事業の概要
- ウォーターヘルスケア事業電解水素水整水器の製造販売が主力事業です。整水器本体だけでなく、定期的に交換が必要な浄水カートリッジの販売も安定した収益源となっています。この事業は、人々の健康意識の高まりや水の安全性への関心増加を背景に成長しています。
- ボトルドウォーター事業インドネシア市場を中心に、安全でおいしいアルカリ性のボトルドウォーター「Pristine(プリスティン)」の製造販売も行っています。人口増加と経済成長が進むインドネシアで、健康志向の消費者に向けた高付加価値な水を提供しています。
- 医療関連事業再生医療・細胞治療を目的とした細胞の処理・保管を行う細胞バンク事業と、電解水透析用機器の販売が主な内容です。次世代の医療技術に貢献することで、将来的な収益の柱を構築することを目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- ウォーターヘルスケア事業電解水素水整水器の製造販売、浄水カートリッジの販売、インドネシアでのボトルドウォーター事業が中心です。連結売上高の約87.5%を占める主力事業で、売上高195.66億円、営業利益28.96億円と最も大きな収益源です。
- 医療関連事業細胞バンク事業(再生医療・細胞治療のための細胞処理・保管)、医薬研究用機器・医療関連機器の製造販売、電解水透析用機器の販売を行っています。売上高28.98億円、営業利益3.90億円で、将来の成長を担う事業として育成中です。
- 事業構成と成長戦略ウォーターヘルスケア事業が現在の稼ぎ頭ですが、医療関連事業を強化することで、事業ポートフォリオの多様化と収益基盤の安定化を目指しています。中期経営計画では、2028年3月期に連結売上高310億円を目標としています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| WaterHealthCare | 事業 | 196 | 29 | 14.8% |
| MedicalRelated | 事業 | 29 | 4 | 13.5% |
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3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社日本トリム)、連結子会社7社及び持分法適用関連会社4社の計12社により構成されており、電解水素水整水器等を中心とした機器の製造販売、ボトルドウォーターの製造販売を行うウォーターヘルスケア事業及び再生医療・細胞治療を目的とした周産期組織由来の細胞の処理及び保管、電解水透析用機器の販売等を行う医療関連事業を主な事業として取り組んでおります。 (1)ウォーターヘルスケア事業(当社)株式会社日本トリム電解水素水整水器等を中心とした健康機器販売及びそれに関連する附属品等の販売。(連結子会社4社)株式会社トリムエレクトリックマシナリー電解水素水整水器等の製造。株式会社トリムライフサポート電解水素水整水器の取付及びアフターサービス。広州多寧健康科技有限公司電解水素水整水器等の輸入販売。PT.SUPER WAHANA TEHNOボトルドウォーターの製造及び販売。(持分法適用関連会社2社)多寧生技股份有限公司電解水素水整水器等の輸入販売。株式会社南国市産業振興機構高知県南国市の観光農園等の運営をする株式会社西島園芸団地の再生を目的とする持株会社。 (2)医療関連事業(連結子会社3社)株式会社ステムセル研究所細胞バンク事業。ストレックス株式会社医薬研究用機器・医療関連機器の製造販売。株式会社トリムメディカルインスティテュート電解水透析用機器の販売。(持分法適用関連会社2社)漢琨國際控股有限公司中国での医療事業の運営管理。日中医療開発株式会社中国での医療事業に関する専門職の派遣。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 医薬品医療機器等法(薬機法)や再生医療等安全性確保法による許認可が必要 |
|---|---|
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:電解水素水整水器関連事業への高い依存度 / 対面販売チャネルへの依存 / 原材料及び部品の調達リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
日本トリムは、電解水素関連機器の製造販売を主軸としており、特定の強力なブランド認知や特許、規制ライセンスによる独占的な優位性は現時点では確認できない。競合他社も同様の技術開発を進めている。
スイッチングコスト★★☆☆☆
電解水素水の生成器は、一度購入すると、その機器に慣れたり、関連する消耗品(フィルター等)の使用を継続したりするため、一定のスイッチングコストが発生する可能性がある。しかし、代替製品への乗り換え障壁はそれほど高くない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社の事業モデルは、ユーザー数の増加が製品やサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果を生み出す構造ではない。個々の顧客の利用が他の顧客の体験に影響を与える要素は限定的である。
コスト優位★☆☆☆☆
電解水素関連機器の製造において、他社と比較して構造的に著しく低いコストを実現しているという明確な証拠はない。規模の経済によるコスト削減効果も限定的と考えられる。
規模の経済★☆☆☆☆
電解水素関連機器市場は、まだ成熟しておらず、日本トリムが業界規模に対して最適化された少数寡占を形成しているとは言えない。市場シェアや生産規模において、圧倒的な優位性を持つ段階ではない。
- 科学的エビデンスに基づく製品30年以上にわたる産官学共同研究により、電解水素水整水器の「胃腸症状の改善」効果を裏付ける科学的根拠を多数発表しています。これにより、製品への信頼性が高まり、競合との差別化を図っています。
- 安定した消耗品収益電解水素水整水器のユーザーが増えるほど、定期的に交換が必要な浄水カートリッジの販売が安定したストックビジネスとして収益に貢献します。現在のユーザー約85万件を200万件に拡大することで、年間約160億円の売上を目指しています。
- 医療分野への展開ウォーターヘルスケア事業で培った「水」と「健康」に関する知見を活かし、電解水透析や細胞バンクといった医療関連事業に進出しています。これにより、事業ポートフォリオを多様化し、将来的な成長ドライバーを育成しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- グローバルメディカルカンパニーへの飛躍企業理念「快適で健康なヒューマンライフの創造に貢献する」のもと、健康・医療をメインテーマに事業を展開し、世界的な医療関連企業を目指しています。ESGやSDGsを意識した経営を推進し、持続可能な社会の実現に貢献します。
- 医療関連事業の強化現在の主力であるウォーターヘルスケア事業に加え、医療関連事業を新たな収益の柱として構築することを目指しています。電解水透析や再生医療関連事業を拡充することで、収益基盤を強化し、メディカルカンパニーとしてのブランド力を高めます。
- 科学的エビデンスの追求と研究開発既存ビジネスの拡大と新たな事業シーズの発掘のため、国内外の研究機関と連携し、基礎研究から臨床研究まで幅広い研究開発を継続します。これにより、製品やサービスの信頼性を高め、競争優位性を確立します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、“快適で健康なヒューマンライフの創造に貢献する”という企業理念のもと、健康・医療をメインテーマに事業を展開し、グローバルなメディカルカンパニーへと飛躍することを目指しております。当社グループは、「社会は何時の時代も我々の製品を必要としている。」をスローガンに、ESG、SDGsを意識した経営を推進し、人々のWell-beingの実現、サステナブルな社会の創造に貢献してまいります。 当社グループの事業は、ウォーターヘルスケア事業と医療関連事業からなり、現在、ウォーターヘルスケア事業が連結売上高の87.5%を占めておりますが、今後、医療関連事業を新たな事業軸の一つとして構築していくことを目指しております。電解水透析事業や再生医療関連事業を展開する医療関連事業を拡充することにより、グループの収益基盤が強化されるだけでなく、当社グループをメディカルカンパニーとしてブランディングすることで、整水器販売を中心とするウォーターヘルスケア事業への大きな波及効果を得ることができると考えております。ヘルスケア、医療に関連する当社グループ事業の成長には、科学的エビデンスによる裏付けが不可欠です。これまで30年以上にわたり産官学共同研究を実施し、その成果を国際学術誌に論文として多数発表してまいりました。今後も、国内外の研究機関と連携し、既存ビジネスの拡大とともに新たな事業シーズの発掘を目的に、基礎研究から臨床研究まで幅広い研究開発を実施してまいります。資本政策につきましては、「資本効率性」、「株主還元」、「財務健全性」をバランス良く実現し、株主価値の持続的向上を目指すことを基本方針としております。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、効率的で筋肉質な経営を目指しております。資本効率性につきましてはROE10%以上を、収益効率性につきましては連結売上高経常利益率20%以上を目標指標としております。業績向上、事業領域拡大の基礎となる人的投資・研究開発活動などにも積極的に投資することで、中長期的な企業価値向上を目指してまいります。 (3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略当期におけるわが国経済は、企業収益の改善や雇用・所得環境の改善、またインバウンド消費などにより緩やかな回復傾向となりました。一方、米国の関税・通商政策の影響や地政学リスクの高まり、また中東情勢に起因する原材料価格の高騰、物流停滞などにより、世界経済の先行きには不透明な状況が続いております。このような環境のもと、当社グループにおきましては、2026年3月期は売上高が24,159百万円と過去最高を更新いたしました。世間の健康志向のさらなる高まりや、有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)による水質汚染問題からの水の安全性に対する意識の高まり、脱炭素・SDGsへの意識の高まりといった社会的趨勢は、当社グループにとって追い風となります。当社グループは、2021年3月期を転換点とした成長路線に入っており、引き続き過去最高収益を更新できるものと考えております。製造におきましては、今後、中東情勢等に起因する仕入コストの上昇リスクや調達の遅延など更なる厳しい環境が想定されますが、新たな部材調達先の確保など先行して対策を講じており、強いサプライチェーンの構築と経営基盤の強化へと繋げてまいります。当社グループは、2028年3月期連結売上高310億円を目標とする中期経営計画を策定しており、達成に向け下記の戦略のもと実現してまいります。 ①ウォーターヘルスケア事業当社の電解水素水整水器は、アルカリ性で抗酸化性のある水素を含有した電解水素水を生成し、「胃腸症状の改善」に効果が認められた、厚生労働省所管の管理医療機器です。また、電解水素水は胃腸症状の改善だけでなく、含有する水素の抗酸化性による健康保持、増進、疾病予防への効果も期待されており、当社では30年以上にわたりさまざまな大学、研究機関と産官学共同研究を実施し、その成果を国際学術誌で論文発表してまいりました。整水器の需要は、以下の理由から今後高まっていくと考えております。・腸活ブーム腸内フローラを始め、腸の健康状態とさまざまな疾病との関連が科学的に解明されており、腸の健康への関心が高まっています。テレビや女性誌等のメディアで多くの特集が組まれています。・水素の効果水素ガスを使用した治療法が厚生労働省で先進医療として認可された例や、水素を含有するゼリーが機能性表示食品として消費者庁に受理された例など、公的に水素の効果が認められる事例が出てきており、水素の効果に対する消費者の理解、期待も大きくなっていくことが見込まれます。・有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)問題永遠の化学物質といわれるPFOS・PFOAによる河川、地下水の汚染問題が連日のようにメディア等で広く報道されており、消費者の水の安全性に対する意識が高まっています。当社整水器に内蔵されている浄水カートリッジは、PFOS・PFOAを除去可能です。・拡大する水市場ボトルドウォーター、ウォーターサーバー市場が拡大しており、水にコストをかける層が広がっています。整水器は、ボトルドウォーター、ウォーターサーバーと比較して医療効果、コスト、環境面でメリットがあり、整水器事業にとっては潜在顧客層が拡大していると考えられます。・脱炭素、SDGs機器を使用することでペットボトルの使用量を削減でき、脱炭素、SDGsに寄与することができます。 当社は、健康寿命の延伸、医療費の削減には「予防」が最も重要との考えから、その一助として「ウォーターヘルスケアという、新習慣。」を提唱しております。これは「健康長寿社会の実現」を掲げ、厚生労働省、経済産業省が「健康経営®」を推奨するなど、健康保持・増進に向けた社会的要請や国の施策の方向性にも合致するものです。現在、健康経営を切り口として、企業への一括導入に注力しております。また、導入企業の従業員への展開を進めてまいります。その他、新しい販路としてスポーツ分野、美容分野に加え、金融機関等の開拓にも注力しており、上記のような情勢を背景に、電解水素水整水器のユーザー数を現在の約85万件から200万件規模に拡大することを目指しております。これにより、消耗品である浄水カートリッジ販売がストックビジネスとして安定した収益基盤となります。仮に200万件のユーザー数を実現し、その80%が浄水カートリッジを購入した場合、売上高は年間約16,000百万円となります。その早期実現のため、価格帯も含めてより普及しやすい商品の開発、認知向上を目的とした広報施策など、中長期的視野に立った俯瞰的な対策を講じてまいります。 海外事業では、インドネシアにおいて、日本の技術で生成した安全で美味しいアルカリ性の水をコンセプトとする「Pristine(プリスティン)」ブランドのボトルドウォーター事業を展開しております。インドネシアは世界第4位の人口を有し、現在も人口増加が続いていることから、ボトルドウォーター市場は今後も拡大が見込まれております。また、経済成長に伴う中間所得層の増加により、消費行動も量から質を重視する方向へと変化しており、健康や安全な飲料水への意識も高まっております。当社は、このような市場環境のもと、「健康に良い水」という付加価値を強みとして、まずは積極的な販売拡大により市場シェアの拡大を図ることを基本方針としております。TVCMやSNS等を活用した広告宣伝や大規模イベントの実施など、ブランド認知度向上に向けたマーケティング活動を積極的に推進しており、引き続き販売拡大に向けた取り組みを強化してまいります。また、ジャワ島外への展開地域拡大も推進してまいります。一方、販売拡大に対応するため新工場の建設を進めており、2027年度中の稼働を目標としております。これにより生産体制を強化し、安定供給の実現及び生産効率の向上を図ってまいります。 ②医療関連事業電解水透析は、これまで透析液原液の成分(溶質)ばかりに主眼が置かれていた透析治療に、溶媒である「水」そのものに世界で初めて着目した次世代新規治療法です。透析患者のQOL向上とともに病院経営にも収益面で寄与することが期待されております。2018年7月に厚生労働省から提出された腎疾患対策検討会報告書において、CKD(慢性腎臓病)重症化予防を徹底するとともに、CKD患者(透析患者及び腎移植患者を含む)のQOL(生活の質)の維持向上を図ることが基本方針として掲げられました。電解水透析は、これまでの研究で多くの透析患者が最も苦しんでいる疲労感を抑制することが報告されております。疲労感の抑制は、透析患者の家庭復帰や社会復帰に繋がり、まさにQOL改善、Well-beingの実現に寄与するものであり、上記方針に沿うものです。一方、日本国内の透析患者数は、2022年度から減少傾向へと移行しました。今後、透析治療を実施している医療施設は、患者数の維持、確保のための競争力が問われる時代となることが見込まれます。そのような環境のもと、電解水透析は他施設との差別化を図る役割としても期待されております。現在、全国展開する大手病院グループの基幹病院や地域で主導的立場の病院への導入を進めており、それらを起点に更に普及を促進してまいります。また、電解水透析の普及促進には、システムの小型化やメンテナンス性の向上、コストも重要な要素です。今後、より普及を促進することを目指し、医療機器化も視野にさらなる改良、開発に取り組んでおります。まずは、国内約4,500施設の約7%、300施設への設置を目指します。また、国内にとどまらずグローバルスタンダードへの発展を目指します。 再生医療関連事業では、ステムセル研究所が、再生医療・細胞治療を目的とした「さい帯血」や「さい帯」等の周産期組織由来の細胞バンク事業を展開しております。また、保管した細胞を活用した新たな治療法や再生医療等製品の開発に加え、再生医療・不妊治療・出産・子育て等の領域における事業開発・投資にも取り組んでおります。同社は、国内のさい帯血保管総数の約99%のシェアを占める国内最大手の民間さい帯血バンクです。従来の「さい帯血」や「さい帯」の保管サービスのほか、「さい帯」を保管されるご家族向けに、組織の再生を促す成長因子や細胞間の情報伝達物質(エクソソーム)等を含む培養上清液を作成するサービスも提供しており、細胞の保管意義の更なる向上を図っております。一方、国内の年間出生数は年々漸減傾向にあり、中長期の持続的成長のためには海外での事業構築が必要と考えております。そのため同社においては、国内市場における細胞バンク事業の安定的な成長と、シンガポールを起点とした東南アジア市場の開拓を成長戦略の二本柱と位置付け、中長期的な事業拡大を推進してまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、以下のテーマを課題とし、その対策に取り組んでおります。また、SDGsの取り組みとも連携し、持続的成長、企業価値向上を実現してまいります。①ウォーターヘルスケア事業整水器関連事業につきましては、現在の約85万件の整水器アクティブユーザー数を200万件とすることを目指しております。ユーザー数拡大の早期実現のためには販売力を強化し、整水器市場を拡大させることが最も重要であると考えております。職域販売におきましては、「セミナー数×1セミナーあたりの販売台数」が実績の基本的な要素となり、セミナー数の増加及び1セミナーあたりの販売台数の向上が業績拡大のための課題となります。セミナーにつきましては、代理店からの紹介をもとにした展開に加え、スポーツ分野、美容分野、金融機関等を通じた販路拡大に注力しており、一定の成果が表れております。1セミナーあたりの販売台数につきましては、営業トークを随時ブラッシュアップするとともに、営業ツールの見直し等、営業力の強化に取り組んでおります。また、今後の業容拡大に備え、営業人員の増員にも取り組んでおります。卸・OEM部門では、成長余地が特に大きな海外取引の新規開拓に注力しておりますが、展開を更に大きく進めるためには、製品の海外での安全認証取得が不可欠なことから、その対応を進めております。WEBマーケティングにも引き続き注力してまいります。適正な顧客獲得単価(CPA)を維持しながら業績を伸長させるため、自社メディアの強化及び資料請求からの購買率の向上を課題として取り組んでおります。また、電解水素水、整水器の認知や理解向上にも寄与するものであり、既存の販売チャネルとのシナジーを念頭に、全体最適化を追求しております。 生産面においては、以前より仕入調達コストは上昇傾向にありましたが、中東情勢等に起因し、更なる上昇や調達遅延などが発生する恐れがあります。代替部品の確保等の対策は講じておりますが、今後も仕入先との連携を密にし、安定的な生産体制の維持に努めてまいります。インドネシアでのボトルドウォーター事業につきましては、ミネラルウォーター市場に占めるアルカリ水の市場割合を拡大させることが重要であると考えております。将来の飛躍的成長に向けて、TVCMやSNS等を活用した広告宣伝や大規模イベントの実施など、マーケティングへの先行投資を継続しております。ペットボトル販売ではジャワ島外へ展開地域拡大を進めるとともに、ガロン宅配では、ジャカルタ市内を中心に専属のディストリビューターを増やし、より地域に密着した販売体制の構築に取り組んでおります。また、販売拡大に対応するための新工場の建設を進めており、安定供給体制の構築及び生産効率の向上に取り組んでおります。 ②医療関連事業電解水透析事業につきましては、メイン商材である多人数用電解水透析システムの導入は、施設にとって設備投資となります。通常、透析用水作製装置は10年以上使用されることが多く、電解水透析システムの導入タイミングは、施設の新設時か経年劣化による装置の入替え時となり、時機を逸すると次の営業機会までのスパンが長くなります。より多くの商機を確保するため、透析学会以外にも腎臓関連の学会、各地の臨床工学技士会でのセミナー展開など活動域を拡大するとともに、代理店との連携強化により新規案件の開拓に注力しております。また、電解水透析システムをより多くの施設に導入いただくには、水の質、安定性はもちろん、システムの小型化やメンテナンス性の向上、コストも重要な要素です。今後、より普及を促進することを目指し、医療機器化も視野にさらなる改良、開発に取り組んでおります。細胞バンク事業につきましては、国内ではさい帯血、さい帯の保管率は約1%と、諸外国に比べて低く、例えばシンガポールでは約20%、韓国では約7%の水準と言われており、日本においては保管率向上の余地は十分にあると認識しております。一方で出生数が漸減している中、中長期的な成長のためには海外進出が必要と考えており、国内事業基盤の強化に加えて海外展開の推進が不可欠となっております。そのため、国内事業基盤の強化、海外展開の推進、臨床応用・利用拡大の3点を重点課題として位置付けております。まず国内事業基盤の強化のため、将来的には現在の約2.5倍にあたる年間保管検体数20,000検体(国内出生数の約3%)をめざしております。この目標に向け、医療機関との連携の一層の強化、WEB・SNSを活用したオンラインマーケティング、リアルイベントの全国展開等を推進してまいります。さらに保管料5年分無料キャンペーンなどの販促施策を期間限定で実施し、資料請求数及び成約率の向上を図ってまいります。また、基幹システムの老朽化対応及び業務効率化のため、かねてより準備を進めてきたシステムのリプレースを2027年3月期に実施する予定です。次に海外展開の推進として、シンガポールに現地法人「STEMCELL INNOVATIONS PTE. LTD.」を2024年11月に設立し、2027年3月期半ばの稼働開始に向けた準備を進めております。2026年6月には細胞処理センター、細胞保管センターが完成し、事業基盤の整備が最終段階に入っております。今後は、まずシンガポール及びインドネシア・ジャカルタ近郊を中心にマーケティング活動を本格化させるとともに、中期的には東南アジア全域への展開を進めてまいります。最先端設備と日本品質による安全性・信頼性を強みに、シンガポールを起点として、東南アジア地域において存在感のあるプレイヤーとなることを目指してまいります。最後に、臨床応用・利用拡大として、大阪公立大学及び高知大学におけるさい帯血を用いた臨床研究、米国デューク大学による脳性麻痺児等へのさい帯血投与プログラムへの支援や、大学等との共同・協力による先進的な研究開発・臨床研究にも継続的に取り組んでおります。具体的には、国際医療福祉大学医学部眼科学教室及び医療法人社団栄和会と共同で、さい帯間葉系細胞由来培養上清を用いた新たな眼疾患治療の開発を進めております。さらに、医療機関と連携し、さい帯・さい帯血を利用した第二種再生医療等提供計画の具体化に向けた取り組みも推進しております。加えて、株式会社iPSポータルと共同で、自家さい帯血由来iPS細胞の製造・保管サービスの実用化に向けた検討を進めるほか、さい帯由来培養上清液の美容・自由診療領域での利用拡大にも取り組み、保管細胞の活用機会拡大を図ってまいります。これらの研究開発の進展により、保管した細胞の活用領域は今後さらに拡大していくものと考えております。従来、さい帯・さい帯血保管は「万一の場合に備えた将来への備え」として認識される側面がありましたが、今後は再生医療や自由診療等における具体的な活用を前提とした保管ニーズへと変化していくことが期待され、これに伴い保管需要のさらなる拡大を見込んでおります。 ③新規事業当社グループが持続的に成長していくためには、現在の主軸事業である整水器関連事業の他に、新たな事業軸を構築することが必要であると考えております。その一つとして最も注力しております医療関連事業の他、農業分野や工業分野でも電解水素水による新規事業の創出を目的とした研究開発に取り組んでおります。いずれも非常に大きな将来性がある分野です。今後も、グループ全体のシナジーを念頭に、将来性の見込める新規事業に対して先行投資を実施してまいります。 ④サステナビリティ当社グループでは、5つの重要領域(健康・医療、環境、ひと、社会、サプライチェーン)における9つのマテリアリティ(重要課題)を特定しております。企業活動を通じて、社会課題を解決していくべく鋭意取り組んでまいります。・健康寿命の延伸への貢献・新しい医療(治療法・サービス)の開発・地球温暖化対策への対応・環境対策(循環型社会の構築)への貢献・ダイバーシティ&インクルージョンの推進・働き方改革の実施・地域社会との共存・農業分野への貢献・持続可能な調達の実施 ⑤人財当社グループが持続的な成長を実現するためには、多様な人財の登用、育成が必要です。中でも、女性の活躍は不可欠であると考えており、マテリアリティでもありますダイバーシティ&インクルージョンに取り組んでまいります。また、社員の生産性の向上や健全な労働環境づくりを目的に、代表取締役を責任者とした体制で「健康経営」を推進するなど、働き方改革にも取り組んでまいります。 ⑥ガバナンス当社グループが持続的な企業価値向上を実現するためには、経営の健全性、公正性及び透明性を高くすることが重要であると考えており、コーポレート・ガバナンスが適切に機能するための体制強化を図ってまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、“快適で健康なヒューマンライフの創造に貢献する”という企業理念のもと、健康・医療をメインテーマに事業を展開し、グローバルなメディカルカンパニーへと飛躍することを目指しております。当社グループは、「社会は何時の時代も我々の製品を必要としている。」をスローガンに、ESG、SDGsを意識した経営を推進し、人々のWell-beingの実現、サステナブルな社会の創造に貢献してまいります。 当社グループの事業は、ウォーターヘルスケア事業と医療関連事業からなり、現在、ウォーターヘルスケア事業が連結売上高の87.5%を占めておりますが、今後、医療関連事業を新たな事業軸の一つとして構築していくことを目指しております。電解水透析事業や再生医療関連事業を展開する医療関連事業を拡充することにより、グループの収益基盤が強化されるだけでなく、当社グループをメディカルカンパニーとしてブランディングすることで、整水器販売を中心とするウォーターヘルスケア事業への大きな波及効果を得ることができると考えております。ヘルスケア、医療に関連する当社グループ事業の成長には、科学的エビデンスによる裏付けが不可欠です。これまで30年以上にわたり産官学共同研究を実施し、その成果を国際学術誌に論文として多数発表してまいりました。今後も、国内外の研究機関と連携し、既存ビジネスの拡大とともに新たな事業シーズの発掘を目的に、基礎研究から臨床研究まで幅広い研究開発を実施してまいります。資本政策につきましては、「資本効率性」、「株主還元」、「財務健全性」をバランス良く実現し、株主価値の持続的向上を目指すことを基本方針としております。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、効率的で筋肉質な経営を目指しております。資本効率性につきましてはROE10%以上を、収益効率性につきましては連結売上高経常利益率20%以上を目標指標としております。業績向上、事業領域拡大の基礎となる人的投資・研究開発活動などにも積極的に投資することで、中長期的な企業価値向上を目指してまいります。 (3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略当期におけるわが国経済は、企業収益の改善や雇用・所得環境の改善、またインバウンド消費などにより緩やかな回復傾向となりました。一方、米国の関税・通商政策の影響や地政学リスクの高まり、また中東情勢に起因する原材料価格の高騰、物流停滞などにより、世界経済の先行きには不透明な状況が続いております。このような環境のもと、当社グループにおきましては、2026年3月期は売上高が24,159百万円と過去最高を更新いたしました。世間の健康志向のさらなる高まりや、有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)による水質汚染問題からの水の安全性に対する意識の高まり、脱炭素・SDGsへの意識の高まりといった社会的趨勢は、当社グループにとって追い風となります。当社グループは、2021年3月期を転換点とした成長路線に入っており、引き続き過去最高収益を更新できるものと考えております。製造におきましては、今後、中東情勢等に起因する仕入コストの上昇リスクや調達の遅延など更なる厳しい環境が想定されますが、新たな部材調達先の確保など先行して対策を講じており、強いサプライチェーンの構築と経営基盤の強化へと繋げてまいります。当社グループは、2028年3月期連結売上高310億円を目標とする中期経営計画を策定しており、達成に向け下記の戦略のもと実現してまいります。 ①ウォーターヘルスケア事業当社の電解水素水整水器は、アルカリ性で抗酸化性のある水素を含有した電解水素水を生成し、「胃腸症状の改善」に効果が認められた、厚生労働省所管の管理医療機器です。また、電解水素水は胃腸症状の改善だけでなく、含有する水素の抗酸化性による健康保持、増進、疾病予防への効果も期待されており、当社では30年以上にわたりさまざまな大学、研究機関と産官学共同研究を実施し、その成果を国際学術誌で論文発表してまいりました。整水器の需要は、以下の理由から今後高まっていくと考えております。・腸活ブーム腸内フローラを始め、腸の健康状態とさまざまな疾病との関連が科学的に解明されており、腸の健康への関心が高まっています。テレビや女性誌等のメディアで多くの特集が組まれています。・水素の効果水素ガスを使用した治療法が厚生労働省で先進医療として認可された例や、水素を含有するゼリーが機能性表示食品として消費者庁に受理された例など、公的に水素の効果が認められる事例が出てきており、水素の効果に対する消費者の理解、期待も大きくなっていくことが見込まれます。・有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)問題永遠の化学物質といわれるPFOS・PFOAによる河川、地下水の汚染問題が連日のようにメディア等で広く報道されており、消費者の水の安全性に対する意識が高まっています。当社整水器に内蔵されている浄水カートリッジは、PFOS・PFOAを除去可能です。・拡大する水市場ボトルドウォーター、ウォーターサーバー市場が拡大しており、水にコストをかける層が広がっています。整水器は、ボトルドウォーター、ウォーターサーバーと比較して医療効果、コスト、環境面でメリットがあり、整水器事業にとっては潜在顧客層が拡大していると考えられます。・脱炭素、SDGs機器を使用することでペットボトルの使用量を削減でき、脱炭素、SDGsに寄与することができます。 当社は、健康寿命の延伸、医療費の削減には「予防」が最も重要との考えから、その一助として「ウォーターヘルスケアという、新習慣。」を提唱しております。これは「健康長寿社会の実現」を掲げ、厚生労働省、経済産業省が「健康経営®」を推奨するなど、健康保持・増進に向けた社会的要請や国の施策の方向性にも合致するものです。現在、健康経営を切り口として、企業への一括導入に注力しております。また、導入企業の従業員への展開を進めてまいります。その他、新しい販路としてスポーツ分野、美容分野に加え、金融機関等の開拓にも注力しており、上記のような情勢を背景に、電解水素水整水器のユーザー数を現在の約85万件から200万件規模に拡大することを目指しております。これにより、消耗品である浄水カートリッジ販売がストックビジネスとして安定した収益基盤となります。仮に200万件のユーザー数を実現し、その80%が浄水カートリッジを購入した場合、売上高は年間約16,000百万円となります。その早期実現のため、価格帯も含めてより普及しやすい商品の開発、認知向上を目的とした広報施策など、中長期的視野に立った俯瞰的な対策を講じてまいります。 海外事業では、インドネシアにおいて、日本の技術で生成した安全で美味しいアルカリ性の水をコンセプトとする「Pristine(プリスティン)」ブランドのボトルドウォーター事業を展開しております。インドネシアは世界第4位の人口を有し、現在も人口増加が続いていることから、ボトルドウォーター市場は今後も拡大が見込まれております。また、経済成長に伴う中間所得層の増加により、消費行動も量から質を重視する方向へと変化しており、健康や安全な飲料水への意識も高まっております。当社は、このような市場環境のもと、「健康に良い水」という付加価値を強みとして、まずは積極的な販売拡大により市場シェアの拡大を図ることを基本方針としております。TVCMやSNS等を活用した広告宣伝や大規模イベントの実施など、ブランド認知度向上に向けたマーケティング活動を積極的に推進しており、引き続き販売拡大に向けた取り組みを強化してまいります。また、ジャワ島外への展開地域拡大も推進してまいります。一方、販売拡大に対応するため新工場の建設を進めており、2027年度中の稼働を目標としております。これにより生産体制を強化し、安定供給の実現及び生産効率の向上を図ってまいります。 ②医療関連事業電解水透析は、これまで透析液原液の成分(溶質)ばかりに主眼が置かれていた透析治療に、溶媒である「水」そのものに世界で初めて着目した次世代新規治療法です。透析患者のQOL向上とともに病院経営にも収益面で寄与することが期待されております。2018年7月に厚生労働省から提出された腎疾患対策検討会報告書において、CKD(慢性腎臓病)重症化予防を徹底するとともに、CKD患者(透析患者及び腎移植患者を含む)のQOL(生活の質)の維持向上を図ることが基本方針として掲げられました。電解水透析は、これまでの研究で多くの透析患者が最も苦しんでいる疲労感を抑制することが報告されております。疲労感の抑制は、透析患者の家庭復帰や社会復帰に繋がり、まさにQOL改善、Well-beingの実現に寄与するものであり、上記方針に沿うものです。一方、日本国内の透析患者数は、2022年度から減少傾向へと移行しました。今後、透析治療を実施している医療施設は、患者数の維持、確保のための競争力が問われる時代となることが見込まれます。そのような環境のもと、電解水透析は他施設との差別化を図る役割としても期待されております。現在、全国展開する大手病院グループの基幹病院や地域で主導的立場の病院への導入を進めており、それらを起点に更に普及を促進してまいります。また、電解水透析の普及促進には、システムの小型化やメンテナンス性の向上、コストも重要な要素です。今後、より普及を促進することを目指し、医療機器化も視野にさらなる改良、開発に取り組んでおります。まずは、国内約4,500施設の約7%、300施設への設置を目指します。また、国内にとどまらずグローバルスタンダードへの発展を目指します。 再生医療関連事業では、ステムセル研究所が、再生医療・細胞治療を目的とした「さい帯血」や「さい帯」等の周産期組織由来の細胞バンク事業を展開しております。また、保管した細胞を活用した新たな治療法や再生医療等製品の開発に加え、再生医療・不妊治療・出産・子育て等の領域における事業開発・投資にも取り組んでおります。同社は、国内のさい帯血保管総数の約99%のシェアを占める国内最大手の民間さい帯血バンクです。従来の「さい帯血」や「さい帯」の保管サービスのほか、「さい帯」を保管されるご家族向けに、組織の再生を促す成長因子や細胞間の情報伝達物質(エクソソーム)等を含む培養上清液を作成するサービスも提供しており、細胞の保管意義の更なる向上を図っております。一方、国内の年間出生数は年々漸減傾向にあり、中長期の持続的成長のためには海外での事業構築が必要と考えております。そのため同社においては、国内市場における細胞バンク事業の安定的な成長と、シンガポールを起点とした東南アジア市場の開拓を成長戦略の二本柱と位置付け、中長期的な事業拡大を推進してまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、以下のテーマを課題とし、その対策に取り組んでおります。また、SDGsの取り組みとも連携し、持続的成長、企業価値向上を実現してまいります。①ウォーターヘルスケア事業整水器関連事業につきましては、現在の約85万件の整水器アクティブユーザー数を200万件とすることを目指しております。ユーザー数拡大の早期実現のためには販売力を強化し、整水器市場を拡大させることが最も重要であると考えております。職域販売におきましては、「セミナー数×1セミナーあたりの販売台数」が実績の基本的な要素となり、セミナー数の増加及び1セミナーあたりの販売台数の向上が業績拡大のための課題となります。セミナーにつきましては、代理店からの紹介をもとにした展開に加え、スポーツ分野、美容分野、金融機関等を通じた販路拡大に注力しており、一定の成果が表れております。1セミナーあたりの販売台数につきましては、営業トークを随時ブラッシュアップするとともに、営業ツールの見直し等、営業力の強化に取り組んでおります。また、今後の業容拡大に備え、営業人員の増員にも取り組んでおります。卸・OEM部門では、成長余地が特に大きな海外取引の新規開拓に注力しておりますが、展開を更に大きく進めるためには、製品の海外での安全認証取得が不可欠なことから、その対応を進めております。WEBマーケティングにも引き続き注力してまいります。適正な顧客獲得単価(CPA)を維持しながら業績を伸長させるため、自社メディアの強化及び資料請求からの購買率の向上を課題として取り組んでおります。また、電解水素水、整水器の認知や理解向上にも寄与するものであり、既存の販売チャネルとのシナジーを念頭に、全体最適化を追求しております。 生産面においては、以前より仕入調達コストは上昇傾向にありましたが、中東情勢等に起因し、更なる上昇や調達遅延などが発生する恐れがあります。代替部品の確保等の対策は講じておりますが、今後も仕入先との連携を密にし、安定的な生産体制の維持に努めてまいります。インドネシアでのボトルドウォーター事業につきましては、ミネラルウォーター市場に占めるアルカリ水の市場割合を拡大させることが重要であると考えております。将来の飛躍的成長に向けて、TVCMやSNS等を活用した広告宣伝や大規模イベントの実施など、マーケティングへの先行投資を継続しております。ペットボトル販売ではジャワ島外へ展開地域拡大を進めるとともに、ガロン宅配では、ジャカルタ市内を中心に専属のディストリビューターを増やし、より地域に密着した販売体制の構築に取り組んでおります。また、販売拡大に対応するための新工場の建設を進めており、安定供給体制の構築及び生産効率の向上に取り組んでおります。 ②医療関連事業電解水透析事業につきましては、メイン商材である多人数用電解水透析システムの導入は、施設にとって設備投資となります。通常、透析用水作製装置は10年以上使用されることが多く、電解水透析システムの導入タイミングは、施設の新設時か経年劣化による装置の入替え時となり、時機を逸すると次の営業機会までのスパンが長くなります。より多くの商機を確保するため、透析学会以外にも腎臓関連の学会、各地の臨床工学技士会でのセミナー展開など活動域を拡大するとともに、代理店との連携強化により新規案件の開拓に注力しております。また、電解水透析システムをより多くの施設に導入いただくには、水の質、安定性はもちろん、システムの小型化やメンテナンス性の向上、コストも重要な要素です。今後、より普及を促進することを目指し、医療機器化も視野にさらなる改良、開発に取り組んでおります。細胞バンク事業につきましては、国内ではさい帯血、さい帯の保管率は約1%と、諸外国に比べて低く、例えばシンガポールでは約20%、韓国では約7%の水準と言われており、日本においては保管率向上の余地は十分にあると認識しております。一方で出生数が漸減している中、中長期的な成長のためには海外進出が必要と考えており、国内事業基盤の強化に加えて海外展開の推進が不可欠となっております。そのため、国内事業基盤の強化、海外展開の推進、臨床応用・利用拡大の3点を重点課題として位置付けております。まず国内事業基盤の強化のため、将来的には現在の約2.5倍にあたる年間保管検体数20,000検体(国内出生数の約3%)をめざしております。この目標に向け、医療機関との連携の一層の強化、WEB・SNSを活用したオンラインマーケティング、リアルイベントの全国展開等を推進してまいります。さらに保管料5年分無料キャンペーンなどの販促施策を期間限定で実施し、資料請求数及び成約率の向上を図ってまいります。また、基幹システムの老朽化対応及び業務効率化のため、かねてより準備を進めてきたシステムのリプレースを2027年3月期に実施する予定です。次に海外展開の推進として、シンガポールに現地法人「STEMCELL INNOVATIONS PTE. LTD.」を2024年11月に設立し、2027年3月期半ばの稼働開始に向けた準備を進めております。2026年6月には細胞処理センター、細胞保管センターが完成し、事業基盤の整備が最終段階に入っております。今後は、まずシンガポール及びインドネシア・ジャカルタ近郊を中心にマーケティング活動を本格化させるとともに、中期的には東南アジア全域への展開を進めてまいります。最先端設備と日本品質による安全性・信頼性を強みに、シンガポールを起点として、東南アジア地域において存在感のあるプレイヤーとなることを目指してまいります。最後に、臨床応用・利用拡大として、大阪公立大学及び高知大学におけるさい帯血を用いた臨床研究、米国デューク大学による脳性麻痺児等へのさい帯血投与プログラムへの支援や、大学等との共同・協力による先進的な研究開発・臨床研究にも継続的に取り組んでおります。具体的には、国際医療福祉大学医学部眼科学教室及び医療法人社団栄和会と共同で、さい帯間葉系細胞由来培養上清を用いた新たな眼疾患治療の開発を進めております。さらに、医療機関と連携し、さい帯・さい帯血を利用した第二種再生医療等提供計画の具体化に向けた取り組みも推進しております。加えて、株式会社iPSポータルと共同で、自家さい帯血由来iPS細胞の製造・保管サービスの実用化に向けた検討を進めるほか、さい帯由来培養上清液の美容・自由診療領域での利用拡大にも取り組み、保管細胞の活用機会拡大を図ってまいります。これらの研究開発の進展により、保管した細胞の活用領域は今後さらに拡大していくものと考えております。従来、さい帯・さい帯血保管は「万一の場合に備えた将来への備え」として認識される側面がありましたが、今後は再生医療や自由診療等における具体的な活用を前提とした保管ニーズへと変化していくことが期待され、これに伴い保管需要のさらなる拡大を見込んでおります。 ③新規事業当社グループが持続的に成長していくためには、現在の主軸事業である整水器関連事業の他に、新たな事業軸を構築することが必要であると考えております。その一つとして最も注力しております医療関連事業の他、農業分野や工業分野でも電解水素水による新規事業の創出を目的とした研究開発に取り組んでおります。いずれも非常に大きな将来性がある分野です。今後も、グループ全体のシナジーを念頭に、将来性の見込める新規事業に対して先行投資を実施してまいります。 ④サステナビリティ当社グループでは、5つの重要領域(健康・医療、環境、ひと、社会、サプライチェーン)における9つのマテリアリティ(重要課題)を特定しております。企業活動を通じて、社会課題を解決していくべく鋭意取り組んでまいります。・健康寿命の延伸への貢献・新しい医療(治療法・サービス)の開発・地球温暖化対策への対応・環境対策(循環型社会の構築)への貢献・ダイバーシティ&インクルージョンの推進・働き方改革の実施・地域社会との共存・農業分野への貢献・持続可能な調達の実施 ⑤人財当社グループが持続的な成長を実現するためには、多様な人財の登用、育成が必要です。中でも、女性の活躍は不可欠であると考えており、マテリアリティでもありますダイバーシティ&インクルージョンに取り組んでまいります。また、社員の生産性の向上や健全な労働環境づくりを目的に、代表取締役を責任者とした体制で「健康経営」を推進するなど、働き方改革にも取り組んでまいります。 ⑥ガバナンス当社グループが持続的な企業価値向上を実現するためには、経営の健全性、公正性及び透明性を高くすることが重要であると考えており、コーポレート・ガバナンスが適切に機能するための体制強化を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況(財政状態)当連結会計年度の財政状態は以下のとおりであります。資産合計は36,067百万円となり、前連結会計年度末に比べ713百万円増加(前期比2.0%増)いたしました。負債合計は10,585百万円となり、前連結会計年度末に比べ778百万円増加(同7.9%増)いたしました。純資産合計は25,481百万円となり、前連結会計年度末に比べ64百万円減少(同0.3%減)いたしました。 (経営成績)当連結会計年度における当社グループの売上高は24,159百万円(前期比7.5%増)、営業利益は2,940百万円(同10.5%減)、経常利益は3,147百万円(同11.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,030百万円(同9.4%減)となりました。セグメント別の業績は以下のとおりであります。ウォーターヘルスケア事業の売上高は21,135百万円(前期比8.0%増)、セグメント利益は2,711百万円(同6.4%減)となりました。医療関連事業の売上高は3,024百万円(前期比4.4%増)、セグメント利益は228百万円(同41.3%減)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より1,685百万円減少して13,709百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、得られた資金は2,851百万円(前期は2,675百万円の収入)となりました。これは主に売上債権の増加783百万円及び法人税等の支払額954百万円がありましたが、税金等調整前当期純利益3,146百万円、減価償却費512百万円の計上、前受金の増加370百万円及び株式報酬引当金の増加100百万円があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、使用した資金は2,074百万円(前期は1,887百万円の支出)となりました。これは主に有価証券の償還による収入1,000百万円がありましたが、投資有価証券の取得による支出1,200百万円、有形固定資産の取得による支出520百万円、定期預金の預入による支出500百万円、保険積立金の積立による支出474百万円及び関係会社株式の取得による支出374百万円があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、使用した資金は2,411百万円(前期は552百万円の収入)となりました。これは主に自己株式の取得による支出1,161百万円、配当金の支払額1,076百万円、長期借入金の返済による支出120百万円があったことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の状況a. 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(千円)前期比(%)ウォーターヘルスケア事業6,414,822111.7 電解水素水整水器2,986,466106.5 カートリッジ1,161,412104.6 ボトルドウォーター2,266,943124.1医療関連事業41,66487.4合計6,456,487111.5 (注) 金額は製造原価によっております。 b. 受注実績当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。 c. 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)ウォーターヘルスケア事業21,135,156108.0 電解水素水整水器9,358,075101.5 カートリッジ5,847,750104.2 ボトルドウォーター4,782,345129.2 その他1,146,985110.9医療関連事業3,024,206104.4合計24,159,363107.5 (注) 上記販売高のうち、日本トリム単体の販売高は電解水素水整水器9,242,706千円(前期比101.8%)、カートリッジ5,836,541千円(同104.2%)であります。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容財政状態の分析当連結会計年度の総資産は36,067百万円となり、前連結会計年度末に比べ713百万円増加(前期比2.0%増)いたしました。(資産)流動資産は23,355百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,395百万円減少(同5.6%減)いたしました。主な要因は、受取手形及び売掛金が776百万円増加した一方で、有価証券1,001百万円の償還や現金及び預金が1,185百万円減少したことによるものであります。固定資産は12,712百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,108百万円増加(同19.9%増)いたしました。主な要因は、投資有価証券が1,553百万円、投資その他の資産のその他に含まれる保険積立金が474百万円増加したことによるものであります。 (負債)流動負債は7,727百万円となり、前連結会計年度末に比べ572百万円増加(同8.0%増)いたしました。主な要因は、子会社であるステムセル研究所の業績伸長等に伴う前受金の増加371百万円及びその他に含まれる未払金が152百万円増加したことによるものであります。固定負債は2,858百万円となり、前連結会計年度末に比べ206百万円増加(同7.8%増)いたしました。主な要因は、長期借入金の返済により119百万円減少した一方で、株式報酬引当金が98百万円、退職給付に係る負債が54百万円及びその他に含まれる長期預り保証金が67百万円増加したことによるものであります。 (純資産)純資産は25,481百万円となり、前連結会計年度末に比べ64百万円減少(同0.3%減)いたしました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益2,030百万円の計上及び非支配株主持分が161百万円増加した一方で、配当金1,077百万円の支払い及び自己株式1,076百万円の増加があったことによるものであります。 経営成績の分析(売上高)売上高は前連結会計年度に比べ、1,695百万円増加して24,159百万円(前期比7.5%増)となり、5期連続の増収となりました。<ウォーターヘルスケア事業>ウォーターヘルスケア事業の売上高は21,135百万円(前期比8.0%増)となり、そのうち国内の整水器販売事業は、整水器売上高が9,242百万円(同1.8%増)となりました。直接販売部門では、主軸である職域販売部門(DS事業部)において、売上高が前期比4.0%増となりました。直販部門の中でも最も効率性の高い販売チャネルとして、本事業部の拡大に注力しており、適切な人員配置、新商品の投入、販売価格の見直しなどの施策が奏功し、収益拡大につながりました。また、スポーツ分野、美容分野、金融機関等における販路開拓も順調に進捗しております。間接販売部門の卸・OEM部門におきましては、売上高が前期比4.6%減となりました。当期は第1四半期における一部既存代理店向け売上の鈍化の影響により減収でのスタートとなりましたが、その後は代理店への販売支援強化により回復基調で推移し、次期以降の販売拡大に向けた手応えを得ております。 ストックビジネスである国内カートリッジ販売につきましては、売上高が5,836百万円(前期比4.2%増)と堅調に推移いたしました。引き続き、定期的な情報配信やフォロー架電などの顧客サービスを強化し、安定した収益基盤の維持・拡大に努めてまいります。 海外では、インドネシアのボトルドウォーター事業を展開するPT.SUPER WAHANA TEHNOの売上高が4,785百万円(前期比29.2%増)と大幅に伸長し、5期連続で過去最高の売上高を更新しました。マーケットシェア拡大に向けたTVCMやSNS広告、各種プロモーション施策の強化により、月間売上高の過去最高を7度更新するなど、順調に成長しております。インドネシアにおいては安定的な経済成長に伴う所得水準の向上を背景に、健康志向が着実に高まりを見せております。このような市場環境は、同社が強みとする「健康に良い水」のブランディングと高い親和性があり、当社ブランドの優位性が発揮されやすい環境にあります。当社は本事業を中長期的な成長ドライバーとして位置付けており、今後の需要拡大を的確に取り込み、更なる飛躍を目指してまいります。また、拡大する需要に対応すべく新たな自社工場建設を進めており、2027年度中の稼働を目標に、生産能力増強、経営効率向上を図ってまいります。 <医療関連事業>医療関連事業の売上高は3,024百万円(前期比4.4%増)となりました。電解水透析(*1)事業では、売上高が102百万円(前期比5.6%減)となりました。電解水透析導入施設は、当期に新規導入した3施設を含めて現在37施設、1,127床となり、約3,400名の方が電解水透析治療を受けられております。毎年開催される「日本透析医学会学術集会・総会」においての注目度は高まっており、本総会を契機に電解水透析に関心を持たれた施設との商談が進展しております。 電解水透析は、透析患者のWell-beingに大きく寄与できる革新的な技術であり、エビデンスの強化及び透析装置の改良に取り組み、次世代のグローバルスタンダード療法としての普及拡大を目指しております。引き続き、腎臓関連学会や各地の臨床工学技士会でのセミナー展開などを通じた認知向上、代理店との連携強化による新規案件の開拓、透析患者の方々への情報発信の強化など、普及拡大に向けた基盤構築に注力してまいります。 (*1)電解水透析とは、透析治療で使用される透析液の希釈水を、当社技術による電解RO水とすることで、透析液に水素を溶存させる次世代新規治療法です。溶媒である水の機能に着目した世界初の技術であり、通常透析と比較して投薬量の減少や、合併症併発率、粗死亡率の低減が示唆されるデータを取得しており、注目を集めております。 再生医療関連事業では、売上高が前期比4.7%増の2,921百万円となりました。ステムセル研究所の細胞バンク事業において、さい帯・さい帯血の両方を採取し保管する新保管プランを2024年11月より導入したことにより、さい帯・さい帯血を合わせた総保管数が大きく伸び、当期において売上高過去最高を更新いたしました。2026年3月末時点の累計保管検体数は11万件を超えており、これらの検体からは契約期間にわたり継続的に保管料収入が発生するため、保管検体数の増加は将来のストック収益の拡大に繋がり、同社の安定した収益基盤の構築に寄与しております。 (売上原価及び売上総利益)売上原価は前連結会計年度に比べ、739百万円増加し、7,766百万円(前期比10.5%増)となり、売上総利益は956百万円増加し、16,392百万円(同6.2%増)となりました。ともに増加した主な要因は、整水器関連事業、ボトルドウォーター事業、細胞バンク事業でそれぞれ売上高が伸長したことによります。売上原価率については32.1%となり、前期比0.9ポイント増となりました。悪化した主な要因は、各事業の売上構成比の変化により原価率が高いボトルドウォーター事業の割合が増加したこと及び整水器関連事業においては整水器の電極板に触媒として使用しているプラチナの価格高騰をはじめとする原材料価格の上昇によるものであります。 (販売費及び一般管理費)販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ、1,301百万円増加し、13,452百万円(前期比10.7%増)となりました。増加した主な要因は、整水器販売やボトルドウォーター事業の伸長により営業費が増加したほか、定期昇給や人員増加などによる人件費の増加及びインドネシアのボトルドウォーター事業におけるマーケティング施策の強化に伴う費用増加によるものです。当社グループでは、将来の飛躍に向けた先行投資として研究開発やPR活動のほか、人員の採用にも積極的に取り組むとともに、コスト削減にも鋭意取り組んでおります。 (経常利益)経常利益は前連結会計年度に比べ、387百万円減少し、3,147百万円(前期比11.0%減)となりました。売上高経常利益率は前期の15.7%から当期は13.0%となり、2.7ポイント減少しました。上述のとおり、ボトルドウォーター事業の販売が伸びたことなどによるセールスミックスの変化や整水器の製造コストの上昇により売上原価率が0.9ポイント増加したことに加え、販売費及び一般管理費の増加により営業利益率が前期比で2.5ポイント減少したためであります。 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社グループでは、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として経常利益率20%以上、ROE(自己資本利益率)10%以上を目標指標としております。経常利益率については前述のとおりであり、ROEは8.5%となりました。次期につきましては、整水器や浄水カートリッジ、ペットボトルやガロンの販売数増加による収益増加を見込んでいるものの、整水器関連事業の営業体制強化に伴う人員増やボトルドウォーター事業のマーケティングへの先行投資の強化を見込んでいるため、経常利益率は13.0%、ROEは9.0%を計画しております。引き続き資産効率を意識した経営を行ってまいります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。ウォーターヘルスケア事業及び医療関連事業の両事業において、原則、営業活動により獲得した自己資金により運営しております。当社は、「資本効率性」「株主還元」「財務健全性」をバランス良く実現し、株主価値の持続的向上を目指すことを資本政策の基本方針としております。これらを実現するため、収益性の高い整水器関連事業を軸に経営基盤確立のための内部留保の充実を図りつつ、累進的な株主還元を実施してまいります。整水器の普及拡大にはエビデンスの取得が不可欠であるとの考えのもと、電解水素水の新たな機能の解明や、他分野への用途拡大を見据えた産学共同研究開発を積極的に推進し、投資を行っております。また、浄水カートリッジ販売につきましては毎期着実に伸長しており、安定的収益基盤として当社グループの財務健全性に大きく寄与しております。事業拡大のための設備投資や業務効率化のための基幹システムへの投資についても随時積極的に行っております。整水器関連事業とともに、電解水透析事業、再生医療関連事業などの医療関連事業の成長により、グローバルなメディカルカンパニーへと発展を遂げ、持続的成長を実現してまいります。株主還元につきましては、資本政策の基本方針のもと、DOE(株主資本配当率)4%とし、業績に多大な影響を及ぼすことがない限り、財務健全性を確保しながら累進的な配当を実施することとしております。当方針に則り、当期末の剰余金の配当は前期の普通配当の1株当たり130円と同額の130円(DOE 4.1%)とすることを2026年6月23日開催予定の第44期定時株主総会で決議する予定です。次期につきましては、業績予想達成時のDOE4.0%に相当する当期と同じ1株130円を予定しております。今後の市場環境の動向、業績の状況を見極めながら、適正な配当金額について検討を継続し、変更する場合は速やかに公表いたします。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。詳細については、「第5経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
事業リスク
- 主力製品への高い依存度電解水素水整水器とその浄水カートリッジが連結売上高の約63%を占めており、この事業に何らかの支障が出た場合、会社全体の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。他の事業の成長により依存度を下げる努力をしています。
- 対面販売チャネルへの依存電解水素水整水器の販売は、職域販売や店頭催事販売など対面での説明販売が約78%を占めています。コロナ禍のような状況で対面機会が制限されると、営業活動が停滞し、業績に悪影響が出る可能性があります。
- 原材料・部品の調達リスク海外を含む多数の取引先から原材料や部品を仕入れているため、自然災害や市況変動、サプライヤーの状況によって調達が滞る可能性があります。これにより、製品の製造に支障が出て、事業や業績に影響を及ぼす恐れがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ただし、以下に記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 取扱製品、サービスの売上構成に関して当社グループの主力取扱製品は、電解水素水整水器(連結売上高に占める割合38.7%)及びその浄水カートリッジ(同24.2%)であり、当社グループの業績は当該整水器関連事業への依存度が高い状況です。浄水カートリッジ販売は、外的影響を受けにくい安定した収益基盤となっておりますが、整水器につきましては、何らかの理由で営業活動に支障が出た場合、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。グループの収益基盤強化のため、整水器以外の事業(ウォーターヘルスケア事業のボトルドウォーター事業や医療関連事業)の成長に向けて取り組んでおり、これらの伸長により、整水器の売上高構成比は下がりつつあり、リスクは軽減しております。 (2) 販売チャネルに関して当社グループの主事業である電解水素水整水器販売において、対面による説明販売を主とする職域販売、取付・紹介販売、店頭催事販売及びメンテナンス(修理)時の販売が整水器売上高の78.4%を占めており、コロナ禍のように人との対面機会が制限される事態が発生すると、営業機会が減り、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。リモート営業やWEBマーケティングなど、対面によらない販売チャネルの構築にも注力しております。 (3) 原材料及び部品の調達に関して当社グループは、海外も含めて多数の取引先から原材料及び部品を仕入れております。当社グループがコントロールできない自然災害や市況変動、そのサプライヤーの原材料及び部品の確保状況によって部材の調達ができず、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。同一部品の仕入先を複数確保するとともに、コストも勘案しながら国内で調達できる体制を目指してまいります。また、SDGsの観点からサステナブルな調達活動に対する社会的要請が今後より強くなると見込まれ、対応の遅れが業績に影響を及ぼす可能性があります。社会と環境に配慮した責任ある調達活動を実施してまいります。 (4) 品質管理に関してウォーターヘルスケア事業の主製品である電解水素水整水器は、製品に何らかの欠陥が発見された場合など、製造物にかかる賠償責任を負っております。また、顧客の安全のために大規模なリコールを実施する可能性があり、これらにより当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。電解水素水整水器はQMS省令※1に則り、ISO13485及びISO9001※2を取得した自社工場で製造しており、安全を最優先課題とし、品質の維持・向上に努めております。また、製造物に関して賠償が発生した場合に備え、対象となる全ての製品につき保険に加入しております。インドネシアのボトリング工場におきましても整水器と同様に製品の欠陥や賠償が発生するリスクがありますが、日本水準の品質管理の運用を目指し、設備管理、社員教育を実施しております。医療関連事業の細胞バンク事業におきましては、細胞の分離・処理作業に必要な試薬や長期保管用タンクの冷却用液体窒素の供給が滞ったり、設備が正常に稼動しないなどにより細胞の品質維持に支障をきたす場合があります。これらにより、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。ステムセル研究所では、グローバル品質規格であるAABB※3やISO9001といった第三者の認証機関より査察を受け、品質や設備運用の維持向上に努めております。※1 QMS省令: 医療機器、対外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(Quality Management System)。※2 ISO13485、ISO9001:ISOとは、工業分野の国際標準規格。中でもISO13485は、医療機器の品質標準規格。※3 血液・バイオセラピー振興協会(Association for the Advancement of Blood & Biotherapies)。 (5) 風評被害に関して当社グループが展開する各事業において、当社以外の事業者が関連法令に違反して当該違反の事実がマスメディア等に取り上げられた場合やSNS等でネガティブな情報が掲載された場合に、当社グループも風評被害を受け、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。業界団体のコンプライアンス強化の取り組みにも積極的に関与し、健全な市場環境の維持に努めます。 (6) 法的規制等に関して当社グループは事業遂行にあたり、法的規制を受けております。国内の整水器関連事業におきましては、医薬品医療機器等法(薬機法)の規制を受けており、医療機器の製造を行うためには厚生労働省より指定を受けた第三者認証機関より医療機器製造販売認証を必要とし、また、販売に当たっては販売業の届出をする必要があります。細胞バンク事業におきましては、再生医療等安全性確保法により、さい帯血を処理するには特定細胞加工物製造許可を必要とします。また、その他事業も含め、国内におきましては独占禁止法や個人情報の保護に関する法律等の法規制を受けております。事業を展開する各国におきましては、当該国の法的規制の適用を受けております。当社グループでは、それぞれ法規制に対応した体制を整備しておりますが、関連する法令の改正、強化や新たな法規制が制定された場合、これらの法規制等に違反した場合、社会的要請に反した行動をした場合など、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁等により、当社グループ事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。業界団体のネットワークも活用し、関連法令に関する情報取得に努めております。 (7) 情報セキュリティに関して企業を標的にしたサイバー攻撃の脅威など情報セキュリティリスクが高まっております。個人情報の管理につきましては細心の注意を払っておりますが、社内の情報システムの不具合やサイバー攻撃等により個人情報の漏洩や不正使用等が発生した場合、社会的信用の低下や賠償金の支払い等により、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。秘密情報の漏洩や不正使用等を防止するため、情報セキュリティ対策ツールの導入やIT資産の一元管理を実施しております。また、端末の常時監視や重要データの適切な保管体制を構築するとともに、外部の専門機関とも連携しながらサイバー攻撃への対策強化に取り組んでおります。さらに、従業員への教育・啓発活動を継続的に実施し、情報セキュリティ意識の向上にも努めております。 (8) 災害・事故等に関して大地震等の大規模自然災害や火災等の突発的な事故が発生した場合は、生産設備等に多大な損害を被る可能性があり、操業の中断により出荷に遅れが生じ、また破損した建物や設備の復旧に多額の費用がかかるおそれがあります。また、コロナ禍のように、新型の感染症等が拡大した場合、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、災害・事故等の発生に備えたリスク管理を実施しております。また、事業継続計画(BCP)の一環として、生産拠点のリスク分散を目的に一部製品の委託生産を開始しており、有事の際には生産体制の柔軟な見直しを行うことで、安定供給の維持に努めてまいります。