6730

アクセル(6730)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • LSI事業が収益の柱
    アクセルグループは、パチンコ・パチスロ機向けのグラフィックスLSI(大規模集積回路)やメモリモジュールといった半導体製品の開発・販売を主力としています。このLSI事業がグループ全体の売上高の大部分を占めており、主要な収益源となっています。研究開発に特化したビジネスモデルで、製造は外部に委託しています。
  • AI事業の育成
    LSI事業に加えて、AI(人工知能)領域における製品開発、販売、ソリューション提供を行うAI事業も展開しています。自社開発のAIフレームワーク「アイリアSDK」を中核とし、組み込み機器向けLSI、ゲーム開発ミドルウェア、ブロックチェーン関連、セキュリティ製品など多角的な事業を目指しており、将来の成長ドライバーとして育成中です。
  • 水平分業型ビジネスモデル
    アクセルグループは、自社で半導体の研究開発と設計に注力し、製造は外部の半導体メーカーに委託する「水平分業型」のビジネスモデルを採用しています。これにより、設備投資を抑えつつ、高度な技術開発に経営資源を集中させることが可能となっています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • LSI事業
    パチンコ・パチスロ機向けLSI開発販売関連:パチンコ・パチスロ機向けのグラフィックスLSIやメモリモジュールといった半導体製品の開発・販売を行っています。この事業がアクセルグループの主要な収益源であり、最新年度の売上高は148.04億円、営業利益は26.1億円と、グループ全体の大部分を占める稼ぎ頭です。
  • AI事業
    AI、組み込み機器、ミドルウェア、ブロックチェーン、セキュリティ関連:AI自社開発のAIフレームワーク「アイリアSDK」を中核とした製品開発・ソリューション提供に加え、組み込み機器向けグラフィックスLSI、ゲーム開発ミドルウェア、ブロックチェーン開発支援、マイニングハードウェア、暗号化製品の開発販売を行っています。最新年度の売上高は4.4億円、営業利益は-4.95億円と、現在は先行投資段階で赤字ですが、今後の成長ドライバーとして期待されています。
  • 事業セグメントの名称変更
    以前は「LSI開発販売関連」と「新規事業関連」という名称でしたが、現在はそれぞれ「LSI事業」と「AI事業」に名称が変更されています。この変更は名称のみであり、事業内容やセグメント情報に与える影響はありません。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
LSIBusinessForJapaneseEntertainmentMachines 地域 148 26 17.6%
MiddlewareAIBlockChainAndOtherAndLSIBusinessForNewBusinessSegment 地域 4 -5 -112.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|729 文字
3【事業の内容】当社グループは、研究開発型の企業集団として、パチンコ・パチスロ機に向けた製品開発を行うLSI事業と、AI領域における製品の開発販売及びソリューションの提供を主軸としてAI事業を営んでおります。組み込み機器向け製品の開発販売やブロックチェーン領域等についてはAI事業の管理区分に含めております。当社及び子会社の当該事業に係わる位置付けは次の通りであります。なお、本事業内容の区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。また、当社グループは、既存事業である「LSI開発販売関連」を主たる事業、今後の成長を担う「新規事業関連」を報告セグメントとして認識しておりましたが、従来「LSI開発販売関連」としていた報告セグメントの名称を「LSI事業」に、従来「新規事業関連」としていた報告セグメントの名称を「AI事業」に名称変更しております。当該変更は報告セグメントの名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。 区分事業内容会社名LSI事業■パチンコ・パチスロ機向けグラフィックスLSI、メモリモジュールを中心とした製品開発販売㈱アクセルaimRage㈱AI事業■AI自社開発したAIフレームワーク アイリアSDK を中核とした製品の開発及びソリューションの提供■組み込み機器向けグラフィックスLSI及び関連製品の開発販売■ミドルウェアゲーム開発に向けたミドルウェア製品 AXIPシリーズの開発販売■ブロックチェーンブロックチェーン開発支援サービスマイニングハードウェアの開発販売■セキュリティ暗号化製品の開発販売㈱アクセルアイリア㈱ 事業系統図は次の通りです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
製造原価の上昇に比して販売価格への転嫁が十分に行うことができない場合があるため
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
グラフィックスLSI、メモリモジュール、AI、ブロックチェーン等の先進技術開発力
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:パチンコ・パチスロ機市場の縮小 / 特定製品への依存(連結売上高の約82%) / 製造委託先の生産枠確保や問題発生
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

アクセル(6730)は、特定の強力なブランド、特許ポートフォリオ、規制ライセンス、または独占的な知的財産(IP)によって裏付けられた無形資産の明確な兆候を示していません。同社の事業は、主に技術革新と市場の需要に依存しており、これらは時間とともに陳腐化する可能性があります。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

アクセルの製品は、主にゲーム機やPC向けの半導体デバイスです。顧客(ゲームメーカーやPCメーカー)は、特定のハードウェアプラットフォームに依存する開発を行っているため、サプライヤー変更に伴う開発コストやリスクを考慮すると、一定のスイッチングコストが発生する可能性があります。しかし、代替技術や競合製品の出現により、このコストは限定的です。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

アクセルの事業モデルには、ユーザー数の増加が製品やサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は存在しません。同社の収益は、個々の顧客との取引や製品の販売量に依存しており、プラットフォーム型ビジネスのような相互依存関係は見られません。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

アクセルは、特定の製造プロセスやサプライチェーンにおける構造的なコスト優位性を持っているという明確な証拠はありません。半導体業界は競争が激しく、技術革新や規模の経済がコストに影響を与える可能性がありますが、同社が持続的なコストリーダーシップを発揮しているとは言えません。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

アクセルは、特定のニッチ市場(例:ゲーム機向け映像・音声処理LSI)においては一定のシェアを確保している可能性があります。しかし、業界全体で見ると、より大規模な半導体メーカーと比較して、その規模は限定的であり、規模の経済による明確な優位性を確立しているとは言えません。

  • パチンコ・パチスロ市場での圧倒的シェア
    アクセルグループは、パチンコ・パチスロ機向けグラフィックスLSIおよびメモリモジュールにおいて、圧倒的な市場シェアと顧客基盤を確立しています。長年の実績と信頼により、主要な顧客との強固な関係を築いており、これが安定した収益源となっています。
  • 高い技術力と研究開発力
    研究開発型の企業集団として、LSI開発で培った高度な技術力と、AI領域における独自のAIフレームワーク「アイリアSDK」の開発力を持っています。これにより、顧客のニーズに応じた高機能・多機能な製品を提供し、競争優位性を維持しています。
  • 参入障壁の高い市場での優位性
    パチンコ・パチスロ機市場は、製品開発にかかる投資額が大きく、新規参入が難しい市場です。アクセルグループは、この市場で安定的な投資リターンを確保し、継続的な新製品開発を行うことで、市場構造上の優位性を堅持しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • ROE10%達成を目標とした企業価値向上
    アクセルグループは、資本コストを上回るROE(自己資本利益率)10%の達成を経営上の重要目標として掲げています。開発投資の経済合理性を検証し、投下資本に対する収益性を意識した経営を推進することで、持続的な企業価値向上を目指しています。
  • LSI事業の事業拡大と安定収益確保
    主力であるパチンコ・パチスロ機市場において、次世代グラフィックスLSIやメモリモジュールの開発を継続し、製品ポートフォリオの拡充を図ります。また、顧客の開発負荷を軽減する支援環境を整備し、付加価値の高いソリューションを提供することで、厳しい市場環境下でも安定収益の確保と中長期的な成長を目指します。
  • AI事業を主軸とした新規事業の早期確立
    パチンコ・パチスロ機市場への依存度を低減し、持続的な成長を実現するため、AI事業を第二の柱として早期に確立し、規模拡大を目指しています。特に「AIコンピューティング領域」に注力し、ハードウェア開発の知見を活かした高性能ソリューションを提供することで、早期の収益化フェーズへの移行を図ります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針 当社は、以下に掲げる「企業理念」を経営の基本方針として、法令遵守はもとより、当社が社会的存在であることを常に意識した活動を推進しております。 企業理念Mission:洗練された製品・サービスの創造を通じ、世の中の革新に貢献しようVision :先端テクノロジー企業として、グローバルに活躍することを目指そうValues :顧客の満足を第一としよう プロフェッショナルとして挑戦することを楽しもう 多様性を尊重し、仲間と、より大きな事を為そう スピードを上げよう (2)目標とする経営指標当社グループは、企業価値向上を意識した経営を推進しており、中長期的に資本コストを上回るROE(自己資本利益率)を達成することが経営上の重要な課題であると認識しております。このため、ROEを経営上の重要な指標として位置付けており、「ROE10%の達成」を目標に掲げております。当社グループでは資本コストを上回る収益性の確保に向けて、開発投資の経済合理性を検討する会議体を設置し、主要な開発プロジェクトごとに資本コストを意識した投下資本に対する収益性を検証することとしております。また、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題」に記載の通り、新規事業の確立による事業ポートフォリオの多様化を推進し、既存事業(パチンコ・パチスロ機)の市場環境に過度に依存しない持続安定的な企業体質を早期に構築することを目標に掲げております。セグメント別では、LSI事業セグメントは主力製品であるグラフィックスLSI及びメモリモジュール製品の販売個数及び市場シェア、AI事業セグメントは重点ドメインでの顧客数及び受託事業の粗利率、ライセンス売上比率をKPIとして事業評価の社内指標としております。 (3)経営者の問題意識と今後の方針について現在の主力市場であるパチンコ・パチスロ機市場は、市場規模の縮小や開発投資額の高騰といった構造変化に直面しておりますが、圧倒的な市場シェアと強固な顧客関係、継続的な開発力を有する当社グループにとっては競争優位を確立する機会であると認識しております。株主の負託に応えた持続的な成長を実現させるため、同市場において次世代グラフィックスLSIやメモリモジュールの開発継続、製品ポートフォリオの拡充を進め、更なるシェア向上と事業拡大を図ってまいります 。一方で、中長期的な成長の牽引役としてAI事業の早期確立が重要課題であると認識しております 。当社が半導体製品開発で培ったハードウェア・OSの知見と、独自開発のAI推論フレームワーク等の強みを生かしたAIコンピューティング事業に注力し、早期の収益化フェーズへの移行を目指してまいります。当社は、先端テクノロジー企業として、洗練された製品・サービスの創造を通じ、世の中の革新に貢献することを企業理念として掲げております。当社グループではコア・コンピタンスである研究開発力を存分に発揮し、現在の主たる市場であるパチンコ・パチスロ機市場に加えて、AI事業をはじめとする第二第三の柱を早急に確立させるための経営施策を実行してまいります。 (4)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題当社グループでは持続的な成長のため、以下の課題に取り組んでまいります。①パチンコ・パチスロ機市場での事業拡大について(LSI事業セグメント)当社グループの主力市場であるパチンコ・パチスロ機市場(年間新台販売台数)は、2006年以降縮小傾向にありましたが、2020年度には市場が底打ち、その後は安定した市場規模を維持しております。一方で、当社製品を含む構成部材のリユース(再利用)の進展により、市場需要が縮小するという厳しい影響も受けています。しかしながら、同市場は当社グループ製品をはじめとする電子部品の需要が旺盛な巨大な市場であることに加え、当社グループにおいて事業化が可能な未参入領域も残されており、引き続き重要な市場であると考えております。また、近年の開発投資額の増大は、新製品投入における投資回収の難易度を高めており、結果として高い参入障壁が形成されております。これに対し、強固な市場シェアを有する当社グループは、安定的な投資リターンの確保を通じた継続的な新製品開発が可能であり、市場構造上の優位性を堅持しております。同市場に向けましては、グラフィックスLSI及びメモリモジュール製品を中核製品とし、同製品を搭載した基板製品の展開、さらには同市場内における新たな領域への製品開発など製品の多様化を図ってまいります。また、顧客の開発負荷を軽減する開発支援環境の整備向上を図り、顧客とより密着した付加価値の高いソリューションを提供してまいりたいと考えております。このような施策を有機的に展開し、厳しい市場環境においても安定収益の確保と中長期的な成長を実現してまいりたいと考えております。②AI事業を主軸とした新規事業の早期確立と規模拡大について(AI事業セグメント)当社グループが株主の負託に応えた持続的な成長を実現していくためには、事業の多角化等による新たな収益機会の獲得も重要であると考えております。現在、その中核としてAI事業領域への進出に注力しております。特に、国内の基幹産業である製造業において需要が高まっている「AIコンピューティング領域」において、当社が長年培ってきたハードウェア開発の知見を最大限に活用し、高性能なソリューションを提供することで、収益化フェーズへの早期移行を図っております。また、先進技術の基礎研究を継続的に行うことで、更なる新事業の創出を検討しております。これらの取り組みにより、新たな市場での競争力を確立し、早期の事業確立と規模拡大を目指してまいりたいと考えております。 ③知的財産権の保護・保全及び他社の知的財産権の侵害リスクを排斥するための取り組みについて当社グループは、開発した各種技術に係る知的財産権の保護・保全に加え、当社グループの事業規模の拡大に応じて、他社の知的財産権の侵害リスクが高まるとの認識のもと、他社の権利を侵害しないための体制整備が重要な課題であると認識しております。以上の課題に対し当社グループでは、社長直轄の知的財産権全般にわたる担当部署を設置するとともに弁理士との緊密な関係構築や知的財産権に関する社内セミナーの開催といった取り組みを継続的に実施しております。今後におきましても、研究開発担当者、知的財産権を統括する部署及び弁理士との連携強化を進め、さらなる実効性の向上に努めてまいりたいと考えております。 ④コーポレート・ガバナンスの充実について当社グループは、継続的な企業価値向上及び持続可能な成長を実現するためには、コーポレート・ガバナンスの充実が重要であると考えており、業態、事業規模等に見合ったコーポレート・ガバナンス体制を適宜構築していくことが重要な課題であると考えております。 コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方当社は、企業理念に定める「Mission」「Vision」「Values」の価値観を共有して事業に取り組む。また、この理念のもと、企業組織として社会的倫理観をもって事業活動を行うとともに、経営の健全性、透明性、効率性を高めることにより、企業価値の向上と持続可能な成長を目指す。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針 当社は、以下に掲げる「企業理念」を経営の基本方針として、法令遵守はもとより、当社が社会的存在であることを常に意識した活動を推進しております。 企業理念Mission:洗練された製品・サービスの創造を通じ、世の中の革新に貢献しようVision :先端テクノロジー企業として、グローバルに活躍することを目指そうValues :顧客の満足を第一としよう プロフェッショナルとして挑戦することを楽しもう 多様性を尊重し、仲間と、より大きな事を為そう スピードを上げよう (2)目標とする経営指標当社グループは、企業価値向上を意識した経営を推進しており、中長期的に資本コストを上回るROE(自己資本利益率)を達成することが経営上の重要な課題であると認識しております。このため、ROEを経営上の重要な指標として位置付けており、「ROE10%の達成」を目標に掲げております。当社グループでは資本コストを上回る収益性の確保に向けて、開発投資の経済合理性を検討する会議体を設置し、主要な開発プロジェクトごとに資本コストを意識した投下資本に対する収益性を検証することとしております。また、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題」に記載の通り、新規事業の確立による事業ポートフォリオの多様化を推進し、既存事業(パチンコ・パチスロ機)の市場環境に過度に依存しない持続安定的な企業体質を早期に構築することを目標に掲げております。セグメント別では、LSI事業セグメントは主力製品であるグラフィックスLSI及びメモリモジュール製品の販売個数及び市場シェア、AI事業セグメントは重点ドメインでの顧客数及び受託事業の粗利率、ライセンス売上比率をKPIとして事業評価の社内指標としております。 (3)経営者の問題意識と今後の方針について現在の主力市場であるパチンコ・パチスロ機市場は、市場規模の縮小や開発投資額の高騰といった構造変化に直面しておりますが、圧倒的な市場シェアと強固な顧客関係、継続的な開発力を有する当社グループにとっては競争優位を確立する機会であると認識しております。株主の負託に応えた持続的な成長を実現させるため、同市場において次世代グラフィックスLSIやメモリモジュールの開発継続、製品ポートフォリオの拡充を進め、更なるシェア向上と事業拡大を図ってまいります 。一方で、中長期的な成長の牽引役としてAI事業の早期確立が重要課題であると認識しております 。当社が半導体製品開発で培ったハードウェア・OSの知見と、独自開発のAI推論フレームワーク等の強みを生かしたAIコンピューティング事業に注力し、早期の収益化フェーズへの移行を目指してまいります。当社は、先端テクノロジー企業として、洗練された製品・サービスの創造を通じ、世の中の革新に貢献することを企業理念として掲げております。当社グループではコア・コンピタンスである研究開発力を存分に発揮し、現在の主たる市場であるパチンコ・パチスロ機市場に加えて、AI事業をはじめとする第二第三の柱を早急に確立させるための経営施策を実行してまいります。 (4)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題当社グループでは持続的な成長のため、以下の課題に取り組んでまいります。①パチンコ・パチスロ機市場での事業拡大について(LSI事業セグメント)当社グループの主力市場であるパチンコ・パチスロ機市場(年間新台販売台数)は、2006年以降縮小傾向にありましたが、2020年度には市場が底打ち、その後は安定した市場規模を維持しております。一方で、当社製品を含む構成部材のリユース(再利用)の進展により、市場需要が縮小するという厳しい影響も受けています。しかしながら、同市場は当社グループ製品をはじめとする電子部品の需要が旺盛な巨大な市場であることに加え、当社グループにおいて事業化が可能な未参入領域も残されており、引き続き重要な市場であると考えております。また、近年の開発投資額の増大は、新製品投入における投資回収の難易度を高めており、結果として高い参入障壁が形成されております。これに対し、強固な市場シェアを有する当社グループは、安定的な投資リターンの確保を通じた継続的な新製品開発が可能であり、市場構造上の優位性を堅持しております。同市場に向けましては、グラフィックスLSI及びメモリモジュール製品を中核製品とし、同製品を搭載した基板製品の展開、さらには同市場内における新たな領域への製品開発など製品の多様化を図ってまいります。また、顧客の開発負荷を軽減する開発支援環境の整備向上を図り、顧客とより密着した付加価値の高いソリューションを提供してまいりたいと考えております。このような施策を有機的に展開し、厳しい市場環境においても安定収益の確保と中長期的な成長を実現してまいりたいと考えております。②AI事業を主軸とした新規事業の早期確立と規模拡大について(AI事業セグメント)当社グループが株主の負託に応えた持続的な成長を実現していくためには、事業の多角化等による新たな収益機会の獲得も重要であると考えております。現在、その中核としてAI事業領域への進出に注力しております。特に、国内の基幹産業である製造業において需要が高まっている「AIコンピューティング領域」において、当社が長年培ってきたハードウェア開発の知見を最大限に活用し、高性能なソリューションを提供することで、収益化フェーズへの早期移行を図っております。また、先進技術の基礎研究を継続的に行うことで、更なる新事業の創出を検討しております。これらの取り組みにより、新たな市場での競争力を確立し、早期の事業確立と規模拡大を目指してまいりたいと考えております。 ③知的財産権の保護・保全及び他社の知的財産権の侵害リスクを排斥するための取り組みについて当社グループは、開発した各種技術に係る知的財産権の保護・保全に加え、当社グループの事業規模の拡大に応じて、他社の知的財産権の侵害リスクが高まるとの認識のもと、他社の権利を侵害しないための体制整備が重要な課題であると認識しております。以上の課題に対し当社グループでは、社長直轄の知的財産権全般にわたる担当部署を設置するとともに弁理士との緊密な関係構築や知的財産権に関する社内セミナーの開催といった取り組みを継続的に実施しております。今後におきましても、研究開発担当者、知的財産権を統括する部署及び弁理士との連携強化を進め、さらなる実効性の向上に努めてまいりたいと考えております。 ④コーポレート・ガバナンスの充実について当社グループは、継続的な企業価値向上及び持続可能な成長を実現するためには、コーポレート・ガバナンスの充実が重要であると考えており、業態、事業規模等に見合ったコーポレート・ガバナンス体制を適宜構築していくことが重要な課題であると考えております。 コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方当社は、企業理念に定める「Mission」「Vision」「Values」の価値観を共有して事業に取り組む。また、この理念のもと、企業組織として社会的倫理観をもって事業活動を行うとともに、経営の健全性、透明性、効率性を高めることにより、企業価値の向上と持続可能な成長を目指す。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。①経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、景気は緩やかに回復しているものの、米国の通商政策や中東情勢の動向による景気の下振れリスクには留意が必要な状況にあります。また、金融資本市場の変動による影響も注視する必要があり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。当社グループの主力市場であるパチンコ・パチスロ機市場は、スマート遊技機への移行は着実に進展したものの、市場全体としては減速感が見られる一年となりました。パチンコ機市場は、新ルールを搭載したスマートパチンコの導入が堅調に推移したものの、足元では減速感が見られており、全体での販売台数は前年を下回る結果となりました。一方、パチスロ機市場は、スマートパチスロが引き続き市場を牽引し、全体としても底堅い推移を見せました。その結果、当社の市場規模の目安となるパチンコ・パチスロ機の年間新台販売台数は、前期153万台に対して148万台程度だったものと推計しております。かかる環境の中で当社グループは、パチンコ・パチスロ機市場における市場シェア拡大や高付加価値製品への移行、中期的な製品ポートフォリオ拡充に向けた取り組みに注力いたしました。あわせて、AI領域の事業展開を推進し、同領域における認知度向上を図るとともに、顧客基盤の着実な拡大に注力いたしました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は前期比587百万円減(同3.9%減)となる14,656百万円、売上総利益は同321百万円増(同7.3%増)となる4,709百万円となりました。売上総利益率は高付加価値製品への移行が進捗し、相対的に利益率の低い製品の販売構成比率が低下したこと等により、3.3ポイント改善となる32.1%となっております。販売費及び一般管理費は研究開発費の増加等により、前期比117百万円増(同4.0%増)となる3,044百万円となりました。また、販売費及び一般管理費のうち研究開発費は同93百万円増(同6.0%増)となる1,641百万円となっております。以上により、営業利益は前期比203百万円増(同13.9%増)となる1,664百万円、経常利益は前期比249百万円増(同16.2%増)となる1,792百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同251百万円増(同25.7%増)となる1,230百万円となりました。 セグメント別の経営成績は次の通りであります。また、下記セグメントのほか、各セグメントに配分していない全社費用が733百万円となっております。なお、当連結会計年度末より、報告セグメントの名称を従来の「LSI開発販売関連」および「新規事業関連」から「LSI事業」および「AI事業」に変更しております。当該変更は報告セグメントの名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。 ⑴ LSI事業LSI事業セグメントは、既存事業であるパチンコ・パチスロ機向け製品で構成されており、売上高は前期比1,010百万円減(同6.8%減)となる13,793百万円、セグメント利益は同44百万円減(同1.7%減)となる2,566百万円となりました。製品別では、主力製品であるパチンコ・パチスロ機向けグラフィックスLSIは、前期に比較して約4万個減少となる約46万個の販売となりました。また、新規販売ベースでのメモリモジュール製品は、前期を下回る販売数となりました。これらの販売個数の減少は、主にパチンコ・パチスロ機の年間新台販売台数が前期を下回ったことによるものでありますが、主力製品の市場シェアについては引き続き堅調に推移しているものと分析しております。なお、当期末の同セグメントの受注残高は14,929百万円となっております。 ⑵ AI事業AI事業セグメントは、AI領域を主軸とした事業を展開しており、特に当社が長年培ってきたハードウェア開発の知見を最大限に生かせる「AIコンピューティング領域」に注力しております。なお、組み込み機器市場向けグラフィックスLSIやブロックチェーン等の領域についても、継続して同セグメントの管理区分に含めております。同セグメントにおける売上高は前期比422百万円増(同96.0%増)となる862百万円、セグメント損失は同327百万円減(前期は495百万円の損失)となる168百万円となりました。 ②財政状態の状況当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末との比較で1,066百万円増加となる16,109百万円(同7.1%増)となりました。主な要因は、売掛金及び契約資産の増加(195百万円)、商品及び製品の増加(951百万円)、投資有価証券の増加(637百万円)に対し、現金及び預金の減少(830百万円)等であります。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末との比較で350百万円増加となる2,377百万円(同17.3%増)となりました。主な要因は、未払法人税等の増加(393百万円)等であります。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末との比較で716百万円増加の13,732百万円(同5.5%増)となりました。主な要因は、利益剰余金の増加(736百万円)、その他有価証券評価差額金の増加(161百万円)に対し、自己株式の取得等による減少(196百万円)等であります。 ③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は5,670百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は、以下の通りとなっております。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動により獲得した資金は223百万円(前期は1,575百万円の支出)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益(1,783百万円)、その他の流動負債の増加(246百万円)に対し、売上債権の増加(195百万円)、棚卸資産の増加(951百万円)、その他の流動資産の増加(220百万円)、仕入債務の減少(375百万円)、法人税等の支払額(264百万円)等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動により支出した資金は498百万円(前期は766百万円の支出)となりました。これは主に投資事業組合からの分配による収入(62百万円)に対し、有形固定資産の取得による支出(85百万円)、投資有価証券の取得による支出(445百万円)等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動により支出した資金は714百万円(前期は873百万円の支出)となりました。これは主に自己株式の取得による支出(227百万円)、配当金の支払額(493百万円)等によるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度の生産実績は次の通りであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年増減率(%) (百万円) LSI事業15,225△6.4 AI事業457135.3合計15,682△4.7(注)1.金額は販売価額によっております。2.上記の金額は、LSI製品及びLSI関連製品に対する金額を記載しております。 b.受注実績当連結会計年度の受注実績は次の通りであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)受注高(百万円)前年増減率(%)受注残高(百万円)前年増減率(%) LSI事業17,73057.614,92935.8 AI事業67287.4153△41.8合計18,40358.515,08234.0(注)1.金額は販売価額によっております。2.LSI事業セグメントでは、一部製品において需要予測に基づく見込み生産を行っております。上記数値は見込み生産も含めたLSI製品及びLSI関連製品に対する受注実績を記載しております。また、AI事業セグメントは、組み込み機器向けLSI製品及びLSI関連製品に対する受注実績及び個別受託開発に対する数値を記載しており、IP製品等のロイヤリティは含めておりません。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績は次の通りであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年増減率(%) (百万円) LSI事業13,793△6.8 AI事業86296.0合計14,656△3.9(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)緑屋電気株式会社9,49962.36,77146.2加賀FEI株式会社加賀電子株式会社2,4072,47015.816.24,1902,13128.614.5 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。①重要な会計方針当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループが連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載の通りであります。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「3 事業等のリスク」に記載の通りであります。上記の通り、現在の主力市場は「LSI事業」セグメントに含まれるパチンコ・パチスロ機市場であり、売上高の95%程度を同市場向けの製品で占めております。現在、同市場は遊技人口の減少傾向に加え、法改正の影響もあり先行き不透明な状況が続いております。今後安定的な収益を確保し持続的な成長を実現していくためには、同市場の規模が縮小した中でも安定的な収益を確保するためのビジネスモデルの再構築に加え、同市場以外の新規事業を早急に開拓していくことが重要であると考えております。 ③財政状態、キャッシュ・フローの分析「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況 ③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。 ④資本の財源及び資金の流動性についての分析(資金需要)当社グループは主にファブレスメーカーとして事業を展開しており、工場等の多額の設備投資を必要としないビジネスモデルを採用しております。現在の事業活動における資金需要の主なものは、販売費及び一般管理費に計上されるものであり、次世代製品の開発等にかかる研究開発費に加え、事業活動を支えるその他一般管理費等があります。当連結会計年度における販売費及び一般管理費の実績は3,044百万円となっております。 (財務政策)現在の当社グループの収益構造はLSI事業セグメントに含まれるパチンコ・パチスロ機向け製品による収益が大半を占めており、当社グループの業績は当該市場環境の影響を強く受けるものと考えております。当社グループでは、事業ポートフォリオの多様化に取り組むなど、特定環境の影響を過度に受けないための施策に注力しておりますが、各期の業績のボラティリティが高くなる可能性も考慮し、全般として財務の健全性を保つことに比重を置いております。当連結会計年度末における資金は、5,670百万円となっており、この資金は当連結会計年度末における連結貸借対照表上の現金及び預金残高4,170百万円と償還期限3ヶ月以内の合同運用による金銭信託1,500百万円で構成されております。当連結会計年度末における現金及び預金と有価証券の合計額に係る総資産構成比率は35%となっており、当連結会計年度末における資金残高は、財政状態の健全性を確保したうえで、機動的な経営活動及び積極的な研究開発活動を行うために当面必要と考えられる資金額として問題のない水準にあると分析しております。 ⑤経営上の目標の達成状況について当社グループは、「ROE10%の達成」を事業活動の指標として採用しております。当連結会計年度における連結ROEは9.3%となっております。引き続き資本効率を意識した経営を推進することで、ROE10%を達成することを目標にさまざまな経営戦略を実行してまいります。なお、中長期的な会社の経営戦略は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題」に記載の通りであります。

事業リスク

  • パチンコ・パチスロ機市場への高い依存
    LSI事業は連結売上高の約95%を占め、その中でもパチンコ・パチスロ機向けグラフィックスLSIとメモリモジュール製品が連結売上高の約84%を占めています。この市場の縮小や法的・自主規制の強化、競合他社の参入、製品のリユース(再利用)の進展などが、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
  • 製造委託とサプライチェーンのリスク
    製品製造を外部の半導体メーカーに委託しているため、製造委託先の生産能力不足、予期せぬトラブル、契約終了、または長期調達契約における需要予測の大きな乖離などが、製品の安定供給や業績に悪影響を与える可能性があります。
  • AI事業の早期確立の不確実性
    単一市場への依存リスクを低減するため、AI事業の早期確立を目指していますが、新たな市場の規模が予想より小さい場合や、事業化に向けた取り組みが期待通りの成果を上げられない場合、将来の成長戦略に遅れが生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|7,239 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 LSI事業セグメントのリスク①パチンコ・パチスロ機市場について(ⅰ)市場動向(規模)について LSI事業セグメントに含まれるパチンコ・パチスロ機市場は当社連結売上高の95%程度を占める市場であり、その市場動向は当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題 ①パチンコ・パチスロ機市場での事業拡大について(LSI事業セグメント)」に記載の取り組みにより、このような環境下においても一定の収益を確保できるビジネスモデルの構築に努めておりますが、同市場の規模が様々な要因により、大幅な縮小傾向を示した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (ⅱ)法的規制及び業界団体による自主規制について 当社グループが行う事業は直接の法的規制を受けておりませんが、当社グループの製品が搭載されるパチンコ・パチスロ機の製造、販売は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」及び関連諸法令による法的規制を受けております。また、法的規制以外にも、過度な射幸性を抑制する目的等から、業界団体が自主規制を行うことがあります。これら法的規制や新たな自主規制の実施により、パチンコ・パチスロ機の販売動向(規模)に大きな影響が出た場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (ⅲ)特定製品への依存について 当連結会計年度において、同市場向けグラフィックスLSI及びメモリモジュール製品の売上高は、連結売上高の約84%(2026年3月期)を占めております。当社グループといたしましては、当該製品の高機能化や顧客の開発負荷を軽減するサポート体制の充実を図ること等により、同市場での差別化を図っております。しかしながら、他のメーカー等が当社グループ製品の性能を凌ぐ製品を擁して参入を果たした場合、又はその他要因により価格競争を強いられる状況等が発生した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (ⅳ)製品展開について 当社グループでは、各種製品の高機能化や多機能化を推進することに加え、モジュール製品やLEDドライバLSIをはじめとする製品の多様化を図ることにより、同市場での事業の安定及び拡大を図っております。しかしながら、同市場における高機能化、多機能化のニーズが停滞・後退した場合、又は製品の多様化の展開に期待している成果が上がらない場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (ⅴ)当社製品のリユースについて 近年、メーカーにおけるコスト意識の高まりから、当社グループの製品を含むパチンコ・パチスロ機の構成部材のリユース(再利用)が本格化しております。当社グループでは、顧客ニーズを充足する次世代製品の開発を行い新製品への移行を促進すること等により、リユースの影響を低減させたいと考えております。さらには同市場に向けた新たな領域への製品開発など製品の多様化を図ることにより、業績全体への影響を最小化させてまいりたいと考えております。しかしながら、次世代製品への移行が進展せずリユースの比率が大幅に高まった場合、又は製品多様化の展開に期待している成果が上がらない場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (ⅵ)製造委託について 当社グループは水平分業型のビジネスモデルを採用しており、主に研究開発や営業戦略に特化した事業活動を行っております。従いまして、製品製造に関しては外部企業に委託することとなるため、当社グループにおいて製造委託は極めて重要な要素となっております。このような認識のもと、当社グループでは常に最適な製造委託先を確保するとの観点から、製品製造を委託する半導体メーカー等と良好な関係を構築し、維持していくことが重要と考えております。現在、製造委託先との関係も良好な状態にあり、ビジネスモデルの継続に支障を来す要因は発生しておりません。しかしながら、各製造委託先において十分な生産枠が確保できない場合や通常想定することができない事象により製造委託先に問題等が発生した場合、又は製造委託契約が終了した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、生産枠を確保し顧客への安定供給を継続するために、一部製造委託先と長期調達契約を締結しております。当該調達契約では契約期間における一定の調達数量の合意がなされております。当社グループでは顧客ヒアリング等をもとに十分な需要予測を実施したうえで、長期調達契約を締結しておりますが、今後の市場動向等により、当該契約において合意された調達数量と実際の需要動向が大きく乖離した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (補足)経営上の重要な契約を締結している製造委託先につきましては、「5 重要な契約等」に記載の通りであります。これら製造委託先との契約には債務不履行時などの一般的な解除条項が定められておりますが、これまで当該解除条項に該当した事実はありません。 (ⅶ)製品製造について 昨今の半導体業界におきましては、ロシア・ウクライナ情勢及び中東情勢等に伴う原油や原材料価格の高騰に加え、生成AI需要の拡大に伴う世界的なメモリ価格の高騰により、一部製品において製造コストは上昇傾向にあります。当社グループでは一部製品において販売価格への転嫁を進めておりますが、当該影響が長期化することにより、製造原価がさらに上昇し、製造原価の上昇に比して販売価格への転嫁が十分に行うことができない場合、又は製品製造にかかる期間が長期化することにより収益機会の損失等が顕在化した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (ⅷ)販売体制について 当社グループは、販売代理店商社を介した事業活動を主に展開しており、中でも緑屋電気株式会社に向けた売上高は、連結売上高の45%を超える規模となっております。現在、緑屋電気株式会社をはじめとする各販売代理店とは良好な関係を構築しており、ビジネスに支障を来す要因は発生しておりません。しかしながら、今後各販売代理店との関係に問題が生じた場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。(補足)経営上の重要な契約を締結している販売代理店につきましては、「5 重要な契約等」に記載の通りであります。なお、販売代理店との契約には債務不履行時などの一般的な解除条項が定められておりますが、これまで当該解除条項に該当した事実はありません。 (ⅸ)棚卸資産の評価について 当社グループでは、「棚卸資産の評価に関する会計基準」に基づき、期末及び四半期末において、棚卸資産の適正な評価を実施しています。具体的には、期末時点の予定販売価額を正味売却価額とし、取得原価を下回る場合には帳簿価額を切り下げ、差額を売上原価として計上しています。また、販売実績のない滞留在庫や、販売実績のある製品でも一定の経過期間を超えた在庫については、社内で定めた基準に従い、規則的に帳簿価額を切り下げています。 今後、急激な市場環境の変動、顧客需要の不確実な変化、競争激化、技術革新等の影響により、棚卸資産の正味売却価額が帳簿価額を下回る場合や保有している製品に滞留が生じた場合、評価損を追加計上する必要が生じ、当社グループの業績に重大な影響を及ぼすおそれがあります。 AI事業セグメントのリスク②事業の早期確立について当社グループは、単一市場への依存度が高い事業活動のリスクを認識しており、パチンコ・パチスロ機市場以外での早期事業化を目指しております。現在、AI領域に加え、医療機器や産業用機器等の組み込み機器市場に向けたグラフィックスLSIやブロックチェーン等の先進技術を活用した新規事業領域における早期事業化に向けた取り組みにも注力しております。しかしながら、これら新たな事業の構築を目指している市場の規模が予想に反して小規模な場合、又は事業化の展開速度が極めて遅々としたものとなった場合、投下資本を回収できず当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。さらには、新規事業領域・新市場への参入にあたっては、その事業、市場固有のリスクが新たに加わる可能性があります。 全社共通のリスク③会社がとっている配当政策について 当社の配当方針につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。当社におきましては、記載の方針に基づき配当額を決定しているため、各期の経営成績及び内部留保資金の状況等が配当額の算定に影響を及ぼす可能性があります。なお、1株当たり配当額の実績は、2024年3月期81円、2025年3月期45円となっております。また、2026年3月期は57円を予定しております。 ④管理体制について 当社グループは、当連結会計年度末においてグループ従業員数は132名という会社規模であり、管理体制もこのような規模に応じたものになっているものと認識しております。また、当社グループはこれまでファブレス半導体メーカーとしての体制構築に最適化してまいりましたが、今後は新規事業の進展に伴い、人員増加への対応に加え、新たなビジネスモデルに対応した内部管理体制の整備も必要になるものと考えております。このような人員の増加や事業の拡大に応じて内部管理体制の整備が適宜適切に対応できなかった場合、当社グループの事業展開に制約が生じ、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤研究開発について(ⅰ)研究開発要員の確保について 当社グループでは、優秀で経験豊富な技術者を継続的に確保することを重要な課題と認識しております。しかしながら、AI領域、アルゴリズム開発、グラフィックス関連技術及びLSI設計技術に携わる優秀な技術者は希少であり、その確保には困難が予想されます。このような理由から、必要とする技術者が計画通り採用できない場合、又は在籍している技術者が外部に流失した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (ⅱ)研究開発費について 当社グループは、先端プロセスを用いた各種LSI製品の研究開発にも注力しており、使用するプロセスの微細化に伴いLSIの開発コストは増大しております。そのため、開発した製品に期待した収益が十分に確保できない場合、又は複数のLSI製品に係る開発案件の検収タイミングが重なり、試作開発費等の費用計上が同時期に集中した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、研究開発費(連結)の実績は、2024年3月期1,579百万円、2025年3月期1,547百万円、2026年3月期1,641百万円となっております。 (ⅲ)技術革新について 当社グループが事業を展開する半導体開発やAI、ブロックチェーン等の領域は、継続した技術革新を遂げております。当社グループでは、技術革新に対応するために、最新の技術動向や市場環境を的確に把握するための体制構築に加え、優秀な開発人員を継続的に獲得・育成すること等により、技術革新や技術革新に伴う顧客ニーズの変化に迅速に対応できるよう努めております。しかしながら、想定を超える技術革新等により事業環境が変化し、当社グループ製品の競争力が著しく低下した場合、又は顧客ニーズの急速な変化に対応できなかった場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑥製品の品質及び信頼性について 現在まで、当社グループの製品に対して製造物責任法又はその他の法律に基づく製造物責任に関する訴訟が発生した事実はありません。しかしながら、今後におきましても、このような訴訟が発生しないという保証は無く、さらに一般的に最終顧客等に損害を与える可能性を有する不具合を持つLSI製品等の提供を必ず回避できる保証はありません。製造物責任による損失は、大きなリスクであるとの認識のもとに、当社グループは社長直轄による品質保証を担当する独立した部署を設置するとともに、2005年7月におきましてISO9001:2000の認証を取得、2009年7月にはISO9001:2008、2017年7月にはISO9001:2015への更新を果たしております。しかしながら、上記のような取り組みにもかかわらず、当社グループの製品の不具合が原因で製造物責任を問われる事故等が発生した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑦知的財産権について(ⅰ)知的財産権の保護・保全について 当社グループは、LSI製品又はその技術等に関して可能な限り知的財産権の登録出願等を行い、その知的財産の法的保護を図る方針でありますが、これらの保護が及ばない場合やその権利行使に困難が伴う場合において、類似の製品等が他社より開発販売され、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (ⅱ)知的財産権の侵害等について 当社グループは、製品の開発に当たり周辺特許を含む知的財産権への抵触の有無に関してクリアランス調査を実施し、知的財産権侵害等による係争を未然に回避するための措置を講じております。しかしながら、上記のクリアランス調査によっても完全に侵害の事実がない旨の検証は不可能であり、当社グループの事業に関連する知的財産権が第三者に成立した場合又は認識していない知的財産権が既に存在した場合等において、第三者の知的財産権を侵害したとの主張に基づく訴訟を提起される可能性があります。このような訴訟を提起された場合、その対応のために多大な時間や費用等の経営資源を当該訴訟に費やすこととなります。加えて、結果として当該訴訟において敗訴した場合、訴訟の対象となる技術を含む製品の販売を中止するとともに多額の損害賠償債務を負担することや権利者に対し実施権許諾等への対価の支払義務が生ずることなど、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑧固定資産の減損について 当社グループは、事業用の資産等、有形・無形の固定資産を計上しております。これらの資産については、今後の収益動向や時価の下落等によって、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回った場合に帳簿価額を回収可能価額まで減損処理することが必要となる場合があります。これらの処理が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度においてAI事業にかかる固定資産5百万円を減損損失として特別損失に計上しております。 ⑨情報管理について 当社グループは、経営・管理情報、営業情報、技術情報、個人情報など事業遂行に必要な膨大な情報を有しております。当社グループは、これら情報に対するセキュリティレベルを向上するため、情報管理規程の制定、セキュリティ向上委員会による定期点検、情報セキュリティシステムの構築等を講じております。また、情報管理においては情報を取り扱う者の意識向上が重要であるとの認識のもと、外部セミナーや研修等により役職員の情報管理に対する意識向上に努めております。しかしながら、これらの体制構築等によっても情報流出の可能性を完全に排除することは困難であり、何らかの理由により重要情報が社外に流出した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑩大規模災害の発生について 当社グループは、巨大地震や大型台風等の自然災害や感染症の蔓延等の大規模災害に対する被害を最小限にとどめるため、必要な対応策の整備等を図っております。大規模災害が発生した場合においても、現在策定している災害発生時対応マニュアルやBCP(Business Continuity Planの略で事業継続計画のこと)に則り、即座に災害対策本部を設置することをはじめ、情報収集や被災レベルに応じた復旧対策を速やかに実行できる体制を構築しております。当社グループでは、これらの事前対策を行っておりますが、現実に大規模な災害等が発生した場合には、事業活動の中断や著しい縮小を余儀なくされ、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑪為替変動に関するリスク 当社グループは、開発及び製品製造等についてのグローバル化を進めており、外貨による決済額が増加しております。また、円建てで取引される製品の一部においても、一定期間の為替相場をもとに円建ての仕入及び販売の価格設定が行われるなど、為替変動の影響を受けております。当社グループでは、為替予約を行うなど、為替変動の影響を最小限にする努力を行っておりますが、為替動向は当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑫金融資産の保有・運用リスク 当社グループは、余剰資金の効率的な運用を目的として、投資有価証券等の金融資産を保有しております。これらの資産については、リスクの僅少化を図っておりますが、発行体の信用状態や格付けの変化により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

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