7014

名村造船所(7014)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

輸送用機器 自動車・輸送機

事業の概要

  • 造船と機械の製造販売
    名村造船所グループは、船舶、機械、鉄鋼構造物の製造販売を主な事業としています。具体的には、新造船事業で各種船舶を建造し販売するほか、修繕船事業で既存の船舶の修理やメンテナンスを手掛けています。また、鉄構・機械事業では、船舶用機器などの製造販売も行っています。
  • 多角的な事業展開
    主要な造船事業に加え、グループ会社を通じて多角的な事業を展開しています。例えば、船舶の修繕受託、鋼材の加工委託、船舶資材の仕入れ、船型の技術開発など、造船関連の幅広い業務をグループ内で完結できる体制を構築しています。これにより、事業の効率化と専門性の向上を図っています。
  • 付帯サービスと情報事業
    造船関連事業に付帯するサービスも提供しています。具体的には、船舶の保守やアフターサービス、設備の保全・保安業務、さらにはソフトウェア開発や情報機器販売を行う情報システム事業も手掛けています。また、船舶貸渡業や曳船業務なども行い、事業領域を広げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 新造船事業
    この事業は、各種船舶の製造と販売を主な内容としています。名村造船所と函館どつくが中心となり、大型タンカーやばら積み船など、顧客の要望に応じた様々な船舶を建造し、国内外に販売しています。最新年度の売上高は1,228.77億円、営業利益は275.72億円と、グループの収益の大部分を占める主力事業です。
  • 修繕船事業
    この事業では、既存の船舶の修理やメンテナンスを行っています。佐世保重工業と函館どつくが中心となり、船舶の安全運航を支える重要な役割を担っています。最新年度の売上高は230.41億円、営業利益は36.36億円であり、安定した収益源となっています。
  • 鉄構・機械事業
    この事業は、鉄鋼構造物や船舶用機器などの製造販売を行っています。名村造船所、函館どつく、佐世保重工業が担当しており、クランク軸などの船舶用機器の製造も含まれます。最新年度の売上高は62.25億円、営業利益は1.15億円と、他の事業に比べて規模は小さいですが、グループの技術力を支える重要な事業です。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
NewlyBuiltShip 事業 1,229 276 22.4%
ShipRepair 事業 230 36 15.8%
SteelStructureAndMachineReportableSegment 事業 62 1 1.8%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,028 文字
3 【事業の内容】当企業集団は、株式会社名村造船所(当社)、子会社13社および関連会社3社より構成されており、船舶、機械および鉄鋼構造物の製造販売ならびに船舶の修繕を主な事業内容としているほか、これらに付帯する業務等を営んでおります。当企業集団の事業に係る位置づけおよびセグメントとの関連は次のとおりであります。なお、次表の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (セグメント情報等)」に掲げるセグメント区分と同一であります。 (新造船事業)当社および函館どつく㈱(連結子会社)が、各種船舶の製造販売をおこなっております。製造につきましては、鋼材ショット加工を㈱伊万里鉄鋼センター(連結子会社)に委託しております。船舶資材の一部につきましては、名和産業㈱(連結子会社)を通じて仕入をおこなっております。船型の技術開発の一部につきましては、名村エンジニアリング㈱(連結子会社)がおこなっております。(修繕船事業)佐世保重工業㈱(連結子会社)および函館どつく㈱(連結子会社)は、船舶の修繕をおこなっております。名村マリン㈱(連結子会社)は、当社より船舶の修繕を受託しております。(鉄構・機械事業)当社および函館どつく㈱(連結子会社)が、製造販売をおこなっております。資材の一部につきましては、名和産業㈱(連結子会社)を通じて仕入をおこなっております。佐世保重工業㈱(連結子会社)において、クランク軸等の船舶用機器などの製造をおこなっております。(その他事業)名村情報システム㈱(連結子会社)は、ソフトウェア開発、情報機器の販売を当社および関係会社に対しておこなっております。玄海テック㈱(連結子会社)は、当社および関係会社より、設備の保全、保安業務を受託しております。名村マリン㈱(連結子会社)は、当社より船舶の保守およびアフターサービスを受託しております。モーニング ダイダラス ナビゲーション社(連結子会社)、アイボリーホワイト ナビゲーション社(連結子会社)およびコバルトブルー ナビゲーション社(連結子会社)は、船舶貸渡業を営んでおります。佐世保マリン・アンド・ポートサービス㈱(連結子会社)は、曳船業務に従事、また佐世保重工業㈱(連結子会社)より設備の保全、保安業務を受託しております。函館ポートサービス㈱(関連会社)は、曳船業務および内航運送業務に従事しております。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
厳しい受注環境下において仕事量確保のためやむを得ず赤字受注となる場合があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
建造船における環境規制への対応が必須であり、効率的な研究開発体制・生産体制が求められる。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:政治・経済情勢による海運市況の低迷 / 為替レートの急激な変動 / 資材価格の急激な変動や供給不足
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

名村造船所は、特定のブランド力や特許、規制ライセンスによる独占的な優位性は見られない。造船業は一般的に技術の標準化が進んでおり、個別の企業が長期的な無形資産で差別化することは難しい。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

造船プロジェクトは長期にわたり、顧客(海運会社など)は仕様変更やサプライヤー変更に多大なコストと時間を要する。一度契約した造船所との関係は、プロジェクト遂行上の慣性から一定のスイッチング・コストを生む可能性がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

造船業において、プラットフォーム型のネットワーク効果は存在しない。顧客と造船所の間の直接的な取引であり、ユーザー数の増加がサービスの価値を高めるような構造ではない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

名村造船所は、長年の操業で培われた生産ノウハウやサプライヤーとの関係を通じて、一定のコスト競争力を維持している可能性がある。特に、特定の船種や技術に特化することで、効率的な生産体制を構築している場合、コスト優位性が生まれる。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

造船業界は、設備投資が巨額であり、参入障壁が高い。名村造船所は、業界内で一定の規模を持つプレイヤーであり、大規模なプロジェクトに対応できる生産能力と、グローバルな調達網を活かした効率規模の経済を享受していると考えられる。上位数社で市場を寡占する構造。

  • 一貫した生産体制
    名村造船所グループは、鋼材加工から船体建造、資材調達、技術開発まで、新造船に関する一貫した生産体制をグループ内で構築しています。これにより、製造プロセスの効率化と品質管理の徹底が可能となり、顧客の多様なニーズに柔軟に対応できる強みを持っています。
  • 環境対応技術への注力
    国際海事機関(IMO)による環境規制強化に対応するため、硫黄酸化物や窒素酸化物、二酸化炭素の排出削減に資する環境対応型船型の開発に積極的に取り組んでいます。新燃料船などのニーズに応えることで、技術的な優位性を確立し、競争力を維持・向上させることを目指しています。
  • 多様な事業ポートフォリオ
    新造船事業を中核としつつも、修繕船事業、鉄構・機械事業、さらには船舶貸渡業や情報システム事業など、多岐にわたる事業を展開しています。これにより、特定の事業に依存するリスクを軽減し、市場環境の変化に対応できる安定した収益基盤を築いていると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針・経営戦略・経営指標等当社グループは、新造船事業など既存事業のさらなる「深化」と、長期的な成長に向け新たな事業展開による「進化」を基本戦略とし、グループの拡大・発展を目指した成長投資を加速させてまいります。当社および函館どつく株式会社の新造船事業におきましては、政府のグリーントランスフォーメーション(GX)経済移行債を活用したゼロエミッション船等の生産設備整備・導入支援を受けた大型設備投資を開始しました。当社グループとしては、ゼロエミッション船等の国内建造シェアの拡大を図るとともに、IMO(国際海事機関)のGHG(温室効果ガス)削減戦略に掲げられた2050年頃までの排出ゼロに向け、2040年より前にゼロエミッション船建造比率100%体制の構築を目標としております。修繕船事業におきましては、佐世保や函館・室蘭という地政学的な重要性を生かし、今後の経済安全保障政策に沿って設備と技術の強化を目指してまいります。鉄構・機械事業につきましては、安定収益体制の確立に向け、建造技術力の強化によるシェアの拡大に取り組んでまいります。財務面においては、今後の成長投資と造船業にとっては不可避とも言える不況期に備えた長期資金を、自己資金と金融機関や資本市場からの調達とのバランスが取れた最適な資本構成となるよう検討してまいります。 (2) 経営環境および対処すべき課題① 新造船事業2010年前後の大量竣工船の省燃費船やクリーンエネルギー船、ゼロエミッション船への代替により今後も需要が増加するものと予測されております。当社および函館どつく株式会社は技術開発力を強化するとともに、建造量拡大に向けた設備の増強とスマートファクトリー化を推進してまいります。昨年10月、IMO(国際海事機関)におけるGHG(温室効果ガス)削減に向けた新たな規則の採択が米国などの反対により1年延期されたにも拘らず、荷主や国際社会の環境重視の姿勢は変わらず、日本国内の造船所・舶用メーカーとも新燃料船や関連技術の開発・対応は従来通り進める方針とされています。昨年の中国の新造船受注量は記録的な高水準であり、操業度の大幅引上げに加えて休止工場の再稼働や新設・増設などにより建造能力を急拡大させ、大量一括受注を進めております。また、本年2月に中国商務省は、日本の重工系の造船所・舶用メーカーなどの現地工場に対する軍民両用品輸出を禁止し、当社グループにはこの輸出禁止措置による影響は現在のところ生じておりませんが、海事産業のさまざまな分野における中国の市場寡占化が進み、世界各国が懸念しております。昨年12月に日本政府が公表した「造船業再生ロードマップ」では、我が国の安定的な海上輸送の確保のための造船業の再生がテーマとされており、2035年時点での目標として「日本の船は日本で造り日本で持つ」との考えのもと、「船舶建造体制の強靭化」などの課題に対し、「施設・設備整備による建造能力拡大」や「デジタルトランスフォーメーション(DX)やロボット・AI技術を駆使した建造プロセス全体の生産性向上」などの具体策が掲げられております。当社グループも、我が国の安全保障体制の一翼を担う主要造船事業者として日本の海事産業群の中核となり、国の安全と地方経済を支えるために、今後も主要顧客の動向を注視し、高評価をいただいている主力商品においては完成度を高めて、競合他社との差別化を図るとともに調達網を再整備し、開発段階から調達、製造の現場まで一貫したコスト削減を徹底させ、スマートファクトリー化による生産性向上と効率改善を推進してまいります。 ② 修繕船事業当社グループにおきましては、夫々が地政学的に重要な地に位置する佐世保重工業株式会社、函館どつく株式会社函館造船所および室蘭製作所の3拠点が連携し、国内艦艇や巡視船などの修繕工事において実績を重ね、我が国の安全保障体制の維持・発展に貢献しております。修繕船事業の主力事業である国内艦艇の修繕工事においては、「国家安全保障戦略」に基づく防衛・海上保安体制の拡充・整備による配備隻数と防衛予算の増加や地政学リスクの高まりによる海上自衛隊艦艇と海上保安庁巡視船の修繕ニーズが拡大しております。また、昨年10月には「日米造船協力に関する覚書」が締結されるなど造船・修繕分野での日米協力などの議論も進んでおり、米軍艦艇においても日本国内での修理の検討が本格的に進められております。さらに経済安全保障の観点から、民間船舶の国内修繕体制強化が重要視されており、客船、LNG運搬船、特殊船、RORO船、漁船などの技術難易度が高い民間案件にも積極的に取り組んでおります。 両社は、技術力の強化と設備の新設・更新による稼働率の改善により、規模の拡大と収益力の向上を目指します。佐世保重工業株式会社は新造船ドックの修繕船併用ドックへの改修工事を経て大型ドック2基を含む5基体制となり、設備的に国内最大級の修繕ヤードとして海上自衛隊基地や米海軍基地に隣接するという立地条件を活かした受け入れ態勢の強化を進めております。函館どつく株式会社におきましても、関東以北で唯一の大型船の修繕拠点として、地理的優位性を生かした需要を捉えてまいります。ただ3拠点とも設備の老朽化が激しく、近代化と能力増強が急がれます。 ③ 鉄構・機械事業国内鋼道路橋の発注量は重量ベースでは歴史的な低水準で推移しており、非常に厳しい受注環境となっております。当社および函館どつく株式会社が担う鉄構橋梁部門におきましては、2025年度には複数の大型工事を受注し、一定の受注残高を確保しておりますが、グループ内の協力体制を構築し受注力を強化するため、2026年4月に室蘭営業所と佐世保営業所を、5月に熊本営業所を開設いたしました。営業力の強化と技術者の確保育成により、事業拡大と安定収益体制の構築を推進してまいります。佐世保重工業株式会社が担う舶用機器部門は、新造船の需要増に伴って主力製品である舶用エンジン向けクランクシャフトの需要拡大が期待されております。生産効率の改善や設備の近代化による生産能力の増強により、販売シェアを拡大し、安定収益体制の構築に努めてまいります。 ④ その他事業当社グループにおきましては、市場環境の変化に応じた事業ポートフォリオの最適化を重視しており、中核事業以外のその他事業を担当するグループ各社におきましても収益体制を強化し、グループ収益基盤の強化・発展に貢献してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針・経営戦略・経営指標等当社グループは、新造船事業など既存事業のさらなる「深化」と、長期的な成長に向け新たな事業展開による「進化」を基本戦略とし、グループの拡大・発展を目指した成長投資を加速させてまいります。当社および函館どつく株式会社の新造船事業におきましては、政府のグリーントランスフォーメーション(GX)経済移行債を活用したゼロエミッション船等の生産設備整備・導入支援を受けた大型設備投資を開始しました。当社グループとしては、ゼロエミッション船等の国内建造シェアの拡大を図るとともに、IMO(国際海事機関)のGHG(温室効果ガス)削減戦略に掲げられた2050年頃までの排出ゼロに向け、2040年より前にゼロエミッション船建造比率100%体制の構築を目標としております。修繕船事業におきましては、佐世保や函館・室蘭という地政学的な重要性を生かし、今後の経済安全保障政策に沿って設備と技術の強化を目指してまいります。鉄構・機械事業につきましては、安定収益体制の確立に向け、建造技術力の強化によるシェアの拡大に取り組んでまいります。財務面においては、今後の成長投資と造船業にとっては不可避とも言える不況期に備えた長期資金を、自己資金と金融機関や資本市場からの調達とのバランスが取れた最適な資本構成となるよう検討してまいります。 (2) 経営環境および対処すべき課題① 新造船事業2010年前後の大量竣工船の省燃費船やクリーンエネルギー船、ゼロエミッション船への代替により今後も需要が増加するものと予測されております。当社および函館どつく株式会社は技術開発力を強化するとともに、建造量拡大に向けた設備の増強とスマートファクトリー化を推進してまいります。昨年10月、IMO(国際海事機関)におけるGHG(温室効果ガス)削減に向けた新たな規則の採択が米国などの反対により1年延期されたにも拘らず、荷主や国際社会の環境重視の姿勢は変わらず、日本国内の造船所・舶用メーカーとも新燃料船や関連技術の開発・対応は従来通り進める方針とされています。昨年の中国の新造船受注量は記録的な高水準であり、操業度の大幅引上げに加えて休止工場の再稼働や新設・増設などにより建造能力を急拡大させ、大量一括受注を進めております。また、本年2月に中国商務省は、日本の重工系の造船所・舶用メーカーなどの現地工場に対する軍民両用品輸出を禁止し、当社グループにはこの輸出禁止措置による影響は現在のところ生じておりませんが、海事産業のさまざまな分野における中国の市場寡占化が進み、世界各国が懸念しております。昨年12月に日本政府が公表した「造船業再生ロードマップ」では、我が国の安定的な海上輸送の確保のための造船業の再生がテーマとされており、2035年時点での目標として「日本の船は日本で造り日本で持つ」との考えのもと、「船舶建造体制の強靭化」などの課題に対し、「施設・設備整備による建造能力拡大」や「デジタルトランスフォーメーション(DX)やロボット・AI技術を駆使した建造プロセス全体の生産性向上」などの具体策が掲げられております。当社グループも、我が国の安全保障体制の一翼を担う主要造船事業者として日本の海事産業群の中核となり、国の安全と地方経済を支えるために、今後も主要顧客の動向を注視し、高評価をいただいている主力商品においては完成度を高めて、競合他社との差別化を図るとともに調達網を再整備し、開発段階から調達、製造の現場まで一貫したコスト削減を徹底させ、スマートファクトリー化による生産性向上と効率改善を推進してまいります。 ② 修繕船事業当社グループにおきましては、夫々が地政学的に重要な地に位置する佐世保重工業株式会社、函館どつく株式会社函館造船所および室蘭製作所の3拠点が連携し、国内艦艇や巡視船などの修繕工事において実績を重ね、我が国の安全保障体制の維持・発展に貢献しております。修繕船事業の主力事業である国内艦艇の修繕工事においては、「国家安全保障戦略」に基づく防衛・海上保安体制の拡充・整備による配備隻数と防衛予算の増加や地政学リスクの高まりによる海上自衛隊艦艇と海上保安庁巡視船の修繕ニーズが拡大しております。また、昨年10月には「日米造船協力に関する覚書」が締結されるなど造船・修繕分野での日米協力などの議論も進んでおり、米軍艦艇においても日本国内での修理の検討が本格的に進められております。さらに経済安全保障の観点から、民間船舶の国内修繕体制強化が重要視されており、客船、LNG運搬船、特殊船、RORO船、漁船などの技術難易度が高い民間案件にも積極的に取り組んでおります。 両社は、技術力の強化と設備の新設・更新による稼働率の改善により、規模の拡大と収益力の向上を目指します。佐世保重工業株式会社は新造船ドックの修繕船併用ドックへの改修工事を経て大型ドック2基を含む5基体制となり、設備的に国内最大級の修繕ヤードとして海上自衛隊基地や米海軍基地に隣接するという立地条件を活かした受け入れ態勢の強化を進めております。函館どつく株式会社におきましても、関東以北で唯一の大型船の修繕拠点として、地理的優位性を生かした需要を捉えてまいります。ただ3拠点とも設備の老朽化が激しく、近代化と能力増強が急がれます。 ③ 鉄構・機械事業国内鋼道路橋の発注量は重量ベースでは歴史的な低水準で推移しており、非常に厳しい受注環境となっております。当社および函館どつく株式会社が担う鉄構橋梁部門におきましては、2025年度には複数の大型工事を受注し、一定の受注残高を確保しておりますが、グループ内の協力体制を構築し受注力を強化するため、2026年4月に室蘭営業所と佐世保営業所を、5月に熊本営業所を開設いたしました。営業力の強化と技術者の確保育成により、事業拡大と安定収益体制の構築を推進してまいります。佐世保重工業株式会社が担う舶用機器部門は、新造船の需要増に伴って主力製品である舶用エンジン向けクランクシャフトの需要拡大が期待されております。生産効率の改善や設備の近代化による生産能力の増強により、販売シェアを拡大し、安定収益体制の構築に努めてまいります。 ④ その他事業当社グループにおきましては、市場環境の変化に応じた事業ポートフォリオの最適化を重視しており、中核事業以外のその他事業を担当するグループ各社におきましても収益体制を強化し、グループ収益基盤の強化・発展に貢献してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営成績 当連結会計年度の業績は以下のとおりです。 (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率売上高※1 159,227※1 159,035△192△0.1%営業利益29,46628,085△1,381△4.7%経常利益29,50429,535310.1%親会社株主に帰属する当期純利益26,24521,590△4,655△17.7% 当連結会計年度の為替レートは以下のとおりです。 前連結会計年度当連結会計年度差額売上高平均レート(連結会計年度)(注1)150.00円/US$151.80円/US$ 1.80円 円安期末レート (連結会計年度末)(注2)149.52円/US$159.88円/US$10.36円 円安 (注1)売上高平均レートは、「為替予約済レートを含む円換算売上高総額」÷「ドル建て売上高総額」であります。(注2)未入金かつ未予約のドル建売上高は当連結会計年度末のレートでもって円換算しております。 (概況)当連結会計年度の我が国経済は、企業の設備投資と個人消費が拡大し概ね良好に推移しましたが、米国の高関税政策や中東情勢の緊迫化などの地政学的リスクによる物価上昇、燃料費の高騰、石油化学原料不足等の今後の経済に与える影響が懸念されております。世界の新造船市場は、2021年から受注量が高い水準で推移し、竣工量も年々増加、手持工事量も右肩上がりの状態が続いております。当連結会計年度の当社グループの経営成績は、中核である新造船事業においては、グループの主力商品を従来のハンディ型撒積運搬船から大型撒積運搬船なども建造するプロダクトミックス体制へ段階的に移行させる初年度となりましたが工程は順調に進捗し、売上高は159,035百万円、営業利益は28,085百万円、経常利益は29,535百万円、税金等調整前当期純利益は29,582百万円と、最高益を記録した前連結会計年度とほぼ同水準になりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等を前年同期比4,815百万円増の7,873百万円を計上したことにより、21,590百万円となりました。 <セグメント別概況>(単位:百万円) 売上高営業利益前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率新造船122,877125,6432,7662.3%27,57228,6301,0583.8%修繕船23,04120,538△2,503△10.9%3,6361,567△2,069△56.9%鉄構・機械6,2256,279540.9%115348233203.1%その他7,0846,575△509△7.2%836882465.4%計159,227159,035△192△0.1%32,15931,427△732△2.3%消去又は全社----△2,693△3,342△649-連結159,227159,035△192△0.1%29,46628,085△1,381△4.7% 〈新造船事業〉当連結会計年度の売上高は125,643百万円(前年同期比2.3%増)、営業利益は28,630百万円(前年同期比3.8%増)となりました。資機材価格の高騰や人件費上昇の影響が大きかったものの、前期の収益獲得に大きく貢献したハンディ型撒積運搬船を当期も主力商品としつつ、今後大量の代替需要が見込まれる大型撒積運搬船などの大型船とのプロダクトミックス建造体制への移行が順調に進んだことや、設計・製造・調達など関係者一丸となった原価削減活動の効果に加え円安基調が続いたことにより、前年同期比で増収増益を達成しました。当連結会計年度におきましては、大型撒積運搬船4隻、ハンディ型撒積運搬船等17隻を完工し、大型撒積運搬船10隻、ハンディ型撒積運搬船5隻を受注した結果、当連結会計年度末の受注残高は422,073百万円(前年同期比7.1%増)となりました。 〈修繕船事業〉佐世保重工業株式会社と函館どつく株式会社が担う修繕船事業の当連結会計年度の売上高は20,538百万円(前年同期比10.9%減)、営業利益が1,567百万円(前年同期比56.9%減)と大幅な減収減益になりました。主力の国内艦艇修繕の当期間発生工事量が前期に比べて大幅に減少し、米海軍向け艦艇工事や技術難易度が高い民間船の大型工事を複数完工したものの年間操業量の低下を補えませんでした。ただ、当連結会計年度末の受注残高は10,226百万円(前年同期比92.1%増)と大きく増加しており、次年度の収益改善が期待されます。 〈鉄構・機械事業〉当連結会計年度の売上高は6,279百万円(前年同期比0.9%増)、営業利益は348百万円(前年同期比203.1%増)となりました。鉄構橋梁部門は大型案件の受注が着実に積み上がって操業量が回復し、舶用機械部門においても主力の舶用エンジン向けクランクシャフトも事業環境が改善して原価削減と生産効率の改善も進んだ結果、前年同期比で増収増益となりました。当連結会計年度末の受注残高は8,002百万円(前年同期比48.1%増)となりました。 〈その他事業〉当連結会計年度の売上高は6,575百万円(前年同期比7.2%減)、営業利益は882百万円(前年同期比5.4%増)となりました。当連結会計年度末の受注残高は792百万円(前年同期比53.3%減)であります。 (2)生産、受注および販売の実績① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(百万円)前年同期増減率(%)新造船事業95,136△1.1修繕船事業16,699△10.0鉄構・機械事業5,539△4.6その他事業7,87924.0合計125,253△1.3 (注)上記の金額は、「収益認識に関する会計基準」等によらず、工事の完成・引渡時点をもって算定された金額を記載しております。 ② 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前年同期増減率(%)受注残高(百万円)前期末増減率(%)新造船事業141,222△29.9422,0737.1修繕船事業22,34712.210,22692.1鉄構・機械事業8,80143.48,00248.1その他事業6,444△10.2792△53.3合計178,814△23.8441,0938.5 (注)上記の金額は、「収益認識に関する会計基準」等によらず、工事の完成・引渡時点をもって算定された金額を記載しております。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期増減率(%)新造船事業120,575△9.8修繕船事業17,444△31.1鉄構・機械事業6,202△18.8その他事業7,348△2.2合計151,569△12.9 (注)上記の金額は、「収益認識に関する会計基準」等によらず、工事の完成・引渡時点をもって算定された金額を記載しております。 (3)財政状態(単位:百万円) 前連結会計年度末(2025年3月31日)当連結会計年度末(2026年3月31日)増減総資産209,037266,14857,111負債103,895128,70724,812(内有利子負債)(17,726)(20,976)(3,250)純資産105,142137,44132,299自己資本比率50.0%51.3%1.3ポイント有利子負債比率17.0%15.4%△1.6ポイント 当連結会計年度末の総資産は、新造船の受注増による現預金の増加、保有する投資有価証券の時価上昇などにより、前連結会計年度末に比べて57,111百万円増加し、266,148百万円となりました。負債は、新規受注案件の増加に伴う契約負債や繰延税金負債の増加などにより、前連結会計年度末に比べて24,812百万円増加して128,707百万円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益を21,590百万円計上したこと等から、前連結会計年度末に比べて32,299百万円増加して137,441百万円となりましたが、総資産の大幅増により当連結会計年度末の自己資本比率は1.3ポイント増の51.3%にとどまりました。新造船事業においては進水時までに原価の85%の支払いが発生しているにも関わらず入金額が30~40%にすぎず、特に建造期間が長く船価も多額な大型船では造船所側の資金負担がより重くなり、修繕船事業においても工事の大型化・長期化に関わらず工事代金の支払いが殆ど完工後で資金負担が発生いたします。当社はこれまで「大型設備投資は不況時に」を原則に伊万里事業所の完成度を高めてまいりましたが、不況時であったために設備投資の過半を転換社債や増資で得た自己資金で賄ってきた結果、当連結会計年度末の有利子負債比率は15.4%と低水準で至って健全な状態にあります。しかしながら、新造船事業や修繕船事業における運転資金負担、環境対応船の建造期間の長期化や研究開発の増加、函館どつく株式会社と佐世保重工業株式会社の老朽設備更新と増強、当社伊万里事業所をはじめとする各工場の環境対応船建造に備えた適応、スマートファクトリー化などによる事業基盤強化など、さらなる成長と造船業特有の大きな不況の波に備えた厚目の現預金保有のために、今後は直接金融に加えて有利子負債比率80%を限度に借入金の増額や当座貸越の増枠など、資金調達の多様化を検討してまいります。 (4)キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ28,984百万円増加し、119,124百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、新造船の受注増による契約負債の増加等により、38,826百万円の資金の増加になりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得等により、9,410百万円の資金の減少になりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済、配当金の支払等により、479百万円の資金の減少になりました。 (5) 資本の財源および資金の流動性についての分析① 財務政策当社グループの事業活動にかかる運転資金については、主として営業キャッシュ・フローで獲得した資金を財源とし、必要に応じて不足分について銀行借入による調達を実施しております。設備投資資金等の長期的資金については、設備投資計画や事業投資計画に基づき、金利動向や既存借入金の償還時期等を総合的に勘案した上で長期借入金(や社債)等により調達することを基本方針としております。また、国内金融機関とコミットメントライン契約を締結するなど、不測の事態にも対応できる体制を整えています。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して28,984百万円増加し、119,124百万円となりました。引き続き長期的視野に立ったグループ経営を推進し、財務基盤の強化に努めてまいります。 ② 資金需要の主な内容当社グループの資金需要は、営業活動については、鋼材や資機材などの原材料費および外注加工費、人件費のほか、技術力強化や新船型開発、品質向上のための研究開発費が主な内容となっております。投資活動については、2022年度末に伊万里事業所先進化プロジェクトを発足させ、IoTやAI技術の活用による生産活動の合理化と省力化設備の導入による工場先進(スマートファクトリー)化の早期実現に向けて取り組んでおり、各製造拠点における生産性向上とコスト競争力強化を目的とした設備の近代化に加え、省エネ機器への代替や既存設備の予防保全、老朽化設備のリプレイス等の費用があります。 (6) 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 海運市況と為替変動
    新造船の需要は海運市況に大きく左右され、世界経済の悪化や地政学的リスクにより海運市況が低迷すると、受注確保が困難になります。また、新造船事業は輸出比率が高く米ドル建て契約が多いため、急激な円高は売上高や工事損失引当金に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 建造コストの増加
    新造船事業は受注から引き渡しまで長期間を要するため、その間の経済情勢の変化や資材価格の急激な変動により、当初の見積もりよりも建造コストが増加するリスクがあります。特に鋼材価格の上昇や世界的なインフレ傾向は、製造原価を押し上げる要因となります。
  • 環境規制と技術開発
    国際海事機関(IMO)による環境規制強化に対応するため、環境対応型船型や新燃料船の開発が必須となっています。もし効率的な研究開発体制や生産体制が確立できない場合、技術的な優位性を失い、競争力が低下する可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,346 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。 ① 政治・経済情勢グループの中核事業である新造船事業におきまして、新造船の需要は海運市況に大きく左右されるため、世界経済の悪化や地政学的リスクの高まりなどの影響により海運市況が低迷した場合、新造船需要が後退し、受注の確保が難しくなります。また、修繕船事業や鉄構・機械事業におきましても、国内外の政治・経済情勢の動向を受けて受注環境が変化します。 ② 事業環境・競争環境世界の新造船需要は堅調に推移しており、新造船の受注価格が以前より改善するとともに為替も円安基調で推移しておりますが、世界的な不確実性の拡大やインフレなど不安要素も多く、引き続き緊張感を持った事業経営が求められます。新造船事業においては、受注から竣工引渡しまで通常およそ2~3年の期間を要します。厳しい受注環境下において仕事量確保のためやむを得ず受注する場合や将来を見据えて戦略的に受注する場合などは赤字受注となることもあり、受注時点で工事損失引当金を計上する場合があります。船価の建値はほぼ米ドルであり、売上高および工事損失引当金の計上額は、為替レート変動の影響を受けます。 ③ 気候変動対応地球環境問題への対応の一環として、船舶から排出される硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)、二酸化炭素(CO2)などに対して、国際海事機関(IMO)が具体的な排出制限目標を定めるなど建造船における環境規制への対応が必須となっており、従来燃料に代わる新燃料船等に対するニーズが高まっています。当社は顧客等と共同し環境対応型船型の開発等に積極的に取り組んでおりますが、これら規制対応や新燃料船にかかる効率的な研究開発体制および生産体制が確立できない場合には、当社グループの主力事業である新造船事業における技術的優位性の観点から不利になりかねず、競争力が低下するリスクがあります。 ④ 為替動向新造船事業は輸出比率が高く、受注の大半は米ドル建ての契約であり、売上高および入金額や工事損失引当金は為替レートの変動の影響を受けます。その影響を軽減する対策として、為替動向を考慮しながら取締役会で定めた一定の方針に基づき計画的に為替予約を実施しております。しかしながら、急激な円高が生じた場合には、業績および財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 個別受注契約新造船事業では受注から竣工引渡しまでの期間が長期間に亘るため、その間の経済情勢の変化の影響を受けて当初見積りより建造コストが増加する可能性があり、見積精度の向上に努めています。また、建造船は、顧客ごとの仕様要求に応じた受注生産となっているため、受注契約時に十分な事前検討をおこなっておりますが、当初予期されなかった事柄が後日発生し設計変更や工程遅延等により、建造コストが増加する可能性があります。また、当社は受注に際して顧客の信用力や風評について情報を収集し、案件によっては商社を主契約者として顧客の信用リスクを軽減するなど、個別の対応をおこなっております。 ⑥ 資材調達主要な原材料・資機材において、価格の急激な変動、地政学的リスクや災害等による供給不足の問題が生じた場合、製造原価が上昇するのみならず、調達品の納期遅れによる工程遅延等の問題が発生する可能性があります。特に新造船事業においては主要原材料である鋼材価格が製造原価の大きな変動要因になっているほか、世界的なインフレ傾向等により鋼材以外の資機材についても価格上昇の影響が懸念されます。このような状況下、資機材の確実な調達と情報収集のために大阪本社と東京事務所に資材部員を常駐させ、調達部門と営業部門・設計部門やグループ各社との連携を強化し、各種合理化策、VA/VE活動等を一層深化させることで最大限の調達コスト削減を目指すとともに、従来の取引実績には拘らない内外サプライチェーンの見直しと再編に積極的に取り組んでまいります。 ⑦ 人材確保・育成当社グループにおいて人材は重要な経営資源であり、女性・外国人材の活用を含めて将来を担う人材の採用・育成と円滑な技術・技能の伝承に努めておりますが、労働市場の動向によっては計画通りの人材確保・育成ができず、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 品質保証当社グループは、品質や安全に関する法令等を遵守し、製品の品質向上に常に努めておりますが、過失等により大きな不具合が発生した場合、損害賠償や訴訟費用等により多額の費用が発生し、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 労働安全衛生当社グループは、事業所および建設工事現場等における労働安全衛生管理に様々な対策を講じていますが、不測の事故等により重大な労働災害や健康被害が発生した場合には、生産活動に支障をきたし、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 人権の尊重当社グループは「名村造船所グループ人権方針」を定めるとともに、グループESG委員会および当社ESG委員会を中心とした活動により、サプライチェーンを通じた人権尊重の取り組みの推進・実行を図っています。このような活動にも関わらず、人権侵害に関わる重大な事案が発生した場合には、当社グループの信用力低下や当局からの処分等により、多額の費用や損失が発生し、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ コンプライアンス当社グループは、法令遵守がすべての基本であるとの認識のもと、グループESG委員会における議論を通じて「名村造船所グループ行動憲章」を定めており、グループESG委員会および当社ESG委員会を中心とした活動により、各階層にわたるコンプライアンス教育・研修を実施するなどコンプライアンスの推進・実行を図っています。このような活動にも関わらず、コンプライアンスに関わる重大な事案が発生した場合には、当社グループの信用力低下や当局からの処分等により、多額の費用や損失が発生し、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 危機管理当社グループは、大規模な地震や風水害等の自然災害や火災・その他の災害等の発生に備えて設備の点検、訓練の実施、連絡体制の整備などを進めておりますが、このような災害等による生産設備の損壊、物流機能の麻痺等の直接的な被害や、電力不足が解消されないこと等の間接的な被害が発生した場合、また予期せぬ感染症の拡大により操業への影響などが生じた場合には、当社グループの事業活動に支障をきたし、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑬ 情報セキュリティ当社グループは、事業を通じて入手した取引先等の機密情報や当社グループの設計・技術・営業等に関する機密情報を保有しており、これらの情報の保護に努めておりますが、コンピュータウィルスの感染や不正アクセス等によりこれらの情報が流出・消失した場合やシステムが停止した場合、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑭ 投資有価証券の減損当社グループが保有する投資有価証券のうち、時価を有するものについては時価が著しく下落した場合に、時価のないものについては実質価額が著しく低下した場合に、投資有価証券評価損を計上することがあります。保有する投資有価証券については継続保有に資するかを毎年検討しており、保有の意義・合理性が乏しくなったと判断される株式については、適宜、縮減を図ってまいります。 ⑮ 固定資産の減損当社グループが保有する固定資産について、経営環境の変化等により将来キャッシュ・フローの見通しが低下した場合等に減損損失を計上することがあります。

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