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精工技研(6834)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 精密機械部品の製造販売
    自動車部品、電子部品、事務用部品などの精密な成形品や、それらを作るための金型、精密な金属部品を開発・製造・販売しています。これらは私たちの身の回りにある多くの製品に使われる、ものづくりの基盤となる部品です。
  • 光通信関連製品の製造販売
    インターネットやデータ通信に不可欠な光ファイバー関連部品(光コネクタ、光減衰器など)や、それらを製造・検査するための装置(光コネクタ研磨機、形状測定装置など)を開発・製造・販売しています。高速大容量通信を支える重要な技術です。
  • グローバルな事業展開
    日本だけでなく、米国、ドイツ、中国、タイなど世界各地に子会社や関連会社を持ち、製品の開発、製造、販売をグローバルに行っています。これにより、多様な市場のニーズに対応し、収益機会を広げています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 精密機械関連製品事業
    自動車部品、電子部品、事務用部品などに使われる精密な金型、金属部品、成形品を開発・製造・販売しています。この事業は、当連結会計年度で売上高92.00483億円、営業利益5.8824億円を計上しており、安定した基盤事業として同社の収益を支えています。
  • 光製品関連製品事業
    光通信用設備に用いられる光コネクタ、光減衰器、フェルールなどの光部品や、光コネクタ研磨機、光部品形状測定装置といった製造・検査装置を開発・製造・販売しています。この事業は、当連結会計年度で売上高107.82325億円、営業利益22.29012億円と、同社の稼ぎ頭であり、特に利益面で大きく貢献しています。
  • グローバルな生産・販売体制
    精密機械関連製品は主に日本で開発・製造し、米国やドイツの子会社を通じて販売しています。光製品関連製品は、日本、中国、タイに開発・製造拠点を持ち、米国、ドイツ、中国、タイの子会社を通じてグローバルに販売しています。これにより、世界中の顧客に製品を届け、多様な市場の需要に対応しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
PrecisionMachineryRelatedProducts 事業 92 6 6.4%
OpticalRelatedProducts 事業 108 22 20.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,309 文字
3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当連結会計年度末現在、当社(株式会社精工技研)、連結子会社11社(SEIKOH GIKEN USA,INC.、SEIKOH GIKEN EUROPE GmbH、杭州精工技研有限公司、大連精工技研有限公司、香港精工技研有限公司、不二電子工業株式会社、DATA PIXEL SAS、SEIKOH GIKEN (THAILAND) Co., Ltd.、株式会社エムジー、精工訊捷光電(杭州)有限公司、精工訊捷光電(鶴壁)有限公司)と2社の持分法適用関連会社(浙江精工光電科技有限公司、蘇州安准智能装備有限公司)の計14社により構成されておりました。連結子会社のうち香港精工技研有限公司につきましては2010年9月に営業を停止した後、休眠化しておりましたが、2026年4月に清算が結了しており、本報告書提出日現在は存在しておりません。 主たる業務は、自動車用部品や電子部品、事務用部品等の精密成形品や各種精密金型、精密金属部品等の製造及び販売を行なう精機関連、光通信用設備に用いる光部品や光部品製造機器、光部品形状測定装置、無給電光伝送装置、光電界センサ―、高耐熱レンズ、製造自動化装置等の製造及び販売を行なう光製品関連の二つのセグメントで区分しており、これらは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げる区分と同一であります。 各セグメントの主要製品と企業集団を構成する各社の位置付けは次のとおりであります。区分主要製品機能企業集団を構成する各社精機関連各種精密金型精密金属部品精密成形品等(開発、製造)当社(販売)当社SEIKOH GIKEN USA,INC.(米国)SEIKOH GIKEN EUROPE GmbH(ドイツ)自動車用部品電子部品事務用部品等(開発、製造、販売)不二電子工業株式会社(静岡県静岡市)株式会社エムジー(宮城県宮城郡)光製品関連光コネクタ光コネクタ付コード光減衰器フェルール光コネクタ研磨機等(開発、製造)当社杭州精工技研有限公司(中国)大連精工技研有限公司(中国)精工訊捷光電(杭州)有限公司(中国)精工訊捷光電(鶴壁)有限公司(中国)SEIKOH GIKEN (THAILAND) Co.,Ltd.(販売)当社SEIKOH GIKEN USA,INC.(米国)SEIKOH GIKEN EUROPE GmbH(ドイツ)杭州精工技研有限公司(中国)大連精工技研有限公司(中国)浙江精工光電科技有限公司(中国)精工訊捷光電(杭州)有限公司(中国)精工訊捷光電(鶴壁)有限公司(中国)SEIKOH GIKEN (THAILAND) Co.,Ltd.光部品形状測定装置光部品検査装置等(開発、製造)DATA PIXEL SAS(フランス)(販売)当社杭州精工技研有限公司(中国)DATA PIXEL SAS(フランス)無給電光伝送装置光電界センサー高耐熱レンズ製造自動化装置等(開発、製造、販売)当社蘇州安准智能装備有限公司(中国) 当社グループの企業集団を事業系統図によって示すと次のとおりとなります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
競合メーカーの参入による価格競争が厳しく、価格引き下げ圧力が存在するため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
精密金型技術、精密成形技術、インサート成形技術、精密金属プレス技術、光通信用デバイス技術。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
会社が挙げる主要リスク:経済状態の変化 / 為替レートの変動 / 新製品開発の成否
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

水晶振動子、水晶デバイス分野で高い技術力とブランド力を有し、特に小型・高精度品で強み。長年の研究開発投資と品質へのこだわりが、顧客からの信頼と指名買いに繋がっている。特許取得数も多く、技術的優位性を維持している。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

水晶デバイスは、電子機器の性能や信頼性に直結するため、一度採用されると仕様変更やサプライヤー変更のハードルが高い。特に車載や産業機器など、長期信頼性が求められる分野では、切り替えに伴う評価コストやリスクが大きいため、スイッチング・コストは中程度と考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果は主要な競争優位性とは考えられない。製品の性能や品質、コストが直接的な競争要因であり、ユーザー数の増加が製品価値を直接高める構造ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

量産効果によるコスト削減努力は行っているが、競合他社も同様の努力をしており、構造的なコスト優位性は限定的。特に、高付加価値製品においては、技術開発費や品質管理費がコストに影響するため、絶対的な低コスト競争力は強みとは言えない。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

水晶デバイス市場において、主要プレイヤーの一角を占めており、一定の市場シェアと生産規模を有している。特に小型・高精度分野では、その規模が技術開発や生産効率に寄ち、競争優位に寄与していると考えられる。ただし、市場全体としては多数のプレイヤーが存在する。

  • 精密加工・成形・光学技術の融合
    長年培ってきた「精密加工」「精密成形」「光学技術」という3つのコア技術を組み合わせることで、自動車、情報通信、医療・バイオといった幅広い成長市場に対し、高付加価値な製品を提供できる点が強みです。これにより、単一技術では難しい複雑なニーズにも対応可能です。
  • 型内塗装技術による環境貢献と効率化
    株式会社東海理化と共同開発した「型内塗装技術」は、塗装工程を金型内で行うことで生産効率を向上させ、温室効果ガス排出量を約60%削減できる画期的な技術です。住友重機械工業との共同販売も開始しており、環境負荷低減とコスト削減を両立するソリューションとして競争優位性を持っています。
  • 多様な生産拠点とBCP体制
    日本、中国、タイなど複数の国に生産拠点を分散させることで、特定の地域での災害や地政学リスクによる生産停止のリスクを低減しています。また、光コネクタの自動組立装置を自社開発し、日本での量産を開始するなど、コスト競争力と安定供給能力を高めるための「ものづくり力」を強化しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 顧客接点の活性化と市場ニーズの把握
    5G、AI、IoTによるDXの進展や自動車のCASE化といった市場の変化を成長機会と捉え、国内外の展示会出展や営業員のスキル向上を通じて顧客とのコミュニケーションを強化しています。これにより、市場ニーズを迅速に捉え、最適な製品・サービスを提供することで、主要顧客との取引シェア拡大を目指しています。
  • 新製品・新技術開発の加速
    精密加工、精密成形、光学技術のコアテクノロジーを活かし、情報通信、自動車、医療・バイオ市場向けの新製品・新技術開発を推進しています。2026年度末までに連結売上高に占める新製品比率30%以上を目標とし、環境配慮型の「型内塗装技術」や次世代通信技術「光電融合」関連の開発に注力し、社会貢献と企業価値向上を目指します。
  • ものづくり力の強化と生産体制の多様化
    製造原価低減のため、生産工程の機械化・自動化(AI、IoT活用含む)を進め、生産効率の向上を図っています。国内子会社との共同プロジェクトによる自動機開発や、データセンター向け光コネクタの自動組立装置開発・量産化、タイや中国での新会社設立により、複数の生産拠点から高品質な製品を供給できる体制を構築し、BCP(事業継続計画)の観点からもリスク分散を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 当社グループは、「精密加工」「精密成形」「光学技術」を技術的な基盤とし、「情報通信」「自動車」「医療・バイオ」といった成長市場に向けて、社会の維持継続・進歩発展に貢献する商品を供給しております。これらの市場は総じて変化のスピードが速く、世界の競合企業との競争環境は年々厳しさを増しております。併せて、米中間を中心とする貿易摩擦、東欧や中東地域の紛争、資源価格や材料価格の高騰、各国の金利政策やこれに伴う為替の変動等、当社グループを取り巻く事業環境は日々刻々と変化しています。 そうした中で当社グループは、環境の変化を自らの成長の機会に転換し、いかなる事業環境下でも企業価値を向上させることのできる強固な経営基盤を確立するべく、中期経営計画『マスタープラン2022』を遂行中です。『マスタープラン2022』は2022年度から2026年度までの5ヶ年にわたる経営計画で、長期的に当社グループが目指す企業像を次のとおり定め、社会課題解決への貢献を通して存在感のある企業グループとなるべく努めてまいります。 ■目指す企業像「社会に必要とされる企業」 ~社会の維持継続/進歩発展に貢献する~ 中期経営計画『マスタープラン2022』では、当社グループが長期的に目指す企業像を実現するために対処すべき課題として次の4点を認識しております。(1)顧客接点の活性化 当社グループが事業を営む情報通信、エレクトロニクス関連市場は5Gの商用化やAI、IoTの活用によるDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展に伴い、今後も中長期的に市場の成長が続くと見込まれております。また、自動車関連市場も、CASE(Connected、Autonomous、Shared、Electric)と呼ばれる大きな転換期を迎え、成熟しながらも進化が続く見通しであります。こうした市場の変化は当社グループにとって成長の機会である一方、変化のスピードに遅れを取れば、世界の競合企業にシェアを奪われることとなります。 市場環境の変化を迅速に読み取り、他社に先駆けて的確な対応策を実行していくためには、顧客との濃密で質の高いコミュニケーションを通して、市場に求められるニーズと当社グループが有する技術や製品との接点を把握することが重要です。当連結会計年度においては、国内外の展示会に年間13回出展し、世界の顧客に向けて当社グループの技術や製品を紹介すると共に、市場の最新情報を直接入手する機会を得ることができました。顧客との接点を担う営業員には、社内の営業会議や社員研修等により最新の情報とスキルをインプットし、個の能力と顧客に提供するサービスの質を高めていく考えです。 さらに、市場での認知度を高めるため、新聞や雑誌等へのプレスリリース、ホームページ等のメディアを通して当社グループの技術や製品を積極的に広報するほか、商社や販売代理店とも連携を強化してまいります。並行して新製品、新技術の開発からリリースまでの時間を短縮し、技術、品質、性能の各面で顧客の期待を超えるサービスを提供していく方針であります。 当連結会計年度は、連結売上高のうち、取引金額の上位10社で約61%を占めることとなりました。こうした重要顧客との取引シェアをさらに拡大していくためには、顧客の経営課題や技術課題を共有し、その解決に向けてともに取り組んでいくことが必要です。当社グループがビジョンに掲げる「ベストパートナー」となるべく、既存顧客との関係性を一層深めてまいりたいと考えております。 (2)新製品・新技術開発の加速 当社グループは、創業以来培ってきた精密加工、精密成形、光学技術のコアテクノロジーを活用して、情報通信、自動車、医療・バイオ等の成長市場に向けて商品やサービスを提供しています。中期経営計画『マスタープラン2022』の中では、2026年度末の連結売上高に占める新製品比率を30%以上とする計画を定め、新製品・新技術の開発に取り組んでおります。 当社グループは、提供する商品やサービスは、顧客の成長を支援し、社会の維持継続や進歩発展に貢献するものでなければならないと考えています。当社が株式会社東海理化様と共同で開発した「型内塗装技術」は、塗装工程を金型内で行うことにより成形品の生産効率を向上し、生産過程で排出する温室効果ガスを約60%削減することができる画期的な技術です。現在は住友重機械工業株式会社様と共同で、環境にやさしい型内塗装システム「SSIMC」として販売活動をスタートしました。また、より高速で電力消費の少ない次世代の通信技術「光電融合」の実用化に向けて、CPO(Co-Packaged Optics)関連の技術開発にも取り組んでおります。こうした新製品・新技術開発を担う技術員は、社会の維持継続や進歩発展に寄与する製品開発を行うために、常に技術力を研鑽するとともに、顧客とのコミュニケーションを通して市場の情報を捉え、その製品開発が社会に役立つ姿を検証しています。 市場にリリースする商品やサービスが社会に大きく貢献するためには、タイミングが極めて重要です。ニーズが成熟し、市場に他社の類似製品が出た後でリリースすることになれば、社会への貢献は限定的な範囲に留まることとなってしまいます。そのため当社グループは、新製品や新技術の各開発案件のターゲットとなる市場や顧客、想定される業績インパクト等、各開発案件の目的とその進捗状況をグループ内で共有しております。開発担当者の意識向上を促しながら、社会に必要とされる最適なタイミングで市場にリリースできるよう、新製品や新技術の開発マネジメントの強化に取り組んでおります。 また当社は、2025年度末時点で国内外に172件の特許を保有しています。特許は他社との差別化を図り、技術的な優位性を担保するうえで重要なツールです。一方、技術内容によっては特許として公開せず、社内にノウハウとして留めておく方が効果的な場合もあります。当社は、2026年度末時点の特許登録件数を2021年度末から30%以上増加させることを目指し、ノウハウとして秘匿する技術情報を戦略的に判断しながら、競合する企業に対して技術的な優位性を確立していく考えです。 (3)ものづくり力の強化 当社グループは、これまで、自動車向けの部品や金型、光コネクタ研磨機等は主に日本で生産し、光コネクタは主に中国で生産しておりました。近年、資源価格や材料価格、人件費の高騰が続いており、製造原価の低減が重要な経営課題となっています。 当社グループでは、十分な収益を確保しながら競争力のある売価を設定できるよう、生産工程の機械化による生産効率の向上に取り組んでいます。当社は、国内子会社の不二電子工業株式会社との共同プロジェクトを2018年に立ち上げ、車載用成形品のバリ取り工程や検査工程の自動機を当社が開発し、不二電子工業に供給してまいりました。今後はAIの活用やIoTの導入も視野に、さらなる生産効率の向上を図っていく計画です。さらに、データセンター向けの光コネクタ「Intelli-Cross Pro」の組立から検査、梱包までを一貫して行う自動組立装置も社内で開発しました。この自動組立装置を用いて日本での量産を開始しており、生産効率の向上と供給体制の多様化を進めています。2023年にタイ王国に設立した子会社SEIKOH GIKEN (THAILAND) Co., Ltd.においても顧客による工場監査に合格し、光コネクタの量産を開始しました。2026年1月には中国河南省鶴壁市に、光デバイスの部品を製造する新会社、精工訊捷光電(鶴壁)有限公司を設立しました。BCPの観点からも、コスト競争力のある高品質な製品を、複数の生産拠点から供給できる体制の構築に取り組んでおります。 当連結会計年度には、当社グループの光コネクタ研磨機に対する需要が急増し、受注から出荷までのリードタイムが通常の2倍から3倍程度に延びる事態が生じました。当社では、複数の事業部門間の需給状況の変化に応じて柔軟な人員体制を組めるよう、従来から製造部門を事業部門から切り離し、独立した組織としております。当連結会計年度においても、社内人員を光コネクタ研磨機の生産ラインに振り向け、工数の拡大を図りました。部材の調達先にも生産数量の増加協力を依頼したほか、新たな調達先も開拓した結果、光コネクタ研磨機の生産キャパシティを1年間で約3倍に拡大することができました。今後も「品質(Quality)」、「コスト(Cost)」、「納期(Delivery)」の最適なバランスを実現することで顧客から最も頼られる存在となれるよう、引き続き取り組んでまいります。 (4)経営基盤の強化 永続的な企業価値の成長を実現し、真に社会に必要とされる企業となるためには、環境(Environmental)、社会(Social)、企業統治(Governance)の各側面のサステナビリティ活動を通して経営基盤を強化することが重要と考えています。中期経営計画『マスタープラン2022』では、当社グループ全体のサステナビリティ活動を統括する組織として、社長直轄の「サステナビリティ推進室」を設置しております。 環境面においては、『マスタープラン2022』の最終年度となる2026年度に、自社排出量を2020年度比17%削減することを目指し、温室効果ガスの排出削減に取り組んでおります。当連結会計年度においては、電力効率が高い製造設備への切り替えを実施したほか、引き続き社内の空調設備やLED照明の更新を行いました。当社が本社を構える千葉県松戸市からは、脱炭素に向けた取り組みを率先して行っている事業者として、「まつどSDGsキャラバンメンバーシップ制度」に認定・登録されております。 社会面においては、多様な人材が健康に活き活きと働ける環境づくりを目指して、2022年10月に「健康企業宣言」を行いました。当連結会計年度は、ウォーキングイベントや尿によるがん検査を実施したほか、社員の健康増進と社内コミュニケーションの活性化を目的とした当社オリジナルの「ポイント制度」の運用を推進しました。2024年9月には、厚生労働省より子育てサポート企業として認定を受け、「くるみん認定」を取得しました。本年3月には、前年に引き続き、経済産業省と日本健康会議が顕彰する「健康経営優良法人認定制度」において「健康経営優良法人2026(中小規模法人部門)」に認定されました。連結子会社の株式会社エムジーも、2025年9月に「職場健康づくり宣言」が全国健康保険協会宮城支部に認定されております。 企業統治面においては、2016年に監査等委員会設置会社へと移行しました。当連結会計年度末現在、9名の取締役のうち4名の独立社外役員を選任しており、取締役会の監視機能の強化を図っております。また、当社グループの中長期的な業績や株式価値と、取締役報酬との連動性を明確にする目的で、2016年に取締役に対して業績連動型株式報酬制度を導入しております。昨年6月に開催された第53回定時株主総会では、新たに女性の社外取締役が選任され、経営体制の多様化が進むこととなりました。 当社グループは、中長期的な経営課題の解消に向け、明確化した方針と施策を着実に遂行することにより、成長の土台となる経営基盤を一層強化し、より幅広い産業領域において永続的に社会の発展に貢献する企業グループとなるべく、引き続き努力してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 当社グループは、「精密加工」「精密成形」「光学技術」を技術的な基盤とし、「情報通信」「自動車」「医療・バイオ」といった成長市場に向けて、社会の維持継続・進歩発展に貢献する商品を供給しております。これらの市場は総じて変化のスピードが速く、世界の競合企業との競争環境は年々厳しさを増しております。併せて、米中間を中心とする貿易摩擦、東欧や中東地域の紛争、資源価格や材料価格の高騰、各国の金利政策やこれに伴う為替の変動等、当社グループを取り巻く事業環境は日々刻々と変化しています。 そうした中で当社グループは、環境の変化を自らの成長の機会に転換し、いかなる事業環境下でも企業価値を向上させることのできる強固な経営基盤を確立するべく、中期経営計画『マスタープラン2022』を遂行中です。『マスタープラン2022』は2022年度から2026年度までの5ヶ年にわたる経営計画で、長期的に当社グループが目指す企業像を次のとおり定め、社会課題解決への貢献を通して存在感のある企業グループとなるべく努めてまいります。 ■目指す企業像「社会に必要とされる企業」 ~社会の維持継続/進歩発展に貢献する~ 中期経営計画『マスタープラン2022』では、当社グループが長期的に目指す企業像を実現するために対処すべき課題として次の4点を認識しております。(1)顧客接点の活性化 当社グループが事業を営む情報通信、エレクトロニクス関連市場は5Gの商用化やAI、IoTの活用によるDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展に伴い、今後も中長期的に市場の成長が続くと見込まれております。また、自動車関連市場も、CASE(Connected、Autonomous、Shared、Electric)と呼ばれる大きな転換期を迎え、成熟しながらも進化が続く見通しであります。こうした市場の変化は当社グループにとって成長の機会である一方、変化のスピードに遅れを取れば、世界の競合企業にシェアを奪われることとなります。 市場環境の変化を迅速に読み取り、他社に先駆けて的確な対応策を実行していくためには、顧客との濃密で質の高いコミュニケーションを通して、市場に求められるニーズと当社グループが有する技術や製品との接点を把握することが重要です。当連結会計年度においては、国内外の展示会に年間13回出展し、世界の顧客に向けて当社グループの技術や製品を紹介すると共に、市場の最新情報を直接入手する機会を得ることができました。顧客との接点を担う営業員には、社内の営業会議や社員研修等により最新の情報とスキルをインプットし、個の能力と顧客に提供するサービスの質を高めていく考えです。 さらに、市場での認知度を高めるため、新聞や雑誌等へのプレスリリース、ホームページ等のメディアを通して当社グループの技術や製品を積極的に広報するほか、商社や販売代理店とも連携を強化してまいります。並行して新製品、新技術の開発からリリースまでの時間を短縮し、技術、品質、性能の各面で顧客の期待を超えるサービスを提供していく方針であります。 当連結会計年度は、連結売上高のうち、取引金額の上位10社で約61%を占めることとなりました。こうした重要顧客との取引シェアをさらに拡大していくためには、顧客の経営課題や技術課題を共有し、その解決に向けてともに取り組んでいくことが必要です。当社グループがビジョンに掲げる「ベストパートナー」となるべく、既存顧客との関係性を一層深めてまいりたいと考えております。 (2)新製品・新技術開発の加速 当社グループは、創業以来培ってきた精密加工、精密成形、光学技術のコアテクノロジーを活用して、情報通信、自動車、医療・バイオ等の成長市場に向けて商品やサービスを提供しています。中期経営計画『マスタープラン2022』の中では、2026年度末の連結売上高に占める新製品比率を30%以上とする計画を定め、新製品・新技術の開発に取り組んでおります。 当社グループは、提供する商品やサービスは、顧客の成長を支援し、社会の維持継続や進歩発展に貢献するものでなければならないと考えています。当社が株式会社東海理化様と共同で開発した「型内塗装技術」は、塗装工程を金型内で行うことにより成形品の生産効率を向上し、生産過程で排出する温室効果ガスを約60%削減することができる画期的な技術です。現在は住友重機械工業株式会社様と共同で、環境にやさしい型内塗装システム「SSIMC」として販売活動をスタートしました。また、より高速で電力消費の少ない次世代の通信技術「光電融合」の実用化に向けて、CPO(Co-Packaged Optics)関連の技術開発にも取り組んでおります。こうした新製品・新技術開発を担う技術員は、社会の維持継続や進歩発展に寄与する製品開発を行うために、常に技術力を研鑽するとともに、顧客とのコミュニケーションを通して市場の情報を捉え、その製品開発が社会に役立つ姿を検証しています。 市場にリリースする商品やサービスが社会に大きく貢献するためには、タイミングが極めて重要です。ニーズが成熟し、市場に他社の類似製品が出た後でリリースすることになれば、社会への貢献は限定的な範囲に留まることとなってしまいます。そのため当社グループは、新製品や新技術の各開発案件のターゲットとなる市場や顧客、想定される業績インパクト等、各開発案件の目的とその進捗状況をグループ内で共有しております。開発担当者の意識向上を促しながら、社会に必要とされる最適なタイミングで市場にリリースできるよう、新製品や新技術の開発マネジメントの強化に取り組んでおります。 また当社は、2025年度末時点で国内外に172件の特許を保有しています。特許は他社との差別化を図り、技術的な優位性を担保するうえで重要なツールです。一方、技術内容によっては特許として公開せず、社内にノウハウとして留めておく方が効果的な場合もあります。当社は、2026年度末時点の特許登録件数を2021年度末から30%以上増加させることを目指し、ノウハウとして秘匿する技術情報を戦略的に判断しながら、競合する企業に対して技術的な優位性を確立していく考えです。 (3)ものづくり力の強化 当社グループは、これまで、自動車向けの部品や金型、光コネクタ研磨機等は主に日本で生産し、光コネクタは主に中国で生産しておりました。近年、資源価格や材料価格、人件費の高騰が続いており、製造原価の低減が重要な経営課題となっています。 当社グループでは、十分な収益を確保しながら競争力のある売価を設定できるよう、生産工程の機械化による生産効率の向上に取り組んでいます。当社は、国内子会社の不二電子工業株式会社との共同プロジェクトを2018年に立ち上げ、車載用成形品のバリ取り工程や検査工程の自動機を当社が開発し、不二電子工業に供給してまいりました。今後はAIの活用やIoTの導入も視野に、さらなる生産効率の向上を図っていく計画です。さらに、データセンター向けの光コネクタ「Intelli-Cross Pro」の組立から検査、梱包までを一貫して行う自動組立装置も社内で開発しました。この自動組立装置を用いて日本での量産を開始しており、生産効率の向上と供給体制の多様化を進めています。2023年にタイ王国に設立した子会社SEIKOH GIKEN (THAILAND) Co., Ltd.においても顧客による工場監査に合格し、光コネクタの量産を開始しました。2026年1月には中国河南省鶴壁市に、光デバイスの部品を製造する新会社、精工訊捷光電(鶴壁)有限公司を設立しました。BCPの観点からも、コスト競争力のある高品質な製品を、複数の生産拠点から供給できる体制の構築に取り組んでおります。 当連結会計年度には、当社グループの光コネクタ研磨機に対する需要が急増し、受注から出荷までのリードタイムが通常の2倍から3倍程度に延びる事態が生じました。当社では、複数の事業部門間の需給状況の変化に応じて柔軟な人員体制を組めるよう、従来から製造部門を事業部門から切り離し、独立した組織としております。当連結会計年度においても、社内人員を光コネクタ研磨機の生産ラインに振り向け、工数の拡大を図りました。部材の調達先にも生産数量の増加協力を依頼したほか、新たな調達先も開拓した結果、光コネクタ研磨機の生産キャパシティを1年間で約3倍に拡大することができました。今後も「品質(Quality)」、「コスト(Cost)」、「納期(Delivery)」の最適なバランスを実現することで顧客から最も頼られる存在となれるよう、引き続き取り組んでまいります。 (4)経営基盤の強化 永続的な企業価値の成長を実現し、真に社会に必要とされる企業となるためには、環境(Environmental)、社会(Social)、企業統治(Governance)の各側面のサステナビリティ活動を通して経営基盤を強化することが重要と考えています。中期経営計画『マスタープラン2022』では、当社グループ全体のサステナビリティ活動を統括する組織として、社長直轄の「サステナビリティ推進室」を設置しております。 環境面においては、『マスタープラン2022』の最終年度となる2026年度に、自社排出量を2020年度比17%削減することを目指し、温室効果ガスの排出削減に取り組んでおります。当連結会計年度においては、電力効率が高い製造設備への切り替えを実施したほか、引き続き社内の空調設備やLED照明の更新を行いました。当社が本社を構える千葉県松戸市からは、脱炭素に向けた取り組みを率先して行っている事業者として、「まつどSDGsキャラバンメンバーシップ制度」に認定・登録されております。 社会面においては、多様な人材が健康に活き活きと働ける環境づくりを目指して、2022年10月に「健康企業宣言」を行いました。当連結会計年度は、ウォーキングイベントや尿によるがん検査を実施したほか、社員の健康増進と社内コミュニケーションの活性化を目的とした当社オリジナルの「ポイント制度」の運用を推進しました。2024年9月には、厚生労働省より子育てサポート企業として認定を受け、「くるみん認定」を取得しました。本年3月には、前年に引き続き、経済産業省と日本健康会議が顕彰する「健康経営優良法人認定制度」において「健康経営優良法人2026(中小規模法人部門)」に認定されました。連結子会社の株式会社エムジーも、2025年9月に「職場健康づくり宣言」が全国健康保険協会宮城支部に認定されております。 企業統治面においては、2016年に監査等委員会設置会社へと移行しました。当連結会計年度末現在、9名の取締役のうち4名の独立社外役員を選任しており、取締役会の監視機能の強化を図っております。また、当社グループの中長期的な業績や株式価値と、取締役報酬との連動性を明確にする目的で、2016年に取締役に対して業績連動型株式報酬制度を導入しております。昨年6月に開催された第53回定時株主総会では、新たに女性の社外取締役が選任され、経営体制の多様化が進むこととなりました。 当社グループは、中長期的な経営課題の解消に向け、明確化した方針と施策を着実に遂行することにより、成長の土台となる経営基盤を一層強化し、より幅広い産業領域において永続的に社会の発展に貢献する企業グループとなるべく、引き続き努力してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。(1)経営成績 当連結会計年度の世界経済は、地政学的緊張の継続や各国の金融政策の影響を受けつつも、地域ごとにばらつきのある成長となりました。米国では、生成AI関連投資やハイテク分野の拡大が企業収益を下支えし、雇用や個人消費も底堅く推移しました。一方で、インフレは緩やかに鈍化し、金融政策は段階的な利下げへと移行しました。欧州では、エネルギー価格の安定化が進んだものの、製造業の回復は限定的であり、依然として成長は低水準に留まりました。消費は緩やかな改善傾向にあるものの、金融引き締めの影響が残存しています。中国は、政府の景気刺激策により一部で持ち直しの動きが見られたものの、不動産市場の調整や内需の弱さが引き続き課題となりました。輸出は一定の回復を見せましたが、構造転換には時間を要しています。我が国においては、賃上げの進展や訪日客の増加を背景に経済活動は緩やかに回復しましたが、物価上昇の影響により個人消費は力強さを欠く状況が続きました。今後については、各国の政策動向や国際情勢の変化に伴う不確実性が引き続き懸念されています。 当社グループが関わる情報通信関連やエレクトロニクス関連市場においては、生成AIの社会実装が一段と進展し、米国の大手IT企業を中心に高度なAIサービスの商用化が拡大しました。一方で、中国企業も低コストかつ高性能なモデルの開発を進め、価格競争と技術革新が同時に進行しました。また、データセンター需要の急拡大に伴う電力消費の増加が引き続き課題となる中、省電力化を実現する半導体や冷却技術、光電融合分野の技術開発が進展しました。自動車関連市場においては、前年の生産停滞からの反動もあり、日系自動車メーカーは緩やかな回復に留まりました。電動化の流れはさらに加速し、欧米および中国メーカーによる競争が激化しました。特に中国メーカーは価格競争力を背景に新興国市場での存在感を高める一方、各国での規制や関税政策の影響も顕在化しました。全体として、市場環境は技術革新と地政学的要因が複雑に交錯する状況が続いています。 こうした中で当社グループは、2022年度から取り組み始めた5ヶ年の中期経営計画『マスタープラン2022』に基づき、「顧客接点の活性化」、「新製品・新技術開発の加速」、「ものづくり力の強化」、「経営基盤の強化」の各施策の遂行に努めました。 「顧客接点の活性化」に向けては、各種の成形品や金型、精密金属加工部品等を主力製品とする精機事業、光通信部品とその関連機器、光伝送装置や光電界センサー、レンズ等を主力製品とする光製品事業の両セグメントにおいて、国内外の展示会への出展やホームページの活用、商社や販売代理店との連携等を通じて新しい顧客と出会う機会を数多く作り、商談数を増やすことに注力しました。 「新製品・新技術開発の加速」に向けては、より幅広い領域で社会の進歩発展に貢献できる企業グループとなるべく、引き続き技術力の研鑽に取り組みました。精機事業では、住友重機械工業株式会社様と共同で開発した型内塗装技術「SSIMC」のシステム販売に向けて、引き続き技術課題の解消に努めました。光製品事業においては、データセンターなどでの超高速・高帯域幅の並列光伝送に用いる多心光コネクタ等の開発を進めました。 「ものづくり力の強化」に向けては、顧客が求める品質と納期を満たす製品を安定的に供給できるよう、自動化を含めた生産体制の強化や仕入先、外注先との関係強化に努めました。また、タイに設立したSEIKOH GIKEN (THAILAND)において光通信用部品の量産を開始したほか、中国河南省にも新たなグループ会社を設立し、高速・大容量データ通信に対応する次世代光通信デバイスの生産能力の増強を図りました。 「経営基盤の強化」に向けては、ウォーキングイベントの開催や独自のポイント制度の導入等により健康経営の推進に取り組んだほか、引き続き温室効果ガスの排出削減やペーパーレス化等、環境維持に向けた活動に取り組みました。併せて、グループ内で訓練メールの配信やセキュリティ教育を実施し、従業員一人ひとりのリスク認識を高めました。これによりサイバー攻撃への対応力が向上し、グループ全体として情報セキュリティ体制の強化を図ることができました。 こうした諸施策を実施した結果、当連結会計年度の売上高は30,087,881千円(前連結会計年度比50.6%増)となりました。損益面では、2024年10月に連結子会社化した株式会社エムジーが通年で損益寄与したことや、比較的付加価値の高い製品の売上が増加したことにより原価率が大幅に改善し、営業利益は7,733,176千円(前連結会計年度比174.5%増)となりました。売上高と営業利益はいずれも当社グループの過去最高を更新し、中期経営計画マスタープラン2022で定めた2027年3月期の売上目標250億円、営業利益33億円を1年前倒しで達成することができました。経常利益は、為替差益や投資不動産賃貸料等の営業外収益を計上した結果8,139,177千円(前連結会計年度比173.2%増)となりました。法人税、住民税及び事業税や法人税等調整額等を計上した後の親会社株主に帰属する当期純利益は6,210,694千円(前連結会計年度比179.1%増)となり、売上高、各段階利益共に前連結会計年度から大きく成長させることができました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。〔精機関連〕 精機関連では、自動車向けや電子機器向けの精密成形品や、成形品を効率的に量産するための高品質な金型、高い寸法精度が要求される金属部品等を顧客に提供しております。当連結会計年度は、車載用センサー関連部品の売上は堅調に推移したものの、電気自動車向けの部品や、同部品を量産するための金型の売上が減少しました。一方、2024年10月に連結子会社化した株式会社エムジーは車載用の各種コネクタやボールペン等の事務用部品を量産成形しており、前連結会計年度の第4四半期より損益を算入しております。開発面では、創業以来培ってきた精密金型技術や射出圧縮成形技術、微細転写技術等を応用し、自動車や医療、バイオ等の産業領域において、顧客と共に新たな精密成形品の量産化に向けた技術課題の解決に取り組みました。 これらの結果、当連結会計年度の精機関連の売上高は9,963,178千円(前連結会計年度比8.3%増)となり、過去最高を更新することができました。 〔光製品関連〕 光製品関連では、光コネクタ等の光通信用部品や、光通信用部品の製造、検査に使用する機器・装置、超小型樹脂レンズ等の製品を顧客に提供しております。当連結会計年度は、生成AIの普及拡大を背景に世界中でデータセンターの建設が進み、データセンター内に用いられる光通信用部品の需要が急増しました。これによりデータセンター用の光コネクタや、光コネクタを製造する際に使用される光コネクタ研磨機や検査・測定装置の売上高が大きく増加することとなりました。当連結会計年度は、タイの子会社SEIKOH GIKEN(THAILAND) Co.,Ltd.においても光コネクタの量産を開始したほか、2025年1月に中国河南省鶴壁市に新たに精工訊捷光電(鶴壁)有限公司を設立し、多心光ファイバを高精度に接続する光通信用部品の量産体制を整えました。 これらの結果、当連結会計年度の光製品関連の売上高は20,124,703千円(前連結会計年度比86.6%増)となり、過去最高を更新することができました。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)精機関連(千円)9,928,282112.7光製品関連(千円)23,876,107206.2合計(千円)33,804,390165.8 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.金額は販売価格によっております。 ② 受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)精機関連9,887,829112.21,299,64394.5光製品関連25,428,660202.38,313,791276.2合計35,316,489165.29,613,435219.2 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 ③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)精機関連(千円)9,963,178108.3光製品関連(千円)20,124,703186.6合計(千円)30,087,881150.6 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)株式会社デンソー5,022,44225.15,337,35117.7Corning Optical Communications,S. de R.L. de C.V.945,5804.73,152,73210.5株式会社豊田自動織機2,202,64211.01,680,6065.6 (2)財政状態 当連結会計年度末における総資産の残高は41,692,098千円となり、前連結会計年度末から7,308,928千円増加いたしました。当連結会計年度末における資産、負債の状況とそれらの要因は次のとおりであります。 〔流動資産〕 当連結会計年度末における流動資産の残高は30,863,794千円となり、前連結会計年度末から6,821,650千円増加しました。その主な要因は、現金及び預金、売掛金、商品及び製品等の棚卸資産が増加したこと等に因ります。 〔固定資産〕 当連結会計年度末における固定資産は10,828,303千円となり、前連結会計年度末から487,278千円増加いたしました。その主な要因は、車載部品を量産するための射出成形機や、光通信用部品の製造装置等の機械装置及び運搬具が増加したこと等に因ります。 〔流動負債〕 当連結会計年度末における流動負債の残高は6,257,099千円となり、前連結会計年度末から1,470,568千円増加しました。その主な要因は、未払法人税等が増加したこと等に因ります。 〔固定負債〕 当連結会計年度末における固定負債の残高は1,393,227千円となり、前連結会計年度末から59,169千円減少しました。その主な要因は、退任した取締役に対して退職慰労金を支払ったことに伴い長期未払金が減少したこと等に因ります。 〔純資産合計〕 当連結会計年度末における純資産の残高は34,041,771千円となり、前連結会計年度末から5,897,529千円増加しました。その主な要因は、利益剰余金が増加したこと等に因ります。 (3)キャッシュ・フロー 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は11,255,535千円となり、前連結会計年度末から3,935,089千円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕 営業活動の結果増加した資金は、5,484,736千円(前連結会計年度は3,068,406千円の増加)となりました。営業活動による資金増加の主な要因は、税金等調整前当期純利益8,232,904千円、減価償却費893,572千円等であります。資金減少の主な要因は、売上債権の増加額1,000,062千円、棚卸資産の増加額1,304,648千円、法人税等の支払額1,177,765千円等であります。 〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕 投資活動の結果減少した資金は、879,202千円(前連結会計年度は1,046,813千円の増加)となりました。投資活動による資金減少の主な要因は、有形固定資産の取得による支出961,665千円等であります。 〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕 財務活動の結果減少した資金は、712,255千円(前連結会計年度は2,013,988千円の減少)となりました。財務活動による資金減少の主な要因は、配当金の支払額674,213千円等であります。 (4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (5)資本の財源及び資金の流動性についての分析 当社グループの主要な資金需要は、製品製造に使用する原材料や部品の調達等の製造原価と、販売費及び一般管理費の他、既存製品の増産や新規製品の開発に向けた新しい機械装置の購入や既存の機械装置の改修等に使用しております。また、今後に向けては、当社グループの企業価値向上につなげるためのM&Aにも資金を積極的に投入していく考えです。 現時点におきましては、これらの資金については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金を充当していく予定でありますが、企業価値向上につながる大型のM&A案件等、多額の投資を行う場合は金融機関から資金を借り入れる可能性もあります。

事業リスク

  • 経済状況の変動
    日本、アジア、欧米など主要市場の経済状況が大きく変動すると、製品やサービスへの需要が減少し、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。世界経済の動向は、同社の売上や利益に直接影響を与える要因となります。
  • 為替レートの変動
    海外に子会社を持ち、輸出も行っているため、円高は海外での売上を円換算した際に目減りさせ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、中国の生産拠点における元高は生産コストを押し上げ、競争力低下につながるリスクがあります。
  • 特定の取引先への依存
    車載用インサート成形品の多くを株式会社デンソーに販売しており、同社への売上依存度が約17.7%と高いです。デンソーの経営状況の変化や事業方針の変更、同社との関係性に変化が生じた場合、同社の業績や財務状況に影響が出る可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,422 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経済状態の変化 当社グループの商品やサービスに対する需要は、商品やサービスを提供している国又は地域の経済状況の影響を受けます。このため、日本をはじめ、当社グループの主要な市場であるアジアや欧米の国や地域の経済環境に著しい変動があれば、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (2)為替レートの変動 当社グループは海外に連結子会社を有し、海外各国に対して輸出を行っています。一般的に他の通貨に対する円高は当社グループの業績に悪い影響を及ぼし、円安は良い影響をもたらします。また、当社グループは、中国に生産拠点としての連結子会社を有しており、中国の通貨である元の通貨価値が上昇した場合は生産コストを押し上げることとなり、当社グループの競争力の低下をもたらす可能性があります。 (3)新製品開発 当社グループは、自動車や電子機器、光通信、医療・バイオ等、関連市場の将来的なニーズを先取りし、革新的な製品・技術を継続的に開発していくことが、企業グループとしての成長・存続を可能にする要件であると認識しております。しかしながら、市場の変化は早く、新製品の開発と市場投入プロセスは、その性質から複雑かつ不確実性の高いものであります。当社グループが市場ニーズの変化を十分に予想できず、魅力ある新製品を開発できない場合又は当社製品が陳腐化するような技術革新が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (4)価格競争 当社グループが提供している商品やサービスは、自動車用部品や電子部品、機械装置、成形品等のメーカーや光通信関連業界に属する企業等を対象としております。これらの業界においては、競合メーカーの参入によって価格競争が大変厳しくなっており、当社グループに対しても価格の引き下げ圧力が存在します。当社グループは、常にコストダウンの努力を続けておりますが、商品やサービスに対する価格下落がより著しくなり、当社が価格優位性を保てなくなった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (5)調達活動 当社グループは、原材料を複数のサプライヤーから調達することにより、生産に必要な原材料を安定的に確保するよう努めておりますが、一部の限られたサプライヤーに依存する原材料も存在しております。そうしたサプライヤーが、自然災害や感染症の拡大、事故、倒産等により原材料の供給を中断する事態が生じたり、需要の急増により供給が滞る事態が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (6)国際的活動 当社グループは、日本をはじめ米国、ドイツ、フランス、中国及びタイに拠点を有し、グローバルな生産、営業活動を展開しております。これらの国や地域において、以下に掲げるようなリスクが発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。・不利な政治又は経済要因(輸出入規制等)・予期しない制度、法律又は規制の変更・移転価格税制等の国際税務リスク・インフラの未整備による停電や水害等により生産活動等に障害が発生する又はこのために当社グループの製品やサービスに対する顧客の支持を低下させるリスク・ストライキ等の労働争議・人材採用と確保の難しさ・テロ、戦争、感染症、その他の要因による社会的混乱 (7)特定の取引先への依存 当社グループは、車載用のインサート成形品を製造し、その多くを株式会社デンソーに販売しております。当連結会計年度の連結売上高に占める同社向けの売上高比率は17.7%となっております。同社に対する売上依存度が高いことから、同社の経営状況の変化や事業方針の変更、当社グループとの関係性に変化が生じた場合などには、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (8)人材の確保・育成 当社グループは、継続的に企業価値を向上させていくために、技術力やマネジメント能力等に優れた人材の確保、育成が不可欠であります。一方、優秀な人材を獲得するための競争は非常に厳しく、当社グループが必要とする人材を、必ずしも継続的に確保できるとは限りません。また、人材の育成には十分な投資を行い、社員教育に注力しておりますが、雇用環境の変化に伴って人材の流動化が顕著になっており、鍵となる人材が社外に流出してしまうことも考えられます。長期的な視点から、優秀な人材の確保や育成が計画どおりに進まなかった場合には、当社グループの業績及び財政状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (9)知的財産保護の限界 当社グループは、事業戦略的に重要な技術に関して、特許や意匠登録などの知的財産権を積極的に取得し、権利の保護を図っております。これら知的財産権の保護には最善の努力をしておりますが、世界の特定の地域においては、このような法的保護が困難な場合や限定的にしか保護されない場合があります。この結果、当社グループの技術を模倣した製品が第三者によって製造されることを防止できない可能性があります。 (10)製品の欠陥 当社グループは、製品の品質維持に最大限の努力を傾けておりますが、販売した製品に欠陥が発生した場合には、顧客に対する賠償やクレーム対応による費用等により、当社グループの業績や財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。 (11)他社との提携の成否 継続的に企業価値を向上していくためには、当社グループが創業以来培ったコア技術を更に研鑽することに加え、新たな技術を獲得していくことが必要であります。このため、当社グループは、常に次世代を見据えた製品の開発に注力する一方、M&A案件の模索や、当社グループにない技術を保有する企業との技術提携等、他社とのアライアンスに積極的に取り組んでおります。しかし、魅力的な技術を保有する他社との間にシナジーを生み出す提携を実現するためには、多額の投資が必要になる場合があるほか、知的財産権や人的な問題等が発生し、計画どおりに進捗しない場合があります。効果的な他社との提携が長期にわたって計画どおりに成立しなかった場合には当社グループの技術革新の停滞を招き、企業競争力を低下させる可能性があります。 (12)減損会計 市況や事業環境が著しく悪化した場合には、保有している資産の市場価格の下落や、資産から生み出される事業収益力が低下することが考えられます。これにより、保有している固定資産の減損を認識せざるを得なくなり、当社グループの業績や財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13)自然災害 当社グループの本社工場は千葉県松戸市内にあり、大規模な地震にも対応できるよう免震構造の設備となっております。子会社の不二電子工業株式会社は、静岡県静岡市と藤枝市、北海道千歳市に、子会社の株式会社エムジーは、宮城県宮城郡利府町と山形県東置賜郡川西町に、それぞれ生産拠点を保有しております。設備の耐震化や生産地の分散化を図っておりますが、局地的に多大な被害をもたらす大規模地震が発生した場合、震災の影響を完全に防止又は軽減できる保証はありません。また、当社グループは、米国、ドイツ、フランス、中国、タイ等の世界各国において事業活動を展開しております。これらの地域を含め、地震、台風等の自然災害により長期にわたって事業活動の中断をするような場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (14)感染症の拡大 2020年年初から新型コロナウイルスの感染が拡大し、世界各国で外出や移動の規制、事業活動の停止等の措置が採られました。現在では新型コロナウイルスの影響は軽減され、社会経済活動は正常な状態に戻っていますが、今後も、新型コロナウイルスや新たな感染症が大規模に拡大し、当社グループ各社や顧客の事業活動が停滞する事態が生じる場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

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