事業の概要
- 配電盤関連機器の製造販売日東工業グループは、電気を安全に分配・制御する配電盤や、機器を保護するキャビネットなどの製造・販売を主力としています。これらは工場やビル、データセンターなど、様々な施設の電気インフラに不可欠な製品であり、安定した需要があります。また、情報通信機器の仕入れ・販売も手掛け、現代社会の基盤を支える事業を展開しています。
- 情報通信インフラの構築子会社を通じて、情報通信ネットワークや電気設備の工事も行っています。これにより、製品の提供だけでなく、設置から運用まで一貫したソリューションを提供できる体制を構築しており、顧客の多様なニーズに応えることで収益を上げています。特にデータセンター関連の需要増は、この分野の成長を後押ししています。
- 電子部品の製造販売電磁波対策部品や精密なエンジニアリング部品の製造・販売も手掛けています。これらは、自動車や家電製品など、幅広い電子機器に組み込まれる重要な部品であり、技術革新の速い分野で専門性の高い製品を提供することで、グループ全体の収益源の一つとなっています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 電気・情報インフラ関連製造・工事・サービス事業このセグメントは、配電盤やキャビネットの製造・販売、情報通信ネットワークや電気設備の工事などを手掛けています。売上高は1,142.3億円、営業利益は102.53億円と、グループの中核を担う最も大きな事業であり、収益の大部分を占めています。国内外の子会社が製造・販売・工事を担い、幅広い顧客層にサービスを提供しています。
- 電気・情報インフラ関連流通事業このセグメントは、情報通信機器の仕入れ・販売を主な事業としています。売上高は560.46億円、営業利益は20.89億円で、グループの主要な収益源の一つです。サンテレホン株式会社などの子会社が中心となり、多様な情報通信関連製品を市場に供給することで、情報インフラの発展に貢献しています。
- 電子部品関連製造事業電磁波環境コンポーネントや精密エンジニアリングコンポーネントなどの電子部品の製造・販売を行っています。売上高は144.06億円、営業利益は9.59億円です。北川工業株式会社とその子会社がこの事業を担っており、高い技術力と専門性で、自動車や家電など幅広い産業分野に貢献しています。海外ビジネスの拡大も積極的に推進しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ElectricalAndTelecommunicationsInfrastructureRelatedManufacturingConstructionAndServiceBusinessReportableSegment | 地域 | 1,142 | 103 | 9.0% |
| ElectricalAndTelecommunicationsInfrastructureRelatedDistributionBusinessReportableSegment | 地域 | 560 | 21 | 3.7% |
| ElectronicPartsRelatedManufacturingBusinessReportableSegment | 地域 | 144 | 10 | 6.7% |
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3 【事業の内容】 当社グループは、当社及び子会社33社で構成され、主に配電盤関連機器の製造・販売、情報通信機器の仕入・販売及び電子部品の製造・販売事業を中心に、事業活動を展開しています。各事業における当社グループの位置づけ及びセグメント等は、次のとおりです。 電気・情報インフラ関連製造・工事・サービス事業当社が製造・販売を行うほか、㈱新愛知電機製作所、㈱大洋電機製作所、日東工業(中国)有限公司及びその子会社(1社)、Gathergates Group Pte Ltd及びその子会社(7社)、ELETTO(THAILAND)CO.,LTD、NITTO KOGYO BM(THAILAND)CO.,LTD、テンパール工業㈱及びその子会社(1社)が製造・販売を、㈱ECADソリューションズがソフトウェアの開発・販売を、南海電設㈱、EMソリューションズ㈱が情報通信ネットワーク、電気設備の工事等を行っており、一部の製品・部品等について当社との直接取引があります。電気・情報インフラ関連流通事業サンテレホン㈱及びその子会社SAO NAM AN TRADING SERVICE CORPORATIONほか2社が仕入・販売を行っており、一部の製品について当社との直接取引があります。電子部品関連 製造事業北川工業㈱及びその子会社(9社)が電磁波環境コンポーネント・精密エンジニアリングコンポーネント等の製造・販売を行っています。 (事業系統図)以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりです。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 配電盤、情報通信機器、電子部品の製造・販売には専門的な技術と品質管理体制が必要。 |
|---|---|
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:国内景気動向の影響 / 情報通信・電子部品分野の技術革新と在庫陳腐化 / 品質問題による社会的評価・企業イメージ低下
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
日東工業は、長年の実績と一部の顧客からの信頼はあるものの、特許やブランド力で明確な優位性を示す具体的な情報は少ない。一部の製品群で技術的な蓄積はあると考えられるが、それが競合に対する圧倒的な無形資産となっているかは疑問が残る。
スイッチングコスト★★☆☆☆
盤・筐体メーカーとして、顧客の設計仕様に合わせたカスタマイズが多いため、一度採用されると切り替えには一定の手間とコストが発生する可能性がある。しかし、競合他社も同様の対応が可能であり、顧客が乗り換えを強く躊躇するほどのロックイン効果は限定的と考えられる。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
日東工業の事業モデルは、直接的なネットワーク効果を生み出す性質のものではない。製品の利用者が増えることで、その製品自体の価値が向上するような構造は見られない。
コスト優位★★☆☆☆
製造業として、効率的な生産体制や仕入れルートの確立により、一定のコスト競争力は維持していると考えられる。しかし、汎用品市場では価格競争が激しく、構造的な圧倒的コスト優位を築いているとまでは言えない。
規模の経済★★★☆☆
盤・筐体業界において、日東工業は一定のシェアを持つ主要プレイヤーの一つである。特に国内市場においては、長年の実績と供給能力から、一定の規模の経済性を享受していると考えられる。しかし、グローバルな視点では、さらなる規模の拡大余地がある。
- 幅広い製品ラインナップ配電盤やキャビネットにおいて、標準品から顧客の要望に応じた特注品まで、幅広い製品を提供できる点が強みです。これにより、多様な顧客ニーズに対応し、様々な業界の設備投資需要を取り込むことが可能となり、市場での競争優位性を確立しています。
- 全国を網羅する販売網全国に広がる強固な販売ネットワークを有しており、顧客へのきめ細やかな対応と迅速な製品供給を実現しています。この販売網は、長年にわたる顧客との信頼関係の構築に貢献し、安定した顧客基盤を形成する上で重要な要素となっています。
- 高い技術力と生産体制最新の試験設備と評価技術に裏打ちされた高度な生産体制を保有しています。これにより、高品質な製品を安定的に供給できるだけでなく、顧客へのソリューション提案力も高めています。特にスマートファクトリーの導入など、生産効率化への投資も積極的に行っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 顧客価値創造と信頼関係お客様のニーズを深く理解し、満足度の高い製品やサービスを提供し続けることを経営の基本方針としています。これにより、顧客との長期的な信頼関係を築き、持続的な事業成長を目指しています。単なる製品提供に留まらず、ソリューション提案を通じて新たな価値を生み出すことを重視しています。
- 中長期的な成長と利益創出連結営業利益とROE(自己資本利益率)を重要な経営指標とし、株主価値の最大化を目指しています。目先の利益だけでなく、未来への投資を積極的に行い、中長期的な視点で持続的な成長と利益創出を図ることを経営目標としています。2026中期経営計画では、ROE9.0%以上を目標に掲げています。
- 社会課題解決への貢献グループミッションとして「地球の未来に『信頼と安心』を届ける」を掲げ、社会課題の解決を通じて企業価値向上を目指しています。再生可能エネルギー関連技術の開発やEV充電設備の提供、環境負荷低減への取り組みなど、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、経営理念を以下のとおり定め、お客様にご満足いただける新たな価値を提供していきます。① お客様にご満足いただける新たな価値を創造し続けます。日東工業グループは、お客様にとっての価値を理解し、満足いただける製品やサービスを提供していきます。われわれは価値創造を継続的に行うことにより、お客様との信頼関係を築き、強化していくことを大切にします。② 人間尊重の精神に基づいた企業活動を進めます。従業員一人ひとりの個性を尊重し、能力を生かし、育てることにより、新しい価値を創造する組織への更なる進化を図ります。公正公平な人事評価と適材適所の人材配置により、従業員が職務を通じて自己実現を果せる会社であることを誓います。③ 高い倫理観、道徳観に根ざしたコンプライアンス経営を実践します。日東工業グループは、社会規範に則った公明正大な経営を常に行います。誠実な行動と日々のたゆまぬ努力の積み重ねによって、安全・安心な、より高い品質の製品・サービスを提供します。④ 美しい地球を次世代へつなぐことに貢献します。電気と情報を主な事業領域とする日東工業グループは、企業市民として環境保護に努めていきます。また同時に、再生可能エネルギーの活用を促進する技術等を通じ、持続可能性を高めることに貢献する価値を創造します。⑤ 株主価値を高める経営を常に行います。過去の成功を守ることや目先の利益を追うことを優先し、未来への投資を後回しにするようなことはしません。株主価値を最大化する中長期的な成長と持続的な利益の創出を経営目標として、変わらず良い会社であり続けるために改善・改革を日々積み重ねます。 (2) 当社グループの経営環境当社グループは、コア事業である配・分電盤やキャビネット等において、標準品から特注品まで幅広く対応できる製品ラインアップを有しています。また、全国を網羅する強固な販売網と、最新の試験設備・評価技術に裏打ちされた高度な生産体制を強みとしています。これらを活かしたソリューション提案力と高品質により、確固たる顧客基盤と、市場における優位な地位を構築しています。 ① 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社グループは、企業価値の持続的な向上を図るため、“本業で稼ぐ力”を示す「連結営業利益」と資本効率を測る「ROE(自己資本利益率)」を最重要の客観的な指標(KPI)として設定しています。「2026中期経営計画」の遂行による収益を伴う着実な事業成長は、有利子負債の活用により財務レバレッジを高め、ROE目標を9.0%以上と掲げることで株主資本コストを上回る資本収益性を確保していきます。 <経営指標推移> 2025年3月期実績2026年3月期実績2027年3月期見通し2026中期経営計画目標連結売上高1,846億円1,957億円2,100億円2,000億円連結営業利益134億円154億円167億円150億円RОE10.8%9.6%―9.0%以上 「2026中期経営計画」の2年目である当連結会計年度は、企業の底堅い設備投資需要や規格変更前の駆け込み需要による高圧受電設備の売上増加、データセンター建設の加速によるIT投資意欲の高まりを背景とした関連部材の売上増加、ならびに価格改定効果等により、連結売上高、連結営業利益、ROEは想定を上回る結果となりました。なお、2027年3月期については、引き続き「2026中期経営計画」の各事業戦略や各施策の実行により、当連結会計年度の実績および2026中期経営計画目標を上回るよう邁進してまいります。 ② 中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題当社グループの基本戦略は、グループミッションである「地球の未来に『信頼と安心』を届ける」のもと、「誠実に問題解決にとりくみ 新たな価値創造に挑戦しつづける」をビジョンとし、お客様の困りごとや社会の問題を解決し続けることで、美しい地球を次世代につなぐために事業を展開していくことです。長期経営構想のもと「2026中期経営計画」を推進し、社会課題を解決することで社会的価値と経済的価値の両立により企業価値の向上に取り組んでいます。 <長期成長ストーリー> <2026中期経営計画>基本方針 「2026中期経営計画」の取り組みは以下のとおりです。 (イ) 電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業 (a) コア事業の基盤強化当社グループの中核である配電盤、キャビネット、情報通信関連事業といったコア事業の競争力強化に注力します。2025年度は、企業における底堅い設備投資需要や規格変更前の駆け込み需要を確実に取り込み、高圧受電設備の受注を拡大させました。また、DXを駆使したスマートファクトリーである瀬戸工場が本格稼働し、「スマートオーダー」システムを活用した自立キャビネット等のさらなる普及、進展を積極的に図りました。また、次世代AIインフラを支える最新仕様のOCP ORV3に準拠したシステムラックを開発し、効率的なデータセンター構築に貢献する取り組みを進めました。今後も、生産自動化等の効率化や、テンパール工業㈱をはじめとするグループ会社間の「設計・開発・生産」における連携を強化し、事業体制の拡大と強靭化を推進します。また、旺盛なデータセンター需要に対応するため、栃木野木工場第2工場建設によって生産能力を増強し、システムラックをはじめとした情報通信関連製品の生産体制の再編を図ります。 (b) 戦略事業の推進グローバル化、事業・技術領域の拡大を推進する戦略事業は、成長が期待できる市場への積極参入により規模を拡大し、将来の事業の柱を築くことを目指します。2025年度は、グローバル化の推進において、アライアンス先との共同セミナーの開催やスペックイン活動の強化を行いました。事業・技術領域の拡大においては、国内充電インフラの充実およびエネルギーマネジメント技術を活用したカーボンニュートラルの実現に向けて、EV・PHEV用充電設備の中速充電器「Pit-QC シリーズ」の発売を開始しました。また、施設園芸に使用する電気設備において実証実験を開始し、施設内の環境制御や自動化などの効率的なエネルギーマネジメントを実現し、社会課題の解決に貢献していきます。今後も、海外拠点の経営基盤およびマーケティング機能の強化、環境関連製品事業の基盤構築、社会課題を見据えた新たなビジネスの創出を図ります。 (ロ) 電気・情報インフラ関連 流通事業電気・情報インフラ関連 流通事業では、ソリューション事業の強化およびサプライチェーンマネジメントの進化により市場およびサービスの領域を広げることで、事業規模の拡大を目指します。2025年度は、加速するデータセンター建設など、企業におけるIT投資意欲の高まりに伴う情報通信インフラ市場の成長をとらえるため、ソリューション提案の強化と拡大を図りました。また、サプライチェーンの進化に向けたデータベースの整備を実施しました。今後も、ソリューション事業の強化では、提案商材・ターゲット商材の拡充、ビジネス領域の拡張、海外販売拠点でのソリューションビジネス拡大を進めます。また、サプライチェーンマネジメントの進化では、取引先との販売プロセスのデジタル化推進、仕入先との連携強化を図ります。 (ハ) 電子部品関連 製造事業電子部品関連 製造事業では、海外ビジネスの拡大およびソリューションの強化により、グローバルに稼ぐ力を高め、まずは規模の拡大を図り、長期的に収益性を高めることを目指します。2025年度は、国内自動車市場における案件獲得やエアコン関連市場の需要持ち直しに対応し、事業や収益の拡大に取り組みました。また、積極的に海外顧客向けのセミナーを開催しました。今後も、海外ビジネス拡大に向けては、日系メーカー海外現地法人との関係深化、非日系メーカーの開拓、EMC対策支援体制の構築を図ります。また、ソリューションの強化に向けては、高度化が進む電動・電子化に対応したコア技術の深耕、成長市場への部材供給範囲の拡大、コア技術を活かした新機能部材の開発を図ります。 (ニ) グループ経営基盤「2026中期経営計画」の最終年度に向け、「挑戦」と「変革」を素早く繰り返すことで企業として進化し、環境貢献を通じて企業価値を高めていくため、以下の取り組みを進めていきます。 (a) 人的資本次代を見据え人的資本の極大化を図っていくことで、グループの持続的・永続的発展につなげます。また、自ら課題を抽出し、改善案を考え、実行に移せる自律的な人財の育成を目指します。2025年度は、自立的なキャリア形成の支援やグループ会社間の人財交流を進め、キータレントの育成・獲得を行うことで経営人財・技術人財・グローバル人財・DX人財などの人財育成に取り組みました。また、人財の多様化、エンゲージメント向上の取り組みを通じて、グループ社員として誇りと働きがいを感じながらいきいきと働き続けられる組織風土作りにも取り組んでいます。 (b) DXデジタル技術を最大限活用できるようになることで、ビジネスプロセスの変革やイノベーションの推進へとつなげ、短時間で高い成果を上げる働き方を目指します。2025年度は、データドリブン経営に向け、データ活用基盤の構築を行いました。今後も、柔軟性と拡張性を備えた安全安心なICTインフラ構築を目指し、当社グループのICTインフラ基盤を盤石なものとします。また、DXの教育体制を通じてDX人財の確保と育成、デジタル技術の利活用を促進していきます。 (c) 研究開発未来社会を想見しグループの技術価値を高めることで、持続可能な社会の実現に対する貢献度を高めます。2025年度は、必要とされる技術的知見やノウハウの取得をリスキリングによって内部創出するとともに、外部の企業・団体・大学と技術・知識の融合を積極的に図りました。また、海外事業における知的財産権の確保、知的資本活用を最大化するための当社グループ間の交流を行いました。今後も、「カーボンニュートラルの実現」「社会インフラの進化」「自動化・省人化の進展」をテーマに、新たな技術の獲得と研究開発基盤の強化を重点施策に掲げ、グループ全体の付加価値創出力の向上を目指します。 当社グループはこうした施策により、地球の未来に「信頼と安心」を届ける企業グループとして、より多くのお客様のニーズにお応えし、企業価値の向上に努めていきます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、経営理念を以下のとおり定め、お客様にご満足いただける新たな価値を提供していきます。① お客様にご満足いただける新たな価値を創造し続けます。日東工業グループは、お客様にとっての価値を理解し、満足いただける製品やサービスを提供していきます。われわれは価値創造を継続的に行うことにより、お客様との信頼関係を築き、強化していくことを大切にします。② 人間尊重の精神に基づいた企業活動を進めます。従業員一人ひとりの個性を尊重し、能力を生かし、育てることにより、新しい価値を創造する組織への更なる進化を図ります。公正公平な人事評価と適材適所の人材配置により、従業員が職務を通じて自己実現を果せる会社であることを誓います。③ 高い倫理観、道徳観に根ざしたコンプライアンス経営を実践します。日東工業グループは、社会規範に則った公明正大な経営を常に行います。誠実な行動と日々のたゆまぬ努力の積み重ねによって、安全・安心な、より高い品質の製品・サービスを提供します。④ 美しい地球を次世代へつなぐことに貢献します。電気と情報を主な事業領域とする日東工業グループは、企業市民として環境保護に努めていきます。また同時に、再生可能エネルギーの活用を促進する技術等を通じ、持続可能性を高めることに貢献する価値を創造します。⑤ 株主価値を高める経営を常に行います。過去の成功を守ることや目先の利益を追うことを優先し、未来への投資を後回しにするようなことはしません。株主価値を最大化する中長期的な成長と持続的な利益の創出を経営目標として、変わらず良い会社であり続けるために改善・改革を日々積み重ねます。 (2) 当社グループの経営環境当社グループは、コア事業である配・分電盤やキャビネット等において、標準品から特注品まで幅広く対応できる製品ラインアップを有しています。また、全国を網羅する強固な販売網と、最新の試験設備・評価技術に裏打ちされた高度な生産体制を強みとしています。これらを活かしたソリューション提案力と高品質により、確固たる顧客基盤と、市場における優位な地位を構築しています。 ① 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社グループは、企業価値の持続的な向上を図るため、“本業で稼ぐ力”を示す「連結営業利益」と資本効率を測る「ROE(自己資本利益率)」を最重要の客観的な指標(KPI)として設定しています。「2026中期経営計画」の遂行による収益を伴う着実な事業成長は、有利子負債の活用により財務レバレッジを高め、ROE目標を9.0%以上と掲げることで株主資本コストを上回る資本収益性を確保していきます。 <経営指標推移> 2025年3月期実績2026年3月期実績2027年3月期見通し2026中期経営計画目標連結売上高1,846億円1,957億円2,100億円2,000億円連結営業利益134億円154億円167億円150億円RОE10.8%9.6%―9.0%以上 「2026中期経営計画」の2年目である当連結会計年度は、企業の底堅い設備投資需要や規格変更前の駆け込み需要による高圧受電設備の売上増加、データセンター建設の加速によるIT投資意欲の高まりを背景とした関連部材の売上増加、ならびに価格改定効果等により、連結売上高、連結営業利益、ROEは想定を上回る結果となりました。なお、2027年3月期については、引き続き「2026中期経営計画」の各事業戦略や各施策の実行により、当連結会計年度の実績および2026中期経営計画目標を上回るよう邁進してまいります。 ② 中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題当社グループの基本戦略は、グループミッションである「地球の未来に『信頼と安心』を届ける」のもと、「誠実に問題解決にとりくみ 新たな価値創造に挑戦しつづける」をビジョンとし、お客様の困りごとや社会の問題を解決し続けることで、美しい地球を次世代につなぐために事業を展開していくことです。長期経営構想のもと「2026中期経営計画」を推進し、社会課題を解決することで社会的価値と経済的価値の両立により企業価値の向上に取り組んでいます。 <長期成長ストーリー> <2026中期経営計画>基本方針 「2026中期経営計画」の取り組みは以下のとおりです。 (イ) 電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業 (a) コア事業の基盤強化当社グループの中核である配電盤、キャビネット、情報通信関連事業といったコア事業の競争力強化に注力します。2025年度は、企業における底堅い設備投資需要や規格変更前の駆け込み需要を確実に取り込み、高圧受電設備の受注を拡大させました。また、DXを駆使したスマートファクトリーである瀬戸工場が本格稼働し、「スマートオーダー」システムを活用した自立キャビネット等のさらなる普及、進展を積極的に図りました。また、次世代AIインフラを支える最新仕様のOCP ORV3に準拠したシステムラックを開発し、効率的なデータセンター構築に貢献する取り組みを進めました。今後も、生産自動化等の効率化や、テンパール工業㈱をはじめとするグループ会社間の「設計・開発・生産」における連携を強化し、事業体制の拡大と強靭化を推進します。また、旺盛なデータセンター需要に対応するため、栃木野木工場第2工場建設によって生産能力を増強し、システムラックをはじめとした情報通信関連製品の生産体制の再編を図ります。 (b) 戦略事業の推進グローバル化、事業・技術領域の拡大を推進する戦略事業は、成長が期待できる市場への積極参入により規模を拡大し、将来の事業の柱を築くことを目指します。2025年度は、グローバル化の推進において、アライアンス先との共同セミナーの開催やスペックイン活動の強化を行いました。事業・技術領域の拡大においては、国内充電インフラの充実およびエネルギーマネジメント技術を活用したカーボンニュートラルの実現に向けて、EV・PHEV用充電設備の中速充電器「Pit-QC シリーズ」の発売を開始しました。また、施設園芸に使用する電気設備において実証実験を開始し、施設内の環境制御や自動化などの効率的なエネルギーマネジメントを実現し、社会課題の解決に貢献していきます。今後も、海外拠点の経営基盤およびマーケティング機能の強化、環境関連製品事業の基盤構築、社会課題を見据えた新たなビジネスの創出を図ります。 (ロ) 電気・情報インフラ関連 流通事業電気・情報インフラ関連 流通事業では、ソリューション事業の強化およびサプライチェーンマネジメントの進化により市場およびサービスの領域を広げることで、事業規模の拡大を目指します。2025年度は、加速するデータセンター建設など、企業におけるIT投資意欲の高まりに伴う情報通信インフラ市場の成長をとらえるため、ソリューション提案の強化と拡大を図りました。また、サプライチェーンの進化に向けたデータベースの整備を実施しました。今後も、ソリューション事業の強化では、提案商材・ターゲット商材の拡充、ビジネス領域の拡張、海外販売拠点でのソリューションビジネス拡大を進めます。また、サプライチェーンマネジメントの進化では、取引先との販売プロセスのデジタル化推進、仕入先との連携強化を図ります。 (ハ) 電子部品関連 製造事業電子部品関連 製造事業では、海外ビジネスの拡大およびソリューションの強化により、グローバルに稼ぐ力を高め、まずは規模の拡大を図り、長期的に収益性を高めることを目指します。2025年度は、国内自動車市場における案件獲得やエアコン関連市場の需要持ち直しに対応し、事業や収益の拡大に取り組みました。また、積極的に海外顧客向けのセミナーを開催しました。今後も、海外ビジネス拡大に向けては、日系メーカー海外現地法人との関係深化、非日系メーカーの開拓、EMC対策支援体制の構築を図ります。また、ソリューションの強化に向けては、高度化が進む電動・電子化に対応したコア技術の深耕、成長市場への部材供給範囲の拡大、コア技術を活かした新機能部材の開発を図ります。 (ニ) グループ経営基盤「2026中期経営計画」の最終年度に向け、「挑戦」と「変革」を素早く繰り返すことで企業として進化し、環境貢献を通じて企業価値を高めていくため、以下の取り組みを進めていきます。 (a) 人的資本次代を見据え人的資本の極大化を図っていくことで、グループの持続的・永続的発展につなげます。また、自ら課題を抽出し、改善案を考え、実行に移せる自律的な人財の育成を目指します。2025年度は、自立的なキャリア形成の支援やグループ会社間の人財交流を進め、キータレントの育成・獲得を行うことで経営人財・技術人財・グローバル人財・DX人財などの人財育成に取り組みました。また、人財の多様化、エンゲージメント向上の取り組みを通じて、グループ社員として誇りと働きがいを感じながらいきいきと働き続けられる組織風土作りにも取り組んでいます。 (b) DXデジタル技術を最大限活用できるようになることで、ビジネスプロセスの変革やイノベーションの推進へとつなげ、短時間で高い成果を上げる働き方を目指します。2025年度は、データドリブン経営に向け、データ活用基盤の構築を行いました。今後も、柔軟性と拡張性を備えた安全安心なICTインフラ構築を目指し、当社グループのICTインフラ基盤を盤石なものとします。また、DXの教育体制を通じてDX人財の確保と育成、デジタル技術の利活用を促進していきます。 (c) 研究開発未来社会を想見しグループの技術価値を高めることで、持続可能な社会の実現に対する貢献度を高めます。2025年度は、必要とされる技術的知見やノウハウの取得をリスキリングによって内部創出するとともに、外部の企業・団体・大学と技術・知識の融合を積極的に図りました。また、海外事業における知的財産権の確保、知的資本活用を最大化するための当社グループ間の交流を行いました。今後も、「カーボンニュートラルの実現」「社会インフラの進化」「自動化・省人化の進展」をテーマに、新たな技術の獲得と研究開発基盤の強化を重点施策に掲げ、グループ全体の付加価値創出力の向上を目指します。 当社グループはこうした施策により、地球の未来に「信頼と安心」を届ける企業グループとして、より多くのお客様のニーズにお応えし、企業価値の向上に努めていきます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により緩やかに回復しているものの、緊迫化する中東情勢の影響や金融資本市場の変動の影響、米国通商政策をめぐる動向などに引き続き注意が必要な状況にあります。当業界におきましては、設備投資や機械受注には持ち直しの動きがみられる一方、新設住宅着工戸数や民間非居住建築物棟数は弱含んでいます。また、工事現場の人手不足の恒常化や一部部材の規格変更に伴う需給混乱に加え、中東情勢の緊迫化が資材調達に影響をみせ始めるなど、先行きが不透明な事業環境となりました。このような情勢下にあって当社グループは、前期にスタートした「2026中期経営計画」に基づき、事業拡大への挑戦、積極的な成長投資、盤石な事業・経営基盤の構築を推し進めるべく、各種施策に取り組みました。当連結会計年度においては、企業における底堅い設備投資需要により、電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業の売上が増加しました。また、企業におけるIT投資意欲の高まりを背景に電気・情報インフラ関連 流通事業の売上が増加したほか、国内自動車市場における案件獲得により、電子部品関連 製造事業の売上が増加しました。以上の結果、売上高は195,783百万円と前年同期比6.0%の増収、営業利益は15,446百万円と同15.0%の増益、経常利益は16,260百万円と同20.3%の増益となりました。一方、前期計上した子会社株式の取得に伴う特別利益が剥落したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は11,493百万円と同5.0%の減益となりました。 セグメント別の経営成績は次のとおりです。 (電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業)(イ) 配電盤部門配電盤部門につきましては、企業における底堅い設備投資需要や規格変更前の駆け込み需要により高圧受電設備の売上が増加した結果、売上高は72,981百万円と同6.3%の増収となりました。 (ロ) キャビネット部門キャビネット部門につきましては、前期に計上した案件の剥落があった一方、価格改定効果により売上が増加した結果、売上高は24,009百万円と同2.9%の増収となりました。 (ハ) 遮断器・開閉器・パーツ・その他部門遮断器・開閉器・パーツ・その他部門につきましては、価格改定効果により売上が増加した結果、売上高は17,607百万円と同4.2%の増収となりました。 (ニ) 工事・サービス部門工事・サービス部門につきましては、再生可能エネルギー導入工事案件が増加したものの、前期に計上したネットワーク工事関係の大型案件の剥落により、売上高は5,278百万円と同0.5%の減収となりました。 以上の結果、電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業の売上高は119,877百万円と同4.9%の増収、セグメント利益(営業利益)は11,306百万円と同10.3%の増益となりました。 (電気・情報インフラ関連 流通事業)電気・情報インフラ関連 流通事業につきましては、加速するデータセンター建設等企業におけるIT投資意欲の高まりに伴い関連部材の売上が増加した結果、売上高は59,956百万円と同7.0%の増収、セグメント利益(営業利益)は2,628百万円と同25.8%の増益となりました。 (電子部品関連 製造事業)電子部品関連 製造事業につきましては、国内自動車市場における案件獲得のほかエアコン関連市場の需要が堅調に推移した結果、売上高は15,949百万円と同10.7%の増収、セグメント利益(営業利益)は1,379百万円と同43.8%の増益となりました。 当期の財政状態の概況は、次のとおりです。 (資産)流動資産は、前連結会計年度末に比べて1.4%減少し、105,390百万円となりました。これは現金及び預金の増加1,347百万円などの一方で、売上債権の減少562百万円や棚卸資産の減少2,418百万円などによるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べて3.7%増加し、79,908百万円となりました。これは建物及び構築物の減少1,121百万円などの一方で、投資有価証券の増加1,947百万円や退職給付に係る資産の増加2,076百万円などによるものです。この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて0.8%増加し、185,299百万円となりました。(負債)流動負債は、前連結会計年度末に比べて11.7%減少し、35,249百万円となりました。これは仕入債務の減少1,372百万円、建物解体費用引当金の取崩及び資産除去債務の減少1,226百万円などによるものです。固定負債は、前連結会計年度末に比べて9.7%減少し、24,811百万円となりました。これは長期借入金の減少4,010百万円などによるものです。この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて10.9%減少し、60,060百万円となりました。(純資産)純資産合計は、剰余金の配当6,009百万円などによる減少がある一方、親会社株主に帰属する当期純利益の計上11,493百万円やその他の包括利益累計額の増加3,102百万円などにより、前連結会計年度末に比べて7.5%増加し、125,238百万円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,284百万円増加の34,417百万円となりました。なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは18,347百万円(前連結会計年度18,637百万円)となりました。これは、税金等調整前当期純利益15,532百万円の計上に対し、法人税等の支払額4,181百万円などによる資金の減少があった一方で、減価償却費の計上6,423百万円や棚卸資産の減少額2,600百万円などによる資金の増加があったことによるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは△7,190百万円(前連結会計年度△12,450百万円)となりました。これは、固定資産の取得による支出5,757百万円や資産除去債務の履行による支出588百万円などによる資金の減少があったことによるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは△10,374百万円(前連結会計年度974百万円)となりました。これは、配当金の支払額6,021百万円、長期借入金の返済による支出4,022百万円などによる資金の減少があったことによるものです。 ③ 生産、受注及び販売の実績当社グループは「電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業」「電気・情報インフラ関連 流通事業」「電子部品関連 製造事業」の事業活動を展開しています。当連結会計年度の「生産、受注及び販売の実績」をセグメント別に示すと以下のとおりです。なお、「電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業」については部門別の実績を記載していますが、「工事・サービス」部門については、生産実績及び商品仕入実績を定義することが困難であるため記載していません。 (イ) 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。 セグメント別当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)対前期 増減率(%)電気・情報インフラ関連製造・工事・サービス事業配電盤76,2096.3キャビネット27,1891.1遮断器・開閉器・パーツ・その他16,4610.7小計119,8614.3電子部品関連 製造事業10,3033.3合計130,1644.2 (注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。 (ロ) 商品仕入実績当連結会計年度の商品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。 セグメント別当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)対前期 増減率(%)電気・情報インフラ関連 流通事業52,2465.8 (注) 金額は仕入価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。 (ハ) 受注実績当社グループは製品の性質上、原則として需要予測による見込生産方式をとっているため、記載を省略しています。 (ニ) 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。 セグメント別当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)対前期 増減率(%)電気・情報インフラ関連製造・工事・サービス事業配電盤72,9816.3キャビネット24,0092.9遮断器・開閉器パーツ・その他17,6074.2工事・サービス5,278△0.5小計119,8774.9電気・情報インフラ関連 流通事業59,9567.0電子部品関連 製造事業15,94910.7合計195,7836.0 (注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しています。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(イ) 財政状態当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて0.8%増加し、185,299百万円となりました。これは、主に当社の銀行借入返済による負債の減少の一方で、当期純利益の計上などに伴う純資産の増加などによるものです。 (ロ) 経営成績(売上高)当連結会計年度においては、企業における底堅い設備投資需要により、電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業の売上が増加しました。また、企業におけるIT投資意欲の高まりを背景に電気・情報インフラ関連流通事業の売上が増加したほか、国内自動車市場における案件獲得により、電子部品関連 製造事業の売上が増加しました。以上の結果、売上高は195,783百万円と前期比6.0%の増収となりました。セグメント別の売上高及び営業利益は以下のとおりです。 (単位:百万円) セグメント別2025年3月期2026年3月期実績実績対前期 増減率(%)売上高 電気・情報インフラ関連製造・工事・サービス事業114,230119,8774.9電気・情報インフラ関連流通事業56,04659,9567.0電子部品関連 製造事業14,40615,94910.7合計184,683195,7836.0営業利益電気・情報インフラ関連製造・工事・サービス事業10,25311,30610.3電気・情報インフラ関連流通事業2,0892,62825.8電子部品関連 製造事業9591,37943.8セグメント間取引消去131132―合計13,43215,44615.0 (注) 1 売上高におけるセグメント間の取引については相殺消去しています。 2 営業利益の各セグメントの金額は、セグメント間の内部振替前の数値によっています。 3 セグメント別業績についての分析は「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。 (営業利益)営業利益は15,446百万円と前期比15.0%の増益となりました。主に、価格改定や案件価格効果によるものです。(経常利益)経常利益は16,260百万円と前期比20.3%の増益となりました。主に、減価償却費が減少したことに加え、営業利益が増加したことによるものです。(税金等調整前当期純利益)税金等調整前当期純利益は15,532百万円と前期比1.3%の減益となりました。主に、前期計上した子会社株式の取得に伴う特別利益が剥落したことによるものです。なお、連結子会社であるEMソリューションズにおけるのれんの減損損失224百万円を計上しています。(親会社株主に帰属する当期純利益)親会社株主に帰属する当期純利益は11,493百万円と前期比5.0%の減益となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の318円91銭から302円97銭に減少しました。 2025年3月期から2027年3月期の3年間を対象とする「2026中期経営計画」の実績と計画は以下のとおりです。(単位:億円) 2026中期経営計画 2025年3月期(初年度)(注)12026年3月期(中間年度)(注)22027年3月期(最終年度)(注)3 計画実績計画実績計画連結売上高1,8001,8461,9201,9572,000連結営業利益125134136154150連結ROE―10.8%―9.6%9.0%以上 (注) 1 計画については2024年5月15日、実績については2025年5月15日に公表したものです。 2 計画については2025年5月15日、実績については2026年5月15日に公表したものです。 3 2024年5月15日に公表したものです。 当社グループは長期経営構想を踏まえ2026年度を最終年度とする中期経営計画「2026中期経営計画」を策定し、最終年度である2026年度の財務目標を連結売上高2,000億円、連結営業利益150億円、連結ROE9.0%以上としました。企業価値の持続的な向上を図るため、“本業で稼ぐ力”を示す「連結営業利益」と資本効率を測る「ROE(自己資本利益率)」を最重要の客観的な指標(KPI)として設定しています。「2026中期経営計画」の遂行による収益を伴う着実な事業成長は、有利子負債の活用により財務レバレッジを高め、ROE目標を9.0%以上と掲げることで株主資本コストを上回る資本収益性を確保していきます。「2026中期経営計画」は、前中期経営計画で築き上げた足場[基盤]を使い事業進化を加速させる3年間とし、コア事業の更なる強靭化ならびに成長事業への果敢な挑戦を通じ、過去最高の売上高・営業利益の達成を目指します。また、資金を積極的に成長投資へと振り向け収益力強化を目指すとともに、自己資本をコントロールしROEの持続的向上を実現させていきます。「2026中期経営計画」の中間年度である2026年3月期の実績につきましては、企業の底堅い設備投資需要や規格変更前の駆け込み需要による高圧受電設備の売上増加、データセンター建設の加速によるIT投資意欲の高まりを背景とした関連部材の売上増加、ならびに価格改定効果等により、連結売上高、連結営業利益、ROEは想定を上回る結果となりました。「2026中期経営計画」の最終年度となる2027年3月期の計画につきましても、各種部材コスト等の大幅な増加が見込まれるほか、工事現場における人手不足の恒常化の影響なども懸念されますが、各事業戦略の推進や前連結会計年度実施した価格改定の効果や規格変更に伴う高圧受電設備の売上増加等により、連結売上高210,000百万円(前期比7.3%の増収)、営業利益16,700百万円(同8.1%の増益)、経常利益17,000百万円(同4.5%の増益)、親会社株主に帰属する当期純利益11,600百万円(同0.9%増益)を見込んでおり、当連結会計年度の実績および2026中期経営計画目標を上回るよう邁進してまいります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが18,347百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△7,190百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△10,374百万円となりました。当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末の33,132百万円から1,284百万円増加し、34,417百万円となりました。当社グループの資金需要のうち主なものは、部材購入費、人件費及び新製品並びに合理化・省力化用の設備投資にかかるものです。また、市場優位性確保のための研究開発投資についても積極的に行っています。当社グループの運転資金及び設備資金については、主に自己資金及び銀行借入を充当しています。当連結会計年度においては、生産設備の取得・更新のほか、脱炭素社会の実現に向けた設備投資などの支出があり、キャッシュ・フローが減少する主な要因となっていますが、投資活動による支出は、営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内に収まっています。今後の運転資金、設備資金及び研究開発投資資金については、グループ各社における成長投資、配当原資などの資金需要が見込まれており、必要に応じて最適な資金調達方法を検討しています。また、世界情勢を取り巻く貿易摩擦リスクや円安の進行などの影響による物価高や金利の上昇、人材獲得競争の激化や、物流費用および各種部材コスト等の増加が見込まれるため、想定以上に事態が悪化した場合に備え、グループ資金の効率化の推進や新たな資金調達方法の検討など、資金の流動性を確保するための取り組みを進めています。当連結会計年度における借入金残高は24,000百万円となっていますが、本借入金額は当社グループの資産額を鑑みるに十分返済可能な額であると考えています。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、棚卸資産、有価証券、有形・無形固定資産、各引当金等の計上に関しては、一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠した当社グループ会計方針及び見積り基準に基づき計上しています。上記の会計上の見積りは、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示及び報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いており、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
事業リスク
- 景気変動と技術革新国内の景気動向、特に民間非居住建築物の棟数や機械受注の変動が製品需要に大きく影響します。また、情報通信や電子部品分野では技術革新が速く、保有在庫の陳腐化リスクがあります。国際情勢の悪化も事業環境に間接的な影響を及ぼす可能性があります。
- 品質問題と情報セキュリティ製品の品質が顧客要求や法規制を満たさない場合、費用発生や社会的信用の低下につながるリスクがあります。また、サイバー攻撃やシステム障害、機密情報・個人情報の漏えいが発生した場合、事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
- サプライチェーンと人財確保原材料や部品の価格高騰、調達困難、物流の停滞は、製品製造や販売に影響を与え、業績悪化につながる可能性があります。また、事業に必要な優秀な人財の確保や育成が困難になった場合、持続的な成長が阻害されるリスクがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループは、「内部統制委員会」を設置し、取締役社長の下にリスク管理体制を構築しています。平時においては、各委員会および各本部において「経営リスク管理規程」に従いリスクの軽減等に取り組むとともに、有事においては「緊急時対応要領」に基づき対応する体制を整備し、リスク管理体制の推進を図っています。また主要な各グループ会社からもリスク管理活動に係る報告を受けています。 当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクは以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)時点において当社グループが判断したものです。当社グループは、これらのリスクを認識したうえで、発生の回避および発生したときの対応に万全を尽くす所存です。 (1) 事業活動に係るリスクリスクリスクの内容リスクに対する対応策事業環境当社グループの製品需要は、国内の民間非居住建築物棟数や機械受注に関連するものが多く、最終的には国内の景気動向の影響を大きく受けます。また、情報通信分野および電子部品分野の製品は、技術革新が早いことから保有在庫の陳腐化等のリスクがあります。さらに、国際的な政治や経済情勢、市況の動向に起因する間接的な事業環境等の悪化についても当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。・当社グループの事業環境では、当該リスクが顕在化する可能性は常にあると認識しています。コア事業の基盤をより一層高めるとともに、事業領域の拡大、東南アジアを中心とした海外事業基盤の確立や新規ビジネスの確立などの諸施策を推し進めています。品質当社グループは、適切に管理された製造工程のもとで製品を製造しています。万が一、当社グループの製品が顧客要求事項、法規制等の要求事項を満たさない事態が発生した場合、費用の支払いや社会的信用の低下等により、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。・製品の品質を確実なものとするため、設計品質の更なる向上、生産工程の管理ならびに検査体制の拡充を図っています。・品質方針および品質管理に関する教育体制を整備しています。情報システム、情報セキュリティ当社グループは、事業活動において情報システムを利用しており、取引先や役職員等に関する機密情報および個人情報等を保有、管理しています。サイバー攻撃、マルウェア等による情報システム障害、内外的要因による情報システムの長期間停止、機密情報および個人情報の漏えい等が発生した場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。・高度化する脅威から情報システムおよび機密情報等を保護するため、各種セキュリティ対策を講じています。・役職員に対し、サイバー攻撃等に対する注意喚起を行いつつ情報管理および情報システムの利用に関する教育、訓練を定期的に実施しています。労働環境人員の継続的な不足や労働環境を起因とする労働災害、労務コンプライアンス問題等が発生した場合、社会的評価の低下、損害賠償の発生、役職員のモラル低下等により、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。・グループで「働きがい改革」を掲げ、エンゲージメント向上に向けた諸施策を実施しています。・労働災害および健康障害の未然防止に向け、安全衛生管理や職場環境の改善等に取り組んでいます。・相談窓口を設置し、問題の早期発見および是正を行うための体制を整備しています。サプライチェーン当社グループは、鋼材、ステンレス材、樹脂材、伸銅材等の原材料ならびに購入機器等を使用した製品の製造や情報通信機器等の仕入、販売をしています。国際的な政治や経済情勢、市況の動向により、原材料、部材ならびに製品等の調達において価格の高騰や確保が困難となった場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。・海外調達を含め購買先の分散、機動的な在庫確保や使用部材の仕様変更等の施策を進めています。・市況動向の継続的なモニタリングと、調達先との連携強化を通じた安定調達に努めています。・当社グループとして購買力を高めることを目的としてグループ間の調達連携を推進しています。・環境に配慮した調達、「日東工業グループ人権方針」などを考慮しつつ、持続可能なサプライチェーンの構築に努めています。・物流では、配送の効率化等の諸施策を進めています。 (2) 経営戦略や中長期に顕在化する可能性のあるリスクリスクリスクの内容リスクに対する対応策人財確保、人財育成当社グループの持続的な成長には、優秀な人財の確保や人財の育成が必要不可欠です。事業展開に必要な人財の確保が困難となった場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。・自律的なキャリア形成を支援する教育・研修体制の充実を図っています。・人財の多様化、エンゲージメント向上の取り組み、働きやすい職場環境の整備や魅力ある処遇の実現等を推進しています。デジタル技術の進化デジタル革命の流れは、迅速な経営判断やビジネスの競争力等へ、より一層の影響を及ぼすものと認識しています。これらへの対応が遅れ、現在の競争優位の維持が困難となった場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。・デジタル技術の活用を推進し、優位性のある販売システムや製造における生産効率化の推進等により事業の競争優位性の維持に努めています。・強固なICTインフラ基盤の構築を通じてグループ経営基盤の強化を進めていきます。・AIの活用に伴いそのリスクを未然に防ぐことを目的に全社安全基準を設け、またAI活用の推進・教育・監視を図るための機構改革を進めています。事業ポートフォリオ当社グループは、電気・情報関連において製造・工事・サービス事業と流通事業、電子部品関連において製造事業の3セグメントがあり、それぞれのセグメントで個別に事業戦略を推進しています。それぞれのセグメントにおける事業の低迷は、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。・各セグメントおよび個別の事業戦略を事業ポートフォリオとして業績をモニタリング・分析し、適切なリソースの配分を通じて各セグメントの事業の成長戦略を推進しています。・各セグメントのコア事業戦略の他に海外事業や事業・技術領域拡大戦略を推進し、投資を通して新たな成長の柱を育成しています。海外事業展開当社グループは、東南アジアを中心に海外事業を展開しています。展開先における事業の低迷ならびに国際的な政治や経済情勢、戦争、テロ、大規模自然災害等の発生により、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。・海外事業におけるグループ間での連携、マーケティング機能の強化を推進しています。・グループガバナンス体制を強化し、海外拠点における経営基盤の一層の強化を図るための取り組みを推進しています。知的財産当社グループは、知的財産権を保有し活用しています。万が一、これらが十分に保護されない場合や、他者との間で知的財産権侵害の問題が発生した場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。・他者の知的財産権の侵害を回避することは国内外の事業活動において不可欠と認識しており、管理体制を整備し、知的財産権に関する調査等によりリスクの低減に努めています。・事業の一層の推進を図るため、事業領域に係る知的財産権に関する分析を強化しています。環境問題当社グループは、環境への取り組みとして事業活動におけるエネルギー使用の合理化や製品に含有する有害な化学物質の規制に伴う対応、再生可能エネルギーへの切り替え等を推進しています。こうした環境、特に気候変動リスクの取り組みへの評価等は、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。・「サステナビリティ委員会」を設置し、気候変動に関するリスクと機会のモニタリングを行い、課題に対する戦略を策定して取り組みを推進しています。・グループとしてGHG排出量削減目標を掲げ、サプライチェーン全体で削減の取り組みを推進しています。・製造工程における廃棄物削減、環境にやさしい製品開発等の取り組みを推進しています。 (3) その他リスクリスクの内容リスクに対する対応策大規模自然災害地震、水害等による大規模自然災害が発生した場合、役職員およびその家族の安全を脅かし、工場建屋や生産設備の被災、サプライチェーンの寸断、ライフラインの停止等により生産能力および物流機能等に大きな支障をきたし、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。・防災訓練および役職員に対する安否確認訓練、事業所および生産設備等に被害軽減を目的とした防災対策を推進しています。・事業継続計画を策定のうえ、有事の際の迅速な復旧体制を整備しています。・サプライチェーンにおける事業継続計画策定に関する支援等を推進しています。