事業の概要
- 舶用内燃機関の製造販売ジャパンエンジンコーポレーションは、船舶の主要な動力源となる内燃機関(主機関)の製造と販売を主な事業としています。これは、大型船が航行するために不可欠なエンジンであり、同社の主要な収益源となっています。新造船への供給だけでなく、既存の船舶向けに部品販売や修理といったアフターサービスも展開しており、安定的な収益確保に努めています。
- 部品販売と修理サービス主機関の製造販売に加え、そのエンジンに係わる部品の販売や修理サービスも重要な事業活動です。船舶は長期間にわたって運用されるため、定期的なメンテナンスや部品交換が不可欠であり、これらのサービスは継続的な収益をもたらします。これにより、製品ライフサイクル全体での顧客との関係を維持し、安定した事業基盤を構築しています。
- 関連事業の展開連結子会社であるシンパツサンライズ株式会社を通じて、鉄工に関する請負、清掃及び警備請負、労働者派遣といった関連事業も行っています。これらの事業は、主力の舶用内燃機関事業を補完し、グループ全体の事業多角化に貢献しています。これにより、特定の事業に依存するリスクを軽減し、経営の安定性を高めることを目指しています。
出典: FY2021 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 舶用内燃機関事業ジャパンエンジンコーポレーションの主要な事業であり、船舶の動力源となる内燃機関(主機関)の製造と販売を行っています。この事業は、新造船向けのエンジン供給だけでなく、既存の船舶に対する部品販売や修理サービスも含まれており、同社の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。単一セグメントとして報告されており、事業規模はグループ全体に相当します。
- 部品販売・修理事業主機関の製造販売に付随する形で、舶用内燃機関の部品販売や修理サービスを提供しています。船舶は長期間運用されるため、定期的なメンテナンスや部品交換が不可欠であり、この事業は安定した収益源となっています。主機関事業と一体として運営されており、顧客の製品ライフサイクル全体をサポートすることで、継続的な収益確保に貢献しています。
- 関連請負・派遣事業連結子会社であるシンパツサンライズ株式会社が展開する事業で、鉄工に関する請負、清掃及び警備請負、労働者派遣など多岐にわたります。これらの事業は、主力である舶用内燃機関事業を補完し、グループ全体の事業ポートフォリオの多様化に貢献しています。規模としては主力事業より小さいものの、グループ全体の安定性向上に寄与しています。
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3【事業の内容】当社グループの企業集団は、当社及び連結子会社1社から構成されており、舶用内燃機関(主機関)の製造販売を主な事業内容として、当事業に係わる部品販売・修理等の事業活動を展開しております。舶用内燃機関及びこれらの付随業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。なお、連結子会社であるシンパツサンライズ株式会社は、鉄工に関する請負、清掃及び警備請負、労働者派遣等を行っております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 原材料・購入部品費の比率が高く、価格高騰が業績に影響を及ぼす可能性があるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 GHGゼロエミッションとなるアンモニア・水素燃料エンジンの開発など、先端技術開発。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:受注環境の変動 / 特定の取引先への依存 / 原材料・購入部品等価格の変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
ジャパンエンジンコーポレーションは、主に船舶用エンジンおよび関連機器の製造・販売を手掛けている。特定の強力なブランド力や特許による独占的な競争優位性を示す具体的な情報は限定的である。技術力は存在するものの、それが参入障壁として機能するほどの無形資産とは評価しにくい。
スイッチングコスト★★☆☆☆
船舶用エンジンの交換やメンテナンスは、専門知識と設備が必要であり、既存のサプライヤーからの乗り換えには一定のコストと時間がかかる。特に大型船舶の場合、エンジンの仕様やメンテナンス体制が重要視されるため、顧客が容易に他社へ乗り換えることは考えにくい。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社の事業モデルは、ユーザー数の増加が製品やサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果を生み出す構造ではない。個々の顧客との取引が中心であり、プラットフォーム型ビジネスのような広範なネットワーク効果は期待できない。
コスト優位★☆☆☆☆
船舶用エンジン製造は、高度な技術と大規模な生産設備を要するため、新規参入には高いコストがかかる。しかし、同社が競合他社に対して構造的に圧倒的なコスト優位性を持っているという明確な証拠は少ない。規模の経済による効率化は存在する可能性がある。
規模の経済★★★☆☆
船舶用エンジン市場は、主要プレイヤーが限られる寡占市場であり、同社はその中で一定のシェアを占めている。特に大型エンジンの分野では、高い技術力と生産能力を持つ少数の企業が市場を形成しており、効率的な規模による競争優位性が存在する可能性がある。
- 舶用内燃機関の専門性ジャパンエンジンコーポレーションは、舶用内燃機関の製造販売に特化しており、この分野における深い専門知識と技術を有していると考えられます。船舶の心臓部ともいえる主機関は高度な技術と信頼性が求められるため、長年の経験と実績が競争優位の源泉となっている可能性があります。これにより、顧客からの信頼を獲得し、安定した受注に繋がっていると推測されます。
- 部品販売と修理の継続性主機関の製造販売だけでなく、部品販売や修理といったアフターサービスまで一貫して提供している点は強みです。一度納入したエンジンに対して継続的なサポートを提供することで、顧客との長期的な関係を構築し、安定した収益源を確保しています。これは、製品のライフサイクル全体で顧客を囲い込む効果があり、他社へのスイッチングコストを高める可能性があります。
- グループ内での事業補完連結子会社が鉄工請負や清掃・警備、労働者派遣といった関連事業を展開していることは、グループ全体の事業安定化に寄与している可能性があります。主力事業の変動リスクを他の事業で補完することで、経営の安定性を高める効果が期待できます。これにより、多様な事業を通じて収益源を確保し、リスク分散を図っていると考えられます。
出典: FY2021 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針<経営理念>○伝統と革新スピリットを融合「永くに亘る歴史と伝統を基盤にし、革新的スピリットの融合で、機動的かつ柔軟な経営を推進する」○社会と業界の発展に貢献「環境対応と経済性を両立した技術と品質向上への飽くなき挑戦で、社会、海運・造船業界の発展に 貢献する」○総合力を発揮し、世界へ飛躍「社員の力を結集し、開発・設計・製造・販売・サービスの一貫体制で、世界に伍していける企業を 目指す」○無災害職場の確立「危険予知の徹底と闊達なコミュニケーションで、災害ゼロを目指す」 <経営ビジョン>「世界的視野に立ち、伝統と革新を融合させ、日の丸舶用エンジンをお客様とともに育て、次代を拓く」 (2)経営戦略等当社は、2022~2024年度の「第1次中期事業計画」期間中に、外部環境の変化に柔軟に対応しながら、攻めの経営を推進し、将来の飛躍に向けた成長戦略を適時・適切に遂行したことで、「新たな成長ステージ」へと突入し、全ての事業領域において、想定を大きく上回る活動成果を得ました。これらを踏まえて、2025年度からの3ヶ年を対象に、「第2次中期事業計画」を策定しており、主に以下の3点の取り組みを進めることで、持続的な事業成長と企業価値の向上に努めてまいります。 ①環境対応への取り組み深化国際海運における脱炭素・環境保全の取り組みは前進を続けており、当社は、環境規制の進展や環境意識の高まりにあわせ、社会・業界の需要に応える新製品を開発し、市場へ投入しております。当社は、GHG(温室効果ガス)排出量削減に向け、ファーストムーバーとして世界に先駆けて、次世代脱炭素(アンモニア・水素)燃料エンジンの開発、製造、社会実装を押し進めることで、将来の成長ドライバーの育成と新たな市場創造を目指してまいります。また、足元では引き続き、堅調な需要が見込まれる重油燃料エンジンについても、全方位で製品競争力強化を図り、高品質製品の安定供給を実現してまいります。 ②UEエンジン世界シェアの更なる拡大ライセンスビジネスは、造船市場の発展が著しい中国を主軸に、グローバル展開を強化することで、UEエンジン世界シェアの更なる拡大を具体化してまいります。これにより、ライセンス関連事業(ロイヤリティー収入および部品供給ビジネス)を伸長させるとともに、急増する海外ライセンシー製エンジンのアフターサービスについても、新たな市場として取り込みを進めることで、アフターサービス事業も伸長させてまいります。 ③企業価値の持続的な向上当社は、「新しい成長ステージ」に突入することで「収益力」も向上しております。厚みを増してきた経営資源をもとに、中長期での事業伸長を見据えた成長投資を間断なく実行するとともに、資本コストや株価を意識した経営の実現、サステナビリティ経営の深化、人的資本への投資の拡充なども推進し、当社企業価値を持続的に向上させてまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営指標としては、「経常利益」を重視し、安定した収益体質の確立を目指してまいります。 (4)経営環境当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調で推移しましたが、インフレ圧力の継続が個人消費に及ぼす影響や、地政学的リスク緊迫化等もあり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。当社と関連性が高いわが国海運・造船業界は、海運業界では、米国の安全保障・通商政策等に起因するグローバルサプライチェーンの混乱や、トレードパターンの変化、更には中東情勢の影響などを背景に、不安定な市況が継続しました。一方、造船業界では、造船業の再生・強化を目的とした官民連携投資や、サプライチェーン強化等による船舶建造体制の強靭化および規模拡大に向けた各種政府支援策が公表される中、将来の海上荷動きの伸長や、環境対応船への代替需要などを見据えた発注が堅調に推移し、造船所は先行きまで豊富な受注量を確保しています。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題2027年3月期の通期業績につきましては、第2次中期事業計画で策定した打ち手を適時・適切に講じることで、売上高・利益ともに続伸させ、過去最高を4期連続で更新していく計画です。売上高は、32,700百万円で、前期比2,992百万円(10.1%)の増加、営業利益は、5,880百万円で、同421百万円(7.7%)の増加、経常利益は、6,890百万円で、同456百万円(7.1%)の増加、当期純利益は、5,010百万円で、同251百万円(5.3%)の増加を見込んでおります。売上高および損益の詳細は以下の通りです。 <売上高>舶用内燃機関では、新造船市場での旺盛な需要を背景に、最新鋭省エネ主機関であるLSHシリーズを中心に、豊富な受注残高を抱えており、操業を引き続き高位に保ちながら同型主機関を連続で生産していく計画です。水素燃料エンジン初号機の検証運転は、前期から継続して実施しますが、2027年3月期中に完了させ、造船所へ納入を予定しております。なお、これにより、操業負荷調整は順次解消し、生産台数は回復に転じる見通しです。これらの結果、売上高は前期比で増加となる見通しです。 修理・部品等のうち、アフターサービスでは、船舶の高稼働運航の継続で、引き続き堅調な推移を見込んでおります。こうした中で、これまで市場への浸透を進めてきた電子制御エンジンについて、販売台数が増加する中、稼働年数も積み上がることで、アフターサービス需要の高まりが見込まれております。このため、電子制御エンジンを含め、個船ごとに、交換推奨部品の提案営業を強化することで、燃焼室関連や電子制御部品を中心とする活発なメンテナンス需要をしっかりと取り込んでまいります。また、海外ライセンシー製主機関についても、中国・上海に設立した現地法人(J-ENG上海)と連携することで、アフターサービス需要をしっかりと取り込んでまいります。ライセンス関連では、海外ライセンシーの大躍進が継続し、当社UEエンジンの受注・製造・販売の好循環サイクルが拡大する見通しです。そして、中国における当社リーディングライセンシーが前期に建設を完了した新工場については、生産台数が漸増しており、2027年3月期は、通期で、ライセンス関連事業の伸長に寄与する見通しです。これらの状況を踏まえ、修理・部品等の売上高は前期比で更なる増収を見込んでおります。 <損益>当社は、中長期での事業成長を見据え、引き続き、先行投資として、研究開発投資を高水準で継続していく計画です。こうした中でも、収益性に優れる修理・部品等の事業を伸長させることで、2027年3月期の利益については、全ての利益段階で、前期比増益を達成する計画です。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針<経営理念>○伝統と革新スピリットを融合「永くに亘る歴史と伝統を基盤にし、革新的スピリットの融合で、機動的かつ柔軟な経営を推進する」○社会と業界の発展に貢献「環境対応と経済性を両立した技術と品質向上への飽くなき挑戦で、社会、海運・造船業界の発展に 貢献する」○総合力を発揮し、世界へ飛躍「社員の力を結集し、開発・設計・製造・販売・サービスの一貫体制で、世界に伍していける企業を 目指す」○無災害職場の確立「危険予知の徹底と闊達なコミュニケーションで、災害ゼロを目指す」 <経営ビジョン>「世界的視野に立ち、伝統と革新を融合させ、日の丸舶用エンジンをお客様とともに育て、次代を拓く」 (2)経営戦略等当社は、2022~2024年度の「第1次中期事業計画」期間中に、外部環境の変化に柔軟に対応しながら、攻めの経営を推進し、将来の飛躍に向けた成長戦略を適時・適切に遂行したことで、「新たな成長ステージ」へと突入し、全ての事業領域において、想定を大きく上回る活動成果を得ました。これらを踏まえて、2025年度からの3ヶ年を対象に、「第2次中期事業計画」を策定しており、主に以下の3点の取り組みを進めることで、持続的な事業成長と企業価値の向上に努めてまいります。 ①環境対応への取り組み深化国際海運における脱炭素・環境保全の取り組みは前進を続けており、当社は、環境規制の進展や環境意識の高まりにあわせ、社会・業界の需要に応える新製品を開発し、市場へ投入しております。当社は、GHG(温室効果ガス)排出量削減に向け、ファーストムーバーとして世界に先駆けて、次世代脱炭素(アンモニア・水素)燃料エンジンの開発、製造、社会実装を押し進めることで、将来の成長ドライバーの育成と新たな市場創造を目指してまいります。また、足元では引き続き、堅調な需要が見込まれる重油燃料エンジンについても、全方位で製品競争力強化を図り、高品質製品の安定供給を実現してまいります。 ②UEエンジン世界シェアの更なる拡大ライセンスビジネスは、造船市場の発展が著しい中国を主軸に、グローバル展開を強化することで、UEエンジン世界シェアの更なる拡大を具体化してまいります。これにより、ライセンス関連事業(ロイヤリティー収入および部品供給ビジネス)を伸長させるとともに、急増する海外ライセンシー製エンジンのアフターサービスについても、新たな市場として取り込みを進めることで、アフターサービス事業も伸長させてまいります。 ③企業価値の持続的な向上当社は、「新しい成長ステージ」に突入することで「収益力」も向上しております。厚みを増してきた経営資源をもとに、中長期での事業伸長を見据えた成長投資を間断なく実行するとともに、資本コストや株価を意識した経営の実現、サステナビリティ経営の深化、人的資本への投資の拡充なども推進し、当社企業価値を持続的に向上させてまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営指標としては、「経常利益」を重視し、安定した収益体質の確立を目指してまいります。 (4)経営環境当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調で推移しましたが、インフレ圧力の継続が個人消費に及ぼす影響や、地政学的リスク緊迫化等もあり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。当社と関連性が高いわが国海運・造船業界は、海運業界では、米国の安全保障・通商政策等に起因するグローバルサプライチェーンの混乱や、トレードパターンの変化、更には中東情勢の影響などを背景に、不安定な市況が継続しました。一方、造船業界では、造船業の再生・強化を目的とした官民連携投資や、サプライチェーン強化等による船舶建造体制の強靭化および規模拡大に向けた各種政府支援策が公表される中、将来の海上荷動きの伸長や、環境対応船への代替需要などを見据えた発注が堅調に推移し、造船所は先行きまで豊富な受注量を確保しています。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題2027年3月期の通期業績につきましては、第2次中期事業計画で策定した打ち手を適時・適切に講じることで、売上高・利益ともに続伸させ、過去最高を4期連続で更新していく計画です。売上高は、32,700百万円で、前期比2,992百万円(10.1%)の増加、営業利益は、5,880百万円で、同421百万円(7.7%)の増加、経常利益は、6,890百万円で、同456百万円(7.1%)の増加、当期純利益は、5,010百万円で、同251百万円(5.3%)の増加を見込んでおります。売上高および損益の詳細は以下の通りです。 <売上高>舶用内燃機関では、新造船市場での旺盛な需要を背景に、最新鋭省エネ主機関であるLSHシリーズを中心に、豊富な受注残高を抱えており、操業を引き続き高位に保ちながら同型主機関を連続で生産していく計画です。水素燃料エンジン初号機の検証運転は、前期から継続して実施しますが、2027年3月期中に完了させ、造船所へ納入を予定しております。なお、これにより、操業負荷調整は順次解消し、生産台数は回復に転じる見通しです。これらの結果、売上高は前期比で増加となる見通しです。 修理・部品等のうち、アフターサービスでは、船舶の高稼働運航の継続で、引き続き堅調な推移を見込んでおります。こうした中で、これまで市場への浸透を進めてきた電子制御エンジンについて、販売台数が増加する中、稼働年数も積み上がることで、アフターサービス需要の高まりが見込まれております。このため、電子制御エンジンを含め、個船ごとに、交換推奨部品の提案営業を強化することで、燃焼室関連や電子制御部品を中心とする活発なメンテナンス需要をしっかりと取り込んでまいります。また、海外ライセンシー製主機関についても、中国・上海に設立した現地法人(J-ENG上海)と連携することで、アフターサービス需要をしっかりと取り込んでまいります。ライセンス関連では、海外ライセンシーの大躍進が継続し、当社UEエンジンの受注・製造・販売の好循環サイクルが拡大する見通しです。そして、中国における当社リーディングライセンシーが前期に建設を完了した新工場については、生産台数が漸増しており、2027年3月期は、通期で、ライセンス関連事業の伸長に寄与する見通しです。これらの状況を踏まえ、修理・部品等の売上高は前期比で更なる増収を見込んでおります。 <損益>当社は、中長期での事業成長を見据え、引き続き、先行投資として、研究開発投資を高水準で継続していく計画です。こうした中でも、収益性に優れる修理・部品等の事業を伸長させることで、2027年3月期の利益については、全ての利益段階で、前期比増益を達成する計画です。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当事業年度の売上高は、29,707百万円となり、前期比844百万円(2.9%)の増収となりました。このうち舶用内燃機関は、14,170百万円で、前期比2,610百万円(△15.6%)の減収となりました。舶用内燃機関では、最新鋭省エネ主機関であるLSHシリーズを中心に、豊富な受注残高を確保しており、同型主機関を連続生産することで、操業を高位に保ちつつ、効率的な生産を継続しております。こうした中で、当社は、持続的な成長と飛躍を実現するため、次世代脱炭素燃料エンジンを世界に先駆けて開発・製造しており、工場生産ラインの一部を、これらエンジンの製造・実証運転に戦略的に割り当てております。当事業年度の上半期には、アンモニア燃料エンジン初号機を世界に先駆けて成功裏に完成させ、客先要求納期通り、2025年10月に納入を完了しました。そして、下半期には、水素燃料エンジン初号機の製造を進め、2026年3月から、水素燃料を使用した検証運転を開始しております。当事業年度は、これらにより生じた操業負荷調整と、客先要求納期に応じた売上計上期のばらつきの影響などもあり、売上高は前期比で減収となっております。 修理・部品等は、15,536百万円となり、前期比3,454百万円(28.6%)の増収となりました。アフターサービスでは、船舶の高稼働運航の継続で、電子制御部品や燃焼室関連部品などを中心としたメンテナンス需要が旺盛となり、売上高は前期比で伸長しました。また、ライセンス関連では、海外ライセンシーが大躍進しており、当社UEエンジンの受注・製造・販売の好循環サイクルが拡大したことで、部品供給・ロイヤリティー収入ともに、売上高が前期比で伸長しました。 損益面では、舶用内燃機関では、前期比で減収となりましたが、収益性に優れている修理・部品等が増収となることで、アンモニア・水素燃料エンジンの開発・製造に伴う先行投資の研究開発費が増加する中でも、その影響を吸収し、各利益段階で、前期比で増益を確保しました。なお、アンモニア・水素燃料エンジンの開発・製造は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業」によるご支援を受けていることから、研究開発の進捗に応じて交付金を受け取っており、経常利益に反映しております。これらの結果、営業利益は5,458百万円となり、前期比367百万円(7.2%)の増益、経常利益は6,433百万円となり、前期比1,011百万円(18.7%)の増益、当期純利益は4,758百万円となり、前期比432百万円(10.0%)の増益となりました。 流動資産は、前事業年度末に比べ6.2%減少し、21,376百万円となりました。これは主として売掛金が786百万円増加、現金及び預金が1,978百万円減少したことなどによるものであります。固定資産は、前事業年度末に比べ4.0%増加し、10,580百万円となりました。これは主として機械及び装置が983百万円減少、建設仮勘定が739百万円、投資有価証券が732百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。この結果、総資産は、前事業年度末に比べ3.0%減少し、31,957百万円となりました。 流動負債は、前事業年度末に比べ29.2%減少し、10,655百万円となりました。これは主として電子記録債務が2,471百万円、未払金が1,213百万円、その他の流動負債が1,192百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。固定負債は、前事業年度末に比べ27.6%減少し、2,912百万円となりました。これは主として長期借入金が1,222百万円減少したことなどによるものであります。この結果、負債合計は、前事業年度末に比べ28.9%減少し、13,567百万円となりました。 純資産合計は、前事業年度末に比べ32.5%増加し、18,389百万円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ1,978百万円減少し、5,433百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)税引前当期純利益6,419百万円、仕入債務の減少による支出2,413百万円などがあり、営業活動によるキャッシュ・フローは2,551百万円の収入(前年同期は6,750百万円の収入)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)有形固定資産の取得による支出2,802百万円などがあり、投資活動によるキャッシュ・フローは3,113百万円の支出(前年同期は4,702百万円の支出)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)長期借入金の返済による支出922百万円、配当金の支払額635百万円などがあり、財務活動によるキャッシュ・フローは1,416百万円の支出(前年同期は1,082百万円の収入)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績当社の事業は、舶用内燃機関及びこれらの付随業務の単一セグメントであるため、「生産、受注及び販売の実績」については、事業区分別に記載しております。 a.生産実績当事業年度における生産実績を事業区分別に示すと、次のとおりであります。 事業区分生産高(千円)前期比(%)舶用内燃機関14,324,08293.8修理・部品等15,536,724128.6合計29,860,806109.2(注)金額は、販売価格によっております。 b.受注実績当事業年度における受注実績を事業区分別に示すと、次のとおりであります。 事業区分受注高受注残高金額(千円)前期比(%)金額(千円)前期比(%)舶用内燃機関19,334,382124.726,659,400124.0修理・部品等17,469,899123.27,794,633133.0合計36,804,281124.034,454,033125.9 c.販売実績当事業年度における販売実績を事業区分別に示すと、次のとおりであります。 事業区分販売高(千円)前期比(%)舶用内燃機関14,170,38484.4修理・部品等15,536,724128.6合計29,707,108102.9 (注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前事業年度(自 2024年4月 1日至 2025年3月31日)当事業年度(自 2025年4月 1日至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)Guangzhou Diesel Engine Factory Co., Ltd.2,896,40610.04,294,41614.5㈱大島造船所3,193,20011.14,145,55514.0㈱名村造船所8,321,15028.8-- (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社は、「開発から、設計、製造、販売、アフターサービスまでの一貫体制」を有するグローバルライセンサーとしてのメリットを活かしつつ、外部環境の変化に柔軟に対応しながら、サステナビリティ経営を深化させ、持続的な成長と企業価値の向上に努めております。当社は、中期事業計画のもと、主機関、アフターサービス、ライセンス、部品供給の全ての事業領域で、適時・的確に打ち手を講じて売上高・利益を伸長させ、「新たな成長ステージ」に突入しております。また、GHG(温室効果ガス)排出量削減の取り組みを進める顧客や業界、社会の要請に応えるべく、ファーストムーバーとして世界に先駆けて、次世代アンモニア・水素燃料エンジンの開発、製造、社会実装に取り組むことで、新たな価値創出を進め、社会課題の解決と事業成長を両立させております。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社の資本の財源及び資金の流動性について、運転資金の需要は、舶用内燃機関およびアフターサービス用の部品の購入、製造・販売・一般管理の諸経費、人件費などであり、長期性の資金の需要は、生産設備の取得などであります。必要資金は、自己資金及び金融機関からの調達などで確保しており、加えて、資金の効率性・安定性を盤石とするべく、取引銀行との間でコミットメントライン契約も締結していることから、資金については、十分に流動性を有していると考えております。なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は3,962百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高5,433百万円となっております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
事業リスク
- 受注環境の変動リスク世界経済の動向、船舶の供給と需要のバランス、海運市場の状況によって、新しい船の建造需要や既存船のアフターサービス需要が大きく変動する可能性があります。これにより、ジャパンエンジンコーポレーションの製品受注や販売実績が影響を受け、最終的に会社の業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。
- 特定供給元への依存主力製品である主機関の多くの部品は外部から調達されており、特に主要な部品の一部は特定の供給元に大きく依存しています。もしこれらの供給元の状況が悪化したり、供給が不安定になったりした場合、部品の調達が滞り、製品の生産に支障をきたすことで、会社の業績に悪影響を与える可能性があります。
- 原材料価格の変動製品の製造原価に占める原材料費や購入部品費の割合が高いため、鉄鋼やその他の金属、電子部品などの価格が高騰すると、製造コストが大幅に増加する可能性があります。同社は調達コストの低減に努めていますが、将来的な価格高騰が販売価格に転嫁できない場合、会社の利益率や財務状況に悪影響を及ぼす恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)受注環境について今後の世界景気、船腹需給及び海運市況の動向等によっては、新造船需要や、アフターサービス需要の変動が予想され、当社の受注・販売ひいては経営成績が影響を受ける可能性があります。 (2)特定の取引先への依存について当社の主力製品である主機関の構成部品の多くは、社外調達に依存しており、主要な部品の一部には特定供給元に依存しているものがあります。これらについて、供給元の状況によっては調達が不安定になる可能性があります。 (3)原材料・購入部品等価格の変動について当社製品は、製造原価に占める原材料費・購入部品費の比率が高く、国内での廉価調達や海外を含めた新たな調達先開拓など、継続的に調達コストの低減に取り組んでおりますが、将来の原材料・購入部品等の価格高騰が今後の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (4)為替の変動について当社は、購入部品の一部を海外から調達しており、また、顧客との間で、米ドルやユーロ等の外貨建てにて取引を行うことがあります。為替予約等によりリスクをヘッジする場合もありますが、将来の為替の変動が今後の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (5)売掛債権回収リスクについて当社は取引先に対して売掛債権を有しております。金融情勢の変化や景気の動向等を勘案し、与信先の業況を常に把握し、不良債権や貸倒損失の発生を防ぐ対策をしておりますが、市場環境の急速な変化や突発的な取引先の信用不安等により、今後の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (6)工事量について当社の工場では、主力製品である主機関と並んで、他製品向けの部品の機械加工・組立工事も取り込むことで、工事量の確保・平準化に努めております。これらの工事量が、所期の計画値を大きく下回る場合、工事量不足による作業レート悪化等により、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。