6986

双葉電子工業(6986)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 電子機器製品の製造販売
    双葉電子工業グループは、複合モジュール、産業用・ホビー用ラジコン機器、ロボティクス製品、有機ELディスプレイといった多岐にわたる電子機器製品を製造・販売しています。これらの製品は、国内外の子会社を通じて広く展開されており、様々な産業や個人の趣味の分野に貢献しています。
  • 生産器材製品の製造販売
    金型に使用されるプレート製品や金型用器材、成形・生産合理化機器などの生産器材製品も手掛けています。これらは主に製造業の生産現場で利用され、国内外の複数の子会社が製造・販売を担うことで、顧客企業の生産性向上を支援しています。
  • 受託開発とプラットフォーム開発
    電子機器事業では、セントラル電子制御株式会社が通信制御技術を核とした機器・システムの受託開発を行っています。また、生産器材事業では、株式会社カブクと共同でネットワーク製造プラットフォームの開発を進めており、新たなビジネスモデルの構築にも注力しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 電子機器事業
    このセグメントは、複合モジュール、産業用・ホビー用ラジコン機器、ロボティクス製品、有機ELディスプレイなどの製造・販売を主に行っています。最新年度の売上高は174.72億円ですが、営業利益は-9.2億円と赤字を計上しており、収益性の改善が課題となっています。
  • 生産器材事業
    このセグメントでは、プレート製品、金型用器材、成形・生産合理化機器といった生産器材の製造・販売を行っています。最新年度の売上高は306.44億円と、電子機器事業よりも規模が大きいですが、営業利益は-3.71億円とこちらも赤字であり、事業全体の収益構造の見直しが求められます。
  • グローバルな事業展開
    両セグメントともに、日本国内だけでなく、アジアや北米など世界各地に製造・販売拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。これにより、多様な市場のニーズに対応し、地域ごとのリスク分散を図っています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ElectricSystems 事業 175 -9 -5.3%
MachineryAndTooling 事業 306 -4 -1.2%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|955 文字
3【事業の内容】 当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社(双葉電子工業株式会社)および子会社24社により構成されており、電子機器製品および生産器材製品等の製造・販売を主な内容とし、さらに各事業に関係する派遣・請負その他のサービス等の事業活動を展開しています。 当社グループの事業内容および当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりです。なお、次の2部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一です。 (1) 電子機器事業 (主要製品:複合モジュール、産業用ラジコン機器、ホビー用ラジコン機器、ロボティクス製品、有機ELディスプレイ等) 当社、小川精機株式会社、台湾双葉電子股份有限公司、双葉電子部品(恵州)有限公司およびフタバ・コーポレーション・オブ・アメリカが製造・販売をしています。 また、富得巴(香港)有限公司、富得巴国際貿易(上海)有限公司、双葉電子科技開発(北京)有限公司および双葉電子部品韓国株式会社を通じて販売をしています。セントラル電子制御株式会社については、通信制御技術をコアとした機器・システムの受託開発を行なっています。 (2) 生産器材事業 (主要製品:プレート製品、金型用器材、成形・生産合理化機器) 当社、起信精機株式会社、富得巴精模(深圳)有限公司、フタバ・ジェイ・ティ・ダブリュー(タイランド)リミテッド、フタバ(ベトナム)カンパニー・リミテッド、起信メガテック株式会社、キシン・ベトナム・カンパニー・リミテッド、株式会社原振精工、双葉精密株式会社およびサツキ機材株式会社が製造・販売をしています。 また、富得巴(香港)有限公司、双葉電子部品韓国株式会社およびフタバ・コーポレーション・オブ・アメリカを通じて販売をしています。株式会社カブクについては、当社と共同でネットワーク製造プラットフォームの開発を行なっています。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。 (注)1.原則、年間の取引金額が2千万円以上の取引のみ商流図に記載しています。2.フタバデンシ・コーポレーション(シンガポール)プライベート・リミテッドは、2025年12月30日付で清算結了しました。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
徹底した原価低減と独自技術・品質・信頼性による差別化で競争力を高めているため
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
無線・IoT・システム関連の要素技術開発、高機能・高性能・高品質な製品開発、独自技術の特許権化
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:市場・技術の急速な変化への対応不足 / 競争の激化による価格競争 / 原材料価格高騰や生産性低迷によるコスト競争力低下
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ディスプレイ技術に関する特許は保有しているものの、特定のブランド力や独占的なIPによる強力な無形資産は限定的。ニッチ市場での技術力は存在するが、汎用的な競争優位には繋がりにくい。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

産業用ディスプレイや制御機器は、特定の用途に合わせたカスタマイズが多く、顧客は仕様変更や再認証の手間を嫌う傾向がある。しかし、技術革新による代替品の登場リスクは存在する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果が働くビジネスモデルではない。製品の利用者が増えることで、製品自体の価値が向上するような構造は見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

長年の製造ノウハウによる一定のコスト管理能力はあるが、グローバルな規模の経済を持つ競合と比較して、構造的なコスト優位性は確立されていない。特に人件費や原材料費の変動リスクは存在する。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

特定の産業用ディスプレイ市場では一定のシェアを持つが、業界全体で見ると、より大規模な競合と比較して効率規模の優位性は限定的。グローバル展開は進めているものの、寡占的な地位を確立するには至っていない。

  • 多様な電子機器製品群
    複合モジュールから有機ELディスプレイ、産業用・ホビー用ラジコン機器、ロボティクス製品まで、幅広い電子機器製品を手掛けています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、多様な顧客ニーズに対応できる強みがあります。
  • 生産器材の提供能力
    金型用器材や成形・生産合理化機器といった生産器材の製造・販売も行っており、製造業の基盤を支える重要な役割を担っています。これにより、電子機器事業とは異なる安定した需要を取り込むことが可能です。
  • グローバルな製造・販売体制
    日本国内だけでなく、台湾、中国、アメリカ、シンガポール、タイ、ベトナム、韓国など、世界各地に製造・販売拠点を展開しています。このグローバルネットワークにより、効率的な生産と広範な市場へのアクセスを実現し、国際競争力を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針 当社グループは、全社員が共有する理念・行動体系である「Futaba Way」の下、Futaba哲学の「本質之直視」に基づき、事業戦略の策定から業務執行全般・モノづくりの現場に至るまで、常に本質を見失うことなく事業を推進しています。これにより、「なくてはならない器材・サービスを創出し世界の発展に貢献する」ことを企業理念として掲げています。 この理念を実現するために、AIやIoTなどの技術を取り込んだ「モノづくりの進化」や、Futabaテクノロジーを進化・融合させた「新製品開発」に注力しています。加えて、「モノづくりを基軸としたソリューション」による事業領域の拡大や、「市場ニーズ」を迅速に商品企画や製造に反映させる取り組みも推進しています。また、「選択と集中」により成長市場での差別化と効率化を図り、持続的な利益創出と継続的な企業価値向上に努めています。さらに、コンプライアンスの徹底を図り、公正で透明性の高い経営を実践するとともに、持続可能な社会の実現を目指し、事業活動に取り組んでいます。 (2)経営環境 当社グループを取り巻く経営環境は、雇用情勢・所得環境の改善を背景に緩やかな回復傾向が続いてきた一方で、国際情勢の不安定化に伴う地政学的リスクの継続、エネルギー・原材料価格の高止まり、中国経済の先行き懸念等、不透明な状況も継続していました。2025年度においては、これら従来からの不透明要因に加え、韓国市場の需要低迷や日本国内の自動車関連市況の回復遅れ等が重なり、当社グループを取り巻く経営環境は一層厳しさを増す状況となりました。 今後についても、各国間の貿易や投資の縮小、不安定な国際情勢、エネルギー・原材料価格・運送費などの上昇、さらには、中東情勢の緊張によるエネルギー供給の影響も懸念されており、厳しい経営環境が継続するものと見込まれます。 当社を取り巻く市場環境は、依然として不透明であるものの、コネクテッド化や自動化等の高付加価値化が進展しています。また、サービス、エネルギー、デジタル、インフラ、FA、防衛用途等の領域において、ソフトウエアやシステム化を活用した多様なモビリティ製品や耐環境製品の需要が拡大しています。加えて、検査・監視、生産合理化支援等の中長期的なニーズについても継続するものと見込んでいます。このように、厳しい経営環境の中にあっても、当社が注力する事業分野では引き続き成長の機会が期待されます。 当社グループでは、電子機器事業および生産器材事業において、センサーや無線技術を活用した融合商品やIoT機器、サーボ関連機器、UAV関連機器、成形・生産合理化機器等への需要拡大を見据え、タイムリーな市場投入を図り、持続的な利益創出と成長軌道への変革を進めていきます。 (3)中期経営計画と目標とする経営指標および優先的に対処すべき課題当社グループは、企業ビジョン「Futabaテクノロジーを進化させ、世界で躍進するリーディングカンパニーを目指します」の実現に向けて、中期的な戦略および方針を示す3カ年の中期経営計画を策定しています。「2024-2026年度 中期経営計画」に基づき、事業体制の再編・強化および経営基盤の強化に取り組み、持続的な利益創出と成長軌道への変革を進めています。中期経営計画の2年目である2025年度では、4つの基本方針に基づき各施策に取り組みました。① 構造改革の完遂 電子機器事業では、事業環境変化への対応および収益性改善を目的として、米国および台湾子会社において、工場の集約と一部売却を実施しました。また、韓国の販売拠点については解散を決定し、固定費削減および事業運営体制の見直しを図りました。生産器材事業では、事業採算性および将来の成長可能性を総合的に勘案し、中国子会社の解散ならびに韓国子会社における事業停止を実施しました。これらの施策により、海外拠点の整理・集約を進め、事業基盤の効率化と経営資源の重点配分に取り組みました。 また、将来の成長に向けた新たな価値創出を目的として、従業員の自発的な発想を起点としたイノベーション創出に向けた取り組みを開始しました。本取り組みでは、新事業創出に加え、業務改善・改革に関する幅広いアイデアを収集・検討する仕組みを導入し、一部部門において先行的に運用を開始しています。今後は、取り組みの有効性や運用状況を検証しながら、段階的に対象範囲を拡大し、全社的なイノベーション風土の醸成につなげていきます。② ソリューション事業領域への展開イ.電子機器事業 システムソリューション事業は、顧客提供価値を「無線・IoT・システム技術を用いて、お客様の時間を創出」と定義し、産業用ラジコン機器は、成長が著しい建設機械および農業機械市場に向けて、遠隔操作に対応し、作業環境改善に貢献する無線リモコンを提案しています。 2025年度は、新規産業用無線リモコンの開発・拡販を推進し、量産出荷を開始しました。2026年度には、産業用無線製品のラインアップ拡充と提案力の強化を図るとともに、複合モジュール分野においては、ディスプレイ製品に無線・IoT技術を融合したソリューション製品の開発を進めていきます。 ロボティクスソリューション事業は、顧客提供価値を「無線・制御技術を基盤にホビーからビジネスまでの幅広いシーンに対応した製品とサービスの提供」と定義し、ロボティクス製品は、ドローン分野では点検・防災・防衛用途に、産業用サーボ分野ではUAV・FA市場に、各種製品・サービスを展開しています。 2025年度は、ドローン分野においてPoCの継続に加え、近隣自治体への防災用途での機体納入を行いました。2026年度は、当社への委託範囲拡大や既存案件の水平展開を進めることで売上拡大を図るとともに、産業用サーボについては標準製品の拡充を通じて、FA市場での販売拡大に取り組んでいきます。 電子機器事業全体としては、無線・制御・IoTといったコア技術を軸に、単体製品の提供にとどまらないソリューション提案を強化し、成長分野における事業基盤の確立を目指していきます。 ロ.生産器材事業生産器材事業は、顧客提供価値を「金型用器材加工を基礎としたソリューション」と定義し、成形・生産合理化機器は、射出成形機市場向けに成形に関わる工程を合理化し生産性を向上する、金型内計測システムやホットランナシステム等の製品を提供しています。2025年度は、当社ECサイト「フタバオーダーサイト」において、図面付き加工部品の見積・発注が可能な新サービス「フタバオーダーサイトPlus」の提供を開始しました。また、成形・生産合理化分野では、AIを活用した射出成形向けの監視・解析システムの新商品の開発および発表を行いました。本システムは、成形機や金型内から取得されるデータをAIで解析し、成形状態の可視化や異常兆候の把握を支援することで、熟練作業者の知見に依存しがちな成形条件管理の高度化を狙いとしています。2026年度は、ECサイトへの機能追加を継続するとともに、成形・生産合理化分野では、射出成形AIシステムの新商品を発売し、また海外サポート体制の強化を通じて海外市場への展開を推進していきます。生産器材事業では、製品提供に加え、データ活用や業務プロセス改善を含めたソリューション提案を通じて、お客様の調達から生産までの広範囲で合理化と付加価値向上に貢献していきます。③ コーポレート機能の強靭化2025年度は、人的資本への投資として各種施策を推進しました。具体的には、若手・中堅・管理職・経営層といった階層別研修を軸に、営業・技術など部門特性を踏まえた育成施策を展開するとともに、AIや語学などのスキル強化機会を設け、幅広い従業員層を対象とした人財育成に取り組みました。また、国外研修を実施するなど、グローバル人財の育成に向けた取り組みを進めました。今後は、DXを活用した戦略的人財育成の基盤整備として、従業員データの収集・活用を進め、ジョブローテーションや適材適所配置につなげる取り組みを推進します。これらの施策を通じて、事業の方向性を踏まえた育成・配置や、人事異動等における意思決定の迅速化・高度化を図っていきます。DX推進においては、既存システムの老朽化対策や経営数値の早期把握、業務効率化を目的として、全社基幹システム刷新プロジェクトを本格的に推進しました。今後は、Fit-to-Standardを前提としたグローバル統一の業務・システム基盤への移行を進めていきます。リスクマネジメントにおいては、全社リスク・セキュリティ教育を継続し、当社グループ全体の競争力と持続可能性を高める基盤を構築していきます。④ ステークホルダーとの信頼関係構築2025年度は、SDGs活動について計画通りの活動を実施しました。また、収益体質構築に向けて、在庫削減と生産拠点の事業停止を実施しました。企業価値向上を図るため、機関投資家との対話を推進しました。政策保有株式については、2026年6月5日開催の取締役会において、2030 年3月末までに連結純資産に占める割合を10%未満に縮減する方針を決議するとともに、2029年9月末までに一部銘柄を売却することを決議しました。これらの活動を通じて、ステークホルダーとの信頼関係を深め、持続的な成長を支える体制を強化していきます。 これらの施策については、構造改革や事業基盤の見直しを中心に着実に推進してきました。一方で、市場環境の変化や顧客ニーズへの対応に加え、今後予定している全社システム刷新に伴う費用増加などの影響により、当初想定していた成長軌道への転換にはなお課題があるものと認識しています。このような状況を踏まえ、当社グループでは中期経営計画に掲げる基本方針を維持しつつ、事業環境の変化や直近の実行状況を反映して経営資源配分および数値目標の見直しを実施しました。その結果、中期経営計画の最終年度である2026年度の計画値は、売上高450億円、営業損失13億円へと修正しています。今後は、引き続き構造改革の着実な推進とともに、収益性の改善を最優先課題として事業ごとの重点施策の明確化および実行力の向上に努めます。これにより、企業ビジョンである「私たちFutabaグループはなくてはならない器材・サービスを創出し世界の発展に貢献します」の実現を目指していきます。 今後とも需要変動や部材高騰、為替レート変動、地政学的リスク等、外部環境の不確実性が高まるなか、これらの影響を注視しつつ、リスクや不測の事態を想定した柔軟な体制構築や多様な働き方の推進、迅速かつ的確な研究・製品開発と生産体制の構築に取り組んでいきます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針 当社グループは、全社員が共有する理念・行動体系である「Futaba Way」の下、Futaba哲学の「本質之直視」に基づき、事業戦略の策定から業務執行全般・モノづくりの現場に至るまで、常に本質を見失うことなく事業を推進しています。これにより、「なくてはならない器材・サービスを創出し世界の発展に貢献する」ことを企業理念として掲げています。 この理念を実現するために、AIやIoTなどの技術を取り込んだ「モノづくりの進化」や、Futabaテクノロジーを進化・融合させた「新製品開発」に注力しています。加えて、「モノづくりを基軸としたソリューション」による事業領域の拡大や、「市場ニーズ」を迅速に商品企画や製造に反映させる取り組みも推進しています。また、「選択と集中」により成長市場での差別化と効率化を図り、持続的な利益創出と継続的な企業価値向上に努めています。さらに、コンプライアンスの徹底を図り、公正で透明性の高い経営を実践するとともに、持続可能な社会の実現を目指し、事業活動に取り組んでいます。 (2)経営環境 当社グループを取り巻く経営環境は、雇用情勢・所得環境の改善を背景に緩やかな回復傾向が続いてきた一方で、国際情勢の不安定化に伴う地政学的リスクの継続、エネルギー・原材料価格の高止まり、中国経済の先行き懸念等、不透明な状況も継続していました。2025年度においては、これら従来からの不透明要因に加え、韓国市場の需要低迷や日本国内の自動車関連市況の回復遅れ等が重なり、当社グループを取り巻く経営環境は一層厳しさを増す状況となりました。 今後についても、各国間の貿易や投資の縮小、不安定な国際情勢、エネルギー・原材料価格・運送費などの上昇、さらには、中東情勢の緊張によるエネルギー供給の影響も懸念されており、厳しい経営環境が継続するものと見込まれます。 当社を取り巻く市場環境は、依然として不透明であるものの、コネクテッド化や自動化等の高付加価値化が進展しています。また、サービス、エネルギー、デジタル、インフラ、FA、防衛用途等の領域において、ソフトウエアやシステム化を活用した多様なモビリティ製品や耐環境製品の需要が拡大しています。加えて、検査・監視、生産合理化支援等の中長期的なニーズについても継続するものと見込んでいます。このように、厳しい経営環境の中にあっても、当社が注力する事業分野では引き続き成長の機会が期待されます。 当社グループでは、電子機器事業および生産器材事業において、センサーや無線技術を活用した融合商品やIoT機器、サーボ関連機器、UAV関連機器、成形・生産合理化機器等への需要拡大を見据え、タイムリーな市場投入を図り、持続的な利益創出と成長軌道への変革を進めていきます。 (3)中期経営計画と目標とする経営指標および優先的に対処すべき課題当社グループは、企業ビジョン「Futabaテクノロジーを進化させ、世界で躍進するリーディングカンパニーを目指します」の実現に向けて、中期的な戦略および方針を示す3カ年の中期経営計画を策定しています。「2024-2026年度 中期経営計画」に基づき、事業体制の再編・強化および経営基盤の強化に取り組み、持続的な利益創出と成長軌道への変革を進めています。中期経営計画の2年目である2025年度では、4つの基本方針に基づき各施策に取り組みました。① 構造改革の完遂 電子機器事業では、事業環境変化への対応および収益性改善を目的として、米国および台湾子会社において、工場の集約と一部売却を実施しました。また、韓国の販売拠点については解散を決定し、固定費削減および事業運営体制の見直しを図りました。生産器材事業では、事業採算性および将来の成長可能性を総合的に勘案し、中国子会社の解散ならびに韓国子会社における事業停止を実施しました。これらの施策により、海外拠点の整理・集約を進め、事業基盤の効率化と経営資源の重点配分に取り組みました。 また、将来の成長に向けた新たな価値創出を目的として、従業員の自発的な発想を起点としたイノベーション創出に向けた取り組みを開始しました。本取り組みでは、新事業創出に加え、業務改善・改革に関する幅広いアイデアを収集・検討する仕組みを導入し、一部部門において先行的に運用を開始しています。今後は、取り組みの有効性や運用状況を検証しながら、段階的に対象範囲を拡大し、全社的なイノベーション風土の醸成につなげていきます。② ソリューション事業領域への展開イ.電子機器事業 システムソリューション事業は、顧客提供価値を「無線・IoT・システム技術を用いて、お客様の時間を創出」と定義し、産業用ラジコン機器は、成長が著しい建設機械および農業機械市場に向けて、遠隔操作に対応し、作業環境改善に貢献する無線リモコンを提案しています。 2025年度は、新規産業用無線リモコンの開発・拡販を推進し、量産出荷を開始しました。2026年度には、産業用無線製品のラインアップ拡充と提案力の強化を図るとともに、複合モジュール分野においては、ディスプレイ製品に無線・IoT技術を融合したソリューション製品の開発を進めていきます。 ロボティクスソリューション事業は、顧客提供価値を「無線・制御技術を基盤にホビーからビジネスまでの幅広いシーンに対応した製品とサービスの提供」と定義し、ロボティクス製品は、ドローン分野では点検・防災・防衛用途に、産業用サーボ分野ではUAV・FA市場に、各種製品・サービスを展開しています。 2025年度は、ドローン分野においてPoCの継続に加え、近隣自治体への防災用途での機体納入を行いました。2026年度は、当社への委託範囲拡大や既存案件の水平展開を進めることで売上拡大を図るとともに、産業用サーボについては標準製品の拡充を通じて、FA市場での販売拡大に取り組んでいきます。 電子機器事業全体としては、無線・制御・IoTといったコア技術を軸に、単体製品の提供にとどまらないソリューション提案を強化し、成長分野における事業基盤の確立を目指していきます。 ロ.生産器材事業生産器材事業は、顧客提供価値を「金型用器材加工を基礎としたソリューション」と定義し、成形・生産合理化機器は、射出成形機市場向けに成形に関わる工程を合理化し生産性を向上する、金型内計測システムやホットランナシステム等の製品を提供しています。2025年度は、当社ECサイト「フタバオーダーサイト」において、図面付き加工部品の見積・発注が可能な新サービス「フタバオーダーサイトPlus」の提供を開始しました。また、成形・生産合理化分野では、AIを活用した射出成形向けの監視・解析システムの新商品の開発および発表を行いました。本システムは、成形機や金型内から取得されるデータをAIで解析し、成形状態の可視化や異常兆候の把握を支援することで、熟練作業者の知見に依存しがちな成形条件管理の高度化を狙いとしています。2026年度は、ECサイトへの機能追加を継続するとともに、成形・生産合理化分野では、射出成形AIシステムの新商品を発売し、また海外サポート体制の強化を通じて海外市場への展開を推進していきます。生産器材事業では、製品提供に加え、データ活用や業務プロセス改善を含めたソリューション提案を通じて、お客様の調達から生産までの広範囲で合理化と付加価値向上に貢献していきます。③ コーポレート機能の強靭化2025年度は、人的資本への投資として各種施策を推進しました。具体的には、若手・中堅・管理職・経営層といった階層別研修を軸に、営業・技術など部門特性を踏まえた育成施策を展開するとともに、AIや語学などのスキル強化機会を設け、幅広い従業員層を対象とした人財育成に取り組みました。また、国外研修を実施するなど、グローバル人財の育成に向けた取り組みを進めました。今後は、DXを活用した戦略的人財育成の基盤整備として、従業員データの収集・活用を進め、ジョブローテーションや適材適所配置につなげる取り組みを推進します。これらの施策を通じて、事業の方向性を踏まえた育成・配置や、人事異動等における意思決定の迅速化・高度化を図っていきます。DX推進においては、既存システムの老朽化対策や経営数値の早期把握、業務効率化を目的として、全社基幹システム刷新プロジェクトを本格的に推進しました。今後は、Fit-to-Standardを前提としたグローバル統一の業務・システム基盤への移行を進めていきます。リスクマネジメントにおいては、全社リスク・セキュリティ教育を継続し、当社グループ全体の競争力と持続可能性を高める基盤を構築していきます。④ ステークホルダーとの信頼関係構築2025年度は、SDGs活動について計画通りの活動を実施しました。また、収益体質構築に向けて、在庫削減と生産拠点の事業停止を実施しました。企業価値向上を図るため、機関投資家との対話を推進しました。政策保有株式については、2026年6月5日開催の取締役会において、2030 年3月末までに連結純資産に占める割合を10%未満に縮減する方針を決議するとともに、2029年9月末までに一部銘柄を売却することを決議しました。これらの活動を通じて、ステークホルダーとの信頼関係を深め、持続的な成長を支える体制を強化していきます。 これらの施策については、構造改革や事業基盤の見直しを中心に着実に推進してきました。一方で、市場環境の変化や顧客ニーズへの対応に加え、今後予定している全社システム刷新に伴う費用増加などの影響により、当初想定していた成長軌道への転換にはなお課題があるものと認識しています。このような状況を踏まえ、当社グループでは中期経営計画に掲げる基本方針を維持しつつ、事業環境の変化や直近の実行状況を反映して経営資源配分および数値目標の見直しを実施しました。その結果、中期経営計画の最終年度である2026年度の計画値は、売上高450億円、営業損失13億円へと修正しています。今後は、引き続き構造改革の着実な推進とともに、収益性の改善を最優先課題として事業ごとの重点施策の明確化および実行力の向上に努めます。これにより、企業ビジョンである「私たちFutabaグループはなくてはならない器材・サービスを創出し世界の発展に貢献します」の実現を目指していきます。 今後とも需要変動や部材高騰、為替レート変動、地政学的リスク等、外部環境の不確実性が高まるなか、これらの影響を注視しつつ、リスクや不測の事態を想定した柔軟な体制構築や多様な働き方の推進、迅速かつ的確な研究・製品開発と生産体制の構築に取り組んでいきます。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】経営成績等の概要(1) 経営成績 当期の経営成績 当連結会計年度における国内経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により緩やかな回復傾向が続きました。しかしながら、米国の関税政策をめぐる動向については先行きが不透明な状況が続いており、物価上昇の継続が消費マインドの下振れ等を通じて個人消費に影響を及ぼすなど、我が国の景気を下押しするリスクが依然として残っています。 また、世界経済におきましても、景気の持ち直しが緩やかになっており、中国をはじめとする一部の地域において足踏みがみられるほか、中東情勢の緊迫化や金融資本市場の変動などに留意する必要があります。 このような状況のなか、当期は、「中期経営計画」の2年目にあたり、基本方針である①構造改革の完遂②ソリューション事業領域への展開③コーポレート機能の強靭化④ステークホルダーとの信頼関係構築を計画どおり実行し、目標の達成と企業価値の向上に努めてきました。 以上の結果、当期における売上高は429億8千2百万円(前期比10.7%減)となりました。このうち海外売上高は244億円(前期比8.1%減)となり、国内売上高は185億8千2百万円(前期比13.8%減)となりました。 収益面では、営業損失は22億8千万円 (前期は営業損失12億9千2百万円)となりました。また、経常損失は6億8千3百万円(前期は経常損失2億6百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益を計上したことにより25億2千2百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失2億8千1百万円)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。 ① 電子機器(主な製品:複合モジュール、産業用ラジコン機器、ホビー用ラジコン機器、ロボティクス製品、 有機ELディスプレイ等) 複合モジュールでは、蛍光表示管の事業終息に伴い蛍光表示管搭載モジュールの出荷が減少したことに加え、その他の製品についても需要が鈍化したことから低調に推移し、EMSにおいては、車載用途・通信機用途が堅調に推移したものの、計測器用途が低調に推移し前期並みとなったことから、売上げは前期を下回りました。 産業用ラジコン機器では、農業用途および建機用途が伸びたものの、FA用途の受注が減少したことから、売上げは前期を下回りました。 ホビー用ラジコン機器では、アジアおよび国内市場において新製品の需要が一巡したことなどから、売上げは前期を下回りました。 ロボティクス製品は、産業用サーボの北米UAV関連等が順調だったことなどから、売上げは前期を上回りました。 有機ELディスプレイでは、自社生産・販売からの事業スキームの変更過渡期のため、売上げは前期を下回りました。 営業損失は、構造改革や退職給付費用の減少による固定費の大幅な圧縮があったものの、主として有機ELディスプレイにおける事業スキーム変更に伴う品種構成の変化や、有機ELディスプレイおよびホビー用ラジコン機器等の減収による操業度悪化に加え、タッチセンサーおよび蛍光表示管の事業終息に伴う影響等により、前期に対して損失が拡大しました。② 生産器材(主な製品:プレート製品、金型用器材、成形・生産合理化機器) 国内では、金型内計測システムをはじめとする成形・生産合理化機器は伸びたものの、主として自動車関連市況の回復遅れの影響に加え、価格競争の影響を受けたことなどにより、金型用器材やプレート製品の販売が低調に推移し、売上げは前期を下回りました。 海外では、アセアン市場は前期並みとなったものの、主力の韓国市場で自動車・家電向けの低迷や安価な中国製品の輸入増加に加え、価格競争の影響を受けたことや、中国生産拠点の再編による計画的な売上減少などにより、売上げは前期を下回りました。 営業損失は、国内における適正売価政策の推進や、中国生産拠点の工場閉鎖による構造改革の効果があったものの、顧客の新規開発の遅れや韓国市場における減収による操業度の悪化に加え、品種構成の悪化により変動費比率が上昇したことなどから前期に対して損失が拡大しました。 (2) 当期の財政状態の概況(資産、負債、純資産及びキャッシュ・フローの状況に関する分析)① 総資産は、現金及び預金や投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度末に比べ77億9千3百万円増加し、1,088億8千4百万円となりました。 負債は、繰延税金負債の増加などにより、前連結会計年度末に比べ9億5百万円増加し、136億8千4百万円となりました。 純資産は、その他有価証券評価差額金や利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ68億8千7百万円増加し、952億円となりました。この結果、自己資本比率は77.0%となりました。② 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は282億8千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ46億7千万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果獲得した資金は、17億7千万円(前期は46億2千4百万円の獲得)となりました。これは主に、棚卸資産の減少額26億1千7百万円、税金等調整前当期純利益29億2千9百万円や有形及び無形固定資産除売却益36億6千1百万円などによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果獲得した資金は、24億4千3百万円(前期は13億5千1百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入24億2千3百万円や有形固定資産の取得による支出9億2百万円などによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は、8億3千3百万円(前期は11億5千1百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額4億2千5百万円やリース債務の返済による支出1億7千8百万円、非支配株主への配当金の支払額1億2千7百万円などによるものです。 (3) 生産、受注及び販売の実績 ① 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前期比(%)電子機器(百万円)12,76482.2生産器材(百万円)24,40488.4 合 計 (百万円)37,16886.2 (注)1.セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでいます。2.金額は売価換算値で表示しています。 ② 受注実績 製品の性質上、原則として需要予測に基づく見込み生産を主体としていますので記載を省略しています。 ③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前期比(%)電子機器(百万円)15,38688.1生産器材(百万円)27,59590.1 合 計 (百万円)42,98289.3 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しています。2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当 該割合が100分の10以上の相手先が無いため、記載を省略しています。(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りについては、過去の実績を勘案し、合理的に判断していますが、見積りには不確実性が伴い、実際の結果と異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。 ② 経営成績の分析当連結会計年度の当社グループの売上高は429億8千2百万円、営業損失は22億8千万円、経常損失は6億8千3百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は25億2千2百万円となりました。売上高については、前期比10.7%減となりました。収益面では、構造改革によるコスト削減効果はあったものの、生産器材事業での品種構成の悪化やタッチセンサーにおける在庫評価損の計上があったことにより、営業損失は22億8千万円(前期は営業損失12億9千2百万円)となり赤字拡大となりました。経常損失は、為替差益の計上があったものの、営業損失の拡大により6億8千3百万円(前期は経常損失2億6百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益を計上したことにより25億2千2百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失2億8千1百万円)となり黒字化となりました。 ③ 財政状態の分析当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金や投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度末に比べ77億9千3百万円増加し、1,088億8千4百万円となりました。 当連結会計年度末の負債は、繰延税金負債の増加などにより、前連結会計年度末に比べ9億5百万円増加し、136億8千4百万円となりました。 また、当連結会計年度末の純資産は、その他有価証券評価差額金や利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ68億8千7百万円増加し、952億円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末76.3%から0.7ポイント上昇して77.0%となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末に比べて156円22銭増加して、1,975円55銭となりました。 ④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析・ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は282億8千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ46億7千万円増加しました。 営業活動の結果獲得した資金は、17億7千万円(前期は46億2千4百万円の獲得)となりました。これは主に、棚卸資産の減少額26億1千7百万円、税金等調整前当期純利益29億2千9百万円や有形及び無形固定資産除売却益36億6千1百万円などによるものです。 投資活動の結果獲得した資金は、24億4千3百万円(前期は13億5千1百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入24億2千3百万円や有形固定資産の取得による支出9億2百万円などによるものです。 財務活動の結果使用した資金は、8億3千3百万円(前期は11億5千1百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額4億2千5百万円やリース債務の返済による支出1億7千8百万円、非支配株主への配当金の支払額1億2千7百万円などによるものです。 ・ 資金需要及び財務政策 当社グループでは、今後もグローバルな市場への展開のために、主に日本における研究開発が不可欠であると考えており、そのための研究開発投資とグループ内の事業投資を継続していきます。 また、当社グループでは引き続き財務の健全性を堅持し、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことによって、当社グループの成長に必要な資金を調達していくことが可能であると考えています。加えて、機動的かつ安定的な必要運転資金の調達を可能とするため、コミットメントライン契約を締結し、流動性リスクに備えています。なお、本契約における当連結会計年度末の借入実行残高はありません。 ⑤ 経営者の問題認識と今後の方針経営者の問題認識と今後の方針については、本項に記載のほか、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。

事業リスク

  • 市場・技術変化への対応
    市場の急速な変化や技術進化に対応できない場合、製品やサービスの付加価値が低下し、業績や成長に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、成長分野への積極的な投資が計画通りに回収できないリスクも存在します。
  • 競争激化による影響
    各事業分野において、新規参入を含む価格競争の激化が想定されます。想定を超える価格競争が発生した場合、売上高や市場シェア、利益率が低下し、業績に深刻な影響を与える可能性があります。
  • サプライチェーンとコスト変動
    原材料や部品、原油価格の高騰、歩留まりや生産性の低迷により、コスト競争力が低下するリスクがあります。また、棚卸資産の陳腐化による損失発生も、業績や事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,494 文字
3【事業等のリスク】当社グループの事業そのほかに関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しています。当社グループは、これらのリスクを認識した上で、発生の回避および発生した場合の損害の低減に努めていきます。なお、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断した記載となっており、現時点では予測できない又は、重要と見なされないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。 リスク項目リスク内容対応策市場・技術の急速な変化市場の急速な変化、技術の進化への適切な対応が当社の製品・サービスの付加価値となっており、十分な対応が取れないことや、成長分野への積極的投資等の回収計画未達により、業績や成長に悪影響を及ぼす可能性があります。多様化するニーズや技術革新に対応するために、研究開発部門で技術動向による新たな固有技術の探求、営業部門で市場・顧客ニーズの把握を行い、それに基づき各事業で1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等の「(3)中期経営計画と目標とする経営指標および優先的に対処すべき課題」に記載の施策に取り組んでいます。また、設備投資については、計画段階での審査に加え、定期的に回収状況を確認しています。競争の激化それぞれの事業の関連する分野において、他業種からの新規参入も含めて価格競争が激化する可能性があり、想定を超える価格競争が発生した場合には、売上高、市場シェア、利益等に影響を及ぼす可能性があります。各事業分野において、徹底した原価低減によりコスト競争力を高めるとともに、独自技術や品質・信頼性で競合他社と差別化を図り、シェア拡大を図っています。さらに、市場の動向や競争の状況によって事業ポートフォリオの見直しを行なっています。コスト競争力グループ外調達により原材料、部品、サービスの供給を受けており、部品・材料・原油等の予想を超える価格の高騰が生じた場合の他に、歩留や生産性の低迷により、コスト競争力で他社に遅れを取る可能性があります。また、棚卸資産が陳腐化した場合には損失が発生し、業績や事業等に影響を及ぼす可能性があります。製品設計や材料のVA/VE、コスト競争力のある部品・材料の調達の他に、自動化および最適地生産も含めコスト削減を図っています。また、棚卸資産の停滞や過剰の発生を極力抑え、評価損等を軽減させる取り組みも行なっています。金融市場の変化取引先および取引地域が世界各地に渡っており、外貨建てで取引され、製品、サービス等のコストおよび価格が、為替変動による影響を受けます。また、金融変動、インフレ、デフレ等が予想を超えた場合、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。米ドル建てを主としており、一部は為替予約を実施し、定期的な外貨建て資産の見直しによる売却等で、リスクを軽減させる措置を講じています。 リスク項目リスク内容対応策知的財産権独自に開発した技術などが、グローバルな競合の中で、第三者より知的財産権に基づく権利の主張を受ける可能性が常に存在します。また、営業秘密の予期せぬ流出により、競争力が低下することもあり、その場合には業績に影響を及ぼす可能性があります。製品の差別化と競争力強化のために、独自に開発した技術を特許権などとして権利化するとともに、ノウハウなどの営業秘密については、企業秘密管理規定により管理しており、それらを活用した市場競争力のある新製品の開発に注力しています。ITセキュリティサイバー攻撃や外部からの不正侵入などにより、顧客情報や機密情報の漏洩、データ紛失・改ざんなどが発生した場合、生産活動の停滞および停止に陥り、業績や事業等に影響を及ぼす可能性があります。ネットワークへの侵入防止・外部のセキュリティオペレーションによる監視、並びにソフトウエアのアップデート適用管理を行なっています。障害発生時の連絡体制は、関係会社も含めて構築し運用しています。また、情報セキュリティ基本方針を発信して従業員の意識の啓蒙・啓発および牽制を図るとともに、ITセキュリティ教育および訓練を定期的に実施しています。コンプライアンスグローバルな事業活動の中で、第三者から訴訟その他の法的行為を受ける可能性があります。当社が当事者となる可能性のある訴訟および法的手続の結果を予測することは困難であり、訴訟や調査への対応に多大なコストが発生した場合、業績や事業等に影響を及ぼす可能性があります。さらに、コンプライアンス上の問題が発生した場合、社会的信頼とブランド価値が毀損される可能性があります。リスクが現実の問題として発現する可能性や、発生した場合の経営や事業への影響度合いなどを想定して、重大なコンプライアンス違反リスクを特定しています。これらのリスクを低減するために、法令教育、点検、啓蒙活動など遵法体制の整備を行なっています。また、第三者からの訴訟その他の法的行為を受けたときに備え、外部弁護士と連携して対応できるようにしています。自然災害 巨大地震や火災、風水害、火山噴火等の自然災害が発生した場合、サプライチェーンの混乱や取引先の倒産等による影響を含めた全てのリスクを回避することは困難であり、昨今の気候変動などに伴う災害の大規模化も踏まえ、事業運営および業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。大地震等の大災害発生時における対応策をあらかじめ策定・準備し、日頃より各種災害対策訓練を実施しています。大災害が発生した場合には社長を本部長とする災害対策本部を設置し、人的・物的被害を最小限に抑え、事業を中断することのないようにBCP(事業継続計画)を準備しています。感染症新たな感染症が発生した場合、サプライチェーンの混乱や取引先の倒産等による影響を含めた、全てのリスクを回避することは困難であり、事業運営および業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。新たな感染症が発生した場合、緊急対策本部を立上げ、政府から発信される情報に基づく感染症などへの対応を行います。

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