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タムラ製作所(6768)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 電子部品事業
    タムラ製作所グループは、電子部品の製造販売を主軸としています。国内外の子会社が製造を担い、製品は当社が仕入れて販売するほか、製造子会社から直接海外の販売子会社へ出荷されます。変圧器やリアクトルなどが主な製品で、幅広いエレクトロニクス市場に供給されています。
  • 電子化学実装事業
    電子化学材料の製造販売も重要な事業です。こちらも国内外の製造子会社が生産し、当社が仕入れて販売、または製造子会社から直接海外の販売子会社へ出荷する体制です。はんだペーストやフラックスなど、電子機器の組み立てに不可欠な材料を提供しています。
  • 情報機器事業
    情報機器の分野では、国内の子会社に製造を委託し、当社が仕入れて販売するビジネスモデルを展開しています。放送・映像関連機器などが含まれますが、この事業は2026年10月に事業譲渡が予定されており、事業ポートフォリオの見直しが進められています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 電子部品関連事業
    この事業は、タムラ製作所グループの売上高の約6割を占める最大の稼ぎ頭です。変圧器やリアクトルといった電子部品を製造・販売しており、国内外の製造子会社が生産を担い、グローバルに展開しています。主にエレクトロニクス製品全般に供給され、グループ全体の収益を支える基盤となっています。
  • 電子化学実装関連事業
    売上高の約3割を占める主要事業で、はんだペーストやフラックスなどの電子化学材料を提供しています。こちらも国内外の製造子会社が生産し、世界中の電子機器メーカーに供給されています。電子機器の小型化・高性能化に不可欠な材料であり、安定した需要が見込まれます。
  • 情報機器関連事業
    売上高はグループ全体の数パーセントと小規模な事業です。放送・映像関連機器などを国内の子会社に製造委託して販売していますが、2026年10月に事業譲渡が予定されており、グループの事業ポートフォリオから外れる見込みです。これは、経営資源をより成長性の高い分野に集中させるための戦略的な判断です。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ElectronicComponents 事業 768 33 4.3%
ElectronicChemicalsFASystems 事業 344 31 8.9%
InformationEquipment 事業 29 -2 -6.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,354 文字
3【事業の内容】当社グループは、当社、子会社34社及び関連会社6社で構成され、電子部品、電子化学実装及び情報機器の製造販売を主な事業とし、更に各事業に関連する研究開発等の事業活動を展開しています。当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりです。なお、次の3部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げる報告セグメントの区分と同一です。電子部品関連事業当社が製造販売するほか、国内及び海外の製造子会社でも製造を行い、その製品を当社が仕入れて販売するとともに、製造子会社から直接に海外の販売子会社に出荷し販売を行っています。<主な子会社>㈱若柳タムラ製作所台湾田村科技股份有限公司㈱会津タムラ製作所TAMURA CORPORATION OF KOREA田村香港有限公司TAMURA ELECTRONICS (M) SDN. BHD.田村電子(深圳)有限公司TAMURA CORPORATION (THAILAND) CO., LTD.田村電子(恵州)有限公司OP-SEED CO., (BD) LTD.田村(中国)企業管理有限公司TAMURA EUROPE LIMITED田村電子(蘇州)有限公司TAMURA CORPORATION OF AMERICA 電子化学実装関連事業当社が製造販売するほか、海外の製造子会社でも製造を行い、その製品を当社が仕入れて販売するとともに、製造子会社から直接に海外の販売子会社に出荷し販売を行っています。<主な子会社>田村香港有限公司TAMURA CHEMICAL KOREA CO., LTD.上海祥楽田村電化工業有限公司TAMURA CORPORATION SINGAPORE PTE. LTD.田村化研(東莞)有限公司TAMURA KAKEN (M) SDN. BHD.田村電子材料(天津)有限公司TAMURA CORPORATION (THAILAND) CO., LTD.田村自動化系統(蘇州)有限公司TAMURA CORPORATION VIETNAM CO., LTD.台湾田村科技股份有限公司TAMURA ELSOLD GmbHTAMURA CORPORATION OF KOREATAMURA KAKEN CORP., U.S.A. 情報機器関連事業当社が国内の製造子会社に製造委託して、その製品を当社が仕入れて販売しています。<主な子会社>㈱会津タムラ製作所 (注1)株式会社光波は2025年6月に株式会社ヨコオを承継会社として、ネットワークソリューション事業の会社分割及び親会社であるタムラ製作所へネットワークソリューション事業以外の全事業の事業譲渡を完了しました。(注2)当社は2026年5月11日開催の取締役会において、田村汽車電子(佛山)有限公司の持分をすべて佛山市南海矽鋼鐡芯制造有限公司に譲渡(2026年6月30日予定)することを決議しました。(注3)当社は2026年4月8日開催の取締役会において、情報機器関連事業および株式会社会津タムラ製作所を株式会社朋栄へ事業譲渡(2026年10月1日予定)することを決議しました。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
主要素材の価格変動に対し、定期的な相場連動による価格改定で影響を吸収。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
独自に開発した設計・製造工程に関する技術および製品などの特許権を所有。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:事業環境変動による需要変化と設備投資回収遅延 / 素材価格の急激な変動による企業収益圧迫 / 海外展開における各国の政策動向による事業悪影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

タムラ製作所は、特定の強力なブランド、特許ポートフォリオ、または規制ライセンスに依存する事業モデルではなく、受託製造(EMS)および電子部品事業を展開しており、無形資産による競争優位性は限定的である。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

同社は、カスタム電源やRF部品などを手掛けており、顧客の製品設計に深く組み込まれる場合がある。一度採用されると、設計変更やサプライヤー変更には一定のコストや時間を要するため、限定的なスイッチング・コストが発生する可能性がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

タムラ製作所の事業は、ユーザー数の増加によってサービスの価値が向上するネットワーク効果を生まない、BtoBの製造業であり、ネットワーク効果による競争優位性は見られない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の製造業としての経験や、一部の標準化された部品においては、効率的な生産体制やサプライチェーン管理によるコスト競争力を持つ可能性がある。しかし、グローバルな競合他社と比較して、構造的なコスト優位性は明確ではない。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

同社は、特定の電子部品やカスタム電源の分野で、一定の生産規模と技術力を有しており、業界内での地位を確立している。これにより、規模の経済による効率化や、顧客からの信頼を得ている側面がある。

  • グローバルな生産・販売体制
    タムラ製作所グループは、日本だけでなく中国、台湾、韓国、マレーシア、タイ、ベトナム、欧米など世界各地に製造・販売拠点を展開しています。これにより、多様な市場ニーズへの対応力と、地域ごとのリスク分散を図りながら、効率的なサプライチェーンを構築しています。
  • 長年の技術と研究開発力
    電子部品や電子化学材料の分野で長年培ってきた高周波・高耐圧技術は、同社の強みです。次世代パワー半導体向け受動部品の開発強化や、先端パワーエレクトロニクス技術研究所の設立など、独自の素材からの一貫体制による垂直統合モデルで競争優位性を築き、高付加価値製品群の拡充を目指しています。
  • 事業ポートフォリオの戦略的見直し
    市場の変化に対応するため、事業ポートフォリオを継続的に見直しています。光波ネットワークソリューション事業や情報機器関連事業の譲渡、中国事業の再編などにより、経営資源を脱炭素社会関連市場などの成長領域に集中させ、収益性の高い事業構造への転換を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 脱炭素社会実現のリーディングカンパニー
    タムラグループは、「世界のエレクトロニクス市場に高く評価される脱炭素社会実現のリーディングカンパニー」を目指す長期ビジョンを掲げています。クリーンエネルギー関連市場を注力市場とし、独自の製品・サービスを通じて社会課題解決に貢献することで、持続的な成長を目指しています。
  • 事業ポートフォリオの最適化と成長投資
    第14次中期経営計画「One TAMURA for Next 100」では、事業ポートフォリオの見直しと構造改革を推進し、経営資源を成長領域に再配分します。情報機器関連事業の譲渡や中国事業の再編を進めつつ、AIデータセンター市場や次世代パワー半導体向け受動部品の開発など、高収益な市場での成長投資を強化しています。
  • 財務・サステナビリティ戦略の一体推進
    ROE8%以上、PBR1倍以上を目標に、事業戦略だけでなく財務戦略とサステナビリティ戦略を一体で推進します。営業キャッシュフローの創出を軸に資産効率改善と財務レバレッジを活用し、成長投資とDOE3%を目途とした安定的な株主還元を目指します。また、コーポレートガバナンス強化やGHG排出量削減など、非財務目標も重視しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針タムラグループは、コーポレートスローガンを「オンリーワン・カンパニーの実現を目指す」と掲げ、経営の基本方針を企業理念として以下のとおり定めています。MISSION私たちは、タムラグループの成長を支える全ての人々の幸せを育むため、世界のエレクトロニクス市場に高く評価される独自の製品・サービスをスピーディに提供してまいります。VISION① タムラグループは、世界的視野にたち、エレクトロニクス産業が求める事業を経営基盤とします。② タムラグループは、市場本位をつらぬき、世界のお客様が求める技術を事業基盤とします。③ タムラグループは、公正な視点で社員を評価し、努力によって成果をもたらす人を最も賞賛します。④ タムラグループは、国際社会の一員として行動し、各国の法規制を順守し文化・慣習を尊重します。⑤ タムラグループは、地球環境の保全に努め、資源の有効化と再資源化を推進します。GUIDELINE① 私たちは、パートナーシップを大切にする。② 私たちは、革新する勇気を大切にする。③ 私たちは、多彩な個性を大切にする。④ 私たちは、社会的な責任を大切にする。(2) 中長期の経営戦略タムラグループでは、上述の経営方針に基づき、長期ビジョンと中期経営計画を策定し事業戦略を展開しています。① 長期ビジョン世界のエレクトロニクス市場に高く評価される脱炭素社会実現のリーディングカンパニー② 第14次中期経営計画(2025年4月1日~2028年3月31日)当社グループでは、2025年度より第14次中期経営計画「One TAMURA for Next 100」を始動しました。本中期計画は、事業戦略・財務戦略・サステナビリティ戦略の一体推進で、ターゲットとする2027年度にROE8%以上・PBR1倍以上を目指します。中期計画初年度となる2025年度は、事業ポートフォリオ見直しおよび構造改革として、光波ネットワークソリューション事業の譲渡、情報機器関連事業の譲渡決定、中国事業の再編、転身支援制度特別措置などを行いました。また、成長基盤の強化として、先端パワーエレクトロニクス技術研究所設立、モジュール製品の国内生産開始、電子化学事業製造棟新設などを進めました。株主還元向上施策としては、自己株式取得および増配を実施しました。(第14次中期経営計画の概要) (第14次中期経営計画進捗) (基準年)2025年3月期(初年度実績)2026年3月期(中期計画)2028年3月期ROE4.6%△2.2%8%以上営業利益率4.6%4.3%7%以上ROIC4.8%3.6%6%以上PBR0.65倍0.76倍1倍以上 中期計画第2年度は、構造改善の成果を収益化し、V字回復、成長フェーズへと移行する1年と位置付けています。2025年度の売上高は1,236億円と過去最高を更新し、営業利益も53億円と過去最高に迫るものでしたが、親会社株主に帰属する当期純損失14億円を計上しました。これは、今後の資本効率向上を優先し、構造改革に関わる措置を先行して講じた戦略的意思決定の結果です。中期計画第2年度からは、初年度で整備された基盤の上で、構造改革により生み出された経営資源を成長領域に再配分し、高収益な市場で圧倒的な成長を実現する事業ポートフォリオへの転換を目指します。ターゲットの一つが、北米を中心とするAIデータセンター市場です。メキシコ工場の大型トランス・リアクタ生産能力拡張、高電圧化に関して優れた技術を有する欧州企業との業務提携などにより、更なる高みを目指します。中長期を見据えた研究開発としては、次世代パワー半導体向け受動部品の開発を強化します。長年培ってきた高周波・高耐圧技術をベースに、独自素材からの一貫体制による垂直統合モデルによって競争優位性を築き、新たな高付加価値製品群のラインナップ拡充を目指します。また、PBR1倍超の経営体制を恒久的なものにするためには、事業戦略のみならず、財務戦略・サステナビリティ戦略との一体で、市場の信頼に応えることが不可欠です。財務戦略では、2026年10月に予定している情報機器関連事業の譲渡や、中国拠点最大3割削減をはじめとする国内外再編施策などの完遂とともに、営業キャッシュフローの確実な創出を軸に、資産効率改善と財務レバレッジを活用して、成長投資の強化と、中期計画で目指すDOE(株主資本配当率)3%を目途とした安定的な株主還元の実現につなげます。サステナビリティ戦略では、コーポレートガバナンスに関して2025年6月より社外取締役が半数以上を構成するモニタリングボードへ移行しました。取締役会の監督機能強化と執行役員会への権限移譲により、経営の透明性と意思決定迅速化の両立を図ります。(サステナビリティ戦略)マテリアリティ大分類マテリアリティ中分類KPI2028年3月期 目標成長戦略の推進脱炭素社会実現への貢献GHG(Scope 1&2)削減率25%以上削減*再生可能エネルギー調達比率35%以上注力市場売上比率36%働きがいの追求グローバルエンゲージメントスコア毎年3pt改善経営基盤の強化コーポレートガバナンスの強化取締役会実効性評価の継続的実施実効性の改善グループ管理職対象コンプライアンス研修受講率100%全社的リスクマネジメントの強化リスク管理委員会による安定したPDCA実効性の改善情報開示リスク開示の充実品質重視の文化醸成顧客満足度前年比改善*2021年度比第14次中期経営計画の折り返し地点である2026年度はこれらの対処すべき課題に着実に取り組み、2027年度の中期計画目標達成を目指してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針タムラグループは、コーポレートスローガンを「オンリーワン・カンパニーの実現を目指す」と掲げ、経営の基本方針を企業理念として以下のとおり定めています。MISSION私たちは、タムラグループの成長を支える全ての人々の幸せを育むため、世界のエレクトロニクス市場に高く評価される独自の製品・サービスをスピーディに提供してまいります。VISION① タムラグループは、世界的視野にたち、エレクトロニクス産業が求める事業を経営基盤とします。② タムラグループは、市場本位をつらぬき、世界のお客様が求める技術を事業基盤とします。③ タムラグループは、公正な視点で社員を評価し、努力によって成果をもたらす人を最も賞賛します。④ タムラグループは、国際社会の一員として行動し、各国の法規制を順守し文化・慣習を尊重します。⑤ タムラグループは、地球環境の保全に努め、資源の有効化と再資源化を推進します。GUIDELINE① 私たちは、パートナーシップを大切にする。② 私たちは、革新する勇気を大切にする。③ 私たちは、多彩な個性を大切にする。④ 私たちは、社会的な責任を大切にする。(2) 中長期の経営戦略タムラグループでは、上述の経営方針に基づき、長期ビジョンと中期経営計画を策定し事業戦略を展開しています。① 長期ビジョン世界のエレクトロニクス市場に高く評価される脱炭素社会実現のリーディングカンパニー② 第14次中期経営計画(2025年4月1日~2028年3月31日)当社グループでは、2025年度より第14次中期経営計画「One TAMURA for Next 100」を始動しました。本中期計画は、事業戦略・財務戦略・サステナビリティ戦略の一体推進で、ターゲットとする2027年度にROE8%以上・PBR1倍以上を目指します。中期計画初年度となる2025年度は、事業ポートフォリオ見直しおよび構造改革として、光波ネットワークソリューション事業の譲渡、情報機器関連事業の譲渡決定、中国事業の再編、転身支援制度特別措置などを行いました。また、成長基盤の強化として、先端パワーエレクトロニクス技術研究所設立、モジュール製品の国内生産開始、電子化学事業製造棟新設などを進めました。株主還元向上施策としては、自己株式取得および増配を実施しました。(第14次中期経営計画の概要) (第14次中期経営計画進捗) (基準年)2025年3月期(初年度実績)2026年3月期(中期計画)2028年3月期ROE4.6%△2.2%8%以上営業利益率4.6%4.3%7%以上ROIC4.8%3.6%6%以上PBR0.65倍0.76倍1倍以上 中期計画第2年度は、構造改善の成果を収益化し、V字回復、成長フェーズへと移行する1年と位置付けています。2025年度の売上高は1,236億円と過去最高を更新し、営業利益も53億円と過去最高に迫るものでしたが、親会社株主に帰属する当期純損失14億円を計上しました。これは、今後の資本効率向上を優先し、構造改革に関わる措置を先行して講じた戦略的意思決定の結果です。中期計画第2年度からは、初年度で整備された基盤の上で、構造改革により生み出された経営資源を成長領域に再配分し、高収益な市場で圧倒的な成長を実現する事業ポートフォリオへの転換を目指します。ターゲットの一つが、北米を中心とするAIデータセンター市場です。メキシコ工場の大型トランス・リアクタ生産能力拡張、高電圧化に関して優れた技術を有する欧州企業との業務提携などにより、更なる高みを目指します。中長期を見据えた研究開発としては、次世代パワー半導体向け受動部品の開発を強化します。長年培ってきた高周波・高耐圧技術をベースに、独自素材からの一貫体制による垂直統合モデルによって競争優位性を築き、新たな高付加価値製品群のラインナップ拡充を目指します。また、PBR1倍超の経営体制を恒久的なものにするためには、事業戦略のみならず、財務戦略・サステナビリティ戦略との一体で、市場の信頼に応えることが不可欠です。財務戦略では、2026年10月に予定している情報機器関連事業の譲渡や、中国拠点最大3割削減をはじめとする国内外再編施策などの完遂とともに、営業キャッシュフローの確実な創出を軸に、資産効率改善と財務レバレッジを活用して、成長投資の強化と、中期計画で目指すDOE(株主資本配当率)3%を目途とした安定的な株主還元の実現につなげます。サステナビリティ戦略では、コーポレートガバナンスに関して2025年6月より社外取締役が半数以上を構成するモニタリングボードへ移行しました。取締役会の監督機能強化と執行役員会への権限移譲により、経営の透明性と意思決定迅速化の両立を図ります。(サステナビリティ戦略)マテリアリティ大分類マテリアリティ中分類KPI2028年3月期 目標成長戦略の推進脱炭素社会実現への貢献GHG(Scope 1&2)削減率25%以上削減*再生可能エネルギー調達比率35%以上注力市場売上比率36%働きがいの追求グローバルエンゲージメントスコア毎年3pt改善経営基盤の強化コーポレートガバナンスの強化取締役会実効性評価の継続的実施実効性の改善グループ管理職対象コンプライアンス研修受講率100%全社的リスクマネジメントの強化リスク管理委員会による安定したPDCA実効性の改善情報開示リスク開示の充実品質重視の文化醸成顧客満足度前年比改善*2021年度比第14次中期経営計画の折り返し地点である2026年度はこれらの対処すべき課題に着実に取り組み、2027年度の中期計画目標達成を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況1) 財政状態当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ80億3千3百万円増加し、1,323億8千1百万円となりました。流動資産が64億3千万円増加し、固定資産が16億2百万円増加しています。固定資産では、電子化学実装事業の製造棟新設等により有形固定資産が増加した一方、持分法適用関連会社の持分譲渡により投資その他の資産が減少しています。流動資産では、売上債権の増加及び上記持分譲渡に係る債権が計上されたことにより流動資産その他が増加しています。当連結会計年度末の負債の合計は、前連結会計年度末に比べ91億6千9百万円増加し、694億8千4百万円となりました。これは主に、仕入債務および有利子負債の増加によります。有利子負債合計(短期借入金・1年内返済予定の長期借入金・短期リース債務・長期借入金および長期リース債務の合計額)は45億3千4百万円増加し、384億8千4百万円となりました。当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ11億3千6百万円減少し、628億9千7百万円となりました。その他の包括利益の計上により24億9千5百万円増加した一方で、自己株式の取得及び親会社株主に帰属する当期純損失の計上により35億5千3百万円減少しました。この結果、自己資本比率は47.40%となりました。(自己資本比率は、純資産より新株予約権・非支配株主持分を控除して計算した比率を用いています。)2) 経営成績当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)における、当社グループの事業に関わるエレクトロニクス市場は、生成AIの急速な社会実装を背景に、AIサーバー・データセンター関連の需要が拡大基調で推移しました。自動車関連は、EV普及の地域間格差が残るものの、車両の電装化進展に伴う安定的な需要が継続しました。産業機器関連は期を通じて低位で推移しましたが、足元では需要に回復の兆しがうかがわれます。このような事業環境のもと、当社は2025年4月に始動した中期経営計画「One TAMURA for Next 100」に基づき、今後の成長に向けた基盤の構築(「成長の基盤づくり」)と効率的に収益を最大化できる体質への変換(「体質改善」)を推進しています。中期経営計画最終年度(2028年3月期)におけるROE 8%等の目標達成を確実なものとするために、当期においては事業ポートフォリオの構造転換を加速させ、将来の収益圧迫要因となり得るリスクを能動的かつ集中的に顕在化し、措置を講じました。具体的には、連結子会社である株式会社光波のネットワークソリューション事業の譲渡、中国生産拠点削減をはじめとする国内外拠点配置の見直し、体質改善に向けた転身支援制度特別措置など、痛みを伴う施策を実施しました。また、2026年4月8日には、長年にわたり放送・音響領域で顧客からの高い評価と信頼を獲得してきた情報機器関連事業を第三者に譲渡することを決議し、中期計画で注力を掲げる次世代パワーエレクトロニクス関連製品、電力インフラ、ヘビーインダストリー、次世代通信、モビリティなどのクリーンエネルギー関連市場に向けて、経営資源を集中する方向性を具体化しました。その結果、当連結会計年度の売上高は、1,235億5千9百万円(前期比8.3%増)と過去最高を更新し、営業利益は52億8千7百万円(同1.8%増)、営業利益率4.3%と増収増益となりました。一方で、親会社株主に帰属する当期純損益は、13億8千5百万円の損失(前期は親会社株主に帰属する当期純利益27億8千2百万円)となりました。これは、転身支援制度特別措置の実施、拠点の再編、情報機器関連事業の事業譲渡など体質改善に関する特別損失を計上したことによります。セグメントの業績は、次のとおりです。なお、売上高はセグメント間の内部売上高を含めており、セグメント利益は連結消去(主に全社未来開発費)により合計が全社の営業利益と一致しません。(電子部品関連事業)生成AI関連需要が一段と拡大し、米国のデータセンター用PDU(電源分配ユニット)・UPS(無停電電源装置)向けを中心とした大型トランス・リアクタの好調な需要が、業績をけん引しました。また、電動工具向けチャージャが安定的に推移し、エアコン用リアクタや車載用リアクタも一定の需要を維持しました。産業機械向けトランス・リアクタは、国内外製造業における設備投資への慎重姿勢が継続したことで、売上は横ばいとなりました。その結果、売上高は815億4千9百万円(前期比6.2%増)、セグメント利益は33億4百万円(同1.0%増)と増収増益となりました。セグメント利益は、中国生産拠点の再編に向けた生産移管や人員の適正化に係る費用の計上により、売上高の伸びに比して小幅な増加にとどまりました。(電子化学実装関連事業)ソルダーペーストは、車載用途が安定的に推移したほか、データセンター向けなど情報通信関連の需要が増加しました。また、連動相場制による価格設定のもと、素材価格の大幅な上昇に連動して売上が増加しました。一方、急激な上昇局面では改定タイミングが追い付かず、特に期の後半において収益性が低下しました。ソルダーレジストは、スマートフォン向けフレキシブル基板用ソルダーレジストの販売が好調であったことに加え、感光性カバーレイ(PICC)がAIサーバー等に採用されたことが寄与し、堅調に推移しました。実装装置は、国内外の顧客における設備投資の慎重姿勢が継続し、前年度並みの水準にとどまりました。その結果、売上高は399億2千万円(前期比15.5%増)、セグメント利益は33億3千4百万円(同8.8%増)と、増収増益となりました。(情報機器関連事業)放送業界全般において厳しい設備投資環境が継続しており、売上高は21億3千6百万円(前期比25.4%減)、セグメント損失は5億6千6百万円(前期は1億8千1百万円のセグメント損失)となりました。なお、当該事業につきましては、2026年10月1日付での事業譲渡を予定しています。② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)につきましては、前連結会計年度末に比べ13億8千2百万円減少し、180億9千6百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費が43億9千5百万円、税金等調整前当期純利益が13億3千2百万円となったことなどにより、28億5千1百万円の資金収入となりました。また、前連結会計年度と比べ、営業活動によるキャッシュ・フローは、資金収入が62億3千1百万円減少しました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、電子化学実装事業の製造棟新設を中心とした有形固定資産の取得による支出が54億7千1百万円となったことなどにより、48億3百万円の資金支出となりました。また、前連結会計年度と比べ、投資活動によるキャッシュ・フローは、資金支出が9億2百万円増加しました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の増加などにより、3億1千6百万円の資金収入となりました。また、前連結会計年度と比べ、財務活動によるキャッシュ・フローは、資金支出が39億5千6百万円減少しました。③ 生産、受注及び販売の実績1) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)電子部品関連事業80,395104.3電子化学実装関連事業41,045118.9情報機器関連事業2,31179.9報告セグメント計123,752108.1合計123,752108.1(注)1. セグメント間取引については、相殺消去しています。2. 金額は、販売価格によっています。2) 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)電子部品関連事業77,15396.645,83091.3電子化学実装関連事業41,987117.013,011119.4情報機器関連事業1,79778.81,04175.5報告セグメント計120,937102.459,88395.8合計120,937102.459,88395.8(注) セグメント間取引については、相殺消去しています。3) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)電子部品関連事業81,547106.2電子化学実装関連事業39,876115.8情報機器関連事業2,13574.8報告セグメント計123,559108.3合計123,559108.3(注)1. セグメント間取引については、相殺消去しています。2. 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合については、100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しています。(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度は、売上高は1,235億5千9百万円と過去最高を更新し、営業利益も52億8千7百万円と過去最高(2018年3月期)に迫る結果となりました。しかしながら、親会社株主に帰属する当期純損益は13億8千5百万円の損失を計上しました。これは、次年度以降の資本効率向上を最優先し、将来の懸念材料に対し措置を講じるべく事業再編等の構造改革にかかる特別損失等を計上した結果です。当社は、第14次中期経営計画「One TAMURA for Next 100」において、PBR1倍以上の定着および最終年度である2028年3月期の営業利益率7%以上、ROE8%以上という財務目標を掲げました。達成に向け筋肉質な企業体質への転換を進めており、中長期的な成長を持続し拡張していくため、中国拠点の再編と集約、国内事業の最適化、事業ポートフォリオの変革といった施策を推進しています。当連結会計年度は、これら体質改善策を前倒しで断行したことで一時的な利益減少およびROEの低下という調整局面となりましたが、完遂後は一過性費用の剥落と構造改革効果の発現により、利益項目での改善を見込んでいます。中国拠点の再編と集約では、地政学リスクの低減と収益性の抜本的な向上を目的に、中国の拠点を最大で3割削減するという方針を掲げ、合肥や佛山の拠点の譲渡や一部電源製品の生産集約を行いました。生産移管、在庫整理、人員配置の見直しに関わる費用を計上した一方、有形固定資産の帳簿価額を約15%削減し、棚卸資産は約20%圧縮するなど、バランスシートの軽量化を進展させました。国内事業の最適化として、戦略市場での売上拡大を見据え、生産体制の大規模な再構築を実施しました。電子化学実装関連事業においては、狭山事業所に新たな製造棟を2025年10月に竣工させました。入間事業所からのはんだ粉生産工程移管をはじめとし、今後の追加投資を含めた総額80億円を投じて生産移管を一層推進して生産能力を増強するとともに、原価低減やリードタイム短縮を実現させる方針です。電子部品関連事業では、若柳工場における航空宇宙・防衛産業向けおよび車載事業向け製品の生産能力を高め、収益性の向上を図ります。さらに地政学リスクを考慮し、欧米への確実な供給強化に向け、坂戸事業所でモジュール製品の生産を開始しました。また、組織活性化を目的に転身支援制度特別措置を実施しており、2026年3月末に計画通り完了しています。事業ポートフォリオの変革に向けては、経営資源を成長領域に集中的に投下するため、事業および製品の選択と集中を厳格に実行しています。その一環として、光波ネットワークソリューション事業の譲渡を2025年6月に完了しており、情報機器関連事業についても2026年10月1日付で譲渡を実施する予定です。この譲渡により生み出されたリソースは、注力するクリーンエネルギー関連市場(電力インフラ・ヘビーインダストリー・次世代通信・モビリティの4分野)への取り組みに再配置します。これらの事業戦略を支える経営基盤の強化に向け、ガバナンス、財務、株主還元の各側面から取り組みを進めています。ガバナンスにおいては、取締役会の監督機能をさらに高めるべく、モニタリングボードへの移行を推進しています。執行へのさらなる権限移譲、独立性の高い取締役会による監督機能の強化、客観的な実効性評価を継続し、経営の透明性と意思決定のスピードアップを両立させてまいります。株主還元では、資本効率の向上を最重要課題として掲げ、当連結会計年度に総額10億円の自己株式取得を実施いたしました。今後もDOE(株主資本配当率)3%を目途とした安定的な還元を目指してまいります。財務面の健全化に向けては、政策保有株式の縮減や本社資産の有効活用など、資産ポートフォリオの最適化を進めています。これら施策の完遂により、次年度は売上成長が利益に直接寄与する構造へと移行することで、利益改善を見込むとともに、持続的な企業価値の向上を実現してまいります。セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。(電子部品関連事業)電子部品関連事業は、米国データセンター向けを中心に、PDU(電源分配ユニット)・UPS(無停電電源装置)用途で大型トランス・リアクタの需要が引き続き拡大しました。電動工具向けチャージャ、エアコン用リアクタや車載用昇圧リアクタも安定的に推移し、売上高は815億4千9百万円、セグメント利益は33億4百万円と増収増益となりました。当社は、欧州の再生可能エネルギー市場において、主要メーカーが求める厳格な品質基準をクリアし、大型トランス・リアクタの採用実績を築いています。欧州で確立した大型トランス・リアクタの設計技術をグローバル標準として展開することで、急成長する米国のデータセンター市場への迅速な参入と拡大を実現しました。生成AIの普及に伴いデータセンターの電力需要は増大し、電源電圧は従来の低圧から中圧(Medium Voltage:MV)への高圧化が進んでいます。この技術的変化を事業拡大の好機と捉え、当社はMV領域で優れた技術を有する欧州企業と業務提携することでMV領域の新製品を追加し、事業を拡大してまいります。メキシコ工場では、この新製品の生産に向け、生産能力の増強を進めています。車載事業においては、米国市場等でのハイブリッド車への回帰が追い風となっています。若柳工場を増強し、現在よりも付加価値を高めた新しい車載用昇圧リアクタを投入して日米・アジアへの供給を拡大することで、当事業の収益性を改善してまいります。(電子化学実装関連事業)電子化学実装関連事業は、売上高は399億2千万円、セグメント利益は33億3千4百万円と、増収増益となりました。ソルダーペーストは、車載用途の安定的な推移やデータセンター向けなど情報通信関連の需要増加により拡大したほか、素材価格の大幅な上昇に連動した価格設定から売上が増加しました。一方、急激な上昇局面では価格改定タイミングが追い付かず、特に当連結会計年度後半は収益性が低下しました。ソルダーレジストは、スマートフォン向けフレキシブル基板用ソルダーレジストの販売好調に加え、感光性カバーレイ(PICC)がAIサーバー等に採用されたことが寄与し、堅調に推移しました。実装装置は、国内外の顧客における設備投資の慎重姿勢が継続し、前年度並みの水準にとどまりました。電子化学実装関連事業でも、AIデータセンター、AIサーバー、高機能モバイル関連等の高成長・高収益領域へ経営資源を集中的に配分することで伸長を見込んでいます。さらに機能を高めた感光性カバーレイ(PICC)をはじめ、大電流・高放熱に対応した接合材、低反射・高解像度の絶縁材の開発を進めています。実装装置では、次年度よりメンテナンス性を向上した新モデルを市場投入します。それら高付加価値製品により中長期的に売上および利益を拡大してまいります。生産面では、狭山事業所に新設した製造棟を今後生産の中心拠点化し、生産効率の改善や原価低減につなげコスト競争力を強化してまいります。(情報機器関連事業)放送業界全般において厳しい設備投資環境が継続しており、売上高は21億3千6百万円、セグメント損失は5億6千6百万円となりました。情報機器関連事業は、放送局・鉄道向けを中心とする音声調整卓・無線インターカムなどの製品を通じ、長年にわたり放送・音響領域で顧客からの高い評価と信頼を獲得してきました。しかし、第14次中期経営計画「One TAMURA for Next 100」において、次世代パワーエレクトロニクス関連の注力製品および電力インフラ、ヘビーインダストリー、次世代通信、モビリティ等のクリーンエネルギー関連の注力市場に対し、経営資源の集中を推進する中で、2026年10月1日付での事業譲渡を予定しています。② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループは、設備投資およびその他の事業資金については、自らの事業活動により獲得した内部資金で対応することを基本方針としています。しかし、成長投資や一時的な運転資金の充足のために資金需要が生ずる場合には、時々の金融市場の状況を踏まえた適切な手段により外部からも調達できるよう多様化を図っており、現時点においては銀行からの借入を実施しています。不測の事態に備え、機動的な短期運転資金としてコミットメントライン契約を維持しており、手許流動性を高められるよう対応しています。第14次中期経営計画においては、中国拠点の再編や国内事業の最適化、資産圧縮から生み出されるキャッシュ、および銀行借入やファイナンス・リースの利用により、本中期経営計画全体で、総額300億円から350億円の資金を創出します。創出した資金は、急拡大する欧米市場のAIデータセンターおよび再生可能エネルギー分野、国内生産体制の再構築などへの150億円から200億円規模の戦略投資や、50億円規模の株主還元へ配分してまいります。③ 重要な会計上の見積り方針及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

事業リスク

  • 事業環境の変動リスク
    タムラグループが注力するクリーンエネルギー関連市場は、各国の経済状況や政策、最終顧客の販売戦略に大きく影響されます。需要が想定通りに拡大しない場合、先行投資した設備投資の回収が遅れ、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 素材価格の変動リスク
    電子部品事業における銅や鉄、電子化学実装事業における錫や石油化学製品など、主要な素材価格の変動は利益を圧迫する可能性があります。定期的な価格改定で対応していますが、急激な価格変動には追いつかず、収益性が低下するリスクがあります。
  • 海外事業展開のリスク
    中国に多くの生産・販売拠点を有しており、世界の経済圏の分断や各国の政策動向により、製品の輸出入が困難になったり、高い関税が課されたりする可能性があります。これにより競争力が低下し、事業活動に悪影響が生じるリスクがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,164 文字
3【事業等のリスク】タムラグループは、持続的な成長と企業価値の向上を目指し、経営成績、財務状況などに影響を及ぼす可能性のあるリスクに適切に対応すべく、グループリスクマネジメント(ERM)体制を整備しています。また、その一環として、リスク管理・危機管理規程の制定に加え、取締役会の監督のもと執行役員会を中心にリスクへの対応方針を決定し、さらに執行役員会をサポートし、そのマネジメント活動を推進するために、リスク管理委員会を設置しています。リスク管理委員会は、執行役員会メンバーで構成されています。リスクマネジメントのプロセスは以下の表に示すとおりです。グループリスクマネジメント(ERM)プロセスステップ担当内容リスクアセスメント(年1回)リスク管理委員会タムラグループを取り巻く潜在リスクを抽出し、発生可能性と影響度、現状対応度の3つの視点で評価し、優先して取り組むべきリスク、部門横断的に対応が必要なリスクを、重要リスク案として特定する。リスクオーナーを決定し、対策案を策定する。重要リスク案と対策案の検討執行役員会リスク管理委員会で特定した重要リスク案とその対策案を審議し、取締役会に上程する。承認取締役会重要リスクとその対策を承認する。対策実施執行役員会執行部門執行役員会から執行部門に対し、対策実行を指示し、執行部門で実行する。進捗確認(年2回)リスク管理委員会執行部門の対策進捗状況を確認し、執行役員会に報告する。進捗確認・是正執行役員会執行部門の対策進捗を確認し、必要に応じ是正対策を指示する。結果を取締役会に報告する。進捗確認取締役会リスクマネジメントの進捗を監督する。 また、リスクが顕在化した場合またはその恐れがある場合に、経営陣に対し迅速に情報を伝達し、対応する仕組みとして、アラームエスカレーションWeb報告システムをグループで運用しています。特に、重大な危機が発生した場合には、危機管理対策本部を設置し、社長が直接指揮を執るなど、グループに対する損失を最小限にとどめる体制を構築しています。タムラグループのリスクには以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末において、当社が判断したものです。事業などのリスクはこれらに限られるものではありません。関連する記述は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 a.会社の機関の内容および内部統制システムの整備の状況」をご参照ください。(1) 事業環境に関するリスクタムラグループは、脱炭素社会の実現に向け拡大するクリーンエネルギー関連市場を注力市場としていますが、この市場には、コア事業である電子部品・電子化学材料の幅広い製品が関わり、タムラグループでは中長期的な成長を目指して開発投資や設備投資を進めてきました。しかし、当該分野は各国の経済環境や政策の動向に加え、最終顧客の販売戦略や競争力の影響を受けます。このような事業環境の変動は、タムラグループ製品の需要に変化をもたらし、その結果タムラグループ製品の需要拡大が進まない場合には、設備投資の回収が遅れるなど、タムラグループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。タムラグループでは、市場のニーズを常に見極め、時代の変化を先取りした製品・サービスを提供し、注力市場に経営資源を集中すべく事業ポートフォリオを間断なく見直すことで、リスクの回避と成長戦略の推進に努めています。(2) 素材価格に関するリスク電子部品関連事業における銅や鉄、電子化学実装関連事業における錫や石油化学製品等の素材価格の変動は、利益に対して影響を与えるリスクがあります。主要な素材については、定期的な相場連動による価格改定により価格変動の影響を吸収できるように対策していますが、素材価格が急激に変動し価格改定が追い付かないような場合は、企業収益を圧迫する可能性があります。タムラグループでは、価格改定に加えて、設計変更による材料比率の低減や代替部材の開発、予約購入によるリスクヘッジなどを継続して実施することで、素材価格の変動による影響の低減を総合的に進めています。(3) 海外展開におけるリスクタムラグループは、中国に多くの生産・販売拠点を有しています。競争力のある製品の製造と中国市場の展開のためにその重要性は変わりませんが、世界の経済圏の分断が進む中、各国の政策動向によっては、特定の国で製造した製品の輸出入が困難になる、または高い関税がかけられ競争力を失うなど、事業活動に悪影響が生じる可能性があります。このようなリスクに対し、タムラグループは、中国拠点の見直しと同時に、欧米やアジアにおける拠点整備を推進しています。環境変化に応じてスピーディに生産販売ロケーションを見直すことで、地域毎の対応力を高める取組みを進めています。(4) 自然災害、地政学、経済安全保障等の問題による緊急事態に対するリスクタムラグループの本社は東京にあり、日本国内では埼玉県および東北地方に製造拠点を有しています。日本の生産高はグループ全体の3割程度ですが、電子化学事業では、日本の製造拠点が生産した材料を部材として使用する海外拠点もあり、日本の拠点所在地で大地震などの自然災害が発生した場合には、建物や機械設備、棚卸資産の被害に加え、日本のみならず海外拠点の生産活動に影響を及ぼす可能性があります。また、タムラグループは、日本の他にも、中国を含むアジアや欧米などの世界各地で事業活動を行っており、サプライチェーンも世界各地に広がっています。これらの国や地域における自然災害、感染症、戦争、暴動等を含め、政治的・社会的・経済的要因により、事業活動の停止や遅延が生じる可能性があります。タムラグループでは、これらのリスクを想定し、緊急事態対策構築ガイドラインを整備して、販売・生産体制をグローバルに連携し、事業継続できるように対策しています。また、緊急事態に備えた事前準備計画の策定、緊急事態発生時の出張者を含めた社員安否確認システムの構築と初動対応計画の策定、事業復旧計画の策定など、事業継続の取組みを行っています。(5) 自国以外の赴任者・出張者におけるリスク自然災害や、政情不安、戦争・テロなどが発生した場合、その国に滞在している赴任者や一時的な出張者が、けがや死亡など、大きな危険にさらされる恐れがあります。さらに状況に応じ、安全な場所への移動や国外退避なども必要になります。これらの事態に対するリスク管理として、タムラグループのすべての拠点を対象とした、自国以外の国への赴任者や出張者の安全管理に取り組んでいます。問題が発生する前の平時サポート、問題発生の恐れがある場合の警戒時サポート、そして実際に問題が発生した場合の緊急対応サポートに分けての対応を検討しています。(6) 製品やサービスの品質不良に起因する補償に関するリスク大規模な製品補償や製造物責任賠償につながるような製品やサービスの欠陥は、会社の評価に重大な影響を与え、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。対策として、製造物責任賠償保険に加入していますが、保険で賠償額を十分にカバーできる保証はありません。これに対して、タムラグループでは、品質方針の周知徹底と顧客満足度の追求による品質第一の文化の醸成、製品不具合再発防止策の強化、不良発生原因の上位概念化による異なる製造工程への不良事例の水平展開、タムラグループ内における品質指標の標準化、国際的な品質マネジメント規格の技法を活用した品質保証プロセスの改善などにより、品質保証を強化する取組みを進めています。(7) 知的財産権に関するリスクタムラグループは、独自に開発した設計・製造工程に関する技術および製品などの特許権やその他の知的財産権を所有しています。これら知的財産保護のための様々な取組みを行っていますが、完全な保護は難しく、想定している効果を得られない可能性があります。また、タムラグループは、第三者の知的財産権を侵害しないよう留意し、調査を行っていますが、全ての知的財産権を完全に調査完了することは、時間・コスト・技術的観点を考慮すると困難であり、さらに、知的財産権者が自己の権利をどのように解釈し、どの範囲まで権利行使手続きを行うかを予想することは極めて困難です。万一、タムラグループの製品が第三者の知的財産権に近似する場合には、当該第三者より損害賠償請求、使用差し止め等の訴えを起こされる可能性があり、その結果、和解やライセンス契約の締結、または多額の損害賠償金の支払いが必要となる可能性や、タムラグループの製品やサービスの一部の製造販売などができなくなる可能性があります。(8) 情報セキュリティに関するリスクタムラグループに対し、サイバー攻撃やコンピュータウイルスの侵入などがあった場合には、機密情報の外部流出、身代金目的でのデータ暗号化などのリスクが顕在化し、その対応費用の増加や、信用低下による売上減少などにより、タムラグループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、顧客からの情報セキュリティ水準の強化の要請に対応できない場合は、事業機会を逸する可能性もあります。これに対して、タムラグループは、機密情報の適切な保護および管理をより強固にするために、情報セキュリティ方針と情報セキュリティ管理規程に基づき、情報セキュリティ管理体制を見直し、PDCAを回すリスクマネジメントに取り組んでいます。また、情報セキュリティにおける重点施策として、サイバー攻撃や情報漏洩などに備えたネットワークへのセキュリティ対策、データへのアクセス制御、外部記憶装置の使用制限などの技術的安全管理措置に加え、不正な侵入の防止を目的としたIDカード認証システムの導入などの物理的安全管理措置および、従業員に対する適正な情報の取扱いに関する教育等を実施しています。また、情報セキュリティについて第三者によるアセスメントを定期的に実施して、継続的な改善に取り組んでいます。

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