事業の概要
- 半導体デバイスの製造販売サンケン電気グループは、半導体デバイスの製造と販売を主な事業としています。具体的には、石川サンケン、山形サンケン、福島サンケンなどの子会社が日本国内外で半導体デバイスを製造し、国内外の子会社を通じて顧客に提供しています。これにより、幅広い産業の電子機器に不可欠な部品を供給し、収益を得ています。
- グローバルな販売網製造された半導体デバイスは、日本国内だけでなく、中国、韓国、タイ、米国、欧州など世界各地の子会社を通じて販売されています。これにより、多様な市場のニーズに対応し、地域ごとの販売戦略を展開することで、安定的な収益基盤を構築しています。販売だけでなく、技術支援も行い顧客満足度を高めています。
- 開発とサービス提供アドバンスド パワーデバイス テクノロジーズや台湾三墾電気股份有限公司といった子会社が、新しい半導体デバイスの開発を担っています。また、サンケンビジネスサービス株式会社がグループ内の事務処理サービスを提供することで、効率的な事業運営を支えています。これにより、技術革新と業務効率化の両面から事業を強化しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 半導体デバイス事業サンケン電気グループの主要な稼ぎ頭であり、売上高は1,372.33億円、営業利益は11.9億円を計上しています。この事業では、パワー半導体などのデバイスを製造・販売しており、国内外の子会社が生産と販売を担っています。幅広い産業の電子機器に不可欠な部品を提供し、グループ全体の収益を牽引しています。
- パワーシステム事業この事業は、売上高195.61億円、営業利益8.82億円を計上しています。半導体デバイス事業と並び、グループの重要な収益源となっています。具体的な製品やサービスについての詳細な記述はありませんが、半導体デバイスを応用した電源システムや関連製品を提供していると推測され、安定した収益を上げています。
- グローバルな事業展開半導体デバイス事業は、日本、中国、インドネシアに製造拠点を持ち、アジア、北米、欧州に販売・技術支援拠点を展開しています。これにより、地域ごとの市場ニーズに合わせた製品供給とサポートを行い、グローバル市場での競争力を高めています。多様な地域での事業展開が、売上と利益の安定化に貢献しています。
2021-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| SemiconductorDevice | 事業 | 1,372 | 12 | 0.9% |
| POWERSYSTEMReportableSegment | 事業 | 196 | 9 | 4.5% |
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3 【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社16社及び持分法適用関連会社1社で、半導体デバイスの製造・販売並びにこれらに付随するサービスを主な内容として事業活動を展開しております。 当社グループの事業に係わる位置づけは、次のとおりであります。 半導体デバイスは子会社石川サンケン株式会社、山形サンケン株式会社、福島サンケン株式会社、新潟サンケン株式会社、大連三墾電気有限公司及びEK Co., Ltd.にて製造を行っております。このうち、福島サンケン株式会社及び大連三墾電気有限公司は販売も行っております。 当社の製品は、当社の他、子会社大連三墾貿易有限公司、サンケン エレクトリック コリア株式会社、三墾電気(上海)有限公司、サンケン エレクトリック ホンコン カンパニー リミテッド、サンケン エレクトリック(タイランド)カンパニー リミテッド、サンケン エレクトリック ユーエスエー インク及びサンケン エレクトリック ヨーロッパ ジーエムビーエイチを通じて販売しております。 子会社サンケン エレクトリック コリア株式会社、三墾電気(上海)有限公司、サンケン エレクトリック(タイランド)カンパニー リミテッド、サンケン エレクトリック ユーエスエー インク及びサンケン エレクトリック ヨーロッパ ジーエムビーエイチは販売・技術支援を行っております。 子会社台湾三墾電気股份有限公司及びサンケン エレクトリック コリア株式会社は開発を行っており、サンケンビジネスサービス株式会社は当社に事務処理サービスを提供しております。 事業の系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 半導体業界における価格競争の激化と価格低減による競争力確保の必要性。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 化合物半導体デバイス開発を加速させ、独自の技術とノウハウで差別化を図っている。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:国際情勢による原材料・エネルギーコスト高騰 / 為替・金利変動による業績悪化 / 資金調達の制限またはコスト上昇
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
サンケン電気は半導体デバイスの設計・製造・販売を手掛けるが、特定の強力なブランドや特許による独占的地位は確立していない。一部の技術力は存在するものの、競合他社との差別化要因としては限定的。
スイッチングコスト★★☆☆☆
車載向け半導体など、一部のニッチ市場では顧客との長年の取引関係や仕様適合により、一定のスイッチング・コストが発生する可能性がある。しかし、汎用的な製品も多く、顧客の乗り換えリスクは無視できない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
サンケン電気の事業モデルには、ユーザー数の増加が製品・サービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は基本的に見られない。
コスト優位★★☆☆☆
長年の製造ノウハウや効率化努力により、一定のコスト競争力は維持していると考えられる。しかし、グローバルな半導体業界において、構造的な圧倒的コスト優位性を確立しているとは言えない。
規模の経済★★★☆☆
パワー半導体分野において、一定の生産規模と市場シェアを有しており、業界内での地位を確立している。特に車載向けなど、特定の分野では効率的な規模の経済が働いている可能性がある。
- グローバルな生産・販売体制サンケン電気グループは、日本、中国、インドネシアなどに製造拠点を持ち、アジア、北米、欧州に販売拠点を展開しています。この広範なグローバルネットワークにより、地域ごとの市場ニーズに柔軟に対応し、効率的なサプライチェーンを構築することで、安定した事業運営と収益確保を可能にしています。
- 技術開発への注力アドバンスド パワーデバイス テクノロジーズや台湾三墾電気股份有限公司が開発を担い、特に窒化ガリウム(GaN)エピタキシャル技術を持つ株式会社パウデックの買収を通じて、GaNパワーデバイス市場での競争優位性確立を目指しています。これにより、次世代のパワー半導体技術を強化し、高付加価値製品の提供を通じて市場での存在感を高めています。
- 多角的なリスクヘッジ為替予約取引や固定金利・変動金利のバランスを考慮した資金調達、サプライチェーンの見直しなど、多様なリスクヘッジ戦略を実行しています。これにより、国際情勢の変動、為替・金利の変動、資金調達リスクなど、外部環境の変化による事業への悪影響を最小限に抑え、安定的な経営基盤を維持しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 高収益企業への変革サンケン電気は、2027年度に売上高1,000億円以上、営業利益率10%を目標とする中期経営計画「24中計」を掲げています。震災からの立て直し期間を経て、新製品比率向上、既存製品の収益改善、徹底した原価改善を通じて、高収益体質への転換を目指しています。
- 技術革新と協業推進独自技術である窒化ガリウム(GaN)エピタキシャル技術を強化するため、株式会社パウデックを買収し、GaNパワーデバイス市場での競争優位性を高める戦略です。また、産学連携や社外との協業を推進し、化合物デバイスなどの新技術開発に注力することで、持続的な成長を実現しようとしています。
- 経営体制の強化とDX・ESG推進多様な経営課題に対応するため、CEO、COO、CFOからなるCxO体制を導入し、責任と役割を明確化しています。これにより、迅速かつ的確な意思決定と戦略実行を目指します。さらに、DX戦略とESG経営を推進することで、企業価値の向上と持続可能な社会への貢献を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
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経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)会社の経営方針当社では、歩むべき方向性を明確にするため、経営理念を2003年4月に制定しております。この理念に則り、当社はパワーエレクトロニクスを通じて貢献する企業となり、お客様のイノベーションのため、社員一人ひとりのイノベーションのため、そして、社会のイノベーションのため、サステナブルな未来を実現してまいります。 (2)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標当社が長期的に目指す姿は「独自性のある技術、人と組織のパフォーマンスで成長し、社会のイノベーションに貢献する高収益企業の実現」としております。中長期計画として当社は2024年中期経営計画(以下、「24中計」)を策定しておりますが、本計画は2024年度を震災影響の立て直し期間と位置付け4ヶ年計画としており、売上拡大を実現するとともに、利益を生み出す企業への変革達成を目指す計画となります。24中計2年目である2026年3月期は、EVキャズムや中国における自国製半導体へのシフト、金属建値の高騰等、市場・環境の変化に対応する中、24中計最終年度となる2028年3月期の数値目標を、連結売上高875億円、連結営業利益率4%以上と変更しております。顧客満足と両立する当社企業価値の実現を目指した24中計骨子の内容は以下のとおりです。 [24中計骨子]製品戦略 ・SPP-プラットフォーム製品とカスタム製品の両輪で成長拡販戦略 ・セグメント別成長戦略に基づき、自動車・白物・産機の各市場へ取り組む利益改善レバー ・新製品比率向上 ・既存製品の収益改善 ・原価改善 (3)会社の対処すべき課題2026年3月期と同様に、厳しい外部環境の継続が想定される中、当社では、2027年3月期の計画達成に必要となるトップラインの確保には、当社が主力と捉えている自動車市場・白物市場における取組を進めることが重要と認識しております。自動車市場では、ハイブリッドを含むエンジン車の継続的な需要を着実に捉えるとともに、自動車空調向けパワーモジュールの拡販を図ってまいります。また、白物市場では、新製品への切り替え提案を推進し、韓国顧客でのシェア拡大、及び中国におけるシェア維持に努めるとともに、インド市場をはじめ新たな顧客への拡販を図ります。利益面では、上期においては前期から続く生産調整の影響が残り、赤字の見通しですが、下期に挽回を図る計画です。具体的には、石川サンケン株式会社での固定費削減策の効果に加え、下期からは、生産回復による付加価値増、及び後工程生産再編の完了に伴う生産性向上を見込んでおります。さらに、山形サンケン株式会社において前工程の競争力向上を目指し、固定費削減に向けた取組を進めてまいります。また、変動費削減としては、前下期から緊急的に実施した経費削減策を継続するとともに、金から銅への材料仕様見直しによる製造コストの最適化を進め、また、金材料を使用している従来製品については、適正売価の獲得に向けた取組を強化してまいります。新製品につきましては、採算改善を目指し調達コスト低減材料を使用した新製品比率を向上させてまいります。こうした短期的な施策に加え、中長期での成果実現を狙う2つの戦略組織を新設しております。開発リードタイムに時間を要する車載及び産機領域を狙った活動を強化するためモビリティ戦略室を設置し、顧客の先行開発段階から参画することで中長期的な時間軸での量産案件獲得を目指します。また、アジア全体での短期的な売上拡大と中長期での製品企画力強化を図るためにアジア戦略室を設置し、意思決定と実行の迅速化により白物領域の維持・拡大を進めるとともに、需要が高まるデータセンター等の産機領域への拡販を推進してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)会社の経営方針当社では、歩むべき方向性を明確にするため、経営理念を2003年4月に制定しております。この理念に則り、当社はパワーエレクトロニクスを通じて貢献する企業となり、お客様のイノベーションのため、社員一人ひとりのイノベーションのため、そして、社会のイノベーションのため、サステナブルな未来を実現してまいります。 (2)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標当社が長期的に目指す姿は「独自性のある技術、人と組織のパフォーマンスで成長し、社会のイノベーションに貢献する高収益企業の実現」としております。中長期計画として当社は2024年中期経営計画(以下、「24中計」)を策定しておりますが、本計画は2024年度を震災影響の立て直し期間と位置付け4ヶ年計画としており、売上拡大を実現するとともに、利益を生み出す企業への変革達成を目指す計画となります。24中計2年目である2026年3月期は、EVキャズムや中国における自国製半導体へのシフト、金属建値の高騰等、市場・環境の変化に対応する中、24中計最終年度となる2028年3月期の数値目標を、連結売上高875億円、連結営業利益率4%以上と変更しております。顧客満足と両立する当社企業価値の実現を目指した24中計骨子の内容は以下のとおりです。 [24中計骨子]製品戦略 ・SPP-プラットフォーム製品とカスタム製品の両輪で成長拡販戦略 ・セグメント別成長戦略に基づき、自動車・白物・産機の各市場へ取り組む利益改善レバー ・新製品比率向上 ・既存製品の収益改善 ・原価改善 (3)会社の対処すべき課題2026年3月期と同様に、厳しい外部環境の継続が想定される中、当社では、2027年3月期の計画達成に必要となるトップラインの確保には、当社が主力と捉えている自動車市場・白物市場における取組を進めることが重要と認識しております。自動車市場では、ハイブリッドを含むエンジン車の継続的な需要を着実に捉えるとともに、自動車空調向けパワーモジュールの拡販を図ってまいります。また、白物市場では、新製品への切り替え提案を推進し、韓国顧客でのシェア拡大、及び中国におけるシェア維持に努めるとともに、インド市場をはじめ新たな顧客への拡販を図ります。利益面では、上期においては前期から続く生産調整の影響が残り、赤字の見通しですが、下期に挽回を図る計画です。具体的には、石川サンケン株式会社での固定費削減策の効果に加え、下期からは、生産回復による付加価値増、及び後工程生産再編の完了に伴う生産性向上を見込んでおります。さらに、山形サンケン株式会社において前工程の競争力向上を目指し、固定費削減に向けた取組を進めてまいります。また、変動費削減としては、前下期から緊急的に実施した経費削減策を継続するとともに、金から銅への材料仕様見直しによる製造コストの最適化を進め、また、金材料を使用している従来製品については、適正売価の獲得に向けた取組を強化してまいります。新製品につきましては、採算改善を目指し調達コスト低減材料を使用した新製品比率を向上させてまいります。こうした短期的な施策に加え、中長期での成果実現を狙う2つの戦略組織を新設しております。開発リードタイムに時間を要する車載及び産機領域を狙った活動を強化するためモビリティ戦略室を設置し、顧客の先行開発段階から参画することで中長期的な時間軸での量産案件獲得を目指します。また、アジア全体での短期的な売上拡大と中長期での製品企画力強化を図るためにアジア戦略室を設置し、意思決定と実行の迅速化により白物領域の維持・拡大を進めるとともに、需要が高まるデータセンター等の産機領域への拡販を推進してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 (財政状態)当連結会計年度末における資産の部は、2,394億56百万円となり、前連結会計年度末より196億10百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が165億64百万円減少し、受取手形及び売掛金が35億73百万円減少したこと等によるものであります。 負債の部は、1,194億91百万円となり、前連結会計年度末より83億53百万円増加いたしました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金を含む短期借入金が211億67百万円増加したこと等によるものであります。 純資産の部は、1,199億65百万円となり、前連結会計年度末より279億63百万円減少いたしました。これは主に、利益剰余金が348億17百万円減少したこと等によるものであります。 (経営成績)当連結会計年度においては、中国の経済停滞、米国による関税措置による影響のほか、米国を起点としたEVキャズムが世界に波及する等、大きな変化が起きました。当社においては、想定を超える円安進行、金属建値の高騰等による調達への影響等から、経営環境は厳しさを増しながら推移しました。こうした状況において、前期より2024年中期経営計画(以下、「24中計」)を進めており、上記の経営環境変化が、これらの計画進捗に悪影響を及ぼすこととなりました。そのため、計画挽回に向けて優先して取り組むべき課題を設定し、トップラインの積み上げとしては、中国白物向けシェア減を挽回すべく、特に、アジア全体の受注拡大に向けた活動を推進するために、2026年1月1日付でアジア戦略室を新設し、顧客満足度を高める提案活動を開始しました。また、新たな用途の獲得に向けては、産機市場を中心に据え業務用空調やAIデータセンター向け製品の拡販に取り組んでまいりました。原価低減としては、固定費削減とグループ全体での経費コントロールの最適化、また、金の使用量削減といった材質変更やプラットフォーム化による部品共用拡大等の変動費削減に取り組んでまいりました。しかしながら、金属建値の高騰が継続したことから、一段の原価低減が必要な状況となりました。新たな取組として、24中計では外部リソース活用による成長実現を目指すこととしております。この動きとして、2025年4月1日に株式会社パウデックを買収し、高性能なGaNパワーデバイスの早期上市に向けた開発を進めております。また、2026年1月27日には、当社はミネベアパワーデバイス株式会社との間において、インテリジェントパワーモジュール(以下「パワーモジュール」)市場における後工程の生産協業及び製品の共同開発に関する技術提携を行うことを合意しました。このほか、株主還元策として2024年12月より実施してきた自己株式取得につきましては、2025年9月に予定通り完了し、取得株数は発行済株式総数の16.6%に当たる417万株であり、その取得金額は299億円となりました。なお、これにより取得した全株式については、2025年10月3日付で消却いたしました。 当連結会計年度の業績につきましては、連結売上高は801億75百万円と、前連結会計年度比414億44百万円(34.1%)減少しました。主な要因は、子会社であったAllegro MicroSystems, Inc.が2024年8月に持分法適用関連会社となり連結対象から除外されたことによるものです。また、サンケンコアでは、当社の主要市場である自動車市場において、バッテリーEVの成長は鈍化したものの、ハイブリッド車を含む内燃車の需要は安定的に推移する結果となりました。一方、白物家電市場では、中国市場において自国製半導体への切り替えが進展し当社シェアが低下したことから、第2四半期以降の売上高は大きく減少しました。こうした状況から損益につきましては、固定費削減や後工程の生産再編に伴う作り込みのプラス効果に対し、金属建値の高騰及び中国市場における売上減から、連結営業損失は47億28百万円(前連結会計年度 連結営業損失37億88百万円)となり、連結経常損失につきましては、持分法による投資損失及び為替差損の計上等から、88億39百万円(前連結会計年度 連結経常損失142億76百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、ピーティ サンケン インドネシアでの固定資産売却益11億36百万円、及び持分変動利益24億83百万円を特別利益として計上した一方で、主に石川サンケン株式会社での特別退職金24億46百万円を特別損失として計上した結果、97億98百万円(前連結会計年度 親会社株主に帰属する当期純利益509億34百万円)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、348億40百万円となり、前連結会計年度末に比べ259億3百万円の減少となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、88億98百万円のマイナスとなり、前期に比べ8億8百万円の収入増となりました。これは主に、売上債権の減少によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、102億79百万円のマイナスとなり、前期に比べ1,083億30百万円の収入減となりました。これは主に、前連結会計年度末における投資有価証券の売却による収入によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、70億40百万円のマイナスとなり、前期に比べ408億51百万円の収入増となりました。これは主に、短期借入金の増加及び長期借入れによる収入によるものです。 ③ 生産、受注及び販売の実績当社グループは、単一の事業セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。(生産実績)当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)半導体デバイス事業87,00466.8 (注)1 金額は、販売価格で表示しております。 2 当連結会計年度において、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおり連結範囲の変更を行っております。 (受注実績)当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。セグメントの名称受注高受注残高金額(百万円)前年同期比(%)金額(百万円)前年同期比(%)半導体デバイス事業73,99061.59,59161.7 (注)1 当連結会計年度において、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおり連結範囲の変更を行っております。 (販売実績)当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)増減率(%)半導体デバイス事業80,175100.0△41,444△34.1 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、相手先別販売実績及び総販売実績に対する割合の記載を省略しました。3 当連結会計年度において、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおり連結範囲の変更を行っております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容当社グループの財政状態、経営成績については以下のとおり分析しております。 なお、本項に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月24日)現在において判断したものであり、不確実性を内在しているため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますのでご留意ください。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営成績等の分析(売上高及び営業損益)当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ414億44百万円(△34.1%)減の801億75百万円となりました。これは主として、アレグロを連結範囲から除外したことによるものであります。当連結会計年度の売上原価は、売上高の減少に伴い、前連結会計年度に比べ240億10百万円(△24.8%)減の726億74百万円となり、売上原価率は前連結会計年度に比べ11.2ポイント悪化し、90.6%となりました。 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ164億93百万円(△57.4%)減の122億29百万円となりました。これは主として、アレグロを連結範囲から除外したことによるものであります。売上高販管費比率は前連結会計年度に比べ8.4ポイント良化し、15.3%となりました。 この結果、当連結会計年度の営業損益は、前連結会計年度に比べ9億40百万円減の47億28百万円の損失となりました。 (為替変動の影響)当社グループの海外売上高は479億34百万円で、連結売上高総額の約59.79%を占めており、そのほとんどを米ドル建で取引しております。また、主要な在外連結子会社の財務諸表は米ドル建で作成されております。このため、為替相場の変動は、円高が売上減少、円安が売上増加の方向に影響する傾向があります。 一方、原価面でみますと、ほぼ同じ外貨ボリュームがあることから、売上高への影響額は利益段階では縮小することになります。 (営業外損益及び経常損益)当連結会計年度の営業外損益は、前連結会計年度に比べ63億76百万円損失(純額)が減少し、41億11百万円の損失(純額)となりました。これは主として、為替差損が減少したこと等によるものであります。 この結果、当連結会計年度の経常損益は、前連結会計年度に比べ54億36百万円増の88億39百万円の損失となりました。 (特別損益)当連結会計年度の特別損益は、前連結会計年度に比べ647億84百万円利益(純額)が減少し、6百万円の損失(純額)となりました。これは主として、持分変動利益が減少したこと等によるものであります。 (親会社株主に帰属する当期純損益)当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益は、前連結会計年度に比べ607億33百万円減の97億98百万円の損失となりました。 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、2024年4月から向こう4ヵ年にわたる中期経営計画において、最終年度である2028年3月期の目標値をサンケンコアの連結売上高1,000億円以上、連結営業利益率10%としております。当連結会計年度においては、サンケンコアの連結売上高は786億円、連結営業利益率は△5.7%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フロー)当社グループの資金状況は、「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、88億98百万円の支出(対前年度比8億8百万円増)となりました。前年度比の主な要因は、売上債権の減少によるものです。「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、102億79百万円の支出(対前年度比1,083億30百万円減)となりました。前年度比の主な要因は、前連結会計年度末における投資有価証券の売却による収入によるものです。「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、70億40百万円の支出(対前年度比408億51百万円増)となりました。前年度比の主な要因は、短期借入金の増加及び長期借入れによる収入によるものです。これにより、当連結会計年度末における有利子負債残高は805億41百万円となり、有利子負債依存度は33.6%となりました。これらの活動の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、348億40百万円(対前年度末比259億3百万円減)となりました。 (財務政策)当社グループの資金調達の手段は、社債の発行、コマーシャル・ペーパーの発行、コミットメントライン契約、銀行借入等でありますが、2026年3月31日現在の残高は、1年内返済予定の長期借入金を含む短期借入金428億76百万円、コマーシャル・ペーパー10億円、社債100億円、長期借入金263億69百万円となっております。当社グループは、運転資金及び設備投資資金の調達は内部資金によることを基本としておりますが、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、未使用のコマーシャル・ペーパー発行枠290億円、当座貸越未実行分237億円等により調達可能と考えております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- 国際情勢の変動リスク国際的な紛争や米国の政策変化が、原材料価格やエネルギーコストの高騰、部材調達難を引き起こし、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、関税や法規制の変更が生産・販売活動に影響を与えることも考えられます。同社は情報収集とサプライチェーンの見直しで対応しています。
- 為替・金利変動リスク海外での部材調達、生産、販売が多いため、為替レートの変動、特に円高は業績にマイナスの影響を与える可能性があります。また、金利変動は支払利息や金融資産の価値に影響を及ぼす可能性があります。同社は為替予約や適切な資金調達でリスクを最小化しています。
- 環境・災害・感染症リスク半導体製造における水資源の枯渇や環境規制の未遵守、環境負荷物質の漏洩事故は、多額の費用発生や事業活動の制限、社会的信用の低下を招く可能性があります。また、自然災害や感染症によるサプライチェーンの寸断も業績に悪影響を及ぼす可能性があります。同社は環境マネジメントシステムや危機管理委員会で対応しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があるリスクを把握し夫々のリスクに対する予防策やリスク顕在時(クライシス)に取るべき行動指針と備えを拡充すべく2025年6月に社長をはじめとする経営幹部を中心とした「リスク管理委員会」を新設し、重要課題の対応策について具体的な検討と準備を1年間実施してまいりました。その検討内容は前年度掲げたリスク事項を中心に想定し、それら事項による影響を将来も引き続き監視し検討と対策を行ってまいります。具体的には、社内の判定基準に基づいてリスクが顕在化した場合の経営に及ぼす影響度を「大」「中」「小」、その影響が及ぶ期間を「長」「中」とそれぞれ分類して管理しております。但し、想定を上回る、もしくは想定外の未知なるリスクの発生等不確実性を内在しておりますので、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性と、その対応について以下のとおり記しますのでご留意ください。 ※リスク管理体制図 ※事業等のリスク一覧 外部環境リスク 国際情勢影響度:大 期間:長内容対応当社グループは、半導体をコアビジネスとしてグローバルに事業を展開しており国際情勢の不安定化や地政学的リスクの影響を受ける可能性があります。2025年度においては、国際情勢の不透明感が継続しているだけでなく、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東地域における紛争・治安悪化、米中関係を巡る半導体分野の輸出管理・関税措置を中心とした摩擦、並びに台湾海峡を巡る軍事的緊張の高まりといった具体的な事象が顕在化している中、さらにはイランと米国の対立による海峡封鎖等の事実も確認されております。これらの動向は、エネルギー・原材料価格の高止まりや変動、国際物流の停滞、サプライチェーンの分断・再編、半導体供給網の不確実性の増大を通じて、当社グループの調達、製造、販売活動及び業績に影響を及ぼすおそれがあります。当社グループは、国際情勢の不安定化や地政学的リスクに備え、エネルギー使用量の抑制や生産性向上、原材料・部材の複数調達先の確保等を通じて、コスト構造及びサプライチェーンの見直しに取り組んできました。近年では、エネルギーや原材料の価格変動や物流環境の変化をより敏感に捉え、情報収集と社内展開のメッシュを細かくして、調達・生産・物流の各段階における対応力の強化を図っています。さらに、米中関係を巡る輸出管理や関税措置については、各国の規制動向の把握を継続的に行い、販売地域や調達・生産体制の見直しを通じたリスク分散をより意識した事業運営を進めています。経済安全保障影響度:大 期間:長内容対応特に昨今の国際情勢はエネルギーや半導体製造に必要な特有資源等を保有する国や地域による資源の政治利用や武器化や武力化する可能性が高まっており、さらには開かれた調達ルートの確保にも影響を及ぼすおそれがあると認識しています。当社グループは、こうした課題認識のもと、経済安全保障の観点から、各国・地域における輸出管理規制や経済安全保障関連の政策動向を継続的に把握しています。これらの動向については、関係部門が連携し、法令遵守の徹底及び事業への影響を含むリスク評価を行う体制を整備しています。今後も半導体が、産業及び社会において果たす役割を認識し、日本国政府の経済安全保障推進法の趣旨を考慮しながら、リスクマネジメントの継続的な強化に取り組んでまいります。為替・金利変動影響度:中 期間:中内容対応当社グループは、日本、アジア、北米及び欧州において事業を展開しており、主に米ドル、ユーロ、中国元等の外貨建取引を行っております。為替変動は外貨建取引に係るキャッシュ・フローへの影響(トランザクションリスク)及び海外子会社の財務諸表の円換算に伴う影響(トランスレーションリスク)を通じて、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。特に米ドルに対する円高は、外貨建売上高の円換算額の減少要因となります。なお、米ドル/円が1円変動した場合、営業利益に与える影響は概ね1億円強と見込んでおります。また、現地通貨の上昇は、原材料費、労務費等の製造コストの増加要因となります。金利変動については、借入金に係る支払利息の増減や、保有する金融資産の受取利息や評価額の変動を通じて、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、為替変動リスクに対し、外貨建取引の実需に基づき為替予約取引等を活用して一定割合のヘッジを実施しております。また、生産・調達・販売の最適配置により、同一通貨圏内での収支の均衡を図ることで自然ヘッジの強化にも努めております。金利変動リスクに対しては、固定金利及び変動金利のバランスを考慮した資金調達を行うとともに、必要に応じて金利スワップ取引を活用しております。これらのリスクは財務部門において継続的にモニタリングされ、定期的に経営会議へ報告されております。 資金調達影響度:中 期間:中内容対応当社グループは、設備投資、研究開発投資及び運転資金等の資金需要に対し、社債発行、コマーシャル・ペーパー発行及び金融機関からの借入等により資金調達を行っております。これらの資金調達は、当社グループの信用力及び金融市場環境に依存しており、例えば業績の悪化、財務指標の低下、信用格付の引下げ、又は信用スプレッドの拡大等の市場環境の変化が生じた場合には、既存の資金調達手段の利用が制限される、又は調達コストが上昇する可能性があります。加えて、資金調達のロールオーバーが困難となる場合や、既存債務の借換えが円滑に実施できない場合には、資金繰りに制約が生じ、投資計画の見直しや事業活動の制限を余儀なくされる可能性があります。これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、資金調達リスクに対応するため、資金計画及び資金繰り管理を統合的に実施しております。具体的には、将来キャッシュ・フローに基づく資金見通しの策定及び定期的な見直しを行い、資金需要及び市場環境の変化に対する耐性の確保に努めております。また、資金調達手段の多様化に加え、社債・借入金の満期分散を図るとともに、流動性バッファの確保に努めております。さらに、安定的な資金調達基盤の維持・強化に向け、財務規律の維持、資本効率の向上及び適時適切な情報開示を通じて、市場、金融機関及び信用格付機関との良好な関係の構築に努めております。なお、当事業年度末において、財務制限条項(コベナンツ)が付されている借入契約及び社債契約はありません。環境影響度:中 期間:中内容対応当社グループは、事業活動を行う各国・地域において、環境保全や公害防止、化学物質管理、温室効果ガス排出削減等に関する各種法令・規制の適用を受けています。これらの環境関連規制が強化された場合には、設備投資の増加や運用コストの上昇、製品設計や製造プロセスの変更等が必要となり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また気候変動の進行に伴う異常気象や自然災害の激甚化は、生産拠点やサプライチェーンの寸断、物流の停滞等を通じて、当社グループの事業活動に影響を及ぼすおそれがあります。当社グループは、環境関連法令の遵守を前提として、製造工程における環境負荷物質の把握及び削減、省エネルギー活動の推進等を通じて、環境負荷低減に取り組んできました。また気候変動が事業に与える影響について、情報収集及び分析を行ってきました。直近では、これらの取組を継続するとともに、気候変動リスクを含む環境リスクを経営課題の一つとして位置付け、リスク管理の枠組みの中で評価・対応を行う体制を強化しております。当社グループは、今後も環境規制や気候変動に関する動向を注視しつつ環境負荷の低減と事業活動の安定的な継続の両立を図ってまいります。災害・感染症影響度:中 期間:中内容対応当社グループは、日本及び海外各国・地域に生産拠点や事業拠点を有していることから、地震、台風、洪水等の自然災害や、感染症の流行・拡大の影響を受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合には、従業員の安全確保、生産設備やインフラの被害、操業停止、物流の混乱等を通じて、当社グループの調達、製造、販売活動及び業績に影響を及ぼすおそれがあります。また、感染症の拡大に伴う行動制限や人員不足、サプライチェーンの停滞等は、事業活動の継続性に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、自然災害や感染症の発生を想定した事業継続計画(BCP)の整備及び再点検を行い、従業員の安全確保や重要業務の継続を優先した対応体制の構築に取り組んできました。特に2024年1月に発生した能登半島地震で大きく被災した石川サンケン株式会社の志賀工場は生産活動を継続しながらお客様への影響を最小限に維持しつつ2025年度末に他拠点へ生産施設の移設を完了しました。これらの取組を他拠点へも展開するとともに、災害及び感染症リスクを全社的なリスク管理の枠組みの中で再評価し拠点別の対応体制や連絡・指示系統の明確化を進めております。当社グループは、今後も自然災害や感染症の発生動向を注視しつつ、従業員の安全確保と事業活動への影響最小化を目的とした対応策の継続的な見直しを行ってまいります。 事業活動リスク 新製品開発影響度:中 期間:中内容対応当社グループは、変化し続ける市場ニーズに沿った製品を開発し販売するビジネスを展開中ですが、製品のタイムリーな市場投入ができなかった場合、あるいは市場に受け入れられなかった場合、当社グループの収益性が低下し、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。成長が著しい地域や変化の大きい市場に対して、各事業部門に加えて、適宜専門組織を立ち上げて柔軟な対応をしています。市場動向・顧客ニーズ・競合製品に関する情報収集を強化し、マーケティング機能による情報分析に基づく市場戦略の立案・管理及び次世代製品の企画策定を推し進め、顧客の潜在ニーズを先取りした製品開発、タイムリーな市場投入と収益性の改善に取り組んでおります。新製品開発においては、開発ゲート管理の強化により、品質、コスト、日程順守状況を監視し、その実現力や状況変化に対する対応力を向上させるとともに、新製品開発活動を加速すべく、当社ものづくり開発センターを核とする開発改革を推進しております。価格競争影響度:中 期間:中内容対応半導体市場における競争激化や顧客のコスト低減要求の高まりにより、価格競争が一層厳しくなる可能性があります。特に競合製品の投入や顧客による調達先の見直し等により、販売価格の低下や販売数量の減少が生じる可能性があります。当社グループは高付加価値製品の開発やコスト競争力強化に努めておりますが、これらを上回る価格競争が継続した場合には、収益性の低下を通じて、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、高付加価値製品の開発及び差別化の推進に加え、生産性向上や調達の最適化等による原価低減を進めるとともに、顧客との協議を通じた売価の適正化に努めております。また製品の高い品質及び信頼性の確保・向上を通じて付加価値を高め、顧客ニーズに応じた提案及び技術サポートの充実により取引関係の強化を図り、安定的な需要の確保に取り組んでおります。知的財産権影響度:中 期間:中内容対応一部地域における知的財産権保護の不十分さや第三者権利の成立・未認識により、模倣品の流通、ロイヤリティー負担、使用制限や訴訟等が生じる可能性があります。これにより供給体制や契約条件に影響が及ぶほか、材料工程を含む領域拡大に伴い権利関係対応の負担が増大し、業績に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対し、当社グループでは、知財教育の充実による社員の啓蒙、模倣品のモニタリングの実施に加え、製品開発及び設計段階における第三者知的財産権の調査を積極的に行い、必要に応じてライセンス契約を締結する等、リスクの回避・低減に努めております。また、「2024年中期経営計画」において化合物半導体デバイスの開発加速を掲げ、自社の技術及びノウハウによる競争優位性の確立を図るとともに、これら独自技術の保護に向け、日本を含むアジア地域及び欧米諸国において、適時に知的財産権の出願・登録を進めております。 品質問題影響度:中 期間:中内容対応当社グループは、顧客の品質基準及び当社の品質基準を満足する各種製品を供給しております。必要となる品質管理体制の維持向上のため、品質管理に関する国際基準ISO9001及びIATF16949の認証を取得し、品質マネジメントシステムの改善に努めております。しかしながら、製造する製品において想定外の品質問題が発生してしまう可能性を排除しきれません。また、大規模な製品の回収、修理等及び損害賠償責任につながるような製品の品質事故は、社会的信用の低下を招くだけでなく、多額の費用を必要とし、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすことになります。この品質問題の発生を防止するために、現在生産している製品の品質管理を強化すると共に品質改善活動を継続的に推進しております。さらに設計段階においては、保有する設計ノウハウや過去から蓄積している品質不具合情報を用いた検証と傾向分析を行い、新規点・変化点の管理強化と検証及び製品企画や設計、試作、量産化の各審査ステージを通じて開発段階から品質の作り込みを実現するための様々な施策を実施し、高度化、複雑化する製品の品質確保に努めております。また、万が一重大な品質問題が発生した場合を考慮し、PL保険やリコール保険に加入しリスク回避としております。固定資産の減損影響度:大 期間:中内容対応当社グループは、生産能力の拡大や製品競争力の維持を目的として、生産設備等の有形固定資産及び企業買収に伴い生じるのれん等の無形固定資産を計上しております。これらの資産については、将来の不確実な経済情勢の変動、市場環境の変化、顧客動向等による事業計画の未達等により収益性が低下した場合、当該資産グループにおいて、減損の兆候が識別される可能性があります。その結果、当該資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額する減損損失を計上する必要性が生じた場合には、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、投資実行時において収益性や投資回収期間について複数シナリオに基づく検証を行い、投資判断を実施しております。また、投資後においては、事業計画に対する進捗についてモニタリングを継続的に実施し、減損の兆候の有無を把握しております。収益性の低下が認められる場合には、原因分析を行った上で、販売施策の見直しやコスト削減等の対応を講じるとともに、必要に応じて将来キャッシュ・フローの見直しを実施し、減損リスク及び影響の早期把握に努めております。持分法適用関連会社及び出資先の業績影響度:中 期間:中内容対応当社グループは、持分法適用関連会社の株式保有及び投資事業有限責任組合等への出資を行っております。これらの関連会社及び出資先は、それぞれ独立した経営判断のもとで事業運営がなされており、当社グループがその経営を支配するものではありません。このため、関連会社及び出資先の事業環境の変化や業績悪化等が生じた場合には、当社グループの持分法による投資損益の悪化や、投資有価証券の減損損失の計上等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクに対応するため、関連会社については重要事項に関する事前ヒアリング等を通じて経営状況の把握に努めるとともに、定期的な業績モニタリング及び財務状況の分析を実施しております。また、出資先についても、経営状況の定期的なヒアリング等を通じて投資先の状況を継続的に把握し、業績の変動や減損等の兆候を適時に把握する体制を整備しております。 コーポレートリスク 情報セキュリティ影響度:中 期間:中内容対応① 情報管理当社グループは、事業を展開する上で、顧客及び取引先の機密情報や個人情報及び当社グループ内の機密情報や個人情報を有しております。これらの情報管理が不十分であった場合、内部不正や過失・外部からの侵入等に起因する情報漏えいが発生し、法令違反や社会的評価の低下を通じて、事業運営や企業価値に影響を及ぼす可能性があります。① 情報管理当社グループでは、情報資産の適切な管理を目的として、文書を含む情報資産管理の規程・ルールの整備更新、利用権限の管理、情報媒体の盗難・社外への不正な持ち出し防止等の施策を実施するとともに教育・啓発活動を行うことで、情報資産の漏洩防止に向けた取組の強化に努めております。② サイバーセキュリティ当社グループは、事業活動において様々な情報システムを利用しており、サイバー攻撃等による不正アクセス、従業員による不正もしくは過失に基づく行為により、データの改ざんや破壊、情報の漏洩、システム障害や停止等を通じて、事業活動や顧客・取引先からの信用に影響を及ぼす可能性があります。② サイバーセキュリティ当社グループでは、サイバー攻撃に対する監視、不正侵入の防止と検知データアクセスへの制限と認証の強化、脆弱性対応等の対策に加え、インシデント発生時の対応手順の整備及び全従業員に対する教育・訓練・啓発活動等リスクの低減に努めており、サイバーセキュリティ対策の定期的な内部評価・改善も実施しております。コンプライアンス影響度:中 期間:中内容対応当社グループは、国内外において事業活動を展開していることから、各国・地域の法令、業界規制、社会規範等の遵守が求められております。これらの法令・規制への違反や社会的要請への不十分な対応が生じた場合には、行政指導や制裁、訴訟、事業活動の制限、信用の低下等を通じて、当社グループの業績や企業価値に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、行動規範である「サンケンコンダクトガイドライン」を中心とした社内規程の整備・周知及び、役員・従業員を対象としたコンプライアンス研修の実施を通じて、法令遵守意識の浸透に取り組んできました。直近では、これらの取組を継続するとともに、コンプライアンスを全社的リスクとして位置付け、リスク管理の枠組みの中で評価・管理する体制を強化しました。具体的には、国内外の法令・規制動向を継続的に把握し、社内規程や運用の見直しを行うとともに、研修内容の見直しや対象範囲の拡充を進めております。また不正・違反行為の未然防止及び早期発見を目的とした相談・通報体制の周知徹底を図っております。当社グループは、今後もコンプライアンスの徹底を経営の重要課題の一つとして位置付け、健全で透明性の高い事業運営の継続に努めてまいります。税務影響度:中 期間:中内容対応当社グループは、世界各国に生産・販売拠点を有しており、各国税務当局との間で見解の相違が生じる場合、多額の追徴課税を課されるリスク及び移転価格税制の課税による二重課税リスク等の税務リスクがあります。また、税制の変更が当社グループの予想を超えて実施された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、税務に関するガバナンス体制を整備するとともに、各国・地域における税制の変化に関して海外子会社と情報共有を実施することで、早期に税務リスク情報を収集し、法令の立法趣旨に照らして税務処理の決定を行っております。また、税務処理に不確実性が残った場合は、外部専門家への相談を行い税務リスク低減に努めております。 人材採用・確保影響度:中 期間:中内容対応①人的資本(Human Capital)当社グループは、中期経営計画に掲げるパワー半導体事業戦略の推進に当たっては、高度な専門性を有する人材の確保及び育成が不可欠であります。これらの人材の安定的確保・育成が計画どおりに進まない場合には、当該事業の成長や競争力の維持・強化に支障が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。①人的資本(Human Capital)当社グループは、専門人材の確保・育成に向け、新卒・中途採用の計画的な実施、専門人材の重点採用、リファラル採用の推進等多様な採用チャネルの利用促進に加え、シニア人材の経験・知見の活用を図るとともに、社内教育プログラムの充実及び体系的な人材育成の仕組みの整備を推進し、エンゲージメントの向上に努めております。また、事業部門と連携し、採用・育成・配置を一体的に運用することで、事業ニーズに即した人材活用を図るとともに、最適な人員配置の実現に向けた取組を進めております。②人権(Human Rights)当社グループは、「サンケングループ人権方針」を制定し、人権尊重を事業活動の前提としています。一方で、事業活動及びサプライチェーンにおいて差別やハラスメント等の人権侵害が発生し、その予防や対応が不十分であった場合、従業員の就業環境の悪化や社会的評価の低下等を通じて、事業継続や企業価値に影響を及ぼす可能性があります。②人権(Human Rights)当社グループでは、差別やハラスメントに関する社内外の相談・通報制度を整備し、寄せられた通報については丁寧な事実確認を行ったうえで、必要に応じた是正措置及び再発防止策(教育・講習等)を講じています。また、お取引先さまに対して人権に関するCSR調査等を行い、課題がある部分については改善をお願いしております。③安全衛生(Safety & Health)当社グループは、「安全はすべてに優先する」との方針のもと、安全衛生委員会を軸とし複数の事業所と連携を図り、職場の安全と安心への取組を推進しています。しかしながら、安全衛生の確保が十分に機能しない場合には、操業の安定性や生産性に影響を及ぼす可能性があります。③安全衛生(Safety & Health)当社グループは、安全教育の徹底や設備投資、リスクアセスメントを通じて労働災害の未然防止に取り組んでいます。近年では、災害事例を通しての原因と対策の共有、外部講師による講習会の開催、定期的な各種パトロール実施等を行っております。④ダイバーシティ&インクルージョン(DE&I)当社グループは、多様な視点やイノベーションの創出、意思決定の質向上等のためにダイバーシティ&インクルージョンの実現は必須と考えております。それが十分に推進できない場合には、人材活用や競争力の面で課題が生じ、事業の安定性に影響を及ぼす可能性があります。④ダイバーシティ&インクルージョン(DE&I)当社グループは、ダイバーシティ&インクルージョンにおける人材活用の指標として、女性・外国籍採用比率、女性管理職比率、育児休業の取得状況(男女)、障害者雇用率等、様々な指標を継続的に把握分析し、対処していくことで、人材の育成や登用、働き方の支援等、多様な人材の活躍促進と事業運営の安定化を進めております。⑤ 健康経営(Health Management)当社グループは、社員の心身の健康を人的資本の持続性に係る重要な要素と捉え、社員の健康増進を通して、社員が元気にイキイキと継続して働ける職場環境を実現するために、「健康宣言」を掲げております。しかしながら、取組が十分に継続・浸透しない場合には、社員のパフォーマンス低下や事業運営に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 健康経営(Health Management)当社グループは、病欠者数やメンタル不調による長期休暇取得状況、喫煙状況、定期健康診断の受診状況及び生活習慣病に関する指標について健康情報管理システムを利用し継続的に把握しております。これらを踏まえ、健康診断の受診徹底やメンタルヘルスケア等を実施し、事業運営への影響の低減に努めております。