6089

ウィルグループ(6089)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 人材ビジネスの展開
    ウィルグループは、人材派遣、業務請負、人材紹介の3つの主要な人材ビジネスを展開しています。企業が求める人材を一時的に派遣したり、特定の業務を丸ごと請け負ったり、正社員として紹介したりすることで収益を得ています。これにより、企業の多様な人材ニーズに応え、事業運営をサポートしています。
  • 特定の事業領域に特化
    国内では、家電量販店での販売支援、コールセンター運営、食品工場での製造、介護施設、建設業など、特定の専門分野に特化してサービスを提供しています。海外では、景気変動の影響を受けにくい政府・行政機関への人材派遣に強みを持っています。これにより、各分野の専門知識を深め、高品質なサービスを提供しています。
  • 多様な雇用形態に対応
    人材派遣では、派遣会社と雇用契約を結んだスタッフを企業に派遣し、業務の指揮命令は派遣先企業が行います。業務請負では、請負会社が業務を完遂することで対価を得ます。人材紹介では、企業の求人に対して適切な人材を紹介し、紹介料を受け取ります。これらの多様なサービス形態で、企業の様々な課題解決に貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 国内ワーキング事業
    国内における販売、コールセンター、工場、介護施設、建設技術者などのカテゴリーに特化した人材派遣、人材紹介、業務請負サービスを提供しています。特にセールスアウトソーシング、コールセンターアウトソーシング、ファクトリーアウトソーシングの3領域が主要な収益源であり、営業利益は32.51億円です。
  • 海外ワーキング事業
    主にシンガポール、オーストラリアを中心に、人材派遣や人材紹介などの人材サービスを展開しています。景気変動の影響を受けにくい政府や自治体への人材派遣に強みがあり、工業や金融など幅広い分野で事業を行っています。この事業の営業利益は14.32億円です。
FY2025 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
DomesticWorkingBusiness 事業 − 33 −
OverseasWorkingBusiness 事業 − 14 −
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,502 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社44社(国内12社、海外32社)で構成されており、人材派遣、業務請負、人材紹介、外国人雇用支援等の人材支援サービスを行っています。競争が激化する中で顧客から選ばれ続けるために、特定の事業領域に特化しそのカテゴリーにおけるサービス品質の強化を図っています。事業領域については、国内では、家電量販店等の販売現場、コールセンター、食品等の工場、介護施設、建設業等、海外ではオーストラリア、シンガポールを中心にサービスを展開しています。 主なビジネスモデルは以下の通りです。 (一般派遣(有期派遣)) 一般派遣とは、派遣スタッフ(有期派遣)を企業に派遣するビジネスモデルです。 派遣元企業は、人材派遣契約に基づき派遣先企業から派遣料金を受領し、有期雇用契約に基づき派遣スタッフへ給与を支払います。雇用関係と指揮命令関係が分かれていることが特徴です。 (正社員派遣(無期派遣)) 正社員派遣とは、派遣スタッフ(無期派遣)を企業に派遣するビジネスモデルです。 派遣元企業は、人材派遣契約に基づき派遣先企業から派遣料金を受領し、無期雇用契約に基づき派遣スタッフへ給与を支払います。雇用関係と指揮命令関係が分かれていること、派遣元企業と派遣スタッフの無期雇用契約であることが特徴です。 (業務請負) 業務請負とは、業務請負契約に基づき、企業から業務を一括で受託するビジネスモデルです。 請負企業が自社の責任と指揮命令のもとで委託企業の業務を遂行し、対価を受領します。委託企業からの指揮命令200を受けないことが特徴です。 (人材紹介) 人材紹介とは、職業安定法に基づく有料職業紹介事業として、転職希望者と企業の採用ニーズをマッチングするビジネスモデルです。企業の求人依頼を受け、要件に適した転職希望者を紹介し、人材紹介契約に基づき企業から紹介手数料を受領します。 (外国人雇用支援) 外国人雇用支援とは、外国人労働者を受け入れる企業の雇用支援と外国人労働者の生活支援を行うビジネスモデルです。企業との業務委託契約に基づき、委託費を受領します。 報告セグメント毎の事業内容は以下の通りです。 (1)国内Working事業 当事業では、国内における販売、コールセンター、製造、介護、建設等、カテゴリーに特化した人材派遣、業務請負、人材紹介、外国人雇用支援等の人材支援サービスを行っています。それぞれのカテゴリーにおける事業内容は以下の通りです。 ①セールスアウトソーシング領域 家電量販店及びアパレルショップ等における顧客の商品・サービスの拡大支援、大手IT関連企業の各種キャンペーンの企画・運営を中心に行っています。家電量販店等における販売支援では、スマートフォン等のモバイルデバイスが中心であり、接客、商品説明、申込み等の販売業務や販売スタッフのマネジメント、販売情報の収集・報告等の業務に従事するスタッフのチーム型派遣(ハイブリッド派遣)、人材派遣及び業務請負を行っています。また、販促イベントやキャンペーンのプロモーションも行っています。 ②コールセンターアウトソーシング領域 コールセンターを運営する企業やテレマーケティングサービスを展開する企業において、当該業務を通じた、顧客とエンドユーザー間との信頼関係を構築することを支援するサービスを提供しています。また、オフィス等への事務職等の人材派遣、人材紹介を行っています。コールセンターの中でも、通信会社、BPO(企業の業務プロセスの一部を継続的に外部の企業に委託すること)、金融機関向けを中心としており、情報提供、配送、アフターサービス、相談、苦情の受付、処理、解決等の業務に従事するスタッフのチーム型派遣(ハイブリッド派遣)、人材派遣を行っています。また、自社のコールセンターにおいて、顧客のテレマーケティング業務の請負等も行っています。 ③ファクトリーアウトソーシング領域 食品、電気機器、電子機器、輸送用機器、化学・薬品、金属等の製造業の生産過程において、技術や人材管理ノウハウを提供し、顧客の生産性の向上を実現するサービスを提供しています。製造業の中でも、比較的景気に左右されにくい食品製造業を中心としており、製造、検査、品質管理、仕分け、梱包等の業務に従事するスタッフのチーム型派遣(ハイブリッド派遣)、人材派遣及び業務請負を行っています。また、今後拡大が見込まれる外国人労働者の雇用支援サービスも行っています。 ④介護ビジネス支援領域 介護施設を運営する企業に対して、介護スタッフの人材派遣、人材紹介を行い、介護施設の安定運営を実現するサービスを提供するとともに、初任者研修や実務者研修などの資格取得支援サービス「WILLOFケアアカデミー」を運営し、スタッフのスキルアップ、キャリア支援を行っています。また、今後拡大が見込まれる外国人労働者の雇用支援サービスも行っています。 ⑤建設技術者領域 国内の建設業界、主に大手ゼネコン、サブコン企業に対して、施工管理技士の人材派遣、人材紹介を行い、建設業界における人手不足を解決するサービスを提供しています。人材派遣については、経験豊富な経験者の社員に加えて、新卒・未経験の技術社員を派遣しています。 ⑥その他 上記の他、システムエンジニアの人材派遣、人材紹介等を行っています。 (2)海外Working事業 当事業では、主にオーストラリア、シンガポールを中心に、人材派遣、人材紹介などの人材サービスを行っています。人材派遣については、比較的景気に左右されにくい政府、自治体等が主な派遣先です。人材紹介については、工業、金融等幅広い分野で事業を展開しています。 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 [事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図によって示すと以下の通りです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
法改正によるコスト上昇を請求単価に反映させる交渉が必要なため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
労働者派遣事業は派遣法、人材紹介事業は職業安定法に基づき厚生労働大臣の許可が必要。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:特定事業への依存 / 事業の許認可 / 人材の確保
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ウィルグループは特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPを保有しているという公開情報は見当たらない。事業内容は人材派遣や採用支援が中心であり、これらの領域で顕著な無形資産を持つ競合他社との差別化要因は不明確である。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

人材派遣サービスにおいては、派遣先企業が特定の派遣会社との契約を解除し、別の会社に切り替える際には、新たな業者選定や契約手続きの手間が発生する。しかし、派遣会社側も複数の顧客を持つため、特定の顧客を失った場合の損失は限定的であり、顧客側のスイッチングコストも相対的に低いと考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ウィルグループの事業モデルは、人材派遣や採用支援であり、プラットフォーム型ビジネスのようなネットワーク効果が働く要素は見られない。ユーザー(求職者や企業)が増加することでサービスの価値が指数関数的に高まる構造ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

人材派遣業界は一般的に労働集約型であり、ウィルグループが構造的に他社よりも大幅に低いコストでサービスを提供できるような、規模の経済や独自の効率化によるコスト優位性は明確ではない。人件費や採用コストが収益に大きく影響する。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

ウィルグループは一定規模の事業を展開しているが、人材派遣・採用支援業界全体で見ると、多数のプレイヤーが存在する競争環境にある。業界規模に対して最適化された少数寡占状態とは言えず、規模の経済による明確な優位性は限定的である。

  • 専門分野特化による品質
    ウィルグループは、国内の家電量販店、コールセンター、食品工場、介護施設、建設業など、特定の事業領域に特化することで、その分野における深い専門知識とノウハウを蓄積しています。これにより、顧客企業は高品質な人材サービスを受けられ、競合他社との差別化につながっています。
  • 景気変動に強い事業構成
    海外事業では政府・行政機関への人材派遣を主軸とし、国内事業では食品製造業や介護施設、建設業といった比較的景気変動の影響を受けにくい領域に注力しています。これにより、経済状況の変化に左右されにくい安定した収益基盤を構築し、事業の持続可能性を高めています。
  • 資格取得支援とキャリア支援
    介護ビジネス支援領域では、「WILLOFケアアカデミー」を運営し、介護スタッフの資格取得支援やスキルアップ、キャリア形成をサポートしています。これにより、スタッフの定着率向上と質の高い人材の育成を図り、顧客企業への安定した人材供給を可能にしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは「個と組織をポジティブに変革するチェンジエージェント・グループ」をミッションとして掲げ、ビジョンとして、「Working(働く)」「Interesting(遊ぶ)」「Learning(学ぶ)」「Living(暮らす)」の各事業領域において、期待価値の高いブランディングカンパニーを創出し、各領域においてNo.1の存在になる「WILLビジョン」を掲げています。競争が激化する中で顧客から選ばれ続けるために、特定の事業領域に特化し、そのカテゴリーにおけるサービス品質の強化を図っています。事業領域については、国内では、家電量販店等の販売現場、コールセンター、食品等の工場、介護施設、建設業等、海外ではオーストラリア、シンガポールを中心にサービスを展開しています。 人材サービス市場における、今後の見通しについては、国内及び世界経済は緩やかに成長していく一方で、中東情勢を中心とした地政学リスクを背景に、原油価格の高止まりなど経済への影響は先行き不透明な状況が続いています。国内においては好調な企業業績を背景とした堅調な人材需要に対して、採用環境が厳しさを増しています。また、当社グループが海外で主に事業展開を行っているオーストラリア、シンガポールにおいては、人口・経済は緩やかに拡大基調であり、今後も安定的に推移する見通しである一方、インフレや金利上昇、中東情勢を背景とした景況感の悪化が懸念されており、引き続き注視していく必要があります。 また、当社グループの持続的な成長の実現にむけて、2026年5月14日に中期経営計画(WILL-being 2029)を新たに策定しました。 (2)目標とする経営指標 当社グループの重視する経営指標は、営業利益です。 (3)中長期的な会社の経営戦略 当社グループの中長期的な成長の実現に向けては、利益構造改革が重要となります。 そのため、中期経営計画(WILL-being 2029)においては、前中期経営計画で得られた成果(「建設技術者領域の黒字化」「正社員派遣/請負、外国人雇用支援への投資有効性の確認」「人材紹介オペレーションの獲得」「海外Working事業の生産性改善」)を基盤に、収益構造改革を進め、さらなる利益成長を図ります。 連結営業利益※は、達成可能性を重視し、2029年3月期に47億円を目標とします。そして、既存事業のさらなる成長に加え、新規事業やM&A等による上振れとして2025年11月に発行した、有償ストック・オプションの行使条件である55億円を目指します。また、資本効率においては、中長期的にROE15%以上に向けて、収益構造改革と資本効率改善を推進します。 ※一過性の損益を除いたノーマライズド連結営業利益 ■戦略テーマ 国内Working事業:正社員・外国人HRビジネスの拡大 海外Working事業:生産性を重視した収益力の強化 ■経営目標 2029年3月期 連結営業利益 47億円(2026年3月期を起点としたCAGR +16.1%) 国内Working事業においては、「正社員・外国人HRビジネスの拡大」を戦略テーマとします。前中期経営計画で投資有効性が確認できた正社員派遣/請負及び外国人雇用支援、新たな成長オプションとして獲得した人材紹介を一層強化し、AI代替可能性の低いエッセンシャル領域※を主戦場とすることで、再現性の高い利益成長を目指します。加えて、これまで一般派遣で培った採用・配置・定着のノウハウを活用し、より高い収益性と成長性が見込める領域へシフトすることで、グループ全体の収益構造改革を推進します。 ※社会生活を維持するために必要不可欠、かつ AI 代替・自動化されにくい領域。一般的にエッセンシャルワーカーと呼ばれる領域を含む。 海外Working事業においては、「生産性を重視した収益力の強化」を戦略テーマとします。既存の顧客基盤と専門性を活かしながら生産性向上を推進し、安定的な収益基盤の確立を図ります。加えて、為替や政策変動のリスクを踏まえた収益管理を徹底するとともに、市場性と収益性を見極めながら、事業展開国の拡大や新領域参入を検討し、中長期の成長機会を探索します。市場環境の変化に左右されにくい収益力を強化することで、ポストコロナの急激な人材需要拡大前の安定的な利益水準への回帰を目指します。 (4)会社の対処すべき課題 現状及び今後の経営環境を踏まえ、以下、当社グループが中長期観点から対処すべき課題を記載します。 ①国内Working事業「正社員・外国人HRビジネスの拡大」 当社グループの持続的な成長及び企業価値向上を実現するためには、国内Working事業において、一般派遣を中心とした従来の事業構造から、より収益性の高いビジネスモデルへ転換していくことが重要となります。そのため、労働需給ギャップが大きく、AIやロボットによる代替可能性が低いエッセンシャル領域を主戦場とし、正社員・外国人HRビジネスの拡大に向けて、以下3点に取り組みます。 (ⅰ)正社員派遣/請負 建設、製造、介護等、労働需給ギャップが大きく、定着・教育まで含めた支援ニーズが高いエッセンシャル領域を中心に、正社員派遣/請負の拡大に取り組みます。一般派遣で培った採用、配置、定着のノウハウや、当社グループの顧客基盤、全国拠点網を活用し、事業を拡大していきます。 (ⅱ)外国人雇用支援 製造、介護、宿泊、外食等、国内人材だけでは充足しにくい領域が増加する中、適切な受入プロセスを前提とした外国人雇用支援の重要性が高まっています。当社グループは、業界トップクラスの支援実績と、採用から定着まで一貫して支援できる体制を活かし、コンプライアンスを重視した外国人雇用支援を拡大していきます。 (ⅲ)人材紹介 介護、看護、建設等のエッセンシャル領域を中心に、自社採用だけでは充足しにくい専門人材・正社員採用ニーズが高まっています。当社グループは、既存事業で培った顧客基盤に加え、M&Aにより獲得した人材紹介オペレーションを活用し、人材紹介を新たな成長領域として拡大していきます。 前中期経営計画において投資有効性を確認した正社員派遣/請負及び外国人雇用支援を継続して拡大するとともに、M&Aにより獲得した人材紹介のオペレーションを活用し、国内Working事業の収益構造改革の再現性を高めていきます。 ②海外Working事業「生産性を重視した収益力の強化」 海外Working事業においては、オーストラリア、シンガポールともにポストコロナ以降の環境変化とインフレの影響を受け、市況は依然として楽観視できない状況が継続しており、各国の政府方針、景気動向、求人需要の変動に加え、為替変動が当社グループの業績に与える影響にも注視する必要があります。 このような環境下においても、海外Working事業が安定的に利益を創出できる収益基盤を構築するため、オーストラリア、シンガポールを中心に、強みのある領域での人材派遣・人材紹介を軸として、生産性向上を重視した収益力の強化に取り組みます。オーストラリアでは、既存顧客の深耕及び高付加価値領域での需要獲得を通じ、収益力の向上を図ります。シンガポールでは、行政機関等を中心とした既存顧客基盤を活かし、安定した需要の獲得を進めます。 各国における市場環境の変化を適切に見極めながら、コストコントロール、営業生産性の向上、ガバナンスの強化を継続します。市場回復に過度に依存することなく、収益性を重視した事業運営を徹底することで、為替変動等の外部環境リスクを踏まえても、安定的に利益を創出できる海外Working事業の確立に取り組んでいきます。 ③人材の確保と育成 人材の確保は当社グループの成長の礎であり、競争上の優位性、持続的な成長を実現するためには、スタッフの採用と育成と定着が重要な課題です。 2019年10月に国内主要子会社のサービスブランドを「WILLOF(ウィルオブ)」に統一し、採用力強化を目的としたブランドプロモーションを実施しています。2026年3月期には6月と10月に当社の最大商圏である関東エリアを含む18都府県でテレビCMを実施したことに加え、ウェブCM、SNS等を利用したプロモーション戦略を継続的に展開しました。プロモーション実施前の2023年3月期と比較して、認知率、指名検索数、利用意向度ともに大幅に増加しています。 育成、定着においては、就業先での必要なスキルやマインドを取り込んだ就業前、就業期間中における研修を更に充実させ、就業しているスタッフに対する定期的なフォローアップを行っていくとともに、資格奨励金や給与評価制度の見直し等により定着率を高めていきます。 ④サステナビリティの強化 当社グループは、サステナビリティ方針に基づき、社会と企業の持続可能な発展に貢献できるよう以下の取り組みを行っています。 (ⅰ)環境への取組み 当社グループは、気候変動に関する環境方針を定め、脱炭素社会実現に貢献する取り組みを進めています。また、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の最終提言に賛同し、気候変動による事業へのリスクと機会をTCFDの枠組みに基づいて情報開示を行っています。 (ⅱ)社会への取組み 当社グループが持続的な成長を遂げていくためには、画一的な視点にとらわれず、多様な人材の活躍が必要不可欠であると考えています。性別・年齢・国籍・障がいなどにとらわれず、社員一人ひとりが自律したキャリアを形成できるよう支援しています。また、技術革新により、求められる人材・職種が大きく変化し、今以上に需給ギャップが生じる見込みです。そのため、働く人をエキスパートにするキャリアの“最大化”と“最適化”に取り組んでいきます。 (ⅲ)ガバナンスへの取組み 過半数が独立社外役員で構成される任意の諮問委員会である指名委員会及び報酬委員会の設置、取締役会の実効性評価を外部の助言を得ながら継続的に実施する等、コーポレート・ガバナンスの強化に努めています。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは「個と組織をポジティブに変革するチェンジエージェント・グループ」をミッションとして掲げ、ビジョンとして、「Working(働く)」「Interesting(遊ぶ)」「Learning(学ぶ)」「Living(暮らす)」の各事業領域において、期待価値の高いブランディングカンパニーを創出し、各領域においてNo.1の存在になる「WILLビジョン」を掲げています。競争が激化する中で顧客から選ばれ続けるために、特定の事業領域に特化し、そのカテゴリーにおけるサービス品質の強化を図っています。事業領域については、国内では、家電量販店等の販売現場、コールセンター、食品等の工場、介護施設、建設業等、海外ではオーストラリア、シンガポールを中心にサービスを展開しています。 人材サービス市場における、今後の見通しについては、国内及び世界経済は緩やかに成長していく一方で、中東情勢を中心とした地政学リスクを背景に、原油価格の高止まりなど経済への影響は先行き不透明な状況が続いています。国内においては好調な企業業績を背景とした堅調な人材需要に対して、採用環境が厳しさを増しています。また、当社グループが海外で主に事業展開を行っているオーストラリア、シンガポールにおいては、人口・経済は緩やかに拡大基調であり、今後も安定的に推移する見通しである一方、インフレや金利上昇、中東情勢を背景とした景況感の悪化が懸念されており、引き続き注視していく必要があります。 また、当社グループの持続的な成長の実現にむけて、2026年5月14日に中期経営計画(WILL-being 2029)を新たに策定しました。 (2)目標とする経営指標 当社グループの重視する経営指標は、営業利益です。 (3)中長期的な会社の経営戦略 当社グループの中長期的な成長の実現に向けては、利益構造改革が重要となります。 そのため、中期経営計画(WILL-being 2029)においては、前中期経営計画で得られた成果(「建設技術者領域の黒字化」「正社員派遣/請負、外国人雇用支援への投資有効性の確認」「人材紹介オペレーションの獲得」「海外Working事業の生産性改善」)を基盤に、収益構造改革を進め、さらなる利益成長を図ります。 連結営業利益※は、達成可能性を重視し、2029年3月期に47億円を目標とします。そして、既存事業のさらなる成長に加え、新規事業やM&A等による上振れとして2025年11月に発行した、有償ストック・オプションの行使条件である55億円を目指します。また、資本効率においては、中長期的にROE15%以上に向けて、収益構造改革と資本効率改善を推進します。 ※一過性の損益を除いたノーマライズド連結営業利益 ■戦略テーマ 国内Working事業:正社員・外国人HRビジネスの拡大 海外Working事業:生産性を重視した収益力の強化 ■経営目標 2029年3月期 連結営業利益 47億円(2026年3月期を起点としたCAGR +16.1%) 国内Working事業においては、「正社員・外国人HRビジネスの拡大」を戦略テーマとします。前中期経営計画で投資有効性が確認できた正社員派遣/請負及び外国人雇用支援、新たな成長オプションとして獲得した人材紹介を一層強化し、AI代替可能性の低いエッセンシャル領域※を主戦場とすることで、再現性の高い利益成長を目指します。加えて、これまで一般派遣で培った採用・配置・定着のノウハウを活用し、より高い収益性と成長性が見込める領域へシフトすることで、グループ全体の収益構造改革を推進します。 ※社会生活を維持するために必要不可欠、かつ AI 代替・自動化されにくい領域。一般的にエッセンシャルワーカーと呼ばれる領域を含む。 海外Working事業においては、「生産性を重視した収益力の強化」を戦略テーマとします。既存の顧客基盤と専門性を活かしながら生産性向上を推進し、安定的な収益基盤の確立を図ります。加えて、為替や政策変動のリスクを踏まえた収益管理を徹底するとともに、市場性と収益性を見極めながら、事業展開国の拡大や新領域参入を検討し、中長期の成長機会を探索します。市場環境の変化に左右されにくい収益力を強化することで、ポストコロナの急激な人材需要拡大前の安定的な利益水準への回帰を目指します。 (4)会社の対処すべき課題 現状及び今後の経営環境を踏まえ、以下、当社グループが中長期観点から対処すべき課題を記載します。 ①国内Working事業「正社員・外国人HRビジネスの拡大」 当社グループの持続的な成長及び企業価値向上を実現するためには、国内Working事業において、一般派遣を中心とした従来の事業構造から、より収益性の高いビジネスモデルへ転換していくことが重要となります。そのため、労働需給ギャップが大きく、AIやロボットによる代替可能性が低いエッセンシャル領域を主戦場とし、正社員・外国人HRビジネスの拡大に向けて、以下3点に取り組みます。 (ⅰ)正社員派遣/請負 建設、製造、介護等、労働需給ギャップが大きく、定着・教育まで含めた支援ニーズが高いエッセンシャル領域を中心に、正社員派遣/請負の拡大に取り組みます。一般派遣で培った採用、配置、定着のノウハウや、当社グループの顧客基盤、全国拠点網を活用し、事業を拡大していきます。 (ⅱ)外国人雇用支援 製造、介護、宿泊、外食等、国内人材だけでは充足しにくい領域が増加する中、適切な受入プロセスを前提とした外国人雇用支援の重要性が高まっています。当社グループは、業界トップクラスの支援実績と、採用から定着まで一貫して支援できる体制を活かし、コンプライアンスを重視した外国人雇用支援を拡大していきます。 (ⅲ)人材紹介 介護、看護、建設等のエッセンシャル領域を中心に、自社採用だけでは充足しにくい専門人材・正社員採用ニーズが高まっています。当社グループは、既存事業で培った顧客基盤に加え、M&Aにより獲得した人材紹介オペレーションを活用し、人材紹介を新たな成長領域として拡大していきます。 前中期経営計画において投資有効性を確認した正社員派遣/請負及び外国人雇用支援を継続して拡大するとともに、M&Aにより獲得した人材紹介のオペレーションを活用し、国内Working事業の収益構造改革の再現性を高めていきます。 ②海外Working事業「生産性を重視した収益力の強化」 海外Working事業においては、オーストラリア、シンガポールともにポストコロナ以降の環境変化とインフレの影響を受け、市況は依然として楽観視できない状況が継続しており、各国の政府方針、景気動向、求人需要の変動に加え、為替変動が当社グループの業績に与える影響にも注視する必要があります。 このような環境下においても、海外Working事業が安定的に利益を創出できる収益基盤を構築するため、オーストラリア、シンガポールを中心に、強みのある領域での人材派遣・人材紹介を軸として、生産性向上を重視した収益力の強化に取り組みます。オーストラリアでは、既存顧客の深耕及び高付加価値領域での需要獲得を通じ、収益力の向上を図ります。シンガポールでは、行政機関等を中心とした既存顧客基盤を活かし、安定した需要の獲得を進めます。 各国における市場環境の変化を適切に見極めながら、コストコントロール、営業生産性の向上、ガバナンスの強化を継続します。市場回復に過度に依存することなく、収益性を重視した事業運営を徹底することで、為替変動等の外部環境リスクを踏まえても、安定的に利益を創出できる海外Working事業の確立に取り組んでいきます。 ③人材の確保と育成 人材の確保は当社グループの成長の礎であり、競争上の優位性、持続的な成長を実現するためには、スタッフの採用と育成と定着が重要な課題です。 2019年10月に国内主要子会社のサービスブランドを「WILLOF(ウィルオブ)」に統一し、採用力強化を目的としたブランドプロモーションを実施しています。2026年3月期には6月と10月に当社の最大商圏である関東エリアを含む18都府県でテレビCMを実施したことに加え、ウェブCM、SNS等を利用したプロモーション戦略を継続的に展開しました。プロモーション実施前の2023年3月期と比較して、認知率、指名検索数、利用意向度ともに大幅に増加しています。 育成、定着においては、就業先での必要なスキルやマインドを取り込んだ就業前、就業期間中における研修を更に充実させ、就業しているスタッフに対する定期的なフォローアップを行っていくとともに、資格奨励金や給与評価制度の見直し等により定着率を高めていきます。 ④サステナビリティの強化 当社グループは、サステナビリティ方針に基づき、社会と企業の持続可能な発展に貢献できるよう以下の取り組みを行っています。 (ⅰ)環境への取組み 当社グループは、気候変動に関する環境方針を定め、脱炭素社会実現に貢献する取り組みを進めています。また、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の最終提言に賛同し、気候変動による事業へのリスクと機会をTCFDの枠組みに基づいて情報開示を行っています。 (ⅱ)社会への取組み 当社グループが持続的な成長を遂げていくためには、画一的な視点にとらわれず、多様な人材の活躍が必要不可欠であると考えています。性別・年齢・国籍・障がいなどにとらわれず、社員一人ひとりが自律したキャリアを形成できるよう支援しています。また、技術革新により、求められる人材・職種が大きく変化し、今以上に需給ギャップが生じる見込みです。そのため、働く人をエキスパートにするキャリアの“最大化”と“最適化”に取り組んでいきます。 (ⅲ)ガバナンスへの取組み 過半数が独立社外役員で構成される任意の諮問委員会である指名委員会及び報酬委員会の設置、取締役会の実効性評価を外部の助言を得ながら継続的に実施する等、コーポレート・ガバナンスの強化に努めています。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(業績等の概要) 当連結会計年度における世界経済は、米国の政策動向に加え、金融資本市場の変動や中東情勢の緊迫化により依然として先行き不透明な状況が続いており、これらの影響を引き続き注視していく必要があります。 日本経済は、雇用情勢の改善や賃上げ、企業の設備投資意欲が継続するなど景気に前向きな動きはありましたが、物価上昇による個人消費の陰り等が影響し、緩やかな回復にとどまりました。また、為替変動や原油価格の高騰などの動向に注視する必要があります。 このような状況の下、当社グループは、2026年3月期を最終年度とした中期経営計画(WILL-being 2026)の基本方針である国内Working事業の再成長に向け、建設技術者領域の拡大、正社員派遣、外国人雇用支援の拡大等に取り組みました。 国内においては、建設技術者領域の安定した売上成長と黒字化が大きく業績に寄与した他、正社員派遣及び外国人雇用支援を積極的に展開しているセールスアウトソーシング領域やファクトリーアウトソーシング領域等が堅調に推移しました。また国内における採用力強化を目的に、「WILLOF(ウィルオブ)」のブランドプロモーションとして、当社の最大商圏である関東エリアを含む18都府県でテレビCMを実施したことに加え、ウェブCM、SNS等を利用したプロモーション戦略を継続的に展開しました。 海外においては、ポストコロナ以降の環境変化とインフレの影響を受け、市況は依然として楽観視できないものの、利益体質の強化に向けたコストコントロールを実施し、生産性改善により収益回復を実現しました。なお、為替レートが前年同期比で円安に推移したことにより、売上収益で約582百万円、セグメント利益で約30百万円のプラス影響となりました。 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上収益146,856百万円(前連結会計年度比5.1%増)、営業利益3,279百万円(同40.2%増)、税引前利益3,139百万円(同44.2%増)、当期利益2,202百万円(同92.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益2,314百万円(同100.3%増)、及びEBITDA(営業利益+減価償却費及び償却費+減損損失)は5,632百万円(同15.0%増)となりました。 セグメント別の業績は、以下の通りです。 (1)国内Working事業 国内におけるセールスアウトソーシング領域、コールセンターアウトソーシング領域、ファクトリーアウトソーシング領域、介護ビジネス支援領域、建設技術者領域等カテゴリーに特化した人材派遣、業務請負、人材紹介、外国人雇用支援を行う国内Working事業については、建設技術者領域、セールスアウトソーシング領域及びファクトリーアウトソーシング領域の堅調な推移に加え、株式会社HR CAREERの新規連結による人材紹介売上の増加等により、増収となりました。 利益面においては、建設技術者領域が利益成長フェーズに入ったことや、複数領域での正社員派遣、外国人雇用支援への注力による粗利の拡大を背景に増益となりました。また、重要業績評価指標のうち、特に「正社員派遣稼働人数」及び「外国人雇用支援人数」が順調に推移したことにより粗利が拡大したこと、建設技術者領域の継続的な単価交渉による単価上昇の結果、増益となりました。 以上の結果、国内Working事業は、外部収益88,262百万円(前年同期比6.2%増)、セグメント利益3,579百万円(同10.1%増)となりました。 (2)海外Working事業 主にオーストラリア、シンガポールにおいて展開している海外Working事業については、依然マーケット環境は楽観視できないものの、人材派遣売上、人材紹介売上ともに現地通貨基準で前年同期を上回ったこと、プラスの為替影響(約582百万円)があったこと等により、増収となりました。 利益面においては、販管費の抑制と人材紹介売上増加による粗利の拡大に加え、前年同期に計上した減損損失(473百万円)のはく落影響等により大幅増益となりました。 以上の結果、海外Working事業は、外部収益58,501百万円(前年同期比3.6%増)、セグメント利益2,427百万円(同69.4%増)となりました。 (3)その他 その他については、前連結会計年度に外国人向けモバイル通信事業「ENPORT mobile」の事業譲渡を行ったことにより、外部収益92百万円(前年同期比41.2%減)、セグメント損失306百万円(前年同期は223百万円の損失)となりました。 (生産、受注及び販売の状況)(1)生産実績 当社グループの主たる事業は人材サービスの提供であり、その性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しています。 (2)受注状況 生産実績と同様の理由により、記載していません。 (3)販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下の通りです。 (単位:百万円) セグメントの名称 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 前年同期比(%)国内Working事業88,262106.2海外Working事業58,501103.6報告セグメント計146,763105.2その他9258.8 合計146,856105.1(注)セグメント間の取引については相殺消去しています。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容) 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日において当社グループが判断したものです。(1)重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下、「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定により、IFRS会計基準に準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎、3.重要性がある会計方針」に記載の通りです。 (2)財政状態の分析(資産) 当連結会計年度末における流動資産は29,944百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,393百万円増加しました。これは主に、営業債権及びその他の債権が2,168百万円、現金及び現金同等物が1,038百万円増加したこと等によるものです。 非流動資産は26,608百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,236百万円増加しました。これは主に、その他の金融資産が469百万円減少した一方、新規連結及び為替換算の影響によりのれんが1,690百万円、その他の無形資産が775百万円、使用権資産が505百万円それぞれ増加したこと等によるものです。 以上の結果、総資産は56,552百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,629百万円増加しました。 (負債) 当連結会計年度末における流動負債は28,208百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,000百万円増加しました。これは主に、借入金が647百万円減少した一方、営業債務及びその他の債務が3,144百万円、未払法人所得税が386百万円それぞれ増加したこと等によるものです。 非流動負債は8,175百万円となり、前連結会計年度末に比べ820百万円増加しました。これは主に、その他の金融負債が236百万円、その他の非流動負債が369百万円それぞれ増加したこと等によるものです。 以上の結果、負債合計は36,384百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,820百万円増加しました。 (資本) 当連結会計年度末における資本合計は20,168百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,808百万円増加しました。これは主に、その他の資本性金融商品が390百万円減少した一方、在外営業活動体の換算差額が1,956百万円、利益剰余金が1,316百万円それぞれ増加したこと等によるものです。 以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は35.8%(前連結会計年度末34.8%)となりました。 (3)キャッシュ・フローの分析(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、4,957百万円の収入(前連結会計年度は1,806百万円の収入)となりました。これは主に、営業債権の増加額1,258百万円、法人所得税の支払額594百万円等があった一方、税引前利益の計上3,139百万円、減価償却費及び償却費2,352百万円、営業債務の増加額1,254百万円等があったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、1,354百万円の支出(前連結会計年度は695百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入253百万円があった一方、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出815百万円、有形固定資産及び無形資産の取得による支出567百万円、投資活動その他による支出224百万円があったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、3,119百万円の支出(前連結会計年度は1,233百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入2,460百万円、政府補助金による収入329百万円等があった一方、長期借入金の返済による支出2,945百万円、リース負債の返済による支出1,340百万円、配当金の支払額1,016百万円、短期借入金の純減額619百万円等があったことによるものです。 (4)重要な経営指標の分析 当連結会計年度における実績及び主な要因は以下の通りです。(売上収益) 当連結会計年度の売上収益は、146,856百万円となり、前連結会計年度に比べ5.1%増加しました。 売上収益が増加した主な要因は、国内Working事業において建設技術者領域が順調に拡大したこと、株式会社HR CAREERの新規連結効果が寄与したことに加え、海外Working事業において人材派遣売上が堅調に推移したこと、為替レートが前連結会計年度比で円安に推移したことによるものです。 (売上総利益) 当連結会計年度の売上総利益は、32,392百万円となり、前連結会計年度に比べ10.2%増加しました。 売上総利益が増加した主な要因は、国内Working事業においてポートフォリオの入替が奏功し、収益性の高い正社員派遣及び外国人雇用支援が拡大したことに加え、海外Working事業において人材紹介売上が増加したことによるものです。 その結果、売上総利益率は22.1%となり、前連結会計年度より1.1ポイント上昇しました。 (販売費及び一般管理費) 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、29,510百万円となり、前連結会計年度に比べ8.2%増加しました。 販管費比率は20.1%となり、前連結会計年度より0.6ポイント上昇しました。 販売費及び一般管理費が増加した主な要因は、正社員派遣、外国人雇用支援の拡大に向けて、採用費、営業人員、コンサルタント人員等が増加したことに加え、国内における採用力強化を目的として、「WILLOF(ウィルオブ)」のブランドプロモーションを実施したことによるものです。 (営業利益) 当連結会計年度の営業利益は、3,279百万円となり、前連結会計年度に比べ40.2%増加しました。 営業利益が増加した主な要因は、国内Working事業における事業ポートフォリオの入替が奏功したことによる売上総利益の拡大、海外Working事業における販管費の抑制及び人材紹介売上の増加による売上総利益の拡大に加え、前連結会計年度に計上したオーストラリアの子会社における減損損失がはく落したことによるものです。 その結果、営業利益率は2.2%となり、前連結会計年度より0.5ポイント上昇しました。 (EBITDA) 当連結会計年度のEBITDAは、5,632百万円となり、前連結会計年度に比べ15.0%増加しました。 EBITDAが増加した主な要因は、営業利益が増加したことによるものです。 (親会社の所有者に帰属する当期利益) 当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益の増加により、前連結会計年度に比べ1,158百万円増加の2,314百万円となりました。 (総還元性向) 当連結会計年度の総還元性向は、43.9%となりました。詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。 (5)経営成績に重要な影響を与える要因について 当社の事業には、景気の変動等による人材ビジネス市場規模への影響や競合他社の状況、法的規制等、経営成績に重要な影響を与えうる様々なリスク要因があります。詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 (6)経営戦略と今後の見通し 今後の見通しについては、国内及び世界経済は緩やかに成長していく一方で、中東情勢を中心とした地政学リスクを背景に、原油価格の高止まりなど経済への影響は先行き不透明な状況が続いています。国内においては好調な企業業績を背景とした堅調な人材需要に対して、採用環境が厳しさを増しています。また、当社グループが主に事業展開を行っているオーストラリア、シンガポールにおいては、人口・経済は緩やかに拡大基調であり、今後も安定的に推移する見通しである一方、インフレや金利上昇、中東情勢を背景とした景況感の悪化が懸念されており、引き続き注視していく必要があります。 このような状況の下、国内Working事業では、中期経営計画(WILL-being 2029)の戦略テーマとして掲げている、前中期経営計画で高成長を果たした正社員派遣/請負及び外国人雇用支援を更に拡大するとともに、新たな収益基盤の確立を目的として人材紹介へ注力し、収益性向上に向け、事業ポートフォリオの最適化を推進していきます。 海外Working事業では、世界情勢の変化や為替変動の影響を踏まえつつ、外部環境に左右されにくい生産性を重視した収益基盤の強化を図ります。オーストラリアにおいては民間及び政府の幅広い顧客基盤を活かしながら、成長余地のある民間領域の開拓を進めることで顧客ポートフォリオの最適化を図り、収益性の向上を目指します。シンガポールでは、政府主導のデジタル化・AI分野における人材需要を取り込みつつ、既存顧客との取引拡大を通じて収益性の向上を図ります。 これらにより、2027年3月期の通期連結業績予想は、売上収益157,000百万円(当連結会計年度比6.9%増)、営業利益3,400百万円(同3.7%増)、税引前利益3,191百万円(同1.6%増)、当期利益2,221百万円(同0.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益2,208百万円(同4.6%減)、EBITDAは6,442百万円(同14.4%増)を見込んでいます。(ご参考)業績予想で前提としている為替レートは、1オーストラリアドル105円(当期の実績は100円)、1シンガポールドル121円(当期の実績は117円)です。 *上記業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。引き続き当社グループの事業への影響を慎重に見極め、今後修正の必要が生じた場合には速やかに開示します。 (7)資本の財源及び資金の流動性についての分析 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して1,038百万円増加し、7,974百万円(前連結会計年度末比15.0%増加)となりました。 当社グループの資金需要は、主として人材サービス事業における運転資金および成長投資に係る資金です。これらの資金については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び内部資金を基本としつつ、必要に応じて金融機関からの借入により調達し、財務の健全性を考慮しながら対応しています。 また、グループ全体の資金効率向上を図る観点から、当社において資金の集中管理を行っており、連結子会社に対しては必要に応じて資金供給を行う体制としています。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、前述「(3)キャッシュ・フローの分析」に記載の通りです。

事業リスク

  • 特定事業への依存
    ウィルグループの売上収益は、国内Working事業のセールスアウトソーシング、コールセンターアウトソーシング、ファクトリーアウトソーシングの3領域に大きく依存しています。これらの主要領域の売上が急激に減少した場合、会社全体の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 事業許認可の取り消し
    人材派遣事業は「派遣法」、人材紹介事業は「職業安定法」に基づき、厚生労働大臣の許可を得て運営されています。もし重大な法令違反が発生し、これらの許可が取り消されたり事業停止命令が出されたりした場合、主要な事業活動が停止し、会社の経営成績に深刻な影響を与える可能性があります。
  • 人材確保の困難性
    優秀な社員や派遣スタッフの確保と育成は、ウィルグループの持続的な成長にとって非常に重要です。もし計画通りに人材を確保できなかったり、競合他社への流出や多くの離職が発生したりした場合、事業運営に支障が生じ、会社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|8,623 文字
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。 当社グループでは、事業への影響度、発生頻度及び質的影響等を社内で定めた指標に基づき重要性を評価し、定期的にリスクの特定及び見直しを行っています。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。 項目(1)特定事業への依存について内容 当社グループは、業種別に特化型での人材サービス(人材派遣、業務請負及び人材紹介)を展開しており、連結売上収益における構成比は、国内Working事業における主要な3領域の人材サービス(セールスアウトソーシング領域、コールセンターアウトソーシング領域、ファクトリーアウトソーシング領域)を中心とした既存領域に依存しています。今後の事業を取り巻く環境の変化等により、当該3領域の売上が急激に減少した場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 また、国内Working事業における介護ビジネス支援領域、建設技術者領域や海外Working事業等、次の柱になり得る事業の成長を推進しており、主要な3領域に係る売上収益の構成比は低下していくことを想定していますが、計画通りに進まず、主要な3領域への売上収益の依存が低下しなかった場合は、当事業の売上収益の変動が当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 対応策 次の柱になり得る事業、国内Working事業における介護ビジネス支援領域、建設技術者領域や海外Working事業等の成長を推進し、事業ポートフォリオのバランスを考慮したポートフォリオの多様化について継続して取り組みます。 項目(2)事業の許認可について内容 当社グループにおいて、重大な法令違反が発生し、許可の取消し、又は事業の停止を命じられた場合には、当社グループの主要な事業活動全体に支障をきたすことが想定され、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (労働者派遣事業) 国内における人材派遣事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「派遣法」という。)に基づき、厚生労働大臣の許可を受けて行っています。派遣法では、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣元事業主として欠格事由に該当した場合や、当該許可の取消事由に該当した場合には、許可の取消しや事業の全部又は一部を停止できる旨を定めています。 (職業紹介事業) 国内における人材紹介事業は、職業安定法に基づき、厚生労働大臣の許可を受けて行っています。職業安定法においても、派遣法と同様に、有料職業紹介事業者としての欠格事由に該当した場合や、当該許可の取消事由に該当した場合には、許可の取消しや業務の全部又は一部の停止を命じることができる旨を定めています。 対応策 事業を適正に運営していくため、各国の関連法令等に従い、コンプライアンスに関する社内教育や業務システム等の仕組みづくりを、随時ブラッシュアップしていくとともに、内部監査等により関連法規の遵守状況を日頃より監視し、法令違反等の防止に努めています。 項目(3)人材の確保について内容 (社員) 当社グループが競争上の優位性の確保、事業環境の変化への対応、及び持続的な成長を可能とするためには、優秀な人材の確保と育成が重要な経営課題です。また、当社グループの事業は人材を基盤としており、従業員のエンゲージメントや働きがいは、サービス品質や生産性、顧客満足度等に重要な影響を及ぼす要素です。しかしながら、人材の確保・育成が計画通りに進まない場合や、従業員エンゲージメントの低下により離職率の上昇や生産性の低下が生じた場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (スタッフ) 当社グループの事業活動の重要な要素のひとつにスタッフの確保があります。当社グループの継続的な成長のためには、スタッフの採用と育成と定着が重要な課題です。 対応策 (社員) 多様な人材が活躍できる風土づくりや各種制度の整備を通じて働きやすい環境の構築に取り組むとともに、挑戦や成長の機会を積極的に提供することで優秀な人材の流出防止及び確保に努めています。また、企業ブランディングの強化により、知名度及び信頼性の向上を図っています。加えて、定期的に働きがいアンケートを実施し、「働きがいスコア」の変化を重視し、働きがいを高める各種取り組みを実行しています。さらに、事業専属のHRマネジメントパートナー(HRMP)が、採用、育成及び適切な人材配置において各事業に伴走し、事業成長を支える人材基盤の強化に取り組んでいます。当該リスクへの対応方針等については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組み(3)人的資本に関する戦略、指標及び目標」をご参照ください。 (スタッフ) 募集方法を多様化し、独自のWeb募集媒体に重点をおくことや、オンラインでの登録やカウンセリング、友人紹介キャンペーン、採用拠点の設置などの施策を実施しています。また、週5日未満や短時間勤務など主婦、シニア、留学生向けのフルタイム以外の案件獲得にも取り組んでいます。当該リスクへの対応方針等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)会社の対処すべき課題 ③人材の確保と育成」をご参照ください。 項目(4)法改正について内容 当社グループが事業を営んでいる国や地域における法律、規制等については、労働市場を取り巻く環境の変化等に応じて改正される可能性があります。とりわけ、労働者派遣法においては、派遣対象業務や派遣期間制限等について適宜改正されており、その改正内容によっては、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (社会保険制度) 当社グループでは、従業員に加え、社会保険加入要件を満たすスタッフの社会保険への加入を徹底しています。社会保険料の保険料率や対象範囲は、社会的情勢によって適宜改定されていることから、社会保険制度の改正に伴い、会社負担金額が大幅に上昇した場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (労働契約法) 2013年4月に改正労働契約法が施行され、施行日以降に開始した有期雇用契約が通算5年を超えて更新された場合は、労働者の申込みにより、無期雇用契約(期間の定めのない雇用契約)に転換する仕組みが導入されました。これにより、当社グループで派遣スタッフ等を無期雇用する場合、就業先が決まるまでの待機期間中の労務費等の負担が生じます。 また、2020年4月1日より施行された同一労働同一賃金に関する法律では雇用形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保し、不合理な待遇差がある場合、その格差是正が求められています。今後も、このような法改正等が行われた場合、その内容によっては当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 項目(4)法改正について対応策 ・当社法務部門が常に、当社グループのビジネスに関連する法律・規制等の改正動向などを注視し、法律・規制等に対応する必要が発生した場合については、適時適切に関係各所へ伝達することとしており、都度タイムリーな経営判断を行い対応しています。 ・派遣スタッフ等の賃金や社会保険料などのコスト上昇リスク低減のためには、法改正等により上昇したコストを適切に請求単価に反映させるとともに、取引先企業への請求料金改定の交渉を適切に行うことにより、対応していきます。特に無期派遣の事業モデルにおいては、事業責任者の監督のもと、適正な請求単価維持のための取組みと進捗管理を継続的に行い、収益性の確保に努めています。 項目(5)競争の激化について内容 ・当社グループが属する人材サービス業界は、多数の競合他社が存在します。競争がさらに激化した場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ・当社グループが技術革新、顧客のニーズ又は嗜好の変化等に対応できないこと、競合他社間の合併・統合等により、当社グループの競争力を維持できない場合、当社グループが市場シェアを失う可能性があります。 対応策 ・顧客からニーズを把握した後にそれに対して対応可能なスタッフを募集し、顧客に対して的確かつ迅速な対応を行うことで、高い顧客満足度を得て競合他社との差別化を図っています。 ・当社グループは競争力を維持するため、顧客のマインドシェア、インストアシェアの拡大に向けて、供給力の強化、労務管理の強化、請負化などを提案し収益性の維持、向上を図っています。 項目(6)将来の企業又は事業の買収について内容 ・企業又は事業の買収(以下、「M&A」という。)は、当社グループの主要な経営戦略の一つと考えています。M&Aにおいては、成立後、統合上の業務プロセスの不備、異なる企業文化の統合による摩擦の発生に伴う業務の停滞や業績の低下、従業員の離職や内部対立の顕在化等、様々なリスクが内在しているため、想定通りにM&Aを行った後の経営の統合を実行するプロセス(以下、「PMI」という。)が遂行できなかった場合には、買収資産の価値が毀損し、損失が発生する可能性があり、このような事象が発生した場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ・M&Aに伴い発生するのれんは、帳簿価額を回収できない可能性がある場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を損失として計上する可能性があります。したがって、のれんの対象事業の将来キャッシュ・フローの見込みによっては減損損失を計上することになり、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 対応策 ・M&A成立時に想定した効果を最大限に発揮させるため、詳細なデューデリジェンスに加え、PMIを適切に進めることが非常に重要であると考え、当該PMIプランを迅速かつ長期的な視点で策定しています。 ・M&A検討時におけるバリュエーション(価値算定)の適正性を高めるために第三者機関との綿密な確認作業を行うほか、実行後の事業継承計画を入念に検討すること、PMIのモニタリング強化、のれんの回収可能性に変化が生じた場合、経営者と改善のためのディスカッションを行う等により、減損損失リスクに対処しています。 項目(7)海外における事業展開について内容 当社グループは、事業のグローバル展開を標榜しており、現時点において、シンガポール、マレーシア、オーストラリア、アメリカ、中国、ベトナム、イギリス、ドイツ及びスイスに営業拠点を有しています。これら海外展開においては、各国における景気変動リスク、為替変動リスク、政府による規制、政治的な不安定さ及び資金移動の制約等に起因するカントリーリスク等が存在しています。 このような不測の事態が生じた場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 対応策 ・当社グループでは、シンガポールに統括拠点として中間持株会社をおき、事業遂行上の環境変化(各国の法改正や最新の現地当局の動向等)について随時情報を把握するとともに、資産集中の防止など各国の案件ごとにその回避策を講じて事業を推進しています。 ・事業の展開には、対象国の法務や税務の顧問と連携し早期のカントリーリスク調査による専門的なアドバイスを基に定期的なリスクの低減に努めています。 項目(8)個人情報の取り扱いについて内容 当社グループは、事業の特性上、派遣登録者や転職希望者等の個人情報や機密情報を保有しています。不測の事態が原因で、個人情報や機密情報が外部に漏洩し、情報主体者に被害が発生した場合には、損害賠償請求や社会的信用の失墜、EU一般データ保護規制(GDPR)による制裁金により、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 対応策 ・個人情報の取扱いについては、2022年4月に改正された個人情報の保護に関する法律を踏まえ、社内体制の整備、定期的な研修、情報管理の強化等、個人情報の取扱いに十分な注意を払っています。グループ企業の一部においては、プライバシーマークやISMS等の認証取得も行うことで、客観的なグループの情報管理水準の確認を行っているほか、万が一に備えた個人情報漏洩保険への加入等によりリスク軽減措置をとっています。 ・ヨーロッパに拠点を持つ子会社のThe Chapman Consulting Group Pte. Ltd.ではGDPR、シンガポールでは Personal Data Protection Act、オーストラリアにおいても個人情報保護法に沿ったガイドラインを保有、運用しています。 項目(9)法令遵守に関するリスクについて内容 (全般的なリスク) 当社グループの事業活動における関連法令は、国内における各種法規制(派遣法、職業安定法、労働基準法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、健康保険法及び厚生年金保険法等)、海外における各国の各種法規制(雇用機会均等法等)、新規事業に関連する各種法令等、多岐にわたります。万一、これらの対策を行っていたとしても、グループ各社の役職員やスタッフによる不正行為等を含めたコンプライアンスに関するリスク、又は人権等の問題を含め社会的に信用が失墜するリスクを完全に排除できない場合があり、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (重大な訴訟等によるリスク) 当社グループは、主として人材派遣事業及び人材紹介事業等を営んでいます。その事業活動の遂行過程において、顧客、求職者、競合他社、その他の関係者等から、当社グループが提供するサービスの不備、個人情報や機密情報の漏洩又は知的財産の侵害等に関する訴訟その他の法的手続きを提起される場合や、当局等による捜査や処分等の対象となる場合があり、これらの法的手続に関連して多額の費用の支出や、事業活動に支障をきたす可能性があります。また、係る法的手続は長期かつ多額となることや、結果の予測が困難となる場合があり、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 対応策 ・法令遵守を重要な企業の責任と認識しており、コンプライアンス体制を強化し、法令遵守の徹底(教育研修の拡充やアンケートの実施等)を図っています。 ・万一、訴訟の提起等を受けた場合には、専門部署(法務)が外部の専門家と協同の上、適時適切に対応しています。 項目(10)自然災害及び有事に関する影響について内容 当社グループは、日本全国及びオーストラリア・シンガポールを中心に海外にも営業拠点を展開しています。これらの地域において、地震、台風、津波等の自然災害、大規模火災や停電、新型感染症の流行、テロ行為及び国際紛争等が発生した場合には、拠点機能の停止や従業員・派遣スタッフの稼働制限、取引先企業の事業活動の停滞等により、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。この結果、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 対応策 大規模地震、洪水等の自然災害や感染症への備えとして従業員及び派遣スタッフの安否を確認し、安全を確保するための危機管理体制を構築し、災害に備えています。また、事業拠点の機能分散や情報資産のクラウド化など事業継続のための施策も講じています。 項目(11)情報システムに関するリスクについて内容 当社グループの事業活動は、IT(コンピュータシステムやネットワーク等)に依存しており、これらITの開発、維持及び管理を一部第三者に委託しています。また、格付け基準の高いデータセンターの利用や、クラウドサービスの利用等により、大規模地震等の自然災害発生時におけるシステムの可用性の確保やリモートワーク環境の構築を実現している他、外部からのサイバー攻撃や不正アクセス対策を実装し、事業継続性を確保しています。しかしながら、万一、何らかの原因によって大規模なシステム障害が発生した場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 対応策 ・事業活動を支える基幹システム等の主要システムをTier4レベルのデータセンターに構築し、大規模地震等の自然災害発生時におけるシステムの可用性を確保しています。加えて、交通機関の停止や感染症等によりオフィスに出社できない場合の業務継続性を確保する為に、リモートワーク環境を構築しています。 ・大規模システム障害等が発生した時の業務影響を軽減するとともに、再発防止策を確実に実行する為に、「IT管理規程」にシステム障害対応方針を定義、システム障害管理態勢の整備をしています。 ・新たにITの開発、維持・管理の委託先を選定する際は、「委託先選定チェックリスト」に則って選定することとしており、委託する業務と類似の内容・規模の実績があるかを事前に確認することで、システムの品質確保に努めています。 項目(12)業界を取り巻く環境の変化について内容 当社グループが事業を展開する市場の多くにおいて、近年のIT技術の急速な発達に伴い、インターネットを媒体としたオンラインサービスへの移行が進み、人的な営業力や物流ネットワーク等に起因する既存の新規参入障壁が低くなったことで、ユーザーがサービスを切り替えることも比較的容易になりました。また、今後国内外においてSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)等を利用したオンラインのコミュニケーションが活発化し、顧客とユーザーを直接マッチングすることが可能となる等、特に人材派遣事業及び人材紹介事業において、競争が更に激しくなる可能性があります。これにより現在の市場シェアを維持できなくなり、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 対応策 既存事業領域のサービス力及びブランド力の向上施策、コーポレートベンチャーキャピタルを活用した新たに創出されるビジネス機会を捉えるための施策等、様々な収益基盤の拡大施策を実施しています。2019年10月に、当社グループ全体の認知度及びサービス向上を目指すため、国内主要子会社のサービスブランドを「WILLOF(ウィルオブ)」に統一しました。「Chance-Making-Company」のブランディングを実施することにより、求職者への認知を図っていきます。 項目(13)株式価値の希薄化について内容 当社は、当社グループの役員及び従業員に対し、新株予約権を付与しています。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。新株予約権の株式数については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 17.株式報酬」に記載の通りです。 対応策 当社が発行している新株予約権は、あらかじめ定める業績目標の達成が行使条件とされており、その目標が達成されることは、当社の企業価値・株主価値の向上に資するものと認識しています。そのため、これら新株予約権の発行は、当社の既存株主の皆様の利益に貢献できるものと認識しており、株式の希薄化への影響は合理的なものであると考えています。 項目(14)資金調達について内容 当社グループの事業資金は、その一部を金融機関からの借入により調達しています。これにより、景気の後退、金融市場の悪化、金利の上昇、当社グループの信用力の低下、業績の見通しの悪化等の要因により、当社グループが望む条件で適時に資金調達を行えない場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 対応策 必要な資金調達ができなくなる事態に備え、常に一定の手許流動性の確保に努め、今後は、金利が直近の上昇に加えさらに上昇する可能性もあり、固定金利での調達やスワップ取引等による金利リスク削減の施策など、市場の動向を見ながら検討していきます。 項目(15)景気変動に関するリスクについて内容 当社グループは、一般的に国内、オーストラリア及びシンガポールを中心とする海外の経済情勢に影響されるため、求人需要や消費の減少など、景気停滞が長期化する場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 対応策 当社の事業領域は、国内では、食品等の工場、介護施設、建設業等、海外では、政府、行政といった比較的景気の変動の少ない領域を中心に構成されています。今後はこれら社会生活の維持に不可欠なエッセンシャル領域への営業の強化、生産性の向上を通じた収益力の強化を進めることで、さらに景気変動に左右されにくい事業の確立に取り組んでいきます。また、必要に応じて、固定費の圧縮や、IT投資、新規事業投資の抑制、現預金の確保等必要な措置を講じ、機動的に経営の安定化を図ります。

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