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EIZO(6737)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 映像機器の総合提供: EIZOは、モニターや関連製品の開発・生産を通じて収益を得ています。金融機関、医療現場、クリエイティブ業界、航空管制など、多岐にわたる専門市場に対し、高品質・高信頼性の映像環境ソリューションを提供することで、顧客の多様なニーズに応えています。特に、ハードウェアだけでなく、ソフトウェアやシステム全体を組み合わせたソリューション提供に強みがあります。
  • 高付加価値製品戦略: 同社は、単なる製品販売にとどまらず、TCO(総所有コスト)パフォーマンスに優れた製品や、環境性能、エルゴノミクス(人間工学)を追求した設計など、付加価値の高い製品を提供しています。これにより、価格競争に巻き込まれにくい独自のポジションを確立し、安定的な収益源としています。
  • システムソリューション展開: 診断用モニターから手術室システム、映像記録・配信システムまで、医療現場の「撮影、記録、配信、表示」を一貫して担う総合的な映像環境ソリューションを展開しています。これにより、顧客の課題解決に深く関わり、単発の製品販売ではなく、継続的なサービス提供による収益モデルを構築しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • ビジネス&プラス市場: 金融機関、公共機関、文教施設、一般オフィス、ホームオフィスなど、幅広いビジネス用途向けの映像機器を提供しています。高品質・高信頼性、TCOパフォーマンス、環境性能、エルゴノミクスを重視した製品が特徴で、オフィスからテレワークまで快適な映像環境を提供し、安定した需要が見込まれます。
  • ヘルスケア市場: 診断用途の医用画像表示モニターから、手術室や内視鏡用モニターソリューションまで、多様な医療現場のニーズに応える映像機器を提供しています。術野カメラや映像記録・配信システムを含む総合的なソリューションを展開し、医療従事者が安全・安心に医療行為に専念できる環境を支援しており、医療の高度化に伴い需要が高まっています。
  • クリエイティブワーク市場: 出版・印刷・デザイン・写真編集などの静止画分野や、映画・アニメーション・放送などの映像制作分野向けに、高い色再現性やリアルな映像表現を追求した映像機器を提供しています。カラーマネジメントソフトウェアなどのソリューションも提供し、制作環境全体の効率化と品質管理を支援しており、高精度な映像出力へのニーズに応えています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,537 文字
3【事業の内容】 2026年3月31日現在の当社グループ(当社及び当社のグループ会社、以下同じ)は18社(国内:6社、海外:12社)で構成しており、映像機器及びその関連製品を開発・生産し、国内外のあらゆる市場向けに、お客様のニーズに応じた機能を備えた高品質・高信頼性の映像環境ソリューションを提供しております。 <B&P(Business & Plus)市場向け>金融機関、公共機関、文教施設、一般オフィス、ホームオフィス等、様々な用途向けに提供する製品です。高品質・高信頼性等の基本性能に加え、TCO(導入から維持管理までを含む使用期間全体にかかるコスト)パフォーマンスに優れた製品を提供しております。また、国内外の各種規格への対応、CO₂排出抑制に貢献する低消費電力設計、軽量化構造やリサイクル材の活用など、業界最先端レベルの環境性能を実現しております。さらに、長時間作業に配慮した画面輝度の自動設定機能や画面反射の抑制等、エルゴノミクスを追求した設計とすることで、オフィスからテレワークまで、快適で生産性の高い映像環境を提供しております。このような環境や使う人に配慮する考え方は当社製品すべての基盤となるものです。 <ヘルスケア市場向け>レントゲンやCT等の医用画像を表示する診断用途から、検査装置の表示、手術室や内視鏡用モニターソリューション等の治療・処置用途まで、多様な医療現場の要請に応える画質・性能を備えた映像機器を提供しております。加えて、術野カメラ、映像の記録・配信システム、映像操作ソフトウェア、ネットワーク配線やサービスまでを含む総合的な映像環境ソリューションを展開しております。これらの「撮影、記録、配信、表示」を一貫して担うことで、患者情報や画像・映像等の多様なデータを同時に共有可能とし、医療従事者が安全・安心に医療行為に専念できる映像環境を提供しております。 <クリエイティブワーク市場向け>出版・印刷・デザイン・写真編集等の静止画分野における高い色再現性の要求や、映画・アニメーション・放送等の映像制作分野における、よりリアルな見え方が求められる映像表現へのニーズに応える映像機器を提供しております。また、制作からリファレンスまでのワークフロー全体を通じて「正しい色」を維持・共有可能とするカラーマネジメントソフトウェア等のソリューションを提供するとともに、制作環境全体の効率化と品質管理を支援しております。 <V&S(Vertical & Specific)市場向け>航空管制、船舶、監視、ディフェンス等、多様な業種や用途、過酷な使用環境下で用いられる映像機器を提供しております。高い視認性、防塵・防滴性能、長期安定稼働を支える信頼性等、用途に応じた映像技術を備えております。これまでに培ってきた映像技術とノウハウを活かし、多品種少量生産、柔軟なカスタム対応、長期安定供給、長期保守体制の提供により、各分野の高度かつ専門的なニーズに応えております。 <アミューズメント市場向け>主にパチンコ・パチスロ遊技機(以下「遊技機」という。)に搭載される液晶モニターを提供しております。当社グループの映像機器に関する設計・製造技術と、アミューズメント向けソフトウェア制作技術を融合した製品であり、ハードウェアとソフトウェアを一体で供給できる点を特長としております。ユーザー嗜好の変化へ的確に対応し、最先端のハードウェア技術と高度なグラフィックス技術を駆使した製品開発を行っております。 <その他>主にアミューズメント用ソフトウェアの受託開発や、保守サービスが含まれております。 〔事業系統図〕以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 強い
高品質・高信頼性、業界最先端レベルの環境性能、エルゴノミクス追求による差別化。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
高品質・高信頼性、環境性能、エルゴノミクス、色再現性、過酷な環境耐性などの映像技術。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:急激な市場の変化と競争激化 / 欧州市場の変動と新たな関税・輸出障壁 / 外国為替の変動(ユーロ高は正、ドル高は負)
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★★☆
根拠:強いブランド・特許・許認可

EIZOは高精細モニター市場で「EIZO」ブランドを確立しており、特に医療用(放射線診断、病理診断)やクリエイティブ分野(グラフィックス、映像編集)で高い評価と信頼を得ている。これらの分野では、色再現性、精度、信頼性に対する要求が極めて高く、長年の技術開発と実績に裏打ちされたブランド力が競争優位の源泉となっている。特許やノウハウも蓄積されていると考えられる。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

医療用モニターなど、一度導入されると、その精度や信頼性から他のモニターへの切り替えには、再認証プロセスやオペレーターの慣れといったコストが発生する。特に医療分野では、診断の正確性に直結するため、安易な切り替えはリスクが高い。クリエイティブ分野でも、ワークフローへの適合性や、長年培った色調整のノウハウを失うことを避けるため、乗り換えは容易ではない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

EIZOのモニター事業は、個々のユーザーの利用が他のユーザーの価値を直接高めるようなネットワーク効果は基本的に見られない。製品の品質や機能が直接的な競争優位の源泉である。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

高付加価値製品に特化しており、汎用品モニターのような規模の経済や徹底したコスト削減による優位性は限定的。むしろ、高品質を維持するための研究開発費や製造コストは高いと考えられる。特定のニッチ市場での技術力による価格決定力はあるが、コストリーダーシップではない。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

高精細モニター市場、特に医療やクリエイティブ分野においては一定のシェアを確保しているが、グローバルなディスプレイ市場全体で見ると、サムスン電子やLGディスプレイのような巨大企業と比較して規模の経済性は小さい。しかし、特定分野においては、その専門性から効率的な事業運営を行っている可能性がある。

  • 高品質・高信頼性の技術力: EIZOは、長年にわたり培ってきた映像技術とノウハウを活かし、高品質・高信頼性の映像機器を提供しています。特に、医用画像表示や航空管制といった専門性の高い分野では、高い視認性、防塵・防滴性能、長期安定稼働を支える信頼性が求められ、同社の技術力が競争優位の源泉となっています。
  • 特定市場での圧倒的シェア: 航空管制用途向けモニターでは全世界で市場シェアNo.1を維持しており、この分野における圧倒的なブランド力と顧客からの信頼が強みです。特定のニッチ市場で高いシェアを持つことで、価格決定力を持ち、安定した収益を確保しています。
  • 環境・エルゴノミクスへの配慮: CO₂排出抑制に貢献する低消費電力設計、リサイクル材の活用、長時間作業に配慮したエルゴノミクス設計など、環境性能と使いやすさを追求した製品開発を行っています。これにより、サステナビリティ意識の高い企業や公共機関からの支持を得ており、他社との差別化要因となっています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 映像価値最大化の追求: EIZOは「Visual Technology Company」として、映像技術を核に、顧客のニーズに応じた最適な映像環境ソリューションを提供することを目指しています。第8次中期経営計画では、映像ハードウェアの強化やEVS(EIZO Visual Systems)の展開を通じて、社会課題解決と事業領域の拡大を図り、映像の持つ価値を最大限に引き出すことを経営戦略の柱としています。
  • EVSによるビジネスモデル進化: 「撮影、記録、配信、表示」を一体化したEIZO Visual Systems(EVS)の展開を加速し、ハードウェアとソフトウェアを融合した高付加価値ソリューションを提供します。これにより、映像を便利に活用できるシステムを提供し、独自のビジネスモデルを進化させ、グローバルでの事業拡大を目指します。
  • 新興市場への戦略的拡大: 欧州、米国、中国に続く地域戦略として、成長著しいインドや中東市場での事業拡大を推進しています。これらの地域での市場開拓とビジネスモデルの強化を通じて、新たな収益源を確保し、持続的な成長を実現することを目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針当社は、テクノロジーの可能性を追求し、顧客に新たな価値を認めていただける製品を他社に先駆けて創造、提案し、顧客満足を得ることを経営の基本方針としております。このため、当社は映像技術を核とし、市場や顧客のニーズに応じた最適な映像環境ソリューションを提案する「Visual Technology Company」として、世界トップレベルの高品質かつ信頼性の高い映像製品の提供、システムソリューションの提案を行っております。 (2) 経営戦略2026年度を最終年度とする第8次中期経営計画では、映像価値を最大化する製品・サービスの提供を通じて社会課題解決や事業領域の拡大を目指しております。この実現に向け、当社ならではの映像技術による映像ハードウェアの強化やEVS(EIZO Visual Systems)の展開等の取組みを加速することで、事業を成長させてまいります。また、地域戦略では成長著しいインド、中東市場での事業を拡大し、ビジネスモデルを更に進化、強化させてまいります。 (3) 経営環境当社の属する電子機器業界は、絶え間ない技術の進化、電子デバイス業界の変容等、激しく変化しております。その環境下で、ソリューションビジネスが拡大するとともに、新たな価値創造に向けた取組みが進展しております。そうした中、当社はB&P(Business & Plus)で培った要素技術・品質・ノウハウを核に、ヘルスケア等の特定市場に深く根差した製品を開発し、相互にシナジーを生む事業を展開し、強いビジネスモデルを構築してきました。また、ビジネスモデルのさらなる進化に向けて「撮影、記録、配信、表示」のすべてをカバーできる当社独自のシステム事業である「EIZO Visual Systems」(EVS)の強化に取組んできました。このビジネスモデルのもと、事業拡大のための地域戦略として欧州・米国・中国に続き、成長著しいインド、中東での事業拡大に取組んでおります。当社が認識する各市場の経営環境は次のとおりです。 B&P(Business & Plus)ビジネス用途ではオペレーションの生産性向上を図るための表示画面の大型化、高精細化及び高解像度化や応答性能を高める高リフレッシュレート化が進んでおります。また、サステナビリティに対する社会的ニーズから、市場では透明性の高い企業活動や環境に配慮した長く使える製品が求められております。 全世界におけるモニター需要は堅調であるものの、当社の主要市場である欧州において経済の停滞が長期化しており、厳しい市場環境となっております。 ヘルスケア診断用途では、モダリティ機器の進化に伴い、読影環境の改善を目的とした高解像度モニターの需要が高まる見込みです。また、中国やインド、中東等においても医療の高度化により需要が高まる見込みです。欧米で導入が進むデジタル病理診断や遠隔診断のその他地域への展開も見込まれます。内視鏡及び手術室用途では、低侵襲手術等の先端医療の普及に加え、AIを用いた医療ワークフローの改善や診断補助のニーズが高まっています。また、医師不足や偏在化に対応するため、ネットワーク技術の進化に伴うチーム医療、遠隔医療の需要が増加しています。これらの状況から高解像度手術用モニターや術野カメラ、映像記録・配信システム等の映像関連機器の需要が高まる見込みです。なお、日本では医療機関の経営環境悪化の影響により需要動向に注意を要する必要があります。 クリエイティブワーク静止画分野では、色の再現性が重要な写真用途においてグローバルで底堅い需要が存在します。印刷用途では、デジタル化の進展により先進国での需要が緩やかに縮小する中、新興国を中心に一定の需要が継続すると見込まれます。映像制作分野では、4K・HDR制作環境が普及しており、高精度な表示を実現するOLED製品への関心が高まっております。ゲーム制作分野においてもCG技術の高度化に伴い、4K・HDR対応機器への需要増加が見込まれます。地域別では、映画や動画ストリーミング配信の制作分野における需要が、米国、欧州、日本に加え、インド等の新興市場で高まっております。静止画・動画の双方の制作領域において生成AIの活用が進み、コンテンツ制作工程の効率化が進んでおります。これにより、クリエイター業務の一部が代替される可能性があり、制作用モニターの需要に影響を及ぼす可能性があります。一方で、高品質な映像出力に対する要求は引き続き高く、色再現性や表示精度に対するニーズは継続するものと見込まれます。 V&S(Vertical & Specific)多種多様な業種・分野を対象としており、幅広い需要を見込んでおります。半導体製造装置をはじめとした、各種機器・装置に搭載するタッチモニターの需要は引き続き旺盛であり一層の需要を見込んでおります。航空管制用途向けについては、全世界における市場シェアNo.1のポジションを維持しております。米国を始めとした全世界の更新需要に加え、インド、中東等の新興市場での空港新設による導入や付加価値の高い高解像度モニターの需要が高まることが見込まれます。監視用途向けでは、全世界でセキュリティ意識の高まりを背景に、市場が拡大することが見込まれます。船舶用途向けについては、海上輸送量の拡大とともに新規造船需要が高まる中、操舵室の電子化・システム化に伴い、船級規格を備えたモニターの堅調な需要が見込まれます。また、船内外の監視ニーズ、自動航行システム実現に向けた実証実験等、市場ニーズは多様化の動きを見せております。ディフェンス向けについては、地政学リスクの高まりを受け、高い信頼性や耐久性を備えたモニターやグラフィックスボードの需要が高まるものと見込まれます。 アミューズメント当市場は引き続き遊技人口の減少により厳しい環境となりますが、ハードウェアとソフトウェアの両面で魅力ある商品の開発を強化してまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上の課題① ビジネスモデルの進化と新たな価値の創造 当社は、自社開発のモニター、カメラ、ネットワーク機器等のハードウェアと、当社固有のアルゴリズムやAIを活用したソフトウェアを融合し、「撮影、記録、配信、表示」を一体化した「EIZO Visual Systems」(EVS)を展開しております。これにより、映像を便利で簡単に利活用できる付加価値の高いソリューションをグローバルに提供し、社会課題の解決と事業領域の拡大により独自のビジネスモデルの進化を図ってまいります。 ② 安定した資材調達と製品供給 当社は、相互繁栄を基本とした取引先との信頼関係を重視し、資材調達方針やサステナビリティの取組みを共有することで取引先とのパートナーシップを強化しております。また、自然災害や感染症、国際情勢の変化等を踏まえ、製造拠点及び調達におけるBCPの強化や戦略的な材料在庫の保有を通じ、顧客への安定的な製品供給の継続に努めてまいります。 ③ 事業成長のための生産性向上と競争力強化 当社は、事業成長を支える基盤として、グループ横断の開発・生産・販売体制の最適化とITインフラの刷新を進め、生産性と業務効率の向上を進めてまいります。加えて、インド、中東等の新興市場への戦略投資を推進するとともに、当社技術と高いシナジーを発揮するノウハウや技術の獲得に向け、必要に応じ機動的なM&Aを実施してまいります。 ④ 持続可能な社会の実現に向けた価値創造の推進 当社は、「映像を通じて豊かな未来社会を実現する」という企業理念のもと、製品づくりと事業活動を通じて社会課題の解決に取組んでおります。社会課題と当社経営戦略の観点から重要性の高い事項をマテリアリティとして特定し、全社目標マネジメントシステムと連動させることで、取組みを実効性のあるものとし、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。 ⑤ 気候変動・自然資本への取組み 当社は、環境に関するマテリアリティとして「気候変動への対応」「循環型社会への対応」を特定しています。2040年にNet Zeroを達成することを目指した低炭素移行計画に基づき、事業活動全体における温室効果ガス排出削減に取組んでおります。また、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)のフレームワークに沿って自然資本についての分析・開示を行うことで、資源の有効活用、気候変動緩和への取組み、生物多様性を含む環境保存や環境リスク低減に継続的に取組んでまいります。 ⑥ 自由闊達で創造的に活躍できる企業文化の醸成 当社は、多様な人材が自由闊達に活躍できる企業文化を、持続的成長の基盤と位置付けております。次世代のビジネスモデルを創り、支える多様な人材の獲得と育成を重点課題とし、高い倫理観とグローバルな視野を持ち、VUCAの時代に対応する柔軟な思考力と実践力を備えた人材の育成を推進してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針当社は、テクノロジーの可能性を追求し、顧客に新たな価値を認めていただける製品を他社に先駆けて創造、提案し、顧客満足を得ることを経営の基本方針としております。このため、当社は映像技術を核とし、市場や顧客のニーズに応じた最適な映像環境ソリューションを提案する「Visual Technology Company」として、世界トップレベルの高品質かつ信頼性の高い映像製品の提供、システムソリューションの提案を行っております。 (2) 経営戦略2026年度を最終年度とする第8次中期経営計画では、映像価値を最大化する製品・サービスの提供を通じて社会課題解決や事業領域の拡大を目指しております。この実現に向け、当社ならではの映像技術による映像ハードウェアの強化やEVS(EIZO Visual Systems)の展開等の取組みを加速することで、事業を成長させてまいります。また、地域戦略では成長著しいインド、中東市場での事業を拡大し、ビジネスモデルを更に進化、強化させてまいります。 (3) 経営環境当社の属する電子機器業界は、絶え間ない技術の進化、電子デバイス業界の変容等、激しく変化しております。その環境下で、ソリューションビジネスが拡大するとともに、新たな価値創造に向けた取組みが進展しております。そうした中、当社はB&P(Business & Plus)で培った要素技術・品質・ノウハウを核に、ヘルスケア等の特定市場に深く根差した製品を開発し、相互にシナジーを生む事業を展開し、強いビジネスモデルを構築してきました。また、ビジネスモデルのさらなる進化に向けて「撮影、記録、配信、表示」のすべてをカバーできる当社独自のシステム事業である「EIZO Visual Systems」(EVS)の強化に取組んできました。このビジネスモデルのもと、事業拡大のための地域戦略として欧州・米国・中国に続き、成長著しいインド、中東での事業拡大に取組んでおります。当社が認識する各市場の経営環境は次のとおりです。 B&P(Business & Plus)ビジネス用途ではオペレーションの生産性向上を図るための表示画面の大型化、高精細化及び高解像度化や応答性能を高める高リフレッシュレート化が進んでおります。また、サステナビリティに対する社会的ニーズから、市場では透明性の高い企業活動や環境に配慮した長く使える製品が求められております。 全世界におけるモニター需要は堅調であるものの、当社の主要市場である欧州において経済の停滞が長期化しており、厳しい市場環境となっております。 ヘルスケア診断用途では、モダリティ機器の進化に伴い、読影環境の改善を目的とした高解像度モニターの需要が高まる見込みです。また、中国やインド、中東等においても医療の高度化により需要が高まる見込みです。欧米で導入が進むデジタル病理診断や遠隔診断のその他地域への展開も見込まれます。内視鏡及び手術室用途では、低侵襲手術等の先端医療の普及に加え、AIを用いた医療ワークフローの改善や診断補助のニーズが高まっています。また、医師不足や偏在化に対応するため、ネットワーク技術の進化に伴うチーム医療、遠隔医療の需要が増加しています。これらの状況から高解像度手術用モニターや術野カメラ、映像記録・配信システム等の映像関連機器の需要が高まる見込みです。なお、日本では医療機関の経営環境悪化の影響により需要動向に注意を要する必要があります。 クリエイティブワーク静止画分野では、色の再現性が重要な写真用途においてグローバルで底堅い需要が存在します。印刷用途では、デジタル化の進展により先進国での需要が緩やかに縮小する中、新興国を中心に一定の需要が継続すると見込まれます。映像制作分野では、4K・HDR制作環境が普及しており、高精度な表示を実現するOLED製品への関心が高まっております。ゲーム制作分野においてもCG技術の高度化に伴い、4K・HDR対応機器への需要増加が見込まれます。地域別では、映画や動画ストリーミング配信の制作分野における需要が、米国、欧州、日本に加え、インド等の新興市場で高まっております。静止画・動画の双方の制作領域において生成AIの活用が進み、コンテンツ制作工程の効率化が進んでおります。これにより、クリエイター業務の一部が代替される可能性があり、制作用モニターの需要に影響を及ぼす可能性があります。一方で、高品質な映像出力に対する要求は引き続き高く、色再現性や表示精度に対するニーズは継続するものと見込まれます。 V&S(Vertical & Specific)多種多様な業種・分野を対象としており、幅広い需要を見込んでおります。半導体製造装置をはじめとした、各種機器・装置に搭載するタッチモニターの需要は引き続き旺盛であり一層の需要を見込んでおります。航空管制用途向けについては、全世界における市場シェアNo.1のポジションを維持しております。米国を始めとした全世界の更新需要に加え、インド、中東等の新興市場での空港新設による導入や付加価値の高い高解像度モニターの需要が高まることが見込まれます。監視用途向けでは、全世界でセキュリティ意識の高まりを背景に、市場が拡大することが見込まれます。船舶用途向けについては、海上輸送量の拡大とともに新規造船需要が高まる中、操舵室の電子化・システム化に伴い、船級規格を備えたモニターの堅調な需要が見込まれます。また、船内外の監視ニーズ、自動航行システム実現に向けた実証実験等、市場ニーズは多様化の動きを見せております。ディフェンス向けについては、地政学リスクの高まりを受け、高い信頼性や耐久性を備えたモニターやグラフィックスボードの需要が高まるものと見込まれます。 アミューズメント当市場は引き続き遊技人口の減少により厳しい環境となりますが、ハードウェアとソフトウェアの両面で魅力ある商品の開発を強化してまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上の課題① ビジネスモデルの進化と新たな価値の創造 当社は、自社開発のモニター、カメラ、ネットワーク機器等のハードウェアと、当社固有のアルゴリズムやAIを活用したソフトウェアを融合し、「撮影、記録、配信、表示」を一体化した「EIZO Visual Systems」(EVS)を展開しております。これにより、映像を便利で簡単に利活用できる付加価値の高いソリューションをグローバルに提供し、社会課題の解決と事業領域の拡大により独自のビジネスモデルの進化を図ってまいります。 ② 安定した資材調達と製品供給 当社は、相互繁栄を基本とした取引先との信頼関係を重視し、資材調達方針やサステナビリティの取組みを共有することで取引先とのパートナーシップを強化しております。また、自然災害や感染症、国際情勢の変化等を踏まえ、製造拠点及び調達におけるBCPの強化や戦略的な材料在庫の保有を通じ、顧客への安定的な製品供給の継続に努めてまいります。 ③ 事業成長のための生産性向上と競争力強化 当社は、事業成長を支える基盤として、グループ横断の開発・生産・販売体制の最適化とITインフラの刷新を進め、生産性と業務効率の向上を進めてまいります。加えて、インド、中東等の新興市場への戦略投資を推進するとともに、当社技術と高いシナジーを発揮するノウハウや技術の獲得に向け、必要に応じ機動的なM&Aを実施してまいります。 ④ 持続可能な社会の実現に向けた価値創造の推進 当社は、「映像を通じて豊かな未来社会を実現する」という企業理念のもと、製品づくりと事業活動を通じて社会課題の解決に取組んでおります。社会課題と当社経営戦略の観点から重要性の高い事項をマテリアリティとして特定し、全社目標マネジメントシステムと連動させることで、取組みを実効性のあるものとし、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。 ⑤ 気候変動・自然資本への取組み 当社は、環境に関するマテリアリティとして「気候変動への対応」「循環型社会への対応」を特定しています。2040年にNet Zeroを達成することを目指した低炭素移行計画に基づき、事業活動全体における温室効果ガス排出削減に取組んでおります。また、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)のフレームワークに沿って自然資本についての分析・開示を行うことで、資源の有効活用、気候変動緩和への取組み、生物多様性を含む環境保存や環境リスク低減に継続的に取組んでまいります。 ⑥ 自由闊達で創造的に活躍できる企業文化の醸成 当社は、多様な人材が自由闊達に活躍できる企業文化を、持続的成長の基盤と位置付けております。次世代のビジネスモデルを創り、支える多様な人材の獲得と育成を重点課題とし、高い倫理観とグローバルな視野を持ち、VUCAの時代に対応する柔軟な思考力と実践力を備えた人材の育成を推進してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。 ① 財政状態及び経営成績の状況a.財政状態当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の状況については、資産の部において新技術棟の建設により有形固定資産が増加しました。また、投資有価証券は保有株式の売却を進めた一方で、時価の上昇により増加しました。結果、前連結会計年度末から19,722百万円増加し177,482百万円となりました。負債の部は未払法人税等及び繰延税金負債の増加等により7,147百万円増加し40,551百万円、純資産の部はその他有価証券評価差額金の増加により12,575百万円増加し136,930百万円となりました。 b.経営成績当連結会計年度における世界経済は、景気の回復に力強さが見られず米国の関税政策や中東情勢等により依然として先行きが不透明な状況が続いております。当社の主要市場である欧州では景気の本格的な回復には至っておらず、中国においても景気は弱含んでおります。 当連結会計年度における業績につきましては、売上高は81,308百万円(前期比1.0%増)となりました。欧州では厳しい経済環境が続いており、B&P(Business & Plus)市場向けの販売は低調に推移しました。また、市況縮小が続くアミューズメント市場向けの売上高についても前期を下回りました。一方、ヘルスケア市場向けでは欧州、北米及び中国を中心に販売が回復基調で推移し、前期を上回る売上高となりました。 利益面では、全体の売上高は横ばいとなったものの、欧州市場の停滞に伴う販売減少により、B&P市場向けにて過剰在庫となっている旧製品等の棚卸資産評価損を約400百万円計上した影響もあり、売上総利益は25,901百万円(前期比1.1%減)、売上総利益率は31.9%(同0.7ポイント低下)となりました。販売費及び一般管理費は、賃上げの実施や当期に竣工した新技術棟に係る費用の計上、インド・中東地域における販売活動の拡充等により23,535百万円(同4.6%増)となりました。その結果、営業利益は2,365百万円(同36.2%減)、経常利益は3,772百万円(同17.2%減)となりました。 特別利益として、今後の成長投資を見据えて政策保有株式及び純投資目的株式の一部売却を進めたことにより、投資有価証券売却益7,999百万円(前期は1,100百万円)を計上しました。特別損失としては、1,206百万円を計上しました。主な内容は、当社が欧州における当社グループ内の機能・役割の再構築と合理化を進めていることに伴い、欧州での営業組織体制を再構築するため人員の適正化を行ったこと、開発及び生産拠点を一部閉鎖したことによります。これらを含め事業構造改善費用として441百万円を計上しました。また、欧州の開発製造会社において固定資産の減損497百万円を計上しました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は7,323百万円(同76.5%増)となりました。 市場別の売上高の分析は、次のとおりです。 [B&P(Business & Plus)]売上高は14,325百万円(前期比9.2%減)となりました。とりわけ販売が多いドイツにおいて、モニターの販売が前期を下回る状況が継続しています。このような環境下、環境先進性や市場競争力を高めた新製品を発売しましたが、旧モデルからの切り替えが想定通りに進まず、新製品の効果は限定的なものとなりました。日本においては、販売が堅調に推移しました。 [ヘルスケア]売上高は36,578百万円(前期比7.2%増)となりました。診断用途向けでは、欧州及び北米における販売が回復基調で推移したことに加え、中東、インド地域の販売拡大もあり、前期を上回る売上高となりました。日本では、医療機関の経営環境悪化の中、設備投資需要が減少したものの、年度末需要を捉え販売は前期並みとなりました。内視鏡用途向けでは、欧州及び中国において堅調に推移したほか、北米においても販売が復調したことから、前期を上回る売上高となりました。手術室用途向けについては、日本において前期を下回る売上高となりました。 [クリエイティブワーク]売上高は5,342百万円(前期比3.3%減)となりました。北米及び日本においては、映像制作用途向けの売上高が前期を上回りましたが、欧州では需要回復が遅れており、販売は低調に推移しました。 [V&S(Vertical & Specific)]売上高は12,552百万円(前期比0.4%減)となりました。航空管制用途向けは、欧州及び中国では堅調に販売が推移したものの、複数の案件の導入時期が来期以降に後ろ倒しとなった影響により、売上高は前期を下回りました。監視用途向けについては、海外での販売が堅調に推移したことにより、売上高は前期を上回りました。船舶用途向けでは、新規造船需要を背景に、引き続き好調に推移しました。ディフェンス用途向けでは、北米及び日本においてモニターの販売が伸張した一方で、グラフィックスボードの販売が米国政府機関の一時閉鎖の影響により後ろ倒しとなり、前期を下回る売上高となりました。 [アミューズメント]売上高は5,414百万円(前期比10.6%減)となりました。当業界を取り巻く市場環境は、遊技人口の減少と店舗数の減少等により業界全体の規模縮小が進んでおり、厳しい状況が継続しております。 [その他]売上高は7,094百万円(前期比10.9%増)となりました。アミューズメント用ソフトウェア受託開発の売上高が増加したことによるものです。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ705百万円減少し、20,352百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動で獲得した資金は、5,566百万円(前連結会計年度は11,543百万円の獲得)となりました。これは主に投資有価証券売却益を除いた税金等調整前当期純利益を計上したことに加え、棚卸資産が1,248百万円減少したことによる運転資本の減少や減価償却費3,301百万円の計上等の事業活動を通じたキャッシュの創出があったことによります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動で獲得した資金は、1,687百万円(前連結会計年度は2,140百万円の使用)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入6,724百万円があった一方で、支出として本社地区にて2025年4月に竣工の新技術棟や新製品を生産する設備への投資を含む有形固定資産の取得4,627百万円等があったことによります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動で使用した資金は、8,584百万円(前連結会計年度は4,711百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払い4,425百万円及び自己株式の取得による支出3,582百万円があったことによります。 ③ 生産、受注及び販売の実績当社グループは、映像機器及びその関連製品の開発・生産・販売が主であり、実質的に単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を行っておりません。以下は、品目別の状況を記載しております。 a.生産実績当連結会計年度の生産実績を市場別に示すと、次のとおりです。市場金額(百万円)前期比(%)映像機器(アミューズメント除く)55,17493.2アミューズメント5,24090.1合計60,41593.0(注)金額は販売価格によっております。 b.受注実績当連結会計年度の受注実績及び受注残高は、次のとおりです。なお、映像機器及びその他の一部製品は見込生産を行っております。品目受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)アミューズメント6,439105.61,278518.9(注)金額は販売価格によっております。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績を市場別に示すと、次のとおりです。市場金額(百万円)前期比(%)B&P (Business & Plus)14,32590.8ヘルスケア36,578107.2クリエイティブワーク5,34296.7V&S (Vertical & Specific)12,55299.6アミューズメント5,41489.4その他7,094110.9合計81,308101.0 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。相手先前連結会計年度(自 2024年4月 1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月 1日至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)株式会社ジェイ・ティ9,46911.89,57211.8 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等について当連結会計年度の売上高は、81,308百万円(前期比1.0%増)、営業利益は同36.2%減の2,365百万円、経常利益は同17.2%減の3,772百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同76.5%増の7,323百万円となりました。 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について第8次中期経営計画で掲げた業績目標(最終年度となる2026年度に連結売上高85,000百万円、営業利益3,300百万円、営業利益率3.9%、業績目標は2026年3月11日に事業環境の大幅な変化を受けて下方修正。)を実現すべく取組んでおります。当社グループならではの映像技術で映像ハードウェアを強化するとともに、EVS(EIZO Visual Systems)の展開等の取組みを加速することで、事業を成長させてまいります。 詳細は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりです。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報財務戦略の基本方針当社グループは、変化の激しい電子機器業界において強固な財務基盤を堅持し、企業価値向上のために戦略的かつ機動的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。 経営資源の配分に関する考え方当社グループは、財務健全性の維持、ビジネスモデル強化のための投資、株主還元の充実の3つのバランスのとれた財務戦略を進めてまいります。財務健全性の維持では、イベントリスクへの十分な備えを持ちつつ、長期にわたり持続的な成長を図るため、必要な資金を確保することが重要と考えております。ビジネスモデル強化の投資を含めた具体的な資金需要は、次のとおりです。(事業の成長・競争力向上)・開発創造型企業として、新たな価値を絶えず追求するための研究開発資金・100%自社生産による優位性をさらに高めるべく、生産性の向上や生産能力の増強に係る設備投資資金・世界100か国以上にて、タイムリーな供給を維持するための製品や材料の在庫資金・欧州・米国・中国に続き、成長著しいインド・中東市場での販売や現地生産体制の強化等の事業を拡大するための資金・ビジネスモデルをより強くするための戦略的なM&Aを実施する資金(事業の安定)・部品の調達リスクを吸収し、顧客への長期安定供給を実現するための資材調達・在庫資金・経済環境の急激な変化や自然災害等により一時的な操業停止を余儀なくされるような場合の運転資金(長期的な成長を支える経営基盤)・持続可能な社会に貢献するためのサステナビリティに関連する投資・映像技術のトップランナーとして人的確保・育成のための人的投資以上の手許資金を確保し将来の見通しを立てた上で株主還元を行います。株主還元強化を継続し、還元率の目標水準を連結当期純利益の70%+αとしております。年間配当金は、長期的な株主価値の向上に資するため、当社の財務基盤と成長資金の確保状況に鑑み、1株当たり105.00円(2025年3月期配当金実績)を下限といたします。また、当社業績、株価の水準や株式市場の状況などを総合的に勘案して、機動的に自己株式の取得の実施を検討いたします。 資金調達の方法当社グループは、資金需要の大きさや時期、為替相場や金利の状況等に応じて、営業活動で生み出された内部資金、有利子負債あるいは当社が保有する投資有価証券の売却による資金調達を実施いたします。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、連結決算日における資産・負債の決算数値及び偶発債務の開示、並びに会計期間における収益・費用の決算数値に影響を与える見積りを、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいて行っております。このため、会計上の見積りはその性質上不確実であり、実際の結果と異なる場合があります。当社グループの経営成績等に対して重要な影響を及ぼす会計上の見積り及び判断が必要となる項目は次のとおりです。 売上債権の貸倒引当金当社グループは、売上債権の貸倒損失に備え回収不能となる可能性のある金額を合理的に見積り、その額を貸倒引当金として計上しております。将来、販売先の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。 棚卸資産の評価当社グループは、棚卸資産の市場需要に基づく将来の販売見込み及び正味売却価額から、棚卸資産が将来に獲得可能なキャッシュ・フローを見積り、必要な評価減を計上しております。実際の市場における需要又は正味売却価額が当社の見積りより悪化した場合には、追加の評価減が必要となる可能性があります。 固定資産の減損当社グループは減損会計を適用しております。当社グループでは、固定資産の種類別、所在地別又は目的別に、物理的及び経済的な価値並びに耐用年数を見積り、償却手続きを実施するとともに、必要に応じて有姿除却等の措置をとっております。しかしながら、固定資産の価値、耐用年数の見積り、その評価又は除却に係る算定等で使用した前提条件と大きく異なる状況が生じた場合には、償却や損失の追加が必要となる可能性があります。また、固定資産のうち減損の兆候がある資産グループについて、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上いたします。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、見積りの前提条件や仮定に変更が生じた場合、減損損失を計上する可能性があります。 投資有価証券の減損当社グループは、取引金融機関、販売又は仕入に係る取引先等の株式を保有しております。これらの株式のうち、上場株式では株式市場の価格変動リスクを負っているため、連結決算日の時価が取得価額から50%以上下落した場合には減損損失を認識いたします。また、連結決算日の時価が取得価額から30%以上50%未満下落した場合には、回復可能性の判定を合理的な基準に基づき行い、回復する見込みがあると判断したものを除き、減損損失を認識いたします。非上場株式では投資先の純資産額における当社持分額が取得価額より50%以上下落した場合には、減損損失を認識いたします。そのため、保有株式の時価評価額が下落した場合は、投資有価証券評価損を計上する可能性があります。 繰延税金資産の回収可能性当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際し、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少する場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。また、繰延税金資産は当連結会計年度末における法定実効税率に基づき計上しておりますが、将来において税制改正により税率が変更された場合には繰延税金資産の残高が減少し、それに伴い税金費用が計上される可能性があります。

事業リスク

  • 市場変化と競争激化: AI技術の急速な進展や競合他社の出現、新規参入により、製品・サービスの競争力が低下したり、市場ニーズへの対応が遅れたりする可能性があります。これにより、EIZOの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 部品調達の不安定化: 液晶パネルや半導体などの主要部品を外部から調達しており、世界的な需給逼迫、原材料高騰、地政学的リスク、サイバー攻撃などにより、安定的な調達が困難になる可能性があります。特にAI関連需要の拡大による半導体価格上昇は、調達コスト増につながり、生産停止や販売遅延を通じて業績に影響を与える可能性があります。
  • 海外市場と為替変動リスク: 連結売上高の約38.6%を欧州向けが占めており、欧州経済の低迷や新たな関税、輸出障壁が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、ユーロ高は収益にプラス、ドル高はマイナスの影響を与えるため、為替変動が取引価格や売上高に影響を及ぼすリスクがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,294 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しています。但し、以下は当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。当社グループではこうしたリスクを認識した上で、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項」に記載のリスク管理体制に基づき、全社的リスクマネジメント体制を整備しております。なお、本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものです。 <市場及び事業活動に関するリスク>(1) 急激な市場の変化当社グループは、先進性のある技術を積極的に開発し、多様化する市場ニーズを満たし、常に他社の一歩先を見据えた製品づくり、システム・サービスの提供を行っております。これにより製品、システムの付加価値を高め、市場における圧倒的な差別化を図っております。しかしながら、競争力のある他社製品の出現や新規企業の参入による競争の激化に加え、近年急速に進展するAI(人工知能)技術への対応が遅れた場合には、製品・サービスの競争力低下や市場ニーズへの対応遅れ等を招く可能性があり、これらにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 欧州における市場変動当社グループの連結売上高に占める欧州向けの売上割合は、当連結会計年度は38.6%(前期は39.8%)となっております。そのため、欧州の景気が低迷する場合、新たな関税やその他の輸出障壁が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 外国為替の変動当社グループは欧州、米国、中国等の主要販売地域での取引においては現地通貨建てでの販売を行っており、売上割合が高い欧州の通貨、特にユーロ建ての売上の比重が高くなっております。一方、米ドルにつきましては、米国その他の地域における米ドル建の販売より部品調達において支払う米ドルの金額が大きくなっております。したがいまして、売上高・各段階利益につきまして、円に対してユーロ高は正、ドル高は負の影響を受けることとなります。為替変動リスクについては為替予約や米ドル建の販売拡大等の直接的・間接的なリスクの軽減又は回避に努めておりますが、為替変動により取引価格や売上高等が影響を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 使用部品の調達当社グループは、製品を構成する液晶パネル・半導体や機構材等すべての部品を外部供給者から調達しており、採用する部品の選定や仕入先の決定は、安定供給能力や事業継続計画の有無等の総合的な評価により行っております。また、仕入先との長期的な信頼関係の構築、顧客への安定的な製品供給を実現するための戦略的な在庫の保有、部品選定における複数購買先の確保、複数工場・材料あるいは代替品の事前認定等、部品の調達問題に起因する影響を最小限に抑える管理体制を構築しております。しかしながら、世界的な需給の逼迫や原材料の高騰、特定資源の供給制約、仕入先の事業統合や売却等による業界再編や生産撤退、地政学的リスクの高まり、事故や自然災害、サイバー攻撃、感染症の流行等に起因するサプライチェーンの混乱により、使用部品の安定的な調達が困難となる可能性があります。加えて、近年においてはAI関連需要の拡大等を背景に半導体、とりわけDRAMやNANDフラッシュメモリの価格が大幅に上昇しており、供給逼迫や価格変動の影響を受ける可能性があります。また、原油価格の変動に伴い、石油由来材料の価格上昇や物流費・輸送費の増加等が生じ、調達コストの上昇やサプライチェーンの不安定化につながる可能性があります。 このような状況により、使用部品の調達条件の悪化や調達遅延等が発生した場合、一定期間において当社グループにおける生産の停止や販売の遅延等が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 品質問題当社グループは、品質に問題のある製品の市場流出を確実に防止するため、品質基本方針に基づき、国際標準化機構(ISO)による各種品質マネジメント規格の認証の下、企画・開発から製造・販売・アフターサービスに至るすべてのプロセスにおいて当社独自の品質マネジメントシステムを構築し、全社で一貫した品質保証活動及び継続的なプロセスの改善を推進しております。また、万が一、安全や品質に関わる問題が発生した際は、迅速かつ的確な対応を実施し、問題の多発拡大を防止する体制を整えています。しかしながら、当社グループの製品に重大な品質問題が発生した場合には、ブランドの毀損、信頼の失墜、損害賠償の発生、市場の喪失、製品販売の減少等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(6) 人材の確保・育成当社グループが将来にわたって継続的に企業価値の向上を図るために最も重要な資本は人材だと考えています。この人材を維持・強化するために、社員が生き生きと働き、やりがいを感じながら自己成長が図れるよう各種社内環境を整備するとともに自由闊達な企業文化の醸成に力を入れております。しかしながら、常に優秀な人材を安定的に採用・確保できる保証はなく、優れた人材が多数離職した場合や育成が計画通りに進まない場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (7) アミューズメント市場向けモニター固有のリスク当社のアミューズメント市場向けモニターは、遊技機に組み込まれて使用されます。遊技機業界は、遊技人口の減少に伴うパチンコホール数の減少が継続しています。今後、更なる市場規模の縮小や、遊技機に関する法令等の改正、当社の販売先である遊技機メーカーの三洋物産グループの事業動向等によっては、販売数量が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 <公的規制・コンプライアンス、税務に関するリスク>(1) カントリーリスク当社グループは、海外においても開発、製造及び販売拠点を有し、グローバルに事業の拡大を進めております。これらの国又は地域での事業活動に当たっては、政治的・社会的な混乱、国際紛争やテロ等の地政学的リスク、経済不安等のカントリーリスクが常に内在しております。当社グループは、当該国又は地域におけるリスクの特性を十分に把握した上で適切な拠点を選択し、有事の際の損害を最小限に抑えるべくリスクマネジメントの強化に努めております。しかしながら、上記リスクの程度によっては当社グループの事業活動が中止又は制限される可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 環境規制当社グループは、従来から環境への影響が懸念される化学物質の製品への使用を削減し、リサイクル性や分解容易性に優れた機構・デザインの採用や環境負荷の少ない材料の採用、製品使用における消費電力削減に取組む等、一貫して環境に配慮した製品づくりを経営方針としております。また、環境に関する社会動向についても、関連する業界団体に積極的に参画し、情報の収集に努めております。しかしながら、今後新しい環境規制等が施行されることにより、規制に対応する追加コストが発生する場合や適合製品の開発又は市場投入が遅れる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) コンプライアンス当社グループは、事業を遂行するに当たって世界各国において様々な法令、規則を遵守するため、EIZOグループ行動指針、人権方針及び贈収賄・腐敗行為防止方針などの基本方針をグループ内に周知するとともに、社内規程によるコンプライアンス体制の整備等、法令遵守には細心の注意を払い、内部統制や全社的リスクマネジメント体制の充実・強化を図っております。人権に関しましては、人権の尊重に関する推進体制を構築し、人権デューディリジェンスの実施及び苦情処理メカニズムの整備を進めております。また、仕入先に対しても「EIZOサプライヤー行動規範」を定め、仕入先とともに責任ある鉱物調達等の人権尊重の取組みを推進しております。しかしながら、法規制が複雑化、グローバル化する中、万一法令違反行為が発生した場合や、新たな法規制の制定や改廃に対応できない事態が生じた場合、当社グループの事業活動の制限、社会的信頼の失墜、罰金・課徴金の賦課により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 情報セキュリティ当社グループは、事業活動を通して収集した情報資産を様々な情報セキュリティ上の脅威から保護し、適切に管理することを社会的責務と認識しており、国際規格であるISO/IEC 27001認証を取得し、これに基づく情報セキュリティマネジメントシステムを運用し、多様な対策を講じ管理を徹底するとともに、継続的なプロセスの改善を推進しています。また、PSIRT(Product Security Incident Response Team)を発足し、製品・サービスのセキュリティ向上、インシデント対応に取組んでいます。しかしながら、コンピュータウイルスへの感染、不正アクセスや新たな情報セキュリティ上の脅威などにより、システムの停止、情報の消失、漏洩、改ざんなどの事態が発生した場合には、事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 知的財産権当社グループが属する映像機器関連業界は、技術革新が著しく、同業他社も含め、各社が特許権、実用新案権、商標権、意匠権等を積極的に出願しております。当社グループは、独自の技術等について積極的に出願を行うとともに、不用意に他社の特許等を侵害しないよう情報収集を図り、業界標準に対しては適切なライセンス契約を締結するなど、知的財産権の管理を強化しております。また、当社グループの特許権や商標権等の知的財産権に対する他社の侵害状況についても監視や警告体制を強化しております。しかしながら、予期しない特許侵害警告、訴訟、損害賠償請求、ライセンス契約等に伴う多額の弁護士費用等の負担、和解費用、ライセンス費用の支払いが発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 税務当社グループを構成する各法人においては、各国の税法に準拠して税額計算し、適正な形で納税を行っております。なお、適用される各国の移転価格税制などの国際税務リスクや税制改正への対応について細心の注意を払っております。しかしながら、税務当局との見解の相違により、結果として追加課税が発生し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 <気候変動・自然資本、自然災害、感染症に係るリスク>(1) 気候変動・自然資本当社は、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同表明し、TCFDの開示フレームワークに沿って気候変動による当社グループへの財務影響を分析しております。また、分析結果に基づく対応策については「低炭素移行計画-Transition to Net Zero-」として設定し、GHG排出量削減に向けた取組みを推進しております。また、当社は、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)に賛同表明し、TNFDで推奨されているLEAPアプローチを用いた自然資本への依存・影響・リスク・機会の分析、及び分析結果に基づく対応策を設定し推進しております。しかしながら、当社グループは開発、資材調達、生産、販売等においてグローバルに事業を展開しており、各国における気候変動・自然資本に対する政策及び法規制等が強化された場合や気候変動・自然資本が事業環境に変化をもたらす場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 自然災害当社グループは、国内外に製造工場や研究開発施設を有しております。そのため、地震や台風、洪水等の自然災害について防災対策を進め、それらに伴う影響を最小限に抑えるべく、事業継続計画(BCP)を策定し、体制の整備に努めております。しかしながら、不測の大規模な自然災害が発生した場合には、当社グループの開発や生産、資材調達、物流等の業務に重大な影響を及ぼす可能性があり、一定期間の操業の中断、被害を被った設備の修理や交換等の損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 感染症新たな感染症が広範囲に流行した場合、サプライチェーンが機能不全に陥り部品調達難による生産調整を強いられ、また販売面においては、当社製品の販売時期の延期、顧客訪問の制約に伴う新規顧客や案件の開拓の遅れが生じる等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

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