事業の概要
- 旅行業と宿泊業ベストワンドットコムグループは、主に旅行業を営んでおり、子会社のファイブスタークルーズとともにクルーズ旅行のオンライン販売に注力しています。また、もう一つの子会社であるえびす旅館が京都で宿泊施設を運営し、外国人観光客を主なターゲットとしています。これにより、旅行と宿泊の両面から収益を得るビジネスモデルです。
- オンラインクルーズ旅行販売ベストワンドットコムは、オンライン旅行会社として、海外・国内のクルーズ乗船券やパッケージ旅行、フェリー乗船券、バスツアー、ホテル、国内ツアーなどを幅広く販売しています。特にクルーズ旅行に強みを持ち、多様な商品ラインナップとオンラインでの利便性を提供することで、顧客を獲得しています。
- 宿泊施設の運営子会社のえびす旅館は、京都駅前に9室の宿泊特化型ホテルを運営しています。主に外国人旅行客をターゲットに予約販売を行っており、インバウンド需要を取り込むことでグループ全体の収益に貢献しています。旅行業と連携し、顧客の多様なニーズに応える体制を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 旅行事業ベストワンドットコムグループの主要な収益源であり、売上高25.0461億円、営業利益0.17403億円を計上しています。この事業には、ベストワンドットコム本体と子会社のファイブスタークルーズによるオンラインでのクルーズ旅行販売、および国内旅行商品の販売が含まれます。グループ全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。
- クルーズ旅行専門販売ベストワンドットコムとファイブスタークルーズが手掛けるクルーズ旅行のオンライン販売は、国内外の多様なクルーズ乗船券やパッケージ旅行を提供しています。特にファイブスタークルーズは富裕層やシニア層をターゲットに高級クルーズに特化しており、顧客層に応じたきめ細やかなサービスで収益を上げています。
- 宿泊事業子会社のえびす旅館が京都駅前で運営する9室の宿泊施設がこのセグメントに該当します。主に外国人旅行客をターゲットとした宿泊特化型ホテルであり、インバウンド需要を取り込むことでグループ全体の事業を多角化しています。旅行事業と連携し、顧客の旅行体験全体をサポートする役割を担っています。
2025-07 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| TravelAgencyReportableSegment | 事業 | 25 | 0 | 0.7% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、当社(株式会社ベストワンドットコム)及び当社の連結子会社2社(株式会社ファイブスタークルーズ、株式会社えびす旅館)によって構成され、当社及び株式会社ファイブスタークルーズによる旅行業を主とし、その他事業として株式会社えびす旅館が宿泊業を営んでおります。なお、事業区分はセグメント情報と同一の区分であります。当社は、オンライン旅行会社として、海外・国内クルーズの乗船券やパッケージ旅行、バスツアー・ホテル・国内ツアー・ダイナミックパッケージ等の国内旅行を販売しております。また、訪日外国人旅行者向けに、日本発着クルーズの海外向け販売や国内観光商品の造成等を行うインバウンド事業の展開を進めております。株式会社ファイブスタークルーズは、クルーズ旅行に特化したオンライン旅行会社として、主に個人顧客をターゲットに、海外・国内クルーズの乗船券やパッケージ旅行の販売を行っており、クルーズ旅行に必要な航空券、ホテル、送迎、オプショナルツアーなど様々な旅行商品を提供しております。株式会社えびす旅館は、京都駅近くにて宿泊施設の運営を行っております。9室の宿泊特化型ホテルとして、主に外国人旅行客に向けた予約販売を行っております。また、当社グループでは、浅草及び京都において新規ホテルの開発を進めております。 (当社グループの特徴)(1) インターネット販売当社グループでは、国内を含む世界中のクルーズ乗船券やパッケージクルーズ旅行、国内旅行全般を、当社WEBサイトへの掲載、WEBサイトへの集客によって販売しており、多店舗展開は行っておりません。販売チャネルをインターネット中心とし、お客様とのやり取りについては、メール及び電話を主な手段とすることで、店舗運営にかかる固定費等のコスト削減を図っております。 (2) オンライン予約対応当社グループでは、専門スタッフによるお客様のサポートに加え、24時間対応のオンライン予約を強化しており、クルーズ乗船券やパッケージ旅行の空室料金照会と予約が24時間いつでも可能です。空室や料金の問い合わせを行い、その回答を以て検討を始める、という従来の検討行動では、営業時間や連絡手段、場所による制約がありましたが、オンラインでの空室料金照会と予約受付は、曜日や時間を問わず検討、予約したいというお客様のニーズに対応しております。 (3) 多様な商品ラインナップとAPI連携当社グループでは、お客様が検索できる商品の拡充を図るため、国内外の102社(2026年10月7日時点)の船会社と契約し、当社WEBサイトへのコース登録総数は約46,000コース(2026年10月7日時点)となっております。また、複数の船会社とのAPI連携(注)を行うことにより、従来のコース登録に必要とした作業時間削減と、提携船会社が掲載している全てのコースが当社WEBサイトへ自動で掲載され、リアルタイムな空室状況及び料金の反映が実現しており、API連携によるコース登録数は11,397コース(2026年10月7日時点)となっております。また、当社グループでは、クルーズ乗船券の取扱い(手配旅行)により、価格帯や期間などのお客様の多様なニーズへの対応が可能であり、パッケージツアー(募集型企画旅行)が主体の他社との差別化を図っております。 船会社とのAPI契約(2026年10月7日時点)提携船会社掲載コース数MSCクルーズ 1,950カーニバルクルーズ1,582ロイヤルカリビアン1,439コスタクルーズ1,060プリンセス・クルーズ1,002ホーランド949セレブリティクルーズ854シーボーン853ノルウェージャンクルーズ849エクスプローラジャーニー669キュナード190合計11,397 (注) API連携とは、Application Programming Interfaceの略で、ソフトウェアコンポーネントが互いにやり取りするのに使用するインターフェースのこと。具体的には船会社各社が持つ予約システムの機能や情報を当社WEBサイトで利用することをいいます。 (4) 独自商品当社は、旅行業法に基づく第一種旅行業者に登録しており、自社でクルーズツアーを企画しております。国内外の多くの船会社との契約を背景にしたコース選択の多様さや、インターネット販売ならではの機動力を生かし、船会社特別料金を反映した期間限定ツアーなどを発表し、多くのお客様にご利用を頂いています。また、近年ではチャータークルーズの催行も行っております。 (5) 専門スタッフによる接客・提案当社グループは、クルーズ旅行に関して、提案経験の豊富なスタッフがお客様のサポートを行っております。近年、インターネットの普及により、個人が能動的に様々な情報を検索、取得、発信することが可能となりましたが、クルーズ旅行に関する情報が普及しておらず、購買経験が無いお客様も多いことから、旅行会社によるアドバイスや商品提案に一定のニーズがあると把握しております。このニーズに応えるため、24時間対応のオンライン予約と、専門スタッフによるメールや電話対応を2つの柱とすることで、初めてクルーズを検討するお客様にも安心のサポートを提供しています。多店舗運営ではなく、限られた拠点に接客対応を集約することにより、商品知識や接客・提案に関する知識が共有蓄積されやすく、専門性を高めやすい販売体制となっております。また、取引船会社による社内研修会の定期開催など、教育訓練にも注力し、他社との差別化を図っております。 (6) IT・マーケティングの強みとその内製化インターネット販売を支えるのが、技術力とマーケティング力であります。そのため、旅行の企画や手配等の業務だけでなく、WEBサイト構築やWEBマーケティングに関わる主要業務を内製化しております。開発経験豊富なエンジニアの採用により、当社WEBサイトのユーザビリティや各種機能について日常的に向上を図るとともに、船会社とのAPI連携や、その他の商品登録のスピード化などに取り組んでおります。また、マーケティングについても主に自社で行っており、自社で蓄積した経験・知識を活用して、WEBマーケティングによる集客や利用顧客のリピーター化の向上を図っております。 (当社グループの主な運営サイト)(1) ベストワンクルーズベストワンクルーズは、国内外のクルーズ乗船券とパッケージツアーをオンラインで検索、予約可能なサイトであります。乗船券、自社企画ツアーの販売に加え、各提携旅行会社企画のパッケージツアーを販売する為、取扱いコース数は約46,000コース(2026年10月7日時点)が登録されております。 (2) ファイブスタークルーズ高級船専門のクルーズ旅行会社として、子会社(株式会社ファイブスタークルーズ)が運営しております。クルーズ旅行を身近な旅行スタイルとして提案する当社とは対照的に、社名通り5つ星のラグジュアリー客船(注)と、その他の客船のスイートに限定して、富裕層、シニア向けに販売を行っております。これにより様々な顧客属性、嗜好に対応できる販売体制をグループで構築しております。 (注) 具体的には以下の船会社を指します。(「クルーズ教本」日本外航客船協会/日本旅行業協会 より)キュナードライン、シーボーンクルーズライン、リージェントセブンシーズ、クリスタルクルーズ、シルバーシークルーズ、ハパグロイドクルーズ [事業系統図]
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 クルーズ乗船券の取扱い(手配旅行)により、価格帯や期間など多様なニーズに対応可能。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | ネットワーク 国内外の98社(2025年10月7日時点)の船会社と契約し、約58,000コースの商品ラインナップ。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 軽い(資本不要) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:旅行市場の変動 / 電子商取引の普及遅延 / 競合他社の影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
ベストワンドットコムは、旅行代理店業を営んでおり、特定の強力なブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPといった無形資産による競争優位性は現時点では確認できない。旅行商品の企画・販売が主事業であり、差別化要因は価格やサービス内容に依存する傾向がある。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
旅行予約は一度完了すると、キャンセルポリシー等により変更が困難な場合がある。また、特定の旅行商品やパッケージツアーにおいては、他社への乗り換えに際して、特典の喪失や追加料金が発生する可能性が示唆される。しかし、一般的な旅行予約においては、比較容易な側面も存在する。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ベストワンドットコムの事業モデルは、ユーザー数が増加することでサービスの価値が向上するネットワーク効果を直接的に生み出す構造ではない。予約プラットフォームとしての利便性は存在するものの、ユーザー間の相互作用による価値増幅は見られない。
コスト優位☆☆☆☆☆
旅行代理店業は、仕入れコストや人件費、広告宣伝費などが主なコストとなる。ベストワンドットコムが、競合他社と比較して構造的に著しく低いコストでサービスを提供できるような優位性は、現時点では明確に確認できない。価格競争に巻き込まれるリスクがある。
規模の経済★★☆☆☆
旅行代理店業界は多数のプレイヤーが存在する競争環境にある。ベストワンドットコムは一定の規模を持つものの、業界全体を代表するような寡占状態を形成しているわけではない。規模の経済によるコスト削減効果は限定的であり、業界内での相対的な優位性はまだ弱い。
- インターネット販売とコスト削減ベストワンドットコムグループは、店舗を持たず、ウェブサイトを通じてクルーズ旅行や国内旅行全般を販売しています。お客様とのやり取りはメールや電話が中心で、店舗運営にかかる固定費を削減することで、コスト競争力を高めています。この効率的な販売チャネルが強みです。
- 時間オンライン予約と多様な商品専門スタッフによるサポートに加え、24時間対応のオンライン予約システムを強化しています。国内外98社の船会社と契約し、約58,000コースもの豊富なクルーズ商品を提供しており、API連携によりリアルタイムな空室・料金照会が可能です。これにより、顧客はいつでも多様な選択肢から旅行を検討・予約できます。
- 専門スタッフによるサポートと独自商品クルーズ旅行に特化した専門スタッフが、豊富な経験に基づき顧客をサポートします。また、第一種旅行業者として自社でクルーズツアーを企画し、船会社特別料金を反映した期間限定ツアーやチャータークルーズなどの独自商品を提供することで、他社との差別化を図り、顧客満足度を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- クルーズ市場の開拓と若年層への訴求ベストワンドットコムグループは、クルーズ事業を主力とし、まだクルーズに乗船したことがない旅行者や若年層が気軽にクルーズ旅行を楽しめる環境づくりを目指しています。日本のクルーズ旅行市場は成長余地が大きいと捉え、移動・宿泊・食事・娯楽が一体となったクルーズの魅力を広く提供し、市場を開拓していく方針です。
- 売上高と営業利益の向上事業の継続的な発展のため、売上高の増加と適正な利益確保を重要な経営指標としています。添乗員同行ツアーの改善、チャータークルーズなどの独自商品提供、未取扱いの外国船導入、船会社との関係強化による割引・特典提供などを通じて、商品ラインナップとサービス品質を向上させ、収益拡大を目指します。
- IT投資とグローバル人材の確保オンライン予約システムの強化、ウェブサイトやスマートフォンアプリの利便性向上、AIなどの新技術導入による業務効率化に注力します。また、インバウンド需要に対応するため、多言語サイトの強化や、語学堪能な人材、海外WEBマーケティングに長けたグローバル人材の採用・育成を強化し、事業拡大を図ります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「すべてのお客様に、はじめての感動体験を」をグループパーパスに掲げ、クルーズ事業を中核事業と位置づけております。若年層や、まだクルーズに乗船したことが無い旅行者に向けて、気軽に安心してクルーズ旅行に行くための環境づくりを行い、新しい旅行スタイルを経験するきっかけを提供していきたいと考えております。当社グループは世界中の船会社と提携し、旅行者がインターネットを通じて手軽にクルーズ・チケットを入手できるサービスを提供しております。これにより、カリブ海・地中海等の海外主要クルーズ・スポットへの長期間・高価格な豪華客船ツアー等の提案のみに留まらず、旅行者のニーズに合った国内外様々な目的地への多様な旅行期間・価格帯のクルーズ・チケットの選択を可能としております。2025年の世界のクルーズ旅行者数は約3,720万人(出所:Cruise Lines International Association「State of the Cruise Industry Report 2026」)となった一方で、同年の日本のクルーズ人口は24.3万人(出所:国土交通省「2025年の我が国のクルーズ等の動向」)と依然として少なく、日本のクルーズ旅行市場には大きな成長余地があると考えております。当社グループは、移動・宿泊・食事・娯楽が一体となったクルーズならではの非日常的な感動体験を、身近な旅行の選択肢の一つとして広く一般の皆様に提供することで、日本のクルーズ旅行市場を開拓してまいります。また、当社グループは2026年7月に「2030年中期経営計画」を策定・公表いたしました。同計画では、クルーズ事業を成長の牽引役、ホテル・旅館事業を安定的なキャッシュ・フローの創出基盤、インバウンド事業を新たな成長ドライバーと位置づけております。この「クルーズ・ホテル・インバウンド」の3軸分散型成長モデルへの転換を進め、収益源の分散と利益体質の改善を伴う持続的な成長を目指してまいります。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、事業を継続的に発展させていくためには、売上高を増加させ、適正な利益確保を図っていくことが必要であると考え、「売上高」、「営業利益」及び「EBITDA」を重要な経営指標として捉えております。特に、ホテル・旅館事業の拡大に伴い減価償却費の増加が見込まれることから、EBITDAを最も重要な指標と位置づけております。2030年中期経営計画においては、2030年に連結売上高100億円、営業利益10億円、EBITDA12~15億円の達成を目標としております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略① クルーズ事業の深化当社グループは、取扱い船会社やツアーのラインナップ数を大きな競合差別化要因としておりますが、広く一般旅行者に同様の認知を得るまで、さらに強みを磨いてまいります。まず、仕入れを強化します。船会社との関係強化を通じて、特別調達枠の確保、早期買取(ブロック)及び継続的なチャーター仕入れによる在庫確保を進めます。あわせて、総代理店業務(日本市場における独占的または排他的な販売代理店)を含め、まだ日本で取扱いの無い外国船の取扱いを開始してまいります。次に、高付加価値商品を拡充します。添乗員同行ツアー等のオリジナルツアーについて品質・コース数の両面で改善を図ります。航空券とクルーズを組み合わせたフライ&クルーズや海外発着クルーズの販売も強化し、チャータークルーズなどの独自商品の提供によって新たな需要を創出してまいります。さらに、流通を拡大します。自社チャーター在庫の他旅行会社への卸売や、OTA・旅行代理店との連携を進め、クルーズ業界のB2Bプラットフォームとしての地位確立を目指します。また、クルーズをより身近な存在にしていくため、WEBサイトのリニューアル、UI/UXの改善及びCRMの強化により、オンライン予約の利便性と成約率の向上に取り組んでまいります。これらの取り組みにより、商品力・販売力・テクノロジー・流通の各面からクルーズ事業の競争力を高め、日本のクルーズ市場の拡大を牽引してまいります。 ② ホテル・旅館事業の本格展開子会社の株式会社えびす旅館が京都で運営する、高回転・高稼働型のコンパクトな宿泊施設を「えびす旅館モデル」と位置づけ、駅近・観光地を中心に横展開してまいります。あわせて、長期滞在・ファミリー層向けのアパートメント型施設も展開し、インバウンド旅行者を中心とした多様な宿泊需要を取り込みます。総額30~40億円の投資枠を設定し、浅草(東京都台東区)及び京都八条町(京都市南区)で用地を取得しております。今後も複数物件を順次取得・開発する計画です。 ③ インバウンド事業の拡大クルーズを起点に訪日旅行全体の需要を取り込む新たな成長ドライバーとして、インバウンド事業を育成してまいります。主な取り組みは次のとおりです。 ・台湾・韓国・香港・中国の東アジア市場を中心に、海外OTAや現地旅行会社と連携します。・多言語対応の自社サイトを展開します。・日本発着外国船クルーズ、フライ&クルーズ及び着地型の体験コンテンツを販売します。 2027年までに収益基盤を構築し、2030年に当社グループの第2の柱とすることを目指します。 ④ M&A・投資による成長加速 M&Aは独立した戦略ではなく、上記①~③の各事業の成長をスピードアップし、規模を拡大するための手段と位置づけております。重点対象領域は次の3つです。 ・クルーズ関連(OTA・旅行代理店、チャーター事業者等)・インバウンド関連(訪日DMO・着地型観光事業等)・ホテル・旅館関連(物件取得、運営会社等) シナジー効果、収益性・成長性及びPMIリスクを投資判断基準として、案件の発掘・検討を進めてまいります。 (4) 会社の対処すべき課題当社グループが対処すべき主な課題は、以下のとおりであります。 a. システム強化当社グループではオンライン完結型の予約システムを稼働させ、24時間の受付体制を整備しておりますが、対象商品の拡充やサーバー機能の増強に加え、公式ウェブサイトのユーザビリティ向上や、お客様が旅行予約・管理を行いやすい「マイページ」機能の開発など、オンライン予約システムの一層の強化を推進してまいります。これらの取り組みを通じて、お客様の利便性向上とIT投資による業務効率化を引き続き図ってまいります。 b. インバウンド事業の拡大当社では、インバウンド(訪日外国人)旅行者の増加を新たな成長機会と捉え、インバウンド事業の本格的な展開を計画しております。日本発着クルーズの海外向け販売に加え、寄港地観光や国内観光商品等の造成を進めるとともに、海外OTAや旅行会社等との販売ネットワークの構築、多言語での情報発信・マーケティングの強化に取り組みはじめました。今後は、国・地域ごとの顧客ニーズを的確に捉えた商品開発及び販売チャネルの拡充を進め、継続的に集客・収益を生み出す事業基盤を構築することが重要な課題であると認識しております。 c. 人材の確保及び育成当社グループの事業拡大にあたっては、オンラインで予約が完結する利便性の高いウェブサイトを構築できる優秀なエンジニアの確保、および、オンライン受付では対応しきれないニーズに応えるためのクルーズ案内に高い専門性を持ったスタッフの確保・育成が、重要な課題であると認識しております。当社グループでは、船会社とのAPI連携やウェブサイトの新機能開発といった実サービスの開発を通じて、エンジニアに多くの教育機会を設けております。また、旅行部のスタッフについても、船会社による座学研修や、入社後随時実施される乗船研修などを通じて、接客対応に関する知識習得の機会を設けております。今後もエンジニアの能力向上と、専門性の高い接客対応に関する人材育成を、引き続き強化してまいります。 d. マーケティングの進化スマートフォンの普及やSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の日常への定着に加え、生成AIを活用した検索・情報収集行動の広がりや、動画コンテンツを通じた情報収集の拡大などにより、消費者のインターネット上での購買行動は引き続き変化しております。その結果、これまでのインターネット広告手法や外部ポータルサイトを通じた集客の有効性が変化しつつあり、こうした環境変化に迅速に対応したマーケティング手法への転換が課題であると認識しております。 e. ブランドの認知度向上旅行商品は個人消費の中でも比較的単価が大きく、旅行会社の選択や、業務提携・仕入れなどの対法人取引における条件交渉においても、当社グループの信頼性及び信用力が重要な要素となります。こうした中、当社グループの提供するサービスの利用拡大と継続的な企業価値の向上を実現していくためには、まず当社グループの認知度を高めるとともに、信頼性及び信用力の向上を図っていくことが重要な課題であると認識しております。当社グループのブランド認知及び信頼性を高めるため、費用対効果を見極めながら、コーポレートサイトでの情報発信やメディアへの露出など、積極的な広告宣伝活動、広報活動に取り組んでまいります。 f. リピーター顧客の強化当社グループでは、クルーズ市場の拡大に合わせて、クルーズ旅行をはじめて体験する新規顧客の獲得に注力してまいりました。今後も市場の拡大と認知向上に向けて新規顧客を対象としたマーケティング活動を継続してまいりますが、当社グループが安定的かつ継続的に事業を拡大していくためには、既存のお客様に継続してご利用いただくための施策を強化することが重要な課題であると認識しております。既存顧客のニーズに合った旅行提案を行うことや、リピーター向けの割引・特典の付与などにより積極的な囲い込みを行い、顧客基盤の強化を進めてまいります。 g. 新規事業の強化当社グループは、経営の安定性と持続的な成長を実現するため、クルーズ事業への依存度が高い現在の事業構造から、複数の収益の柱を持つ事業ポートフォリオへの転換を進めております。その一環として、新たな収益の柱となるホテル事業の拡大に取り組んでおります。子会社のえびす旅館を基盤として、浅草・京都における新規ホテルの開発を進めるとともに、今後も成長に向けた追加投資を計画しております。中期経営計画においては、2030年までにホテル事業の売上高10億円を目指しております。今後は、既存のクルーズ事業に加え、インバウンド事業、ホテル事業を成長させることで、3つの事業を柱とする収益基盤を構築し、外部環境の変化にも対応できる、安定性と成長性を兼ね備えた事業ポートフォリオの構築を進めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「すべてのお客様に、はじめての感動体験を」をグループパーパスに掲げ、クルーズ事業を中核事業と位置づけております。若年層や、まだクルーズに乗船したことが無い旅行者に向けて、気軽に安心してクルーズ旅行に行くための環境づくりを行い、新しい旅行スタイルを経験するきっかけを提供していきたいと考えております。当社グループは世界中の船会社と提携し、旅行者がインターネットを通じて手軽にクルーズ・チケットを入手できるサービスを提供しております。これにより、カリブ海・地中海等の海外主要クルーズ・スポットへの長期間・高価格な豪華客船ツアー等の提案のみに留まらず、旅行者のニーズに合った国内外様々な目的地への多様な旅行期間・価格帯のクルーズ・チケットの選択を可能としております。2025年の世界のクルーズ旅行者数は約3,720万人(出所:Cruise Lines International Association「State of the Cruise Industry Report 2026」)となった一方で、同年の日本のクルーズ人口は24.3万人(出所:国土交通省「2025年の我が国のクルーズ等の動向」)と依然として少なく、日本のクルーズ旅行市場には大きな成長余地があると考えております。当社グループは、移動・宿泊・食事・娯楽が一体となったクルーズならではの非日常的な感動体験を、身近な旅行の選択肢の一つとして広く一般の皆様に提供することで、日本のクルーズ旅行市場を開拓してまいります。また、当社グループは2026年7月に「2030年中期経営計画」を策定・公表いたしました。同計画では、クルーズ事業を成長の牽引役、ホテル・旅館事業を安定的なキャッシュ・フローの創出基盤、インバウンド事業を新たな成長ドライバーと位置づけております。この「クルーズ・ホテル・インバウンド」の3軸分散型成長モデルへの転換を進め、収益源の分散と利益体質の改善を伴う持続的な成長を目指してまいります。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、事業を継続的に発展させていくためには、売上高を増加させ、適正な利益確保を図っていくことが必要であると考え、「売上高」、「営業利益」及び「EBITDA」を重要な経営指標として捉えております。特に、ホテル・旅館事業の拡大に伴い減価償却費の増加が見込まれることから、EBITDAを最も重要な指標と位置づけております。2030年中期経営計画においては、2030年に連結売上高100億円、営業利益10億円、EBITDA12~15億円の達成を目標としております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略① クルーズ事業の深化当社グループは、取扱い船会社やツアーのラインナップ数を大きな競合差別化要因としておりますが、広く一般旅行者に同様の認知を得るまで、さらに強みを磨いてまいります。まず、仕入れを強化します。船会社との関係強化を通じて、特別調達枠の確保、早期買取(ブロック)及び継続的なチャーター仕入れによる在庫確保を進めます。あわせて、総代理店業務(日本市場における独占的または排他的な販売代理店)を含め、まだ日本で取扱いの無い外国船の取扱いを開始してまいります。次に、高付加価値商品を拡充します。添乗員同行ツアー等のオリジナルツアーについて品質・コース数の両面で改善を図ります。航空券とクルーズを組み合わせたフライ&クルーズや海外発着クルーズの販売も強化し、チャータークルーズなどの独自商品の提供によって新たな需要を創出してまいります。さらに、流通を拡大します。自社チャーター在庫の他旅行会社への卸売や、OTA・旅行代理店との連携を進め、クルーズ業界のB2Bプラットフォームとしての地位確立を目指します。また、クルーズをより身近な存在にしていくため、WEBサイトのリニューアル、UI/UXの改善及びCRMの強化により、オンライン予約の利便性と成約率の向上に取り組んでまいります。これらの取り組みにより、商品力・販売力・テクノロジー・流通の各面からクルーズ事業の競争力を高め、日本のクルーズ市場の拡大を牽引してまいります。 ② ホテル・旅館事業の本格展開子会社の株式会社えびす旅館が京都で運営する、高回転・高稼働型のコンパクトな宿泊施設を「えびす旅館モデル」と位置づけ、駅近・観光地を中心に横展開してまいります。あわせて、長期滞在・ファミリー層向けのアパートメント型施設も展開し、インバウンド旅行者を中心とした多様な宿泊需要を取り込みます。総額30~40億円の投資枠を設定し、浅草(東京都台東区)及び京都八条町(京都市南区)で用地を取得しております。今後も複数物件を順次取得・開発する計画です。 ③ インバウンド事業の拡大クルーズを起点に訪日旅行全体の需要を取り込む新たな成長ドライバーとして、インバウンド事業を育成してまいります。主な取り組みは次のとおりです。 ・台湾・韓国・香港・中国の東アジア市場を中心に、海外OTAや現地旅行会社と連携します。・多言語対応の自社サイトを展開します。・日本発着外国船クルーズ、フライ&クルーズ及び着地型の体験コンテンツを販売します。 2027年までに収益基盤を構築し、2030年に当社グループの第2の柱とすることを目指します。 ④ M&A・投資による成長加速 M&Aは独立した戦略ではなく、上記①~③の各事業の成長をスピードアップし、規模を拡大するための手段と位置づけております。重点対象領域は次の3つです。 ・クルーズ関連(OTA・旅行代理店、チャーター事業者等)・インバウンド関連(訪日DMO・着地型観光事業等)・ホテル・旅館関連(物件取得、運営会社等) シナジー効果、収益性・成長性及びPMIリスクを投資判断基準として、案件の発掘・検討を進めてまいります。 (4) 会社の対処すべき課題当社グループが対処すべき主な課題は、以下のとおりであります。 a. システム強化当社グループではオンライン完結型の予約システムを稼働させ、24時間の受付体制を整備しておりますが、対象商品の拡充やサーバー機能の増強に加え、公式ウェブサイトのユーザビリティ向上や、お客様が旅行予約・管理を行いやすい「マイページ」機能の開発など、オンライン予約システムの一層の強化を推進してまいります。これらの取り組みを通じて、お客様の利便性向上とIT投資による業務効率化を引き続き図ってまいります。 b. インバウンド事業の拡大当社では、インバウンド(訪日外国人)旅行者の増加を新たな成長機会と捉え、インバウンド事業の本格的な展開を計画しております。日本発着クルーズの海外向け販売に加え、寄港地観光や国内観光商品等の造成を進めるとともに、海外OTAや旅行会社等との販売ネットワークの構築、多言語での情報発信・マーケティングの強化に取り組みはじめました。今後は、国・地域ごとの顧客ニーズを的確に捉えた商品開発及び販売チャネルの拡充を進め、継続的に集客・収益を生み出す事業基盤を構築することが重要な課題であると認識しております。 c. 人材の確保及び育成当社グループの事業拡大にあたっては、オンラインで予約が完結する利便性の高いウェブサイトを構築できる優秀なエンジニアの確保、および、オンライン受付では対応しきれないニーズに応えるためのクルーズ案内に高い専門性を持ったスタッフの確保・育成が、重要な課題であると認識しております。当社グループでは、船会社とのAPI連携やウェブサイトの新機能開発といった実サービスの開発を通じて、エンジニアに多くの教育機会を設けております。また、旅行部のスタッフについても、船会社による座学研修や、入社後随時実施される乗船研修などを通じて、接客対応に関する知識習得の機会を設けております。今後もエンジニアの能力向上と、専門性の高い接客対応に関する人材育成を、引き続き強化してまいります。 d. マーケティングの進化スマートフォンの普及やSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の日常への定着に加え、生成AIを活用した検索・情報収集行動の広がりや、動画コンテンツを通じた情報収集の拡大などにより、消費者のインターネット上での購買行動は引き続き変化しております。その結果、これまでのインターネット広告手法や外部ポータルサイトを通じた集客の有効性が変化しつつあり、こうした環境変化に迅速に対応したマーケティング手法への転換が課題であると認識しております。 e. ブランドの認知度向上旅行商品は個人消費の中でも比較的単価が大きく、旅行会社の選択や、業務提携・仕入れなどの対法人取引における条件交渉においても、当社グループの信頼性及び信用力が重要な要素となります。こうした中、当社グループの提供するサービスの利用拡大と継続的な企業価値の向上を実現していくためには、まず当社グループの認知度を高めるとともに、信頼性及び信用力の向上を図っていくことが重要な課題であると認識しております。当社グループのブランド認知及び信頼性を高めるため、費用対効果を見極めながら、コーポレートサイトでの情報発信やメディアへの露出など、積極的な広告宣伝活動、広報活動に取り組んでまいります。 f. リピーター顧客の強化当社グループでは、クルーズ市場の拡大に合わせて、クルーズ旅行をはじめて体験する新規顧客の獲得に注力してまいりました。今後も市場の拡大と認知向上に向けて新規顧客を対象としたマーケティング活動を継続してまいりますが、当社グループが安定的かつ継続的に事業を拡大していくためには、既存のお客様に継続してご利用いただくための施策を強化することが重要な課題であると認識しております。既存顧客のニーズに合った旅行提案を行うことや、リピーター向けの割引・特典の付与などにより積極的な囲い込みを行い、顧客基盤の強化を進めてまいります。 g. 新規事業の強化当社グループは、経営の安定性と持続的な成長を実現するため、クルーズ事業への依存度が高い現在の事業構造から、複数の収益の柱を持つ事業ポートフォリオへの転換を進めております。その一環として、新たな収益の柱となるホテル事業の拡大に取り組んでおります。子会社のえびす旅館を基盤として、浅草・京都における新規ホテルの開発を進めるとともに、今後も成長に向けた追加投資を計画しております。中期経営計画においては、2030年までにホテル事業の売上高10億円を目指しております。今後は、既存のクルーズ事業に加え、インバウンド事業、ホテル事業を成長させることで、3つの事業を柱とする収益基盤を構築し、外部環境の変化にも対応できる、安定性と成長性を兼ね備えた事業ポートフォリオの構築を進めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (経営成績等の状況の概要)当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。(1) 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に景気は緩やかな回復基調で推移した一方、物価上昇の継続や為替・地政学リスク等により、依然として先行き不透明な状況が続きました。クルーズ業界におきましては、世界的なクルーズ人口の拡大が続いており、CLIA(国際クルーズ協会)の見通しでは2029年に世界のクルーズ人口は4,210万人に達すると予測されるなど、市場は中長期的な成長局面にあります。国内においても、日本人のクルーズ人口は2025年の約24.3万人から2030年に約100万人への拡大が見込まれており、需要の裾野は着実に広がっています。このような環境のもと、当社グループは「クルーズをもっと身近に」という方針を掲げ、Webマーケティングを軸とした集客力の強化と、付加価値の高いチャータークルーズ・テーマ性のある企画クルーズの拡充に取り組んでまいりました。当連結会計年度においては、2026年ゴールデンウィーク発のチャータークルーズをはじめとする先付け案件の獲得に向けた広告宣伝を実施いたしました。販売面では、ゴールデンウィーク発のチャータークルーズの販売が計画を大きく上回ったことにより、売上総利益は前年を大きく上回りました。この結果、第3四半期連結累計期間まで損失が先行していた業績は第4四半期にかけて大きく好転し、通期では営業利益及び経常利益において過去最高となりました。この結果、第3四半期連結累計期間まで損失が先行していた業績は第4四半期にかけて大きく好転し、通期では営業利益及び経常利益において過去最高となりました。 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,906,982千円(前年同期比14.3%増)、営業利益336,637千円(前年同期比1,053.1%増)、経常利益345,651千円(前年同期比1,139.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益233,837千円(前年同期比2,356.5%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 <旅行業> クルーズ販売を中核とする旅行業におきましては、ゴールデンウィーク発のチャータークルーズ等の先付け案件の獲得に向けて広告宣伝の先行投資を継続する一方、当該チャータークルーズの販売が計画を大きく上回りました。この結果、売上高は2,875,452千円(前年同期比14.8%増)、セグメント利益(営業利益)は323,747千円(前年同期比1,760.2%増)となりました。 <その他事業>子会社のえびす旅館におきましては、引き続きインバウンド需要が継続しており、ADR(客室平均単価)、稼働率が想定通りに推移しております。この結果、売上高は31,530千円(前年同期比19.6%減)、セグメント利益(営業利益)は12,890千円(同9.3%増)となりました。 (2)キャッシュ・フローの状況(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動による資金収支は、274,505千円の収入(前連結会計年度は186,555千円の支出)となりました。これは主に、旅行前払金の増加98,009千円、利息の支払額23,454千円があったものの、税金等調整前当期純利益338,336千円を計上したことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動による資金収支は、310,932千円の支出(前連結会計年度は13,815千円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入12,456千円があった一方、投資有価証券の取得による支出270,572千円、有形固定資産の取得による支出28,764千円、及び無形固定資産の取得による支出23,252千円があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動による資金収支は、421,661千円の支出(前連結会計年度は1,115,655千円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入100,000千円があった一方、長期借入金の返済による支出495,565千円、親会社による配当金の支払額27,119千円があったことによるものであります。 以上により、当連結会計年度における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ429,341千円減少し、2,195,162千円となりました。 (生産、受注及び販売の状況)(1) 生産実績及び受注実績当社グループはオンライン旅行業を営んでおり、生産実績及び受注実績について記載を省略しております。 (2) 仕入実績当連結会計年度における仕入実績は次の通りです。 セグメントの名称仕入高(千円)前年同期比(%)旅行業2,068,906102.1 その他事業2,48022.5 (注) 金額は、仕入価格によっております。 (3) 販売実績当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)旅行業2,875,452114.8その他事業31,53080.4 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は本書提出日現在において、当社が判断したものであります。 (1) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。この連結財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。 (2) 経営成績の分析 当連結会計年度の売上高は2,906,982千円(前年同期比14.3%増)、営業利益は336,637千円(同1,053.1%増)、経常利益は345,651千円(同1,139.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は233,837千円(同2,356.5%増)となりました。 (売上高)当連結会計年度の売上高は2,906,982千円(前年同期比14.3%増)となりました。これは主に、2026年ゴールデンウィーク発のチャータークルーズの販売が計画を大きく上回ったことによるものであります。 (売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)売上原価は2,071,386千円(前年同期比1.7%増)となり、売上総利益は835,596千円(同64.8%増)、売上総利益率は28.7%(前期は19.9%)と大きく改善いたしました。販売費及び一般管理費は498,958千円(同4.4%増)となりました。これは主に、広告宣伝費が12,161千円減少した一方、役員賞与が8,350千円、株主優待引当金繰入が6,572千円増加したことによります。この結果、当連結会計年度の営業利益は336,637千円(前年同期比1,053.1%増)となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常利益)営業外収益は41,611千円(前年同期比130.9%増)となりました。これは主に、為替差益が15,758千円、受取利息が3,976千円増加したことによります。営業外費用は32,597千円(同68.6%増)となりました。これは主に、支払利息が8,446千円、投資事業組合運用損が3,115千円増加したことによります。この結果、当連結会計年度の経常利益は345,651千円(前年同期比1,139.7%増)となりました。 (特別利益、特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益)特別利益は投資有価証券売却益2,819千円を計上いたしました(前年同期は計上なし)。特別損失は減損損失7,613千円及び投資有価証券評価損2,521千円の計10,134千円を計上いたしました(前年同期は計上なし)。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は233,837千円(前年同期比2,356.5%増)となりました。 (3) 財政状態の分析(資産)当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ90,854千円減少し、3,921,725千円となりました。これは主に、投資有価証券が245,896千円、旅行前払金が98,009千円増加した一方、現金及び預金が313,777千円、その他流動資産が115,258千円減少したことによるものであります。 (負債)当連結会計年度末の負債総額は、前連結会計年度末に比べ292,022千円減少し、2,573,517千円となりました。これは主に、未払法人税等が81,098千円増加した一方、長期借入金が353,453千円、1年以内返済長期借入金が42,112千円減少したことによるものであります。 (純資産)当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ201,168千円増加し、1,348,207千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を233,837千円計上したことによるものであります。 (4) キャッシュ・フローの状況の分析「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載の通り、営業活動によるキャッシュ・フローの収入、投資活動によるキャッシュ・フローの支出、財務活動によるキャッシュ・フローの支出の結果、現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて減少となりました。 (5) 経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の通り、事業環境、法規制等様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当該リスクを分散・低減すべく、市場動向に留意しつつ内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保育成することで、顧客のニーズを的確にとらえた商品やサービスを、適時に提供してまいります。 (6) 経営戦略の現状と見通し当社グループは現在、クルーズ専門の検索・予約サイト「ベストワンクルーズ」の運営を軸に、海外・国内クルーズの乗船券およびパッケージツアーを取扱っております。今後は、2030年中期経営計画に基づき、クルーズ事業においては仕入れの強化、高付加価値商品の拡充及び流通の拡大を通じて競合優位性の向上を図るとともに、インバウンド事業の本格展開及びホテル・旅館事業の拡大を推進してまいります。これにより、「クルーズ・ホテル・インバウンド」の3軸分散型成長モデルへの転換を進め、クルーズ事業への依存度の低減と、収益基盤の安定化を図ってまいります。 (7) 経営者の問題認識と今後の方針について当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案し、企業価値を最大限に高めるべく努めております。経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
事業リスク
- 旅行市場の変動感染症の発生・蔓延、天候変動、景気悪化、テロ・戦争、自然災害、為替変動など、予測不能な外部要因により旅行需要が減退する可能性があります。これにより、クルーズ旅行や宿泊施設の利用が減少し、ベストワンドットコムグループの事業や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 電子商取引の普及と競合電子商取引の普及が想定通りに進まない場合や、新たな規制導入、技術的障害、セキュリティ事故が発生した場合、事業に影響が出ます。また、大手旅行会社や新興ベンチャー企業との競争激化により、クルーズ商品の販売が伸び悩み、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- システム障害と個人情報漏洩オンラインサービス提供が主であるため、システム障害やサイバー攻撃、ハッカーによる妨害が発生した場合、サービス提供に支障をきたし、事業に影響が出ます。また、個人情報が流出した場合には、顧客からの信頼を失い、事業および業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
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3 【事業等のリスク】以下において、当社グループの事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも、そのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1) 旅行市場について旅行市場は、国内では観光庁主導のもと市場拡大へ向けた様々な施策が行われております。当社グループは、日本及び急速に成長するアジアをはじめとする世界の旅行市場は今後も中長期的に拡大していくものと想定しております。また、当社グループが新たに注力するインバウンド市場及び宿泊市場についても、政府による観光立国の推進等を背景に、中長期的に拡大していくものと想定しております。しかしながら、日本を含めて世界的な感染症の発生・蔓延、天候の変動、及び景気の悪化等により社会的に消費者の旅行に対する意欲が減退した場合、テロや戦争などの世界情勢の変化や自然災害、事故等による観光インフラへの被害が起きた場合、急激な為替相場変動による世界情勢の混乱等が発生した場合、訪日旅行に関する政策や国際関係の変化により訪日需要が減少した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 電子商取引の普及について世界における電子商取引は、インターネットの普及およびスマートフォンやタブレット端末の浸透による利便性の向上に伴い、市場規模が拡大しております。国内旅行会社のインターネット販売比率も上昇傾向にあり、世界の旅行市場でもオンライン販売の比率は高い水準にあります。当社グループでは、今後も電子商取引が発展し、インターネット販売比率の上昇傾向が継続すると見込んでおります。しかしながら、電子商取引に関する新たな規制の導入や、技術的障害、セキュリティ事故、外部環境の変化等により、当社グループの想定どおりに電子商取引の普及が進まない場合には、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 競合他社の影響についてクルーズ旅行は、大手を含めた総合旅行会社の多くが、数ある旅行商品の一部として販売を行っております。そのような中、当社グループは、旅行商品の中でもクルーズ旅行に専門特化して多くの商品提案を行うことにより、顧客の選択肢を広げ、専門的なサポートを提供し、顧客からの評価を獲得してまいりました。また、船会社との協力関係により、独自の仕入れルートも構築しております。しかしながら、日本発着クルーズの拡大に伴い、有力な競合企業や新興のベンチャー企業が、その資本力、営業力、技術力等を活用してクルーズ商品の販売に取り組み、当社の想定している以上に競争が激化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、インバウンド事業においては、海外OTAや訪日旅行の手配会社等との競合が想定され、当社グループの想定どおりに顧客を獲得できない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (4) インターネットの直販化について当社グループは、主に船会社から乗船券を仕入れて販売を行っております。近年のインターネットの発達により、航空券予約やホテル予約などでは、エンドユーザーへの直販が年々増加傾向にあります。一方、国内のクルーズ乗船券販売においては、商品認知も低いことから、旅行代理店のサポートを前提とした販売がその多くを占めています。そのような中、当社グループでは、船会社横断での検索や一覧、圧倒的な選択肢の数など、直販サイトでは実現が難しい部分での利便性を高め、成長を図ってまいります。しかしながら、他の旅行商品に見られるように、クルーズに習熟した旅行者が増え、船会社サイトでの直接購入を嗜好する旅行者が増えた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) システム障害について当社グループのサービス提供は主にインターネット環境において行われております。そのため、当社グループはサービスの安定供給を図るためのセキュリティ対策と、コンピューターウイルス等の侵入やハッカーによる妨害等を回避するために必要と思われる対策をとっております。しかしながら、あらゆる可能性を想定して対策を施すことは困難であり、当社グループの想定しないシステム障害やサービスの妨害行為等が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (6) 個人情報保護について当社グループは、サービスの提供に際して顧客の個人情報(氏名、メールアドレス、生年月日、性別、住所、電話番号等)を取得し、サーバー上で適切に管理しております。顧客のプライバシー保護を重要な経営課題の一つと位置づけ、「プライバシーポリシー」および「個人情報保護規程」を定め、適切な保護措置を講じる体制の整備を進めております。その取組みの一環として、2019年5月に一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)より「プライバシーマーク」の認定を取得し、以降も継続して更新を行っております。しかしながら、サイバー攻撃、不正アクセス、人的ミス等により個人情報が外部に流出した場合には、当社グループの信用や顧客の信頼を損なうおそれがあり、事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 新規事業の展開について当社グループは、2030年中期経営計画において「クルーズ・ホテル・インバウンド」の3軸分散型成長モデルへの転換を掲げており、インバウンド事業の本格展開や、ホテル・旅館事業の拡大を進めております。しかしながら、これらの事業が安定的に収益を生み出すまでには一定の時間を要することが見込まれ、当面は人材の確保や販路の開拓等に係る先行投資により、収益が一時的に悪化する可能性があります。また、これらの事業が当社グループの想定どおりに推移しない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) ホテル・旅館事業について当社グループは、子会社の株式会社えびす旅館を基盤として、浅草及び京都において新規ホテルの開発を進めており、今後も複数物件の取得・開発を計画しております。しかしながら、建築費の高騰、施工会社の事情、許認可の遅れ等により開発計画が遅延し又は投資額が増加した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、ホテル・旅館の開業後は減価償却費等の固定費が発生するため、インバウンド需要の減少、競合施設の増加、自然災害等により稼働率や客室単価が想定を下回った場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、収益性が著しく低下した場合には、固定資産の減損損失を計上する可能性があります。 (9) M&Aについて当社グループは、各事業の成長を加速させる手段としてM&Aを位置づけており、今後も対象企業の財務内容や事業について詳細な検討を行った上で、M&Aを実施する可能性があります。しかしながら、買収後に偶発債務の発生や未認識債務の判明等、事前の調査で把握できなかった問題が生じた場合や、事業統合が想定どおりに進まず期待したシナジー効果が得られなかった場合には、のれんの減損損失の計上等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 在庫リスクについて当社グループが行う取引は、顧客の予約に対して仕入を行う受注発注型がメインではございますが、在庫を伴うチャータークルーズの催行や船会社主催クルーズのキャビン買取等により、独自商品の企画やリピーターの囲い込みを積極的に行うことを、成長戦略のひとつとし、直近でその比率を高めてまいりました。実施においては、過去の販売統計分析から十分な計画を基に仕入を行い、当社のマーケティングや販売ノウハウを駆使した販売を行うとともに、他の旅行会社への卸売等による販売チャネルの拡大に努めておりますが、予測不能な市場環境の変化等により、計画を大きく下回る販売となった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (11) 有利子負債及び資金調達について当社グループは、ホテル・旅館事業への投資等の成長投資について、主に手元資金及び金融機関からの借入により資金を調達する方針であり、当連結会計年度末における長期借入金(1年内返済予定を含む)は1,723,554千円となっております。今後、投資の進捗に伴い有利子負債が増加することが見込まれますが、金利が上昇した場合や、金融情勢の変化等により必要な資金を想定どおりに調達できない場合には、当社グループの事業計画、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 法的規制について当社グループの運営しているオンライン旅行サイトは旅行業法第2条に定める旅行業に該当し、当社は、第一種旅行業者の登録を行っており、5年毎の更新が義務付けられております。当社が旅行業法第6条で定める登録拒否事由に該当して更新を行うことができない場合、または、旅行業法第19条で定める登録取消事由に該当した場合には、登録の取消しもしくは営業の停止等を命じられる可能性があります。当社には、現時点において登録の取消し等の事由となる事実はないと認識しておりますが、何らかの理由によりこの資格の登録拒否事由等が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。当社の旅行業に関する登録事項は以下の通りです。 登録区分登録番号有効期限登録行政庁第1種旅行業1980号2030年12月13日観光庁 また、当社グループの行うオンライン事業においては、知的財産法、不当景品類及び不当表示防止法、特定商取引に関する法律等による法的規制を受けております。さらに、ホテル・旅館事業においては、旅館業法、建築基準法、消防法等による法的規制を受けております。当社グループは、社内の管理体制の構築等によりこれら法令を遵守する体制を整備しておりますが、万一、これら法令に違反する行為が行われた場合若しくは、やむを得ず遵守できなかった場合あるいは行政機関によって当社グループ事業に関わる法令等による規制の改廃や新設が行われた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (13) 特許等知的財産権について当社グループは第三者の知的財産権を侵害しないように常に留意するとともに、必要に応じて弁護士等の専門家を通じて調査しておりますが、第三者の知的財産権を侵害する結果が生じる可能性は皆無ではありません。そのため、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求及び使用差止請求等の訴えを起こされ、結果として当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (14) 訴訟発生リスクについて当社グループでは、コンプライアンス規程及びリスク管理規程を制定し、役職員に対して当該規程を遵守させることで、法令違反等の発生リスクの低減に努めております。しかしながら、当社グループ及び役職員の法令違反等の有無に関わらず、当社グループが扱う乗船券やクルーズツアーにおいてトラブルが生じ、訴訟に発展する可能性があります。提起された訴訟の内容及び結果によっては、多大な訴訟対応費用の発生や企業ブランドイメージの悪化等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (15) 特定人物への依存について当社グループ創業者の実弟である澤田秀太は、当社グループの代表取締役として、当社グループの経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において中心的な役割を果たしてまいりました。同氏は、2025年10月27日開催の第20期定時株主総会終了後に開催された取締役会決議により代表取締役会長から取締役会長へ異動し、さらに2026年10月28日開催の第21期定時株主総会終了後に開催された取締役会決議により、取締役会長から取締役へ異動しております。当社グループでは、取締役会をはじめとする経営会議体の機能強化や役員・従業員間の情報共有体制の整備を進めており、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を図っております。しかしながら、今後の事業環境や経営体制の変化等により、同氏の関与度合いの変化が当社グループの事業運営や業績に影響を及ぼす可能性があります。 (16) 小規模組織であること並びに優秀な人材の確保及び育成について当社グループは人数規模が小さく、内部管理体制もこのような規模に応じたものとなっております。当社グループは、インバウンド事業及びホテル・旅館事業の拡大をはじめとする今後の事業拡大及び事業内容の多様化等に対応するために、人員の強化及び内部管理体制の充実を図る予定ではありますが、人材の採用等が予定どおり進まなかった場合、または既存の人材が社外に流出した場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは未だ成長途上にあり、会社運営を円滑に遂行する上で、優秀な人材を適切な時期に確保し、育成する必要があります。そのような人材が適切に確保できなかった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (17) 為替リスクについて当社グループは、旅行商品の中でも海外旅行の取扱いを主としており、旅行代金の決済に際し外貨建ての取引を行っていることから、外国為替の影響を受けます。仕入価格決定時の為替を基に旅行代金を確定するなど、為替リスクの軽減に努めていますが、完全に回避できるものではありません。① 円貨換算の変動具体的には、円高になった場合、仕入価格、売上ともに円貨換算の価格は減少し、売上総利益も減少するため、マイナスの影響を与える可能性があります。逆に円安となった場合は、仕入価格、売上ともに増加し、売上総利益も増加することから業績改善につながる可能性があります。 ② 予約傾向による影響円高時には旅行代金が値下がりすることから、海外旅行の申込みが増加する傾向にあり、当社グループの業績改善につながる可能性があります。逆に円安時には海外旅行の申込みが低調となる傾向があり、業績にマイナスの影響が生じる可能性があります。一方、インバウンド事業及びホテル・旅館事業においては、円高の進行により訪日需要が減少した場合、業績にマイナスの影響が生じる可能性があります。 (18)業績の季節変動について当社グループは旅行商品を取扱っているため、お客様が長期休暇を取得しやすい時期に旅行の実施が集中する傾向があります。また、当社グループは、出発日の時点で収益を認識していることから、チャータークルーズ等の大型案件の催行時期によって、特定の四半期に売上高及び利益が偏重する傾向があります。当連結会計年度においては、2026年ゴールデンウィーク発のチャータークルーズの催行により、第4四半期に売上高及び利益が集中いたしました。このように、配船状況や大型案件の催行時期、需要動向によっては四半期ごとの業績に大きな変動が生じる可能性があり、また、広告宣伝費等の先行投資により、案件の催行前の四半期に損失が生じる可能性があります。 第20期連結会計年度(自 2024年8月1日 至 2025年7月31日) 第1四半期連結会計期間第2四半期連結会計期間第3四半期連結会計期間第4四半期連結会計期間通期売上高(千円)516,476513,552536,524977,2902,543,844 第21期連結会計年度(自 2025年8月1日 至 2026年7月31日) 第1四半期連結会計期間第2四半期連結会計期間第3四半期連結会計期間第4四半期連結会計期間通期売上高(千円)489,402546,347407,5971,463,6342,906,982 (19) 広告宣伝費について当社グループの事業では、広告を掲載することで集客が図られ売上が増加することから、広告宣伝費は重要な投資であると認識しております。当社としましては、広告宣伝費の支出に関しては、費用対効果を測定し、最適な広告宣伝を実施するように努めておりますが、市場動向、競合動向などの事由により広告宣伝費に対する費用対効果を期待通り得られない場合には、収益性を低下させるなど、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (20) 配当政策について当社グループは、経営基盤の長期安定化に向けた財務体質の強化及び事業の持続的な成長を図るため、内部留保の充実を重要な経営課題と位置づけております。一方で、株主の皆様への利益還元も重要な経営方針の一つと認識しており、成長投資や内部留保とのバランスを保ちながら、収益の増加に連動した配当を行うことを基本方針としております。この方針に基づき、2024年7月期から3期連続で剰余金の配当を実施しております。しかしながら、当社グループの業績が計画どおりに推移しない場合や、ホテル・旅館事業への投資等の成長投資に資金を優先的に充当する必要が生じた場合には、配当の実施や配当額に影響を及ぼす可能性があります。 (21) 投資有価証券について当社グループは、資本効率の向上等を目的として、上場株式、非上場株式、債券及び投資事業有限責任組合への出資等の投資を行っております。これらの投資は、株式市場や金利の動向、投資先の業績等により価値が変動するため、時価や実質価額が著しく下落した場合には、評価損や売却損の計上等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (22) のれんの減損に関するリスク当社グループは2026年7月末時点で17,959千円ののれんがあります。「固定資産の減損に係る会計基準」では、減損の兆候が認められる資産グループについて、当該資産グループから得られる割引前キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回った場合に帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減額した当該金額を減損損失として計上することとされています。今後事業の収益性が著しく低下し減損損失の計上が必要になった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (23) 感染症拡大に関するリスク当社グループは、過去に新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、大きな影響を受けました。現在は概ね正常化しておりますが、今後、新たな感染症の発生や感染症拡大に伴う行動制限、運航中止、入国制限等が生じた場合には、クルーズ送客数や旅行需要に影響を及ぼし、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。