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日本信号(6741)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 社会インフラを支える事業
    日本信号グループは、鉄道信号やスマートモビリティ(交通信号システムなど)、駅務自動化システム(AFC)といった社会インフラに不可欠な製品の製造・販売を主力としています。これらのシステムは、人々の安全な移動と快適な社会生活を支える基盤となっており、安定した需要が見込まれます。
  • 多角的なソリューション提供
    製品の製造・販売だけでなく、関連工事の設計・施工、保守・メンテナンス、ソフトウェア開発まで一貫して手掛けています。これにより、顧客である鉄道事業者や官公庁に対し、包括的なソリューションを提供し、長期的な関係を構築することで収益を上げています。
  • グループ会社との連携
    連結子会社や関連会社が、製品の部品供給、工事の設計施工、保守、ソフトウェア開発、さらには損害保険代理店業務など、多岐にわたる事業活動を分担しています。これにより、グループ全体で効率的かつ専門性の高いサービスを提供し、事業の多角化と収益基盤の強化を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 交通運輸インフラ事業
    この部門は、鉄道信号やスマートモビリティ(交通信号システムなど)の製造・販売を主軸としています。売上高は565.7億円、営業利益は45.47億円で、社会の基盤となる交通インフラを支える重要な事業であり、安定した需要が見込まれます。
  • ICTソリューション事業
    この部門は、駅務自動化システム(AFC)やロボティクス&センシング(R&S)などの情報通信技術を活用したソリューションを提供しています。売上高は502.88億円、営業利益は89.5億円と、交通運輸インフラ事業に匹敵する規模で、高い収益性を誇る成長分野です。
  • その他事業
    上記2部門以外に、電気・電子機器製品の販売・保守、ソフトウェア開発、ITソリューションの設計・構築・運用・保守、損害保険代理店業務など、多岐にわたる事業を展開しています。これらの事業は、主力製品の付帯サービスや新たな収益源として、グループ全体の事業を補完し、安定化に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
TrafficAndTransportationInfrastructureDivision 事業 566 45 8.0%
ICTSolutionsDivision 事業 503 90 17.8%
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FY2026|1,367 文字
3【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社19社、持分法非適用会社5社(非連結子会社4社、関連会社1社)で構成され、鉄道信号、スマートモビリティ、AFC、R&S等の製造及び販売とこれらに付帯する事業活動を展開しております。なお、当連結会計年度より、日信興産㈱、日信テクノエンジニアリング㈱、日信ヒューテック㈱、埼玉ユニオンサービス㈱、横浜テクノエンジニアリングサービス㈱、日信岡部二光㈱を新たに連結子会社としております。また、2025年4月1日付で連結子会社である札幌日信電子㈱を存続会社とし、非連結子会社であった北明電気工業㈱を消滅会社とする吸収合併を行っております。当社グループの事業に係る位置づけ、及びセグメントとの関連は次のとおりであります。なお、次の2部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 交通運輸インフラ事業鉄道信号:当社が製造販売するほか、連結子会社日信電設㈱、日信テクノエンジニアリング㈱が関連工事の設計施工等を行っており、製品及び部品の一部については、連結子会社日信工業㈱、栃木日信㈱、山形日信電子㈱から仕入れております。 スマートモビリティ:当社が製造販売するほか、連結子会社札幌日信電子㈱、埼玉ユニオンサービス㈱が関連工事の設計施工等を行っており、製品及び部品の一部については、連結子会社日信工業㈱から仕入れております。 ICTソリューション事業AFC:当社が製造販売しており、製品及び部品の一部については、連結子会社日信工業㈱、山形日信電子㈱、日信特器㈱、日信岡部二光㈱から仕入れております。 R&S:当社が製造販売しており、製品及び部品の一部については、連結子会社山形日信電子㈱、朝日電気㈱から仕入れております。 その他:当社の製造販売した交通運輸インフラ事業及びICTソリューション事業の電気・電子機器製品の販売、保守については、連結子会社日信電子サービス㈱、福岡日信電子㈱、札幌日信電子㈱、中部日信電子㈱、仙台日信電子㈱で、ソフトウエアの開発については、連結子会社日信ソフトエンジニアリング㈱で行っております。ITソリューションの設計・構築、運用・保守を連結子会社日信ITコネクト㈱、損害保険代理店業務等を連結子会社日信興産㈱で、技術関係資料の編集等を連結子会社日信ヒューテック㈱で行っております。駅務機器の保守、工事等を連結子会社横浜テクノエンジニアリングサービス㈱で行っております。関連会社㈱てつでんと鉄道信号の取引があります。また、当社が製造した電気・電子機器製品の販売、保守等について、中国は非連結子会社北京日信安通貿易有限公司、インドは非連結子会社Nippon Signal India Private Limited、台湾は非連結子会社台湾日信テクノロジー㈱、バングラデシュは非連結子会社Nippon Signal Bangladesh Private Limitedで行っております。 (注) AFCはAutomatic Fare Collection Systemsの略称です。(注) R&SはRobotics&Sensingの略称です。 事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
一般競争入札に基づく発注と参入業者間の競合による価格競争の激化
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
鉄道信号や交通信号システム、駅務自動化システム関連製品に極めて高い安全性が求められる
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済、市場に基づくリスク / 製品の特性に基づくリスク / 競合、取引先に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

長年の実績と信頼に基づくブランド力、交通インフラ分野での特許技術、および官公庁との強固な関係性が無形資産として機能。特に信号機や鉄道信号システムにおける技術的ノウハウは参入障壁となる。過去の納入実績が新規受注に繋がる。

スイッチングコスト★★★★☆
根拠:強い乗り換えの手間・コスト

交通インフラは、一度導入されると更新・交換に莫大なコストと時間がかかる。信号機や鉄道制御システムは、安全性・信頼性が最優先されるため、既存システムからの切り替えは極めて困難。ライフサイクルも長く、保守・運用を含めたトータルコストを考慮すると、顧客(国、自治体、鉄道会社)のスイッチングコストは非常に高い。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果は限定的。個々のインフラは独立しており、ユーザー数の増加が直接的なサービス価値向上に繋がる構造ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

規模の経済によるコスト優位性は限定的。公共事業中心であり、価格競争よりも仕様や信頼性が重視される傾向。ただし、長年の生産ノウハウによる効率化は存在する。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

交通インフラ分野、特に信号機や鉄道信号システムにおいて、国内では限られたプレイヤーしか存在しない寡占市場。大手プレイヤーとして一定のシェアを確保しており、規模の経済による効率性は一定程度存在する。

  • 社会インフラの高い安全性
    鉄道信号や交通信号システムなど、同社グループの製品は社会インフラの「交通」を支えるため、極めて高い安全性が求められます。長年の実績と技術力により、この高い安全基準を満たす製品を提供できることが、同社の強力な競争優位性となっています。
  • 包括的な技術とサービス
    鉄道信号からスマートモビリティ、駅務自動化システム(AFC)、さらにはロボティクス&センシング(R&S)といった幅広い分野で製品を製造・販売しています。加えて、関連工事の設計施工、保守、ソフトウェア開発まで一貫して提供できる体制が、顧客にとっての利便性と信頼性を高めています。
  • 長年の実績と信頼
    1928年の設立以来、社会インフラの発展と維持に貢献してきた長い歴史と実績があります。これにより、主要顧客である国内鉄道事業者や官公庁からの信頼を確立しており、新規参入が難しい分野での安定した事業基盤を築いています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 設立100周年に向けた成長
    2028年の設立100周年に向けた長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」を推進しています。デジタル技術の変革期に適応し、グローバル化を深化させることで、持続的な成長と事業構造改革を目指し、世界中から必要とされる企業グループとなることを目標としています。
  • 新事業・新商材の社会実装
    鉄道・自動車の自動運転、キャッシュレスサービス、CBM(状態基準保全)、ホーム監視システム、ロボット等の省力化技術開発を推進しています。脱炭素や顧客の構造改革を支援するソリューションビジネスを拡大し、新事業・新商材の社会実装を加速させることで、新たな収益源の確立を目指しています。
  • 国際事業と収益性向上
    アジアを中心に国際事業を積極的に展開し、案件履行から継続的な保守・メンテナンス、さらなる延伸案件の受注と市場開拓により成長と収益力向上を図っています。また、資本コストや株価を意識したROIC経営を進め、ROE10.0%以上、ROIC9.0%以上を目標に、資本収益性の改善に努めています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)会社の経営の基本方針当社グループは、世界中の人々がより安心、快適に暮らせる社会の実現を願い、1928年の設立以来、鉄道や道路交通など、社会インフラの発展と維持に貢献する事業を展開しています。2016年4月には、近年のグローバル化や産業技術の急激な変化を勘案し、創業60周年を機に制定された企業理念を「日本信号グループ理念」に改定いたしました。「私たちの使命」である“「安全と信頼」の優れたテクノロジーを通じて、より安心、快適な社会の実現に貢献します”という想いのもと、一丸となり企業活動に取り組んでおります。2019年度より新たな長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」をスタートし、10年後の設立100周年(2028年)に向けて、世界の人々から必要とされる企業グループになることを目指して、グローバル化の深化やデジタル技術の大変革期に適応し、持続的成長のための事業構造改革に取り組んでおります。 (2)目標とする経営指標2024年度より始まった長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」の第3期中期経営計画「Realize-EV100」では、顧客の構造改革や課題解決を推進する新商材の開発・社会実装の加速と設計・ものづくりのバリューチェーン改革など収益性向上を図るとともに、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応としてROIC経営を進めてまいります。中期経営計画「Realize-EV100」最終年度において、連結売上高1,500億円、ROE10.0%以上、ROIC9.0%以上を目指します。 (3)中長期的な戦略経営2019年度よりスタートした長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」では、デジタルディスラプション(デジタル技術による破壊的なイノベーション)で既存産業が淘汰される大変革期の到来に対し、従来の延長線上にない新たなビジネスの在り方を追求し、インフラの進化を安全・快適のソリューションで支えることで社会的課題を解決し、世界中から必要とされる企業グループとなることを目指しております。また、長期経営計画の実現に向け、設立100周年となる2028年をターゲットとした、新たな中期経営計画「Realize-EV100」を2024年度よりスタートいたしました。2025年度にはこれまで開発してきたDX商材の社会実装や国際事業の拡大、オペレーション&メンテナンス事業の着実な履行に取り組んでまいりました。今後はDX商材について社会実装を足掛かりに顧客へのさらなる展開を図るとともに、国際部門の営業部増設などにより国際事業での地域・顧客に密接した受注活動をさらに強化してまいります。また資本収益性の改善に向けたROE、ROICの向上により一層努め、IR・SR活動を強化してまいります。 (4)対処すべき課題<重点課題1>新事業・新商材のNext Stage鉄道・自動車の自動運転、キャッシュレスサービス、CBM、ホーム監視システム、ロボット等の省力化に資する開発の推進、脱炭素や顧客の構造改革を支えるソリューションビジネスの拡大等、新事業・新商材の社会実装の加速に取り組みます。<重点課題2>国際事業のNext Stage案件履行から継続的な保守・メンテナンス、更なる延伸案件の受注と市場開拓による新たな受注により、国際事業の成長と収益力向上を図ります。また、海外現地化を進めグローバル力を強化してまいります。<重点課題3>ものづくりのNext Stage脱炭素、ソフトウエアファーストに対応した商材開発強化とグループベースでの設計標準化、ものづくり内製化の推進、設備投資による生産性向上等により、QCD最適化を目指します。<その他>ESG経営の推進脱炭素化に向けた温室効果ガスの削減に努め、環境負荷の低い交通手段である鉄道の普及や維持を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。また、従業員エンゲージメント向上や地域密着型の社会貢献活動にも取り組みます。 コーポレートガバナンスの強化といたしましては、モニタリングボードとしての取締役会を志向し、経営の監督機能と執行機能を明確に分離したうえで、監督機能の一層の強化と透明性の確保を図り、企業価値向上に努めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)会社の経営の基本方針当社グループは、世界中の人々がより安心、快適に暮らせる社会の実現を願い、1928年の設立以来、鉄道や道路交通など、社会インフラの発展と維持に貢献する事業を展開しています。2016年4月には、近年のグローバル化や産業技術の急激な変化を勘案し、創業60周年を機に制定された企業理念を「日本信号グループ理念」に改定いたしました。「私たちの使命」である“「安全と信頼」の優れたテクノロジーを通じて、より安心、快適な社会の実現に貢献します”という想いのもと、一丸となり企業活動に取り組んでおります。2019年度より新たな長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」をスタートし、10年後の設立100周年(2028年)に向けて、世界の人々から必要とされる企業グループになることを目指して、グローバル化の深化やデジタル技術の大変革期に適応し、持続的成長のための事業構造改革に取り組んでおります。 (2)目標とする経営指標2024年度より始まった長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」の第3期中期経営計画「Realize-EV100」では、顧客の構造改革や課題解決を推進する新商材の開発・社会実装の加速と設計・ものづくりのバリューチェーン改革など収益性向上を図るとともに、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応としてROIC経営を進めてまいります。中期経営計画「Realize-EV100」最終年度において、連結売上高1,500億円、ROE10.0%以上、ROIC9.0%以上を目指します。 (3)中長期的な戦略経営2019年度よりスタートした長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」では、デジタルディスラプション(デジタル技術による破壊的なイノベーション)で既存産業が淘汰される大変革期の到来に対し、従来の延長線上にない新たなビジネスの在り方を追求し、インフラの進化を安全・快適のソリューションで支えることで社会的課題を解決し、世界中から必要とされる企業グループとなることを目指しております。また、長期経営計画の実現に向け、設立100周年となる2028年をターゲットとした、新たな中期経営計画「Realize-EV100」を2024年度よりスタートいたしました。2025年度にはこれまで開発してきたDX商材の社会実装や国際事業の拡大、オペレーション&メンテナンス事業の着実な履行に取り組んでまいりました。今後はDX商材について社会実装を足掛かりに顧客へのさらなる展開を図るとともに、国際部門の営業部増設などにより国際事業での地域・顧客に密接した受注活動をさらに強化してまいります。また資本収益性の改善に向けたROE、ROICの向上により一層努め、IR・SR活動を強化してまいります。 (4)対処すべき課題<重点課題1>新事業・新商材のNext Stage鉄道・自動車の自動運転、キャッシュレスサービス、CBM、ホーム監視システム、ロボット等の省力化に資する開発の推進、脱炭素や顧客の構造改革を支えるソリューションビジネスの拡大等、新事業・新商材の社会実装の加速に取り組みます。<重点課題2>国際事業のNext Stage案件履行から継続的な保守・メンテナンス、更なる延伸案件の受注と市場開拓による新たな受注により、国際事業の成長と収益力向上を図ります。また、海外現地化を進めグローバル力を強化してまいります。<重点課題3>ものづくりのNext Stage脱炭素、ソフトウエアファーストに対応した商材開発強化とグループベースでの設計標準化、ものづくり内製化の推進、設備投資による生産性向上等により、QCD最適化を目指します。<その他>ESG経営の推進脱炭素化に向けた温室効果ガスの削減に努め、環境負荷の低い交通手段である鉄道の普及や維持を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。また、従業員エンゲージメント向上や地域密着型の社会貢献活動にも取り組みます。 コーポレートガバナンスの強化といたしましては、モニタリングボードとしての取締役会を志向し、経営の監督機能と執行機能を明確に分離したうえで、監督機能の一層の強化と透明性の確保を図り、企業価値向上に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況a.経営成績当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)における世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や、米国とイスラエルによる対イラン軍事行動といった高まり続ける地政学リスクなど、先行きを注視すべき状況が続いております。国内経済においては、円安の進行や総合経済対策の影響などにより内需は堅調に推移している一方で、中東情勢緊迫化の影響で、国内の安定的なエネルギー供給が脅かされ、また各種原材料価格の高騰も懸念されております。このような状況の中、当社グループは、2028年度を最終ゴールとする中期経営計画「Realize-EV100」に取り組んでおります。2年目にあたる2025年度では、DX技術を活用した新商材の販売拡大と新たなビジネスモデルの構築、オペレーション&メンテナンスビジネスの拡大を進めるとともに、ものづくりの更なる生産性向上や人的資本経営の推進等、サステナブルな成長を目指しております。こうした当社の取り組みを広く投資家の皆さまに知っていただくべく、積極的にIR・SR活動にも取り組んでまいりました。また、当社は、中期経営計画終了時点における政策保有株式の連結純資産合計額に対する割合を20%以下にすべく取り組んでおります。2025年度の取り組みの結果といたしましては、株価上昇の影響はございましたが、合計金額は25,195百万円、連結純資産額に占める割合は22.0%となっております。なお、当期の政策保有株式売却の結果、特別利益といたしまして3,102百万円を計上しております。2026年度につきましても引き続き計画に従い縮減に努めてまいります。当連結会計年度の経営成績といたしましては、受注高は142,622百万円(前期比42.0%増)、売上高は114,071百万円(前期比6.7%増)となりました。損益面につきましては、営業利益は11,701百万円(前期比18.1%増)、経常利益は13,024百万円(前期比20.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は11,594百万円(前期比36.3%増)となりました。 なお、当連結会計年度における各セグメントの概況は、以下のとおりであります。 〔交通運輸インフラ事業〕「鉄道信号」では、国内市場においては、自動列車制御装置、連動装置等の信号保安装置や、無線連携システム等の受注・売上がありました。さらに、地上設備をスリム化した地方鉄道向けの無線式列車制御システムや、鉄道設備状態をクラウドネットワークで収集・蓄積・分析する「Traio」など、メンテナンスの省力化や検査効率の向上に資する製品開発と全国展開により、今後も引き続き安全で快適な移動の実現に貢献してまいります。海外市場においては、台湾、エジプト、アルゼンチン等で鉄道信号システムの受注・売上がありました。これまでの導入実績をもとに、アジア諸国やアフリカ、南アメリカ地域におけるインフラ整備の需要に応え、快適で安全な街づくりに貢献してまいります。道路交通安全システムを中心とする「スマートモビリティ」では、交通管制システムや交通信号灯器、パーキングメーター等の受注・売上がありました。また、自動運転実証実験の各種プロジェクトにも積極的に参画し、自動運転車両と道路の信号機や路側センサを連携した「インフラ協調」を支える製品、技術のプロバイダとなることを目指しております。海外市場においては、慢性的な交通渋滞の解消が求められているウガンダにおいて、引き続き交通信号の受注・売上がありました。今後もアフリカ地域のインフラ課題解決に貢献してまいります。結果といたしましては、受注高は87,870百万円(前期比72.2%増)、売上高は59,171百万円(前期比4.6%増)となりました。また、損益面につきましては、セグメント利益は5,185百万円(前期比14.0%増)となりました。 〔ICTソリューション事業〕駅務ネットワークシステムを中心とする「AFC」では、国内市場においては、各種ホームドアやホーム監視システム、改札機、各種駐車場機器等の受注・売上がありました。これから全国各地で導入が見込まれる、クレジットカードやデビットカード等のタッチ決済及びQRコード認証を用いた新しいキャッシュレス乗車サービスについても、積極的に取り組んでおります。その成果として、全国各地の鉄道事業者様にてクレジットカード等のタッチ決済による乗車サービスを導入いただいております。海外市場においては、インドやエジプト、バングラデシュ等でAFCシステム等の受注・売上がありました。ロボティクス及びセンシングを中心とする「R&S」では、多機能鉄道重機「ZIZAI」やホームドア用の3D距離画像センサ、警備ロボット等の受注・売上がありました。多機能鉄道重機「ZIZAI」につきましては、2024年7月より導入いただいているJR西日本様に続き、2026年4月よりJR東日本様でも導入いただきました。当社はフェールセーフの基本思想のもと、これまでに培ったセンサ、画像分析等のコア技術に最新のロボティクス技術を融合させ、人とロボットが協働する未来社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります。結果といたしましては、受注高は54,751百万円(前期比10.8%増)、売上高は54,900百万円(前期比9.2%増)となりました。また、損益面につきましては、セグメント利益は10,562百万円(前期比18.0%増)となりました。 b.財政状態当連結会計年度末における総資産は、売掛金の増加3,633百万円、有形固定資産の増加2,045百万円等により、前連結会計年度末に比べ5,983百万円増加の172,224百万円となりました。負債は、短期借入金の減少3,700百万円、契約負債の減少1,696百万円等により、前連結会計年度末に比べ5,728百万円減少の57,888百万円となりました。純資産は、利益剰余金の配当による減少2,869百万円等がありましたものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上11,594百万円、退職給付に係る調整累計額の増加1,370百万円、連結範囲の変動に伴う利益剰余金の増加810百万円等により、前連結会計年度末に比べ11,712百万円増加の114,336百万円となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は10,894百万円となり、前連結会計年度末に比べ354百万円の減少となりました。 各キャッシュ・フローの状況につきましては、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加、仕入債務の減少等がありましたものの、税金等調整前当期純利益の計上等により、7,874百万円の資金の増加(前年同期は5,783百万円の資金の増加)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却等がありましたものの、有形・無形固定資産の取得等により、2,725百万円の資金の減少(前年同期は4,498百万円の資金の減少)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済や配当金の支払等により、6,547百万円の資金の減少(前年同期は1,598百万円の資金の減少)となりました。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)交通運輸インフラ事業60,334105.1ICTソリューション事業54,560108.6合計114,894106.7 (注) 上記金額は販売価格によっております。 b.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高受注残高金額(百万円)前年同期比(%)金額(百万円)前年同期比(%)交通運輸インフラ事業87,870172.2107,316136.5ICTソリューション事業54,751110.826,05199.4合計142,622142.0133,368127.2 (注) 上記金額は販売価格によっております。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)交通運輸インフラ事業59,171104.6ICTソリューション事業54,900109.2合計114,071106.7 (注) 上記金額は販売価格によっております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容①経営成績等の分析当連結会計年度は、長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」で掲げるビジネス転換や、事業ドメイン、人材・組織、技術開発などに関する戦略に取り組んだ7年目となりました。 売上高については、交通運輸インフラ事業の鉄道信号の国内外の需要、ICTソリューション事業の国内AFCにおける新型自動改札機・ホームドアの販売等により114,071百万円(前期比6.7%増)となりました。損益面については、営業利益11,701百万円(前期比18.1%増)、経常利益13,024百万円(前期比20.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益11,594百万円(前期比36.3%増)となりました。 ②資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、現在、運転資金及び設備投資資金は、内部資金又は借入により資金を調達しております。このうち借入による資金調達については、運転資金は期限が1年以内の短期借入金により調達しております。当社グループは、その健全な財政状態、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備資金を調達することが可能であると考えております。 ③経営方針・経営戦略、経営上の達成状況を判断するための客観的な指標等長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」をより具体的な取り組み・施策に展開した、第3期中期経営計画「Realize-EV100」2年目の経営上の目標値といたしましては、売上高1,080億円、営業利益率9.3%、並びにROE7%以上としておりました。当期における当社グループの経営成績は、売上高1,140億円、営業利益率10.3%、並びにRОE10.7%となりました。 ④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 経済・市場変動の影響
    同社グループの主要顧客は国内鉄道事業者や警察等の公共機関であり、これらの設備投資や公共投資の動向に業績が強く左右されます。感染症や災害による輸送量減少が運輸収入に影響を与え、設備投資が縮小すると、同社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
  • 製品の安全性と信頼性
    鉄道信号や交通信号システムは社会インフラの根幹を支えるため、極めて高い安全性が求められます。万が一、故障や誤動作が発生した場合、公共交通機関の麻痺や人命・財産に関わる重大な事故につながる恐れがあり、損害賠償請求により経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 競合と原材料価格変動
    主要顧客からの発注は一般競争入札が基本であり、国内外の競合他社との価格競争が激化すると、収益性が圧迫される可能性があります。また、半導体などの原材料や部品の不足、価格高騰も、同社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼすリスクがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,200 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクとしては、主に以下のようなものがあります。但し、全てのリスクを網羅しているわけではなく、現時点では予見できないリスクや重要と評価されていないリスクについても、将来影響を受ける可能性がないか注視しております。文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経済、市場に基づくリスク 当社グループは、交通インフラに関わるシステムやサービスの提供を当社の基幹事業としております。その主要顧客である国内鉄道各事業者の設備投資や、警察等の公共投資の影響を強く受ける分野であります。 そのため、感染症や災害等により人や貨物の輸送量が減少し、運輸収入に大きな影響が生じた場合、国内鉄道事業者の設備投資や公共事業投資が減少して市場規模が縮小し、当社グループの経営成績に重大な影響を与える可能性があります。 また、主要顧客の設備投資及び公共投資が当社の需要の中心となっているため、当社グループの売上の比重は期末に高くなる傾向があります。 (2)製品の特性に基づくリスク 当社グループで製造・販売している鉄道信号や交通信号システム、駅務自動化システム関連の製品は、重要な社会インフラである「交通」を支えております。また、実証実験に参画している鉄道と自動車の自動運転に係る新技術なども含め、極めて高い安全性が求められます。そのため、故障・誤動作等の障害が発生した場合、深刻な公共交通のマヒあるいは利用者の人命や財産に関わる安全を損なう事態を招く恐れがあり、各関係者の被害に関する損害の賠償請求を受け、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。 当社グループが何よりも優先すべきことは「安全と信頼」であり、これを頑なに守り続けることが必要であります。そうしたことから、グループ理念に掲げる安全への想いを未来に継承していく拠り所として、安全信頼創造センターを設立し、安全理論の研究、蓄積や社員の安全教育を実施しております。 (3)競合、取引先に関するリスク 主要顧客である国内鉄道各事業者や、警察等の官公庁からの発注は一般競争入札に基づいており、参入業者間の競合による価格競争の激化は、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。 海外事業についても同様であり、特に欧州企業や中国企業との価格競争の激化は、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。 また、半導体等をはじめとする原材料や部品等の大幅な不足や価格の高騰が生じた場合、当社グループの業績及び財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4)災害に対するリスク 当社グループは、主力生産事業所を埼玉・栃木の二県に集中して展開しております。これらの事業所及び本社を含む首都圏において、大規模地震や台風・豪雨・洪水等の自然災害による生産設備への被害、製品輸送、製品保管中の事故等、不測の事態が発生した場合、操業停止を含め、当社グループの生産能力が著しく低下する可能性があります。 このような大規模災害が発生した場合に指揮命令系統を早期に確立するための事業継続計画(BCP)を制定し、従業員の安否確認システムを利用した訓練をしております。 また、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を契機に自然災害・新型感染症対応規程の見直しを図り、国際事業の拡大やテレワークなど新しい働き方の運用を踏まえて、社員の安全確保と事業の継続について定めております。 (5)海外展開に関するリスク 当社グループは、アジアを中心に積極的な海外展開を図っております。そのため各国の経済・市場の動向に関するリスクだけではなく、政治的リスクや気候変動リスクにより、事業開発の遅れが生じるリスクがあります。 また、テロ・紛争・戦争、感染症等のリスクがあり、社員の安全確保のため、営業拠点からの退避や事業そのものからの撤退を余儀なくされる恐れもあります。また、これらの事象により為替相場が変動し、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。 (6)新規事業に関するリスク 当社グループは、既存事業特有のリスク低減を目指し、より安定した強固な企業基盤を確立すべく、既存事業の海外展開や、MaaS、自動運転、ロボティクスといった新分野の技術開発に積極的に取り組み、新市場の開拓を目指しております。 しかしながら、参入を検討している新市場規模が縮小した場合、又は技術開発の遅れにより、新事業から撤退等の事態に陥った場合、新たな成長ドライバーを獲得するまで、依然としてこれらのリスクが残存することになります。 (7)情報システムセキュリティリスク 当社グループは、事業上の重要情報や、事業の遂行過程で得た取引先等の機密情報を有しております。当該情報の盗難・紛失等を防ぐため、情報取扱管理規程の整備、情報システムのセキュリティ強化、社員に対するITセキュリティ教育を実施しております。 しかし、不測の事態によって、機密情報の漏洩や想定を超えるサイバー攻撃を受けることで、データの破壊、改ざん、流出、システム障害等を引き起こす可能性があり、その結果、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。

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