事業の概要
- 鋼材の販売と加工モリテック スチールは、特殊帯鋼(みがき特殊帯鋼、熱間圧延鋼帯、ステンレス鋼帯)や普通鋼などの鋼材を販売する商事部門と、それらを加工して製品にする部門を持つ企業グループです。具体的には、焼入鋼帯(ベーナイト鋼帯を含む)の製造販売や、コードリール、ゼンマイなどの鈑金加工品の製造販売を行っています。これらの製品は、自動車、家電、農業機械といった耐久消費財の幅広い分野で利用されており、多岐にわたる産業を支える基盤素材を提供しています。
- 海外展開と現地加工同社グループは、日本国内だけでなく、タイ、中国、ベトナム、インドネシア、メキシコに子会社を展開し、グローバルに事業を行っています。これらの海外子会社では、日本からの鋼材輸出の販売代理業務に加え、現地での鋼材加工販売も手掛けています。特にメキシコ子会社では自動車部品の製造販売も行っており、各国の需要に合わせたきめ細やかなサービスと製品提供を通じて、国際的な競争力を高めています。
- 多様な製品と顧客層モリテック スチールは、特殊な性質を持つ鋼帯から一般的な鋼材、さらにそれらを加工した部品まで、幅広い製品ポートフォリオを持っています。これにより、自動車関連、家電、農業機械、工具、刃物など、多様な業界の顧客ニーズに対応しています。製品の用途が広汎であるため、特定の産業の景気変動リスクを分散し、安定的な収益基盤を構築しようとしていることがうかがえます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 金属材料事業この事業は、特殊帯鋼(みがき特殊帯鋼、熱間圧延鋼帯、ステンレス鋼帯)や普通鋼などの鋼材の販売を主とする商事部門と、鋼材加工販売を行う部門で構成されています。最新年度の売上高は362.94億円、営業利益は4.08億円と、同社グループの中で最も大きな売上規模を誇る基幹事業です。自動車、家電、農業機械など幅広い耐久消費財分野に素材を提供しており、グループ全体の収益を牽引しています。
- 熱処理製品事業この事業は、特殊帯鋼を主原料とした焼入鋼帯(ベーナイト鋼帯を含む)の製造販売を行っています。焼入鋼帯は高い強度や耐久性が求められる製品に使用され、同社の技術力が活かされています。最新年度の売上高は15.16億円、営業利益は1.30億円であり、売上規模は他の事業に比べて小さいものの、技術的な専門性が高い製品を提供しています。
- プレス加工製品事業この事業は、鈑金加工品(コードリール、ゼンマイを含む)の製造販売を行っています。最新年度の売上高は71.74億円、営業利益は6.45億円と、金属材料事業に次ぐ規模の売上と、グループ内で最も高い営業利益を上げており、収益性の高い事業であることがうかがえます。耐久消費財分野の多様なニーズに応える製品を提供しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| MetalMaterials | 事業 | 363 | 4 | 1.1% |
| HeatTreatedProducts | 事業 | 15 | 1 | 8.6% |
| PressWorkedProducts | 事業 | 72 | 6 | 9.0% |
| Overseas | 事業 | 55 | 1 | 1.4% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び子会社9社で構成され、事業部門として、特殊帯鋼(みがき特殊帯鋼、熱間圧延鋼帯、ステンレス鋼帯)、普通鋼等を主とした鋼材の販売をする商事部門と、特殊帯鋼を主原料とした焼入鋼帯(ベーナイト鋼帯を含む。)を製造販売する焼入鋼帯部門及び鈑金加工品(コードリール、ゼンマイを含む。)を製造販売する鈑金加工品部門とがあり、需要分野はいずれも耐久消費財で広汎にわたっております。連結子会社としては、ジュタワン・モリテック(タイランド)株式会社(当社の貿易業務のうち、タイ国内向けの鋼材輸出の販売代理業務、タイ国内向けの鋼材加工販売、及び家電、農業機械、自動車用の各部品の製造販売)、上海摩立特克鋼鉄商貿有限公司(当社の貿易業務のうち、中国国内向けの鋼材輸出の販売代理業務、中国国内向けの鋼材加工販売)、モリテックスチール(ベトナム)会社(当社の貿易業務のうち、ベトナム国内向けの鋼材輸出の販売代理業務、ベトナム国内向けの鋼材加工販売)、モリテックスチールインドネシア株式会社(当社の貿易業務のうち、インドネシア国内向けの鋼材輸出の販売代理業務、インドネシア国内向けの鋼材加工販売)、モリテックスチールメキシコ株式会社(当社の貿易業務のうち、メキシコ国内向けの鋼材輸出の販売代理業務、メキシコ国内向けの鋼材加工販売、及び自動車用の各部品の製造販売)、日輪鋼業株式会社(日本国内外向けの鋼材加工販売)、中川産業株式会社(普通鋼、ステンレス鋼、非鉄、その他一般鋼材、鉄鋼二次製品などの加工販売)、株式会社サンド(金属の二次加工)の8社があります。 事業の系統図は、次のとおりであります。 (注)非連結子会社1社については、重要性が乏しいため記載を省略しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 主要仕入先への依存度が高く、価格交渉力が弱い可能性があるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 設備 特殊帯鋼の製造販売、焼入鋼帯の製造販売、鈑金加工品の製造販売には設備が必要。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
会社が挙げる主要リスク:自動車関連業界への売上依存 / 鋼材の仕入先への依存 / 固定資産の減損に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
モリテック スチールは、特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPに依存する事業モデルではない。汎用的な金属製品の製造・販売が中心であり、無形資産による競争優位性は限定的である。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
顧客は特定の仕様や品質を求める場合、サプライヤー変更に一定の手間やコスト(評価、テスト等)が発生する可能性がある。しかし、金属製品市場は競争が激しく、代替品も存在するため、スイッチング・コストは高くない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
モリテック スチールの事業は、ユーザー数の増加が製品やサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果を生む構造ではない。BtoB取引が中心であり、プラットフォーム型ビジネスとは異なる。
コスト優位★★☆☆☆
長年の製造ノウハウや生産効率の改善努力により、一定のコスト競争力を維持している可能性がある。しかし、原材料価格の変動や、より大規模な競合他社とのコスト構造の差は大きいと考えられる。
規模の経済★★★☆☆
金属製品業界において、一定の生産規模と販売網を有しており、効率的なオペレーションを実現している。しかし、業界全体で見ると、より巨大なグローバル企業や、特定のニッチ市場に特化した企業も存在し、絶対的な寡占状態ではない。
- 特殊鋼帯の製造技術モリテック スチールは、みがき特殊帯鋼や熱間圧延鋼帯、ステンレス鋼帯といった特殊な鋼材を主原料とした焼入鋼帯(ベーナイト鋼帯を含む)の製造販売に強みを持っています。これらの特殊鋼帯は、高い強度や耐久性が求められる自動車部品や精密機械部品などに使用され、同社の技術力が製品の品質と性能を支えています。長年の経験とノウハウが蓄積された製造技術は、競争優位性の一つと考えられます。
- グローバルな供給体制同社グループは、日本に加え、タイ、中国、ベトナム、インドネシア、メキシコに子会社を持ち、鋼材の輸出販売代理業務や現地での加工販売を行っています。この多国籍な事業展開により、各国の顧客ニーズに迅速に対応できる供給体制を構築しています。特に自動車産業が盛んな地域での現地生産・販売は、顧客との密接な関係構築や物流コストの最適化に貢献している可能性があります。
- 幅広い需要分野への対応モリテック スチールの製品は、自動車関連、家電、農業機械、工具、刃物など、非常に広範な耐久消費財分野で利用されています。これにより、特定の産業に依存しすぎることなく、多様な市場からの需要を取り込むことが可能です。幅広い顧客層と製品用途は、市場の変化に対する柔軟性を高め、安定した事業運営を支える要因となり得ます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「人を大切にして、共に成長する会社つくり」という経営方針のもと、透明で公正な企業活動を通じて販売力の強化、システム(仕組み)の再構築を推進しております。当社は、特殊帯鋼の専門商社や各種産業機械向けの機能部品メーカーとして、価値提案型企業を目指しております。多様化するニーズに的確に対応し、環境にも配慮した独自性の高い商品、製品を提供することにより、信頼される企業として社会・経済の発展に寄与してまいります。 (2) 経営環境及び対処すべき課題 わが国経済は、企業収益や雇用環境の改善を背景に緩やかな回復が期待される一方、海外景気の減速、原材料・エネルギー価格の高騰、為替変動、地政学リスクなど、不透明な状況が継続しております。加えて、特に当社の主要顧客である自動車産業は100年に一度の大変革期を迎えており、電動化・電子化の進展により、内燃機関(ICE)関連部品の需要は中長期的に減少する見通しであり、当社の売上構成に直接的な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループにおいても、自動車向け売上の割合が高く、特に当社単体では売上の約7割がICE関連部品であることから、将来的にICE関連部品の需要減少が進んだ場合、当社単体の売上が3割程度減少するリスクを認識しております。また、熟練技能者の高齢化や在庫管理の属人化など、内部的な生産性向上に向けた構造的課題も存在しております。 このような環境のもと、当社は以下の課題に重点的に取り組んでまいります。 ① 収益力の改善 鋼材価格・電力費等の上昇分の価格転嫁が途上であり、収益性の改善が喫緊の課題となっております。高付加価値製品の拡販、原価低減活動、在庫回転期間の短縮等により、売上高利益率の改善を図ります。 ② 事業ポートフォリオの転換 ICE依存からの脱却に向け、EV関連部品、非鉄加工、精密加工など重点6分野への事業展開を加速し、売上構成の転換を進めます。 ③ 市場での競争力強化 焼入鋼帯・ベーナイト・ゼンマイの拡販、既存顧客深耕、新規顧客開拓を進め、売上の拡大を図ります。 ④ 人的資本の強化 経営戦略の実行に不可欠な人材として、豊富な商品知識を有し市場で活躍できる人材、電気工学のリテラシーを有し新製品開発に貢献できる人材の育成・採用を進めます。 ⑤ サステナビリティ経営の推進 気候変動対応、人権尊重、コンプライアンス強化等のESG課題に取り組み、企業価値向上を図ります。 なお、自動車産業におけるBEV(バッテリー式電気自動車)化の進展については一部で鈍化が見られるものの、中長期的には電動化の方向性に変化はなく、当社の主要顧客領域においても構造転換が継続すると見込まれます。当社は、重点6分野及びEV関連事業への経営資源配分を強化し、ICE関連売上の減少リスクに対応してまいります。 当社の経営戦略は以下のとおりであります。 当社は、ICE関連部品への依存度を段階的に低減しつつ、①高付加価値製品の拡販、②重点6分野(グローブ加工、精密加工、非鉄加工、絞り加工、板鍛造加工、接合加工)への展開、③EV関連事業の強化、④DXによる在庫削減を成長ドライバーとする事業ポートフォリオへの転換を進め、ROE8%の達成を目指しております。 ① 高付加価値製品の拡販 焼入鋼帯、ベーナイト、ゼンマイ等の高付加価値品目の販売強化により、収益性の向上を図ります。これらの高付加価値製品については、既存顧客の深耕および新規顧客開拓を通じ、4年間で売上規模を6倍程度に拡大することを目標としています。 ② 重点6分野への展開 グローブ加工、精密加工、非鉄加工、絞り加工、板鍛造加工、接合加工の6分野において、2027年3月から順次市場投入を進め、事業構造の転換を図ります。重点6分野は、当社の既存技術(焼入鋼帯・精密加工・非鉄加工)との親和性が高く、かつEV化・自動化の進展により市場拡大が見込まれる領域であり、当社の競争優位性を発揮しやすい分野として選定しております。 ③ EV関連事業の強化 EV充電器の普通充電器、DC充電器、機械式駐車設備向け製品等の開発を進め、2030年に向けた市場拡大に対応します。 ④ DXによる在庫削減 生産基幹システムフル活用による生産計画・進捗管理の精緻化により、2030年3月までに在庫回転期間を20%短縮することを目標とします。 なお、当社は中期経営計画(2027年3月期~2030年3月期)において、2030年3月期に営業利益18億円、ROE8%の達成を経営目標としております。この目標は、高付加価値製品の拡販、重点6分野の事業化、EV関連事業の強化、DXによる在庫回転期間20%短縮を成長ドライバーとし、事業ポートフォリオの転換と収益性向上を図ることで実現を目指すものです。また、2030年3月期の営業利益18億円の内訳として、当社単体10億円、国内グループ会社4億円、海外グループ会社4億円を計画しております。 (3) 目標とする経営指標当社グループは、経営指標として資本に対する収益性である自己資本利益率(ROE)8%を目標に収益力の向上に取り組んでまいります。 (4) 経営戦略と人的資本の関係当社は、経営戦略の実現において人的資本が最も重要な経営資源であると認識しております。特に以下の領域において、人的資本戦略と経営戦略は密接に連動しております。これらの人的資本戦略により、ICE関連売上の減少影響を重点6分野・EV関連事業の拡大で吸収し、中期的にROE8%の達成と事業ポートフォリオの転換を図ります。① 高付加価値製品・新製品開発電気工学のリテラシーを有する技術者、商品知識に優れた営業人材の育成が不可欠であり、リスキリングを積極的に進めます。これにより、重点6分野の売上構成比引き上げと新製品開発リードタイム短縮を図ります。② 市場展開豊富な商品知識と市場で活躍できる交渉力・提案力を持った営業人材の育成により、市場での競争力を強化します。③ 重点6分野の事業化EV及び電動化領域の知識と非鉄加工の専門技術を持つ人材の育成、技能伝承により、技術基盤を強化します。④ DX推進生産管理・データ分析等の生産管理・デジタルスキルを持つ人材の育成により、在庫削減・生産性向上を実現します。⑤ サステナビリティ推進人権方針・DEI方針・キャリアマネジメント方針に基づき、多様性の確保、働きやすい職場環境の整備を進め、持続的成長を支える組織基盤を構築します。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「人を大切にして、共に成長する会社つくり」という経営方針のもと、透明で公正な企業活動を通じて販売力の強化、システム(仕組み)の再構築を推進しております。当社は、特殊帯鋼の専門商社や各種産業機械向けの機能部品メーカーとして、価値提案型企業を目指しております。多様化するニーズに的確に対応し、環境にも配慮した独自性の高い商品、製品を提供することにより、信頼される企業として社会・経済の発展に寄与してまいります。 (2) 経営環境及び対処すべき課題 わが国経済は、企業収益や雇用環境の改善を背景に緩やかな回復が期待される一方、海外景気の減速、原材料・エネルギー価格の高騰、為替変動、地政学リスクなど、不透明な状況が継続しております。加えて、特に当社の主要顧客である自動車産業は100年に一度の大変革期を迎えており、電動化・電子化の進展により、内燃機関(ICE)関連部品の需要は中長期的に減少する見通しであり、当社の売上構成に直接的な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループにおいても、自動車向け売上の割合が高く、特に当社単体では売上の約7割がICE関連部品であることから、将来的にICE関連部品の需要減少が進んだ場合、当社単体の売上が3割程度減少するリスクを認識しております。また、熟練技能者の高齢化や在庫管理の属人化など、内部的な生産性向上に向けた構造的課題も存在しております。 このような環境のもと、当社は以下の課題に重点的に取り組んでまいります。 ① 収益力の改善 鋼材価格・電力費等の上昇分の価格転嫁が途上であり、収益性の改善が喫緊の課題となっております。高付加価値製品の拡販、原価低減活動、在庫回転期間の短縮等により、売上高利益率の改善を図ります。 ② 事業ポートフォリオの転換 ICE依存からの脱却に向け、EV関連部品、非鉄加工、精密加工など重点6分野への事業展開を加速し、売上構成の転換を進めます。 ③ 市場での競争力強化 焼入鋼帯・ベーナイト・ゼンマイの拡販、既存顧客深耕、新規顧客開拓を進め、売上の拡大を図ります。 ④ 人的資本の強化 経営戦略の実行に不可欠な人材として、豊富な商品知識を有し市場で活躍できる人材、電気工学のリテラシーを有し新製品開発に貢献できる人材の育成・採用を進めます。 ⑤ サステナビリティ経営の推進 気候変動対応、人権尊重、コンプライアンス強化等のESG課題に取り組み、企業価値向上を図ります。 なお、自動車産業におけるBEV(バッテリー式電気自動車)化の進展については一部で鈍化が見られるものの、中長期的には電動化の方向性に変化はなく、当社の主要顧客領域においても構造転換が継続すると見込まれます。当社は、重点6分野及びEV関連事業への経営資源配分を強化し、ICE関連売上の減少リスクに対応してまいります。 当社の経営戦略は以下のとおりであります。 当社は、ICE関連部品への依存度を段階的に低減しつつ、①高付加価値製品の拡販、②重点6分野(グローブ加工、精密加工、非鉄加工、絞り加工、板鍛造加工、接合加工)への展開、③EV関連事業の強化、④DXによる在庫削減を成長ドライバーとする事業ポートフォリオへの転換を進め、ROE8%の達成を目指しております。 ① 高付加価値製品の拡販 焼入鋼帯、ベーナイト、ゼンマイ等の高付加価値品目の販売強化により、収益性の向上を図ります。これらの高付加価値製品については、既存顧客の深耕および新規顧客開拓を通じ、4年間で売上規模を6倍程度に拡大することを目標としています。 ② 重点6分野への展開 グローブ加工、精密加工、非鉄加工、絞り加工、板鍛造加工、接合加工の6分野において、2027年3月から順次市場投入を進め、事業構造の転換を図ります。重点6分野は、当社の既存技術(焼入鋼帯・精密加工・非鉄加工)との親和性が高く、かつEV化・自動化の進展により市場拡大が見込まれる領域であり、当社の競争優位性を発揮しやすい分野として選定しております。 ③ EV関連事業の強化 EV充電器の普通充電器、DC充電器、機械式駐車設備向け製品等の開発を進め、2030年に向けた市場拡大に対応します。 ④ DXによる在庫削減 生産基幹システムフル活用による生産計画・進捗管理の精緻化により、2030年3月までに在庫回転期間を20%短縮することを目標とします。 なお、当社は中期経営計画(2027年3月期~2030年3月期)において、2030年3月期に営業利益18億円、ROE8%の達成を経営目標としております。この目標は、高付加価値製品の拡販、重点6分野の事業化、EV関連事業の強化、DXによる在庫回転期間20%短縮を成長ドライバーとし、事業ポートフォリオの転換と収益性向上を図ることで実現を目指すものです。また、2030年3月期の営業利益18億円の内訳として、当社単体10億円、国内グループ会社4億円、海外グループ会社4億円を計画しております。 (3) 目標とする経営指標当社グループは、経営指標として資本に対する収益性である自己資本利益率(ROE)8%を目標に収益力の向上に取り組んでまいります。 (4) 経営戦略と人的資本の関係当社は、経営戦略の実現において人的資本が最も重要な経営資源であると認識しております。特に以下の領域において、人的資本戦略と経営戦略は密接に連動しております。これらの人的資本戦略により、ICE関連売上の減少影響を重点6分野・EV関連事業の拡大で吸収し、中期的にROE8%の達成と事業ポートフォリオの転換を図ります。① 高付加価値製品・新製品開発電気工学のリテラシーを有する技術者、商品知識に優れた営業人材の育成が不可欠であり、リスキリングを積極的に進めます。これにより、重点6分野の売上構成比引き上げと新製品開発リードタイム短縮を図ります。② 市場展開豊富な商品知識と市場で活躍できる交渉力・提案力を持った営業人材の育成により、市場での競争力を強化します。③ 重点6分野の事業化EV及び電動化領域の知識と非鉄加工の専門技術を持つ人材の育成、技能伝承により、技術基盤を強化します。④ DX推進生産管理・データ分析等の生産管理・デジタルスキルを持つ人材の育成により、在庫削減・生産性向上を実現します。⑤ サステナビリティ推進人権方針・DEI方針・キャリアマネジメント方針に基づき、多様性の確保、働きやすい職場環境の整備を進め、持続的成長を支える組織基盤を構築します。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善等もあり、景気は緩やかに回復の動きが見られたものの、本年2月に発生した中東における地政学的リスクの高まりや金融資本市場の変動、米国の通商政策をめぐる動向等、景気の見通しは依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。このような状況の下、自動車関連分野および家電分野を中心とした需要を取り込みつつ、高付加価値製品の拡販、生産性向上およびコスト削減に取り組んでまいりました。また、原材料価格やエネルギーコストの上昇に対しては販売価格への転嫁を進めるとともに、歩留まり改善等により収益性の確保に努めました。この結果、当連結会計年度の売上高は481億9千2百万円と前連結会計年度比4.6%減少しましたが、営業利益につきましては4億4千4百万円と前連結会計年度比12.1%増加しました。経常利益は6億3千万円と前連結会計年度比95.4%増加し、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては10億4千2百万円と前連結会計年度比216.5%の増加となりました。 当連結会計年度における各セグメントの概況は、次のとおりです。 (a) 商事部門特殊帯鋼、普通鋼等を販売しております商事部門は、主力顧客の自動車向けや家電需要の調整が続き、半導体需要も弱含みで推移したこと等により、売上高は334億6千2百万円と前連結会計年度比7.8%減少し、セグメント利益(営業利益)は、一部商品でスプレッドが好調な局面もあったものの、減収による影響を補うには至らず、4億3百万円と前連結会計年度比1.1%の減少となりました。 (b) 焼入鋼帯部門、鈑金加工品部門焼入鋼帯を製造販売しております焼入鋼帯部門につきましては、売上高は15億9千9百万円と前連結会計年度比5.5%増加し、セグメント利益(営業利益)は1億3千5百万円と前連結会計年度比3.9%の増加となりました。鈑金加工品を製造販売しております鈑金加工品部門につきましては、農業機械向けの需要が堅調に推移したことから、売上高は73億6千万円と前連結会計年度比2.6%増加しましたが、一部製品在庫の収益性見直しを実施したことから、セグメント利益(営業利益)は4億9千9百万円と前連結会計年度比22.5%の減少となりました。 (c) 海外事業海外事業につきましては、新規部品の受注拡大等により、売上高は57億7千万円と前連結会計年度比4.6%増加し、生産効率の向上や品質の改善が進んだこと等により、セグメント利益(営業利益)は3億円と前連結会計年度比277.3%の増加となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より1億1千6百万円増加し、49億1千6百万円となりました。 当連結会計年度中における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益を13億9千7百万円、非資金項目である減価償却費7億6千万円を計上したほか、売上債権の減少12億1千3百万円、仕入債務の減少24億1千8百万円、法人税等の支払い1億6千9百万円、棚卸資産の減少10億4千6百万円等により、9億3千7百万円の資金増加となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出4億5百万円、投資有価証券の売却による収入8億3千8百万円等により、4億4千2百万円の資金増加となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済による支出10億8千万円、長期借入れによる収入6億円、長期借入金の返済による支出6億9千3百万円、配当金の支払い8千9百万円等により、13億4千4百万円の資金減少となりました。 ③生産、受注及び販売の実績(a) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)焼入鋼帯部門1,670,4822.5鈑金加工品部門8,884,4551.2海外事業4,409,7568.0合計14,964,6943.3 (注) 金額の算定基準は販売価格によっております。 (b) 商品仕入実績当連結会計年度における商品仕入実績を示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称及び品目仕入高(千円)前年同期比(%)商事部門特殊帯鋼11,410,149△21.9普通鋼17,918,121△9.4その他1,106,689△13.5合計30,434,961△14.6 (注) 金額は実際仕入額で算出したものであります。 (c) 受注実績当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)焼入鋼帯部門1,486,830△11.1329,513△24.3鈑金加工品部門6,931,36617.21,222,478△21.3海外事業4,329,2843.4344,417△16.1合計12,747,4818.31,896,408△21.0 (d) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称及び品目販売高(千円)前年同期比(%)商事部門特殊帯鋼19,312,204△9.1普通鋼12,778,697△5.5その他1,371,118△10.6小計33,462,020△7.8焼入鋼帯部門1,599,8215.5鈑金加工品部門7,360,9282.6海外事業5,770,0414.6合計48,192,811△4.6 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度当連結会計年度売上高(千円)割合(%)売上高(千円)割合(%)第一金属株式会社3,322,2146.62,713,6805.6株式会社エクセディ2,297,6314.52,289,4124.8ジヤトコ株式会社1,851,2873.72,106,8424.4 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(a) 財政状態の分析(流動資産)当連結会計年度末における流動資産の残高は246億9千6百万円となりました。主な内訳は、現金及び預金49億8千7百万円、受取手形、売掛金及び契約資産60億8千5百万円、商品及び製品42億9千6百万円であります。(固定資産)当連結会計年度末における固定資産の残高は104億6千万円となりました。主な内訳は、土地24億1千2百万円、建設仮勘定1億2百万円を含む有形固定資産65億5千6百万円、投資有価証券30億3百万円であります。(流動負債)当連結会計年度末における流動負債の残高は157億8千3百万円となりました。主な内訳は、支払手形及び買掛金63億2百万円であります。(固定負債)当連結会計年度末における固定負債の残高は31億5千8百万円となりました。主な内訳は、長期借入金11億4千8百万円、退職給付に係る負債8億7千8百万円であります。(純資産)当連結会計年度末における純資産の残高は162億1千5百万円となりました。 (b) 経営成績の分析(売上高)当連結会計年度における売上高は前連結会計年度に比べ23億5百万円減少し、481億9千2百万円(前年同期比4.6%減)となりました。セグメント別の売上高については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。(営業利益)当連結会計年度における営業利益は4千7百万円増加し、4億4千4百万円(前年同期比12.1%増)となりました。売上高営業利益率は、製造原価の削減などの要因により、前連結会計年度比0.1ポイント増加し、0.9%となりました。(経常利益)当連結会計年度における経常利益は3億7百万円増加し、6億3千万円(前年同期比95.4%増)となりました。売上高経常利益率は、為替差益計上などの要因により、前連結会計年度比0.7ポイント増加となりました。また、為替差益計上などの要因により、売上高営業利益率から0.4%増加し、1.3%となりました。 (自己資本利益率)当連結会計年度における自己資本利益率(ROE)は、目標の8%に対し、6.8%となりました。これは、主に投資有価証券売却益の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益が増加したことによるもので、一過性の要因による影響を含んでおります。今後、企業価値向上に向けて、高付加価値製品の拡販等による収益力の改善に取組んでまいります。詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営環境及び対処すべき課題」に記載のとおりであります。 (c) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造に使用する原材料費、労務費、商品仕入、販売費及び一般管理費等であり、設備投資資金需要は、機械設備新設及び改修に係る投資資金であります。 資金調達については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入による資金調達にて対応しております。 キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
事業リスク
- 自動車業界への依存度モリテック スチールの製品は、自動車関連、家電、農業機械など幅広い業界に販売されていますが、売上高に占める自動車業界への割合が比較的高くなっています。そのため、自動車業界の生産動向や主要取引先(第一金属、エクセディ、今仙電機製作所など)の事業方針や経営施策が、同社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
- 鋼材仕入先の集中同社グループは、主に日本製鉄株式会社の販売代理店である株式会社メタルワンから多くの鋼材を仕入れています。仕入高に占めるメタルワンの割合が高いため、将来的にメタルワンの供給体制に変化が生じた場合、鋼材の安定的な調達に支障をきたし、同社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 為替変動の影響モリテック スチールは、海外事業展開や輸出入取引において外貨建て決済を行っており、海外子会社間での貸付も実施しています。為替予約などでリスク軽減に努めていますが、急激な為替相場の変動が発生した場合、外貨建て資産や負債の評価額が変動し、同社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。(1) 自動車関連業界への売上依存について当社グループの売上は自動車関連向けが高い比率を占めており、特に当社単体では内燃機関(ICE)関連部品が約7割を占めるため、電動化の進展により将来的に3割以上の売上減少リスクがあります。当社は、ICE関連売上の減少リスクに対して、重点6分野及びEV関連事業への投資・人材シフトを通じて売上構成の転換を進めています。なお、BEV(バッテリー式電気自動車)化の進展は一部で鈍化が見られるものの、中長期的には電動化の方向性に変化はなく、当社の主要顧客領域における構造転換は継続すると見込まれます。当社は、重点6分野及びEV関連事業への投資・人材シフトを通じて、ICE関連売上の減少リスクに対応してまいります。 (2) 鋼材の仕入先について当社グループは、主として、日本製鉄株式会社の販売代理店である日鉄物産株式会社より多くの鋼材を仕入れており、仕入高に占める割合が高くなっております。今後の供給体制に変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 固定資産の減損に関するリスク当社グループは、多額の固定資産を所有しており、固定資産の減損に係る会計基準の対象となる資産グループについて、経営環境の変化などにより資産グループから得られる将来キャッシュ・フローの見込額が減少、あるいは、資産グループの時価の著しい下落等の要因により、固定資産の減損処理が必要となった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 為替相場の変動について当社グループは、海外における事業展開や輸出入取引等で外貨建て決済を行っております。また、効率的な資金運用の観点から、海外子会社間で貸付も行っております。為替予約等により為替相場の変動リスクを軽減するよう努めておりますが、急激な為替変動があった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 有利子負債への依存度について当社グループは、運転資金に必要な資金を主に金融機関からの借入で調達しており、2026年3月期末の総資産額に占める有利子負債比率は15.1%となっております。現状は借り換えを含め順調に資金調達がなされておりますが、財務体質の悪化や、借入金利の上昇により支払利息が増加した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。