有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、株主様、お客様・お取引先様、地域社会、社員・家族、地球という5つの存在が当社グループを支えていただく主体であると認識し、当社グループとの間に「信頼」を築き上げていくことを企業ミッションとして、これに基づき企業価値向上を目指すことを経営の基本方針としております。 (2) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略 今後の経済見通しにつきましては、世界経済は緩やかな回復傾向にあるものの、中東情勢の不安定化により先行きは不透明な状況が続くと考えられます。中東情勢の緊張が長期化した場合には、エネルギー価格の上昇を通じて物価上昇圧力が高まり、景気減速につながる可能性があります。 当社グループの属する電子部品業界におきましても、自動車向けやAI関連機器向けの需要は堅調に推移する一方、物価上昇に伴う需要減速等、次期の受注動向に対しては慎重な見方が必要であります。利益面におきましては、貴金属相場の高騰により原材料価格が上昇しており、価格是正及びコストダウン等の対応を進めてまいりますが、実現までのタイムラグによる一時的な収益悪化が想定されます。また、為替変動等の懸念材料があります。 このような経営環境下において当社グループは、2030年に向けた長期ビジョン、『2030ビジョン』を策定しております。 さらに、当社グループでは『2030ビジョン』を実現するために当社グループが対処すべき経営上の重要課題を「マテリアリティ」と定義し、機会とリスクの両面から次の通りマテリアリティを特定しました。これらマテリアリティへの取り組みを通して経済的価値(事業)と社会的価値(ESG)の創出を目指します。 カテゴリーマテリアリティ取組テーマ環境CO2削減と経済性の両立デジタルツールを活用し製品・設備の両面から生産性を向上Scope1+2とScope3のGHG排出量を削減社会未来を創る人材の確保と育成多様性の向上自律的なキャリアの支援社員が生き生きと働ける環境の整備人材ポートフォリオの構築地域社会との連携による価値の創造将来にわたる地域の活性化とKOAの発展の好循環の実現ガバナンスガバナンス強化によるグループ経営基盤強化グループ全体での情報セキュリティの強化株主・投資家と企業との建設的な対話の実現事業自社の基盤技術を核とした、社会課題の解決に向けた価値提供技術環境・産業構造の変化への対応事業ポートフォリオ経営の強化顧客との信頼関係の強化B2B事業における信頼性・専門性・差別化要素の強化強靭でフェアなサプライチェーンの構築グローバル供給体制の最適化お取引先様との信頼の強化経済安全保障対策製品の安全性と品質の追求 また、当社グループは2030ビジョンの実現に向けた取り組みを3つのフェーズに分けて進めており、2025年度からはフェーズ2である「2027中期経営計画(2025~2027年)」の目標達成に向けて、「ROIC経営を軸に利益成長と効率向上を実現する」ことをコンセプトに掲げ、製品ポートフォリオ戦略、技術戦略、ならびに企業体質の強化に注力してまいりました。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題エレクトロニクス業界は、CASE(Connectedコネクテッド、Autonomous自動運転、Shared & Servicesシェアリングとサービス、Electrification電動化)をキーワードに進化する自動車分野に加え、AI技術の急速な普及を背景としたAIサーバー・データセンター関連市場の拡大などにより、中長期的な成長が期待されております。 自動車市場においては、新車販売台数の成長率鈍化や一部地域における電動化投資の調整が見られるものの、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転機能の高度化、車載電子制御の高度化、xEVにおける統合ECU化・高電圧化の進展などにより、1台当たりに搭載される電子部品の点数は増加傾向にあります。また、AIサーバー分野においても、高速通信、大電流化、高密度実装、低消費電力化への対応を背景に、高信頼性・高性能な電子部品への需要が拡大しております。 このような市場環境のなか、電子部品メーカーには、国際的な価格競争力に加え、品質、信頼性、供給能力、技術提案力、環境対応力などを総合的に備えた企業体制が求められております。さらに、地政学リスクやサプライチェーンの分断リスクが高まるなか、複数地域での供給体制構築やBCP対応力の重要性も一層高まっております。 このような業界環境のもと、当社グループは、今後も抵抗器事業を中心に、品質・信頼性・供給能力を重視する分野にフォーカスし、お客様と共に安心・安全な未来社会の実現に貢献することで、「お客様から最初にお声がかかる会社」を目指してまいります。具体的には、「ゼロディフェクト・フロー」の構築を目指した品質・信頼性のさらなる向上に加え、デジタル技術や自働化技術を活用した生産性向上、需要変動に柔軟に対応できる供給体制の強化を推進してまいります。また、AI関連、次世代モビリティ、エネルギーなどの成長市場に対し、顧客ニーズより先行したデザインイン活動を通じた高付加価値製品の提案を強化し、積極的な拡販及びコスト構造改革を進めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、株主様、お客様・お取引先様、地域社会、社員・家族、地球という5つの存在が当社グループを支えていただく主体であると認識し、当社グループとの間に「信頼」を築き上げていくことを企業ミッションとして、これに基づき企業価値向上を目指すことを経営の基本方針としております。 (2) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略 今後の経済見通しにつきましては、世界経済は緩やかな回復傾向にあるものの、中東情勢の不安定化により先行きは不透明な状況が続くと考えられます。中東情勢の緊張が長期化した場合には、エネルギー価格の上昇を通じて物価上昇圧力が高まり、景気減速につながる可能性があります。 当社グループの属する電子部品業界におきましても、自動車向けやAI関連機器向けの需要は堅調に推移する一方、物価上昇に伴う需要減速等、次期の受注動向に対しては慎重な見方が必要であります。利益面におきましては、貴金属相場の高騰により原材料価格が上昇しており、価格是正及びコストダウン等の対応を進めてまいりますが、実現までのタイムラグによる一時的な収益悪化が想定されます。また、為替変動等の懸念材料があります。 このような経営環境下において当社グループは、2030年に向けた長期ビジョン、『2030ビジョン』を策定しております。 さらに、当社グループでは『2030ビジョン』を実現するために当社グループが対処すべき経営上の重要課題を「マテリアリティ」と定義し、機会とリスクの両面から次の通りマテリアリティを特定しました。これらマテリアリティへの取り組みを通して経済的価値(事業)と社会的価値(ESG)の創出を目指します。 カテゴリーマテリアリティ取組テーマ環境CO2削減と経済性の両立デジタルツールを活用し製品・設備の両面から生産性を向上Scope1+2とScope3のGHG排出量を削減社会未来を創る人材の確保と育成多様性の向上自律的なキャリアの支援社員が生き生きと働ける環境の整備人材ポートフォリオの構築地域社会との連携による価値の創造将来にわたる地域の活性化とKOAの発展の好循環の実現ガバナンスガバナンス強化によるグループ経営基盤強化グループ全体での情報セキュリティの強化株主・投資家と企業との建設的な対話の実現事業自社の基盤技術を核とした、社会課題の解決に向けた価値提供技術環境・産業構造の変化への対応事業ポートフォリオ経営の強化顧客との信頼関係の強化B2B事業における信頼性・専門性・差別化要素の強化強靭でフェアなサプライチェーンの構築グローバル供給体制の最適化お取引先様との信頼の強化経済安全保障対策製品の安全性と品質の追求 また、当社グループは2030ビジョンの実現に向けた取り組みを3つのフェーズに分けて進めており、2025年度からはフェーズ2である「2027中期経営計画(2025~2027年)」の目標達成に向けて、「ROIC経営を軸に利益成長と効率向上を実現する」ことをコンセプトに掲げ、製品ポートフォリオ戦略、技術戦略、ならびに企業体質の強化に注力してまいりました。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題エレクトロニクス業界は、CASE(Connectedコネクテッド、Autonomous自動運転、Shared & Servicesシェアリングとサービス、Electrification電動化)をキーワードに進化する自動車分野に加え、AI技術の急速な普及を背景としたAIサーバー・データセンター関連市場の拡大などにより、中長期的な成長が期待されております。 自動車市場においては、新車販売台数の成長率鈍化や一部地域における電動化投資の調整が見られるものの、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転機能の高度化、車載電子制御の高度化、xEVにおける統合ECU化・高電圧化の進展などにより、1台当たりに搭載される電子部品の点数は増加傾向にあります。また、AIサーバー分野においても、高速通信、大電流化、高密度実装、低消費電力化への対応を背景に、高信頼性・高性能な電子部品への需要が拡大しております。 このような市場環境のなか、電子部品メーカーには、国際的な価格競争力に加え、品質、信頼性、供給能力、技術提案力、環境対応力などを総合的に備えた企業体制が求められております。さらに、地政学リスクやサプライチェーンの分断リスクが高まるなか、複数地域での供給体制構築やBCP対応力の重要性も一層高まっております。 このような業界環境のもと、当社グループは、今後も抵抗器事業を中心に、品質・信頼性・供給能力を重視する分野にフォーカスし、お客様と共に安心・安全な未来社会の実現に貢献することで、「お客様から最初にお声がかかる会社」を目指してまいります。具体的には、「ゼロディフェクト・フロー」の構築を目指した品質・信頼性のさらなる向上に加え、デジタル技術や自働化技術を活用した生産性向上、需要変動に柔軟に対応できる供給体制の強化を推進してまいります。また、AI関連、次世代モビリティ、エネルギーなどの成長市場に対し、顧客ニーズより先行したデザインイン活動を通じた高付加価値製品の提案を強化し、積極的な拡販及びコスト構造改革を進めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社、連結子会社及び持分法適用会社(以下、「当社グループ」という。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度の世界経済は、回復と停滞が混在する不安定な状況が続きました。欧米のインフレの沈静化とともに景気持ち直しの兆しが見られた一方で、高水準の金利政策の継続による投資の抑制や、地政学的リスクも経済活動の重しとなり、依然として先行きは不透明な状況が続いております。 当社グループの属する電子部品業界におきましては、カーボンニュートラルの実現に向け環境対応車への移行が進んでおり、中長期的には自動車向け市場の拡大が見込まれております。当期においては全体として需要は緩やかに回復しました。 このような環境のもと、当社グループは2030ビジョンの実現に向けた取り組みを3つのフェーズに分けて進めており、2025年度からはフェーズ2である「2027中期経営計画(2025年~2027年)」の目標達成に向けて、「ROIC経営を軸に利益成長と効率向上を実現する」ことをコンセプトに掲げ、製品ポートフォリオ戦略、技術戦略、ならびに企業体質の強化に注力してまいりました。 販売面におきましては、為替が円安傾向で推移し、在庫調整の影響を受けていた産業機器向け需要が回復したことに加え、中国を中心とした自動車向けや、アジアのデータセンターなどのAI関連機器向け需要が堅調に推移したこと等により、当連結会計年度の売上高は72,287百万円(前年同期比8,166百万円増、12.7%増)となりました。 利益面におきましても、原材料価格の上昇がありましたが、売上の増加等により、営業利益3,646百万円(前年同期比2,470百万円増、210.0%増)、材料作業屑処分益530百万円、補助金収入662百万円等を計上したことにより、経常利益5,223百万円(前年同期比3,979百万円増、320.1%増)、また、保有有価証券の一部売却により投資有価証券売却益209百万円を計上した一方、固定資産処分損54百万円、減損損失114百万円等を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は3,951百万円(前年同期比3,690百万円増)となりました。 セグメントの経営成績は、日本においては売上高57,842百万円(前年同期比6,204百万円増、12.0%増)、セグメント利益1,335百万円(前期はセグメント損失1,056百万円)、アジアにおいては売上高38,549百万円(前年同期比4,762百万円増、14.1%増)、セグメント利益1,549百万円(前年同期比156百万円増、11.2%増)、アメリカにおいては売上高11,503百万円(前年同期比540百万円増、4.9%増)、セグメント利益113百万円(前年同期比134百万円減、54.2%減)、ヨーロッパにおいては売上高13,801百万円(前年同期比1,676百万円増、13.8%増)、セグメント利益587百万円(前年同期比114百万円増、24.2%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,610百万円増加し、当連結会計年度末には27,410百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動により増加した資金は9,069百万円(前連結会計年度は8,101百万円の増加)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益5,264百万円の計上、減価償却費7,096百万円の非資金項目の調整等によるものです。主な減少要因は、売上債権の増加1,621百万円等によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動により減少した資金は7,061百万円(前連結会計年度は23,939百万円の減少)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出7,489百万円等によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動により減少した資金は510百万円(前連結会計年度は11,252百万円の増加)となりました。主な減少要因は、長期借入金の返済による支出3,204百万円等によるものです。主な増加要因は、長期借入れによる収入4,007百万円等によるものです。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)日本51,030115.3アジア21,124109.7アメリカ157185.6ヨーロッパ--合計72,311113.7(注)1.金額は、販売価格によっております。2.上記の金額には、商品仕入を含んでおります。b. 受注実績当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)日本23,666120.45,923131.5アジア25,587123.54,132125.3アメリカ12,187112.72,403141.1ヨーロッパ14,008114.11,204120.8合計75,449118.913,664130.1 c. 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)日本22,247111.0アジア24,751117.9アメリカ11,487104.8ヨーロッパ13,801113.8合計72,287112.7(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度の当社グループの資産は、有形固定資産等の増加により、前連結会計年度末と比べて10,185百万円増加し、当連結会計年度末は151,550百万円となりました。 当連結会計年度の負債は、支払手形及び買掛金等の減少により、前連結会計年度末と比べて281百万円減少し、当連結会計年度末は62,973百万円となりました。 当連結会計年度の純資産は、為替換算調整勘定等の増加により、前連結会計年度末と比べて10,466百万円増加し、当連結会計年度末は88,577百万円となりました。 売上高は、72,287百万円(前年同期比8,166百万円増、12.7%増)となりましたが、この要因としましては、日本や欧州で顧客の在庫調整が進むとともに、中国を中心とした自動車向けや、アジアのデータセンターなどのAI関連機器向けの需要が堅調に推移したことによります。 利益面におきましては、営業利益は3,646百万円(前年同期比2,470百万円増、210.0%増)となりましたが、この要因は、中国、マレーシアの新工場建設による減価償却費等の固定費の増加や、下期には金属相場の高騰による減益影響がありましたが、前述した売上高の増加や、徹底した設備投資、経費の抑制を実施した結果によるものと分析しています。経常利益は、5,223百万円(前年同期比3,979百万円増、320.1%増)となりましたが、この要因は、前述の営業利益の増加に加え、設備投資に対する補助金収入や為替差益などの営業外収益が増加したことによるものと分析しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、3,951百万円(前年同期比3,690百万円増)となりましたが、この要因は、法人税等1,312百万円を計上したことによるものと分析しています。 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、当社グループは、ROE(自己資本利益率)6.2%、ROIC(投下資本利益率)4.7%を目標値とした、2028年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定し「ROIC経営を軸に利益成長と効率向上を実現する」ことをコンセプトに掲げ、製品ポートフォリオ戦略、技術戦略、ならびに企業体質の強化に注力しております。当連結会計年度におけるROEは4.7%(前年同期比4.4ポイント改善)、ROICは2.1%(前年同期比1.9ポイント改善)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。当社グループの研究開発費は営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が主要な部分を占めています。研究開発費については、前連結会計年度の3,576百万円と比較し55百万円(1.5%)増加し、3,631百万円となりました。また、当社グループの投資資金需要のうち主なものは、注力する製品の生産能力拡大、新製品の開発、国内外の製造拠点での品質や生産性向上等のための設備投資です。当連結会計年度の設備投資額は、前連結会計年度の25,510百万円と比較し、17,872百万円(70.1%)減少し、7,638百万円となりました。 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。このため、当社グループの運転資金及び設備投資資金は、主として自己資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入れによる資金調達を実施することとしています。設備投資に充当する資金調達の一環として、複数の金融機関との間でシンジケートローン契約を締結し借入れを実施しておりますが、これらの借入金について、営業活動から得られるキャッシュ・フローによって十分に完済できるとともに、引き続き今後の成長に必要となる資金を適切に調達することが可能であると考えています。また主要な取引金融機関とは良好な取引関係を維持しており、安定的な資金調達が適時実施可能と認識しています。なお、当社は資金調達の機動性を高めるため、複数の金融機関との間に2,000百万円の借入枠(コミットメントライン)を設定しております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 a. 貸倒引当金 当社グループは、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については過年度実績率を基礎とした将来の貸倒予測率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しています。将来、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。 b. 退職給付債務の算定当社グループは確定給付制度を採用しております。退職給付債務及び勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率、期待運用収益率等の様々な計算基礎があり、当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。 c. 繰延税金資産 繰延税金資産については、将来の課税所得等を検討し、回収可能な範囲において資産計上しております。しかしながら、将来の課税所得等を検討し、繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断し法人税率が引き下げられた場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。 d. 投資有価証券の減損処理 当社グループでは投資有価証券を保有しており、評価方法は市場価格のない株式等以外のものについては時価法を、市場価格のない株式等については原価法を採用しております。保有する有価証券につき、市場価格のない株式以外のものは株式市場の価格変動リスクを負っていること、市場価格のない株式等は投資先の業績状況等が悪化する可能性があること等から、合理的な基準に基づいて投資有価証券の減損処理を行っております。 当社グループでは投資有価証券について必要な減損処理をこれまでに行ってきておりますが、この基準に伴い、将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、現状の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生し、減損処理が必要となる可能性があります。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、株主様、お客様・お取引先様、社員とその家族、地域社会、地球という5つの存在が当社グループを支えていただく主体であると認識し、当社グループとの間に「信頼」を築き上げていくことを企業使命として、これに基づき企業価値向上を目指すことを経営の基本方針としております。 (2) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略 今後の経済見通しにつきましては、世界の景気は回復傾向にあるものの、地政学的な緊張、米国の貿易政策による物価上昇やデカップリングの進行等により、先行きは引き続き非常に不透明感が強い状況にあります。 当社グループの属する電子部品業界におきましては、カーボンニュートラルの実現に向けて環境対応車への移行が進んでおり、中長期的には自動車向け市場の拡大が見込まれますが、足元では自動車向けの需要は堅調に推移する一方、産業機器向けは立ち上がりが鈍く回復が遅れる等、次期の受注動向に対しては慎重な見方が必要であります。利益面においても、原材料価格の上昇、為替変動等の懸念材料があります。 このような経営環境下において当社グループは、2030年に向けた長期ビジョン、『2030ビジョン』を策定しております。 さらに、当社グループでは『2030ビジョン』を実現するために当社グループが対処すべき経営上の重要課題を「マテリアリティ」と定義し、機会とリスクの両面から次の通りマテリアリティを特定しました。これらマテリアリティへの取組みを通して経済的価値(事業)と社会的価値(ESG)の創出を目指します。 カテゴリーマテリアリティ取組テーマ環境CO2削減と経済性の両立デジタルツールを活用し製品・設備の両面から生産性を向上Scope1+2とScope3のGHG排出量を削減社会未来を創る人材の確保と育成多様性の向上自律的なキャリアの支援社員が生き生きと働ける環境の整備人財ポートフォリオの構築地域社会との連携による価値の創造将来にわたる地域の活性化とKOAの発展の好循環の実現ガバナンスガバナンス強化によるグループ経営基盤強化グループ全体での情報セキュリティの強化株主・投資家と企業との建設的な対話の実現事業自社の基盤技術を核とした、社会課題の解決に向けた価値提供技術環境・産業構造の変化への対応事業ポートフォリオ経営の強化顧客との信頼関係の強化B2B事業における信頼性・専門性・差別化要素の強化強靭でフェアなサプライチェーンの構築グローバル供給体制の最適化お取引先様との信頼の強化経済安全保障対策製品の安全性と品質の追求 また、2022年度から2024年度の3年間の中期経営計画を実行してまいりました。この中期経営計画は2030ビジョン実現に向けた当社グループの挑戦におけるフェーズ1「確実な成長のための基盤づくり」と位置付けており、重点施策である「2030年に向けた供給体制の構築」、「KPS※の『しんか』」、「イノベーション・マネジメントシステム(IMS)の導入」、「再生可能エネルギーの導入と電力使用量の削減」、「未来を創造する人づくり」、「ガバナンスの新たな取り組み」に注力してまいりました。2025年度よりフェーズ2にあたる次期中期経営計画(2025-2027)を開始するための準備を進めてまいりましたが、米国関税政策起因による世界景気への影響により先行きが非常に不透明であることから、数値目標を含め中長期戦略の再検討を行っており、開示を延期しております。 ※KPS(KOA Profit System) = 全員参加の経営改善活動 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 エレクトロニクス業界は、CASE(Connectedコネクテッド、Autonomous自動運転、Shared & Servicesシェアリングとサービス、Electrification電動化)をキーワードに進化する自動車分野における技術革新に代表されるように、更なる市場の発展が見込まれる一方、国際的な価格競争力、製品品質と信頼性、顧客への技術提案力に加えて、将来にわたり安定した製品供給ができる企業が求められております。 このような業界のなかで当社グループは、今後も抵抗器事業を中心に、品質と信頼性を重視する分野にフォーカスし、お客様と共に安心・安全な未来の社会を創る活動を進めることで、お客様から最初にお声がかかる会社を目指します。また、抵抗器事業で培った基盤技術を活用したセンサ/センサモジュールなどにより、社会課題の解決に取り組んでまいります。 具体的には、カーボンニュートラル実現に向けた自動車メーカーの電動化戦略が加速しており、当社の主力製品である面実装抵抗器の需要が拡大することから、お客様の成長を支えるための供給体制の構築を進めてまいりました。足元では上記のような市場環境の変化がありますが、「ゼロディフェクト・フローの構築」を目指した品質・信頼性の向上やデジタル技術を活用した劇的な生産性の向上、顧客ニーズを先読みしたデザインイン活動からの新製品提案などの競争優位性をさらに磨き上げ、積極的な拡販およびコスト構造の変革を実践してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、株主様、お客様・お取引先様、社員とその家族、地域社会、地球という5つの存在が当社グループを支えていただく主体であると認識し、当社グループとの間に「信頼」を築き上げていくことを企業使命として、これに基づき企業価値向上を目指すことを経営の基本方針としております。 (2) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略 今後の経済見通しにつきましては、世界の景気は回復傾向にあるものの、地政学的な緊張、米国の貿易政策による物価上昇やデカップリングの進行等により、先行きは引き続き非常に不透明感が強い状況にあります。 当社グループの属する電子部品業界におきましては、カーボンニュートラルの実現に向けて環境対応車への移行が進んでおり、中長期的には自動車向け市場の拡大が見込まれますが、足元では自動車向けの需要は堅調に推移する一方、産業機器向けは立ち上がりが鈍く回復が遅れる等、次期の受注動向に対しては慎重な見方が必要であります。利益面においても、原材料価格の上昇、為替変動等の懸念材料があります。 このような経営環境下において当社グループは、2030年に向けた長期ビジョン、『2030ビジョン』を策定しております。 さらに、当社グループでは『2030ビジョン』を実現するために当社グループが対処すべき経営上の重要課題を「マテリアリティ」と定義し、機会とリスクの両面から次の通りマテリアリティを特定しました。これらマテリアリティへの取組みを通して経済的価値(事業)と社会的価値(ESG)の創出を目指します。 カテゴリーマテリアリティ取組テーマ環境CO2削減と経済性の両立デジタルツールを活用し製品・設備の両面から生産性を向上Scope1+2とScope3のGHG排出量を削減社会未来を創る人材の確保と育成多様性の向上自律的なキャリアの支援社員が生き生きと働ける環境の整備人財ポートフォリオの構築地域社会との連携による価値の創造将来にわたる地域の活性化とKOAの発展の好循環の実現ガバナンスガバナンス強化によるグループ経営基盤強化グループ全体での情報セキュリティの強化株主・投資家と企業との建設的な対話の実現事業自社の基盤技術を核とした、社会課題の解決に向けた価値提供技術環境・産業構造の変化への対応事業ポートフォリオ経営の強化顧客との信頼関係の強化B2B事業における信頼性・専門性・差別化要素の強化強靭でフェアなサプライチェーンの構築グローバル供給体制の最適化お取引先様との信頼の強化経済安全保障対策製品の安全性と品質の追求 また、2022年度から2024年度の3年間の中期経営計画を実行してまいりました。この中期経営計画は2030ビジョン実現に向けた当社グループの挑戦におけるフェーズ1「確実な成長のための基盤づくり」と位置付けており、重点施策である「2030年に向けた供給体制の構築」、「KPS※の『しんか』」、「イノベーション・マネジメントシステム(IMS)の導入」、「再生可能エネルギーの導入と電力使用量の削減」、「未来を創造する人づくり」、「ガバナンスの新たな取り組み」に注力してまいりました。2025年度よりフェーズ2にあたる次期中期経営計画(2025-2027)を開始するための準備を進めてまいりましたが、米国関税政策起因による世界景気への影響により先行きが非常に不透明であることから、数値目標を含め中長期戦略の再検討を行っており、開示を延期しております。 ※KPS(KOA Profit System) = 全員参加の経営改善活動 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 エレクトロニクス業界は、CASE(Connectedコネクテッド、Autonomous自動運転、Shared & Servicesシェアリングとサービス、Electrification電動化)をキーワードに進化する自動車分野における技術革新に代表されるように、更なる市場の発展が見込まれる一方、国際的な価格競争力、製品品質と信頼性、顧客への技術提案力に加えて、将来にわたり安定した製品供給ができる企業が求められております。 このような業界のなかで当社グループは、今後も抵抗器事業を中心に、品質と信頼性を重視する分野にフォーカスし、お客様と共に安心・安全な未来の社会を創る活動を進めることで、お客様から最初にお声がかかる会社を目指します。また、抵抗器事業で培った基盤技術を活用したセンサ/センサモジュールなどにより、社会課題の解決に取り組んでまいります。 具体的には、カーボンニュートラル実現に向けた自動車メーカーの電動化戦略が加速しており、当社の主力製品である面実装抵抗器の需要が拡大することから、お客様の成長を支えるための供給体制の構築を進めてまいりました。足元では上記のような市場環境の変化がありますが、「ゼロディフェクト・フローの構築」を目指した品質・信頼性の向上やデジタル技術を活用した劇的な生産性の向上、顧客ニーズを先読みしたデザインイン活動からの新製品提案などの競争優位性をさらに磨き上げ、積極的な拡販およびコスト構造の変革を実践してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社、連結子会社及び持分法適用会社(以下、「当社グループ」という。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度の世界経済は、個人消費の回復やインフレ率が低下しつつあるものの、地政学的な緊張、金融および貿易政策の変化など依然として先行きが不透明な状況が続いております。当社グループの属する電子部品業界におきましては、カーボンニュートラルの実現に向けて環境対応車への移行が進んでおり、中長期的には自動車向け市場の拡大が見込まれます。当期においては全体として需要は横ばいで推移しました。 このような環境のもと、当社グループは2030ビジョンの実現、2024中期経営計画の目標達成に向けて、EVなどのモビリティ市場・産業機器市場の成長を支えるための供給体制の構築、KPS活動の『しんか』、イノベーション・マネジメントシステムの導入、再生可能エネルギーの導入と電力使用量の削減、未来を創造する人づくりやガバナンスの新たな取り組み等の重点施策に注力してまいりました。 販売面におきましては、為替が円安傾向にあり、また中国、欧州、北米の自動車向けが堅調に推移したものの、産業機器向け等が減少したこと等により、当連結会計年度の売上高は64,120百万円(前年同期比714百万円減、1.1%減)、利益面におきましては、経費削減に努めましたが売上の減少や減価償却費等の固定費の増加等により営業利益1,176百万円(前年同期比2,137百万円減、64.5%減)、経常利益1,243百万円(前年同期比3,242百万円減、72.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益260百万円(前年同期比2,508百万円減、90.6%減)となりました。 セグメントの経営成績は、日本においては売上高51,638百万円(前年同期比72百万円増)、セグメント損失1,056百万円(前年同期比1,489百万円減)、アジアにおいては売上高33,786百万円(前年同期比1,317百万円増)、セグメント利益1,393百万円(前年同期比86百万円増)、アメリカにおいては売上高10,962百万円(前年同期比357百万円減)、セグメント利益248百万円(前年同期比366百万円減)、ヨーロッパにおいては売上高12,125百万円(前年同期比174百万円増)、セグメント利益473百万円(前年同期比51百万円減)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,366百万円減少し、当連結会計年度末には24,799百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動により増加した資金は8,101百万円(前連結会計年度は7,089百万円の増加)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益1,253百万円の計上、減価償却費5,860百万円の非資金項目の調整等によるものです。主な減少要因は、法人税等の支払741百万円等によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動により減少した資金は23,939百万円(前連結会計年度は17,399百万円の減少)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出25,072百万円等によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動により増加した資金は11,252百万円(前連結会計年度は12,292百万円の増加)となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入13,270百万円等によるものです。主な減少要因は、配当金の支払額1,847百万円等によるものです。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)日本44,26092.4アジア19,252114.3アメリカ8546.5ヨーロッパ--合計63,59898.0(注)1.金額は、販売価格によっております。2.上記の金額には、商品仕入を含んでおります。b. 受注実績当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)日本19,651113.44,50592.0アジア20,718112.93,29692.3アメリカ10,816105.11,70392.3ヨーロッパ12,278100.8997118.3合計63,465109.210,50294.1 c. 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)日本20,04393.4アジア20,995104.4アメリカ10,95896.9ヨーロッパ12,123101.4合計64,12098.9(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度の当社グループの資産は、有形固定資産等の増加により、前連結会計年度末と比べて11,798百万円増加し、当連結会計年度末は141,365百万円となりました。 当連結会計年度の負債は、長期借入金等の増加により、前連結会計年度末と比べて12,261百万円増加し、当連結会計年度末は63,255百万円となりました。 当連結会計年度の純資産は、利益剰余金等の減少により、前連結会計年度末と比べて463百万円減少し、当連結会計年度末は78,110百万円となりました。 売上高は、64,120百万円(前年同期比714百万円減、1.1%減)となりましたが、この要因としましては、アジアでは、2023年度に落ち込んだ中国における需要が、自動車、電源、通信・ネットワーク向け等で好調となり、5%の増加となりました。日本では、産業機器、電源、自動車向けを中心に、全般的に需要が低迷し、9%の減少となりました。北米では、約5%の為替の円安効果に加えて、自動車向け需要の増加が見られましたが、代理店や産業機器市場における在庫調整影響が大きく、全体では3%の減少となりました。ヨーロッパにおいても、北米と同様に約4%の為替の円安効果に加えて、自動車向け需要が堅調に推移しましたが、産業機器向け需要が減速したことから、全体では1.5%の増加に留まりました。 利益面におきましては、営業利益は1,176百万円(前年同期比2,137百万円減、64.5%減)となりましたが、この要因は、受注の伸び悩みに対し、費用圧縮に努めましたが、増産投資による減価償却費や研究開発拠点新設による研究開発費の増加等、固定費が増加したこと等によるものと分析しています。経常利益は、1,243百万円(前年同期比3,242百万円減、72.3%減)となりましたが、この要因は前述の営業利益の減少によるものと分析しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、260百万円(前年同期比2,508百万円減、90.6%減)となりましたが、この要因は、法人税等992百万円を計上したことによるものと分析しています。 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、当社グループは、ROE(自己資本利益率)4.1%以上を目標値とした(2024年4月24日に当初目標値11%以上から修正)2025年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定し、高品質・長期信頼性を重視する市場を中心に、高機能製品を提供し継続的に競争力を高めるとともに、イノベーションの動向を予測し、そこで必要とされる技術や製品開発に経営資源を投入し、お客様と共に新たな価値を創造する活動を進めてまいりました。しかしながら、当連結会計年度におけるROEは0.3%(前年同期比3.3ポイント悪化)となりました。中期経営計画の目標値未達、また前連結会計年度と比較して指標が悪化した要因としましては、前述の通り売上高と営業利益が悪化したことによるものと分析しています。引き続き高品質・長期信頼性を重視する市場を中心に、高機能製品の拡販等の活動を進めるとともに、お客様の成長を支えるための供給体制を構築し、当該指標の改善を目指してまいります。 ② キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。当社グループの研究開発費は営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が主要な部分を占めています。研究開発費については、前連結会計年度の3,195百万円と比較し380百万円(11.9%)増加し、3,576百万円となりました。また、当社グループの投資資金需要のうち主なものは、注力する製品の生産能力拡大、新製品の開発、国内外の製造拠点での品質や生産性向上等のための設備投資です。当連結会計年度の設備投資額は、前連結会計年度の17,835百万円と比較し、7,675百万円(43.0%)増加し、25,510百万円となりました。 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。このため、当社グループの運転資金及び設備投資資金は、主として自己資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入れによる資金調達を実施することとしています。設備投資に充当する資金調達の一環として、複数の金融機関との間でシンジケートローン契約を締結し借入れを実施しておりますが、これらの借入金について、営業活動から得られるキャッシュ・フローによって十分に完済できるとともに、引き続き今後の成長に必要となる資金を適切に調達することが可能であると考えています。また主要な取引金融機関とは良好な取引関係を維持しており、安定的な資金調達が適時実施可能と認識しています。なお、当社は資金調達の機動性を高めるため、複数の金融機関との間に1,900百万円の借入枠(コミットメントライン)を設定しております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 a. 貸倒引当金 当社グループは、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については過年度実績率を基礎とした将来の貸倒予測率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しています。将来、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。 b. 退職給付債務の算定当社グループは確定給付制度を採用しております。退職給付債務及び勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率、期待運用収益率等の様々な計算基礎があり、当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。 c. 繰延税金資産 繰延税金資産については、将来の課税所得等を検討し、回収可能な範囲において資産計上しております。しかしながら、将来の課税所得等を検討し、繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断し法人税率が引き下げられた場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。 d. 投資有価証券の減損処理 当社グループでは投資有価証券を保有しており、評価方法は市場価格のない株式等以外のものについては時価法を、市場価格のない株式等については原価法を採用しております。保有する有価証券につき、市場価格のない株式以外のものは株式市場の価格変動リスクを負っていること、市場価格のない株式等は投資先の業績状況等が悪化する可能性があること等から、合理的な基準に基づいて投資有価証券の減損処理を行っております。 当社グループでは投資有価証券について必要な減損処理をこれまでに行ってきておりますが、この基準に伴い、将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、現状の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生し、減損処理が必要となる可能性があります。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針、経営環境① 会社の経営の基本方針 当社グループは、株主様、お客様・お取引先様、社員とその家族、地域社会、地球という5つの存在が当社グループを支えていただく主体であると認識し、当社グループとの間に「信頼」を築き上げていくことを企業使命として、これに基づき企業価値向上を目指すことを経営の基本方針としております。 ② 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略 今後の経済見通しにつきましては、世界の景気は回復傾向にあるものの、高いインフレ率や金融引き締めの継続等により、先行きは引き続き非常に不透明感が強い状況にあります。 当社グループの属する電子部品業界におきましても、自動車向けの需要は堅調に推移する一方、産業機器向けは企業の設備投資マインドの減退を背景に回復が遅れる等、次期の受注動向に対しては慎重な見方が必要であります。利益面においても、原材料価格の上昇、為替変動等の懸念材料があります。しかしながら中長期的にみれば、“Society 5.0”に代表されるサイバー(仮想)空間と現実社会を高度に融合させたシステムで、経済発展と社会的課題の解決を両立させるアプローチは、自動運転をはじめとしてすでに現実のものになっております。サイバー空間への入り口は「センサ」であり、1年間に全世界で1兆個のセンサが使用される「トリリオン(兆)・センサ社会」も近づいております。 このような経営環境下において当社グループは、2030年に向けた長期ビジョン(2030ビジョン)及び2022年度から2024年度の3年間の中期経営計画を策定しております。中期経営計画は2030ビジョン実現に向けた当社グループの挑戦におけるフェーズ1「確実な成長のための基盤づくり」と位置付けており、重点施策である「2030年に向けた供給体制の構築」、「KPS(KOA Profit System)の『しんか』」、「イノベーション・マネジメントシステム(IMS)の導入」、「再生可能エネルギーの導入と電力使用量の削減」、「未来を創造する人づくり」、「ガバナンスの新たな取り組み」を推進してまいります。なお詳細につきましては、2022年4月22日に開示しました「2030ビジョンおよび2024中期経営計画策定のお知らせ」をご参照ください。 なお、2024年4月24日に2025年3月期の財務目標値を修正しております。詳細につきましては、当社HPに開示しております「〔修正〕2024中期経営計画」をご参照ください。 (2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 エレクトロニクス業界は、「環境」「安全」「利便性」をキーワードに進化する自動車分野における技術革新に代表されるように、更なる市場の発展が見込まれる一方、国際的な価格競争力、製品品質と信頼性、顧客への技術提案力に加えて、将来にわたり安定した製品供給ができる企業が求められております。 このような業界のなかで当社グループは、今後も抵抗器事業を中心に、品質と信頼性を重視する分野にフォーカスし、お客様と共に安心・安全な未来の社会を創る活動を進めることで、お客様から最初にお声がかかる会社を目指します。また、抵抗器事業で培った基盤技術を活用したセンサ/センサモジュールなどにより、社会課題の解決に取り組んでまいります。 具体的には、特に、カーボンニュートラル実現に向けた主要自動車メーカーの電動化戦略が加速しており、当社の主力製品である面実装抵抗器の需要が拡大することから、お客様の成長を支えるための供給体制の構築が急務であります。さらに、桁違いの品質を求められる市場での競争優位性を維持するため、引き続き「ゼロディフェクト・フローの構築」を全グループの目標に掲げ、品質・信頼性向上の活動を進めてまいります。併せて、生産性の大幅な向上を目指した改善活動と経費削減活動の継続により、収益性の向上を図ってまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針、経営環境① 会社の経営の基本方針 当社グループは、株主様、お客様・お取引先様、社員とその家族、地域社会、地球という5つの存在が当社グループを支えていただく主体であると認識し、当社グループとの間に「信頼」を築き上げていくことを企業使命として、これに基づき企業価値向上を目指すことを経営の基本方針としております。 ② 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略 今後の経済見通しにつきましては、世界の景気は回復傾向にあるものの、高いインフレ率や金融引き締めの継続等により、先行きは引き続き非常に不透明感が強い状況にあります。 当社グループの属する電子部品業界におきましても、自動車向けの需要は堅調に推移する一方、産業機器向けは企業の設備投資マインドの減退を背景に回復が遅れる等、次期の受注動向に対しては慎重な見方が必要であります。利益面においても、原材料価格の上昇、為替変動等の懸念材料があります。しかしながら中長期的にみれば、“Society 5.0”に代表されるサイバー(仮想)空間と現実社会を高度に融合させたシステムで、経済発展と社会的課題の解決を両立させるアプローチは、自動運転をはじめとしてすでに現実のものになっております。サイバー空間への入り口は「センサ」であり、1年間に全世界で1兆個のセンサが使用される「トリリオン(兆)・センサ社会」も近づいております。 このような経営環境下において当社グループは、2030年に向けた長期ビジョン(2030ビジョン)及び2022年度から2024年度の3年間の中期経営計画を策定しております。中期経営計画は2030ビジョン実現に向けた当社グループの挑戦におけるフェーズ1「確実な成長のための基盤づくり」と位置付けており、重点施策である「2030年に向けた供給体制の構築」、「KPS(KOA Profit System)の『しんか』」、「イノベーション・マネジメントシステム(IMS)の導入」、「再生可能エネルギーの導入と電力使用量の削減」、「未来を創造する人づくり」、「ガバナンスの新たな取り組み」を推進してまいります。なお詳細につきましては、2022年4月22日に開示しました「2030ビジョンおよび2024中期経営計画策定のお知らせ」をご参照ください。 なお、2024年4月24日に2025年3月期の財務目標値を修正しております。詳細につきましては、当社HPに開示しております「〔修正〕2024中期経営計画」をご参照ください。 (2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 エレクトロニクス業界は、「環境」「安全」「利便性」をキーワードに進化する自動車分野における技術革新に代表されるように、更なる市場の発展が見込まれる一方、国際的な価格競争力、製品品質と信頼性、顧客への技術提案力に加えて、将来にわたり安定した製品供給ができる企業が求められております。 このような業界のなかで当社グループは、今後も抵抗器事業を中心に、品質と信頼性を重視する分野にフォーカスし、お客様と共に安心・安全な未来の社会を創る活動を進めることで、お客様から最初にお声がかかる会社を目指します。また、抵抗器事業で培った基盤技術を活用したセンサ/センサモジュールなどにより、社会課題の解決に取り組んでまいります。 具体的には、特に、カーボンニュートラル実現に向けた主要自動車メーカーの電動化戦略が加速しており、当社の主力製品である面実装抵抗器の需要が拡大することから、お客様の成長を支えるための供給体制の構築が急務であります。さらに、桁違いの品質を求められる市場での競争優位性を維持するため、引き続き「ゼロディフェクト・フローの構築」を全グループの目標に掲げ、品質・信頼性向上の活動を進めてまいります。併せて、生産性の大幅な向上を目指した改善活動と経費削減活動の継続により、収益性の向上を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社、連結子会社及び持分法適用会社(以下、「当社グループ」という。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度の世界経済は、資源価格高騰による物価上昇や金利上昇等により景気回復のペースが鈍化しました。 当社グループの属する電子部品業界におきましては、各国の環境規制によるEV等環境対応車への移行が進んでおり、中長期的には自動車向け市場の拡大が見込まれます。当期においては半導体不足による生産制約が昨年より解消しているものの、市場における在庫調整の影響等により全体として需要は弱含みで推移しました。 このような環境のもと、当社グループは2030ビジョンの実現、2024中期経営計画の目標達成に向けて、EVなどのモビリティ市場・産業機器市場の成長を支えるための供給体制の構築、KPS活動の『しんか』、イノベーション・マネジメントシステムの導入、再生可能エネルギーの導入と電力使用量の削減、未来を創造する人づくりやガバナンスの新たな取り組み等の重点施策に注力しております。 販売面におきましては、為替が円安傾向にあるものの、北米のディストリビューター向けや日本・中国を中心に家電・産業機器・電源向け等が減少、自動車向けは北米・ヨーロッパでは増加しましたが中国の減少影響が大きく自動車向け全体では減少しました。その結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高64,835百万円(前年同期比10,236百万円減、13.6%減)、営業利益3,313百万円(前年同期比6,908百万円減、67.6%減)、経常利益4,485百万円(前年同期比6,052百万円減、57.4%減)、また、カナダにおける集団民事訴訟の原告との和解に伴う解決金として355百万円を特別損失に計上したこと等により親会社株主に帰属する当期純利益2,769百万円(前年同期比4,598百万円減、62.4%減)となりました。 セグメントの経営成績は、日本においては売上高51,565百万円(前年同期比10,294百万円減)、セグメント利益433百万円(前年同期比6,830百万円減)、アジアにおいては売上高32,468百万円(前年同期比7,004百万円減)、セグメント利益1,306百万円(前年同期比507百万円減)、アメリカにおいては売上高11,319百万円(前年同期比1,625百万円減)、セグメント利益615百万円(前年同期比21百万円増)、ヨーロッパにおいては売上高11,950百万円(前年同期比834百万円増)、セグメント利益524百万円(前年同期比95百万円増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,765百万円増加し、当連結会計年度末には29,165百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動により増加した資金は7,089百万円(前連結会計年度は8,688百万円の増加)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益3,992百万円の計上、減価償却費4,890百万円の非資金項目の調整等によるものです。主な減少要因は、法人税等の支払2,833百万円等によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動により減少した資金は17,399百万円(前連結会計年度は12,926百万円の減少)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出15,690百万円等によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動により増加した資金は12,292百万円(前連結会計年度は8,046百万円の増加)となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入14,168百万円等によるものです。主な減少要因は、配当金の支出額1,853百万円等によるものです。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)日本47,87586.5アジア16,83674.4アメリカ18381.7ヨーロッパ--合計64,89583.0(注)1.金額は、販売価格によっております。2.上記の金額には、商品仕入を含んでおります。b. 受注実績当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)日本17,32476.24,89754.2アジア18,34380.33,57266.8アメリカ10,29688.71,84464.5ヨーロッパ12,175112.0842136.5合計58,14085.411,15762.5 c. 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)日本21,45686.1アジア20,11777.1アメリカ11,31187.5ヨーロッパ11,950107.5合計64,83586.4(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度の当社グループの資産は、有形固定資産、現預金等の増加により、前連結会計年度末と比べて16,798百万円増加し、当連結会計年度末は129,566百万円となりました。 当連結会計年度の負債は、長期借入金等の増加により、前連結会計年度末と比べて11,947百万円増加し、当連結会計年度末は50,993百万円となりました。 当連結会計年度の純資産は、為替換算調整勘定等の増加により、前連結会計年度末と比べて4,850百万円増加し、当連結会計年度末は78,573百万円となりました。 売上高は、64,835百万円(前年同期比10,236百万円減、13.6%減)となりましたが、この要因としましては、日本においては、家電、産業機器向け等の需要が減少したこと、アジアにおいては、中国の経済環境の悪化により自動車向けや電源向け等の需要が減少したこと、アメリカにおいては、USドルの為替レートが6.9%円安となったものの、在庫調整等により代理店向け等の需要が減少したこと、ヨーロッパにおいては、自動車向け需要が好調であったこと等によるものと分析しております。 利益面におきましては、営業利益は3,313百万円(前年同期比6,908百万円減、67.6%減)となりましたが、この要因は、USドルの為替レートの円安影響や原材料に含まれる希少金属の相場が安定したこと、物流費の削減等がありましたが、賃金上昇による人件費の増加や増産投資等による減価償却費の増加を中心とした固定費が増加したこと等によるものと分析しています。経常利益は、4,485百万円(前年同期比6,052百万円減、57.4%減)となりましたが、この要因は前述の営業利益の減少によるものと分析しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、2,769百万円(前年同期比4,598百万円減、62.4%減)となりましたが、この要因はカナダにおける集団民事訴訟の原告との和解に伴う解決金355百万円、法人税等1,223百万円を計上したことによるものと分析しています。 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、当社グループは、ROE(自己資本利益率)11%以上を目標値とした(2024年4月24日にROE目標値を4.1%に修正)2025年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定しております。品質・信頼性を重視する市場を中心に、高機能製品を提供し継続的に競争力を高めるとともに、イノベーションの動向を予測し、そこで必要とされる技術や製品開発に経営資源を投入し、お客様と共に新たな価値を創造する活動を進めております。当連結会計年度におけるROEは3.6%(前年同期比6.9ポイント悪化)となりました。前連結会計年度と比較して指標が悪化した要因としましては、前述の通り売上高と営業利益が悪化したことによるものと分析しています。引き続き品質・信頼性を重視する市場を中心に、高機能製品の拡販等の活動を進めるとともに、お客様の成長を支えるための供給体制を構築し、当該指標の改善を目指してまいります。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として次のものがあります。売上高におきましては、景気動向に伴う電子部品需要の変動が重要な影響を与える要因になりますが、今後の経済見通しにつきましては、引き続き景気の先行きは不透明感の強い状況にあります。当社グループの主要な販売先である自動車業界の需要は堅調に推移する一方、産業機器向けは企業の設備投資マインドの減退を背景に回復が遅れる等、楽観視できない状況にあります。利益面におきましては、金属材料相場の上昇による材料コスト増加や、海外売上比率及び日本での生産比率が高いことから円高ドル安等の為替変動により利益が減少する等の懸念材料があります。 ② キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。当社グループの研究開発費は営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が主要な部分を占めています。研究開発費については、前連結会計年度の3,045百万円と比較し149百万円(4.9%)増加し、3,195百万円となりました。また、当社グループの投資資金需要のうち主なものは、注力する製品の生産能力拡大、新製品の開発、国内外の製造拠点での品質や生産性向上等のための設備投資です。当連結会計年度の設備投資額は、前連結会計年度の11,757百万円と比較し、6,077百万円(51.7%)増加し、17,835百万円となりました。 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。このため、当社グループの運転資金及び設備投資資金は、主として自己資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入れによる資金調達を実施することとしています。中期経営計画における設備投資に充当する資金調達の一環として、複数の金融機関との間でシンジケートローン契約を締結し借入れを実施しております。これらの借入金について、営業活動から得られるキャッシュ・フローによって十分に完済できるとともに、引き続き今後の成長に必要となる資金を適切に調達することが可能であると考えています。また主要な取引金融機関とは良好な取引関係を維持しており、安定的な資金調達が適時実施可能と認識しています。なお、当社は資金調達の機動性を高めるため、複数の金融機関との間に2,000百万円の借入枠(コミットメントライン)を設定しております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 a. 貸倒引当金 当社グループは、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については過年度実績率を基礎とした将来の貸倒予測率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しています。将来、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。 b. 退職給付債務の算定当社グループは確定給付制度を採用しております。退職給付債務及び勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率、期待運用収益率等の様々な計算基礎があり、当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。 c. 繰延税金資産 繰延税金資産については、将来の課税所得等を検討し、回収可能な範囲において資産計上しております。しかしながら、将来の課税所得等を検討し、繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断し法人税率が引き下げられた場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。 d. 投資有価証券の減損処理 当社グループでは投資有価証券を保有しており、評価方法は市場価格のない株式等以外のものについては時価法を、市場価格のない株式等については原価法を採用しております。保有する有価証券につき、市場価格のない株式以外のものは株式市場の価格変動リスクを負っていること、市場価格のない株式等は投資先の業績状況等が悪化する可能性があること等から、合理的な基準に基づいて投資有価証券の減損処理を行っております。 当社グループでは投資有価証券について必要な減損処理をこれまでに行ってきておりますが、この基準に伴い、将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、現状の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生し、減損処理が必要となる可能性があります。