7078

INCLUSIVE Holdings(7078)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • デジタルメディア運営支援
    INCLUSIVE Holdingsは、デジタルメディアの企画、運営支援を通じて収益を得ています。具体的には、ニュースレターサービスやゴルフテックサービスなど、多様な情報発信フォーマットでユーザーを集客し、広告収入や個人課金サービスから収益を上げています。論理的かつ定量データに基づいたコンサルティングとコンテンツ運用体制が強みです。
  • 企画・プロデュース事業
    企業や自治体に対し、事業戦略のコンサルティング、ブランディング支援、広告運用、プロモーション企画、PRサービス、地域創生サービスなどを提供しています。大手クライアントとの実績が多く、幅広い市場や業界の知見を活かし、戦略からクリエイティブ、PRまでワンストップで支援することで収益を上げています。
  • 食関連事業展開
    安政三年(1856年)創業の「下鴨茶寮」ブランドを基盤に、料亭運営、百貨店での商品販売、ふるさと納税を含むEC事業など、食に関連する多様なサービス・商品を提供しています。高単価・高付加価値なサービスと自社製造体制を強みとし、ブランド価値の構築と拡張を通じて収益を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • メディア&コンテンツ事業
    デジタルメディアの企画、運営支援、ニュースレターサービス、ゴルフテックサービスなどを展開しています。インターネット上でユーザーを集客し、広告収入や個人課金サービスで収益を上げています。最新年度の売上は6.66306億円、営業利益は-3.69111億円と、投資フェーズにあることが伺えます。
  • 企画&プロデュース事業
    企業や自治体向けのコンサルティング、ブランディング支援、広告運用、プロモーション、地域創生サービスなどを提供しています。大手クライアントとの豊富な実績と幅広い知見が強みです。最新年度の売上は21.36522億円、営業利益は0.67048億円と、グループの主要な収益源の一つとなっています。
  • 食関連事業
    安政三年創業の「下鴨茶寮」ブランドを基盤に、料亭、百貨店、EC事業(ふるさと納税含む)で食関連サービス・商品を提供しています。高単価・高付加価値戦略と自社製造体制が特徴です。最新年度の売上は20.89638億円、営業利益は-0.53528億円であり、ブランド価値の維持・向上と事業拡大に注力している段階です。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
MediaAndContents 事業 7 -4 -55.4%
PlanningAndProduce 事業 21 1 3.1%
Meal 事業 21 -1 -2.6%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,744 文字
3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は2025年10月1日付で持株会社体制へ移行いたしました。当社グループの事業におきましては、市場環境や事業優位性等を勘案し、創業からの基軸であったメディア事業から地域創生へと事業主軸をシフトし、ブランドコンサルティング、食関連、宇宙関連など複数領域での事業展開を推進しております。 当社グループは、当社(INCLUSIVE Holdings株式会社)、子会社9社により構成されており、報告セグメントを「ブランドコンサルティング事業」「食関連事業」「宇宙関連事業」「投資事業」の4つに分類しております。 なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。 a. ブランドコンサルティング事業事業会社及び団体向けのブランディング支援、デジタルマーケティング、空間デザイン・施工サービスの提供、デジタルメディアのマネタイズ支援などを行っております。b. 食関連事業当社子会社の株式会社下鴨茶寮が、安政三年(1856年)創業の下鴨茶寮ブランドを基盤として、店舗運営やEC事業などの食に関連する各種サービスを提供しております。c. 宇宙関連事業当社子会社のLAND INSIGHT株式会社が、地方自治体向けに農業・林業・防災分野などにおける衛星データコンサルティング事業を行っております。d. 投資事業当社が保有する営業投資有価証券の管理・運用に加え、将来の成長が見込まれる企業への新規投資、および投資先企業の企業価値向上に向けた支援活動を行っております。 当社グループが展開するそれぞれのセグメントの概要は、以下のとおりです。 a.ブランドコンサルティング事業ブランドコンサルティング事業は、事業会社及び団体向けのブランディング支援、デジタルマーケティング、空間デザイン・施工サービスの提供、デジタルメディアのマネタイズ支援などを行う事業領域です。当事業領域のコンサルティング部門においては、地域観光拠点のリブランディングや施設整備をはじめ、インバウンド旅行者の消費拡大を見越した観光産業の生産性向上、観光地経営の高度化、各種イベントの空間デザイン・ブランディング企画など、地域創生コンテクストでのさまざまな取り組みが進められています。また、メディア関連部門においては、オウンドメディアのマネタイズ化やSNS運用支援、前述のコンサルティング部門のプロジェクトと協働したプロモーション企画やデジタルマーケティングを実施しております。 b.食関連事業 食関連事業においては、安政三年(1856年)創業の下鴨茶寮というブランドを基盤として、京都・東京の店舗運営と料亭ブランドを基軸にしたデパ地下店舗運営、EC事業など、食に関連する各種サービスを提供しています。食関連領域においては、自社製造体制を活用することで、料亭に加え、百貨店、ふるさと納税を含むEC事業を通して幅広く商品を展開しております。確かなブランド価値の構築とその拡張体験を提供していく事で差別化を図り、新たな地域への事業展開や和食というコンテンツを海外へ輸出していくといった事業機会に対しても展開を強化していく方針です。 c.宇宙関連事業 宇宙関連事業においては、LAND INSIGHT株式会社が、地方自治体向けに行政の農業・林業・防災・固定資産調査等の分野における衛星データコンサルティング事業を展開しています。中心となる農業行政における現地調査支援サービス「圃場(ほじょう)DX」は、転作確認業務における人的負担の軽減や業務効率化を実現し、令和7年度には前年度比約6倍となる130市町村に導入されるなど、自治体行政におけるDX需要に応え、サービスシェアを拡大しております。 d.投資事業 投資事業においては、市場動向を精査しつつ当社が保有する営業投資有価証券の適切な管理・運用を実施しております。中長期的な企業価値向上を目指し、機動的なポートフォリオの入れ替えを推進しております。 [事業系統図]以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりとなります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
下鴨茶寮ブランドを活用した高単価高付加価値サービス提供や差別化に取り組んでいるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 なし
事業領域は規制業種ではなく、参入障壁も低い。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:景気動向の変動 / インターネット広告市場の変動と競争激化 / 食関連領域の市場変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 1 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

開示情報からは、特許、ブランド力、規制ライセンスなどの具体的な無形資産に関する情報は確認できない。事業内容も一般的なサービス提供であり、特異なIPの存在は示唆されていない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

顧客がサービスを乗り換える際の直接的なコストや手間は限定的である可能性が高い。ただし、特定の業務プロセスに深く組み込まれている場合、間接的なスイッチングコストが発生する可能性は否定できない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

事業モデルにおいて、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は確認できない。プラットフォーム型ビジネスではないため、この要素は希薄である。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

競合他社と比較して、構造的に低いコストでサービスを提供できるような優位性は開示情報からは見られない。規模の経済や独自の効率化によるコスト削減の兆候はない。

規模の経済☆☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

事業規模が業界全体に対して最適化されている、あるいは少数寡占を形成しているという証拠はない。市場シェアや業界内でのポジションに関する具体的な情報は不足している。

  • データ駆動型メディア運用
    同社は「コンテンツマトリクス」という独自の仕組みを活用し、論理的かつ定量データに基づいてメディアを運営しています。ターゲットユーザーを明確にし、コンテンツとのマッチング状況やサービス品質を数値化(ページビュー、ユニークユーザー数、課金金額など)してKPI管理することで、効果的なメディア運用と収益最大化を実現しています。
  • 幅広いプロデュース実績
    企画&プロデュース事業では、大手クライアントとの多数のプロデュース案件を通じて、幅広いジャンルの市場や業界に関する深い知見と実績を培っています。これにより、クライアントの事業戦略からクリエイティブ、PR、コミュニケーションまでをワンストップで設計・実施できる点が強みであり、競合との差別化要因となっています。
  • 老舗ブランドの活用
    食関連事業では、安政三年創業の「下鴨茶寮」という歴史あるブランドを基盤としています。この確固たるブランド価値は、高単価・高付加価値サービスの提供やEC事業の展開において強力な差別化要因となり、新規顧客獲得や既存顧客のロイヤルティ向上に貢献しています。和食コンテンツの海外展開も視野に入れています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針について 当社グループは、「ヒトを変え、事業を変え、そして社会を変える。」を企業ビジョンとして掲げ、ブランドコンサルティング領域、食関連領域、宇宙関連領域、投資領域において事業を展開してまいりました。各事業会社が迅速かつ柔軟な事業展開に取り組み、これまで培ってきたメディアマーケティング領域を活かしつつ、更なる事業拡大と企業価値向上を実現させることが重要課題と捉えております。そのうえで、市場環境の変化に迅速に対応し、グループ経営の強化、人的資本や経営資源の効率化を進め、既存事業に囚われない新規事業の創出と事業領域の拡大を実現するため、2025年10月1日付で当社グループは持株会社体制へ移行いたしました。 持株会社体制への移行後は、子会社である各事業会社はそれぞれの領域において柔軟かつ迅速な経営判断のもと事業を展開してまいります。それに伴い、これまでのメディア・コンテンツを主軸とする事業から地域観光資源開発・地域レガシー産業のDXや高付加価値化などの地域創生事業への転換を進め、地域創生を基軸とした新規事業の創出と事業領域の拡大に努め、INCLUSIVE Holdingsグループ全体の企業価値向上を目指してまいります。 当連結会計年度において当社グループは、ブランドコンサルティング事業、食関連事業、宇宙関連事業、投資事業の4セグメントにおいて事業展開をおこなっております。 ① ブランドコンサルティング事業 ブランドコンサルティング事業は、事業会社および自治体ほか各種団体向けブランドコンサルティングやプロデュース企画、SNS運用支援等のメディアマーケティング、地域資源を有効活用する地域創生事業を展開しております。 当事業領域においては、短期的には、案件ごとの利益率向上を重要指標と捉え、既存・新規を問わず取引先との関係強化と並行して当社の強みを発揮できる案件の選択と集中を推進してまいります。また、ブランディング支援や企業向けPRコンサルティングなどにおいては、ブランドを体験することで価値を生み出す「場のメディア化」施策を掲げております。中長期的には、地域ブランドを発掘し、埋もれていた地域資源の価値を創出する地域創生事業に注力するなかで、グループ会社との連携により、観光拠点や既存施設のリブランディングや観光を含めた地域産業の活性化に貢献する社会的影響力の大きなプロジェクトへの取り組みを進めております。 内製化傾向の強い事業会社のデジタルマーケティングの領域において、事業会社のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進支援、コンサルティングとともに運営メディアの獲得と広告関連サービスのアップセルとクロスセルに注力しております。 ブランドコンサルティング事業の成長戦略は次のとおりです。・「場のメディア化」の推進 空間プロデュースのノウハウを元に従来のブランディング構造を転換する発想で、来場者・ユーザーの体験と感動を設計し、ブランドを体験してもらう、「場のメディア化」を推進します。来場者・ユーザーが訪れる場所をメディアとすることで膨大かつコアな情報を発信し、ブランド価値の向上につなげます。 ・社会的インパクトの大きなプロジェクトの主導 2025年夏開催の大阪・関西万博におけるシグネチャーパビリオン「EARTH MART」総合プロデュースや、2026年3月にオープンしたJR高輪ゲートウェイ駅に誕生した総合文化施設「MoN Takanawa」総合プロデュースなど、企画から空間デザイン、運営まで一気通貫のプロデュース体制をもとに影響力の大きなプロジェクトを展開します。 ・地域ブランドのIP(Intellectual Property:知的財産)化 当社グループが支援する地域観光施設や拠点におけるブランド、デザイン、物語を知的財産(IP)として保護し、それらを多角的に展開することで収益を生み出す資産へと構築し、活用します。 ② 食関連事業 食関連事業は、当社グループの株式会社下鴨茶寮の持つ安政三年(1856年)創業の下鴨茶寮というブランドを基盤として、インバウンド需要を満たす京都・東京の店舗運営と料亭ブランドを基軸にしたデパ地下店舗運営、EC事業などに取り組んでおります。 当該事業領域においては、店舗運営やEC事業など事業形態の拡大に伴い自社製造体制を見直し、多様な製造販売ルートに対応した商品開発体制を構築いたしました。また大幅な円安を背景としたインバウンド消費を見越し、新商品の開発を進めるとともに国内リアル店舗での高単価高付加価値サービスの提供に注力しております。EC事業においては、ヒトの感性を大事にしつつAI技術を最大限活用し、需要予測による無駄の排除、マーケティングの自動最適化を実現し、同事業の売上拡大を図ります。中長期的には、下鴨茶寮のブランド価値を強化し、新たな地域への事業展開やEC事業の海外展開など、新たなサービス開発と事業展開を強化していく方針です。 食関連事業セグメントの成長戦略は次のとおりです。・感性×AI ヒトの感性を損なうことなくAIを最大限活用し、需要予測やマーケティングの自動最適化を実現し、EC事業の売上拡大に貢献します。 ・食の高付加価値化 多様な流通チャンネルに対応する商品開発、海外富裕層を対象とする高収益なブランドプロダクトへの転換を進めます。 ・下鴨茶寮のECビジネスモデルの横展開 AI技術を活用した需要予測とマーケティングの自動最適化をパッケージ化して事業会社向けサービスとして展開を進めます。 ③ 宇宙関連事業 宇宙関連領域においては、LAND INSIGHT株式会社の衛星データ利活用によるDX事業展開を強化します。当事業の中心となる自治体農業行政における現地調査支援サービス「圃場(ほじょう)DX」は、行政の効率化に大きく寄与する重要な技術基盤となりつつあり、DXサービスにおける標準化を目指してまいります。今後は、農業に加えて、林業・防災・固定資産調査分野等において、地方自治体向けのDXソリューションとしてのサービス開発に注力いたします。LAND INSIGHTでは、この成長領域においてリーディングポジションを確立すべく、技術開発・パートナーシップ・政策連携の各面から積極的な取り組みを進めております。 宇宙関連事業セグメントの成長戦略は次のとおりです。・「圃場DX」全国実装 支援先のひとつである宮崎県では、県内6協議会(7市町村)での実証の結果、現地調査が必要な農地数を最大8割削減できるという実効性の高さが証明されました。これらの高いサービス優位性をもって、さらなる自治体シェア拡大をすすめてまいります。 ・行政DX=自働化、防災・固定資産調査など他の領域への展開 各自治体との協業体制の構築を進め、自治体の課題を直接取り込むことで、行政自働化を進めております。また、引き続き官民連携による地域創生DXとして、自治体向け行政効率化・省人化サービスを展開いたします。 ④ 投資事業 投資事業においては、市場動向を精査しつつ当社が保有する営業投資有価証券の適切な管理・運用を実施しております。中長期的な企業価値向上を目指し、機動的なポートフォリオの入れ替えを推進しております。また、投資先企業の価値向上に向けた支援活動を継続して行いつつ、将来の成長が見込まれる企業や事業への新規投資についても、当社投資ガイドラインに沿って検討を進めております。 (2)目標とする経営指標 当社グループでは、収益規模を持続的に拡大させていくことと、効果的なリソース配分がなされている事の両面を担保していく観点から、売上高ならびに営業利益を重視しております。また、今後の成長に向けた新規サービス等の開発投資が重要との認識から調整後EBITDA(=営業利益+減価償却費及びのれん償却費+株式報酬費用+寄付金)についても、当社グループの経常的な事業収益力を測る指標として重視しております。 (3)経営環境について 当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移いたしました。国内企業においては、深刻化する人手不足への対応や競争力強化を目的とした、戦略的なIT投資が一段と加速いたしました。特に、生成AIをはじめとする先端技術の活用やレガシーシステムの刷新、クラウド移行による業務効率化需要が堅調に推移し、経済全体の活性化に寄与いたしました。一方で、不安定な地政学リスクや為替相場の変動、金融政策の動向が懸念され、依然として先行き不透明な状況が続きました。 このような市場環境のなか、当社グループは2025年10月1日付で持株会社体制へ移行いたしました。当社グループの事業におきましては、メディア事業から地域創生へと事業主軸をシフトし、ブランドコンサルティング、食関連、宇宙関連など複数領域での事業展開を推進しております。 ブランドコンサルティング事業領域においては、インバウンド旅行者の消費拡大を見越した観光産業の生産性向上、観光地経営の高度化、各種イベントの空間デザイン・ブランディング企画など、さまざまな取り組みが進められています。当社グループでは、地域観光拠点のリブランディングや施設整備をはじめ、地域発のブランディング支援やデジタルマーケティングの展開など、観光と地域産業の活性化に貢献するプロジェクトを手がけています。 食関連事業領域においては、インバウンド需要の好調が続いており、2025年(暦年)における下鴨茶寮の出店場所である京都府及び東京都の旅行消費額は、それぞれ6,802億円及び32,867億円(国土交通省観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年暦年の調査結果(都道府県別)」)といずれも国内上位の需要が集中するエリアになっております。下鴨茶寮という伝統的な料亭ブランドの強みを活かしつつ、AIを用いたデータ分析を積極的に活用するなど、デジタル領域での抜本的な組織強化と戦略投資を進めています。 宇宙関連事業領域においては、政府が進める農業行政DX推進を受け、衛星データを利活用した農業行政現地調査支援サービス「圃場DX」の導入自治体数が急拡大しております。また、本事業開始当初から密接な関係を築いてきた福島県南相馬市との共創による「圃場DX」サービスの開発と先導的な取り組みが評価され、2026年2月、宇宙開発利用の推進に多大な貢献とした事例として『第7回宇宙開発利用大賞「農林水産大臣賞」』を受賞いたしました。これらの自治体との連携、実証実験の成果をもとに、業務効率化および省人化など地方自治体の農業行政におけるDXを推進し、地域課題の解決支援に積極的に取り組んでおります。 (4)対処すべき課題 当社グループを取り巻く事業環境は、デジタル化の進展、消費行動の変化、地域経済を巡る政策動向の変化等を背景として、大きく変化しております。このような環境のもと、当社は2025年10月1日付で持株会社体制へ移行し、グループ経営機能の強化及び経営資源配分の最適化を推進しております。今後は、グループ全体最適の観点から、持続的な成長及び企業価値向上を実現するため、以下の課題に重点的に取り組んでまいります。 ① 持株会社体制におけるグループ経営機能の強化 当社グループは、持株会社体制への移行に伴い、グループ各社に分散していた経営管理機能の集約を進めております。今後は、グループ横断での迅速な意思決定、経営資源配分の最適化、内部統制及びガバナンス体制の強化を推進し、グループシナジーの最大化を図ってまいります。また、資本効率及び収益性を重視した経営管理体制を構築し、継続的な企業価値向上に取り組んでまいります。 ② 事業ポートフォリオの最適化について 当社グループは、従来のインターネット関連領域に加え、地域創生関連事業、食関連事業及び宇宙関連事業等の成長領域への展開を進めております。特に、地域経済活性化に関連する需要の拡大を背景として、自治体及び地域企業との連携強化を進めるとともに、グループ各社の事業基盤を活用した収益機会の拡大に取り組んでおります。また、デジタルマーケティング支援、EC関連支援及びブランドコンサルティング等の各事業領域における連携を強化し、グループ全体での収益基盤の安定化を図ってまいります。今後も、事業ごとの収益性及び成長性を継続的に検証し、グループ全体の事業ポートフォリオの最適化を推進してまいります。 ③ 外部環境の変化への対応とコスト管理の徹底 食関連事業領域における原材料や資材価格の上昇、物流費及びエネルギーコストの変動等、外部環境の変化が事業に及ぼす影響を注視しております。当社グループは、グループ一体となった調達体制の最適化、継続的なコスト削減及びAI Transformation(以下「AX」)を活用した業務効率化を推進することで、生産性向上及び収益体質の強化に取り組んでまいります。また、環境変化に柔軟に対応可能な事業運営体制を構築することで、安定的な収益基盤の確立を目指してまいります。 ④ ブランド価値及び情報信頼性の確保について 当社グループは、メディア運営及びデジタルマーケティング支援を行う企業グループとして、ブランド価値及び情報の信頼性確保が重要な課題であると認識しております。そのため、コンテンツに対する社内レビュー体制及び専門家監修体制の強化を進めるとともに、適切な広告配信及びコンテンツ品質管理の徹底に取り組んでおります。今後も、広告主及びユーザー双方からの信頼向上に努めてまいります。 ⑤ 人材の確保及び育成について 当社グループは、今後の事業拡大及び新規事業展開に対応するため、専門性を有する人材の確保及び育成が重要であると認識しております。特に、地域創生、AX、事業開発等の領域における人材採用及び育成を推進するとともに、人事制度及び教育体制の整備を進めることで、人材の定着及び組織力の向上に努めてまいります。また、権限委譲及び経営人材育成を推進することで、特定個人への依存度低減を図り、持続可能な組織体制の構築に取り組んでまいります。 ⑥ 内部管理体制及びガバナンス体制の強化について 当社グループは、法令及び定款に適合した事業運営を継続的に行うため、内部統制基本方針を定め、内部管理体制及び内部統制体制の整備・運用を推進しております。持株会社体制への移行に伴い、グループ全体での内部管理水準の向上、コンプライアンス体制の強化及びリスク管理体制の高度化が重要であると認識しております。そのため、内部統制基本方針について継続的な見直しを行うとともに、外部専門家からの助言等も踏まえ、コーポレート・ガバナンス体制の更なる強化に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針について 当社グループは、「ヒトを変え、事業を変え、そして社会を変える。」を企業ビジョンとして掲げ、ブランドコンサルティング領域、食関連領域、宇宙関連領域、投資領域において事業を展開してまいりました。各事業会社が迅速かつ柔軟な事業展開に取り組み、これまで培ってきたメディアマーケティング領域を活かしつつ、更なる事業拡大と企業価値向上を実現させることが重要課題と捉えております。そのうえで、市場環境の変化に迅速に対応し、グループ経営の強化、人的資本や経営資源の効率化を進め、既存事業に囚われない新規事業の創出と事業領域の拡大を実現するため、2025年10月1日付で当社グループは持株会社体制へ移行いたしました。 持株会社体制への移行後は、子会社である各事業会社はそれぞれの領域において柔軟かつ迅速な経営判断のもと事業を展開してまいります。それに伴い、これまでのメディア・コンテンツを主軸とする事業から地域観光資源開発・地域レガシー産業のDXや高付加価値化などの地域創生事業への転換を進め、地域創生を基軸とした新規事業の創出と事業領域の拡大に努め、INCLUSIVE Holdingsグループ全体の企業価値向上を目指してまいります。 当連結会計年度において当社グループは、ブランドコンサルティング事業、食関連事業、宇宙関連事業、投資事業の4セグメントにおいて事業展開をおこなっております。 ① ブランドコンサルティング事業 ブランドコンサルティング事業は、事業会社および自治体ほか各種団体向けブランドコンサルティングやプロデュース企画、SNS運用支援等のメディアマーケティング、地域資源を有効活用する地域創生事業を展開しております。 当事業領域においては、短期的には、案件ごとの利益率向上を重要指標と捉え、既存・新規を問わず取引先との関係強化と並行して当社の強みを発揮できる案件の選択と集中を推進してまいります。また、ブランディング支援や企業向けPRコンサルティングなどにおいては、ブランドを体験することで価値を生み出す「場のメディア化」施策を掲げております。中長期的には、地域ブランドを発掘し、埋もれていた地域資源の価値を創出する地域創生事業に注力するなかで、グループ会社との連携により、観光拠点や既存施設のリブランディングや観光を含めた地域産業の活性化に貢献する社会的影響力の大きなプロジェクトへの取り組みを進めております。 内製化傾向の強い事業会社のデジタルマーケティングの領域において、事業会社のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進支援、コンサルティングとともに運営メディアの獲得と広告関連サービスのアップセルとクロスセルに注力しております。 ブランドコンサルティング事業の成長戦略は次のとおりです。・「場のメディア化」の推進 空間プロデュースのノウハウを元に従来のブランディング構造を転換する発想で、来場者・ユーザーの体験と感動を設計し、ブランドを体験してもらう、「場のメディア化」を推進します。来場者・ユーザーが訪れる場所をメディアとすることで膨大かつコアな情報を発信し、ブランド価値の向上につなげます。 ・社会的インパクトの大きなプロジェクトの主導 2025年夏開催の大阪・関西万博におけるシグネチャーパビリオン「EARTH MART」総合プロデュースや、2026年3月にオープンしたJR高輪ゲートウェイ駅に誕生した総合文化施設「MoN Takanawa」総合プロデュースなど、企画から空間デザイン、運営まで一気通貫のプロデュース体制をもとに影響力の大きなプロジェクトを展開します。 ・地域ブランドのIP(Intellectual Property:知的財産)化 当社グループが支援する地域観光施設や拠点におけるブランド、デザイン、物語を知的財産(IP)として保護し、それらを多角的に展開することで収益を生み出す資産へと構築し、活用します。 ② 食関連事業 食関連事業は、当社グループの株式会社下鴨茶寮の持つ安政三年(1856年)創業の下鴨茶寮というブランドを基盤として、インバウンド需要を満たす京都・東京の店舗運営と料亭ブランドを基軸にしたデパ地下店舗運営、EC事業などに取り組んでおります。 当該事業領域においては、店舗運営やEC事業など事業形態の拡大に伴い自社製造体制を見直し、多様な製造販売ルートに対応した商品開発体制を構築いたしました。また大幅な円安を背景としたインバウンド消費を見越し、新商品の開発を進めるとともに国内リアル店舗での高単価高付加価値サービスの提供に注力しております。EC事業においては、ヒトの感性を大事にしつつAI技術を最大限活用し、需要予測による無駄の排除、マーケティングの自動最適化を実現し、同事業の売上拡大を図ります。中長期的には、下鴨茶寮のブランド価値を強化し、新たな地域への事業展開やEC事業の海外展開など、新たなサービス開発と事業展開を強化していく方針です。 食関連事業セグメントの成長戦略は次のとおりです。・感性×AI ヒトの感性を損なうことなくAIを最大限活用し、需要予測やマーケティングの自動最適化を実現し、EC事業の売上拡大に貢献します。 ・食の高付加価値化 多様な流通チャンネルに対応する商品開発、海外富裕層を対象とする高収益なブランドプロダクトへの転換を進めます。 ・下鴨茶寮のECビジネスモデルの横展開 AI技術を活用した需要予測とマーケティングの自動最適化をパッケージ化して事業会社向けサービスとして展開を進めます。 ③ 宇宙関連事業 宇宙関連領域においては、LAND INSIGHT株式会社の衛星データ利活用によるDX事業展開を強化します。当事業の中心となる自治体農業行政における現地調査支援サービス「圃場(ほじょう)DX」は、行政の効率化に大きく寄与する重要な技術基盤となりつつあり、DXサービスにおける標準化を目指してまいります。今後は、農業に加えて、林業・防災・固定資産調査分野等において、地方自治体向けのDXソリューションとしてのサービス開発に注力いたします。LAND INSIGHTでは、この成長領域においてリーディングポジションを確立すべく、技術開発・パートナーシップ・政策連携の各面から積極的な取り組みを進めております。 宇宙関連事業セグメントの成長戦略は次のとおりです。・「圃場DX」全国実装 支援先のひとつである宮崎県では、県内6協議会(7市町村)での実証の結果、現地調査が必要な農地数を最大8割削減できるという実効性の高さが証明されました。これらの高いサービス優位性をもって、さらなる自治体シェア拡大をすすめてまいります。 ・行政DX=自働化、防災・固定資産調査など他の領域への展開 各自治体との協業体制の構築を進め、自治体の課題を直接取り込むことで、行政自働化を進めております。また、引き続き官民連携による地域創生DXとして、自治体向け行政効率化・省人化サービスを展開いたします。 ④ 投資事業 投資事業においては、市場動向を精査しつつ当社が保有する営業投資有価証券の適切な管理・運用を実施しております。中長期的な企業価値向上を目指し、機動的なポートフォリオの入れ替えを推進しております。また、投資先企業の価値向上に向けた支援活動を継続して行いつつ、将来の成長が見込まれる企業や事業への新規投資についても、当社投資ガイドラインに沿って検討を進めております。 (2)目標とする経営指標 当社グループでは、収益規模を持続的に拡大させていくことと、効果的なリソース配分がなされている事の両面を担保していく観点から、売上高ならびに営業利益を重視しております。また、今後の成長に向けた新規サービス等の開発投資が重要との認識から調整後EBITDA(=営業利益+減価償却費及びのれん償却費+株式報酬費用+寄付金)についても、当社グループの経常的な事業収益力を測る指標として重視しております。 (3)経営環境について 当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移いたしました。国内企業においては、深刻化する人手不足への対応や競争力強化を目的とした、戦略的なIT投資が一段と加速いたしました。特に、生成AIをはじめとする先端技術の活用やレガシーシステムの刷新、クラウド移行による業務効率化需要が堅調に推移し、経済全体の活性化に寄与いたしました。一方で、不安定な地政学リスクや為替相場の変動、金融政策の動向が懸念され、依然として先行き不透明な状況が続きました。 このような市場環境のなか、当社グループは2025年10月1日付で持株会社体制へ移行いたしました。当社グループの事業におきましては、メディア事業から地域創生へと事業主軸をシフトし、ブランドコンサルティング、食関連、宇宙関連など複数領域での事業展開を推進しております。 ブランドコンサルティング事業領域においては、インバウンド旅行者の消費拡大を見越した観光産業の生産性向上、観光地経営の高度化、各種イベントの空間デザイン・ブランディング企画など、さまざまな取り組みが進められています。当社グループでは、地域観光拠点のリブランディングや施設整備をはじめ、地域発のブランディング支援やデジタルマーケティングの展開など、観光と地域産業の活性化に貢献するプロジェクトを手がけています。 食関連事業領域においては、インバウンド需要の好調が続いており、2025年(暦年)における下鴨茶寮の出店場所である京都府及び東京都の旅行消費額は、それぞれ6,802億円及び32,867億円(国土交通省観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年暦年の調査結果(都道府県別)」)といずれも国内上位の需要が集中するエリアになっております。下鴨茶寮という伝統的な料亭ブランドの強みを活かしつつ、AIを用いたデータ分析を積極的に活用するなど、デジタル領域での抜本的な組織強化と戦略投資を進めています。 宇宙関連事業領域においては、政府が進める農業行政DX推進を受け、衛星データを利活用した農業行政現地調査支援サービス「圃場DX」の導入自治体数が急拡大しております。また、本事業開始当初から密接な関係を築いてきた福島県南相馬市との共創による「圃場DX」サービスの開発と先導的な取り組みが評価され、2026年2月、宇宙開発利用の推進に多大な貢献とした事例として『第7回宇宙開発利用大賞「農林水産大臣賞」』を受賞いたしました。これらの自治体との連携、実証実験の成果をもとに、業務効率化および省人化など地方自治体の農業行政におけるDXを推進し、地域課題の解決支援に積極的に取り組んでおります。 (4)対処すべき課題 当社グループを取り巻く事業環境は、デジタル化の進展、消費行動の変化、地域経済を巡る政策動向の変化等を背景として、大きく変化しております。このような環境のもと、当社は2025年10月1日付で持株会社体制へ移行し、グループ経営機能の強化及び経営資源配分の最適化を推進しております。今後は、グループ全体最適の観点から、持続的な成長及び企業価値向上を実現するため、以下の課題に重点的に取り組んでまいります。 ① 持株会社体制におけるグループ経営機能の強化 当社グループは、持株会社体制への移行に伴い、グループ各社に分散していた経営管理機能の集約を進めております。今後は、グループ横断での迅速な意思決定、経営資源配分の最適化、内部統制及びガバナンス体制の強化を推進し、グループシナジーの最大化を図ってまいります。また、資本効率及び収益性を重視した経営管理体制を構築し、継続的な企業価値向上に取り組んでまいります。 ② 事業ポートフォリオの最適化について 当社グループは、従来のインターネット関連領域に加え、地域創生関連事業、食関連事業及び宇宙関連事業等の成長領域への展開を進めております。特に、地域経済活性化に関連する需要の拡大を背景として、自治体及び地域企業との連携強化を進めるとともに、グループ各社の事業基盤を活用した収益機会の拡大に取り組んでおります。また、デジタルマーケティング支援、EC関連支援及びブランドコンサルティング等の各事業領域における連携を強化し、グループ全体での収益基盤の安定化を図ってまいります。今後も、事業ごとの収益性及び成長性を継続的に検証し、グループ全体の事業ポートフォリオの最適化を推進してまいります。 ③ 外部環境の変化への対応とコスト管理の徹底 食関連事業領域における原材料や資材価格の上昇、物流費及びエネルギーコストの変動等、外部環境の変化が事業に及ぼす影響を注視しております。当社グループは、グループ一体となった調達体制の最適化、継続的なコスト削減及びAI Transformation(以下「AX」)を活用した業務効率化を推進することで、生産性向上及び収益体質の強化に取り組んでまいります。また、環境変化に柔軟に対応可能な事業運営体制を構築することで、安定的な収益基盤の確立を目指してまいります。 ④ ブランド価値及び情報信頼性の確保について 当社グループは、メディア運営及びデジタルマーケティング支援を行う企業グループとして、ブランド価値及び情報の信頼性確保が重要な課題であると認識しております。そのため、コンテンツに対する社内レビュー体制及び専門家監修体制の強化を進めるとともに、適切な広告配信及びコンテンツ品質管理の徹底に取り組んでおります。今後も、広告主及びユーザー双方からの信頼向上に努めてまいります。 ⑤ 人材の確保及び育成について 当社グループは、今後の事業拡大及び新規事業展開に対応するため、専門性を有する人材の確保及び育成が重要であると認識しております。特に、地域創生、AX、事業開発等の領域における人材採用及び育成を推進するとともに、人事制度及び教育体制の整備を進めることで、人材の定着及び組織力の向上に努めてまいります。また、権限委譲及び経営人材育成を推進することで、特定個人への依存度低減を図り、持続可能な組織体制の構築に取り組んでまいります。 ⑥ 内部管理体制及びガバナンス体制の強化について 当社グループは、法令及び定款に適合した事業運営を継続的に行うため、内部統制基本方針を定め、内部管理体制及び内部統制体制の整備・運用を推進しております。持株会社体制への移行に伴い、グループ全体での内部管理水準の向上、コンプライアンス体制の強化及びリスク管理体制の高度化が重要であると認識しております。そのため、内部統制基本方針について継続的な見直しを行うとともに、外部専門家からの助言等も踏まえ、コーポレート・ガバナンス体制の更なる強化に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態の状況 (資産) 当連結会計年度末における流動資産は2,494,614千円となり、前連結会計年度末に比べ253,356千円減少いたしました。これは主に営業投資有価証券が115,482千円増加した一方、売掛金及び契約資産が70,589千円、現金及び預金が289,985千円減少したこと等によるものであります。固定資産は874,923千円となり、前連結会計年度末に比べ 140,210千円減少いたしました。これは主に投資その他の資産が107,882千円減少したこと等によるものであります。 この結果、総資産は、3,369,537千円となり、前連結会計年度末に比べて393,567千円減少いたしました。 (負債) 当連結会計年度末における流動負債は907,440千円となり、前連結会計年度末に比べ6,190千円減少いたしました。これは主に未払法人税等が63,489千円、資産除去債務が37,000千円、契約負債が34,534千円増加した一方、買掛金が146,696千円減少したこと等によるものであります。固定負債は626,082千円となり、前連結会計年度末に比べ94,165千円減少いたしました。これは主にその他の固定負債が576千円増加した一方、長期借入金が54,165千円、繰延税金負債が19,858千円、資産除去債務が18,375千円減少したこと等によるものであります。 この結果、負債合計は、1,533,522千円となり、前連結会計年度末に比べ100,356千円減少いたしました。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は1,836,014千円となり、前連結会計年度末に比べ293,210千円減少いたしました。これは主に、資本剰余金の欠損補填等により利益剰余金が1,145,616千円増加した一方、資本剰余金が1,332,336千円、非支配株主持分が133,603千円減少したことなどによるものであります。 ②経営成績の状況 当連結会計年度における売上高は4,560,226千円(前年同期比6.9%減)、売上総利益は1,699,168千円(前年同期比10.1%減)、調整後EBITDA(△は損失)は△324,996千円(前年同期は調整後EBITDA△106,129千円)、営業損失は417,945千円(前年同期は営業損失366,589千円)、経常損失は428,932千円(前年同期は経常損失354,899千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は174,070千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1,073,835千円)となりました。 当連結会計年度におけるセグメント別の経営成績は、次のとおりであります。 なお、調整後EBITDAは、減価償却費、のれん償却費や株式報酬費用の非現金支出項目、ならびに寄付金支出を控除した収益指標であり、当社グループの経常的な事業収益力を測る指標として今後モニタリングしていく方針です。 当社グループの報告セグメントは、前連結会計年度において「メディア&コンテンツ事業」「企画&プロデュース事業」「食関連事業」と報告セグメントに含まれない「その他」の4区分としておりましたが、当連結会計年度より、事業活動の実態を明確化し適切に開示することを目的として、報告セグメントの区分と名称を変更しております。 新たな報告セグメントは、従来の「メディア&コンテンツ事業」と「企画&プロデュース事業」を集約した「ブランドコンサルティング事業」、「食関連事業」、今後の量的及び質的重要性の増加を鑑み「その他」に含まれていた宇宙関連事業を新たに独立させた「宇宙関連事業」と、「投資事業」になります。 以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。 (ブランドコンサルティング事業) ブランドコンサルティング事業では、地域創生を軸とした地域観光拠点のリブランディングや施設整備をはじめ、地域発のテックベンチャーに対するブランディング支援やデジタルマーケティングの展開など、観光と地域産業の活性化に貢献するプロジェクトやデジタルメディアのマネタイズ案件などを行う事業領域です。当連結会計年度では、メディア領域における収益性の高い案件や競合優位性のある案件への移行に注力したものの、業界の低迷による収益の悪化および不採算案件の撤退の影響によりメディア部門は減収減益となりました。ブランドコンサルティング部門では、大阪・関西万博におけるシグネチャーパビリオン「EARTH MART」をはじめ大型案件の受注が堅調に推移し、新規のブランディング企画案件受注も順調だったものの、下期にかけて一部案件の時期見直しなどの影響があったため、売上高、収益共に、当初計画より減少いたしました。また、来期以降に収益化を予定する地域創生事業における先行投資を行ったほか、原材料費や人件費高騰の影響により、事業推進に必要な人的コスト等の費用が増加しましたが、利益率の高い案件獲得に注力した結果、前期比でセグメント損失が縮小いたしました。 これらの結果、ブランドコンサルティング事業における当連結会計年度の売上高は2,209,315千円(前年同期比21.2%減)、セグメント調整後EBITDAは△115,092千円(前年同期はセグメント調整後EBITDA△161,315千円)、セグメント損失は184,257千円(前年同期はセグメント損失302,062千円)となりました。 (食関連事業) 食関連事業では、安政三年(1856年)創業の下鴨茶寮というブランドを基盤として、京都・東京の店舗運営と料亭ブランドを基軸にしたデパ地下店舗運営、EC事業など、食に関連する各種サービスを提供しております。当連結会計年度においては、伝統的な料亭ブランドの強みを活かしつつ、デジタル領域での抜本的な組織強化と戦略投資が奏功し、極めて堅調に推移いたしました。なかでも、AIデータ分析に基づいた実効性の高い広告運用や、システム改善、新商品開発力の強化といったAIによる経営効率化を実現したことにより、EC事業が大幅に伸長いたしました。売上が順調に推移したことで、原材料費の高騰によるコスト増に加え、EC事業はシステムの改善、セキュリティの不備対応などの課題解決に伴う関連する人件費等が増加しましたが、前期と比較してセグメント利益が増加いたしました。 これらの結果、食関連事業における当連結会計年度の売上高は、2,211,212千円(前年同期比5.8%増)となりました。セグメント調整後EBITDAは100,626千円(前年同期比51.5%増)、セグメント利益は87,440千円(前年同期はセグメント損失53,528千円)となりました。 (宇宙関連事業) 宇宙関連事業では、当社子会社のLAND INSIGHT株式会社が、地方自治体向けに農業・林業・防災分野などにおける衛星データコンサルティング事業を展開しております。当連結会計年度においては、自治体向けサービス『圃場DX』が前期比約6倍となる130市町村に導入されるなど、自治体行政におけるDX需要を確実に捉えた結果、事業基盤が大幅に拡大いたしました。支援先のひとつである宮崎県では、県内6協議会(7市町村)での実証の結果、現地調査が必要な農地数を最大8割削減できるという実効性の高さが証明されました。これらの高いサービス優位性をもって、さらなる自治体シェア拡大をすすめてまいります。 これらの結果、宇宙関連事業における当連結会計年度の売上高は、30,078千円(前年同期比529.5%増)となりました。セグメント調整後EBITDAは△3,326千円(前年同期はセグメント調整後EBITDA△10,997千円)、セグメント損失は3,326千円(前年同期はセグメント損失10,997千円)となりました。 (投資事業) 投資事業では、市場動向を精査しつつ当社が保有する営業投資有価証券の適切な管理・運用を実施しております。当連結会計年度においては、中長期的な企業価値向上を目指し、機動的なポートフォリオの入れ替えを推進いたしました。なお、一部の投資銘柄について投資先の事業計画を精査した結果、減損損失を計上しております。 これらの結果、投資事業における当連結会計年度の売上高は、109,620千円となりました。セグメント調整後EBITDAは21,166千円、セグメント利益は21,166千円となりました。 ③キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は1,862,926千円となり、前連結会計年度末に比べ289,985千円減少いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果使用した資金は214,682千円(前年同期は102,315千円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失が255,073千円あったこと等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果獲得した資金は103,356千円(前年同期は80,484千円の獲得)となりました。これは主に、事業譲渡による収入が160,000千円あった一方で、有形固定資産の取得による支出が36,023千円あったこと等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は170,967千円(前年同期は16,235千円の使用)となりました。これは、短期借入による収入680,000千円あった一方で、短期借入金の返済による支出が683,000千円、長期借入金の返済による支出69,165千円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が95,239千円あったこと等によるものであります。 ④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ⑤生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。なお、ブランドコンサルティング事業、宇宙関連事業、投資事業については生産活動を行っておりません。 セグメント名 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年同期比(%)食関連事業950,724千円14.1(注)1.金額は製造原価であります。 b.受注実績当社グループの事業は、受注確定から売上計上までの期間が短期間であるため、記載を省略しております。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。セグメント名当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(千円)前年同期比(%)ブランドコンサルティング事業2,209,315△21.2食関連事業2,211,2125.8宇宙関連事業30,078529.5投資事業109,620-合計4,560,226△6.9 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産及び負債または損益の状況に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りについては、過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。当社の連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 ②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等 当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移いたしました。国内企業においては、深刻化する人手不足への対応や競争力強化を目的とした、戦略的なIT投資が一段と加速いたしました。特に、生成AIをはじめとする先端技術の活用やレガシーシステムの刷新、クラウド移行による業務効率化需要が堅調に推移し、経済全体の活性化に寄与いたしました。一方で、不安定な地政学リスクや為替相場の変動、金融政策の動向が懸念され、依然として先行き不透明な状況が続きました。 このような市場環境のなか、当社グループは2025年10月1日付で持株会社体制へ移行いたしました。当社グループの事業におきましては、メディア事業から地域創生へと事業主軸をシフトし、ブランドコンサルティング、食関連、宇宙関連など複数領域での事業展開を推進しております。 ブランドコンサルティング事業領域においては、インバウンド旅行者の消費拡大を見越した観光産業の生産性向上、観光地経営の高度化、各種イベントの空間デザイン・ブランディング企画など、さまざまな取り組みが進められています。当社グループでは、地域観光拠点のリブランディングや施設整備をはじめ、地域発のブランディング支援やデジタルマーケティングの展開など、観光と地域産業の活性化に貢献するプロジェクトを手がけています。 食関連事業領域においては、インバウンド需要の好調が続いており、2025年(暦年)における下鴨茶寮の出店場所である京都府及び東京都の旅行消費額は、それぞれ6,802億円及び32,867億円(国土交通省観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年暦年の調査結果(都道府県別)」)といずれも国内上位の需要が集中するエリアになっております。下鴨茶寮という伝統的な料亭ブランドの強みを活かしつつ、AIを用いたデータ分析を積極的に活用するなど、デジタル領域での抜本的な組織強化と戦略投資を進めています。 宇宙関連事業領域においては、政府が進める農業行政DX推進を受け、衛星データを利活用した農業行政現地調査支援サービス「圃場DX」の導入自治体数が急拡大しております。また、本事業開始当初から密接な関係を築いてきた福島県南相馬市との共創による「圃場DX」サービスの開発と先導的な取り組みが評価され、2026年2月、宇宙開発利用の推進に多大な貢献とした事例として『第7回宇宙開発利用大賞「農林水産大臣賞」』を受賞いたしました。これらの自治体との連携、実証実験の成果をもとに、業務効率化および省人化など地方自治体の農業行政におけるDXを推進し、地域課題の解決支援に積極的に取り組んでおります。 このような事業環境下におきまして、当社グループは当連結会計年度を業績改善の期として、事業集約と効率化を進めてまいりました。食関連事業においては、AIを活用したデータ分析に基づき、デジタルマーケティング体制を再構築した結果、新商品開発や広告運用の強化、インバウンドを意識した海外富裕層向けマーケティングの強化が奏功し、EC事業が大幅に伸長いたしました。また、宇宙関連領域においても、農業行政現地調査支援サービス「圃場DX」の導入実績が前期比約6倍の130市町村に拡大しております。しかしながら、メディア領域におきましては、収益性の高い案件への移行に注力したものの、事業全体の収益改善には至らず、当社グループ全体として当初計画を大幅に下回る結果となりました。今後はコスト構造を適正化し、成長領域へのリソース投下を加速させることで、早期の業績回復を図ってまいります。 以上の結果、当連結会計年度における売上高は4,560,226千円(前年同期比6.9%減)、売上総利益は1,699,168千円(前年同期比10.1%減)、調整後EBITDAは△324,996千円(前年同期は調整後EBITDA△106,129千円)、営業損失は417,945千円(前年同期は営業損失366,589千円)、経常損失は428,932千円(前年同期は経常損失354,899千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は174,070千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1,073,835千円)となりました。なお、当社グループの財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する分析等は、「第2 事業の状況 4経営者による財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。 b.資本の財源及び資金の流動性 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社グループの運転資金・設備資金等については、自己資金または金融機関からの借入等を基本としており、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1,862,926千円となり、将来に対して十分な財源及び流動性を確保しております。 c.経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、景気動向、市場環境、人材採用・育成、法規制等様々なリスクが経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。 そのため、当社グループでは、内部管理体制を強化しつつ、優秀な人材を確保・育成することによって、景気動向、市場環境に留意して市場ニーズにあったサービスを展開し、経営成績に重要な影響を与えるリスクを低減する対策を引き続き行ってまいります。 d.経営者の問題認識と今後の方針について 当社グループは、グループにおける事業会社各々が迅速かつ柔軟な事業展開に取り組み、これまで培ってきたメディアマーケティング領域を活かしつつ、更なる事業拡大と企業価値向上を実現させることが重要課題と捉えております。 今後につきましては、引き続き、地域創生を軸とした食関連領域及び宇宙関連領域を注力領域とし、堅実かつ積極的な投資とともに事業拡大施策を進めてまいります。 食関連事業では、今期構築したデジタルマーケティングの基盤と組織力を最大限に活用し、さらなる事業拡大を目指します。多様な事業領域を展開するINCLUSIVE Holdingsグループで連携することにより、デジタル(EC)とリアル(店舗)の相乗効果を戦略として新たな施策に取り組んでまいります。 宇宙関連領域では、サービス事業拡大フェーズとして衛星データの利活用分野に注力してまいります。自治体行政向けDXサービスの市場では、衛星データの活用や産業振興への関心が高まっており、導入に向けた具体的な検討依頼や問い合わせ数が増加傾向にあります。これは、当社のDXサービスにおける実績が市場に浸透し、その提供価値が広く認知されつつあることによるものと考えております。当社では、今後も自治体等の需要を確実に取り込み、事業基盤の拡大を図るとともに、この成長領域においてリーディングポジションを確立すべく、技術開発・パートナーシップ・政策連携の各面から積極的な取り組みを進めてまいります。 一方で業績改善にむけて、AI等による分析データ活用や人材採用等で営業体制を強化し、一部報酬の見直しなどコスト体制を見直しております。既存注力領域の拡大にグループリソースを活用し推進することで収益性の改善を図り、中期的には、各事業領域の売上拡大によりコスト増加を吸収し、事業収益性の適正化を図っていく方針です。 「ヒトを変え、事業を変え、そして社会を変える。」を当社グループのビジョンとして掲げ、各事業会社がそれぞれのミッション達成に向けて迅速かつ柔軟な事業展開に取り組んでまいります。 なお、経営者の問題認識と今後の方針についての具体的な内容は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

事業リスク

  • 景気変動の影響
    同社のサービスは、日本国内の広告市場や消費動向に強く連動しています。景気が悪化すると、企業の広告宣伝予算が削減されたり、消費者の消費マインドが低下したりするため、同社のメディア&コンテンツ事業や企画&プロデュース事業、食関連事業の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • インターネット市場競争
    インターネット広告市場は拡大傾向にありますが、広告配信手法や販売メニューの多様化により競争が激化しています。また、新たな法的規制や技術革新(例:革新的な広告配信技術の出現)によって、同社が注力するネイティブ広告の需要が縮小する可能性があり、事業及び経営成績に影響を及ぼす恐れがあります。
  • 技術革新への対応
    インターネット業界は技術革新のスピードが速く、常に新しいサービスが生まれています。同社は生成系AI技術の活用などに取り組んでいますが、これらの変化に適切に対応できない場合、業界内での競争力が低下し、事業や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。特にメディア運営やコンテンツ制作における技術の遅れは致命的です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|7,424 文字
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応を行っていく方針ですが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の記載事項全般を網羅的に検討した上で行ってください。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。 (1)景気動向の変動について 当社グループが提供するサービスは、日本国内の広告市場や国内の消費動向に深く連動しており、係る市場環境の変動に影響を受けます。企業の広告宣伝・広報関連予算や消費者の消費マインドは企業の景況に応じて調整されやすく、景気動向に影響を受けやすい傾向にあり、景況感が悪化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)インターネット広告市場について 2025年の日本の総広告費は、8兆623億円(前年比5.1%増)であります。また、国内のインターネット広告費が日本の総広告費の50.2%と過半数を占め、そのうちインターネット広告媒体費がSNSや動画広告の伸びとともに前年比111.8%の3兆3,093億円と高い成長率で推移しており(「2025年 日本の広告費」株式会社電通)、社会のデジタル化を背景に堅調に成長を続けております。 このようにインターネット広告市場は拡大しておりますが、インターネット広告市場の環境整備や新たな法的規制の導入等、何らかの要因によってインターネット広告市場の発展が阻害される場合には、当社の事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また当社は、メディアのコンテンツとの親和性が高いネイティブ広告に注力した広告プロダクトを展開しておりますが、インターネット広告市場においては、広告配信手法や販売メニューが多様化し、競争が激化する傾向にあり、インターネット広告において革新的な販売メニューや広告配信技術が出現した場合、ネイティブ広告への需要が縮小することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)食関連領域の市場について 外食産業の市場規模は、1997年をピークに減少傾向にあり、2021年以降は新型コロナウイルス感染症への政府・各自治体の対応により、外食の自粛や営業時間短縮など、外食産業を取り巻く環境は厳しい状況が続きました。しかしながら、コロナウィルス感染症の分類が恒常的な感染症へと完全に移行したことで、国内人流に加え訪日外国人数が急速に回復いたしました。インバウンド需要が拡大、年間を通して外食需要が堅調に推移したことで、2025年の外食産業市場全体の売上は前年比107.3%となりました(出典:一般社団法人日本フードサービス協会「令和7年(2025年)外食産業市場動向調査」)。 このように外食産業を取り巻く環境は流動的な状況にありますが、食関連領域においては、安政三年(1856年)創業の下鴨茶寮というブランドを基盤とした高単価高付加価値サービスの提供やEC事業の強化等の差別化に取り組んでおります。その一方で、他社による革新的なサービスの出現などにより、消費者への訴求が十分にできなかった場合、あるいは新型コロナウイルス感染症拡大時の様に消費行動が制限される場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)技術革新、生成AIの応用について インターネット業界においては、事業に関連する技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が早く、それに基づく新サービスが常に生み出されております。また、当社グループの各セグメント領域においても、新しい広告手法やテクノロジーが次々と開発されております。当社グループでは、ChatGPTなど生成系AI技術をメディア運営とコンテンツ制作に応用する以外にも、食関連領域や宇宙関連領域においても需要予測やマーケティング最適化にも活用し、最新技術を取り込んだサービス開発に取り組んでおりますが、これらの変化へ適切に対応できない場合、当社グループの業界における競争力が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)競合環境が激化するリスク 当社グループの事業領域は規制業種ではなく、また、参入障壁も低い事から、参画企業の増加による競合激化リスクが存在します。当社が提供するインターネットサービスは、SNS運用支援などを請け負う広告代理店等と競合環境にあり、これら競合となり得るサービスはAIを活用したベンダーの増加に伴い今後も増加する事が想定されます。サービス領域をクライアントに合わせて個別最適化や深化することで、それら競合との優位性を確保してまいりますが、当社の戦略がクライアント企業の意向に沿わない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 ブランドコンサルティング領域においては、施設の内装デザインを請け負う施工会社やブランディングを企画するコンサルティング会社などが競合となり得ますが、空間プロデュースのノウハウにより三次元的なブランディング企画を可能であること、グループ連携により企画からデザイン、運営までの一気通貫プロデュース体制を敷いていることが競合との優位性となっております。 加えて、食関連領域においては、リアル店舗やオンラインショップ、ふるさと納税といった様々な流通チャンネルに対応する商品開発力や海外での高単価高付加価値サービスの提供とブランド力の維持、ならびにEC領域の商品開発力と販促力の強化と自治体や地域生産者などとの話題性のあるコラボレーション販促施策を講じます。 しかしながら、これらの戦略がうまく進行しない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (6)新規事業、業務提携や買収等について 当社グループは、新規事業への挑戦、他社との業務提携や企業買収等が、将来の成長性、収益性等を確保するための事業領域拡大に必要不可欠な要素であると認識しております。しかしながら、当初想定した成果を得ることができず、のれんの減損や、事業再編等に伴う事業売却や事業清算にかかる損失その他これに伴う費用等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (7)クライアントの離反リスクについて 当社収益の多くが、当社がコンサルティングサービスあるいはインターネットサービス制作・運営支援サービスを提供するクライアント企業との業務委託契約から発生しております。現時点においては特定のクライアント企業への収益の依存度は高くはなく、業績に大きな影響を与える事業運営状況の変化は想定しておりません。しかしながら、特定のクライアントに対する依存度が増加する状況において、景況の変化やクライアント企業の業績悪化景況が課題になる場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (8)自然災害等について 地震、台風、津波等の自然災害、火災、停電、未知の感染症の拡大、国際紛争等が発生した場合、当社グループの事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの主要な事業拠点である日本の首都圏において大規模な自然災害等が発生した場合には、サービスの提供等が止むを得ず一時的に停止する可能性もあり、かかる場合当社の信頼性やブランドイメージを毀損するだけでなく、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループにおいては、自然災害等が発生した場合に備え、事業継続計画の策定等有事の際の対応策検討と準備を推進しておりますが、各種災害等の発生による影響を完全に防止できる保証はなく、各種災害等による物的、人的損害が甚大である場合には事業の継続自体が困難又は不可能となる可能性があります。 (9)システム障害について 当社のインターネット関連サービスは24時間稼働での運用を前提に提供されております。システムに障害が発生することはサービスの停止を意味するため、システムの安定性、安全性には細心の注意を払っております。また、インプレッション数(広告の表示回数)の増加を考慮したサーバー設備の強化や、アクセスが集中した際のサーバー負荷分散を施すために、サーバーを分散し代替機能を強化するなどの対策により、冗長化を実現しております。 当社はAmazon Web Services,Inc.が提供するデーターセンターであるAmazon Web Services(AWS)を利用し、大量のデータを安全かつ迅速に処理することができ、かつ一時的な過負荷や部分停止にもトラブルを回避できるようなサーバー構成を施しております。 しかしながら、災害のほか、コンピューターウィルスやハッキングなどの外的攻撃やソフトウエアの不具合、その他予測できない重大な事象の発生により、万一当社設備やネットワークが利用できなくなった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)法的規制等の適用について ブランドコンサルティング領域では、広告主による広告(提供物・サービスそのものだけでなく広告宣伝の文言を含みます。)、メディア(広告媒体)について、法令に則ったものであること、公序良俗に反しないものであることが重要であると考えております。また、食関連領域においては、食の安全性を担保するため、日頃より食品の検査体制の充実等の対策を講じております。 ブランドコンサルティング領域に関連する領域としては、「不当景品類及び不当表示防止法」(景品表示法)、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)、「著作権法」、「商標法」等の法律の他、一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)が定める「インターネット広告倫理綱領及び掲載基準ガイドライン」等があります。当社では、これらの法令に抵触しない様、管理体制を構築しておりますが、当社が取り扱うコンテンツや広告、メディアが法令や公序良俗に反し、あるいは法令違反に該当する事象が発生した場合、当社の信用が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 一方、食関連領域においては、「食品衛生法」等があります。食関連サービス提供に当たっては、法令及び各種ガイドラインに準拠した衛生管理を講じておりますが、食中毒事故などが発生した場合、工場及び店舗における原材料等の廃棄処分、営業許可の取り消し、営業停止等の処分を受け、また損害賠償金の負担や信用の低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)当社グループ制作人員ならびに社外の著作者が執筆・制作する制作物について 当社グループが運営するメディアにおいて掲載するコンテンツ(記事・図版)の多くは、当社グループ制作人員が執筆・制作するほか、社外の著作者に執筆・制作を依頼しております。それらコンテンツが第三者の著作権に抵触していないことについて、当社グループと社外の著作者との間で契約を締結し確認しております。また、当社グループにおいて、著作権等に関する教育や当社グループ役職員によるコンテンツのチェックを行なうことで、執筆・制作されるコンテンツの第三者の権利問題や名誉毀損、事実誤認等を防いでおります。 しかし、何らかの理由により、そのコンテンツが第三者の権利に抵触していた場合、当社グループ内の編集または社外の著作者の違法行為に関連して当社グループが起訴され、訴訟費用が発生した場合には、当社グループの事業及び業績や社会的な信用に影響を与える可能性があります。 また、当社グループが掲載した記事の内容について、特定の企業や個人から損害賠償・クレーム等が発生した場合には、当社グループの事業及び業績、社会的な信用に影響を与える可能性があります。 (12)個人情報等の取扱いについて 当社グループの事業は、個人情報及び個人のプライバシー権を尊重しつつ、インターネットユーザーのCookie情報(注)や独自の識別子を用いた情報等を使用し、ユーザーに有益なターゲティング広告及び情報等の提供を実現しております。当該情報の漏洩を回避するため、「プライバシーマーク」認証の取得、社内規程、業務マニュアル等のルールの整備、社員教育の徹底等により、個人情報を保護する体制の維持に努めておりますが、万一、個人情報の流出が発生した場合、社会的信用の失墜や当該事象に起因する多額の経費発生等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 なお、本書提出日現在では当社グループの事業の阻害要因とはなっておりませんが、今後、欧州での規制をはじめとして、国内でも検討が進められている、大手ウェブサービス提供者による情報の収集と利用について、情報の安全管理や利用目的の明示あるいは第三者提供に対する制限等、個人情報をはじめとしたユーザーデータ利用について更なる規制が行われる可能性があります。この場合インターネット業界全般として、ユーザーに対する広告配信方法が変更となるなど、影響を受ける可能性があります。これらの事象が発生する場合には、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (注)Cookie情報とは、Webサイト提供者が、Webブラウザーを通じて訪問者のインターネットデバイス等に一時的に書き込み保存させるデータのことをいいます。保存されたCookie情報を用いることで、同一のWebブラウザーからの訪問であること、訪問日時、訪問回数、Webサイト内での行動履歴などを記録することができます。 (13)内部管理体制について 当社グループは、グループ企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけ、多様な施策を実施しております。また、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (14)特定の人物に対する依存について 当社グループの創業者は、代表取締役会長である藤田誠であります。同氏は、専門的な知識、技術及び経験を数多く有しており、当社設立以来、経営方針や経営戦略の決定等の事業運営において重要な役割を果たしております。 当社グループとして特定の役職員に依存しない組織的な経営体制を構築するため、2026年1月27日付で当社代表取締役社長に木村美樹が就任いたしました。代表取締役会長は経営全体の監督、対外関係の強化及び経営課題への対応に注力し、一方で代表取締役社長は迅速かつ機動的な業務執行体制を構築し、経営体制における役割分担を明確化しております。しかしながら、藤田誠氏または木村美樹氏に、何らかの理由によって不測の事態が生じた場合、又は、両氏が早期に退任するような事態が発生した場合には、当社グループの事業展開及び業績等に影響を与える可能性があります。 (15)有能な人材の確保・育成について 当社グループの事業においては、メディア制作に従事するディレクターや編集者、ブランディング・企画のプランナー、あるいは食関連領域の知識を持った人材のほか、各事業分野において専門性を有する人材が必要であり、今後とも事業領域の拡大に応じて継続した人材の確保が必要であると考えております。現時点では人材獲得について重大な支障が生じる状況にはないものと認識しておりますが、今後、各事業分野及び地域における人材獲得競争の激化や市場ニーズの変化等により、優秀な人材の獲得が困難となる場合又は現在在職する人材の社外流出が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (16)配当政策について 当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題であると認識しております。しかしながら、現在当社は成長拡大の過程にあると考えており、経営環境の変化に対応するため財務体質を強化し、事業拡大の為の内部留保の充実等を図ることが株主に対する最大の利益還元に繋がるものと考えております。このことから過去において当事業年度を含めて配当を実施しておりません。 将来的には、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案した上で、株主への利益還元を検討していく方針であります。 (17)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について 当社では、株主価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、役員及び従業員に対して新株予約権を付与しております。当事業年度末日現在における新株予約権による潜在株式数は426,000株であり、発行済株式総数の4.2%に相当します。 権利行使についての条件が満たされ、これらの新株予約権が行使された場合には、株式価値の希薄化や株式売買需給への影響をもたらし、当社株価形成に影響を及ぼす可能性があります。 (18)原材料の調達について 食関連領域において提供している食材及び梱包資材等の原材料は多岐に渡ります。このことから、調達先を複数確保し原材料の安定確保に努めておりますが、異常気象や大規模災害、原油の高騰や地政学的な調達不能事由、為替の変動等により、これらの食材及び資材の調達が困難になった場合や仕入価格が高騰した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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