有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループ(当社及び当社の関係会社…以下同じ)が判断したものであります。 当連結会計年度における国内外の経済環境は、北米は堅調に推移し、欧州はゆるやかな回復傾向にありました。また、中国では景気減速が続くなど、地域ごとの濃淡はありましたが、全体としては底堅く推移しました。一方で、中東情勢の緊迫化や各国の経済政策の転換による影響等もあり、先行き不透明な状況が継続しました。 当グループは経営理念「創造 貢献」を軸に2030年に向け企業価値を最大化するための基本方針を策定し推進しております。これまで成長の推進力となってきた“新たな価値軸の創造”、経営課題と位置付ける“コアブランドの育成・確立”など価値創造を推進する「コア戦略」と、人材や組織・事業体制などを強化する「基盤戦略」を推進していくことで、カシオらしさを発揮しながら一つひとつ課題を克服し持続的な成長を目指しております。①収益基盤強化とイノベーション創造当グループは2024年3月期から2026年3月期までの3ヶ年中期経営計画を推進しており、前半を「収益基盤強化期」と位置付け抜本的な構造改革と筋肉質な基盤づくりに注力してまいりました。2026年3月期は成長軌道への転換を目指す「変革・イノベーション創造期」と位置付け、コア事業の再成長と既存アセットを活用した新規事業の創出、成長戦略の実行力を高める経営基盤の強化に取り組んでまいります。1)時計事業………………………「G-SHOCK」は、メタルラインを中心とした中・高価格帯カテゴリの拡大と、ブランドマーケティングの強化を継続するとともに、新デザインカテゴリーの創出により収益力の向上を図ってまいります。また、直営店・直販ECビジネスの拡大を推進してまいります。2)EdTech(教育)事業……関数電卓は、ユーザー体験を高めるべく、ソフト及びハード両面からの商品開発及び学販活動(需要創造)強化による新規ユーザー獲得により、着実な事業収益力の強化に注力してまいります。3)サウンド(楽器)事業…………構造改革の着実な推進により事業体質強化を行い、高付加価値ジャンルのブランド認知拡大継続による収益性強化を図ってまいります。4)新規事業………………………技術等の保有資産を活用して、今後の成長市場における戦略的な新事業領域の設定と新事業創出に向けた取り組みを強化してまいります。事業構造の立て直しにより収益基盤強化を図り、より成長性の高いコア事業、ネクストコア領域へ成長投資していく「変革・イノベーション創造期」へと繋げることで持続的な成長を目指してまいります。②資本収益性・資本効率性を意識した経営当グループは、キャピタルアロケーション方針に基づき、バランスシートの効率化によりフリー・キャッシュ・フローの創造に努めるとともに、財務安全性を確保しながら手元資金を有効活用し、コア事業への成長投資及びアライアンス等の戦略投資を促進することで、中長期的な成長とROEの持続的な向上を図ってまいります。また、資本コストを意識した事業活動の推進及び株主還元強化により資本効率性の改善を図ることで、引き続き企業価値の向上を目指してまいります。 ③事業を通じたサステナブルな社会への貢献当グループにとってのサステナビリティとは、「創造 貢献」という経営理念のもと、企業活動を通じて当グループと社会の持続的成長を目指すことと考えております。当グループが提供する多くの製品・サービスは一般消費者向けであり、当グループが持つ技術と創造力をもって、お使いいただく方たちにとって日々の暮らしをより豊かにするとともに、地球環境保全にも貢献することが使命であり、重要であると考えております。時計事業においては、再生可能な有機資源由来の物質を原料とするバイオマスプラスチックを使用しても過酷な環境下で強度・耐久性を保持する「G-SHOCK」を開発・設計・製造し、販売しております。また、当グループは地球全体の大きな環境問題である「脱炭素社会の実現」を推進しています。国内外の主要拠点での再生可能エネルギーへの切り替えを推し進め、脱炭素2050年実質ゼロに向けたエネルギー戦略を実践しています。さらに、組織や社員のパフォーマンスを最大化し、企業価値向上につながる人的資本経営を強化するなど、マテリアリティの見直しを実施し、企業成長と社会発展の両軸を重視したサステナビリティ経営を引き続き強化してまいります。④コーポレート・ガバナンス機能の強化・充実当社は、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、迅速な意思決定や適切な業務執行とともに、経営監視機能の強化を重要課題と位置付けております。取締役会の実効性をさらに高めコーポレート・ガバナンス体制の充実を図るため、2025年6月27日開催予定の定時株主総会後における取締役会の体制について、社外取締役比率は50%、女性取締役比率は25%といたします。当グループは企業価値の向上と持続的な成長を実現できる強固な経営基盤を形成するべくコーポレート・ガバナンス機能の強化・充実を推進するとともに、引き続き健全な事業活動倫理を尊重する企業文化・風土の醸成にも努めてまいります。2024年10月に当社のサーバーがランサムウェア攻撃を受けたことにより、個人情報を含む当社の内部資料に関するデータの一部が流出していることが確認されたほか、当社及び当社の関係会社の重要なシステムが一部使用できなくなったことにより部品の調達、生産、出荷等が一部停止し事業活動に影響が生じました。当グループではこのような事態が発生したことを厳粛に受け止め、セキュリティの専門家の支援、監修のもと、海外拠点を含むグループ全体のITセキュリティの強化を継続的に実施するとともに、情報管理体制の見直しを行い、ルール徹底のために社内教育を強化することにより再発防止に努めております。 当社の経営理念である「創造 貢献」という考え方は、当社独自の強みを最大限に活かし、時代の変化に合わせて常に新しい文化を創造することで、世の中の役に立ち続ける、ということを意味しています。当グループは、この貢献のための創造を通じて、人々の暮らしの中に溶け込み、必要としてくれる人にとって最も大切な存在となるような、新しい価値を生み出し続ける企業を目指しています。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループ(当社及び当社の関係会社…以下同じ)が判断したものであります。 当連結会計年度における国内外の経済環境は、北米は堅調に推移し、欧州はゆるやかな回復傾向にありました。また、中国では景気減速が続くなど、地域ごとの濃淡はありましたが、全体としては底堅く推移しました。一方で、中東情勢の緊迫化や各国の経済政策の転換による影響等もあり、先行き不透明な状況が継続しました。 当グループは経営理念「創造 貢献」を軸に2030年に向け企業価値を最大化するための基本方針を策定し推進しております。これまで成長の推進力となってきた“新たな価値軸の創造”、経営課題と位置付ける“コアブランドの育成・確立”など価値創造を推進する「コア戦略」と、人材や組織・事業体制などを強化する「基盤戦略」を推進していくことで、カシオらしさを発揮しながら一つひとつ課題を克服し持続的な成長を目指しております。①収益基盤強化とイノベーション創造当グループは2024年3月期から2026年3月期までの3ヶ年中期経営計画を推進しており、前半を「収益基盤強化期」と位置付け抜本的な構造改革と筋肉質な基盤づくりに注力してまいりました。2026年3月期は成長軌道への転換を目指す「変革・イノベーション創造期」と位置付け、コア事業の再成長と既存アセットを活用した新規事業の創出、成長戦略の実行力を高める経営基盤の強化に取り組んでまいります。1)時計事業………………………「G-SHOCK」は、メタルラインを中心とした中・高価格帯カテゴリの拡大と、ブランドマーケティングの強化を継続するとともに、新デザインカテゴリーの創出により収益力の向上を図ってまいります。また、直営店・直販ECビジネスの拡大を推進してまいります。2)EdTech(教育)事業……関数電卓は、ユーザー体験を高めるべく、ソフト及びハード両面からの商品開発及び学販活動(需要創造)強化による新規ユーザー獲得により、着実な事業収益力の強化に注力してまいります。3)サウンド(楽器)事業…………構造改革の着実な推進により事業体質強化を行い、高付加価値ジャンルのブランド認知拡大継続による収益性強化を図ってまいります。4)新規事業………………………技術等の保有資産を活用して、今後の成長市場における戦略的な新事業領域の設定と新事業創出に向けた取り組みを強化してまいります。事業構造の立て直しにより収益基盤強化を図り、より成長性の高いコア事業、ネクストコア領域へ成長投資していく「変革・イノベーション創造期」へと繋げることで持続的な成長を目指してまいります。②資本収益性・資本効率性を意識した経営当グループは、キャピタルアロケーション方針に基づき、バランスシートの効率化によりフリー・キャッシュ・フローの創造に努めるとともに、財務安全性を確保しながら手元資金を有効活用し、コア事業への成長投資及びアライアンス等の戦略投資を促進することで、中長期的な成長とROEの持続的な向上を図ってまいります。また、資本コストを意識した事業活動の推進及び株主還元強化により資本効率性の改善を図ることで、引き続き企業価値の向上を目指してまいります。 ③事業を通じたサステナブルな社会への貢献当グループにとってのサステナビリティとは、「創造 貢献」という経営理念のもと、企業活動を通じて当グループと社会の持続的成長を目指すことと考えております。当グループが提供する多くの製品・サービスは一般消費者向けであり、当グループが持つ技術と創造力をもって、お使いいただく方たちにとって日々の暮らしをより豊かにするとともに、地球環境保全にも貢献することが使命であり、重要であると考えております。時計事業においては、再生可能な有機資源由来の物質を原料とするバイオマスプラスチックを使用しても過酷な環境下で強度・耐久性を保持する「G-SHOCK」を開発・設計・製造し、販売しております。また、当グループは地球全体の大きな環境問題である「脱炭素社会の実現」を推進しています。国内外の主要拠点での再生可能エネルギーへの切り替えを推し進め、脱炭素2050年実質ゼロに向けたエネルギー戦略を実践しています。さらに、組織や社員のパフォーマンスを最大化し、企業価値向上につながる人的資本経営を強化するなど、マテリアリティの見直しを実施し、企業成長と社会発展の両軸を重視したサステナビリティ経営を引き続き強化してまいります。④コーポレート・ガバナンス機能の強化・充実当社は、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、迅速な意思決定や適切な業務執行とともに、経営監視機能の強化を重要課題と位置付けております。取締役会の実効性をさらに高めコーポレート・ガバナンス体制の充実を図るため、2025年6月27日開催予定の定時株主総会後における取締役会の体制について、社外取締役比率は50%、女性取締役比率は25%といたします。当グループは企業価値の向上と持続的な成長を実現できる強固な経営基盤を形成するべくコーポレート・ガバナンス機能の強化・充実を推進するとともに、引き続き健全な事業活動倫理を尊重する企業文化・風土の醸成にも努めてまいります。2024年10月に当社のサーバーがランサムウェア攻撃を受けたことにより、個人情報を含む当社の内部資料に関するデータの一部が流出していることが確認されたほか、当社及び当社の関係会社の重要なシステムが一部使用できなくなったことにより部品の調達、生産、出荷等が一部停止し事業活動に影響が生じました。当グループではこのような事態が発生したことを厳粛に受け止め、セキュリティの専門家の支援、監修のもと、海外拠点を含むグループ全体のITセキュリティの強化を継続的に実施するとともに、情報管理体制の見直しを行い、ルール徹底のために社内教育を強化することにより再発防止に努めております。 当社の経営理念である「創造 貢献」という考え方は、当社独自の強みを最大限に活かし、時代の変化に合わせて常に新しい文化を創造することで、世の中の役に立ち続ける、ということを意味しています。当グループは、この貢献のための創造を通じて、人々の暮らしの中に溶け込み、必要としてくれる人にとって最も大切な存在となるような、新しい価値を生み出し続ける企業を目指しています。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。また、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は、変更後の区分に基づいて記載しております。 (経営成績等の状況の概要)(1) 経営成績当連結会計年度における売上高は2,617億円(前期比2.6%減)、営業利益は142億円(前期比0.2%増)、売上高営業利益率は5.4%(前期比0.1ポイント増)となりました。また、経常利益は141億円(前期比21.1%減)、税金等調整前当期純利益は116億円(前期比33.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は80億円(前期比32.3%減)、1株当たり当期純利益は35円22銭(前期比15円69銭減)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(時計) 売上高は1,661億円(前期比0.5%減)、営業利益は202億円(前期比3.0%減)となりました。(コンシューマ) 売上高は820億円(前期比2.9%減)、営業利益は21億円(前期比12.8%増)となりました。(システム) 売上高は63億円(前期比11.9%減)、営業利益は3億円の赤字(前期4億円の黒字)となりました。(その他)売上高は71億円(前期比28.5%減)、営業利益は16億円の赤字(前期28億円の赤字)となりました。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)時計155,0390.6コンシューマ81,2287.6システム3,142△19.7その他6,005△15.0合計245,4142.0 (注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。 ② 受注実績当グループ(当社及び連結子会社)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 ③ 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)時計166,127△0.5コンシューマ82,097△2.9システム6,393△11.9その他7,140△28.5合計261,757△2.6 (注) セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2) 財政状態当連結会計年度末の総資産は、前期比182億円減の3,316億円となりました。流動資産は、売上債権の減少などにより前期比104億円減の2,358億円となりました。固定資産は、投資有価証券の減少などにより前期比78億円減の957億円となりました。 セグメントごとの資産は、次のとおりであります。(時計) 前期比55億円減の1,385億円となりました。(コンシューマ) 前期比1億円減の794億円となりました。(システム) 前期比6億円減の73億円となりました。(その他) 前期比30億円減の190億円となりました。 当連結会計年度末の負債合計は、前期比60億円減の1,127億円となりました。流動負債は、1年内返済予定の長期借入金の減少などにより前期比137億円減の614億円となりました。固定負債は、長期借入金の増加などにより前期比77億円増の513億円となりました。当連結会計年度末の純資産は、自己株式の取得及び消却による資本剰余金の減少、投資有価証券の売却等に伴うその他有価証券評価差額金の減少などにより前期比122億円減の2,189億円となりました。当グループは、キャピタルアロケーション方針に基づき、バランスシートの効率化によりフリー・キャッシュ・フローの創造に努めるとともに、財務安全性を確保しながら手元資金を有効活用し、コア事業への成長投資及びアライアンス等の戦略投資を促進することで、中長期的な成長とROEの持続的な向上を図ってまいります。また、資本コストを意識した事業活動の推進及び株主還元強化により資本効率性の改善を図ることで、引き続き企業価値の向上を目指してまいります。 (3) キャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比143億円減の161億円の収入となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益116億円(前期175億円)、減価償却費107億円(前期118億円)、投資有価証券売却益71億円(前期3億円)、運転資金(売上債権、棚卸資産、仕入債務)の減少額65億円(前期58億円)、法人税等の支払額34億円(前期47億円)であります。投資活動によるキャッシュ・フローは、前期2億円の支出に対し46億円の収入となりました。主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出83億円(前期99億円)、有形固定資産の売却による収入36億円(前期74億円)、投資有価証券の取得及び売却・償還による純収入109億円(前期19億円)、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出6億円(前期はなし)であります。これらの結果、フリー・キャッシュ・フローは、前期比94億円減の208億円の収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、前期と比べて29億円支出が増加し、247億円の支出となりました。主な内訳は、長短借入れ及び返済による純支出75億円(前期は純収入28百万円)、自己株式の取得による支出45億円(前期91億円)、配当金の支払額103億円(前期105億円)であります。以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期比42億円減の1,403億円となりました。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容) (1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容① 経営成績当連結会計年度における国内外の経済環境は、北米は堅調に推移し、欧州はゆるやかな回復傾向にありました。また、中国では景気減速が続くなど、地域ごとの濃淡はありましたが、全体としては底堅く推移しました。一方で、中東情勢の緊迫化や各国の経済政策の転換による影響等もあり、先行き不透明な状況が継続しました。このような環境のもと、当グループは中期事業計画3ヶ年の前半を「収益基盤強化期」と位置付けており、2年目である当連結会計年度は、「市場に新たな価値軸を創造し、唯一無二のブランドに育て上げる」という思いを根底に、企業価値の向上を図る上で、先ずは事業構造的な課題を解決することが最優先であると判断し、その課題解決のために、事業ポートフォリオの整理、人員構造の適正化、組織風土改革を実行してまいりました。事業ポートフォリオの整理としては、不採算事業の構造改革を実行し、全社リソースを時計及びコンシューマ事業に集中できるポートフォリオを整備いたしました。人員構造の適正化としては、ポートフォリオの整理とともに筋肉質な事業構造へ転換を図り、組織風土改革としては、パーパス/バリューズを制定し、求める社員像の実現を進めてまいりました。当連結会計年度の当グループ業績は、増収増益を目指したものの、2024年10月に当社のサーバーがランサムウェア攻撃を受けたことにより、当社及び当社の関係会社の重要なシステムが一部使用できなくなり、部品の調達、生産、出荷等がシステムの復旧まで一定期間停止したことで、事業活動に影響が生じました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は2,617億円、営業利益は142億円、経常利益は141億円、親会社株主に帰属する当期純利益は80億円、1株当たり当期純利益(EPS)は35円22銭となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(時計)減収となりましたが、中国を除く地域は増収となり、「G-SHOCK」の中高価格帯は順調に推移しました。売上高は1,661億円(前期比0.5%減)、営業利益は202億円(前期比3.0%減)となりました。 (コンシューマ)EdTech(教育)は、関数電卓が各国における新学期需要をとらえ、特に欧州は堅調でしたが、一部の新興国で通貨安の影響を受け、減収となりました。サウンド(楽器)は、流通在庫は解消されつつある一方、市況の厳しさが続き、減収となりました。売上高は820億円(前期比2.9%減)、営業利益は21億円(前期比12.8%増)となりました。 (システム)事業の見直しを進める過程で、減収となりました。売上高は63億円(前期比11.9%減)、営業利益は3億円の赤字(前期4億円の黒字)となりました。 (その他)成形部品、金型などグループ会社の独自事業、非継続事業等であり、その売上高は71億円(前期比28.5%減)、営業利益は16億円の赤字(前期28億円の赤字)となりました。 ② 財政状態当連結会計年度末の総資産は、前期比182億円減の3,316億円となりました。流動資産は、売上債権の減少などにより前期比104億円減の2,358億円となりました。固定資産は、投資有価証券の減少などにより前期比78億円減の957億円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前期比60億円減の1,127億円となりました。流動負債は、1年内返済予定の長期借入金の減少などにより前期比137億円減の614億円となりました。固定負債は、長期借入金の増加などにより前期比77億円増の513億円となりました。当連結会計年度末の純資産は、自己株式の取得及び消却による資本剰余金の減少、投資有価証券の売却等に伴うその他有価証券評価差額金の減少などにより前期比122億円減の2,189億円となりました。また、自己資本比率は前期比0.1ポイント減の66.0%、ROEは前期比1.7ポイント減の3.6%となりました。 ③ キャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の減少などにより、前期比143億円の減少となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入が減少したものの、投資有価証券の取得及び売却・償還による純収入の増加などにより、前期比48億円の増加となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出が減少したものの、長短借入れ及び返済による純支出の増加などにより、前期比29億円の支出増加となりました。以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期比42億円減の1,403億円となりました。資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりです。当連結会計年度における資金調達につきましては、キャピタルアロケーション方針に則った施策の進捗及び資金調達コストの上昇を踏まえ、151億円の借入金返済に対し75億円の長期借入を実施した結果、有利子負債残高は前期比74億円減少し、423億円となりました。当グループの資金需要の主なものは、製品製造のための材料の購入費等の製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用に係わる運転資金及び設備投資資金です。なお、営業費用の主なものは、人件費、研究開発費、広告宣伝費であります。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (2) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当グループは2024年3月期から2026年3月期までの3ヶ年中期経営計画を推進しており、前半を「収益基盤強化期」と位置付け抜本的な構造改革と筋肉質な基盤づくりに注力してまいりました。2026年3月期は成長軌道への転換を目指す「変革・イノベーション創造期」と位置付け、コア事業の再成長と既存アセットを活用した新規事業の創出、成長戦略の実行力を高める経営基盤の強化に取り組んでまいります。経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高、営業利益、営業利益率及びROEについて、目標を定めており、2026年3月期の目標(米国関税政策影響含まず)は、売上高2,700億円、営業利益240億円、営業利益率8.9%及びROE7~8%水準としております。当連結会計年度においては、計画が売上高2,620億円、営業利益140億円及び営業利益率5.3%に対し、実績は売上高2,617億円、営業利益142億円及び営業利益率5.4%となり、ROEは3.6%となりました。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループ(当社及び当社の関係会社…以下同じ)が判断したものであります。 当連結会計年度における内外経済は、日本では消費税増税影響による個人消費の低迷により先行き不透明感が高まりました。海外でも、米中貿易摩擦の影響、中東情勢の地政学リスクへの懸念等により、依然として先行き不透明な状況が続きました。また、第4四半期においては、国内外において新型コロナウイルス感染症の影響が拡大し、急激に経済状況が悪化しました。当グループにおいても、生産拠点が一時稼働停止したほか、世界の主要都市でロックダウン(都市封鎖)が行われたことにより、多くの事業において大幅に需要が減退しました。教育関連商品については売上計上の翌期ずれ込みが発生するなどの影響を受けました。 景気の先行きが不透明であり、かつ、事業環境も大きく変化するグローバル環境の下で、あらゆる変化に迅速に対応できるよう、これまで当グループは全社を挙げて構造改革に取り組んでまいりましたが、今後は、新型コロナウイルス感染症の影響により、事業環境はもとより人々のライフスタイルやワークスタイルなど、当グループを取り巻く市場環境が一変します。当グループは、この環境の変化にスピーディかつ柔軟に対応すべく経営基盤をさらに強化し、中長期での企業価値向上を目指してまいります。①アフターコロナの新しい社会環境・事業環境に対応新型コロナウイルス感染症に対しては、引き続き社員の健康と安全を確保しながら、外部要因に左右されない企業体質を目指し、高収益事業である時計事業・教育関数事業を中核に、アフターコロナの新たな社会環境・事業環境に対応するべく、商品・事業構造・ビジネスモデルなど全てを組み直し、新たなカシオとして持続的価値創造に繋げてまいります。(1)時計や教育関数などの成長拡大事業はコロナ以前の水準へ回帰のうえ、さらにその強みを活かしてまい ります。時計事業では、「G-SHOCK」を中心に地域にあったカスタマイズやコラボ商品により商 品力の強化を図るとともに、国別市場環境に合わせたマーケティングを積極的に展開します。また教育 関数事業では、コロナ影響を受けにくい学生向け関数『GAKUHAN』活動の拡大や、教育環境など の新たな社会的課題解決に向けた当グループ独自技術の展開を図ってまいります。(2)電子辞書・楽器・プロジェクター・その他システムなどの収益改善事業については、構造改革を強力に 推進する全社組織として「変革オフィス」を立ち上げたうえ、抜本的な構造改革を断行して事業の正常 化を図ってまいります。なお、楽器に関しましてはコロナ状況下での巣ごもり需要などにより好調に推 移しております。(3)新規事業については、カシオの強み(シーズ)とドメイン(ニーズ)を明確にし、最適なパートナーと 共創のうえ、PoCを積極的に活用することにより、Only1の新規事業として成功事例を生み出し てまいります。カシオの強みを活かし、最小の投資で効果を最大にするビジネスモデルを確立します。 (4)生産・物流の見直しやECサイトの販売強化などのサプライチェーン、バリューチェーンを始めとした 抜本的変革による経営基盤の改革と、デジタル化社会のさらなる進化に伴う仕事そのものの変革、及び 新しいワークスタイルを確立する働き方改革を実行してまいります。②資本効率の向上当グループは、財務安全性を確保しながら成長分野への投資を促進することで、中長期的な成長とROEの持続的な向上を図ってまいります。また、資本コストを意識した事業活動を推進し、資本効率の最適化やフリー・キャッシュ・フローの創造に努めることで、引き続き企業価値の向上を目指してまいります。 ③事業を通じたサステナブルな社会への貢献当グループは、社会から期待される課題の解決に事業を通じて取り組むことにより、自らの成長と社会の持続的な発展に貢献してまいります。特に、「事業を通じた社会的課題の解決に向けたSDGsへの取り組み」、「脱炭素社会の実現に向けた中長期環境目標達成への取り組み」を最重点の課題として掲げ、アフターコロナの新しい社会環境・事業環境を見据えつつ、これらを確実に推進することで、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。④コーポレートガバナンス機能の強化当社は2019年6月より監査等委員会設置会社へ移行し、監督と執行を分離することでコーポレートガバナンス機能を強化しております。また、事業環境の変化に対して迅速かつ柔軟に対応できる執行体制を構築し、企業価値の向上に努めております。さらに「カシオ倫理行動規範」の理解と浸透を図るために、定期的に教育を実施する等、コンプライアンスを推進しておりましたが、Casio Electronics Co.Ltd.(イギリス子会社)は英国競争・市場庁の立入調査を受け、その結果、当連結会計年度において競争法違反に係る制裁金を支払いました。また、Casio Europe GmbH(ドイツ子会社)の元従業員が、不正送金した事実が当連結会計年度に判明いたしました。当グループではこのような事態が発生したことを厳粛に受け止め、改めてコンプライアンスの徹底を行うとともに、内部管理体制のさらなる強化を図り、再発防止に向けて全力で取り組んでまいります。 当グループは、以上の課題に応えるべくお客様一人ひとりのライフスタイルの中で、最も身近で大切な存在を生み出し続けることを使命と考え、「創造 貢献」の原点に立ち返り、今後も独創性のある技術で新規市場を創造するとともに、アフターコロナの一変した新しい社会環境・事業環境に対応し、中長期での企業価値向上を目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループ(当社及び当社の関係会社…以下同じ)が判断したものであります。 当連結会計年度における内外経済は、日本では消費税増税影響による個人消費の低迷により先行き不透明感が高まりました。海外でも、米中貿易摩擦の影響、中東情勢の地政学リスクへの懸念等により、依然として先行き不透明な状況が続きました。また、第4四半期においては、国内外において新型コロナウイルス感染症の影響が拡大し、急激に経済状況が悪化しました。当グループにおいても、生産拠点が一時稼働停止したほか、世界の主要都市でロックダウン(都市封鎖)が行われたことにより、多くの事業において大幅に需要が減退しました。教育関連商品については売上計上の翌期ずれ込みが発生するなどの影響を受けました。 景気の先行きが不透明であり、かつ、事業環境も大きく変化するグローバル環境の下で、あらゆる変化に迅速に対応できるよう、これまで当グループは全社を挙げて構造改革に取り組んでまいりましたが、今後は、新型コロナウイルス感染症の影響により、事業環境はもとより人々のライフスタイルやワークスタイルなど、当グループを取り巻く市場環境が一変します。当グループは、この環境の変化にスピーディかつ柔軟に対応すべく経営基盤をさらに強化し、中長期での企業価値向上を目指してまいります。①アフターコロナの新しい社会環境・事業環境に対応新型コロナウイルス感染症に対しては、引き続き社員の健康と安全を確保しながら、外部要因に左右されない企業体質を目指し、高収益事業である時計事業・教育関数事業を中核に、アフターコロナの新たな社会環境・事業環境に対応するべく、商品・事業構造・ビジネスモデルなど全てを組み直し、新たなカシオとして持続的価値創造に繋げてまいります。(1)時計や教育関数などの成長拡大事業はコロナ以前の水準へ回帰のうえ、さらにその強みを活かしてまい ります。時計事業では、「G-SHOCK」を中心に地域にあったカスタマイズやコラボ商品により商 品力の強化を図るとともに、国別市場環境に合わせたマーケティングを積極的に展開します。また教育 関数事業では、コロナ影響を受けにくい学生向け関数『GAKUHAN』活動の拡大や、教育環境など の新たな社会的課題解決に向けた当グループ独自技術の展開を図ってまいります。(2)電子辞書・楽器・プロジェクター・その他システムなどの収益改善事業については、構造改革を強力に 推進する全社組織として「変革オフィス」を立ち上げたうえ、抜本的な構造改革を断行して事業の正常 化を図ってまいります。なお、楽器に関しましてはコロナ状況下での巣ごもり需要などにより好調に推 移しております。(3)新規事業については、カシオの強み(シーズ)とドメイン(ニーズ)を明確にし、最適なパートナーと 共創のうえ、PoCを積極的に活用することにより、Only1の新規事業として成功事例を生み出し てまいります。カシオの強みを活かし、最小の投資で効果を最大にするビジネスモデルを確立します。 (4)生産・物流の見直しやECサイトの販売強化などのサプライチェーン、バリューチェーンを始めとした 抜本的変革による経営基盤の改革と、デジタル化社会のさらなる進化に伴う仕事そのものの変革、及び 新しいワークスタイルを確立する働き方改革を実行してまいります。②資本効率の向上当グループは、財務安全性を確保しながら成長分野への投資を促進することで、中長期的な成長とROEの持続的な向上を図ってまいります。また、資本コストを意識した事業活動を推進し、資本効率の最適化やフリー・キャッシュ・フローの創造に努めることで、引き続き企業価値の向上を目指してまいります。 ③事業を通じたサステナブルな社会への貢献当グループは、社会から期待される課題の解決に事業を通じて取り組むことにより、自らの成長と社会の持続的な発展に貢献してまいります。特に、「事業を通じた社会的課題の解決に向けたSDGsへの取り組み」、「脱炭素社会の実現に向けた中長期環境目標達成への取り組み」を最重点の課題として掲げ、アフターコロナの新しい社会環境・事業環境を見据えつつ、これらを確実に推進することで、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。④コーポレートガバナンス機能の強化当社は2019年6月より監査等委員会設置会社へ移行し、監督と執行を分離することでコーポレートガバナンス機能を強化しております。また、事業環境の変化に対して迅速かつ柔軟に対応できる執行体制を構築し、企業価値の向上に努めております。さらに「カシオ倫理行動規範」の理解と浸透を図るために、定期的に教育を実施する等、コンプライアンスを推進しておりましたが、Casio Electronics Co.Ltd.(イギリス子会社)は英国競争・市場庁の立入調査を受け、その結果、当連結会計年度において競争法違反に係る制裁金を支払いました。また、Casio Europe GmbH(ドイツ子会社)の元従業員が、不正送金した事実が当連結会計年度に判明いたしました。当グループではこのような事態が発生したことを厳粛に受け止め、改めてコンプライアンスの徹底を行うとともに、内部管理体制のさらなる強化を図り、再発防止に向けて全力で取り組んでまいります。 当グループは、以上の課題に応えるべくお客様一人ひとりのライフスタイルの中で、最も身近で大切な存在を生み出し続けることを使命と考え、「創造 貢献」の原点に立ち返り、今後も独創性のある技術で新規市場を創造するとともに、アフターコロナの一変した新しい社会環境・事業環境に対応し、中長期での企業価値向上を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (経営成績等の状況の概要)(1)経営成績当連結会計年度における売上高は2,807億円(前期比5.8%減)、営業利益については290億円(前期比4.0%減)、売上高営業利益率は前期比0.3ポイント増の10.4%となりました。また経常利益は284億円(前期比4.7%減)となりました。税金等調整前当期純利益は276億円(前期比5.9%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は175億円(前期比20.5%減)、1株当たり当期純利益は72円23銭(前期比17円63銭減)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(コンシューマ) 当セグメントの売上高は、前期比4.8%減の2,450億円、営業利益は前期比2.1%増の390億円となりました。(システム) 当セグメントの売上高は、前期比11.0%減の301億円、営業利益は27億円の赤字(前期 9億円の赤字)となりました。(その他) 当セグメントの売上高は、前期比20.1%減の55億円、営業利益は前期比0.3%増の3億円となりました。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)コンシューマ224,991△5.6システム24,859△24.6その他3,656△24.7合計253,506△8.2 (注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 ② 受注実績当グループ(当社及び連結子会社)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 ③ 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)コンシューマ245,059△4.8システム30,110△11.0その他5,581△20.1合計280,750△5.8 (注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 (2)財政状態当連結会計年度末の総資産は、前期比234億円減の3,341億円となりました。流動資産は、受取手形及び売掛金の減少などにより、前期比112億円減の2,273億円となりました。固定資産は、投資有価証券の減少などにより前期比122億円減の1,067億円となりました。 セグメントごとの資産は、次のとおりであります。(コンシューマ) 当セグメントの資産は、前期比172億円減の1,790億円となりました。(システム) 当セグメントの資産は、前期比72億円減の306億円となりました。(その他) 当セグメントの資産は、前期比8億円減の149億円となりました。 当連結会計年度末の負債合計は、前期比143億円減の1,315億円となりました。長期借入金から1年内返済予定の長期借入金への振替などにより、流動負債は前期比43億円増の870億円、固定負債は前期比186億円減の444億円となりました。当連結会計年度末の純資産は、自己株式の増加、その他有価証券評価差額金の減少などにより前期比90億円減の2,025億円となりました。当グループは、財務安全性を確保しながら成長分野への投資を促進することで、中長期的な成長とROEの持続的な向上を図ってまいります。また、資本コストを意識した事業活動を推進し、資本効率の最適化やフリー・キャッシュ・フローの創造に努めることで、引き続き企業価値の向上を目指してまいります。 (3)キャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比123億円増加の330億円の収入となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益276億円(前期293億円)、減価償却費117億円(前期96億円)、運転資金(売上債権、たな卸資産、仕入債務)の減少額75億円(前期は増加額68億円)、特別退職金の支払額26億円(前期はなし)、法人税等の支払額68億円(前期54億円)などであります。投資活動によるキャッシュ・フローは、前期と比べて45億円支出が減少し、16億円の支出となりました。主な内訳は、固定資産の取得による支出98億円(前期127億円)、投資有価証券の取得及び売却・償還による純収入57億円(前期は純収入65億円)などであります。これらの結果、フリー・キャッシュ・フローは、前期比168億円増加の313億円となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、前期比79億円支出が増加し、249億円の支出となりました。主な内訳は、長短借入れ及び返済による純収入39億円(前期は純支出39億円)、社債の償還による支出100億円(前期はなし)、自己株式の取得による支出50億円(前期8百万円)、配当金の支払額116億円(前期123億円)などであります。以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期比21億円増加の1,343億円となり、十分な流動性資金を確保しております。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容) (1)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容① 経営成績当グループを取り巻く環境は、米中貿易摩擦の影響や、日本では消費税増税の影響による先行き不透明感や円高の影響があったほか、第4四半期においては、国内外において新型コロナウイルス感染症の影響が拡大し、急激に全世界で経済状況が悪化しました。このような環境のもと、当グループは、中期経営計画の初年度である当連結会計年度において、時計や教育関数などの成長拡大事業では、唯一無二のブランド力、高い技術力を活かし、差別化を図った独自の新製品の拡充などを積極的に推進し、時代の変化にいち早く対応した販路開拓や販売施策をグローバルに展開するなど、第3四半期までは極めて好調に推移しました。また、電子辞書、楽器及びシステムなどの収益改善事業では、経営資源の選択と集中により、構造改革を推進してまいりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、生産拠点が一時稼働停止したほか、世界の主要都市でロックダウン(都市封鎖)が行われたこと等による需要の大幅な減退、販売時期にも変化が生じ、第4四半期は大幅な減収、減益となりました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は、2,807億円(前期比5.8%減)、営業利益は290億円(前期比4.0%減)、経常利益は284億円(前期比4.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は175億円(前期比20.5%減)、1株当たり当期純利益(EPS)は72円23銭(前期比17円63銭減)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(コンシューマ)<時計事業>「G-SHOCK」の特に中国・その他新興国地域における販売が非常に好調に推移し、さらにGメタルのラインアップ拡大が時計事業全体を牽引しましたが、第4四半期は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、通期売上高は若干の減収となりました。<教育事業>電卓は、学生向け関数電卓の販売強化を図っているアジアその他の地域において順調に推移し、また電子辞書は、手軽にコンテンツを追加可能とするWi-Fi通信機能を搭載した新製品を発売しましたが、いずれも新学期に向けた学校での販売会が延期される等の影響により減収となりました。楽器は、市場で評価されている「Slim&Smart」モデルが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの好調を継続し、増収となりました。 当セグメントの売上高は、2,450億円(前期比4.8%減)、営業利益は390億円(前期比2.1%増)となりました。 (システム)電子レジスターは、下期に収益性の低いモデルから撤退し、事業そのものの構造を変えるため抜本的な見直しに着手しております。プロジェクターは、市場自体の縮小及び価格競争が激化しており、減収となりました。当セグメントの売上高は、301億円(前期比11.0%減)、営業利益は27億円の赤字(前期 9億円の赤字)となりました。 (その他)当セグメントは、成形部品、金型などグループ会社の独自事業等であり、その売上高は、55億円(前期比20.1%減)、営業利益は3億円(前期比0.3%増)となりました。 ② 財政状態当連結会計年度末の総資産は、前期比234億円減の3,341億円となりました。流動資産は、受取手形及び売掛金の減少などにより、前期比112億円減の2,273億円となりました。固定資産は、投資有価証券の減少などにより前期比122億円減の1,067億円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前期比143億円減の1,315億円となりました。長期借入金から1年内返済予定の長期借入金への振替などにより、流動負債は前期比43億円増の870億円、固定負債は前期比186億円減の444億円となりました。当連結会計年度末の純資産は、自己株式の増加、その他有価証券評価差額金の減少などにより前期比90億円減の2,025億円となりました。この結果、自己資本比率は、前期比1.4ポイント増の60.6%、D/Eレシオは0.31倍となり、ROEは、前期比2.1ポイント減の8.5%となりました。 ③ キャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、運転資金の減少などにより前期比123億円の増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出の減少などにより前期比45億円の支出減少となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の償還による支出などにより前期比79億円の支出増加となりました。以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期比21億円増加の1,343億円となりました。資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりです。当グループは、財務体質の強化のため、有利子負債の圧縮に取り組んでおります。当連結会計年度はユーロ円建転換社債型新株予約権付社債100億円の償還に対し長期借入40億円を実行した結果、当連結会計年度末有利子負債残高は、前期末比61億円減少し630億円となりました。また、新型コロナウイルス感染症の影響による急激な景気悪化及び金融市場混乱の懸念に備え、コミットメントラインの長期化を図り、当連結会計年度末は500億円の枠を設定しております。当グループの資金需要の主なものは、製品製造のための材料の購入費等の製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用に係わる運転資金及び設備投資資金です。なお、営業費用の主なものは、人件費、研究開発費、広告宣伝費、販売促進費などです。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的に判断される前提に基づいて実施しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。 (2)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等景気の先行きが不透明であり、かつ、事業環境も大きく変化するグローバル環境の下で、あらゆる変化に迅速に対応できるよう、これまで当グループは全社を挙げて構造改革に取り組んでまいりました。また、これからの持続的成長を確実なものとするべく事業別の成長戦略を描き中期経営計画として発表しました。ユーザーに役立つ製品を作り続け、中長期で企業価値を向上させるための新しい経営に変革することで業績の大幅向上を目指してまいります。中期経営計画の中で、経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標として、売上高・営業利益・営業利益率・ROEについて、財務数値目標を定めております。当連結会計年度においては、計画が、売上高3,100億円、営業利益315億円、営業利益率10.2%、ROE11%弱に対し、実績は売上高2,807億円、営業利益290億円、営業利益率10.4%、ROE8.5%となりました。 翌連結会計年度においては、現段階において新型コロナウイルス感染症拡大が業績に与える影響を合理的に算定することが困難なことから、連結業績予想は未定としております。また、財務健全性を確保しながら、資本コストの低下並びにROEの持続的向上を図り、2021年度計画は、自己資本比率60%水準、D/Eレシオ0.4倍以下としており、当連結会計年度は自己資本比率60.6%、D/Eレシオ0.31倍となりました。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループ(当社及び当社の関係会社…以下同じ)が判断したものであります。 当連結会計年度における内外経済は、米中貿易摩擦への懸念から中国での景気減速が加速し、対中依存度が高い欧州でも減速傾向となりました。また、新興国の一部では通貨安や政情不安が見られ、日本でも製造業の景況感が悪化するなど景気の先行きは不透明な状況で推移しました。 景気の先行きが不透明であり、かつ、事業環境も大きく変化するグローバル環境の下で、あらゆる変化に迅速に対応できるよう、これまで当グループは全社を挙げて構造改革に取り組んでまいりました。また、これからの持続的成長を確実なものとするべく事業別の成長戦略を描き中期経営計画として発表しました。ユーザーに役立つ製品を作り続け、中長期で企業価値を向上させるための新しい経営に変革することで業績の大幅向上を目指してまいります。①4つの成長戦略1.時計事業の成長拡大堅牢性に対する市場の高い信頼を有するG-SHOCKブランドの強みを生かしたG-SHOCKのメタル拡大、及びスマートウォッチ市場でのポジション確立により、継続的な事業拡大を図ります。2.教育関数事業の成長拡大安定した学生市場で売上確保できる強いビジネスモデルで継続的な事業拡大を図ります。また、成長が見込まれる電子教育分野において当社の数学の計算技術を活かしたWEBアプリケーションを開発し、協業パートナーとともに事業確立を図ります。3.強みを活かした新規事業の創造ウェアラブル技術、カメラ技術をはじめとする当社の強い技術をベースに、スポーツ・健康・美容などの市場に向けて、オープンイノベーションを活用した共創により新規市場の創造を実現します。4.楽器、プロジェクター等の収益改善事業は、構造改革の完遂により再成長事業への変革を図ります。②経営基盤の構築監査等委員会設置会社へ移行し、監督と執行を分離することでコーポレートガバナンス機能を一層強化してまいります。また、事業環境の変化に対して迅速かつ柔軟に対応できる執行体制を構築のうえ、事業運営の徹底を図り、企業価値の向上に努めてまいります。③資本効率の向上当グループは、財務安全性を確保しながら成長分野への投資を促進することで、中長期的な成長とROEの持続的な向上を図ってまいります。また、資本コストを意識した事業活動を推進し、資本効率の最適化やフリー・キャッシュ・フローの創造に努めることで、引き続き企業価値の向上を目指してまいります。④CSR(企業の社会的責任)への取り組み当グループは、事業運営を通じて、社会から期待される環境社会面の課題の解決を図りつつ、持続的に成長することにより、社会から必要とされ、従業員からも尊敬される会社であり続けてまいります。特に、最重点の課題としては、「SDGsへの取り組み」、「中長期環境目標への取り組み」、「ESG情報開示の取り組み」の3つの取り組みを掲げ、確実に推進してまいります。商品を創造し続けるべく、全社を挙げて事業構造改革を成し遂げ、安定的・継続的な収益基盤を確立してまいります。当グループは、以上の課題に応えるべくお客様一人ひとりのライフスタイルの中で、最も身近で大切な存在を生み出し続けることを使命と考え、「創造 貢献」の原点に立ち返り、今後も独創性のある技術で新規市場を創造してまいります。 当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者は、安定的な成長を目指し、企業価値の極大化・株主共同の利益の増強に経営資源の集中を図るべきと考えております。 現時点では特別な防衛策は導入いたしておりませんが、今後も引き続き社会情勢等の変化を注視しつつ弾力的な検討を行ってまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループ(当社及び当社の関係会社…以下同じ)が判断したものであります。 当連結会計年度における内外経済は、米中貿易摩擦への懸念から中国での景気減速が加速し、対中依存度が高い欧州でも減速傾向となりました。また、新興国の一部では通貨安や政情不安が見られ、日本でも製造業の景況感が悪化するなど景気の先行きは不透明な状況で推移しました。 景気の先行きが不透明であり、かつ、事業環境も大きく変化するグローバル環境の下で、あらゆる変化に迅速に対応できるよう、これまで当グループは全社を挙げて構造改革に取り組んでまいりました。また、これからの持続的成長を確実なものとするべく事業別の成長戦略を描き中期経営計画として発表しました。ユーザーに役立つ製品を作り続け、中長期で企業価値を向上させるための新しい経営に変革することで業績の大幅向上を目指してまいります。①4つの成長戦略1.時計事業の成長拡大堅牢性に対する市場の高い信頼を有するG-SHOCKブランドの強みを生かしたG-SHOCKのメタル拡大、及びスマートウォッチ市場でのポジション確立により、継続的な事業拡大を図ります。2.教育関数事業の成長拡大安定した学生市場で売上確保できる強いビジネスモデルで継続的な事業拡大を図ります。また、成長が見込まれる電子教育分野において当社の数学の計算技術を活かしたWEBアプリケーションを開発し、協業パートナーとともに事業確立を図ります。3.強みを活かした新規事業の創造ウェアラブル技術、カメラ技術をはじめとする当社の強い技術をベースに、スポーツ・健康・美容などの市場に向けて、オープンイノベーションを活用した共創により新規市場の創造を実現します。4.楽器、プロジェクター等の収益改善事業は、構造改革の完遂により再成長事業への変革を図ります。②経営基盤の構築監査等委員会設置会社へ移行し、監督と執行を分離することでコーポレートガバナンス機能を一層強化してまいります。また、事業環境の変化に対して迅速かつ柔軟に対応できる執行体制を構築のうえ、事業運営の徹底を図り、企業価値の向上に努めてまいります。③資本効率の向上当グループは、財務安全性を確保しながら成長分野への投資を促進することで、中長期的な成長とROEの持続的な向上を図ってまいります。また、資本コストを意識した事業活動を推進し、資本効率の最適化やフリー・キャッシュ・フローの創造に努めることで、引き続き企業価値の向上を目指してまいります。④CSR(企業の社会的責任)への取り組み当グループは、事業運営を通じて、社会から期待される環境社会面の課題の解決を図りつつ、持続的に成長することにより、社会から必要とされ、従業員からも尊敬される会社であり続けてまいります。特に、最重点の課題としては、「SDGsへの取り組み」、「中長期環境目標への取り組み」、「ESG情報開示の取り組み」の3つの取り組みを掲げ、確実に推進してまいります。商品を創造し続けるべく、全社を挙げて事業構造改革を成し遂げ、安定的・継続的な収益基盤を確立してまいります。当グループは、以上の課題に応えるべくお客様一人ひとりのライフスタイルの中で、最も身近で大切な存在を生み出し続けることを使命と考え、「創造 貢献」の原点に立ち返り、今後も独創性のある技術で新規市場を創造してまいります。 当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者は、安定的な成長を目指し、企業価値の極大化・株主共同の利益の増強に経営資源の集中を図るべきと考えております。 現時点では特別な防衛策は導入いたしておりませんが、今後も引き続き社会情勢等の変化を注視しつつ弾力的な検討を行ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。 (経営成績等の状況の概要)(1)経営成績当連結会計年度における売上高は2,981億円(前期比5.3%減)、営業利益については302億円(前期比2.3%増)、売上高営業利益率は前期比0.7ポイント増の10.1%となりました。また経常利益は298億円(前期比4.1%増)となりました。税金等調整前当期純利益は293億円(前期比19.3%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は221億円(前期比13.1%増)、1株当たり当期純利益は89円86銭(前期比10円44銭増)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(コンシューマ) 当セグメントの売上高は、前期比4.3%減の2,573億円、営業利益は前期比9.1%増の382億円となりました。(システム) 当セグメントの売上高は、前期比11.7%減の338億円、営業利益は9億円の赤字となりました。(その他) 当セグメントの売上高は、前期比7.9%減の69億円、営業利益は前期比41.1%減の3億円となりました。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)コンシューマ238,451△5.7システム32,9740.7その他4,857△10.5合計276,282△5.1 (注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 ② 受注実績当グループ(当社及び連結子会社)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 ③ 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)コンシューマ257,354△4.3システム33,821△11.7その他6,986△7.9合計298,161△5.3 (注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 (2)財政状態当連結会計年度末の総資産は、前期比66億円減の3,575億円となりました。流動資産は、たな卸資産の増加などにより、前期比11億円増の2,386億円となりました。固定資産は、投資有価証券の減少などにより前期比77億円減の1,189億円となりました。 セグメントごとの資産は、次のとおりであります。(コンシューマ) 当セグメントの資産は、前期比37億円増の1,963億円となりました。(システム) 当セグメントの資産は、前期比6億円増の379億円となりました。(その他) 当セグメントの資産は、前期比21億円減の158億円となりました。 当連結会計年度末の負債合計は、前期比115億円減の1,459億円となりました。流動負債は、1年内返済予定の長期借入金の減少、新株予約権付社債から1年内償還予定の新株予約権付社債への振替などにより、前期比109億円減の827億円、固定負債は、新株予約権付社債から1年内償還予定の新株予約権付社債への振替、長期借入金の増加などにより前期比6億円減の631億円となりました。当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金の増加などにより前期比49億円増の2,115億円となりました。当グループは、財務安全性を確保しながら成長分野への投資を促進することで、中長期的な成長とROEの持続的な向上を図ってまいります。また、資本コストを意識した事業活動を推進し、資本効率の最適化やフリー・キャッシュ・フローの創造に努めることで、引き続き企業価値の向上を目指してまいります。この結果、ROEは、前期比0.9ポイント増の10.6%となりました。 (3)キャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比138億円減少の207億円の収入となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益293億円(前期246億円)、減価償却費96億円(前期93億円)、投資有価証券売却益48億円(前期5億円)、運転資金(売上債権、たな卸資産、仕入債務)の増加額68億円(前期は減少額52億円)、法人税等の支払額54億円(前期35億円)などであります。投資活動によるキャッシュ・フローは、前期と比べて20億円支出が減少し、62億円の支出となりました。主な内訳は、固定資産の取得による支出127億円(前期104億円)、投資有価証券の取得及び売却・償還による純収入65億円(前期は純収入15億円)などであります。これらの結果、フリー・キャッシュ・フローは、前期比117億円減少の145億円となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、前期比63億円支出が増加し、169億円の支出となりました。主な内訳は、長短借入れ及び返済による純支出39億円(前期は純収入50百万円)、配当金の支払額123億円(前期98億円)などであります。以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期比23億円減少の1,322億円となり、十分な流動性資金を確保しております。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)(1)重要な会計方針及び見積り当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的に判断される前提に基づいて実施しておりますが、実施の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。なお、当グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。 (2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容① 経営成績当連結会計年度における内外経済は、米中貿易摩擦への懸念から中国での景気減速が加速し、対中依存度が高い欧州でも減速傾向となりました。また、新興国の一部では通貨安や政情不安が見られ、日本でも製造業の景況感が悪化するなど景気の先行きは不透明な状況で推移しました。 このような環境のもと、当グループは、時計事業や関数電卓などの高収益事業では既に確立された強いビジネスモデルを軸に、事業の持続的な拡大を目指してまいりました。また、楽器やプロジェクターなどの課題事業については構造改革の推進により体質改善を図ると共に、新たな柱となり収益に貢献できる新ジャンル及び新規事業の創造についても強力に推進してまいりました。前期におけるコンパクトカメラ事業の撤退及び中国や欧州での景気減速、新興国通貨安等の外部環境変化の影響により、売上高は減少しましたが、構造改革による収益体質の改善を図りました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は、2,981億円(前期比5.3%減)、営業利益は302億円(前期比2.3%増)となり、通期業績は減収増益となりました。また、経常利益は298億円(前期比4.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は221億円(前期比13.1%増)、1株当たり当期純利益(EPS)は89円86銭(前期比10円44銭増)と改善しました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(コンシューマ)<時計事業>「G-SHOCK」が初号機5000シリーズ初のフルメタル仕様モデル『GMW-B5000』などのメタルを中心に好調に推移しました。景気減速等外部環境の変化が厳しい中でも、引き続き高収益性を維持しました。<教育事業>電卓は関数電卓が安定した学生市場により引き続き好調に推移し、同様に学生向けが堅調である電子辞書とともに収益性を確保しました。更に電子試験/電子教科書市場に対応したWEBアプリケーション事業を開始、教育事業の新たな柱としてのスタートを切りました。また、楽器については2月に発売した世界最小のデジタルピアノ「Privia(プリビア)」『PX-S1000』が市場から高い評価を得ております。 当セグメントの売上高は、コンパクトカメラ事業の撤退により2,573億円(前期比4.3%減)となりましたが、構造改革の効果により営業利益は382億円(前期比9.1%増)となりました。 (システム)フランスでの法令レジスター特需先送りの影響もあり、当セグメントの売上高は、338億円(前期比11.7%減)、営業利益は9億円の赤字(前期 営業利益5億円)となりました。 (その他)当セグメントは、成形部品、金型などグループ会社の独自事業等であり、その売上高は、69億円(前期比7.9%減)、営業利益は3億円(前期比41.1%減)となりました。 ② 財政状態当連結会計年度末の総資産は、前期比66億円減の3,575億円となりました。流動資産は、たな卸資産の増加などにより、前期比11億円増の2,386億円となりました。固定資産は、投資有価証券の減少などにより前期比77億円減の1,189億円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前期比115億円減の1,459億円となりました。流動負債は、1年内返済予定の長期借入金の減少、新株予約権付社債から1年内償還予定の新株予約権付社債への振替などにより前期比109億円減の827億円、固定負債は、新株予約権付社債から1年内償還予定の新株予約権付社債への振替、長期借入金の増加などにより前期比6億円減の631億円となりました。当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金の増加などにより前期比49億円増の2,115億円となりました。この結果、自己資本比率は、前期比2.4ポイント増の59.2%、D/Eレシオは0.33倍となり、ROEは、前期比0.9ポイント増の10.6%となりました。 ③ キャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、運転資金の増加などにより前期比138億円の減少となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得及び売却・償還による純収入の増加などにより前期比20億円の支出減少となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長短借入れ及び返済による純支出の増加、配当金の支払額の増加などにより前期比63億円の支出増加となりました。以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期比23億円減少の1,322億円となりました。 ④ 資本の財源及び資金の流動性当グループの資金需要の主なものは、製品製造のための材料の購入費等の製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用に係わる運転資金及び設備投資資金です。なお、営業費用の主なものは、人件費、研究開発費、広告宣伝費、販売促進費などです。当グループは、財務体質の強化のため、有利子負債の圧縮に取り組んでおり、当連結会計年度は124億円の資金調達を実施するとともに、165億円を返済した結果、当連結会計年度末有利子負債残高は前連結会計年度末比39億円減少し、692億円となりました。また、当グループでは、主要取引金融機関と特定融資枠契約を締結しており、当連結会計年度末現在、これらの契約の未実行残高は568億円であります。 (3)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等景気の先行きが不透明であり、かつ、事業環境も大きく変化するグローバル環境の下で、あらゆる変化に迅速に対応できるよう、これまで当グループは全社を挙げて構造改革に取り組んでまいりました。また、これからの持続的成長を確実なものとするべく事業別の成長戦略を描き中期経営計画として発表しました。ユーザーに役立つ製品を作り続け、中長期で企業価値を向上させるための新しい経営に変革することで業績の大幅向上を目指してまいります。中期経営計画の中で、経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標として、売上高・営業利益・営業利益率・ROEについて、財務数値目標を定めております。財務数値目標は、以下のとおりです。(億円未満四捨五入) 2018年度(実績)2019年度(計画)2021年度(計画)売上高2,982億円3,150億円3,600+α億円営業利益303億円315億円420+α億円営業利益率10.1%10.0%11.7+α%ROE10.6%11%弱13%水準 2018年度は、売上高2,982億円、営業利益303億円、営業利益率10.1%、ROE10.6%となりました。財務数値目標として、2019年度(計画)は、売上高3,150億円、営業利益315億円、営業利益率10.0%、ROE11%弱、2021年度(計画)は、売上高3,600+α億円、営業利益420+α億円、営業利益率11.7+α%、ROE13%水準としております。 また、財務安全性を確保しながら、資本コストの低下並びにROEの持続的向上を図り、2018年度は自己資本比率59.2%、D/Eレシオ0.33倍となり、2021年度(計画)は、自己資本比率60%水準、D/Eレシオ0.4倍以下としております。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループ(当社及び当社の関係会社…以下同じ)が判断したものであります。 当グループは創立以来、「創造 貢献」を経営理念に掲げ、ゼロから1を生む独創的な発想と先進的な技術をもって、社会への貢献を実践することにより、企業としての成長を図り企業価値を高めることを経営の使命と考えております。これからも、ユーザーファーストの視点で世の中に貢献できる新たな商品を創造し続けるべく、全社を挙げて事業構造改革を成し遂げ、安定的・継続的な収益基盤を確立してまいります。 当連結会計年度における内外経済は、日本や欧米では企業収益や雇用環境の改善により緩やかな回復基調で推移し、中国や新興国でも持ち直しの動きが見られ、総じて堅調に推移しました。 内外の事業環境が大きく変化する中で、当グループは、安定成長基盤確立に向け全社一丸となった改革を推進し、業績のさらなる大幅な向上を目指します。具体的な改革方針としては、技術の融合による既存製品のさらなる進化と新製品開発の強力推進、機能と責任を明確化した全社構造改革を目指してまいります。さらに、財務体質を強化し、企業の社会的責任を果たすことが重要な課題と考えており、それらの実現に向けて以下の施策に取り組んでまいります。① 高収益事業のさらなる拡大時計事業では、ラインアップの拡充、新ジャンル製品の投入、インターネット販売の増強など、教育事業においては、関数電卓の学校販売の拡大、英語学習専用機の法人向け販売強化などにより、事業規模と高収益性の拡大を図ってまいります。② 新規事業の確立新規事業の開発を強力に推し進めるべく事業開発センターを設置しました。各々の事業の垣根を越えた横断的技術融合を促進するための体制のもと、新規事業の確立に繋げてまいります。同時に、リスト端末の強化と2.5Dプリントシステムの立ち上げにより、さらなる事業の拡大に貢献してまいります。③ 全社構造改革の推進商品企画機能とマーケティング機能を統合した事業戦略本部を設立しました。これにより、時計、辞書・英会話、教育関数、楽器、DPJ・VI、システムの6つのBU別に中期事業戦略を立案し、実行組織である開発本部・営業本部と連携して継続的に市場を拡大し、事業成長を加速させ、事業の最大化を図ってまいります。また、本社スタッフ機能につきましても、中期事業戦略の実行を支援できる仕組改革や組織体再編を進めてまいります。以上の4つの本部・機能の強化により、全社構造改革を進めてまいります。(注)DPJ・VI:データプロジェクター、電子文具等④ 資本効率の向上当グループは、財務安全性を確保しながら利益の大幅な拡大により、中長期的な成長とROEの持続的な向上を図ってまいります。また、資本コストを意識した事業活動を推進し、資本効率の最適化やフリー・キャッシュ・フローの創造に努めることで、引き続き企業価値の向上を目指してまいります。⑤ CSR(企業の社会的責任)への取り組み当グループは、事業運営を通じて、社会から期待される環境社会面の課題の解決を図りつつ、持続的に成長することにより、社会から必要とされ、従業員からも尊敬される会社であり続けてまいります。特に、最重点の課題としては、「SDGsへの取り組み」、「中長期環境目標への取り組み」、「ESG情報開示の取り組み」の3つの取り組みを掲げ、確実に推進してまいります。以上、5つの施策を柱として各事業における新市場開拓や改善施策により、今後も継続して企業価値を高めてまいります。 また、当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者は、安定的な成長を目指し、企業価値の極大化・株主共同の利益の増強に経営資源の集中を図るべきと考えております。 現時点では特別な防衛策は導入いたしておりませんが、今後も引き続き社会情勢等の変化を注視しつつ弾力的な検討を行ってまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループ(当社及び当社の関係会社…以下同じ)が判断したものであります。 当グループは創立以来、「創造 貢献」を経営理念に掲げ、ゼロから1を生む独創的な発想と先進的な技術をもって、社会への貢献を実践することにより、企業としての成長を図り企業価値を高めることを経営の使命と考えております。これからも、ユーザーファーストの視点で世の中に貢献できる新たな商品を創造し続けるべく、全社を挙げて事業構造改革を成し遂げ、安定的・継続的な収益基盤を確立してまいります。 当連結会計年度における内外経済は、日本や欧米では企業収益や雇用環境の改善により緩やかな回復基調で推移し、中国や新興国でも持ち直しの動きが見られ、総じて堅調に推移しました。 内外の事業環境が大きく変化する中で、当グループは、安定成長基盤確立に向け全社一丸となった改革を推進し、業績のさらなる大幅な向上を目指します。具体的な改革方針としては、技術の融合による既存製品のさらなる進化と新製品開発の強力推進、機能と責任を明確化した全社構造改革を目指してまいります。さらに、財務体質を強化し、企業の社会的責任を果たすことが重要な課題と考えており、それらの実現に向けて以下の施策に取り組んでまいります。① 高収益事業のさらなる拡大時計事業では、ラインアップの拡充、新ジャンル製品の投入、インターネット販売の増強など、教育事業においては、関数電卓の学校販売の拡大、英語学習専用機の法人向け販売強化などにより、事業規模と高収益性の拡大を図ってまいります。② 新規事業の確立新規事業の開発を強力に推し進めるべく事業開発センターを設置しました。各々の事業の垣根を越えた横断的技術融合を促進するための体制のもと、新規事業の確立に繋げてまいります。同時に、リスト端末の強化と2.5Dプリントシステムの立ち上げにより、さらなる事業の拡大に貢献してまいります。③ 全社構造改革の推進商品企画機能とマーケティング機能を統合した事業戦略本部を設立しました。これにより、時計、辞書・英会話、教育関数、楽器、DPJ・VI、システムの6つのBU別に中期事業戦略を立案し、実行組織である開発本部・営業本部と連携して継続的に市場を拡大し、事業成長を加速させ、事業の最大化を図ってまいります。また、本社スタッフ機能につきましても、中期事業戦略の実行を支援できる仕組改革や組織体再編を進めてまいります。以上の4つの本部・機能の強化により、全社構造改革を進めてまいります。(注)DPJ・VI:データプロジェクター、電子文具等④ 資本効率の向上当グループは、財務安全性を確保しながら利益の大幅な拡大により、中長期的な成長とROEの持続的な向上を図ってまいります。また、資本コストを意識した事業活動を推進し、資本効率の最適化やフリー・キャッシュ・フローの創造に努めることで、引き続き企業価値の向上を目指してまいります。⑤ CSR(企業の社会的責任)への取り組み当グループは、事業運営を通じて、社会から期待される環境社会面の課題の解決を図りつつ、持続的に成長することにより、社会から必要とされ、従業員からも尊敬される会社であり続けてまいります。特に、最重点の課題としては、「SDGsへの取り組み」、「中長期環境目標への取り組み」、「ESG情報開示の取り組み」の3つの取り組みを掲げ、確実に推進してまいります。以上、5つの施策を柱として各事業における新市場開拓や改善施策により、今後も継続して企業価値を高めてまいります。 また、当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者は、安定的な成長を目指し、企業価値の極大化・株主共同の利益の増強に経営資源の集中を図るべきと考えております。 現時点では特別な防衛策は導入いたしておりませんが、今後も引き続き社会情勢等の変化を注視しつつ弾力的な検討を行ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)経営成績当連結会計年度における内外経済は、日本や欧米では企業収益や雇用環境の改善により緩やかな回復基調で推移し、中国や新興国でも持ち直しの動きが見られ、総じて堅調に推移しました。 このような環境のもと、当グループは、時計事業や関数電卓・電子辞書を中心とした教育事業などの高収益事業では、既に確立された強いビジネスモデルを軸に、引き続き継続的な改善を進めながら、事業の持続的な拡大を目指してまいりました。また、デジタルカメラや楽器、プロジェクターなどの課題事業については抜本的な体質改善を図るべく取り組むと共に、新たな柱となり収益に貢献できる新ジャンル及び新規事業の創造についても強力に推進してまいりました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は3,147億円(前期比2.0%減)、営業利益は295億円(前期比3.5%減)となり、通期業績は減収減益となりましたが、市場の大幅な縮小を受けてのコンパクトカメラ市場からの事業撤退や、機構改革として、事業戦略を見直し収益拡大を実現できる組織体制を確立するなど、抜本的な事業構造改革推進のスタート地点に立つことが出来ました。なお、経常利益は287億円(前期比9.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は195億円(前期比6.3%増)となり、1株当たり当期純利益(EPS)は79円42銭(前期比9.3%増)と改善しました。当グループは創立以来、「創造 貢献」を経営理念に掲げ、ゼロから1を生む独創的な発想と先進的な技術をもって、社会への貢献を実践することにより、企業としての成長を図り企業価値を高めることを経営の使命と考えております。これからも、ユーザーファーストの視点で世の中に貢献できる新たな商品を創造し続けるべく、全社を挙げて事業構造改革を成し遂げ、安定的・継続的な収益基盤を確立してまいります。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(コンシューマ)<時計事業>「G-SHOCK」の35周年マーケティング効果などにより引き続き堅調に推移しました。なかでも、中価格帯の「G-STEEL」が年間を通じて好調に推移し、事業全体の成長を牽引しました。<教育事業>新市場の開拓や学生の授業・試験の変化に柔軟に対応する取り組みにより、海外の学生向関数電卓が、引き続き好調に推移しました。また、楽器については、自社生産体制強化、ラインアップ効率化、新音源の開発などの事業構造改革の実施により、収益性の改善基盤を確立しました。<デジタルカメラ事業>コンパクトカメラ市場の急激な縮小の中で、今後の成長を慎重に見極めた結果、同事業からの撤退を決定しました。この決定に伴い、特別損失を計上しました。これらの結果、当セグメントの売上高は、2,689億円(前期比1.4%減)となりました。損益につきましては、350億円の営業利益(前期比5.8%減)となりました。時計は収益性の高い製品の販売が好調に推移し高収益性を維持、電卓は海外で関数電卓が好調に推移し収益性を確保、デジタルカメラはコンパクトデジタルカメラ市場からの撤退に向けた費用計上により赤字幅が拡大しました。 (システム)前期、採算性の低かったプリンター事業等から撤退したことにより、収益力を大幅に改善し営業利益の黒字化を図りました。 当セグメントの売上高は、383億円(前期比3.6%減)、損益につきましては、安定した収益基盤を確保し5億円の営業利益(前期 営業損失22億円)となりました。 (その他)当セグメントは、金型などのグループ会社の独自事業等であり、その売上高は、75億円(前期比12.6%減)、損益につきましては、5億円の営業利益(前期比70.1%増)となりました。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)コンシューマ252,914△1.1システム32,761+4.5その他5,429△12.3合計291,104 △0.7 (注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 ② 受注実績当グループ(当社及び連結子会社)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 ③ 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)コンシューマ268,905△1.4システム38,302△3.6その他7,583△12.6合計314,790△2.0 (注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 (2)財政状態連結会計年度末の総資産は、前期比129億円増の3,643億円となりました。流動資産は、現金及び預金の増加などにより、前期比103億円増の2,438億円となりました。固定資産は、建物及び構築物の取得、投資有価証券の増加などにより前期比25億円増の1,205億円となりました。 セグメントごとの資産は、次のとおりであります。(コンシューマ)当セグメントの資産は、山形カシオの時計専用工場などを中心とする設備投資などにより、前期比24億円増の1,925億円となりました。(システム)当セグメントの資産は、前期に行った事業構造改革の影響などにより、前期比34億円減の373億円となりました。(その他)当セグメントの資産は、前期比19億円減の180億円となりました。 当連結会計年度末の負債合計は、前期比25億円増の1,577億円となりました。流動負債は、未払法人税等、及び未払費用の増加、長期借入金から1年内返済予定の長期借入金への振替などにより、前期比182億円増の937億円、固定負債は、長期借入金から1年内返済予定の長期借入金への振替などにより、前期比156億円減の639億円となりました。当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金の増加などにより前期比103億円増の2,066億円となりました。当グループは、財務安全性を確保しながら利益の大幅な拡大により、中長期的な成長とROEの持続的な向上を図ってまいります。また資本コストを意識した事業活動を推進し、資本効率の最適化やフリー・キャッシュ・フローの創造に努めることで、引き続き企業価値の向上を目指してまいります。この結果、ROEは、前期比0.5ポイント増の9.7%となりました。 (3)キャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比66億円増加の345億円の収入となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益246億円(前期234億円)、減価償却費93億円(前期97億円)、運転資金(売上債権、たな卸資産、仕入債務)の減少額52億円(前期は減少額18億円)、法人税等の支払額35億円(前期69億円)などであります。投資活動によるキャッシュ・フローは、前期と比べて50億円支出が増加し、83億円の支出となりました。主な内訳は、固定資産の取得による支出104億円(前期89億円)、有形固定資産の売却による収入6億円(前期35億円)、投資有価証券の取得及び売却・償還による純収入15億円(前期は純収入17億円)などであります。これらの結果、フリー・キャッシュ・フローは、前期比15億円増加の262億円となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出149億円などがあった前期と比べて、203億円支出が減少し、105億円の支出となりました。主な内訳は、配当金の支払額98億円(前期108億円)などであります。以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期比157億円増加の1,345億円となり、十分な流動性資金を確保しております。当グループの資金需要の主なものは、製品製造のための材料の購入費等の製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用に係わる運転資金及び設備投資資金です。なお、営業費用の主なものは、人件費、研究開発費、広告宣伝費、販売促進費などです。当連結会計年度における資金調達につきましては、特記すべき事項はございません。
経営方針・経営戦略
3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループ(当社及び当社の関係会社…以下同じ)が判断したものであります。 当グループは創立以来、「創造 貢献」を経営理念に掲げ、ゼロから1を生む独創的な発想と先進的な技術をもって、社会への貢献を実践することにより、企業としての成長を図り企業価値を高めることを経営の使命と考えております。自由な発想で、劇的に新しい価値を世の中に提供することを目指し、新規事業の確立にも邁進しております。 当連結会計年度の内外の経済状況を概観しますと、米国では緩やかな拡大が継続した一方、中国や新興国の下振れリスクや英国のEU離脱問題などにより、市場が不安定な状況で推移いたしました。為替市場においては近来にない大幅な円高となり、当社の業績には大変厳しい状況となりました。 当グループでは、各事業分野においてグローバルなコスト競争力を強化し高収益を確保できる強靭な収益基盤の構築に取り組んでおります。また、高収益事業の継続的改善と独自技術の融合による新規事業創出を強力に推進し、企業価値の最大化を図ってまいります。 さらに、財務体質の強化を図り、企業の社会的責任をこれまで以上に果たすことが重要な課題と考えております。その実現に向け全社をあげて以下の施策を推進してまいります。① 高収益事業のさらなる拡大時計事業、及び関数電卓・電子辞書の教育事業などの高収益事業では、既に確立された強いビジネスモデルを軸に、当グループの独自技術を駆使しながら、引き続き継続的な改善を進め、事業の持続的な拡大を図ってまいります。② 事業構造改革の推進・新規事業の確立楽器・デジタルカメラ・プロジェクター等、市場の変化により事業構造の変革が必要な事業については、当グループの経営理念である「創造 貢献」の理念の下、変化する市場のニーズを的確に捉える商品企画力により、お客様・社会に貢献できる商品を創造するとともに、併せて各々の事業が保有する強い技術を融合し、時計事業・教育事業と並ぶ第三の高収益事業の創出や新規事業の確立にも繋げてまいります。 また、システム事業においても、強みを持つ商品を生かした戦略的な事業展開を図り、収益基盤を強化してまいります。③ 資本効率の向上・財務体質の強化当社は成長を支える財務基盤の強化に向けて、自己資本比率及びD/Eレシオ(有利子負債/自己資本)の改善を推進してまいりました。今後も、引き続き財務安全性を確保しながら利益の大幅な拡大により、中長期的な成長とROEの持続的な向上を図ってまいります。また、将来の事業拡大に必要とされる成長資金の確保のため、フリー・キャッシュ・フローの創造に努め、資本効率の向上と安定的かつ強靭な財務体質の構築に取り組んでまいります。④ CSR(企業の社会的責任)への取り組み企業の中長期的価値創造をめぐる社会の関心が高まっている中、当グループでは、長期的視野から取り組むべき重要課題を策定しております。グローバルな視点に立ち事業運営を通じて、ESG(環境・社会・ガバナンス)課題に取り組み、社会が当グループに期待する役割を果たしつつ、持続的に成長することにより、社会から必要とされる企業であり続けることを目指してまいります。以上の4施策を完遂することにより、企業価値の拡大に努めてまいります。 また、当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者は、安定的な成長を目指し、企業価値の極大化・株主共同の利益の増強に経営資源の集中を図るべきと考えております。 現時点では特別な防衛策は導入いたしておりませんが、今後も引き続き社会情勢等の変化を注視しつつ弾力的な検討を行ってまいります。
対処すべき課題
3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループ(当社及び当社の関係会社…以下同じ)が判断したものであります。 当グループは創立以来、「創造 貢献」を経営理念に掲げ、ゼロから1を生む独創的な発想と先進的な技術をもって、社会への貢献を実践することにより、企業としての成長を図り企業価値を高めることを経営の使命と考えております。自由な発想で、劇的に新しい価値を世の中に提供することを目指し、新規事業の確立にも邁進しております。 当連結会計年度の内外の経済状況を概観しますと、米国では緩やかな拡大が継続した一方、中国や新興国の下振れリスクや英国のEU離脱問題などにより、市場が不安定な状況で推移いたしました。為替市場においては近来にない大幅な円高となり、当社の業績には大変厳しい状況となりました。 当グループでは、各事業分野においてグローバルなコスト競争力を強化し高収益を確保できる強靭な収益基盤の構築に取り組んでおります。また、高収益事業の継続的改善と独自技術の融合による新規事業創出を強力に推進し、企業価値の最大化を図ってまいります。 さらに、財務体質の強化を図り、企業の社会的責任をこれまで以上に果たすことが重要な課題と考えております。その実現に向け全社をあげて以下の施策を推進してまいります。① 高収益事業のさらなる拡大時計事業、及び関数電卓・電子辞書の教育事業などの高収益事業では、既に確立された強いビジネスモデルを軸に、当グループの独自技術を駆使しながら、引き続き継続的な改善を進め、事業の持続的な拡大を図ってまいります。② 事業構造改革の推進・新規事業の確立楽器・デジタルカメラ・プロジェクター等、市場の変化により事業構造の変革が必要な事業については、当グループの経営理念である「創造 貢献」の理念の下、変化する市場のニーズを的確に捉える商品企画力により、お客様・社会に貢献できる商品を創造するとともに、併せて各々の事業が保有する強い技術を融合し、時計事業・教育事業と並ぶ第三の高収益事業の創出や新規事業の確立にも繋げてまいります。 また、システム事業においても、強みを持つ商品を生かした戦略的な事業展開を図り、収益基盤を強化してまいります。③ 資本効率の向上・財務体質の強化当社は成長を支える財務基盤の強化に向けて、自己資本比率及びD/Eレシオ(有利子負債/自己資本)の改善を推進してまいりました。今後も、引き続き財務安全性を確保しながら利益の大幅な拡大により、中長期的な成長とROEの持続的な向上を図ってまいります。また、将来の事業拡大に必要とされる成長資金の確保のため、フリー・キャッシュ・フローの創造に努め、資本効率の向上と安定的かつ強靭な財務体質の構築に取り組んでまいります。④ CSR(企業の社会的責任)への取り組み企業の中長期的価値創造をめぐる社会の関心が高まっている中、当グループでは、長期的視野から取り組むべき重要課題を策定しております。グローバルな視点に立ち事業運営を通じて、ESG(環境・社会・ガバナンス)課題に取り組み、社会が当グループに期待する役割を果たしつつ、持続的に成長することにより、社会から必要とされる企業であり続けることを目指してまいります。以上の4施策を完遂することにより、企業価値の拡大に努めてまいります。 また、当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者は、安定的な成長を目指し、企業価値の極大化・株主共同の利益の増強に経営資源の集中を図るべきと考えております。 現時点では特別な防衛策は導入いたしておりませんが、今後も引き続き社会情勢等の変化を注視しつつ弾力的な検討を行ってまいります。