6652

IDEC(6652)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 多角的な事業展開:IDECグループは、HMI(人と機械のインターフェース)、インダストリアルコンポーネンツ、オートメーション&センシング、安全・防爆、システムという幅広い事業領域で製品の製造・販売を行っています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、多様な産業ニーズに対応できるビジネスモデルを構築しています。
  • グローバルな製造・販売体制:日本国内だけでなく、米州、アジア・パシフィック、EMEA(欧州・中東・アフリカ)地域に28の連結子会社と1社の持分法適用関連会社を展開し、製造と販売をグローバルに行っています。各地域の現地法人が独立した経営単位として戦略を立案・実行することで、地域ごとの市場特性に合わせた事業展開を可能にしています。
  • 製品とサービスの提供:制御用操作スイッチ、ジョイスティック、表示灯などのHMI製品から、スイッチング電源、リレーといったインダストリアルコンポーネンツ、プログラマブルコントローラ、自動認識機器などのオートメーション&センシング製品、さらには安全関連機器や防爆関連機器、協働ロボットシステムソリューションまで、幅広い製品とシステムを提供しています。これにより、顧客の多様な課題解決に貢献し、収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 日本セグメント:日本地域での事業活動を指し、売上高は268.46億円、営業利益は11.83億円と、グループ内で最も大きな売上を上げています。HMI事業、インダストリアルコンポーネンツ事業、オートメーション&センシング事業、安全・防爆事業、システム事業など、幅広い製品の製造・販売を担っており、国内市場における基盤事業として安定的な収益を確保しています。
  • 米州セグメント:アメリカ地域での事業活動を指し、売上高は141.52億円、営業利益は11.38億円を計上しています。HMI事業やインダストリアルコンポーネンツ事業、オートメーション&センシング事業、安全・防爆事業の販売を主に担当しており、現地法人であるIDEC CORPORATIONが地域の特性に合わせた戦略を展開することで、北米市場でのプレゼンスを確立しています。
  • EMEAセグメント:欧州、中東及びアフリカ地域での事業活動を指し、売上高は148.95億円ですが、営業利益は-5.59億円と赤字となっています。APEM SASなどの開発・製造販売会社がHMI事業を中心に展開しており、この地域での収益改善が今後の課題と考えられます。地域別のセグメント構成において、戦略的な見直しや効率化が求められる可能性があります。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Japan 地域 268 12 4.4%
America 地域 142 11 8.0%
EMEA 事業 149 -6 -3.8%
AsiaAndPacific 地域 115 11 9.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,697 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社、連結子会社26社(国内5社、海外21社)及び持分法適用関連会社1社で構成され、その主な事業内容は、HMI事業、インダストリアルコンポーネンツ事業、オートメーション&センシング事業、安全・防爆事業、システムの製造及び販売であります。製造については、当社及び子会社11社が行っております。販売については、日本市場へは当社及び国内グループ会社が、海外市場へは主にその地域の現地法人が行っております。現地法人は、それぞれが独立した経営単位として各地域に適した戦略を立案し事業戦略を展開しております。したがって、当社グループは、製造・販売体制を基礎とした地域別のセグメントを構成しております。 製品種類及び製品種類の内容と、それに関連する主な関係会社及びセグメントは次のとおりであります。製品種類製品種類の内容主な関係会社名セグメント名HMI事業制御用操作スイッチ、ジョイスティック、表示灯、プログラマブル表示器など販売会社IDECセールスサポート株式会社日本開発・製造販売会社IDEC CORPORATION米州製造・販売会社IDEC ASIA(THAILAND)CO.,LTD.アジア・パシフィック製造会社台湾愛徳克股份有限公司蘇州和泉電気有限公司販売会社台湾和泉電気股份有限公司IDEC HONG KONG CO.,LTD.IDEC IZUMI ASIA PTE LTD.IDEC CONTROLS INDIA PRIVATE LIMITED愛徳克電気貿易(上海)有限公司開発・製造販売会社APEM SAS ほか8社EMEA※インダストリアルコンポーネンツ事業スイッチング電源、端子台、制御用リレー/ソケット、サーキットプロテクタなど販売会社IDECセールスサポート株式会社日本開発・製造販売会社IDEC CORPORATION米州製造・販売会社IDEC ASIA(THAILAND)CO.,LTD.アジア・パシフィック製造会社台湾愛徳克股份有限公司蘇州和泉電気有限公司販売会社台湾和泉電気股份有限公司IDEC HONG KONG CO.,LTD.IDEC IZUMI ASIA PTE LTD.IDEC CONTROLS INDIA PRIVATE LIMITED愛徳克電気貿易(上海)有限公司開発会社愛徳克電子科技(上海)有限公司 製品種類製品種類の内容主な関係会社名セグメント名オートメーション&センシング事業プログラマブルコントローラ、自動認識機器など開発・製造販売会社IDEC ALPS Technologies株式会社日本販売会社IDEC AUTO-ID SOLUTIONS株式会社IDECセールスサポート株式会社開発・製造販売会社IDEC CORPORATION米州製造・販売会社IDEC ASIA(THAILAND)CO.,LTD.アジア・パシフィック製造会社台湾愛徳克股份有限公司販売会社台湾和泉電気股份有限公司IDEC HONG KONG CO.,LTD.IDEC IZUMI ASIA PTE LTD.IDEC CONTROLS INDIA PRIVATE LIMITED愛徳克電気貿易(海)有限公司安全・防爆事業安全関連機器、防爆関連機器など販売会社IDECセールスサポート株式会社日本開発・製造販売会社IDEC CORPORATION米州製造・販売会社IDEC ASIA(THAILAND)CO.,LTD.アジア・パシフィック製造会社蘇州和泉電気有限公司販売会社台湾和泉電気股份有限公司IDEC HONG KONG CO.,LTD.IDEC IZUMI ASIA PTE LTD.IDEC CONTROLS INDIA PRIVATE LIMITED愛徳克電気貿易(上海)有限公司システム各種システム、協働ロボットシステム、ソリューションなど製造・販売会社IDECファクトリーソリューションズ株式会社日本※EMEAとは欧州、中東及びアフリカ地域を指しております。 企業集団の系統図以上に述べた企業集団の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
HMI-Xを具現化した製品開発により、省スペース化や高機能化を実現しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
HMI-Xコンセプトに基づく「FT1J形プログラマブル表示器一体型コントローラ」などの独自技術。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:拠点地域における震度6弱以上相当の地震による事業拠点の被災 / 拠点地域内での紛争やテロの発生 / 外部要因(部品廃番、調達困難)による製品仕様変更
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

IDECは、FA(ファクトリーオートメーション)用機器の分野で、長年の実績と一定のブランド認知度を持つ。特に、制御機器、センサー、安全機器などの分野で、信頼性の高い製品を提供してきた歴史がある。しかし、特許や強力なブランドによる独占的な地位を確立しているとは言い難く、競合他社も多数存在する。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

IDECの製品は、FAシステムの一部として組み込まれることが多く、一度導入されると、他のメーカーへの切り替えには、システム全体の再設計や検証が必要となる場合がある。これにより、一定のスイッチング・コストが発生する可能性がある。しかし、顧客が必ずしもIDEC製品に強く縛られているわけではなく、代替製品も存在する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

IDECの事業モデルは、製品の利用者が増えることでその価値が増すようなネットワーク効果を生み出すものではない。個々の製品の機能や性能が重視されるビジネスモデルである。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

IDECは、長年の製造経験とサプライチェーンの最適化により、一定のコスト競争力を持っていると考えられる。しかし、業界全体で激しい価格競争が存在し、構造的に圧倒的なコスト優位を確立しているとは言えない。特に、中国などの新興国メーカーとの価格競争は厳しい。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

IDECは、FA用機器市場において、グローバルに事業を展開しており、一定の規模を持つ企業である。特に、制御機器、安全機器などのニッチな分野では、主要プレイヤーの一つとして認識されている。しかし、市場全体で見ると、より巨大なグローバル企業も存在し、寡占的な地位を確立しているとまでは言えない。

  • グローバルな事業展開力:IDECグループは、日本、米州、アジア・パシフィック、EMEA(欧州、中東及びアフリカ)にわたる広範な製造・販売ネットワークを持っています。これにより、各地域の市場ニーズに迅速に対応し、地域に最適化された戦略を展開できるため、特定の地域経済の変動リスクを分散しつつ、安定的な収益基盤を築いています。
  • 多様な製品ポートフォリオと技術力:HMI、インダストリアルコンポーネンツ、オートメーション&センシング、安全・防爆、システムといった多岐にわたる製品群を提供しており、それぞれの分野で高い技術力を有しています。特に安全・防爆分野や協働ロボットシステムソリューションなど、専門性の高い領域での製品提供は、顧客にとってのスイッチングコストを高め、競争優位性につながる可能性があります。
  • 顧客中心の組織改革:2025年4月より、地域軸と事業・機能軸からなるグローバル・マトリックス・マネジメント組織体制へと移行し、顧客中心のマーケットイン型ビジネスモデルへの転換を図っています。これにより、各地域の顧客ニーズをより正確に捉え、製品開発やサービス提供に反映させることで、顧客満足度を高め、長期的な顧客関係を構築できる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • グローバルでの持続的成長と社会課題解決:IDECグループは「The IDEC Way」を経営方針の基盤とし、創業理念である「人間性尊重経営」を継承しています。2050年のありたい姿からバックキャストし、2030年のビジョンを策定することで、人と機械の最適環境を創造し、世界中の人々の安全・安心・ウェルビーイングを実現することを目指しています。これは、社会貢献を通じて企業価値を高める長期的な視点に基づいています。
  • 高収益体質への変革と財務目標:新中期経営計画では、抜本的な構造改革を通じて高収益体質のグローバル企業への変革を目指しており、2028年3月期に売上高770億円以上、営業利益13%以上の達成を目標としています。また、資本効率の向上を重視し、株主資本コスト8%、WACC6%を設定し、ROE10%以上、ROIC7%以上を目指すことで、企業価値向上と株主還元を両立させる方針です。
  • 顧客中心の組織・事業再編:2025年4月より、グローバル・マトリックス・マネジメント組織体制へと刷新し、地域と事業・機能の2軸で事業運営を行うことで、顧客ニーズへの対応力向上と意思決定の迅速化を図ります。マーケティングや開発機能も地域横断的な体制に移行し、地産地消を推進することで、グローバルな顧客ニーズをタイムリーに捉え、イノベーションとオペレーショナル・エクセレンスを追求する戦略です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社は、真のグローバル企業となり、100周年に向けて持続した成長を続けることができるよう、『The IDEC Way』を制定しております。『The IDEC Way』は、Vision、Mission、Core Valuesの3つの要素で構成しており、その最も重要な基盤として、創業の理念「人間性尊重経営」を位置付け、継承しております。 世界経済の動向は依然不透明な状況にありますが、どのような市場環境であっても、当社グループがグローバル で持続的に成長し、社会課題の解決に貢献していくため、2050年のありたい姿を想定し、そこからバックキャストして2030年のビジョンを策定しております。 人と機械の最適環境を創造し、世界中の人々の安全・安心・ウェルビーイングを実現すること。これは創業以来 変わることのない、私たちの想いであります。当社は、誰もが健康で、幸せに、生き生きと暮らすことのできる社会を実現するための取り組みを推進しております。 (2)目標とする経営指標 IDECグループでは、株主資本コストを8%とし、それを踏まえて資本コスト(WACC)は6%に設定しております。これを上回るリターンを創出し、企業価値を向上していくために、ROE(自己資本利益率)とROIC(投下資本利益率)をKPIとしており、ROE10%以上、ROIC7%以上を目指しております。 2026年3月期の業績は、前期から実施してきた事業の選択と集中や、人材の最適化といった構造改革が寄与する とともに、グローバルで流通在庫の消化が進み、米国や中国を中心に各地域の需要動向が回復傾向となったことなどから、大幅な増収増益を達成いたしました。ROEは5.8%、ROICは4.0%へと改善し、2025年3月期の実績を上回る結果となりました。 今後更にROE、ROICを向上し、継続的に資本コスト6%を上回り、企業価値を向上していけるよう、中期経営計画では収益性の向上、成長力の強化、資本コストの低減を実現する、さまざまな取り組みを推進することで実現してまいります。 収益性の向上実現に向けては、「HMI・安全・安心」というIDECグループの強みを活かせる事業を軸に、顧客の潜在ニーズに応える製品・ソリューションをグローバルに展開することで、事業強化を推進いたします。また、グローバルでの拠点再編や営業改革、サプライチェーンマネジメント改革などを加速することで、抜本的なコスト低減や業務効率化、納期・在庫の適正化を推進してまいります。 成長力の強化については、資本コストや株価を意識した経営を実践し、健全な財務基盤を維持しながら、企業を成長させるために不可欠な人的資本への投資を行い、One IDECをベースとした開発体制・プロセスの見直し、知的資本の強化などを推進しております。 資本コスト低減の観点では、更なるガバナンスの強化や人権・コンプライアンスへの対応、環境負荷の低減といった、経営リスクを下げるための取り組みにも注力しております。 (ROICツリー) 事業で稼いだキャッシュは、業務効率を改善するためのDX投資、顧客ニーズを満たす新製品・カスタムソリューション開発投資、M&Aなどのインオーガニックな成長のための投資を行うことで、資本効率を向上させつつ成長を加速してまいります。また、従来通り安定的な配当などの株主還元は維持し、株価水準を踏まえて自己株式の取得も機動的に行います。 (キャッシュアロケーション)(3)投資単位の引下げに関する考え方及び方針等 当社は、株式の流動性を高め、個人株主の増加を図ることを資本政策上の重要課題と認識しております。そのため、利益還元の充実に加え、個人株主の皆さまに向けた説明会の開催、分かりやすい統合報告書(IDEC Report)の作成やホームページの拡充などの対応を進めております。 (4)中長期的な会社の経営戦略と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループでは、2026年3月期から始まる3か年の新中期経営計画を2025年4月に発表いたしました。新中期経営計画では、顧客中心のビジネス構造へと変換し、市場変化への対応力を向上させることで、真のグローバル企業「新生IDEC」へと生まれ変わっていくための取り組みを推進しております。 2027年3月期は、成長率の高い市場への注力や、パートナーシップ・M&Aの検討・推進、顧客の潜在ニーズをつかむプロアクティブセールスの実施を推進するとともに、コスト削減などによる原価率の低減、販売管理費のコントロールにより、収益性の向上を図ってまいります。そのための取り組みとして、複数の改革プロジェクトをグローバ ルで推進しております。 ■グローバル・マトリックス・マネジメント組織 2025年4月から、IDECグループの組織を地域軸と事業・機能軸からなる、グローバル・マトリックス・マネジメント組織体制へと抜本的に見直しました。これまでの日本を中心とした体制から、地域と事業、グローバル機能を軸とした組織へと変えることで、事業計画に対する責任を明確化し、戦略の立案、実行、ステアリングまで、迅速な判断を行える体制としております。 各地域、事業・機能の責任者で構成する、GOC(Global Operations Committee)を毎月Webで開催するとともに、四半期に1度各国から担当者が集まるFace to Faceの会議を実施し、緊密なコミュニケーションを図っております。GOCでは、直近の状況や計画に対する進捗報告、各種課題に関するディスカッションなどを行うことで、対処すべき点が明確になり、迅速な意思決定が可能となりました。中期経営計画に関する進捗管理やレビューも行っており、方針を決定した後、経営会議、取締役会に上程しております。 (グローバル・マトリックス・マネジメント組織) ■営業改革 顧客ニーズに対応するためのグローバル体制づくりに向けて、営業改革プロジェクトを推進しております。これまでは、各拠点で営業プロセスが異なっておりましたが、標準化されたグローバル営業プロセスを構築し、製品スペックや価格訴求ではなく、お客さまのニーズを深く捉えた上で提供価値を訴求する、先回り型のターゲット営業アプローチを確立いたします。また、AIの活用や成功パターンの蓄積により社内の知識やノウハウを体系化し、ナレッジを標準化することで全体の提案レベルを更に引き上げてまいります。 これらの取り組みにより、コンポーネンツ販売だけでなく、KPIの一つであるソリューション販売比率を拡大するとともに、顧客からヒアリングした情報をR&D部門にフィードバックすることで、ニーズを踏まえた付加価値の高い製品開発につなげてまいります。 ■R&D体制・プロセスの変革 顧客中心のビジネス構造の構築に向けて、グローバルR&D体制および開発プロセスを刷新いたしました。2026年3月期に発足したInnovation Committeeでは、新技術や顧客ニーズを起点として数年先を見据えた技術戦略を議論し、顧客のために解決すべき技術課題・ソリューションを顧客志向で検討した上で、優れたテーマをイノベーションテーマとして選定してまいります。 また、これまでIDEC製品は主に日本、APEM製品は欧州と米州で開発を行ってきましたが、現在は日本・米国・欧州の3拠点が同時並行で開発を進めるコンカレント開発体制を整備しております。各拠点の強みを活かしながら連携を強化することで、開発期間の大幅な短縮を図ってまいります。 ■SCMのグローバル最適化 サプライチェーンマネジメントの取り組みとして、前中期経営計画からSCP(Supply Chain Planning)システムのグローバルでの導入を推進しております。国内外の拠点が同じシステムでつながるため、生産拠点、販売会社、代理店における生産・受注・販売・在庫に関する情報を即座に収集・可視化し、需給プロセスを一元化できます。グローバルの需給変動に対応しながら、IDECグループ全体で整合のとれた計画の作成・管理を行うことで、需給の変動があった場合でも迅速に状況を把握し、最適な意思決定を実現いたします。物流網の見直しも行っており、これらの取り組みにより、納期遵守率の改善やリードタイムの短縮など、顧客サービスレベルの向上を目指しております。また、IDECとAPEM双方のサプライヤーや、樹脂・金属など主要な原材料の集約を進めることで、購買効率についても更に向上し、IDECグループの在庫水準の適正化や調達コストの最適化、物流コスト低減を図り、収益性の向上を実現いたします。 なお、地政学的なリスクの影響もあり、2026年3月期末の自社在庫は、想定よりも若干高い水準になっているため、必要な部材調達は行いつつ、在庫水準を下げていくための取り組みも継続的に行ってまいります。 ■生産のグローバル最適化 拠点再編をグローバルで推進しており、今後の成長市場であり、最も利益率の高い米国での事業強化のため、 2026年3月期にIDECとAPEMの米国拠点を1つに統合いたしました。サンディエゴに新設した新本社は、新たに企画・開発、生産、物流機能を備えた体制としており、2027年3月期から本格的に稼働しております。欧州、日本、アジアにおいても、複数ある生産拠点の統合・集約・新設や、生産移管を今後順次行っていく予定です。 またこれまでは、IDECとAPEMの生産拠点でそれぞれの製品を生産しておりましたが、今後はOne IDECの考えのもと、各地域の拠点を有効活用することで効率的な生産体制を構築し、地産地消をベースとしたグローバルでの生産戦略を立案、推進してまいります。 同時に、社内に維持すべきコア・コンピタンスは強化しつつ、外部に生産移管した方がよい製品や工程については外注を活用することで、生産効率や収益性の向上、リードタイム短縮を実現いたします。 ■DXの推進 前中期経営計画から、基幹システムであるERPや、SCPシステムなどの導入を進めており、AIの更なる社内活用なども検討・推進しております。また、高度なデジタルプラットフォームやAIを導入することで、グループ内で製品設計や知識を共有してコラボレーションを効率化し、新製品をより速く、より高品質に、低コストで開発してまいります。 今後も、最大の効率と価値を生み出すDXプロジェクトを選定した後、ロードマップを策定し、社内プロセスの改善や工数の削減、お客さまへの価値創出を実現できるシステム導入などを行ってまいります。 ■100周年、その先を見据えて IDECは1945年に「和泉商会」として創業し、2025年に80周年を迎えました。和泉という社名は、「協調 (Collaboration)」と「革新(Innovation)」に由来しております。創業の理念は今もなお生き続けていますが、ビジネス環境の変化に合わせて、80年間適応し続けてまいりました。しかし、100周年に向けて更なる成長をしていくために、組織基盤を再構築するパラダイムシフトの局面にあります。 IDECグループは、産業用コンポーネントや特定市場向けの堅牢なHMI製品、安全の知見・ノウハウといった強みを背景に、強固なブランド基盤を持っております。100周年のその先を見据え、持続的に成長を続けるためには、この基盤を活かし、真にグローバルで顧客中心の企業になることが不可欠と考えております。 高付加価値で差別化された製品やサービスを提供することで市場シェアを拡大し、お客さまからの信頼や提供価値を高めていくために、今後もグローバルでOne IDECとして変革を進めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社は、真のグローバル企業となり、100周年に向けて持続した成長を続けることができるよう、『The IDEC Way』を制定しております。『The IDEC Way』は、Vision、Mission、Core Valuesの3つの要素で構成しており、その最も重要な基盤として、創業の理念「人間性尊重経営」を位置付け、継承しております。 世界経済の動向は依然不透明な状況にありますが、どのような市場環境であっても、当社グループがグローバル で持続的に成長し、社会課題の解決に貢献していくため、2050年のありたい姿を想定し、そこからバックキャストして2030年のビジョンを策定しております。 人と機械の最適環境を創造し、世界中の人々の安全・安心・ウェルビーイングを実現すること。これは創業以来 変わることのない、私たちの想いであります。当社は、誰もが健康で、幸せに、生き生きと暮らすことのできる社会を実現するための取り組みを推進しております。 (2)目標とする経営指標 IDECグループでは、株主資本コストを8%とし、それを踏まえて資本コスト(WACC)は6%に設定しております。これを上回るリターンを創出し、企業価値を向上していくために、ROE(自己資本利益率)とROIC(投下資本利益率)をKPIとしており、ROE10%以上、ROIC7%以上を目指しております。 2026年3月期の業績は、前期から実施してきた事業の選択と集中や、人材の最適化といった構造改革が寄与する とともに、グローバルで流通在庫の消化が進み、米国や中国を中心に各地域の需要動向が回復傾向となったことなどから、大幅な増収増益を達成いたしました。ROEは5.8%、ROICは4.0%へと改善し、2025年3月期の実績を上回る結果となりました。 今後更にROE、ROICを向上し、継続的に資本コスト6%を上回り、企業価値を向上していけるよう、中期経営計画では収益性の向上、成長力の強化、資本コストの低減を実現する、さまざまな取り組みを推進することで実現してまいります。 収益性の向上実現に向けては、「HMI・安全・安心」というIDECグループの強みを活かせる事業を軸に、顧客の潜在ニーズに応える製品・ソリューションをグローバルに展開することで、事業強化を推進いたします。また、グローバルでの拠点再編や営業改革、サプライチェーンマネジメント改革などを加速することで、抜本的なコスト低減や業務効率化、納期・在庫の適正化を推進してまいります。 成長力の強化については、資本コストや株価を意識した経営を実践し、健全な財務基盤を維持しながら、企業を成長させるために不可欠な人的資本への投資を行い、One IDECをベースとした開発体制・プロセスの見直し、知的資本の強化などを推進しております。 資本コスト低減の観点では、更なるガバナンスの強化や人権・コンプライアンスへの対応、環境負荷の低減といった、経営リスクを下げるための取り組みにも注力しております。 (ROICツリー) 事業で稼いだキャッシュは、業務効率を改善するためのDX投資、顧客ニーズを満たす新製品・カスタムソリューション開発投資、M&Aなどのインオーガニックな成長のための投資を行うことで、資本効率を向上させつつ成長を加速してまいります。また、従来通り安定的な配当などの株主還元は維持し、株価水準を踏まえて自己株式の取得も機動的に行います。 (キャッシュアロケーション)(3)投資単位の引下げに関する考え方及び方針等 当社は、株式の流動性を高め、個人株主の増加を図ることを資本政策上の重要課題と認識しております。そのため、利益還元の充実に加え、個人株主の皆さまに向けた説明会の開催、分かりやすい統合報告書(IDEC Report)の作成やホームページの拡充などの対応を進めております。 (4)中長期的な会社の経営戦略と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループでは、2026年3月期から始まる3か年の新中期経営計画を2025年4月に発表いたしました。新中期経営計画では、顧客中心のビジネス構造へと変換し、市場変化への対応力を向上させることで、真のグローバル企業「新生IDEC」へと生まれ変わっていくための取り組みを推進しております。 2027年3月期は、成長率の高い市場への注力や、パートナーシップ・M&Aの検討・推進、顧客の潜在ニーズをつかむプロアクティブセールスの実施を推進するとともに、コスト削減などによる原価率の低減、販売管理費のコントロールにより、収益性の向上を図ってまいります。そのための取り組みとして、複数の改革プロジェクトをグローバ ルで推進しております。 ■グローバル・マトリックス・マネジメント組織 2025年4月から、IDECグループの組織を地域軸と事業・機能軸からなる、グローバル・マトリックス・マネジメント組織体制へと抜本的に見直しました。これまでの日本を中心とした体制から、地域と事業、グローバル機能を軸とした組織へと変えることで、事業計画に対する責任を明確化し、戦略の立案、実行、ステアリングまで、迅速な判断を行える体制としております。 各地域、事業・機能の責任者で構成する、GOC(Global Operations Committee)を毎月Webで開催するとともに、四半期に1度各国から担当者が集まるFace to Faceの会議を実施し、緊密なコミュニケーションを図っております。GOCでは、直近の状況や計画に対する進捗報告、各種課題に関するディスカッションなどを行うことで、対処すべき点が明確になり、迅速な意思決定が可能となりました。中期経営計画に関する進捗管理やレビューも行っており、方針を決定した後、経営会議、取締役会に上程しております。 (グローバル・マトリックス・マネジメント組織) ■営業改革 顧客ニーズに対応するためのグローバル体制づくりに向けて、営業改革プロジェクトを推進しております。これまでは、各拠点で営業プロセスが異なっておりましたが、標準化されたグローバル営業プロセスを構築し、製品スペックや価格訴求ではなく、お客さまのニーズを深く捉えた上で提供価値を訴求する、先回り型のターゲット営業アプローチを確立いたします。また、AIの活用や成功パターンの蓄積により社内の知識やノウハウを体系化し、ナレッジを標準化することで全体の提案レベルを更に引き上げてまいります。 これらの取り組みにより、コンポーネンツ販売だけでなく、KPIの一つであるソリューション販売比率を拡大するとともに、顧客からヒアリングした情報をR&D部門にフィードバックすることで、ニーズを踏まえた付加価値の高い製品開発につなげてまいります。 ■R&D体制・プロセスの変革 顧客中心のビジネス構造の構築に向けて、グローバルR&D体制および開発プロセスを刷新いたしました。2026年3月期に発足したInnovation Committeeでは、新技術や顧客ニーズを起点として数年先を見据えた技術戦略を議論し、顧客のために解決すべき技術課題・ソリューションを顧客志向で検討した上で、優れたテーマをイノベーションテーマとして選定してまいります。 また、これまでIDEC製品は主に日本、APEM製品は欧州と米州で開発を行ってきましたが、現在は日本・米国・欧州の3拠点が同時並行で開発を進めるコンカレント開発体制を整備しております。各拠点の強みを活かしながら連携を強化することで、開発期間の大幅な短縮を図ってまいります。 ■SCMのグローバル最適化 サプライチェーンマネジメントの取り組みとして、前中期経営計画からSCP(Supply Chain Planning)システムのグローバルでの導入を推進しております。国内外の拠点が同じシステムでつながるため、生産拠点、販売会社、代理店における生産・受注・販売・在庫に関する情報を即座に収集・可視化し、需給プロセスを一元化できます。グローバルの需給変動に対応しながら、IDECグループ全体で整合のとれた計画の作成・管理を行うことで、需給の変動があった場合でも迅速に状況を把握し、最適な意思決定を実現いたします。物流網の見直しも行っており、これらの取り組みにより、納期遵守率の改善やリードタイムの短縮など、顧客サービスレベルの向上を目指しております。また、IDECとAPEM双方のサプライヤーや、樹脂・金属など主要な原材料の集約を進めることで、購買効率についても更に向上し、IDECグループの在庫水準の適正化や調達コストの最適化、物流コスト低減を図り、収益性の向上を実現いたします。 なお、地政学的なリスクの影響もあり、2026年3月期末の自社在庫は、想定よりも若干高い水準になっているため、必要な部材調達は行いつつ、在庫水準を下げていくための取り組みも継続的に行ってまいります。 ■生産のグローバル最適化 拠点再編をグローバルで推進しており、今後の成長市場であり、最も利益率の高い米国での事業強化のため、 2026年3月期にIDECとAPEMの米国拠点を1つに統合いたしました。サンディエゴに新設した新本社は、新たに企画・開発、生産、物流機能を備えた体制としており、2027年3月期から本格的に稼働しております。欧州、日本、アジアにおいても、複数ある生産拠点の統合・集約・新設や、生産移管を今後順次行っていく予定です。 またこれまでは、IDECとAPEMの生産拠点でそれぞれの製品を生産しておりましたが、今後はOne IDECの考えのもと、各地域の拠点を有効活用することで効率的な生産体制を構築し、地産地消をベースとしたグローバルでの生産戦略を立案、推進してまいります。 同時に、社内に維持すべきコア・コンピタンスは強化しつつ、外部に生産移管した方がよい製品や工程については外注を活用することで、生産効率や収益性の向上、リードタイム短縮を実現いたします。 ■DXの推進 前中期経営計画から、基幹システムであるERPや、SCPシステムなどの導入を進めており、AIの更なる社内活用なども検討・推進しております。また、高度なデジタルプラットフォームやAIを導入することで、グループ内で製品設計や知識を共有してコラボレーションを効率化し、新製品をより速く、より高品質に、低コストで開発してまいります。 今後も、最大の効率と価値を生み出すDXプロジェクトを選定した後、ロードマップを策定し、社内プロセスの改善や工数の削減、お客さまへの価値創出を実現できるシステム導入などを行ってまいります。 ■100周年、その先を見据えて IDECは1945年に「和泉商会」として創業し、2025年に80周年を迎えました。和泉という社名は、「協調 (Collaboration)」と「革新(Innovation)」に由来しております。創業の理念は今もなお生き続けていますが、ビジネス環境の変化に合わせて、80年間適応し続けてまいりました。しかし、100周年に向けて更なる成長をしていくために、組織基盤を再構築するパラダイムシフトの局面にあります。 IDECグループは、産業用コンポーネントや特定市場向けの堅牢なHMI製品、安全の知見・ノウハウといった強みを背景に、強固なブランド基盤を持っております。100周年のその先を見据え、持続的に成長を続けるためには、この基盤を活かし、真にグローバルで顧客中心の企業になることが不可欠と考えております。 高付加価値で差別化された製品やサービスを提供することで市場シェアを拡大し、お客さまからの信頼や提供価値を高めていくために、今後もグローバルでOne IDECとして変革を進めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。(1)財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇が継続しているものの、雇用・所得環境の改善などにより、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、米国の関税政策の影響による景気後退への懸念や、欧州での製造業を中心とした需要低迷の影響、中国における不動産市場の低迷による影響に加え、中東情勢の緊迫化に伴う地政学的リスクの高まりなどもあり、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。 当社グループにおいては、当連結会計年度を1年目とする中期経営計画において、新生IDECとして「顧客中心のビジネス構造への転換」、「グローバルベースでの市場変化への対応力向上」を掲げており、グループ一丸となって持続的な成長を実現するための構造改革を推進しております。 このような状況におきまして、当社グループの国内売上高は、流通在庫の解消とともに、足元において主要産業の需要が徐々に回復し受注が先行し始めたこともあり、グループ会社事業譲渡の影響があるなかでも、前年同期に比べ、2億6百万円増収の245億円(前年同期比0.9%増)となりました。海外売上高は、アジア・パシフィックにおいて中国における自動車や半導体業界などの需要拡大に加えて、代理店における流通在庫も正常化しつつあることや、北米地域での米国の追加関税分の販売価格への転嫁による影響などにより、売上が増加し、前年同期に比べ、53億8千万円増収の484億6千6百万円(前年同期比12.5%増)となりました。その結果、当連結会計年度の連結売上高は729億6千7百万円(前年同期比8.3%増)となりました。 利益面においては、増収の影響による利益増により、前年同期に比べ、営業利益は24億6千6百万円増益の61億1千8百万円(前年同期比67.5%増)、経常利益は為替差益の計上などにより、30億9千2百万円増益の65億6千9百万円(前年同期比88.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は20億9千4百万円増益の38億7千3百万円(前年同期比117.7%増)となりました。 以上による当連結会計年度における業績結果は以下のとおりであります。 2025年3月期2026年3月期比較増減増減率 売上高(百万円)67,38072,967+5,587+8.3%売上総利益(百万円)29,43732,349+2,911+9.9%売上総利益率(%)43.744.3+0.6-営業利益(百万円)3,6526,118+2,466+67.5%営業利益率(%)5.48.4+3.0-経常利益(百万円)3,4776,569+3,092+88.9%親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)1,7783,873+2,094+117.7%(為替レート) 米ドル平均レート(円)152.62150.67△1.95-ユーロ平均レート(円)163.87174.64+10.77-人民元平均レート(円)21.1121.22+0.11- セグメントごとの経営成績に関しては、次のとおりであります。①日本 日本においては、流通在庫の解消とともに、足元において主要産業の需要が徐々に回復し受注が先行し始めたこともあり、グループ会社事業譲渡の影響があるなかでも売上高は前年同期に比べ、1億4千万円増収の269億8千6百万円(前年同期比0.5%増)となりました。営業利益は、構造改革の影響もあり前年同期に比べ、7億5千7百万円増益の19億4千万円(前年同期比64.0%増)となりました。 ②米州 北米地域では、米国の追加関税分の販売価格への転嫁による影響に加え、期初より受注残の解消も進んだことから、売上高は前年同期に比べ、15億8千5百万円増収の157億3千8百万円(前年同期比11.2%増)となりました。一方で会社統合、新拠点設置など体制強化の影響もあり販管費率が上昇し、営業利益は前年同期に比べ、1億8千3百万円減益の9億5千4百万円(前年同期比16.1%減)となりました。③EMEA 欧州市場では、景気低迷や地政学リスクの影響などにより主要産業の需要が落ち込んだものの、円安の影響により、売上高は前年同期に比べ、10億5千6百万円増収の159億5千2百万円(前年同期比7.1%増)となり、営業損失2億4千7百万円(前年同期は営業損失5億5千9百万円)となりました。④アジア・パシフィック アジア・パシフィック地域においては、中国における自動車や半導体業界などの需要拡大に加えて、代理店における流通在庫も正常化しつつあり、売上高は前年同期に比べ、28億4百万円増収の142億8千9百万円(前年同期比24.4%増)となり、営業利益は前年同期に比べ、16億5千4百万円増益の27億5千万円(前年同期比151.0%増)となりました。 また、製品種類別の売上高については、次のとおりであります。 なお前連結会計年度において、IDECシステムズ&コントロールズ株式会社の売却等により当連結会計年度から「その他」を廃止しております。①HMI事業 欧州における景気低迷や特殊車両業界の需要減少などの影響はあるものの、流通在庫の正常化に加え、ファクトリーオートメーション向け産業用スイッチの売上が堅調に推移し、売上高は前年同期に比べ、22億4千2百万円増収の340億8千5百万円(前年同期比7.0%増)となりました。※HMI(Human Machine Interface:人と機械が触れ合う環境)の核となる、「制御用操作スイッチ」や「ジョイスティック」、「表示灯」、「プログラマブル表示器」などの製品群です。②インダストリアルコンポーネンツ事業 主力市場であるアジア・パシフィック、及び北米市場において、制御用リレーの売上が堅調に推移した結果、売上高は前年同期に比べ、17億1千1百万円増収の130億5百万円(前年同期比15.2%増)となりました。※機械や生産ラインなどを制御・操作するための制御盤の中に組み込み、機械・装置の制御部分の基礎として使用される、「スイッチング電源」や「端子台」、「制御用リレー/ソケット」、「サーキットプロテクタ」などの製品群です。③オートメーション&センシング事業 主力製品であるプログラマブルコントローラにおいて、主要市場である北米が堅調に伸長したものの、OEM先の在庫調整による新規注文が減少しました。また昨年度は国内の自動認識機器の大口受注などがあったこともあり、今年度は売上高は前年同期に比べ、5億1千2百万円減収の81億9千3百万円(前年同期比5.9%減)となりました。※産業現場や暮らしのさまざまなシーンにおける機器の自動化に貢献する各種製品、機械・装置の頭脳の役割をする「プログラマブルコントローラ」や、リテールや物流分野などさまざまな分野で活用されている「自動認識機器」などの製品群です。④安全・防爆事業 主力市場である日本、アジア・パシフィックにおいて、特に中国における安全関連機器の売上が堅調に推移した結果、売上高は前年同期に比べ、16億2千万円増収の126億6千5百万円(前年同期比14.7%増)となりました。※産業現場の安全を守る「非常停止用押ボタンスイッチ」や「安全スイッチ」、「イネーブル装置」といった「安全関連機器」に加え、石油・化学プラントなど、爆発性のガスが存在する現場での事故を未然に防ぐ「防爆関連機器」などの製品群です。⑤システム 日本、アジア・パシフィックにおいて、半導体製造設備・物流関連設備等の制御盤の売上が拡大したことにより、売上高は前年同期に比べ、15億3千6百万円増収の50億1千6百万円(前年同期比44.2%増)となりました。※顧客ニーズに合わせてIDECの製品をシステム化して提供する「各種システム」、安全関連機器・安全技術を組み合わせて最適なシステムを構築する「協働ロボットシステムソリューション」などの製品群です。 (2)キャッシュ・フローの状況 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)営業活動によるキャッシュ・フロー11,2487,442投資活動によるキャッシュ・フロー△4,097△5,296財務活動によるキャッシュ・フロー△2,905△3,690現金及び現金同等物に係る換算差額△91492現金及び現金同等物の増減額(△は減少)4,154△1,052現金及び現金同等物の期首残高15,04019,194現金及び現金同等物の期末残高19,19418,142 営業活動によるキャッシュ・フローは、74億4千2百万円の収入(前年同期は112億4千8百万円の収入)となりました。これは主に、法人税等を24億8千2百万円納付した一方で、税金等調整前当期純利益を64億2千2百万円、減価償却費を39億9千7百万円計上したことなどによるものです。 投資活動によるキャッシュ・フローは、52億9千6百万円の支出(前年同期は40億9千7百万円の支出)となりました。これは主に、固定資産の取得により53億7千7百万円を支出したことなどによるものです。 財務活動によるキャッシュ・フローは、36億9千万円の支出(前年同期は29億5百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払いにより38億3千6百万円を支出したことなどによるものです。 (3)生産、受注及び販売の実績①生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)日本31,320115.5米州2,21887.9EMEA16,305108.1アジア・パシフィック11,825123.7合計61,670113.6(注)金額は、販売価格によっております。 ②受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高受注残高金額(百万円)前年同期比(%)金額(百万円)前年同期比(%)日本28,321102.56,605125.3米州16,519118.83,392129.9EMEA16,243112.67,813103.9アジア・パシフィック15,500120.65,564127.8合計76,585111.323,376118.3(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。 ③販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)日本26,986100.5米州15,738111.2EMEA15,952107.1アジア・パシフィック14,289124.4合計72,967108.3(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)重要な会計方針及び見積り 当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際し、見積りによる収益・費用の計上を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる方法により見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、不確実性を含んでおり、見積りによる数値とは異なる場合があります。 特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。①棚卸資産 当社グループは、連結会計年度末時点において簿価と市場価格の状況を検討し市場価格が下回る場合は評価損を計上しております。実際の市場価格が当社グループの見積りより変動した場合、計上した評価損の過不足が生じる可能性があります。 また、従来より、一定期間を超えて在庫として滞留する棚卸資産についても簿価を切り下げており、在庫実態に変化が生じた場合には、同様に棚卸資産の簿価を切り下げることとなります。②貸倒引当金 当社グループは、債権の回収不能時に発生する損失の見積額について貸倒引当金を計上しておりますが、債権先の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要になる場合があります。③繰延税金資産 当社グループは、繰延税金資産について回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために、評価性引当額を計上しておりますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期に法人税等調整額として計上いたします。④退職給付費用 従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合及び今後この前提条件が変化した場合には、変化した年度以降の退職給付費用が大きく増減する場合があります。⑤固定資産の減損損失 当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準における資産のグルーピング方法として、工場その他の事業用施設等については、継続して収支を把握している単位かつ独立したキャッシュ・フローを生み出す単位で、遊休資産については、当該資産単独で区分する方法を採用しており、将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、又は遊休状態で今後も使用する見込みがない場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上する可能性があります。⑥のれん及び商標権・顧客関連資産 当社グループは、のれん及び商標権・顧客関連資産に関してその効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しております。その資産性の評価について検討し、将来において当初想定した収益が見込めなくなった場合に、簿価の切り下げを行う可能性があります。 (2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容①売上高 当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇が継続しているものの、雇用・所得環境の改善などにより、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、米国の関税政策の影響による景気後退への懸念や、欧州での製造業を中心とした需要低迷の影響、中国における不動産市場の低迷による影響に加え、中東情勢の緊迫化に伴う地政学的リスクの高まりなどもあり、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。 当社グループにおいては、当連結会計年度を1年目とする中期経営計画において、新生IDECとして「顧客中心のビジネス構造への転換」、「グローバルベースでの市場変化への対応力向上」を掲げており、グループ一丸となって持続的な成長を実現するための構造改革を推進しております。 このような状況におきまして、当社グループの国内売上高は、流通在庫の解消とともに、足元において主要産業の需要が徐々に回復し受注が先行し始めたこともあり、グループ会社事業譲渡の影響があるなかでも、前年同期に比べ、2億6百万円増収の245億円(前年同期比0.9%増)となりました。海外売上高は、アジア・パシフィックにおいて中国における自動車や半導体業界などの需要拡大に加えて、代理店における流通在庫も正常化しつつあることや、北米地域での米国の追加関税分の販売価格への転嫁による影響などにより、売上が増加し、前年同期に比べ、53億8千万円増収の484億6千6百万円(前年同期比12.5%増)となりました。その結果、当連結会計年度の連結売上高は729億6千7百万円(前年同期比8.3%増)となりました。 なお、当連結会計年度における対米ドルの平均レートは、150.67円(前年同期は152.62円で1.95円の円高)、対ユーロの平均レートは、174.64円(前年同期は163.87円で10.77円の円安)、対人民元の平均レートは、21.22円(前年同期は21.11円で0.11円の円安)となりました。②損益状況 売上原価は前年同期に比べ、26億7千5百万円増加し、406億1千8百万円(前年同期比7.1%増)となりました。販売費及び一般管理費は4億4千5百万円増加し、262億3千万円(前年同期比1.7%増)となりました。 利益面においては、増収の影響による利益増により、前年同期に比べ、営業利益は24億6千6百万円増益の61億1千8百万円(前年同期比67.5%増)、経常利益は為替差益の計上などにより、30億9千2百万円増益の65億6千9百万円(前年同期比88.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は20億9千4百万円増益の38億7千3百万円(前年同期比117.7%増)となりました。 (3)経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 (4)資本の財源及び資金の流動性についての分析①財政状態の分析 当連結会計年度末の総資産の額は、前連結会計年度末より63億5千5百万円増加し、1,135億7千2百万円となりました。これは主に、現金及び預金が10億3千6百万円減少した一方で、有形固定資産が36億2千1百万円、売上債権が21億8百万円、棚卸資産が13億9百万円増加したことなどによるものです。 負債の額は、前連結会計年度末より2億4千5百万円増加し、436億5千2百万円となりました。これは主に、未払金が4億6千3百万円、仕入債務が2億5千2百万円減少した一方で、借入金が10億7千1百万円増加したことなどによるものです。 純資産の額は、為替換算調整勘定が56億8千6百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末より61億1千万円増加し、699億2千万円となりました。②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より10億5千2百万円減少し、181億4千2百万円となりました。 なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。 営業活動によるキャッシュ・フローは、74億4千2百万円の収入(前年同期は112億4千8百万円の収入)となりました。これは主に、法人税等を24億8千2百万円納付した一方で、税金等調整前当期純利益を64億2千2百万円、減価償却費を39億9千7百万円計上したことなどによるものです。 投資活動によるキャッシュ・フローは、52億9千6百万円の支出(前年同期は40億9千7百万円の支出)となりました。これは主に、固定資産の取得により53億7千7百万円を支出したことなどによるものです。 財務活動によるキャッシュ・フローは、36億9千万円の支出(前年同期は29億5百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払いにより38億3千6百万円を支出したことなどによるものです。(5)戦略的現状と見通し及び今後の方針 中期経営計画では、事業軸としてKPIを設定しております。IDECグループの強みを生かせるHMIと安全事業を軸に、それぞれのKPI達成に向けた取り組みを推進しております。 安全事業については、日本や中国での需要拡大に伴い売上を順調に伸ばしており、今後更に加速させていく予定です。ソリューション売上の拡大に向けては、HMIや安全の技術・知見にセンシング技術を融合した提案や、安全規格に対応したソリューション提案など、IDECグループの強みを生かした展開を行うことで、顧客課題の解決を実現してまいります。製品単体でのソリューション、アプリケーションに特化した横展開可能なパッケージ、フルカスタムソリューションなどにより、顧客視点の多様な切り口で潜在的なニーズにお応えすることで、付加価値を高めてまいります。 IDECグループでは、IDECとAPEMの2つのBusiness Unitを設置し、ブランドの特長や専門性を最大限に活かせる体制を構築しております。一方、マーケティングや、製品の企画・開発、生産技術、品質保証などは同じプロセスを採用することで、One IDECとしての強みを生かせる体制とし、グローバルでの更なる事業拡大を推進しております。 製品やソリューションは多様な業界の顧客に採用いただいていますが、特定の業界に依存していないという特長があります。IDECブランドは主にFA業界、APEMブランドは特殊車両などを中心に展開しております。 中期経営計画では、グローバルで成長している半導体関連やロボット、工作機械、AGV(無人搬送車)・AMR(自律走行搬送ロボット)などに加えて、新たな成長市場向けの売上も拡大してまいります。既存業界に加えて、新たなニーズを取り込むことで、多様なお客さまの課題を解決する製品・ソリューションの展開を加速してまいります。

事業リスク

  • 自然災害による事業拠点被災リスク:大阪府と兵庫県に本社・主要事業所を構えており、南海トラフ地震などの震度6弱以上の地震や豪雨・洪水・台風・ハリケーン・火災といった自然災害による事業拠点の被災が、生産活動やサプライチェーンに大きな影響を与える可能性があります。これにより、製品供給の遅延や生産コストの増加、売上減少につながるリスクがあります。
  • 地政学的リスクとサプライチェーンの寸断:拠点地域での紛争やテロ、国家間情勢の悪化は、駐在員の安全確保や拠点操業に影響を及ぼす可能性があります。また、部品の廃番や調達困難、物流網の寸断は、製品仕様変更や納期長期遅延を引き起こし、生産計画の混乱や顧客への供給責任を果たせなくなることで、売上や利益に悪影響を与えるリスクがあります。
  • 人材流動性と情報セキュリティリスク:職員の大量退職や主要役職員(キーパーソン)の退職による人材不足は、事業運営に支障をきたす可能性があります。また、システムダウンやネットワークの長期停止、サイバーアタックによる情報漏洩は、事業継続性を脅かし、顧客からの信頼失墜や損害賠償請求につながるリスクがあります。これらのリスクは、事業の持続的な成長を阻害する要因となり得ます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,237 文字
3【事業等のリスク】(1)リスクマネジメント体制と運用 当社グループにおけるリスクマネジメント体制を構築し、リスクをあらかじめ回避・軽減・移転等するとともに、万一発生した場合にもその被害を最小限に抑制することを目的に、危機管理規程を制定しております。また、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」傘下の専門委員会として「リスクマネジメント委員会」を設置し、グループ全体での平常時のリスクマネジメントとリスク発生時の対応を行う体制としております。 「リスクマネジメント委員会」には委員会内に「リスクモニタリング部会」と「BCP部会」、「人権部会」、「情報セキュリティ部会」を設け、当社グループ全体でのリスクの選定、評価、リスク低減に向けた取り組みのモニタリングや、BCPの策定、人権課題への対応、情報セキュリティ対策の推進を実施しております。また、同委員会内に「Hotline担当」を設け、内部通報窓口の整備や通報事象への対応を行っております。 「リスクマネジメント委員会」はこれらの取り組み内容を年2回開催される「サステナビリティ委員会」にて報告し、「サステナビリティ委員会」から取締役会に報告を行うとともに、通報案件など重要事象については「リスクマネジメント委員会」から直接取締役会に報告することで、経営層へ適切にリスク情報を報告できる体制を整えております。 リスクモニタリング活動 当社グループの持続的な事業の拡大、企業価値向上にマイナスの影響を与える、又はそのおそれがあると想定される事象を「リスク事象」として想定し、定期的なリスクの特定、評価を実施しております。また、環境戦略委員会において重要と評価した気候変動リスクも「リスク事象」として統合し評価しております。そして、その中で発生確率又は影響度が高いと評価された事象を「高リスク事象」とし、管轄する部門ごとに年間でのリスク低減目標を設定し、上期・下期の半年ごとにその進捗を確認しております。 BCP策定 当社グループにとっての高リスク事象の一つである地震等の自然災害に備えるため、リスクマネジメント委員会の中にBCP(事業継続計画)策定を推進するための部会を立ち上げ、生産部門や対象事業所の関係者と連携しながら、災害発生時対応の基本的方針や初動対応フロー、事業継続計画の策定、訓練を推進しております。 災害時に、対策本部の各担当が初動対応としてどのような動きをとるか想定し、また、そのために必要なマニュアルやチェックリストを作成し、平常時から必要な防災対策などの見直しを進めております。併せて、イントラネットを使って社員一人ひとりの防災意識を高めるための情報発信なども行っております。 (2)高リスク事象の特定プロセス 当社グループの持続的な事業の拡大、企業価値向上にマイナスの影響を与える、又はそのおそれがあると想定される事象を「リスク事象」として想定し、各リスク事象について「発生確率」「被害の大きさ」「影響度」を指標とした評価アンケートを実施し、その結果からリスクマップにプロットして相対的に評価しております。 想定するリスク事象今年度は以下の28リスクに対してリスク評価アンケートを実施しています。外部要因リスク①自然災害 ②地政学 ③感染症 ④サプライチェーン内部要因リスク事業戦略リスク⑤販売先依存 ⑥過剰在庫 ⑦製品不良 ⑧製品事故 ⑨品質偽装 ⑩禁止物質⑪戦略投資リソース・インフラリスク⑫設備リスク ⑬労働災害 ⑭大量退職 ⑮キーパーソン ⑯ITインシデント⑰サイバーコンプライアンスリスク⑱知財リスク ⑲人権リスク ⑳ハラスメント ㉑税務リスク㉒横領・背任・贈収賄 ㉓インサイダー ㉔競争法違反 ㉕情報漏洩 ㉖許認可不備会計・財務リスク㉗会計・財務リスク ㉘資産棄損 評価の結果として、以下のリスク事象が「高リスク事象」として評価されています。ラベルリスク評価自然災害地震、その他災害を「自然災害」として表記を見直し。評価結果は昨年と同程度に評価地政学紛争テロや国家間情勢のリスクを統合して評価。外部環境を踏まえ、影響度が上昇製品事故昨年と同程度に評価品質偽装グローバルビジネスの中で発生確率が上昇戦略投資構造改革の実行などにより影響度、発生確率ともに上昇大量退職事業状況を踏まえて発生確率が上昇サイバー海外拠点を含めた評価の中で、影響度・発生確率が上昇 (3)事業等のリスク 上記のとおり想定・評価した「高リスク事象」を含め、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与え、事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下で記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在における当社グループの判断に基づいております。①外部要因リスク項目リスクの内容主な取り組み自然災害リスクグローバルに事業を展開する当社グループにおいて、事業拠点が所在する国、地域における地震・豪雨・洪水・台風・山林火災等の自然災害により、事業拠点や従業員が被災し、操業停止や損害が発生することは大きなリスクであると認識しております。被災により一部又は全部の操業が中断した場合、適切なBCPを備えていなければ生産及び出荷が遅延する可能性や、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生する可能性があり、財政状況や事業展開に与える影響が大きいと考えております。リスクマネジメント委員会内にBCP策定を推進するための部会を立ち上げ、災害発生時対応の対策本部体制、基本的方針や初動対応フロー、事業継続計画の策定、訓練を推進しております。災害時に、対策本部の各担当が初動対応としてどのような動きをとるか想定し、主要な拠点ごとに必要なマニュアルやチェックリストを作成しております。また、定期的な安否確認の訓練も実施しております。地政学リスクグローバルに事業を展開する当社グループにおいて、国家間情勢の大幅な変動、拠点地域内での紛争やテロ、またそれに準じるデモや抗争により、社会や市場が混乱した場合には財政状況、事業拠点や従業員の安全・事業展開に与える影響が大きいと考えております。適時に情報を収集するとともに、地域分散などによりリスク回避を図っておりますが、リスクにつながる状況が発生した場合には、例えば紛争地域回避による輸送の遅延や輸送費の高騰などの課題テーマごとのタスクフォースを立ち上げ情報収集と対策を進めております。 ②内部要因リスク項目リスクの内容主な取り組み重大製品事故の発生リスク人と機械の最適環境を創造し、世界中の人々の安全・安心・ウェルビーイングを実現することをパーパスとして標榜する当社グループにとって、生命身体に影響する可能性のある重大製品事故の発生は財政状況や事業活動はもちろん、レピュテーションにも大きな影響を与える可能性があります。QMS(Quality Management System)での帳票や手順書の整備を実施するとともに、市場クレームの故障情報を監視し、アラート機能や重大クレーム管理リストなどを整備して異常の早期察知と早期対応を推進しております。品質偽証リスク市場において安全・安心に使用いただける製品の提供を行うにあたり、製品の性能・データ改ざんによる品質偽装が生じることは事業活動、レピュテーションにおいて大きな影響を与えるリスクと認識しています。カタログや取扱説明書、マニュアル等の規程要求事項と製品、設計仕様書及び安全規格類、検証データとの整合、妥当性の確認を強化し整合性チェックをワークフロー化するなどの取り組みのほか、信頼性評価試験の標準化及び体系化などにより、仕組みの整備と発生抑止に取り組んでいます。戦略投資リスク戦略的な投資を適切に管理、回収できないことなどにより財務状況へ影響がでることがリスクになりうると考えております。投資を伴う業務の実行の際は、事前の検証や分析などを通じてリスク等を加味した上で適切な投資額となるように努めています。また、投資回収のモニタリングや、計画に対する実行管理を着実に行うよう取り組んでおります。職員の大量退職リスク当社グループの持続的な成長と企業価値向上を実現するためには、企業の活性化や人的資本の強化が必要不可欠と認識しており、人材が過度に流動的である場合には、当社グループに与える影響が大きいと考えております。性別・年齢・国籍・文化・ライフスタイルなどの多様性を尊重した、働きやすい職場環境づくりを行うことで、さまざまな個性や価値観を持つ社員一人ひとりが能力を十分に発揮できる、組織風土の醸成に取り組んでおります。構造改革の推進等により業務の効率化を図り、グローバルでの組織体系設計、人事異動などによる適正な人員配置に取り組んでおります。サイバーアタックリスクサイバーアタックによるネットワークの長期停止、基幹システムへの影響、データの喪失、漏洩などが事業活動、財政状況及びレピュテーションなどのリスクにつながると考えております。情報セキュリティへの技術面の対策とセキュリティリスクへの知識向上を図るとともに、秘密情報の定期的な棚卸を実施し情報管理体制の見直しを推進しています。資産の毀損リスク棚卸資産について、実際の将来需要又は市場状況が当社グループの見積りより悪化した場合、評価減が必要となる可能性があります。供給計画・生産計画の策定において、急激な需要変動等機動的に反映し、在庫の長期滞留化リスク軽減に努めております。固定資産の減損に係る会計基準の適用により、時価の下落や当該資産から得られる将来のキャッシュ・フローの状況によっては減損処理が発生する可能性があります。固定資産の稼働状況、キャッシュ・フローの創出状況等を定期的にモニタリングし、効率的運用を実施しております。APEM社を連結子会社化したことに伴い、のれん及び無形資産である商標権と顧客関連資産を計上しており、景気変動等の影響により収益性が低下した場合、シナジー効果が発揮されず、減損損失が発生する可能性があります。月次・四半期単位等定期的に業績動向・経営状態を確認するとともに、超過収益力の向上を目的としたシナジー効果の最大化に向けた取り組みを強化しております。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が IDEC の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →