7094

NexTone(7094)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 著作権管理事業
    NexToneグループは、音楽作品の著作権を管理し、利用許諾と使用料の徴収を代行しています。具体的には、コンサートでの演奏、CDや映画への録音、楽譜の出版、CDレンタル、放送、インターネット配信、業務用カラオケなど、多岐にわたる利用形態に対応し、著作権者と利用者の間の橋渡し役を担うことで収益を得ています。
  • デジタルコンテンツ流通事業
    音楽コンテンツ(音源や映像)を国内外の音楽配信サービスへ流通させる事業です。レコード会社や音楽プロダクションなどから原盤のライセンスを受け、ストリーミングやハイレゾ配信など、あらゆる配信種別に対応し、ユーザーに音楽を届けています。YouTubeのUGC(ユーザー投稿動画)からの収益分配も可能にし、コンテンツの利用促進と収益最大化を図っています。
  • 音楽配信事業
    インターネットを通じて楽曲を個人向け(ダウンロード販売、定額制ストリーミング)および法人向け(店舗BGM、カラオケボックス、結婚式場向け映像・BGM配信)に提供しています。これにより、幅広い顧客層に音楽コンテンツを届け、利用料を収益としています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 著作権管理事業
    音楽作品の著作権を管理し、利用許諾と使用料の徴収を行う事業です。コンサートでの演奏、CDや映画への録音、楽譜の出版、放送、インターネット配信など、多岐にわたる利用形態に対応しています。売上は13.66億円、営業利益は6.92億円で、グループの基盤となる事業です。
  • デジタルコンテンツ流通事業
    音楽コンテンツ(音源や映像)を国内外の音楽配信サービスへ販売・流通させる事業です。レコードメーカーや音楽プロダクションなどから原盤のライセンスを受け、ストリーミングやハイレゾ配信などに対応しています。売上は94.29億円、営業利益は9.62億円で、グループの稼ぎ頭の一つです。
  • 音楽配信事業
    インターネットを通じて楽曲を個人向け(ダウンロード、ストリーミング)および法人向け(店舗BGM、カラオケボックスなど)に配信する事業です。株式会社レコチョクが中心となって展開しています。売上は75.85億円、営業利益は13.37億円で、こちらもグループの主要な収益源となっています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
CopyrightManagementBusinessReportableSegment 地域 14 7 50.7%
DigitalContentDistributionSeviceReportableSegment 事業 94 10 10.2%
DigitalMusicBussinessReportableSegment 地域 76 13 17.6%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,759 文字
3 【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社4社(株式会社エムシージェイピー、株式会社NexToneシステムズ、株式会社レコチョク、株式会社エッグス)により構成されており、音楽を中心としたエンタテインメント領域において著作権管理事業、デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業、音楽配信事業及びその他(ビジネスサポート事業)に取り組んでおります。 当社及び当社の関係会社の事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 なお、2026年3月31日付でその他に含まれる株式会社エッグスの一部事業を第三者へ事業譲渡しております。また、2026年4月1日付で株式会社レコチョクを存続会社とし、株式会社エッグスを消滅会社とする吸収合併を行っております。著作権管理事業 著作権とは、思想や感情を創作的に表現した著作物の利用を独占的にコントロールできる権利であります。音楽分野では、「詞」「曲」が著作物となります。当社は、著作権等管理事業法に定められる著作権等管理事業者として文化庁に登録されており、音楽分野における著作物の管理を行っております。(登録番号01005) 音楽著作権管理業務においては、著作権法の権利区分を基本としながら、利用の実態等に鑑みて、下図のとおり音楽著作権の4つの支分権と9つの利用形態に区分して管理を行っております。 (1)演奏権等コンサート・ライブ等での演奏、(5)店舗内BGM・映画館等、(6)社交場・カラオケボックス等で作品を演奏・上映することを許諾する権利。利用形態ごとに細分化し2つの利用形態に分けて管理しています。 (2)録音権等 CDや(7)映画、(8)DVD、(9)ゲーム、(10)広告等に作品を複製することを許諾する権利。 利用形態ごとに細分化し4つの利用形態に分けて管理しています。 (3)出版権等 楽譜や歌詞集・雑誌・書籍等に作品(歌詞・楽譜)を印刷することを許諾する権利。 (4)貸与権 CDレンタル等において作品の複製物を貸与することを許諾する権利。 (11)放送・有線放送 テレビやラジオ・有線放送において作品を利用することを許諾する権利。 (12)インタラクティブ配信 インターネット等のコンピューターネットワークを通じて作品を利用することを許諾する権利。 スマートフォンやパソコン向け音楽サービスなどが主な利用となります。 (13)業務用通信カラオケカラオケ用データベースに作品を固定し、店舗に設置された端末機器に作品を送信することを許諾する権利。 上記のうち、当社では「(1)演奏権等」「(2)録音権等」「(3)出版権等」「(4)貸与権」の4つの支分権と、「(5)上映・BGM等」「(7)映画への録音」「(8)ビデオグラム等への録音」「(9)ゲームへの録音」「(10)広告目的で行う複製」「(11)放送・有線放送」「(12)インタラクティブ配信」「(13)業務用通信カラオケ」の8つの利用形態の管理を行っています。※「(1)演奏権等」のうちカラオケ演奏を含む(6)区分については営業体制・管理体制などの環境が整い次第管理業務を開始する予定ですが、現時点ではその具体的な開始時期は未定です。 著作権を保有する著作権者は、自ら著作権の管理方法を選択する権利を保有していますが、管理の効率性や徴収精度の高さから、音楽分野においては著作権等管理事業者に作品の管理を委託することが一般的となっています。また、利用者からの視点でみても、使用する都度、数多くの著作権者から使用許諾を得ることは、多大な労力を要する作業であり、著作権等管理事業者が集中して著作物を管理することにより、利用作品の報告や使用料の支払などの定められた手続きを行いさえすれば、円滑に作品を利用できる環境が整っています。当社は、音楽作品の管理・利用に関するルールや使用料を定めた上で、著作権者からの委任に基づいて、利用者への許諾の取次と使用料の徴収を行い、音楽作品の利用を促進する窓口としての役割を果たしております。なお、音楽著作物の利用時期と当社著作権管理事業の売上計上時期にはおおよそ1~2四半期のタイムラグが生じます。 (当事業を行う主な会社)当社、株式会社エムシージェイピー 著作権管理のビジネスフロー また 、子会社の株式会社エムシージェイピーが行っている音楽出版社向け業務代行サービスにおいては、再分配計算、著作権契約書・作品届の作成などの業務を代行することによって、著作権管理事業におけるクライアントである音楽出版社の皆さまの業務負担の軽減と効率化を図っており、当社のグループ会社として培われたノウハウにより、最適な著作権管理方法のご提案とサポートを行っております。 株式会社エムシージェイピー(MCJP)の音楽出版社向け業務代行サービスのビジネスフロー デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業音楽コンテンツ(音源や映像)を国内外の音楽配信サービスへ販売・流通(コンテンツディストリビューション)する事業を行っております。著作物(作品)を録音・編集した音源マスターを音楽業界では原盤と呼んでいますが、権利者からこの原盤のライセンスを受け、販売先の音楽配信サービスを通してユーザーに音楽を届ける事業です。当社は、2003年より国内でいち早く事業を開始しました。音楽コンテンツを保有するレコードメーカーや音楽プロダクション、音楽出版社、アニメ・ゲームメーカーなどの権利者との契約を保有し、今では国内屈指のデジタルディストリビューターとして、音楽配信市場に特化した多くのノウハウを蓄積しております。当社が著作権を管理する作品が含まれる原盤をより多くのユーザーに販売することで、原盤の使用料が多く発生するのはもちろんのこと、同時に著作権使用料も発生しますので、自らコンテンツ流通プラットフォームを構築し販売を促進することによって、著作権使用料の増大にも寄与しております。 <当社DD事業の特徴>・あらゆる配信種別(ストリーミング、ハイレゾ配信など)に向けて、スピーディーに対応しています。・全世界の主要なサービスで配信されるよう、直接・間接含め効率的な流通ネットワークを構築しています。・独自の原盤管理システムの稼働により、セキュアな管理体制を整え、安定的な配信運用及び正確かつ詳細な分配を実現しています。各配信サービスへの納品においても自社開発を行うことで迅速かつ精度高くまた、マーケティングに活用できる分析機能も充実しており、契約者は無償でサービスを活用することが可能です。・放送二次使用料等も権利者へ分配いたします。・YouTubeにおけるコンテンツマネージメントサービス(※)も提供しております。 (※)YouTubeにおけるコンテンツマネージメントサービスについて従来のYouTubeオフィシャルページにおける動画収益の一部を受領するビジネスモデルに加え、権利者が保有するオリジナル動画や音楽原盤を当社を通じてYouTubeシステムに登録する事により、それらのコンテンツを使用して作成・投稿された「UGC」(ユーザー投稿動画)からも収益の分配を受ける事が可能です。また、YouTuberが投稿するカバー動画の収益を向上させるCRIPサービスなどの独自サービスも展開しております。 (当事業を行う主な会社)当社、株式会社レコチョク、株式会社エッグス デジタルコンテンツディストリビューション(DD)のビジネスフロー 音楽配信事業 インターネットを通じて楽曲を配信する事業を行っております。音楽配信(個人向け)は単曲販売のダウンロード及び定額制販売のストリーミングを提供し、音楽配信(法人向け)は店舗・カラオケボックス・結婚式場向けの映像・BGM配信サービス等を行っております。 (当事業を行う主な会社)株式会社レコチョク 音楽配信のビジネスフロー その他(ビジネスサポート事業)・キャスティング事業 利用者・権利者の様々なニーズに対応し権利処理を含めたトータルサポートを行っております。具体的には、音楽ライブやイベントの企画立案や協賛営業、楽曲・映像作品を活用した利用促進コーディネート、イベント各種へのアーティストブッキング、ライブビューイングや映画作品の配給・宣伝、家庭向けライブ配信コーディネート、イベントの主催・共催等を手がけております。 レコード会社やメディア企業、配信プラットフォームなど、様々な企業と共同で新たなエンタテインメントサービスの開発に積極的にチャレンジするなど、多岐にわたってエンタテインメントビジネスをサポートしております。 (当事業を行う主な会社)当社 キャスティング事業のビジネスフロー(※)非映画デジタルコンテンツ(Other Digital Stuff)の支援 ・リユースプロダクト事業 従来の生花を用いる祝い花はイベント当日~数日の短期間で大量に廃棄されています。この課題に取り組み、かつ新しいお祝いの気持ちの形として「リユース+寄付」というモデルでリユース型のお祝い花を提供するサービス「BLONIA」を展開しています。 <特徴>・リユース型で環境負荷を削減再利用可能な華やかなスタンドを使用し、会期終了後のフラワーロス問題を解決します。スタンドには花の刺繍をあしらったテキスタイルを採用しております。・寄付に繋がる「祝福の循環」商品価格の一部(10%)を受取主が寄付先を選んで寄付できる仕組みを導入し、祝う気持ちを社会貢献へと繋げます。・用途に合わせたデザイン展開コンサートやイベントを中心に、就任・移転祝いにも適したデザイン・サイズを今後展開していく予定です。 (当事業を行う主な会社)当社 ・システム開発・保守運用事業 当社グループが長年培った業務ノウハウやコンテンツ配信ビジネスの知見を活かした、音楽・映像などエンタテインメント業界特有の複雑な商習慣や権利処理に対応したシステム開発・提供を行っております。 具体的には、子会社である株式会社NexToneシステムズにおいて、著作権・原盤権等の権利処理システムの開発・提供、コンテンツ配信関連のシステム開発・提供及び各種社内システムの開発・運用などを行っております。加えて、2026年3月には音楽出版社等の権利者向けに著作権管理業務をDX化するクラウドサービスである「Virco(ビルコ)」の提供も開始しております。 また、株式会社レコチョクにおいては、高度なIT技術と豊富なIT人材を活かし、音楽業界を中心とする権利者向けにシステムサービス提供やDX(デジタルトランスフォーメーション)運用等の業務支援を行っております。 (当事業を行う主な会社)株式会社NexToneシステムズ、株式会社レコチョク ・ソリューション事業 株式会社レコチョクにおけるレコード会社とのリレーションや高度なIT技術を活かし、音楽業界を中心とする権利者向けにEコマースなどの直販ビジネス支援等を行っております。 (当事業を行う主な会社)株式会社レコチョク ・エージェント事業(2026年3月31日付で第三者へ事業譲渡) 株式会社エッグスにおいて展開しているインディーズを中心としたアーティストとリスナーが出会う音楽プラットフォーム「Eggs」の運営及びCDリリース・配信・プロモーションなどのインディーズアーティスト向け活動支援等を行っております。 (当事業を行う主な会社)株式会社エッグス 当社グループの事業の系統図

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
著作権等管理事業者が集中して著作物を管理することで、円滑な作品利用を可能にしているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
著作権等管理事業法に基づき文化庁長官の登録が必要であり、各種義務を負う。
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:著作権管理事業の市場構造に関するリスク / 法的規制の強化や登録取消のリスク / 音楽配信市場の外部環境変化によるリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

開示情報からは、特許やブランド力、規制ライセンスといった明確な無形資産の存在を示す具体的な情報は確認できませんでした。事業内容が著作権管理サービスであるため、将来的にIP関連の無形資産が形成される可能性はありますが、現時点では評価に値するレベルではありません。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

著作権管理サービスは、一度契約すると他のサービスへの乗り換えに手間やコストがかかる可能性があります。特に、権利者との関係構築や権利情報の集約に時間がかかる場合、スイッチング・コストは一定程度存在すると考えられます。しかし、競合サービスとの差別化が明確でない場合、乗り換えのハードルは低くなる可能性があります。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

現時点では、ユーザー数が増えることでサービスの価値が向上するようなネットワーク効果は確認できません。著作権管理サービスは、個々の権利者との契約に基づいて機能するため、プラットフォームとしてのネットワーク効果は限定的と考えられます。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

事業内容から、構造的に他社より低コストでサービスを提供できるようなコスト優位性は見られません。著作権管理には一定の人的リソースやシステム投資が必要であり、規模の経済によるコスト削減効果も限定的であると考えられます。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

著作権管理市場は、大手企業が寡占しているわけではなく、中小規模のプレイヤーも存在します。NexToneが一定のシェアを獲得している可能性はありますが、業界規模に対して最適な少数寡占を形成しているとは言えません。今後の市場拡大に伴う規模の経済による優位性は現時点では不明瞭です。

  • 著作権管理の専門性
    NexToneは著作権等管理事業法に基づき文化庁に登録された事業者であり、音楽著作権の複雑な権利区分(演奏権、録音権、出版権、貸与権など)と多様な利用形態を一元的に管理するノウハウを持っています。これにより、著作権者は効率的に権利を行使でき、利用者は円滑に作品を使用できる環境を提供しています。
  • デジタル流通の先駆者
    2003年より国内でいち早くデジタルコンテンツディストリビューション事業を開始し、音楽配信市場に特化した多くのノウハウを蓄積しています。国内外の配信サービスへの効率的なネットワーク構築や独自の原盤管理システムにより、スピーディーな配信と正確な収益分配を実現し、市場での優位性を確立しています。
  • 多角的な事業展開
    著作権管理だけでなく、デジタルコンテンツ流通、音楽配信、さらにはキャスティングやシステム開発・保守運用といったビジネスサポート事業も展開しています。これにより、音楽エンタテインメント領域における多様なニーズに対応し、グループ全体で相乗効果を生み出しながら、収益機会を最大化しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、企業理念「For the Future of Music ~音楽文化・音楽産業の発展のために、私たちは挑戦を続けます~」及びビジョン「次代を奏でるオンリーワン・エージェント」の下、音楽と、音楽を愛する全ての人の未来のために、当社グループだからこそできる、当社グループにしかできない、新しい時代のエージェントを目指すことを基本方針とし、音楽文化・音楽産業のより一層の発展、持続可能でより良い社会の実現に貢献してまいります。 (2) 目標とする経営指標当社グループが事業遂行上重視している経営指標は、①著作権管理事業の取扱高(※)、②著作権使用料徴収額シェア、③管理楽曲数、④取扱原盤数であります。特に著作権管理事業の取扱高を重要な指標としております。市場シェアや会社の成長性をみるために有効な指標であることが当該指標を重視している理由であり、著作権管理事業の取扱高の更なる拡大を経営目標としております。(※)著作権管理事業の取扱高とは、音楽著作権の利用者から徴収した金額(権利者へ分配する金額と当社の管理手数料からなります)を示しております。著作権管理事業の取扱高と売上高の関係については、取扱高から当社の管理手数料を差し引いた金額を権利者へ分配しており、当社は管理手数料部分のみを売上高として計上しております。また、上記のほか、近い将来の目標であるプライム市場上場を見据え、財務上重視している経営指標として⑤売上高、⑥対前期売上高伸長率、⑦営業利益率、⑧経常利益を定めております。 (3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略現在の音楽関連市場の事業環境は、一般社団法人日本レコード協会の調べによりますと、音楽ソフト(音楽ビデオ含む)の生産金額は前年同期比105%(2025年1月~12月)、有料音楽配信売上金額は、前年同期比107%(2025年1月~12月)と12年連続のプラス成長となりました。このような状況を踏まえ、当社グループでは、2027年3月期からの中期業績計画において以下のとおり各経営指標の目標値を設定しております。 ①著作権管理事業の取扱高 目標:伸長率10%以上 ②著作権使用料徴収額シェア 目標:中期的に10%、長期的に50% ③管理楽曲数 目標:毎期10万曲以上増加 ④取扱原盤数 目標:毎期16万原盤以上増加 ⑤売上高 目標:260億円以上 ⑥対前期売上高伸長率 目標:10% ⑦営業利益率 目標:9%以上 ⑧経常利益 目標:2年で合計25億円(プライム市場上場基準) また、中長期的な成長戦略については以下のとおりです。 著作権管理事業においては、着実な成長継続のために、当面は近年参入した海外、第1区分(コンサートその他の催物における演奏等)及び第5区分(映画等の上映、遊技機等の上映・演奏、店舗内BGM)の確実な徴収、そして有力コンテンツの管理受託に努め、中長期的には第6区分(カラオケ演奏等、社交場における演奏等)に参入し、全支分権・利用形態の管理を目指します。また、業界慣習に新風を吹き込むべく、当社の強みであり他の音楽著作権管理事業者にないデジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業、音楽配信事業、その他(ビジネスサポート事業(キャスティング事業、リユースプロダクト事業、システム開発・保守運用事業、ソリューション事業等))の各事業をそれぞれ推進し、さらにこれらから生まれる新規事業を含めた音楽関係ビジネスに係る様々なサービスを提供する総合エージェントとして、中長期的な成長を目指してまいります。 (4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当社グループは、企業理念「For the Future of Music ~音楽文化・音楽産業の発展のために、私たちは挑戦を続けます~」及びビジョン「次代を奏でるオンリーワン・エージェント」の下、持続的な企業価値向上を目指し、以下の6項目を重要課題として取り組んでまいります。 ① 著作権管理事業における精度の高い使用料徴収・分配への取組当社の基幹事業である著作権管理においては、著作権使用料を適切に徴収し著作権者に安定的に精度高く分配することが著作権管理事業者の使命であり、最も重要な課題であると認識しております。 この使命を果たすべく、AIをはじめとする先進技術の導入により、業務の効率化とサービス品質の向上を推進し、これまで培ってきた研究・開発の成果を基に、システムの実用化を進めています。 さらに、2021年に開始した海外における著作権管理業務や、2022年から参入した演奏権(第1区分及び第5区分)の管理業務においては、国内外の関係団体や利用者団体等との連携を強化し、安定した事業スキームの構築に取り組んでいます。これにより、より精度の高い使用料の徴収と分配を実現してまいります。 ② 事業基盤の継続的な拡大当社グループの成長のためには、管理楽曲数や取扱原盤数等の事業基盤の継続的な拡大が重要課題であると認識しております。著作権管理事業やデジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業のみならず、グループで展開する各事業をより発展させ、ネットワークを相互に活用し、営業効率を最大化させながら、権利者に対して複合的な提案を行い、管理楽曲数や取扱原盤数の増加に取り組んでまいります。 ③ 演奏権 第6区分(社交場・カラオケ演奏等)管理への進出 当社設立以来の重要課題である演奏権管理において、2022年4月1日より、カラオケ演奏等及び社交場における演奏等を除く利用区分(主としてコンサート、映画上映等)に参入いたしましたが、当社が唯一未参入の区分である残る第6区分への参入を引き続き重要課題と認識しております。 権利者・利用者団体等のご理解ご協力を得ながら可及的速やかに参入し、著作権エージェントとしてフルラインサービスの提供が可能な体制の構築を目指してまいります。 ④ 各種業務及びサービスを支えるシステム整備とDX推進 当社グループは、ビジネス・プロセスのシステム化による「安定的な業務品質の担保」を重要課題と認識しております。 AI技術や様々なデータ活用による業務効率化やコスト低減、さらには営業施策としてのシステム活用等、多方面にわたりシステムの観点からのアプローチも継続し、グループ全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進してまいります。 また、各種の利用実績確認など、これまで以上に膨大なシステムデータの解析・処理が必要となる業務領域についても、AI等を活用した品質向上施策の更なる精度向上と他業務への展開を図り、次代に合わせた事業展開を推進してまいります。 ⑤ 内部管理体制の強化 当社グループは、内部管理体制の強化を経営上の重要課題の一つとして認識しております。 グループ各社との連携の下、内部統制機能の一層の充実とガバナンス体制の確立に努め、リスク管理の徹底を図ることで、株主の皆様をはじめ各ステークホルダーの皆様との良好な信頼関係を保ちながら、社会的責任を果たしてまいります。 ⑥ 人材確保・育成の強化当社グループの成長の源泉は人材であり、人材の確保と育成が重要課題であると認識しております。より人材の流動性が高まっている昨今においては優秀人材のリテンションにも力を入れる必要性を認識しながら、職場環境の改善やワークライフバランスの実現、ストレス対策等、従業員の健康や生活スタイルを尊重することによる従業員エンゲージメントの向上施策に取り組むとともに、多様な人材が集まり活躍することができる人事制度、研修制度の整備と改善により、継続的な専門人材の育成を行ってまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、企業理念「For the Future of Music ~音楽文化・音楽産業の発展のために、私たちは挑戦を続けます~」及びビジョン「次代を奏でるオンリーワン・エージェント」の下、音楽と、音楽を愛する全ての人の未来のために、当社グループだからこそできる、当社グループにしかできない、新しい時代のエージェントを目指すことを基本方針とし、音楽文化・音楽産業のより一層の発展、持続可能でより良い社会の実現に貢献してまいります。 (2) 目標とする経営指標当社グループが事業遂行上重視している経営指標は、①著作権管理事業の取扱高(※)、②著作権使用料徴収額シェア、③管理楽曲数、④取扱原盤数であります。特に著作権管理事業の取扱高を重要な指標としております。市場シェアや会社の成長性をみるために有効な指標であることが当該指標を重視している理由であり、著作権管理事業の取扱高の更なる拡大を経営目標としております。(※)著作権管理事業の取扱高とは、音楽著作権の利用者から徴収した金額(権利者へ分配する金額と当社の管理手数料からなります)を示しております。著作権管理事業の取扱高と売上高の関係については、取扱高から当社の管理手数料を差し引いた金額を権利者へ分配しており、当社は管理手数料部分のみを売上高として計上しております。また、上記のほか、近い将来の目標であるプライム市場上場を見据え、財務上重視している経営指標として⑤売上高、⑥対前期売上高伸長率、⑦営業利益率、⑧経常利益を定めております。 (3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略現在の音楽関連市場の事業環境は、一般社団法人日本レコード協会の調べによりますと、音楽ソフト(音楽ビデオ含む)の生産金額は前年同期比105%(2025年1月~12月)、有料音楽配信売上金額は、前年同期比107%(2025年1月~12月)と12年連続のプラス成長となりました。このような状況を踏まえ、当社グループでは、2027年3月期からの中期業績計画において以下のとおり各経営指標の目標値を設定しております。 ①著作権管理事業の取扱高 目標:伸長率10%以上 ②著作権使用料徴収額シェア 目標:中期的に10%、長期的に50% ③管理楽曲数 目標:毎期10万曲以上増加 ④取扱原盤数 目標:毎期16万原盤以上増加 ⑤売上高 目標:260億円以上 ⑥対前期売上高伸長率 目標:10% ⑦営業利益率 目標:9%以上 ⑧経常利益 目標:2年で合計25億円(プライム市場上場基準) また、中長期的な成長戦略については以下のとおりです。 著作権管理事業においては、着実な成長継続のために、当面は近年参入した海外、第1区分(コンサートその他の催物における演奏等)及び第5区分(映画等の上映、遊技機等の上映・演奏、店舗内BGM)の確実な徴収、そして有力コンテンツの管理受託に努め、中長期的には第6区分(カラオケ演奏等、社交場における演奏等)に参入し、全支分権・利用形態の管理を目指します。また、業界慣習に新風を吹き込むべく、当社の強みであり他の音楽著作権管理事業者にないデジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業、音楽配信事業、その他(ビジネスサポート事業(キャスティング事業、リユースプロダクト事業、システム開発・保守運用事業、ソリューション事業等))の各事業をそれぞれ推進し、さらにこれらから生まれる新規事業を含めた音楽関係ビジネスに係る様々なサービスを提供する総合エージェントとして、中長期的な成長を目指してまいります。 (4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当社グループは、企業理念「For the Future of Music ~音楽文化・音楽産業の発展のために、私たちは挑戦を続けます~」及びビジョン「次代を奏でるオンリーワン・エージェント」の下、持続的な企業価値向上を目指し、以下の6項目を重要課題として取り組んでまいります。 ① 著作権管理事業における精度の高い使用料徴収・分配への取組当社の基幹事業である著作権管理においては、著作権使用料を適切に徴収し著作権者に安定的に精度高く分配することが著作権管理事業者の使命であり、最も重要な課題であると認識しております。 この使命を果たすべく、AIをはじめとする先進技術の導入により、業務の効率化とサービス品質の向上を推進し、これまで培ってきた研究・開発の成果を基に、システムの実用化を進めています。 さらに、2021年に開始した海外における著作権管理業務や、2022年から参入した演奏権(第1区分及び第5区分)の管理業務においては、国内外の関係団体や利用者団体等との連携を強化し、安定した事業スキームの構築に取り組んでいます。これにより、より精度の高い使用料の徴収と分配を実現してまいります。 ② 事業基盤の継続的な拡大当社グループの成長のためには、管理楽曲数や取扱原盤数等の事業基盤の継続的な拡大が重要課題であると認識しております。著作権管理事業やデジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業のみならず、グループで展開する各事業をより発展させ、ネットワークを相互に活用し、営業効率を最大化させながら、権利者に対して複合的な提案を行い、管理楽曲数や取扱原盤数の増加に取り組んでまいります。 ③ 演奏権 第6区分(社交場・カラオケ演奏等)管理への進出 当社設立以来の重要課題である演奏権管理において、2022年4月1日より、カラオケ演奏等及び社交場における演奏等を除く利用区分(主としてコンサート、映画上映等)に参入いたしましたが、当社が唯一未参入の区分である残る第6区分への参入を引き続き重要課題と認識しております。 権利者・利用者団体等のご理解ご協力を得ながら可及的速やかに参入し、著作権エージェントとしてフルラインサービスの提供が可能な体制の構築を目指してまいります。 ④ 各種業務及びサービスを支えるシステム整備とDX推進 当社グループは、ビジネス・プロセスのシステム化による「安定的な業務品質の担保」を重要課題と認識しております。 AI技術や様々なデータ活用による業務効率化やコスト低減、さらには営業施策としてのシステム活用等、多方面にわたりシステムの観点からのアプローチも継続し、グループ全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進してまいります。 また、各種の利用実績確認など、これまで以上に膨大なシステムデータの解析・処理が必要となる業務領域についても、AI等を活用した品質向上施策の更なる精度向上と他業務への展開を図り、次代に合わせた事業展開を推進してまいります。 ⑤ 内部管理体制の強化 当社グループは、内部管理体制の強化を経営上の重要課題の一つとして認識しております。 グループ各社との連携の下、内部統制機能の一層の充実とガバナンス体制の確立に努め、リスク管理の徹底を図ることで、株主の皆様をはじめ各ステークホルダーの皆様との良好な信頼関係を保ちながら、社会的責任を果たしてまいります。 ⑥ 人材確保・育成の強化当社グループの成長の源泉は人材であり、人材の確保と育成が重要課題であると認識しております。より人材の流動性が高まっている昨今においては優秀人材のリテンションにも力を入れる必要性を認識しながら、職場環境の改善やワークライフバランスの実現、ストレス対策等、従業員の健康や生活スタイルを尊重することによる従業員エンゲージメントの向上施策に取り組むとともに、多様な人材が集まり活躍することができる人事制度、研修制度の整備と改善により、継続的な専門人材の育成を行ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は、以下のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当社グループが事業を展開する音楽関連市場につきまして、国際レコード産業連盟(IFPI)によりますと、2025年の世界の音楽市場の売上高は、ストリーミング配信市場の続伸により、前年比106.4%の317億ドルと11年連続でプラス成長を続けています。また、国内においては一般社団法人日本レコード協会によりますと、音楽ソフト(音楽ビデオ含む)の生産金額は前年比105%(2025年1月~12月)と順調に推移し、有料音楽配信売上金額は前年比107%(2025年1月~12月)と、12年連続のプラス成長となりました。音楽配信売上の内訳をみると、ダウンロードは縮小傾向にあるものの、当社グループの業績において牽引役となっているサブスクリプション型を中心としたストリーミング配信は引き続き拡大しております。ただし、その伸長率は足元では緩やかに推移しております。 このような状況の中、当社グループは2025年5月に公表した中期業績計画の達成に向け、以下の取り組みを実施いたしました。・海外での著作権使用料徴収の精度向上・取扱原盤に係る放送二次使用料の再分配業務の開始・キャスティングサービスにおける体制強化・デジタルコンテンツディストリビューション(以下、「DD」)事業におけるゲーム音楽に特化した新たな取り組みの開始・子会社である株式会社レコチョク(以下、「レコチョク」)における新しいDDサービス「FLAGGLE」の提供開始及び法人向け原盤利用許諾スキーム「レコチョク play」の提供開始・子会社である株式会社NexToneシステムズ(以下、「NexToneシステムズ」)における音楽出版社業務をDX化する著作権管理クラウドサービス「Virco」の提供開始 また、著作権管理事業、DD事業、音楽配信事業を中心に、継続的に以下の取り組みを行っております。・公平・公正かつ透明性の高い著作権使用料の徴収・分配・著作物利用に対する迅速かつ柔軟な対応・各事業間シナジーを活かした複合的な提案による管理楽曲数及び取扱原盤数の拡大・楽曲・コンテンツの更なる利用促進・権利者へのきめ細やかなサービスの提供・DX推進やAI活用による業務効率化 ・インフラコストを中心としたコスト削減 なお、当社グループは、経営資源の最適配分と事業効率化のため、2026年3月31日付で連結子会社である株式会社エッグス(2026年4月1日付で連結子会社であるレコチョクに吸収合併、以下、「エッグス」)の一部事業を第三者に事業譲渡いたしました。本事業譲渡に伴い当連結会計年度において減損損失として239百万円を特別損失に計上しております。詳しくは2026年3月26日公表の「連結子会社における事業譲渡及び特別損失の発生に関するお知らせ」をご覧ください。 以上の結果、売上高は20,774百万円(前年同期比107.0%)、営業利益は1,301百万円(前年同期比129.4%)、経常利益は1,334百万円(前年同期比129.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は791百万円(前年同期比114.3%)と増収増益となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 a. 著作権管理事業楽曲の著作権に関わる2つの事業である、当社の基幹事業である音楽著作権管理事業と、子会社の株式会社エムシージェイピーで展開している音楽出版事業を「著作権管理事業」としております。著作権者からの委託を受け、音楽著作物の利用の許諾と音楽著作権使用料の徴収・分配を行うほか、音楽出版社に向けた業務代行サービス等を提供しております。音楽著作物の利用時期と当社著作権管理事業の売上計上時期にはおおよそ1~2四半期のタイムラグが生じるため、当連結会計年度の音楽著作権使用料の対象となる利用時期は主に2024年10月~2025年12月となります。 (利用時期と計上時期のイメージ)利用区分利用時期第1四半期計上第2四半期計上第3四半期計上第4四半期計上録音権1月~3月4月~6月7月~9月10月~12月インタラクティブ配信1月~3月4月~6月7月~9月10月~12月放送10月~12月1月~3月4月~6月7月~9月 (注)表中の「利用区分」は主要な区分のみを記載しております。 当該期間における著作権管理事業の業績は、徴収額全体で前年同期比112.2%を記録し、当社発足以来10期連続の増収を達成いたしました。国内利用におけるインタラクティブ配信の使用料徴収額は、前年同期比102.4%と伸び率は鈍化しましたが、堅調に推移しております。録音権の使用料徴収額は、アイドル系楽曲の音楽ソフト等における利用が極めて好調に推移し、前年同期比124.4%と大幅な伸長を見せました。また、放送・有線放送の使用料徴収額は、当社管理楽曲の番組利用が着実に増加した結果、前年同期比116.6%となりました。加えて、海外地域での使用料徴収額は、2024年7月より開始したYouTube動画視聴における世界規模での直接徴収や各国管理事業者との直接契約拡大が奏功し、飛躍的に増大いたしました。当連結会計年度末における管理楽曲数、及び期中の新規管理楽曲数は以下のとおりです。 (著作権管理事業)2025年3月期2026年3月期管理楽曲数(曲)691,490823,341期中新規楽曲数(曲)167,229135,167 コスト面については、楽曲数増加に伴い人件費及びシステム関連費が増加いたしました。以上の結果、売上高は1,604百万円(前年同期比105.2%)、セグメント利益は704百万円(前年同期比101.8%)となり、増収増益となりました。 また、委託権利者や管理楽曲が順調に増加し、他管理事業者からの移管として2026年4月から当社が新たに著作権管理を受託する3,930楽曲(うち、新規移管による純増2,321楽曲、委託範囲拡大1,609楽曲)の移管も実施いたしました。移管楽曲の中には、著名アーティストの楽曲やVTuber等のネットクリエイター関連の楽曲が多く含まれております。これらは今後の当社事業基盤の強化につながり、業績のプラス要因となることが見込まれます。 b. デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業当社、レコチョク及びエッグスで行う、国内外の音楽配信プラットフォームに向けた、原盤(音源・映像)供給サービスを「DD事業」としております。当連結会計年度におけるDD事業は、取扱原盤の着実な増加、ストリーミング音楽配信市場と動画配信サービス市場の伸長、当社の強みであるアニメ・ゲーム関連及びVTuber等のネットクリエイター関連の原盤再生の増加、大手権利者のサブスクリプション解禁等により増収となりました。また、2025年7月よりレコチョクにおいて新しいDDサービス「FLAGGLE」を提供開始いたしました。なお、エッグス運営のDDサービスにつきましては、2026年4月1日付でレコチョクへ吸収統合し、今後はレコチョクが主体となって運営を継続いたします。当連結会計年度末における取扱原盤数及び期中新規原盤数(純増数)は以下のとおりです。なお、レコチョク及びエッグスの取扱原盤数も合算しております。 (DD事業)2025年3月期2026年3月期取扱原盤数1,470,2941,657,158期中新規原盤数(純増数)206,942186,864 以上の結果、売上高は10,345百万円(前年同期比106.8%)、セグメント利益は1,045百万円(前年同期比108.6%)となり、増収増益となりました。 c.音楽配信事業レコチョクにおける基幹事業である音楽配信(個人向け・法人向け)を「音楽配信事業」としております。音楽配信(個人向け)は単曲販売のダウンロード及び定額制販売のストリーミングを提供し、音楽配信(法人向け)は店舗、カラオケボックスや結婚式場向けの映像・BGM配信サービス等を行っております。当連結会計年度における音楽配信事業は、個人向け主力サービスである「dヒッツ」のサービス料金を2024年12月より改定したことが奏功し、安定的に推移いたしました。また、6月より新たに法人向け原盤利用許諾スキーム「レコチョク play」を構築し、カラオケ機器メーカーへの提供を開始いたしました。コスト面については、引き続き人件費及びシステム関連費の抑制を行いました。以上の結果、売上高は7,726百万円(前年同期比101.9%)、セグメント利益は1,565百万円(前年同期比117.0%)となり、増収増益となりました。 d. その他上記「著作権管理事業」、「デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業」、「音楽配信事業」に含まれない各種の事業を「その他」としております。「その他」に含まれる事業といたしましては、キャスティング事業、リユースプロダクト事業、子会社のNexToneシステムズにおけるシステム開発・保守運用事業、レコチョクにおけるレコード会社・音楽プロダクション向けソリューション事業、及びエッグスにおけるインディーズアーティスト向け活動支援のエージェント事業等となります。なお、2026年3月31日付でその他に含まれるエッグスの一部事業を第三者へ事業譲渡しております。当連結会計年度では、キャスティング事業でライブビューイングの大型案件を複数実施した一方で、エッグスの新規サービスの取引先開拓やサービス拡大が想定より遅延いたしました。以上の結果、売上高は1,978百万円(前年同期比132.1%)と増収となりましたが、セグメント損失は325百万円(前年同期は425百万円の損失)となりました。 財政状態は、次のとおりであります。 (資産) 当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べて995百万円増加し、15,827百万円となりました。これは主に、著作権管理事業、DD事業、音楽配信事業が堅調に推移したことに伴い現金及び預金が1,435百万円増加し、さらに固定資産の取得により793百万円増加した一方で、レコチョクにおける移転補償金の入金による未収入金の減少221百万円、固定資産の償却や除却に伴う減少721百万円、及びエッグスにおけるソフトウェアの減損損失239百万円等によるものであります。 (負債)当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて248百万円増加し、9,365百万円となりました。これは主に、著作権管理事業が堅調に推移したことに伴い、著作権者への分配に係る未払金が763百万円増加した一方で、その他事業において権利者への分配が減少したことに伴う買掛金の減少181百万円、未払法人税等の減少199百万円、長期未払金の減少123百万円等によるものであります。 (純資産)当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて746百万円増加し、6,461百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加791百万円のほか、非支配株主持分の減少59百万円によるものであります。利益剰余金の増加は、親会社株主に帰属する当期純利益791百万円によるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して1,435百万円増加し、11,064百万円となりました。 各キャッシュ・フローの状況とその原因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、2,226百万円(前連結会計年度は2,152百万円)となりました。これは主に、業績が好調に推移したことにより税金等調整前当期純利益が1,094百万円と増加したこと及び減価償却費647百万円、減損損失239百万円の計上のほか、著作権管理事業において権利者への分配が増加したことに伴う未払金の増加782百万円、レコチョクにおいて移転補償金の入金221百万円があった一方で、主にその他事業において権利者への分配が減少したことに伴う買掛金の減少181百万円、長期未払金の減少123百万円、法人税等の支払額524百万円があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、△791百万円(前連結会計年度は△569百万円)となりました。これは主に、各事業において使用しているシステムの継続的な改修及び新機能追加等に伴う無形固定資産の取得による支出757百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、△0百万円(前連結会計年度は-百万円)となりました。これは端株の買取り請求に基づく自己株式の取得によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 b. 受注実績当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 c. 販売実績当連結会計年度における販売(売上)実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)著作権管理事業1,471107.6DD事業10,126107.4音楽配信事業7,726101.9その他1,450140.7合計20,774107.0 (注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。2.主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先第25期連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)第26期連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)Google LLC4,34222.45,25325.3株式会社NTTドコモ5,30927.35,24525.2 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれらの見積りと異なる場合があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 経営成績及び財政状態の分析 経営成績及び財政状態の分析内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。 ③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析 当社グループの財務政策は、安定的な運用を行うことを基本方針としております。 運転資金及び将来の事業拡大を目的にした投資資金の財源につきまして、自己資金を財源としております。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」の記載のとおりであります。 ⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について 経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の記載のとおり認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場ニーズや内部環境及び外部環境の変化に関する情報の入手及び分析を積極的に実施し、現在及び将来における内部環境及び外部環境を認識したうえで、当社グループの経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。

事業リスク

  • 市場競争とシェア拡大の課題
    音楽著作権管理市場は拡大傾向にありますが、JASRACが依然として大半のシェアを占めています。NexToneグループはデジタルコンテンツディストリビューション事業などでの差別化を図っていますが、市場が想定通り拡大しない場合や差別化戦略が奏功しない場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
  • 法的規制とコンプライアンス
    著作権等管理事業法、著作権法、個人情報保護法など、多くの法的規制の対象となります。これらの法令が改正され規制が強化された場合や、万が一著作権等管理事業者の登録が取り消された場合、事業活動に制約が生じたり、追加的な対応が必要となり、財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
  • システム障害と情報セキュリティ
    事業はコンピューターシステムとインターネットに大きく依存しており、システム障害やサイバー攻撃、個人情報流出のリスクがあります。これらの事態が発生した場合、サービス提供の停止、顧客からの信用低下、企業イメージの悪化、法的責任の発生などにより、事業および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,521 文字
3 【事業等のリスク】 当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。 また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断において重要であると考えられる事項については積極的に開示しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。 1.事業内容に関わるリスク(1) 「著作権管理事業」の市場構造に関するリスクについて 当社グループの中核をなす音楽著作権管理事業の市場規模は、コロナ禍には一時落ち込んだものの、2022年以降、拡大基調がみられております。当該市場は、2001年10月に「著作権等管理事業法」が施行され、広く民間に著作権管理業務に関する門戸が開放され、当社のシェアも上昇してまいりましたが、現在に至るまでJASRACが大半のシェアを保有する状態が続いております。当社グループといたしましては、競合が行っていないデジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業等の利用促進・マネタイズ事業を推進し、更なる差別化戦略の遂行により、市場シェアを高めてまいります。しかしながら、エンタテインメント業界の構造の変化等により、当社グループが属する市場の規模が想定したほど拡大しない場合、あるいは、当社グループの差別化戦略が奏功せず、業界ポジションの向上につながらなかった場合には、当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (2) 法的規制について当社グループが事業を展開するにあたり、主に「著作権等管理事業法」、「著作権法」、「著作権法施行令」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」及び「個人情報の保護に関する法律」等の規制対象となります。特に当社は「著作権等管理事業法」に基づき、著作権等管理事業者として文化庁長官の登録を受けており(2001年10月11日登録・登録番号01005)、以下のような義務を負っております。①対委託者 管理委託契約約款の説明、管理委託契約約款の公示、財務諸表等の備え付け等②対利用者 使用料規程の公示、利用の許諾の拒否の制限、情報の提供③対文化庁長官 各種届出(事業の変更・廃業等、管理委託契約約款、使用料規程)当社グループでは、これらの法令を遵守して業務を行っており、事業の継続に支障をきたす要因は発生しておりません。しかしながら、これらの法令等が改正され規制が強化された場合、新たに当社の事業活動を規制する法令等が制定された場合、あるいは今後何らかの理由により、「著作権等管理事業法」第21条(登録の取消等)に抵触し、著作権等管理事業者の登録が取り消しになった場合には、事業への制約や追加的な対応が生じることにより、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重大な影響を及ぼす可能性があります。 (3) 音楽配信市場に関するリスクについて当社グループが事業を展開する音楽配信市場は、通信会社の方針やサービスへの依存度が高く、技術革新や配信プラットフォームによる消費行動の変化、国内外有力企業によるストリーミング市場の競争激化等、様々な要因により市場規模が想定とおり推移しない可能性があります。また、海外プラットフォームにおける市場シェアが伸長していることもあり、為替変動を注視する必要があります。それら外部環境の変化による悪影響を受けた場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 投資に関するリスクについて当社グループは今後も成長を続けるために、新規事業への挑戦や、人材の採用、システム投資、M&A等の戦略的な投資が重要であると認識しております。出資や買収等の投資においては、対象となる企業の財務や税務、法務等の契約関係及び事業の状況等について事前に社内外の専門家と精査し、価値評価に関しては第三者評価機関の見解等も踏まえ、可能な限りリスクの低減に努めてまいります。しかしながら、投資後に、事業環境に急激な変化が生じた場合やその他予期し得ない理由により当初の計画どおりに事業が進展しない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 減損に関するリスクについて当社グループは各事業においてシステムへの投資を継続的に行っております。また、顧客関連資産に関しては株式会社レコチョク(以下、「レコチョク」)の株式を取得し連結子会社とした際に計上しております。これらのソフトウェア等は、無形固定資産に計上しておりますが、これらの資産が生み出す将来キャッシュ・フローの状況等によっては、減損損失の認識の必要性が生じる可能性があり、その場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 2.事業体制に関わるリスク(1) システムリスクについて当社グループの事業は、コンピューターシステム及びインターネットを活用しており、何らかの原因による当社サーバー等への一時的な過負荷や、役職員の過誤等によるシステム障害が発生する可能性があります。また、ユーザーにより良いサービスを提供するため、システムの稼働率を高水準で維持しつつ、一方で、サービスの監視体制やバックアップ等の対応策をとっておりますが、急激なアクセスの増大によりサーバーが一時的に作動不能となった場合及びサーバーハードウェアに不具合が発生した場合には、安定したサービスが提供できなくなる可能性があります。これらの場合、一定期間の収益低下、ユーザーからの信用低下及びブランドイメージの毀損等により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (2) 情報セキュリティについて当社は、第三者による当社サーバー等への侵入に対して、ファイアウォールや対策機器等によるシステム的な対応を行うとともに、従業員等への定期的な情報セキュリティ教育も行っております。そのほかにも、子会社である株式会社NexToneシステムズにおいては、ISMS(ISO27001)認証を取得し、専門のエンジニアによる情報セキュリティ対策を強化するほか、レコチョクにおいても、対応状況に応じて外部の情報セキュリティベンダーによるチェック体制を確立し、より強固な情報セキュリティ環境を整備しております。しかしながら、悪意をもった第三者によるサイバー攻撃等により顧客情報及び顧客の有する重要な情報を不正に入手されるといった機密性が脅かされる可能性や、顧客が利用するサービスの改ざん等のデータの完全性が脅かされる可能性及びサービス自体が提供できなくなるなどのシステムの可用性が脅かされる可能性は否定できません。また、当社グループでは、各種事業を行う上で、著作権者及び音楽利用者、音楽配信サービス利用者、インディーズアーティスト等の個人情報を取り扱う場合があります。そのため、レコチョクにおいてプライバシーマークを取得しているほか、当社グループでは、個人情報の取扱を社内規程に定めるとともに、社員研修の実施等により、セキュリティへの意識や情報リテラシーの向上に努めております。しかしながら、個人情報の流出が発生する可能性は否定できません。このような事態が生じた場合には、当社に対する法的責任の発生、企業イメージの悪化等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 大規模災害や事故等の発生に伴う影響について大地震等の自然災害や事故の発生により、当社の各種サービスの提供が困難になったり、システム障害等が発生する可能性があります。当社グループでは、自然災害や事故等に備えた業務マニュアルの整備、システムの定期的バックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止を図るとともに、複数のデータセンターでのデータ管理による可用性の強化に努めておりますが、当社所在地近辺において、大地震等の自然災害や事故等が発生した場合、当社グループの設備損壊や電力供給の制限等、事業継続に支障をきたす事象が発生し、当社グループの経営成績及び収益性に影響が生じる可能性があります。 (4)訴訟及び損害賠償リスクについて システム障害等により当社のサービスが適切に提供できなかった場合、あるいは、知的財産権の侵害や情報漏洩などの各種の法令違反が発生した場合、新たに訴訟を提起されたり、損害賠償責任が発生し、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに大きな影響を及ぼす可能性があります。

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