事業の概要
- パワーエレクトロニクス製品の製造販売新電元工業グループは、半導体製品、電装製品、電源製品の製造と販売を主な事業としています。これらの製品は、電気エネルギーを効率的に変換・制御するために不可欠な部品であり、自動車、産業機器、家電、情報通信など幅広い分野で利用されています。特に、電力変換効率を極限まで追求することで、脱炭素社会の実現に貢献することを目指しています。
- 多角的な事業セグメント事業は主に「パワーデバイス事業」「パワーユニット事業」「パワーシステム事業」の3つのセグメントに分かれています。パワーデバイス事業では半導体、パワーユニット事業では電源回路製品、パワーシステム事業ではより大規模な電力変換システムなどを製造しており、それぞれ国内外の連結子会社が製造を担っています。これにより、多様な顧客ニーズに対応できる体制を構築しています。
- グローバルな販売ネットワーク製品の販売は、主に当社が一括して仕入れ、日本国内に加え、アメリカ、香港、上海、ヨーロッパ、シンガポールなどの海外連結子会社を通じてグローバルに展開しています。一部の海外子会社や関連会社は直接販売も行っており、世界中の市場に製品を供給することで収益を上げています。これにより、特定の地域に依存しない事業展開を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- パワーデバイス事業この事業は、主に半導体製品の製造と販売を行っています。秋田新電元や秦野新電元、海外子会社などが製造を担っており、2026年には京セラ株式会社のパワーデバイス事業を承継した新会社を連結子会社化し、市場シェア拡大と競争力強化を図っています。最新年度の売上高は310.98億円ですが、営業利益は-22.47億円と赤字であり、収益改善が課題となっています。
- パワーユニット事業この事業は、主に電源回路製品の製造と販売を行っています。岡部新電元や新電元スリーイー、海外子会社などが製造を担っており、二輪車を含む自動車市場への依存度が高い特徴があります。最新年度の売上高は655.41億円で、営業利益は56.66億円と、グループの稼ぎ頭となっています。特にインド市場での需要拡大に対応するため、生産能力の増強を進めています。
- パワーシステム事業この事業は、より大規模な電力変換システムなどの製造を行っています。新電元スリーイーが製造を担っており、産業機器市場や情報通信市場など、幅広い分野に製品を提供しています。最新年度の売上高は90.37億円で、営業利益は13.24億円と堅調な収益を上げています。グループ全体の技術を融合した環境ソリューションの創出を目指しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| DevicesBusiness | 地域 | 311 | -22 | -7.2% |
| CarElectronicsBusiness | 地域 | 655 | 57 | 8.6% |
| EnergySystemsBusiness | 地域 | 90 | 13 | 14.7% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社20社、非連結子会社1社、関連会社1社により構成されており、半導体製品、電装製品、電源製品などの製造、販売を主たる業務としております。 2026年1月5日に京セラ株式会社のパワーデバイス事業を承継した新設会社の全株式を取得し、株式会社秦野新電元といたしました。その子会社である高雄新電元電子股份有限公司とともに、両社を連結子会社といたしました。また、連結子会社であったシンデンゲン・ユーケー・リミテッドは、清算手続きを進めており重要性が低下したため、連結の範囲から除外しております。 当社グループの事業内容および当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。 次の3事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。また、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。 (パワーデバイス事業)連結子会社である㈱秋田新電元、㈱東根新電元、㈱秦野新電元、ランプーン・シンデンゲン・カンパニー・リミテッド、シンデンゲン・フィリピン・コーポレーション、高雄新電元電子股份有限公司が製造しております。 (パワーユニット事業)連結子会社である㈱岡部新電元、新電元スリーイー㈱、シンデンゲン・インディア・プライベート・リミテッド、ピーティー・シンデンゲン・インドネシア、広州新電元電器有限公司、シンデンゲン(タイランド)カンパニー・リミテッド、シンデンゲン・ベトナム・カンパニー・リミテッドが製造しております。 (パワーシステム事業)連結子会社である新電元スリーイー㈱が製造しております。 (その他)関連会社である新電元メカトロニクス㈱が製造しております。 販売については全部門とも当社が一括仕入れ、当社のほか連結子会社である、シンデンゲン・アメリカ・インコーポレイテッド、新電元(香港)有限公司、新電元(上海)電子有限公司、シンデンゲン・ヨーロッパ・ゲーエムベーハーおよびシンデンゲン・シンガポール・ピーティーイー・リミテッドを通じて販売しております。なお、連結子会社であるシンデンゲン・インディア・プライベート・リミテッド、ピーティー・シンデンゲン・インドネシア、広州新電元電器有限公司、シンデンゲン(タイランド)カンパニー・リミテッド、シンデンゲン・ベトナム・カンパニー・リミテッドおよび関連会社である新電元メカトロニクス㈱においては製品の全部または一部を直接販売しております。 事業の系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 顧客企業による値下げ要請、競合他社の攻勢により価格下落圧力が強い。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 独自の半導体技術および回路技術をもとに各種製品を製造・販売している。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:特注品および特定市場への依存 / 特定のグループ外供給元への依存 / 国際的活動および海外進出
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
- 独自の技術融合力新電元工業グループは、半導体技術、回路技術、実装技術という3つのコア技術を自社で保有し、これらを融合させることで、高効率なパワーエレクトロニクス製品を開発・製造しています。特に、電源回路製品の基幹部品である半導体を内製化している点は、技術的な優位性につながり、他社との差別化要因となっています。
- 品質管理と信頼性各生産拠点においてISOやIATFといった国際的な品質管理基準に基づき製品を製造しており、高い品質と信頼性を確保しています。これにより、自動車市場をはじめとする品質要求の厳しい分野においても、顧客からの信頼を得て安定的な取引を継続できる強みを持っています。
- 多岐にわたる市場への展開二輪車を含む自動車市場を重点としつつも、産業機器市場、家電市場、通信インフラや情報機器を中心とする情報通信市場など、パワーエレクトロニクスを必要とする多様な市場に製品を提供しています。これにより、特定の市場の変動リスクを分散し、安定した事業基盤を築いています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 脱炭素社会への貢献経営理念として「エネルギーの変換効率を極限まで追求することにより、人類と社会に貢献する」ことを掲げています。半導体、回路、実装技術を融合・発展させ、脱炭素社会の実現に不可欠な製品を創造することで、持続可能な社会への貢献と企業価値の向上を目指しています。
- 長期ビジョンと中期経営計画2030年度を見据えた「長期ビジョン2030」を策定し、「革新的な技術で地球環境に配慮した先進ソリューションを生み出すパワーエレクトロニクスカンパニー」を目指しています。このビジョンに基づき、2027年度までの「第17次中期経営計画」では、「強固な事業基盤の確立と資本効率の向上により成長ステージへ」を方針とし、具体的な施策を進めています。
- 事業基盤強化と成長分野への集中中期経営計画では、「稼ぐ体質づくり」「成長分野へのリソース集中投下」「ターゲット市場の開拓(特にインド市場)」「サステナビリティ経営の推進」の4項目を掲げています。特に、京セラ株式会社のパワーデバイス事業買収によるパワーデバイス事業の強化や、インド市場での生産能力増強など、将来の核となる事業・製品への投資と市場開拓を加速させています。2027年度の連結経営目標として、売上高1,300億円、営業利益率5.0%、ROE6.0%を目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営理念と企業ミッション当社グループは、経営理念に「社会と共に、顧客と共に、従業員と共に、成長する企業」と掲げ、日々の事業活動を行っています。「エネルギーの変換効率を極限まで追求することにより、人類と社会に貢献する」という企業ミッションのもと、半導体技術、回路技術、実装技術をあわせ持つ製造企業として、これらの技術を融合し、発展・応用させていくことで、脱炭素社会実現の一翼を担う製品を創造してまいります。 (2)経営環境及び対処すべき課題等昨今、市場のニーズや価値観が多様化する一方、地球温暖化など気候変動や、資源枯渇といった地球規模で進行しつつある社会的課題は、市場経済にも影響を及ぼし始めています。このような状況下、当社が果たすべき役割を土台に、企業として“ありたい姿”を定めた長期的な経営ビジョンを策定し、それらに紐づく施策を中期経営計画や年次経営計画と連動させることで、中長期にわたる持続的な成長サイクルを確立してまいります。 <長期ビジョン2030>当社グループは、時代に適合した製品ポートフォリオを構築し、社会的課題の解決に貢献することが、持続可能性(サステナビリティ)が要求される現代において企業価値の向上に資するものと考えております。これらを踏まえ、以下の通り2030年度を見据えた長期ビジョンを策定いたしました。 <長期ビジョン2030 ありたい姿>革新的な技術によって地球環境に配慮した先進的なソリューションを生み出して持続可能な社会に貢献し、あらゆるステークホルダーから必要とされ続けるパワーエレクトロニクスカンパニー 長期的な観点で、「脱炭素社会のキーパーツとなるパワーデバイス」「ヒトと環境の未来を託されるモビリティソリューション」「全事業のコア技術を融合した環境ソリューション」を創出し、環境貢献をより重視した製品ポートフォリオを継続的に整備してまいります。あわせて、持続的成長の前提となる安定的な経営基盤を構築するために資本効率を重視し、事業ポートフォリオの見直しや、設備投資・研究開発投資・人材投資等を含む経営資源の最適配分を進めてまいります。 <第17次中期経営計画>2022年度から2024年度までの第16次中期経営方針では、長期ビジョンに掲げたありたい姿を実現するための基盤づくりを完了させることに主眼を置き取組みを進めてまいりました。しかし、中国における景気停滞をはじめ外部環境の大きな変化への対応に追われ、課題を残す結果となりました。一方、モビリティ分野における電動化普及を見据えて製品開発を進めてきた伸長事業においては、電動化普及時期が2030年以降になると想定されるなか、時間軸に合わせた製品ポートフォリオの見直しを実施いたしました。このようななか第17次中期経営計画では、「強固な事業基盤の確立と資本効率の向上により成長ステージへ」を方針に掲げました。新たな中期経営計画の始動に際し全社的な機構改革に着手し、この体制のもとデバイス事業の収益改善を筆頭に足もとの課題を早急にクリアし経営基盤を整えるとともに、将来核となる事業・製品を確立させるなど長期戦略を実行してまいります。具体的には下記4項目を掲げ事業を進めてまいります。 ・稼ぐ体質づくり設計・調達・製造・販売のトータルパッケージで収益性を高める仕組みを構築する。・成長分野へのリソース集中投下将来核となる事業・製品へリソースを集中的に投下し、2030年までに事業の柱へと育成する。・ターゲット市場の開拓インド市場の開拓に向け優先的にリソースを配分し、事業部門、非事業部門を問わず全社で総力をあげて挑む。・サステナビリティ経営の推進事業活動と人材投資を積極的に進めることで環境貢献製品を社会へ提供し、脱炭素社会の実現に向け持続的な成長サイクルを構築する。 これらの方針を推進するため、戦略的なリソース配分を実施するとともにキャッシュアロケーション・財務戦略を強化することにより、資本コストや株価を意識した経営を推進し、2027年度末までにPBR1倍以上を目指してまいります。 <2027年度の経営目標(連結)>・売上高 1,200億円・営業利益率 5.0%・ROE 6.0% ・設備投資額(3ヶ年累計) 300億円・研究開発費(3ヶ年累計) 145億円 <進捗と課題>当社グループは、将来核となる事業・製品を確立させるなど長期戦略を実行するため、全社的な機構改革に着手し、2025年4月に始動いたしました。設計・調達・製造の各機能が連携して事業を推進する「縦軸」組織と、全社シナジー効果を創出する技術開発センター、ものづくりセンター、営業本部などの「横軸」組織によるマトリクス運営体制を強化・刷新し、当社のリソースを最大限発揮することで収益性を高めてまいります。このようななか、ターゲット市場であるインドにおいて拡大する二輪市場の需要に対応すべく、パワーユニット事業の生産能力増強にむけてシンデンゲン・インディア・プライベート・リミテッド第2工場の建設に着手したことにくわえ、パワーデバイス事業の現地生産についてもリスク要因の洗い出しを進めました。また、パワーデバイス事業の市場シェア拡大と競争力強化を目的に、京セラ㈱のパワーデバイス事業を承継した新設会社の全株式を取得いたしました。このほか、資本コストを意識した経営管理の高度化やサステナビリティ経営の推進など、企業価値の向上および持続可能な社会の実現に向けた各種施策に取り組みました。なお、京セラ㈱のパワーデバイス事業の連結を加味し、第17次中期経営計画最終年度である2027年度の経営目標を以下の通り見直しております。 <2027年度の経営目標(連結)>・売上高 1,300億円・営業利益率 5.0%・ROE 6.0%・設備投資額(3ヶ年累計) 300億円・研究開発費(3ヶ年累計) 145億円 第17次中期経営計画の2年目にあたる当期は、最終年度の目標達成および「長期ビジョン2030」の実現に向けた重要な局面であると認識しており、前期に着手した取組みをマトリクス組織のもとで最大限に機能させてまいります。具体的には、前期に新たにM&Aにて取得した京セラ㈱のパワーデバイス事業との統合によって当社グループのパワーデバイス事業の成長を加速させるとともに、重点市場であるインドにおける生産・販売体制の構築を推進いたします。また、将来の核となる製品に対するリソース集中投入や製品ポートフォリオの転換を促進することで「稼ぐ体質づくり」を一段と強化していきます。さらに、資本コストや株価を意識した経営のもと、投下資本に対する効率的な事業運営を追求すべく、事業別ROAの実効性ある運用などに取り組んでまいります。これらの施策を着実に実行することで、第17次中期経営計画の達成、ならびに長期ビジョン2030の実現につなげてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営理念と企業ミッション当社グループは、経営理念に「社会と共に、顧客と共に、従業員と共に、成長する企業」と掲げ、日々の事業活動を行っています。「エネルギーの変換効率を極限まで追求することにより、人類と社会に貢献する」という企業ミッションのもと、半導体技術、回路技術、実装技術をあわせ持つ製造企業として、これらの技術を融合し、発展・応用させていくことで、脱炭素社会実現の一翼を担う製品を創造してまいります。 (2)経営環境及び対処すべき課題等昨今、市場のニーズや価値観が多様化する一方、地球温暖化など気候変動や、資源枯渇といった地球規模で進行しつつある社会的課題は、市場経済にも影響を及ぼし始めています。このような状況下、当社が果たすべき役割を土台に、企業として“ありたい姿”を定めた長期的な経営ビジョンを策定し、それらに紐づく施策を中期経営計画や年次経営計画と連動させることで、中長期にわたる持続的な成長サイクルを確立してまいります。 <長期ビジョン2030>当社グループは、時代に適合した製品ポートフォリオを構築し、社会的課題の解決に貢献することが、持続可能性(サステナビリティ)が要求される現代において企業価値の向上に資するものと考えております。これらを踏まえ、以下の通り2030年度を見据えた長期ビジョンを策定いたしました。 <長期ビジョン2030 ありたい姿>革新的な技術によって地球環境に配慮した先進的なソリューションを生み出して持続可能な社会に貢献し、あらゆるステークホルダーから必要とされ続けるパワーエレクトロニクスカンパニー 長期的な観点で、「脱炭素社会のキーパーツとなるパワーデバイス」「ヒトと環境の未来を託されるモビリティソリューション」「全事業のコア技術を融合した環境ソリューション」を創出し、環境貢献をより重視した製品ポートフォリオを継続的に整備してまいります。あわせて、持続的成長の前提となる安定的な経営基盤を構築するために資本効率を重視し、事業ポートフォリオの見直しや、設備投資・研究開発投資・人材投資等を含む経営資源の最適配分を進めてまいります。 <第17次中期経営計画>2022年度から2024年度までの第16次中期経営方針では、長期ビジョンに掲げたありたい姿を実現するための基盤づくりを完了させることに主眼を置き取組みを進めてまいりました。しかし、中国における景気停滞をはじめ外部環境の大きな変化への対応に追われ、課題を残す結果となりました。一方、モビリティ分野における電動化普及を見据えて製品開発を進めてきた伸長事業においては、電動化普及時期が2030年以降になると想定されるなか、時間軸に合わせた製品ポートフォリオの見直しを実施いたしました。このようななか第17次中期経営計画では、「強固な事業基盤の確立と資本効率の向上により成長ステージへ」を方針に掲げました。新たな中期経営計画の始動に際し全社的な機構改革に着手し、この体制のもとデバイス事業の収益改善を筆頭に足もとの課題を早急にクリアし経営基盤を整えるとともに、将来核となる事業・製品を確立させるなど長期戦略を実行してまいります。具体的には下記4項目を掲げ事業を進めてまいります。 ・稼ぐ体質づくり設計・調達・製造・販売のトータルパッケージで収益性を高める仕組みを構築する。・成長分野へのリソース集中投下将来核となる事業・製品へリソースを集中的に投下し、2030年までに事業の柱へと育成する。・ターゲット市場の開拓インド市場の開拓に向け優先的にリソースを配分し、事業部門、非事業部門を問わず全社で総力をあげて挑む。・サステナビリティ経営の推進事業活動と人材投資を積極的に進めることで環境貢献製品を社会へ提供し、脱炭素社会の実現に向け持続的な成長サイクルを構築する。 これらの方針を推進するため、戦略的なリソース配分を実施するとともにキャッシュアロケーション・財務戦略を強化することにより、資本コストや株価を意識した経営を推進し、2027年度末までにPBR1倍以上を目指してまいります。 <2027年度の経営目標(連結)>・売上高 1,200億円・営業利益率 5.0%・ROE 6.0% ・設備投資額(3ヶ年累計) 300億円・研究開発費(3ヶ年累計) 145億円 <進捗と課題>当社グループは、将来核となる事業・製品を確立させるなど長期戦略を実行するため、全社的な機構改革に着手し、2025年4月に始動いたしました。設計・調達・製造の各機能が連携して事業を推進する「縦軸」組織と、全社シナジー効果を創出する技術開発センター、ものづくりセンター、営業本部などの「横軸」組織によるマトリクス運営体制を強化・刷新し、当社のリソースを最大限発揮することで収益性を高めてまいります。このようななか、ターゲット市場であるインドにおいて拡大する二輪市場の需要に対応すべく、パワーユニット事業の生産能力増強にむけてシンデンゲン・インディア・プライベート・リミテッド第2工場の建設に着手したことにくわえ、パワーデバイス事業の現地生産についてもリスク要因の洗い出しを進めました。また、パワーデバイス事業の市場シェア拡大と競争力強化を目的に、京セラ㈱のパワーデバイス事業を承継した新設会社の全株式を取得いたしました。このほか、資本コストを意識した経営管理の高度化やサステナビリティ経営の推進など、企業価値の向上および持続可能な社会の実現に向けた各種施策に取り組みました。なお、京セラ㈱のパワーデバイス事業の連結を加味し、第17次中期経営計画最終年度である2027年度の経営目標を以下の通り見直しております。 <2027年度の経営目標(連結)>・売上高 1,300億円・営業利益率 5.0%・ROE 6.0%・設備投資額(3ヶ年累計) 300億円・研究開発費(3ヶ年累計) 145億円 第17次中期経営計画の2年目にあたる当期は、最終年度の目標達成および「長期ビジョン2030」の実現に向けた重要な局面であると認識しており、前期に着手した取組みをマトリクス組織のもとで最大限に機能させてまいります。具体的には、前期に新たにM&Aにて取得した京セラ㈱のパワーデバイス事業との統合によって当社グループのパワーデバイス事業の成長を加速させるとともに、重点市場であるインドにおける生産・販売体制の構築を推進いたします。また、将来の核となる製品に対するリソース集中投入や製品ポートフォリオの転換を促進することで「稼ぐ体質づくり」を一段と強化していきます。さらに、資本コストや株価を意識した経営のもと、投下資本に対する効率的な事業運営を追求すべく、事業別ROAの実効性ある運用などに取り組んでまいります。これらの施策を着実に実行することで、第17次中期経営計画の達成、ならびに長期ビジョン2030の実現につなげてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 ①経営成績の状況当連結会計年度における当社グループを取り巻く環境は、国内では雇用・所得環境の改善が進んだ一方で、世界経済においては米国の関税政策や中東情勢の不安定化が複合的に作用し、不透明な状況が続きました。当社グループは、第17次中期経営計画の方針として「強固な事業基盤の確立と資本効率の向上により成長ステージへ」を掲げており、それを具現化する戦略のひとつにM&A等の外部リソースの有効活用を掲げております。その一環として、京セラ㈱のパワーデバイス事業を承継した新設会社の全株式を取得いたしました。新たに取得した資産により当社のパワーデバイス事業の製品ラインナップを加速的に拡充し、収益性の向上を図るとともに、技術の融合による新たな製品・研究開発を進めることで市場における競争力を強化していく方針です。 このような事業環境のもと、当連結会計年度の売上高は、パワーデバイス事業およびパワーユニット事業が車載市場を中心に堅調に推移したことにくわえ、パワーシステム事業において通信インフラ市場向けが増加し、全セグメントが底堅く推移した結果、113,836百万円(前期比7.6%増)となりました。損益面では、増収効果や前期に実施したパワーデバイス事業の構造改革効果などが寄与し営業利益は3,848百万円(前期は128百万円の利益)となりました。経常利益は為替差益を営業外収益に計上したことなどにより4,577百万円(前期は523百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益はキャリアデザインサポートの実施に伴う特別損失を計上したものの、投資有価証券売却などによる特別利益の計上で5,655百万円(前期は2,436百万円の損失)となりました。 第17次中期経営計画(2025年4月~2028年3月)の最終年度である2027年度の経営目標に対しての進捗状況は以下のとおりです。指標2027年度(計画)2025年度(実績)売上高130,000百万円※113,836百万円営業利益率5.0%3.4%ROE6.0%8.2%※2026年5月に第17次中期経営計画最終年度の経営目標を見直ししており、見直し後の数値としております。 セグメントの業績は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。前期比較につきましては、前期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。詳細は、「第5.経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。 また、セグメント間の取引については相殺消去して記載しております。 (パワーデバイス事業)パワーデバイス事業の売上高は33,490百万円(前期比7.7%増)、営業利益は2,533百万円(前期は2,247百万円の損失)となりました。売上高においては、主力である車載向け製品が好調を維持しました。また産業機器向け製品は主にM&Aにより取得した京セラ㈱のパワーデバイス製品の寄与にくわえ、第4四半期以降、AI関連投資の拡大を背景に電源製品や半導体製造装置、工作機械用途の需要が増加し、家電向け製品も堅調に推移したことから、全体で増収となりました。損益面では、増収効果とそれに伴う稼働益、構造改革効果などにより損失を計上した前期から黒字転換となりました。 (パワーユニット事業)パワーユニット事業の売上高は72,806百万円(前期比7.6%増)、営業利益は3,847百万円(前期比22.7%減)となりました。売上高においては、主力の二輪向け製品がインド・アセアン地域において堅調を持続したことにくわえ、四輪向けおよび汎用向け製品などの増加により増収となりました。損益面では増収効果があった一方で、アジア通貨安の影響、成長分野と位置付ける電動化関連製品へのリソース投下による費用増加などにより前期から減益となりました。 (パワーシステム事業)パワーシステム事業の売上高は7,410百万円(前期比7.4%増)、営業利益は1,209百万円(前期比39.9%減)となりました。売上高においては、整流装置をはじめとした通信インフラ向け製品の需要増加により増収となりました。損益面では増収効果があった一方で、製品保証引当金の戻し入れによる一過性の利益を計上していた前期から減益となりました。 (その他)その他の売上高は129百万円(前期比15.8%減)、営業損失は14百万円(前期は42百万円の利益)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フ ローで6,318百万円増加、投資活動によるキャッシュ・フローで2,117百万円減少、財務活動によるキャッシュ・ フローで1,900百万円増加した結果、前連結会計年度末に比べ資金は6,524百万円増加し、当連結会計年度末は26,922百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、6,318百万円のプラス(前期は2,179百万円のマイナス)となりまし た。これは、主に税金等調整前当期純利益が6,727百万円となったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、2,117百万円のマイナス(前期は4,528百万円のマイナス)となりま した。これは、主に投資有価証券の売却による収入が5,440百万円となったものの、有形固定資産の取得による支出が5,360百万円となったことにくわえ、京セラ㈱からのパワーデバイス事業の会社分割・承継によって、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が2,271百万円となったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、1,900百万円のプラス(前期は186百万円のマイナス)となりまし た。これは、主に年度資金の返済・調達によるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)パワーデバイス事業(百万円)33,1394.2パワーユニット事業(百万円)72,4136.5パワーシステム事業(百万円)7,5097.0報告セグメント計(百万円)113,0615.8その他(百万円)--合計(百万円)113,0615.8(注)1.金額は、販売価格によっております。2.セグメント間の取引については含まれておりません。3.当連結会計年度より報告セグメントの区分を一部変更しており、前年同期比は、変更後のセグメントの区 分に組み替えた数値に基づき算出しております。 b.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)パワーデバイス事業37,57922.110,94260.3パワーユニット事業72,7947.64,42113.9パワーシステム事業7,81917.61,15968.9報告セグメント計118,19312.516,52445.0その他2,05095.438048.7合計120,24313.316,90445.1(注)当連結会計年度より報告セグメントの区分を一部変更しており、前年同期比は、変更後のセグメントの区分に 組み替えた数値に基づき算出しております。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)パワーデバイス事業(百万円)33,4907.7パワーユニット事業(百万円)72,8067.6パワーシステム事業(百万円)7,4107.4報告セグメント計(百万円)113,7077.6その他(百万円)129△15.8合計(百万円)113,8367.6(注)1.セグメント間の取引については含まれておりません。2.当連結会計年度より報告セグメントの区分を一部変更しており、前年同期比は、変更後のセグメントの区 分に組み替えた数値に基づき算出しております。3.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。 相手先 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)ピー・ティ・アストラホンダモーター12,17511.512,52211.0ホンダ・モーターサイクル・アンド・スクーター・インディア・プライベート・リミテッド--12,50311.04.販売実績が総販売実績の100分の10未満の相手先については記載を省略しております。5.前連結会計年度におけるホンダ・モーターサイクル・アンド・スクーター・インディア・プライベート・リミテッドに対する販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。これらの見積りについては、継続的に評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果はこれらと異なる場合があります。 ②当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析a.資産、負債及び純資産の状況当連結会計年度末の総資産は、144,652百万円(前期比8,156百万円増)となりました。これは、主に現金及び預金が増加したことによるものであります。負債は72,090百万円(前期比1,738百万円増)となりました。これは、主に借入金の増加によるものであります。純資産は、72,561百万円(前期比6,417百万円増)となりました。これは、主に利益剰余金の増加によるものであります。以上の結果、1株当たり純資産は7,127円17銭となりました。b.連結損益及び包括利益計算書の分析当連結会計年度の売上高は113,836百万円(前期比7.6%増)となりました。当社グループを取り巻く環境は、国内では雇用・所得環境の改善が進んだ一方で、世界経済においては米国の関税政策や中東情勢の不安定化が複合的に作用し、不透明な状況が続きました。このようななか、営業利益は3,848百万円(前期は128百万円の利益)、経常利益は4,577百万円(前期は523百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,655百万円(前期は2,436百万円の損失)となりました。 ③経営成績に重要な影響を与える要因と今後の見通し当社グループの事業においては、世界経済悪化に伴う急激な需要の減少や原材料費、物流費高騰による調達コストの増加、競争環境や為替相場の変動など、外部環境の変化に影響を受けるリスクを伴っております。また、各生産拠点では日常の安全衛生管理および危機管理のための対策は取っておりますが、予期せぬ天変地異、災害、停電などの事態が発生した場合、その影響を完全に防止または軽減できないことがあります。足もとの世界経済においては、各国の保護主義政策や地政学リスクの高まりにくわえて、為替相場の影響も重なり、多くのリスクをはらんでいる状況が続いております。また日本経済は緩やかな経済回復が期待される一方、世界経済の影響を受けて下振れする可能性もあります。このような不透明な外部環境下において、第17次中期経営方針である「強固な事業基盤の確立と資本効率の向上により成長ステージへ」のもと変化に適応できる強靭な経営基盤の構築を進め、長期ビジョン2030の実現に向けて邁進するとともに、当社グループの持続的成長と企業価値の向上を果たしてまいります。 ④資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローで前連結会計年度より8,497百万円多い6,318百万円のプラスとなりました。これは、主に税金等調整前当期純利益が6,727百万円となったことによるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より2,410百万円少ない2,117百万円の資金を使用いたしました。これは、主に投資有価証券の売却による収入が5,440百万円となったものの、有形固定資産の取得による支出が5,360百万円となったことにくわえ、京セラ㈱からのパワーデバイス事業の会社分割・承継によって、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が2,271百万円となったことによるものであります。財務活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より2,086百万円多い1,900百万円のプラスとなりました。これは、主に年度資金の返済・調達によるものであります。これにより当社グループの有利子負債の残高は44,357百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,076百万円増加いたしました。しかし、手元資金の残高は前連結会計年度末に比べて6,524百万円増加し、26,922百万円となり、必要な手元流動性は十分に確保されていると考えております。
事業リスク
- 特定顧客・市場への依存営業収入の過半が特定顧客の特注品に依存しており、顧客の需要変動が業績に大きな影響を与える可能性があります。また、二輪車を含む自動車市場への依存度が高く、国内外の景気動向によって収益性が低下するリスクがあります。リスク分散のため、産業機器や情報通信市場などへの展開も進めています。
- サプライチェーンの脆弱性半導体以外の主要部品や半導体原材料を複数の外部企業からの供給に依存しており、需給変動や価格高騰が発生した場合、部品調達に支障が生じたり、原価上昇により業績が悪化する可能性があります。定期的な情報共有や複数購買の促進により、供給リスクの低減を図っています。
- 国際事業活動のリスクアジア、北米、欧州などグローバルに事業を展開しており、各地域の法規制改正、政治経済の変動、労働争議、自然災害、疫病の流行などがサプライチェーンに影響を与え、事業活動が制限される可能性があります。サプライチェーン寸断リスクに備えた体制強化や、複数拠点での代替生産体制の構築を進めています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。 (1)特注品および特定市場への依存当社グループの営業収入の過半は、特定顧客企業による特注品によって占められており、顧客企業の需要変動により、当社グループの業績が重要な影響を受ける場合があります。また、当社グループでは、二輪車を含む自動車市場への依存度が高く、一般的に国内外の景気動向に対し、強い影響を受け、収益性の低下を引き起こすリスクがあります。このような事態を回避するため、当社グループは、重点市場と位置付ける二輪車を含む自動車市場のほか、産業機器市場、家電市場、通信インフラや情報機器を中心とする情報通信市場向け等、パワーエレクトロニクスを必要とするあらゆる市場に対し製品を提供することで、リスクの分散化を図っております。(2)特定のグループ外供給元への依存当社グループは、電源回路製品の基幹部品である半導体を内製化している一方で、ほかの主要部品および半導体の原材料については、複数のグループ外企業の供給に依存しております。したがって、一般的な経済動向およびサプライヤー個別の事由により、需給の急激な変動や価格の高騰が起きた場合には、必要な部材の入手に支障を来し、当社グループが顧客企業に対し供給責任を果たせない、あるいは部材価格高騰による原価の上昇など、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような事態を回避するため、各サプライヤーとの定期的な情報共有や、複数購買の促進により、供給リスクの低減を図っております。(3)国際的活動および海外進出当社グループは、日本国内のみならずアジア、北米、欧州の各地域で生産又は販売活動を行なっており、また、様々な販売チャネルを通じ、他の地域にも製品を販売しております。近年、当社グループの海外生産および販売の比重は高まってきております。したがって、当該地域における、予測できない法規制などの改正、政治および経済状況の変動、労働争議や雇用条件の急激な変化、天変地異や火災、戦争やテロ、疫病の流行といった社会情勢の変動などにより、当社グループのサプライチェーンに支障が生じ事業活動が制限される場合があり、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような事態を避けるため、サプライチェーン寸断リスクに備えた体制を強化したほか、定期的に当社グループ間で情報共有を行うとともに、生産面においては複数拠点において代替生産を可能とする体制の構築を進めております。(4)為替レートの変動当社グループは、円貨のみならず米ドル、ユーロ、アジア通貨等で販売および調達活動を行っております。また海外の生産および販売拠点は、原則としてその拠点の属する国または地域の通貨によって財務諸表を作成しており、連結財務諸表作成にあたっては、在外関係会社の財務諸表を円換算しております。したがって、為替レートの変動は当社グループの業績および財務状況に影響を与えており、一般的には、円高の場合は、当社グループの業績に悪影響を及ぼし、円安の場合は好影響を及ぼします。当社グループでは、為替予約および通貨オプションなどの取引を行なうほか、進出先での資材調達の促進など為替レートの変動による悪影響を最小限にとどめる努力をしております。(5)需要変動当社グループの顧客企業のうち、一部の市場においては、需要動向に固有の変動要因があります。また、産業構造の変化や顧客企業および当社グループの競争環境の変化などが、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼすことがあります。また、近年顧客企業の短納期要請が高まっており、供給リスクを避ける主旨などから一部の材料については先行手配をせざるを得ず、当社グループが独自の判断で調達した棚卸資産については、その後の顧客の需要変動により、当社の責任において処分する場合があり、利益率の低下を引き起こす可能性があります。このような事態を回避するため、当社グループではリードタイムの短縮につとめるほか、市場動向の変化に迅速に対応するため、関連部門が定期的な情報共有を行っております。(6)価格競争当社グループが属する電子部品業界における競争は大変厳しいものとなっており、価格に対しては、顧客企業による値下げ要請、競合他社の攻勢などにより、価格下落の圧力は日々強くなっております。特に、パワーデバイス事業やパワーユニット事業においては、競合他社の参入により国内外での競争が一段と激化しております。一方、材料費や運送費などコストの上昇により収益性を低下させるリスクもあります。そのため、将来的に価格競争力を維持できない可能性があり、その場合、当社グループは販売シェアが低下し、業績及び財政状態を悪化させる可能性があります。このような事態を回避するため、当社グループは、差別化しうる新製品の開発を進めるとともに、サプライヤーと一体となったコストダウン活動や生産性の向上に努めております。(7)技術特許などの知的財産権当社グループは、独自の半導体技術および回路技術をもとに各種製品を製造・販売しておりますが、特定の国または地域においては知的財産権による完全な保護が不可能な状況にあります。したがって、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造することを防止できない可能性があります。また、当社グループの使用する技術が、他社の保有する特許その他の技術的権利に全く抵触しないという保証はなく、その場合、当社の業績および財政状態を悪化させる可能性があります。そのため、他社が保有または主張する特許などについては、開発段階において徹底した調査を行い、必要に応じて他社とライセンス契約を結ぶなど、回避に努めております。(8)製品の欠陥当社グループは、各生産拠点においてISOやIATFといった世界的に認められた品質管理基準に基づき、各製品の製造を行なっておりますが、全ての製品について全く欠陥がなく、将来にわたりリコールや顧客企業からのクレームなどの事態が発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような重大な製品の欠陥が発生した場合、顧客企業への補償や対策費用などの費用発生に加え、市場における信用の低下などにより、当社グループの業績および財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。このような事態を回避するため、各事業本部では設計上流工程から品質を意識した開発や、顧客の使用方法を再現した製品評価等を実施しています。くわえて事業部門を横断して品質の定期的な連絡会を実施することで、気づきの水平展開に努めております。(9)新製品開発力当社グループは顧客企業または市場のニーズに合わせた製品および要素技術の開発を常に行っており、また当社グループの将来的な成長力の鍵は、こうした研究開発活動の成否にかかっていると考えております。しかしながら、エレクトロニクス業界のニーズは多様化しており、また技術や製品のサイクルも短くなってきております。くわえて、とりわけ自動車市場においては電動化、自動運転などの導入により、高度で複雑な技術が必要となってきております。当社グループが顧客企業または市場のニーズに合わせた製品をタイムリーに提供できない場合、または競合他社に先んじられた場合には、当社グループは新製品の販売機会を失うか制限され、それまでの研究開発投資の回収が困難になる可能性があります。また、近年エレクトロニクス業界でも顕著になってきている標準化競争の如何や、当社グループおよび顧客企業が基盤とする技術が主流となり得なかった場合には、当社グループが事業機会を失う場合もあります。これらのことが、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような事態を回避するため、当社グループでは産学連携など外部の知見の活用により、開発スピードの強化や、事業領域の拡大に向けた取組みを進めております。(10)人材の確保と育成当社グループの競争力の源泉は、技術開発力、生産性、品質、営業力および効率的な経営ノウハウなどであり、これらを維持し、また継続的に発展させる人材の確保と育成は、当社グループの将来性を決定づける重要な要素のひとつでありますが、できなかった場合には、当社グループの将来の成長、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。このような事態を回避するため、係る人材、特にソフトウエアなど高度なスキルを持つエンジニアや特定の有資格者について、企業買収や国籍を問わない幅広い採用など、その確保および育成に注力をしております。 (11)設備投資当社グループは生産能力および研究開発力の維持・増大のため、設備投資を継続的に行なっておりますが、将来の需要動向によりその額は変化します。設備投資の結果、増強した能力が必ずしも業績に貢献しない場合も想定され、その場合、業績、財政状態およびキャッシュ・フローに重大な影響を及ぼす場合があります。当社グループは、パワーユニット事業においては、二輪車市場が広がるアセアンやインドを中心に生産拠点を置くなど、コスト競争力と効率的な生産活動を追求しております。生産拠点間での代替生産を行う体制整備や在庫の一定水準の保有など、供給責任を果たすべく措置を取るほか、当該生産拠点においては、日常の安全管理および危機管理のための対策を取っております。(12)公的規制等当社グループは、事業を展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障またはその他の理由による輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、消費者、租税、為替管制、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けております。当社グループは事業活動を行うにあたり、これらの規制に細心の注意を払っておりますが、規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限される可能性があり、さらにペナルティを課せられるなど発生費用の増加を伴い、当社グループの業績および財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。これらの事態を回避するため、当社グループは規制に対する対策を積極的に進めており、全社組織を形成したうえで周知徹底を図っております。また、当社グループおよび当社グループの顧客企業が事業を行うにあたり、EU(欧州連合)によるRoHS指令(有害物質使用制限に関する指令)をはじめ、環境問題や人権問題などに対応するための様々な規制が国や地域ごとに設けられております。しかしながら、技術やその他の制約により、規制に合致した対策が取れない可能性があり、その場合、当社グループは販売について規制を受けて事業機会を逸し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、規制に対応するための費用が業績および財政状態を圧迫する可能性もあります。このような事態を回避するため、専門部署を設け、最新の法令改正状況を調査し、対策を講じる体制を構築しております。(13)災害等のリスク地震や台風など大規模な自然災害や火災等の事故災害、感染症によるパンデミックの発生などにより、当社グループの建物や設備、従業員等が被害を受け操業停止せざるを得ない事象のほか、経済活動への影響が重大または長期間となった場合、当社グループの業績、財政状態およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、こうした事態に備えたBCP(事業継続計画)を策定し、災害等の発生時における影響を最小限に留めるべく、リスク耐性の強化を図っております。(14)情報セキュリティ当社グループは、研究開発や知的財産などの機密情報を有するほか、事業活動を通じて顧客やサプライヤー等の機密情報を入手し、保有しております。また従業員等の個人情報も保有しております。これらの情報の取り扱いにつきましては、新電元グループ情報セキュリティ基本方針に基づき厳正な管理を行っておりますが、不測の事態により情報侵害が発生した場合、当社グループの信用低下や賠償責任等により業績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このような事態を回避するため、情報セキュリティ委員会を設置し、データ侵害等を想定したセキュリティを強化しリスク低減に努めるほか、規定類の見直しや全従業員へ教育活動を行う等、情報セキュリティの維持向上に努めております。