有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針 当社グループは、全社員が共有する理念・行動体系である「Futaba Way」の下、Futaba哲学の「本質之直視」に基づき、事業戦略の策定から業務執行全般・モノづくりの現場に至るまで、常に本質を見失うことなく事業を推進しています。これにより、「なくてはならない器材・サービスを創出し世界の発展に貢献する」ことを企業理念として掲げています。 この理念を実現するために、AIやIoTなどの技術を取り込んだ「モノづくりの進化」や、Futabaテクノロジーを進化・融合させた「新製品開発」に注力しています。加えて、「モノづくりを基軸としたソリューション」による事業領域の拡大や、「市場ニーズ」を迅速に商品企画や製造に反映させる取り組みも推進しています。また、「選択と集中」により成長市場での差別化と効率化を図り、持続的な利益創出と継続的な企業価値向上に努めています。さらに、コンプライアンスの徹底を図り、公正で透明性の高い経営を実践するとともに、持続可能な社会の実現を目指し、事業活動に取り組んでいます。 (2)経営環境 当社グループを取り巻く経営環境は、雇用情勢・所得環境の改善を背景に緩やかな回復傾向が続いてきた一方で、国際情勢の不安定化に伴う地政学的リスクの継続、エネルギー・原材料価格の高止まり、中国経済の先行き懸念等、不透明な状況も継続していました。2025年度においては、これら従来からの不透明要因に加え、韓国市場の需要低迷や日本国内の自動車関連市況の回復遅れ等が重なり、当社グループを取り巻く経営環境は一層厳しさを増す状況となりました。 今後についても、各国間の貿易や投資の縮小、不安定な国際情勢、エネルギー・原材料価格・運送費などの上昇、さらには、中東情勢の緊張によるエネルギー供給の影響も懸念されており、厳しい経営環境が継続するものと見込まれます。 当社を取り巻く市場環境は、依然として不透明であるものの、コネクテッド化や自動化等の高付加価値化が進展しています。また、サービス、エネルギー、デジタル、インフラ、FA、防衛用途等の領域において、ソフトウエアやシステム化を活用した多様なモビリティ製品や耐環境製品の需要が拡大しています。加えて、検査・監視、生産合理化支援等の中長期的なニーズについても継続するものと見込んでいます。このように、厳しい経営環境の中にあっても、当社が注力する事業分野では引き続き成長の機会が期待されます。 当社グループでは、電子機器事業および生産器材事業において、センサーや無線技術を活用した融合商品やIoT機器、サーボ関連機器、UAV関連機器、成形・生産合理化機器等への需要拡大を見据え、タイムリーな市場投入を図り、持続的な利益創出と成長軌道への変革を進めていきます。 (3)中期経営計画と目標とする経営指標および優先的に対処すべき課題当社グループは、企業ビジョン「Futabaテクノロジーを進化させ、世界で躍進するリーディングカンパニーを目指します」の実現に向けて、中期的な戦略および方針を示す3カ年の中期経営計画を策定しています。「2024-2026年度 中期経営計画」に基づき、事業体制の再編・強化および経営基盤の強化に取り組み、持続的な利益創出と成長軌道への変革を進めています。中期経営計画の2年目である2025年度では、4つの基本方針に基づき各施策に取り組みました。① 構造改革の完遂 電子機器事業では、事業環境変化への対応および収益性改善を目的として、米国および台湾子会社において、工場の集約と一部売却を実施しました。また、韓国の販売拠点については解散を決定し、固定費削減および事業運営体制の見直しを図りました。生産器材事業では、事業採算性および将来の成長可能性を総合的に勘案し、中国子会社の解散ならびに韓国子会社における事業停止を実施しました。これらの施策により、海外拠点の整理・集約を進め、事業基盤の効率化と経営資源の重点配分に取り組みました。 また、将来の成長に向けた新たな価値創出を目的として、従業員の自発的な発想を起点としたイノベーション創出に向けた取り組みを開始しました。本取り組みでは、新事業創出に加え、業務改善・改革に関する幅広いアイデアを収集・検討する仕組みを導入し、一部部門において先行的に運用を開始しています。今後は、取り組みの有効性や運用状況を検証しながら、段階的に対象範囲を拡大し、全社的なイノベーション風土の醸成につなげていきます。② ソリューション事業領域への展開イ.電子機器事業 システムソリューション事業は、顧客提供価値を「無線・IoT・システム技術を用いて、お客様の時間を創出」と定義し、産業用ラジコン機器は、成長が著しい建設機械および農業機械市場に向けて、遠隔操作に対応し、作業環境改善に貢献する無線リモコンを提案しています。 2025年度は、新規産業用無線リモコンの開発・拡販を推進し、量産出荷を開始しました。2026年度には、産業用無線製品のラインアップ拡充と提案力の強化を図るとともに、複合モジュール分野においては、ディスプレイ製品に無線・IoT技術を融合したソリューション製品の開発を進めていきます。 ロボティクスソリューション事業は、顧客提供価値を「無線・制御技術を基盤にホビーからビジネスまでの幅広いシーンに対応した製品とサービスの提供」と定義し、ロボティクス製品は、ドローン分野では点検・防災・防衛用途に、産業用サーボ分野ではUAV・FA市場に、各種製品・サービスを展開しています。 2025年度は、ドローン分野においてPoCの継続に加え、近隣自治体への防災用途での機体納入を行いました。2026年度は、当社への委託範囲拡大や既存案件の水平展開を進めることで売上拡大を図るとともに、産業用サーボについては標準製品の拡充を通じて、FA市場での販売拡大に取り組んでいきます。 電子機器事業全体としては、無線・制御・IoTといったコア技術を軸に、単体製品の提供にとどまらないソリューション提案を強化し、成長分野における事業基盤の確立を目指していきます。 ロ.生産器材事業生産器材事業は、顧客提供価値を「金型用器材加工を基礎としたソリューション」と定義し、成形・生産合理化機器は、射出成形機市場向けに成形に関わる工程を合理化し生産性を向上する、金型内計測システムやホットランナシステム等の製品を提供しています。2025年度は、当社ECサイト「フタバオーダーサイト」において、図面付き加工部品の見積・発注が可能な新サービス「フタバオーダーサイトPlus」の提供を開始しました。また、成形・生産合理化分野では、AIを活用した射出成形向けの監視・解析システムの新商品の開発および発表を行いました。本システムは、成形機や金型内から取得されるデータをAIで解析し、成形状態の可視化や異常兆候の把握を支援することで、熟練作業者の知見に依存しがちな成形条件管理の高度化を狙いとしています。2026年度は、ECサイトへの機能追加を継続するとともに、成形・生産合理化分野では、射出成形AIシステムの新商品を発売し、また海外サポート体制の強化を通じて海外市場への展開を推進していきます。生産器材事業では、製品提供に加え、データ活用や業務プロセス改善を含めたソリューション提案を通じて、お客様の調達から生産までの広範囲で合理化と付加価値向上に貢献していきます。③ コーポレート機能の強靭化2025年度は、人的資本への投資として各種施策を推進しました。具体的には、若手・中堅・管理職・経営層といった階層別研修を軸に、営業・技術など部門特性を踏まえた育成施策を展開するとともに、AIや語学などのスキル強化機会を設け、幅広い従業員層を対象とした人財育成に取り組みました。また、国外研修を実施するなど、グローバル人財の育成に向けた取り組みを進めました。今後は、DXを活用した戦略的人財育成の基盤整備として、従業員データの収集・活用を進め、ジョブローテーションや適材適所配置につなげる取り組みを推進します。これらの施策を通じて、事業の方向性を踏まえた育成・配置や、人事異動等における意思決定の迅速化・高度化を図っていきます。DX推進においては、既存システムの老朽化対策や経営数値の早期把握、業務効率化を目的として、全社基幹システム刷新プロジェクトを本格的に推進しました。今後は、Fit-to-Standardを前提としたグローバル統一の業務・システム基盤への移行を進めていきます。リスクマネジメントにおいては、全社リスク・セキュリティ教育を継続し、当社グループ全体の競争力と持続可能性を高める基盤を構築していきます。④ ステークホルダーとの信頼関係構築2025年度は、SDGs活動について計画通りの活動を実施しました。また、収益体質構築に向けて、在庫削減と生産拠点の事業停止を実施しました。企業価値向上を図るため、機関投資家との対話を推進しました。政策保有株式については、2026年6月5日開催の取締役会において、2030 年3月末までに連結純資産に占める割合を10%未満に縮減する方針を決議するとともに、2029年9月末までに一部銘柄を売却することを決議しました。これらの活動を通じて、ステークホルダーとの信頼関係を深め、持続的な成長を支える体制を強化していきます。 これらの施策については、構造改革や事業基盤の見直しを中心に着実に推進してきました。一方で、市場環境の変化や顧客ニーズへの対応に加え、今後予定している全社システム刷新に伴う費用増加などの影響により、当初想定していた成長軌道への転換にはなお課題があるものと認識しています。このような状況を踏まえ、当社グループでは中期経営計画に掲げる基本方針を維持しつつ、事業環境の変化や直近の実行状況を反映して経営資源配分および数値目標の見直しを実施しました。その結果、中期経営計画の最終年度である2026年度の計画値は、売上高450億円、営業損失13億円へと修正しています。今後は、引き続き構造改革の着実な推進とともに、収益性の改善を最優先課題として事業ごとの重点施策の明確化および実行力の向上に努めます。これにより、企業ビジョンである「私たちFutabaグループはなくてはならない器材・サービスを創出し世界の発展に貢献します」の実現を目指していきます。 今後とも需要変動や部材高騰、為替レート変動、地政学的リスク等、外部環境の不確実性が高まるなか、これらの影響を注視しつつ、リスクや不測の事態を想定した柔軟な体制構築や多様な働き方の推進、迅速かつ的確な研究・製品開発と生産体制の構築に取り組んでいきます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針 当社グループは、全社員が共有する理念・行動体系である「Futaba Way」の下、Futaba哲学の「本質之直視」に基づき、事業戦略の策定から業務執行全般・モノづくりの現場に至るまで、常に本質を見失うことなく事業を推進しています。これにより、「なくてはならない器材・サービスを創出し世界の発展に貢献する」ことを企業理念として掲げています。 この理念を実現するために、AIやIoTなどの技術を取り込んだ「モノづくりの進化」や、Futabaテクノロジーを進化・融合させた「新製品開発」に注力しています。加えて、「モノづくりを基軸としたソリューション」による事業領域の拡大や、「市場ニーズ」を迅速に商品企画や製造に反映させる取り組みも推進しています。また、「選択と集中」により成長市場での差別化と効率化を図り、持続的な利益創出と継続的な企業価値向上に努めています。さらに、コンプライアンスの徹底を図り、公正で透明性の高い経営を実践するとともに、持続可能な社会の実現を目指し、事業活動に取り組んでいます。 (2)経営環境 当社グループを取り巻く経営環境は、雇用情勢・所得環境の改善を背景に緩やかな回復傾向が続いてきた一方で、国際情勢の不安定化に伴う地政学的リスクの継続、エネルギー・原材料価格の高止まり、中国経済の先行き懸念等、不透明な状況も継続していました。2025年度においては、これら従来からの不透明要因に加え、韓国市場の需要低迷や日本国内の自動車関連市況の回復遅れ等が重なり、当社グループを取り巻く経営環境は一層厳しさを増す状況となりました。 今後についても、各国間の貿易や投資の縮小、不安定な国際情勢、エネルギー・原材料価格・運送費などの上昇、さらには、中東情勢の緊張によるエネルギー供給の影響も懸念されており、厳しい経営環境が継続するものと見込まれます。 当社を取り巻く市場環境は、依然として不透明であるものの、コネクテッド化や自動化等の高付加価値化が進展しています。また、サービス、エネルギー、デジタル、インフラ、FA、防衛用途等の領域において、ソフトウエアやシステム化を活用した多様なモビリティ製品や耐環境製品の需要が拡大しています。加えて、検査・監視、生産合理化支援等の中長期的なニーズについても継続するものと見込んでいます。このように、厳しい経営環境の中にあっても、当社が注力する事業分野では引き続き成長の機会が期待されます。 当社グループでは、電子機器事業および生産器材事業において、センサーや無線技術を活用した融合商品やIoT機器、サーボ関連機器、UAV関連機器、成形・生産合理化機器等への需要拡大を見据え、タイムリーな市場投入を図り、持続的な利益創出と成長軌道への変革を進めていきます。 (3)中期経営計画と目標とする経営指標および優先的に対処すべき課題当社グループは、企業ビジョン「Futabaテクノロジーを進化させ、世界で躍進するリーディングカンパニーを目指します」の実現に向けて、中期的な戦略および方針を示す3カ年の中期経営計画を策定しています。「2024-2026年度 中期経営計画」に基づき、事業体制の再編・強化および経営基盤の強化に取り組み、持続的な利益創出と成長軌道への変革を進めています。中期経営計画の2年目である2025年度では、4つの基本方針に基づき各施策に取り組みました。① 構造改革の完遂 電子機器事業では、事業環境変化への対応および収益性改善を目的として、米国および台湾子会社において、工場の集約と一部売却を実施しました。また、韓国の販売拠点については解散を決定し、固定費削減および事業運営体制の見直しを図りました。生産器材事業では、事業採算性および将来の成長可能性を総合的に勘案し、中国子会社の解散ならびに韓国子会社における事業停止を実施しました。これらの施策により、海外拠点の整理・集約を進め、事業基盤の効率化と経営資源の重点配分に取り組みました。 また、将来の成長に向けた新たな価値創出を目的として、従業員の自発的な発想を起点としたイノベーション創出に向けた取り組みを開始しました。本取り組みでは、新事業創出に加え、業務改善・改革に関する幅広いアイデアを収集・検討する仕組みを導入し、一部部門において先行的に運用を開始しています。今後は、取り組みの有効性や運用状況を検証しながら、段階的に対象範囲を拡大し、全社的なイノベーション風土の醸成につなげていきます。② ソリューション事業領域への展開イ.電子機器事業 システムソリューション事業は、顧客提供価値を「無線・IoT・システム技術を用いて、お客様の時間を創出」と定義し、産業用ラジコン機器は、成長が著しい建設機械および農業機械市場に向けて、遠隔操作に対応し、作業環境改善に貢献する無線リモコンを提案しています。 2025年度は、新規産業用無線リモコンの開発・拡販を推進し、量産出荷を開始しました。2026年度には、産業用無線製品のラインアップ拡充と提案力の強化を図るとともに、複合モジュール分野においては、ディスプレイ製品に無線・IoT技術を融合したソリューション製品の開発を進めていきます。 ロボティクスソリューション事業は、顧客提供価値を「無線・制御技術を基盤にホビーからビジネスまでの幅広いシーンに対応した製品とサービスの提供」と定義し、ロボティクス製品は、ドローン分野では点検・防災・防衛用途に、産業用サーボ分野ではUAV・FA市場に、各種製品・サービスを展開しています。 2025年度は、ドローン分野においてPoCの継続に加え、近隣自治体への防災用途での機体納入を行いました。2026年度は、当社への委託範囲拡大や既存案件の水平展開を進めることで売上拡大を図るとともに、産業用サーボについては標準製品の拡充を通じて、FA市場での販売拡大に取り組んでいきます。 電子機器事業全体としては、無線・制御・IoTといったコア技術を軸に、単体製品の提供にとどまらないソリューション提案を強化し、成長分野における事業基盤の確立を目指していきます。 ロ.生産器材事業生産器材事業は、顧客提供価値を「金型用器材加工を基礎としたソリューション」と定義し、成形・生産合理化機器は、射出成形機市場向けに成形に関わる工程を合理化し生産性を向上する、金型内計測システムやホットランナシステム等の製品を提供しています。2025年度は、当社ECサイト「フタバオーダーサイト」において、図面付き加工部品の見積・発注が可能な新サービス「フタバオーダーサイトPlus」の提供を開始しました。また、成形・生産合理化分野では、AIを活用した射出成形向けの監視・解析システムの新商品の開発および発表を行いました。本システムは、成形機や金型内から取得されるデータをAIで解析し、成形状態の可視化や異常兆候の把握を支援することで、熟練作業者の知見に依存しがちな成形条件管理の高度化を狙いとしています。2026年度は、ECサイトへの機能追加を継続するとともに、成形・生産合理化分野では、射出成形AIシステムの新商品を発売し、また海外サポート体制の強化を通じて海外市場への展開を推進していきます。生産器材事業では、製品提供に加え、データ活用や業務プロセス改善を含めたソリューション提案を通じて、お客様の調達から生産までの広範囲で合理化と付加価値向上に貢献していきます。③ コーポレート機能の強靭化2025年度は、人的資本への投資として各種施策を推進しました。具体的には、若手・中堅・管理職・経営層といった階層別研修を軸に、営業・技術など部門特性を踏まえた育成施策を展開するとともに、AIや語学などのスキル強化機会を設け、幅広い従業員層を対象とした人財育成に取り組みました。また、国外研修を実施するなど、グローバル人財の育成に向けた取り組みを進めました。今後は、DXを活用した戦略的人財育成の基盤整備として、従業員データの収集・活用を進め、ジョブローテーションや適材適所配置につなげる取り組みを推進します。これらの施策を通じて、事業の方向性を踏まえた育成・配置や、人事異動等における意思決定の迅速化・高度化を図っていきます。DX推進においては、既存システムの老朽化対策や経営数値の早期把握、業務効率化を目的として、全社基幹システム刷新プロジェクトを本格的に推進しました。今後は、Fit-to-Standardを前提としたグローバル統一の業務・システム基盤への移行を進めていきます。リスクマネジメントにおいては、全社リスク・セキュリティ教育を継続し、当社グループ全体の競争力と持続可能性を高める基盤を構築していきます。④ ステークホルダーとの信頼関係構築2025年度は、SDGs活動について計画通りの活動を実施しました。また、収益体質構築に向けて、在庫削減と生産拠点の事業停止を実施しました。企業価値向上を図るため、機関投資家との対話を推進しました。政策保有株式については、2026年6月5日開催の取締役会において、2030 年3月末までに連結純資産に占める割合を10%未満に縮減する方針を決議するとともに、2029年9月末までに一部銘柄を売却することを決議しました。これらの活動を通じて、ステークホルダーとの信頼関係を深め、持続的な成長を支える体制を強化していきます。 これらの施策については、構造改革や事業基盤の見直しを中心に着実に推進してきました。一方で、市場環境の変化や顧客ニーズへの対応に加え、今後予定している全社システム刷新に伴う費用増加などの影響により、当初想定していた成長軌道への転換にはなお課題があるものと認識しています。このような状況を踏まえ、当社グループでは中期経営計画に掲げる基本方針を維持しつつ、事業環境の変化や直近の実行状況を反映して経営資源配分および数値目標の見直しを実施しました。その結果、中期経営計画の最終年度である2026年度の計画値は、売上高450億円、営業損失13億円へと修正しています。今後は、引き続き構造改革の着実な推進とともに、収益性の改善を最優先課題として事業ごとの重点施策の明確化および実行力の向上に努めます。これにより、企業ビジョンである「私たちFutabaグループはなくてはならない器材・サービスを創出し世界の発展に貢献します」の実現を目指していきます。 今後とも需要変動や部材高騰、為替レート変動、地政学的リスク等、外部環境の不確実性が高まるなか、これらの影響を注視しつつ、リスクや不測の事態を想定した柔軟な体制構築や多様な働き方の推進、迅速かつ的確な研究・製品開発と生産体制の構築に取り組んでいきます。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】経営成績等の概要(1) 経営成績 当期の経営成績 当連結会計年度における国内経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により緩やかな回復傾向が続きました。しかしながら、米国の関税政策をめぐる動向については先行きが不透明な状況が続いており、物価上昇の継続が消費マインドの下振れ等を通じて個人消費に影響を及ぼすなど、我が国の景気を下押しするリスクが依然として残っています。 また、世界経済におきましても、景気の持ち直しが緩やかになっており、中国をはじめとする一部の地域において足踏みがみられるほか、中東情勢の緊迫化や金融資本市場の変動などに留意する必要があります。 このような状況のなか、当期は、「中期経営計画」の2年目にあたり、基本方針である①構造改革の完遂②ソリューション事業領域への展開③コーポレート機能の強靭化④ステークホルダーとの信頼関係構築を計画どおり実行し、目標の達成と企業価値の向上に努めてきました。 以上の結果、当期における売上高は429億8千2百万円(前期比10.7%減)となりました。このうち海外売上高は244億円(前期比8.1%減)となり、国内売上高は185億8千2百万円(前期比13.8%減)となりました。 収益面では、営業損失は22億8千万円 (前期は営業損失12億9千2百万円)となりました。また、経常損失は6億8千3百万円(前期は経常損失2億6百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益を計上したことにより25億2千2百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失2億8千1百万円)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。 ① 電子機器(主な製品:複合モジュール、産業用ラジコン機器、ホビー用ラジコン機器、ロボティクス製品、 有機ELディスプレイ等) 複合モジュールでは、蛍光表示管の事業終息に伴い蛍光表示管搭載モジュールの出荷が減少したことに加え、その他の製品についても需要が鈍化したことから低調に推移し、EMSにおいては、車載用途・通信機用途が堅調に推移したものの、計測器用途が低調に推移し前期並みとなったことから、売上げは前期を下回りました。 産業用ラジコン機器では、農業用途および建機用途が伸びたものの、FA用途の受注が減少したことから、売上げは前期を下回りました。 ホビー用ラジコン機器では、アジアおよび国内市場において新製品の需要が一巡したことなどから、売上げは前期を下回りました。 ロボティクス製品は、産業用サーボの北米UAV関連等が順調だったことなどから、売上げは前期を上回りました。 有機ELディスプレイでは、自社生産・販売からの事業スキームの変更過渡期のため、売上げは前期を下回りました。 営業損失は、構造改革や退職給付費用の減少による固定費の大幅な圧縮があったものの、主として有機ELディスプレイにおける事業スキーム変更に伴う品種構成の変化や、有機ELディスプレイおよびホビー用ラジコン機器等の減収による操業度悪化に加え、タッチセンサーおよび蛍光表示管の事業終息に伴う影響等により、前期に対して損失が拡大しました。② 生産器材(主な製品:プレート製品、金型用器材、成形・生産合理化機器) 国内では、金型内計測システムをはじめとする成形・生産合理化機器は伸びたものの、主として自動車関連市況の回復遅れの影響に加え、価格競争の影響を受けたことなどにより、金型用器材やプレート製品の販売が低調に推移し、売上げは前期を下回りました。 海外では、アセアン市場は前期並みとなったものの、主力の韓国市場で自動車・家電向けの低迷や安価な中国製品の輸入増加に加え、価格競争の影響を受けたことや、中国生産拠点の再編による計画的な売上減少などにより、売上げは前期を下回りました。 営業損失は、国内における適正売価政策の推進や、中国生産拠点の工場閉鎖による構造改革の効果があったものの、顧客の新規開発の遅れや韓国市場における減収による操業度の悪化に加え、品種構成の悪化により変動費比率が上昇したことなどから前期に対して損失が拡大しました。 (2) 当期の財政状態の概況(資産、負債、純資産及びキャッシュ・フローの状況に関する分析)① 総資産は、現金及び預金や投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度末に比べ77億9千3百万円増加し、1,088億8千4百万円となりました。 負債は、繰延税金負債の増加などにより、前連結会計年度末に比べ9億5百万円増加し、136億8千4百万円となりました。 純資産は、その他有価証券評価差額金や利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ68億8千7百万円増加し、952億円となりました。この結果、自己資本比率は77.0%となりました。② 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は282億8千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ46億7千万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果獲得した資金は、17億7千万円(前期は46億2千4百万円の獲得)となりました。これは主に、棚卸資産の減少額26億1千7百万円、税金等調整前当期純利益29億2千9百万円や有形及び無形固定資産除売却益36億6千1百万円などによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果獲得した資金は、24億4千3百万円(前期は13億5千1百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入24億2千3百万円や有形固定資産の取得による支出9億2百万円などによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は、8億3千3百万円(前期は11億5千1百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額4億2千5百万円やリース債務の返済による支出1億7千8百万円、非支配株主への配当金の支払額1億2千7百万円などによるものです。 (3) 生産、受注及び販売の実績 ① 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前期比(%)電子機器(百万円)12,76482.2生産器材(百万円)24,40488.4 合 計 (百万円)37,16886.2 (注)1.セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでいます。2.金額は売価換算値で表示しています。 ② 受注実績 製品の性質上、原則として需要予測に基づく見込み生産を主体としていますので記載を省略しています。 ③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前期比(%)電子機器(百万円)15,38688.1生産器材(百万円)27,59590.1 合 計 (百万円)42,98289.3 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しています。2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当 該割合が100分の10以上の相手先が無いため、記載を省略しています。(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りについては、過去の実績を勘案し、合理的に判断していますが、見積りには不確実性が伴い、実際の結果と異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。 ② 経営成績の分析当連結会計年度の当社グループの売上高は429億8千2百万円、営業損失は22億8千万円、経常損失は6億8千3百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は25億2千2百万円となりました。売上高については、前期比10.7%減となりました。収益面では、構造改革によるコスト削減効果はあったものの、生産器材事業での品種構成の悪化やタッチセンサーにおける在庫評価損の計上があったことにより、営業損失は22億8千万円(前期は営業損失12億9千2百万円)となり赤字拡大となりました。経常損失は、為替差益の計上があったものの、営業損失の拡大により6億8千3百万円(前期は経常損失2億6百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益を計上したことにより25億2千2百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失2億8千1百万円)となり黒字化となりました。 ③ 財政状態の分析当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金や投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度末に比べ77億9千3百万円増加し、1,088億8千4百万円となりました。 当連結会計年度末の負債は、繰延税金負債の増加などにより、前連結会計年度末に比べ9億5百万円増加し、136億8千4百万円となりました。 また、当連結会計年度末の純資産は、その他有価証券評価差額金や利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ68億8千7百万円増加し、952億円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末76.3%から0.7ポイント上昇して77.0%となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末に比べて156円22銭増加して、1,975円55銭となりました。 ④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析・ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は282億8千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ46億7千万円増加しました。 営業活動の結果獲得した資金は、17億7千万円(前期は46億2千4百万円の獲得)となりました。これは主に、棚卸資産の減少額26億1千7百万円、税金等調整前当期純利益29億2千9百万円や有形及び無形固定資産除売却益36億6千1百万円などによるものです。 投資活動の結果獲得した資金は、24億4千3百万円(前期は13億5千1百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入24億2千3百万円や有形固定資産の取得による支出9億2百万円などによるものです。 財務活動の結果使用した資金は、8億3千3百万円(前期は11億5千1百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額4億2千5百万円やリース債務の返済による支出1億7千8百万円、非支配株主への配当金の支払額1億2千7百万円などによるものです。 ・ 資金需要及び財務政策 当社グループでは、今後もグローバルな市場への展開のために、主に日本における研究開発が不可欠であると考えており、そのための研究開発投資とグループ内の事業投資を継続していきます。 また、当社グループでは引き続き財務の健全性を堅持し、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことによって、当社グループの成長に必要な資金を調達していくことが可能であると考えています。加えて、機動的かつ安定的な必要運転資金の調達を可能とするため、コミットメントライン契約を締結し、流動性リスクに備えています。なお、本契約における当連結会計年度末の借入実行残高はありません。 ⑤ 経営者の問題認識と今後の方針経営者の問題認識と今後の方針については、本項に記載のほか、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針 当社グループは、全社員が共有する理念・行動体系である「Futaba Way」の下、Futaba哲学の「本質之直視」に基づき、事業戦略の策定から業務執行全般・モノづくりの現場に至るまで、常に本質を見失うことなく事業を推進しています。これにより、「なくてはならない器材・サービスを創出し世界の発展に貢献する」ことを企業理念としています。 この理念を実現するために、AIやIoTなどの技術を取り込んだ「モノづくりの進化」や、Futabaテクノロジーを進化・融合させた「新製品開発」に注力しています。これに加え、「モノづくりを基軸としたソリューション」による事業領域の拡大や、「市場ニーズ」をダイレクトに商品企画や製造に反映させる取り組みも推進しています。また、「選択と集中」により成長市場に向けた差別化と効率化を進め、収益性の拡大および継続的な企業価値の向上を図ります。さらに、コンプライアンスの徹底による公正で透明性の高い経営を実践するとともに、持続可能な社会の実現を目指し、事業活動に取り組んでいます。 (2)経営環境 当社グループを取り巻く経営環境は、雇用情勢・所得環境の改善を背景に緩やかに回復してきましたが、中東やウクライナにおける戦争の長期化、エネルギー・原材料価格の高止まり、中国経済の先行き懸念等、世界経済は依然として先行きが不透明な状況が続いています。 このような経営環境の変化が事業に及ぼす影響を取締役会、経営会議等の場で検討し、適時適切に対応してきました。 今後の状況については、世界的な地政学的リスクの高まりや経済の先行き懸念などを背景に、各国間の貿易や投資が縮小するなど不安定な国際情勢の中、エネルギー・原材料価格・運送費などの上昇、さらには米国の関税政策影響が想定され、引き続き厳しい経営環境が継続するものと予想されます。 当社を取り巻く市場環境は、依然不透明な状況が予想されますが、中長期的な市場ニーズでは、コネクテッド化や自動化等の高付加価値化ならびにEV化の進展、またサービス、エネルギー、デジタル、インフラ等の領域においてソフトウエア・システム化を駆使した多様なモビリティ製品や耐環境製品に加え、検査・監視、生産合理化支援等のニーズが継続することが見込まれます。 このような状況から、電子機器事業および生産器材事業では、センサーや無線技術を活用した融合商品、IoT機器やサーボ関連機器、UAV関連機器、成形・生産合理化機器等への継続的な需要が見込まれると捉え、タイムリーな市場投入を進めるとともに、持続的な利益創出と成長軌道への変革を進めていきます。 (3)中期経営計画と目標とする経営指標および優先的に対処すべき課題当社グループは、企業ビジョン「Futabaテクノロジーを進化させ、世界で躍進するリーディングカンパニーを目指します」の実現に向けて、中期的な戦略、方針を示すために、3カ年の中期経営計画を策定しています。「2024-2026年度 中期経営計画」に基づき、事業体制の再編・強化および経営基盤の強化に取り組み、持続的な利益創出と成長軌道への変革を進めています。中期経営計画の初年度である2024年度では、4つの基本方針に基づき各施策に取り組みました。① 構造改革の完遂電子機器事業では、アウトセルタッチセンサー事業の事業終息および有機ELディスプレイ事業の自社生産終了を計画通りに実施し、事業基盤の効率化と新たな価値創造に向けた体制整備に取り組みました。また、コア技術開発センターに事業化推進部門を設置し、事業部門と関連した高付加価値製品の開発を推進する体制を構築しました。② ソリューション事業領域への展開イ.電子機器事業システムソリューション事業は、顧客提供価値を「無線・IoT・システム技術を用いて、お客様の時間を創出」と定義し、産業用ラジコン機器は、成長が著しい建設機械および農業機械市場に向けて、遠隔操作に対応し、作業環境改善に貢献する無線リモコンを提案しています。2024年度は、ウエストタイプおよびピストルグリップタイプの新型産業用無線リモコンを開発し、国内外のお客様による評価が進んでいます。2025年度は新型産業用無線リモコンの量産立ち上げを確実に実施し、国内外市場への拡販を推進します。ロボティクスソリューション事業は、顧客提供価値を「無線・制御技術を基盤にホビーからビジネスまでの幅広いシーンに対応した製品とサービスの提供」と定義し、ロボティクス製品は、ドローンおよび産業用サーボFA(ファクトリーオートメーション)市場に、各種製品・サービスを展開しています。2024年度は、ドローンにおいては、和歌山県すさみ町での南海トラフ地震向けを始め、防災用途での実証実験を実施しました。また、産業用サーボにおいては、ベクトル制御による発熱低減および長寿命化などの高機能化を推進しました。2025年度は、ドローンにおいては純国産・カスタム対応を強みにサービスを拡充し、点検・防災用途での導入を推進します。また、産業用サーボにおいては、FA市場での認知度向上と、設備メーカーとの連携強化を通じて拡販を推進します。なお、電子機器事業では災害時の状況確認のための製品やデジタル関連など、新たな事業領域への拡大を進めます。 ロ.生産器材事業生産器材事業は、顧客提供価値を「金型用器材加工を基礎としたソリューション」と定義し、成形・生産合理化機器は、射出成形機市場向けに成形に関わる工程を合理化し生産性を向上する、金型内計測システムやホットランナシステム等の製品を提供しています。2024年度は、新たに「射出成形AIシステム」をリリースしました。本システムは、金型内計測システムで取得したデータとAI技術を活用し、お客様の成形条件最適化および生産性向上に大きく貢献する画期的なシステムです。また、今後さらなる市場成長が見込まれるアジア地域のお客様向けに、金型内計測システムのセンシングスクールを中国に2拠点、タイに1拠点開講しました。2025年度は、さらなるシステム開発の強化および海外拠点のサポート体制拡充にも注力していきます。なお、生産器材事業では部品供給体制についてBCP観点でのサプライチェーンの再検討、人手不足に対応するための自動化投資、遠隔操作やデータ取得による生産性の向上への寄与など、ハードウエアのみならずソフトウエア・サービスへ事業領域を拡大していきます。③ コーポレート機能の強靭化2024年度は人財強化施策として、マネジメント力、個のスキル強化のための研修プログラムの拡充、後継者育成計画の策定・推進、チャレンジ精神と成果の適正評価を目的とした人事制度の改定を実施しました。また、経営層と従業員の双方向対話会を継続し、現場の意見を施策に反映する活動も併せて実施しています。DX推進においては、全社基幹システムの刷新プロジェクトを始動しました。また、社内情報の学習を通じたAIによる業務効率化を実施しました。リスクマネジメントにおいては、全社リスク・セキュリティ教育を継続し、情報セキュリティ基本方針の策定を実施することにより、インシデントを未然に防ぐなど有効に機能しました。これらの取り組みを通じて、当社グループ全体の競争力と持続可能性を高める基盤を構築していきます。④ ステークホルダーとの信頼関係構築2024年度は、SDGs活動においては計画通りの活動を実施しました。また、収益体質構築においては、在庫削減と生産終了拠点の清算を実施しました。企業価値向上においては、コミットメントライン契約の延長と、機関投資家との対話を推進しました。これらの活動を通じて、ステークホルダーとの信頼関係を深め、持続的な成長を支える体制を強化していきます。 これらの施策では計画通りに進捗したものがある一方、市場環境や顧客ニーズへの対応など、成長軌道への変革に向けた課題も明らかになりました。2025年度以降は、経営資源の配分や具体的戦略の見直しを進め、計画の実行力をさらに高めていきます。中期経営計画の経営目標である2027年3月期売上高575億円、営業利益15億円を達成し、企業ビジョンである「私たちFutabaグループはなくてはならない器材・サービスを創出し世界の発展に貢献します」を実現するため、各施策を着実に進めていきます。 今後とも需要変動や部材高騰、為替レート変動、地政学上のリスクの影響を注視することにより、リスクや不測の事態を想定し、経営環境の変化に臨機応変に対応できる体制の構築や柔軟な働き方への取り組みを実施し、迅速かつ的確な研究・製品開発と生産体制の構築を推進していきます。なお、米国における関税政策については、当社においても、複数のケースの想定に基づき需要減退や関税そのものによる業績への影響度合を検証しているものの、今後実施・継続される関税政策の内容および期間が流動的であり、現時点では影響額自体を合理的に見積もることが困難であるため、2025年度の業績見通しの前提には含めていません。当社としましては、関税政策に関する政府間協議を含む動向を注視しながら、価格転嫁やサプライチェーン最適化に加え、一部製品について中国から台湾等への生産移管の実施、さらには米国への生産回帰に併せて米国子会社でのEMS生産を拡大するなど、各種対応策を果断に実行し、関税政策の影響緩和に努めていきます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針 当社グループは、全社員が共有する理念・行動体系である「Futaba Way」の下、Futaba哲学の「本質之直視」に基づき、事業戦略の策定から業務執行全般・モノづくりの現場に至るまで、常に本質を見失うことなく事業を推進しています。これにより、「なくてはならない器材・サービスを創出し世界の発展に貢献する」ことを企業理念としています。 この理念を実現するために、AIやIoTなどの技術を取り込んだ「モノづくりの進化」や、Futabaテクノロジーを進化・融合させた「新製品開発」に注力しています。これに加え、「モノづくりを基軸としたソリューション」による事業領域の拡大や、「市場ニーズ」をダイレクトに商品企画や製造に反映させる取り組みも推進しています。また、「選択と集中」により成長市場に向けた差別化と効率化を進め、収益性の拡大および継続的な企業価値の向上を図ります。さらに、コンプライアンスの徹底による公正で透明性の高い経営を実践するとともに、持続可能な社会の実現を目指し、事業活動に取り組んでいます。 (2)経営環境 当社グループを取り巻く経営環境は、雇用情勢・所得環境の改善を背景に緩やかに回復してきましたが、中東やウクライナにおける戦争の長期化、エネルギー・原材料価格の高止まり、中国経済の先行き懸念等、世界経済は依然として先行きが不透明な状況が続いています。 このような経営環境の変化が事業に及ぼす影響を取締役会、経営会議等の場で検討し、適時適切に対応してきました。 今後の状況については、世界的な地政学的リスクの高まりや経済の先行き懸念などを背景に、各国間の貿易や投資が縮小するなど不安定な国際情勢の中、エネルギー・原材料価格・運送費などの上昇、さらには米国の関税政策影響が想定され、引き続き厳しい経営環境が継続するものと予想されます。 当社を取り巻く市場環境は、依然不透明な状況が予想されますが、中長期的な市場ニーズでは、コネクテッド化や自動化等の高付加価値化ならびにEV化の進展、またサービス、エネルギー、デジタル、インフラ等の領域においてソフトウエア・システム化を駆使した多様なモビリティ製品や耐環境製品に加え、検査・監視、生産合理化支援等のニーズが継続することが見込まれます。 このような状況から、電子機器事業および生産器材事業では、センサーや無線技術を活用した融合商品、IoT機器やサーボ関連機器、UAV関連機器、成形・生産合理化機器等への継続的な需要が見込まれると捉え、タイムリーな市場投入を進めるとともに、持続的な利益創出と成長軌道への変革を進めていきます。 (3)中期経営計画と目標とする経営指標および優先的に対処すべき課題当社グループは、企業ビジョン「Futabaテクノロジーを進化させ、世界で躍進するリーディングカンパニーを目指します」の実現に向けて、中期的な戦略、方針を示すために、3カ年の中期経営計画を策定しています。「2024-2026年度 中期経営計画」に基づき、事業体制の再編・強化および経営基盤の強化に取り組み、持続的な利益創出と成長軌道への変革を進めています。中期経営計画の初年度である2024年度では、4つの基本方針に基づき各施策に取り組みました。① 構造改革の完遂電子機器事業では、アウトセルタッチセンサー事業の事業終息および有機ELディスプレイ事業の自社生産終了を計画通りに実施し、事業基盤の効率化と新たな価値創造に向けた体制整備に取り組みました。また、コア技術開発センターに事業化推進部門を設置し、事業部門と関連した高付加価値製品の開発を推進する体制を構築しました。② ソリューション事業領域への展開イ.電子機器事業システムソリューション事業は、顧客提供価値を「無線・IoT・システム技術を用いて、お客様の時間を創出」と定義し、産業用ラジコン機器は、成長が著しい建設機械および農業機械市場に向けて、遠隔操作に対応し、作業環境改善に貢献する無線リモコンを提案しています。2024年度は、ウエストタイプおよびピストルグリップタイプの新型産業用無線リモコンを開発し、国内外のお客様による評価が進んでいます。2025年度は新型産業用無線リモコンの量産立ち上げを確実に実施し、国内外市場への拡販を推進します。ロボティクスソリューション事業は、顧客提供価値を「無線・制御技術を基盤にホビーからビジネスまでの幅広いシーンに対応した製品とサービスの提供」と定義し、ロボティクス製品は、ドローンおよび産業用サーボFA(ファクトリーオートメーション)市場に、各種製品・サービスを展開しています。2024年度は、ドローンにおいては、和歌山県すさみ町での南海トラフ地震向けを始め、防災用途での実証実験を実施しました。また、産業用サーボにおいては、ベクトル制御による発熱低減および長寿命化などの高機能化を推進しました。2025年度は、ドローンにおいては純国産・カスタム対応を強みにサービスを拡充し、点検・防災用途での導入を推進します。また、産業用サーボにおいては、FA市場での認知度向上と、設備メーカーとの連携強化を通じて拡販を推進します。なお、電子機器事業では災害時の状況確認のための製品やデジタル関連など、新たな事業領域への拡大を進めます。 ロ.生産器材事業生産器材事業は、顧客提供価値を「金型用器材加工を基礎としたソリューション」と定義し、成形・生産合理化機器は、射出成形機市場向けに成形に関わる工程を合理化し生産性を向上する、金型内計測システムやホットランナシステム等の製品を提供しています。2024年度は、新たに「射出成形AIシステム」をリリースしました。本システムは、金型内計測システムで取得したデータとAI技術を活用し、お客様の成形条件最適化および生産性向上に大きく貢献する画期的なシステムです。また、今後さらなる市場成長が見込まれるアジア地域のお客様向けに、金型内計測システムのセンシングスクールを中国に2拠点、タイに1拠点開講しました。2025年度は、さらなるシステム開発の強化および海外拠点のサポート体制拡充にも注力していきます。なお、生産器材事業では部品供給体制についてBCP観点でのサプライチェーンの再検討、人手不足に対応するための自動化投資、遠隔操作やデータ取得による生産性の向上への寄与など、ハードウエアのみならずソフトウエア・サービスへ事業領域を拡大していきます。③ コーポレート機能の強靭化2024年度は人財強化施策として、マネジメント力、個のスキル強化のための研修プログラムの拡充、後継者育成計画の策定・推進、チャレンジ精神と成果の適正評価を目的とした人事制度の改定を実施しました。また、経営層と従業員の双方向対話会を継続し、現場の意見を施策に反映する活動も併せて実施しています。DX推進においては、全社基幹システムの刷新プロジェクトを始動しました。また、社内情報の学習を通じたAIによる業務効率化を実施しました。リスクマネジメントにおいては、全社リスク・セキュリティ教育を継続し、情報セキュリティ基本方針の策定を実施することにより、インシデントを未然に防ぐなど有効に機能しました。これらの取り組みを通じて、当社グループ全体の競争力と持続可能性を高める基盤を構築していきます。④ ステークホルダーとの信頼関係構築2024年度は、SDGs活動においては計画通りの活動を実施しました。また、収益体質構築においては、在庫削減と生産終了拠点の清算を実施しました。企業価値向上においては、コミットメントライン契約の延長と、機関投資家との対話を推進しました。これらの活動を通じて、ステークホルダーとの信頼関係を深め、持続的な成長を支える体制を強化していきます。 これらの施策では計画通りに進捗したものがある一方、市場環境や顧客ニーズへの対応など、成長軌道への変革に向けた課題も明らかになりました。2025年度以降は、経営資源の配分や具体的戦略の見直しを進め、計画の実行力をさらに高めていきます。中期経営計画の経営目標である2027年3月期売上高575億円、営業利益15億円を達成し、企業ビジョンである「私たちFutabaグループはなくてはならない器材・サービスを創出し世界の発展に貢献します」を実現するため、各施策を着実に進めていきます。 今後とも需要変動や部材高騰、為替レート変動、地政学上のリスクの影響を注視することにより、リスクや不測の事態を想定し、経営環境の変化に臨機応変に対応できる体制の構築や柔軟な働き方への取り組みを実施し、迅速かつ的確な研究・製品開発と生産体制の構築を推進していきます。なお、米国における関税政策については、当社においても、複数のケースの想定に基づき需要減退や関税そのものによる業績への影響度合を検証しているものの、今後実施・継続される関税政策の内容および期間が流動的であり、現時点では影響額自体を合理的に見積もることが困難であるため、2025年度の業績見通しの前提には含めていません。当社としましては、関税政策に関する政府間協議を含む動向を注視しながら、価格転嫁やサプライチェーン最適化に加え、一部製品について中国から台湾等への生産移管の実施、さらには米国への生産回帰に併せて米国子会社でのEMS生産を拡大するなど、各種対応策を果断に実行し、関税政策の影響緩和に努めていきます。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】経営成績等の概要(1) 経営成績 当期の経営成績 当連結会計年度における国内経済は、所得環境の改善への期待やインバウンド需要に支えられ、緩やかな景気回復をみせる一方で、不安定な国際情勢、原材料や資源・エネルギー価格の高騰、円安などに伴う設備投資や個人消費マインドの変化など、景気を下押しするリスクもあり、依然として先行き不透明な状況が続きました。 また、世界経済におきましても、長期化する地政学的リスクや資源・エネルギー価格の高騰に加えて、米国の関税政策動向の影響などにより先行き不透明な状況が継続しています。 このような状況のなか、当社は2027年3月期を最終年度とする3カ年の「2024-2026年度 中期経営計画」に基づき、①構造改革の完遂②ソリューション事業領域への展開③コーポレート機能の強靭化④ステークホルダーとの信頼関係構築などの施策を実行し、目標の達成と企業価値の向上に取り組みました。 以上の結果、当連結会計年度における売上高は481億1千6百万円(前期比14.6%減)となりました。このうち海外売上高は265億4千8百万円(前期比17.5%減)となり、国内売上高は215億6千8百万円(前期比10.8%減)となりました。 収益面では、営業損失は12億9千2百万円(前期は営業損失11億4千1百万円)となりました。また、経常損失は2億6百万円(前期は経常利益5億7千万円)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は、構造改革による事業再編損および固定資産の減損損失を計上したことにより2億8千1百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失18億5千4百万円)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しています。 ① 電子機器(主な製品:複合モジュール、産業用ラジコン機器、ホビー用ラジコン機器、ロボティクス製品、 有機ELディスプレイ、タッチセンサー、蛍光表示管) 複合モジュールでは、蛍光表示管の事業終息に伴い蛍光表示管搭載モジュールの出荷が減少したことに加え、その他の製品についても需要の一服感から低調に推移しました。EMSにおいても、車載用途および計測器用途が低調に推移したことにより、売上げは前期を下回りました。 産業用ラジコン機器では、主力の建機用途、農業用途、FA用途ともにお客様による在庫調整などにより受注が減少したことから、売上げは前期を下回りました。 ホビー用ラジコン機器では、国内外ともに需要が旺盛であり、国内では空用プロポの新製品を投入したことなどの影響もあり、売上げは前期を上回りました。 ロボティクス製品では、産業用サーボが国内アミューズメント向けや北米UAV関連で好調だったことに加え、ドローンについても企業、自治体からの点検、防災関連の実証実験に参画したことなどにより、売上げは前期を上回りました。 有機ELディスプレイでは、自社生産品の値上げを実施したものの、自社生産・販売からの事業スキームの変更過渡期のため、売上げは前期を下回りました。 営業損失は、構造改革の効果やコスト統制の継続強化があったものの、アウトセルタッチセンサーや蛍光表示管の事業終息に伴う操業度悪化に加え、フィリピン子会社の年金基金解散に伴い、年金資産の返還時に新たに発生した数理計算上の差異を一括費用計上したことなどにより、前期に比べ損失が拡大しました。② 生産器材(主な製品:プレート製品、金型用器材、成形・生産合理化機器) 国内では、適正売価政策の継続推進やフェルカーボの新規顧客が増加したことに加え、国内生産回帰に伴う設備投資需要の取り込みを進めたものの、主として自動車関連市況の回復遅れ等による金型起工数の減少に伴い、モールド金型用器材やホットランナシステムの販売が低調に推移したことから、売上げは前期並みとなりました。 海外では、アセアン市場において、自動車・家電向けの新規案件もあり回復基調で推移し、成形・生産合理化機器のサポート体制を構築したものの、中国市場で景気低迷が継続したことや、主力の韓国市場でも自動車・家電向けの低迷や競合との価格競争の影響を受けたことなどにより、売上げは前期を下回りました。 営業損失は、構造改革や適正売価政策による効果が発現したものの、主として市況悪化や中国拠点再編に伴う操業度悪化の影響を受けたことから、前期に比べ損失が拡大しました。 (2) 当期の財政状態の概況(資産、負債、純資産及びキャッシュ・フローの状況に関する分析)① 総資産は、受取手形及び売掛金や原材料及び貯蔵品の減少などにより、前連結会計年度末に比べ31億7千2百万円減少し、1,010億9千万円となりました。 負債は、未払費用や電子記録債務の減少などにより、前連結会計年度末に比べ9億5千5百万円減少し、127億7千8百万円となりました。 純資産は、為替換算調整勘定の減少などにより、前連結会計年度末に比べ22億1千7百万円減少し、883億1千2百万円となりました。この結果、自己資本比率は76.3%となりました。② 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は236億1千万円となり、前連結会計年度末に比べ22億9千3百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果獲得した資金は、46億2千4百万円(前期は15億2千9百万円の獲得)となりました。これは主に、棚卸資産の減少額33億3千3百万円、売上債権の減少額29億7千8百万円と税金等調整前当期純利益8億1千8百万円などによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は、13億5千1百万円(前期は42億1千2百万円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入23億6千4百万円、定期預金の払戻および預入による支出13億3百万円、有形固定資産の取得による支出10億8千4百万円や長期性預金の預入による支出8億7千7百万円などによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は、11億5千1百万円(前期は11億2千9百万円の使用)となりました。これは主に、非支配株主への配当金の支払額6億9千7百万円などによるものです。 (3) 生産、受注及び販売の実績 ① 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前期比(%)電子機器(百万円)15,51969.8生産器材(百万円)27,60095.6 合 計 (百万円)43,11984.4 (注)1.セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでいます。2.金額は売価換算値で表示しています。 ② 受注実績 製品の性質上、原則として需要予測に基づく見込み生産を主体としていますので記載を省略しています。 ③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前期比(%)電子機器(百万円)17,47270.4生産器材(百万円)30,64497.1 合 計 (百万円)48,11685.4 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しています。2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当 該割合が100分の10以上の相手先が無いため、記載を省略しています。(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りについては、過去の実績を勘案し、合理的に判断していますが、見積りには不確実性が伴い、実際の結果と異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。 ② 経営成績の分析当連結会計年度の当社グループの売上高は481億1千6百万円、営業損失は12億9千2百万円、経常損失は2億6百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は2億8千1百万円となりました。売上高については、前期比14.6%減となりました。収益面では、構造改革によるコスト削減効果や全社での更なるコスト統制強化もあったものの、減収に加え、フィリピン子会社の年金基金解散に伴い、年金資産の返還時に新たに発生した数理計算上の差異を一括費用計上したことなどにより、営業損失は12億9千2百万円(前期は営業損失11億4千1百万円)となり赤字拡大となりました。経常損失は、主として為替差損を計上したことなどにより2億6百万円(前期は経常利益5億7千万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、子会社において不動産の売却が進んだことに加え、前期に発生した事業再編損の計上が一巡したことなどから2億8千1百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失18億5千4百万円)となり赤字縮小となりました。 ③ 財政状態の分析当連結会計年度末の総資産は、受取手形及び売掛金や原材料及び貯蔵品の減少などにより、前連結会計年度末に比べ31億7千2百万円減少し、1,010億9千万円となりました。当連結会計年度末の負債は、未払費用や電子記録債務の減少などにより、前連結会計年度末に比べ9億5千5百万円減少し、127億7千8百万円となりました。また、当連結会計年度末の純資産は、為替換算調整勘定の減少などにより、前連結会計年度末に比べ22億1千7百万円減少し、883億1千2百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末75.0%から1.3ポイント上昇して76.3%となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末に比べて24円56銭減少して、1,819円33銭となりました。 ④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析・ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は236億1千万円となり、前連結会計年度末に比べ22億9千3百万円増加しました。 営業活動の結果獲得した資金は、46億2千4百万円(前期は15億2千9百万円の獲得)となりました。これは主に、棚卸資産の減少額33億3千3百万円、売上債権の減少額29億7千8百万円と税金等調整前当期純利益8億1千8百万円などによるものです。 投資活動の結果使用した資金は、13億5千1百万円(前期は42億1千2百万円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入23億6千4百万円、定期預金の払戻および預入による支出13億3百万円、有形固定資産の取得による支出10億8千4百万円や長期性預金の預入による支出8億7千7百万円などによるものです。 財務活動の結果使用した資金は、11億5千1百万円(前期は11億2千9百万円の使用)となりました。これは主に、非支配株主への配当金の支払額6億9千7百万円などによるものです。 ・ 資金需要及び財務政策 当社グループでは、今後もグローバルな市場への展開のために、主に日本における研究開発が不可欠であると考えており、そのための研究開発投資とグループ内の事業投資を継続していきます。 また、当社グループでは引き続き財務の健全性を堅持し、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことによって、当社グループの成長に必要な資金を調達していくことが可能であると考えています。加えて、機動的かつ安定的な必要運転資金の調達を可能とするため、コミットメントライン契約を締結し、流動性リスクに備えています。なお、本契約における当連結会計年度末の借入実行残高はありません。 ⑤ 経営者の問題認識と今後の方針経営者の問題認識と今後の方針については、本項に記載のほか、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針 当社グループは、全社員が共有する理念・行動体系である「Futaba Way」の下、Futaba哲学の「本質之直視」により、事業戦略策定から業務執行全般・モノづくりの現場に至るまで、常に本質を見失うことなく事業を推進することにより、「なくてはならない器材・サービスを創出し世界の発展に貢献する」ことを企業理念としています。 この理念を実現するために、AIやIoTなどの技術を取り込んだ「モノづくりの進化」、Futabaテクノロジーを進化・融合させた「新製品開発」に注力しています。さらに「モノづくりを基軸としたソリューション」による事業領域の拡大、「市場ニーズ」をダイレクトに商品企画や製造に反映させる取り組みの他、「選択と集中」により成長市場に向けた差別化と効率化を進め、収益性の拡大および継続的な企業価値の向上を図っていきます。 また、コンプライアンスの徹底による公正で透明性の高い経営を実践するとともに、持続可能な社会の実現を目指し、事業活動に取り組んでいます。 (2)経営環境 当社グループを取り巻く経営環境は、ウクライナ情勢の長期化などによるエネルギー価格の高騰、欧米での政策金利の引き上げに伴う急激な為替の変動、さらに半導体をはじめとした部材調達難による各製品の納期調整等、複合的な要因から厳しいものになりました。 このような経営環境の変化を取締役会他、執行役員を含めた経営会議等の場で電子デバイス関連事業および生産器材事業の主要製品ごとに影響を検討し適時対応してきました。 今後の状況については、世界的な金融引き締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など不安定な国際情勢の下、エネルギー・原材料価格・運送費などの上昇リスクが依然として想定されており、引き続き厳しい経営環境が継続するものと予想されます。 当社を取り巻く市場環境は、依然不透明な状況が予想されますが、中長期的な市場ニーズでは、コネクテッド、EV化、自動化等の高付加価値化およびサービス、エネルギー、デジタル、インフラ等の領域においてソフトウエア・システム化を駆使した多様なモビリティ活用製品や耐環境製品に加え、検査・監視、生産合理化支援等のニーズが継続することが見込まれます。 このような状況から、電子機器事業(2025年3月期より従来の「電子デバイス関連事業」から名称を変更)および生産器材事業では、センサーや無線技術を活用した融合商品、IoT機器やサーボ関連機器、UAV関連機器、成形・生産合理化機器等への継続的な需要が見込まれると捉え、タイムリーな市場投入を進めるとともに、持続的な利益創出と成長軌道への変革を進めていきます。 (3)中期経営計画と目標とする経営指標当社グループは、企業ビジョン「Futabaテクノロジーを進化させ、世界で躍進するリーディングカンパニーを目指します」の実現に向けて、中期的な戦略、方針を示すために、3カ年の中期経営計画を策定しています。① 単年度の事業再生計画「Re-Futaba–考動(決意と約束)–」の振り返り当社グループは、2020年8月5日に発表した中期経営計画「Futaba Innovation Plan 2023」の経営目標が大きく未達となったことから、2023年度に予定していた中期経営計画の更新を見送り、単年度の事業再生計画「Re-Futaba–考動(決意と約束)–」を策定しました。本計画において、構造改革を断行し、持続的な成長体制への立て直しを進めてきました。構造改革では、アウトセルタッチセンサー事業の事業終息および有機ELディスプレイ事業の自社生産終了を決定し、2024年度の生産終了に向けた活動を進めました。国内外の生産・販売拠点では、蛍光表示管の製造子会社および電子デバイス関連製品の販売子会社の解散を決定し、生産器材事業においては明石精機工場の閉鎖および中国生産拠点の再編を行いました。国内事業全体では、縮小した事業規模に見合った人員の適正化を進めるため、特別転進支援制度を実施しました。持続可能な成長体制への立て直しでは、変動費比率の改善は生産工程の自動化・省人化による工数削減や在庫削減が計画に達しなかったため予定を下回る結果となりましたが、固定費の削減は構造改革に加え固定費の統制等のコスト削減により計画以上に進展しました。これらの結果として、連結業績としては通期目標の通りコストを削減し、赤字幅を縮小しました。 ② 次期中期経営計画と目標とする経営指標について前述した構造改革を完遂させ、さらに盤石な事業基盤の構築に向けて、持続的に利益を創出する成長軌道への変革を進めるべく、2024年4月から2027年3月までの中期経営計画を策定いたしました。構造改革については、2024年度にアウトセルタッチセンサー事業の事業終息および有機ELディスプレイ事業の自社生産を終了いたします。これらの事業をシステムソリューション事業へ継承し製品の付加価値を高めるとともに、産業領域とホビー領域のロボティクス部門を統合しリソースの効率化を図るべく、2024年4月1日に組織再編を実施いたしました。既存事業については、適正在庫管理の徹底、販売価格の適正化、生産工程の自動化・省人化を一層進め収益性を改善していきます。当社グループは、「ハードを核にソフト・サービスを融合したソリューション事業領域へ」という事業ビジョンを設定し、従来のハード製品の製造・販売から、お客様のニーズに応じたソフトウエアやサービスを組み合わせたソリューション提供へと事業を発展させていきます。具体的には、電子機器事業では点検・防災・FA市場へのサービス提供、生産器材事業では良否判定・成形条件調整機能を備えた射出成形AIシステムの展開を進めていきます。コーポレート機能については、人財戦略、DX推進、リスクマネジメント機能の強化を通じて、経営基盤を強靭化していきます。また、ESG関連への取り組みをさらに推進し、環境負荷の低減、人財の確保、ガバナンス強化を含む持続可能な社会と企業価値の向上を目指します。これらの取り組みを通じて、本計画を着実に遂行し、目標達成に向けて取り組んでいきます。2027年3月期経営目標:売上高575億円 営業利益15億円 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 全社共通事項では、世界的な原材料、エネルギー価格や運送費などの高騰に対応するため、生産性の向上と固定費の削減を一層推進します。また、適正在庫管理の徹底と適正売価施策の実行に努めるとともに、全社的なデジタル化と業務の効率化、および保有資産の継続的な見直しを進めます。 見直しを行う事業として、アウトセルタッチセンサー事業は、2024年度に自社生産を終了し、今後は自社設計および外部生産を基本としたモジュール事業への転換を進めます。また、有機ELディスプレイ事業は、2024年度に自社生産を終了し、RiTdisplay Corporationとの事業提携により、販売およびモジュール事業への転換を進めます。RiTdisplay Corporationの高い生産能力とコスト競争力に当社の車載信頼性技術を融合し、付加価値を向上させていきます。 事業別には、システムソリューションは、顧客提供価値を「無線・IoT・システム技術を用いて、お客様の時間を創出」と定義し、無線通信技術の深耕化によるIoT環境を構築するシステム化製品を提案していきます。EMSでは既存顧客ニーズの深掘りにより次世代製品案件の継続獲得を目指すとともに、高い信頼性を求められる市場に対し拡販を強化し、新規案件の獲得を図っていきます。 ロボティクスソリューションは、顧客提供価値を「無線・制御技術を基盤にホビーからビジネスまでの幅広いシーンに対応した製品とサービスの提供」と定義し、ホビー用ラジコン市場をリードし強みを生かした魅力的な製品と新たな遊びを提案していきます。また、産業用ドローンはホビーラジコン技術を基軸に、点検・防災分野へ製品・サービスを提案し、領域拡大と市場開拓を行います。また、産業用サーボにおいては、UAV市場だけでなくFA市場向けへの製品開発・拡販を強化していきます。 生産器材事業は、顧客提供価値を「金型用器材加工を基礎としたソリューション」と定義し、お客様の調達から生産まで広範囲で合理化に貢献するソリューションを提供していきます。具体的な取り組みとしては、プレート製品・金型用器材は、多様化する市場要求に合わせ、合理的な自動化生産体制を構築し、納期や品質で顧客満足度の向上を図ります。また、フタバオーダーサイトやオンデマンド受託製造サービスによりお客様の調達支援を強化するとともに、軽量高強度で加工性に優れるCFRP製切削加工用厚板プレート「フェルカーボ」の用途開拓と拡販を図ります。 成形・生産合理化機器については、金型内計測システムおよびホットランナシステムの海外販売強化と売上構成比の拡大に努めます。金型内計測システムでは樹脂挙動のデジタル化とAIによる成形条件の最適化を組み合わせ、省人化と生産性向上に貢献するソリューションを提案していきます。また、新たな販売・マーケティングツールであるランディングページの充実やウェビナーのさらなる活用およびSDGsの問題解決に貢献する製品・サービスを提案し、成形・生産合理化機器の拡販を図っていきます。 なお、新型コロナウイルス感染症からの回復期を迎えておりますが、事業活動への影響が残る部分もあり、対策を継続していきます。電子機器事業では半導体の需給逼迫による生産遅れのリスクを最小化すべく、設計変更や代替品採用などの対策をグローバルに実施します。また、長期的には災害時の状況確認のための製品やデジタル関連、テレワーク需要、医療関連など、新たな事業領域への拡大を進めます。生産器材事業では部品供給体制についてBCP観点でのサプライチェーンの再検討、人手不足に対応するための自動化投資、遠隔操作やデータ取得による生産性の向上への寄与など、ハードウエアのみならずソフトウエア・サービスへ事業領域を拡大していきます。 今後とも需要変動や部材高騰、為替レート変動、地政学上のリスクの影響を注視することにより、リスクや不測の事態を想定し、経営環境の変化に臨機応変に対応できる体制の構築や柔軟な働き方への取り組みを実施し、迅速かつ的確な研究・製品開発と生産体制の構築を推進していきます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針 当社グループは、全社員が共有する理念・行動体系である「Futaba Way」の下、Futaba哲学の「本質之直視」により、事業戦略策定から業務執行全般・モノづくりの現場に至るまで、常に本質を見失うことなく事業を推進することにより、「なくてはならない器材・サービスを創出し世界の発展に貢献する」ことを企業理念としています。 この理念を実現するために、AIやIoTなどの技術を取り込んだ「モノづくりの進化」、Futabaテクノロジーを進化・融合させた「新製品開発」に注力しています。さらに「モノづくりを基軸としたソリューション」による事業領域の拡大、「市場ニーズ」をダイレクトに商品企画や製造に反映させる取り組みの他、「選択と集中」により成長市場に向けた差別化と効率化を進め、収益性の拡大および継続的な企業価値の向上を図っていきます。 また、コンプライアンスの徹底による公正で透明性の高い経営を実践するとともに、持続可能な社会の実現を目指し、事業活動に取り組んでいます。 (2)経営環境 当社グループを取り巻く経営環境は、ウクライナ情勢の長期化などによるエネルギー価格の高騰、欧米での政策金利の引き上げに伴う急激な為替の変動、さらに半導体をはじめとした部材調達難による各製品の納期調整等、複合的な要因から厳しいものになりました。 このような経営環境の変化を取締役会他、執行役員を含めた経営会議等の場で電子デバイス関連事業および生産器材事業の主要製品ごとに影響を検討し適時対応してきました。 今後の状況については、世界的な金融引き締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など不安定な国際情勢の下、エネルギー・原材料価格・運送費などの上昇リスクが依然として想定されており、引き続き厳しい経営環境が継続するものと予想されます。 当社を取り巻く市場環境は、依然不透明な状況が予想されますが、中長期的な市場ニーズでは、コネクテッド、EV化、自動化等の高付加価値化およびサービス、エネルギー、デジタル、インフラ等の領域においてソフトウエア・システム化を駆使した多様なモビリティ活用製品や耐環境製品に加え、検査・監視、生産合理化支援等のニーズが継続することが見込まれます。 このような状況から、電子機器事業(2025年3月期より従来の「電子デバイス関連事業」から名称を変更)および生産器材事業では、センサーや無線技術を活用した融合商品、IoT機器やサーボ関連機器、UAV関連機器、成形・生産合理化機器等への継続的な需要が見込まれると捉え、タイムリーな市場投入を進めるとともに、持続的な利益創出と成長軌道への変革を進めていきます。 (3)中期経営計画と目標とする経営指標当社グループは、企業ビジョン「Futabaテクノロジーを進化させ、世界で躍進するリーディングカンパニーを目指します」の実現に向けて、中期的な戦略、方針を示すために、3カ年の中期経営計画を策定しています。① 単年度の事業再生計画「Re-Futaba–考動(決意と約束)–」の振り返り当社グループは、2020年8月5日に発表した中期経営計画「Futaba Innovation Plan 2023」の経営目標が大きく未達となったことから、2023年度に予定していた中期経営計画の更新を見送り、単年度の事業再生計画「Re-Futaba–考動(決意と約束)–」を策定しました。本計画において、構造改革を断行し、持続的な成長体制への立て直しを進めてきました。構造改革では、アウトセルタッチセンサー事業の事業終息および有機ELディスプレイ事業の自社生産終了を決定し、2024年度の生産終了に向けた活動を進めました。国内外の生産・販売拠点では、蛍光表示管の製造子会社および電子デバイス関連製品の販売子会社の解散を決定し、生産器材事業においては明石精機工場の閉鎖および中国生産拠点の再編を行いました。国内事業全体では、縮小した事業規模に見合った人員の適正化を進めるため、特別転進支援制度を実施しました。持続可能な成長体制への立て直しでは、変動費比率の改善は生産工程の自動化・省人化による工数削減や在庫削減が計画に達しなかったため予定を下回る結果となりましたが、固定費の削減は構造改革に加え固定費の統制等のコスト削減により計画以上に進展しました。これらの結果として、連結業績としては通期目標の通りコストを削減し、赤字幅を縮小しました。 ② 次期中期経営計画と目標とする経営指標について前述した構造改革を完遂させ、さらに盤石な事業基盤の構築に向けて、持続的に利益を創出する成長軌道への変革を進めるべく、2024年4月から2027年3月までの中期経営計画を策定いたしました。構造改革については、2024年度にアウトセルタッチセンサー事業の事業終息および有機ELディスプレイ事業の自社生産を終了いたします。これらの事業をシステムソリューション事業へ継承し製品の付加価値を高めるとともに、産業領域とホビー領域のロボティクス部門を統合しリソースの効率化を図るべく、2024年4月1日に組織再編を実施いたしました。既存事業については、適正在庫管理の徹底、販売価格の適正化、生産工程の自動化・省人化を一層進め収益性を改善していきます。当社グループは、「ハードを核にソフト・サービスを融合したソリューション事業領域へ」という事業ビジョンを設定し、従来のハード製品の製造・販売から、お客様のニーズに応じたソフトウエアやサービスを組み合わせたソリューション提供へと事業を発展させていきます。具体的には、電子機器事業では点検・防災・FA市場へのサービス提供、生産器材事業では良否判定・成形条件調整機能を備えた射出成形AIシステムの展開を進めていきます。コーポレート機能については、人財戦略、DX推進、リスクマネジメント機能の強化を通じて、経営基盤を強靭化していきます。また、ESG関連への取り組みをさらに推進し、環境負荷の低減、人財の確保、ガバナンス強化を含む持続可能な社会と企業価値の向上を目指します。これらの取り組みを通じて、本計画を着実に遂行し、目標達成に向けて取り組んでいきます。2027年3月期経営目標:売上高575億円 営業利益15億円 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 全社共通事項では、世界的な原材料、エネルギー価格や運送費などの高騰に対応するため、生産性の向上と固定費の削減を一層推進します。また、適正在庫管理の徹底と適正売価施策の実行に努めるとともに、全社的なデジタル化と業務の効率化、および保有資産の継続的な見直しを進めます。 見直しを行う事業として、アウトセルタッチセンサー事業は、2024年度に自社生産を終了し、今後は自社設計および外部生産を基本としたモジュール事業への転換を進めます。また、有機ELディスプレイ事業は、2024年度に自社生産を終了し、RiTdisplay Corporationとの事業提携により、販売およびモジュール事業への転換を進めます。RiTdisplay Corporationの高い生産能力とコスト競争力に当社の車載信頼性技術を融合し、付加価値を向上させていきます。 事業別には、システムソリューションは、顧客提供価値を「無線・IoT・システム技術を用いて、お客様の時間を創出」と定義し、無線通信技術の深耕化によるIoT環境を構築するシステム化製品を提案していきます。EMSでは既存顧客ニーズの深掘りにより次世代製品案件の継続獲得を目指すとともに、高い信頼性を求められる市場に対し拡販を強化し、新規案件の獲得を図っていきます。 ロボティクスソリューションは、顧客提供価値を「無線・制御技術を基盤にホビーからビジネスまでの幅広いシーンに対応した製品とサービスの提供」と定義し、ホビー用ラジコン市場をリードし強みを生かした魅力的な製品と新たな遊びを提案していきます。また、産業用ドローンはホビーラジコン技術を基軸に、点検・防災分野へ製品・サービスを提案し、領域拡大と市場開拓を行います。また、産業用サーボにおいては、UAV市場だけでなくFA市場向けへの製品開発・拡販を強化していきます。 生産器材事業は、顧客提供価値を「金型用器材加工を基礎としたソリューション」と定義し、お客様の調達から生産まで広範囲で合理化に貢献するソリューションを提供していきます。具体的な取り組みとしては、プレート製品・金型用器材は、多様化する市場要求に合わせ、合理的な自動化生産体制を構築し、納期や品質で顧客満足度の向上を図ります。また、フタバオーダーサイトやオンデマンド受託製造サービスによりお客様の調達支援を強化するとともに、軽量高強度で加工性に優れるCFRP製切削加工用厚板プレート「フェルカーボ」の用途開拓と拡販を図ります。 成形・生産合理化機器については、金型内計測システムおよびホットランナシステムの海外販売強化と売上構成比の拡大に努めます。金型内計測システムでは樹脂挙動のデジタル化とAIによる成形条件の最適化を組み合わせ、省人化と生産性向上に貢献するソリューションを提案していきます。また、新たな販売・マーケティングツールであるランディングページの充実やウェビナーのさらなる活用およびSDGsの問題解決に貢献する製品・サービスを提案し、成形・生産合理化機器の拡販を図っていきます。 なお、新型コロナウイルス感染症からの回復期を迎えておりますが、事業活動への影響が残る部分もあり、対策を継続していきます。電子機器事業では半導体の需給逼迫による生産遅れのリスクを最小化すべく、設計変更や代替品採用などの対策をグローバルに実施します。また、長期的には災害時の状況確認のための製品やデジタル関連、テレワーク需要、医療関連など、新たな事業領域への拡大を進めます。生産器材事業では部品供給体制についてBCP観点でのサプライチェーンの再検討、人手不足に対応するための自動化投資、遠隔操作やデータ取得による生産性の向上への寄与など、ハードウエアのみならずソフトウエア・サービスへ事業領域を拡大していきます。 今後とも需要変動や部材高騰、為替レート変動、地政学上のリスクの影響を注視することにより、リスクや不測の事態を想定し、経営環境の変化に臨機応変に対応できる体制の構築や柔軟な働き方への取り組みを実施し、迅速かつ的確な研究・製品開発と生産体制の構築を推進していきます。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】経営成績等の概要(1) 経営成績 当期の経営成績 当連結会計年度における国内経済は、昨年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が「5類」へ移行したことに伴い、社会・経済活動は正常化に向かいましたが、不安定な国際情勢のなか、円安を背景とした物価上昇、資源・エネルギー価格の高止まりにより、依然として厳しい状況が続きました。 世界経済におきましても、半導体などの部材調達難には改善の動きが見られたものの、国内と同様に資源・エネルギー価格の高騰による物価の高止まりやインフレ抑制のための政策金利引き上げを要因とした景気の減速のほか、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫化など、先行き不透明な状況が継続しています。 こうした経済情勢下、当社グループは単年度の事業再生計画「Re-Futaba -考動(決意と約束)-」に基づき、構造改革を確実に遂行するとともに、持続的に成長できる体制への立て直しによる企業価値の向上に努めました。 なお、当期に実施した主な取り組みは、以下のとおりです。(構造改革)・有機ELディスプレイの自社生産終了およびアウトセルタッチセンサーの事業終息に向けた取り組みと事業構造の再構築・蛍光表示管の生産終了および製造子会社の解散決定・当社における特別転進支援制度の実施・電子デバイス関連事業の海外販売拠点再編による、シンガポール子会社の解散決定・生産器材事業の国内工場集約および中国生産拠点の人員適正化を踏まえた生産体制の再構築(持続可能な成長体制への立て直し)・適正売価政策の積極的な推進および適正在庫管理の強化・サステナビリティへの取り組みとして、2023年度の当社単体GHG排出量(温室効果ガス排出量)の公表、人的資本活用として「人事制度改定」「人財育成」「リスキリング」の計画に沿った活動を実施・産業用ドローンでは実証実験の実施とともに、小型・軽量設計のレンズ交換式フルサイズ業務用カメラをオプションとして搭載する運用を開始・生産器材事業のECサイトで展開している簡易設計・調達サービス「Plate Builder(プレートビルダー)」の加工対応範囲、加工種類拡充により、FA業界における調達業務の合理化を推進 以上の結果、当連結会計年度における売上高は563億6千万円(前期比6.6%減)となりました。このうち海外売上高は321億8千9百万円(前期比7.4%減)となり、国内売上高は241億7千万円(前期比5.4%減)となりました。収益面では、営業損失は11億4千1百万円(前期は営業損失23億8千7百万円)となりました。また、経常利益は5億7千万円(前期は経常損失11億3千4百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は、構造改革による事業再編損および固定資産の減損損失を計上したことなどにより18億5千4百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失34億9千9百万円)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。 ① 電子デバイス関連(主な製品:タッチセンサー、有機ELディスプレイ、蛍光表示管、複合モジュール、産業用ラジコン機器、 ホビー用ラジコン機器等) タッチセンサーでは、顧客における部材調達難が一部で解消したことから国内の車載用途で出荷が進んだものの、海外での販売が縮小していることから、売上げは前期を下回りました。 有機ELディスプレイでは、適正売価政策の推進に加えて、自社生産終了決定に伴う追加受注があったことから、売上げは前期を上回りました。 複合モジュールでは、部材調達難が一部で解消し、計測器用途は横ばいであったものの車載用途および娯楽用途が順調に推移、EMSにおいては需要に一服感はあるものの車載用途や計測器用途が堅調であったことから、売上げは前期を上回りました。 産業用ラジコン機器では、トラッククレーンなどの建機向けは堅調に推移しましたが、FA向けが低調に推移したことから、売上げは前期を下回りました。 ホビー用ラジコン機器は、限定企画商品などの市場投入を実施しましたが、市況の悪化が継続しており、国内および欧米での販売が低迷したことから、売上げは前期を下回りました。 営業損失は、海外製造拠点の解散を含めた構造改革の効果や、固定費の統制を継続したことなどにより、前期に比べて損失が縮小しました。 ② 生産器材(主な製品:プレート製品、金型用器材、成形・生産合理化機器) 国内では、前期から継続して適正売価政策を推し進め、プレス金型用器材は堅調に推移したものの、樹脂成形関連や設備関連市場の停滞が継続し、モールド金型用器材やプレート製品が低調に推移したことから、売上げは前期を下回りました。 海外では、主力の韓国市場において携帯電話や家電向けの低迷に加え競合との価格競争の影響を受け軟調に推移し、中国・アセアン市場の市況低迷も続いたことから、売上げは前期を下回りました。 営業損益は、固定費統制の継続強化に加えて構造改革の効果による影響があったものの、市況悪化に伴う操業度の悪化や退職給付費用の増加の影響も受けたことから、前期に比べて減益となり、赤字となりました。 (2) 当期の財政状態の概況(資産、負債、純資産及びキャッシュ・フローの状況に関する分析)① 総資産は、投資有価証券や現金及び預金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ61億4千4百万円増加し、1,042億6千3百万円となりました。 負債は、繰延税金負債の増加などにより、前連結会計年度末に比べ8億2千6百万円増加し、137億3千3百万円となりました。 純資産は、為替換算調整勘定やその他有価証券評価差額金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ53億1千8百万円増加し、905億2千9百万円となりました。この結果、自己資本比率は75.0%となりました。② 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は213億1千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ57億9千3百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果獲得した資金は、15億2千9百万円(前期は58億2千9百万円の使用)となりました。これは主に、棚卸資産の減少額39億2千7百万円や売上債権の減少額14億3千8百万円などによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果獲得した資金は、42億1千2百万円(前期は10億5千6百万円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入15億8千9百万円や投資有価証券の売却及び償還による収入10億5千7百万円などによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は、11億2千9百万円(前期は14億5千8百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額5億1千万円などの支出によるものです。 (3) 生産、受注及び販売の実績 ① 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)前期比(%)電子デバイス関連(百万円)22,26085.2生産器材(百万円)28,84696.3 合 計 (百万円)51,10791.1 (注)1.セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでいます。2.金額は売価換算値で表示しています。 ② 受注実績 製品の性質上、原則として需要予測に基づく見込み生産を主体としていますので記載を省略しています。 ③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)前期比(%)電子デバイス関連(百万円)24,81390.9生産器材(百万円)31,54795.5 合 計 (百万円)56,36093.4 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しています。2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当 該割合が100分の10以上の相手先が無いため、記載を省略しています。(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りについては、過去の実績を勘案し、合理的に判断していますが、見積りには不確実性が伴い、実際の結果と異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。 ② 経営成績の分析当連結会計年度の当社グループの売上高は563億6千万円、営業損失は11億4千1百万円、経常利益は5億7千万円、親会社株主に帰属する当期純損失は18億5千4百万円となりました。売上高については、前期比6.6%減となりました。収益面では、操業度悪化による減益影響があったものの、国内外製造拠点の整理を含めた構造改革の断行に加え、全社で固定費の統制を継続強化したことにより、営業損失は11億4千1百万円(前期は営業損失23億8千7百万円)となり赤字縮小となりました。経常利益は営業損失の縮小に加え、為替差益を計上したことなどにより5億7千万円(前期は経常損失11億3千4百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、構造改革による事業再編損および固定資産の減損損失を計上したことなどから18億5千4百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失34億9千9百万円)となりました。 ③ 財政状態の分析当連結会計年度末の総資産は、投資有価証券や現金及び預金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ61億4千4百万円増加し、1,042億6千3百万円となりました。当連結会計年度末の負債は、繰延税金負債の増加などにより、前連結会計年度末に比べ8億2千6百万円増加し、137億3千3百万円となりました。また、当連結会計年度末の純資産は、為替換算調整勘定やその他有価証券評価差額金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ53億1千8百万円増加し、905億2千9百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末75.2%から0.2ポイント減少して75.0%となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末に比べて104円32銭増加して、1,843円89銭となりました。 ④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析・ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は213億1千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ57億9千3百万円増加しました。 営業活動の結果獲得した資金は、15億2千9百万円(前期は58億2千9百万円の使用)となりました。これは主に、棚卸資産の減少額39億2千7百万円や売上債権の減少額14億3千8百万円などによるものです。 投資活動の結果獲得した資金は、42億1千2百万円(前期は10億5千6百万円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入15億8千9百万円や投資有価証券の売却及び償還による収入10億5千7百万円などによるものです。 財務活動の結果使用した資金は、11億2千9百万円(前期は14億5千8百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額5億1千万円などの支出によるものです。 ・ 資金需要及び財務政策 当社グループでは、今後もグローバルな市場への展開のために、主に日本における研究開発が不可欠であると考えており、そのための研究開発投資とグループ内の事業投資を継続していきます。 また、当社グループでは引き続き財務の健全性を堅持し、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことによって、当社グループの成長に必要な資金を調達していくことが可能であると考えています。加えて、機動的かつ安定的な必要運転資金の調達を可能とするため、コミットメントライン契約を締結し、流動性リスクに備えています。なお、本契約における当連結会計年度末の借入実行残高はありません。 ⑤ 経営者の問題認識と今後の方針経営者の問題認識と今後の方針については、本項に記載のほか、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、「本質之直視」をFutaba哲学と定め、ものづくりの現場から業務執行全般に至るまで、常に本質を見失うことなく事業を推進することにより、「なくてはならない器材・サービスを創出し、世界の発展に貢献する」ことを企業理念としています。この理念を実現するため、時代変化を先読みした「なくてはならないもの」を生み出すとともに、さらなる高品質、高信頼性に徹したものづくり体制の構築や、短納期かつ安定した供給体制の実現を通して、企業価値の継続的向上をはかるとともに、公正で透明性の高い経営を実践し、真に社会に有用な企業となることを目指して効率的な健全経営に取り組んでいます。 なお、当社グループは平成31年度を最終年度とした中期経営計画『Futaba Innovation Plan 2020』に基づき、「売上高740億円、営業利益28億円、営業利益率4%」の達成を目標として取り組んでいます。 当社グループを取り巻く環境は、米国政策や中国情勢による世界経済の変動や地政学的リスクの影響が懸念されるものの、全体として緩やかな成長が予想されますが、市場競争の激化や市場構造の変化、原材料調達における市況の影響や為替の変動等、事業環境は不透明な状況が見込まれます。このような状況に対処するため、当社グループは中期経営計画『Futaba Innovation Plan 2020』に基づき、「次期成長に向けた体質の改革」および「自社の強みを進化させ、成長事業へ革新」の基本方針の下、業績改善と更なる発展への基礎固めに取り組んでいます。「次期成長に向けた体質の改革」の取組としては、組織体制の再編や市場・製品の集中、生産体制の改革や国内外拠点の再構築などの体質改革に継続して取り組みます。「自社の強みを進化させ、成長事業へ革新」の取組としては、社内リソースの融合と応用、アライアンスやM&Aの活用、戦略思考に基づく人材育成によって、挑戦的風土の醸成をはかります。また研究・開発では、顧客価値を追求した事業モデルの開発、新技術の探求と先鋭化による要素技術開発を進めるとともに、外部リソースとの共鳴により技術進化を加速させ、応用製品開発にも機動的に取り組みます。 事業別には、電子デバイス関連事業では「ヒトとモノとの快適インターフェイス」のニッチトップを目指した変革に取り組みます。ディスプレイ:蛍光表示管は、生産拠点集約と徹底した合理化により収益力を向上させます。有機ELディスプレイは、差別化商品の創出による独自性を生かした市場・製品に集中することにより、収益力を強化し成長を加速させます。タッチセンサー:車載用途市場の拡大トレンドを確実に捉え、オープンイノベーションによるデザイン性の高い新商品開発で、更なる成長を目指します。システムソリューション:無線技術を核としたHMI、ロボティクス、IoT分野での融合商品を具現化します。複合モジュールは、無線技術と様々な電子デバイスの活用によるIoT分野での融合商品を具現化した製品の展開をはかります。産業用ラジコンは、高画質画像伝送技術による新用途の開拓や、ドローン事業・農業分野への展開など、積極的なアライアンスによる事業ドメインの拡張をはかります。ホビー用ラジコンは、トップブランドとして新しい「遊び」の提案に挑戦し、コンシューマーに新たな魅力を提供します。また、サーボを応用したソリューション提案により、ホビー・産業の両分野にまたがる新分野への展開を積極的に進めます。生産器材事業では、ICTを徹底活用した「工程の知能化」によるモノづくりの合理化に貢献します。プレート製品は、調達の合理化を「モノからコト」へ拡張する、新サービスを提供します。金型用器材は、熟練工の技能を生産システムに展開し、短納期かつ高品質な製品を提供することで、顧客の設計・調達工数を削減するサービスを実現します。成形合理化機器は、IoT遠隔監視システムやデータ解析による生産合理化支援サービスなど、生産ラインの省人化・合理化を総合的に支援する製品・サービスの開発を進めます。 今後も株主の皆様の負託にこたえることを経営上の最重要課題と認識し、継続的かつ安定的な利益還元を実施するとともに、コンプライアンスの浸透、リスク管理の強化に努めていきます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、「本質之直視」をFutaba哲学と定め、ものづくりの現場から業務執行全般に至るまで、常に本質を見失うことなく事業を推進することにより、「なくてはならない器材・サービスを創出し、世界の発展に貢献する」ことを企業理念としています。この理念を実現するため、時代変化を先読みした「なくてはならないもの」を生み出すとともに、さらなる高品質、高信頼性に徹したものづくり体制の構築や、短納期かつ安定した供給体制の実現を通して、企業価値の継続的向上をはかるとともに、公正で透明性の高い経営を実践し、真に社会に有用な企業となることを目指して効率的な健全経営に取り組んでいます。 なお、当社グループは平成31年度を最終年度とした中期経営計画『Futaba Innovation Plan 2020』に基づき、「売上高740億円、営業利益28億円、営業利益率4%」の達成を目標として取り組んでいます。 当社グループを取り巻く環境は、米国政策や中国情勢による世界経済の変動や地政学的リスクの影響が懸念されるものの、全体として緩やかな成長が予想されますが、市場競争の激化や市場構造の変化、原材料調達における市況の影響や為替の変動等、事業環境は不透明な状況が見込まれます。このような状況に対処するため、当社グループは中期経営計画『Futaba Innovation Plan 2020』に基づき、「次期成長に向けた体質の改革」および「自社の強みを進化させ、成長事業へ革新」の基本方針の下、業績改善と更なる発展への基礎固めに取り組んでいます。「次期成長に向けた体質の改革」の取組としては、組織体制の再編や市場・製品の集中、生産体制の改革や国内外拠点の再構築などの体質改革に継続して取り組みます。「自社の強みを進化させ、成長事業へ革新」の取組としては、社内リソースの融合と応用、アライアンスやM&Aの活用、戦略思考に基づく人材育成によって、挑戦的風土の醸成をはかります。また研究・開発では、顧客価値を追求した事業モデルの開発、新技術の探求と先鋭化による要素技術開発を進めるとともに、外部リソースとの共鳴により技術進化を加速させ、応用製品開発にも機動的に取り組みます。 事業別には、電子デバイス関連事業では「ヒトとモノとの快適インターフェイス」のニッチトップを目指した変革に取り組みます。ディスプレイ:蛍光表示管は、生産拠点集約と徹底した合理化により収益力を向上させます。有機ELディスプレイは、差別化商品の創出による独自性を生かした市場・製品に集中することにより、収益力を強化し成長を加速させます。タッチセンサー:車載用途市場の拡大トレンドを確実に捉え、オープンイノベーションによるデザイン性の高い新商品開発で、更なる成長を目指します。システムソリューション:無線技術を核としたHMI、ロボティクス、IoT分野での融合商品を具現化します。複合モジュールは、無線技術と様々な電子デバイスの活用によるIoT分野での融合商品を具現化した製品の展開をはかります。産業用ラジコンは、高画質画像伝送技術による新用途の開拓や、ドローン事業・農業分野への展開など、積極的なアライアンスによる事業ドメインの拡張をはかります。ホビー用ラジコンは、トップブランドとして新しい「遊び」の提案に挑戦し、コンシューマーに新たな魅力を提供します。また、サーボを応用したソリューション提案により、ホビー・産業の両分野にまたがる新分野への展開を積極的に進めます。生産器材事業では、ICTを徹底活用した「工程の知能化」によるモノづくりの合理化に貢献します。プレート製品は、調達の合理化を「モノからコト」へ拡張する、新サービスを提供します。金型用器材は、熟練工の技能を生産システムに展開し、短納期かつ高品質な製品を提供することで、顧客の設計・調達工数を削減するサービスを実現します。成形合理化機器は、IoT遠隔監視システムやデータ解析による生産合理化支援サービスなど、生産ラインの省人化・合理化を総合的に支援する製品・サービスの開発を進めます。 今後も株主の皆様の負託にこたえることを経営上の最重要課題と認識し、継続的かつ安定的な利益還元を実施するとともに、コンプライアンスの浸透、リスク管理の強化に努めていきます。
MD&A(経営者による分析)
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】業績等の概要(1) 業績① 当期の経営成績 当連結会計年度における国内経済は、企業業績や雇用・所得環境の改善に支えられ、緩やかな回復基調が続きました。 一方、世界経済は、米国では個人消費の拡大や設備投資の増加に支えられ景気回復が継続しており、中国も堅調な個人消費や輸出に支えられた景気の持ち直しが続いていますが、北朝鮮・中東情勢などの地政学的リスクや米国の保護主義的な動向については、依然として留意すべき状況が続いています。 このような状況のなか、当社グループは、2017年5月に2020年までの目指すべき方向性を明確にした中期経営計画(Futaba Innovation Plan 2020)を発表し、この期間を次代の発展の基礎固めと位置付け、その達成に向けて取り組みました。 当連結会計年度に実施した主な取り組み内容は、以下のとおりです。・ 株式会社カブクを子会社化し、モノづくりにおいて、従来のハードにソフト要素を付加した新たな価値の 創出を図りました。・ 複合モジュールとラジコン機器の融合によるシナジー効果創出を目的として、システムソリューション事 業センターを新設しました。・ 電子部品部門の営業組織であるデバイス営業センターに電子機器部門の営業を統合し、情報の共有化を図 るとともに、東京セールスオフィスを新設し、販売力強化に努めました。・ 蛍光表示管の今後の需要を考慮して、国内および台湾子会社の生産を終了し、フィリピン子会社に集約し ました。 以上の結果、当連結会計年度における売上高は693億5千3百万円(前期比8.1%増)となりました。このうち海外売上高は440億2千2百万円(前期比8.1%増)となり、国内売上高は253億3千1百万円(前期比8.1%増)となりました。 収益面では、営業利益は7億2千6百万円(前期は営業損失3億8千4百万円)となりました。また、経常利益は9億9千7百万円(前期は経常損失3億2千1百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、11億7千9百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失23億7千1百万円)となりました。 セグメントの業績は、次のとおりです。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えています。 (電子デバイス関連)(主な製品:蛍光表示管、有機ELディスプレイ、タッチセンサー、複合モジュール、産業用ラジコン機器、 ホビー用ラジコン機器等)<蛍光表示管の売上高の状況> 家電用途は順調でしたが、自動車、音響用途の需要が減少したことにより、売上げは前期を下回りました。 <有機ELディスプレイの売上高の状況> 通信機用途や映像用途は伸びましたが、自動車用途が大きく減少したことから、売上げは前期を下回りました。 <タッチセンサーの売上高の状況> 国内・海外ともに主力の車載用途が計画を上回るペースで拡大し、売上げは前期を大幅に上回りました。 <複合モジュールの売上高の状況> 主力のPOS用途は前年並みで推移しましたが、自動車用途が低調であったことから、売上げは前期を下回りました。<産業用ラジコン機器の売上高の状況> 農業関連向けが順調に推移し、FA向けも堅調であったことから、売上げは前期を上回りました。 <ホビー用ラジコン機器の売上高の状況> 北米向けは、取引先の業績悪化の影響を受けて落ち込みましたが、北米以外の地域は堅調で、また、大手パートワーク(分冊百科)販売会社向けコマンド方式サーボが大きく伸長したことから、売上げは前期を上回りました。 (生産器材)(主な製品:プレート製品、金型用器材、成形合理化機器)<国内売上高の状況> 国内市場は堅調に推移し、また重点施策であるプレート製品および成形合理化機器が伸びたことから、売上げは前期を上回りました。<海外売上高の状況> 韓国は、スマートフォン向けが低迷していますが、中国およびタイにおいては、自動車向けが順調に推移し、売上げは前期をやや上回りました。 (2) 当期の財政状態の概況(資産、負債、純資産及びキャッシュ・フローの状況に関する分析)① 総資産は、現金及び預金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ10億3千3百万円減少し、1,435億4千2百万円となりました。 負債は、退職給付に係る負債の減少や短期借入金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ7億8千5百万円減少し、161億1千2百万円となりました。 純資産は、利益剰余金の減少や退職給付に係る調整累計額の増加などにより、前連結会計年度末に比べ2億4千7百万円減少し、1,274億3千万円となりました。この結果、自己資本比率は82.0%となりました。② 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は377億1千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ41億2千4百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果使用した資金は、1億5千4百万円(前期は48億7百万円の獲得)となりました。これは主に、減価償却費34億7千5百万円などの増加と、たな卸資産の増加額22億6百万円および売上債権の増加額13億9千8百万円などの減少によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は、6億8千万円(前期は36億4千6百万円の獲得)となりました。これは主に、定期預金の払戻209億6千7百万円および有形固定資産の売却27億4千3百万円などの収入と、定期預金の預入189億4千2百万円および有形固定資産の取得27億2百万円などの支出によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は、32億1千9百万円(前期は20億4千3百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額37億3千2百万円などの支出によるものです。(3) 生産、受注及び販売の実績当連結会計年度より、技術および営業部門の統合によるシナジー効果や新たな融合商品の創出を行うことを目的 とした会社組織の変更に伴い、報告セグメントを従来の「電子部品」、「電子機器」および「生産器材」の3区分 から、「電子デバイス関連」、「生産器材」の2区分に変更しており、「前期比(%)」は、前連結会計年度の数 値を変更後のセグメント区分に組み替えて算出しています。① 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 平成29年4月1日至 平成30年3月31日)前期比(%)電子デバイス関連(百万円)37,086115.6生産器材(百万円)28,865105.1 合 計 (百万円)65,952110.8 (注)1.セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでいます。2.金額は売価換算値で表示しています。3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。 ② 受注実績 製品の性質上、原則として需要予測に基づく見込み生産を主体としていますので記載を省略しています。③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 平成29年4月1日至 平成30年3月31日)前期比(%)電子デバイス関連(百万円)36,963109.8生産器材(百万円)32,390106.3 合 計 (百万円)69,353108.1 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しています。2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。3.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当 該割合が100分の10以上の相手先が無いため、記載を省略しています。(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準により作成されており、詳細は当有価証券報告書「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表[注記事項]」に記載しています。決算数値に影響を与える将来の見積りおよび条件設定に関して、当社経営陣は将来の事業環境動向および過去の実績などを合理的な分析手法、客観的データにて判断し、さらに当社の経営戦略を加味して策定しています。当社は、貸倒引当金の設定、たな卸資産の評価、金融商品の時価評価、固定資産の減損会計、税効果会計および退職給付会計などに関わる会計方針が重要であると認識しています。 ② 経営成績の分析当連結会計年度の当社グループの売上高は693億5千3百万円、営業利益は7億2千6百万円、経常利益は9億9千7百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は11億7千9百万円となりました。売上高については、前期比8.1%増となりました。収益面では、売上げの増加などにより営業利益は7億2千6百万円(前期は営業損失3億8千4百万円)となり、経常利益は為替差損の減少などにより9億9千7百万円(前期は経常損失3億2千1百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益の増加などから11億7千9百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失23億7千1百万円)となりました。 ③ 財政状態の分析当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ10億3千3百万円減少し、1,435億4千2百万円となりました。当連結会計年度末の負債は、退職給付に係る負債の減少や短期借入金の増加などにより、前連結会計年度末に比べて7億8千5百万円減少し、161億1千2百万円となりました。また、当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金の減少や退職給付に係る調整累計額の増加などにより、前連結会計年度末に比べて2億4千7百万円減少し、1,274億3千万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末81.7%から0.3ポイント増加して82.0%となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末に比べて10円23銭減少して、2,775円57銭となりました。 ④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析・ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は377億1千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ41億2千4百万円減少しました。 営業活動の結果使用した資金は、1億5千4百万円(前期は48億7百万円の獲得)となりました。これは主に、減価償却費34億7千5百万円などの増加と、たな卸資産の増加額22億6百万円および売上債権の増加額13億9千8百万円などの減少によるものです。 投資活動の結果使用した資金は、6億8千万円(前期は36億4千6百万円の獲得)となりました。これは主に、定期預金の払戻209億6千7百万円および有形固定資産の売却27億4千3百万円などの収入と、定期預金の預入189億4千2百万円および有形固定資産の取得27億2百万円などの支出によるものです。 財務活動の結果使用した資金は、32億1千9百万円(前期は20億4千3百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額37億3千2百万円などの支出によるものです。 ・ 資金需要及び財務政策 当社グループでは、今後もグローバルな市場への展開のために、主に日本における研究開発が不可欠であると考えており、そのための研究開発投資とグループ内の事業投資を今後も継続していきます。 また、当社グループでは引き続き財務の健全性を堅持し、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことによって、当社グループの成長に必要な資金を調達していくことが可能であると考えています。 ⑤ 経営者の問題認識と今後の方針経営者の問題認識と今後の方針については、本項に記載のほか、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
経営方針・経営戦略
3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、「本質之直視」を企業哲学と定め、ものづくりの現場から業務執行全般に至るまで、常に本質を見失うことなく事業を推進することにより、「なくてはならない器材・サービスを創出し、世界の発展に貢献する」ことを企業理念としています。この理念を実現するため、さらなる高品質、高信頼性に徹したものづくり体制の構築や、短納期かつ安定した供給体制の実現を通して、企業価値の継続的向上をはかるとともに、公正で透明性の高い経営を実践し、真に社会に有用な企業となることを目指して効率的な健全経営に取り組んでいます。 当社グループを取り巻く環境は、米国新大統領の政策等による為替や株価の大幅な変動、欧州経済状況の先行き不透明感、中国経済の減速懸念、中東や東アジア周辺諸国の地政学的情勢や国内外での一段の競争激化等、ますます厳しい状況が見込まれます。このような状況に対処するため、収益改善施策を継続的に実行し、先読みと早期のアクションを取ることにより、産業構造の変化などの外部環境に左右されない強い経営体質への変革に取り組みます。また、次期成長に向けた取組として、組織体制の再編や市場・製品の集中、生産体制の改革や国内外の再構築などの体質改革にも取り組みます。さらに、自社の強みを進化させ、成長事業への革新に取り組みます。社内リソースの融合と応用、アライアンスやM&Aの活用、戦略思考に基づく人材育成によって、挑戦的風土の醸成をはかります。このような取組のもと、研究・開発では、顧客価値を追求した事業モデルの開発、新技術の探求と先鋭化による要素技術開発を進めるとともに、外部リソースとの共鳴により技術進化を加速させ、応用製品開発にも機動的に取組みます。 事業別には、電子デバイス関連事業では「ヒトとモノとの快適インターフェイス」のニッチトップを目指した変革に取り組みます。有機ELディスプレイ(OLED)では、車載用途や透過型製品など、独自性を生かした市場・製品に集中することにより、収益力を強化し成長を加速させます。タッチパネルでは、車載用途市場の拡大トレンドを確実に捉え、オープンイノベーションによるデザイン性の高い新商品開発で、更なる成長を目指します。蛍光表示管(VFD)では、製造拠点の海外集約と徹底した合理化により収益力を向上させます。複合モジュールでは、従来のVFDモジュールに加え、LCDモジュールの拡充や社内の無線技術応用製品など、様々なデバイスによるモジュール製品の展開をはかります。ホビー用ラジコン機器では、トップブランドとして新しい「遊び」の提案に挑戦し、コンシューマーに新たな魅力を提供します。産業用無線ラジコン機器では、高画質画像伝送技術による新用途の開拓や、ドローン事業・農業分野への展開など、積極的なアライアンスによる事業ドメインの拡張をはかります。また、サーボを応用したソリューション提案により、ホビー・産業の両分野にまたがる新分野への展開を積極的に進めます。 生産器材事業では、ICTを徹底活用した「工程の知能化」によるモノづくりの合理化に貢献します。金型用器材では、熟練工の技能を生産システムに展開し、短納期かつ高品質な製品を提供することで、顧客の設計・調達工数を削減するサービスを実現します。プレート製品は、調達の合理化を「モノからコト」へ拡張する、新サービスを提供します。成形合理化機器では、IoT遠隔監視システムやデータ解析による生産合理化支援サービスなど、生産ラインの省人化・合理化を総合的に支援する製品・サービスの開発を進めます。 今後も株主の皆様の負託にこたえることを経営上の最重要課題と認識し、継続的かつ安定的な利益還元を実施するとともに、コンプライアンスの浸透、リスク管理の強化に努めていきます。
対処すべき課題
3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、「本質之直視」を企業哲学と定め、ものづくりの現場から業務執行全般に至るまで、常に本質を見失うことなく事業を推進することにより、「なくてはならない器材・サービスを創出し、世界の発展に貢献する」ことを企業理念としています。この理念を実現するため、さらなる高品質、高信頼性に徹したものづくり体制の構築や、短納期かつ安定した供給体制の実現を通して、企業価値の継続的向上をはかるとともに、公正で透明性の高い経営を実践し、真に社会に有用な企業となることを目指して効率的な健全経営に取り組んでいます。 当社グループを取り巻く環境は、米国新大統領の政策等による為替や株価の大幅な変動、欧州経済状況の先行き不透明感、中国経済の減速懸念、中東や東アジア周辺諸国の地政学的情勢や国内外での一段の競争激化等、ますます厳しい状況が見込まれます。このような状況に対処するため、収益改善施策を継続的に実行し、先読みと早期のアクションを取ることにより、産業構造の変化などの外部環境に左右されない強い経営体質への変革に取り組みます。また、次期成長に向けた取組として、組織体制の再編や市場・製品の集中、生産体制の改革や国内外の再構築などの体質改革にも取り組みます。さらに、自社の強みを進化させ、成長事業への革新に取り組みます。社内リソースの融合と応用、アライアンスやM&Aの活用、戦略思考に基づく人材育成によって、挑戦的風土の醸成をはかります。このような取組のもと、研究・開発では、顧客価値を追求した事業モデルの開発、新技術の探求と先鋭化による要素技術開発を進めるとともに、外部リソースとの共鳴により技術進化を加速させ、応用製品開発にも機動的に取組みます。 事業別には、電子デバイス関連事業では「ヒトとモノとの快適インターフェイス」のニッチトップを目指した変革に取り組みます。有機ELディスプレイ(OLED)では、車載用途や透過型製品など、独自性を生かした市場・製品に集中することにより、収益力を強化し成長を加速させます。タッチパネルでは、車載用途市場の拡大トレンドを確実に捉え、オープンイノベーションによるデザイン性の高い新商品開発で、更なる成長を目指します。蛍光表示管(VFD)では、製造拠点の海外集約と徹底した合理化により収益力を向上させます。複合モジュールでは、従来のVFDモジュールに加え、LCDモジュールの拡充や社内の無線技術応用製品など、様々なデバイスによるモジュール製品の展開をはかります。ホビー用ラジコン機器では、トップブランドとして新しい「遊び」の提案に挑戦し、コンシューマーに新たな魅力を提供します。産業用無線ラジコン機器では、高画質画像伝送技術による新用途の開拓や、ドローン事業・農業分野への展開など、積極的なアライアンスによる事業ドメインの拡張をはかります。また、サーボを応用したソリューション提案により、ホビー・産業の両分野にまたがる新分野への展開を積極的に進めます。 生産器材事業では、ICTを徹底活用した「工程の知能化」によるモノづくりの合理化に貢献します。金型用器材では、熟練工の技能を生産システムに展開し、短納期かつ高品質な製品を提供することで、顧客の設計・調達工数を削減するサービスを実現します。プレート製品は、調達の合理化を「モノからコト」へ拡張する、新サービスを提供します。成形合理化機器では、IoT遠隔監視システムやデータ解析による生産合理化支援サービスなど、生産ラインの省人化・合理化を総合的に支援する製品・サービスの開発を進めます。 今後も株主の皆様の負託にこたえることを経営上の最重要課題と認識し、継続的かつ安定的な利益還元を実施するとともに、コンプライアンスの浸透、リスク管理の強化に努めていきます。