事業の概要
- 電子部品の製造販売帝国通信工業グループは、抵抗器、前面操作ブロック(ICB)、スイッチ、センサーといった多岐にわたる電子部品を製造・販売しています。これらはデジタル家電や自動車市場など、幅広い分野で利用されており、グループの主要な収益源となっています。
- グローバルな生産・販売体制国内では当社と国内子会社が生産を担い、海外ではタイ、中国、ベトナムの子会社が生産拠点となっています。販売も国内は当社が中心ですが、海外では東南アジア、北米、中国の販売子会社が担当し、世界中に製品を供給する体制を構築しています。
- その他事業電子部品事業の他に、機械設備等の販売を行う子会社や、環境対応素材の製造販売を行う子会社、さらにはビル・家屋の清掃を行う子会社も有しています。これらはグループ全体の事業の多角化に貢献しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 電子部品事業帝国通信工業グループの主力事業であり、抵抗器、前面操作ブロック、スイッチ、センサーなどの電子部品の製造販売を行っています。デジタル家電や自動車市場向けに幅広く提供されており、グループ全体の売上の大部分を占める稼ぎ頭です。
- 電子部品事業の規模感最新年度の売上高は161.89億円、営業利益は15.43億円を計上しており、グループの収益を牽引しています。国内外に生産・販売拠点を持ち、グローバルに事業を展開することで、安定的な収益基盤を築いています。
- その他事業機械設備等の販売や環境対応素材の製造販売、ビル・家屋の清掃など、電子部品以外の事業も展開しています。これらはグループ全体の事業ポートフォリオを多様化し、特定の事業への依存度を低減させる役割を担っています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ElectricParts | 事業 | 162 | 15 | 9.5% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(帝国通信工業株式会社)及び子会社16社により構成されており、抵抗器、前面操作ブロック(ICB)、スイッチ、センサ等の電子部品の製造販売を主要事業とし、その他機械設備等の販売等を行っております。当社及び関係会社の当該事業に係る位置付けとセグメントとの関連は、下記のとおりであります。なお、次の部門は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 〈電子部品〉〔生産体制〕国内生産は、当社及び当社の生産体制と一体となっている国内子会社が行っております。海外生産は、タイ、中国、ベトナムで海外子会社が行っております。〔販売体制〕国内販売は、概ね当社が行っております。海外販売は東南アジア、北米、中国において各々の海外販売子会社が担当し、その他地域は概ね当社が行っております。 以上述べた電子部品の概要は次のとおりであります。 〈その他〉機械設備等の販売会社及び環境対応素材の製造販売会社の国内連結子会社2社、ビル及び家屋の清掃会社の非連結子会社1社があります。 連結子会社のセグメントとの関連は次のとおりであります。 〈電子部品〉会社総数 以下の子会社及び当社を含め 14社飯田帝通株式会社 固定抵抗器及び前面操作ブロックの製造須坂帝通株式会社 可変抵抗器、同部品及びセンサ部品の製造福井帝通株式会社 可変抵抗器、同部品及び前面操作ブロック等部品の製造木曽精機株式会社 機構部品及び可変抵抗器等部品の製造及び販売台湾富貴電子工業株式会社 可変抵抗器の製造及び販売シンガポールノーブルエレクトロニクス株式会社 可変抵抗器及び前面操作ブロック等の販売ノーブルU.S.A.株式会社 可変抵抗器等の販売香港ノーブルエレクトロニクス株式会社 センサ及び可変抵抗器等の販売ノーブルエレクトロニクス(タイランド)株式会社 可変抵抗器、前面操作ブロック及びプラスチック成型品等の製造ノーブルエレクトロニクスベトナム株式会社 可変抵抗器及び前面操作ブロック、センサ等の製造ノーブル貿易(上海)有限公司 固定抵抗器及び前面操作ブロック、センサ等の販売ノーブルトレーディング(バンコク)株式会社 可変抵抗器及び前面操作ブロック等の販売富貴電子(淮安)有限公司 固定抵抗器の製造 〈その他〉会社総数 2社帝通エンヂニヤリング株式会社 機械設備等の販売株式会社エコロパック 環境対応素材の製造及び販売
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 常に国内外の同業他社と競合しており、他社に先行され優位に立たれた場合、業績に影響を与える。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 当社独自のエレメント技術・成型加飾技術・プレス技術等を駆使した一体化製品の設計が可能。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:市場動向に関するリスク / 製品の欠陥等に関するリスク / 人材確保と育成に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
帝国通信工業は、特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPに依存する事業モデルではない。汎用的な電子部品や機器を製造しており、無形資産による競争優位性は限定的と判断される。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
一部の産業機器向けカスタム製品においては、顧客との仕様確定や量産体制構築に時間を要するため、短期間での他社への乗り換えは困難な場合がある。しかし、汎用品が多く、スイッチング・コストは全体として低い。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社の事業は、製品の利用者が増えることで価値が増すようなネットワーク効果を生むビジネスモデルではない。個々の製品の性能や品質が競争力の源泉であり、ネットワーク効果は期待できない。
コスト優位★★☆☆☆
長年の製造ノウハウやサプライヤーとの関係性により、一定のコスト競争力は有していると考えられる。しかし、グローバルな価格競争に晒されており、構造的なコスト優位性は限定的である。
規模の経済★★★☆☆
電気機器、特に通信関連機器や産業機器分野において、一定の生産規模と販売網を有している。業界内での地位は確立されており、規模の経済による効率性は一定程度期待できる。
- 一貫生産体制と高付加価値化素材・加工・組み立てまでを一貫して行える独自の生産体制が強みです。これにより、モジュール化やユニット化による高付加価値製品の提供や、単価向上を実現し、競争優位性を確立しています。特に車載向けポジションセンサーのバリエーション拡大に注力しています。
- 顧客共創型の開発力顧客の個別要求に応じたカスタム製品の開発に強みを持っています。顧客と上流工程から仕様を共に作り上げる共創型の開発力と、量産まで見据えた技術提案力により、多様なニーズに対応し、他社との差別化を図っています。
- 印刷・エレメント技術を基盤とした新領域開拓長年培ってきた印刷技術やエレメント技術を基盤に、IoTや電気化学センサーといった新分野への応用展開を進めています。高血圧予防のナトカリセンサーや漏水センサーの開発、RFIDの社会実装など、社会課題解決に貢献する新たな収益源の確立を目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 「新生NOBLE」への深化と進化長期ビジョンとして「抵抗器のNOBLEから新生NOBLEへの深化と進化」を掲げ、従来の抵抗器事業に加え、人と機器をつなぐ架け橋となるカスタム製品や新技術・サービスを提供することで、豊かな社会の実現に貢献することを目指しています。
- 既存領域の拡大と新製品展開独自の生産体制を活かした高付加価値化や、車載向けセンサーのバリエーション拡大、社会課題解決領域への拡販により既存事業を強化します。また、顧客ニーズを捉えた共創型開発により、モビリティ、家電機器、アミューズメント・ホビー機器向けの新製品開発を進め、収益成長を目指します。
- 新領域の確立と組織力強化印刷・エレメント技術を基盤にIoT・電気化学センサーなどのチャレンジ分野へ参入し、新たな収益源を確立します。同時に、人材育成、DX推進、財務基盤の強化、戦略法務への転換を通じて組織力を高め、持続的な成長を支える強靭な経営基盤を構築します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは「電子部品の製造とサービスを通じて世界のお客様に満足して頂ける仕事をいつも提供し続けることにより、豊かな社会の実現に貢献すること」を企業理念としております。この理念のもと、可変抵抗器、固定抵抗器、センサ等の電子部品と、顧客のニーズに応えたカスタムユニットである前面操作ブロック[ICB]製品を開発、製造、販売してまいりました。また、「さぁ、NOBLEと実現しよう Together, we make good sense.」をスローガンとし、培った経験と蓄積された技術をベースに、「抵抗器のNOBLEから新生NOBLEへの深化と進化」を長期ビジョンに加え、行動指針を、Change(チェンジ:革新)、Challenge(チャレンジ:挑戦)、Communicate(コミュニケート:連携)として、可変抵抗器や固定抵抗器などのディスクリート製品と、設計開発から生産まで一貫で行える強みを最大限に活かして、お客様のニーズに合わせてカスタマイズするカスタム製品の2つの方向から人と機器をつなぐ架け橋を担うことをNOBLEの価値創造の源泉とし、これからの社会が求める新たな製品や技術に貢献できる部品やサービスを提供していく所存であります。 (2) 中長期的な経営戦略等当社グループの置かれている市場環境は、顧客ニーズの高度化・多様化に加え、生成AIの急速な普及により、今までにない市場ニーズや変化への対応が求められており、AI関連市場向けや環境対応関連、Beyond 5Gなどによる電子部品の需要にも変化が見込まれ、「創造力」と「挑戦する精神」を礎にしてさらなる成長を目指し未来のNOBLEを見据えて、「抵抗器のNOBLEから新生NOBLEへの深化と進化」を長期ビジョンとして、2026年5月に第2期「中期経営計画2030」を策定し、以下の項目を中長期的な基本戦略として取り組んでおります。 ① 既存領域の拡大当社の競争優位性である素材・加工・組み立てを一貫で可能な独自の生産体制を生かし、モジュール、ユニット化による高付加価値化と単価向上、車載HVAC向けポジションセンサのバリエーションの拡大や社会課題を解決する領域への拡販を進め、確実な「成長領域」での深堀り、海外市場への展開、既存領域における一貫生産×自動化×標準化による利益率強化既存業界への製品の横展開を目指し、顧客ニーズを捉えた抵抗式センサの開発・量産技術による利益成長の実現を目指します。 ② 顧客ニーズを捉えた新製品展開当社の競争優位性である顧客と上流から仕様を作り込める共創型の開発力と量産まで見据えた技術提案を実現することで、車載ドアミラーポジションセンサのバリエーションの拡大やxEV関連への固定抵抗器参入強化等のモビリティ領域、生活家電向けヒーター抵抗器の熱効率改善品の展開などの家電機器領域、電子楽器市場への操作ユニットの提案(カーボン抵抗体方式タッチセンサ)等のアミューズメント・ホビー機器領域など、多様化する顧客ニーズを捉えた新製品開発を行います。 ③ 新領域の確立(チャレンジ分野)当社の競争優位性である印刷技術・エレメント技術を基盤にIoT・電気化学センサへ応用展開できる技術拡張力を生かし、高血圧を未然に防止するナトカリセンサ(電気化学センサ)の開発および企業向け販売の強化といった社会課題解決への貢献、漏水センサの技術確立およびテスト販売(サブスクモデルへの挑戦)、時刻同期(屋内UWB)への取組み、印刷技術を生かしたRFIDの技術確立・社会実装等トレンド分野への展開(IoTセンサ領域)など、社会・生活課題起点の新市場を見据えた研究開発による新たな収益の獲得を目指します。 ④ 組織力の強化社員のウェルビーイングと人材育成を両輪とした人材戦略の推進、DXの推進・セキュリティの強化による業務基盤の高度化、資本効率・収益性を意識した財務基盤の構築や事業成長を支える戦略法務への転換を図り、人・知・財のシナジーで、未来を駆動する強靭な経営基盤の実現を目指します。 (3) 目標とする経営指標当社グループは、すべてのステークホルダーの視点に立った経営を進め、2026年5月に公表した第2期「中期経営計画2030」期間において、資本財務戦略としてBSマネジメントを意識し、より積極的な投資と、株主還元を両立し、現預金水準は月商3.5~4.5ヶ月程度に抑え、増やさない方針のもと、将来の成長に必要な投資を優先的に実施することで、利益の増大や安定的かつ継続的な株主還元の実施による、中長期的な株価上昇を目指してまいります。「中期経営計画2030」の最終年度である2030年度の数値目標につきましては、業績面では売上高220億円、営業利益22億円、営業利益率10%を目指しており、資本収益性・資本構成は、ROE6%以上、自己資本比率70%前後を目安とし、株主還元はDOE5%(*支払配当金÷株主資本(純資産-その他の包括利益累計額-新株予約権-非支配株主持分))および「中期経営計画2030」当初3ヵ年で自己株式取得総額15億円の実施を目指してまいります。さらに、当社グループは、温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1およびScope2)および再生可能エネルギー電力導入比率を管理指標として設定し、脱炭素社会の実現に向け、SBT取得申請を視野に、改めて2030年度までにScope1およびScope2の排出量を2024年度比で55%以上削減、Scope3を2024年度比で25%削減、2050年度までにカーボンニュートラルを達成することを目標設定としています。加えて、再生可能エネルギー電力の導入を推進し、2030年度までにその比率を100%とすることを目指して取り組んでおります。 (4) 経営環境と対処すべき課題当社グループは「創造力」と「挑戦する精神」を礎にしてさらなる成長を目指し、未来のNOBLEを見据えて「抵抗器のNOBLEから新生NOBLEへの深化と進化」を長期ビジョンとした第2期となる「中期経営計画2030」を新たに策定し2026年5月に公表いたしました。「中期経営計画2030」の初年度にあたる2026年度は、第1期中期経営計画において新領域として拡販を進めた医療・ヘルスケア市場向けの拡大が見込まれ、さらにAI関連市場向け・インフラ市場向けの製品などの展開が見込まれております。加えて自動車電装向けは、接触センサを含めた各種センサ類の開発等により、新たな製品の展開が進んでおります。医療・ヘルスケア市場向けに開発をしている製品の他市場への展開も図っており、新領域の確立の取組が進んでおります。今後の医療・ヘルスケア市場向けにおいては、すでに量産化されている筋電・心電や脳波測定に用いる電極の更なる革新が必須であり、今後市場の拡大が見込まれるPOCT(Point of Care Testing)用バイオセンサについては、近々量産化を計画しているナトリウムカリウム測定に加え、アグリビジネス、インフラビジネスなど、将来的に様々な物質の測定に使用が見込まれる電気化学センサの技術を確立することを今後の柱の1つとしていきたいと考え、大学などとの共同研究を積極的に行っております。加えて、静電容量方式のセンサ等の自動車向け製品の開発を加速しており各種センサの拡販を進めております。また、環境に配慮した素材の選定や、開発技術力向上ならびに製造設備の省人化・無人化などによる生産性向上と原価低減を継続的に行うことで競争力強化を図るとともに、DX化(IoT)を組み込んだ生産ラインの導入も進めており、またBCPを念頭に生産の最適化についても進めております。インフラ投資に関しましては、様々な新市場開拓及び新製品開発にインクや印刷工法の研究が求められており当社の要素技術の要であるエレメント技術の向上が必須であります。その実現に向けて研究開発機能と本社機能を複合したサステナビリティを体現する本社ビルへの建替えを2027年度の完成を目標にすすめております。新たな研究開発棟により開発された製品の量産については、BCPや既存領域製品の増産対応も念頭にして、既存の生産拠点に高度な精度・性能が求められる製品製造が可能な新工場建設も検討してまいります。今後の経済見通しにつきましては、米国経済の底堅さが維持される一方で、中東情勢の緊迫化に伴うホルムズ海峡の封鎖リスクが原油およびナフサ価格の急騰を招き、世界的なインフレ再燃の懸念材料となるなどの地政学リスクの再燃により、先行きは極めて不透明な状況が続いております。米国経済は、底堅い雇用と消費が続きつつも、中東情勢の緊迫化を受けたエネルギー価格の高騰がインフレ鎮静化の足かせとなり、トランプ政権による外交政策の進展が注視されております。中国経済は、長引く不動産不況による内需停滞に加え、エネルギー価格の高騰が製造業の利益率を悪化させ、景気回復の足取りは重いものとなりました。我が国の経済は、堅調な企業収益と賃上げの進展が見られる一方で、食料品などの消費財の価格上昇、エネルギー価格の高騰およびナフサ由来の基礎化学品が調達難になるなど製造業をはじめ幅広い産業において甚大な影響を及ぼしており、先行きの見通しが困難な状況にあります。当社グループの属するエレクトロニクス業界は、自動車市場において、電気自動車の販売に鈍化が見られる一方で、ハイブリッド車向けの需要増加や車載電子化の進展により、全体としては底堅く推移いたしました。生活家電市場において、在庫調整の一巡を経て好調に推移した一方で、エネルギー価格高騰に伴う消費マインドの減退が一部で見られました。産業機器市場において、生成AIに関連する半導体需要が大幅に伸長した一方で、FA機器関連や設備投資関連は、金利の高止まりや景気の先行き不透明感から在庫調整が継続しており需要回復の足取りは依然として重い状況にあります。加えて、中東情勢の緊迫化に伴うホルムズ海峡の封鎖リスクが原油およびナフサ由来のプラスチック、合成ゴム、溶剤および半導体封止材などの原材料に深刻な調達難と価格高騰を及ぼし、海上物流の混乱による物流費の高騰や配送リードタイムの長期化するなどの影響を受けております。その結果、2026年度の連結業績予想につきましては、売上高180億円、営業利益15億円を目指します。前提となる為替レートはUS$1=¥150を想定しております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは「電子部品の製造とサービスを通じて世界のお客様に満足して頂ける仕事をいつも提供し続けることにより、豊かな社会の実現に貢献すること」を企業理念としております。この理念のもと、可変抵抗器、固定抵抗器、センサ等の電子部品と、顧客のニーズに応えたカスタムユニットである前面操作ブロック[ICB]製品を開発、製造、販売してまいりました。また、「さぁ、NOBLEと実現しよう Together, we make good sense.」をスローガンとし、培った経験と蓄積された技術をベースに、「抵抗器のNOBLEから新生NOBLEへの深化と進化」を長期ビジョンに加え、行動指針を、Change(チェンジ:革新)、Challenge(チャレンジ:挑戦)、Communicate(コミュニケート:連携)として、可変抵抗器や固定抵抗器などのディスクリート製品と、設計開発から生産まで一貫で行える強みを最大限に活かして、お客様のニーズに合わせてカスタマイズするカスタム製品の2つの方向から人と機器をつなぐ架け橋を担うことをNOBLEの価値創造の源泉とし、これからの社会が求める新たな製品や技術に貢献できる部品やサービスを提供していく所存であります。 (2) 中長期的な経営戦略等当社グループの置かれている市場環境は、顧客ニーズの高度化・多様化に加え、生成AIの急速な普及により、今までにない市場ニーズや変化への対応が求められており、AI関連市場向けや環境対応関連、Beyond 5Gなどによる電子部品の需要にも変化が見込まれ、「創造力」と「挑戦する精神」を礎にしてさらなる成長を目指し未来のNOBLEを見据えて、「抵抗器のNOBLEから新生NOBLEへの深化と進化」を長期ビジョンとして、2026年5月に第2期「中期経営計画2030」を策定し、以下の項目を中長期的な基本戦略として取り組んでおります。 ① 既存領域の拡大当社の競争優位性である素材・加工・組み立てを一貫で可能な独自の生産体制を生かし、モジュール、ユニット化による高付加価値化と単価向上、車載HVAC向けポジションセンサのバリエーションの拡大や社会課題を解決する領域への拡販を進め、確実な「成長領域」での深堀り、海外市場への展開、既存領域における一貫生産×自動化×標準化による利益率強化既存業界への製品の横展開を目指し、顧客ニーズを捉えた抵抗式センサの開発・量産技術による利益成長の実現を目指します。 ② 顧客ニーズを捉えた新製品展開当社の競争優位性である顧客と上流から仕様を作り込める共創型の開発力と量産まで見据えた技術提案を実現することで、車載ドアミラーポジションセンサのバリエーションの拡大やxEV関連への固定抵抗器参入強化等のモビリティ領域、生活家電向けヒーター抵抗器の熱効率改善品の展開などの家電機器領域、電子楽器市場への操作ユニットの提案(カーボン抵抗体方式タッチセンサ)等のアミューズメント・ホビー機器領域など、多様化する顧客ニーズを捉えた新製品開発を行います。 ③ 新領域の確立(チャレンジ分野)当社の競争優位性である印刷技術・エレメント技術を基盤にIoT・電気化学センサへ応用展開できる技術拡張力を生かし、高血圧を未然に防止するナトカリセンサ(電気化学センサ)の開発および企業向け販売の強化といった社会課題解決への貢献、漏水センサの技術確立およびテスト販売(サブスクモデルへの挑戦)、時刻同期(屋内UWB)への取組み、印刷技術を生かしたRFIDの技術確立・社会実装等トレンド分野への展開(IoTセンサ領域)など、社会・生活課題起点の新市場を見据えた研究開発による新たな収益の獲得を目指します。 ④ 組織力の強化社員のウェルビーイングと人材育成を両輪とした人材戦略の推進、DXの推進・セキュリティの強化による業務基盤の高度化、資本効率・収益性を意識した財務基盤の構築や事業成長を支える戦略法務への転換を図り、人・知・財のシナジーで、未来を駆動する強靭な経営基盤の実現を目指します。 (3) 目標とする経営指標当社グループは、すべてのステークホルダーの視点に立った経営を進め、2026年5月に公表した第2期「中期経営計画2030」期間において、資本財務戦略としてBSマネジメントを意識し、より積極的な投資と、株主還元を両立し、現預金水準は月商3.5~4.5ヶ月程度に抑え、増やさない方針のもと、将来の成長に必要な投資を優先的に実施することで、利益の増大や安定的かつ継続的な株主還元の実施による、中長期的な株価上昇を目指してまいります。「中期経営計画2030」の最終年度である2030年度の数値目標につきましては、業績面では売上高220億円、営業利益22億円、営業利益率10%を目指しており、資本収益性・資本構成は、ROE6%以上、自己資本比率70%前後を目安とし、株主還元はDOE5%(*支払配当金÷株主資本(純資産-その他の包括利益累計額-新株予約権-非支配株主持分))および「中期経営計画2030」当初3ヵ年で自己株式取得総額15億円の実施を目指してまいります。さらに、当社グループは、温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1およびScope2)および再生可能エネルギー電力導入比率を管理指標として設定し、脱炭素社会の実現に向け、SBT取得申請を視野に、改めて2030年度までにScope1およびScope2の排出量を2024年度比で55%以上削減、Scope3を2024年度比で25%削減、2050年度までにカーボンニュートラルを達成することを目標設定としています。加えて、再生可能エネルギー電力の導入を推進し、2030年度までにその比率を100%とすることを目指して取り組んでおります。 (4) 経営環境と対処すべき課題当社グループは「創造力」と「挑戦する精神」を礎にしてさらなる成長を目指し、未来のNOBLEを見据えて「抵抗器のNOBLEから新生NOBLEへの深化と進化」を長期ビジョンとした第2期となる「中期経営計画2030」を新たに策定し2026年5月に公表いたしました。「中期経営計画2030」の初年度にあたる2026年度は、第1期中期経営計画において新領域として拡販を進めた医療・ヘルスケア市場向けの拡大が見込まれ、さらにAI関連市場向け・インフラ市場向けの製品などの展開が見込まれております。加えて自動車電装向けは、接触センサを含めた各種センサ類の開発等により、新たな製品の展開が進んでおります。医療・ヘルスケア市場向けに開発をしている製品の他市場への展開も図っており、新領域の確立の取組が進んでおります。今後の医療・ヘルスケア市場向けにおいては、すでに量産化されている筋電・心電や脳波測定に用いる電極の更なる革新が必須であり、今後市場の拡大が見込まれるPOCT(Point of Care Testing)用バイオセンサについては、近々量産化を計画しているナトリウムカリウム測定に加え、アグリビジネス、インフラビジネスなど、将来的に様々な物質の測定に使用が見込まれる電気化学センサの技術を確立することを今後の柱の1つとしていきたいと考え、大学などとの共同研究を積極的に行っております。加えて、静電容量方式のセンサ等の自動車向け製品の開発を加速しており各種センサの拡販を進めております。また、環境に配慮した素材の選定や、開発技術力向上ならびに製造設備の省人化・無人化などによる生産性向上と原価低減を継続的に行うことで競争力強化を図るとともに、DX化(IoT)を組み込んだ生産ラインの導入も進めており、またBCPを念頭に生産の最適化についても進めております。インフラ投資に関しましては、様々な新市場開拓及び新製品開発にインクや印刷工法の研究が求められており当社の要素技術の要であるエレメント技術の向上が必須であります。その実現に向けて研究開発機能と本社機能を複合したサステナビリティを体現する本社ビルへの建替えを2027年度の完成を目標にすすめております。新たな研究開発棟により開発された製品の量産については、BCPや既存領域製品の増産対応も念頭にして、既存の生産拠点に高度な精度・性能が求められる製品製造が可能な新工場建設も検討してまいります。今後の経済見通しにつきましては、米国経済の底堅さが維持される一方で、中東情勢の緊迫化に伴うホルムズ海峡の封鎖リスクが原油およびナフサ価格の急騰を招き、世界的なインフレ再燃の懸念材料となるなどの地政学リスクの再燃により、先行きは極めて不透明な状況が続いております。米国経済は、底堅い雇用と消費が続きつつも、中東情勢の緊迫化を受けたエネルギー価格の高騰がインフレ鎮静化の足かせとなり、トランプ政権による外交政策の進展が注視されております。中国経済は、長引く不動産不況による内需停滞に加え、エネルギー価格の高騰が製造業の利益率を悪化させ、景気回復の足取りは重いものとなりました。我が国の経済は、堅調な企業収益と賃上げの進展が見られる一方で、食料品などの消費財の価格上昇、エネルギー価格の高騰およびナフサ由来の基礎化学品が調達難になるなど製造業をはじめ幅広い産業において甚大な影響を及ぼしており、先行きの見通しが困難な状況にあります。当社グループの属するエレクトロニクス業界は、自動車市場において、電気自動車の販売に鈍化が見られる一方で、ハイブリッド車向けの需要増加や車載電子化の進展により、全体としては底堅く推移いたしました。生活家電市場において、在庫調整の一巡を経て好調に推移した一方で、エネルギー価格高騰に伴う消費マインドの減退が一部で見られました。産業機器市場において、生成AIに関連する半導体需要が大幅に伸長した一方で、FA機器関連や設備投資関連は、金利の高止まりや景気の先行き不透明感から在庫調整が継続しており需要回復の足取りは依然として重い状況にあります。加えて、中東情勢の緊迫化に伴うホルムズ海峡の封鎖リスクが原油およびナフサ由来のプラスチック、合成ゴム、溶剤および半導体封止材などの原材料に深刻な調達難と価格高騰を及ぼし、海上物流の混乱による物流費の高騰や配送リードタイムの長期化するなどの影響を受けております。その結果、2026年度の連結業績予想につきましては、売上高180億円、営業利益15億円を目指します。前提となる為替レートはUS$1=¥150を想定しております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(経営成績等の状況の概要)当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。(1) 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度の世界経済は、米国経済の底堅さが維持される一方で、中東情勢の緊迫化に伴うホルムズ海峡の封鎖リスクが原油およびナフサ価格の急騰を招き、世界的なインフレ再燃の懸念材料となるなどの地政学リスクの再燃により、先行きは極めて不透明な状況が続いております。米国経済は、底堅い雇用と消費が続きつつも、中東情勢の緊迫化を受けたエネルギー価格の高騰がインフレ鎮静化の足かせとなり、トランプ政権による外交政策の進展が注視されております。中国経済は、長引く不動産不況による内需停滞に加え、エネルギー価格の高騰が製造業の利益率を悪化させ、景気回復の足取りは重いものとなりました。我が国の経済は、堅調な企業収益と賃上げの進展が見られる一方で、食料品などの消費財の価格上昇、エネルギー価格の高騰およびナフサ由来の基礎化学品が調達難になるなど製造業をはじめ幅広い産業において甚大な影響を及ぼしており、先行きの見通しが困難な状況にあります。当社グループの属するエレクトロニクス業界は、自動車市場において、電気自動車の販売に鈍化が見られる一方で、ハイブリッド車向けの需要増加や車載電子化の進展により、全体としては底堅く推移いたしました。生活家電市場において、在庫調整の一巡を経て好調に推移した一方で、エネルギー価格高騰に伴う消費マインドの減退が一部で見られました。産業機器市場において、生成AIに関連する半導体需要が大幅に伸長した一方で、FA機器関連や設備投資関連は、金利の高止まりや景気の先行き不透明感から在庫調整が継続しており需要回復の足取りは依然として重い状況にあります。加えて、中東情勢の緊迫化に伴うホルムズ海峡の封鎖リスクが原油およびナフサ由来のプラスチック、合成ゴム、溶剤および半導体封止材などの原材料に深刻な調達難と価格高騰を及ぼし、海上物流の混乱による物流費の高騰や配送リードタイムの長期化するなどの影響を受けております。このような状況の中で当社グループは、2021年5月に策定した第1期中期経営計画の最終年度にあたる2025年度は、その目標達成に向けて、センサ・医療・非接触を合言葉に、第2期「中期経営計画2030」の柱と考えている医療・ヘルスケア分野への生体電極・電気化学センサ、及び自動車電装分野へのセンサ開発を進めており、顧客ニーズを捉えた新製品の展開を行った結果、2021年5月に策定した第1期中期経営計画期間の連結売上高及び営業利益の累計額では目標を達成することとなりました。販売面においては、電子部品セグメントは全体的に好調に推移し、その他のセグメントにおいては、機械設備等の販売は堅調でしたが、環境対応緩衝材は、前期大口の販売があったことから、当期は下振れとなりました。業績面においては、円安の影響や原価低減を進めた結果、当連結会計年度の売上高は172億56百万円(前年同期比2.8%増)となりました。営業利益は11億58百万円(前年同期比30.4%減)、経常利益は16億84百万円(前年同期比20.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億73百万円(前年同期比36.6%減)となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。電子部品事業においては、多くの市場向けで好調に推移し、特にミラーレス一眼カメラ向けを中心に好調に推移したAV市場向けや、自動車電装市場向けに加え、医療・ヘルスケア向けが好調でしたが、アミューズメント市場向けや、産業機器市場向けが低調でした。この結果、電子部品の売上高は167億9百万円(前年同期比3.2%増)となり、営業利益は10億52百万円(前年同期比31.8%減)となりました。その他の事業においては、環境対応緩衝材は、前期、大口の販売があったことから、当期は下振れしましたが、機械設備等の販売は堅調でした。この結果、その他事業の売上高は5億47百万円(前年同期比9.0%減)、営業利益は1億16百万円(前年同期比2.7%増)となりました。 財政状態の状況は次のとおりであります。当連結会計年度末における財政状態は、総資産が前連結会計年度末に比べ12億78百万円増加し、347億38百万円となりました。その内訳は、流動資産が24億2百万円減少し188億46百万円、固定資産が36億81百万円増加し158億92百万円となっております。負債は前連結会計年度末に比べ3億84百万円増加し、54億35百万円となりました。その内訳は、流動負債が2億53百万円減少し25億49百万円、固定負債は6億37百万円増加し28億85百万円となっております。これらの結果、純資産は前連結会計年度末に比べ8億93百万円増加し293億3百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末の83.0%から82.5%となりました。 (2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、次のとおりとなりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計期間における営業活動の結果獲得した資金は、19億34百万円(前年同期は18億14百万円)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益21億38百万円(前年同期は23億92百万円)、減価償却費7億91百万円(前年同期は7億96百万円)、売上債権の減少額7億86百万円(前年同期は3億18百万円の増加)であり、支出の主な内訳は、棚卸資産の増加額1億97百万円(前年同期は1億80百万円の増加)であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計期間における投資活動の結果使用した資金は、23億66百万円(前年同期は2億28百万円の獲得)となりました。収入の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入7億30百万円(前年同期は5億82百万円)であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出32億36百万円(前年同期は8億66百万円)であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計期間における財務活動の結果使用した資金は、16億25百万円(前年同期は12億80百万円の使用)となりました。支出の主な内訳は、配当金の支払額9億49百万円(前年同期は8億17百万円)、自己株式の取得による支出5億2百万円(前年同期は5億48百万円)であります。この結果、当連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ19億6百万円減少(前年同期は11億21百万円の増加)し、91億58百万円(前年同期は110億64百万円)となりました。 (3) 生産、受注及び販売の状況 ①生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)電子部品16,672,692100.6その他547,35691.1合計17,220,049100.3 (注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。2 金額は販売価格によっております。 ②受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)電子部品16,682,091102.62,510,42798.9その他551,64092.865,282107.3合計17,233,732102.32,575,71099.1 (注) セグメント間の取引については相殺消去しております。 ③販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)電子部品16,709,598103.2その他547,21791.0合計17,256,815102.8 (注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。(1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容連結売上高は前連結会計年度と比べ2.8%増加し172億56百万円となり、営業利益は前連結会計年度と比べ30.4%減少し11億58百万円となりました。当社グループの主要セグメントである電子部品事業を地域別に分析いたしますと、日本では、生活家電市場の給湯器向け、自動車電装市場向け、医療・ヘルスケア市場向けについては好調に推移した一方、アミューズメント市場向けは顧客の需要減などにより低調でした。この結果、売上高は76億65百万円(前年同期比9.5%増)、営業損失は58百万円(前年同期は3億68百万円の営業利益)となりました。アジアでは、中国市場は、依然として景気の減速傾向が続いており低調でしたが、他のアジア地域において、AV機器市場向けのミラーレス一眼カメラが好調に推移しました。この結果、売上高は87億80百万円(前年同期比1.9%減)、営業利益は10億43百万円(前年同期比12.2%減)となりました。北米では、景気動向としては、不透明な状況ではありましたが個人消費が底堅く推移したことで、産業機器市場向けが好調でした。この結果、売上高は2億64百万円(前年同期比8.4%増)、営業利益は6百万円(前年同期比16.3%減)となりました。経常利益については前連結会計年度と比べ20.8%減少し16億84百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比べ36.6%減少し12億73百万円となりました。 (2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの状況の分析 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (経営成績等の状況の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。資本の財源及び資金の流動性当社グループの資本の財源及び資金の流動性として、当連結会計年度末において有利子負債残高が46百万円ありますが、この有利子負債は非連結子会社からの借入金であります。これは当社グループでは財務体質の健全性を堅持し、継続的に効率よく事業投資が行えるよう本社にて資金管理を行い、グループ内の資金を効率よく活用するようにしているためです。当社グループの資金需要は主に製造費用、販売費用、設備投資や研究開発費用等であり、これらは日常の営業活動によって得られた資金で賄っております。 (3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況をもとに、種々の見積りと仮定を行っていますが、それらは連結財務諸表、偶発債務に影響を及ぼします。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。①棚卸資産の評価当社グループは、棚卸資産について、正味売却価額に基づき収益性の低下を検討しております。また、一定期間を超えて在庫として滞留する棚卸資産についても、簿価を切り下げております。今後の市況や需要動向によっては、追加の評価減が必要となる可能性があります。 ②繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。 ③退職給付債務及び退職給付費用退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しています。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しています。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。④固定資産の減損当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングをセグメント別に行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しています。固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
事業リスク
- 市場動向と顧客依存のリスク主要事業である電子部品は、デジタル家電や自動車市場の動向に大きく左右されます。グローバルに展開する顧客の需要変動や世界経済の変化が、直接的・間接的に業績に影響を与える可能性があります。特にカスタム製品は顧客の設計・生産計画に依存するため、計画変更が業績に影響を及ぼすリスクがあります。
- 為替レート変動のリスク海外に多くの生産・販売拠点を持ち、現地通貨建てや米ドル建てで取引を行っているため、円換算時の為替レートの変動が業績や財務状況に影響を与える可能性があります。また、海外取引における多通貨の使用も為替変動リスクを高めます。
- 偶発的リスクと気候変動リスクテロ、戦争、自然災害、感染症、電力・水道の断絶といった偶発的な事象が事業運営に支障をきたす可能性があります。また、気候変動問題への対応として温室効果ガス排出量削減や再生可能エネルギー導入を進めていますが、これに伴うコスト増加や顧客からの信頼低下、需要変化が業績に影響を及ぼすリスクがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 市場動向に関するリスク当社グループは電子部品の製造販売を主たる事業としております。また、売上比率の高いデジタル家電や自動車市場の顧客はグローバルに展開するセットメーカーであります。世界各地の経済状況や市場の変化が直接的・間接的に当社グループの業績に影響を与えることがあります。(2) 製品の欠陥等に関するリスク 当社グループは顧客に満足していただける品質の製品やサービスを提供することを企業理念としておりますが、製品の欠陥により顧客に多大な損害を与える場合があります。この場合、顧客から損害賠償を請求される可能性もあります。(3) 人材確保と育成に関するリスク当社グループの継続的な成長は、優秀な人材の確保と育成に大きく依存しております。労働力人口の変化や雇用環境の多様化が進む中で、人材の流出防止や新たな人材の獲得が出来ない場合は、当社グループの成長や業績に影響を及ぼす可能性があります。(4) 特定製品に依存するリスク当社グループの主要な製品には顧客の個別要求に応えて開発したカスタム製品があります。従って、顧客の設計開発状況や生産計画状況の変化により当社グループの生産・出荷が影響を受け、業績に影響を及ぼす可能性があります。(5) 競合に関するリスク当社グループは常に国内外の同業他社と競合しております。優位に立ち続ける努力は継続しておりますが、他社に先行され優位に立たれた場合、当社グループの業績に影響を与えることもあります。(6) 為替レートの変動リスク当社グループの生産及び販売は日本の他、中国・アセアン諸国・北米を中心に各国で行われております。これらの海外事業所における財務諸表は現地通貨建あるいはUSドル建で作成されており、当社の連結財務諸表作成時に円換算されております。従ってこれらの通貨の日本円に対する為替の変動の影響を受けます。また日本を含む各事業所の海外取引において日本円の他にUSドル等が使用されているため、それぞれの通貨の為替の変動の影響を受けることで当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。(7) 情報セキュリティに関するリスク当社グループは、事業活動において取得する財務情報、機密情報、個人情報等を、電子情報等の形式で蓄積・利用しております。これらの情報の管理に関して、ハード・ソフト両面の必要なセキュリティ対策を講じるとともに、基幹システムに仮想環境やクラウドを利用し、システム停止しないよう対策を図っております。しかしながら、コンピューターウィルスによる第三者からの攻撃、不正アクセス等によって、システムの障害が発生した場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、機密情報が漏えいした場合は、信用失墜のみならず損害賠償を請求される可能性があります。(8) 偶発的リスク当社グループが事業展開する日本及び海外においていくつかのリスクが潜在しております。① テロ、戦争、暴動、感染症等による社会的混乱② 政治的、経済的状況の予期せぬ変化③ 電力、水道等ライフラインの予期せぬ断絶④ 自然災害や火災当社グループは、一部の自然災害などの偶発的なリスクによって通常の業務運営が困難となった場合に備え、事業活動の低下を最小限にとどめるため、BCP(事業継続計画)計画の策定を進め、事業を継続するための対応を定めております。しかしながら、上記の偶発的リスクにより、BCP(事業継続計画)の想定を超える事象が発生して、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 気候変動に関するリスク当社グループは気候変動問題について、経営に及ぼす影響を評価・管理するため、温室効果ガス(GHG)排出量および再生可能エネルギー電力導入比率を管理指標として設定し、脱炭素社会の実現に向け、取り組みを推進しております。その過程で法的規制に対処するコスト増加や生産設備等への投資の増加、また原材料コストの上昇や環境価値購入コストの増加、顧客行動の変化による売上の減少、気候変動対応の遅れによる顧客からの信頼低下・競争優位の喪失による取引縮小、平均気温上昇に伴う製品の需要や性能への影響などにより当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。(10) 知的財産権に関するリスク当社グループの製品は、顧客ニーズに応える製品を提供するための新技術開発を行い、特許権、実用新案権、意匠権など知的財産権を取得しています。しかし、第三者が同様の技術の使用、製品化を行うと当社の販売機会を失うリスクがあります。また、他社の取得済み特許権類を十分確認し、新製品開発をしておりますが、当社が上市した時、第三者から知的財産権を侵害しているとして提訴されることで、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。(11) 原材料・部品の調達に関するリスク当社グループの製品にはプラスチック等石油関連材料、金属材料、半導体部品等を使用しております。そのため、各国の輸出入規制や、紛争、自然災害、火災など、不測の事態による各メーカーの製造停止等で、原材料や部品が入手困難となり、生産停止による顧客への供給停止、及び原材料価格、人件費、エネルギー価格、物流費等の上昇等による原材料や部品の価格上昇などにより当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。(12) 新技術・製品開発に関するリスク当社グループの所属する電子部品業界は、技術革新のスピードが速く、顧客要求の高度化、多様化を求められており、技術的競争力や優位性をあげ続ける必要があります。当社グループは既存領域の拡大に向けた技術検討、新領域の確立を目指し新分野への参入を基本戦略の1つとしており、その対応に於いて設備投資、人材投資、法的規制など十分評価して進めておりますが、市場環境や技術の変化に対応できないことで、売上減少に伴い財務状況に影響を及ぼす可能性があります。(13) 法務・コンプライアンス等のリスク当社グループは、グローバルにビジネスを展開しており、様々な分野における広範な国内外の法律及び規制に服しております。そのため、コンプライアンス委員会を中心に、グループ全体のコンプライアンス体制を強化し、法令遵守の徹底等コンプライアンス意識の向上を図るとともに、必要に応じ社内外の専門家への相談・活用等により、リスクを未然に防止するよう努めています。しかし、関連する規制への抵触、役員・従業員による不正行為など予期せぬ事象が生じた場合は、損害賠償の請求、訴訟の提起、関連法令・規制等による罰則・課徴金の適用、生産・製品の販売等の遅延や停止などにより、当社グループの事業活動に支障が出ることによる業績や財務状況への影響や社会的信用の失墜等の可能性があります。