有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、伝統的経営理念である「三者の得」(当社製品によって「使う人、売る人、造る人」の各々が利益を享受すること)を踏まえ、安全・安心なパワーソースの提供を通じて豊かな社会造りに貢献することを経営理念としております。この理念のもと、常に技術革新に向けてチャレンジし続け、透明かつ公正な企業活動を通じて世界中で信頼される企業を目指しております。 (2)経営戦略当社グループの経営戦略は、グループの安定的な成長とバランスのとれた事業構造を確立することであり、パワーソースのパイオニアとしての信頼と販売ネットワークを駆使し、高品質パワーソースのグローバルNo1ブランドを目指すと共に、発電機製造のノウハウを最大限に発揮できる周辺事業の拡充や新規事業への参入等に注力してまいります。そのために、品質・機能・価格・サービスのすべてにおいて、お客様の立場に立って製品を開発すると共に、顧客サポートの充実を最重要目標として、グローバル化とグループ力の結束と強化に取り組み、連結経営体制の構築を進めてまいります。2035年度長期ビジョンとして「サステナビリティをめぐる諸課題に取り組みつつ、パワーソースの提供を通じて社会に貢献し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に努める」ことを掲げ、2024年度から始まる中期経営計画「Denyo2026」を長期ビジョンの達成に向けた最初の3年間の計画と位置付けました。当社グループは、本中期経営計画に基づき、国内市場における可搬形発電機、溶接機のトップシェアの維持向上により安定的な収益を確保し、その収益を成長する海外市場の深耕・開拓や脱炭素社会を見据え水素を燃料とする発電機をはじめとする新機軸製品の研究開発などに投資してまいります。 (3)経営環境① 企業構造当社グループ(当社及び連結子会社)は、中核会社である当社を中心に、販売や製造等機能別の各事業会社で構成されております。各連結子会社は、グループ全体の統一的な方針の下、それぞれの自主性を尊重しつつ、各社が協調して事業運営を行っており、当社グループの事業規模等から判断し、有効に機能しうる体制になっていると考えております。② 市場の状況当社グループの主要な製品群(エンジン発電機、エンジン溶接機、エンジンコンプレッサ等)は、建設機械に分類され、商社・販売店・建機レンタル会社等を通じて、主として建設関連市場向けに販売されております。そのため、当社グループの事業は、建設関連市場の需要動向に大きく影響を受けます。国内市場においては、当連結会計年度における建設需要は、都市再開発工事やインフラ関連工事など堅調に推移しておりますが、長期的には、国の財政赤字に伴う公共投資の抑制等を原因として、需要が減少傾向になる可能性があると考えております。海外市場においても、各国における民間・公共建設需要の影響を受けますが、北米市場は、通商政策による影響が懸念されますが、老朽化するインフラに対する維持・更新需要も見込まれ、建設投資は総じて堅調に推移するものと考えております。その他の地域についても、アジア地域を中心に経済成長を背景としたインフラ投資の潜在的な需要は存在しており、中長期的には建設投資の増加が期待されております。また、当社グループは、防災用発電機や一般停電用予備発電機からなる定置形の非常用発電機を取り扱っており、店舗・工場・オフィス等の企業向けや病院等の医療施設向け、水道施設・消防署等の公共施設向けに広く販売しております。近年、日本のみならず海外も含めて頻発している豪雨・地震・津波などの自然災害を受けて、災害発生時に停電が発生した場合の政府・企業のBCP対策として非常用発電機への需要が期待されております。③ 競合他社との競争優位性当社グループが取り扱っている発電機等の製造技術は広く一般に知られており、世界の発電機市場には大手総合建設機械メーカーを含め多数の競合他社が存在しております。その中において、当社グループの競争優位性としては、まず、製品の特長として、高品質な電気を安定的に供給できることや、メンテナンス性の高い機構を採用していること、耐久性能や低騒音・低排出ガスなどの環境性能に優れていることが挙げられます。また、専業メーカーならではの優位性としては、顧客の皆様のニーズに適合した多数の製品ラインナップを揃えていることが挙げられます。さらには、当社グループは、日本全国に指定サービス工場(正規修理特約店)を擁してアフターサービス網を構築しており、製品ご購入後もユーザーの皆様が安心して当社グループの製品をお使い頂けることも競争優位性として挙げられます。長年にわたってこの様な高品質の製品を供給し続け、多くの顧客の皆様に安心してお使い頂くことによって、高品質パワーソースの“Denyo”ブランドとして確立され、これがさらなる競争優位性の獲得に貢献しているものと考えております。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題今後の経営環境は、国際競争の激化や市場構造の変化に加え、地政学リスクによる経済への影響もあり、より厳しさを増すものと予想されますが、当社グループは、景気や市場の跛行性に左右されにくい企業体質を目指し、グループ各社の生産性向上等により収益基盤の強化に努めてまいります。国内では、主力の建設関連市場は、インフラ老朽化対策や都市再開発の案件、災害対策工事など建設需要が相応に存在しますが、今後、公共投資の減少などにより縮小傾向になる可能性を否定できません。こうした状況の下、当社グループは、2024年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「Denyo2026」に取り組み、国内では非常用発電機のシェア拡大、海外では北米市場のほか、今後成長が期待できるアジア、中近東市場等の販売店網・サービス網を充実・強化し、当社ブランドの浸透と販売拡大を目指してまいります。また、長期的には、脱炭素社会に向け市場ニーズが変化していくことが想定されるため、水素関連製品をはじめ新機軸製品の研究開発にも取り組んでまいります。 [中期経営計画 Denyo2026の概要]1.中期経営計画基本方針豊かな社会に貢献する長期ビジョンの達成に向けた成長への投資を実行し経営基盤づくりを推進する。2.事業戦略(1)中核分野(安定収益を確保する分野)(国内建設関連市場)エンジン発電機、溶接機といったトップブランド製品を中心に国内シェアを維持向上し、安定収益を確保する。① 新製品の開発・投入によりシェアアップ、顧客拡大を目指す② 教育体制の充実による販売力の強化を図る③ 東日本、西日本の大型修理拠点を活用し更なるサービス体制の充実を図る(2)成長分野(既存市場・製品の延長で成長させ、短・中期的な視点で収益拡大を目指す分野)(国内定置形発電機市場)非常用発電機を中心にシェア拡大を目指す。① 国内グループ3社の連携強化② 防災用発電機を製造・販売するニシハツ新本社工場(2025年1月稼働)の投資効果の最大化③ 非常用発電機のメンテナンス収益の拡大(海外市場)海外販売網・サービス網を充実・拡大し、Denyoブランドの浸透を図る。① 既存製品による市場深耕・開拓を進める② 新規製品開発による既存市場での拡販・開拓を図る③ アジア、中近東等の販売店網・サービス網を強化し、新たなニーズに対応(3)挑戦分野(グローバルサウス未開拓市場、新機軸の製品で成長させ、長期的な視点で収益拡大を目指す分野)(グローバルサウス未開拓市場)成長が期待される未開拓地域への進出① 未開拓地域進出に向け調査・検討を実施② M&Aを含めた進出先・進出形態の模索(新機軸製品)新機軸製品の社会実装を目指す。① 新機軸製品の開発継続・推進② 営業、サービス、生産体制の準備 (4)組織能力の強化(開発・生産)安定的に生産できる体制を構築① 顧客要求の早期製品化を講じる② 生産工程の機械化・自動化を進める③ 製造現場の環境改善、BCP対策を講じる(情報システム)生産性・効率性の向上とセキュリティを両立したシステム構築① 基幹システムの改善・構築② 情報セキュリティ・BCP対策の強化を進める(組織)多様な人材が活躍できる体制づくり① 人財育成プログラムの高度化を図る② 老朽化した事務所建替・移転など職場の環境改善を進める (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループが経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標は、企業価値と事業効率の向上を図るため、中期的には(中期経営計画「Denyo2026」の期間中)、自己資本当期純利益率(ROE)7%以上、売上高経常利益率10%以上としますが、長期的(2035年度長期ビジョン)には、ROE8%以上、売上高経常利益率12%以上を目指しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、伝統的経営理念である「三者の得」(当社製品によって「使う人、売る人、造る人」の各々が利益を享受すること)を踏まえ、安全・安心なパワーソースの提供を通じて豊かな社会造りに貢献することを経営理念としております。この理念のもと、常に技術革新に向けてチャレンジし続け、透明かつ公正な企業活動を通じて世界中で信頼される企業を目指しております。 (2)経営戦略当社グループの経営戦略は、グループの安定的な成長とバランスのとれた事業構造を確立することであり、パワーソースのパイオニアとしての信頼と販売ネットワークを駆使し、高品質パワーソースのグローバルNo1ブランドを目指すと共に、発電機製造のノウハウを最大限に発揮できる周辺事業の拡充や新規事業への参入等に注力してまいります。そのために、品質・機能・価格・サービスのすべてにおいて、お客様の立場に立って製品を開発すると共に、顧客サポートの充実を最重要目標として、グローバル化とグループ力の結束と強化に取り組み、連結経営体制の構築を進めてまいります。2035年度長期ビジョンとして「サステナビリティをめぐる諸課題に取り組みつつ、パワーソースの提供を通じて社会に貢献し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に努める」ことを掲げ、2024年度から始まる中期経営計画「Denyo2026」を長期ビジョンの達成に向けた最初の3年間の計画と位置付けました。当社グループは、本中期経営計画に基づき、国内市場における可搬形発電機、溶接機のトップシェアの維持向上により安定的な収益を確保し、その収益を成長する海外市場の深耕・開拓や脱炭素社会を見据え水素を燃料とする発電機をはじめとする新機軸製品の研究開発などに投資してまいります。 (3)経営環境① 企業構造当社グループ(当社及び連結子会社)は、中核会社である当社を中心に、販売や製造等機能別の各事業会社で構成されております。各連結子会社は、グループ全体の統一的な方針の下、それぞれの自主性を尊重しつつ、各社が協調して事業運営を行っており、当社グループの事業規模等から判断し、有効に機能しうる体制になっていると考えております。② 市場の状況当社グループの主要な製品群(エンジン発電機、エンジン溶接機、エンジンコンプレッサ等)は、建設機械に分類され、商社・販売店・建機レンタル会社等を通じて、主として建設関連市場向けに販売されております。そのため、当社グループの事業は、建設関連市場の需要動向に大きく影響を受けます。国内市場においては、当連結会計年度における建設需要は、都市再開発工事やインフラ関連工事など堅調に推移しておりますが、長期的には、国の財政赤字に伴う公共投資の抑制等を原因として、需要が減少傾向になる可能性があると考えております。海外市場においても、各国における民間・公共建設需要の影響を受けますが、北米市場は、通商政策による影響が懸念されますが、老朽化するインフラに対する維持・更新需要も見込まれ、建設投資は総じて堅調に推移するものと考えております。その他の地域についても、アジア地域を中心に経済成長を背景としたインフラ投資の潜在的な需要は存在しており、中長期的には建設投資の増加が期待されております。また、当社グループは、防災用発電機や一般停電用予備発電機からなる定置形の非常用発電機を取り扱っており、店舗・工場・オフィス等の企業向けや病院等の医療施設向け、水道施設・消防署等の公共施設向けに広く販売しております。近年、日本のみならず海外も含めて頻発している豪雨・地震・津波などの自然災害を受けて、災害発生時に停電が発生した場合の政府・企業のBCP対策として非常用発電機への需要が期待されております。③ 競合他社との競争優位性当社グループが取り扱っている発電機等の製造技術は広く一般に知られており、世界の発電機市場には大手総合建設機械メーカーを含め多数の競合他社が存在しております。その中において、当社グループの競争優位性としては、まず、製品の特長として、高品質な電気を安定的に供給できることや、メンテナンス性の高い機構を採用していること、耐久性能や低騒音・低排出ガスなどの環境性能に優れていることが挙げられます。また、専業メーカーならではの優位性としては、顧客の皆様のニーズに適合した多数の製品ラインナップを揃えていることが挙げられます。さらには、当社グループは、日本全国に指定サービス工場(正規修理特約店)を擁してアフターサービス網を構築しており、製品ご購入後もユーザーの皆様が安心して当社グループの製品をお使い頂けることも競争優位性として挙げられます。長年にわたってこの様な高品質の製品を供給し続け、多くの顧客の皆様に安心してお使い頂くことによって、高品質パワーソースの“Denyo”ブランドとして確立され、これがさらなる競争優位性の獲得に貢献しているものと考えております。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題今後の経営環境は、国際競争の激化や市場構造の変化に加え、地政学リスクによる経済への影響もあり、より厳しさを増すものと予想されますが、当社グループは、景気や市場の跛行性に左右されにくい企業体質を目指し、グループ各社の生産性向上等により収益基盤の強化に努めてまいります。国内では、主力の建設関連市場は、インフラ老朽化対策や都市再開発の案件、災害対策工事など建設需要が相応に存在しますが、今後、公共投資の減少などにより縮小傾向になる可能性を否定できません。こうした状況の下、当社グループは、2024年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「Denyo2026」に取り組み、国内では非常用発電機のシェア拡大、海外では北米市場のほか、今後成長が期待できるアジア、中近東市場等の販売店網・サービス網を充実・強化し、当社ブランドの浸透と販売拡大を目指してまいります。また、長期的には、脱炭素社会に向け市場ニーズが変化していくことが想定されるため、水素関連製品をはじめ新機軸製品の研究開発にも取り組んでまいります。 [中期経営計画 Denyo2026の概要]1.中期経営計画基本方針豊かな社会に貢献する長期ビジョンの達成に向けた成長への投資を実行し経営基盤づくりを推進する。2.事業戦略(1)中核分野(安定収益を確保する分野)(国内建設関連市場)エンジン発電機、溶接機といったトップブランド製品を中心に国内シェアを維持向上し、安定収益を確保する。① 新製品の開発・投入によりシェアアップ、顧客拡大を目指す② 教育体制の充実による販売力の強化を図る③ 東日本、西日本の大型修理拠点を活用し更なるサービス体制の充実を図る(2)成長分野(既存市場・製品の延長で成長させ、短・中期的な視点で収益拡大を目指す分野)(国内定置形発電機市場)非常用発電機を中心にシェア拡大を目指す。① 国内グループ3社の連携強化② 防災用発電機を製造・販売するニシハツ新本社工場(2025年1月稼働)の投資効果の最大化③ 非常用発電機のメンテナンス収益の拡大(海外市場)海外販売網・サービス網を充実・拡大し、Denyoブランドの浸透を図る。① 既存製品による市場深耕・開拓を進める② 新規製品開発による既存市場での拡販・開拓を図る③ アジア、中近東等の販売店網・サービス網を強化し、新たなニーズに対応(3)挑戦分野(グローバルサウス未開拓市場、新機軸の製品で成長させ、長期的な視点で収益拡大を目指す分野)(グローバルサウス未開拓市場)成長が期待される未開拓地域への進出① 未開拓地域進出に向け調査・検討を実施② M&Aを含めた進出先・進出形態の模索(新機軸製品)新機軸製品の社会実装を目指す。① 新機軸製品の開発継続・推進② 営業、サービス、生産体制の準備 (4)組織能力の強化(開発・生産)安定的に生産できる体制を構築① 顧客要求の早期製品化を講じる② 生産工程の機械化・自動化を進める③ 製造現場の環境改善、BCP対策を講じる(情報システム)生産性・効率性の向上とセキュリティを両立したシステム構築① 基幹システムの改善・構築② 情報セキュリティ・BCP対策の強化を進める(組織)多様な人材が活躍できる体制づくり① 人財育成プログラムの高度化を図る② 老朽化した事務所建替・移転など職場の環境改善を進める (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループが経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標は、企業価値と事業効率の向上を図るため、中期的には(中期経営計画「Denyo2026」の期間中)、自己資本当期純利益率(ROE)7%以上、売上高経常利益率10%以上としますが、長期的(2035年度長期ビジョン)には、ROE8%以上、売上高経常利益率12%以上を目指しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況当連結会計年度のわが国経済は、企業収益が堅調に推移し、雇用・所得環境にも改善の動きが見られるなど、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、世界経済は、アメリカの通商政策等の影響や中東情勢の緊迫化に伴う地政学リスクの拡大もあり、先行き不透明な状況で推移いたしました。当社グループを取り巻く事業環境は、国内においては、防災・減災関連の需要は堅調に推移したほか、建設需要についても、インフラの維持・更新工事や都市再開発工事など底堅く推移いたしました。一方で、資材価格の高止まりや人手不足等を背景とした工事の遅延などの影響も一部で見られました。海外においては、主力のアメリカレンタル市場における在庫調整が一巡し、需要は回復基調で推移いたしました。このような状況の中、当社グループといたしましては、国内での非常用発電機の受注強化や販売展示会への積極的な出展に加え、アメリカ市場への供給拡大に努めた結果、売上高722億44百万円(前期比2.1%増)、営業利益77億57百万円(同4.9%増)、経常利益85億26百万円(同6.5%増)となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等調整額の増加もあり56億40百万円(同0.1%減)となりました。 製品区分別売上高の概況は次のとおりです。発電機関連は、国内市場向けは、建設工事やイベントなどで使用される可搬形発電機の出荷が減少しましたが、建物や工場のバックアップ電源として設置される非常用発電機の出荷が、防災用を中心に堅調に推移いたしました。海外市場向けは、アメリカ市場を中心に大型機の出荷が増加したことから、売上高595億27百万円(前期比1.7%増)となりました。溶接機関連は、国内市場向けは小型のガソリン溶接機やティグ溶接機の出荷が増加し、海外向けは、小型機を中心に出荷が増加しましたことから、売上高48億97百万円(同5.4%増)となりました。コンプレッサ関連は、国内市場向けにエンジンコンプレッサの出荷が減少しましたことから、売上高7億26百万円(同19.6%減)となりました。その他は、製品に付随する部品売上やメンテナンス売上が増加しましたことから、売上高70億93百万円(同6.4%増)となりました。 セグメント別概況は次のとおりです。なお、各セグメントの連結業績は、各地域を所在地とする当社及び連結子会社各社の業績を基礎としております。したがいまして、日本セグメントの連結業績は2025年4月から2026年3月まで、日本以外のセグメントの連結業績は在外連結子会社の通期決算日が12月末日であるため、2025年1月から2025年12月までのものとなっております。(日本)日本は、国内向けについては、リース・レンタル会社向け可搬形発電機の出荷が、前期に大きく増加した反動もあり減少しましたが、一般企業向け非常用発電機など設備用の出荷は全般的に堅調に推移いたしました。海外向けについては、アメリカ市場向け輸出が順調に推移いたしました。この結果、売上高506億84百万円(前期比2.1%増)、営業利益52億67百万円(同15.3%増)となりました。 (アメリカ)アメリカは、昨年度第2四半期以降続いていたレンタル市場における発電機の在庫調整が一巡し、これに伴い下期からアメリカ工場の出荷が増加基調に転じました。この結果、171億57百万円(同5.6%増)、営業利益16億50百万円(同1.1%減)となりました。 (アジア)アジアは、資源国向けの出荷は底堅く推移したものの、香港やタイ向けなどの出荷が低調に推移したほか、ベトナム工場の出荷も減少したことから、売上高41億10百万円(同8.1%減)、営業利益4億50百万円(同30.1%減)となりました。 (欧州)欧州は、主要な販売先であるイギリス向けが低調に推移したことから、売上高2億91百万円(同20.2%減)、営業損失57百万円(前期は3百万円の営業損失)となりました。 ② 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における資産合計は、1,045億42百万円で前連結会計年度末に比べ14億39百万円増加しました。当連結会計年度末における流動資産は、649億46百万円で前連結会計年度末に比べ17億1百万円減少しました。これは主に、売掛金が19億19百万円増加した一方で、現金及び預金が23億68百万円、受取手形が7億22百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。当連結会計年度末における固定資産は、395億96百万円で前連結会計年度末に比べ31億41百万円増加しました。これは主に、保有株式の時価の評価替え等による投資有価証券の増加31億19百万円等によるものであります。(負債)当連結会計年度末における負債合計は、192億9百万円で前連結会計年度末に比べ32億34百万円減少しました。当連結会計年度末における流動負債は、137億20百万円で前連結会計年度末に比べ38億55百万円減少しました。これは主に、電子記録債務が14億58百万円、短期借入金が10億46百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。固定負債は、54億89百万円で前連結会計年度末に比べ6億20百万円増加しました。これは主に、繰延税金負債の増加6億96百万円、退職給付に係る負債の増加1億67百万円等によるものであります。(純資産)当連結会計年度末における純資産は、853億33百万円で前連結会計年度末に比べ46億74百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上56億40百万円や、その他の包括利益累計額の増加18億7百万円、配当金の支払19億11百万円、自己株式の取得10億1百万円等によるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、税金等調整前当期純利益が85億37百万円計上された一方で、無形固定資産の取得による支出や、配当金の支払等により、前連結会計年度末に比べ23億68百万円減少し、当連結会計年度末に221億28百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は44億75百万円(前期は73億15百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益85億37百万円の計上や減価償却費19億12百万円の計上、仕入債務の減少24億43百万円や法人税等の支払27億26百万円等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は23億78百万円(前期は55億48百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出9億52百万円や無形固定資産の取得による支出14億53百万円等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は43億19百万円(前期は17億91百万円の支出)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出12億72百万円や配当金の支払19億11百万円等によるものであります。④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前期比(%)日本(百万円)45,8490.7アメリカ(百万円)17,3086.6アジア(百万円)854△37.6合計(百万円)64,0111.4(注)セグメント間で行った外注加工に係る生産実績については、最終製品化した会社が属するセグメントに含めております。b.受注実績 当社グループ(当社及び連結子会社)は主として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前期比(%)日本(百万円)50,6842.1アメリカ(百万円)17,1575.6アジア(百万円)4,110△8.1欧州(百万円)291△20.2合計(百万円)72,2442.1(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)マルチクイップ インク16,24923.017,15723.7 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度における経営成績は、国内市場においては、インフラの維持・更新や都市再開発工事など建設需要は底堅く推移いたしましたが、リース・レンタル会社向け製品は前連結会計年度に大きく増加した反動もあり、出荷が減少いたしました。一方、一般企業向け非常用発電機の需要については堅調に推移いたしました。海外においては、主力のアメリカ市場において、発電機の在庫調整が一巡し、需要が回復基調で推移いたしました。この結果、売上高は前連結会計年度比で14億90百万円増加しました。売上高の増加のほか販売単価の上昇もあり、営業利益は前連結会計年度比で3億64百万円増加しました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、主に投資有価証券売却益の減少や法人税等調整額の増加により、前連結会計年度比で6百万円減少しました。当社グループが目標とする主な経営指標の当連結会計年度における達成状況につきましては、売上高経常利益率は、主に営業利益の増加により11.8%(長期的目標:12%以上)と前連結会計年度11.3%に比べ上昇し、自己資本当期純利益率(ROE)は、主に自己資本の増加により7.1%(長期的目標:8%以上)と前連結会計年度7.5%に比べ低下しました。当社グループといたしましては、2024年度から始まった中期経営計画 「Denyo2026」に基づき各種施策を着実に実行し、国内建設市場における高品質パワーソースのトップランナーとしての地位を堅持しつつ、国内非常用発電機のシェア拡大及び海外向けの比率を高め、環境変化に強い収益構造を実現し、目標の達成を目指してまいります。当社グループの当連結会計年度における財政状態については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループは、先行き不透明な経済環境下で財務体質の安定性を保つことが重要であると考え、企業価値向上のための成長投資及び配当などの株主還元に必要十分な資金流動性を確保しつつ、強固な財務体質を維持することを基本方針としております。当連結会計年度におきましても、この方針に従い、流動性資金残高の効率的運用に努めてまいりました。資本の財源としましては、主に手元資金及び金融機関からの借入れなどで資金を調達しております。流動性と資金源泉の必要額を判断する場合、連結ベースの資金の残高と連結キャッシュ・フロー計算書における営業活動によるキャッシュ・フローを重視しております。なお、当社は、資金調達の機動性及び安定性を高められることから、取引銀行との間でコミットメントライン契約を締結しております。当社グループは、2024年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画の期間中において、生産設備の合理化投資や研究開発投資など総額約230億円の成長投資や、総還元性向40%を目安とした株主還元を計画しておりますが、手許資金及び営業活動により創出が見込まれる資金で少なくとも翌連結会計年度の必要資金を十分賄えると予想しております。 ③ 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、経営者は適切と考える会計方針を選択・適用し、また、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づいて会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、将来の不確実性があるため、見積りとは異なる場合がございます。当社グループが採用した重要な会計方針は、(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)「4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。これらの重要な会計方針のうち、見積りに用いた仮定の不確実性が特に高い事項は認識しておりません。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、伝統的経営理念である「三者の得」(当社製品によって「使う人、売る人、造る人」の各々が利益を享受すること)を踏まえ、安全・安心なパワーソースの提供を通じて豊かな社会造りに貢献することを経営理念としております。この理念のもと、常に技術革新に向けてチャレンジし続け、透明かつ公正な企業活動を通じて世界中で信頼される企業を目指しております。 (2)経営戦略当社グループの経営戦略は、グループの安定的な成長とバランスのとれた事業構造を確立することであり、パワーソースのパイオニアとしての信頼と販売ネットワークを駆使し、高品質パワーソースのグローバルNo1ブランドを目指すと共に、発電機製造のノウハウを最大限に発揮できる周辺事業の拡充や新規事業への参入等に注力してまいります。そのために、品質・機能・価格・サービスのすべてにおいて、お客様の立場に立って製品を開発すると共に、顧客サポートの充実を最重要目標として、グローバル化とグループ力の結束と強化に取り組み、連結経営体制の構築を進めてまいります。2035年度長期ビジョンとして「サステナビリティをめぐる諸課題に取り組みつつ、パワーソースの提供を通じて社会に貢献し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に努める」ことを掲げ、2024年度から始まる中期経営計画「Denyo2026」を長期ビジョンの達成に向けた最初の3年間の計画と位置付けました。当社グループは、本中期経営計画に基づき、国内市場における可搬形発電機、溶接機のトップシェアの維持向上により安定的な収益を確保し、その収益を成長する海外市場の深耕・開拓や脱炭素社会を見据え水素を燃料とする発電機をはじめとする新機軸製品の研究開発などに投資してまいります。 (3)経営環境① 企業構造当社グループ(当社及び連結子会社)は、中核会社である当社を中心に、販売や製造等機能別の各事業会社で構成されております。各連結子会社は、グループ全体の統一的な方針の下、それぞれの自主性を尊重しつつ、各社が協調して事業運営を行っており、当社グループの事業規模等から判断し、有効に機能しうる体制になっていると考えております。② 市場の状況当社グループの主要な製品群(エンジン発電機、エンジン溶接機、エンジンコンプレッサ等)は、建設機械に分類され、商社・販売店・建機レンタル会社等を通じて、主として建設関連市場向けに販売されております。そのため、当社グループの事業は、建設関連市場の需要動向に大きく影響を受けます。国内市場においては、当連結会計年度における建設需要は、都市再開発工事やインフラ関連工事など堅調に推移しておりますが、長期的には、国の財政赤字に伴う公共投資の抑制等を原因として、需要が減少傾向になる可能性があると考えております。海外市場においても、各国における民間・公共建設需要の影響を受けますが、北米市場は、通商政策による影響が懸念されますが、老朽化するインフラに対する維持・更新需要も見込まれ、建設投資は総じて堅調に推移するものと考えております。その他の地域についても、アジア地域を中心に経済成長を背景としたインフラ投資の潜在的な需要は存在しており、中長期的には建設投資の増加が期待されております。また、当社グループは、防災用発電機や一般停電用予備発電機からなる定置形の非常用発電機を取り扱っており、店舗・工場・オフィス等の企業向けや病院等の医療施設向け、水道施設・消防署等の公共施設向けに広く販売しております。近年、日本のみならず海外も含めて頻発している豪雨・地震・津波などの自然災害を受けて、災害発生時に停電が発生した場合の政府・企業のBCP対策として非常用発電機への需要が期待されております。③ 競合他社との競争優位性当社グループが取り扱っている発電機等の製造技術は広く一般に知られており、世界の発電機市場には大手総合建設機械メーカーを含め多数の競合他社が存在しております。その中において、当社グループの競争優位性としては、まず、製品の特長として、高品質な電気を安定的に供給できることや、メンテナンス性の高い機構を採用していること、耐久性能や低騒音・低排出ガスなどの環境性能に優れていることが挙げられます。また、専業メーカーならではの優位性としては、顧客の皆様のニーズに適合した多数の製品ラインナップを揃えていることが挙げられます。さらには、当社グループは、日本全国に指定サービス工場(正規修理特約店)を擁してアフターサービス網を構築しており、製品ご購入後もユーザーの皆様が安心して当社グループの製品をお使い頂けることも競争優位性として挙げられます。長年にわたってこの様な高品質の製品を供給し続け、多くの顧客の皆様に安心してお使い頂くことによって、高品質パワーソースの“Denyo”ブランドとして確立され、これがさらなる競争優位性の獲得に貢献しているものと考えております。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題今後の経営環境は、国際競争の激化や市場構造の変化に加え、地政学リスクによる経済への影響もあり、より厳しさを増すものと予想されますが、当社グループは、景気や市場の跛行性に左右されにくい企業体質を目指し、グループ各社の生産性向上等により収益基盤の強化に努めてまいります。国内では、主力の建設関連市場は、インフラ老朽化対策や都市再開発の案件、災害対策工事など建設需要が相応に存在しますが、今後、公共投資の減少などにより縮小傾向になる可能性を否定できません。こうした状況の下、当社グループは、2024年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「Denyo2026」に取り組み、国内では非常用発電機のシェア拡大、海外では北米市場のほか、今後成長が期待できるアジア、中近東市場等の販売店網・サービス網を充実・強化し、当社ブランドの浸透と販売拡大を目指してまいります。また、長期的には、脱炭素社会に向け市場ニーズが変化していくことが想定されるため、水素関連製品をはじめ新機軸製品の研究開発にも取り組んでまいります。 [中期経営計画 Denyo2026の概要]1.中期経営計画基本方針豊かな社会に貢献する長期ビジョンの達成に向けた成長への投資を実行し経営基盤づくりを推進する。2.事業戦略(1)中核分野(安定収益を確保する分野)(国内建設関連市場)エンジン発電機、溶接機といったトップブランド製品を中心に国内シェアを維持向上し、安定収益を確保する。① 新製品の開発・投入によりシェアアップ、顧客拡大を目指す② 教育体制の充実による販売力の強化を図る③ 東日本、西日本の大型修理拠点を活用し更なるサービス体制の充実を図る(2)成長分野(既存市場・製品の延長で成長させ、短・中期的な視点で収益拡大を目指す分野)(国内定置形発電機市場)非常用発電機を中心にシェア拡大を目指す。① 国内グループ3社の連携強化② 防災用発電機を製造・販売するニシハツ新本社工場(2025年1月稼働)の投資効果の最大化③ 非常用発電機のメンテナンス収益の拡大(海外市場)海外販売網・サービス網を充実・拡大し、Denyoブランドの浸透を図る。① 既存製品による市場深耕・開拓を進める② 新規製品開発による既存市場での拡販・開拓を図る③ アジア、中近東等の販売店網・サービス網を強化し、新たなニーズに対応(3)挑戦分野(グローバルサウス未開拓市場、新機軸の製品で成長させ、長期的な視点で収益拡大を目指す分野)(グローバルサウス未開拓市場)成長が期待される未開拓地域への進出① 未開拓地域進出に向け調査・検討を実施② M&Aを含めた進出先・進出形態の模索(新機軸製品)新機軸製品の社会実装を目指す。① 新機軸製品の開発継続・推進② 営業、サービス、生産体制の準備 (4)組織能力の強化(開発・生産)安定的に生産できる体制を構築① 顧客要求の早期製品化を講じる② 生産工程の機械化・自動化を進める③ 製造現場の環境改善、BCP対策を講じる(情報システム)生産性・効率性の向上とセキュリティを両立したシステム構築① 基幹システムの改善・構築② 情報セキュリティ・BCP対策の強化を進める(組織)多様な人材が活躍できる体制づくり① 人財育成プログラムの高度化を図る② 老朽化した事務所建替・移転など職場の環境改善を進める (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループが経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標は、企業価値と事業効率の向上を図るため、中期的には(中期経営計画「Denyo2026」の期間中)、自己資本当期純利益率(ROE)7%以上、売上高経常利益率10%以上としますが、長期的(2035年度長期ビジョン)には、ROE8%以上、売上高経常利益率12%以上を目指しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、伝統的経営理念である「三者の得」(当社製品によって「使う人、売る人、造る人」の各々が利益を享受すること)を踏まえ、安全・安心なパワーソースの提供を通じて豊かな社会造りに貢献することを経営理念としております。この理念のもと、常に技術革新に向けてチャレンジし続け、透明かつ公正な企業活動を通じて世界中で信頼される企業を目指しております。 (2)経営戦略当社グループの経営戦略は、グループの安定的な成長とバランスのとれた事業構造を確立することであり、パワーソースのパイオニアとしての信頼と販売ネットワークを駆使し、高品質パワーソースのグローバルNo1ブランドを目指すと共に、発電機製造のノウハウを最大限に発揮できる周辺事業の拡充や新規事業への参入等に注力してまいります。そのために、品質・機能・価格・サービスのすべてにおいて、お客様の立場に立って製品を開発すると共に、顧客サポートの充実を最重要目標として、グローバル化とグループ力の結束と強化に取り組み、連結経営体制の構築を進めてまいります。2035年度長期ビジョンとして「サステナビリティをめぐる諸課題に取り組みつつ、パワーソースの提供を通じて社会に貢献し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に努める」ことを掲げ、2024年度から始まる中期経営計画「Denyo2026」を長期ビジョンの達成に向けた最初の3年間の計画と位置付けました。当社グループは、本中期経営計画に基づき、国内市場における可搬形発電機、溶接機のトップシェアの維持向上により安定的な収益を確保し、その収益を成長する海外市場の深耕・開拓や脱炭素社会を見据え水素を燃料とする発電機をはじめとする新機軸製品の研究開発などに投資してまいります。 (3)経営環境① 企業構造当社グループ(当社及び連結子会社)は、中核会社である当社を中心に、販売や製造等機能別の各事業会社で構成されております。各連結子会社は、グループ全体の統一的な方針の下、それぞれの自主性を尊重しつつ、各社が協調して事業運営を行っており、当社グループの事業規模等から判断し、有効に機能しうる体制になっていると考えております。② 市場の状況当社グループの主要な製品群(エンジン発電機、エンジン溶接機、エンジンコンプレッサ等)は、建設機械に分類され、商社・販売店・建機レンタル会社等を通じて、主として建設関連市場向けに販売されております。そのため、当社グループの事業は、建設関連市場の需要動向に大きく影響を受けます。国内市場においては、当連結会計年度における建設需要は、都市再開発工事やインフラ関連工事など堅調に推移しておりますが、長期的には、国の財政赤字に伴う公共投資の抑制等を原因として、需要が減少傾向になる可能性があると考えております。海外市場においても、各国における民間・公共建設需要の影響を受けますが、北米市場は、通商政策による影響が懸念されますが、老朽化するインフラに対する維持・更新需要も見込まれ、建設投資は総じて堅調に推移するものと考えております。その他の地域についても、アジア地域を中心に経済成長を背景としたインフラ投資の潜在的な需要は存在しており、中長期的には建設投資の増加が期待されております。また、当社グループは、防災用発電機や一般停電用予備発電機からなる定置形の非常用発電機を取り扱っており、店舗・工場・オフィス等の企業向けや病院等の医療施設向け、水道施設・消防署等の公共施設向けに広く販売しております。近年、日本のみならず海外も含めて頻発している豪雨・地震・津波などの自然災害を受けて、災害発生時に停電が発生した場合の政府・企業のBCP対策として非常用発電機への需要が期待されております。③ 競合他社との競争優位性当社グループが取り扱っている発電機等の製造技術は広く一般に知られており、世界の発電機市場には大手総合建設機械メーカーを含め多数の競合他社が存在しております。その中において、当社グループの競争優位性としては、まず、製品の特長として、高品質な電気を安定的に供給できることや、メンテナンス性の高い機構を採用していること、耐久性能や低騒音・低排出ガスなどの環境性能に優れていることが挙げられます。また、専業メーカーならではの優位性としては、顧客の皆様のニーズに適合した多数の製品ラインナップを揃えていることが挙げられます。さらには、当社グループは、日本全国に指定サービス工場(正規修理特約店)を擁してアフターサービス網を構築しており、製品ご購入後もユーザーの皆様が安心して当社グループの製品をお使い頂けることも競争優位性として挙げられます。長年にわたってこの様な高品質の製品を供給し続け、多くの顧客の皆様に安心してお使い頂くことによって、高品質パワーソースの“Denyo”ブランドとして確立され、これがさらなる競争優位性の獲得に貢献しているものと考えております。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題今後の経営環境は、国際競争の激化や市場構造の変化に加え、地政学リスクによる経済への影響もあり、より厳しさを増すものと予想されますが、当社グループは、景気や市場の跛行性に左右されにくい企業体質を目指し、グループ各社の生産性向上等により収益基盤の強化に努めてまいります。国内では、主力の建設関連市場は、インフラ老朽化対策や都市再開発の案件、災害対策工事など建設需要が相応に存在しますが、今後、公共投資の減少などにより縮小傾向になる可能性を否定できません。こうした状況の下、当社グループは、2024年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「Denyo2026」に取り組み、国内では非常用発電機のシェア拡大、海外では北米市場のほか、今後成長が期待できるアジア、中近東市場等の販売店網・サービス網を充実・強化し、当社ブランドの浸透と販売拡大を目指してまいります。また、長期的には、脱炭素社会に向け市場ニーズが変化していくことが想定されるため、水素関連製品をはじめ新機軸製品の研究開発にも取り組んでまいります。 [中期経営計画 Denyo2026の概要]1.中期経営計画基本方針豊かな社会に貢献する長期ビジョンの達成に向けた成長への投資を実行し経営基盤づくりを推進する。2.事業戦略(1)中核分野(安定収益を確保する分野)(国内建設関連市場)エンジン発電機、溶接機といったトップブランド製品を中心に国内シェアを維持向上し、安定収益を確保する。① 新製品の開発・投入によりシェアアップ、顧客拡大を目指す② 教育体制の充実による販売力の強化を図る③ 東日本、西日本の大型修理拠点を活用し更なるサービス体制の充実を図る(2)成長分野(既存市場・製品の延長で成長させ、短・中期的な視点で収益拡大を目指す分野)(国内定置形発電機市場)非常用発電機を中心にシェア拡大を目指す。① 国内グループ3社の連携強化② 防災用発電機を製造・販売するニシハツ新本社工場(2025年1月稼働)の投資効果の最大化③ 非常用発電機のメンテナンス収益の拡大(海外市場)海外販売網・サービス網を充実・拡大し、Denyoブランドの浸透を図る。① 既存製品による市場深耕・開拓を進める② 新規製品開発による既存市場での拡販・開拓を図る③ アジア、中近東等の販売店網・サービス網を強化し、新たなニーズに対応(3)挑戦分野(グローバルサウス未開拓市場、新機軸の製品で成長させ、長期的な視点で収益拡大を目指す分野)(グローバルサウス未開拓市場)成長が期待される未開拓地域への進出① 未開拓地域進出に向け調査・検討を実施② M&Aを含めた進出先・進出形態の模索(新機軸製品)新機軸製品の社会実装を目指す。① 新機軸製品の開発継続・推進② 営業、サービス、生産体制の準備 (4)組織能力の強化(開発・生産)安定的に生産できる体制を構築① 顧客要求の早期製品化を講じる② 生産工程の機械化・自動化を進める③ 製造現場の環境改善、BCP対策を講じる(情報システム)生産性・効率性の向上とセキュリティを両立したシステム構築① 基幹システムの改善・構築② 情報セキュリティ・BCP対策の強化を進める(組織)多様な人材が活躍できる体制づくり① 人財育成プログラムの高度化を図る② 老朽化した事務所建替・移転など職場の環境改善を進める (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループが経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標は、企業価値と事業効率の向上を図るため、中期的には(中期経営計画「Denyo2026」の期間中)、自己資本当期純利益率(ROE)7%以上、売上高経常利益率10%以上としますが、長期的(2035年度長期ビジョン)には、ROE8%以上、売上高経常利益率12%以上を目指しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況当連結会計年度のわが国経済は、堅調な企業業績を背景に設備投資の増加や雇用・所得環境に改善が見られるなど緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、世界経済は、金融引締めによる影響やアメリカの政策動向のリスクなどもあり先行き不透明な状況で推移いたしました。当社グループを取り巻く事業環境は、国内においては、インフラ補修工事や首都圏の再開発工事が継続していることに加え、物流倉庫や半導体工場などの新設工事もあり、建設需要は堅調に推移いたしました。主力のアメリカ市場においては、在庫調整が継続しているほか先行きの不透明感から投資に慎重姿勢が見られるなど低調に推移いたしました。このような状況の中、当社グループといたしましては、販売展示会への積極的な出展や非常用発電機の販売に注力してまいりましたが、アメリカ市場向けの減少もあり、売上高707億53百万円(前期比3.3%減)となりました。一方、利益面においては一部製品の価格改定効果に加え、比較的収益性の高い製品の出荷が堅調だったこともあり、営業利益73億93百万円(同4.3%増)、経常利益80億2百万円(同8.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益56億47百万円(同10.8%増)となりました。 製品区分別売上高の概況は次のとおりです。発電機関連は、国内市場向けは、建設工事やイベントなどで使用される可搬形発電機の出荷が中・大型機を中心に順調に推移すると共に、建物や工場のバックアップ電源として設置する防災用の非常用発電機の出荷が堅調に推移いたしました。一方、アメリカ市場向けが大幅に減少しましたことから、売上高585億39百万円(前期比4.8%減)となりました。溶接機関連は、中近東市場のパイプライン向けなどに小型機を中心に出荷が増加しましたことから、売上高46億45百万円(同4.7%増)となりました。コンプレッサ関連は、国内市場向けにエンジンコンプレッサの出荷が増加しましたことから、売上高9億3百万円(同30.1%増)となりました。その他は、国内市場向けに部品売上や非常用発電機のメンテナンス売上が増加しましたことから、売上高66億66百万円(同2.2%増)となりました。 セグメント別概況は次のとおりです。なお、各セグメントの連結業績は、各地域を所在地とする当社及び連結子会社各社の業績を基礎としております。したがいまして、日本セグメントの連結業績は2024年4月から2025年3月まで、日本以外のセグメントの連結業績は在外連結子会社の通期決算日が12月末日であるため、2024年1月から2024年12月までのものとなっております。(日本)日本は、堅調な建設需要を背景に、国内のリース・レンタル市場向けに可搬形発電機の出荷が順調に推移するとともに、一般企業向けに非常用発電機の出荷も堅調に推移いたしました。輸出については、アメリカ市場向けが低調に推移した一方、アジア市場及び中近東市場向けは底堅く推移いたしました。この結果、売上高496億64百万円(前期比2.1%増)、営業利益45億66百万円(同7.8%増)となりました。 (アメリカ)アメリカは、主力のレンタル市場において、発電機の在庫調整が継続し新規購入にも慎重な姿勢が見られるなど需要が低調に推移いたしましたことから、売上高162億49百万円(同17.6%減)となりました。一方、利益面においては、円安により日本からの輸入部品の価格低下などの効果もあり、営業利益16億68百万円(同36.0%増)となりました。 (アジア)アジアは、国によって濃淡があるものの、円安も背景に資源開発やインフラ整備向けに発電機の需要が堅調に推移いたしましたことから、売上高44億74百万円(同14.2%増)となりました。一方、人件費などの経費が増加した影響もあり、営業利益6億43百万円(同17.9%減)となりました。 (欧州)欧州は、第5次排出ガス規制対応機の出荷一巡に加え、主要な販売先であるイギリスの景気停滞により出荷が減少しており、売上高3億64百万円(同58.2%減)、営業損失3百万円(前期は75百万円の営業利益)となりました。 ② 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における資産合計は、1,031億3百万円で前連結会計年度末に比較して25億62百万円増加しました。当連結会計年度末における流動資産は、666億47百万円で前連結会計年度末に比較して15億91百万円減少しました。これは主に、商品及び製品の増加17億95百万円や、売掛金の減少9億42百万円、原材料及び貯蔵品の減少16億2百万円等によるものであります。当連結会計年度末における固定資産は、364億55百万円で前連結会計年度末に比較して41億53百万円増加しました。これは主に、ニシハツ㈱の新本社・工場の建設投資等に伴う建物及び構築物増加55億9百万円、機械装置及び運搬具の増加9億42百万円及び建設仮勘定の減少22億13百万円や、保有株式の時価の評価替え等による投資有価証券の減少8億41百万円等によるものであります。(負債)当連結会計年度末における負債合計は、224億44百万円で前連結会計年度末に比較して22億53百万円減少しました。当連結会計年度末における流動負債は、175億75百万円で前連結会計年度末に比較して26億99百万円減少しました。これは主に、支払手形及び買掛金減少15億10百万円及び電子記録債務の減少13億2百万円等によるものであります。固定負債は、48億68百万円で前連結会計年度末に比較して4億46百万円増加しました。これは主に、長期借入金の増加8億75百万円、繰延税金負債の減少2億28百万円、退職給付に係る負債の減少2億30百万円等によるものであります。(純資産)当連結会計年度末における純資産は、806億58百万円で前連結会計年度末に比較して48億15百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上56億47百万円や、その他の包括利益累計額の増加8億44百万円、配当金の支払15億円等によるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、税金等調整前当期純利益が83億33百万円計上された一方で、有形固定資産の取得による支出や、配当金の支払等により、前連結会計年度末に比べ4億68百万円増加し、当連結会計年度末に244億97百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は73億15百万円(前期は41億76百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益83億33百万円の計上や減価償却費13億97百万円の計上、法人税等の支払25億86百万円等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は55億48百万円(前期は18億35百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出57億81百万円や投資有価証券の売却による収入4億61百万円等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は17億91百万円(前期は8億19百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払15億円等によるものであります。④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前期比(%)日本(百万円)45,5224.1アメリカ(百万円)16,242△18.7アジア(百万円)1,37015.1合計(百万円)63,134△2.7(注)セグメント間で行った外注加工に係る生産実績については、最終製品化した会社が属するセグメントに含めております。b.受注実績 当社グループ(当社及び連結子会社)は主として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前期比(%)日本(百万円)49,6642.1アメリカ(百万円)16,249△17.6アジア(百万円)4,47414.2欧州(百万円)364△58.2合計(百万円)70,753△3.3(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)マルチクイップ インク19,71727.016,24923.0 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度における経営成績は、国内市場においては、インフラ補修工事や首都圏の再開発工事など建設市場向け製品に加え、一般企業向け非常用発電機の需要も堅調に推移いたしました。海外においては、主力のアメリカ市場において、発電機の在庫調整が継続し、先行きの不透明感から新規購入にも慎重な姿勢が見られるなど需要が低調に推移いたしました。この結果、売上高は前連結会計年度比で23億86百万円減少しました。一方、利益面においては、一部製品の価格改定効果や比較的収益性の高い製品の出荷が堅調だったこともあり、営業利益は前連結会計年度比で3億3百万円増加しました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、主に営業利益及び投資有価証券売却益3億52百万円の増加を反映して、前連結会計年度比で5億52百万円増加しました。当社グループが目標とする主な経営指標の当連結会計年度における達成状況につきましては、上記のとおり製品価格の改定効果や収益性の高い製品の増加による売上原価率の低下により、当連結会計年度では売上高経常利益率11.3%(長期的目標:12%以上)と前連結会計年度に比べ上昇し、自己資本当期純利益率(ROE)についても、主に親会社株主に帰属する当期純利益が増加したことから、7.5%(長期的目標:8%以上)と上昇しました。当社グループといたしましては、2024年度から始まった中期経営計画 「Denyo2026」に基づき各種施策を着実に実行し、国内建設市場における高品質パワーソースのトップランナーとしての地位を堅持しつつ、国内非常用発電機のシェア拡大及び海外向けの比率を高め、環境変化に強い収益構造を実現し、目標の達成を目指してまいります。当社グループの当連結会計年度における財政状態については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループは、先行き不透明な経済環境下で財務体質の安定性を保つことが重要であると考え、企業価値向上のための成長投資及び配当などの株主還元に必要十分な資金流動性を確保しつつ、強固な財務体質を維持することを基本方針としております。当連結会計年度におきましても、この方針に従い、流動性資金残高の効率的運用に努めてまいりました。資本の財源としましては、主に手元資金及び金融機関からの借入れなどで資金を調達しております。流動性と資金源泉の必要額を判断する場合、連結ベースの資金の残高と連結キャッシュ・フロー計算書における営業活動によるキャッシュ・フローを重視しております。なお、当社は、資金調達の機動性及び安定性を高められることから、取引銀行との間でコミットメントライン契約を締結しております。当社グループは、2024年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画の期間中において、生産設備の合理化投資や研究開発投資など総額約230億円の成長投資や、総還元性向40%を目安とした株主還元を計画しておりますが、手許資金及び営業活動により創出が見込まれる資金で少なくとも翌連結会計年度の必要資金を十分賄えると予想しております。 ③ 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、経営者は適切と考える会計方針を選択・適用し、また、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づいて会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、将来の不確実性があるため、見積りとは異なる場合がございます。当社グループが採用した重要な会計方針は、(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)「4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。これらの重要な会計方針のうち、見積りに用いた仮定の不確実性が特に高い事項は認識しておりません。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、伝統的経営理念である「三者の得」(当社製品によって「使う人、売る人、造る人」の各々が利益を享受すること)を踏まえ、安全・安心なパワーソースの提供を通じて豊かな社会造りに貢献することを経営理念としております。この理念のもと、常に技術革新に向けてチャレンジし続け、透明かつ公正な企業活動を通じて世界中で信頼される企業を目指しております。 (2)経営戦略当社グループの経営戦略は、グループの安定的な成長とバランスのとれた事業構造を確立することであり、パワーソースのパイオニアとしての信頼と販売ネットワークを駆使し、高品質パワーソースのグローバルNo1ブランドを目指すと共に、発電機製造のノウハウを最大限に発揮できる周辺事業の拡充や新規事業への参入等に注力してまいります。そのために、品質・機能・価格・サービスのすべてにおいて、お客様の立場に立って製品を開発すると共に、顧客サポートの充実を最重要目標として、グローバル化とグループ力の結束と強化に取り組み、連結経営体制の構築を進めてまいります。2035年度長期ビジョンとして「サステナビリティをめぐる諸課題に取り組みつつ、パワーソースの提供を通じて社会に貢献し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に努める」ことを掲げ、2024年度から始まる中期経営計画「Denyo2026」を長期ビジョンの達成に向けた最初の3年間の計画と位置付けました。本中期経営計画におきましては、国内市場における可搬形発電機、溶接機のトップシェアの維持向上により安定的な収益を確保し、その収益を成長する海外市場の深耕・開拓や脱炭素社会を見据え水素を燃料とする発電機をはじめとする新機軸製品の研究開発などに投資してまいります。 (3)経営環境① 企業構造当社グループ(当社及び連結子会社)は、中核会社である当社を中心に、販売や製造等機能別の各事業会社で構成されております。各連結子会社は、グループ全体の統一的な方針の下、それぞれの自主性を尊重しつつ、各社が協調して事業運営を行っており、当社グループの事業規模等から判断し、有効に機能しうる体制になっていると考えております。② 市場の状況当社グループの主要な製品群(エンジン発電機、エンジン溶接機、エンジンコンプレッサ等)は、建設機械に分類され、商社・販売店・建機レンタル会社等を通じて、主として建設関連市場向けに販売されております。そのため、当社グループの事業は、建設関連市場の需要動向に大きく影響を受けます。国内市場においては、当連結会計年度における建設需要は、都市再開発工事やインフラ関連工事など堅調に推移しておりますが、長期的には、国の財政赤字に伴う公共投資の抑制等を原因として、需要が減少傾向になる可能性があると考えております。海外市場においても、各国における民間・公共建設需要の影響を受けますが、北米市場は、経済対策などを背景に老朽化するインフラに対する維持・更新需要も見込まれ、建設投資は全体として堅調に推移するものと考えております。その他の地域についても、アジア地域を中心に経済成長を背景としたインフラ投資の潜在的な需要は存在しており、中長期的には建設投資の増加が期待されております。また、当社グループは、防災用発電機や一般停電用予備発電機からなる定置形の非常用発電機を取り扱っており、店舗・工場・オフィス等の企業向けや病院等の医療施設向け、水道施設・消防署等の公共施設向けに広く販売しております。近年、日本のみならず海外も含めて頻発している豪雨・地震・津波などの自然災害を受けて、災害発生時に停電が発生した場合の政府・企業のBCP対策として非常用発電機への需要が期待されております。③ 競合他社との競争優位性当社グループが取り扱っている発電機等の製造技術は広く一般に知られており、世界の発電機市場には大手総合建設機械メーカーを含め多数の競合他社が存在しております。その中において、当社グループの競争優位性としては、まず、製品の特長として、高品質な電気を安定的に供給できることや、メンテナンス性の高い機構を採用していること、耐久性能や低騒音・低排出ガスなどの環境性能に優れていることが挙げられます。また、専業メーカーならではの優位性としては、顧客の皆様のニーズに適合した多数の製品ラインナップを揃えていることが挙げられます。さらには、当社グループは、日本全国に指定サービス工場(正規修理特約店)を擁してアフターサービス網を構築しており、製品ご購入後もユーザーの皆様が安心して当社グループの製品をお使い頂けることも競争優位性として挙げられます。長年にわたってこの様な高品質の製品を供給し続け、多くの顧客の皆様に安心してお使い頂くことによって、高品質パワーソースの“Denyo”ブランドとして確立され、これがさらなる競争優位性の獲得に貢献しているものと考えております。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題今後の経営環境は、国際競争の激化や市場構造の変化に加え、地政学リスクによる経済への影響もあり、より厳しさを増すものと予想されますが、当社グループは、景気や市場の跛行性に左右されにくい企業体質を目指し、グループ各社の生産性向上等により収益基盤の強化に努めてまいります。国内では、主力の建設関連市場は、インフラ老朽化対策や都市再開発の案件、災害対策工事など建設需要が相応に存在しますが、今後、公共投資の減少などにより縮小傾向になる可能性を否定できません。こうした状況の下、当社グループは、2024年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「Denyo2026」に取り組み、国内では非常用発電機のシェア拡大、海外では北米市場のほか、今後成長が期待できるアジア、中近東市場等の販売店網・サービス網を充実・強化し、当社ブランドの浸透と販売拡大を目指してまいります。また、長期的には、脱炭素社会に向け市場ニーズが変化していくことが想定されるため、水素関連製品をはじめ新機軸製品の研究開発にも取り組んでまいります。 [中期経営計画 Denyo2026の概要]1.中期経営計画基本方針豊かな社会に貢献する長期ビジョンの達成に向けた成長への投資を実行し経営基盤づくりを推進する。2.事業戦略(1)中核分野(安定収益を確保する分野)(国内建設関連市場)エンジン発電機、溶接機といったトップブランド製品を中心に国内シェアを維持向上し、安定収益を確保する。① 新製品の開発・投入によりシェアアップ、顧客拡大を目指す② 教育体制の充実による販売力の強化を図る③ 東日本、西日本(2025年1月稼働予定)の大型修理拠点を活用し更なるサービス体制の充実を図る(2)成長分野(既存市場・製品の延長で成長させ、短・中期的な視点で収益拡大を目指す分野)(国内定置形発電機市場)非常用発電機を中心にシェア拡大を目指す。① 国内グループ3社の連携強化② 防災用発電機を製造・販売するニシハツ新本社工場(2024年度後半稼働予定)の投資効果の刈り取り③ 非常用発電機のメンテナンス収益の拡大(海外市場)海外販売網・サービス網を充実・拡大し、Denyoブランドの浸透を図る。① 既存製品による市場深耕・開拓を進める② 新規製品開発による既存市場での拡販・開拓を図る③ アジア、中近東等の販売店網・サービス網を強化し、新たなニーズに対応(3)挑戦分野(グローバルサウス未開拓市場、新機軸の製品で成長させ、長期的な視点で収益拡大を目指す分野)(グローバルサウス未開拓市場)成長が期待される未開拓地域への進出① 未開拓地域進出に向け調査・検討を実施② M&Aを含めた進出先・進出形態の模索(新機軸製品)新機軸製品の社会実装を目指す。① 新機軸製品の開発継続・推進② 営業、サービス、生産体制の準備 (4)組織能力の強化(開発・生産)安定的に生産できる体制を構築① 顧客要求の早期製品化を講じる② 生産工程の機械化・自動化を進める③ 製造現場の環境改善、BCP対策を講じる(情報システム)生産性・効率性の向上とセキュリティを両立したシステム構築① 基幹システムの改善・構築② 情報セキュリティ・BCP対策の強化を進める(組織)多様な人材が活躍できる体制づくり① 人財育成プログラムの高度化を図る② 老朽化した事務所建替・移転など職場の環境改善を進める (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループが経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標は、企業価値と事業効率の向上を図るため、中期的には(中期経営計画「Denyo2026」の期間中)、自己資本当期純利益率(ROE)7%以上、売上高経常利益率10%以上としますが、長期的(2035年度長期ビジョン)には、ROE8%以上、売上高経常利益率12%以上を目指しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、伝統的経営理念である「三者の得」(当社製品によって「使う人、売る人、造る人」の各々が利益を享受すること)を踏まえ、安全・安心なパワーソースの提供を通じて豊かな社会造りに貢献することを経営理念としております。この理念のもと、常に技術革新に向けてチャレンジし続け、透明かつ公正な企業活動を通じて世界中で信頼される企業を目指しております。 (2)経営戦略当社グループの経営戦略は、グループの安定的な成長とバランスのとれた事業構造を確立することであり、パワーソースのパイオニアとしての信頼と販売ネットワークを駆使し、高品質パワーソースのグローバルNo1ブランドを目指すと共に、発電機製造のノウハウを最大限に発揮できる周辺事業の拡充や新規事業への参入等に注力してまいります。そのために、品質・機能・価格・サービスのすべてにおいて、お客様の立場に立って製品を開発すると共に、顧客サポートの充実を最重要目標として、グローバル化とグループ力の結束と強化に取り組み、連結経営体制の構築を進めてまいります。2035年度長期ビジョンとして「サステナビリティをめぐる諸課題に取り組みつつ、パワーソースの提供を通じて社会に貢献し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に努める」ことを掲げ、2024年度から始まる中期経営計画「Denyo2026」を長期ビジョンの達成に向けた最初の3年間の計画と位置付けました。本中期経営計画におきましては、国内市場における可搬形発電機、溶接機のトップシェアの維持向上により安定的な収益を確保し、その収益を成長する海外市場の深耕・開拓や脱炭素社会を見据え水素を燃料とする発電機をはじめとする新機軸製品の研究開発などに投資してまいります。 (3)経営環境① 企業構造当社グループ(当社及び連結子会社)は、中核会社である当社を中心に、販売や製造等機能別の各事業会社で構成されております。各連結子会社は、グループ全体の統一的な方針の下、それぞれの自主性を尊重しつつ、各社が協調して事業運営を行っており、当社グループの事業規模等から判断し、有効に機能しうる体制になっていると考えております。② 市場の状況当社グループの主要な製品群(エンジン発電機、エンジン溶接機、エンジンコンプレッサ等)は、建設機械に分類され、商社・販売店・建機レンタル会社等を通じて、主として建設関連市場向けに販売されております。そのため、当社グループの事業は、建設関連市場の需要動向に大きく影響を受けます。国内市場においては、当連結会計年度における建設需要は、都市再開発工事やインフラ関連工事など堅調に推移しておりますが、長期的には、国の財政赤字に伴う公共投資の抑制等を原因として、需要が減少傾向になる可能性があると考えております。海外市場においても、各国における民間・公共建設需要の影響を受けますが、北米市場は、経済対策などを背景に老朽化するインフラに対する維持・更新需要も見込まれ、建設投資は全体として堅調に推移するものと考えております。その他の地域についても、アジア地域を中心に経済成長を背景としたインフラ投資の潜在的な需要は存在しており、中長期的には建設投資の増加が期待されております。また、当社グループは、防災用発電機や一般停電用予備発電機からなる定置形の非常用発電機を取り扱っており、店舗・工場・オフィス等の企業向けや病院等の医療施設向け、水道施設・消防署等の公共施設向けに広く販売しております。近年、日本のみならず海外も含めて頻発している豪雨・地震・津波などの自然災害を受けて、災害発生時に停電が発生した場合の政府・企業のBCP対策として非常用発電機への需要が期待されております。③ 競合他社との競争優位性当社グループが取り扱っている発電機等の製造技術は広く一般に知られており、世界の発電機市場には大手総合建設機械メーカーを含め多数の競合他社が存在しております。その中において、当社グループの競争優位性としては、まず、製品の特長として、高品質な電気を安定的に供給できることや、メンテナンス性の高い機構を採用していること、耐久性能や低騒音・低排出ガスなどの環境性能に優れていることが挙げられます。また、専業メーカーならではの優位性としては、顧客の皆様のニーズに適合した多数の製品ラインナップを揃えていることが挙げられます。さらには、当社グループは、日本全国に指定サービス工場(正規修理特約店)を擁してアフターサービス網を構築しており、製品ご購入後もユーザーの皆様が安心して当社グループの製品をお使い頂けることも競争優位性として挙げられます。長年にわたってこの様な高品質の製品を供給し続け、多くの顧客の皆様に安心してお使い頂くことによって、高品質パワーソースの“Denyo”ブランドとして確立され、これがさらなる競争優位性の獲得に貢献しているものと考えております。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題今後の経営環境は、国際競争の激化や市場構造の変化に加え、地政学リスクによる経済への影響もあり、より厳しさを増すものと予想されますが、当社グループは、景気や市場の跛行性に左右されにくい企業体質を目指し、グループ各社の生産性向上等により収益基盤の強化に努めてまいります。国内では、主力の建設関連市場は、インフラ老朽化対策や都市再開発の案件、災害対策工事など建設需要が相応に存在しますが、今後、公共投資の減少などにより縮小傾向になる可能性を否定できません。こうした状況の下、当社グループは、2024年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「Denyo2026」に取り組み、国内では非常用発電機のシェア拡大、海外では北米市場のほか、今後成長が期待できるアジア、中近東市場等の販売店網・サービス網を充実・強化し、当社ブランドの浸透と販売拡大を目指してまいります。また、長期的には、脱炭素社会に向け市場ニーズが変化していくことが想定されるため、水素関連製品をはじめ新機軸製品の研究開発にも取り組んでまいります。 [中期経営計画 Denyo2026の概要]1.中期経営計画基本方針豊かな社会に貢献する長期ビジョンの達成に向けた成長への投資を実行し経営基盤づくりを推進する。2.事業戦略(1)中核分野(安定収益を確保する分野)(国内建設関連市場)エンジン発電機、溶接機といったトップブランド製品を中心に国内シェアを維持向上し、安定収益を確保する。① 新製品の開発・投入によりシェアアップ、顧客拡大を目指す② 教育体制の充実による販売力の強化を図る③ 東日本、西日本(2025年1月稼働予定)の大型修理拠点を活用し更なるサービス体制の充実を図る(2)成長分野(既存市場・製品の延長で成長させ、短・中期的な視点で収益拡大を目指す分野)(国内定置形発電機市場)非常用発電機を中心にシェア拡大を目指す。① 国内グループ3社の連携強化② 防災用発電機を製造・販売するニシハツ新本社工場(2024年度後半稼働予定)の投資効果の刈り取り③ 非常用発電機のメンテナンス収益の拡大(海外市場)海外販売網・サービス網を充実・拡大し、Denyoブランドの浸透を図る。① 既存製品による市場深耕・開拓を進める② 新規製品開発による既存市場での拡販・開拓を図る③ アジア、中近東等の販売店網・サービス網を強化し、新たなニーズに対応(3)挑戦分野(グローバルサウス未開拓市場、新機軸の製品で成長させ、長期的な視点で収益拡大を目指す分野)(グローバルサウス未開拓市場)成長が期待される未開拓地域への進出① 未開拓地域進出に向け調査・検討を実施② M&Aを含めた進出先・進出形態の模索(新機軸製品)新機軸製品の社会実装を目指す。① 新機軸製品の開発継続・推進② 営業、サービス、生産体制の準備 (4)組織能力の強化(開発・生産)安定的に生産できる体制を構築① 顧客要求の早期製品化を講じる② 生産工程の機械化・自動化を進める③ 製造現場の環境改善、BCP対策を講じる(情報システム)生産性・効率性の向上とセキュリティを両立したシステム構築① 基幹システムの改善・構築② 情報セキュリティ・BCP対策の強化を進める(組織)多様な人材が活躍できる体制づくり① 人財育成プログラムの高度化を図る② 老朽化した事務所建替・移転など職場の環境改善を進める (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループが経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標は、企業価値と事業効率の向上を図るため、中期的には(中期経営計画「Denyo2026」の期間中)、自己資本当期純利益率(ROE)7%以上、売上高経常利益率10%以上としますが、長期的(2035年度長期ビジョン)には、ROE8%以上、売上高経常利益率12%以上を目指しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況当連結会計年度のわが国経済は、経済活動の正常化が進む中、企業収益や雇用・所得環境に改善が見られるなど景気は緩やかに回復いたしました。一方、世界経済は、世界的な金融引締めや中国の景気減速による影響もあり先行き不透明な状況で推移いたしました。当社グループを取り巻く事業環境は、国内においては、首都圏の再開発工事やインフラ補修工事が継続する中、半導体工場など大型の建設案件もあり、建設市場における需要は堅調に推移いたしました。また、海外においても、アメリカ市場を中心に需要が高水準に推移いたしました。一方、供給面においては部品不足による影響が一部見られました。このような状況の中、当社グループといたしましては、各地の製品展示会への積極的な出展や海外向け製品の販売促進に注力すると共に、製品の安定供給に努めた結果、売上高731億40百万円(前期比13.7%増)となりました。利益面においては、原材料価格の上昇による影響がありましたが、売上の大幅な増加による効果もあり、営業利益70億89百万円(同45.4%増)、経常利益73億78百万円(同42.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益50億95百万円(同40.2%増)となりました。 製品区分別売上高の概況は次のとおりです。発電機関連は、国内市場向けは、工事やイベントなどで使用される可搬形発電機の出荷が大型機を中心に順調に推移し、停電対策用の非常用発電機の出荷も回復基調で推移いたしました。海外市場向けは、アメリカ向けが大幅に増加し、アジア向けも堅調に推移いたしましたことから、売上高614億87百万円(前期比14.5%増)となりました。溶接機関連は、部品不足による影響で一部製品の生産に支障が生じましたが、TIG溶接機や海外向け大型機の出荷が堅調に推移いたしましたことから、売上高44億37百万円(同0.8%増)となりました。コンプレッサ関連は、海外市場向けのエンジンコンプレッサの出荷が増加しましたが、国内市場向けの出荷が減少しましたことから、売上高6億93百万円(同4.6%減)となりました。その他は、堅調な建築需要を背景に高所作業車の出荷が順調に推移したほか、製品に付随する部品売上も増加したことから、売上高65億21百万円(同18.9%増)となりました。 セグメント別概況は次のとおりです。なお、各セグメントの連結業績は、各地域を所在地とする当社及び連結子会社各社の業績を基礎としております。したがいまして、日本セグメントの連結業績は2023年4月から2024年3月まで、日本以外のセグメントの連結業績は在外連結子会社の通期決算日が12月末日であるため、2023年1月から12月までのものとなっております。(日本)日本は、国内レンタル市場向けを中心に可搬形発電機の出荷が好調に推移し、企業向けの非常用発電機の出荷も増加しました。また、輸出についても、円安の追い風もあり、堅調に推移いたしました。この結果、売上高486億29百万円(前期比10.8%増)、営業利益42億36百万円(同49.5%増)となりました。 (アメリカ)アメリカは、インフラ補修工事など堅調な建設需要を背景に、レンタル市場向け出荷が高水準で推移したことに加え、円安による効果もあり、売上高197億17百万円(同24.2%増)、営業利益12億27百万円(同47.7%増)となりました。 (アジア)アジアは、インフラ整備や鉱山開発向けに発電機の需要は堅調に推移いたしましたが、部品不足により現地工場における一部製品の生産に支障が生じた影響もあり、売上高39億19百万円(同2.1%減)、営業利益7億84百万円(同16.4%減)となりました。 (欧州)欧州は、主要な販売先であるイギリス市場向けを中心に欧州の第5次排出ガス規制対応機の出荷増もあり、売上高8億73百万円(同63.5%増)、営業利益75百万円(同225.1%増)となりました。 ② 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における資産合計は、1,005億40百万円で前連結会計年度末に比較して107億96百万円増加しました。当連結会計年度末における流動資産は、682億39百万円で前連結会計年度末に比較して67億22百万円増加しました。これは主に、電子記録債権の増加42億72百万円や、仕掛品の増加6億11百万円等によるものであります。当連結会計年度末における固定資産は、323億1百万円で前連結会計年度末に比較して40億74百万円増加しました。これは主に、建設仮勘定の増加8億86百万円や、保有株式の時価の評価替え等による投資有価証券の増加29億30百万円等によるものであります。(負債)当連結会計年度末における負債合計は、246億97百万円で前連結会計年度末に比較して36億11百万円増加しました。当連結会計年度末における流動負債は、202億75百万円で前連結会計年度末に比較して25億75百万円増加しました。これは主に、電子記録債務の増加9億61百万円や未払法人税等の増加6億72百万円等によるものであります。固定負債は、44億21百万円で前連結会計年度末に比較して10億36百万円増加しました。これは主に、繰延税金負債の増加8億78百万円によるものであります。(純資産)当連結会計年度末における純資産は、758億43百万円で前連結会計年度末に比較して71億84百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上50億95百万円や、その他の包括利益累計額の増加29億3百万円、配当金の支払10億93百万円等によるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、税金等調整前当期純利益が73億38百万円計上された一方で、売上債権の増加や、有形固定資産の取得による支出等により、前連結会計年度末に比べ16億98百万円増加し、当連結会計年度末に240億29百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は41億76百万円(前期は20億31百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益73億38百万円の計上や売上債権の増加36億11百万円、法人税等の支払15億98百万円等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は18億35百万円(前期は41億16百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出16億56百万円や投資有価証券の売却による収入51百万円等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は8億19百万円(前期は9億37百万円の獲得)となりました。これは主に短期借入金の増加3億81百万円や配当金の支払10億93百万円等によるものであります。④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)前期比(%)日本(百万円)43,71812.9アメリカ(百万円)19,97324.8アジア(百万円)1,19018.2合計(百万円)64,88216.4(注)セグメント間で行った外注加工に係る生産実績については、最終製品化した会社が属するセグメントに含めております。b.受注実績 当社グループ(当社及び連結子会社)は主として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)前期比(%)日本(百万円)48,62910.8アメリカ(百万円)19,71724.2アジア(百万円)3,919△2.1欧州(百万円)87363.5合計(百万円)73,14013.7(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)当連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)マルチクイップ インク15,88124.719,71727.0 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度における経営成績は、国内市場においては、都市再開発工事やインフラ関連工事など建設市場向けに加え、防災減災関連向けの需要も堅調に推移いたしました。海外においては、アメリカ市場で強い需要が継続し、円安の追い風もあり、アジア市場の需要も増加しました。一方、供給面においては、部品不足が一部製品の生産に影響し、また、主要部品の仕入価格の上昇が製造原価の上昇要因となりました。この結果、売上高は前連結会計年度比で88億29百万円増加しました。売上高の増加のほか比較的収益性の高い製品の増加や原価上昇分の一部を販売価格に反映した効果もあり、営業利益は前連結会計年度比で22億15百万円増加しました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、主に営業利益の増加を反映して、前連結会計年度比で14億61百万円増加しました。当社グループが目標とする主な経営指標の当連結会計年度における達成状況につきましては、上記のとおり収益性の高い製品の増加や販売価格への反映効果による売上原価率の低下、売上高の増加による売上高販管比率の低下により、当連結会計年度では売上高経常利益率10.1%(長期的目標:12%以上)と前連結会計年度に比べ上昇し、自己資本当期純利益率(ROE)についても、主に親会社株主に帰属する当期純利益が増加したことから、7.3%(長期的目標:8%以上)と上昇しました。当社グループといたしましては、2024年度から始まった中期経営計画 「Denyo2026」に基づき各種施策を着実に実行し、国内建設市場における高品質パワーソースのトップランナーとしての地位を堅持しつつ、国内非常用発電機のシェア拡大及び海外向けの比率を高め、環境変化に強い収益構造を実現し、目標の達成を目指してまいります。当社グループの当連結会計年度における財政状態については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループは、先行き不透明な経済環境下で財務体質の安定性を保つことが重要であると考え、企業価値向上のための成長投資及び配当などの株主還元に必要十分な資金流動性を確保しつつ、強固な財務体質を維持することを基本方針としております。当連結会計年度におきましても、この方針に従い、流動性資金残高の効率的運用に努めてまいりました。資本の財源としましては、主に手元資金及び金融機関からの借入れなどで資金を調達しております。流動性と資金源泉の必要額を判断する場合、連結ベースの資金の残高と連結キャッシュ・フロー計算書における営業活動によるキャッシュ・フローを重視しております。なお、当社は、資金調達の機動性及び安定性を高められることから、取引銀行との間でコミットメントライン契約を締結しております。当社グループは、2024年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画の期間中において、生産設備の合理化投資や研究開発投資など総額約230億円の成長投資や、総還元性向40%を目安とした株主還元を計画しておりますが、手許資金及び営業活動により創出が見込まれる資金で少なくとも翌連結会計年度の必要資金を十分賄えると予想しております。 ③ 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、経営者は適切と考える会計方針を選択・適用し、また、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づいて会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、将来の不確実性があるため、見積りとは異なる場合がございます。当社グループが採用した重要な会計方針は、(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)「4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。これらの重要な会計方針のうち、見積りに用いた仮定の不確実性が特に高い事項は認識しておりません。