6905

コーセル(6905)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 直流安定化電源事業
    コーセルグループは、直流安定化電源の製造・販売を主軸としています。これは、様々な電子機器に安定した電力を供給するための重要な部品で、産業機械や医療機器、通信機器など幅広い分野で使われています。据え置き型のユニット電源、基板に直接取り付けるオンボード電源、ノイズを除去するノイズフィルタ、そして買収したPowerbox社のPRBX製品の4つの製品区分で事業を展開し、多様な顧客ニーズに対応しています。
  • グローバルな製造販売体制
    日本、北米、ヨーロッパ、アジア、中国に拠点を持ち、世界中で製品を製造・販売しています。特に、日本と中国で主要な製品を開発・製造し、それを世界各地の販売拠点を通じて顧客に届ける体制を構築しています。これにより、地域ごとの市場特性に合わせたきめ細やかな対応と効率的な供給を実現しています。
  • 多様な製品ラインナップ
    主力製品であるユニット電源は、制御機器や半導体製造装置、医療機器向けに汎用カタログ品を供給。オンボード電源は通信・放送機器や制御機器、医療機器向けに、ノイズフィルタは一般産業機器や医療機器向けに展開しています。さらに、PRBX製品は欧州を中心に、制御機器、医療機器、鉄道・航空といった輸送関連市場でカスタム品も提供し、幅広い産業の基盤を支えることで収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 日本生産販売事業
    コーセルグループの主要な稼ぎ頭であり、売上高165.2億円、営業利益5.2億円と最も大きな規模を誇ります。主に日本国内でユニット電源、オンボード電源、ノイズフィルタの製造・販売を手がけており、ベトナムの子会社では電源部品(トランス)の製造も行っています。国内市場での強固な基盤と生産能力が特徴です。
  • ヨーロッパ生産販売事業
    売上高62.6億円ですが、営業利益は-4.0億円と赤字を計上しています。ドイツを拠点にユニット電源、オンボード電源、ノイズフィルタの販売を行うほか、買収したPowerbox International ABとその子会社がスウェーデン・ドイツでPRBX製品の製造・販売およびコーセル製品の販売を行っています。M&Aによるシナジー効果の最大化が課題とされています。
  • 北米・アジア・中国事業
    北米販売事業は売上高16.0億円、営業利益0.8億円。アジア販売事業は売上高26.7億円、営業利益0.8億円。中国生産事業は売上高18.1億円、営業利益0.5億円です。これら地域では、ユニット電源、オンボード電源、ノイズフィルタの販売や、中国でのユニット電源製造を通じて、グローバルな市場展開を支えています。特に中国は生産拠点としても重要な役割を担っています。
2025-05 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
SegmentToManufactureAndSellInJapan 地域 165 5 3.2%
SegmentToSellInNorthAmerica 地域 16 1 5.0%
SegmentToManufactureAndSellInEurope 地域 63 -4 -6.4%
SegmentToSellInAsia 地域 27 1 3.0%
SegmentToManufactureInChina 地域 18 1 2.9%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,224 文字
3【事業の内容】当社グループは、当社(コーセル㈱)及び子会社21社、その他の関係会社1社で構成されており、直流安定化電源の製造・販売を主たる事業としております。当社グループは、製造・販売体制を基礎とした地域別のセグメントから構成されており、「日本生産販売事業」、「北米販売事業」、「ヨーロッパ生産販売事業」、「アジア販売事業」及び「中国生産事業」の5つを報告セグメントとしております。セグメントの名称会社名所在地主な事業内容日本生産販売事業当社(コーセル㈱)日本ユニット電源、オンボード電源及びノイズフィルタの製造・販売COSEL VIETNAM CO.,LTD.ベトナム電源に使用する部品(トランス)の製造北米販売事業COSEL USA INC.米国ユニット電源、オンボード電源及びノイズフィルタの販売ヨーロッパ生産販売事業COSEL EUROPE GmbHドイツユニット電源、オンボード電源及びノイズフィルタの販売Powerbox International AB及びその子会社スウェーデン・ドイツPRBX製品の製造・販売及び当社製品の販売アジア販売事業COSEL ASIA LTD.香港ユニット電源、オンボード電源及びノイズフィルタの販売科索(上海)電子有限公司中国ユニット電源、オンボード電源及びノイズフィルタの販売中国生産事業無錫科索電子有限公司中国ユニット電源の製造上海科素商貿有限公司中国中国生産品のユニット電源を、各販売事業会社に輸出 なお、直流安定化電源を機器に取り付ける形態により、ユニット電源(据置型タイプ)とオンボード電源(プリント基板実装型タイプ)、ノイズフィルタに加え、PRBX製品(Powerbox International ABが開発、製造、販売する製品)の4つの製品区別で事業活動を展開しております。製品区別主要取扱製品・事業内容ユニット電源日本及び中国を主要拠点として開発・製造し、日本国内、北米、欧州及びアジア市場に販売展開しております。汎用性のあるカタログ品を主軸に、制御機器や半導体製造装置、医療機器市場等へ供給しております。オンボード電源日本を主要拠点として開発・製造し、日本国内、北米、欧州及びアジア市場に販売展開しております。汎用性のあるカタログ品を主軸に、通信・放送機器や制御機器、医療機器市場等へ供給しております。ノイズフィルタ日本を主要拠点として開発・製造し、日本国内、北米、欧州及びアジア市場に販売展開しております。汎用性のあるカタログ品を主軸に、一般産業機器や医療機器市場等へ供給しております。PRBX製品スウェーデン及びドイツを主要拠点として開発・製造し、欧州市場を中心に販売展開しております。汎用性のあるカタログ品とお客様の仕様に合わせたカスタム品を中心に、制御機器や医療機器、鉄道・航空等輸送関連市場へ供給しております。 当社グループの状況を事業系統図に示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
価格競争が激化し、恒常的に低下する傾向にあるため
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
品質管理及び品質保証のための国際規格(ISO9001)認定品質システムを構築
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:経済環境に関するリスク / 地政学リスク / 災害リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

財務サマリに時系列データが未収録であり、ブランド力や特許などの無形資産に関する具体的な情報が不足しているため、現時点での評価は困難です。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

電源機器は、顧客の設計変更や認証取得にコストがかかるため、一定のスイッチング・コストが存在する可能性があります。しかし、具体的な顧客事例や乗り換えコストの定量的なデータは不足しています。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果が期待できる事業モデルではなく、ユーザー数の増加が製品価値を直接高める構造ではありません。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の事業継続により、一定の生産ノウハウやサプライヤーとの関係を構築している可能性がありますが、他社と比較した構造的なコスト優位性を示す具体的なデータは現時点では確認できません。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

電源機器市場は競争が激しいですが、コーセルが特定のニッチ市場で一定のシェアを確保している可能性はあります。しかし、業界全体に対する圧倒的な規模の経済や寡占度を示すデータは不足しています。

  • グローバルな生産販売網
    コーセルグループは、日本、北米、ヨーロッパ、アジア、中国にわたる広範な生産・販売ネットワークを構築しています。これにより、世界中の多様な顧客ニーズに対応し、地域ごとの市場特性に合わせた製品供給とサービス提供を可能にしています。特に、主要な製品開発・製造拠点を日本と中国に持ち、効率的なグローバルサプライチェーンを形成している点が強みと考えられます。
  • 多様な製品と用途
    ユニット電源、オンボード電源、ノイズフィルタ、PRBX製品という4つの製品区分を展開し、制御機器、半導体製造装置、医療機器、通信・放送機器、鉄道・航空など、非常に幅広い産業分野に製品を供給しています。これにより、特定の産業や製品に依存しすぎない事業構造を築き、市場変動リスクを分散している可能性があります。
  • 品質管理と技術力
    長年にわたり直流安定化電源の製造・販売を主たる事業としており、国際規格ISO9001に認定された品質システムを構築しています。設計段階からの品質作り込みや、独自の品質管理技術を活用した設計審査、内部品質監査などを通じて、製品の信頼性と安全性を確保しています。これにより、顧客からの信頼を獲得し、安定的な事業継続に繋がっていると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針 当社は、『品質至上を核に社会の信頼に応える』を経営理念として掲げ、直流安定化電源装置の設計開発・生産・販売を通して、今後ますます高度化するエレクトロニクス社会の進化に寄与し「持続可能な社会の実現」に貢献する企業でありたいと考えております。 そのために、誠意ある企業文化の基盤醸成とともに、グローバル化の進展、価値観の多様化等をうけて、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)を重視し、誰もが安全安心で、いきいき・ワクワク・やりがいをもって働ける会社を目指してまいります。 また、企業としての社会的責任を果たすため、コーポレート・ガバナンスの強化を努めてまいります。当社の経営理念「核の概念図」 私たちコーセルグループのビジョンとして“顧客起点のニーズを捉えた製品とサービスで、スマートエネルギー社会になくてはならない存在になる”を掲げ、「持続的成長に向けた事業改革・改善」、「新しい価値を創造するための技術革新へのチャレンジ」、「一人ひとりの成長・組織の進化」など、グローバルな視点を重視しながら一人ひとりの「社員の力」を活かしつつ、組織力を高め続けることで、持続可能な社会の実現」に貢献し、私たちコーセルグループの「持続的成長」につなげていきたいと考えています。 (2)目標とする経営指標 当社グループは、第11次中期経営計画(2026年度~2028年度)において、「顧客起点のニーズを捉えた製品とサービスで、スマートエネルギー社会になくてはならない存在になる」をビジョンに掲げ、収益基盤の再構築と持続的な企業価値向上を目指しております。最終年度である2028年度には、連結営業利益率 8.5%以上、連結ROE(自己資本利益率)5.2%以上を経営目標とし、さらに次期中期経営計画では営業利益率15%以上、ROE8%以上の達成を目指しております。 (3)第10次中期経営計画の総括及び第11次中期経営計画 第10次中期経営計画における最終年度2025年度の目標・経営指標とその達成状況は次のとおりです。項目第9次(最終年度)2022年度実績第10次中期経営計画2023年度2024年度2025年度実績実績計画実績連結売上高(百万円)35,26641,43727,05241,70025,046連結営業利益(百万円)4,9266,9126286,240△695連結営業利益率(%)14.016.72.315.0△2.8連結ROE(%)7.611.6△0.210.0△6.3 第10次中期経営計画では、「適正な利益・原価管理の実現」「新製品売上比率の向上」「欧州ビジネスの強化」を重点戦略として取り組んでまいりました。 しかしながら、半導体製造装置市場やFA市場における在庫調整の長期化、中国景気の低迷、部材価格上昇等の影響により、売上高・利益ともに計画を下回る結果となりました。 また、新製品への切替えは進展したものの、後継機種への移行に想定以上の時間を要したことや、欧州事業の収益改善にも時間を要しました。この結果、売上高は前連結会計年度を下回り、中期経営計画に対しても未達となりました。利益面においては、売上高の減少に加え、部品材料費の上昇や固定費負担の増加により営業損失6億95百万円となりました。また、連結子会社のPowerbox International ABの株式譲渡等により関係会社整理損36億44百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は34億6百万円となり、これにより連結ROEもマイナスとなりました。 (4)LITE-ON TECHNOLOGY CORPORATION との資本業務提携契約による新たな重点戦略 当社はLITE-ON TECHNOLOGY CORPORATIONとの資本業務提携を通じて、共同調達、共同開発、販売連携を推進しております。 第10次中期経営計画では、共同開発ブランド「COSELSYNC.」を立ち上げ、従来のプレミアム市場に加え、世界のミドルレンジ市場への本格参入を進めております。 今後も両社の販売網、開発力及び調達力を活用し、海外売上拡大と製品ラインナップの充実を図ることで、新たな成長ドライバーとして育成してまいります。 (5)今後の経営環境 世界経済はAI関連投資を背景として半導体需要の拡大が期待される一方、米国の関税政策、地政学リスク、中国経済の減速など、先行き不透明な状況が続くものと見込まれます。 当社が属するスイッチング電源市場では、AI・データセンター向け半導体製造装置需要の拡大、再生可能エネルギー・蓄電関連市場の成長が期待される一方、価格競争の激化や部材価格上昇などへの対応が重要となっております。 (6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループを取り巻く事業環境は、AI関連投資を背景とした半導体製造装置市場や再生可能エネルギー関連市場の成長が期待される一方、米国の関税政策や地政学リスク、中国経済の減速、原材料価格の高止まりなど、先行き不透明な状況が続いております。また、国内標準電源市場は成熟化が進み、価格競争も激しさを増しており、従来の事業構造の延長線上では持続的な成長の実現が難しい状況にあります。 このような経営環境を踏まえ、当社グループでは、第11次中期経営計画において「収益基盤の再構築」を最重要課題と位置付け、以下の重点施策に取り組んでおります。① 事業ポートフォリオの再編標準電源事業で培った技術力・品質・ブランドを維持・強化しつつ、半導体製造装置関連及び再生可能エネルギー関連など成長市場への経営資源配分を加速し、収益性の高い事業構造への転換を図ってまいります。また、新規事業の育成を通じて、中長期的な企業価値向上を目指します。 ② 海外事業の拡大国内市場の成熟化を踏まえ、海外売上の拡大を重要課題としております。LITE-ON TECHNOLOGY CORPORATIONとの業務提携を活用し、共同開発ブランド「COSELSYNC.」製品によるミドルレンジ市場への本格参入を進めるとともに、地域ごとの市場特性に応じた販売戦略を展開し、海外市場での事業基盤を強化してまいります。 ③ 収益構造改革価格競争力と収益性を両立するため、製品価格の適正化、部材コスト低減、生産性向上、DXによる業務改革及び固定費構造の最適化を推進し、損益分岐点の引下げと限界利益率を重視した収益管理を徹底してまいります。また、事業ポートフォリオに応じた組織・人員配置を進め、経営資源の最適活用を図ります。さらに、持続的な企業価値向上に向けて、気候変動への対応や人的資本への投資、コーポレート・ガバナンスの強化などESG経営を推進するとともに、資本効率を意識した経営を実践し、成長投資と株主還元の両立に努めてまいります。第11次中期経営計画の目標・経営指標項目第10次(最終年度)2025年度実績第11次中期経営計画2026年度計画2027年度計画2028年度計画連結売上高(百万円)25,04628,87532,96440,000連結営業利益(百万円)△6951,3352,2303,404連結営業利益率(%)△2.84.66.88.5連結ROE(%)△6.33.13.65.2
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針 当社は、『品質至上を核に社会の信頼に応える』を経営理念として掲げ、直流安定化電源装置の設計開発・生産・販売を通して、今後ますます高度化するエレクトロニクス社会の進化に寄与し「持続可能な社会の実現」に貢献する企業でありたいと考えております。 そのために、誠意ある企業文化の基盤醸成とともに、グローバル化の進展、価値観の多様化等をうけて、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)を重視し、誰もが安全安心で、いきいき・ワクワク・やりがいをもって働ける会社を目指してまいります。 また、企業としての社会的責任を果たすため、コーポレート・ガバナンスの強化を努めてまいります。当社の経営理念「核の概念図」 私たちコーセルグループのビジョンとして“顧客起点のニーズを捉えた製品とサービスで、スマートエネルギー社会になくてはならない存在になる”を掲げ、「持続的成長に向けた事業改革・改善」、「新しい価値を創造するための技術革新へのチャレンジ」、「一人ひとりの成長・組織の進化」など、グローバルな視点を重視しながら一人ひとりの「社員の力」を活かしつつ、組織力を高め続けることで、持続可能な社会の実現」に貢献し、私たちコーセルグループの「持続的成長」につなげていきたいと考えています。 (2)目標とする経営指標 当社グループは、第11次中期経営計画(2026年度~2028年度)において、「顧客起点のニーズを捉えた製品とサービスで、スマートエネルギー社会になくてはならない存在になる」をビジョンに掲げ、収益基盤の再構築と持続的な企業価値向上を目指しております。最終年度である2028年度には、連結営業利益率 8.5%以上、連結ROE(自己資本利益率)5.2%以上を経営目標とし、さらに次期中期経営計画では営業利益率15%以上、ROE8%以上の達成を目指しております。 (3)第10次中期経営計画の総括及び第11次中期経営計画 第10次中期経営計画における最終年度2025年度の目標・経営指標とその達成状況は次のとおりです。項目第9次(最終年度)2022年度実績第10次中期経営計画2023年度2024年度2025年度実績実績計画実績連結売上高(百万円)35,26641,43727,05241,70025,046連結営業利益(百万円)4,9266,9126286,240△695連結営業利益率(%)14.016.72.315.0△2.8連結ROE(%)7.611.6△0.210.0△6.3 第10次中期経営計画では、「適正な利益・原価管理の実現」「新製品売上比率の向上」「欧州ビジネスの強化」を重点戦略として取り組んでまいりました。 しかしながら、半導体製造装置市場やFA市場における在庫調整の長期化、中国景気の低迷、部材価格上昇等の影響により、売上高・利益ともに計画を下回る結果となりました。 また、新製品への切替えは進展したものの、後継機種への移行に想定以上の時間を要したことや、欧州事業の収益改善にも時間を要しました。この結果、売上高は前連結会計年度を下回り、中期経営計画に対しても未達となりました。利益面においては、売上高の減少に加え、部品材料費の上昇や固定費負担の増加により営業損失6億95百万円となりました。また、連結子会社のPowerbox International ABの株式譲渡等により関係会社整理損36億44百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は34億6百万円となり、これにより連結ROEもマイナスとなりました。 (4)LITE-ON TECHNOLOGY CORPORATION との資本業務提携契約による新たな重点戦略 当社はLITE-ON TECHNOLOGY CORPORATIONとの資本業務提携を通じて、共同調達、共同開発、販売連携を推進しております。 第10次中期経営計画では、共同開発ブランド「COSELSYNC.」を立ち上げ、従来のプレミアム市場に加え、世界のミドルレンジ市場への本格参入を進めております。 今後も両社の販売網、開発力及び調達力を活用し、海外売上拡大と製品ラインナップの充実を図ることで、新たな成長ドライバーとして育成してまいります。 (5)今後の経営環境 世界経済はAI関連投資を背景として半導体需要の拡大が期待される一方、米国の関税政策、地政学リスク、中国経済の減速など、先行き不透明な状況が続くものと見込まれます。 当社が属するスイッチング電源市場では、AI・データセンター向け半導体製造装置需要の拡大、再生可能エネルギー・蓄電関連市場の成長が期待される一方、価格競争の激化や部材価格上昇などへの対応が重要となっております。 (6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループを取り巻く事業環境は、AI関連投資を背景とした半導体製造装置市場や再生可能エネルギー関連市場の成長が期待される一方、米国の関税政策や地政学リスク、中国経済の減速、原材料価格の高止まりなど、先行き不透明な状況が続いております。また、国内標準電源市場は成熟化が進み、価格競争も激しさを増しており、従来の事業構造の延長線上では持続的な成長の実現が難しい状況にあります。 このような経営環境を踏まえ、当社グループでは、第11次中期経営計画において「収益基盤の再構築」を最重要課題と位置付け、以下の重点施策に取り組んでおります。① 事業ポートフォリオの再編標準電源事業で培った技術力・品質・ブランドを維持・強化しつつ、半導体製造装置関連及び再生可能エネルギー関連など成長市場への経営資源配分を加速し、収益性の高い事業構造への転換を図ってまいります。また、新規事業の育成を通じて、中長期的な企業価値向上を目指します。 ② 海外事業の拡大国内市場の成熟化を踏まえ、海外売上の拡大を重要課題としております。LITE-ON TECHNOLOGY CORPORATIONとの業務提携を活用し、共同開発ブランド「COSELSYNC.」製品によるミドルレンジ市場への本格参入を進めるとともに、地域ごとの市場特性に応じた販売戦略を展開し、海外市場での事業基盤を強化してまいります。 ③ 収益構造改革価格競争力と収益性を両立するため、製品価格の適正化、部材コスト低減、生産性向上、DXによる業務改革及び固定費構造の最適化を推進し、損益分岐点の引下げと限界利益率を重視した収益管理を徹底してまいります。また、事業ポートフォリオに応じた組織・人員配置を進め、経営資源の最適活用を図ります。さらに、持続的な企業価値向上に向けて、気候変動への対応や人的資本への投資、コーポレート・ガバナンスの強化などESG経営を推進するとともに、資本効率を意識した経営を実践し、成長投資と株主還元の両立に努めてまいります。第11次中期経営計画の目標・経営指標項目第10次(最終年度)2025年度実績第11次中期経営計画2026年度計画2027年度計画2028年度計画連結売上高(百万円)25,04628,87532,96440,000連結営業利益(百万円)△6951,3352,2303,404連結営業利益率(%)△2.84.66.88.5連結ROE(%)△6.33.13.65.2
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 1)財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における世界経済は、米国関税の影響の顕在化リスクといった不確実性の中、AI関連需要の力強さを背景に底堅い成長が継続しました。一方で、中東情勢の急激な不安定化により先行きの不透明感が増しており、エネルギー資源の高騰や供給制約、またそれに起因するサプライチェーンの混乱により、景気減速の圧力が強まっております。地域別には、米国では関税による下押し圧力の中、個人消費とAI関連をはじめとする設備投資により堅調さが継続しました。日本においても内需の堅調さから緩やかな成長を維持し、欧州でもプラス成長が継続しております。一方、中国においては政府が示すGDP成長率に反して、設備投資と民間消費ともに減速傾向がみられました。 エレクトロニクス業界におきましては、AIを活用した社会のデジタル化への推進を背景に、サーバーやデータセンター向けの半導体需要の増加が続いており、自動車や産業機器関連も底打ちの兆しが出てきております。 このような状況の中、当社グループでは顧客訪問による拡販活動、営業部門と開発部門の連携強化を継続して推進しており、新製品を中心に重点顧客への提案活動に注力いたしました。また、LITE-ON TECHNOLOGY CORPORATION(以下、LITE-ON)との連携活動では、新ブランド「COSELSYNC.」製品、及びLITE-ON製品の拡販活動に注力してまいりました。 新製品につきましては、FA制御機器、計測機器、表示器や半導体製造装置といった幅広い分野で利用可能なユニット型シングル出力AC-DC電源「PDAシリーズ」拡充2モデル「PDA300F/600F」を市場投入し、既存モデルと合わせて全7モデルを展開しております。また、低背タイプの小型汎用DC-DCコンバータ「MUシリーズ」拡充4モデル「MUS6/MUW6/MUS10/MUW10」を追加投入したことで、既存モデルを含め多彩なラインナップとなり、顧客ニーズへの対応力を強化いたしました。さらに、高入力電圧パワーモジュール電源「DCS1400B」を市場投入いたしました。 海外市場向けには、医用電気機器向けの高信頼性及び高安全性ニーズに応える標準サイズ2×4インチAC-DC電源「UMHA120F」を市場投入いたしました。 当連結会計年度の経営成績につきましては、受注高は278億41百万円(前年同期比59.8%増)と回復傾向にありますが、売上高は250億46百万円(同7.4%減)となりました。利益面においては、売上高の大幅な減少に伴い収益力が低下し、経費の削減効果はあったものの固定費負担が重く、営業損失は6億95百万円(前年同期は営業利益6億28百万円)となりました。また、為替の影響等で経常利益は2億67百万円(前年同期比63.9%減)となりましたが、2026年5月20日付で当社連結子会社であるPowerbox International ABの株式譲渡契約を締結したことに伴い、関係会社整理損を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失は34億6百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1億13百万円)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。① 日本生産販売事業 日本国内では、AI活用による社会のデジタル化推進等を背景に、半導体製造装置関連全般に需要回復と在庫消化が進んでおります。受注は急速に回復しており、その一部は第4四半期連結会計期間の売上高にも寄与したものの、大部分については翌連結会計年度以降での売上寄与を見込んでおり、当連結会計年度の売上高は低調となりました。 営業活動につきましては、引き続き販売店との情報共有強化、訪問営業による新製品を中心とした拡販活動に加え、COSELSYNC.製品及びLITE-ON製品の拡販活動を活発化しております。 この結果、外部顧客への売上高は140億円(前年同期比15.3%減)、セグメント損失は3億16百万円(前年同期はセグメント利益5億20百万円)となりました。 ② 北米販売事業 米国では、米国関税の影響の顕在化による先行きの不透明感から需要の調整局面が続いておりましたが、第3四半期連結会計期間以降の受注回復が売上寄与し、当連結会計年度の売上高については増加しました。 営業活動につきましては、セールスレップとの連携強化、動画を用いた新製品のプロモーション強化等、拡販活動を継続しております。また、COSELSYNC.製品及びLITE-ON製品の拡販活動にも努めております。 この結果、外部顧客への売上高は18億96百万円(前年同期比18.6%増)、セグメント利益は88百万円(前年同期比10.9%増)となりました。 ③ ヨーロッパ生産販売事業 ヨーロッパでは、景気の不透明感はやや後退したものの、需要の調整局面が継続しております。顧客での発注調整の影響により新規受注の低迷が継続し、当連結会計年度の売上高は微増となりました。 営業活動につきましては、訪問営業とテレワークの両面で拡販活動を増やしております。 この結果、外部顧客への売上高は64億8百万円(前年同期比2.3%増)、セグメント損失は7億23百万円(前年同期はセグメント損失4億円)となりました。 ④ アジア販売事業 アジアにおいては、中国の景気鈍化に加え、米中の関税動向の影響により、需要の調整局面が継続していたものの、顧客での在庫消化が進んだことに加え大口案件の受注増加もあり、第3四半期連結会計期間以降は受注が急増しております。受注の回復に伴い当連結会計年度の売上高は微増となりました。 営業活動につきましては、新規開拓及び新製品拡販に向けたウェブマーケティングに継続して取り組んでおります。 この結果、外部顧客への売上高は27億40百万円(前年同期比2.8%増)、セグメント利益は1億4百万円(同28.4%増)となりました。 ⑤ 中国生産事業 中国生産事業においては、第3四半期連結会計期間以降、既存製品、新製品ともに受注が回復基調にあり、それに伴い生産量も増加しております。今後もさらなる受注拡大が見込まれることから、増産体制の整備を推進いたしました。また、「品質の維持・向上」に向けた改善活動に加え、「生産性の向上」及び「コスト削減」を目的とした生産改善活動にも継続して取り組んでおります。 この結果、セグメント間の内部売上高は20億5百万円(前年同期比10.6%増)、セグメント利益は11百万円(前年同期比78.0%減)となりました。 財政状況につきましては、当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金、受取手形及び売掛金や電子記録債権等の営業債権、有価証券が増加した一方で、棚卸資産及び投資有価証券が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ5億78百万円増加し、605億76百万円となりました。負債の部では、買掛金、繰延税金負債が増加したことに加え、当社の連結子会社であるPowerbox International ABの譲渡決定に伴い、関係会社整理損失引当金を計上したこと等により、負債合計は前連結会計年度末に比べ42億51百万円増加し、84億13百万円となりました。純資産の部では、その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定が増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失の計上、剰余金の配当等により利益剰余金が減少したことにより、純資産合計は前連結会計年度末に比べ36億72百万円減少し、521億63百万円となりました。この結果、自己資本比率は86.1%(前連結会計年度末は93.1%)となりました。 2)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億12百万円増加し、268億65百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は、30億35百万円(前年同期は得られた資金38億58百万円)となりました。これは主に、減価償却費14億80百万円、関係会社整理損36億44百万円、棚卸資産の減少額25億3百万円、仕入債務の増加額1億81百万円、法人税等の還付額9億14百万円を計上した一方で、税金等調整前当期純損失34億25百万円、退職給付に係る資産の増加額1億41百万円、為替差益8億80百万円、売上債権の増加額12億17百万円、法人税等の支払額1億47百万円があったこと等を反映したものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は、14億9百万円(前年同期は使用した資金16億21百万円)となりました。これは主に、投資有価証券の償還による収入3億円を計上した一方で、有形固定資産の取得による支出17億34百万円があったこと等を反映したものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は、23億96百万円(前年同期は得られた資金92億28百万円)となりました。これは主に、リース債務の返済による支出1億34百万円、配当金の支払額22億61百万円があったこと等を反映したものであります。 3)生産、受注及び販売の実績 当連結会計年度の生産実績、受注実績及び販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。a.生産実績セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年5月21日至 2026年5月20日)前年同期比(%)日本生産販売事業(百万円)16,32881.9北米販売事業(百万円)--ヨーロッパ生産販売事業(百万円)4,857102.7アジア販売事業(百万円)--中国生産事業(百万円)2,319105.1合計(百万円)23,50487.5(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.金額は販売価額によっております。 b.受注実績セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)日本生産販売事業16,596190.46,452170.4北米販売事業1,800131.3425139.0ヨーロッパ生産販売事業6,380123.65,015116.8アジア販売事業3,064141.1916159.4中国生産事業----合計27,841159.812,810142.9(注)金額は販売価額によっております。 c.販売実績セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年5月21日至 2026年5月20日)前年同期比(%)日本生産販売事業(百万円)14,00084.7北米販売事業(百万円)1,896118.6ヨーロッパ生産販売事業(百万円)6,408102.3アジア販売事業(百万円)2,740102.8中国生産事業(百万円)--合計(百万円)25,04692.6(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年5月21日至 2025年5月20日)当連結会計年度(自 2025年5月21日至 2026年5月20日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)リョーサン菱洋株式会社5,20419.24,23916.9(注)2026年4月1日付で、株式会社リョーサンはリョーサン菱洋株式会社に社名変更しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 1)重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成に当たりましては、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。そのため、これらの見積りについては過去の実績や状況に応じ、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りに不確実性があるため異なる場合があります。特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される判断と見積りに重要な影響を及ぼすと考えております。 ① のれん等無形固定資産の減損処理 当社グループは、減損会計の対象となるのれん、技術資産及び顧客関連資産を有しております。今後、市場の動向や業績の状況に基づき見積られた将来キャッシュ・フローの総額の見積りが、帳簿価額を下回った場合に、減損損失の計上が必要になる可能性があります。 ② 有価証券の減損処理 当社グループは、金融機関や販売又は仕入先の株式等を保有しております。これらの株式等は株式市場等の価格変動や投資先の業績悪化等による実質価額変動のリスクを負っており、投資価値が50%以上下落した場合、投資の減損を計上しております。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が生じた場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。 ③ 繰延税金資産の回収可能性の評価 当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の回収可能性を評価しております。その見積りにより全部又は一部が回収できないと判断した場合には繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。 ④ 退職給付費用 当社の従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、翌期において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。 期待運用収益率と実際の結果が異なる場合、又は予定利率等前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。 ⑤ 原材料の評価 当社の原材料の貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法により算定しております。また、保有期間が長期にわたる原材料は当社の品質管理上定められた保管期限及び将来の使用見込みを勘案し、適宜廃棄処分を行っております。 原材料の使用見込みは、顧客市場動向等の将来の経済状況の変動によって影響を受ける可能性があり、これにより収益性が低下したと判断される場合、原材料の評価損を計上する可能性があります。 ⑥ 連結企業集団外部に対する貸付金 当社は、連結子会社であるPowerbox International AB(以下、「PRBX」)の株式譲渡契約の締結に伴い、PRBXに対する貸付金について、株式譲渡後も連結企業集団外部に対する貸付金として保有する予定です。当社は、契約条件、PRBXグループの財政状態及び将来の事業計画等を踏まえ、当該貸付金の回収可能性を評価しております。当事業年度末においては、回収不能と見込まれる金額を関係会社整理損として計上するとともに、貸倒引当金を計上しております。 貸付金の回収可能額は、PRBXグループの将来の収益性、累積EBITDA及び資金繰りの見通し等を前提として見積っており、これらの前提は市場環境や事業環境の変化、事業計画の達成状況等の影響を受けるため、実際の結果が見積りと異なった場合には、貸倒引当金の戻入れ又は追加計上が必要となる可能性があります。 2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度は、前連結会計年度以前に発生した顧客の先行手配による在庫積み増しの反動から、産業機器市場を中心に在庫調整が継続し、売上高は前年を下回る結果となりました。一方、第4四半期連結会計期間から半導体製造装置関連を中心に受注回復の動きが見られ、受注高は前年を上回る結果となり、市場環境は改善傾向にあります。 このような経営環境のもと、当社グループでは重点顧客への提案活動、新製品の市場投入、LITE-ONとの営業・開発・調達分野における協業を本格的に推進し、将来の成長に向けた事業基盤の強化に取り組みました。また、事業ポートフォリオの見直しや収益性改善施策を進めるとともに、生産性向上や固定費の適正化を推進し、企業価値向上に向けた経営改革を進めております。 ① セグメント別業績 「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 ② 売上原価、売上総利益 売上高の減少に伴い工場操業度が低下したことに加え、部品・原材料価格の上昇や人件費及び減価償却費等の固定費負担が相対的に上昇したことにより、売上原価率は前年同期に比べ2.5ポイント上昇し、売上総利益率は24.1%となりました。 当社グループでは、第11次中期経営計画において、生産性向上及び原価低減活動を重点施策として位置付けており、収益構造の改善に継続して取り組んでまいります。 ③ 販売費及び一般管理費、営業利益 売上高の減少及び売上原価率の上昇に加え、販売費及び一般管理費が人件費の増加等により前年に比べ増加したことにより、営業損失となりました。営業利益率は△2.8%となりました。 今後は、営業活動の強化、LITE-ONとの協業による販売機会の拡大、高付加価値製品の拡販及び固定費の最適化を推進し、収益力の回復を図ってまいります。 ④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループは、健全な財務基盤を維持しつつ、成長投資と株主還元の両立を基本方針としております。当連結会計年度末の自己資本比率は86.1%となり、高い財務健全性を維持しております。 今後は、第11次中期経営計画に基づき、研究開発、生産設備、DX及び戦略投資等への資金配分を進めるとともに、財務規律を維持しながら、持続的な企業価値向上及び株主還元の充実を図ってまいります。 3)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、中長期的な企業価値向上を目指し、資本コスト及び株価を意識した経営を推進しております。その実現に向け、収益力の向上、資本効率の改善及びキャッシュ創出力の強化を重要な経営課題と位置付けております。 第11次中期経営計画では、事業ポートフォリオの最適化、海外戦略の強化及び収益構造の改善を重点戦略として、収益力の向上及び資本効率の改善に取り組んでまいります。また、株主還元については、DOE(株主資本配当率)4.5%以上を下限とする累進配当を基本方針としております。 最終年度である2028年度の数値目標として、連結売上高400億円、連結営業利益34億円、連結営業利益率8.5%以上及び連結ROE5.2%以上を掲げ、これらの達成を通じて企業価値の向上を目指してまいります。

事業リスク

  • 経済環境の変動
    世界的なインフレの長期化、欧米の政策金利上昇、為替変動、中国経済の成長鈍化などが、グローバル経済や各地域経済を不安定化させる可能性があります。これにより、コーセルグループの製品需要が減退したり、原材料費や輸送費が増加したりすることで、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
  • 地政学的な緊張
    米中関係の悪化、ロシア・ウクライナ情勢、中東地域の緊張など、地政学的なリスクが高まっています。これにより、各国の経済安全保障政策や貿易制限、関税導入などが実施される可能性があり、輸出入取引や部品調達、サプライチェーンに混乱やコスト増が生じ、経営成績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。
  • 製品の品質問題
    コーセルグループは厳格な品質管理体制を構築していますが、全ての製品で不良欠陥が発生しない保証はありません。万が一、製品の品質に起因する事故や市場回収、生産停止などが発生した場合、顧客への賠償責任や多額の回収コスト、販売減少などにより、経営成績や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,818 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、各リスクが顕在化する時期を合理的に予測することは困難であります。 (1) 経済環境に関するリスク 当社グループは、国内及びアジア、北米、ヨーロッパを中心にグローバルに、幅広い業界向けに事業展開しております。世界的なインフレの長期化や欧米での政策金利上昇、それに伴う為替の変動、中国経済の成長鈍化等により、グローバル経済や各地域経済が不安定化する可能性があります。こうした変化により、当社グループの経営成績や財政状態に顕著な影響が及ぶリスクがあります。 当社グループは、外部環境や各地域、業界動向を継続的にモニタリングし、横断的かつ機動的な改革活動の推進、新製品・サービスの創出による競争力の強化、変化への迅速かつ柔軟な体制づくりに取り組んでおります。 (2) 地政学リスク 当社グループは、日本国内のほか、アジア、北米及びヨーロッパにおいて事業活動を展開しており、世界各国・地域の政治・経済情勢の変化による影響を受ける可能性があります。米中関係やロシア・ウクライナ情勢、中東地域の緊張に加え、各国における経済安全保障政策の強化、輸出入規制や関税措置の導入・変更等により、サプライチェーンの混乱、部品・材料の調達難や調達コストの上昇、物流の停滞、顧客の設備投資計画の見直しなどが生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、各国・地域の政治・経済動向を継続的にモニタリングするとともに、調達先の複線化や適正在庫の確保、部品の共通化、サプライチェーンの見直しを進めるほか、高付加価値製品の開発・拡販や継続的なコスト改善を推進することにより、事業への影響の低減に努めております。 (3) 災害リスク 当社グループは、国内や海外拠点の所在地における大規模な自然災害等の発生により、事業活動が長期間停止する可能性があります。また、当社グループが製造販売する製品を構成する部品材料の多くはグローバルに調達をしており、近年の気候変動に伴う大規模な自然災害や巨大地震、取引先の大規模火災等予期できない災害等や需要の急増による部品供給の逼迫等は、当社グループの生産稼働の減少により経営成績や財務状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。 その対応として、当社グループは、災害や感染症による事業への影響を最小限にし「製品供給責任」を果たすため、事業継続計画(BCP体制)の充実を図り、初動対応に活かしております。また、調達面においては短期的には、重要度に応じた適正在庫を確保するようにしており、長期的には、複数購買化や部品の共通化を進めてまいります。 (4) 感染症の拡大リスク 当社グループは、日本国内のほか、海外各国、地域において事業活動を展開しており、当該各地域での感染症拡大が経済活動に影響を及ぼす可能性があります。新型コロナウイルス感染症等、従来の感染症リスクは低減傾向にあるものの、予期せぬ再拡大や新たな感染症のリスクは依然存在します。これにより、従業員及び拠点の事業活動が阻害される可能性があります。 その対応として、当社グループでは、従業員の健康と安全の確保、感染防止ルールの徹底、事業継続を最優先とし、感染再拡大時にも影響を最小化する対策を継続してまいります。 (5) 製品の品質に関するリスク 当社グループは主たる工場及びグループ各社で品質管理及び品質保証のための国際規格(ISO9001) で認定された品質システムを構築し、設計段階から品質の作り込みを行い、より高い製品品質、サービスの提供をしております。しかしながら、全ての製品、サービスについて不良欠陥が発生しないという保証はなく、顧客において当社グループの製品・サービスにおける品質に起因する事故、市場回収、生産停止等が生じた場合、顧客の損失に対する賠償責任を問われる可能性があります。大きな市場クレーム、リコール等が発生した場合には、多額の回収コストや賠償費用の発生又は販売の減少等により、当社グループの経営成績や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。 その対応として、当社グループは、独自に保有する品質管理技術や情報等を活用し、設計審査、内部品質監査、購入先監査等を通じて製品・サービスの信頼性、安全性を確保できるよう品質保証体制の継続的改善・改革を図っております。 (6) 価格競争に関するリスク 当社グループが属する電源市場におきましては、技術進歩、調達部品の低価格化等、価格による差別化が競争優位を確保する主たる要因の一つであります。さらに、最近では大手ユーザーが集中購買に伴う値下げ要請を行うことが多いため、競合電源メーカーとの価格競争が激化し、恒常的に低下する傾向にあります。こうした価格動向が当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 その対応として、当社グループは、継続的なコスト削減、高付加価値新製品の市場投入を推進するとともに、製品価格の適正化と原価利益管理により、収益性向上に努めております。 (7) 棚卸資産に関するリスク 当社グループが所有する棚卸資産のうち、原材料の在庫におきましては、製品の生産・販売実績や将来の需要予測等を基に調達しておりますが、一部の原材料の入手難対応や部品メーカーの生産中止品の在庫確保により、原材料在庫残高が高水準になっております。その結果、保管場所は社外委託倉庫等を含め複数拠点にわたっております。 原材料の貸借対照表価額は、収益性の低下に基づいて算定しておりますが、将来の使用見込みに関しては、会社の見積りが含まれており、顧客や市場動向等の将来の経済状況の変動によって影響を受ける可能性があります。 その対応として、当社グループでは、部品材料の現物及び在庫水準の日常的な管理のもと、発注管理と生産体制の最適化に努め、原材料における収益性の低下リスクに取り組んでおります。 (8) 知的財産に関するリスク 当社グループが保有する知的財産権は、重要な経営資源の一つであり、知的財産権の保護や知的財産権にからむ係争の回避は重要な経営課題であります。仮に、当社グループが、第三者の知的財産権を侵害しているとの主張を受けた場合、係争となる可能性があり、当社製品の生産・販売の制約や、損害賠償金等の支出が発生し、当社グループの経営成績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 その対応として、当社グループは、専門委員会を設置しており研究開発及び設計にあたって、第三者の知的財産権の調査を実施しております。 (9) 為替変動に関するリスク 当社グループでは、当社と海外子会社並びに海外子会社と外部顧客の取引を外貨建てで行っており、為替変動に伴う製品の海外市場における競争力低下、輸出採算等により当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループにおける海外売上高は、連結売上高の約35~45%を占めるため、為替変動が輸出採算や海外競争力に影響し、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 その対応として、当社グループは、外貨建原材料購買の増大や海外拠点で消費する資材の現地調達化、海外生産拡大等により、為替リスクの緩和を図っております。 (10)M&Aに関するリスク 当社グループは、持続的な成長及び企業価値向上を目的として、M&Aや事業提携等を活用した事業ポートフォリオの強化を進めております。 M&Aについては、買収後の事業統合(PMI)が計画どおり進まない場合や、市場環境の変化等により期待した収益やシナジー効果が得られない場合には、のれん及び無形固定資産の減損損失の計上や投資回収期間の長期化など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、事業ポートフォリオの最適化を目的として、事業再編やグループ会社の譲渡等を実施する場合があります。これらに伴い、一時的な損失や費用が発生する可能性があります。 当社グループでは、投資判断にあたり十分なデューデリジェンスを実施するとともに、買収後のモニタリング及び事業評価を継続的に実施し、企業価値向上に努めております。 (11)情報システム・情報セキュリティに関するリスク 当社グループは、生産、販売、調達等の事業活動において、基幹システムをはじめとする各種情報システムを活用するとともに、DXを推進しております。また、事業活動における重要情報や取引先情報、個人情報等を保有しております。 システム障害やソフトウェアの不具合、システム導入・更新時の計画遅延、運用上の問題、不正アクセス、サイバー攻撃、情報漏えい等が発生した場合には、生産活動、受発注業務、物流、会計処理等に支障をきたし、事業活動の停滞や機会損失、追加費用の発生、社会的信用の低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、情報セキュリティ基本方針及び情報システムセキュリティ規定に基づく管理体制を整備するとともに、情報システムの計画的な更新、適切なプロジェクト管理、バックアップ体制及び障害対応体制の整備、社員教育等を実施し、情報システムの安定運用及び情報セキュリティの強化に努めております。 (12)環境規制に関するリスク 気候変動への対応や脱炭素社会の実現に向けた法規制及び環境関連規制は、世界的に強化されております。また、顧客や市場においても、環境負荷の低減、省エネルギー性能、製品ライフサイクル全体での環境配慮などに対する要求が高まっております。 当社グループがこれらの法規制や顧客要求に適切に対応できない場合には、追加的な設備投資や研究開発投資、製品仕様の変更等によるコストの増加や、製品競争力の低下、販売機会の逸失等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、環境関連法令及び各種規制を遵守するとともに、環境マネジメントシステム(ISO14001)に基づく継続的な改善活動を推進しております。また、高効率・高信頼性製品の開発や製品ライフサイクル全体での環境負荷低減に取り組み、環境対応を企業の社会的責任であるとともに、競争力向上につながる重要な経営課題と位置付けております。 (13)人材確保に関するリスク 当社グループが持続的な成長を実現するためには、製品開発、生産技術、品質保証、営業、DX推進等の各分野において、高度な専門性を有する人材の確保・育成が重要であると認識しております。しかしながら、少子高齢化に伴う労働人口の減少や人材獲得競争の激化等により、必要な人材を計画どおり確保・育成できない場合や、重要な人材が流出した場合には、研究開発力や生産性の低下、新製品開発の遅延、事業運営への支障等が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、人材を重要な経営資本と位置付け、採用活動の強化、人材育成・教育研修の充実、多様な人材が活躍できる職場環境の整備、従業員エンゲージメントの向上及び働きやすい職場づくりに取り組むとともに、DXの推進や業務改善による生産性向上を図ることで、人材不足による影響の低減に努めております。

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