事業の概要
- 有機化学品ソリューション提供神戸天然物化学は、医薬品や情報電子材料などに使われる有機化学品の開発から生産までを一貫して支援する会社です。顧客企業が新製品を開発する際、必要な化学物質の合成や製造方法の検討、量産化までを請け負い、顧客の製品開発を加速させることで収益を得ています。
- 顧客開発段階に応じた支援顧客の製品開発が「研究」「開発」「量産」のどの段階にあるかに応じて、最適なサービスを提供します。例えば、研究段階では少量のサンプル合成、量産段階では大量生産の技術検討や実際の製造を行います。これにより、顧客は自社の強みである機能評価に集中でき、神戸天然物化学は各段階で専門的な価値を提供します。
- 付加価値の高い受託合成単に依頼された化合物を合成するだけでなく、合成方法の改善提案や、合成研究の結果を詳細に報告することで、顧客にとっての付加価値を高めています。これにより、顧客の研究開発期間短縮や効率向上に貢献し、長期的な取引関係を築くビジネスモデルです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 機能材料事業部門主に表示材料、半導体製造用化学品、カーボンナノチューブ分散体などを取り扱っています。これらは医薬品以外の幅広い工業製品に使われる化学品やその中間体で、研究開発から量産まで多様な顧客ニーズに対応しています。
- 医薬事業部門医薬品の有効成分(原薬)やその中間体、治験薬の原薬、医薬品の研究開発用化合物などを提供しています。医薬品の製造には厳格な品質管理が求められ、専門性の高い技術と設備で顧客の医薬品開発・製造を支援しています。
- バイオ事業部門医薬原薬や中間体、治験原薬、医薬の研究開発用化合物に加え、抗体医薬製造用の助剤なども手掛けています。バイオ医薬品分野は成長が期待される領域であり、この部門も医薬事業部門と同様に、専門的な技術と品質管理体制で貢献しています。
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3【事業の内容】(1) 当社の事業の内容について 当社は、有機化学品の研究・開発・生産ソリューション事業を主たる業務としております。より具体的には、顧客の製品開発及び製品販売のために行う研究、開発及び生産活動における必要なサンプル及び製品を供給するとともに、顧客の製品開発段階に応じた諸課題を解決するサービスを提供しております。これらのサービスは顧客と密に協力を行いながら実施し、より迅速な製品開発等を支援することを通じて、社会へ新たな医薬品・工業製品等を提供できるものと認識しています。対象としている有機化学品は、主に医薬分野、情報電子分野等で用いる有用な機能を持った化学品及びその中間体であり、より汎用的な化学品を原料として製造いたします。 (2) 当社の事業の特徴について 化学品の研究開発は、目的の機能を持つ化合物の化学構造を推測し、それを実際に合成し、機能を評価することで前進します。この時、目的とする機能が得られなければ再度化学構造を考えるというサイクルを繰り返します。機能評価は、医薬、農薬、染料等の個々の製品により、独自の評価技術が必要ですが、化合物の合成は、製品の機能に関わらず有機合成化学の技術により達成できます。従って、製品開発を行う会社は機能を持つ化学品の構造式を提示し、当社は提示された化合物を合成するという分業が可能となります。化合物の合成自体にも研究要素があり、提示された化合物の合成方法を考え、合成して、その化合物の純度(注1)や収率(注2)あるいは経済性等を評価し、これらが目標以下であれば再度合成方法を考えます。 注1 合成できた物質の中で機能を持つ目的の物質が占める割合を意味します。注2 理論的に得ることが可能な目的物質の最大量に対して、実際に得られた量の比率を意味します。 製品開発会社が、機能性評価や合成等の全ての工程を行っていた中から、合成の部分を当社が請け負うことにより、製品開発会社は機能評価研究等に経営資源を集中できます。当社で担当した化合物合成については、化合物合成研究の結果を併せて報告することにより、単純な合成受託では得られない付加価値を生み出しています。製品開発会社と当社の協力により、研究開発期間が短縮され、製品開発の効率の向上につながります。当社では、研究・開発から量産ステージまで、化合物合成に関する顧客の提案や改良要求を具体化して研究開発用の製品として供給すると共に、上市後の量産へ向け製造方法の課題・対策を提案するというソリューションを提供いたします。当社は、顧客の製品開発ステージが研究・開発から量産へと上がるのに伴い、ステージに応じたソリューションを提供し、製品開発の進捗とともに成長するモデル(ステージアップ・グロース)を目指しております。 なお、当社では顧客の製品開発における各開発段階を下表に記載するとおりに認識しており、これらに最適なソリューションを提供することで、製品開発・製造販売の支援が可能であると考えております。下記の表にステージ別の顧客目的及びニーズを示します。ステージ目的ニーズ研究化合物選択多くの候補化合物の中から目標の機能を示す化合物を選択すること評価用のサンプル(通常は少量)を早期に入手すること開発製品開発選択した化合物に必要な材料等を混合したり、成型したりして市場で流通する形態の製品とすること開発用に多量のサンプルを入手すること(その品質は評価用と同等以上、時期は顧客の開発スケジュールに合わせたタイミング)量産検討量産する場合の製品品質や製造コストを検討すること量産方法を検討し、開発用サンプルと同等以上の品質の製品が得られることを確認すること量産商業販売商品を生産して販売すること製品が安定供給されること 顧客の製品開発段階が、研究ステージあるいは製品開発の初期ステージの場合、当社は未知の新規化合物の合成、既知であるものの合成困難な化合物の合成、複雑な合成方法の改良、研究開発のための参考化合物の合成及び検討報告書を提供いたします。顧客の開発候補化合物が決まり、評価用に多量のサンプルを用いる場合や量産に向けた製造方法を検討するステージの場合、当社は開発用のサンプルやその合成中間体の供給、工場で製造するための操業条件の検討、工場で製造した製品の品質確認等を行います。顧客の製品開発段階が、量産ステージの場合、当社は販売用の製品やその合成中間体を製造いたします。当社は、研究ステージから量産ステージまで対応できる設備を保有しており、製品開発におけるすべてのステージへソリューションの提供が可能です。 このように、研究ステージから量産ステージまで一貫して化学品生産ソリューションサービスの提供を行うことが当社事業の特徴です。 (3) 当社の事業セグメントについて 当社の事業セグメントは、有機化学品の研究・開発・生産ソリューション事業のみの単一セグメントであります。以下では事業部門別に主な取扱い製品を記載しております。取扱い製品は研究・開発ステージのものから量産ステージのものまで含んでおります。 機能材料事業部門の取扱い製品 表示材料、半導体製造用化学品、カーボンナノチューブ分散体等 「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」の規制対象外の医薬用原料、治験薬用 原料等 除草剤、殺菌剤、殺虫剤、昆虫フェロモン及びそれらの中間体 医薬事業部門の取扱い製品 医薬原薬及び中間体 治験原薬及び中間体 医薬の研究開発用の化合物 バイオ事業部門の取扱い製品 医薬原薬及び中間体 治験原薬及び中間体 医薬の研究開発用の化合物 抗体医薬製造用の助剤 [事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 単純な合成受託ではなく、化合物合成研究の結果を併せて報告し付加価値を生み出しているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 有機合成化学の技術、研究・開発から量産ステージまで一貫した支援体制、技術的な幅の広さ。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:景気、個人消費及び顧客の動向によるリスク / 顧客、当社の研究開発及び生産計画の進捗に関するリスク / 大口取引先への依存によるリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
神戸天然物化学は、特定のブランド力、特許、規制ライセンス、または独占的IPに関する具体的な情報が公開情報からは確認できない。事業内容は天然物由来の機能性素材の開発・製造・販売であり、これらが直接的な無形資産として競争優位に繋がっているかは不明瞭。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
顧客が同社の機能性素材を自社製品に組み込んでいる場合、代替素材への切り替えには製品設計の見直しや品質評価が必要となるため、一定のスイッチングコストが発生する可能性がある。しかし、そのコストの大きさを示す具体的な情報は乏しい。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社の事業モデルは、ユーザー数の増加によってサービスの価値が向上するネットワーク効果を生み出す性質のものではない。BtoBビジネスであり、顧客との直接的な関係性が中心となる。
コスト優位★☆☆☆☆
天然物由来の素材開発・製造において、独自の調達ルートや製造プロセスによるコスト優位性がある可能性は否定できない。しかし、競合他社と比較して構造的に低コストで提供できるという明確な証拠はない。
規模の経済★☆☆☆☆
機能性素材市場は多様なプレイヤーが存在するが、神戸天然物化学が業界規模に対して最適化された少数寡占を形成しているという証拠は乏しい。特定のニッチ市場での一定の地位は考えられるが、規模の経済による優位性は限定的と推測される。
- 研究から量産までの一貫支援神戸天然物化学は、顧客の製品開発における「研究」「開発」「量産」の全てのステージに対応できる設備と技術を持っています。これにより、顧客は開発の進捗に合わせて委託先を変える必要がなく、一貫したパートナーシップを築くことで、開発期間の短縮や効率化を実現できる点が強みです。
- 有機合成化学の専門技術医薬や情報電子分野で用いられる複雑な有機化学品やその中間体を、汎用的な化学品から効率的に合成する高い有機合成化学技術を有しています。この専門技術により、顧客が自社では合成困難な化合物や、より経済的な合成方法を必要とする場合に、独自のソリューションを提供できます。
- 顧客との密接な協力体制顧客の製品開発段階に応じた課題解決サービスを、顧客と密に協力しながら実施します。単なる受託製造に留まらず、合成研究の結果報告や製造方法の改善提案を行うことで、顧客の製品開発をより迅速かつ効率的に支援し、信頼関係を構築している点が競争優位性となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 量産ステージビジネスの拡大これまでの技術蓄積と顧客との信頼関係を基盤に、量産ステージでのビジネスをさらに拡大することを目指しています。量産品の売上比率が既に60%を超えている状況をさらに強化し、安定的な収益源を確保することで、企業成長を牽引する方針です。
- 生産能力・品質管理体制の強化量産ステージの拡大には、生産量の増加に対応するための設備投資と生産性向上が不可欠です。既存設備の稼働率向上に加え、必要に応じた設備増設を検討します。また、量産品に求められる厳格な品質規格に対応するため、品質管理体制および品質保証を含む生産管理体制の強化を進めます。
- 研究開発と新規事業の加速量産ステージへの継続的な案件供給のため、研究・開発ステージのビジネスも維持・強化します。市場拡大が期待される先端領域に注力し、顧客ニーズに対応できる技術習得を目指します。ベンチャー企業や大学との連携、共同研究を通じて、新規事業のパイプラインを拡充し、早期の製品化・事業化を加速させます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
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経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社は、以下の経営環境認識のもとに経営方針及び対処すべき課題を設定し、『先端産業分野において、研究から商業生産まで、顧客とのパートナーシップを重視し、化学品製造に関する課題を解決する』ことを進めてまいります。当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営環境 当社の事業モデルにおいては、医薬品会社や化学会社等の製品開発会社における、新製品の研究開発及び製造の外部委託需要が重要な要素となります。当社の事業領域である有機化学品の受託業界におきましては、技術の細分化・深化が進んだことや、より多品種の化学品等が必要になったこと等により、研究開発及び製造の外部委託傾向が続いています。 また、当社は量産ステージ製品の拡大を企図し、量産設備への設備投資を中心とした投資を進めてまいりました。これは、顧客の開発品目のステージが研究・開発から量産へと上がるのに伴い、ステージに応じたソリューションを提供して取引を継続し、当社の成長を牽引するモデル(ステージアップ・グロース)を企図して実施したものです。この結果、量産ステージ製品の売上高に対する割合は安定して60%を超える状況を構築するに至っております。今後も研究・開発ステージ製品から量産ステージへの取り込みが継続するものと認識しております。 当事業年度末において、中東情勢の影響により、当社事業の主要原材料である原油・ナフサ由来の化学品は、供給不安が増大し、価格も著しく高騰しております。現時点での当社事業への直接的な影響は限定的ではございますが、今後の情勢を慎重に注視し、適切な対応策を検討・実施してまいります。 (2)経営方針及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 上記のような、当社を取り巻く経営環境及び量産ステージへの対応状況を踏まえ、今後の経営方針としましては、これまでの当社での技術蓄積と顧客との信頼関係を背景に、量産ステージのビジネスを更に拡大する計画であります。 量産ステージでは、研究・開発ステージのビジネスより生産量が増加しますので、既存設備の稼動率の向上に加えて、生産能力の向上が不可欠となります。現有設備の生産能力向上施策を行い、必要に応じて設備の増設を検討いたします。また、研究・開発ステージの品質規格は暫定的な場合が多いのに比べ、量産ステージでは厳格な規格のみならず生産過程全般に渡り品質を保証する体制が求められます。このため、品質管理体制の強化及び品質保証を含めた生産管理体制の強化を進める必要があります。 一方、研究ステージ及び開発ステージのビジネスは、量産ステージへつなぐために持続することが必要であります。市場拡大が期待できる先端領域の選択及び顧客の要望に対応できる優れた技術の習得が課題となります。このための顧客及び業界市場からの積極的な情報の入手及び優秀な人材の確保並びに技術の開発と向上にも努めてまいります。 以上のことから、ステージアップ・グロースモデルを更に推し進めるため、以下の①~⑤の5項目を優先的に対処すべき課題として認識しております。 ① 営業力の強化 ステージアップ・グロースモデルの強化のため、生産キャパシティ拡大を企図した大型設備投資および製造等人員の拡充を実施しております。このような状況下、当社事業の付加価値の最大化と受注機会の積極的獲得を加速するために営業部門の更なる拡充、人材育成等による強化が必要であると認識しております。 ② 生産能力・生産性の引き上げ ステージアップ・グロースモデルの拡大のためには、研究設備、生産設備及び分析設備等の改良、拡充が求められます。このため、生産設備等の新規取得、既存設備等の更なる有効利用及び仕入から製造、保管、出荷、廃棄物処理にいたるまでの全工程を通してのボトルネック解消による効率化が重要な課題と認識しております。 ③ 変動する顧客ニーズへの対応 ステージアップ・グロースモデルの持続的な強化を推進するには、社会情勢、技術革新及び地球環境等により高度化する顧客ニーズに対応する必要があります。当社が社会的ニーズや顧客ニーズを充足し、高付加価値なソリューション提供を実施するために、生産技術、品質保証、生産設備要件及び人材育成等のさらなる強化を進めてまいります。 ④ 研究開発から事業化への更なる加速 ステージアップ・グロースモデルの競争力を維持すると共に、新規事業の取り込みのためには研究開発からの早期の製品化及び事業化が求められます。このため、ベンチャー企業、アカデミア及びベンチャーキャピタル等との積極的な交流や共同研究等によるパイプラインの拡充及び技術獲得によるステージアップ・グロースモデルの強化が重要な課題であると認識しております。 ⑤ 通年での業績平準化による業績見通し蓋然性の向上 ステージアップ・グロースモデルの更なる強化による企業価値の向上を推進する一方で、第4四半期への売上偏重による業績見通しの蓋然性の低さが、当社の企業価値の低下要因であると認識すると共に、通年での売上計上平準化の推進を図ってまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社は、以下の経営環境認識のもとに経営方針及び対処すべき課題を設定し、『先端産業分野において、研究から商業生産まで、顧客とのパートナーシップを重視し、化学品製造に関する課題を解決する』ことを進めてまいります。当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営環境 当社の事業モデルにおいては、医薬品会社や化学会社等の製品開発会社における、新製品の研究開発及び製造の外部委託需要が重要な要素となります。当社の事業領域である有機化学品の受託業界におきましては、技術の細分化・深化が進んだことや、より多品種の化学品等が必要になったこと等により、研究開発及び製造の外部委託傾向が続いています。 また、当社は量産ステージ製品の拡大を企図し、量産設備への設備投資を中心とした投資を進めてまいりました。これは、顧客の開発品目のステージが研究・開発から量産へと上がるのに伴い、ステージに応じたソリューションを提供して取引を継続し、当社の成長を牽引するモデル(ステージアップ・グロース)を企図して実施したものです。この結果、量産ステージ製品の売上高に対する割合は安定して60%を超える状況を構築するに至っております。今後も研究・開発ステージ製品から量産ステージへの取り込みが継続するものと認識しております。 当事業年度末において、中東情勢の影響により、当社事業の主要原材料である原油・ナフサ由来の化学品は、供給不安が増大し、価格も著しく高騰しております。現時点での当社事業への直接的な影響は限定的ではございますが、今後の情勢を慎重に注視し、適切な対応策を検討・実施してまいります。 (2)経営方針及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 上記のような、当社を取り巻く経営環境及び量産ステージへの対応状況を踏まえ、今後の経営方針としましては、これまでの当社での技術蓄積と顧客との信頼関係を背景に、量産ステージのビジネスを更に拡大する計画であります。 量産ステージでは、研究・開発ステージのビジネスより生産量が増加しますので、既存設備の稼動率の向上に加えて、生産能力の向上が不可欠となります。現有設備の生産能力向上施策を行い、必要に応じて設備の増設を検討いたします。また、研究・開発ステージの品質規格は暫定的な場合が多いのに比べ、量産ステージでは厳格な規格のみならず生産過程全般に渡り品質を保証する体制が求められます。このため、品質管理体制の強化及び品質保証を含めた生産管理体制の強化を進める必要があります。 一方、研究ステージ及び開発ステージのビジネスは、量産ステージへつなぐために持続することが必要であります。市場拡大が期待できる先端領域の選択及び顧客の要望に対応できる優れた技術の習得が課題となります。このための顧客及び業界市場からの積極的な情報の入手及び優秀な人材の確保並びに技術の開発と向上にも努めてまいります。 以上のことから、ステージアップ・グロースモデルを更に推し進めるため、以下の①~⑤の5項目を優先的に対処すべき課題として認識しております。 ① 営業力の強化 ステージアップ・グロースモデルの強化のため、生産キャパシティ拡大を企図した大型設備投資および製造等人員の拡充を実施しております。このような状況下、当社事業の付加価値の最大化と受注機会の積極的獲得を加速するために営業部門の更なる拡充、人材育成等による強化が必要であると認識しております。 ② 生産能力・生産性の引き上げ ステージアップ・グロースモデルの拡大のためには、研究設備、生産設備及び分析設備等の改良、拡充が求められます。このため、生産設備等の新規取得、既存設備等の更なる有効利用及び仕入から製造、保管、出荷、廃棄物処理にいたるまでの全工程を通してのボトルネック解消による効率化が重要な課題と認識しております。 ③ 変動する顧客ニーズへの対応 ステージアップ・グロースモデルの持続的な強化を推進するには、社会情勢、技術革新及び地球環境等により高度化する顧客ニーズに対応する必要があります。当社が社会的ニーズや顧客ニーズを充足し、高付加価値なソリューション提供を実施するために、生産技術、品質保証、生産設備要件及び人材育成等のさらなる強化を進めてまいります。 ④ 研究開発から事業化への更なる加速 ステージアップ・グロースモデルの競争力を維持すると共に、新規事業の取り込みのためには研究開発からの早期の製品化及び事業化が求められます。このため、ベンチャー企業、アカデミア及びベンチャーキャピタル等との積極的な交流や共同研究等によるパイプラインの拡充及び技術獲得によるステージアップ・グロースモデルの強化が重要な課題であると認識しております。 ⑤ 通年での業績平準化による業績見通し蓋然性の向上 ステージアップ・グロースモデルの更なる強化による企業価値の向上を推進する一方で、第4四半期への売上偏重による業績見通しの蓋然性の低さが、当社の企業価値の低下要因であると認識すると共に、通年での売上計上平準化の推進を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度の末日現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当事業年度における国内経済は物価上昇の影響が一部で残るものの、賃上げの広がりや雇用環境の底堅さを背景に、総じて緩やかな回復基調で推移しました。個人消費や設備投資には選別的な動きが見られたものの、持ち直しの局面は継続されています。輸出や生産は海外景気の影響を受けつつ概ね横ばい圏で推移する一方、企業収益や業況は全体として改善傾向を保ちました。一方で、当事業年度末には中東情勢の緊迫化により資源価格や物流の不確実性が高まり、景気の下振れリスクが意識されました。 このような状況の下、当社は中期経営計画の基本方針に沿って、引き続き生産ソリューション提供の拡大による事業構造の変革、新技術の開発、製造合理化等による一層の業績改善に注力してまいりました。 この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。 a.財政状態(資産) 当事業年度末における流動資産は7,811,312千円となり、前事業年度末に比べて335,813千円増加いたしました。 これは主に売掛金が672,880千円減少した一方で、仕掛品が536,830千円、その他流動資産が474,068千円それぞれ増加したことによるものであります。 固定資産は13,832,778千円となり、前事業年度末に比べて1,155,831千円増加いたしました。これは主に工場・設備の完成に伴い建設仮勘定が3,646,598千円減少した一方で、工場・設備の購入等で建物が1,966,598千円、機械及び装置が2,699,368千円それぞれ増加したことによるものであります。 この結果、総資産は21,644,090千円となり、前事業年度末に比べて1,491,645千円増加いたしました。(負債) 当事業年度末における流動負債は2,726,354千円となり、前事業年度末に比べて457,775千円増加いたしました。 これは主に未払金が271,126千円減少した一方で、1年内返済予定の長期借入金が250,357千円、前受収益が408,923千円それぞれ増加したことによるものであります。 固定負債は4,837,192千円となり、前事業年度末に比べて473,555千円増加いたしました。これは主に資金調達により長期借入金が227,254千円、長期前受収益が227,986千円それぞれ増加したことによるものであります。 この結果、負債合計は7,563,547千円となり、前事業年度末に比べて931,331千円増加いたしました。(純資産) 当事業年度末における純資産合計は14,080,542千円となり、前事業年度末に比べて560,314千円増加いたしました。 これは主に当期純利益の計上等により利益剰余金が510,899千円増加したことによるものであります。 b.経営成績(売上高) 売上高は、9,093,706千円(前年同期比11.2%増)となりました。 機能材料事業部門は、当事業年度において、翌事業年度に売上計上される大型案件の生産にリソースを充当いたしました。このため、短期的な売上抑制要因も見られましたが、量産ステージの医薬・医療関連材料及び半導体関連の需要が堅調に伸長したことで、結果として当部門は好調に推移いたしました。その結果、機能材料事業部門の売上高は3,056,723千円(前年同期比1.8%増)となりました。 医薬事業部門は、当事業年度において、前事業年度より生産を進めていた大型の量産ステージ案件の売上が計上されたことに加え、期中の量産ステージも堅調に推移いたしました。この結果、量産ステージ全体として売上が好調に推移いたしました。また、開発ステージの案件も好調に推移したことから医薬事業部門の売上高は3,927,518千円(前年同期比11.9%増)となりました。 バイオ事業部門は、量産ステージ及び開発ステージともに好調に推移し、売上高を伸長させました。加えて、第4四半期からはKNCバイオリサーチセンターD棟の立ち上げよる効果が発現し、売上拡大を加速させました。その結果、バイオ事業部門の売上高は2,109,464千円(前年同期比26.5%増)となりました。 (売上総利益) 売上総利益は2,388,263千円(同2.9%増)となりました。売上総利益は、減価償却費、労務費、保守点検費といった固定費が増加したものの、それらを上回る増収効果により、増益する要因となりました。(販売費及び一般管理費、営業利益) 販売費及び一般管理費は、1,363,711千円(同12.0%減)となりました。前事業年度の大幅な研究開発費の増加から当事業年度は減少に推移したことにより、営業利益は1,024,551千円(同32.7%増)となりました。(営業外損益、経常利益) 営業外収益は、助成金収入の計上等により、39,004千円(同78.0%減)となりました。 営業外費用は、支払利息の計上等により、34,774千円(同78.8%増)となりました。 その結果、経常利益は1,028,781千円(同10.7%増)となりました。(特別損益、税引前当期純利益) 特別利益は、固定資産売却益の計上により39千円となりました。 特別損失は、固定資産除却損の計上により2,988千円となりました。 その結果、税引前当期純利益は1,025,832千円(同10.5%増)となりました。(当期純利益) 法人税、住民税及び事業税に法人税等調整額を加えた税金費用は259,632千円(同36.2%増)となり、その結果、当期純利益は766,199千円(同3.9%増)となりました。 当社は、単一セグメントであるため、セグメントごとの経営成績は記載しておりません。 ②キャッシュ・フローの状況 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,173,261千円となり、前事業年度末に比べて212,300千円の減少となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における営業活動の結果、得られた資金は2,262,650千円(前年同期は1,487,123千円の収入)となりました。これは主に税引前当期純利益1,025,832千円、減価償却費1,233,339千円の資金増加要因があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における投資活動の結果、使用した資金は2,697,301千円の支出(前年同期は3,322,708千円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出2,626,171千円の資金減少要因があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における財務活動の結果、得られた資金は222,350千円の収入(前年同期は909,599千円の収入)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出982,389千円、配当金の支払額255,157千円の資金減少要因があった一方で、長期借入れによる収入1,460,000千円の資金増加要因があったことによるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績 当社は、単一セグメントであるため、セグメント情報に代えて事業部門別で開示しております。a.生産実績 当事業年度の生産実績は、次のとおりであります。事業部門の名称当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)生産高(千円)前年同期比(%)機能材料事業部門2,062,248104.2医薬事業部門2,834,430114.7バイオ事業部門1,736,689117.0合計6,633,368111.8 b.受注実績 当事業年度の受注実績は、次のとおりであります。事業部門の名称当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)機能材料事業部門3,334,28794.71,550,353121.8医薬事業部門4,527,573138.04,259,997116.4バイオ事業部門2,341,263150.3593,367164.1合計10,203,123122.16,403,718121.0 c.販売実績 当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。事業部門の名称当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)販売高(千円)前年同期比(%)機能材料事業部門3,056,723101.8医薬事業部門3,927,518111.9バイオ事業部門2,109,464126.5合計9,093,706111.2 (注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)鳥居薬品株式会社1,059,31913.01,277,61814.0第一三共株式会社--1,070,43411.8東レ株式会社--1,010,85311.12.前事業年度の第一三共株式会社及び東レ株式会社への販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社の当事業年度の経営成績等につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 当社の経営成績は、有機化学品の研究・開発・生産ソリューション事業における顧客の開発品の開発計画や生産計画に大きく依存します。また、提供するソリューションの内容は顧客の要望により変化します。当社は顧客の要望に応えるための技術開発、設備導入を行い競争力の向上に努めていますが、顧客の計画進捗状況、技術開発状況によって経営成績に重要な影響を与える可能性があります。 その他の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。 当社は、売上高及び経常利益を重要な経営指標として位置付けております。 当事業年度における売上高は9,093,706千円となり、2025年5月13日に開示しております売上高目標8,600,000千円に比べ、493,706千円(5.7%増)の増収となりました。これは医薬およびバイオ事業部門で、開発案件の獲得が期首想定以上に進捗したためであります。経常利益は1,028,781千円となり、経常利益目標800,000千円に比べ、228,781千円(28.6%増)の増収となりました。増益の要因は減価償却費、人件費、保守点検費などの固定費を増収に伴う効果が上回ったためです。引き続き、本指標の改善に邁進してまいります。指標2026年3月期(計画)2026年3月期(実績)2026年3月期(計画比)売上高(千円)8,600,0009,093,706493,706千円 (5.7%増)経常利益(千円)800,0001,028,781228,781千円 (28.6%増)売上高経常利益率9.3%11.3% 2.0ポイント増 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。 当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費用及び労務費のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、製造設備投資等によるものであります。 当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。 なお、当期末の有利子負債残高は、3,596,634千円となりました。 運転資金及び設備投資資金については、原則として自己資金で賄うこととしております。今後も所要資金は「営業活動によるキャッシュ・フロー」を源泉に自己資金調達を原則とする方針であります。多額の設備投資資金が必要となった場合は、必要資金の性格に応じて金融機関からの借入、資本市場からの直接調達も検討する方針であります。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。(受注損失引当金) 当社は、受注契約等に基づく製造案件のうち、当事業年度末時点で将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能なものについて、翌事業年度以降に発生が見込まれる損失額に対して、受注損失引当金を計上しております。 製造案件の総原価の見積りに当たっては、契約内容を基に、工数、原材料等必要経費を算出し、見積総原価額を決定しておりますが、想定以上の工数を要する等の事象が発生した場合に、総原価の金額に影響を与える可能性があります。このため、すべての製造案件について進捗状況の確認を行い、再度見積りを実施することとしております。
事業リスク
- 景気・顧客動向への依存国内外の景気後退や個人消費の低迷、顧客企業の経営状況悪化は、化学品や医薬品の生産・研究開発の外部委託減少に直結します。顧客の製品開発中止や撤退、倒産などが発生した場合、神戸天然物化学の受託案件が減少し、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 研究開発・生産計画の不確実性顧客の新製品開発は、途中で中止や中断となるリスクが常に存在し、これは神戸天然物化学がコントロールできません。また、自社の技術開発や商品開発も、必ずしも実用化され業績に貢献する保証はありません。これらの計画の遅延や中止は、業績に影響を与える可能性があります。
- 品質問題・事故発生リスク厳格な品質管理を行っていますが、製品に欠陥が生じ、大規模なリコールが発生する可能性はゼロではありません。また、製造設備での火災、爆発、漏洩などの事故や自然災害も、物的・人的被害や事業活動の停止を招き、多額のコスト発生や企業評価の低下を通じて、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 当社における事業等のリスクとして、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。 (1)景気、個人消費及び顧客の動向によるリスク 当社は、日本国内を中心とする化学品や医薬品を製造する会社から生産や研究開発を受託しております。顧客に供給している製品はエレクトロニクス用有機材料から、日用品、医薬品の原薬やその他材料まで多種多様であり、顧客において当該材料を利用した最終製品は多岐にわたっているものと推測されます。従って、国内外の景気動向や個人消費動向、顧客動向の影響を大きく受けます。たとえば景気の後退や個人消費の低迷が起こった場合、当該外部環境の影響や各顧客固有の事情によって顧客が外部に委託する生産もしくは研究開発を減らした場合、委託する製品の生産又は研究開発から撤退した場合、さらには顧客の倒産や廃業が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)顧客、当社の研究開発及び生産計画の進捗に関するリスク 当社のビジネスは、顧客の自社商品の研究開発や生産を支援する事業を中心に行っているため、業績はそれら顧客の開発品の開発スケジュールや生産計画に大きく依存します。顧客の研究計画が途中で中止や中断等になるリスクは常にあり、またそれは当社がコントロールできないものです。これらの顧客動向は、営業活動において注視しており、このようなリスクは最小限となるよう努めております。 一方、当社は、将来の製造支援ビジネスのための技術開発や独創的な自社商品の開発も行っていますが、これらが全て実用化され、当社の業績に寄与する保証はありません。 顧客あるいは当社の研究開発計画の進捗が大幅に遅れたり、変更や中断、さらには中止となった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)研究開発・製造支援事業特有のリスク 顧客の商品に係る研究・開発、あるいは商業生産初期のステージにおける支援業務では、収益率低下や技術上のトラブル等が発生するリスクを伴います。当社は、顧客とのコミュニケーションを重視し、そのようなリスクを最小限にするよう努力していますが、残念ながら顧客の期待に応えられず、想定していた収益が上がらない等のリスクがあります。 また、原材料の支給や資材、機器の貸与、中間体や製品の一時預かりの機会も多いため、その保管・使用中の劣化、滅失、破損等により、顧客から賠償を求められるリスクがあります。 このような、研究開発・製造支援事業特有の事象が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4)競合他社との関係に関するリスク 当社の競争相手は、医薬品原薬製造企業、化学品製造・開発企業、化学分野の研究受託・人材派遣企業等多岐にわたり存在し、研究開発から生産までの各々のステージで競合します。当社の強みは全てのステージで一貫して支援できる体制を持つことと、技術的な幅の広さですが、各ステージにおいては、技術力、生産能力等について当社と比較して優位にある企業もあります。従って、これら競合相手との競争次第では、当社の計画する経営成績に影響をきたす可能性があります。また今後、市場の拡大に伴い、更に新規参入企業が増えて競争環境が激しくなる可能性があります。 このような、競合他社との関係において、当社の優位性を示すことが難しくなる状況に陥るような場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5)製品の品質に関するリスク 当社は、厳格な品質管理基準に従って各種製品を製造しておりますが、全ての製品について欠陥が無く、将来にわたってリコールが発生しないという保証はありません。大規模な製品事故は、多額のコストや当社の評価に重大な影響を与え、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6)資材調達に関するリスク 当社は、様々な化学薬品を使用しますが、なかには特殊な原材料もあります。重要なものは複数購買等の対策を講じて安定製造、安定供給に努めていますが、代替が利かない材料も存在します。また、当社主要原材料である原油・ナフサ由来の化学品、および洗浄等に不可欠なメタノール等の溶剤は、中東地域依存度が高く、現在のような情勢では供給不足や価格高騰につながるおそれがあります。このようにその供給元からの調達に問題が発生した場合には、生産計画に支障をきたし、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)原料、資材価格の変動によるリスク 当社は、原油価格に連動する試薬、溶剤等の様々な化合物を原料や資材として国内外から直接又は間接的に調達しています。当社では、これらの市場価格を注視して不利益を被らないよう努力をしておりますが、購入原材料や資材の価格が変動した場合、またそうした購入原料価格の変動を販売価格に転嫁できない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8)外部委託に関わるリスク 当社は、事業活動を行う上で、生産、試験、物流、産業廃棄物搬出・処分等の業務を外部に委託しています。委託に当たっては、購買先として審査を行い、必要に応じて監査を行う等その業務を適切に管理していますが、委託先で生じた何らかの問題が、当社の委託業務に支障をきたし、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9)大口取引先への依存によるリスク 取引上位10社の占める売上高の割合は、68%となっております(2026年3月期)。これらの企業との取引条件の変更、契約解除あるいは取引先の製品の需要減退が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを低減するため、新規大口顧客の開拓などに注力しております。 (10)事故・災害のリスク 当社は、安全操業のために製造設備の保守・点検を実施しています。事業活動継続には、この保守・点検は必要不可欠です。しかしながら、製造設備で発生する事故、自然災害等による影響を完全に防止できる保証はありません。当社で発生した火災、爆発、漏洩、悪臭、騒音等により、物的・人的被害を及ぼした場合には、当社の事業活動に支障をきたし、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11)主要な事業の前提となる許認可、届出に関わるリスク 当社の主な事業は医薬品原薬製造を含む有機化学品の研究・開発・生産ソリューション事業であり、この事業を遂行するために以下に代表される様々な許可等を取得しております。これらの許可等については、各法令で定める手続きを適切に実施しなければ効力を失います。また、各法令に違反した場合、許可等の取消し、又は期間を定めてその業務の全部もしくは一部の停止等を命ぜられることがある旨が定められております。当社は、現時点において、許可等の取消し等の事由となる事実はないものと認識しておりますが、将来、当該許可等の取消し等を命ぜられた場合には、当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。・危険物製造所許可、屋内貯蔵所許可、危険物屋外タンク貯蔵所許可、危険物一般取扱所許可・毒物劇物製造業登録、毒物劇物一般販売業登録、毒物劇物輸入業登録・医薬品製造業認可・向精神薬製造製剤業免許、向精神薬試験研究施設設置者登録・覚せい剤原料取扱者指定・農薬登録 また、当社の事業遂行上必要な申請等として、以下に代表されるものがありますが、許可等と同様、万一遺漏があり、管轄当局からの指導、処分を受けた場合には、当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。・化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)に基づく、新規化学物質に係る申出、申請・労働安全衛生法に基づく、新規化学物質に係る届出、申請・遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)に基づく申請 (12)医薬品の外部委託に係る規制動向に関するリスク 当社の事業上、深く関係する法令のひとつに「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、「薬機法」)があります。この薬機法の2005年4月改正(当時は薬事法)において、製造のアウトソーシング化という国際情勢、社会情勢に対応して全面外部委託が認められました。この改正は当社の事業にとって歓迎するものではありますが、薬機法の本質は安全対策であり、規制動向が将来にわたって必ずしも当社の事業にとってプラス方向となる保証はありません。医薬品の外部委託に係る規制動向によっては、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13)法的規制に関するリスク 当社は、化学品、医薬品、農薬、遺伝子組換え等に関する多くの規制に従い業務を遂行しており、法令遵守には最大限の注意を払っていますが、過失あるいは政策、実務慣行、解釈変更によって発生する事態が、当社の業務遂行や経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、将来的に環境及び化学品安全等に対する法的規制が強化され、新たな対策コストが発生する可能性があります。 当社では、法令の改正情報などの能動的な収集に努め、適宜対応しておりますが、法的規制に関連した事象が当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (14)知的財産管理に関するリスク 当社は、知的財産権が事業活動・製品競争力に重要な役割を果たしていることを認識し、知的財産権の取得による自社権利の保護に努める一方で、他社の知的財産権を調査し、問題の発生防止を図っております。しかしながら、他社との間で知的財産権を巡る紛争が生じた場合や、他社から知的財産権を侵害された場合には、事業活動に支障をきたし、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (15)情報漏洩リスク 当社の事業の特徴として、秘密保持契約を締結した上で顧客の商品開発に関わる技術情報や営業情報を預かり、取り扱う業務が日常的に発生します。役職員には、これらの情報が、企業活動における根幹であることを十分に理解させるため、啓発、教育を適宜実施し、また秘密保持誓約を提出させる等、情報漏洩の防止には万全を期しています。しかしながら、万一情報の漏洩が発生した場合には、当社が賠償責任を負う可能性があり、また情報漏洩が発生したことで、社会的信用の低下、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (16)コンピューター・システムに起因する運営のリスク 当社は、会社運営の全般にわたってコンピューターによる業務処理を実施しております。外部からのコンピューターウイルス攻撃によるシステムトラブルやデータ破壊、更には情報の盗難、漏洩等への対策として、コンピューターセキュリティーの強化等を適宜実施しております。しかしながら、予期せぬ地震・火災等の災害によるハードウェアやネットワークの損傷や、現状のコンピューターセキュリティーで防ぐことのできない外部からの攻撃の発生等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (17)訴訟等に関するリスク 当社の事業又は活動に関連して、知的財産権、製造物責任、環境、労務等、様々な訴訟、紛争、その他の法的手段が提起される可能性があります。現在、当社の業績と財政状態に重大な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来において、重要な訴訟等が提起された場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお当社では、顧問弁護士を選任し、常に相談できる体制をとっております。 (18)固定資産投資に関わるリスク 有機化学品の研究・開発・生産ソリューション事業においては、顧客の要求に対応できる製造設備を予め揃えておくことは非常に重要であり、商談状況を踏まえて大きな設備投資を行うことがあります。しかしながら、既述のとおり、生産を実施する当社のビジネスは、それら顧客の開発品の開発スケジュールや生産計画に大きく依存します。このリスクは当社の設備投資においても重要な問題です。設備投資は常に慎重に十分な検討を経て決断しますが、想定していた収益が上がらない、あるいは顧客の開発計画が変更、中止になったために、回収計画に狂いが生じるリスクは存在します。このような場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (19)固定資産の減損に関するリスク 当社が保有する固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。同会計基準では、減損の兆候が認められる資産又は資産グループについては、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回った場合に、帳簿価額を回収可能価額(当該資産又は資産グループから得られる割引後将来キャッシュ・フローの総額もしくは当該資産又は資産グループの正味売却価額のいずれか高い方の金額)まで減額し、その減額した当該金額を減損損失として計上することとなります。 また当社は、キャッシュ・フローを生み出す資産又は資産グループの最小単位として、事業部単位(機能材料事業部、医薬事業部、バイオ事業部)を基本とした資産のグルーピングを行っております。 このため、当該資産又は資産グループが属する事業部の経営環境の著しい変化や収益状況の悪化等により、固定資産の減損損失を計上する必要が生じた場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (20)金利変動リスク及び資金調達リスク 当社は、設備投資資金や運転資金を金融機関からの借入により賄っておりますが、有利子負債には変動金利条件となっているものがあります。変動金利による調達については、今後の金利動向によって、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (21)人材確保に関するリスク 当社は、有機合成化学や生化学等の分野の技術者の新卒・中途採用を継続的に行い、技術者の育成に努めています。しかしながら、必要な人材を継続的に獲得するための競争は厳しく、あるいは当社の人材が社外に流出する可能性は否定できません。より一層、優秀な人材の確保に注力してまいりますが、人材の確保及び育成が計画どおりに進まなかった場合には、当社の事業展開に支障をきたし、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (22)自然災害、戦争、テロ等によるリスク 予期せぬ地震や風水害、戦争やテロ行為あるいは感染症等の発生により、当社や取引先等が深刻な被害を受けたり、さらにはこれらの要因から社会的混乱が発生した場合には、一定の事業活動が困難になり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (23)気候変動に関するリスク 気候変動については、世界共通の解決すべき社会課題と認識され、早急な対応が求められています。当社の事業である有機化学品の研究、開発、生産ソリューションにおいては、サプライチェーンを通じて気候変動の原因とされるGHGを排出します。その為、気候変動による自然災害の発生に伴う事業活動への悪影響及び炭素税をはじめとするカーボンプライシング等の導入により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。