6479

ミネベアミツミ(6479)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 多角的な精密部品製造
    ミネベアミツミは、精密機械加工技術を基盤に、ボールベアリングやモーター、半導体、電子デバイス、自動車部品など多岐にわたる製品を製造・販売しています。これらの製品は、PC、家電、自動車、航空機など幅広い産業に供給され、多様な収益源を構築しています。
  • グローバルな生産・販売体制
    同社グループは、日本国内だけでなく、中国、タイ、フィリピン、マレーシア、米国、欧州など世界各地に製造・販売拠点を展開しています。これにより、地域ごとの需要に対応し、効率的なグローバルサプライチェーンを構築することで、安定した事業運営を目指しています。
  • 技術融合による価値創造
    精密機械加工技術と電子機器技術、半導体技術などを融合させる「相合(そうごう)」を経営戦略の核としています。これにより、高付加価値製品の開発や、自動車、航空機、ロボティクス、医療などの分野で新たなソリューションを提供し、収益拡大を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 精密技術事業
    ボールベアリング、ロッドエンドベアリング、HDD用ピボットアッセンブリー、航空機用ねじなどのメカニカルパーツを製造・販売しています。この事業は同社の基盤であり、特にミニチュア小径ベアリングで高い市場シェアを誇り、安定した収益源となっています。
  • 半導体・電子機器事業
    半導体デバイス、光デバイス、機構部品、電源部品、スマート製品などを手掛けています。ミツミ電機やエイブリックなどの子会社が中心となり、幅広い電子部品を提供しており、220.03億円の営業利益を上げています。
  • アクセスソリューションズ事業
    キーセット、ドアラッチ、ドアハンドルなどの自動車部品や産業機器用部品を製造・販売しています。株式会社ユーシンが主要な生産・販売会社であり、自動車産業向けに特化した製品を提供することで、159.24億円の営業利益を確保しています。
FY2025 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
PrecisionTechnologies 事業 − 557 −
SemiconductorAndElectronics 事業 − 220 −
AccessSolutions 事業 − 159 −
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,538 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社及び子会社146社で構成され、プレシジョンテクノロジーズ事業、モーター・ライティング&センシング事業、セミコンダクタ&エレクトロニクス事業及びアクセスソリューションズ事業に係る製品の製造及び販売等を主な事業の内容としております。 製品の製造は、当社及び国内子会社並びに中国、タイ、フィリピン、マレーシア、カンボジア、韓国、シンガポールなどのアジア、米国、欧州の各国に所在する子会社が各製造品目を担当しております。製品の販売は、国内においては主に当社及び国内子会社より直接販売を行っております。海外においては、中国、タイ、韓国などのアジア、米国、欧州の各国に所在する子会社及び当社の支店を通じて行っております。 当社グループの事業に係わる位置付けは、次のとおりであります。 なお、次の4事業は「第5 経理の状況 1 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 プレシジョンテクノロジーズ事業 主要な製品は、ボールベアリング、ロッドエンドベアリング、ハードディスク駆動装置(HDD)用ピボットアッセンブリー等のメカニカルパーツ及び航空機用ねじであります。モーター・ライティング&センシング事業 主要な製品は、電子デバイス(液晶用バックライト等のエレクトロデバイス、スマート製品等)、HDD用スピンドルモーター、センシングデバイス(計測機器)、ステッピングモーター、DCモーター、ファンモーター、車載モーター及び特殊機器であります。セミコンダクタ&エレクトロニクス事業 主要な製品は、半導体デバイス、光デバイス、機構部品及び電源部品であります。アクセスソリューションズ事業 主要な製品は、キーセット、ドアラッチ、ドアハンドル等の自動車部品のほかに、産業機器用部品であります。その他の事業 主要な製品は、ソフトウエアの設計、開発及び自社製機械であります。各セグメントとの関連並びに主要な生産会社及び販売会社は次のとおりであります。セグメント主要な製品主要な生産会社主要な販売会社プレシジョンテクノロジーズ事業ベアリングロッドエンドベアリング及びファスナーメカニカルパーツ当社NMB SINGAPORE LIMITEDNMB-Minebea Thai Ltd.MINEBEA ELECTRONICS & HI-TECH COMPONENTS(SHANGHAI)LTD.MINEBEA (CAMBODIA) Co., Ltd.New Hampshire Ball Bearings,Inc.NMB-MINEBEA UK LTD.myonic GmbHC&A TOOL ENGINEERING, INC.MACH AERO BRETIGNY RECTIFICATION SAS当社NMB Technologies CorporationNMB-Minebea-GmbHMINEBEA(HONG KONG)LIMITEDNMB KOREA CO., LTD.NMB-Minebea Thai Ltd.MINEBEAMITSUMI SHANGHAI TRADING LTD.モーター・ライティング&センシング事業電子デバイスモーターセンシングデバイス当社NMB-Minebea Thai Ltd.MINEBEA ELECTRONICS & HI-TECH COMPONENTS(SHANGHAI)LTD.MINEBEA ELECTRONIC DEVICES (SUZHOU) LTD.MINEBEA ELECTRONICS MOTOR (MALAYSIA) SDN.BHD.MINEBEA ELECTRONICS MOTOR (ZHUHAI) CO., LTD.MINEBEA (CAMBODIA) Co., Ltd.MinebeaMitsumi Technology Center Europe GmbHMOATECH CO., LTD.Minebea Intec GmbHMinebea Slovakia s.r.o.セミコンダクタ&エレクトロニクス事業半導体デバイス光デバイス機構部品当社ミツミ電機株式会社CEBU MITSUMI, INC.ZHUHAI MITSUMI ELECTRIC CO., LTD.QINGDAO MITSUMI ELECTRONICS CO., LTD.NMB-Minebea Thai Ltd.MINEBEA (CAMBODIA) Co., Ltd.エイブリック株式会社ミネベアコネクト株式会社本多通信工業株式会社ミネベアパワーデバイス株式会社当社ミツミ電機株式会社ABLIC Hong Kong Limited本多通信工業株式会社ミネベアパワーデバイス株式会社アクセスソリューションズ事業自動車部品産業機器用部品株式会社ユーシンMINEBEA ACCESSSOLUTIONS FRANCE S.A.S.MINEBEA ACCESSSOLUTIONS SLOVAKIA S.R.O.U-SHIN AUTOPARTS MEXICO, S.A. DE C.V.ミツミ電機株式会社TIANJIN MITSUMI ELECTRIC CO., LTD.MITSUMI (THAILAND) CO., LTD.MITSUMI AUTOMOTIVE DE MEXICO, S.A. DE C.V.Minebea Slovakia s.r.o.ミネベア アクセスソリューションズ株式会社MINEBEA ACCESSSOLUTIONS MEXICO S.A. DE C.V.当社株式会社ユーシンMINEBEA ACCESSSOLUTIONS FRANCE S.A.S.MINEBEA ACCESSSOLUTIONS SLOVAKIA S.R.O.ミツミ電機株式会社MITSUMI (THAILAND) CO., LTD.その他ソフトウエアの設計、開発、システム運用ミネベア ソフトウェアソリューションズ株式会社ミネベア ソフトウェアソリューションズ株式会社 事業の系統図は、主に次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
価格競争にとらわれないオンリーワンの付加価値の高い製品づくりに注力。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
高精度を要する製品、アナログ半導体製品、モーター制御ソフトウェア等の開発力。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:自然災害等による生産・販売活動への影響 / 海外進出に潜在する法令変更、社会的混乱等のリスク / 急激な為替変動による経営成績への影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

ミネベアミツミは、長年にわたり培ってきた精密加工技術と、それを支える独自の生産システムに強みを持つ。特に、ボールベアリングや小型モーターなどの分野で、高い品質と信頼性を確立しており、これが顧客からの一定の評価に繋がっている。しかし、特許やブランド力が決定的な参入障壁となっているとは言い難い。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

同社の製品は、自動車やOA機器など、高い信頼性が求められる産業分野で使用されている。これらの分野では、一度採用された部品の切り替えには、品質保証や再設計のコストが発生するため、一定のスイッチング・コストが存在する。しかし、競合他社も同様の品質を提供できる場合、切り替えのハードルはそこまで高くない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社のビジネスモデルは、特定のプラットフォームやコミュニティを形成するネットワーク効果とは直接関係がない。製品の価値は、個々の性能や品質に依存する。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

ミネベアミツミは、グローバルな生産拠点の最適化と、自動化・効率化された生産プロセスにより、コスト競争力を維持している。特に、タイを中心とした海外生産拠点の活用は、人件費や製造コストの抑制に貢献している。これにより、高品質な製品を競争力のある価格で提供できている。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

小型ボールベアリングやバックライトといったニッチながらも重要な部品市場において、同社は世界でもトップクラスのシェアを誇る。この規模の経済性は、大量生産によるコスト効率の向上や、サプライヤーに対する交渉力強化に繋がっている。市場全体が巨大ではないため、寡占的な地位を築きやすい。

  • 超精密機械加工技術
    ミネベアミツミの強みは、外径22mm以下のミニチュア小径ボールベアリングで高いシェアを持つ「超精密機械加工技術」です。この技術は、ベアリングだけでなく、モーターやセンサーなど幅広い製品の品質と性能を支え、他社との差別化要因となっています。
  • 垂直統合生産システム
    原材料の調達から加工、組み立て、検査までを一貫して自社で行う「垂直統合生産システム」を構築しています。これにより、品質管理を徹底し、コスト競争力を高めるとともに、顧客の多様なニーズに迅速に対応できる生産体制を確立しています。
  • グローバルネットワーク
    世界28の国と地域に129の生産・研究開発拠点、100の営業拠点を有する広範なグローバルネットワークが強みです。これにより、地域ごとの市場特性に合わせた製品供給や、効率的なサプライチェーンの構築が可能となり、安定した事業展開を支えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 持続可能な社会への貢献
    同社は「より良き品を、より早く、より多く、より安く、より賢くつくることで持続可能かつ地球にやさしく豊かな社会の実現に貢献する」という経営理念を掲げています。社是「五つの心得」に基づき、透明度の高い経営とステークホルダーへの責任を果たすことを重視しています。
  • 「相合」による価値創造
    精密機械加工技術、電子機器技術、半導体技術などを融合させる「相合(そうごう)」を基本戦略としています。これにより、自動車、航空機、ロボティクス、医療などの分野で社会的課題解決に貢献する高付加価値製品を開発し、新たな価値創造を目指しています。
  • 多角化と事業ポートフォリオ強化
    特定の事業に依存せず、「8本槍戦略」(ベアリング、アナログ半導体、モーター、アクセス製品、センサー、コネクタ・スイッチ、電源、無線・通信・ソフトウエア)を軸に多角的な事業ポートフォリオを構築しています。これによりリスクを分散し、M&Aやアライアンスを通じて収益力向上と企業価値拡大を図り、2029年3月期に売上高2.5兆円、営業利益2,500億円を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営理念、社是、ビジョン 当社は、「より良き品を、より早く、より多く、より安く、より賢くつくることで持続可能かつ地球にやさしく豊かな社会の実現に貢献する」を経営理念とし、「世界を動かす、なくてはならない会社」をビジョンとして掲げております。私たちは、経営理念に基づく経営のもと、社是である「五つの心得」の実践を通じて企業価値の向上をはかり、ビジョンの実現に取り組んでまいります。また、当社はコア事業「8本槍」を核とした、世界に類をみない「相合」精密部品メーカーです。コア事業「8本槍」に包含される幅広い製品群に加え、それらを「相合」させた新製品などの創出により、常識を超えた「違い」を生み出し、当社グループでしかできない新たな価値を創造します。 <社是「五つの心得」>① 従業員が誇りを持てる会社でなければならない② お客様の信頼を得なければならない③ 株主の皆様のご期待に応えなければならない④ 地域社会に歓迎されなければならない⑤ 国際社会の発展に貢献しなければならない <コア事業「8本槍」>巨大市場のニッチな領域で超精密加工技術や大量生産技術等の当社の強みを発揮でき、簡単になくならない製品をコア事業「8本槍」と位置づけております。具体的には、ベアリング、アナログ半導体、モーター、アクセス製品、センサー、コネクタ/スイッチ、電源、無線/通信/ソフトウエアの8つのコア事業に分類しております。 <相合>総合ではなく、相い合わせることを意味する造語です。当社グループのあらゆるリソースを掛け合わせ、相乗効果により新たな価値を創造することを指します。 (2)私たちを取り巻く環境の変化 当社グループを取り巻く環境は、グローバル規模でかつてない速度で変化しています。地政学リスクの観点からは、米国の政策動向がマクロ経済及び金融市場に影響を及ぼし続けるとともに、中東における軍事衝突を巡る原油価格の高騰といった不測の事態が相次ぎ、地政学リスクが当社グループの事業に大きな影響を与える状況になっております。 また、市場環境の観点からは、少子高齢化やエネルギー問題等がより大きな社会課題として認識されており、これらの課題解決に向けた技術として、電動化、自動化、AI、超高速通信、センシングといった先端分野への注目が高まっています。こうした最先端技術を活用した製品として、ヒューマノイドロボットや自動運転、ドローン等の新たな市場の拡大が期待されます。 (3)優先的に取り組む課題(経営理念に基づく4つの重要テーマ) 当社グループはサステナビリティを経営の根幹と捉えております。この不確実な時代において持続的に成長するためには、変化する外部環境を的確に捉え、リスクを適切に考慮しながら事業機会につなげていく取り組みを着実に推進していく必要があると考えております。当社は2025年度に、外部環境が与える当社への影響度と、ステークホルダーとの対話を通じて把握した社会からの期待を踏まえ、以下4つの「重要テーマ」を設定しました。中期経営計画の目標達成年である2029年3月期を見据え、これら重要テーマを優先的に取り組んでまいります。この取り組みを通じ、将来の事業を創出する機会を掴み、新たな価値創造に繋げ、持続的に成長を果たせるよう努めてまいります。① 革新的な製品・技術・ビジネスモデルの開発と普及 ヒューマノイドロボットや自動運転、ドローン等の最先端技術に応える核となる技術要素は、高電圧・高電流・高周波・高速という4つの軸に大別することができます。当社のコア事業「8本槍」は、これら4つの軸の技術課題に真正面から応え得るものであると確信しております。また、AI・DXのテクノロジーを製造工程に導入し、品質を向上させ、バリューチェーンの体制をより確固たるものにする取り組みを着実に進めてまいります。当社が保有する超精密加工技術・大量生産技術や安定供給体制を一層強化し、コア事業「8本槍」の「相合」を進めることで、「世界を動かす、なくてはならない会社」の基盤を確立いたします。 ② 従業員が活き活きと能力を最大限に発揮できる環境の整備 持続的に成長するためには、従業員が自走する組織づくりが必須であり、人的資本に対し積極的に投資することが重要だと考えております。人事制度を最適なものにし従業員が各々の能力を十分に発揮できる環境を整備すること、研修制度を拡充し従業員に成長の機会を提供すること等に注力してまいります。加えて、従業員が、自発的に「会社に貢献したい」と思う意欲がどれくらいなのか、またそのための当社の課題は何なのかを確認するため、従業員エンゲージメントサーベイを実施しております。同サーベイの結果と、それらで抽出された課題については、取締役会等で議論を深め、改善に向けて経営陣一同真摯に取り組んでまいります。 ③ 経営体制の強靭化 持続的に成長するためには、コーポレートガバナンスのさらなる充実と、リスクマネジメントの一層の強化が不可欠です。当社の取締役会は、会社法上の法定決議事項を決議することに加え、企業価値向上に資する中長期的な方針、事業ポートフォリオを含む経営戦略、多様なリスクをコントロールすること等を目指しており、取締役会がモニタリングの機能を発揮することができるようガバナンスの体制を一層強化してまいります。 ④ 地球環境課題解決への貢献 「再生可能エネルギーの利用拡大等による環境負荷の最小化」と、当社最大の強みである超精密加工技術と相合を活かした「環境貢献型製品による世界のCO₂排出量削減」を通じて、世界全体の温室効果ガス排出量削減に貢献してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営理念、社是、ビジョン 当社は、「より良き品を、より早く、より多く、より安く、より賢くつくることで持続可能かつ地球にやさしく豊かな社会の実現に貢献する」を経営理念とし、「世界を動かす、なくてはならない会社」をビジョンとして掲げております。私たちは、経営理念に基づく経営のもと、社是である「五つの心得」の実践を通じて企業価値の向上をはかり、ビジョンの実現に取り組んでまいります。また、当社はコア事業「8本槍」を核とした、世界に類をみない「相合」精密部品メーカーです。コア事業「8本槍」に包含される幅広い製品群に加え、それらを「相合」させた新製品などの創出により、常識を超えた「違い」を生み出し、当社グループでしかできない新たな価値を創造します。 <社是「五つの心得」>① 従業員が誇りを持てる会社でなければならない② お客様の信頼を得なければならない③ 株主の皆様のご期待に応えなければならない④ 地域社会に歓迎されなければならない⑤ 国際社会の発展に貢献しなければならない <コア事業「8本槍」>巨大市場のニッチな領域で超精密加工技術や大量生産技術等の当社の強みを発揮でき、簡単になくならない製品をコア事業「8本槍」と位置づけております。具体的には、ベアリング、アナログ半導体、モーター、アクセス製品、センサー、コネクタ/スイッチ、電源、無線/通信/ソフトウエアの8つのコア事業に分類しております。 <相合>総合ではなく、相い合わせることを意味する造語です。当社グループのあらゆるリソースを掛け合わせ、相乗効果により新たな価値を創造することを指します。 (2)私たちを取り巻く環境の変化 当社グループを取り巻く環境は、グローバル規模でかつてない速度で変化しています。地政学リスクの観点からは、米国の政策動向がマクロ経済及び金融市場に影響を及ぼし続けるとともに、中東における軍事衝突を巡る原油価格の高騰といった不測の事態が相次ぎ、地政学リスクが当社グループの事業に大きな影響を与える状況になっております。 また、市場環境の観点からは、少子高齢化やエネルギー問題等がより大きな社会課題として認識されており、これらの課題解決に向けた技術として、電動化、自動化、AI、超高速通信、センシングといった先端分野への注目が高まっています。こうした最先端技術を活用した製品として、ヒューマノイドロボットや自動運転、ドローン等の新たな市場の拡大が期待されます。 (3)優先的に取り組む課題(経営理念に基づく4つの重要テーマ) 当社グループはサステナビリティを経営の根幹と捉えております。この不確実な時代において持続的に成長するためには、変化する外部環境を的確に捉え、リスクを適切に考慮しながら事業機会につなげていく取り組みを着実に推進していく必要があると考えております。当社は2025年度に、外部環境が与える当社への影響度と、ステークホルダーとの対話を通じて把握した社会からの期待を踏まえ、以下4つの「重要テーマ」を設定しました。中期経営計画の目標達成年である2029年3月期を見据え、これら重要テーマを優先的に取り組んでまいります。この取り組みを通じ、将来の事業を創出する機会を掴み、新たな価値創造に繋げ、持続的に成長を果たせるよう努めてまいります。① 革新的な製品・技術・ビジネスモデルの開発と普及 ヒューマノイドロボットや自動運転、ドローン等の最先端技術に応える核となる技術要素は、高電圧・高電流・高周波・高速という4つの軸に大別することができます。当社のコア事業「8本槍」は、これら4つの軸の技術課題に真正面から応え得るものであると確信しております。また、AI・DXのテクノロジーを製造工程に導入し、品質を向上させ、バリューチェーンの体制をより確固たるものにする取り組みを着実に進めてまいります。当社が保有する超精密加工技術・大量生産技術や安定供給体制を一層強化し、コア事業「8本槍」の「相合」を進めることで、「世界を動かす、なくてはならない会社」の基盤を確立いたします。 ② 従業員が活き活きと能力を最大限に発揮できる環境の整備 持続的に成長するためには、従業員が自走する組織づくりが必須であり、人的資本に対し積極的に投資することが重要だと考えております。人事制度を最適なものにし従業員が各々の能力を十分に発揮できる環境を整備すること、研修制度を拡充し従業員に成長の機会を提供すること等に注力してまいります。加えて、従業員が、自発的に「会社に貢献したい」と思う意欲がどれくらいなのか、またそのための当社の課題は何なのかを確認するため、従業員エンゲージメントサーベイを実施しております。同サーベイの結果と、それらで抽出された課題については、取締役会等で議論を深め、改善に向けて経営陣一同真摯に取り組んでまいります。 ③ 経営体制の強靭化 持続的に成長するためには、コーポレートガバナンスのさらなる充実と、リスクマネジメントの一層の強化が不可欠です。当社の取締役会は、会社法上の法定決議事項を決議することに加え、企業価値向上に資する中長期的な方針、事業ポートフォリオを含む経営戦略、多様なリスクをコントロールすること等を目指しており、取締役会がモニタリングの機能を発揮することができるようガバナンスの体制を一層強化してまいります。 ④ 地球環境課題解決への貢献 「再生可能エネルギーの利用拡大等による環境負荷の最小化」と、当社最大の強みである超精密加工技術と相合を活かした「環境貢献型製品による世界のCO₂排出量削減」を通じて、世界全体の温室効果ガス排出量削減に貢献してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度の世界経済は、米国による相互関税の発動や地政学的リスクの高まりを背景に、先行きの不透明感が一段と増すなか、国・地域ごとにばらつきが見られる展開となりました。 わが国の経済は、賃上げを背景とした個人消費の堅調さに加え、省人化やDX化を目的とした設備投資も底堅く推移いたしました。米国経済は、関税引き上げに伴う価格転嫁が物価を押し上げ、個人消費が力強さを欠く局面も見られましたが、AI関連を中心とした設備投資の拡大により企業活動は活発に推移し、総じて景気は底堅さを維持しました。欧州経済は、米国による関税措置の影響から対米輸出の減少が見られたものの、良好な雇用環境を背景とした個人消費が下支えとなり、製造業にも持ち直しの兆しが見られました。中国経済は、世界的なAI需要を背景とした半導体・コンピュータ部品や関税措置の緩和による自動車の輸出が堅調に推移した一方、不動産市場低迷の長期化が重石となり、景気全体としては停滞感が続きました。東南アジア諸国の経済は、国ごとに差異が見られるなか、タイやフィリピンでは財輸出に持ち直しの動きが見られましたが、両国の政府支出の執行遅延等が響き、景気回復の足取りは緩やかなものに留まりました。 このような環境のもと、当社グループは持続的な成長と収益力の向上を実現するために、生産性の改善や徹底したコスト削減に取り組むとともに、高付加価値製品や新技術の開発及び拡販に注力してまいりました。 この結果、売上高は1,664,387百万円と前連結会計年度に比べ141,684百万円(9.3%)の増収となりました。営業利益は103,979百万円と前連結会計年度に比べ9,497百万円(10.1%)の増益、税引前利益は133,779百万円と前連結会計年度に比べ51,170百万円(61.9%)の増益、親会社の所有者に帰属する当期利益は99,034百万円と前連結会計年度に比べ39,577百万円(66.6%)の増益となりました。 上記には、2025年10月3日に取得したミネベアリニアモーション株式会社の損益、税引前利益には当社が保有する金融資産の公正価値評価による評価益が含まれております。 セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。 なお、当連結会計年度より、会社組織変更を行った結果、「モーター・ライティング&センシング事業」及び「セミコンダクタ&エレクトロニクス事業」で一部区分を変更しております。前連結会計年度のセグメント情報は、会社組織変更後の区分に基づき作成したものを開示しております。 プレシジョンテクノロジーズ事業 プレシジョンテクノロジーズ事業は、当社グループの主力であるボールベアリングのほかに、航空機に使用されるロッドエンドベアリング、ハードディスク駆動装置(HDD)用ピボットアッセンブリー等のメカニカルパーツ及び航空機用のねじが主な製品であります。主力製品であるボールベアリングは、データセンター向けのサーバー需要と航空機向け需要が堅調に推移したことにより、売上高は増加しました。 この結果、当連結会計年度の売上高は281,151百万円と前連結会計年度に比べ25,449百万円(10.0%)の増収となり、営業利益は62,245百万円と前連結会計年度に比べ6,549百万円(11.8%)の増益となりました。 モーター・ライティング&センシング事業 モーター・ライティング&センシング事業は、電子デバイス(液晶用バックライト等のエレクトロデバイス、スマート製品等)、HDD用スピンドルモーター、センシングデバイス(計測機器)、ステッピングモーター、DCモーター、ファンモーター、車載モーター及び特殊機器が主な製品であります。主にファンモーターの需要増により、売上高は増加しました。 この結果、当連結会計年度の売上高は456,517百万円と前連結会計年度に比べ29,573百万円(6.9%)の増収となり、営業利益は26,929百万円と前連結会計年度に比べ1,547百万円(6.1%)の増益となりました。 セミコンダクタ&エレクトロニクス事業 セミコンダクタ&エレクトロニクス事業は、半導体デバイス、光デバイス、機構部品及び電源部品が主な製品であります。主に機構部品の販売が増加したことにより、売上高は増加しました。 この結果、当連結会計年度の売上高は590,263百万円と前連結会計年度に比べ81,818百万円(16.1%)の増収となり、営業利益は26,669百万円と前連結会計年度に比べ7,060百万円(36.0%)の増益となりました。 アクセスソリューションズ事業 アクセスソリューションズ事業は、キーセット、ドアラッチ、ドアハンドル等の自動車部品のほかに、産業機器用部品が主な製品であります。通信アンテナ、産業機器部品の需要増加により、売上高は増加しました。 この結果、当連結会計年度の売上高は332,249百万円と前連結会計年度に比べ4,168百万円(1.3%)の増収となり、営業利益は17,087百万円と前連結会計年度に比べ1,163百万円(7.3%)の増益となりました。 その他の事業 その他の事業は、ソフトウエアの設計、開発及び自社製機械が主な製品であります。当連結会計年度の売上高は4,207百万円と前連結会計年度に比べ676百万円(19.2%)の増収、営業損失は2,657百万円と前連結会計年度に比べ1,463百万円の悪化となりました。 上記以外に、各セグメントに帰属しない全社費用等26,294百万円を調整額として表示しております。前連結会計年度の調整額は20,935百万円でした。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は227,522百万円となり、前連結会計年度末に比べ13,266百万円増加しました。 営業活動によるキャッシュ・フローは、94,850百万円の収入(前連結会計年度は133,672百万円の収入)となりました。これは、主に税引前利益、減価償却費及び償却費、営業債権及びその他の債権の増減によるものです。 投資活動によるキャッシュ・フローは、82,775百万円の支出(前連結会計年度は125,772百万円の支出)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出によるものです。 財務活動によるキャッシュ・フローは、16,133百万円の支出(前連結会計年度は63,996百万円の収入)となりました。これは、主に配当金の支払額によるものです。 ③ 生産、受注及び販売の実績(ⅰ) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 前年同期比(%)プレシジョンテクノロジーズ(百万円)283,196110.8モーター・ライティング&センシング(百万円)465,115107.5セミコンダクタ&エレクトロニクス(百万円)594,239116.3アクセスソリューションズ(百万円)333,430101.4その他(百万円)4,215120.4合計(百万円)1,680,195109.7(注)1.金額は、販売価格によっております。2.上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の金額であります。 (ⅱ) 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)プレシジョンテクノロジーズ331,765115.0250,476125.3モーター・ライティング&センシング482,127104.1142,386121.9セミコンダクタ&エレクトロニクス603,865111.3132,348111.5アクセスソリューションズ340,281102.361,992114.9その他4,698136.11,542146.7合計1,762,736108.1588,744120.1(注)1.上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の金額であります。 (ⅲ) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 前年同期比(%)プレシジョンテクノロジーズ(百万円)281,151110.0モーター・ライティング&センシング(百万円)456,517106.9セミコンダクタ&エレクトロニクス(百万円)590,263116.1アクセスソリューションズ(百万円)332,249101.3その他(百万円)4,207119.2合計(百万円)1,664,387109.3(注)1.上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の金額であります。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)Appleグループ238,05715.6188,51011.3任天堂株式会社--207,97812.5 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要性がある会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準(IFRS会計基準)に準拠して作成されております。連結財務諸表を作成するにあたり重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。 連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債及び収益、費用の報告金額に影響を与える仮定、見積り及び判断を必要としております。特に大きな影響を及ぼすものとして、貸倒引当金、製品補償損失引当金、訴訟等の偶発事象などに関する引当金や退職給付に係る会計処理及び非上場株式の公正価値の測定については、過去の実績や当該事象の状況に照らして合理的と考えられる見積り及び判断を行い、また、のれん、固定資産の減損及び繰延税金資産の計上については、将来の回収可能性などを考慮しております。 上記の仮定、見積り及び判断については不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの当連結会計年度の財政状態、経営成績は次のとおりであります。 (財政状態の分析) 当社グループは、「財務体質の強化」を主要な経営方針とし、効率的な設備投資、資産運用及び有利子負債の削減等に取り組んでおります。高収益のコア事業への比重を高めるポートフォリオ改革や実効性の高いM&Aを実現し、適切かつ機動的な財務戦略を推進いたします。 当連結会計年度末における総資産は1,814,837百万円となり、前連結会計年度末に比べ230,023百万円の増加となりました。その主な要因は、営業債権及びその他の債権、有形固定資産の増加であります。 当連結会計年度末における負債は903,806百万円となり、前連結会計年度末に比べ73,617百万円の増加となりました。その主な要因は、営業債務及びその他の債務の増加であります。 なお、資本は911,031百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は49.5%と前連結会計年度末に比べ2.6ポイント増加しました。 (経営成績の分析) 当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ9.3%増収の1,664,387百万円となり、営業利益は10.1%増益の103,979百万円となりました。セグメント別の売上高及び営業利益については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 当連結会計年度における税引前利益は、61.9%増益の133,779百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は66.6%増益の99,034百万円となりました。 (キャッシュ・フローの分析) 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。運転資金の調達については、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。重要な資本の支出及びその資金の調達源については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1) 重要な設備の新設等」に記載しております。 なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は517,088百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は227,522百万円となっております。 経営方針・戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。 当社グループは、2029年3月期に「売上高2.5兆円、営業利益2,500億円」の達成を目指しております。2027年3月期の業績予想につきまして、現時点で予想可能な範囲で通期連結業績予想を以下のとおりとしました。 (百万円)売上高1,690,000営業利益120,000親会社の所有者に帰属する当期利益83,000 今後も他社にない幅広い製品ラインナップを持つ総合精密部品メーカーとして、当社が持つ技術及び製品を「相合」することで新たな価値を創出し、業績の向上に取り組んでまいります。

事業リスク

  • 自然災害と感染症のリスク
    台風、地震、洪水などの自然災害や、新型感染症の発生により、生産拠点や取引先が被災し、生産活動や販売活動に重大な影響が出る可能性があります。同社はBCP(事業継続計画)の拡充やサプライチェーン管理、防災訓練などで対応しています。
  • 海外事業に内在するリスク
    世界各地に生産・営業拠点を展開しているため、予期せぬ法令変更、大規模な労働争議、テロ、戦争、社会的混乱などが事業に影響を及ぼす可能性があります。危機管理マニュアルの整備や地域当局との連携、生産拠点の分散化でリスク軽減を図っています。
  • 為替変動と市場競争のリスク
    海外売上高・生産高比率が高いため、急激な為替変動が経営成績に影響を与える可能性があります。また、主要市場での激しい競争や需要変動、低価格競争も収益を圧迫するリスクがあります。為替予約や高付加価値製品の開発で対応しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|6,685 文字
3【事業等のリスク】(1)リスクマネジメントの体制① 基本的な考え方 当社グループは、リスクが顕在化した場合、その対応によっては企業経営の根幹に影響を及ぼす恐れがあることから、リスク管理は極めて重要な施策であると考えております。リスク管理体制や、事前の予防対策、緊急事態発生時の対応について定めた「ミネベアミツミグループリスク管理基本規程」に基づき、想定されるさまざまなリスクに備えております。 ② 体制 当社グループは、業務遂行や事業活動に直接又は間接的に影響を与える可能性のある不確実な事象をリスクと定義しており、代表取締役 会長 CEOをリスク管理の最高責任者とし、そのリスク管理の指導を適切に行うための組織として取締役社長執行役員直属のリスク管理委員会を設置しております。リスク管理委員会では、事前に具体的なリスクを想定、分類し、継続的に監視して、万が一リスク事案が発生した場合には、「ミネベアミツミグループリスク管理基本規程」に定めた緊急事態の対応区分に応じて緊急対策本部や現地対策本部を設置し、事態への迅速かつ的確な対応を行います。また、リスク事案の内容により、当該事案の担当部署として主管部が任命され、リスク予防対策の立案や実施を行う体制を整えております。リスク管理委員会はリスク管理に関する事項につき、取締役会に報告を行っております。 ■体制図 (2)リスクの特定、対応方法① リスクの洗い出し/評価 当社グループ各拠点におけるリスク管理体制を整備するため、各主管部署は、リスクを洗い出し、リスクの種類、想定されるシナリオ、発生頻度及び損害の程度を評価し、リスク管理委員会に報告します。 ■リスクの洗い出し/評価の例 ② リスクの特定/対応方針の決定 リスク管理委員会は、各主管部署より提出されたリスクの洗い出し、評価の報告を分析し、当社グループとしてのリスクへの対応の優先順位及び対応方針を定めます。 ③ リスク発生の予防/対応準備 リスク管理責任者等は、個別リスクごとに、所管するリスクが顕在化した場合の被害想定及び事業への影響度を分析し、対応要領を事前に作成します。また、リスク管理責任者等は、リスクに関わる情報収集を適切に行い、リスク発生の兆候を洞察します。 ④ リスク監査の実施 各部門長等は、リスクへの対応に関し、常時、自己点検を行います。リスク管理委員会は、必要に応じ、内部監査室と連携して監査を実施します。部門長等は、自己点検、自己評価及びリスク監査で明らかになった問題点等について、速やかに是正、改善の処置を講じます。 ⑤ 重要リスクの公表 毎年、当社の重要リスク及び取り組み状況を、事業報告、有価証券報告書、その他IR資料を通じて適切に公表します。 ⑥ 緊急事態への対応 緊急事態発生の場合、もしくは発生のおそれがある場合、リスク管理責任者及びリスク管理担当者は、迅速、的確に取締役社長執行役員及びリスク管理委員会に報告し、当社グループとして迅速的確な初期対応により、事態の拡大防止と早期の収束に努めることとしております。 (3)主要なリスクの内容と対応 上記のリスクの洗い出し、評価等を踏まえ、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある主要なリスクの内容と対応を外部環境及び内部環境の観点から記載をしております。なお、文中の将来に関する主要なリスクは、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。ただし、全てのリスクを網羅したものではなく、現時点で予期できないリスクの影響を受ける可能性があります。 (外部環境)① 自然災害等によるリスク内容対応台風、地震、洪水、火山の噴火等の自然災害、火災等その他事故、及び新型感染症の発生等に起因し、当社グループ事業拠点及び取引先の被災や稼働率低下等が生じることにより、 当社グループの生産、販売活動に重大な影響を与える可能性があります。これに対して、当社グループは平時から各拠点において自然災害等に関するハザードマップ、 リスクサーベイ等の結果によりリスクを把握し、BCPを拡充し、サプライチェーンの管理、防災訓練や緊急時対応、備蓄の充実等を実施しております。また本部(リスク管理委員会)、各拠点が緊密に連携して危機管理体制をさらに強化すべく努めております。加えて、大規模な自然災害(新型感染症等を含む)が発生した場合、一時的に金融市場が混乱する可能性があります。これに備えて、資金調達を長期化する、平時より取引金融機関との連携を密にする等の対応に努めております。 ② 海外進出に潜在するリスク内容対応当社グループは世界28の国及び地域に133生産・研究開発拠点、103営業拠点を有しており、自然災害のみならず、予期しない法令等の変更、大規模な労働争議、テロ、戦争又はその他の要因による社会的混乱といったリスクが内在している地域も含まれております。この対応として危機管理マニュアルを海外拠点において整備し、不測の事態への備えを強化するとともに、所在国、地域の関係当局とも緊密に連携をはかり、緊急事態発生時における拠点や従業員の安全確保に努めております。また、各地への社会貢献活動を積極的に実施していくこと等を通じて、関係当局のみならず、地元の住民からも地域社会に根差した歓迎される企業として認知されるように努めております。不測の事態が起きた時でも、供給責任を果たせるよう、経済的合理性を加味しつつ分散した生産拠点網の維持・構築を推進しています。 ③ 為替変動によるリスク内容対応当社グループは、海外の売上高比率及び生産高比率が高く、予期できない急激な為替変動により経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。このため、将来の急激な為替リスク低減のための一定のルールに基づき為替予約等によるリスクヘッジを行っております。 ④ 急激な市場環境の変化と低価格競争によるリスク内容対応PC及び周辺機器、情報通信機器、家電、自動車、航空機部品を中心とする当社グループ製品の主要市場は、国内外において競争が非常に激しく需要の大きな変動によるリスクや、地政学的要因に伴う原材料価格の変動及び関税等の影響によるリスクがあります。急激な需要の縮小や低価格製品との価格競争は、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。このため、当社グループでは、「コア事業の強化」、「多角化でニッチ(8本槍)」、「相合によるシナジー創出」の経営戦略の下、販売先の集中リスクをできるだけ回避し、信用面で懸念ある取引先には保全活動を交渉するなど、債権管理を強化するとともに、価格競争にとらわれないオンリーワンの付加価値の高い製品づくりに注力することで市場環境及び低価格競争へのリスク対応を行っております。 ⑤ 原材料の調達及び物流に関するリスク内容対応当社グループは、パートナーからさまざまな原材料等を調達し、また製品の運送・保管を委託しており、紛争や関税政策・輸出入規制などの地政学上の有事、パンデミック、パートナー及び運送・保管委託先の被災や倒産、キャパシティの縮小、ストライキ、事故、不法行為等により供給が途絶え、当社グループの生産、販売活動に重大な影響を与える可能性があります。当社グループは、リスク対策の調達・物流部門規程を策定しパートナー及び運送・保管委託先の分散と集約化を適宜組み合わせ、原産国の多様化や輸送モードやルートの選択肢を広げることで安定的なサプライチェーンの確保、リスクの低減に努めております。またパートナーとの健全な関係を築くため「資材調達基本方針」を定め継続的な取引が可能であること、当社グループの製品含有化学物質に関する要領及び基準などを遵守できること、「ミネベアミツミグループCSR調達ガイドライン」に賛同できることなど当社グループの資材調達への考えに賛同し、継続的に安定した取引が可能であることを確認の上、新規に取引を行っております。 ⑥ 知的財産権に関する紛争、模倣品(コピー商品)の氾濫に関するリスク内容対応当社グループは、当社グループの製品について第三者より知的財産権の侵害訴訟を提起されるリスクがあります。また、当社グループの製品の模倣品が流通することで、売上に影響が出る、当社のブランド又は信用が損なわれるリスクがあります。これらのリスクに対し、次の対応を行っております。知的財産権侵害訴訟リスク低減のため、開発、設計時の他社知的財産権調査及び問題となる知的財産権の回避、排除を行っております。また当社商標を税関登録し模倣品の流通を監視するとともに、新規開発品について積極的に知的財産権を取得し技術を保護しております。なお、上記の対応にあたっては、特許等委員会にて適切な管理、運営をはかっております。 ⑦ 重大な訴訟等に関するリスク内容対応当社グループが、国内及び海外で広範な事業活動を展開する中で、将来、顧客、消費者、パートナー、競合会社、政府などとの間で、契約違反、不法行為などに関する重大な紛争、訴訟が発生する可能性があります。その場合に、当社グループが敗訴し、又は和解に応じると、金銭的な損失を被る可能性があります。そのため、重大な紛争、訴訟の発生の未然防止措置として、「法務部への連絡相談に係るガイドライン」を定め、法的な検討を要求される経営上の重要事項や契約書については、事前に国内及び海外の法務部門に連絡相談するよう義務付けております。また重大な紛争、訴訟が発生してしまった場合には、法務部門と顧問弁護士が中心となり、関係する社内各部署と連携し、紛争、訴訟の適正かつ迅速な解決を目指して活動を行っております。 ⑧ 環境関連法令等に関するリスク内容対応当社グループは、世界各地域においてさまざまな環境関連法令の適用を受けております。当社グループはこれらの規制に細心の注意を払いながら事業を行っておりますが、万一環境汚染が発生し又は発生のおそれが判明した場合には、当社グループに損失が生じる可能性があります。このため、「ミネベアミツミグループ環境方針」の下、環境マネジメント体制(環境マネジメント委員会)を設け、環境管理責任者を配し、厳格な環境汚染防止活動を平時より推進し、リスクへの対応を行っております。また、脱炭素社会に向けた政策的措置により生産コストが上昇し、原材料の転換等が必要となる可能性があります。このため、このような政策的動向を注視し、TCFD等への取り組みにより気候変動関連のリスクと機会への対応をはかり、脱炭素社会に相応しいビジネスモデルへの転換を先取りしてまいります。 ⑨ M&A、アライアンスに関するリスク内容対応当社グループは、M&Aとアライアンスを最重要施策の一つと位置付け推進しておりますが、買収企業やアライアンス事業において、市場環境の変化等に起因し、想定以上の収益性の下振れや財務内容の悪化が発生した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。さらにアライアンスにおいては相手先との戦略の不一致等が発現し、当初想定した効果を生まないリスクが存在します。このようなリスクへの対応として当社グループは、M&Aにおいては人材と組織の融合、アライアンスにおいては知見の相互活用を重視し、シナジーの創出をはかっております。 (内部環境)① コンプライアンスに関するリスク内容対応当社グループは、世界各地域においてさまざまな事業活動を展開しており、各地域の多種多様な法令、規則の適用を受けているため、将来にわたって法令違反等が発生する可能性、また法規制や当局の法令解釈が変更になることにより法規制等の遵守が困難になり又は遵守のための費用が増加する可能性があります。当社グループでは、労働、安全衛生、環境保全、倫理的経営について「ミネベアミツミグループ行動規範」を定め、さらに全ての役員、従業員が遵守すべき具体的な基準として「ミネベアミツミグループ役員・従業員行動指針」を定めております。また、その徹底をはかるため、コンプライアンス委員会を設置し、当社グループの法令遵守体制が適切に運営されているか検証を行う体制が構築されております。実務面では「ミネベアミツミグループ役員・従業員行動指針」に定められた主管部署が業務上の法令遵守を担当し、内部監査室が監査を行い、内部統制面では内部統制推進室が主に財務報告の信頼性を確保するなど、グループ全体としての法令遵守の有効性を高めております。 ② 品質問題によるリスク内容対応当社グループの製品は、一般市場及び多くの産業分野で高精度を要する部分(自動車、航空機、医療機器等人命に関わる製品)に使用されており、その社会的責任を認識し高い品質保証体制を確立することが求められます。同時に原材料、部品、副資材の選定及び、使用用途を熟慮した設計、開発等を行うことで「環境、健康、安心、安全」を顧客に提供する使命(期待)を担っております。万が一製品に欠陥が存在し、市場における重大な事故や顧客の生産停止あるいはリコール等の事態が発生した場合、多大な費用の発生や社会的信用の失墜だけではなく、業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性が考えられます。当社グループでは、「ミネベアミツミグループ品質方針」を基に「社会的責任」を十分に認識し下記対策を行っております。・品質問題から得られた教訓への対応(未然防止、再発防止等)を徹底・設計段階での調査と確認、サプライチェーンにおける管理体制強化・各種法規制、顧客要求事項の周知と遵守を徹底・全社横断の会議体や現場監査等を通して情報共有と施策の展開 ③ 情報セキュリティに関するリスク内容対応当社グループは、事業活動の中で多くの重要情報や個人情報を入手することがあり、当社グループでは情報セキュリティの方針を定め、情報の外部への流失及び目的外の流用等が起こらないよう運用しておりますが、予期せぬ事態により流出する可能性があります。このような事態が生じた場合、その対応のために多額の費用が発生するとともに、社会的信用が低下するリスクがあります。当社グループでは情報セキュリティ体制を強化する目的からサイバーセキュリティ対策に取り組むための専任組織としてセキュリティ推進室を設置しております。セキュリティ推進室長は当社のCISO:Chief Information Security Officerとして、セキュリティ対策の改善、強化策の立案及びその推進、サイバーインシデントへの対応、そして、社内のセキュリティ教育を担います。さらに、情報セキュリティ規程の策定並びに情報セキュリティ委員会を設置し、情報セキュリティ体制が適切に運営されているか検証を行う体制を構築しております。また情報セキュリティ教育並びに理解度テストを励行し、機器の紛失、盗難、不注意等による情報流出の防止に努めております。上記に加え、コンピュータウイルスやマルウェア等の侵入、不正アクセス等のサーバー攻撃やシステム侵害による運用停止や情報漏洩への対策として業務で使用するネットワーク機器、パソコン、サーバー等については、安定稼働の確認が取れた直近のバージョンを適用するとともに、アンチウイルス、マルウェア対策ソフトに加えて、24時間365日の脅威検知システムを導入し、適正に運用しております。 ④ 研究開発に関するリスク内容対応当社グループは、新製品を継続的に市場投入し、将来の売上高、利益の目標達成に貢献できるよう基礎研究、要素技術開発、製品開発及び生産工程開発を含む研究開発活動を行っております。しかしながら、想定に反して研究開発の成果物が適時創出できない場合、AI技術等の急速な進展により競合他社が当社の研究開発の成果物を凌駕するもので対抗してきた場合、あるいは脱炭素社会への移行に伴う技術の進歩や市場要求が変化した場合、将来の売上高、利益の目標達成ができず、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。研究開発の成果創出には不確実性が伴いますが、これを想定の範囲内に収めるべく、研究開発プロジェクトの進捗、費用については、「研究開発管理規程」等に則り管理し、AIも駆使して効果的かつ効率的な研究開発を行っております。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が ミネベアミツミ の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →