事業の概要
- 総合防災グループ能美防災は、親会社セコムを含む企業集団として、火災報知設備や消火設備の製造から販売、設置工事、保守点検までを一貫して手掛ける総合防災事業を展開しています。これにより、建物の安全を多角的にサポートし、安定的な収益基盤を築いています。
- 主要製品とサービス同社の主な事業は、自動火災報知設備やスプリンクラーなどの消火設備の機器製造・販売・取付工事、そしてこれらの設備の定期的な保守点検業務です。さらに、設計や研究開発、ビル管理業務といった関連サービスも提供し、防災に関する幅広いニーズに応えています。
- グループ連携による事業展開能美防災グループは、親会社セコムへのOEM供給や、多数の子会社・関連会社を通じて全国各地での販売・施工・保守点検を行っています。これにより、製品供給からアフターサービスまでをグループ内で完結させ、効率的かつ広範囲な事業展開を実現しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 火災報知設備事業この事業は、火災報知設備の製造、販売、取付工事、保守業務を主な内容とし、能美防災グループの中核をなしています。売上高は479.71億円、営業利益は85.28億円と、グループ内で最も高い収益を上げており、主要な稼ぎ頭となっています。
- 消火設備事業消火設備事業では、スプリンクラー設備やガス消火設備などの製造、販売、取付工事、保守業務を行っています。売上高は451.19億円、営業利益は83.52億円と、火災報知設備事業に次ぐ規模で、グループの重要な収益源です。
- 保守点検等事業この事業は、設置済みの火災報知設備や消火設備の保守点検、補修工事を専門に行っています。売上高は346.44億円、営業利益は80.42億円であり、安定的なストック収益としてグループ全体の収益基盤を支えています。その他事業として、駐車場車路管制システムや防犯設備機器の製造販売も行っています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| FireAlarmSystem | 事業 | 480 | 85 | 17.8% |
| FireExtinguishingSystem | 事業 | 451 | 84 | 18.5% |
| MaintenanceAndInspection | 事業 | 346 | 80 | 23.2% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社の企業集団は、当社、親会社(セコム株式会社)及び子会社30社、関連会社4社で構成され、火災報知設備並びに消火設備の機器の製造、販売、取付工事及びこれらの設備の保守業務を主な内容とし、更に各事業に関連する設計、研究・開発及びビル管理業務等のサービスも合わせた、安全を提供する総合防災グループとして事業活動を展開しております。当社グループの事業に係る位置づけは次のとおりであります。なお、次の4部門は「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。火災報知設備……当社及び連結子会社である上海能美消防設備有限公司が製造販売するほか、台湾能美防災股份有限公司も当社より部品の供給を受けて製造しており、半製品として当社で仕入れております。また、当社の機器は各関係会社に対しても販売しております。販売、取付工事については連結子会社である岩手ノーミ㈱、青森ノーミ㈱、日信防災㈱、千葉ノーミ㈱、四国ノーミ㈱、㈱ノーミ・テクノ・エンジニアリング、秋田ノーミ㈱、福島ノーミ㈱、新潟ノーミ㈱、北海道ノーミ㈱、八洲防災設備㈱、システムサービス㈱、坂本電設㈱、㈱システムズ、非連結子会社である大分ノーミ㈱、持分法非適用関連会社である宮城ノーミ㈱が行っているほか、消火設備及び保守点検等をメインとしている会社の一部も行っております。また、上記の会社は当社の受注物件の一部について施工を請負っております。なお、親会社であるセコム㈱に対して当社の機器をOEMにて供給しております。 消火設備…………当社が製造販売するほか、当社の機器は他の関係会社に対しても販売しております。また、販売、取付工事については、連結子会社である能美エンジニアリング㈱、東北ノーミ㈱、非連結子会社であるNohmi Bosai (India) Pvt. Ltd.、持分法適用関連会社である㈱コーアツが行っているほか、火災報知設備及び保守点検等をメインとしている会社の一部も行っております。また、上記の会社は当社の受注物件の一部について施工を請負っております。 保守点検等………当社が火災報知設備、消火設備の保守点検、補修工事を行っているほか、連結子会社である九州ノーミ㈱、ノーミシステム㈱、北興通信㈱、非連結子会社である㈱共同設備が行っております。また、火災報知設備・消火設備をメインとしている会社においても行っております。 その他……………連結子会社である日信防災㈱が駐車場車路管制システムの施工、保守を行っております。また、明星電気㈱においては気象防災・宇宙防衛機器を製造販売しております。 事業の系統図は次のとおりであります。 (注) 当社の「親会社」であるセコム㈱は、当社の得意先のひとつであります。 親会社及び連結子会社・持分法適用関連会社・非連結子会社・持分法非適用関連会社は次のとおりであります。親会社 セコム株式会社セキュリティサービス事業連結子会社 九州ノーミ株式会社火災報知設備・消火設備の施工・保守・補修千代田サービス株式会社建物管理・清掃・業務代行・損保代理他能美エンジニアリング株式会社消火設備・火災報知設備の設計・施工・保守ノーミシステム株式会社火災報知設備・消火設備の保守・補修岩手ノーミ株式会社火災報知設備・消火設備の施工・保守東北ノーミ株式会社消火設備・火災報知設備の施工・保守青森ノーミ株式会社火災報知設備の施工・保守日信防災株式会社火災報知設備・消火設備・駐車場車路管制システムの施工・保守・機器販売千葉ノーミ株式会社火災報知設備の施工・保守四国ノーミ株式会社火災報知設備の施工・保守株式会社ノーミ・テクノ・エンジニアリング環境監視システムの施工・保守秋田ノーミ株式会社火災報知設備の施工・保守福島ノーミ株式会社火災報知設備の施工・保守新潟ノーミ株式会社火災報知設備・消火設備の施工・保守北海道ノーミ株式会社火災報知設備・消火設備の施工・保守八洲防災設備株式会社火災報知設備の施工・保守・機器販売システムサービス株式会社弱電設備の施工・保守・機器販売坂本電設株式会社電気設備の施工株式会社システムズ弱電設備の施工・保守・機器販売北興通信株式会社火災報知設備の施工・保守明星電気株式会社気象防災設備機器・宇宙防衛設備機器の製造・販売台湾能美防災股份有限公司火災報知設備機器の製造・販売上海能美消防設備有限公司火災報知設備機器の製造・販売持分法適用関連会社 株式会社コーアツ消火設備の施工・保守・機器販売非連結子会社 永信電子株式会社電子機器の製造他株式会社共同設備火災報知設備・消火設備の保守・補修大分ノーミ株式会社火災報知設備の施工・保守・機器販売Nohmi Bosai (India) Pvt. Ltd.他3社消火設備・火災報知設備の施工・保守・機器販売他持分法非適用関連会社 宮城ノーミ株式会社他2社火災報知設備・消火設備の施工・保守他
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 消防法による規制に関連する売上が主要であり、品質管理に万全を期しているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 消防法による規制に関連して売上の主要な部分が生じており、急激な変化は競争環境に影響。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:建設業界や公共事業の動向 / 法的規制の急激な変化 / 製品・サービスの不具合
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
能美防災は、消防用設備分野における長年の実績と信頼性により、強力なブランドイメージを確立している。特に、公共施設や大規模商業施設など、高い安全性が求められる分野での納入実績は、新規参入企業にとって容易に模倣できない無形資産となっている。ISO9001などの品質マネジメントシステム認証も、信頼性向上に寄与している。
スイッチングコスト★★★☆☆
消防用設備は、一度設置すると、法規制やメンテナンスの観点から、他社製品への切り替えには多大なコストと手間がかかる。特に、既存の設備との互換性や、保守契約の継続性を考慮すると、顧客は容易にサプライヤーを変更できない。これにより、安定した保守・メンテナンス収益が確保されている。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
消防用設備は、個々の設置が独立しており、ユーザーが増えることで設備自体の価値が向上するようなネットワーク効果は基本的に見られない。各設備は独立した機能を持つ。
コスト優位★☆☆☆☆
大量生産による規模の経済は一部存在する可能性があるが、消防用設備は高度な技術と品質管理が求められるため、他社に対して構造的なコスト優位を築くことは難しい。カスタム対応も多く、標準化によるコスト削減効果は限定的。
規模の経済★★★☆☆
国内の消防用設備市場において、能美防災はトップクラスのシェアを誇る。市場規模に対して、大手メーカーが少数寡占状態を形成しており、同社はその一角を担っている。これにより、一定の価格決定力と市場への影響力を有している。
- 研究開発から保守までの一貫体制能美防災は、火災報知設備や消火設備の研究開発から製造、販売、設置工事、そして長期的な保守点検までを一貫して自社グループで行っています。この体制により、高品質な製品とサービスを安定的に提供し、顧客からの信頼を得ています。
- 消防法に基づく安定した需要同社の事業は消防法という法的規制に強く関連しており、建物への防災設備設置が義務付けられているため、安定的な需要が見込めます。この法的背景は、新規参入障壁となり、同社の事業基盤を強固なものにしています。
- セコムグループとの連携親会社であるセコム株式会社との連携により、同社はセキュリティサービスと防災システムを組み合わせた総合的な安全ソリューションを提供できる可能性があります。セコムへのOEM供給も行っており、グループ内でのシナジー効果が期待されます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 防災事業のパイオニアとしての使命能美防災は「防災事業のパイオニアとしての使命に徹し、社会の安全に貢献する」ことを経営の基本方針としています。研究開発からメンテナンスまでの一貫体制で、最新かつ最適な防災システムを国内外に提供し続けることを目指しています。
- 中長期ビジョン「期待の先をカタチに」2028年度を目標とする中長期ビジョンでは、「『期待の先』にある安全を『カタチ』にし、誰もが笑顔で暮らせる社会を実現する」ことを掲げています。未来共創プロジェクト、飛躍的成長への人事戦略、未来投資計画の3つの施策を通じて、このビジョンの実現を目指します。
- 「ステージⅢ」での成長戦略2026年3月期から2029年3月期までの4年間を「ステージⅢ」と位置づけ、既存事業の収益拡大と利益率向上、防災周辺領域や隣接業界へのM&Aによる事業拡大、新規事業創出に注力します。2029年3月期には連結売上高1,700億円以上、営業利益率12%以上、ROE10%以上を目指す具体的な数値目標を設定しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社グループは「防災事業のパイオニアとしての使命に徹し、社会の安全に貢献する」ことを社是とし、「研究開発からメンテナンスまでの一貫体制の下、災害から生命・財産を守るための最新・最適な防災システムを、日本全国そして世界に提供し続けること」を経営理念としております。 (2) 中長期的な経営戦略及び優先的に対処すべき課題今後の経済見通しとしましては、緩やかな景気回復の動きが続くことが期待される一方で、国際情勢の変化、金融資本市場の変動、米国の政策動向の影響などにより、不透明な状況が続くものと見込まれます。当防災業界におきましても、需要は堅調に推移することが期待されますが、原材料価格や労務費などのコスト上昇に加え、時間外労働の上限規制への対応を前提とした事業運営が求められる状況となっております。このような状況のなか、当社グループは2028年度のありたい姿と、その実現に向けた施策を「中長期ビジョン2028 ~期待の先をカタチに~」として策定しております。中長期ビジョンステートメントを「『期待の先』にある安全を『カタチ』にし、誰もが笑顔で暮らせる社会を実現する」とし、2022年度より以下の3つの施策に取り組んでおります。①未来共創プロジェクト 組織的な対応・仕組みにて「事業の深耕と探索」及び「提案型人財の育成」を推進。②飛躍的成長への人事戦略 社員一人ひとりと組織双方の成長サイクルを加速し、中長期ビジョンの実現を支えていくための人事戦略を推進。③未来投資計画 未来に向けた成長投資を積極的に推進。さらに、これらの施策を支える土台として、「デジタルトランスフォーメーション」、「安定した製品・サービス供給体制をより強固にするサプライチェーンの実現」、「サステナビリティ経営推進による企業価値向上を前提とした課題対応」にも取り組んでおります。また、2026年3月期から2029年3月期までの4年間を「ステージⅢ」とし、以下を重点施策として定め、ありたい姿の実現に向けた総仕上げに取り組んでおります。 <重点施策> ①既存事業の収益拡大と利益率の向上 ・人財採用・育成・配置の強化徹底の継続 ・デジタルトランスフォーメーション実現に向けた取組みの加速 ②事業の拡大 ・防災周辺領域や隣接業界へのM&Aの積極的な展開 ③新規事業創出ならびにスケール化 ・未来共創プロジェクト活動等への注力「ステージⅢ」の最終年度である2029年3月期に連結売上高を170,000百万円以上、営業利益率を12%以上、ROEを10%以上とすることを目指しております。「ステージⅢ」の2年目にあたる2027年3月期におきましては、堅調な需要に対して引き続き業務効率化や価格改定に取り組みながら、「ステージⅢ」の重点施策を中心に中長期ビジョンとして策定した各種施策を推進することで、より高い付加価値を創造できる企業への変革に挑戦してまいります。 なお、2025年7月30日に公表いたしましたとおり、当社グループ内において監理技術者等の資格を不正に取得していたという事実が、弁護士で構成される外部調査委員会の調査結果により明らかとなりました。株主の皆様をはじめ、関係者の皆様には多大なるご心配とご迷惑をおかけしておりますことを心よりお詫び申し上げます。当社は、外部調査委員会からのご指摘を真摯に受け止め、同様の事態を二度と発生させないよう、代表取締役社長を本部長とする「資格不正取得再発防止対策本部」を設置するとともに、2026年3月26日には主要な再発防止策の全体像及び具体的な進捗状況について公表いたしました。今後は、社内統制の一層の強化、資格管理体制の抜本的な見直し、教育・研修の徹底等の再発防止策を計画的かつ着実に実行し、全社一丸となって一日も早い信頼回復に全力で努めてまいる所存です。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社グループは「防災事業のパイオニアとしての使命に徹し、社会の安全に貢献する」ことを社是とし、「研究開発からメンテナンスまでの一貫体制の下、災害から生命・財産を守るための最新・最適な防災システムを、日本全国そして世界に提供し続けること」を経営理念としております。 (2) 中長期的な経営戦略及び優先的に対処すべき課題今後の経済見通しとしましては、緩やかな景気回復の動きが続くことが期待される一方で、国際情勢の変化、金融資本市場の変動、米国の政策動向の影響などにより、不透明な状況が続くものと見込まれます。当防災業界におきましても、需要は堅調に推移することが期待されますが、原材料価格や労務費などのコスト上昇に加え、時間外労働の上限規制への対応を前提とした事業運営が求められる状況となっております。このような状況のなか、当社グループは2028年度のありたい姿と、その実現に向けた施策を「中長期ビジョン2028 ~期待の先をカタチに~」として策定しております。中長期ビジョンステートメントを「『期待の先』にある安全を『カタチ』にし、誰もが笑顔で暮らせる社会を実現する」とし、2022年度より以下の3つの施策に取り組んでおります。①未来共創プロジェクト 組織的な対応・仕組みにて「事業の深耕と探索」及び「提案型人財の育成」を推進。②飛躍的成長への人事戦略 社員一人ひとりと組織双方の成長サイクルを加速し、中長期ビジョンの実現を支えていくための人事戦略を推進。③未来投資計画 未来に向けた成長投資を積極的に推進。さらに、これらの施策を支える土台として、「デジタルトランスフォーメーション」、「安定した製品・サービス供給体制をより強固にするサプライチェーンの実現」、「サステナビリティ経営推進による企業価値向上を前提とした課題対応」にも取り組んでおります。また、2026年3月期から2029年3月期までの4年間を「ステージⅢ」とし、以下を重点施策として定め、ありたい姿の実現に向けた総仕上げに取り組んでおります。 <重点施策> ①既存事業の収益拡大と利益率の向上 ・人財採用・育成・配置の強化徹底の継続 ・デジタルトランスフォーメーション実現に向けた取組みの加速 ②事業の拡大 ・防災周辺領域や隣接業界へのM&Aの積極的な展開 ③新規事業創出ならびにスケール化 ・未来共創プロジェクト活動等への注力「ステージⅢ」の最終年度である2029年3月期に連結売上高を170,000百万円以上、営業利益率を12%以上、ROEを10%以上とすることを目指しております。「ステージⅢ」の2年目にあたる2027年3月期におきましては、堅調な需要に対して引き続き業務効率化や価格改定に取り組みながら、「ステージⅢ」の重点施策を中心に中長期ビジョンとして策定した各種施策を推進することで、より高い付加価値を創造できる企業への変革に挑戦してまいります。 なお、2025年7月30日に公表いたしましたとおり、当社グループ内において監理技術者等の資格を不正に取得していたという事実が、弁護士で構成される外部調査委員会の調査結果により明らかとなりました。株主の皆様をはじめ、関係者の皆様には多大なるご心配とご迷惑をおかけしておりますことを心よりお詫び申し上げます。当社は、外部調査委員会からのご指摘を真摯に受け止め、同様の事態を二度と発生させないよう、代表取締役社長を本部長とする「資格不正取得再発防止対策本部」を設置するとともに、2026年3月26日には主要な再発防止策の全体像及び具体的な進捗状況について公表いたしました。今後は、社内統制の一層の強化、資格管理体制の抜本的な見直し、教育・研修の徹底等の再発防止策を計画的かつ着実に実行し、全社一丸となって一日も早い信頼回復に全力で努めてまいる所存です。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境などが改善するなか、緩やかな回復基調で推移いたしました。その一方で、米国の政策動向や国際情勢の変化による景気の下振れリスクには依然として留意が必要であり、加えて、物価上昇の継続や金融資本市場の変動の影響などを背景に、先行きの不透明な状況が続きました。当防災業界におきましても、設備投資は緩やかな増加傾向にあることから市場環境は引き続き堅調に推移いたしましたが、原材料価格・労務費などのコスト上昇や時間外労働の上限規制を踏まえた事業運営が求められる状況が続いております。このような状況のなか、当社グループは中長期ビジョンのもと積極的な営業活動に努めた結果、当連結会計年度の受注高は161,165百万円(前年同期比15.4%増)、売上高は139,657百万円(前年同期比4.5%増)となりました。売上原価率は、市場環境が堅調に推移したことに加え、原材料価格等が上昇するなか、コスト上昇の対応として進めてきた計画的な価格改定や業務効率化への取組みが奏功したことなどから、前年同期に比べ2.8ポイント改善し、62.5%となりました。売上総利益は52,318百万円(前年同期比12.6%増)となり、売上総利益率は前年同期に比べ2.8ポイント上昇し、37.5%となりました。販売費・一般管理費につきましては、「ステージⅢ」での重点施策などを推進するための費用を中心に、前年同期に比べ3,191百万円増加し、売上高に対する比率は1.3ポイント上昇の24.3%となりました。以上の結果、営業利益は18,349百万円(前年同期比17.0%増)、経常利益は19,361百万円(前年同期比19.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は13,648百万円(前年同期比23.0%増)となりました。当社グループは、2028年度のありたい姿を実現するために中長期ビジョンを策定し、2029年3月期の連結売上高を170,000百万円以上、連結営業利益率を12%以上、ROEを10%以上とすることを目指しております。これに対し、当連結会計年度におきましては、連結売上高は公表していた業績予想にはわずかに届かなかったものの過去最高となる139,657百万円となり、中長期ビジョンの目標水準に向けて着実に進捗していると考えております。また、連結営業利益率は13.1%、ROEは10.2%となり、目標水準を上回る結果となりました。引き続き、「ステージⅢ」の重点施策を中心に中長期ビジョンとして策定した各種施策を推進することで、2029年3月期の目標を安定的に達成できるよう取り組んでまいります。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。火災報知設備セグメントにつきましては、全般的に堅調な市場環境が続くなかで、工事付、商品販売ともに増収となったことから、売上高は51,017百万円(前年同期比6.3%増)となりました。また、懸念された原材料価格等のコスト上昇に対しては、計画的な価格改定や業務効率化の取組みが奏功したことから、営業利益は9,958百万円(前年同期比16.8%増)となりました。消火設備セグメントにつきましては、高層ビル等の一般物件は減収となった一方、プラント・トンネル等の特殊物件の需要が堅調で増収となったことから、売上高は46,873百万円(前年同期比3.9%増)となりました。また、比較的採算性の高い物件が多く、手持ち工事も順調に進捗したことから、営業利益は10,842百万円(前年同期比29.8%増)となりました。保守点検等セグメントにつきましては、需要が堅調に推移するなか積極的な営業活動が奏功したことで補修工事の売上は伸長し、保守点検も受注を着実に積み上げたことで増収となったことから、売上高は36,734百万円(前年同期比6.0%増)となりました。一方、前年同期と比べ採算性の低い物件がやや多く、販管費も増加したことから、営業利益は7,979百万円(前年同期比0.8%減)となりました。その他セグメントにつきましては、駐車場関連が減収となったことなどから、売上高は5,032百万円(前年同期比15.6%減)となりましたが、厳しい環境ながら原価率の改善に取り組み、営業利益は473百万円(前年同期比22.6%増)となりました。 (2) 財政状態当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べ14,933百万円増加し、181,811百万円となりました。これは、現金及び預金が7,965百万円減少したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が7,041百万円増加、投資有価証券が3,836百万円増加、のれんが3,036百万円増加、建設仮勘定が2,322百万円増加、土地が2,145百万円増加、ソフトウエアが1,632百万円増加、退職給付に係る資産が1,110百万円増加したことなどによります。負債は、前連結会計年度末と比べ5,977百万円増加し、42,824百万円となりました。これは、契約負債が1,864百万円増加、支払手形及び買掛金が1,429百万円増加、未払金が1,257百万円増加、賞与引当金が1,045百万円増加したことなどによります。純資産は、利益剰余金の増加を主因として、前連結会計年度末と比べ8,955百万円増加し、138,986百万円となりました。セグメント資産につきましては、火災報知設備は前連結会計年度末と比べ1,455百万円減少の55,504百万円、消火設備は前連結会計年度末と比べ331百万円減少の45,557百万円、保守点検等は前連結会計年度末と比べ1,497百万円増加の18,799百万円、その他は前連結会計年度末と比べ16,269百万円増加の20,609百万円となりました。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して8,047百万円の減少となり、34,589百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 法人税等の支払額6,856百万円等による流出があったものの、税金等調整前当期純利益19,608百万円、減価償却費2,445百万円、棚卸資産の減少額1,107百万円等により、営業活動全体では14,552百万円の流入(前連結会計年度は11,547百万円の流入)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出9,194百万円、固定資産の取得による支出5,231百万円等により、投資活動全体では15,866百万円の流出(前連結会計年度は7,090百万円の流出)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)配当金の支払額5,660百万円等により、財務活動全体では6,789百万円の流出(前連結会計年度は7,475百万円の流出)となりました。 資本の財源及び資金の流動性につきましては、当社グループは運転資金及び設備投資資金等の必要な資金を主に自己資金で賄っております。当社グループは、防災事業を通じて社会の安全に常に貢献し続けるためには、安定的な財務状況の維持が必要であると考えており、また、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のための成長への投資機会を迅速・確実に捉えるためにも、十分な株主資本の水準を保持することを基本としておりますが、追加の成長投資につきましては、必要に応じて借入金の活用も検討してまいります。投資につきましては、当社グループのさらなる成長のため、人的資本やM&Aなどに積極的に投資していく方針であります。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 (a)繰延税金資産の回収可能性繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び組戻・繰越期間における課税所得を見積っております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。 (b)退職給付債務の算定当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には割引率等の様々な計算基礎があります。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。退職給付債務の算定において、主要な仮定の変化が当連結会計年度末の退職給付債務に与える感応度は以下のとおりであります。マイナス(△)は退職給付債務の減少を、プラスは退職給付債務の増加を表しております。感応度分析は主たる計上会社である当社の退職給付引当金について、分析の対象となる数理計算上の仮定以外のすべての数理計算上の仮定が一定であることを前提としております。当連結会計年度末(2026年3月31日) 数理計算上の仮定の変化退職給付債務に与える影響(百万円)割引率0.5%の上昇△7170.5%の低下758 なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(退職給付関係)(9)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。 (c)減損会計における将来キャッシュ・フロー減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提になった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況等を考慮し見積っております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において将来の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。 (d)工事損失引当金受注時における戦略的低採算案件や工事契約における未引渡工事のうち損失の発生する可能性が高く、工事損失額を期末において合理的に見積ることの出来る工事については、当該損失見込額を工事損失引当金として計上しています。工事の進行に伴い見積りを超えた原価が発生する場合は当社グループの業績を悪化させる可能性があります。 (e)工事履行保証損失引当金見積りや前提条件については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4会計方針に関する事項 (3)重要な引当金の計上基準 ⑦工事履行保証損失引当金 及び(連結貸借対照表関係)※3偶発債務 (2)その他」 に記載のとおりであります。 (f)完成工事高及び完成工事原価の計上一定の期間にわたり充足される履行義務については、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき収益を一定の期間にわたり認識する方法を適用しております。履行義務の充足に係る進捗度の測定は、各報告期間の期末日までに発生した工事原価が、予想される工事原価の合計に占める割合に基づいて行っております。また、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積もることができないが、発生する費用を回収することが見込まれる場合は、原価回収基準にて収益を認識しております。契約内容・工程・期間について重要な変更が生じ、工事進捗度を見積る基礎となる施工実行予算の見直しを行うことで、工事原価総額及び工事進捗度に影響がある場合は、完成工事高及び完成工事原価が影響を受け、当社グループの業績を変動させる可能性があります。 (5) 生産、受注及び販売の実績① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)火災報知設備27,867△0.7消火設備32,8080.9保守点検等21,8487.2その他5,47612.0合計88,0012.5 (注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。 2 金額はすべて製造原価及び実際発生原価によっております。 ② 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)火災報知設備52,9604.719,57111.0消火設備56,26418.853,02221.5保守点検等37,6785.58,28212.9その他14,261137.410,597674.5合計161,16515.491,47430.7 (注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。 2 金額はすべて販売価格(取付工事代を含む)に換算しております。 3 当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。これは、その他事業において、 当連結会計年度に明星電気株式会社を連結の範囲に含めたことによります。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)火災報知設備51,0176.3消火設備46,8733.9保守点検等36,7346.0その他5,032△15.6合計139,6574.5 (注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。 2 金額はすべて販売価格(取付工事代を含む)に換算しております。
事業リスク
- 建設業界・公共事業の動向能美防災の事業は、建設業界や公共事業の景気動向に大きく左右されます。景気後退により民間設備投資や公共投資が減少すると、受注環境が悪化し、同社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 法的規制の変化同社の売上の大部分は消防法に関連しているため、この法的規制が急激に変化した場合、競争環境が変わり、財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。規制緩和や新たな義務化などが事業に直接的な影響を及ぼします。
- 製品・サービスの不具合社会の安全に貢献する製品・サービスを提供しているため、万が一、製品やサービスに重大な不具合が発生した場合、企業の社会的信用が著しく低下し、業績に深刻な影響を及ぼす可能性があります。品質管理には万全を期していますが、予期せぬ事態はリスクとなります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 事業環境について当社グループの事業は、建設業界や公共事業の動向の影響を受けております。当社グループは、積極的な提案営業活動や原価低減等に取り組んでおりますが、景気の後退により民間設備投資及び公共投資が減少した場合には、受注環境が悪化し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 法的規制等について当社グループの売上の主要な部分は消防法による規制に関連して生じております。この規制が急激に変化した場合には、競争環境に変化が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 製品・サービスの不具合等について当社グループは、自動火災報知設備や消火設備など社会の安全に貢献するための製品・サービスを提供しております。品質管理には万全を期しておりますが、予期せぬ事情により製品・サービスにおいて社会の安全を損なうような不具合等が発生した場合には、当社グループの社会的信用が低下するなどし、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 原材料等の調達について当社グループは、製品の提供にあたり安定的に原材料等を確保できるよう努めておりますが、原材料等の価格が大幅に上昇した場合や一部の原材料等が供給不足に陥った場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 自然災害について当社グループは、事業継続に支障をきたす事態を想定して事業継続計画(BCP)を策定しておりますが、地震等の大規模な自然災害により生産及び販売拠点が被害を受けた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (6) コンプライアンスについて当社グループは、継続したコンプライアンス教育を行うなど役員及び従業員のコンプライアンス意識の向上に努めておりますが、重大なコンプライアンス上の問題が発生した場合には、当社グループの社会的信用が低下するなどし、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 業績の季節変動について当社グループの業績は、建設業界の影響を受ける部分が多いため季節変動があり、売上が第4四半期に集中する傾向があります。 (8) 感染症の影響について感染症の拡大(パンデミック)が発生した場合には、工事の進捗遅延や民間設備投資が抑制されることによる受注環境の悪化が生じるなどし、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。