事業の概要
- 社会インフラを支える計測制御事業大崎電気工業グループは、主に電力量計の製造・販売と、それに関連するソリューションサービスを提供しています。これは、電気の安定供給や効率的な利用を支える社会インフラの根幹をなす事業であり、創業以来の主力ビジネスモデルです。
- スマートメーターを軸とした多角化従来の電力量計に加え、スマートロック関連製品の生産・販売管理や、検針システム・機器の開発・販売など、電力以外の「見える化」を通じて社会課題を解決するソリューション事業も展開しています。これにより、事業領域を広げ、新たな収益源を確保しています。
- 国内外に広がる事業展開日本国内だけでなく、子会社を通じてオセアニア、欧州、アジア、中東・アフリカなど世界各地で電力量計の製造・販売を行っています。これにより、特定の地域に依存しないグローバルな収益構造を構築し、リスク分散を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 国内計測制御事業日本国内における電力量計の製造・販売、およびスマートロックや検針システム、設備管理などのソリューションサービスを提供しています。2025年3月期の実績では売上高560.61億円、営業利益39.65億円と、グループ全体の収益の大部分を占める主要な稼ぎ頭です。
- 海外計測制御事業オセアニア、欧州、アジア、中東・アフリカなどの地域で電力量計および関連システムの製造・販売を行っています。2025年3月期の実績は売上高405.84億円、営業利益14.77億円であり、中長期的な成長の柱として位置づけられ、利益を重視したビジネスへの変革を進めています。
- 不動産事業主に不動産の賃貸を行っており、グループ全体の事業ポートフォリオの一部を構成しています。2025年3月期の実績は売上高4.56億円、営業利益2.7億円と規模は小さいものの、安定した収益源となっています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| MeasurementAndControlInJapanReportableSegment | 地域 | 561 | 40 | 7.1% |
| MeasurementAndControlOutOfJapanReportableSegment | 地域 | 406 | 15 | 3.6% |
| RealEstate | 事業 | 5 | 3 | 59.2% |
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3 【事業の内容】(1) 当社グループは、当社、子会社24社で構成されております。当社グループが営んでいる主要な事業内容と、当該事業に係る当社及び主要な子会社の位置づけは、次のとおりであります。 以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 国内計測制御事業会社名主要な事業内容当社電力量計の製造・販売及びソリューションサービスの提供株式会社エネゲート電力量計の製造・販売及び関連サービスの提供大崎電気システムズ株式会社配・分電盤の製造・販売岩手大崎電気株式会社電力量計、監視制御装置等の製造大崎プラテック株式会社電力量計の製造大崎データテック株式会社検針システム・機器の開発・販売株式会社ラ・クラシンスマートロック関連製品の生産・販売管理、スマートロック関連システムの開発大崎テクノサービス株式会社建物の設備管理等 海外計測制御事業会社名主要な事業内容OSAKI United International Pte. Ltd.EDMIグループの統括EDMI Limited電力量計及び関連システムの製造・販売EDMI (Shenzhen) Co., Ltd電力量計の製造EDMI Electronics Sdn Bhd電力量計の製造EDMI Europe Limited電力量計の開発・販売EDMI Pty Ltd電力量計及び関連システムの開発・販売その他10社計測制御機器の製造・販売等 不動産事業会社名主要な事業内容当社不動産の賃貸大崎エステート株式会社不動産の賃貸 (2) 事業の系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 国内外で有力企業と競合しており、価格は重要な競争要因となっているため |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 スマートメーターの機能・品質向上や原価低減のための仕様変更、新技術対応の研究開発 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:需要変動のリスク / 価格競争のリスク / サプライチェーンに関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
大崎電気工業は、スマートメーターや制御機器の製造販売を手掛けているが、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的な知的財産権によって裏付けられた無形資産は、公開情報からは明確に確認できない。競合他社との差別化要因としての無形資産の強さは限定的と判断される。
スイッチングコスト★★☆☆☆
スマートメーターシステムは、電力会社などのインフラに組み込まれるため、導入後のシステム変更には多大なコストと時間を要する可能性がある。しかし、技術革新や他社製品への移行インセンティブも存在するため、スイッチング・コストは中程度と評価される。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社の製品は主にBtoBであり、ユーザー数の増加が製品価値を直接的に高めるようなネットワーク効果は、公開情報からは確認できない。プラットフォームビジネスのような性質は持っていないと判断される。
コスト優位★★☆☆☆
長年の製造業としての経験や、ある程度の規模の生産能力は有していると考えられる。しかし、グローバルな競争環境や原材料価格の変動リスクを考慮すると、構造的なコスト優位性は限定的であり、顕著な優位性を示す根拠は乏しい。
規模の経済★★★☆☆
スマートメーター市場は、電力インフラの更新需要に支えられており、同社はこの分野で一定のシェアを確保している。業界規模に対して最適な少数寡占を形成しつつある可能性があり、一定の効率規模の経済性が働いていると考えられる。
- スマートメーターの技術と実績大崎電気工業は、電力の「見える化」を可能にするスマートメーターを主力製品としており、長年の経験と技術開発により高い品質と信頼性を確立しています。国内では計量法で定められた検定有効期間(10年)後の取り替え需要が安定的な収益基盤となり、海外でも同様の需要が見込まれます。
- ソリューション提供による付加価値単に製品を販売するだけでなく、スマートロックや自動検針サービス、エネルギーマネジメントサービスなど、デジタル技術を活用した顧客の業務改善や脱炭素化を支援するソリューションを提供しています。これにより、顧客との関係性を強化し、継続的な収益確保を目指しています。
- グローバルな生産・販売ネットワーク国内外に多数の子会社を持ち、電力量計の製造・販売拠点を世界中に展開しています。特に海外計測制御事業では、EDMIグループを統括し、オセアニアや欧州を中心に事業を拡大しており、地域ごとの市場特性に合わせた高付加価値ソリューションを提供できる体制が強みです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 「見える化」による新たな価値創造大崎電気工業は「見えないものを見える化し、社会に新たな価値を生み出す」を新たな経営理念とし、社会における存在意義(パーパス)と位置付けています。スマートメーターを基軸としつつ、脱炭素社会の実現など社会課題解決に貢献するソリューション提供を通じて、持続的な成長を目指します。
- 中期経営計画による成長目標2024年度から2026年度までの3か年中期経営計画を策定し、最終年度に売上高1,000億円、営業利益90億円、親会社株主に帰属する当期純利益55億円の達成を目指しています。この目標達成のため、国内・海外計測制御事業の拡大とグループ経営基盤の強化を重点戦略としています。
- 重点戦略による事業構造改革国内では第2世代スマートメーターの収益確保と直流計器の市場開拓、スマートロックや自動検針サービスによる顧客DX支援、脱炭素社会に向けたGXサービスの提供を推進します。海外では、高付加価値ソリューションの提供、産業用メータービジネスの再強化、低収益ビジネスからの撤退、組織構造改革を通じて利益重視のビジネスへの変革を進めます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針・経営戦略等 当社は、持続的な成長を実現するために、当社の社会における存在意義について社内外のステークホルダーのみなさまにもご意見をいただきながら議論を重ね、2024年度より「見えないものを見える化し、社会に新たな価値を生み出す」を新たな経営理念とするとともに、これを当社の社会における存在意義(パーパス)と位置づけております。 創業以来、電気に関わるものづくりを続けてきた当社は、電力量計を通じて社会インフラである電力の安定供給や有効利用を支えてまいりました。機械式電力量計がスマートメーターへと進化しても、電力を見える化する製品・サービスは、当社の中核製品であることに変わりはありません。 現在では、電力以外の見える化を通じて社会課題を解決する「ソリューション事業」を広げつつあります。さらに今後、これまでにない領域にも挑戦し、社会に役立つ新たな価値の創出に取り組んでまいります。 このパーパスのもと、グループシナジーを最大限に活かし、スマートメーターを基軸としつつ、脱炭素社会の実現などの社会課題に対する新たなソリューションの提供を通じて、当社ならびに当社グループの持続的な成長を目指します。 (2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社は、「グループシナジーを最大限に活かし、スマートメーターを主軸としつつ、脱炭素社会の実現などの社会課題に対する新たなソリューション提供を通じて、グループ全体の持続的な成長を目指す」を基本方針とする3か年の中期経営計画(2024年度~2026年度)を定め、最終年度(2026年度)での売上高1,000億円、営業利益90億円、親会社株主に帰属する当期純利益55億円の数値目標達成に向けた取り組みを進めております。 国内計測制御事業においては、スマートメーター事業を主軸としつつ、社会のニーズをとらえたGXサービスやスマートロックなどのソリューション事業を拡大します。 海外計測制御事業においては、スマートメーターと上位系システムのセット販売の推進や組織構造改革等を通じて利益を重視したビジネスへの変革をさらに進めます。 併せて、これらの戦略を支えるためのグループ経営基盤の強化にも取り組み、持続的な利益の創出による企業価値の向上を目指します。 中期経営計画の連結数値計数目標、経営指標の達成に向け、次の重点戦略を掲げております。 a.中期経営計画の重点戦略① スマートメーターを主軸とした社会インフラへの付加価値の提供 国内においては、2027年3月期から本格導入が始まる第2世代スマートメーターの最適な生産体制を構築し、確実な収益確保をめざします。同時に、再生可能エネルギーや電動車の利用拡大を見据えた直流計器の投入など、社会インフラへ新たな価値を提供し市場を開拓します。 ② デジタル技術を活用した現場の業務改善(顧客DX)の支援 賃貸住宅市場で管理業務の省力化に寄与しているスマートロックにおいて、新製品の投入やパートナーとの連携強化により、賃貸住宅市場、その他の住宅市場や法人事業所等への導入拡大を図ります。また、施設管理業務の負担を軽減する自動検針サービスにおいて、新規導入および既存顧客の交換需要を獲得します。 ③ 脱炭素社会の実現に向けたトータルGXサービスの提供 脱炭素化のニーズの高まりをとらえ、エネルギーマネジメントサービスでは、現状の顧客である多店舗展開を行う流通小売業だけではなく、他業種への新規顧客開拓を進めます。また、既存顧客へのより付加価値の高いGXソリューションの提案により収益力を高めるとともに、次の成長の柱となる事業基盤の構築を進めます。 ④ 利益を重視したビジネスへの変革 海外においては、オセアニア、英国を中心とした欧州、アジアや中東・アフリカの各地域において次の施策に取り組み、利益を重視したビジネスへの変革をさらに進めます。・ 市場特性に合わせた高付加価値ソリューションの提供・ 産業用メータービジネスの再強化・ 低収益ビジネスからの撤退・ 組織構造改革 ⑤ グループ経営基盤の強化 グループ全体で次の施策に取り組み、経営基盤を強化します。・ グループ人材育成・活用の強化・ グループリスク管理の強化・ バランスシートの効率化とキャッシュの最適配分・ サステナビリティ活動の推進 b.中期経営計画の連結数値目標 (単位:百万円) 2025年3月期実績2026年3月期計画2027年3月期計画売上高97,10298,000100,000営業利益5,7015,8009,000親会社株主に帰属する当期純利益3,5043,6005,500ROE(自己資本当期純利益率)6.9%7.0%10.0%
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針・経営戦略等 当社は、持続的な成長を実現するために、当社の社会における存在意義について社内外のステークホルダーのみなさまにもご意見をいただきながら議論を重ね、2024年度より「見えないものを見える化し、社会に新たな価値を生み出す」を新たな経営理念とするとともに、これを当社の社会における存在意義(パーパス)と位置づけております。 創業以来、電気に関わるものづくりを続けてきた当社は、電力量計を通じて社会インフラである電力の安定供給や有効利用を支えてまいりました。機械式電力量計がスマートメーターへと進化しても、電力を見える化する製品・サービスは、当社の中核製品であることに変わりはありません。 現在では、電力以外の見える化を通じて社会課題を解決する「ソリューション事業」を広げつつあります。さらに今後、これまでにない領域にも挑戦し、社会に役立つ新たな価値の創出に取り組んでまいります。 このパーパスのもと、グループシナジーを最大限に活かし、スマートメーターを基軸としつつ、脱炭素社会の実現などの社会課題に対する新たなソリューションの提供を通じて、当社ならびに当社グループの持続的な成長を目指します。 (2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社は、「グループシナジーを最大限に活かし、スマートメーターを主軸としつつ、脱炭素社会の実現などの社会課題に対する新たなソリューション提供を通じて、グループ全体の持続的な成長を目指す」を基本方針とする3か年の中期経営計画(2024年度~2026年度)を定め、最終年度(2026年度)での売上高1,000億円、営業利益90億円、親会社株主に帰属する当期純利益55億円の数値目標達成に向けた取り組みを進めております。 国内計測制御事業においては、スマートメーター事業を主軸としつつ、社会のニーズをとらえたGXサービスやスマートロックなどのソリューション事業を拡大します。 海外計測制御事業においては、スマートメーターと上位系システムのセット販売の推進や組織構造改革等を通じて利益を重視したビジネスへの変革をさらに進めます。 併せて、これらの戦略を支えるためのグループ経営基盤の強化にも取り組み、持続的な利益の創出による企業価値の向上を目指します。 中期経営計画の連結数値計数目標、経営指標の達成に向け、次の重点戦略を掲げております。 a.中期経営計画の重点戦略① スマートメーターを主軸とした社会インフラへの付加価値の提供 国内においては、2027年3月期から本格導入が始まる第2世代スマートメーターの最適な生産体制を構築し、確実な収益確保をめざします。同時に、再生可能エネルギーや電動車の利用拡大を見据えた直流計器の投入など、社会インフラへ新たな価値を提供し市場を開拓します。 ② デジタル技術を活用した現場の業務改善(顧客DX)の支援 賃貸住宅市場で管理業務の省力化に寄与しているスマートロックにおいて、新製品の投入やパートナーとの連携強化により、賃貸住宅市場、その他の住宅市場や法人事業所等への導入拡大を図ります。また、施設管理業務の負担を軽減する自動検針サービスにおいて、新規導入および既存顧客の交換需要を獲得します。 ③ 脱炭素社会の実現に向けたトータルGXサービスの提供 脱炭素化のニーズの高まりをとらえ、エネルギーマネジメントサービスでは、現状の顧客である多店舗展開を行う流通小売業だけではなく、他業種への新規顧客開拓を進めます。また、既存顧客へのより付加価値の高いGXソリューションの提案により収益力を高めるとともに、次の成長の柱となる事業基盤の構築を進めます。 ④ 利益を重視したビジネスへの変革 海外においては、オセアニア、英国を中心とした欧州、アジアや中東・アフリカの各地域において次の施策に取り組み、利益を重視したビジネスへの変革をさらに進めます。・ 市場特性に合わせた高付加価値ソリューションの提供・ 産業用メータービジネスの再強化・ 低収益ビジネスからの撤退・ 組織構造改革 ⑤ グループ経営基盤の強化 グループ全体で次の施策に取り組み、経営基盤を強化します。・ グループ人材育成・活用の強化・ グループリスク管理の強化・ バランスシートの効率化とキャッシュの最適配分・ サステナビリティ活動の推進 b.中期経営計画の連結数値目標 (単位:百万円) 2025年3月期実績2026年3月期計画2027年3月期計画売上高97,10298,000100,000営業利益5,7015,8009,000親会社株主に帰属する当期純利益3,5043,6005,500ROE(自己資本当期純利益率)6.9%7.0%10.0%
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績の状況 ①経営成績 中期経営計画(2024年度~2026年度)の初年度となる当期の各セグメントの経営成績は以下のとおりです。 〔国内計測制御事業〕当セグメントの売上高は前期比1.5%増の56,084百万円、営業利益は前期比10.9%減の3,965百万円となりました。売上高は、スマートメーター事業において、第2世代スマートメーター導入に向けて現行スマートメーターに対するゆるやかな需要減少がある一方、その他の電力会社向け製品・サービスが堅調であったことから、微減となりましたが、ソリューション事業において、電力会社以外へのメーター販売が好調で増収となったこと等から、事業全体では前期比で増収となりました。営業利益は、製品構成の変動や販売管理費の増加等により、前期比で減益となりました。 〔海外計測制御事業〕当セグメントの売上高は前期比2.5%増の41,719百万円、営業利益は前期比28.0%増の1,477百万円となりました。売上高は、英国向けで第1・2四半期に発生した顧客の在庫調整の影響、アジアでの低収益ビジネスからの撤退、中東・アフリカ向けにおける与信リスクなどを踏まえた選択受注等により減少した一方、オセアニア向けの新規・更新需要増による出荷増等により、事業全体では前期比で増収となりました。営業利益も、オセアニアでの売上増や英国での為替の好転(英ポンド/米ドル相場における英ポンド高)による利益率の改善等により、前期比で増益となりました。 〔不動産事業〕当セグメントは、経営資源の有効活用と資産効率の向上を図るため一部の不動産を売却したことにより、売上高は前期比1.9%減の561百万円、営業利益は前期比2.7%減の270百万円となりました。 これらの結果、当期の売上高は97,102百万円と前期比1,955百万円(2.1%)の増収、営業利益は5,701百万円と前期比173百万円(3.0%)の減益、経常利益は5,386百万円と前期比101百万円(1.9%)の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は、資本効率化を目的とした政策保有株式や不動産の売却に伴い売却益を特別利益として計上したこと、海外子会社で実施した事業構造改革費用を特別損失として計上したこと等により3,504百万円と前期比1,096百万円(45.6%)の増益となりました。 <連結業績> (単位:百万円) 2024年3月期実績2025年3月期実績前年度比期初計画期初計画比金額比率金額比率売上高95,14797,1021,955+2.1%90,0007,102+7.9% 国内計測制御事業55,26656,084818+1.5% 海外計測制御事業40,69341,7191,026+2.5% 不動産事業572561△10△1.9% 調整額△1,384△1,263121- 営業利益5,8745,701△173△3.0%4,7001,001+21.3% 国内計測制御事業4,4513,965△486△10.9% 海外計測制御事業1,1551,477322+28.0% 不動産事業277270△7△2.7% 調整額△9△12△2- 経常利益5,4885,386△101△1.9%3,9001,486+38.1%親会社株主に帰属する当期純利益2,4073,5041,096+45.6%2,0001,504+75.2% 当連結会計年度における生産実績、受注状況(見込み生産を行っているものを除く)及び販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 a生産実績セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)国内計測制御事業56,818+1.1海外計測制御事業42,136+2.8合計98,954+1.8 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 金額は、販売価格によっております。 b受注状況セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)国内計測制御事業14,286△6.99,948+0.8 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 海外計測制御事業については見込生産を主体としているため、記載を省略しております。 c販売実績セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)国内計測制御事業56,061+1.5海外計測制御事業40,584+2.9不動産事業456△2.3合計97,102+2.1 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。 2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)関西電力送配電株式会社16,64617.517,13317.6 ②財政状態 項目前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)増 減総資産額(百万円)95,641100,5134,872負債合計額(百万円)33,10837,1704,061純資産額(百万円)62,53263,343810自己資本比率(%)51.951.90.0 当連結会計年度末における総資産は、受取手形、売掛金及び契約資産が1,280百万円減少しましたが、現金及び預金が4,417百万円、棚卸資産が2,579百万円それぞれ増加したこと等により、前年度末と比較して4,872百万円増加し、100,513百万円となりました。負債は、リース債務が377百万円減少しましたが、長・短期借入金が2,228百万円、流動負債のその他が967百万円それぞれ増加したこと等により、前年度末と比較して4,061百万円増加し、37,170百万円となりました。純資産は、非支配株主持分が1,731百万円減少しましたが、利益剰余金が2,071百万円、為替換算調整勘定が1,051百万円それぞれ増加したこと等により、前年度末と比較して810百万円増加し、63,343百万円となりました。 ③キャッシュ・フロー (単位:百万円) 分類前連結会計年度 当連結会計年度 増 減 営業活動によるキャッシュ・フロー4,1876,8892,702投資活動によるキャッシュ・フロー△2,895△1,2291,665財務活動によるキャッシュ・フロー△2,990△3,028△37現金及び現金同等物の期末残高10,84313,0852,241 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、前年度末に比べ2,241百万円増加して13,085百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益6,389百万円、減価償却費2,215百万円、売上債権の減少額1,985百万円等の資金増加要因が、棚卸資産の増加額1,289百万円、法人税等の支払額1,566百万円等の資金減少要因を上回ったことにより6,889百万円の資金増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出2,459百万円、無形固定資産の取得による支出383百万円等の資金減少要因が、有形固定資産の売却による収入1,150百万円等の資金増加要因を上回ったことにより1,229百万円の資金減少となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出1,223百万円、非支配株主も含めた配当金の支払額3,476百万円等の資金減少要因が、短期借入金の純増加額1,898百万円等の資金増加要因を上回ったことにより3,028百万円の資金減少となりました。 キャッシュ・フロー関連指標の推移 2023年3月期2024年3月期2025年3月期自己資本比率(%)49.251.951.9時価ベースの自己資本比率(%)26.733.536.3キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)29.41.71.3インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)1.824.019.6 (注)自己資本比率:自己資本/総資産 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い*各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。*株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。*営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」の「4 会計方針に関する事項」に記載しております。 また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ②経営成績の分析 2025年3月期は期初計画に対して、国内計測制御事業において、スマートメーター事業での需要変動に対する製販一体となった対応による受注獲得により、売上高は期初計画を上回りました。利益面についても、スマートメーター事業の増収や販売管理費の縮減により、期初計画を上回りました。 海外計測制御事業においては、オセアニア向けの追加受注の獲得や、為替が前提レートより円安になったことにより、売上高は期初計画を上回りました。利益面については、中東・アフリカ地域において与信リスクを踏まえた選択受注を行ったことにより、期初計画を下回りました。 不動産事業においては、経営資源の有効活用と資産効率の向上を図るため一部の不動産を売却したことにより、売上高、営業利益ともに期初の計画を下回りました。 これらの結果、下表のとおりの連結経営成績となりました。 (単位:百万円) 2025年3月期実績前年度比期初計画比金額比率金額比率売上高97,1021,955+2.1%7,102+7.9%営業利益5,701△173△3.0%1,001+21.3%経常利益5,386△101△1.9%1,486+38.1%親会社株主に帰属する当期純利益3,5041,096+45.6%1,504+75.2% 以上のように、当連結会計年度において、国内計測制御事業において、スマートメーター事業が堅調に推移したことにより、売上高、営業利益ともに期初計画を上回りました。このような状況下、経営資源の有効活用と資産効率の向上を図るため、不動産および政策保有株式の縮減を推進しました。これにより、親会社株主に帰属する当期純利益も期初計画を大きく上回りました。なお、2026年3月期以降は、国内での2026年3月期から導入が始まる第2世代スマートメーターにおける収益確保や、顧客のDXや脱炭素化を支援するソリューションビジネスへの注力、海外での次世代メーターや次世代産業用メーターの投入や、スマートメーターと上位系システムを組み合わせたソリューション事業の拡大による収益性向上など、中期的な成長へ向けて取り組みます。 ③資本の財源及び資金の流動性 当社グループの事業活動に必要な資金について、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としつつ、債権回収までに資金が必要な時は銀行借入等による資金調達によって流動性を保持しています。当社グループは中期的な企業価値向上へ向けて、スマートメーター事業や、ソリューション事業の付加価値向上を目的とした設備投資、開発投資、人的投資に資金を投じてまいります。 当社と連結グループ会社間は、グループファイナンスにより資金融通を行うことで、グループ内資金の有効活用を図り、資金効率の向上に努めております。一方で、資金調達を行う際は、期間や国内外の市場金利動向等、また自己資本比率やROEへの影響度等、総合的に勘案しながら、最適な調達を実施します。経営資源については、成長へ向けた投資や株主還元の強化に適正に分配してまいります。 ④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は株主資本の効率化を重視しており、ROE(自己資本当期純利益率)の持続的な向上を目指しています。2025年3月期から2027年3月期の中期経営計画期間の実績・目標は、下表のとおりです。 2025年3月期実績2026年3月期計画2027年3月期計画ROE6.9%7.0%10.0%
事業リスク
- 需要変動による業績影響電力量計の需要は、地域の政治・経済状況や政策、主要顧客の設備投資計画に大きく左右されます。特にスマートメーターは一定期間後の交換需要があるため、一時的な需要増大の後に減少する可能性があります。これにより、売上高や利益が変動し、業績に影響を及ぼすリスクがあります。
- 激しい価格競争と収益性低下スマートメーター市場では国内外の有力企業との競争が激しく、価格が重要な競争要因となっています。品質や付加価値で差別化を図っていますが、価格競争を完全に回避することは困難であり、価格の大幅な下落や想定を下回る価格での販売は、収益性を圧迫し業績に影響を与える可能性があります。
- サプライチェーンと海外事業の不確実性部材の需給逼迫や価格高騰、為替変動、地政学的リスク、海外の法令・制度変更などにより、部材調達の遅延やコスト上昇、海外事業の計画未達が生じる可能性があります。特に海外売上比率が約40%と高いため、これらのリスクが業績や財政状態に与える影響は大きいです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)需要変動のリスク当社グループの製品需要は、地域の政治・経済状況や政策の影響により変動する可能性があります。また、当社グループの売上高の過半を主要顧客が占めているため、顧客の業績、戦略及び設備投資計画などにより需要が変動するリスクがあります。当社グループの主力製品であるスマートメーターは、国内では計量法で検定有効期間(使用可能期間)が10年と定められており、海外においても一定の使用期間後に取替えが必要となっております。そのため、一時的に需要が増大した場合、その後一定期間は需要が減少する可能性があります。当社グループは国内全域に加えてオセアニア、欧州、その他新興国などで事業拡大を進めているほか、新製品投入や機能追加などによる需要喚起や新規顧客の開拓にも取り組み、需要変動影響の分散を図っておりますが、需要が著しく変動した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)価格競争のリスク当社グループの主力製品であるスマートメーターは、国内外で有力企業と競合しており、価格は重要な競争要因となっております。当社グループは価格競争に陥らないように品質、安全性、付加価値などが評価される市場を選択すると共に、製品・サービスの継続的改良に努めておりますが、価格競争を完全に回避することは困難であるため、価格が大幅に下落した場合、又は想定を下回る価格で大量に販売した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)サプライチェーンに関するリスク a 部材の調達リスク当社グループは、主力製品であるスマートメーターの機能・品質の向上や原価低減を目的に仕様変更を継続的に行っているため、部材調達においては顧客からの発注予測、調達のリードタイムに加えて、製品の仕様変更時期も考慮しながら、タイムリーな発注と適正な在庫水準の維持に努めております。 しかしながら、需給逼迫などにより必要な部材をタイムリーに調達できない場合、当社グループの生産活動に支障をきたす可能性があります。また、顧客の方針変更に伴う需要の減少などにより、不用になった部材が滞留する可能性があります。さらに、米国による追加関税措置の対象国のうち関税率が高い国においては経済への負の影響もしくは混乱が予想されます。当社が部材などを調達する国において、そうした事態が生じた場合、必要な部材をタイムリーに調達できないなど、当社サプライチェーンへの影響が想定されます。これらにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 b コスト上昇リスク当社グループは適切な価格での部材購入に努めておりますが、需給状況や為替の変動、インフレの影響などにより半導体や金属など調達部材価格が上昇するリスクがあります。また、世界的な原油価格の変動による燃料価格の上昇などにより、物流コストが上昇するリスクがあります。これらのコスト上昇を製品価格に十分に転嫁できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)海外事業のリスク当社グループはオセアニア、欧州、その他新興国などを中心に海外事業を展開しており、2025年3月期の連結売上高に占める海外比率は約40%となっております。海外事業を中長期的な成長の柱と位置付け、利益を重視したビジネスの拡大に注力するとともに、最新のリスク情報によるマーケットや販売先の見直しを随時行っております。また、外注を含めた生産拠点を複数国へ分散することによるリスクの低減に取り組んでおります。しかしながら、海外においては政治・経済情勢や紛争・テロ等の地政学的リスク、法令・制度に関する不確実性が国内に比して高いことから、市場の急激な変化やプロジェクトの遅延などによって事業が想定通りに進展しない場合、生産・出荷面で遅延が生じた場合など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、子会社製を含む当社製品は対米輸出を行っておらず、今回の米国による追加関税措置の直接的な影響は軽微と判断いたします。 (5)為替レートの変動によるリスク当社グループの海外事業においては、為替レートの変動により在外子会社の収益や資産等が変動する可能性があります。為替変動の影響を軽減するために先物為替予約を行っておりますが、急激な為替レートの変動は当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (6)製品・サービスの品質に関するリスク当社グループは所定の品質管理水準に基づいて製品を自社生産又は外注しており、瑕疵・欠陥のある製品が市場に流出することのないように厳格な品質管理体制を構築しております。しかし、将来に渡って品質問題が発生しない保証はなく、製品の回収、交換、損害賠償などの事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)研究開発のリスク当社グループは、製品・サービスの競争力を一層高めるべく研究開発を強化しております。技術変化に対する迅速な情報収集や予測、変化に応じた技術開発への適切な投資などに取り組んでおりますが、開発の遅延や技術者の不足などにより対応に遅れが生じる可能性があります。また、当社グループの知的財産権が侵害されるリスク、または当社グループが意図せず第三者の知的財産権を侵害し、賠償金の請求や訴訟提起されるリスクがあります。これらにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)サステナビリティに係るリスク当社グループは、サステナビリティを巡る課題への対応はリスクの減少や収益機会につながる重要な経営課題であると認識しており、サステナビリティ推進委員会のもと、各課題へ取り組んでおります。しかしながら、これらの課題への対応が遅れる場合は、当社グループの中長期的な業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9)人材に関するリスク当社グループは中長期的な事業戦略を実現するためには、人材の確保・育成が重要であると認識しており、新卒採用や経験者採用を継続的に行うとともに、さまざまな研修制度や、公正な評価・処遇の制度、働きやすい職場環境の提供に取り組んでおります。 しかしながら、採用競争の激化や労働人口の減少などにより、経営計画の推進に必要な人材の確保ができない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)災害等によるリスク当社グループは国内外で事業展開しておりますが、各国における大規模な地震や台風等の自然災害、火災等の事故災害、疫病の発生・蔓延等により、顧客からの注文の遅延や、生産・出荷を長期間停止せざるを得ないような事態が発生した場合、当社グループの事業活動に支障をきたし、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。