5695

パウダーテック(5695)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

鉄鋼 鉄鋼・非鉄

事業の概要

  • 機能性材料事業
    複合機やプリンターに使われる電子写真用キャリアや、粉体技術を応用した機能性微粒子を製造・販売しています。これは、オフィス機器の性能を支える重要な素材であり、高い技術力が求められる分野です。パウダーテックインターナショナルコープがこの事業を担っています。
  • 品質保持剤事業
    食品の鮮度を保つための脱酸素剤や、酸素の有無を知らせる酸素検知剤を製造・販売しています。食品の安全と品質維持に貢献する事業であり、消費者の食生活を陰ながら支えています。(株)ワンダーキープ高萩がこの事業を担当しています。
  • 素材と技術の提供
    事務機器向けの粉体素材と食品向けの品質保持剤という、異なる分野で専門性の高い製品を提供しています。子会社や関連会社と連携し、原材料の調達から製造販売までを一貫して行うことで、安定した事業運営と収益確保を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 機能性材料事業
    主に複合機やプリンターに使われる電子写真用キャリアや、粉体技術を応用した機能性微粒子を生産・販売しています。この事業は売上高が808億1,232万円、営業利益が87億4,352万円と、同社の主要な収益源であり、高い収益性を誇っています。
  • 品質保持剤事業
    主に食品業界向けに、食品の鮮度を保つための脱酸素剤や酸素の有無を検知する酸素検知剤を生産・販売しています。売上高は105億5,062万円、営業利益は1億3,192万円であり、機能性材料事業に比べると規模は小さいものの、安定した需要が見込まれる事業です。
  • 二つの柱による事業構成
    パウダーテックは、事務機器向けの「機能性材料事業」と食品向けの「品質保持剤事業」という異なる二つの事業を柱としています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定的な経営基盤を構築していると考えられます。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
FunctionalMaterialReportableSegment 事業 81 9 10.8%
QualityPreservativeReportableSegment 事業 11 0 1.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|425 文字
3 【事業の内容】 当社の企業集団は、当社、子会社2社及びその他の関係会社2社で構成され、事務機器等の素材である粉体(フェライト粉)及び脱酸素剤他の製造販売を行っております。 当社グループの事業における位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。なお、セグメント情報における報告セグメントは、下記の区分であります。 (機能性材料事業)当部門においては、主に複合機・プリンター業界向けに電子写真用キャリアと、粉体技術を応用展開した新規用途向け各種機能性微粒子を生産・販売しております。主な関係会社は、パウダーテックインターナショナルコープであります。(品質保持剤事業)当部門においては、主に食品業界向けに品質保持用として脱酸素剤、酸素検知剤を生産・販売しております。主な関係会社は、(株)ワンダーキープ高萩であります。 その他の関係会社の三井金属㈱、㈱南悠商社は、両社から原材料の仕入等を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
グローバルで高いシェアを持つキャリアや、高付加価値製品の比率を高めているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
粉体技術を応用展開した各種機能性微粒子、電子写真用キャリアの開発・生産技術。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:大規模自然災害、感染症の大規模流行 / 情報セキュリティ、環境事故、プラント・設備の事故 / 製品の品質、原材料等の安定調達、労働力の確保、化学物質規制
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

パウダーテックは鉄鋼業に属し、特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPに関する情報は公開情報からは確認できない。汎用的な素材を扱うため、無形資産による競争優位性は低いと考えられる。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

顧客は特定の品質や仕様を持つ特殊鋼粉末を調達しており、サプライヤー変更には品質評価や生産ライン調整のコストが発生する可能性がある。しかし、代替材料や競合他社も存在するため、スイッチング・コストは限定的と推測される。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

パウダーテックの事業は、製品の利用者が増えることで価値が増加するネットワーク効果を生むビジネスモデルではない。個別の顧客との取引が中心であり、プラットフォーム型ビジネスとは異なる。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

鉄鋼粉末の製造プロセスにおける効率化や、原材料調達における交渉力などがコスト優位性の源泉となりうる。しかし、同業他社も同様の努力を行っており、構造的なコスト優位性は限定的である可能性が高い。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

特殊鋼粉末市場において、パウダーテックは一定のシェアを有しており、生産規模の経済が働く可能性がある。特にニッチな市場においては、規模の経済が競争優位性につながる場合がある。しかし、市場全体の規模や寡占度については詳細な分析が必要。

  • 粉体技術の専門性
    長年にわたり培ってきた粉体技術を基盤に、複合機・プリンター向けの電子写真用キャリアや、様々な用途に応用可能な機能性微粒子を開発・製造しています。この高度な技術力は、他社との差別化要因となり、製品の競争優位性を高めています。
  • 品質保持剤の安定供給
    食品業界向けに不可欠な脱酸素剤や酸素検知剤を安定的に供給しています。食品の安全・安心への意識が高まる中、高品質な製品を供給し続けることは、顧客からの信頼獲得と市場での地位確立に繋がっています。
  • サプライチェーンの確立
    原材料の仕入れから製品の製造・販売まで、子会社やその他の関係会社と連携したサプライチェーンを構築しています。これにより、安定的な生産体制を維持し、顧客ニーズに迅速に対応できる体制を整えていると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)会社の経営の基本方針パウダーテックは、情報と市場を広く世界に求め、絶え間なく技術の前進を続ける企業であります。当社の経営理念は、以下のとおりであります。 1.技術を以て社会の繁栄に貢献する 1.誠実を以て貫く 1.チャレンジ精神、開拓精神に徹する 1.社会のニーズに迅速に対応する (2)パーパス『 ”技術の一粒”小さな粒から、未来につなぐ 』 (3)中長期的な会社の経営戦略当社グループは、3ヵ年ごとに中期経営計画(中計)を策定し、各年度の課題に取り組むことにより事業展開を図っております。 (4)目標とする経営指標当社グループは、パーパスを踏まえて2040年の「ありたい姿」を描き、そこからバックキャストで「2025-2027年度中期経営計画(以下、25中計)」を策定しております。25中計の最終事業年度にあたる2027年度は売上高102億円、経常利益8億円、ROE4.4%を目標としております。 ■中期経営計画「25中計」の進捗状況2025年4月よりスタートした25中計におきましては、22中計において定めた「ありたい姿」を発展させ、新たに策定したパーパス『“技術の一粒” 小さな粒から、未来につなぐ』のもと、25中計に基づく諸施策を着実に実行し、持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。25中計の初年度である2025年度は、売上高91億円と前年同期比ほぼ横ばい(前期比0.0%増)、経常利益は585百万円(前期比55.6%増)となりました。成長戦略の一つである注力製品拡大に向けて、新コート工場の建設を進めており、2025年12月には建屋建設に着手いたしました。さらに、成長戦略を一層加速させるため、新規事業および新規商品の拡大を戦略的に推進する体制として、2026年4月1日付で「事業企画部」を新設いたしました。今後とも中長期的な収益基盤の拡充を図ってまいります。 経営目標の進捗状況は以下のとおりであります。 25中計進捗状況2027年度 (最終年度) 2025年度決算2026年度予想売上高102億円91億円96億円経常利益8.0億円5.8億円5.3億円ROE4.4%3.2%2.6% (ご参考)中期経営計画「25中計」の概要 1. 基本戦略成長戦略と財務・資本戦略の実行により、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の「礎」を築く 2. 成長戦略「製品ポートフォリオマネジメント強化」「新規機能性材料製品の開発強化」 ・25中計は、利益率の回復、成長に向けた資本の再配分を通じ、製品ポートフォリオ組替えを進める ・「注力製品」「育成製品」への投資を拡充し、2027年度に売上高1,387百万円(2024年度比5.6倍)を目指す ・成長戦略の実行に向け、豊富な手元資金を活用し、過去中計で最大となる投資を計画 (新コート工場、研究開発棟新設など)「全社のコア人材育成の強化」「工場環境整備(グランドデザイン)実施」 ・人材育成強化に加え、柏工場の再エネ活用、インフラ整備、耐震性向上、工場環境の整備・強化等を織り込んだグランドデザインを実施 3. 財務・資本戦略「ROE(自己資本利益率)の改善」 ・2030年度に8.0%以上を目指す「株主還元の維持強化」 ・配当方針:業績などを総合的に勘案しながら、株主の皆様へ安定的かつ継続的に利益還元を行う。中間配当を実施する。 ・目 標:DOE(株主資本配当率)3.0%以上を目指す 4. 25中計非財務指標25中計の策定にあたっては、社会課題の抽出、ステークホルダーの関心度および事業への影響度の評価、ならびに経営層による妥当性確認のプロセスに基づき、外部専門家の意見も踏まえてマテリアリティを特定。新たなマテリアリティに基づき、次のKPIを設定 E・気候変動への対応CO₂排出量の削減2030年削減目標46%(2013年比)2050年実質カーボンニュートラル実現再生可能エネルギーの活用2030年導入比率10.8%環境配慮型製品の拡販2027年目標300%(2024年比) S・自立型人材の育成・安心安全な労働環境・地域社会への貢献 ダイバーシティ& インクルージョン女性新卒者比率 2030年目標30%女性管理職比率 2030年目標5%障がい者雇用率2.7%(2027年)人権の尊重人権研修実施回数 1回/年人権研修参加率 100%人材マネジメント人的資本総投資額4億円(3年間) 安心・安全な まちづくり地域防災活動への参加回数 1回/年以上教育機関との連携実施回数 1回/年以上 G・コーポレートガバナンスの強化・サステナビリティ経営の推進経営の健全性・透明性の向上指名・報酬委員会の社外取締役比率60%以上取締役会の多様性社外取締役比率4名以上(1/2以上)サステナビリティ経営の推進サステナビリティ委員会の実施回数4回
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)会社の経営の基本方針パウダーテックは、情報と市場を広く世界に求め、絶え間なく技術の前進を続ける企業であります。当社の経営理念は、以下のとおりであります。 1.技術を以て社会の繁栄に貢献する 1.誠実を以て貫く 1.チャレンジ精神、開拓精神に徹する 1.社会のニーズに迅速に対応する (2)パーパス『 ”技術の一粒”小さな粒から、未来につなぐ 』 (3)中長期的な会社の経営戦略当社グループは、3ヵ年ごとに中期経営計画(中計)を策定し、各年度の課題に取り組むことにより事業展開を図っております。 (4)目標とする経営指標当社グループは、パーパスを踏まえて2040年の「ありたい姿」を描き、そこからバックキャストで「2025-2027年度中期経営計画(以下、25中計)」を策定しております。25中計の最終事業年度にあたる2027年度は売上高102億円、経常利益8億円、ROE4.4%を目標としております。 ■中期経営計画「25中計」の進捗状況2025年4月よりスタートした25中計におきましては、22中計において定めた「ありたい姿」を発展させ、新たに策定したパーパス『“技術の一粒” 小さな粒から、未来につなぐ』のもと、25中計に基づく諸施策を着実に実行し、持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。25中計の初年度である2025年度は、売上高91億円と前年同期比ほぼ横ばい(前期比0.0%増)、経常利益は585百万円(前期比55.6%増)となりました。成長戦略の一つである注力製品拡大に向けて、新コート工場の建設を進めており、2025年12月には建屋建設に着手いたしました。さらに、成長戦略を一層加速させるため、新規事業および新規商品の拡大を戦略的に推進する体制として、2026年4月1日付で「事業企画部」を新設いたしました。今後とも中長期的な収益基盤の拡充を図ってまいります。 経営目標の進捗状況は以下のとおりであります。 25中計進捗状況2027年度 (最終年度) 2025年度決算2026年度予想売上高102億円91億円96億円経常利益8.0億円5.8億円5.3億円ROE4.4%3.2%2.6% (ご参考)中期経営計画「25中計」の概要 1. 基本戦略成長戦略と財務・資本戦略の実行により、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の「礎」を築く 2. 成長戦略「製品ポートフォリオマネジメント強化」「新規機能性材料製品の開発強化」 ・25中計は、利益率の回復、成長に向けた資本の再配分を通じ、製品ポートフォリオ組替えを進める ・「注力製品」「育成製品」への投資を拡充し、2027年度に売上高1,387百万円(2024年度比5.6倍)を目指す ・成長戦略の実行に向け、豊富な手元資金を活用し、過去中計で最大となる投資を計画 (新コート工場、研究開発棟新設など)「全社のコア人材育成の強化」「工場環境整備(グランドデザイン)実施」 ・人材育成強化に加え、柏工場の再エネ活用、インフラ整備、耐震性向上、工場環境の整備・強化等を織り込んだグランドデザインを実施 3. 財務・資本戦略「ROE(自己資本利益率)の改善」 ・2030年度に8.0%以上を目指す「株主還元の維持強化」 ・配当方針:業績などを総合的に勘案しながら、株主の皆様へ安定的かつ継続的に利益還元を行う。中間配当を実施する。 ・目 標:DOE(株主資本配当率)3.0%以上を目指す 4. 25中計非財務指標25中計の策定にあたっては、社会課題の抽出、ステークホルダーの関心度および事業への影響度の評価、ならびに経営層による妥当性確認のプロセスに基づき、外部専門家の意見も踏まえてマテリアリティを特定。新たなマテリアリティに基づき、次のKPIを設定 E・気候変動への対応CO₂排出量の削減2030年削減目標46%(2013年比)2050年実質カーボンニュートラル実現再生可能エネルギーの活用2030年導入比率10.8%環境配慮型製品の拡販2027年目標300%(2024年比) S・自立型人材の育成・安心安全な労働環境・地域社会への貢献 ダイバーシティ& インクルージョン女性新卒者比率 2030年目標30%女性管理職比率 2030年目標5%障がい者雇用率2.7%(2027年)人権の尊重人権研修実施回数 1回/年人権研修参加率 100%人材マネジメント人的資本総投資額4億円(3年間) 安心・安全な まちづくり地域防災活動への参加回数 1回/年以上教育機関との連携実施回数 1回/年以上 G・コーポレートガバナンスの強化・サステナビリティ経営の推進経営の健全性・透明性の向上指名・報酬委員会の社外取締役比率60%以上取締役会の多様性社外取締役比率4名以上(1/2以上)サステナビリティ経営の推進サステナビリティ委員会の実施回数4回
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績①営業の全般的状況当社の主力製品である電子写真用キャリアを含む機能性材料につきましては、販売数量ならびに売上高ともに前期比で横ばいとなりました。 一方、食品の品質保持に使用される脱酸素剤につきましては、市場は概ね堅調に推移しているとみられるものの、販売競争の激化を受け、売上高は前年同期比で減少いたしました。このような市場環境のもと、当連結会計年度の連結売上高は、9,140百万円(前期比0.0%増)となりました。損益面では、在庫水準の引き上げに伴う影響に加え、原材料価格の高騰に対応するための原価低減の一層の強化や販売価格の適正化により、連結営業利益は530百万円(前期比59.6%増)となりました。また、営業外損益を加味した連結経常利益は585百万円(前期比55.6%増)となりました。 特別損益では、2025年度を初年度とする中期経営計画(25中計)に基づく工場内整備に伴う老朽化設備の撤去等による固定資産処分損60百万円を特別損失として計上いたしました。この結果、連結税金等調整前当期純利益は525百万円(前期比41.3%増)となり、法人税、住民税及び事業税、ならびに法人税等調整額を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は405百万円(前期比27.5%増)となりました。 ②セグメントごとの状況 機能性材料事業 当セグメントにおきましては、新規機能性材料は、販売数量は減少したものの、高付加価値製品の増加により売上高が増加いたしました。また、電子写真用キャリアは、販売数量、売上高ともに横ばいとなりました。その結果、当セグメントの売上高は8,174百万円(前年同期比1.2%増)となりました。 セグメント利益につきましては、在庫水準の引き上げや原価低減の強化に加え、販売価格の適正化などにより、1,522百万円(前年同期比26.3%増)となりました。 品質保持剤事業 当セグメントにおきましては、販売競争の激化を受けて販売数量が減少したことから、売上高は965百万円(前年同期比8.5%減)となりました。 セグメント利益につきましては、原価低減や販売価格の適正化を一層強化した結果、48百万円(前年同期比266.2%増)となりました。 ③経営成績の分析当連結会計年度は、年度当初においてはロシアによるウクライナ侵攻の長期化や米国における関税政策の不透明感、中東情勢が緊迫化し、地政学リスクの高まりとともに、資源価格を始めとする物価の先行きに一層の不透明感が増していることを前提に業績予想を発表いたしました。経営成績としましては、機能性材料事業において、主力製品である電子写真用キャリアの販売は当初予想よりも販売数量は上回りましたが、製品構成の変化に伴い売上高が減少しました。品質保持剤事業においては、販売競争の激化を受けて販売数量が減少したことから、当初予想した売上高を下回りました。損益としましては、在庫水準の引き上げや原価低減の強化に加え、販売価格の適正化などにより、経常利益は予想を上回りました。その結果、通期の業績としましては、売上高は当初予想の9,300百万円に対し1.7%減の9,140百万円、経常利益は当初予想の380百万円に対し54.2%増の585百万円となりました。前連結会計年度との比較では、機能性材料製品の販売数量は減少しましたが、高付加価値製品の販売数量増や価格適正化もあり、全体の売上高は0.0%増の横ばいとなりました。損益面では、主に機能性材料事業の増益により、営業利益は59.6%増、経常利益は55.6%増、税金等調整前当期純利益は41.3%増、当期純利益は27.5%増となりました。 ④生産、受注及び販売の状況(a) 生産実績 セグメントの名称金額(千円)前期比(%)機能性材料事業8,042,041△1.2品質保持剤事業936,174△6.8合計8,978,215△1.8 (注) 1.金額は販売価格(消費税等抜き)によっております。 (b) 受注状況当社グループの主要製品については、見込み生産が主で受注生産はほとんど行っておりません。 (c) 販売実績 セグメントの名称金額(千円)前期比(%)機能性材料事業8,174,9071.2品質保持剤事業965,896△8.5合計9,140,8040.0 (注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。 相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)京セラドキュメントソリューションズ㈱1,818,56819.91,773,50619.4富士フイルムマニュファクチャリング㈱1,269,42213.91,434,25215.7㈱コニカミノルタサプライズ1,296,70714.21,249,36513.7上野キヤノンマテリアル㈱1,160,15312.71,240,96513.6エトリアマニュファクチャリングジャパン㈱――1,188,34113.0 (2) 財政状態当期末における資産の状況につきましては、前期末と比較して、流動資産は、製品取引において中小受託取引適正化法の施行に伴うサイト短縮により電子記録債権が減少し、預け金が増加いたしましたが、全体としては48百万円減少いたしました。 固定資産は、老朽化設備の撤去に伴う固定資産の除却により129百万円減少いたしました。これらの結果、総資産は177百万円減少いたしました。負債につきましては、主として支払手形及び買掛金の減少により155百万円減少いたしました。 純資産につきましては、前期分の配当に加え、当期より開始した中間配当の影響で利益剰余金が減少したことから、22百万円減少いたしました。 純資産以上に負債が減少した結果、自己資本比率は81.6%となり、前期末比で0.8ポイント上昇いたしました。 (3)キャッシュ・フロー 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)増減営業活動によるキャッシュ・フロー856百万円1,843百万円986百万円投資活動によるキャッシュ・フロー△504百万円△651百万円△147百万円財務活動によるキャッシュ・フロー△275百万円△468百万円△193百万円現金及び現金同等物の期末残高2,804百万円3,528百万円724百万円 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、中小受託取引適正化法の施行に伴い売上債権の回収が進んだことを主因として、前連結会計年度に比べ現金収入が986百万円増加し、1,843百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出の増加により、前連結会計年度に比べ現金支出が147百万円増加し、651百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度より中間配当を実施したことに伴い、配当金の支払額が増加したことを主因として、前連結会計年度に比べ現金支出が193百万円増加し、468百万円の支出となりました。以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ724百万円増加し3,528百万円となりました。 また、当社は流動性をさらに確保するため、複数の金融機関との間でコミットメントライン契約を締結し、全額未使用のまま10億円の融資枠を維持しております。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準により作成されております。この財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社は過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っております。当社の連結財務諸表において採用する重要な会計方針及び重要な会計上の見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。上記のような仮定を考慮して見積り及び予測を行っておりますが、現時点で全ての影響について合理的に見積り及び予測を行うことは困難であり、また、需要環境によっても変動する可能性があります。

事業リスク

  • 大規模災害・感染症
    地震、台風、集中豪雨などの自然災害や、感染症のパンデミック発生は、従業員の安全、生産設備の損壊、サプライチェーンの寸断を引き起こし、会社の経営成績に深刻な影響を与える可能性があります。BCP(事業継続計画)の策定や感染症対策の徹底でリスク低減を図っています。
  • 情報セキュリティ
    サイバー攻撃や内部関係者による情報漏洩、改ざん、消失は、多額の損害賠償や訴訟に発展し、会社の信用失墜や経営成績に重大な影響を及ぼす恐れがあります。ICT活用による機密情報管理や情報システム管理規則の遵守、秘密保持契約の締結によりリスクを管理しています。
  • 製品の品質問題
    グローバルで高いシェアを持つキャリアや食品関連の脱酸素剤において品質問題が発生した場合、顧客や社会への影響が大きく、企業の評判低下に繋がり、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。ISO9001に基づく品質管理と再発防止策の徹底でリスク低減に努めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,260 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。当社グループにかかる全てのリスクを網羅したものではありません。 分類区分リスクの内容・対応策等顕在化した場合に緊急性の高いリスク大規模自然災害、感染症の大規模流行 当社グループの事業拠点においては、地震、台風、集中豪雨等の自然災害の発生リスクが高まっております。これらの大規模自然災害が発生した場合、従業員の被災、生産設備の損壊、物流の停滞等に加え、原材料供給の途絶などサプライチェーン全体に影響が及ぶ可能性があり、生産停止および出荷遅延等を通じて当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。また、感染症のパンデミック(世界的大流行)や事業拠点におけるクラスターの発生により、従業員の就業制限や生産体制の縮小、サプライチェーンの混乱等が生じた場合にも、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 当社グループは、これらのリスクに対応するため、人命の保護を最優先としつつ、事業継続計画(BCP)を策定し、生産拠点の早期復旧、代替生産体制の確保、重要原材料に関する調達先の分散化等を進めております。また、BCPの実効性向上のため、定期的な訓練や見直しを実施しております。感染症に対しては、感染防止策の徹底に加え、柔軟な勤務体制の整備等により、事業継続への影響の低減に努めております。情報セキュリティ 当社グループでは、顧客・取引先等のステークホルダーに関する情報および当社の営業秘密・技術情報等、事業活動に伴う重要な情報資産を保有・管理しております。これらの情報に対して、サイバー攻撃、不正アクセス、内部不正等により漏えい、改ざん、消失が発生した場合、社会的信用の低下に加え、損害賠償請求や訴訟の提起等により、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 当社グループでは、ICTを活用した情報の統合管理に加え、アクセス制御やセキュリティ対策の強化を図るとともに、従業員に対する定期的な教育訓練の実施、取引先との秘密保持契約の締結等により、情報セキュリティリスクの低減に努めております。さらに、インシデント発生時の迅速な対応および事業継続を確保するための体制整備を進めております。しかし、国際情勢の変化や ICT 技術の進展に伴い、サイバー攻撃は高度化・巧妙化しており、想定を超える事象が発生する可能性があることから、これらの対策によってもすべてのリスクを回避できる保証はなく、重大なインシデントが発生した場合には、当社グループの事業運営に重要な影響を与える可能性があります。原材料等の安定調達 当社グループは、原材料および副資材を国内外から調達しており、経済環境の変動や各国間の政治・経済情勢の著しい変化、大規模自然災害の発生等により、これらの安定的な調達が困難となるリスクがあります。これらの事象により、原材料の供給不足や価格の高騰、輸送遅延等が発生した場合には、生産の停滞やコストの上昇を招き、当社グループの生産活動、収益性および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。また、特定の原材料や特定地域に依存している場合には、その影響がより大きくなる可能性があります。 これらのリスクに対応するため、当社グループは、各地域の規制や市場動向等の情報収集を行い、状況変化への迅速な対応に努めております。加えて、複数の調達先の確保、適正在庫の維持、サプライヤーの選定・監査の実施、自社生産への転換等により、サプライチェーンの安定化およびリスクの低減を図っております。プラント、設備の事故 当社グループの設備において故障や老朽化等で操業が停止した場合、販売機会の損失、サプライチェーンにおける損害賠償等が生じる恐れがあります。その結果、経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 予防保全の実施に加え、突発的な事故等に対して迅速に初動対応できるよう、緊急事態対応体制や初動対応計画(IMP)を構築しております。加えて、供給継続・生産再開計画(BCP)により事前事後の体制を確立しております。なお、主要な生産設備やインフラ設備につきましては、予備部品の確保や定期的なメンテナンスの実施とともに、操作ミス等の防止に向けた品質・環境・安全衛生各マネジメントシステムに基づいた担当者教育を実施し、リスクの低減を図っております。 分類区分リスクの内容・対応策等全社横断リスク製品の品質 当社グループの製品は、グローバルで高いシェアを持つキャリアや、食品に関連する脱酸素剤等があり、品質問題が発生した場合、顧客、社会への影響が大きくレピュテーションの低下も含め当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 当社グループは1995年に品質ISO9001を導入し、品質の管理と向上に努めております。品質問題が発生した場合は、ISOのルールに則り原因の追求と再発防止策を講じております。 環境事故 当社グループの設備の故障や老朽化、または操作ミス等により環境事故が発生した場合、多額の損害賠償や訴訟の恐れがあります。その結果、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 重要な設備につきましては、予防的な保全計画を立てて、故障する前に主要部品等の交換をしております。他の設備については定期的なメンテナンスを行うとともに、突発的な修理にも対応できるよう予備部品を確保しております。操作ミス等の防止については、品質・環境・安全衛生各マネジメントシステムに基づいた担当者の教育を実施しております。毎年継続して発生源対策等の環境対策投資を行い、リスクの低減を図っております。労働力の確保 日本国内における労働人口の減少に伴い、労働力の確保が難しくなる傾向にあります。労働力が不足した場合、製品開発力が低下し、また、交替勤務による安定生産ができなくなり、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 当社グループでは、多様な人材が働きやすい職場環境の整備や定年延長等を通じて魅力を高め、優秀な人材の確保に努めております。さらに、生産設備の自動化にも以前から注力しており、労働力不足に係るリスクの低減に努めております。化学物質規制 当社グループは多種多様な化学物質を扱っておりますが、世界各国地域で規制が強化されており、使用が禁止または制限されることにより製品供給に支障が出る恐れがあります。その結果、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 国内外における化学物質に関する法規制の制定・改定については、専門部門が定期的に確認を行っております。また、当社グループに関係する化学物質について法律・規制等の制定・改定が予定されている場合には、迅速に対応できる体制を整備しております。セグメントにおけるリスク機能性材料事業セグメント キャリア事業は、テレワークの普及やペーパーレス化の進展により印刷機会が減少し、需要が徐々に減少する可能性があります。また、事務機器メーカーの業界再編の動きが起こっております。新規機能性材料事業は、半導体産業に関連した受動部品に使用される機能素材が主製品のため、半導体産業の景況により需要が大きく変動します。また、半導体産業の技術革新、業界再編や地政学的要因により、価格競争の影響を大きく受ける可能性があります。 キャリア事業は、カラー化の進展、デジタル商業用印刷分野の拡大に向けて、次世代キャリアの開発を進めるとともに、生産においては、工程改善・省エネ活動・歩留改善活動等によるコストダウン施策を進めております。新規機能性材料事業は、半導体産業の需要動向の把握によるリスク管理を適切に行うとともに、当社の基盤技術の深化と拡大に取り組み、より競争力の高い商品による事業展開に努めております。品質保持剤事業セグメント 脱酸素剤関連製品は、季節要因やインバウンド動向など需要に波があり、販売量の大きな変動が当社グループの業績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。 在庫の著しい増減の回避に向け、タイムリーな需要動向把握と最適生産に努めております。また需要が安定しており、その変動が比較的少ない高付加価値製品の比率を高め、安定生産と収益性の維持に努めております。 分類区分リスクの内容・対応策等経営成績等に影響を与えうるESGリスク環境 当社グループは、温室効果ガス排出、エネルギー使用、水資源の利用、廃棄物および有害物質の管理等に関する環境課題を重要な経営リスクとして認識しております。今後、環境規制の強化や排出権価格上昇等により、温室効果ガス排出に係るコストの増加や設備投資負担の拡大が生じる可能性があります。また、有害物質の漏えいや排出基準の逸脱等により環境汚染が発生した場合には、事業停止、対策費用の発生、信用の低下等を招く可能性があります。さらに、事業活動が生産拠点周辺の生物多様性に影響を与えるリスクも認識しており、これらの環境リスクは当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 当社グループはこれらのリスクに対応するため、生産設備のエネルギー効率の改善、省エネルギー型設備への転換、再生可能エネルギーの導入等を進め、生産量当たりの温室効果ガス排出量の削減に取り組んでおります。また、排水については法令に基づく管理基準を設定し、自動モニタリング等により適切な管理を行っております。加えて、環境マネジメントシステム(ISO14001)に基づき、環境関連法規の遵守、廃棄物の適正管理および削減、有害化学物質(PRTR対象物質を含む)の管理を徹底しております。さらに、カーボンニュートラル社会の実現に資する製品の開発および普及を通じて、環境負荷の低減と事業機会の創出にも取り組んでおります。社会 当社グループは、ESG項目のうち、社会リスクとして「人権」と「安全衛生」を特定しております。①人権 当社グループの事業活動およびサプライチェーンにおいて、強制労働、児童労働、不適切な労働環境等の人権侵害が発生するリスクを認識しております。これらの人権侵害が顕在化した場合、取引停止や調達先の変更による供給の不安定化、事業活動への影響に加え、社会的信用の低下等を通じて、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 当社グループは、行動指針、CSR方針および就業規則に基づき、人権の尊重および保護に努めております。また、サプライチェーンにおける人権リスクを把握するため、サプライヤーの選定・評価や調査を実施するとともに、特定された課題についてはサプライヤーと連携して改善を図るなど、人権デューデリジェンスの取り組みを推進しております。②安全衛生 製造拠点において、従業員の安全や衛生に係る労働災害が発生するリスクがあります。労働災害による行政処分などのリスクが、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 労働安全衛生を徹底するために労働安全衛生IS045001を取得し、このマネジメントシステムに基づき継続的改善を図っております。また、従業員に対しては、安全衛生の関連法規やルールの遵守・危険感受性を高めるための訓練、非常時に備えた訓練、個別作業ごとの保護具の使用等についてトレーニングを実施し、安全衛生に係るリスクの低減を図っております。企業統治 当社グループにおいては、事業環境の変化や急速な外部環境の変化等に適切に対応することが困難な場合、内部統制や意思決定プロセスの不備によりガバナンスの実効性が低下し、法令違反や不適切な業務執行等のコンプライアンスリスクが顕在化する可能性があります。これらの事象が発生した場合、行政処分や損害賠償の発生に加え、社会的信用の低下を通じて、当社グループの事業運営や経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 当社グループは、持続的な企業価値の向上に向け、コーポレート・ガバナンスの強化を重要な経営課題と認識し、その実効性向上に継続的に取り組んでおります。具体的には、コーポレートガバナンス・コードへの対応を踏まえ、取締役会における実効性評価の実施、社外取締役の活用、議論の活性化等を通じて、監督機能の強化を図っております。また、内部統制およびコンプライアンス体制の整備・運用の強化により、リスクの未然防止および早期発見に努めております。

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