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東京コスモス電機(6772)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 可変抵抗器の製造販売
    東京コスモス電機グループは、可変抵抗器という電気信号の強さを調整する部品を製造・販売しています。これは、音量調整やセンサーなど様々な電子機器に使われる基幹部品であり、同社の主要な収益源の一つです。国内外の連結子会社が製造を担い、グループ全体で事業を展開しています。
  • 車載用電装部品の製造販売
    自動車に使われる電装部品、例えばセンサーやスイッチなども製造・販売しています。現代の自動車は多くの電子部品で制御されており、同社の製品は自動車の安全性や快適性に貢献しています。こちらも国内外の子会社が製造を分担し、安定供給体制を構築しています。
  • 多角的な製品供給体制
    同社グループは、可変抵抗器と車載用電装部品の二本柱に加え、その他の製品も手掛けることで事業の多角化を図っています。複数の製造子会社が外注組立を担い、販売も国内外の子会社を通じて行うことで、効率的な生産と広範な市場へのアプローチを実現しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 可変抵抗器事業
    この事業は、電気信号の強さを調整する「可変抵抗器」の製造と販売を行っています。2025年3月期の売上高は41.5億円、営業利益は11.6億円を計上しており、同社の主要な収益源の一つです。中国経済の停滞があったものの、需要の増加と在庫調整の解消により受注が回復し、好調に推移しました。
  • 車載用電装部品事業
    自動車に搭載される様々な電子部品の製造と販売を手掛けています。2025年3月期の売上高は62.4億円、営業利益は9.7億円であり、同社の稼ぎ頭となっています。半導体不足の緩和が追い風となり、売上高は計画を上回る実績を達成しました。
  • 多角的な製品と地域展開
    同社グループは、可変抵抗器と車載用電装部品の二つの主要セグメントに加え、その他の製品も手掛けています。国内だけでなく、中国、台湾、米国、欧州などグローバルに生産・販売拠点を展開しており、地域ごとの市場特性に応じた事業展開を行っています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
AdjustableResistor 地域 42 12 27.9%
ElectricPartsForAutomobile 事業 62 10 15.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|551 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社8社で構成され、可変抵抗器・車載用電装部品などの製造販売を行う事業を展開しております。 当社及び関係会社の事業における位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであり、セグメントと同一の区分であります。 なお、当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)セグメント情報 1 報告セグメントの概要 (報告セグメントの変更等に関する事項)」をご覧ください。 可変抵抗器当社が販売するほか、製造工場として連結子会社である白河コスモス電機㈱、中津コスモス電機㈱、会津コスモス電機㈱及び広州東高志電子有限公司が外注組立をしております。 車載用電装部品当社が販売するほか、製造工場として連結子会社である白河コスモス電機㈱、中津コスモス電機㈱、煙台科思摩思電機有限公司、会津コスモス電機㈱及び広州東高志電子有限公司が外注組立をしております。 当社グループの製品の一部は連結子会社である台湾東高志電機股份有限公司、TOCOS AMERICA, INC.、煙台科思摩思貿易有限公司及び広州東高志電子有限公司を通じて販売しております。 当社グループの事業系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
価格に頼らず技術的に進化した高品質で高付加化価値の製品の提供に取り組んでいる
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
高電圧駆動などのヒータ技術、Pb材料不使用のポテンショメータ、ミリ波制御技術など
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:経済状況の変動 / 為替相場の変動 / 株式市況の変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

東京コスモス電機は、特定の強力なブランド、特許ポートフォリオ、または規制ライセンスによる顕著な無形資産を有しているという公開情報は見当たらない。事業内容は電子部品の製造・販売であり、一般的に技術革新や品質で差別化を図るものの、参入障壁となるほどの無形資産は確認できない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

同社は主に車載用、産業用、民生用などの電子部品(ポテンショメーター、スイッチ、センサー等)を製造・販売している。顧客は特定の仕様や品質要求を満たす部品を必要とするため、サプライヤー変更には一定の評価・検証コストが発生する可能性がある。しかし、部品単価が比較的低く、代替部品も存在するため、スイッチング・コストは限定的と考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

東京コスモス電機の事業モデルは、製品の利用者が増えることでその価値が増加するようなネットワーク効果を生み出す性質のものではない。BtoBの部品供給事業であり、プラットフォーム型ビジネスとは根本的に異なる。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

電子部品業界は価格競争が激しい側面がある。同社がコスト優位性を確立している明確な証拠はないが、長年の事業継続で培われた生産効率やサプライチェーン管理による一定のコスト競争力は存在する可能性がある。しかし、構造的な圧倒的優位性を示すものではない。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

同社は電子部品分野で一定の事業規模を有しており、特定のニッチ市場においては一定のシェアを確保している可能性がある。しかし、グローバルな大手競合と比較すると、規模の経済による圧倒的なコスト優位性や市場支配力を持つ段階には至っていないと考えられる。

  • 長年の技術と品質管理
    同社は長年にわたり可変抵抗器や電装部品の製造を手掛けており、世界的に認められた品質管理基準に従って製品を製造しています。品質本部を設置し、欠陥のない製品提供に努めることで、顧客からの信頼を獲得し、安定した事業基盤を築いています。
  • グローバルな生産販売網
    国内3拠点、中国2拠点をはじめとする複数の製造子会社と、台湾、米国、中国に販売子会社を持つことで、グローバルな生産販売体制を構築しています。これにより、地域ごとの需要変動や災害リスクを分散し、安定的な供給と市場開拓を可能にしています。
  • 特定顧客との強固な関係
    連結売上高の約4分の1が車載電装部品関連の主要顧客である東亜電気工業株式会社向けであり、同社との良好な関係を保持しています。これにより、安定した受注を確保し、事業の基盤を支える重要な要素となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • サステナビリティ経営の強化
    同社グループは「開かれた透明性のある企業」「社会の負託に応えられる企業」「働きがいのある企業」「環境に配慮した企業」を経営理念に掲げ、持続可能な社会の実現を目指すサステナビリティ経営を強化しています。これは、企業価値向上と社会貢献を両立させるための重要な方針です。
  • 第2次中期経営計画の推進
    2024年度から3年間を対象とした第2次中期経営計画を策定し、成長と飛躍に向けた基盤強化をテーマとしています。具体的には、技術開発力の強化、収益力の強化、財務体質の改善、株主還元の強化の4つの取り組みを重点的に進めることで、持続的な成長を目指します。
  • ROA目標達成と投資
    中期経営計画における客観的な指標としてROA(総資産利益率)を重視し、2027年3月期に9%の達成を目指しています。この目標達成のため、第2次中期経営計画期間中に設備投資と研究開発費を合計20億円投入する計画であり、積極的な投資と有利子負債削減による資本効率向上を図ります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、「開かれた透明性のある企業」「社会の負託に応えられる企業」「働きがいのある企業」「環境に配慮した企業」を経営理念に掲げ、「地域社会との信頼関係を築き 従業員にはチャンスと達成の喜びを お客様には安心と感動を 地球には優しさと潤いを与え続ける」ことを私たちの社会的役割(CSRビジョン)と位置付けております。 当社グループは、長年培ってきた角度センサ・フィルムヒーター・可変抵抗器の技術を礎に、エレクトロニクス業界におけるプロフェッショナル集団としてサステナビリティ経営を強化しております。さらに、当連結会計年度において策定した新中期経営計画に基づき、「アジア No.1の可変抵抗器メーカー」、並びに顧客から直接指名を受け、完成車メーカーや大手システムサプライヤーに対して独自の価値を提供する「スーパーTier 2」となることを目指し、企業価値の最大化に邁進してまいります。 (2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財政上の課題 当社グループを取り巻く経営環境は、自動車業界におけるEV化の進展や自動運転技術の高度化、産業機器分野でのDX推進など、大きな変革期にあります。このような中、当社グループは、縮小均衡の懸念を断ち切り持続的な成長を実現するため、2025年11月に2026年度から2030年度までの5カ年を期間とする「新中期経営計画」を策定いたしました。 これに伴い、2024年4月に公表した第2次中期経営計画は発展的に解消し、今後は新計画に基づき、以下の重点施策に全社を挙げて取り組んでまいります。 ① 未来への成長投資への舵切り従来の縮小均衡経営から脱却し、成長に向けた積極的な投資を実行いたします。特に、成長著しいASEAN市場における生産能力の増強や、将来の収益の柱となる新製品・新技術の開発、さらには既存事業とのシナジーが見込めるM&Aを戦略的に進め、事業規模の拡大を図ります。 ② 事業戦略の再構築(コア事業の深化と新領域の開拓)可変抵抗器事業においては、アジアNo.1の実現に向けて、オペレーションの効率化と品質向上を徹底いたします。また、角度センサやフィルムヒーター等の車載・産業機器向け製品については、独自の付加価値を磨き上げることで「スーパーTier2」としての地位を確立し、受注機会の最大化を目指します。さらに、「第三の柱」となる新事業の創出に向けてR&DやM&Aを積極化いたします。 ③ 人的資本の強化と組織・ガバナンスの変革成長戦略を支えるのは「人財」であるとの認識のもと、高度な専門性を有する人財の確保・育成に加え、従業員一人ひとりが働きがいを感じ、挑戦できる組織文化を醸成いたします。あわせて、迅速な意思決定と透明性の高い経営を実現するため、ガバナンス体制のさらなる高度化を推進いたします。 ④ 資本効率の向上と株主還元の拡充資本効率を重視した経営(ROE10%以上)を推進するとともに、株主の皆様への利益還元を重要な経営課題と位置付け、配当性向100%(ただしDOE3.5%を下限とする)を基本方針とする新たな還元策を実行してまいります。 また、上記に加えて当社グループは、収益力の改善、グローバル供給体制の強化についても注力するとともに、生産拠点である子会社についてもコスト削減を進めており、昨今の原材料価格の高騰、物流費の上昇、地政学リスク、為替変動等に柔軟に対応できるよう取り組んでおります。 (3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、新中期経営計画の最終年度(2031年3月期)において、以下の経営目標の達成を目指しております。 売上高 :125億円(M&A含まず)営業利益 : 15億円(M&A含まず)営業利益率 : 12%ROE : 10%以上 これに加え、次期中期経営計画(2036年3月期)を見据え、売上高150億円規模、営業利益率16~20%を達成できる強靭な事業構造の構築に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、「開かれた透明性のある企業」「社会の負託に応えられる企業」「働きがいのある企業」「環境に配慮した企業」を経営理念に掲げ、「地域社会との信頼関係を築き 従業員にはチャンスと達成の喜びを お客様には安心と感動を 地球には優しさと潤いを与え続ける」ことを私たちの社会的役割(CSRビジョン)と位置付けております。 当社グループは、長年培ってきた角度センサ・フィルムヒーター・可変抵抗器の技術を礎に、エレクトロニクス業界におけるプロフェッショナル集団としてサステナビリティ経営を強化しております。さらに、当連結会計年度において策定した新中期経営計画に基づき、「アジア No.1の可変抵抗器メーカー」、並びに顧客から直接指名を受け、完成車メーカーや大手システムサプライヤーに対して独自の価値を提供する「スーパーTier 2」となることを目指し、企業価値の最大化に邁進してまいります。 (2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財政上の課題 当社グループを取り巻く経営環境は、自動車業界におけるEV化の進展や自動運転技術の高度化、産業機器分野でのDX推進など、大きな変革期にあります。このような中、当社グループは、縮小均衡の懸念を断ち切り持続的な成長を実現するため、2025年11月に2026年度から2030年度までの5カ年を期間とする「新中期経営計画」を策定いたしました。 これに伴い、2024年4月に公表した第2次中期経営計画は発展的に解消し、今後は新計画に基づき、以下の重点施策に全社を挙げて取り組んでまいります。 ① 未来への成長投資への舵切り従来の縮小均衡経営から脱却し、成長に向けた積極的な投資を実行いたします。特に、成長著しいASEAN市場における生産能力の増強や、将来の収益の柱となる新製品・新技術の開発、さらには既存事業とのシナジーが見込めるM&Aを戦略的に進め、事業規模の拡大を図ります。 ② 事業戦略の再構築(コア事業の深化と新領域の開拓)可変抵抗器事業においては、アジアNo.1の実現に向けて、オペレーションの効率化と品質向上を徹底いたします。また、角度センサやフィルムヒーター等の車載・産業機器向け製品については、独自の付加価値を磨き上げることで「スーパーTier2」としての地位を確立し、受注機会の最大化を目指します。さらに、「第三の柱」となる新事業の創出に向けてR&DやM&Aを積極化いたします。 ③ 人的資本の強化と組織・ガバナンスの変革成長戦略を支えるのは「人財」であるとの認識のもと、高度な専門性を有する人財の確保・育成に加え、従業員一人ひとりが働きがいを感じ、挑戦できる組織文化を醸成いたします。あわせて、迅速な意思決定と透明性の高い経営を実現するため、ガバナンス体制のさらなる高度化を推進いたします。 ④ 資本効率の向上と株主還元の拡充資本効率を重視した経営(ROE10%以上)を推進するとともに、株主の皆様への利益還元を重要な経営課題と位置付け、配当性向100%(ただしDOE3.5%を下限とする)を基本方針とする新たな還元策を実行してまいります。 また、上記に加えて当社グループは、収益力の改善、グローバル供給体制の強化についても注力するとともに、生産拠点である子会社についてもコスト削減を進めており、昨今の原材料価格の高騰、物流費の上昇、地政学リスク、為替変動等に柔軟に対応できるよう取り組んでおります。 (3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、新中期経営計画の最終年度(2031年3月期)において、以下の経営目標の達成を目指しております。 売上高 :125億円(M&A含まず)営業利益 : 15億円(M&A含まず)営業利益率 : 12%ROE : 10%以上 これに加え、次期中期経営計画(2036年3月期)を見据え、売上高150億円規模、営業利益率16~20%を達成できる強靭な事業構造の構築に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (重要な会計方針及び見積り) 当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき、作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産、負債の報告数値及び報告期間における収益、費用の報告数値に影響を与える見積りを行わなければなりません。 経営陣は、営業債権、棚卸資産、投資、退職給付債務、繰延税金資産、税金費用及び財務活動等に関する見積り及び判断に対して評価を行っております。また、過去の実績や状況に応じて合理的だと考えられる見積り及び判断を行いますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。 この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要となる営業債権、棚卸資産、投資、退職給付債務、税金費用及び財務活動等事項の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 (1)財政状態の状況(流動資産) 流動資産は、前連結会計年度末比942百万円減少し6,895百万円となりました。主な要因は、売掛金が613百万円、現金及び預金が393百万円減少したことによるものであります。 売掛金の減少は法律の改正に伴い回収サイトが短縮、現金及び預金の減少は税金等調整前当期純利益を計上した一方で、借入金を返済したことによるものであります。 (固定資産) 固定資産は、前連結会計年度末比448百万円増加し4,624百万円となりました。主な要因は、有形固定資産が238百万円、投資その他の資産が186百万円増加したことによるものであります。有形固定資産の増加はリース資産が増加、投資その他の資産の増加は投資有価証券が増加したことによるものであります。 (流動負債) 流動負債は、前連結会計年度末比575百万円減少し1,984百万円となりました。主な要因は、電子記録債務が274百万円、1年内返済予定の長期借入金が121百万円減少したことによるものであります。電子記録債務の減少は法律の改正に伴い支払サイトが短縮、1年内返済予定の長期借入金の減少は銀行借入を返済したことによるものであります。 (固定負債) 固定負債は、前連結会計年度末比69百万円減少し1,809百万円となりました。主な要因は、リース債務が235百万円増加した一方で、長期借入金が314百万円減少したことによるものであります。リース債務の増加は、リース資産が増加、長期借入金の減少は銀行借入を返済したことによるものであります。 (純資産) 純資産合計は、前連結会計年度末比150百万円増加し7,725百万円となりました。主な要因は、その他有価証券評価差額金が125百万円増加したことによるものであります。 (2)経営成績の状況① 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況a.事業全体の状況 当連結会計年度における世界経済は、地政学リスクの高まり、インフレ動向、為替・金利変動等の影響により先行き不透明な状況が続いております。中国経済においては、不動産市場の調整長期化を背景に、デフレが進行しております。加えて、期末にかけては米国・イスラエルとイランの武力紛争に端を発した中東情勢の緊迫化により、原油価格の高騰や金融市場のボラティリティ上昇など、新たな地政学的リスクが景気の下振れ要因として顕在化いたしました。 日本経済は、原材料価格の高止まりや人手不足の影響により公共投資や設備投資に一部弱さが見られたものの、雇用・所得環境の改善や賃上げの進展を背景とした個人消費の持ち直しにより、内需を中心とした緩やかな回復基調が継続いたしました。しかしながら、中東情勢の緊張に伴う資源価格の上昇や為替動向の不安定化が、企業収益や物価に与える影響について、引き続き注視が必要な状況となっております。 当社グループの属する電子部品業界におきましては、半導体関連分野を中心に一部製品で需要回復の動きが見られるものの、物価上昇によるコスト負担の増加や中国経済の減速の影響が根強く、市場環境が完全な回復に至るには時間を要する状況が続いております。また、脱炭素化の流れを背景とした電源技術の高効率化・小型軽量化へのニーズは一層高まっております。 このような情勢下、当社は2026年1月開催の「AUTOMOTIVE WORLD 2026」への出展を通じて新規顧客の開拓に注力したほか、ADAS向けフィルムヒータなどの新規開発製品の研究開発活動を継続してまいりました。 販売面においては、売上高は9,601百万円(前期比8.6%減)となり、中国経済の低迷による生産設備向け需要の減少や、国内無線機メーカー向けの需要が低迷していることが影響したものの、国内自動車メーカーや農業機械・建設機械メーカー向けの需要は堅調に推移しました。 利益面では、金属価格の高騰が進行しましたが、生産性の向上や固定費削減により、営業利益は457百万円(前期比56.0%減)、経常利益は460百万円(前期比55.2%減)を確保し、昨年11月に公表した目標を実現しました。親会社株主に帰属する当期純利益は28百万円(前期比96.0%減)となり、これは特別損失に計上した公開買付関連費用等の一時的な費用が影響いたしました。 なお、長期借入金の返済を進めたことにより、自己資本比率は前期の63.1%から67.1%へ改善し、財務体質の強化につながりました。 b.セグメント情報に記載された区分ごとの状況(イ)可変抵抗器 中国経済の低迷による生産設備向け需要の減少や、国内無線機メーカー向けの需要の減少を反映して、売上高は3,608百万円(前期比13.1%減)となりました。セグメント利益(営業利益)は、751百万円(前期比35.2%減)となりました。 (ロ)車載用電装部品 主要取引先の一部生産モデルが終了したことにより、売上高は5,992百万円(前期比3.9%減)となりました。セグメント利益(営業利益)は、422百万円(前期比56.2%減)となりました。 ② 生産、受注及び販売の状況a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)可変抵抗器1,923,551△23.4車載用電装部品5,141,2373.4合計7,064,789△5.6 b.受注状況 当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)可変抵抗器3,593,386△13.51,282,562△1.2車載用電装部品6,022,759△5.4442,8647.3合計9,616,145△8.61,725,4260.9 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)可変抵抗器3,608,527△13.1車載用電装部品5,992,503△3.9合計9,601,030△8.6 (注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)東亜電気工業㈱2,645,39025.22,558,17126.6 (3)キャッシュ・フローの状況(現金及び現金同等物) 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ、369百万円減少し、2,950百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは544百万円の資金の増加(前連結会計年度は1,199百万円の増加)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益144百万円、減価償却費359百万円、売上債権の減少848百万円によるものであります。主な減少要因は、仕入債務の減少319百万円、法人税等の支払額273百万円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動のキャッシュ・フローは249百万円の資金の減少(前連結会計年度は216百万円の減少)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出261百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動のキャッシュ・フローは786百万円の資金の減少(前連結会計年度は1,152百万円の減少)となりました。主な減少要因は、長期借入金の返済による支出436百万円、配当金の支払額233百万円、リース債務の返済による支出113百万円によるものであります。 (資本の財源及び資金の流動性に係る情報) 当社グループの主な資金需要は、各事業の製造活動に必要な原材料の仕入、販売費及び一般管理費並びに設備投資等であります。これらの資金需要は、営業キャッシュ・フローから生じる自己資金及び金融機関からの借入によって賄っております。 資金の流動性につきましては、経常運転資金に十分対応できる手元資金の確保に努めており、当期末現在の現金及びより一層の手元流動性の確保と有利子負債の適切なコントロールを目的に、金融機関との間で200,000千円の当座貸越契約を締結しております。

事業リスク

  • 経済状況と為替変動
    世界経済の景気後退は、製品需要の減少に直結し、同社の業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外での生産販売活動が多いため、急激な為替変動も収益に大きな影響を与えるリスクがあります。
  • 技術革新と競争激化
    ヒータ分野での高電圧駆動やポテンショメータ分野でのPbフリー製品への対応など、技術革新への対応が遅れると競争力を失う可能性があります。また、競合他社の技術進歩により販売価格競争が激化することも、業績悪化につながるリスクです。
  • 特定顧客への依存と地政学リスク
    連結売上高の約4分の1を占める特定顧客への依存度が高いため、その顧客の部品構成変更や取引方針変更は大きな影響を及ぼす可能性があります。さらに、中国や台湾など海外での生産販売活動が多く、予期せぬ法律変更や社会的混乱、感染症拡大などの地政学的リスクも事業に悪影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,761 文字
3【事業等のリスク】 当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があると認識している主なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月24日)現在において、当社グループが判断したものであります。(1)経済環境に関するリスク①経済状況の変動 世界経済は、地政学リスクの高まり、インフレ動向、為替・金利変動等の影響により先行き不透明な状況が続いております。当社グループの事業活動においても、景気後退による需要の減少や原材料・エネルギー価格の上昇等が業績に影響を及ぼす可能性があります。②為替相場の変動 当社グループでは、海外における生産販売活動では、可能な限り材料等の現地調達をする、輸出入では可能な限り円建取引をする等、為替変動リスクの低減に取り組んでおりますが、急激な為替変動により当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。③株式市況の変動 当社グループでは、純投資目的として国内企業の株式を保有しており、株式市況の変動により当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(2)事業活動に関するリスク①技術革新における競争 ヒータ分野としては、市場を拡大する目的で、高電圧駆動などの取り組みを開始しています。これらの仕様が求められる市場では、求められる安全性が高いことが想定され、品質面のリスクとなっております。 ポテンショメータの分野ではPb材料を使用しない製品が求められております。開発が遅延することにより当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、環境規制物質の増加の影響により、使用している材料や購入部品を変更(4M)する必要のある製品が急激に増加しています。適正な変更手続きが進まない場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。②販売価格競争 当社グループでは、価格に頼らず技術的に進化した高品質で高付加価値化の製品の提供に取り組んでおりますが、競合他社の技術進歩により販売価格競争が激しくなり当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。③原材料価格の変動及び調達リスク 当社グループでは、信頼のおける複数の供給業者から原材料等を仕入れ、一定の在庫を確保することや、商品価値に見合った適正価格で販売する等、供給不安や原材料価格の変動に対応しております。急激な原材料価格の変動や供給停滞等により当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。④製品の欠陥リスク 当社グループでは、世界的に認められている品質管理基準に従って製品を製造しております。品質保証本部を設置し欠陥のない製品の提供に努めており、また、万が一の場合に備え、製造物責任賠償については保険を付保しておりますが、製品の欠陥により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。⑤特定販売先への依存リスク 当社グループでは、販売顧客の拡大に努めておりますが、連結売上高の四分の一相当が車載用電装部品関連の主要顧客である東亜電気工業株式会社向けとなっております。当社グループは、同社と良好な関係を保持しているものと認識しておりますが、同社で取り扱う部品構成の変更や協力会社との取引方針変更等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)経営基盤に関するリスク①情報セキュリティに関するリスク 当社グループでは、事業の遂行を通じて取引先等の機密情報に多数接しているほか、当社グループの技術・営業・その他事業に関する機密情報を保有しております。これらの機密情報について、情報セキュリティ、サイバー攻撃に対する方針、リスク管理等の諸規程により対応を図っておりますが、不正アクセス、コンピュータウイルス等により当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。②法的リスク 当社グループでは、日本国内だけではなく、諸外国の法令に則って事業を推進しておりますが、環境規制等法的規制内容に変更が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。③人材確保に関するリスク 当社グループは、「地域社会との信頼関係を築き 従業員にはチャンスと達成の喜びを お客様には安心と感動を 地球には優しさと潤いを与え続ける」ことを社会的役割(CSRビジョン)と位置付け、サステナビリティ経営を推進しております。新卒採用に加え、通年採用やキャリア採用も強化しておりますが、労働人口の減少や人財獲得競争の激化により、必要な人財を安定的に確保することは年々困難になっております。 特に専門性の高い人財の採用・定着が進まない場合、事業推進や生産性に影響を及ぼし、当社グループの業績や財務状況に悪影響を与える可能性があります。 また、当社では職場環境整備や人財育成の強化に取り組んでおりますが、これらの施策が十分に機能しない場合、持続的な成長に支障をきたす可能性があります。(4)外部環境に関するリスク①自然災害に関するリスク 当社グループでは、製品及び部材を生産するにあたり、国内3拠点、中国2拠点にて行うことで一定のリスク分散は図られておりますが、地震等の自然災害により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。②気候変動に関するリスク 当社グループでは、「地域社会との信頼関係を築き 従業員にはチャンスと達成の喜びを お客様には安心と感動を 地球には優しさと潤いを与え続ける」ことを社会的役割(CSRビジョン)と位置付け、気候変動に対するリスクを特定し、対応を進めております。対応の遅れや想定外の事象等により当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。③地政学的リスク 当社グループの生産及び販売活動の一部は、中国、台湾をはじめとするアジア、北米及び欧州で行っております。これらの海外での活動には、以下のようなリスクが考えられます。・予期しない法律又は規制の変更・技術インフラが我が国と異なるため製造活動に悪影響を及ぼす可能性・テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱・ストライキ等の労働争議・感染症拡大による社会的混乱 当社グループの製品には調達の多くを海外に依存している原材料が含まれており、また、中国においては生産の拡大を続けてまいりました。生産及び販売活動を行っている国において政情や法環境の変化など、予期せぬ事象により社会的混乱が起こり、事業の遂行が困難になり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

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