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アルチザネットワークス(6778)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 通信計測機の開発販売
    アルチザネットワークスは、主に通信事業者や通信機器メーカー向けに、通信計測機(プロトコル・シミュレータ、パケットキャプチャなど)や保守管理機器の開発・販売を行っています。これらの製品は、移動体通信(スマホなど)や固定通信(光回線など)のインフラ機器の信頼性向上や開発効率化に貢献しています。
  • テストサービス提供
    開発した通信計測機や保守管理機器を用いたテストサービスも提供しており、顧客の通信インフラ機器の品質向上や開発期間短縮を支援しています。子会社であるシー・ツー・エムは、情報通信システムやネットワークの保守・運用・監視サービスも手掛けています。
  • 通信インフラを支える
    同社グループは、次世代通信インフラの構築を側面から支援する「エキスパート集団」として、通信サービスの品質向上に貢献することを経営の基本方針としています。製品販売とサービス提供の両面から収益を得るビジネスモデルです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 製品販売事業
    移動体通信分野では「プロトコル・シミュレータ」などの通信計測機や保守管理機器の開発・販売を行い、固定通信分野では「パケットキャプチャ」などのネットワーク監視装置やネットワークセキュリティ関連製品の開発・販売を行っています。最新年度の売上は142億6325万円ですが、営業利益は2億5510万4千円の赤字となっています。
  • サービス事業
    移動体通信分野において「プロトコル・シミュレータ」などの通信計測機や保守管理機器のテストサービスを提供しています。また、子会社は情報通信システムやネットワークの保守・運用・監視サービスなどを手掛けています。最新年度の売上は125億4585万円で、営業利益は3億7116万7千円の黒字を計上しており、収益の柱となっています。
  • 事業構造と収益性
    同社グループは、通信計測機等の「物販」と、それらを用いた「サービス」の二つの主要事業で構成されています。最新年度の実績を見ると、製品販売事業は売上規模が大きいものの赤字であり、サービス事業が売上規模はやや小さいながらも利益を創出しており、グループ全体の収益を支えている状況がうかがえます。
2025-07 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ProductSales 事業 14 -3 -17.9%
Service 事業 13 4 29.6%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|775 文字
3【事業の内容】当社グループは、当社(株式会社アルチザネットワークス)及び子会社(株式会社シー・ツー・エム)で構成されており、通信関連事業の単一セグメントとして、通信計測機等の開発・販売、機器貸し出し及びテストサービス等の受託業務を主たる事業としております。当社グループの事業内容及び当社と主要な子会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。なお、当社グループは、当連結会計年度末より報告セグメントを通信関連事業の単一セグメントに変更しておりますが、事業内容の具体的な理解に資するため、「製品販売」及び「リソース提供サービス」の区分に分けて記載しております。 製品販売………移動体通信分野において「プロトコル・シミュレータ」と呼ばれる通信計測機及び保守管理機器等の開発・販売並びにライセンス供与を行っており、当社製品等は、通信インフラ機器の信頼性及び開発効率を向上させる目的で使用されております。また、固定通信分野において「パケットキャプチャ」と呼ばれるネットワーク監視装置、「ネットワーク・セキュリティ」に関連する製品等の開発及び販売並びに商材開拓を行っており、当社製品は、通信ネットワークの品質及び信頼性を向上させる目的で使用されております。リソース提供サービス………移動体通信分野において「プロトコル・シミュレータ」と呼ばれる通信計測機及び保守管理機器等の各種テストサービスの受託や開発請負を行っており、当社サービスは、通信インフラ機器の信頼性及び開発効率を向上させる目的で使用されております。また、機器貸し出しサービス、保守サービスや各種派遣サービスを行うほか、子会社において情報通信システム及びネットワークにおける保守・運用・監視サービス等の業務を行っております。 (事業系統図) 当社グループの事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
最新技術に対応した製品開発力と、新技術開発の初期段階からの顧客との連携
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:特定業界及び特定顧客に売上が集中 / 通信新技術開発段階での受注状況が与える影響 / 当社製品の納期遅延及び不具合による顧客企業の開発計画等への影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

提供された情報からは、アルチザネットワークスが特許、ブランド、規制ライセンスなどの無形資産による競争優位性を持つことを示す具体的な証拠は見当たりません。事業内容も一般的な電気機器製造であり、特筆すべき無形資産の存在は示唆されていません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

同社は主に無線通信基地局向けの高周波デバイスなどを製造しており、顧客は大手通信事業者や機器メーカーが中心と考えられます。これらの顧客は、サプライヤー変更に伴う認証プロセスや技術的な適合性の問題から、一定のスイッチング・コストが発生する可能性があります。しかし、その程度は限定的と推測されます。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

アルチザネットワークスの事業モデルは、ユーザー数の増加によって製品やサービスの価値が向上するネットワーク効果を生み出す構造にはありません。個々の顧客との取引が中心であり、プラットフォーム型ビジネスのような特性は見られません。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

同社が競合他社に対して構造的なコスト優位性を持っていることを示す情報は提供されていません。電気機器製造業においては、一般的に規模の経済や技術革新によるコスト削減は重要ですが、アルチザネットワークス特有のコスト優位性は確認できません。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

電気機器業界、特に無線通信関連部品市場は競争が激しいと考えられます。同社が業界規模に対して最適な少数寡占を形成しているというよりは、一定の市場シェアを持つプレイヤーの一つである可能性が高いです。規模の経済による明確な優位性は限定的と推測されます。

  • 高度な技術開発力
    同社は、通信事業者や通信機器メーカーの研究開発部門が新技術開発の初期段階や新規格制定直後から使用する「プロトコル・シミュレータ」などの製品を開発しています。これは、最先端の通信技術に対応できる高い開発力と専門知識を有していることを示唆しています。
  • 品質マネジメント体制
    品質マネジメントシステムISO9001の認証を取得しており、製品の品質向上と納期厳守に努めています。これにより、顧客からの信頼を獲得し、短期間での開発が求められる通信業界において、安定した製品供給とサポート体制を構築していると考えられます。
  • 顧客との信頼関係
    大規模な受注が見込める特定顧客に対しては、売買契約締結前でもソフトウェア開発を開始することがあり、顧客との強い信頼関係を築いていることがうかがえます。これにより、市場投入までの時間を短縮し、早期に市場シェアを獲得する戦略を可能にしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 次世代通信技術への対応
    5Gの高速・大容量化、O-RANアライアンスによる基地局のオープン化、さらには6Gに向けた研究開発など、次世代移動体通信技術への対応を最重要課題としています。新製品開発、商材開拓、テスト環境整備、テストサービスによる販路拡大に積極的に取り組む方針です。
  • 海外事業の積極展開
    中期的な成長の鍵として海外事業を重視しており、特にインド、中東などのアジア市場や欧米市場を中心に、5G国内市場での実績を活かした製品・テストサービスの展開を目指しています。開発・サポート体制の整備・拡充が重要課題と認識しています。
  • ソリューション提案力強化
    移動体通信分野への収益依存度が高い現状を改善するため、次世代ネットワーク分野でのソリューション提案力向上を図ります。ネットワーク監視装置やネットワークセキュリティ関連製品の開発・販売、社会インフラ・産業向け製品の商材開拓を通じて、収益源の多角化と事業基盤強化を目指します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針 当社グループは、創業以来、『次世代通信インフラを実現するエキスパート集団』として、通信事業者、通信機器メーカー及びネットワーク・インテグレータ等が行う通信インフラ構築を側面から支援することで、通信サービスの品質向上に貢献してまいりました。 「全社員の成長と幸福を追求すると同時に、お客様、社会の進歩発展に貢献する」を経営理念として掲げ、技術志向型企業として、ユニークな研究開発、タイムリーな製品・サービスの提供を行い、「品質・技術力・創造性でお客様の満足を獲得する」ことを事業の目標としております。(2)目標とする経営指標 安定的な成長・発展の継続を目指す企業であるとの前提に立ち、①中長期的な売上・利益成長、②一定水準以上の利益率の確保、③キャッシュ・フロー重視、以上の3点を達成すべき経営指標として掲げ、企業価値の最大化を目指しております。(3)経営環境及び対処すべき課題 通信サービス及び通信機器関連市場は、中長期的には拡大が見込まれておりますが、短期的には国内外の政治・経済情勢や景気動向に左右されることに加え、通信業界の競争激化を背景に、顧客による設備投資及び研究開発投資の選別姿勢が継続するものと予想しております。 上記の事業環境を踏まえ、更なる成長を目指し、以下の経営課題に取り組んでまいります。① 次世代移動体通信技術への対応 当社グループの中心事業である通信テストソリューション分野では、通信規格の世代交代に伴い、競争環境が大きく変化するものと認識しております。国内外の移動体通信業界では、第5世代移動通信方式(5G)の高度化や通信エリアの拡大、高速化・大容量化及びサービス品質の向上に向けた研究開発及び設備投資が継続しております。また、非地上系ネットワーク(NTN)分野では、衛星通信サービスの展開に加え、HAPS(成層圏通信プラットフォーム)の商用化に向けた研究開発・実証が進められております。基地局分野では、AIを活用してネットワーク性能と運用効率を高めるAI-RANの研究開発が進められており、第6世代移動通信方式(6G)の実現に向けた研究開発及び標準化に関する検討も進展しております。 当社グループは、これらの次世代移動体通信技術への対応を極めて重要な経営課題と認識し、新製品の開発及び商材開拓並びに顧客ニーズに応じたテスト環境の整備を進めてまいります。② 海外事業の展開 海外事業の拡大は、当社グループの中期的な成長を図る上で重要な経営課題と考えております。特に開発及びサポート体制の整備・拡充は、海外事業において新規顧客を獲得し販路を拡大していく上で重要であり、国内の5G市場において実績のある当社グループの製品及びテストサービスを、インド等のアジア市場、中東市場及び欧米市場を中心に、各地域の需要動向や顧客ニーズを見極めながら積極的に展開してまいります。③ 次世代ネットワーク分野のソリューション提案力の向上 固定通信分野では、AIの普及等によるデータトラフィックの増加やクラウドサービスの高度化を背景に、通信インフラの高速化・大容量化やネットワーク処理のソフトウエア化が進められております。また、IOWN(アイオン:Innovative Optical and Wireless Network)構想に基づく研究開発及び社会実装も進展しております。 移動体通信分野を主力とする当社グループにとって、同分野以外の市場での競争力向上は、収益源の安定化と中期的な事業基盤の強化を図る上で欠かせない経営課題と認識しております。従前から取り組んでいる次世代ネットワークソリューションの製品開発及び販売並びに保守サービスを継続するとともに、社会インフラ及び産業向け等の幅広い分野を対象に、次世代ネットワークやネットワーク・セキュリティに対応した関連製品の開発、商材開拓及び販売を積極的に展開し、ソリューション提案力の更なる向上に取り組んでまいります。④ 通信分野における新事業の展開 当社グループは、移動体・固定通信等の通信分野におけるテスト機器を主要な事業領域としてまいりました。当社グループの中期的な成長を継続・促進していくためには、中核的な能力(コア・コンピタンス)を活用した新規事業への取り組みが重要な経営課題であると考えております。今後は通信インフラ機器分野での事業拡大や、ネットワークの仮想化技術に対応した製品開発など、新たな事業領域の開拓に積極的に取り組んでまいります。 ⑤ サービス事業の展開 当社が培ってきたテスト機器の開発やモバイル通信の技術を基盤に、品質保証・テストを軸としたテストサービスの受託、テスト施設の提供、保守サービスの拡充及びコンサルティングなどにより他社との差別化を図り、新分野における付加価値の高いサービスを提供してまいります。 既存事業の拡大と新規事業の創出に取り組むことで、収益の柱として業績に貢献できるビジネスへと成長させるべく、積極的に取り組んでまいります。⑥ 内部管理体制の強化 当社グループは、事業の拡大及び企業価値の向上に向けて、効率的なオペレーション体制の構築と内部管理体制の強化を重要な経営課題と認識し、内部統制及びコンプライアンス体制の充実・強化を図ってまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針 当社グループは、創業以来、『次世代通信インフラを実現するエキスパート集団』として、通信事業者、通信機器メーカー及びネットワーク・インテグレータ等が行う通信インフラ構築を側面から支援することで、通信サービスの品質向上に貢献してまいりました。 「全社員の成長と幸福を追求すると同時に、お客様、社会の進歩発展に貢献する」を経営理念として掲げ、技術志向型企業として、ユニークな研究開発、タイムリーな製品・サービスの提供を行い、「品質・技術力・創造性でお客様の満足を獲得する」ことを事業の目標としております。(2)目標とする経営指標 安定的な成長・発展の継続を目指す企業であるとの前提に立ち、①中長期的な売上・利益成長、②一定水準以上の利益率の確保、③キャッシュ・フロー重視、以上の3点を達成すべき経営指標として掲げ、企業価値の最大化を目指しております。(3)経営環境及び対処すべき課題 通信サービス及び通信機器関連市場は、中長期的には拡大が見込まれておりますが、短期的には国内外の政治・経済情勢や景気動向に左右されることに加え、通信業界の競争激化を背景に、顧客による設備投資及び研究開発投資の選別姿勢が継続するものと予想しております。 上記の事業環境を踏まえ、更なる成長を目指し、以下の経営課題に取り組んでまいります。① 次世代移動体通信技術への対応 当社グループの中心事業である通信テストソリューション分野では、通信規格の世代交代に伴い、競争環境が大きく変化するものと認識しております。国内外の移動体通信業界では、第5世代移動通信方式(5G)の高度化や通信エリアの拡大、高速化・大容量化及びサービス品質の向上に向けた研究開発及び設備投資が継続しております。また、非地上系ネットワーク(NTN)分野では、衛星通信サービスの展開に加え、HAPS(成層圏通信プラットフォーム)の商用化に向けた研究開発・実証が進められております。基地局分野では、AIを活用してネットワーク性能と運用効率を高めるAI-RANの研究開発が進められており、第6世代移動通信方式(6G)の実現に向けた研究開発及び標準化に関する検討も進展しております。 当社グループは、これらの次世代移動体通信技術への対応を極めて重要な経営課題と認識し、新製品の開発及び商材開拓並びに顧客ニーズに応じたテスト環境の整備を進めてまいります。② 海外事業の展開 海外事業の拡大は、当社グループの中期的な成長を図る上で重要な経営課題と考えております。特に開発及びサポート体制の整備・拡充は、海外事業において新規顧客を獲得し販路を拡大していく上で重要であり、国内の5G市場において実績のある当社グループの製品及びテストサービスを、インド等のアジア市場、中東市場及び欧米市場を中心に、各地域の需要動向や顧客ニーズを見極めながら積極的に展開してまいります。③ 次世代ネットワーク分野のソリューション提案力の向上 固定通信分野では、AIの普及等によるデータトラフィックの増加やクラウドサービスの高度化を背景に、通信インフラの高速化・大容量化やネットワーク処理のソフトウエア化が進められております。また、IOWN(アイオン:Innovative Optical and Wireless Network)構想に基づく研究開発及び社会実装も進展しております。 移動体通信分野を主力とする当社グループにとって、同分野以外の市場での競争力向上は、収益源の安定化と中期的な事業基盤の強化を図る上で欠かせない経営課題と認識しております。従前から取り組んでいる次世代ネットワークソリューションの製品開発及び販売並びに保守サービスを継続するとともに、社会インフラ及び産業向け等の幅広い分野を対象に、次世代ネットワークやネットワーク・セキュリティに対応した関連製品の開発、商材開拓及び販売を積極的に展開し、ソリューション提案力の更なる向上に取り組んでまいります。④ 通信分野における新事業の展開 当社グループは、移動体・固定通信等の通信分野におけるテスト機器を主要な事業領域としてまいりました。当社グループの中期的な成長を継続・促進していくためには、中核的な能力(コア・コンピタンス)を活用した新規事業への取り組みが重要な経営課題であると考えております。今後は通信インフラ機器分野での事業拡大や、ネットワークの仮想化技術に対応した製品開発など、新たな事業領域の開拓に積極的に取り組んでまいります。 ⑤ サービス事業の展開 当社が培ってきたテスト機器の開発やモバイル通信の技術を基盤に、品質保証・テストを軸としたテストサービスの受託、テスト施設の提供、保守サービスの拡充及びコンサルティングなどにより他社との差別化を図り、新分野における付加価値の高いサービスを提供してまいります。 既存事業の拡大と新規事業の創出に取り組むことで、収益の柱として業績に貢献できるビジネスへと成長させるべく、積極的に取り組んでまいります。⑥ 内部管理体制の強化 当社グループは、事業の拡大及び企業価値の向上に向けて、効率的なオペレーション体制の構築と内部管理体制の強化を重要な経営課題と認識し、内部統制及びコンプライアンス体制の充実・強化を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況経営成績の状況 国内環境におきましては、継続的な賃上げに伴う雇用・所得環境の改善や、訪日外国人客によるインバウンド需要の拡大が景気を下支えし、日本経済は緩やかな回復基調が続いております。一方で、長引く物価高に伴う個人消費の力強さの欠如に加え、主要国の景気動向や為替相場の変動など、依然として先行きの不透明感が高い状況で推移いたしました。また米国を中心とする保護主義的な貿易政策や関税引き上げの動向がグローバルなサプライチェーン及び世界経済へ及ぼす影響をはじめ、高止まりする原材料・エネルギー価格による継続的なインフレ圧力、さらには中東やウクライナなど国際情勢の緊張緩和が見られない地政学リスク等により、企業経営を取り巻く先行き不透明な状況が続いております。 このような状況の中、移動体通信分野では、世界各国で第5世代移動通信方式(5G)の商用サービスが拡大し、通信の高速化・大容量化やサービス品質向上に向けた研究開発及び設備投資が継続いたしました。2024年9月末時点で、国内の5G契約数は1億229万件に達し、初めて1億件を突破いたしました。一方で、コンシューマー向け市場においては普及を大きく牽引する代表的なサービス(キラーサービス)の創出に至っておらず、初期に提唱されたマルチアングル視聴、高精細映像伝送、AR/VR体験といったサービスは、限定的な利用にとどまっております。 また、自動車をはじめとする様々な分野での5G活用に向けた研究開発や、非地上系ネットワーク(NTN:Non-Terrestrial Network)衛星などを用いた通信サービスが相次いで始まっております。通信事業者におきましては、固定網・移動網の融合による高品質なネットワークの実現などに向けた取り組みが進み、クラウドサービスや5Gサービスの拡大に加え、AIや量子コンピューティングなどの技術が急速に進展しております。これら先端技術とネットワークの融合により、新たな収益機会の創出が期待されております。 一方で、高度化するサイバー攻撃に対する情報セキュリティ強化や、環境保護への貢献も求められています。また、モバイルネットワークの最適化、ネットワークによる消費電力の削減など、AIを活用した通信プラットフォームの創出を目指す「AI-RANアライアンス」が設立されるなど、今後の展開が注目されております。さらに、通信とAI、量子技術等の高度な融合や、2030年代を見据えた「Beyond 5G / 6G」に向けた次世代技術の研究開発・標準化動向への関心が一段と高まっております。 これらの技術や新サービスの導入に伴い、研究開発投資や設備投資の需要が引き続き見込まれる一方で、通信事業者間の競合等によるサービスの低価格化傾向は継続しております。国内外の政治経済状況を見極める必要性から選別的な投資姿勢が続いており、各社の設備投資額は抑制傾向で推移するものと予想されます。 このような状況の中、当社グループでは、主に以下の営業、マーケティング及び研究開発活動を行いました。 (ⅰ) 5G及び次世代通信規格に対応する製品の開発及び販売並びにテストサービスの受託 (ⅱ) 既存ネットワークに対応する製品の保守及びテストサービスの受託 (ⅲ) 欧州、北米、アジア等の海外市場におけるグローバル展開及び製品の市場開拓・販売 (ⅳ) 次世代ネットワーク、AI統合インフラ及びネットワーク・セキュリティ等に対応した製品開発・商材開拓 並びに販売 (ⅴ) ローカル5GやNTN等の新領域における新規事業に向けたマーケティング・実証支援活動等 なお、当社グループは、従来「物販事業」及び「サービス事業」の2区分としていた報告セグメントについて、自社開発資産を多角的に運用するビジネスモデルへの移行及び経営管理体制の統合に伴い、当連結会計年度末より単一セグメントへ変更しております。 以上の結果、当連結会計年度におきましては、売上高は2,499,115千円(前期比6.8%減)となりました。 売上高の内訳につきましては、「製品販売」におきましては、顧客の新規投資減速の影響や国内向け販売が想定を下回ったこと等により1,251,930千円(前期比12.2%減)となり、「リソース提供サービス」におきましては、テストサービス受託や保守サービスの獲得等前年並みの受注を確保したことにより1,247,185千円(前期比0.6%減)と微減となりました。 営業利益につきましては、固定費削減による収益性の改善が進んだこと等により155,476千円(前期比34.0%増)となりました。経常利益につきましては、335,527千円(前期比35.8%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は296,489千円(前期比122.8%増)となりました。 財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末における流動資産は3,476,203千円であり、前連結会計年度末に比べ459,502千円減少いたしました。現金及び預金が480,940千円減少したことが主な要因であります。 当連結会計年度末における固定資産は4,488,974千円であり、前連結会計年度末に比べ24,935千円増加いたしました。有形固定資産が34,487千円、繰延税金資産が38,087千円減少した一方で、投資有価証券が115,152千円増加したことが主な要因であります。(負債) 当連結会計年度末における流動負債は1,170,960千円であり、前連結会計年度末に比べ428,267千円減少いたしました。短期借入金が400,000千円減少したことが主な要因であります。 当連結会計年度末における固定負債は116,789千円であり、前連結会計年度末に比べ123,218千円減少いたしました。社債が60,000千円、長期借入金が54,000千円減少したことが主な要因であります。(純資産) 当連結会計年度末における純資産は6,677,427千円であり、前連結会計年度末に比べ116,919千円増加いたしました。自己株式が99,879千円増加した一方で、利益剰余金が120,898千円、その他有価証券評価差額金が95,312千円増加したことが主な要因であります。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による収入335,744千円、投資活動による支出51,438千円、財務活動による支出818,635千円により、資金残高は1,603,447千円となりました。 各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 税金等調整前当期純利益338,629千円、減価償却費78,549千円、法人税等の支払額25,091千円等があった結果、営業活動によって増加した資金は335,744千円(前連結会計年度は398,846千円の収入)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 定期預金の預入による支出1,641,644千円、定期預金の払戻による収入1,600,000千円等があった結果、投資活動によって減少した資金は51,438千円(前連結会計年度は4,133,408千円の支出)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 短期借入金の減少額400,000千円、自己株式の取得による支出99,879千円、配当金の支払額175,063千円等があった結果、財務活動によって減少した資金は818,635千円(前連結会計年度は594,163千円の支出)となりました。 ③生産、受注及び販売の実績 提出会社に係る生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。a. 生産実績 当社グループは通信関連事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年8月1日至 2026年7月31日)前年同期比(%)通信関連事業(千円)1,905,95888.7 (注)金額は販売価格によっております。 b. 受注実績 当社グループは通信関連事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年8月1日至 2026年7月31日)受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)通信関連事業2,458,402100.7272,36385.6 c. 販売実績 当社グループは通信関連事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年8月1日至 2026年7月31日)前年同期比(%)通信関連事業(千円)2,499,11593.2 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年8月1日至 2025年7月31日)当連結会計年度(自 2025年8月1日至 2026年7月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)1FINITY株式会社--715,30328.6株式会社NTTドコモ786,78929.3622,99424.9富士通株式会社603,72422.5--ソフトバンク株式会社378,92514.1--2.当連結会計年度のソフトバンク株式会社については、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。3.当連結会計年度における主要な顧客である1FINITY株式会社は、前連結会計年度に主要な顧客として開示した富士通株式会社の完全子会社であります。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して会社の財産及び損益の状況を正確に開示するように作成されております。その作成において見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき会計上の見積りを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果とは異なる場合があります。a. 棚卸資産及び有価証券の評価 棚卸資産は原価法(連結貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)を採用しており、陳腐化品及び販売可能性の低い長期滞留品については、必要な評価減を行っております。将来、開発後に売買契約が締結できなかった場合や、顧客から需要が発生せず、受注動向に大きく影響を与える事象が発生した場合は、追加の評価減が発生する可能性があります。 市場価格のない株式等以外のその他有価証券は、時価が取得価額に比べ著しく下落し、50%以上下落したほか、将来の市場悪化、又は投資先の業績の悪化により回復可能性が認められない場合には減損処理を行う可能性があります。b. 繰延税金資産 当社グループでは、繰延税金資産については、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号)に従って過去及び当期の課税所得の推移を考慮して企業分類を判断し、一時差異等の解消年度のスケジューリングを行い、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、一時差異等加減算前課税所得の見積額に基づき回収可能と判断した繰延税金資産を計上しております。 繰延税金資産の見積りの基礎となる一時差異等加減算前課税所得の見積額は事業計画を基礎としており、その重要な仮定は売上高であります。当社グループの主な顧客は通信事業者及び通信機器メーカーの研究開発部門、製造部門等に集中しているため、将来の売上高は、当該顧客の研究開発に関する投資方針や進捗に大きく影響を受けます。このため、将来の売上高の見積りは不確実性が高く、経営者の主観的な判断を伴います。 c. 固定資産の減損 当社グループの保有する固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損処理の要否を検討しております。将来、事業損益見込みの悪化等や、前提とした条件や仮定の変更、受注動向に大きく影響を与える事象が発生した場合は、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失を計上する可能性があります。 ②経営成績の分析(売上高) 当連結会計年度の売上高は、2,499,115千円となり前連結会計年度に比べ181,795千円減少いたしました。事業区分別の売上高の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。(売上総利益) 当連結会計年度の売上総利益は、1,474,964千円となり前連結会計年度に比べ181,717千円減少いたしました。前連結会計年度に対し、顧客の新規投資減速の影響や国内向け販売が想定を下回ったこと等により、売上高が181,795千円減少したことが主な要因であります。(販売費及び一般管理費並びに営業利益) 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、1,319,488千円となり前連結会計年度に比べ221,130千円減少いたしました。主に研究開発費が減少したことに加え、売上高の減少に伴う販売活動にかかる費用の減少やその他の固定費削減に努めたことが主な減少要因であります。 以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、155,476千円となりました。(経常利益/親会社株主に帰属する当期純利益) 当連結会計年度の営業外損益は、主に受取利息及び配当金189,775千円を計上したことにより、経常利益は335,527千円となりました。また、法人税、住民税及び事業税22,930千円、法人税等調整額19,209千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、296,489千円となりました。 ③財政状態の分析a. 資産及び負債・純資産の状況 当連結会計年度における資産及び負債・純資産の状況については「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。b. キャッシュ・フロー 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 ④経営成績に重要な影響を与える要因について 当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しておりますのでご参照ください。 ⑤資本の財源及び資金の流動性 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品開発及びサービス提供のための労務費、外注費、設備費、経費、販売用ハードウエア及び電子部品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用、市場調査及び販促用のマーケティング費用等であります。 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金で賄うことを基本方針としておりますが、大型の設備投資や、長期間で多額な研究開発が継続する場合には、金融機関からの借入及び社債の起債で調達しております。 当連結会計年度におきましては、第5世代(5G)移動体通信規格に対応した新製品の研究開発が継続しております。 以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,603,447千円となり、前連結会計年度末に対し522,728千円減少いたしました。 なお、キャッシュ・フローの状況の詳細につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 ⑥経営者の問題認識と今後の方針について 問題認識等については、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりでありますが、次期における、当社グループの主な取り組みに関しましては、以下のように考えております。(製品販売) 製品販売におきましては、引き続き5Gのフラッグシップ製品となる「DuoSIM-5G」などの製品販売や機能拡張に加え、vRAN基地局やMU-MIMO対応、NTN(非地上系ネットワーク)、ローカル5G向け商材の販売等を見込んでおります。また、ネットワーク監視用途のパケットキャプチャツール「etherExtractor」などの自社プロダクトを展開してきた実績を踏まえ、今後は世界各国の通信機器関連企業との連携を強化してまいります。これにより、自社製品に限らない幅広い測定・評価ソリューションやネットワーク・セキュリティ分野の商材開拓・販売を進めるとともに、AIの活用、開発およびサポート体制の強化を図り、5G向け製品の販売活動を積極的に展開してまいります。(リソース提供サービス) リソース提供サービスにおきましては、当社が培ってきたモバイル通信技術をベースに、試験施設の提供、試験計画の立案、機材を含めた試験環境の構築、試験シナリオの作成、試験の実施、結果の分析およびレポート作成といったテストサービスの受託を推進いたします。あわせて、保守サービスの獲得や、新分野における付加価値の高いサービスの提供に努めてまいります。

事業リスク

  • 特定顧客・業界への集中
    売上が通信事業者や通信機器メーカーの研究開発・製造部門に集中しているため、これらの顧客の経営動向や通信ネットワークの開発進捗、事業展開方針に業績が大きく左右される可能性があります。新規顧客獲得や製品多様化を進めていますが、集中が緩和されない場合は影響を受け続ける可能性があります。
  • 通信新技術開発の影響
    モバイルネットワークソリューション製品は、通信新技術開発の初期段階で採用されることが重要です。競合他社製品が採用された場合、その後の製造・保守部門への受注にも影響が及び、棚卸資産の評価損や固定資産の減損、繰延税金資産の計上額に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 製品の納期遅延・不具合
    技術開発競争が激しい通信業界において、製品の納期遅延や不具合が発生した場合、顧客の開発計画に影響を与え、同社グループおよび製品の評価を大きく損なう可能性があります。また、想定を超える製品保証費用が発生した場合も、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|6,946 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、以下の特別記載事項を慎重に検討した上で、行う必要があると考えられます。① 特定業界及び特定顧客に売上が集中していることについて 当社グループでは、特定顧客の需要の変化に影響を受けない企業体質の構築を図るため、当社製品の多様化を進めるとともに、新規顧客の獲得を積極的に進めておりますが、当社製品の主な顧客が通信事業者及び通信機器メーカーの研究開発部門、製造部門等に集中しているため、その需要は、通信事業者及び通信機器メーカーの経営動向、通信ネットワークの開発進捗及び事業展開の方針に大きく影響を受ける可能性があります。 当社グループといたしましては、より幅広い顧客層を獲得すべく市場開拓を進め、事業を行っていく予定でありますが、この意図に反して、特定顧客、特定事業への集中が緩和されない場合、今後とも特定顧客、業界の業況に強く影響を受ける可能性があります。② 通信新技術開発段階での受注状況が与える影響について 当社グループのモバイルネットワークソリューションの製品は、通信事業者や通信機器メーカーの研究開発部門での新技術開発の初期段階や新規格の制定直後から使用され、その後、その下流に位置する製造部門、保守部門で使用されます。当社グループは、当社製品が最新技術に対応した製品として採用されるべく、通信事業者及び通信機器メーカーの研究開発部門に積極的に働きかけを行いますが、ここで当社製品が採用されなかった場合、すなわち競合他社の製品の採用が決まった場合、研究開発部門と以後の製造部門や保守部門の受注動向に大きく影響を与えることになり、棚卸資産の収益性の低下による簿価切下げ及び固定資産の減損並びに繰延税金資産の計上額に影響を与え、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。③ 当社製品の納期遅延及び不具合による顧客企業の開発計画等への影響について 当社グループは、品質マネジメントシステムISO9001の認証を取得し、製品の品質向上と納期厳守に最善の努力をしておりますが、近年、通信業界における技術開発競争は熾烈を極め、開発期間が数ヶ月という極端に短いプロジェクトもあります。このような状況下において、予定通り開発が完了せず納期遅延を発生させたり、販売後の迅速なサポート体制を敷くものの当社製品の不具合により顧客の開発計画等に影響を発生させた場合、当社グループ及び製品の評価を大きく毀損することとなり、業績に悪影響を与える可能性があります。また、製品引渡後の将来の製品保証に備えるため、個別に見積可能な費用については発生見込額を品質保証引当金として見積計上しておりますが、想定を超える瑕疵に対応するための費用及び損失が発生した場合、当社グループの事業及び業績に悪影響を与える可能性があります。④ 製造中止部品発生等に伴う製造への影響について 近年、電子部品の技術革新が急速であるのに対し、当社グループのハードウェア製品は、3年から7年と比較的、製品寿命が長く、当社製品が出荷途中に採用している電子部品の製造が中止される可能性があります。当社はできるだけ寿命が長く、供給状況が安定した電子部品の採用や入手経路の多様化に努力をしておりますが、仮に当社製品で採用する電子部品が製造中止になった場合、プリント基板の開発及び製造を再度行うことを余儀なくされ、製造計画に遅延が発生し、業績に悪影響を与える可能性があります。また、製品に使用される一部の半導体関連の部品等は特定のサプライヤーに依存しており、これらのサプライヤーに対する需要が過剰な状況となり、当社への供給が遅延等した場合、当社の販売計画に遅延や混乱を引き起こす可能性があります。このような部品等の供給に重大な遅延等があった場合、当社はただちに特定のサプライヤーに代わりうる供給先を確保できない可能性や、ウクライナ問題に端を発した資源価格の高騰、急速な円安による為替の変動もあいまって、合理的な価格で部品等を確保できない可能性があります。このような部品等の供給の遅延等や価格上昇は、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。⑤ 受注見込みに基づくソフトウエア先行開発について 当社グループでは、比較的大規模な受注が見込める特定顧客から開発依頼があった場合、売買契約を締結する以前の状態においても、顧客との信頼関係に基づいて、製品のソフトウエア部分の開発を開始することがあります。これは、できるだけ早く開発を開始し、顧客に早く製品を提供することによって、短期間に市場を獲得するための戦略であります。また、仮に受注が発生しなくても、当該特定顧客内の他部門や他社から需要が発生した場合に、当社グループが著作権を所有し、特に制約を受けることなく販売できるようにするためであります。当社グループでは、現在までこのような場合において、特に大きな問題が発生した例はありませんが、今後、同じような状況において、開発を開始した後に、顧客との信頼関係を損なったことにより、売買契約が締結できなかった場合や他の顧客から需要が発生しなかった場合、棚卸資産の収益性の低下による簿価切下げ及び固定資産の減損並びに繰延税金資産の計上額に影響を与え、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。⑥ 知的財産権について 当社グループでは従来、システムで構成される製品について特許の申請を行っておらず、パッケージソフトウエアで販売する製品を除いては、ソフトウエアについても著作権登録を行っておりませんでした。これは特許の申請により当社グループの技術の公開が行われ、それをもとにした類似の技術が公開されるのを防ぐためであり、ソフトウエアの中核をなす部分は、標準化団体が公開しているプロトコル仕様を通信計測機として利用可能なプロトコルソースコードに書き換えたソフトウエアであり、著作権登録で保護することの重要性が低いと思われるためでありました。しかしながら当社グループが将来にわたり発展し、市場競争において優位な地位を確立・維持するためには、企業秘密やその他の知的財産が適法に守られなければならないとの考えに至り、独自に開発した製品や工程については、国内外において特許等の知的財産権の取得に努めてまいります。なお、秘密保持契約を締結する当事者以外の第三者によって当社グループの企業秘密が不適切に漏洩された場合、もしくは当社グループが取得した特許が他社によって侵害された場合、あるいは当社グループのブランド価値を毀損するような模倣が行われた場合、当社グループの事業及び業績に悪影響を与えるおそれがあります。また、当社グループでは、製品開発等において他社の権利を侵害しないよう注意を払っておりますが、見解の相違等により他社の知的財産権を侵害しているとされた場合には、ライセンス料の支払い、設計変更費用等の発生により、当社グループの事業及び業績に悪影響を与えるおそれがあります。⑦ 内部管理体制について 当社グループは、情報開示に対応できる内部管理体制を保持しておりますが、社内各部門ともに少人数に依存した運用を行っているのが現状であります。この状況を改善するために、人員の採用及び育成並びに相互確認を行っておりますが、充分な管理体制の確立以前に各部門の従業員に業務遂行上の支障が生じた場合や社外流出した場合、代替要員の不在、事務引継手続きの遅延等の理由によって当社グループの管理業務及び株主に対する情報開示業務に支障が生じるおそれがあります。⑧ 人材獲得及び育成等について 当社グループの競争力の源泉である製品の性能及び機能は、開発エンジニアの開発力に大きく依存しております。今後とも継続的な成長を維持するためには、開発エンジニアの新規採用は重要であります。また、営業部門及び管理部門においても優秀な人材が必要となります。したがいまして、今後も人材獲得を経営における最重要課題のひとつと捉え、加えて教育制度の拡充による次世代の当社グループの経営を担う人材の育成のほか、労働安全マネジメントシステムISO45001の認証を取得し、従業員等の労働環境の整備・拡充、経営者との対話への参画の場を設ける等、ワークライフバランスの充実化やダイバーシティの推進を図り、多様な人材が働きがいをもって活躍できる職場環境の実現に努めてまいりますが、これらが計画通りに実現できる保証はありません。当社グループが適正な人材の確保及び育成による定着に失敗し、重要な役割を担う従業員が退職するなどした場合、当社の業務に支障が生じることになります。とりわけ、開発部門の優秀なエンジニアの採用等が計画通り進まない場合、製品開発の進捗に大きな影響を与え、業績に悪影響を与えるおそれがあります。⑨ 海外進出について 当社グループは、現地の事情等に詳しい外国籍人材の登用により、海外市場の開拓と開発・サポート体制の拡充を積極的に進めておりますが、①海外各国、地域における景気変動に伴う需要の縮小、②予期しえない法律及び規制並びに租税制度等の変更、③政治情勢の急変による社会混乱等があった場合、当社グループの業績に悪影響を与えるおそれがあります。また、各国通信事業者の経営動向による次世代通信システムへの移行の遅れやビジネス慣習の違い等、不確定要素が多数存在しており、これらは当社グループの業績に悪影響を与えるおそれがあります。⑩ 新規事業について 現在、当社グループでは、従来からのコアビジネスである通信計測機市場での競争力、ノウハウを活用し、新市場でのプレゼンス構築を行っております。しかしながら、現状では、新市場でのプレゼンスは高くなく、事業上の経験も不足しているうえ、その他の不確定要素の多数の存在は、当社グループの業績に悪影響を与えるおそれがあります。⑪ 製造物責任等について 当社グループでは、電波法等の規制を受ける製品を開発しております。品質保証部門を中心に製品及びサービスの品質確保、法的規制等への適合には細心の注意を払っておりますが、不具合が生じた場合や法的規制等に適合していないことが判明した場合、製品の回収や修理が必要となります。また、製品の欠陥が理由で事故が生じた場合、製造物責任法による損害賠償の請求を受ける可能性があり、リスク低減のための施策を講じておりますが、想定を超える損害を与えることとなった場合、結果として当社グループに対する社会的信用が低下する等、当社グループの事業及び業績に悪影響を与えるおそれがあります。⑫ 環境規制等について 当社グループの事業は、有害物質の使用及び取り扱い、廃棄物処理、製品含有化学物質、製品リサイクル並びに地球温暖化防止等を目的とした様々な環境法令の適用を受けています。また、当社グループは、過去、現在及び将来の開発・製造活動に関し、環境責任を負うリスクを抱えております。当社グループでは、環境マネジメントシステムISO14001の認証を取得し、品質・環境・安全方針に従って日常的な点検や環境監査によるリスク評価と対策を実施するなど、法令及び政府当局の指針等の遵守に努めていますが、将来、ますます厳格化していく環境規制の遵守や、有害物質等を除去する義務に関する費用が発生する場合、当社グループの事業及び業績に悪影響を与えるおそれがあります。⑬ 情報管理について 当社グループでは、製品の販売、サポート等を通じて個人情報、その他事業に関する営業秘密を保持しております。当社グループでは、取得した個人情報等の外部漏洩を防止するため、情報管理に細心の注意を払っておりますが、個人情報等の漏洩が生じた場合、法令違反、取引先企業との守秘義務違反を引き起こす可能性があります。こうした事態が発生した場合、損害賠償請求や当社グループに対する社会的信用の低下等により、当社グループの事業及び業績に悪影響を与えるおそれがあります。⑭ コンプライアンスについて 当社グループでは、「人間として何が正しいか」を物事の判断基準とする経営哲学「アルチザフィロソフィ」をベースにコンプライアンスの徹底に努めています。また、社外の専門家等の協力を得ながら内部通報制度の運用をしており、従業員等からの通報が様々な経路により経営者に届く仕組みとしております。しかしながら、このような徹底が十分されず、また、制度が機能せずに法令違反や社会規範に反した行動が発生した場合、社会的信用の失墜による顧客からの取引停止、罰則金の支払、損害賠償請求等を受ける可能性があります。こうした事態が発生した場合、当社グループの事業及び業績に悪影響を与えるおそれがあります。⑮ 大規模災害等の事業継続に影響を及ぼす事象のリスクについて 当社グループ及び当社グループの取引先の事業拠点が地震、洪水、火災等の災害及び感染症並びに戦争・テロ等により物的・人的被害を受けた場合や社会インフラに著しい被害が生じた場合、開発、製造、調達、物流等の機能が停止する可能性があり、当社グループの事業継続及び業績に悪影響を与えるおそれがあります。⑯ 金利、為替及び時価の変動について 当社グループは、外貨建取引から発生する為替変動の影響があります。外貨預金、売掛金、買掛金などが円換算されますが、昨今の急速な為替相場の変動により、今後、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは、有価証券及び投資有価証券を保有しており、信用リスク、金利動向、為替市場動向、株式市場動向により時価評価額が低下し損失が発生する可能性があり、結果として当社グループの経営成績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。⑰ 繰延税金資産に関するリスクについて 当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しています。仮に将来の市場環境や経営成績の悪化により将来の課税所得が見込みを下回る場合は、繰延税金資産の金額が大きく変動する場合があり、当社グループの経営成績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑱ 退職給付制度に対する追加的な資金拠出のリスクについて 当社では、確定給付企業年金制度を導入しております。確定給付企業年金制度における年金資産の時価が大きく変動した場合、または年金債務計算に使用される割引率や死亡率等が大きく変動した場合には、当社の退職給付制度に対する追加的な資金拠出が必要となる可能性があります。当社では、従業員に対して適切な退職給付制度を提供するとともに、追加的な資金拠出が必要となるリスクを低減するため、退職給付債務について定期的に見直しを行うこととしております。しかしながら、こうした対応によって、将来における当社の年金制度に対する資金拠出増加のリスクを完全に除去できない可能性があります。⑲ 配当政策について 当社グループは、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要項目の一つと位置付けており、内部留保の充実と企業体質の強化を図りながら、業績や財務状況、将来の事業展開などを総合的に勘案しながら配当を実施していくことを基本方針としております。 今後につきましては、業績の更なる向上を目指し、財務体質の強化を図り、財政状態及び経営成績のバランスを考慮しながら配当を実施していく所存ですが、市場の急変や事業計画の大幅な見直し等により、当社グループの業績が悪化した場合には、継続的に配当の実施を行えない可能性があります。 当社グループは本項前述に記載のとおりの事象または状況が存在しているものと認識しております。当社グループでは、これらの事象等を解消すべく、製品・サービスの品質向上及び収益源の多角化による中長期的な成長と安定性の確保を図ることを目的として、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境及び対処すべき課題」に記載の事業領域への経営資源の戦略的な選択と集中を行っております。これらを進めていくに当たっては、施設・設備の増強、優秀な人材の獲得及び育成並びにその定着に向けた待遇改善等に十分な経営資源の確保と対策を講じつつ、内部留保の充実に加え金融機関からの長期・短期の借入れ等を実施するとともに、一層の財務基盤の整備・拡充に努めてまいります。

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