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大真空(6962)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 水晶デバイス総合メーカー
    大真空グループは、人工水晶などの素材から、スマートフォンやパソコン、カーエレクトロニクスなどに使われる水晶振動子や応用製品を製造・販売しています。これらの製品は、電子機器の正確な時間管理や周波数制御に不可欠な部品です。
  • グローバルな製造販売体制
    日本国内だけでなく、インドネシア、中国、台湾、タイに製造拠点を持ち、香港を中心に6社の販売子会社を通じて世界中に製品を供給しています。これにより、多様な市場ニーズに対応し、効率的な生産・販売体制を構築しています。
  • 単一事業での集中
    大真空グループは「水晶応用電子部品」の製造販売に特化しており、この単一事業で収益を上げています。人工水晶から最終製品まで一貫して手掛けることで、専門性と技術力を高め、市場での競争力を維持しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 中国地域が最大の売上
    中国地域は売上高126.52201億円と、他の地域と比較して最も大きな売上を上げています。しかし、営業利益は0.09261億円と低く、売上規模に対して利益率が低い状況が見られます。これは激しい市場競争やコスト構造が影響している可能性があります。
  • 台湾事業が高い収益性
    台湾事業は売上高97.86778億円に対し、営業利益が15.59979億円と、非常に高い収益性を誇っています。これは、台湾における製造子会社である加高電子股份有限公司が製造販売を担い、効率的な生産体制と競争力のある製品を提供しているためと考えられます。
  • 日本は赤字、海外が収益源
    日本地域は売上高69.71172億円に対して、営業利益が-8.42757億円と赤字を計上しています。一方で、北米、欧州、東南アジアといった海外地域は、売上規模は日本より小さいものの、それぞれ営業利益を確保しており、海外事業がグループ全体の収益を支える構造となっています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Japan 地域 70 -8 -12.1%
NorthAmerica 地域 25 0 1.6%
Europe 地域 39 0 0.8%
China 地域 127 0 0.1%
Taiwan 事業 98 16 15.9%
SoutheastAsia 地域 29 1 3.0%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|439 文字
3【事業の内容】 当社及び当社の関係会社は、当社と連結子会社13社(以下当社グループという)により構成され、当社グループは、水晶応用電子部品を製造販売する単独事業会社です。当社グループは人工水晶等の部材から一般水晶振動子、音叉型水晶振動子及び水晶応用製品等、電子部品を製造販売する水晶デバイスの総合メーカーであります。 当社グループの事業に係る主な位置付けは次のとおりであります。[水晶製品事業] 当社が製造販売する他、連結製造子会社であるPT.KDS INDONESIA、天津大真空有限公司、株式会社九州大真空、加高電子股份有限公司に製造を委託しております。また、加高電子股份有限公司は同社が製造販売する他、同社の製造子会社である加高電子(東莞)有限公司、HARMONY ELECTRONICS (THAILAND) CO.,LTD.に製造を委託しております。 海外での販売は主に大真空(香港)有限公司等6社の販売子会社が行っております。 事業の主な系統図は以下のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
顧客業界の競争激化や市場環境変動により価格や需要動向が業績変動要因となるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
水晶振動子の小型化・高機能化、高周波化、高精度化、低消費電力化、耐環境性能向上などの技術。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:経営成績の変動要因 / 貸倒リスク / 為替変動の要因
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

大真空は水晶デバイスの分野で長年の実績と一定のブランド認知を持つが、特許や独占的IPによる明確な優位性は限定的。競合他社も同様の技術を有しており、無形資産による強固な参入障壁は低い。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

水晶デバイスは電子機器の基幹部品であり、一度採用されると仕様変更やサプライヤー変更には設計変更や認証プロセスが必要となるため、一定のスイッチング・コストが発生する。しかし、代替技術の登場やコスト競争により、乗り換えの可能性は排除できない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

水晶デバイスの製造・販売事業には、ユーザー数の増加が製品価値を直接高めるようなネットワーク効果は存在しない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の生産ノウハウや効率化努力により、一定のコスト競争力は有していると考えられる。しかし、グローバルな価格競争や新興国メーカーの台頭もあり、構造的なコスト優位性を確立しているとは言い難い。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

水晶デバイス市場において、大真空は主要プレイヤーの一つであり、一定の生産規模と販売網を有している。市場シェアの大部分を少数の企業が占める寡占市場の構造は、効率規模による優位性を示唆する可能性がある。

  • 水晶デバイスの総合力
    人工水晶の素材開発から、音叉型水晶振動子、一般水晶振動子、水晶応用製品まで、幅広い水晶デバイスを一貫して製造・販売できる総合力が強みです。これにより、顧客の多様なニーズに柔軟に対応し、高品質な製品を提供できます。
  • グローバルな生産・販売網
    インドネシア、中国、台湾、タイに製造拠点を持ち、香港を中心に6社の販売子会社を通じて世界中に製品を供給する体制を確立しています。この広範なネットワークにより、効率的な生産と迅速な市場対応が可能となり、海外売上高は2025年3月期で88.3%を占めるほどです。
  • 品質管理と技術開発
    品質目標として「ゼロディフェクト(不良ゼロ)」を掲げ、徹底した品質管理に努めています。また、水晶振動子の小型化や高機能化といった市場の要求に応えるため、積極的な研究開発を行い、常に新しい技術と製品を追求することで競争優位性を保っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営ビジョン 当社グループは社是である「信頼」を基に、グローバル企業として世界中の人々に信頼される企業グループであり続けたいと考えています。この「信頼」を合言葉とし、「人と人のつながり」を大切にする精神をもとに、社員全員の瞳が輝く企業を目指してまいります。 (2) 経営戦略等 2019年11月の創業60周年を機に、当社初となる「10年長期経営計画」を策定しました。長期経営計画は、7つの基本戦略「OCEAN+2戦略」を掲げ、高い技術力と強い企業力によりお客様に必要とされ続けるリーディング企業を目指しています。<10年長期経営計画>「OCEAN+2戦略」の7つの基本戦略OneキープロダクトのArkhシリーズを軸にIC内蔵などの一社供給Cost直材費の低減が可能なArkhシリーズによる低コスト域への挑戦Elementコアテクノロジーである人工水晶の大型化/水晶ウエハの大判化と切断/研磨技術で唯一無二の競争優位性Alliance価値創造を加速させるオープンイノベーション/コラボレーションでの共創Nicheニッチ市場における安定的な残存者利益の創出+1これまで培った育成技術をベースにさまざまな結晶へのチャレンジ+2新しい要素技術とともに新たな価値を創造するデバイスの開発 「OCEAN+2戦略」の7つの基本戦略、7年目の状況OneArkh.3Gウェアラブル向け大手メーカー採用が追い風CostArkh.2Gによる発振器(差動発振器)のコスト競争力が武器にElement水晶原石の大型化ウエハ取れ枚数UPにより、コストダウン加速Alliance同業他社への内蔵Arkh振動子販売戦略を推進中Niche水晶フィルタシェアNo.1の強みをフル活用+1新たな結晶育成へのチャレンジ継続中+2熱管理のパラダイムシフトを可能とするセンサー開発完了・事業化検討中 長期経営計画は3つのフェーズに分け、それぞれマイルストーンを設定しています。2024年4月より「第二中期経営計画 基盤確立」を推進しており、2027年3月期は、「OCEAN+2戦略」7年目を迎えます。市場環境としては、あらゆる機器への通信機能の融合や生成AIの普及拡大が、水晶デバイスの需要を牽引すると予想しております。水晶デバイスに対しては、高周波化が進むことが予想されます。この市場拡大による供給に対応するため、当社の研磨技術、組立技術の粋を集めたArkhシリーズの本格量産を進めております。 <中期経営計画>第一中期 2022-2024年3月期 基盤整備フェーズ第二中期 2025-2027年3月期 基盤確立フェーズ第三中期 2028-2030年3月期 成長発展フェーズ (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 今後の経済環境におきまして、先行き不透明な状況が続いていますが、デジタル化の進展に伴う半導体需要の拡大により、水晶デバイス市場はさらなる成長が見込まれます。特に、AIの発展による高速演算処理を必要とするAIデータセンターの増加、光トランシーバやエッジAIの普及は、通信データ量の増大と安定化への要求を高め、高周波デバイスである差動出力発振器の需要を一層押し上げます。また、スマートグラスなどのウェアラブル機器市場の拡大は、これまで以上に薄型・軽量な水晶デバイスへのニーズを生み出しています。しかし、こうした高まる市場ニーズに対し、水晶デバイス業界は製品の小型化/高性能化要求に伴う製造コストの増加、従来の「1by1製造」に起因する生産効率の限界、および環境負荷への対応といった構造的な課題に直面しています。これらの課題に対処し、次世代の成長戦略を確固たるものとするため、当社は高度な水晶育成/加工技術から生まれたオリジナル製品「Arkhシリーズ」による革新的な「Arkh構想」を最重要経営戦略として位置づけ、全社一丸となって推進しています。このArkh構想は、技術革新、市場戦略の転換、生産体制の変革を通じて、水晶デバイス業界にパラダイムシフトをもたらすものです。 Arkhシリーズは半導体製造プロセスにも用いられるフォトリソグラフィー技術やWLP(ウエハレベルパッケージ)技術を採用しており、セラミックパッケージなどの外部からの部材調達や導電性接着剤を不要とします。特に、Arkh.3Gは「小さく、軽いものは安い」という理想を体現した世界最薄の製品であり、将来的にはIC内蔵を目指しています。さらに、ウエハレベルでの一括加工のため、従来方式に対し、単位面積あたりで従来の5~7倍のアウトプットを実現し圧倒的なコスト優位性と生産性を確立しました。新工場建設に伴う大規模な投資やCO2排出を抑制することで、環境負荷の低減と収益性向上に貢献します。 Arkhシリーズの展開には製品ラインアップの拡充も重要な要素となります。Arkhシリーズ水晶振動子をICとともにセラミックパッケージに内蔵した水晶発振器「Arkh.2G」を開発しました。これは従来品と同等の外観/サイズであり、お客様にとって抵抗なく使い易い製品であるとともに、従来品の生産設備を流用することが可能な設計であるため、投資抑制にもつながり、優れたコストパフォーマンスを発揮します。また、競合他社を戦略的パートナーと位置づけ、Arkhシリーズ水晶振動子を水晶発振器の「内蔵水晶振動子」として供給することで、業界標準化を推進してまいります。 サプライチェーンの強靭化も重要な課題です。Arkhシリーズは従来品に比べて、重油使用量が少なく、ヘリウムを使用しないなど地政学的リスクに強い製品であり、安定供給に大きく寄与します。今後も、製品サイズの小型化、コアテクノロジーである水晶ウエハの大判化の推進や連続的な技術革新を通じて、追随を許さない圧倒的な競争優位性を確立してまいります。そして、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進や自動搬送ロボットを導入したフルオート生産の開発を進め、労働人口減少時代において、優秀な若手から熟練工までを惹きつける「未来の工場」を具現化し、「社員の幸せ」と事業成長を両立させるという、持続可能な企業モデルを追求してまいります。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、収益力の強化、経営資源の有効利用、財務戦略による有利子負債の削減を進めるとともに、経営環境の変化に柔軟に対応できる経営基盤の確立と業績の向上に努めてまいります。また引き続きキャッシュ・フローを重視した経営を推進し、更なる財務体質の改善、バランスシートの健全化を目指してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営ビジョン 当社グループは社是である「信頼」を基に、グローバル企業として世界中の人々に信頼される企業グループであり続けたいと考えています。この「信頼」を合言葉とし、「人と人のつながり」を大切にする精神をもとに、社員全員の瞳が輝く企業を目指してまいります。 (2) 経営戦略等 2019年11月の創業60周年を機に、当社初となる「10年長期経営計画」を策定しました。長期経営計画は、7つの基本戦略「OCEAN+2戦略」を掲げ、高い技術力と強い企業力によりお客様に必要とされ続けるリーディング企業を目指しています。<10年長期経営計画>「OCEAN+2戦略」の7つの基本戦略OneキープロダクトのArkhシリーズを軸にIC内蔵などの一社供給Cost直材費の低減が可能なArkhシリーズによる低コスト域への挑戦Elementコアテクノロジーである人工水晶の大型化/水晶ウエハの大判化と切断/研磨技術で唯一無二の競争優位性Alliance価値創造を加速させるオープンイノベーション/コラボレーションでの共創Nicheニッチ市場における安定的な残存者利益の創出+1これまで培った育成技術をベースにさまざまな結晶へのチャレンジ+2新しい要素技術とともに新たな価値を創造するデバイスの開発 「OCEAN+2戦略」の7つの基本戦略、7年目の状況OneArkh.3Gウェアラブル向け大手メーカー採用が追い風CostArkh.2Gによる発振器(差動発振器)のコスト競争力が武器にElement水晶原石の大型化ウエハ取れ枚数UPにより、コストダウン加速Alliance同業他社への内蔵Arkh振動子販売戦略を推進中Niche水晶フィルタシェアNo.1の強みをフル活用+1新たな結晶育成へのチャレンジ継続中+2熱管理のパラダイムシフトを可能とするセンサー開発完了・事業化検討中 長期経営計画は3つのフェーズに分け、それぞれマイルストーンを設定しています。2024年4月より「第二中期経営計画 基盤確立」を推進しており、2027年3月期は、「OCEAN+2戦略」7年目を迎えます。市場環境としては、あらゆる機器への通信機能の融合や生成AIの普及拡大が、水晶デバイスの需要を牽引すると予想しております。水晶デバイスに対しては、高周波化が進むことが予想されます。この市場拡大による供給に対応するため、当社の研磨技術、組立技術の粋を集めたArkhシリーズの本格量産を進めております。 <中期経営計画>第一中期 2022-2024年3月期 基盤整備フェーズ第二中期 2025-2027年3月期 基盤確立フェーズ第三中期 2028-2030年3月期 成長発展フェーズ (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 今後の経済環境におきまして、先行き不透明な状況が続いていますが、デジタル化の進展に伴う半導体需要の拡大により、水晶デバイス市場はさらなる成長が見込まれます。特に、AIの発展による高速演算処理を必要とするAIデータセンターの増加、光トランシーバやエッジAIの普及は、通信データ量の増大と安定化への要求を高め、高周波デバイスである差動出力発振器の需要を一層押し上げます。また、スマートグラスなどのウェアラブル機器市場の拡大は、これまで以上に薄型・軽量な水晶デバイスへのニーズを生み出しています。しかし、こうした高まる市場ニーズに対し、水晶デバイス業界は製品の小型化/高性能化要求に伴う製造コストの増加、従来の「1by1製造」に起因する生産効率の限界、および環境負荷への対応といった構造的な課題に直面しています。これらの課題に対処し、次世代の成長戦略を確固たるものとするため、当社は高度な水晶育成/加工技術から生まれたオリジナル製品「Arkhシリーズ」による革新的な「Arkh構想」を最重要経営戦略として位置づけ、全社一丸となって推進しています。このArkh構想は、技術革新、市場戦略の転換、生産体制の変革を通じて、水晶デバイス業界にパラダイムシフトをもたらすものです。 Arkhシリーズは半導体製造プロセスにも用いられるフォトリソグラフィー技術やWLP(ウエハレベルパッケージ)技術を採用しており、セラミックパッケージなどの外部からの部材調達や導電性接着剤を不要とします。特に、Arkh.3Gは「小さく、軽いものは安い」という理想を体現した世界最薄の製品であり、将来的にはIC内蔵を目指しています。さらに、ウエハレベルでの一括加工のため、従来方式に対し、単位面積あたりで従来の5~7倍のアウトプットを実現し圧倒的なコスト優位性と生産性を確立しました。新工場建設に伴う大規模な投資やCO2排出を抑制することで、環境負荷の低減と収益性向上に貢献します。 Arkhシリーズの展開には製品ラインアップの拡充も重要な要素となります。Arkhシリーズ水晶振動子をICとともにセラミックパッケージに内蔵した水晶発振器「Arkh.2G」を開発しました。これは従来品と同等の外観/サイズであり、お客様にとって抵抗なく使い易い製品であるとともに、従来品の生産設備を流用することが可能な設計であるため、投資抑制にもつながり、優れたコストパフォーマンスを発揮します。また、競合他社を戦略的パートナーと位置づけ、Arkhシリーズ水晶振動子を水晶発振器の「内蔵水晶振動子」として供給することで、業界標準化を推進してまいります。 サプライチェーンの強靭化も重要な課題です。Arkhシリーズは従来品に比べて、重油使用量が少なく、ヘリウムを使用しないなど地政学的リスクに強い製品であり、安定供給に大きく寄与します。今後も、製品サイズの小型化、コアテクノロジーである水晶ウエハの大判化の推進や連続的な技術革新を通じて、追随を許さない圧倒的な競争優位性を確立してまいります。そして、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進や自動搬送ロボットを導入したフルオート生産の開発を進め、労働人口減少時代において、優秀な若手から熟練工までを惹きつける「未来の工場」を具現化し、「社員の幸せ」と事業成長を両立させるという、持続可能な企業モデルを追求してまいります。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、収益力の強化、経営資源の有効利用、財務戦略による有利子負債の削減を進めるとともに、経営環境の変化に柔軟に対応できる経営基盤の確立と業績の向上に努めてまいります。また引き続きキャッシュ・フローを重視した経営を推進し、更なる財務体質の改善、バランスシートの健全化を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における世界経済は、国内においては、設備投資の堅調さや賃上げを背景とした個人消費の底堅さに支えられ、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、米国経済は個人消費が依然として勢いを欠き、設備投資の拡大ペースも鈍化が続くなど、回復は停滞傾向にありました。中国経済は、内需の停滞とデフレ圧力の継続により減速いたしました。さらに、中東情勢の緊迫化に伴う原油、ガス、ヘリウム等の天然資源供給不安や、AIデータセンターの需要増加に伴うメモリ半導体価格の急騰が世界経済の下振れ圧力として作用し、全体として先行き不透明な状況が続きました。 このような状況下、当社グループは、高まる需要に対応するため、水晶発振器や高周波製品の生産体制強化、および自社オリジナル製品である「Arkh(アーク)シリーズ」の拡販に注力いたしました。当社の国内事業所である鳥取、徳島事業所においてはArkhシリーズの本格量産に向けた設備導入を進め、本社工場においては、次世代フルオート生産のパイロットライン導入に向けた取り組みを継続しました。また、国際見本市への出展を通じて、需要が急増するAIデータセンターや光トランシーバ向けなどに、Arkhシリーズを中心とした競争優位性のある製品を展示し、多方面から高い注目を集めました。 当連結会計年度の当社グループを取り巻く環境としては、通信分野や民生分野ではメモリ半導体価格急騰の影響により需要が減少したものの、車載分野は堅調な推移を見せ、また産業分野においても設備投資の低迷から緩やかな回復基調へと転じました。 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。 a.財政状態 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ8,919百万円増加し、98,809百万円となりました。 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ6,188百万円増加し、50,859百万円となりました。 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,730百万円増加し、47,950百万円となりました。 b.経営成績 当連結会計年度の経営成績は、売上高は39,551百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益は1,133百万円(前年同期比23.9%増)、経常利益は734百万円(前年同期比78.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は420百万円(前年同期比47.1%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 日本は、売上高は7,427百万円(前年同期比6.6%増)、セグメント利益は1,053百万円(前年同期はセグメント損失842百万円)となりました。 北米は、売上高は2,701百万円(前年同期比10.2%増)、セグメント利益は67百万円(前年同期比75.2%増)となりました。 欧州は、売上高は4,348百万円(前年同期比11.5%増)、セグメント利益は51百万円(前年同期比61.2%増)となりました。 中国は、売上高は12,928百万円(前年同期比2.2%増)、セグメント損失は49百万円(前年同期はセグメント利益9百万円)となりました。 台湾は、売上高は9,277百万円(前年同期比5.2%減)、セグメント利益は160百万円(前年同期比89.7%減)となりました。 アジアは、売上高は2,868百万円(前年同期比0.3%増)、セグメント損失は148百万円(前年同期はセグメント利益85百万円)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、棚卸資産の増加などがあったことにより、前連結会計年度末に比べ2,523百万円減少し、当連結会計年度末には15,979百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の営業活動の結果使用した資金は1,779百万円(前年同期は2,296百万円の獲得)となりました。これは主に棚卸資産の増加5,566百万円などによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は3,149百万円(前年同期比3,157百万円減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出3,043百万円などによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の財務活動の結果得られた資金は1,249百万円(前年同期は1,708百万円の支出)となりました。これは主に短期借入金の実行による収入6,445百万円などによるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年 4月 1日至 2026年 3月31日)前年同期比(%)日本(千円)16,944,9042.3中国(千円)4,824,089△5.9台湾(千円)13,068,36015.7アジア(千円)7,813,917△5.5合計(千円)42,651,2713.4(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 b.受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)日本7,470,23413.1988,9747.0北米2,759,38713.7482,73012.1欧州4,667,23523.0745,28386.1中国13,757,9916.73,556,98029.5台湾7,364,629△27.42,726,531△42.5アジア2,779,8780.5725,497△7.7合計38,799,3570.49,225,998△8.0 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年 4月 1日至 2026年 3月31日)前年同期比(%)日本(千円)7,427,9046.6北米(千円)2,701,31910.2欧州(千円)4,348,61311.5中国(千円)12,928,5152.2台湾(千円)9,277,359△5.2アジア(千円)2,868,0050.3合計(千円)39,551,7172.4(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、下記のとおりです。a.財政状態(資産) 当連結会計年度末における資産は98,809百万円であり、前連結会計年度末と比較して8,919百万円増加しております。これは原材料及び貯蔵品の増加などによるものであります。(負債) 当連結会計年度末における負債は50,859百万円であり、前連結会計年度末と比較して6,188百万円増加しております。これは主に短期借入金の増加などによるものであります。(純資産) 当連結会計年度末における純資産は47,950百万円であり、前連結会計年度末と比較して2,730百万円増加しております。これは主に為替換算調整勘定の増加などによるものであります。 これらにより自己資本比率は1.7ポイント減少して、39.5%となりました。 b.経営成績(売上高) 通信分野や民生分野ではメモリ半導体価格急騰の影響により需要が減少したものの、車載分野は堅調な推移を見せ、また産業分野においても設備投資の低迷から緩やかな回復基調へと転じました。その結果、売上高は前連結会計年度に比べ2.4%増加の39,551百万円となりました。そのうち、国内売上高は5,088百万円、海外売上高は34,462百万円となりました。 (売上原価、販売費及び一般管理費) 売上原価は、売上高が増加したことなどの影響により、前連結会計年度に比べ3.7%増加の30,367百万円となりました。 販売費及び一般管理費は、研究開発費の減少などにより前連結会計年度に比べ4.3%減少の8,050百万円となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 親会社株主に帰属する当期純利益は、為替差益235百万円を営業外収益に計上し、支払補償費753百万円を営業外費用に計上したことなどにより420百万円(前年比47.1%増)となりました。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、水晶製品事業における価格競争は引き続き厳しいものとなっており、当社グループが属する製品市場における市場価格についても顧客製品の価格動向によっては競争の激化に直面すると思われます。また、為替につきましても、為替相場の変動によっては業績に影響を及ぼす可能性があります。 c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 (日本) 日本国内におきましては、全ての分野で販売が増加し、売上高は7,427百万円と前期に比べ456百万円(6.6%増)の増収となり、セグメント利益(営業利益)は1,053百万円と前期に比べ1,896百万円(前期はセグメント損失842百万円)の増益となりました。 (北米) 北米におきましては、車載向けなどの販売が増加し、売上高は2,701百万円と前期に比べ251百万円(10.2%増)の増収となり、セグメント利益(営業利益)は67百万円と前期に比べ29百万円(75.2%増)の増益となりました。 (欧州) 欧州におきましては、車載向けなどの販売が増加し、売上高は4,348百万円と前期に比べ448百万円(11.5%増)の増収となり、セグメント利益(営業利益)は51百万円と前期に比べ19百万円(61.2%増)の増益となりました。 (中国) 中国におきましては、全ての分野で販売が増加し、売上高は12,928百万円と前期に比べ276百万円(2.2%増)の増収となりましたが、生産稼働低下の影響などにより、セグメント損失(営業損失)は49百万円と前期に比べ58百万円(前期はセグメント利益9百万円)の減益となりました。 (台湾) 台湾におきましては、民生、通信向けなどの販売減少および台湾ドルの高騰による為替影響により、売上高は9,277百万円と前期に比べ509百万円(5.2%減)の減収となりました。減収に加え、労務費の増加などによりセグメント利益(営業利益)は160百万円と前期に比べ1,399百万円(89.7%減)の減益となりました。 (アジア) その他アジアにおきましては車載向けなどの販売が増加し、売上高は2,868百万円と前期に比べ7百万円(0.3%増)の増収となりましたが、製品ミックスが悪化したことなどによりセグメント損失(営業損失)は148百万円と前期に比べ234百万円(前期はセグメント利益85百万円)の減益となりました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループの資本の財源及び資本の流動性については、下記のとおりです。a.財務戦略の基本的な考え方 当社グループは、財務の健全性・資本効率・株主還元の観点からバランスのとれた最適な資本構成のもと、継続的に企業価値を向上させることを基本としております。財務の健全性については「負債資本倍率(DEレシオ)」や「自己資本比率」の改善を図り、資本効率については「株主資本利益率(ROE)」を、企業価値を高める目的として「投下資本利益率(ROIC)」を向上させることを目指してまいります。また、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の改善をさらに推進するとともに手元資金の活用などによりキャッシュ・フローの最大化と資金効率の改善を強化いたします。 b.資金需要 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備資金需要につきましては、当社グループの製品製造のための生産設備及び建物の購入等になります。 c.資金調達 当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っております。設備投資に必要な資金は、事業が生み出す営業キャッシュ・フロー及び手元流動性資金で賄うことを基本とし、また、長期経営計画の基盤確立となる第二中期経営計画の実現を可能にするための成長投資実行については、銀行借入又は資本市場からの調達も検討し、堅実かつ柔軟な資金調達を行うものとしています。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 市場競争と需要変動
    スマートフォンやパソコン、デジタル家電、カーエレクトロニクス業界の競争激化や市場環境の変化により、製品の価格や需要が大きく変動する可能性があります。これにより、大真空グループの業績に直接的な影響が出ることが懸念されます。
  • 為替変動と貸倒リスク
    海外売上高が88.3%を占めるため、為替相場の変動が連結決算の換算額に影響を与える可能性があります。また、与信管理を徹底しているものの、市場環境の悪化により貸倒が発生した場合、損失が利益に影響を及ぼすリスクがあります。
  • 特定の原材料への依存と開発リスク
    製品製造において一部の原材料や部品を特定の外部業者に依存しているため、供給停止やコスト増加のリスクがあります。また、新製品開発が市場の需要に対応できなかったり、第三者の知的財産権を侵害したりする可能性があり、将来の成長と収益性に影響を与える恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|6,162 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営成績の変動要因について 当社グループは、水晶業界に属し音叉型水晶振動子、一般水晶振動子、水晶応用製品等、電子部品の重要パーツを生産しておりますが、顧客であるスマートフォン、パソコンや薄型TV等のデジタル家電、カーエレクトロニクス業界における競争の激化や市場環境の変動により価格や需要動向が業績の変動要因となり、その影響を受けることがあります。水晶業界の構造的な問題に対しては、10年長期経営計画を完遂させることが対策となります。また、品質管理には万全を期しておりますが、製造物責任による損害賠償が発生した場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。その対応については、当社グループが掲げる品質目標であるゼロディフェクトの実現に努めております。なお、当社グループは将来を見据え抜本的な経営改革を行い、コスト構造の変革を推進し、連結各社の強化など、グループ全体での業績向上活動を遂行していく過程におきまして、単年度の業績が少なからず変動する可能性がありますが、長期経営計画などにより将来の業績向上を示すことで理解いただけると考えます。 (2) 貸倒リスクについて 当社グループでは、貸倒による損益の状況を最小限にとどめるために、与信管理を徹底する一方、金銭債権に対し貸倒引当金を充分に見積もっておりますが、市場環境の悪化等によりさらに貸倒が発生した際に損失による利益の影響が出てくる場合があります。取り組みとしてグループ全体で与信管理を徹底、また新規及び回収遅延顧客については信用調査を必ず行うなど顧客管理の強化に努めています。 (3) 為替変動の要因について 当社グループは、アジア、アメリカ、ヨーロッパといった海外での事業が多く、連結売上高に占める海外売上高の割合は2026年3月期において87.1%となっております。また、海外販売や海外子会社からの仕入れに対して大半が米ドル取引となっており、事業上の取引やその決済時の収支において為替変動による影響を直接的に受けることはありませんが、決算上の外貨建資産・負債・収益・費用及び海外子会社における現地通貨を円貨に換算する割合が大きいために、為替相場の変動が連結決算において換算額に影響を与える可能性があります。対応として債権債務の差額減少、為替予約等によりリスクヘッジに努めております。 (4) 金利変動について 当社グループの借入金残高は、2026年3月31日現在で36,689百万円(総資産の37.1%)であり、今後の市場金利の動向によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。当社グループは、こうした金利変動リスクに対応するため、財務状況及び資金需要を踏まえた資金管理を行っております。 (5) 株価の変動リスクについて 当社グループは2026年3月31日時点で、取引先や金融機関等の株式を中心に約1,340百万円の市場性のある株式を保有しており、これらの株価変動リスクを負っております。当社グループは、対象株式を取得することで得られる効果を定量的、定性的に測定し、当社の資金使途として適切かどうか検討した上で、毎年、取締役会において合理性を確認し、保有継続の可否及び株式数の見直しを実施しております。検証の結果、初期の保有目的を達成したものや保有効果が薄れたと判断されたものについては、売却等を検討いたします。 (6) 特定の原材料及び部品の外部業者への依存について 当社グループは、多数の外部の取引先より原材料及び部品を購入しておりますが、製品の製造において使用するいくつかの部品・原材料につきましては、一部の取引先に依存しております。効率的に、かつ低コストで供給を受け続けられるかどうかは、当社グループがコントロールできないものも含めて、多くの要因に影響を受けます。それらの要因の中には、取引先が継続的に原材料及び部品を確保できるかどうか、また、供給を受けるにあたって当社グループがその他の需要者に対してどれだけ競争力があるか等が含まれます。主要な取引先を失うことにより、当社グループの生産に影響し、コストを増加させる可能性があります。 外部の取引先に対して事業継続計画(BCP)をより実績的・効果的にするためにアンケートの実施や事業説明会を開催し、継続して改善を進めると共にリスクを考慮した安定在庫の確保・複数社の認定・共通部品化を進め、リスク低減に努めております。 (7) 新製品の開発について 当社グループは水晶振動子の小型化や高機能化の需要に対応するべく、積極的な研究開発を行っておりますが、その全てが今後順調に研究・開発が進み販売が出来るとは限らず、途中で開発を断念したり、新製品や新技術の商品化が遅れること等により市場の需要に対応できなくなる可能性があります。 また、当社が開発しました新製品・新技術が、独自の知的財産としまして保護される保証はありません。 なお、当社グループにおきまして、研究開発上様々な知的所有権を使用しており、それらは当社所有のものであるか、あるいは適法に使用承諾を受けたものであると認識しておりますが、当社の認識の範囲外で第三者の知的所有権を侵害する可能性があります。 当社が、第三者より知的所有権に関する侵害訴訟等を提訴され、係争が生じた場合には当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。 上記リスクを含め、当社グループにおいて業界及び市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新製品を開発できない場合には、将来の成長と収益性を低下させ、業績及び財務状況等に影響をおよぼす可能性があります。それらの対応として、開発テーマに関しては市場動向を見ながら四半期ごとに見直し、優先度を決めて市場需要に合致した開発を行っております。また、市場要求に照らし合わせ中期経営計画を立案し開発テーマに基づき開発を行っております。知的所有権に関しては、開発初期段階で関連技術分野の知的財産権を調査し、第三者の知的財産権を侵害しないようにしております。また、その後も定期的に発行される第三者の特許公報の内容を、分野ごとに決められた担当者がチェックする仕組みを運用しており、必要に応じて設計変更やライセンス契約の検討を行っております。 (8) 環境問題について 当社グループでは環境保全活動を重要な経営方針の一つとして掲げ、社会的責任という観点に立って活動し、これまで当社グループは重大な環境問題を発生させたことはありません。しかし、あらたな環境規制によっては対策費用等が発生する可能性があります。環境規制の変化点の情報収集に努め、早期かつ適切に対応いたします。 (9) 不測の事故、自然災害(BCP)、感染症等について 当社グループは、地震や風水害等の自然災害や火災等の事故災害などの発生を想定し、安全対策や事業継続・早期復旧のための対策を講じておりますが、発生するリスクを全て回避するのは困難であり、当社グループの生産体制や事業活動に多大な影響を及ぼす可能性があります。またテロや戦争による社会的混乱の発生、その国における政情の悪化等により当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。対応マニュアルの整備に努めるとともに、自然災害等に対応できる体制を強化してまいります。 感染症の拡大によるパンデミック等が発生した場合、その影響を最小限に抑えるため、当社グループの事業拠点では安全衛生対策を徹底して行っております。しかしながら、感染拡大やそれを受けた各国における経済活動抑制の方針が当社製品に対する需要の大幅な減少や当社事業拠点を含むサプライチェーンに損害を生じさせた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 情報管理(情報セキュリティ)について 当社グループでは信頼される企業であり続けるために、情報資産の保護を目的とした各種社内規程を定め、情報の適切な取り扱いに向けたルールやシステムの整備と改善に取り組んでいます。しかし、サイバー攻撃の手口は常に巧妙化しており、情報セキュリティは常に脅威にさらされています。巧妙化するサイバー攻撃に対し、最新のセキュリティ動向によるセキュリティマップを作成し、ツールによる対策強化と教育による社員のセキュリティに対する意識向上を継続的に取り組んでまいります。 加えて、今年度ISMS認証取得を目指し国際的な基準に準拠した情報セキュリティマネジメントシステムの構築・運用を推進しております。これにより、PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を継続的に回す体制を確立し、情報漏洩や不正アクセス等のリスク低減をより一層強固なものとしてまいります。 (11) 競合の激化について 当社グループが属する水晶業界は日系企業との競争に加え、中国/台湾など海外メーカーが台頭しコモディティ化が加速するなど、競争激化による価格変動が収益に影響を及ぼす可能性があります。これらの対応として「新たなマーケットの創造」と「特定マーケットへの特化」を推進し、高付加価値な差別化商品の投入や、低価格マーケットでも利益を確保できる新しい技術を使った製品を投入してまいります。また、今後の水晶デバイスの核となるフォトリソ技術は必要不可欠であり、加えてウエハの大判化をはじめとする人工水晶育成から加工までの前工程技術を一層進化させることで、参入障壁を高めるとともに、ウエハの外部への販売も計画しております。 (12) 設備投資のリスクについて 当社グループでは、事業の維持・成長等のために、継続的な設備投資を必要としていますが、需要予測に大きな変動が生じた場合や設備納期リードタイムの長期化など外部環境の変化等により、計画どおりの収益が得られない可能性があります。上記変化などあらゆる条件を考慮する高いマーケティング能力を備え、早期の経営判断等によりリスク軽減に努めてまいります。 (13) 人材(人財)確保について 当社グループは、持続的な成長と企業価値向上を実現するためには、適切な人財の確保と育成が不可欠であると認識しております。しかしながら、少子高齢化社会の進展など、外部環境の変化に伴い、必要とする人財の確保が困難となる可能性があります。このような状況は、当社グループの事業活動及び業績、並びに財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、このリスクに対応するため、DX推進による省人化を継続的に進めていくことと、主力事業であるArkhシリーズの開発に必要となる優秀なエンジニアを中心に、若手および経験豊富なキャリア人財の積極的な採用を推進しております。また、人財の定着・育成においては、競争力のある賃金・評価制度や充実した教育研修制度の見直しを進めるとともに、エンゲージメントサーベイの活用を通じて、社員のエンゲージメント向上と、企業と社員のより一層の連携強化に努めております。 (14) コンプライアンスに関するリスクについて 当社グループでは、関係する法令や社内規程の遵守はもとより、社会からの期待や要請に適応するコンプライアンスの徹底に努めております。社員一人ひとりが誠実かつ公正な事業活動を行い、社会から信頼され続け企業の継続的な発展と持続可能な社会の実現に貢献できる企業を目指しております。 しかしながら、予期せぬ法令・諸規則の改正もしくは新設により、その遵守のための対策費用の発生や法規制違反による課徴金等の行政処分など、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、コンプライアンス体制の基礎として、企業理念及び行動基準並びにCSR行動規範を定め、当社グループ内においてコンプライアンスの重要性について周知徹底を図るとともに広く展開しております。また、コンプライアンス教育やCSR行動規範セルフチェックを定期的に実施することで、社員のコンプライアンス意識の向上に努めております。さらに企業経営に深く関わる法規制については、適宜モニタリングを行い、法令遵守のための法規制管理を実施しております。 (15) ITシステムのBCP対策について ハードウェアや人的ミスによる障害、サイバー攻撃などによるウイルス感染に加え、災害などによりITシステムに障害が発生した場合、システムダウンにより事業継続が困難になる可能性や、お客様に損害を与えることにより、賠償責任を負うリスクも発生いたします。当社グループではサーバーの定期的なバックアップ実施だけでなく、バックアップデータの遠隔地保管を実施しており、また、一部のサーバーに関しては堅牢なデータセンターでの運用も開始しており、情報資産の保護やBCPへの取り組みの一環として取り組んでおります。 (16) 労働安全衛生についてのリスク 当社グループにおいては、高所作業、高温作業、重量物の運搬作業など災害の発生リスクが比較的高い作業を行う職場があります。当社グループでは、社員が災害を被ることなく安心して働ける職場環境の整備を進めておりますが、万が一生産設備等に関わる重大事故や労働災害が発生した場合には、事業活動が制約を受け、当社グループの業績などに影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループでは、代表取締役社長を最高責任者とした全社労働安全衛生会議を設置し、その傘下に全社労働安全衛生連絡会、事業会社・事業場の安全衛生委員会を設置し、労働安全衛生管理に係る重要な方針や政策を審議・決定し、活動やモニタリングを実施しています。 また、各種法令や当社の労働安全衛生方針に基づき、安全衛生管理規程を制定し、従業員の安全と衛生の確保、快適な職場環境の実現と労働災害、通勤災害、重大事故撲滅に向けて、安全衛生活動を展開しています。 (17) 資金調達環境の変化におけるリスクについて 当社グループは、事業資金を銀行借入などで調達していますが、国際的な政情不安などの外的要因により金融市場が不安定になり、悪化した場合、資金調達が困難になったり、資金調達コストが増加する可能性があります。これにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して、当社グループでは、自己資本比率の改善、資本効率の向上を図るなど財務健全性を向上させる取り組みを行うとともに、保有資産の見直しなどを含むキャッシュ・フロー創出力向上等に努めています。また、金融機関との間でコミットメントライン契約を締結しており、現金及び現金同等物の残高とあわせて十分な流動性を確保することで経営への影響の軽減を図っています。

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