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PHCホールディングス(6523)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • ヘルスケア事業の多角化:PHCホールディングスは、糖尿病マネジメント、ヘルスケアソリューション、診断・ライフサイエンスの3つのドメインで事業を展開しています。血糖測定システムや電子カルテ、臨床検査、研究・医療支援機器など、幅広い製品とサービスを提供し、多様な医療ニーズに応えることで収益を上げています。
  • グローバルな事業展開:世界125以上の国と地域で事業を展開しており、特に糖尿病マネジメントドメインでは、血糖自己測定システムを世界110以上の国と地域の医療機関・薬局等に販売しています。これにより、特定の地域経済に依存しない安定した収益基盤を構築しています。
  • M&Aによる事業拡大:2016年のBayer AG社の糖尿病ケア事業買収や、2019年のThermo Fisher Scientific Inc.からの病理事業買収など、積極的なM&Aを通じて事業領域と収益基盤を拡大してきました。これにより、各ドメインにおける専門性と市場シェアを高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 糖尿病マネジメント事業:この事業は、血糖自己測定システム(測定器とセンサー)の開発、製造、販売が中心です。PHC株式会社が開発・製造し、主にAscensia Diabetes Care Holdings AGを通じて世界110以上の国と地域に販売されており、糖尿病患者の自己管理を支援する重要な役割を担っています。
  • ヘルスケアソリューション事業:この事業は、医療ITソリューション(医科医事システム、電子カルテ、電子薬歴システムなど)、臨床検査受託、創薬支援(CRO事業)の3つで構成されています。ウィーメックス株式会社が医療ITを、株式会社LSIメディエンスが臨床検査を、メディフォード株式会社がCROサービスを提供し、医療機関や製薬企業の業務効率化と研究開発をサポートしています。
  • 診断・ライフサイエンス事業:この事業は、研究・医療支援機器(超低温フリーザー、CO2インキュベーターなど)、病理診断機器、体外診断機器(POCT製品)、電動式医薬品注入器などの開発、製造、販売を行っています。PHC株式会社がバイオメディカ事業と診断薬事業を、Epredia Holdings Ltd.が病理事業を担い、再生医療や創薬研究、医療現場のニーズに応える幅広い製品を提供しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,812 文字
3【事業の内容】 当社グループは、持株会社である当社、主要子会社のPHC株式会社(以下、「PHC」)、Ascensia Diabetes Care Holdings AG(以下、「ADCHD」)、Epredia Holdings Ltd.(以下、「Epredia」)、株式会社LSIメディエンス(以下、「LSIM」)、ウィーメックス株式会社(以下、「WMX」)、及びメディフォード株式会社(以下、「MDF」)ほか関連会社及び共同支配企業と共同支配事業を含め、国内16法人、海外63法人にて構成されております。なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。 当社グループの事業は、血糖測定(BGM)システムの開発、製造及び販売を行う「糖尿病マネジメントドメイン」、臨床検査サービス、レセプトコンピュータや電子カルテシステム、電子薬歴システム等の医療IT製品の開発・販売及び非臨床試験受託やバイオアナリシス、セントラルラボサービス等の創薬支援サービスを展開する「ヘルスケアソリューションドメイン」、病理用機器や消耗品、保存機器や培養機器、バイオハザード対策用キャビネット等のライフサイエンス研究・医療支援機器、医療・介護現場向けのファーマシーソリューション及びフードソリューション機器、Point of Care Testing(簡易・迅速検査、POCT)機器等の体外診断機器並びに電動式医薬品注入器及び臨床検査機器や試薬等の開発製造販売を行う「診断・ライフサイエンスドメイン」の3つの事業ドメインにより構成されており、当該事業の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 5.セグメント情報」に掲げるセグメント区分と同一であります。 当社グループの各ドメインの事業内容及び関係会社各社の位置付けは以下のとおりであります。 (1)糖尿病マネジメントドメイン 糖尿病をはじめとする生活習慣病の増加に伴い、早期診断及び効果的な治療の重要性が高まる中、当社グループの糖尿病マネジメントドメインでは、特許権を有するバイオセンシング技術及び自社設計の製造ラインに基づく、効率化・合理化された生産技術を強みとして、高精度かつ簡便な検査機器の開発・製造・販売を行っております。 本ドメインにおける主な製品は、血糖測定システムを中心とする糖尿病ケア製品であり、主としてセンサ等の消耗品の継続販売を通じて収益を創出するビジネスモデルであります。 血糖測定システムについては、主に子会社であるPHCにおいて開発・製造を行い、同じく子会社であるADCHD及びその販売子会社を通じて、世界90以上の国と地域の医療機関・薬局等に販売しております。なお、当該製品の一部は、海外製造子会社であるPT PHC Indonesia(以下、「PHCI」)において製造しております。また、国内向けの血糖測定システムについては、OEM販売を行っております。 (2)ヘルスケアソリューションドメイン ヘルスケアソリューションドメインは、LSIM事業とヘルスケアITソリューション事業及びCRO事業の3つの事業で構成されております。 LSIM事業の主なサービスは、臨床検査、食品検査、衛生検査等であります。加えて、日本で唯一のWADA(World Anti-Doping Agency)公認のドーピング検査における検体分析も提供しております。これらのサービスは、子会社であるLSIMが提供しており、全国に営業拠点及び登録衛生検査所のネットワークを有し、日本全国で事業を展開しております。 ヘルスケアITソリューション事業の主な製品は、診療所向け及び病院向けのレセプトコンピュータ、電子カルテシステム、並びに保険薬局向けの電子薬歴システム等であります。当該事業については、子会社であるWMXにおいて、開発・製造・販売及び保守サービスを行っております。 CRO事業の主なサービスは、薬事承認申請用の各種試験や研究開発初期段階における探索的検討試験及びコンサルティング等を提供する非臨床試験受託サービス、生体試料中の薬物やその代謝物、バイオマーカー等の分析を行うバイオアナリシスサービス、並びに全国の医療機関で実施される臨床研究(治験・臨床試験)検体について、回収から一括検査までを提供するセントラルラボサービス等であります。これらのサービスは、子会社であるMDFにおいて提供しております。 (3)診断・ライフサイエンスドメイン 診断・ライフサイエンスドメインは、病理事業、バイオメディカ事業及び診断薬事業の3つの事業で構成されております。 病理事業の主な製品は、ティッシュプロセッサー、パラフィンブロック作製装置、ミクロトーム、自動染色装置、自動封入装置、スライドガラス及び染色試薬等であります。これらの製品はEpredia傘下の子会社にて開発・製造しており、国内ではPHCを通じて、海外ではEpredia傘下の販売子会社を通じて、販売及び保守サービスを展開しております。 バイオメディカ事業の主な製品は、超低温フリーザー、バイオメディカルフリーザー、薬用保冷庫、CO₂インキュベーター、クリーンベンチ、バイオハザード対策用キャビネット、適温配膳車、自動錠剤包装機、細胞代謝分析機器等であります。これらの製品は子会社であるPHCにて開発・製造を行い、国内顧客に対しては特約店を通じて販売する一方、海外市場に対しては、PHC Corporation of North America、PHC Europe B.V.、PHC上海有限会社、SciMed (ASIA) Pte Ltd及びPT PHC Sales Indonesiaを通じて販売及びサービスを提供するなど、グローバルな販売・サービス体制を構築しております。なお、製品の一部は海外製造子会社であるPHCI及びEpredia Laboratory Products Manufacturing (Shanghai) Co., Ltd.にて製造しております。 診断薬事業の主な製品は、POC(Point of Care)生化学分析装置、呼気一酸化窒素測定装置、移動式免疫発光測定装置等のPOCT製品、並びに電動式医薬品注入器、全自動臨床検査システム及び全自動血液凝固検査システム等であります。これらの製品は子会社であるPHCにて開発・製造・販売を行っており、一部の製品についてはPHC Europe B.V.を通じて海外市場にも販売しております。 上記当社グループの状況について、事業系統図にて示すと下記となります。 [事業系統図]

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
医療費抑制政策による償還価格の引き下げや、競合他社との価格競争にさらされているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
特許権を有するバイオセンシング技術、自社設計の製造ラインによる生産技術、高精度で簡便な検査・分析機器の開発・製造・販売。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済環境の悪化による需要減少 / 医療制度改革や技術革新への対応遅れ / 顧客ニーズの変化への不適合
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

PHCホールディングスは、医療機器、ヘルスケアIT、ライフサイエンス機器などを手掛けているが、特定の強力なブランド、特許ポートフォリオ、あるいは規制ライセンスによる明確な無形資産の優位性は現時点では確認できない。事業は多岐にわたるものの、競合他社との差別化要因となるような独占的IPの存在は不明瞭である。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

PHCホールディングスの製品・サービスは、医療現場や研究機関で使用されるものが多く、導入には一定のトレーニングやシステム連携が必要となる場合がある。特に、電子カルテシステムや検査機器などは、既存システムとの互換性やデータ移行のコストから、顧客が容易に他社製品へ乗り換えることは難しい可能性がある。しかし、製品ラインナップの広さや、顧客のIT投資状況により、スイッチング・コストの高さは一様ではない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

PHCホールディングスの事業領域において、ユーザー数の増加がサービス価値を指数関数的に高めるようなネットワーク効果は、現時点では主要な競争優位性とはなっていない。個々の製品・サービスは独立して機能するものが多く、プラットフォーム型ビジネスのような、ユーザー間の相互作用による価値創造は見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

PHCホールディングスは、グローバルな事業展開を行っており、一定の規模の経済性は期待できるものの、製造プロセスやサプライチェーンにおける構造的なコスト優位性は、現時点では明確ではない。特に、高付加価値な医療機器やライフサイエンス機器においては、技術開発費や品質管理コストが先行するため、単純なコスト競争力での優位性を築くことは難しいと考えられる。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

PHCホールディングスは、医療機器、ヘルスケアIT、ライフサイエンス機器といった複数の事業領域でグローバルに事業を展開しており、各分野で一定の市場シェアを有している。特に、特定のニッチ市場においては、規模の経済を活かした効率的な生産・販売体制を構築している可能性がある。しかし、業界全体として見ると、まだ多数の競合が存在し、寡占化が進んでいるとは言えない状況である。

  • バイオセンシング技術と生産効率:糖尿病マネジメントドメインでは、特許権を持つバイオセンシング技術と効率化された自社設計の生産ラインにより、高精度で簡便な血糖自己測定システムを開発・製造しています。これにより、製品の品質とコスト競争力を両立させています。
  • 医療ITと検査の総合力:ヘルスケアソリューションドメインでは、医科医事システムや電子カルテシステムといった医療IT製品の開発・販売に加え、臨床検査受託や創薬支援事業も展開しています。これにより、医療機関の幅広いニーズにワンストップで対応できる総合的なサービス提供力を有しています。
  • 研究・医療支援機器の多様性:診断・ライフサイエンスドメインでは、超低温フリーザーやCO2インキュベーターなどの研究・医療支援機器から、病理診断機器、POCT製品まで多岐にわたる製品を提供しています。これにより、大学や研究機関、医療現場の多様な要求に応え、幅広い顧客基盤を築いています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • グローバルヘルスケアトップ企業への志向:「健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し、豊かな社会づくりに貢献」を経営理念に掲げ、精緻な技術を基盤にグローバルヘルスケアトップ企業の一角を目指しています。高品質な医療を誰もが享受できる未来の実現に向け、医療従事者や研究者との共創を重視しています。
  • 中期経営計画2027の実行:2030年までのビジョン実現に向けたPhase1として「中期経営計画2027」を策定し、「収益基盤強化のための構造改革」「ポートフォリオ管理強化」「診断・ライフサイエンス領域への注力」を重点施策としています。これにより、持続的な成長に向けた基盤構築と企業価値向上を目指します。
  • 財務体質の強化と認知度向上:過去のM&Aによる借入金が総資産の過半を占める状況ですが、フリー・キャッシュ・フローを活用した早期の財務体質強化に努めています。また、2021年の上場を機に、PHCグループとしてのグローバルな認知度向上とブランド強化にも注力し、ステークホルダーへの情報開示を積極的に行っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社グループは、「わたしたちは、たゆみない努力で健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し、豊かな社会づくりに貢献します」を経営理念に掲げ、自社のモノづくりの強みを生かし、世界に広がる販路を活用することで、世界中の健康を願う皆さまのお役に立ち続ける企業を目指しております。 また、「精緻な技術でヘルスケアの未来を切り拓くリーダーとなる」をビジョンとして設定しており、高品質な医療を誰もが身近に享受できる未来の実現に向けて、強みである精緻な技術を基盤に、医療従事者や研究者の皆さまと共創し、健康を願うすべての人々のために、ヘルスケアの未来を切り拓いてまいります。 (2)経営環境 世界的な物価上昇や金融引き締めによる金利上昇等を背景とした金融市場の不安定化に加え、米中間の通商問題、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、さらに中東地域における地政学的緊張の高まりなどを受け、エネルギー価格や物流動向を含む事業環境には不透明感が残っております。また、米国政府による関税政策や通商政策の動向も、世界経済及び事業活動に影響を及ぼす要因となっております。 このように、刻々と変化する国際情勢及び経済環境のもと、当社グループを取り巻く事業環境の先行きは依然として不確実性が高い状況にありますが、当社グループとしては、これらの動向を注視しつつ、柔軟かつ迅速な対応を図ってまいります。 当社グループを取り巻くグローバルなヘルスケアビジネスにおける環境は、先進国で進行する少子高齢化と世界的な生活習慣病患者やがん患者の増加、それらに対する様々な技術革新が行われています。その一方で各種医療基準・規制の強化に加え行政の医療費削減の動きが見られます。糖尿病マネジメントに関して、血糖測定(Blood Glucose Monitoring(以下、「BGM」))事業の市場規模は、先進国市場における保険償還額の見直しや持続血糖測定器(Continuous Glucose Monitoring(以下、「CGM」))の普及拡大等により、今後3年間の年平均成長率は4~5%の縮小傾向と見込んでおります。一方、新興国市場では糖尿病患者数の増加等により市場規模は成長しております。ヘルスケアソリューションについては、日本の受託臨床検査市場では診療報酬改定を背景とした一部検査の受託価格の下落影響等がある一方で、遺伝子・ゲノム検査等の領域は今後の市場拡大が見込まれております。日本における電子カルテシステムの普及はまだ途上にあり、今後も新規開業時の導入や既存開業医においてもレセプトコンピュータ更新時に電子カルテシステムの導入が進むことが予想されます。政府は「医療DX令和ビジョン2030」等、医療DXの推進を図る方針を示しており、医療分野でのデジタル化の動きが加速しております。また、「導入コストの削減」「システム運用・管理費用・人員の削減」「災害時対策」等を訴求点にクラウド型電子カルテが注目されており、導入が進む可能性があります。加えて、日本における医療制度改革が進展する中、創薬産業の支援に国が力を入れる政策環境の下、創薬研究や医薬品開発を支援する周辺サービスに対するニーズも高まっています。診断・ライフサイエンスにおいては、病理市場は、がんの発病や検査の増加及び個別化医療の進展によるがんの診断数の増加傾向等を背景に、デジタルパソロジーや人工知能(AI)を駆使した先進的な技術の活用も進んでいます。ライフサイエンス機器市場は、デジタル化やIoTをはじめとする技術革新もあり、機器の高度化と多様化が進み、継続的な需要増が見込まれています。また、細胞及び遺伝子治療(CGT)市場においては、製薬企業やバイオテック企業によってオンコロジー(腫瘍学)領域や新規抗菌薬等の研究開発・創製も積極的に進められており、今後も世界的な市場拡大が見込まれています。その様な環境の中、当社グループは、これまで培った高品質・高性能なモノづくりに加え、内製の製造・開発体制、グローバルでの規制対応力、及びセンサ技術などのコア技術を事業間で横断的に活用する技術基盤を強みとし、事業推進に取り組んでまいります。 (3)目標とする経営指標 当社グループは、「精緻な技術でヘルスケアの未来を切り拓くリーダーとなる」をビジョンとして掲げております。その実現に向けては、事業規模の拡大と収益性の向上を両立させることが経営上重要であると認識しております。この認識のもと、売上収益、営業利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益を重要な経営指標として位置づけるとともに、ROICの活用による資本効率の可視化を通じて、事業ポートフォリオの見直しや投資・撤退判断に反映することで、事業ポートフォリオ管理の高度化にも取り組んでおります。これらの指標を用いて事業の進捗及び達成状況を分析し、経営課題に対処していく方針です。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① ビジョンと中長期的な戦略 当社グループは、2024年11月に開示した「中期経営計画2027」において、2030年を目標に目指すべき姿として、「精緻な技術でヘルスケアの未来を切り拓くリーダーとなる」を新しいビジョンに定めました。 このビジョンのもと、2030年までを2つのPhaseに分け、Phase1の「中期経営計画2027」を「成長に向けた基盤構築」、Phase2である「中期経営計画2030」を「診断・ライフサイエンス領域を核とした持続的な成長の実現」に位置づけています。Phase1においては、既存事業が有する安定的なキャッシュ創出力を経営の基盤とし、そこで創出した資本をPhase2における成長領域への戦略投資に再配分することで、中長期的な成長と資本効率の向上を両立させ、持続的な企業価値向上を図ることを基本方針としています。 「中期経営計画2027」では、3つの重点施策「収益基盤強化のための構造改革」、「ポートフォリオ管理強化」、「診断・ライフサイエンス領域への注力」を定め、企業価値の向上を目指しています。 ② 「中期経営計画2027」の進捗状況 本年度においては、「中期経営計画2027」において掲げた3つの重点施策について、各種施策を着実に実行しており、全体として計画に沿って順調に進捗しております。主な取り組みの状況は以下のとおりであります。 1.収益基盤強化のための構造改革 ・コスト削減の推進に加え、本社及び事業部における組織再編を実施しました。 ・売掛金回収サイト及び買掛金支払サイトの改善、在庫削減を通じた運転資本の改善に取り組むとともに、投資の優先順位付けによる投資効率の向上を図りました。 2.ポートフォリオ管理強化 ・当社グループにおけるROICの算定及び管理手法の整備を進めるとともに、グループ内研修等を通じて、事業ポートフォリオ管理の浸透を図りました。 ・持続血糖測定(CGM)システム「Eversense®」の販売事業について、事業ポートフォリオの見直しの一環として、販売事業の譲渡に関する契約を締結しました。 3.診断・ライフサイエンス領域への注力 ・生産拠点の最適化や国内及び海外の販売組織の合理化を推進し、事業基盤の強化を実施しました。 ・ライフサイエンス事業の成長に向け、新たにR&D機能を新設しました。 ・細胞遺伝子治療領域に関連する新製品として、細胞の連続的な代謝変化をリアルタイムに可視化し、測定結果に基づき自動で培養制御を行う自動培養装置「LiCellGrow(リセルグロー)」を自社開発し、2026年3月2日より販売を開始しました。 ・デジタルパソロジーに関連した製品「E1000 Dxデジタルパソロジーソリューション」について、日本国内における管理医療機器(クラスⅡ)の製造販売承認を取得し、2026年4月16日より販売を開始しました。 ③ 財務体質の強化について 当社は2026年3月末に既存借入金の借り換えを行い、運転資金相当額をコミットメントラインへ切り替えることで資金の柔軟性とキャッシュ・フローの安定性を高め、2024年11月公表の中期経営計画2027に基づく財務体質の強化を推進しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社グループは、「わたしたちは、たゆみない努力で健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し、豊かな社会づくりに貢献します」を経営理念に掲げ、自社のモノづくりの強みを生かし、世界に広がる販路を活用することで、世界中の健康を願う皆さまのお役に立ち続ける企業を目指しております。 また、「精緻な技術でヘルスケアの未来を切り拓くリーダーとなる」をビジョンとして設定しており、高品質な医療を誰もが身近に享受できる未来の実現に向けて、強みである精緻な技術を基盤に、医療従事者や研究者の皆さまと共創し、健康を願うすべての人々のために、ヘルスケアの未来を切り拓いてまいります。 (2)経営環境 世界的な物価上昇や金融引き締めによる金利上昇等を背景とした金融市場の不安定化に加え、米中間の通商問題、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、さらに中東地域における地政学的緊張の高まりなどを受け、エネルギー価格や物流動向を含む事業環境には不透明感が残っております。また、米国政府による関税政策や通商政策の動向も、世界経済及び事業活動に影響を及ぼす要因となっております。 このように、刻々と変化する国際情勢及び経済環境のもと、当社グループを取り巻く事業環境の先行きは依然として不確実性が高い状況にありますが、当社グループとしては、これらの動向を注視しつつ、柔軟かつ迅速な対応を図ってまいります。 当社グループを取り巻くグローバルなヘルスケアビジネスにおける環境は、先進国で進行する少子高齢化と世界的な生活習慣病患者やがん患者の増加、それらに対する様々な技術革新が行われています。その一方で各種医療基準・規制の強化に加え行政の医療費削減の動きが見られます。糖尿病マネジメントに関して、血糖測定(Blood Glucose Monitoring(以下、「BGM」))事業の市場規模は、先進国市場における保険償還額の見直しや持続血糖測定器(Continuous Glucose Monitoring(以下、「CGM」))の普及拡大等により、今後3年間の年平均成長率は4~5%の縮小傾向と見込んでおります。一方、新興国市場では糖尿病患者数の増加等により市場規模は成長しております。ヘルスケアソリューションについては、日本の受託臨床検査市場では診療報酬改定を背景とした一部検査の受託価格の下落影響等がある一方で、遺伝子・ゲノム検査等の領域は今後の市場拡大が見込まれております。日本における電子カルテシステムの普及はまだ途上にあり、今後も新規開業時の導入や既存開業医においてもレセプトコンピュータ更新時に電子カルテシステムの導入が進むことが予想されます。政府は「医療DX令和ビジョン2030」等、医療DXの推進を図る方針を示しており、医療分野でのデジタル化の動きが加速しております。また、「導入コストの削減」「システム運用・管理費用・人員の削減」「災害時対策」等を訴求点にクラウド型電子カルテが注目されており、導入が進む可能性があります。加えて、日本における医療制度改革が進展する中、創薬産業の支援に国が力を入れる政策環境の下、創薬研究や医薬品開発を支援する周辺サービスに対するニーズも高まっています。診断・ライフサイエンスにおいては、病理市場は、がんの発病や検査の増加及び個別化医療の進展によるがんの診断数の増加傾向等を背景に、デジタルパソロジーや人工知能(AI)を駆使した先進的な技術の活用も進んでいます。ライフサイエンス機器市場は、デジタル化やIoTをはじめとする技術革新もあり、機器の高度化と多様化が進み、継続的な需要増が見込まれています。また、細胞及び遺伝子治療(CGT)市場においては、製薬企業やバイオテック企業によってオンコロジー(腫瘍学)領域や新規抗菌薬等の研究開発・創製も積極的に進められており、今後も世界的な市場拡大が見込まれています。その様な環境の中、当社グループは、これまで培った高品質・高性能なモノづくりに加え、内製の製造・開発体制、グローバルでの規制対応力、及びセンサ技術などのコア技術を事業間で横断的に活用する技術基盤を強みとし、事業推進に取り組んでまいります。 (3)目標とする経営指標 当社グループは、「精緻な技術でヘルスケアの未来を切り拓くリーダーとなる」をビジョンとして掲げております。その実現に向けては、事業規模の拡大と収益性の向上を両立させることが経営上重要であると認識しております。この認識のもと、売上収益、営業利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益を重要な経営指標として位置づけるとともに、ROICの活用による資本効率の可視化を通じて、事業ポートフォリオの見直しや投資・撤退判断に反映することで、事業ポートフォリオ管理の高度化にも取り組んでおります。これらの指標を用いて事業の進捗及び達成状況を分析し、経営課題に対処していく方針です。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① ビジョンと中長期的な戦略 当社グループは、2024年11月に開示した「中期経営計画2027」において、2030年を目標に目指すべき姿として、「精緻な技術でヘルスケアの未来を切り拓くリーダーとなる」を新しいビジョンに定めました。 このビジョンのもと、2030年までを2つのPhaseに分け、Phase1の「中期経営計画2027」を「成長に向けた基盤構築」、Phase2である「中期経営計画2030」を「診断・ライフサイエンス領域を核とした持続的な成長の実現」に位置づけています。Phase1においては、既存事業が有する安定的なキャッシュ創出力を経営の基盤とし、そこで創出した資本をPhase2における成長領域への戦略投資に再配分することで、中長期的な成長と資本効率の向上を両立させ、持続的な企業価値向上を図ることを基本方針としています。 「中期経営計画2027」では、3つの重点施策「収益基盤強化のための構造改革」、「ポートフォリオ管理強化」、「診断・ライフサイエンス領域への注力」を定め、企業価値の向上を目指しています。 ② 「中期経営計画2027」の進捗状況 本年度においては、「中期経営計画2027」において掲げた3つの重点施策について、各種施策を着実に実行しており、全体として計画に沿って順調に進捗しております。主な取り組みの状況は以下のとおりであります。 1.収益基盤強化のための構造改革 ・コスト削減の推進に加え、本社及び事業部における組織再編を実施しました。 ・売掛金回収サイト及び買掛金支払サイトの改善、在庫削減を通じた運転資本の改善に取り組むとともに、投資の優先順位付けによる投資効率の向上を図りました。 2.ポートフォリオ管理強化 ・当社グループにおけるROICの算定及び管理手法の整備を進めるとともに、グループ内研修等を通じて、事業ポートフォリオ管理の浸透を図りました。 ・持続血糖測定(CGM)システム「Eversense®」の販売事業について、事業ポートフォリオの見直しの一環として、販売事業の譲渡に関する契約を締結しました。 3.診断・ライフサイエンス領域への注力 ・生産拠点の最適化や国内及び海外の販売組織の合理化を推進し、事業基盤の強化を実施しました。 ・ライフサイエンス事業の成長に向け、新たにR&D機能を新設しました。 ・細胞遺伝子治療領域に関連する新製品として、細胞の連続的な代謝変化をリアルタイムに可視化し、測定結果に基づき自動で培養制御を行う自動培養装置「LiCellGrow(リセルグロー)」を自社開発し、2026年3月2日より販売を開始しました。 ・デジタルパソロジーに関連した製品「E1000 Dxデジタルパソロジーソリューション」について、日本国内における管理医療機器(クラスⅡ)の製造販売承認を取得し、2026年4月16日より販売を開始しました。 ③ 財務体質の強化について 当社は2026年3月末に既存借入金の借り換えを行い、運転資金相当額をコミットメントラインへ切り替えることで資金の柔軟性とキャッシュ・フローの安定性を高め、2024年11月公表の中期経営計画2027に基づく財務体質の強化を推進しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 a.財政状態の状況 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べて10,028百万円増加し、542,510百万円となりました。この主な要因は、為替の影響を受けたことによりのれんが15,023百万円増加したこと、過去の買収により発生した無形資産の償却が進んだこと等により無形資産が6,277百万円減少したことによるものであります。 負債合計は、前連結会計年度末と比べて9,680百万円減少し、381,630百万円となりました。この主な要因は、返済が進んだこと等により借入金が20,702百万円減少した一方、営業債務及びその他の債務が6,653百万円増加したことによるものであります。 資本合計は、前連結会計年度末と比べて19,708百万円増加し、160,880百万円となりました。この主な要因は、在外営業活動体の換算差額等によりその他の資本の構成要素が26,108百万円増加した一方、主に当期利益を492百万円、支払配当を△5,306百万円計上した結果、利益剰余金が6,837百万円減少したことによるものであります。また、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の26.6%から3.2ポイント増加して29.8%となりました。 b.経営成績の状況 2026年3月期(以下、「当期」)における当社グループの売上収益は364,403百万円(前年同期比0.8%増)となりました。糖尿病マネジメントはBGM事業が先進国において市場縮小が続く中でも販売が堅調に推移したことや為替の好影響等により増収となりました。ヘルスケアソリューションはCRO事業が減収となりましたが、LSIM事業の遺伝子分野の検査売上やヘルスケアITソリューション事業の電子カルテ・レセプト関連売上により前年同期並みとなりました。診断・ライフサイエンスは主に米国を中心とした市況停滞等の影響を受け減収となりました。 営業利益は22,688百万円(前年同期比0.5%増)となりました。糖尿病マネジメントはBGM事業の先進国における堅調な販売やコスト削減効果、持続血糖測定(CGM)事業の譲渡に伴う収益改善等により大幅な増益となりました。ヘルスケアソリューションは、LSIM事業が増収及びコスト削減により増益となったものの、ヘルスケアITソリューション事業における利益率の高い電子処方箋管理ソフトウェア需要の減少やCRO事業の減収影響により、また、診断・ライフサイエンスは減収、米国関税及び後述の本社機能見直しの影響等によりそれぞれ減益となりました。 調整後EBITDAは51,959百万円(前年同期比3.7%増)となりました。主な当該調整項目としては、一時的なM&A関連収益・費用(当期615百万円加算、前年同期74百万円加算)、一時的な事業構造改革関連収益・費用(当期1,385百万円加算、前年同期851百万円加算)がありました。 税引前利益は6,390百万円(前年同期比66.1%減)となりました。前年同期は1,151百万円の為替差益でしたが、当期は10,472百万円の為替差損となったことが主な要因です。 親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前利益の減少に加え、子会社の資本の払い戻しに伴う税額や子会社の配当実施に伴う繰延税金負債の計上等により、492百万円(前年同期比95.3%減)となりました。 なお、当期より本社機能を見直し、一部の本社の役割を各事業に移管しております。当該見直しは全社業績に影響はありませんが、セグメント別の利益には影響があります。当期実績への影響については、(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 (a)経営成績の状況 における各セグメントの説明に記載しております。 (単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期増減 売上収益361,593364,4030.8% 営業利益22,58022,6880.5% EBITDA50,39749,800△1.2% 調整後EBITDA50,09551,9593.7% 税引前利益18,8236,390△66.1% 当期利益10,364219△97.9% 親会社の所有者に帰属する当期利益10,485492△95.3% 米ドル平均レート (円)152.48 円150.70 円△1.78 円ユーロ平均レート (円)163.67 円174.81 円11.14 円(注)EBITDA、調整後EBITDAは国際会計基準(IFRS会計基準)に基づく開示ではありませんが、当社はこの開示が投資家の皆様に有益な情報を提供すると考えています。 (EBITDA及び調整後EBITDAの算出表) (単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期増減営業利益22,58022,6880.5% + 減価償却費27,87127,119△2.7% + 減損損失(有価証券等を除く)△54△8- EBITDA50,39749,800△1.2% (調整額) + 一時的なM&A関連収益・費用74615731.1% + 一時的な事業構造改革関連収益・費用8511,38562.7% + 一時的な契約解除等に係る収益・費用-△252- + 一時的なその他の収益・費用△1,227411- 調整後EBITDA50,09551,9593.7% (注)EBITDA及び調整後EBITDAを以下の算式により算出しております。EBITDA=営業利益+減価償却費+減損損失(有価証券等を除く)調整後EBITDA=EBITDA+一時的な収益・費用 c.キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ227百万円増加し、39,820百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動からの現金純額は42,458百万円であり、前年同期比516百万円の収入の増加となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によって使用された現金純額は8,454百万円であり、主として有形固定資産及び無形資産の取得による支出9,093百万円から構成されております。前年同期から19百万円の支出の減少となりましたが、当該減少の主な要因は、有形固定資産及び無形資産の取得による支出が2,517百万円減少した一方で、その他の投資活動による収入が2,498百万円減少したことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によって使用された現金純額は39,821百万円となりました。これは主として長期借入金の返済による支出260,404百万円、長期借入れによる収入185,801百万円及び短期借入れによる収入50,195百万円によるものであり、これらは主に既存借入金の借り換えに関連するものです。加えて、財務活動によって使用された現金純額には、リース負債の返済による支出5,931百万円、配当による支払5,306百万円が含まれております。 d.生産、受注及び販売の実績(a)生産実績セグメントの名称 前連結会計年度 (自2024年4月1日 至2025年3月31日) 当連結会計年度 (自2025年4月1日 至2026年3月31日)前年同期比(%)糖尿病マネジメント(百万円)94,130108,090114.8ヘルスケアソリューション(百万円)127,961128,365100.3診断・ライフサイエンス(百万円)133,579125,92894.3計(百万円)355,671362,384101.9その他及び調整・消去(百万円)---連結(百万円)355,671362,384101.9 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。2.百万円未満を切り捨てて記載しております。 (b)受注実績 当社グループの製品は見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しております。 (c)販売実績セグメントの名称 前連結会計年度 (自2024年4月1日 至2025年3月31日) 当連結会計年度 (自2025年4月1日 至2026年3月31日)前年同期比(%)糖尿病マネジメント(百万円)98,692101,581102.9ヘルスケアソリューション(百万円)128,311128,389100.1診断・ライフサイエンス(百万円)130,920128,32398.0計(百万円)357,924358,294100.1その他及び調整・消去(百万円)3,6696,108166.5連結(百万円)361,593364,403100.8 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.金額は、外部顧客に対する売上収益を示しております。3.百万円未満を切り捨てて記載しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において判断したものであります。 a.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。 連結財務諸表の作成に当たっては、過去の実績や取引状況を勘案し、合理的と判断される前提に基づき見積り及び予測を行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合等、不確実性が存在するため、実際の結果がこれらの見積りや予測と異なる場合があります。 なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 3.重要性がある会計方針」及び「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(a)経営成績の状況 当期における当社グループの業績は、売上収益が364,403百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益が22,688百万円(前年同期比0.5%増)、減価償却費や一時的収益・費用を除いた調整後EBITDAは51,959百万円(前年同期比3.7%増)となりました。 セグメント別の業績は、次のとおりであります。セグメントの名称売上収益営業利益又は損失前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減(%)前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減(%)糖尿病マネジメント98,692101,5812.913,88820,08544.6ヘルスケアソリューション128,311128,3890.19,2726,234△32.8診断・ライフサイエンス130,920128,323△2.07,2483,893△46.3計357,924358,2940.130,40930,214△0.6その他及び調整・消去3,6696,10866.5△7,828△7,526-連結361,593364,4030.822,58022,6880.5 セグメントの名称EBITDA調整後EBITDA前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減(%)前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減(%)糖尿病マネジメント19,85524,76224.720,44425,57725.1ヘルスケアソリューション19,17616,605△13.419,25117,173△10.8診断・ライフサイエンス18,59915,322△17.618,10615,323△15.4計57,63056,689△1.657,80158,0730.5その他及び調整・消去△7,233△6,889-△7,706△6,114-連結50,39749,800△1.250,09551,9593.7 (糖尿病マネジメント) 当期の糖尿病マネジメントの売上収益は、101,581百万円(前年同期比2.9%増)となりました。BGM事業は先進国における市場縮小や低価格チャネルへの移行が続いていますが、米国においては販売協業終了影響がほぼなくなり、当期取り組んだ単価向上及び販売数量増加施策が奏功し増収、欧州においても売上が堅調、為替の好影響やアルジェリアにおける現地化施策の進展等も含めて、増収でした。CGM事業は米国において前第3四半期連結会計期間に上市した1年間継続使用が可能なEversense 365により増収となりましたが、2026年1月1日付で、Eversenseの販売事業をSenseonics Holdings, Inc.へ譲渡する契約を締結し、米国事業については同日に譲渡が完了いたしました。当第4四半期連結会計期間以降は売上収益への影響はありません。 当期の糖尿病マネジメントの営業利益は、20,085百万円(前年同期比44.6%増)となりました。前述の本社機能見直しによる影響△302百万円やCGM事業の譲渡関連費用の計上があったものの、BGM事業が先進国での堅調な販売や収益改善及び単価向上施策による利益率の改善に加え、これまでの構造改革によるコスト削減効果や減価償却費の減少、CGM事業の譲渡に伴う収益改善等により、大幅な増益となりました。 調整後EBITDAは25,577百万円(前年同期比25.1%増)となりました。主な当該調整項目は、CGM事業の譲渡関連費用として一時的なM&A関連収益・費用(当期481百万円加算)、一時的な事業構造改革関連収益・費用(当期333百万円加算、前年同期597百万円加算)の計上がありました。 (EBITDA及び調整後EBITDAの算出表) (単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期増減営業利益13,88820,08544.6%+ 減価償却費6,0274,694△22.1%+ 減損損失(有価証券等を除く)△60△18-EBITDA19,85524,76224.7%(調整額) + 一時的なM&A関連収益・費用-481-+ 一時的な事業構造改革関連収益・費用597333△44.2%+ 一時的な契約解除等に係る収益・費用---+ 一時的なその他の収益・費用△8--調整後EBITDA20,44425,57725.1% (注)EBITDA及び調整後EBITDAを以下の算式により算出しております。EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + 減損損失(有価証券等を除く)調整後EBITDA = EBITDA + 一時的な収益・費用 (ヘルスケアソリューション) 当期のヘルスケアソリューションの売上収益は、128,389百万円(前年同期比0.1%増)となりました。内訳として、LSIM事業が66,390百万円(前年同期比1.2%増)、ヘルスケアITソリューション事業が52,977百万円(前年同期比1.7%増)、CRO事業が9,022百万円(前年同期比15.4%減)でした。 LSIM事業は、不適切事案の影響を想定より抑えることができたことに加えて、成長施策として取り組んでいる遺伝子分野の検査売上の増加等により増収となりました。 ヘルスケアITソリューション事業は、電子処方箋管理ソフトウェアの需要減少に伴う影響を、電子カルテ・レセプト関連売上で補い、増収となりました。 CRO事業は、LSIMの不適切事案の影響等による治験受注の減少や、前年同期には非臨床事業において大型安全性試験の完成があったこと等により、減収となりました。 当期のヘルスケアソリューションの営業利益は、6,234百万円(前年同期比32.8%減)となりました。LSIM事業が増収及びコスト削減により増益となりました。一方、ヘルスケアITソリューション事業は電子カルテ・レセプト関連の増収影響はあったものの、利益率の高い電子処方箋管理ソフトウェア需要の減少影響、新製品上市に伴う減価償却費増加やIT機器の仕入価格の上昇影響等に加え、構造改革費用を計上したことにより、また、CRO事業は減収影響により減益となりました。なお、前述の本社機能見直しによる影響は、△80百万円でした。 調整後EBITDAは、17,173百万円(前年同期比10.8%減)となりました。主な当該調整項目として、一時的な事業構造改革関連収益・費用(当期434百万円加算)の計上がありました。 (EBITDA及び調整後EBITDAの算出表) (単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期増減営業利益9,2726,234△32.8%+ 減価償却費9,90410,3704.7%+ 減損損失(有価証券等を除く)---EBITDA19,17616,605△13.4%(調整額) + 一時的なM&A関連収益・費用7413481.1%+ 一時的な事業構造改革関連収益・費用-434-+ 一時的な契約解除等に係る収益・費用---+ 一時的なその他の収益・費用---調整後EBITDA19,25117,173△10.8% (注)EBITDA及び調整後EBITDAを以下の算式により算出しております。EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + 減損損失(有価証券等を除く)調整後EBITDA = EBITDA + 一時的な収益・費用 (診断・ライフサイエンス) 当期の診断・ライフサイエンスの売上収益は、128,323百万円(前年同期比2.0%減)となりました。内訳として、病理事業が58,414百万円(前年同期比0.2%増)、バイオメディカ事業が51,550百万円(前年同期比2.3%減)、診断薬事業が18,358百万円(前年同期比7.6%減)でした。 病理事業は若干の増収となりました。欧州において消耗品や機器の販売が好調に推移し、デジタルパソロジー製品の大型案件獲得や為替の好影響により増収となり、アジア太平洋地域においても中国における生産の開始が寄与しデジタルパソロジー製品の成長等で増収となり、米州で継続する機器需要の停滞影響による減収を補いました。 バイオメディカ事業は、欧州や日本等において市場回復の傾向がみられるも、米国においては政策による需要減少等の影響を受け、減収となりました。米国市場は製薬・バイオ医薬品向けを中心に大型案件を獲得する等、需要回復の兆しが見えつつあるものの、米国政府機関や大学・研究機関向けは予算削減等による需要停滞が継続しています。欧州地域は、フランスにおける製薬企業からの受注増加に加え、大学や研究機関向けも好調、その他の国においてもおおむね良好に推移し、為替の好影響もあり増収となりました。日本は、製薬企業や大学、研究機関の新棟建設等の案件により前年同期比微増となりました。 診断薬事業は、ロシア向け販売の減少や中国における検査数減少等の影響を受け、移動式免疫発光測定装置パスファースト用試薬及び自動分析装置用試薬が減少したことや、電動式医薬品注入器の販売減少、前年同期に一時収益の計上があったこと等により減収となりました。 当期の診断・ライフサイエンスの営業利益は、3,893百万円(前年同期比46.3%減)となりました。病理事業が価格改定効果や生産拠点の最適化によるコスト削減効果、関連会社の区分変更によるその他収益の計上等により増益となった一方、バイオメディカ事業、診断薬事業は減収影響を合理化等の施策で吸収できず、減益となりました。診断薬事業において前年同期には一時収益があったこと、前述の本社機能の見直しによる影響額△1,207百万円、関税影響約10億円等も要因です。 調整後EBITDAは、15,323百万円(前年同期比15.4%減)となりました。主な当該調整項目には、一時的な事業構造改革関連収益・費用(当期254百万円加算、前年同期138百万円加算)、一時的な契約解除等に係る収益・費用(当期252百万円減算)がありました。 (EBITDA及び調整後EBITDAの算出表) (単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期増減営業利益7,2483,893△46.3%+ 減価償却費11,31211,4180.9%+ 減損損失(有価証券等を除く)389△76.3%EBITDA18,59915,322△17.6%(調整額) + 一時的なM&A関連収益・費用---+ 一時的な事業構造改革関連収益・費用13825484.1%+ 一時的な契約解除等に係る収益・費用-△252-+ 一時的なその他の収益・費用△631--調整後EBITDA18,10615,323△15.4% (注)EBITDA及び調整後EBITDAを以下の算式により算出しております。EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + 減損損失(有価証券等を除く)調整後EBITDA = EBITDA + 一時的な収益・費用 (b)財政状態の状況 「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 a.財政状態の状況」にて記載しておりますのでご参照ください。 (c)資本の財源及び資金の流動性についての分析(イ)キャッシュ・フロー 「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 c.キャッシュ・フローの状況」にて記載しておりますのでご参照ください。 (ロ)資金需要 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。販売費及び一般管理費の主なものは人件費及び広告宣伝費等です。 (ハ)資金調達と財務マネジメント 当社グループは、運転資金や設備投資のために、最適な資金確保と流動性の保持及び健全な財政状態を維持することを財務方針としております。 運転資金は手許資金及び金融機関とのコミットメントライン契約による短期資金調達でまかなうことを原則としております。基本的には当社が一元して資金を調達・運用し、運転資金が必要な各子会社に対しては当社グループ内から貸付を行うことで効率化を図っております。 また、設備投資等の長期資金需要に関しては、投資回収期間とリスクを勘案した上で調達方法を決定しております。なお、当連結会計年度は、設備投資及び研究開発活動等の資金について、主に営業活動の結果得られた資金から充当しております。 資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、銀行とコミットメントライン契約を締結しており、成長を維持するために必要とされる流動性を確保していると考えております。2026年3月19日付で金融機関計8行と5年間のシンジケートローン契約(金銭消費貸借契約)を締結し、2026年3月31日付で既存借入のリファイナンスを実行いたしました。なお、2026年3月末時点の借入残高は約2,345億円であり、取引金融機関とは良好な関係を維持しております。 (d)経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループの売上は、販売を行っている国又は地域の経済状況、医療制度、競合他社の状況、顧客動向や嗜好の変化等による影響を受け、また当社グループの製品の販売価格は、世界的に浸透している医療費抑制政策の影響を受ける可能性があります。また、当社グループは、外貨建てで取引されている製品・サービスが売上収益の過半数を占めていること等から、為替相場の変動により経営成績が影響を受ける可能性があります。費用面では、原材料価格等による影響を受けます。 当社グループの経営成績に影響を与える他の要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 (e)経営戦略の現状と見通し 当社グループの属するヘルスケア業界では、先進国における高齢化社会、世界的な生活習慣病の増加、各国における医療費削減等の経営環境に直面しております。 このような環境の下、当社グループでは、グローバル規模での中長期成長を支える社内体制の構築・強化、人材の確保と育成の強化、事業及び収益基盤の拡大等に取り組むことで売上拡大や利益の確保に努めていく所存です。 当社グループの経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にて詳細にご説明しておりますのでご参照ください。 (f)経営者の問題意識と今後の方針 経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にて詳細にご説明しておりますのでご参照ください。

事業リスク

  • 世界経済の景気変動リスク:PHCホールディングスは世界125以上の国と地域で事業を展開しているため、主要市場の経済成長の減速、為替変動、失業率増加などが製品・サービス需要に悪影響を及ぼす可能性があります。これにより、経営成績や財政状態に影響が出る可能性があります。
  • 医療制度改革と市場変化:各国の医療費抑制政策や医療制度改革、新たな医療技術の開発は、製品の償還価格引き下げや費用対効果の高い製品への需要増加につながる可能性があります。これに対応できない場合、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
  • 競合他社との競争激化:医療技術産業は技術革新のスピードが速く、国際的な大企業から急成長中の専門企業まで多様な競合が存在します。競合他社が優れた技術や製品、低コスト製造を実現した場合、PHCホールディングスの製品競争力が低下し、売上減少につながる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|10,694 文字
3【事業等のリスク】 当社グループは、持続的な成長及び企業価値の最大化を実現するため、事業活動に伴う多様なリスクを適切に把握・評価し、未然防止及び影響の軽減を図ることが重要であると認識しています。 この認識に基づき、リスク管理に関するグループ全体の基本方針及び体制を定めた「リスクマネジメント基本規程」に基づき、リスクマネジメント体制を整備するとともに、グループの重要リスクを体系的に特定し、全社的な管理・対応を推進しています。 <リスクマネジメント体制及びプロセス> 当社グループは、リスクマネジメント体制の強化及びリスクの統合的管理を目的として、リスクマネジメント委員会を設置しています。リスクマネジメント委員会は、リスク担当役員を委員長、リスク統括部門を事務局として執行役員、国内外の事業責任者、本社部門責任者等で構成され、年4回の定期開催に加え、必要に応じて随時開催しています。リスクマネジメント委員会では、リスクの発生回避及び発生時の影響最小化に向けた対応策の策定・実行状況の確認、評価及び見直しを行い、その内容について、PHCグループ経営会議及び独立性を有する取締役会に報告しており、持続可能な事業運営の実現に努めています。(PHCグループのリスクマネジメント体制 ※2026年3月31日現在) 当社グループでは、リスクマネジメント委員会を中心に、リスクの特定から評価、対応、モニタリング及び改善に至る一連のプロセスをPDCAサイクルに基づき運用しています。 リスク統括部門は、トップインタビュー等を通じて経営層が認識するリスクを把握するとともに、事業部門及び本社部門の双方の視点を踏まえ、リスクを網羅的に抽出・整理した上で、対象リスクを特定しています。特定したリスクについては、影響度及び発生可能性等の観点から分析・評価を行い、リスクマネジメント委員会において妥当性を審議のうえ、「グループ重要リスク」を選定し、PHCグループ経営会議及び取締役会に報告しています。 「グループ重要リスク」については、リスクオーナーを定め、対応策及び実行計画を策定し、当該計画に基づき実行しています。対応状況は、リスク統括部門がモニタリングを行い、その進捗をリスクマネジメント委員会に報告するとともに、同委員会における協議を踏まえ、対応の見直しを行っています。年間の活動を通じて抽出された課題については、次年度の活動計画に反映して改善しています。また、リスクが顕在化した場合には、グループ対策本部を設置し、迅速に対応することで、影響の最小化及び再発防止に努めています。 (リスクマネジメントプロセス)<当社グループのリスク状況> 当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクのうち、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼすと考えられる主なリスクについて記載しておりますが、これらに限定されるものではありません。また、リスク要因に該当しない事項であっても、投資判断上重要と考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から併せて記載しております。 なお、当期においては、投資判断に資する有益な情報を提供することを目的としてリスクの記載の見直しを行っております。具体的には、各リスクについてリスクシナリオと対応策を明確に区分して記載するとともに、リスクマネジメント委員会において議論・特定されたグループ重要リスクを中心に、前期からの内容の整理・再構成を実施しております。これらの記載は、同委員会における検討・確認結果を踏まえたものであります。 当社は、これらのリスク要因について継続的にモニタリングを実施するとともに、適切な対応に努めています。 1. 経済環境及び市場動向リスクシナリオ世界的な経済成長の減速や市場の不確実性が増大しており、企業は景気後退や競争環境の激化に直面しています。特に、顧客ニーズの変化や技術革新への対応が求められる一方で、競合他社や新興国企業との競争が激しさを増しているため、柔軟かつ迅速な対応が必要です。 ・世界的な経済成長の減速、景気後退、為替やクレジット市場のボラティリティ、又は国の支出削減政策により、 事業運営や収益性が悪化し、研究開発費の削減や製品開発の停滞、顧客の購入延期に繋がる可能性があります。 ・顧客の需要変化や市場動向を適切に把握・対応できない場合、製品・サービスの需要低下や顧客満足度の低下、 競争優位性の喪失に繋がる可能性があります。 ・優れた技術力や強固な財務基盤、多様なビジネスモデルを持つ競合他社や、新興国市場の低コスト製造企業との 競争により、当社グループ製品の競争力や市場シェアが低下する可能性があります。 ・医療技術産業における技術革新や新規開発の進展により、当社グループ製品が競争力を失うリスクが生じるほ か、費用対効果の高い製品・ソリューションの提供が求められる可能性があります。 ・経済状況や政策の変化により研究開発が遅延・中断した場合、製品開発が停滞し、事業成長に悪影響を及ぼす可 能性があります。対応策 ・顧客ニーズや市場動向の変化を迅速に把握するための情報収集・分析体制を強化し、需要変化に柔軟に対応しま す。 ・研究開発への投資を最適化し、技術革新や新規開発を推進することで競争力を確保します。 ・競合他社や新規市場への対応策として、製品の差別化やコスト競争力の向上に取り組みます。 2. 医療制度・医療政策及び規制環境リスクシナリオ各国において医療費削減や制度改革が進められています。また、新興国市場では法規制の整備不足や非関税障壁が事業展開の障害となる場合があります。さらに、医療技術の進化や制度変更への対応が求められる中で、企業は競争力維持のために柔軟な対応が必要とされています。 ・診療報酬、薬価等の保険点数の改定により、医療製品や臨床検査事業の収益性が低下し、経営成績や財政状態 に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・各国における医療制度改革や技術革新への対応が不十分な場合、競争力が低下し、経営成績や財政状態に悪影響 を及ぼす可能性があります。対応策 ・関係省庁や業界団体、KOLとの意見交換を通じて政策情報の収集分析及び提言を行っています。 ・政策情報の収集・分析を通じて、事業リスクの軽減と機会創出を図っています。 ・医療政策活動と事業活動を連携させ、政策提言や事業部門との協力を強化しています。 ・医療政策への迅速かつ適切な対応を通じて、業界課題の解決を推進しています。 3. 地政学・自然災害リスクシナリオ近年、地震・風水害・津波・火災等の自然災害や感染症の流行に加え、地政学的リスクの高まりにより、企業を取り巻く事業環境の不確実性は一層高まっています。これらの事象は、生産拠点や物流網の停滞・寸断、原材料調達の遅延、製品出荷の遅れ等を通じて、企業の事業運営、特にサプライチェーンの安定性に重大な影響を及ぼす可能性があります。さらに、各国の政策動向や地域紛争、エネルギー問題等が事業活動やコスト構造に影響を及ぼすリスクも高まっており、企業には、これら複合的なリスクを的確に把握し、迅速かつ柔軟に対応していくことが求められています。 ・自然災害や感染症の流行、国際紛争、テロ等の発生により、生産拠点やサプライチェーンが混乱し、製品出荷の 停止・遅延や原材料の調達に支障が生じる可能性があります。 ・従業員の安全確保や製造拠点の操業停止等の対応が必要となった場合、事業活動に支障が生じ、当社グループの 業績に影響を及ぼす可能性があります。 ・各国における税制変更、投資規制、輸出入規制、外国為替規制等の政策変更や、国産品奨励政策、非関税障壁等 の導入により、当社グループの事業活動や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 ・特定地域の政治・社会情勢の不安定化や、関税政策、保護主義的な政策の強化等により、原材料価格の上昇等が 生じ、製品の価格競争力や事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 ・電力供給の不足やエネルギー価格の上昇が発生した場合、生産活動や事業活動が制約を受け、業績に影響を及ぼ す可能性があります。対応策 ・世界的な経済減速や地政学リスクに対応するため、情報収集・分析体制を強化し、事業への影響を早期に把握し 対応できるように努めています。 ・製造拠点を中心にBCP(事業継続計画)の実効性の改善や訓練を実施し、迅速な意思決定体制の構築に注力してい ます。 ・研修や社内イントラネット、SNS等を通じた情報発信により、リスク風土の醸成を図るとともに、課題に対する 恒常的な再発防止に向けた意識の向上に取り組んでいます。 4. 事業ポートフォリオ及び成長戦略リスクシナリオビジネス環境は急速に変化しており、企業は市場競争の激化や技術革新の加速、顧客ニーズの多様化に直面しています。また、新興国市場や先進国市場における事業展開には、それぞれ異なる課題が伴うため、計画通りの進捗が難しい場合があります。これに加え、経営計画の達成には、戦略的施策や新製品開発を確実に実行することが求められており、予期しない外部要因にも迅速に対応する必要があります。 ・中期経営計画2027において設定した前提条件が想定通りに進まない場合、計画目標の達成が困難となり、事業の 進展や収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・競合他社との競争が想定以上に激化した場合、市場シェアの拡大や各事業の強化が計画通りに進まず、収益機会 を喪失する可能性があります。 ・成長戦略や商品戦略、コスト削減戦略等の施策が計画通りに進捗しない場合、経営計画全体に支障をきたす可能 性があります。 ・技術革新や顧客嗜好の変化に迅速に対応できない、又は対応に多額のコストを要する場合、競争力が低下し、収 益性に影響を与える可能性があります。 ・当社ではBGM事業への利益依存度が高い状況にありますが、先進国市場での販売戦略が計画通りに進まない場合、 収益が減少する可能性があります。 ・新製品の開発や新興国市場・先進国市場での事業展開が計画通りに進まない場合、収益構造のバランスが崩れ、 収益機会を損失する可能性があります。 ・当社は中期経営計画2027において、事業ポートフォリオ管理の強化を重要施策の一つとして掲げ、ROIC(投下資 本利益率)を活用した各事業の資本効率性の向上に取り組んでいます。しかしながら、ROICを用いたポートフォ リオ管理が十分に機能せず、各事業の収益性や資本効率の改善が計画通りに進まない場合には、当社グループ全 体の収益性や企業価値に影響を及ぼす可能性があります。対応策 ・中期経営計画2027の達成に向けて、成長戦略や商品戦略を定期的に見直すとともに、事業環境や市場動向を踏ま えた進捗状況を管理しています。 ・技術革新や顧客嗜好の変化に対応するため、当社グループの製品・サービスの強みを活かした技術開発及び商品 開発を推進しています。 ・新興国市場及び先進国市場それぞれの特性や課題に応じた事業戦略を策定し、地域別の事業展開を進めています。 ・収益構造の安定化と競争力の強化を目的として、ROICを活用した管理制度及び評価プロセスの構築を進めてお り、各事業の資本効率性を定量的に把握・評価する体制の整備に取り組んでいます。 ・ROICを重要な経営指標の一つとして位置付け、事業別の投下資本の適正化や収益性改善に向けた施策を継続的に 検討・実行することで、資本コストを上回る収益性の確保と持続的な企業価値向上を図っています。 5. 研究開発及び技術革新リスクシナリオヘルスケア分野では、技術革新の加速や顧客ニーズの多様化が進んでおり、市場環境は急速に変化しています。また、競合他社の新技術や革新的製品の登場により、技術的優位性を維持することが益々難しくなっています。このような状況下で、迅速な対応と継続的な研究開発が求められています。さらに、急激な技術の進歩や非連続的な技術革新は、従来の事業モデルや技術基盤に大きな影響を与える可能性があります。 ・上市までの期間が長期化することで、開発した製品が市場環境の変化に適応できず、想定した売上や効果を得ら れない可能性があります。 ・急激な技術革新や非連続的な技術進歩により、既存の製品や技術が陳腐化し、競争力を失うリスクがあります。 ・競合他社が革新的な技術や製品を開発し市場に投入することで、当社グループの技術的優位性が失われ、競争力 が低下する可能性があります。 ・医療技術の進展や新たな治療法の登場により、当社グループの製品が市場での需要を失う可能性があります。対応策 ・全社横断のR&D組織としてコアテクノロジー研究所を新設し、開発の迅速化とイノベーションの創出を推進しま す。特に診断・ライフサイエンス事業のさらなる成長に向け、付加価値の高い製品や次世代技術の開発加速に努 めます。 ・市場ニーズを的確に把握するための情報収集体制を整備し、製品の競争力を維持・向上させています。 ・開発プロセスの効率化を図り、上市までの期間短縮に努めています。 ・競合他社の動向を注視し、差別化戦略を展開することで技術的優位性の確保に努めています。 6. オペレーションリスクシナリオ近年、製造業を取り巻く環境は複雑化しており、生産設備の老朽化や新技術への対応、調達先の多様化に伴うリスクが増大しています。また、外部委託業者への依存度の高まりや製品の安全性に対する社会的関心の高まりにより、品質管理や法令順守の重要性が一層増しています。 ・生産設備や金型の老朽化、新たな生産技術への対応に伴い設備投資が必要となった場合、コスト増加により経営 成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・地政学上の課題、国別の政策・制度等の方針変化、災害、感染症の影響、サプライヤー側でのフォースマジュー ル、民事再生・破産等の影響によるサプライチェーンの寸断により、調達コストの上昇、生産の遅延や製造の中 断が生じ、事業活動に悪影響を及ぼすリスクがあります。 ・外部委託業者によるサービス提供の中断・停止や業務上の過誤、又は契約変更が発生した場合、事業運営や法令 順守上の問題が生じ、経営成績や信用に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・製品やサービスにおいて安全問題、品質問題、リコール、偶発的な不具合が発生した場合、顧客の事業運営や市 場への安定供給に支障をきたし、売上低下や賠償責任が発生するリスクがあります。 ・許認可の取り消しや行政処分、法令違反による罰則、又は競合他社との競争激化や規制当局への承認手続の遅延 により、事業展開が計画通りに進まず、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策 ・生産設備の老朽化や新技術対応に伴うリスクに対して、計画的な設備投資と技術革新を推進しています。 ・複数調達先や代替品の検討・確保、在庫水準の適正化、BCP体制の整備、サプライヤー評価等により、事業活動へ の影響を最小化するよう取り組んでいます。 ・品質決算会議や品質意識調査を通じて、品質管理体制を強化しています。 ・製品安全性の向上と法令順守を徹底しています。 ・品質風土の醸成を図り、全社的な品質意識の向上に努めています。 7. 人材の確保・育成及び組織運営リスクシナリオ当社グループは、糖尿病マネジメント、ヘルスケアソリューション、診断・ライフサイエンス等専門性の高い事業を125以上の国と地域で展開しており、事業拡大やM&Aに伴う組織運営、人材の確保・育成が重要な課題となっています。 ・高度な専門人材の確保・育成が計画通りに進まず、経営や研究開発、サービス提供に支障を来す可能性がありま す。 ・地域ごとの労働慣行や制度への対応が遅れ、国際事業運営や適切な人員配置に影響を及ぼす可能性があります。 ・M&Aによる事業拡大に伴い、組織文化や制度の統合が進まず、業務効率や事業推進に悪影響を与える可能性があり ます。 ・組織運営上の課題が蓄積することで組織全体の活力が低下し、人材の確保や定着率に悪影響を及ぼす可能性があ ります。対応策 ・重点領域における専門人材の採用を推進するとともに、グローバル採用を含む多様な採用手段を活用しています。 ・PHC アカデミーを含む教育プログラムにより、専門性向上及び次世代リーダーの育成を推進しています。 ・海外拠点を含めたタレントマネジメントの枠組みを整え、人員配置の最適化を図っています。 ・市場水準及びパフォーマンスに応じた処遇への見直しを進め、優秀な人材の確保と定着の強化を図っています。 8. 財務、為替及び資本市場リスクシナリオグローバルな事業環境の変化や経済の不確実性が増大する中で、企業は多様なリスクへの対応を求められています。特に、金利や為替相場の変動、事業環境の変化、資産価値の低下等が、企業の経営成績や財政状態に与える影響が懸念されます。また、企業買収や事業提携といった成長戦略においても、適切な機会の選定や統合の成功が課題となり、これらのリスク管理は企業の持続的成長において重要な要素となります。 ・為替相場の変動により、輸出入取引や海外子会社の業績が影響を受けるほか、外貨建て資産・負債の評価額が変 動し、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・借入契約における財務制限条項への抵触や金利上昇により資金繰りが悪化し、研究開発・設備投資・配当の原資 が減少することで、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・のれんを含む無形資産の減損や事業環境の変化により資産価値が低下した場合、経営成績及び財政状態に重大な 影響を及ぼす可能性があります。 ・保有する新株予約権や投資株式の価格変動により株価変動リスクが発生し、財政状態に悪影響を及ぼす可能性が あります。 ・企業買収や事業提携において、適切な機会を見出せない、又は統合作業やシナジー効果の実現に予想以上の時間 や経営資源を要した場合、事業拡大や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・買収後や事業提携において、予期せぬ事業環境の変化や統合の不備により業績が低下し、撤退や提携解消に伴う 費用が発生する可能性があります。対応策 ・為替リスクや金利変動への対応として、インターカンパニーローンの残高削減やNotional Poolingの導入を進 め、資金還流の効率化を図っています。 ・資金調達手段の多様化や金融機関との連携強化により、安定的な資金確保に努めています。 ・ワーキングキャピタルを継続的に管理することで資金繰りの安定化を図り、財務リスクの軽減に取り組んでい ます。 ・買収や事業提携においては、統合計画の精緻化とリスク管理を徹底し、シナジー効果の最大化を目指していま す。 9. 情報セキュリティリスクシナリオサイバー攻撃の高度化やランサムウェアの増加に伴い、情報漏えいやシステム障害のリスクが高まっています。また、個人情報や機密情報の保護に関する法令が厳格化される中、企業にはより高度なセキュリティ対策や迅速な対応が求められています。これらのリスクは、社会的信用や事業運営に直接的な影響を及ぼします。 ・顧客情報を含む個人情報や、製品開発に関する機密情報が、不正アクセス、従業員の過失・故意、コンピュータ ウイルス、ランサムウェア攻撃等により漏えいする可能性があります。 ・情報漏えいやセキュリティ侵害が発生した場合、社会的信用の低下、損害賠償請求、問題改善費用の発生等に より、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・災害・事故、ハードウェアやソフトウェアの欠陥、又はサイバー攻撃により情報システムが停止した場合、事業 運営が停滞し、復旧費用や事業遅延が発生する可能性があります。対応策 ・サイバー攻撃や情報漏えいリスクに対応するため、情報セキュリティ研修や模擬フィッシングメール訓練を継続 的に実施し、従業員の情報セキュリティ意識向上と訓練を強化しています。 ・個人情報保護研修やシステム利用時の安全確認を推進し、情報管理体制を強化しています。 ・セキュリティツールの適用率向上による安全性の確保やクラウド移行により、災害復旧能力を向上させています。 ・IT-BCP(事業継続計画)を整備し、事業継続性を高める取り組みを進めています。 10. コンプライアンスリスクシナリオ事業環境の複雑化や国際化の進展に伴い、法令順守や内部統制の強化が求められ、企業は多様なリスクへの対応が必要とされています。特に、各国の法規制対応や知的財産権保護に関する課題が増加しており、これらへの対応状況は競争力や信用維持に直結します。また、従業員や第三者の不適切行為によるブランドイメージ・社会的信用の毀損リスクも高まっており、ハラスメントや訴訟リスクへの適切な対応が重要です。 ・各国の法規制や許認可への違反、又は新たな法令・改正への対応が遅れた場合、行政処分や罰則、許認可の取り 消しが発生し、事業運営や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ・知的財産権の侵害や模倣品の流通、又は知的財産権に関する紛争が発生した場合、損害賠償や競争力の低下が生 じる可能性があります。 ・訴訟や法的手続きに巻き込まれた場合、不利益な結果や対応費用、評判や信用の毀損が発生し、経営成績に悪影 響を及ぼす可能性があります。 ・ブランドや商標の不正利用、製品不備や苦情の拡散、従業員や第三者による不適切行為が発生した場合、ブラン ドイメージや社会的信用が損なわれ、風評被害が生じる可能性があります。 ・ハラスメント(セクシャルハラスメント、パワーハラスメント等)が発生した場合、従業員の士気低下や離職、 外部への告発により社会的信用が損なわれるほか、訴訟や損害賠償が発生し、経営成績や企業イメージに悪影響 を及ぼす可能性があります。対応策 ・コンプライアンス月間を通じた社長メッセージの発信やコンプライアンス意識実態調査を実施し、法令順守とコ ンプライアンス意識の向上を図っています。 ・グループ行動規範やコンプライアンス基本規程等を整備し、従業員への周知を行っています。 ・従業員に対してコンプライアンス・知的財産に関する研修・情報発信を実施するとともに、各国の法規制や許認 可に関するモニタリング及び法令改正への適時対応体制の整備を通じて、法令違反や不適切行為の発生防止に努 めています。 ・自社発明の権利化と先行技術調査の徹底により、他社権利の侵害防止を図っています。 ・商標・ブランドの使用に関する規程を整備し、問題の未然防止に努めるとともに、第三者による不適切な使用を 発見した場合には直ちに中止を申し入れ、速やかな是正を図っています。加えて、苦情や不適切行為が発生した 場合には、速やかな事実確認と適時適切で正確な情報開示と透明性の確保を重視し、影響の最小化と再発防止に 取り組んでいます。 ・自社の開示物は職能事前確認やメディア研修を通じてブランドの維持向上を図るとともに、外部情報のモニタリ ングを通じて風評被害の抑止に取り組んでいます。 ・内部通報制度の周知や相談窓口の設置により、従業員が相談しやすい環境を整備しています。 11. ESGリスクシナリオ当社グループは医療機器及び関連事業をグローバルに展開しているため、各国における環境規制や人権関連規制の強化の影響を受けやすい事業構造にあります。また、顧客からのサプライヤー評価やESG情報開示要請が高まっており、取引要件として持続可能性対応が求められる傾向が強まっています。さらに、投資家によるESG評価が企業価値や資本市場における評価に影響を及ぼす状況にあります。 ・規制違反に伴う罰金、損害賠償、事業停止等により、事業運営や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性がありま す。 ・温室効果ガス削減対応等に伴い、追加的な費用負担が増加し経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・顧客からの評価低下により、取引機会が喪失し、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・ESG評価の低下や主要指数から除外されることにより、投資家・顧客からの信頼が損なわれ、企業価値が毀損する 可能性があります。対応策 ・サステナビリティ委員会において、気候変動及び人権を含むESG課題を定期的に審議・管理しています。 ・温室効果ガス削減目標を設定し、進捗管理及びモニタリング体制を整備しています。 ・人権デューディリジェンスを実施し、バリューチェーン全体でのリスク特定及び対応を進めています。 ・欧州を中心とするESG関連規制への対応に向けたプロジェクトを推進しています。 ・ESG評価機関への情報開示の充実に努め、外部評価の改善を図っています。 12. 株主との関係リスクシナリオ近年、株式市場では投資家の多様化や機関投資家の影響力の増大により、株主構成が企業の経営や株価に与える影響が一層注目されています。このような状況の中、大株主の動きによっては、市場や企業経営に影響を及ぼす可能性があります。大株主が当社株式を保有することで影響を及ぼす可能性としては下記が考えられます。 ・大株主の議決権行使によって、当社の経営方針や事業運営に影響を及ぼす可能性があります。 ・大株主の保有方針によって、当社株式の流動性の低下に影響を及ぼす可能性があります。また、大株主が保有する株式を売却することで影響を及ぼす可能性としては下記が考えられます。 ・大株主の保有株式売却によって、当社株式の市場価格が一時的または継続的に下落する可能性があります。対応策 ・すべての株主の利益に配慮した公正かつ透明性の高い経営を行うため、独立社外取締役を含む取締役会による適 切な監督体制を整備しています。 ・IR活動を充実させていくことで、株主・投資家との建設的な対話を推進し、株主層の多様化及び株式の流動性 向上に努めています。

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