事業の概要
- 多角的な製造販売事業高周波熱錬グループは、土木・建築用のPC鋼棒や自動車・二輪車用の高強度ばね鋼線(ITW)の製造販売を主要な事業としています。これらの製品は、社会インフラやモビリティの基盤を支える重要な素材であり、安定した需要が見込まれます。また、自動車部品や建設機械部品の製造販売も手掛けており、幅広い産業分野に貢献しています。
- 熱処理受託加工と装置提供自動車や工作機械、建設機械などの重要保安部品に対する熱処理受託加工も主要な事業の一つです。これは、金属材料の強度や耐久性を向上させるための専門技術であり、高い品質が求められます。さらに、各産業分野向けの誘導加熱装置の製造販売も行っており、自社の技術を他社にも提供することで収益を上げています。
- グローバルな事業展開と不動産賃貸日本国内だけでなく、中国、米国、チェコ、インドネシア、メキシコ、韓国など世界各地に子会社や関連会社を展開し、製品の製造販売や熱処理受託加工をグローバルに行っています。これにより、特定の地域に依存しない安定した事業基盤を構築しています。また、オフィスビル等の賃貸事業も行っており、収益源の多様化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 特殊鋼材・線材製品事業この事業部門は、主に土木・建築用のPC鋼棒や異形PC鋼棒、自動車・二輪車用サスペンションばねなどに使われる高強度ばね鋼線(ITW)、自動車部品、建設機械部品の製造販売を行っています。売上高は365.68億円で、営業利益は1.8億円です。国内外に生産拠点を持ち、特に中国、米国、チェコ、韓国の関連会社でも製造販売を行い、グローバルな需要に対応しています。
- 誘導熱処理サービス・加熱装置事業この部門は、自動車や工作機械、建設機械などの重要保安部品の熱処理受託加工と、各産業分野に向けた誘導加熱装置の製造販売を主な内容としています。売上高は208.51億円で、営業利益は13.77億円と、利益率が高いことが特徴です。日本国内だけでなく、中国、インドネシア、メキシコ、韓国などでも熱処理受託加工や装置の製造販売、メンテナンスサービスを展開しています。
- その他事業(賃貸事業など)上記二つの主要事業以外に、オフィスビル等の賃貸事業を行っています。具体的には、「オーバルコート大崎マークウエスト」に所有するフロア等の賃貸を通じて収益を得ています。この事業は、主要な製造業とは異なる安定した収益源を提供し、事業ポートフォリオの多様化に貢献しています。規模感は小さいものの、グループ全体の収益安定化に寄与しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| SpecialtySteelAndWireProductsDivision | 事業 | 366 | 2 | 0.5% |
| InductionHeatTreatmentServiceAndHeatingMachineDivision | 事業 | 209 | 14 | 6.6% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(高周波熱錬株式会社)、子会社20社及び関連会社5社により構成されており、土木・建築に使用されるPC鋼棒・異形PC鋼棒、主に自動車・二輪車用サスペンションばね等に使用される高強度ばね鋼線(ITW)の製造販売、自動車部品・建設機械部品等の製造販売、各産業分野に向けた誘導加熱装置等の製造販売を行うほか、自動車・工作機械・建設機械等の重要保安部品の熱処理受託加工を主な事業内容としております。また、オフィスビル等の賃貸事業及び各事業に関連する研究開発を展開しております。当社グループの事業に係る位置付けは次のとおりであります。なお、次の3部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。(製品事業部関連事業)土木・建築製品関連… 当社が製造販売するほか、関連会社の高麗熱錬株式会社(韓国)でも製造販売しております。自動車部品関連……… 当社が製造販売するほか、子会社の上海中煉線材有限公司(中国)、ネツレン アメリカ コーポレーション(米国)、ネツレン・チェコ s.r.o.(チェコ共和国)でも製造販売を行っております。また、関連会社のUS Chita CO., LTD.(米国)でも製造販売を行っております。建設機械部品関連…… 当社が建設機械用旋回輪の製造販売を行うほか、子会社の高周波熱錬(中国)軸承有限公司でも製造販売を行っております。 (IH事業部関連事業)熱処理受託加工関連… 当社が受託加工を行うほか、子会社の株式会社ネツレン・ヒートトリート、九州高周波熱錬株式会社、株式会社ネツレン・ヒラカタ、株式会社ネツレン小松、広州豊東熱煉有限公司(中国)、塩城高周波熱煉有限公司(中国)、PT.ネツレン・インドネシア(インドネシア共和国)及びネツレン・メキシコ,S.A. de C.V.(メキシコ合衆国)でも受託加工を行っております。 また、関連会社の天津豊東熱処理有限公司(中国)でも受託加工を行っており、NTK精密アクスル株式会社(米国)では、自動車部品等の製造販売を行っております。誘導加熱装置関連…… 当社が製造販売を行うほか、子会社の塩城高周波熱煉有限公司及び韓国熱錬株式会社(韓国)でも製造販売を行っております。 また、子会社の株式会社ネツレンハイメック、株式会社ネツレンタクト及び株式会社旭電波工業所では、主として産業用機械または産業用機械部品を製造販売しております。 なお、PT.ネツレン・インドネシア、ネツレン・メキシコ,S.A. de C.V.では、装置のメンテナンスサービスを行っております。 (その他)賃貸事業……………… 当社が「オーバルコート大崎マークウエスト」に所有するフロア等の賃貸事業であります。その他………………… 上記以外の事業であります。 事業の系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 コストアップ分の販売価格への転嫁に努めているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 高周波熱処理技術、複合熱処理技術、無酸化焼入れ、ロボットを活用した焼入れなどの技術開発。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
会社が挙げる主要リスク:事業環境の変化による受注減少 / 製品品質に関するリスク / 電気料金に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
財務サマリに時系列データが未収録であり、ブランド力や特許、規制ライセンスに関する公開情報が限定的。無形資産による競争優位性は現時点では確認できない。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
高周波熱錬は、自動車部品や産業機械部品など、高い精度と信頼性が求められる分野向けに熱処理サービスを提供している。顧客は品質要求が高く、一度取引を開始した顧客が他社へ乗り換えるには、品質検証やサプライヤー評価にコストと時間がかかる可能性がある。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
事業内容から、ネットワーク効果が働くようなプラットフォームビジネスやマーケットプレイスではないため、ネットワーク効果による競争優位性は見られない。
コスト優位★★☆☆☆
長年の経験とノウハウの蓄積により、効率的な熱処理プロセスを確立している可能性がある。ただし、競合他社とのコスト比較に関する具体的な情報は乏しく、構造的なコスト優位性は限定的と推測される。
規模の経済★★☆☆☆
金属製品の熱処理業界において、一定のシェアを占めていると考えられるが、業界全体が成熟しており、規模の経済による圧倒的な優位性を確立しているとは言えない。特定のニッチ市場での寡占状態の可能性はある。
- 高強度鋼材の専門技術高周波熱錬は、土木・建築用PC鋼棒や自動車・二輪車用高強度ばね鋼線(ITW)といった特殊鋼材の製造販売において、長年の経験と独自の技術を培っています。これらの製品は高い強度と耐久性が求められるため、製造には高度な技術力が必要とされ、同社の技術力が競争優位性となっています。特に自動車部品の重要保安部品への採用は、技術力の証と言えます。
- 誘導加熱技術と熱処理ノウハウ同社は、誘導加熱装置の製造販売と、自動車・建設機械部品などの熱処理受託加工を事業の柱としています。誘導加熱は効率的で精密な熱処理を可能にする技術であり、この分野における深いノウハウと実績は、他社が容易に模倣できない強みです。ISO9001等の品質マネジメントシステムを基盤とした品質保証体制も、この技術的優位性を支えています。
- グローバルな生産・供給体制日本、中国、米国、チェコ、インドネシア、メキシコ、韓国など世界各地に生産拠点と販売網を構築しています。これにより、各地域の顧客ニーズに迅速に対応できるだけでなく、特定の地域のリスクを分散し、安定した供給体制を維持できる点が強みです。特に自動車産業のグローバルサプライチェーンにおいて、この体制は重要な競争力となります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、グループの目指すべき方向を共有し、社会的な責任を全うすることを目的に以下のグループ経営理念を掲げております。① 熱処理技術を中核として、常に新商品・新事業の開発を進め社会の発展に貢献します。② 世界をリードする技術力、高品質、高いお客様満足度、そして透明で公正な企業文化を背景に社会から信頼されるパートナーを目指します。③ たゆまぬ自己変革に努め、常に成長することを目指します。④ 安全及び健康を基本とし、人を育て、活力ある企業グループを目指します。⑤ 地球環境との共生を基本とし、企業の社会的責任を果たします。 (2) 目標とする経営指標企業価値の向上を目指し、収益性及び資本効率の向上に注力しております。具体的には、売上高、営業利益、営業利益率、ROA(総資産経常利益率)、ROE(自己資本当期純利益率)及びROIC(投下資本利益率)を中長期的な経営指標としております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、IH熱処理技術を中核とし、たゆまぬ自己変革に努め、常に成長する活力ある企業グループを目指してまいりました。無公害(Ecological)・省資源(Economical)のダブル・エコ(W-Eco)のIH技術を強みに、長期的な視野のもと環境貢献を重視し、当社グループの10年後のあるべき姿と目指す姿を長期経営ビジョン NETUREN VISION 2030(2021年4月~2031年3月)としてまとめました。① あるべき姿企業価値を高め続けるとともに持続可能な社会づくりに貢献する。② 目指す姿・CO2排出削減に有効なIH熱処理技術を核とする技術・製品を通じ、企業価値を高めて環境負荷を低減する。・N-DX(※)の展開を進め、グループ全員の力を結集して進化を続け、グローバルに躍進する。この長期経営ビジョンのスローガンを「進化と躍進」と定め、ネツレングループが一丸となり、あるべき姿、目指す姿を追求し実現すること、また、総合的に企業価値が向上し、成長していく企業グループになる狙いを込めております。(※)N-DX…NETUREN Digital Transformation また、上記の長期経営ビジョン NETUREN VISION 2030「進化と躍進」における第2フェーズとして、第16次中期経営計画「Aggressive Challenge One NETUREN 2026」(2024年4月より2027年3月までの3ヵ年計画)を策定し、その2年目が終了いたしました。この2年間において、M&Aや資本参加も含め、事業基盤強化に向け一定の成果を上げてまいりましたが、計画していた新商品の市場投入に遅れが生じるなど、当初想定との乖離も一部に発生しております。こうした状況に加え、当社グループを取り巻く事業環境は、中期経営計画策定時の想定以上に厳しさを増しております。国内においては、物価上昇や人手不足の深刻化が想定を上回る水準で継続しております。また、海外においては、米国の関税政策や中国経済の減速長期化及びウクライナ紛争に端を発した原油価格・エネルギーコストの高止まりが継続しております。さらに、中東での紛争等による地政学リスクの高まりなど、新たな不確実性も高まっており、先行き不透明な状況が続いております。このような経営環境のもと、当社グループでは、新規ならびにコア事業の拡大、材料費・電力費・人件費等のコスト上昇分に対する販売価格への適正転嫁や原価低減活動を推進してまいりました。しかしながら、今後も先が見通せない厳しい事業環境の継続が見込まれることから、第16次中期経営計画最終年度(2026年度)の数値目標を見直すことといたしました。 第16次中期経営計画の概要・基本的な考え方経営資本を積極的・効率的・有効的に活用し、人財育成を進めながら、新たな成長ドライバーを創生すると共に、現在の成長エンジンをより強く育てることで事業拡大を推進する。ネツレンブランドの更なる拡大と共に、サステナビリティ経営を推進し、地球環境に配慮した技術・製品を広め、企業価値を高め、社会ニーズに応えていく。・期間 :2024年4月~2027年3月(3年間)・スローガン :Aggressive Challenge One NETUREN 2026・趣旨 :成長・進化・躍進へ グループの総智を繋げ 積極果敢に挑戦しよう・連結経営目標:見直し後と当初計画との対比2027年3月期見直し後当初計画売上高640億円700億円営業利益21億円46億円営業利益率3.3%6.5%ROE (自己資本当期純利益率)2.5%以上6.5%以上ROA (総資産経常利益率)3.1%以上5.5%以上ROIC(投下資本利益率)3.1%以上5.5%以上 (4) 経営環境及び優先的に対処すべき課題「(3) 中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおり、第16次中期経営計画最終年度(2026年度)の数値目標を見直しました。売上高につきましては、国内需要の伸び悩み、中国市場を中心とした海外需要の回復遅れ、ならびに一部事業における販売数量の減少等を踏まえ、700億円から640億円に見直しております。また、営業利益につきましては、売上高減少の影響に加え、原材料価格・エネルギーコスト・人件費の上昇、海外事業環境の悪化等による収益性低下も踏まえ、46億円から21億円に見直しております。連結経営目標を見直しましたが、中期経営計画策定時に掲げた基本戦略を着実に実行するとともに、今まで以上のスピード感を持って、持続可能な社会づくりへの貢献と企業価値の向上を目指してまいります。 基本戦略①技術開発:成長ドライバーの創生強化してきたマーケティング力に基づき、逆T字モデルを活用し、グループ間の力を柔軟に繋げて、新たな事業・新たな製品・新たな技術を創生する。②事業:成長エンジンの育成これまでの現場力に新しい技術を繋げて生産技術力を強化し、競争力を向上させるとともに、お客様により満足いただける製品・サービス・技術を提供する。③グローバル:グローバルマーケットの拡大CO2削減・地球環境負荷低減に貢献する製品・サービス・技術を中心に、情報ネットワークを繋げて、未開拓地域も含めたグローバル市場の拡大を進める。④人財:自発的貢献意欲のある人財の育成多様性を認め合い、常に前向きな思考で自発的貢献意欲のある人財の育成をさらに進め、各々の活躍をネツレングループ全体に繋げて、企業成長を加速する。 資本コストを意識した経営の推進と強化経営資本を意思を持った戦略に基づき、成長投資や株主還元に活用、また、ROICや財務レバレッジなどを用いた経営管理により、資本効率の向上を進める。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、グループの目指すべき方向を共有し、社会的な責任を全うすることを目的に以下のグループ経営理念を掲げております。① 熱処理技術を中核として、常に新商品・新事業の開発を進め社会の発展に貢献します。② 世界をリードする技術力、高品質、高いお客様満足度、そして透明で公正な企業文化を背景に社会から信頼されるパートナーを目指します。③ たゆまぬ自己変革に努め、常に成長することを目指します。④ 安全及び健康を基本とし、人を育て、活力ある企業グループを目指します。⑤ 地球環境との共生を基本とし、企業の社会的責任を果たします。 (2) 目標とする経営指標企業価値の向上を目指し、収益性及び資本効率の向上に注力しております。具体的には、売上高、営業利益、営業利益率、ROA(総資産経常利益率)、ROE(自己資本当期純利益率)及びROIC(投下資本利益率)を中長期的な経営指標としております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、IH熱処理技術を中核とし、たゆまぬ自己変革に努め、常に成長する活力ある企業グループを目指してまいりました。無公害(Ecological)・省資源(Economical)のダブル・エコ(W-Eco)のIH技術を強みに、長期的な視野のもと環境貢献を重視し、当社グループの10年後のあるべき姿と目指す姿を長期経営ビジョン NETUREN VISION 2030(2021年4月~2031年3月)としてまとめました。① あるべき姿企業価値を高め続けるとともに持続可能な社会づくりに貢献する。② 目指す姿・CO2排出削減に有効なIH熱処理技術を核とする技術・製品を通じ、企業価値を高めて環境負荷を低減する。・N-DX(※)の展開を進め、グループ全員の力を結集して進化を続け、グローバルに躍進する。この長期経営ビジョンのスローガンを「進化と躍進」と定め、ネツレングループが一丸となり、あるべき姿、目指す姿を追求し実現すること、また、総合的に企業価値が向上し、成長していく企業グループになる狙いを込めております。(※)N-DX…NETUREN Digital Transformation また、上記の長期経営ビジョン NETUREN VISION 2030「進化と躍進」における第2フェーズとして、第16次中期経営計画「Aggressive Challenge One NETUREN 2026」(2024年4月より2027年3月までの3ヵ年計画)を策定し、その2年目が終了いたしました。この2年間において、M&Aや資本参加も含め、事業基盤強化に向け一定の成果を上げてまいりましたが、計画していた新商品の市場投入に遅れが生じるなど、当初想定との乖離も一部に発生しております。こうした状況に加え、当社グループを取り巻く事業環境は、中期経営計画策定時の想定以上に厳しさを増しております。国内においては、物価上昇や人手不足の深刻化が想定を上回る水準で継続しております。また、海外においては、米国の関税政策や中国経済の減速長期化及びウクライナ紛争に端を発した原油価格・エネルギーコストの高止まりが継続しております。さらに、中東での紛争等による地政学リスクの高まりなど、新たな不確実性も高まっており、先行き不透明な状況が続いております。このような経営環境のもと、当社グループでは、新規ならびにコア事業の拡大、材料費・電力費・人件費等のコスト上昇分に対する販売価格への適正転嫁や原価低減活動を推進してまいりました。しかしながら、今後も先が見通せない厳しい事業環境の継続が見込まれることから、第16次中期経営計画最終年度(2026年度)の数値目標を見直すことといたしました。 第16次中期経営計画の概要・基本的な考え方経営資本を積極的・効率的・有効的に活用し、人財育成を進めながら、新たな成長ドライバーを創生すると共に、現在の成長エンジンをより強く育てることで事業拡大を推進する。ネツレンブランドの更なる拡大と共に、サステナビリティ経営を推進し、地球環境に配慮した技術・製品を広め、企業価値を高め、社会ニーズに応えていく。・期間 :2024年4月~2027年3月(3年間)・スローガン :Aggressive Challenge One NETUREN 2026・趣旨 :成長・進化・躍進へ グループの総智を繋げ 積極果敢に挑戦しよう・連結経営目標:見直し後と当初計画との対比2027年3月期見直し後当初計画売上高640億円700億円営業利益21億円46億円営業利益率3.3%6.5%ROE (自己資本当期純利益率)2.5%以上6.5%以上ROA (総資産経常利益率)3.1%以上5.5%以上ROIC(投下資本利益率)3.1%以上5.5%以上 (4) 経営環境及び優先的に対処すべき課題「(3) 中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおり、第16次中期経営計画最終年度(2026年度)の数値目標を見直しました。売上高につきましては、国内需要の伸び悩み、中国市場を中心とした海外需要の回復遅れ、ならびに一部事業における販売数量の減少等を踏まえ、700億円から640億円に見直しております。また、営業利益につきましては、売上高減少の影響に加え、原材料価格・エネルギーコスト・人件費の上昇、海外事業環境の悪化等による収益性低下も踏まえ、46億円から21億円に見直しております。連結経営目標を見直しましたが、中期経営計画策定時に掲げた基本戦略を着実に実行するとともに、今まで以上のスピード感を持って、持続可能な社会づくりへの貢献と企業価値の向上を目指してまいります。 基本戦略①技術開発:成長ドライバーの創生強化してきたマーケティング力に基づき、逆T字モデルを活用し、グループ間の力を柔軟に繋げて、新たな事業・新たな製品・新たな技術を創生する。②事業:成長エンジンの育成これまでの現場力に新しい技術を繋げて生産技術力を強化し、競争力を向上させるとともに、お客様により満足いただける製品・サービス・技術を提供する。③グローバル:グローバルマーケットの拡大CO2削減・地球環境負荷低減に貢献する製品・サービス・技術を中心に、情報ネットワークを繋げて、未開拓地域も含めたグローバル市場の拡大を進める。④人財:自発的貢献意欲のある人財の育成多様性を認め合い、常に前向きな思考で自発的貢献意欲のある人財の育成をさらに進め、各々の活躍をネツレングループ全体に繋げて、企業成長を加速する。 資本コストを意識した経営の推進と強化経営資本を意思を持った戦略に基づき、成長投資や株主還元に活用、また、ROICや財務レバレッジなどを用いた経営管理により、資本効率の向上を進める。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善などにより、緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、継続する物価上昇、米国における関税政策や不安定な国際情勢に伴う地政学リスクの高まりなど、先行き不透明な状況が続いております。このような状況のもと、当社グループは、第16次中期経営計画「Aggressive Challenge One NETUREN 2026」(2024年4月より2027年3月までの3ヵ年計画)に掲げた4つの基本戦略である「成長ドライバーの創生」、「成長エンジンの育成」、「グローバルマーケットの拡大」、「自発的貢献意欲のある人財の育成」を推進するとともに、人件費の上昇を含むコストアップに対する販売価格への転嫁などの営業活動や徹底した原価低減活動を継続しております。この中期経営計画に掲げた基本戦略に基づき、株式会社ドーケン(連結子会社)、MDI株式会社(連結子会社)及び株式会社 ANDO Imagineering Group(持分法非適用関連会社)を当社グループに迎えました。株式会社ドーケンが製造販売するプレキャスト・コンクリート製品は、あらかじめ工場でコンクリート部材を製作、施工現場へ運び、組み上げるプレキャスト工法で使用されます。この工法は、施工現場での工期短縮や品質管理などの観点から、建築業界が抱える人手不足などの課題を解決する方法として、今後の需要が伸びると判断しております。MDI株式会社は、熱マネジメント企業として工場などのCO2削減・省エネ、暑熱対策、環境改善などを目的とする排熱回収コンサルティング、省エネシステムの設計・製造・販売及びメンテナンスサービスを行っております。昨今、企業への対応が強く求められている熱中症対策はもとより、地球温暖化防止などの環境面に役立つノウハウであり、今後も需要が見込まれると判断しております。また、株式会社 ANDO Imagineering Groupにつきましては、建築におけるプレストレスト・コンクリート造をはじめとするさまざまな構造設計技術をコアに据え、建築設計を自社で手掛ける組織設計事務所であります。この設計技術やノウハウを当社グループが有する高強度PC鋼材製造加工技術や高強度プレキャスト・コンクリート製品製造技術と組み合わせることによる相乗効果の創出を見込んでおります。いずれの会社も、それぞれに独自の分野に強みがあり、当社グループの事業領域の拡大、収益面に寄与するものと考えております以上の結果、当連結会計年度の売上高は、取引業界の市況低迷の影響を受けたものの、コスト上昇分を販売価格へ転嫁したことや株式会社ドーケンが連結グループに加わったことなどにより、58,277百万円(前年同期比1.2%増)、営業利益は1,892百万円(前年同期比17.0%増)、経常利益は2,663百万円(前年同期比14.8%増)となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失に固定資産の減損損失を257百万円計上したことや前連結会計年度の特別利益に投資有価証券売却益を1,217百万円計上したこともあり、1,329百万円(前年同期比26.8%減)となりました。引き続き、収益向上のための受注拡大はもとより、高止まりするコストの販売価格への転嫁を含む積極的な営業活動とともに、徹底した原価低減活動を継続し、企業価値の向上に努めてまいります。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。(製品事業部関連事業) 土木・建築関連製品の売上高は、建設業界の低迷や人手不足、建設資材高騰による工事遅延、着工遅れの影響が継続しており、前年同期と比較し減少いたしました。自動車関連製品の高強度ばね鋼線の売上高は、国内では一部顧客向けに継続していた生産応援が減少したことや当社製品を採用する一部自動車メーカーの販売台数が伸びず減少しましたが、海外での販売が堅調に推移したため、前年同期と比較し増加いたしました。建設機械関連製品の売上高は、顧客からの受注が増加したことや販売価格の改定効果などにより、国内、中国ともに前年同期と比較し増加いたしました。以上の結果、売上高は36,335百万円(前年同期比0.6%減)、利益面では、堅調に推移した海外での高強度ばね鋼線及び建設機械関連製品の増収効果や土木・建築関連製品で販売価格の改定が進んだことなどにより、営業利益は464百万円(前年同期比157.8%増)となりました。 (IH事業部関連事業) 熱処理受託加工関連の売上高は、自動車業界では米国関税長期化の影響により、下期にかけて顧客からの受注が減少いたしました。一方、下期後半から工作機械向けの受注が徐々に回復してきたものの、全体の落ち込みをカバーするには至らず、前年同期と比較し減少いたしました。誘導加熱装置関連の売上高は、国内では顧客側の設備投資計画先送りなどによる影響、海外では中国で製造する装置が景気低迷と顧客のスケジュール変更による影響で国内外ともに販売量が落ち込み、前年同期と比較し減少いたしました。以上の結果、売上高は19,526百万円(前年同期比6.4%減)、営業利益は1,301百万円(前年同期比5.5%減)となりました。 (その他)当該セグメントは、報告セグメントに含まれない不動産賃貸事業及び新たに当社グループに加わった株式会社ドーケン及びMDI株式会社の事業を含むその他の事業であります。不動産賃貸事業における当社保有の賃貸物件は、小規模ではありますが安定的に業績に寄与しております。また、新規連結対象となった株式会社ドーケンの損益を取り込むとともに、同社の株式取得関連費用133百万円を計上しております。なお、MDI株式会社の損益については、次年度からの連結対象となりますが、当連結会計年度において、同社の株式取得関連費用56百万円を計上しております。以上の結果、売上高は2,416百万円(前年同期比1,586.0%増)、営業利益は122百万円(前年同期比115.8%増)となりました。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)製品事業部関連事業31,77598.0IH事業部関連事業14,923103.2その他1,371-合計48,070102.5 (注) 1 金額は、製造費によっており、セグメント間の取引については消去しております。2 その他は、当連結会計年度から連結の範囲に含めた株式会社ドーケンの生産実績であります。 ② 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)製品事業部関連事業37,058102.73,883122.9IH事業部関連事業(誘導加熱装置関連)6,54594.54,76595.1その他1,857-842- (注) 1 IH事業部関連事業のうち、熱処理受託加工関連は継続的な取引が多く、加工賃収入のため受注高及び受注残高の把握が困難のため、誘導加熱装置関連の受注状況を記載しております。2 受注金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については消去しております。3 その他は、当連結会計年度から連結の範囲に含めた株式会社ドーケンの受注実績であります。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)製品事業部関連事業36,33599.4IH事業部関連事業19,52693.6その他2,4161,686.0合計58,277101.2 (注) 上記の金額は、セグメント間の内部売上高を消去しております。 (2)財政状態当連結会計年度末における総資産は88,146百万円(前年同期比5.2%増)となりました。この主な要因は、株式会社ドーケン及びMDI株式会社の株式取得に係る支出、自己株式の取得や配当金の支払いにより現金及び預金が減少しましたが、新規連結子会社が2社増加したことによるのれんを含む資産を計上したことなどによります。 セグメントごとの資産は、製品事業部関連事業においては増加いたしました。この主な要因は、売上債権が増加したことなどによります。また、IH事業部関連事業においても増加いたしました。この主な要因は、有形固定資産が増加したことなどによります。なお、セグメントごとの資産は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載しております。当連結会計年度末における負債は22,768百万円(前年同期比30.6%増)となりました。この主な要因は、借入金が増加したことなどによります。当連結会計年度末における純資産は65,378百万円(前年同期比1.4%減)となりました。この主な要因は、その他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定などが増加したものの、配当金の支払いや自己株式を取得したことなどによります。以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率は66.0%となりました。 (3)キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は14,204百万円(前連結会計年度末と比べて3,375百万円の減少)となっておりますが、その内訳は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は1,773百万円(前年同期は4,107百万円の収入)であります。これは、税金等調整前当期純利益を2,344百万円計上したものの、売上債権が1,108百万円増加したことなどによります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は5,235百万円(前年同期は3,404百万円の支出)であります。これは、有形固定資産の取得による支出が3,990百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が2,128百万円あったことなどによります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果支出した資金は121百万円(前年同期は1,713百万円の収入)であります。これは、借入れによる収入が9,602百万円あったものの、借入金の返済が5,244百万円、自己株式の取得による支出が2,000百万円、配当金の支払額が2,005百万円あったことなどによります。 キャッシュ・フロー関連指標項目前連結会計年度当連結会計年度自己資本比率71.166.0時価ベースの自己資本比率39.646.5キャッシュ・フロー対有利子負債比率1.76.6インタレスト・カバレッジ・レシオ58.715.3 (注) 1 各指標の算出方法自己資本比率 :自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額(株価終値×発行済株式総数)/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い金額2 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている借入金を対象としております。また、利払い金額については、連結損益及び包括利益計算書に計上されている支払利息の金額を使用しております。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、短期的な運転資金(原材料、電力、各種資材等の調達及び人件費等の支払いに必要な資金)は、主に自己資金及び金融機関等からの借入でまかなっております。また、設備投資資金については、各年度ごとに設備予算を作成し、予算額、支払い予定時期及び資金残高などを勘案したうえで、基本的に自己資金で実行しておりますが、大規模な設備投資が計画される場合には金融機関等からの借入を含めて対応しております。当連結会計年度の設備投資額及び翌連結会計年度の設備投資予定額につきましては、「第3 設備の状況」に記載のとおりであります。なお、グループ内資金を有効に活用する観点で、当社からグループ会社へ、グループ会社から当社への貸付及び借入を機動的に実行しております。現在進行中の第16次中期経営計画におけるキャピタルアロケーションにおいて、キャッシュイン「営業キャッシュフロー、借入、資産売却資金、手元資金」とキャッシュアウト「定常投資(増産、省人化・合理化、工場耐震補強、設備修繕に関する投資)、戦略投資(研究開発、新商品、DX、環境・省エネ、CO2削減、M&A、人的資本に関する投資)、株主還元(配当、自己株式取得)」に区分し、資金の調達状況と使途について予測と実績を管理しております。 (4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。連結財務諸表の作成にあたっては、報告期間の期末日における資産・負債の計上、期中の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積り及び仮定を用いております。この会計上の見積り及び仮定は、その性質上不確実であり、実際の結果と異なる可能性があります。当社は、これらの見積りは合理的であると考えておりますが、不確定要素が多く、想定を超えた変化等が生じた場合、当社グループの連結財務諸表に大きな影響を及ぼすことがあります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 (固定資産の減損)当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、原則として、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積り、見積られた割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては、慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境等の諸前提の変化により、追加の減損処理又は新たな減損処理が必要となる可能性があります。 (のれんの評価)当社グループは、株式会社ドーケン及びMDI株式会社の株式を取得した際に計上したのれんについて、減損の兆候の有無を検討し、兆候を識別した場合、のれんの残存償却期間に対応する期間における割引前将来キャッシュ・フローを事業計画に基づいて算定し、帳簿価額と比較して減損損失の認識の要否を判定しております。必要と判断した場合には、当該のれんについて回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として認識することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては、慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境等の諸前提の変化により、新たに減損処理が必要となる可能性があります。 (繰延税金資産の回収可能性)当社グループは、繰延税金資産について、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性及び必要額を評価するにあたっては、課税主体ごとに将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収見込みを慎重に検討しておりますが、課税所得見積りの前提とした諸条件・諸前提の変化により、追加引当又は引当額の取崩しが必要となる可能性があります。
事業リスク
- 事業環境の変化による受注減少自動車、土木・建築、建設機械、工作機械といった主要顧客業界の市場動向や、世界経済・政治情勢の悪化、自然災害、感染症の蔓延など予期せぬ事態が発生した場合、顧客からの受注が減少する可能性があります。これにより、人件費や減価償却費などの固定費負担が相対的に重くなり、業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。また、設備投資資金の回収が見込めず、減損損失が発生する可能性もあります。
- 製品品質に関するリスク同社グループが提供する製品は、自動車や建設機械などの重要保安部品に使用されることが多く、高い品質が求められます。万一、品質上のトラブルが発生し、人的・社会的な被害が生じた場合、同社グループの信用が大きく損なわれるだけでなく、多額の損害賠償やリコール費用が発生し、業績に深刻な影響を与える可能性があります。国際規格ISO9001等に基づいた品質管理体制を構築していますが、リスクはゼロではありません。
- 電気料金・資材調達・物流コストの変動熱処理工程は電力を多く消費するため、電気料金の上昇は製造コストに直接影響し、業績を圧迫する可能性があります。また、鋼材を中心とする原材料価格の高騰や調達困難、物流業界のドライバー不足や輸送コストの増加も、製造コストの上昇や生産・供給体制への影響を通じて、同社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。これらのコスト変動を販売価格に転嫁できない場合、利益率が低下する恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 事業環境の変化による受注減少が業績に与えるリスク当社グループの事業は、自動車、土木・建築、建設機械及び工作機械等に展開しており、各業界の顧客からの受注に対応すべく海外を含めて生産拠点の拡充、生産能力の増強を目的とした設備投資を実施しております。また、当社グループの事業領域の拡大及び既存事業とのシナジー創出を目指し、M&Aや資本参加を積極的に推進しております。しかしながら、各業界・地域の市場動向、政治・経済情勢が想定以上に悪化した場合や自然災害、天候不順、感染症の蔓延など予期せぬ事態が発生した場合は、顧客からの受注が減少し、人件費や減価償却費など固定費の負担が相対的に重くなり当社グループの業績に影響を与える可能性があります。さらには、設備投資資金の回収が見込めない場合、固定資産の減損損失が発生する可能性もあります。また、M&Aの実施においては、事業環境の変化により、将来の事業計画が想定より悪化した場合、のれんの減損損失が発生する可能性があります。このような受注減少が業績に与えるリスクについては、当社グループが製品を提供している各業界・地域の市場動向、政治・経済情勢はもとより、顧客からの受注状況等を勘案したうえで素早く適切な対策を講じてまいります。具体的には、これまで生産革新活動で培ってきたノウハウや徹底した原価低減活動の継続で、受注変動に強い事業構造を構築してまいります。また、間接部門を含めた多能工化の推進、適切な人員配置を目指すとともに、設備の自動化、省力化などに資する設備を中心に投資してまいります。なお、設備投資やM&Aの実行にあたっては、社内規程「事業投資ガイドライン」等に基づき、慎重に判断する仕組みを構築しております。 (2) 製品品質に関するリスク当社グループは、自動車、土木・建築、建設機械及び工作機械等に製品を提供しております。これらの製品は非常に重要な部位に使用されるため、供給者としての責任を自覚し、品質検査及び性能確認には細心の注意を払っております。しかしながら、万一、品質上のトラブルが発生し、人的、社会的な被害が生じた場合は、当社グループの信用及び業績に影響を与える可能性があります。このような製品品質に関するリスクについては、国際規格ISO9001等の品質マネジメントシステムの認証を取得し、グローバルな品質保証システムを運用しております。具体的には、全社の品質保証活動を統括する品質保証本部と、事業部工場内の品質保証課とが連携し、工場個別の品質管理、品質監査活動、工場共通の重大品質問題発生防止活動を行うことで品質不適合の未然防止に努めております。 (3) 電気料金に関するリスク当社グループの事業の中核である熱処理技術を用いた工程は、主として電力をエネルギーとして使用しているため、電気料金は製造コストを構成する重要な要素であります。資源・エネルギー価格の高騰を背景とした電気料金の上昇は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。このような電気料金に関するリスクについては、電力使用量の削減に向けた取り組みとして、日々の節約はもとより、気候変動への対応であるCO2削減のための省エネ活動とあわせて実行しております。また、電力を主たるエネルギーとする熱処理メーカーとして、電力使用量を削減するための技術開発や生産管理の改善につなげております。さらに、グループ全体での最適な電力調達手段を検討し、都度、電力会社と交渉することで電気料金の低減に努めております。具体的には、省エネ効果の高い最新設備への更新や環境面における効果のある太陽光発電システムの積極的な導入、複数の拠点を対象とした大口契約によるメリットの活用などを推進しております。 (4) 資材調達及び物流に関するリスク鋼材を中心とする原材料価格が上昇、高止まりしております。当社グループの事業のうち、特に製品事業部関連事業の主要な材料は鋼材であり、製造コストを構成する重要な要素であります。想定以上に価格が変動した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、生産に必要な資材の入手が困難になる可能性もあります。さらに、物流業界におけるドライバー不足や輸送コストの増加等が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。このような資材調達及び物流に関するリスクについては、コストアップ分の販売価格への転嫁に努めております。また、調達面では、調達本部が中心となって安定した供給を受けるための交渉や調達価格の交渉を継続的に行うとともに、効率的な輸送管理の徹底でコスト面のみならず環境面も意識した取り組みを推進しております。具体的には、「ネツレングループグリーン調達ガイドライン」を制定し、調達先と連携して環境負荷低減と社会の発展に貢献するオープンでフェアな調達を実施しております。 (5) グローバル事業展開に関するリスク当社グループは、グローバルに事業を展開しており、進出国の政治・経済情勢、法制度、習慣や治安に至るまでのリスクを認識しなければなりません。また、グローバル事業では投資額が多額になることや為替変動の影響を受けることが想定されます。進出国において、想定外の政治・経済情勢の変化、法制度の変更や金融・為替市場の急激な変動等が生じた場合は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。このようなグローバル事業展開に関するリスクについては、事業計画立案時から事業運営に至る各プロセスにおいて、主管事業部と事業開発本部、管理本部及び経営企画室をはじめとする各機能本部が連携し、課題の抽出とその解決のための施策や事業環境の変化に臨機応変に対応できる体制を整備しております。具体的には、新たな海外進出の検討にあたっては、設備投資や事業投資の計画立案と同様に、社内規程「事業投資ガイドライン」等に基づき、想定される様々なリスクの所在と対応策を検討するとともに、撤退基準を設けて慎重に判断する仕組みを構築しております。また、進出後においても各進出国に所在するグループ会社を管理する担当部門長を定め、各社から事業計画、経営状況、財務状況、その他重要な情報についての報告を求めるとともに、年2回定期的にグループ会議を開催し、各社の代表者は、経営内容等について報告することとしております。また、原則月2回開催の経営・執行役員会議においても、毎月、各社の地域情勢を含む経営に関する状況が報告されております。なお、不測の事態が発生した場合は、速やかに管理担当部門長に報告することとしております。 上記のほか、サステナビリティに関するリスク管理については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。