われます。特約店の財務状況を精査し与信額を決定していますが、予期せぬ経営悪化などにより、特約店に対する債権の回収が困難になるリスクがあり、貸倒損失が発生する可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 (1)購入原材料・仕入部品・購入電力の価格変動および調達リスク当社は主たる商品を素材から製造しており、原材料の製造原価に占める割合は半分程度となっております。特に主要な原材料である鋼屑、石油関連製品につきましては、一部についてはその特殊性や希少性により、容易に仕入れ先の切り替えが出来ないものが含まれております。日頃から複数の調達先を確保すること等により、安定的な調達に努めておりますが、国際市況の変動等の影響を起因とする素材の供給不足による納期遅延や、調達コストの上昇に伴い製造原価が大幅に変動する場合があります。また、主たる商品に付属する部品については、多くを仕入れ先から調達して販売しております。昨今の諸物価の変化に伴うコスト上昇等により、仕入れ価格が変動する場合があります。電力については、2025年7月より生産稼働を開始しました電気炉において、操業を行う際に多くの電力を消費いたします。諸物価の変化等に伴う電力価格の上昇により、製造原価が変動する場合があります。従って、購入原材料・仕入部品・電力の価格変動およびその調達は、当社グループの業績を大きく左右する要因となっております。 (2)市場リスク当社グループが取り扱う商品の多くは、地方自治体等の公共事業向けとなるため、各年度の公共事業予算に依存しております。従って、公共事業予算が大きく変動した場合、国内需要及び市況価格が変動し、当社グループの売上高及び業績に大きな影響を与える可能性があります。 (3) 貸倒損失の発生リスク当社は、鋳鉄管等の上下水道用資機材を主に各地域の特約店を経由して配管工事業者等に販売しております。当社の販売先である特約店については、各社の規模、財務状況等を精査し与信額を決定しておりますが、予期せぬ原因で特約店向けの債権の回収が困難になるリスクがあります。