7538

大水(7538)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • 水産物卸売事業
    大水グループは、主に水産物の卸売市場での販売を主要業務としています。中央卸売市場法に基づき、新鮮な水産物を全国の産地から集荷し、小売業者や飲食店などに供給することで収益を得ています。この事業はグループ全体の売上の大部分を占める基幹事業です。
  • 冷蔵倉庫事業
    子会社である大阪東部冷蔵株式会社が、市場内外の流通拠点として冷蔵倉庫業を営んでいます。水産物などの生鮮食品を適切な温度で保管し、品質を維持することで、安定した供給を支える役割を担っています。この事業は、水産物販売事業を補完する重要なインフラとなっています。
  • グループ会社との連携
    当社グループは、当社、5社の子会社、3社の関連会社で構成されており、水産物販売から冷蔵倉庫業まで多角的に事業を展開しています。特に、株式会社ニッスイは主要な仕入先であり、冷蔵倉庫の寄託者でもあるため、グループ全体で連携し、効率的なサプライチェーンを構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 水産物販売事業
    大水グループの主要な収益源であり、売上高990.84億円、営業利益8.28億円を計上しています。当社および子会社が中央卸売市場等で水産物の販売を行っており、グループ全体の事業活動の中核を担っています。この事業は、グループの成長を牽引する最も重要な部門です。
  • 冷蔵倉庫事業
    水産物販売事業を補完する事業で、売上高2.17億円、営業利益0.07億円を計上しています。子会社である大阪東部冷蔵株式会社が、市場内及び市場外流通の拠点として冷蔵倉庫業を運営しています。水産物の品質保持と安定供給に貢献し、グループ全体のサプライチェーンを支えています。
  • 事業構成と規模感
    大水グループは、水産物販売事業が圧倒的な規模を占めており、冷蔵倉庫事業は比較的小規模ながらも重要な役割を担っています。水産物販売事業の売上規模は1000億円近くに達し、日本の水産物流通において大きな存在感を示しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
MarineProductsBusiness 地域 991 8 0.8%
ColdStorageBusiness 地域 2 0 3.2%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|597 文字
3【事業の内容】当社グループは、当社、子会社5社及び関連会社3社で構成されております。当社の主要業務は卸売市場法に基づく水産物卸売業であります。子会社及び関連会社は水産物等の販売及び冷蔵倉庫業他を行っております。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。なお、次の2部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。(1)水産物販売事業……当社は、卸売市場法に基づき中央卸売市場等において水産物の販売を行っております。子会社である株式会社京都興産、丸魚食品株式会社、株式会社大分水産、株式会社別府魚市が当事業に属しております。(2)冷蔵倉庫等事業……子会社である大阪東部冷蔵株式会社は、市場内及び市場外流通の拠点として冷蔵倉庫業を行っております。当社は株式会社ニッスイの関連会社であります。同社は当社グループの水産物販売事業における主要な仕入先であり、また冷蔵倉庫等事業においても、子会社である大阪東部冷蔵株式会社が運営する冷蔵倉庫の寄託者であります。事業の系統図は次のとおりであります。(注)1.持分法適用会社はありません。2.関連会社である大阪府中央卸売市場水産物精算㈱、大分魚函サービス㈱及び大分水産物精算㈱は、当社グループの事業に直接関係していないため記載しておりません。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
水産物の市況が天候や自然災害、資源保護などにより日々変動するため
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
卸売市場法に基づき中央卸売市場等で活動しており、関係法令等への対応が重要
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:法的規制について / 市況変動等について / 食品の安全性について
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

提供された財務サマリには、ブランド価値、特許、規制ライセンス、IPに関する具体的な情報が含まれていないため、無形資産による競争優位性は現時点では評価できません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

卸売業という性質上、顧客(小売店など)が他の卸売業者へ切り替える際の直接的な金銭的コストは低いと考えられます。しかし、長年の取引で築かれた信頼関係や、特定の品揃え・物流網への依存度によっては、限定的なスイッチングコストが存在する可能性があります。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

卸売業は一般的にネットワーク効果が働きにくいビジネスモデルです。大水が特定のプラットフォームやコミュニティを運営しているという情報もないため、ネットワーク効果による競争優位性は見られません。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

卸売業は仕入れと販売のマージンで収益を上げるビジネスであり、効率的な仕入れルートの確保や物流コストの抑制が競争力の源泉となります。大水が長年培ってきた仕入れ・物流ネットワークによるコスト優位性の可能性はありますが、具体的なコスト構造の優位性を示すデータはありません。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

卸売業は規模の経済が働きやすい業界です。大水が特定の地域や商品カテゴリーにおいて、一定以上の市場シェアを確保し、効率的なオペレーションを実現している場合、規模の経済による優位性が考えられます。しかし、具体的な市場シェアや業界内でのポジションを示すデータが不足しています。

  • 卸売市場法に基づく事業基盤
    大水グループは、卸売市場法に基づき中央卸売市場等で水産物卸売業を営んでおり、法的規制に則った安定的な事業運営が可能です。これにより、市場における信頼性と事業継続性が確保され、参入障壁の高い業界での競争優位性を確立しています。
  • 全国各地の産地との関係強化
    水産物の安定的な集荷のため、全国各地の産地出荷者との関係強化に努めています。これにより、天候不順などによる特定の産地の不漁時でも、他の産地からの調達が可能となり、入荷量の安定化と価格変動リスクの低減に貢献しています。
  • 品質管理と衛生管理の徹底
    食品を取り扱う上で最も重要な品質管理と衛生管理を徹底しています。品質管理委員会の設置やHACCPに沿った衛生管理の導入により、食品の安全性確保に努め、顧客からの信頼を獲得しています。これは、食品業界における重要な競争力となります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針・経営戦略等当社グループは、「企業理念」及び「経営理念」のもと、水産物を中心に、農畜産品、調理品などの食料品の販売等に関する業務を展開しております。「水産物販売事業」は当社グループの中核を担う事業であります。大阪・京都・神戸の卸売市場を主な営業拠点として、市場内外の卸売会社、量販店、食品メーカーなどへ水産物全般を販売し、関西の食卓へ届ける役割を担っております。「冷蔵倉庫事業」では、冷蔵倉庫を運営しております。当社グループの水産物販売にかかる流通機能を補完する役割を担っており、生鮮品の品質維持や安定供給に貢献しております。海洋環境の変化や消費者ニーズの多様化など、事業を取り巻く環境は日々変化しております。こうしたなか、当社グループは、組織的な調達力を強化し、顧客の期待に応えていくことで、企業価値の向上を目指してまいります。 『企業理念』大水グループは、自然の恵みに感謝し、古(いにしえ)からの食文化を守り、新たな食の創造に挑戦していきます <企業理念に込めた思い>水産資源の持続的利用と地球環境の保全につながる思い ⇒「自然の恵みに感謝する」歴史ある日本の食文化の伝統や卸売市場の役割を支えていきたい思い ⇒「古(いにしえ)からの食文化を守る」様々な環境変化を先取りし、食を通じて人々の健康と幸福に貢献したい思い ⇒「新たな食の創造に挑戦する」 『経営理念』 ①水産物流通の担い手として誇りを持ち、人々の健康と幸福に貢献します。 ②企業も社員も常に質の向上を目指し、変革を推進していきます。 ③社員全員が働きがいの持てる企業を創っていきます。 ④企業として顧客、仕入先、株主など関係者からの期待に応え、社会的信頼を高めます。 ⑤関西を基盤に世界を視野に入れた活動をしていきます。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは、成長性と収益性を確保するという観点から、企業収益の基本的な指標となる「売上高」、「営業利益」及び「経常利益」を重要な指標として位置づけております。 2026年度の数値目標(連結ベース)は、売上高1,060億円、営業利益8億円、経常利益9億50百万円であります。※業績予想並びに将来予想は、現時点で入手可能な情報に基づき作成されています。様々な不確実性、潜在リスク、 自然環境変化等の要因の変化により、予想とは大きく乖離する可能性を含んでいます。 (3)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 水産業界を取り巻く環境は、天然魚・養殖魚を含む水産資源の供給が不安定なものとなっております。輸入水産物は価格上昇が続き、日本の買い負け状態も広がっております。また、物流費や人件費をはじめとした各種コストの上昇、人手不足の深刻化、小売業界における競争激化など、事業環境は大きく変化しております。 一方で、健康志向の高まりなどを背景に、水産物の持つ価値への関心は引き続き高く、多様化する消費者ニーズへの対応力がこれまで以上に求められております。 このような環境のもと、当社グループは、「前を向き、スピードをもって構造改革を進める」を基本方針として掲げ、従来のやり方を踏襲することなく、仕組みを変え、新しいことを実行し、将来を見据えた事業基盤の強化に取り組んでまいります。 具体的には、組織的な調達力・営業力の強化を重点課題と位置づけ、取組先や調達ルートの拡大、市場営業部門と外販部門との連携強化、顧客ニーズを起点とした提案型営業の推進などに取り組んでまいります。また、仕入先や取引先との連携を強化し、原料から加工・販売までを意識した付加価値の高い商品・サービスの提案を進めることで、競争力と収益力の向上を図ってまいります。 物流面におきましては、2024年問題以降の輸送環境の変化への対応が重要性を増しており、当社グループにおきましても、物流機能の効率化や在庫管理の高度化を進め、安定的な供給体制の維持・強化に努めてまいります。 生産性向上への取組としては、業務の集中と選択、適材適所の人員配置、複数担当制や多能工化の推進などを進め、効率的で柔軟な組織体制の構築を図ってまいります。 さらに、IT活用や業務のデジタル化につきましては、今後の重要な経営課題の一つと認識しており、業務効率化や情報活用力の向上に向けた環境整備を進めてまいります。また、AI技術やRPAなど新たな技術につきましても、社内での活用方法を検討しながら、業務への導入を図ってまいります。 当社グループは、水産物流通の担い手としての役割を果たしていくため、2030年度のあるべき姿を掲げております。このあるべき姿の実現に向けて、当社グループは、2026年度を初年度とし、2030年に「活き活きと水産物の価値をお客様に提供し続ける企業」を目指す新たな中期経営計画の策定を進めております。変化する事業環境への対応力を高めるとともに、持続的な成長と企業価値向上に努めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針・経営戦略等当社グループは、「企業理念」及び「経営理念」のもと、水産物を中心に、農畜産品、調理品などの食料品の販売等に関する業務を展開しております。「水産物販売事業」は当社グループの中核を担う事業であります。大阪・京都・神戸の卸売市場を主な営業拠点として、市場内外の卸売会社、量販店、食品メーカーなどへ水産物全般を販売し、関西の食卓へ届ける役割を担っております。「冷蔵倉庫事業」では、冷蔵倉庫を運営しております。当社グループの水産物販売にかかる流通機能を補完する役割を担っており、生鮮品の品質維持や安定供給に貢献しております。海洋環境の変化や消費者ニーズの多様化など、事業を取り巻く環境は日々変化しております。こうしたなか、当社グループは、組織的な調達力を強化し、顧客の期待に応えていくことで、企業価値の向上を目指してまいります。 『企業理念』大水グループは、自然の恵みに感謝し、古(いにしえ)からの食文化を守り、新たな食の創造に挑戦していきます <企業理念に込めた思い>水産資源の持続的利用と地球環境の保全につながる思い ⇒「自然の恵みに感謝する」歴史ある日本の食文化の伝統や卸売市場の役割を支えていきたい思い ⇒「古(いにしえ)からの食文化を守る」様々な環境変化を先取りし、食を通じて人々の健康と幸福に貢献したい思い ⇒「新たな食の創造に挑戦する」 『経営理念』 ①水産物流通の担い手として誇りを持ち、人々の健康と幸福に貢献します。 ②企業も社員も常に質の向上を目指し、変革を推進していきます。 ③社員全員が働きがいの持てる企業を創っていきます。 ④企業として顧客、仕入先、株主など関係者からの期待に応え、社会的信頼を高めます。 ⑤関西を基盤に世界を視野に入れた活動をしていきます。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは、成長性と収益性を確保するという観点から、企業収益の基本的な指標となる「売上高」、「営業利益」及び「経常利益」を重要な指標として位置づけております。 2026年度の数値目標(連結ベース)は、売上高1,060億円、営業利益8億円、経常利益9億50百万円であります。※業績予想並びに将来予想は、現時点で入手可能な情報に基づき作成されています。様々な不確実性、潜在リスク、 自然環境変化等の要因の変化により、予想とは大きく乖離する可能性を含んでいます。 (3)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 水産業界を取り巻く環境は、天然魚・養殖魚を含む水産資源の供給が不安定なものとなっております。輸入水産物は価格上昇が続き、日本の買い負け状態も広がっております。また、物流費や人件費をはじめとした各種コストの上昇、人手不足の深刻化、小売業界における競争激化など、事業環境は大きく変化しております。 一方で、健康志向の高まりなどを背景に、水産物の持つ価値への関心は引き続き高く、多様化する消費者ニーズへの対応力がこれまで以上に求められております。 このような環境のもと、当社グループは、「前を向き、スピードをもって構造改革を進める」を基本方針として掲げ、従来のやり方を踏襲することなく、仕組みを変え、新しいことを実行し、将来を見据えた事業基盤の強化に取り組んでまいります。 具体的には、組織的な調達力・営業力の強化を重点課題と位置づけ、取組先や調達ルートの拡大、市場営業部門と外販部門との連携強化、顧客ニーズを起点とした提案型営業の推進などに取り組んでまいります。また、仕入先や取引先との連携を強化し、原料から加工・販売までを意識した付加価値の高い商品・サービスの提案を進めることで、競争力と収益力の向上を図ってまいります。 物流面におきましては、2024年問題以降の輸送環境の変化への対応が重要性を増しており、当社グループにおきましても、物流機能の効率化や在庫管理の高度化を進め、安定的な供給体制の維持・強化に努めてまいります。 生産性向上への取組としては、業務の集中と選択、適材適所の人員配置、複数担当制や多能工化の推進などを進め、効率的で柔軟な組織体制の構築を図ってまいります。 さらに、IT活用や業務のデジタル化につきましては、今後の重要な経営課題の一つと認識しており、業務効率化や情報活用力の向上に向けた環境整備を進めてまいります。また、AI技術やRPAなど新たな技術につきましても、社内での活用方法を検討しながら、業務への導入を図ってまいります。 当社グループは、水産物流通の担い手としての役割を果たしていくため、2030年度のあるべき姿を掲げております。このあるべき姿の実現に向けて、当社グループは、2026年度を初年度とし、2030年に「活き活きと水産物の価値をお客様に提供し続ける企業」を目指す新たな中期経営計画の策定を進めております。変化する事業環境への対応力を高めるとともに、持続的な成長と企業価値向上に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況a.経営成績の概要当連結会計年度における水産流通業界については、生鮮水産物の水揚げ状況は、サンマ、イカなど一部魚種で好転が見られたものの、その他の魚種では年間を通じて低調に推移しました。また、輸入水産物はカニ、サバ、タコなどの数量は減少しましたが、継続的な円安基調を背景に輸入魚の価格は高値圏で推移したことで、輸入金額は前年を上回りました。需要面におきましては、訪日客による消費の下支えもあり外食需要は堅調に推移しました。一方で、物価上昇に伴う実質所得の伸び悩みもあり、消費者の節約志向は根強く内食需要は力強さを欠いた状況が続きました。当連結会計年度の経営成績は、売上高は1,057億70百万円(前期比6.5%増)となりました。市場営業部門においては、漁獲量の減少等により取扱量が減少しましたが、単価高の影響もあり、売上高は概ね前期並みとなりました。市場外営業部門においても、漁獲量の減少の影響により輸出取引が減少しましたが、冷凍スリミの国内での販売が順調に推移したことにより売上高は前期を上回りました。損益面では、人件費・諸物価の高騰の影響により固定費が増加したことで、営業利益は8億99百万円(前期比32.1%増)、経常利益は10億54百万円(前期比27.8%増)と増益になりました。一方、税効果会計における今後の課税所得の見込額が減少したことから、法人税等調整額(損)を64百万円計上しました。そのため、親会社株主に帰属する当期純利益は、7億30百万円(前期比38.6%減)と減益となりました。各セグメントの経営成績は次のとおりであります。(水産物販売事業)市場営業部門においては、鮮魚関係でサンマやイカの漁獲量が増えたことなどにより、取扱金額が増加しました。また、養殖マグロ、タイ、サーモン、天然ブリ類などについても、取扱数量が堅調に推移したことで、取扱金額が増加しました。一方、カキ、ホタテなどの貝類、ウニ、秋鮭は海水温上昇など海洋環境の変化により入荷が不安定となり、取扱数量及び金額は減少しました。塩冷関係では鮭鱒、塩サバ、チリメン・シラスの販売単価が上昇したことで取扱金額が増加した一方、凍魚類及びカニは取扱数量及び金額が減少しました。市場外営業部門では、サバを中心とした海外向け冷凍魚の販売や、国内加工メーカー向けスリミの販売が好調に推移しました。これらの結果、売上高は、1,055億40百万円(前期比6.5%増)、セグメント利益は10億36百万円(前期比25.0%増)となりました。(冷蔵倉庫等事業)売上高については、保管料収入の増加により2億86百万円(前期比8.5%増)となり、セグメント利益は25百万円(前期比242.1%増)となりました。 b.財政状態の概要(資産)当連結会計年度末における流動資産は201億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億69百万円増加しました。これは主に受取手形及び売掛金が9億98百万円、前渡金が13億98百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は81億90百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億62百万円増加しました。これは主に投資有価証券が11億39百万円増加したこと等によるものです。この結果、総資産は283億71百万円となり、前連結会計年度末に比べ35億31百万円増加しました。 (負債)当連結会計年度末における流動負債は114億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億21百万円増加しました。これは主に支払手形及び買掛金が6億36百万円、短期借入金が10億50百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は40億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億25百万円増加しました。これは主に繰延税金負債が4億35百万円増加したこと等によるものであります。この結果、負債合計は155億28百万円となり、前連結会計年度末に比べ21億46百万円増加しました。 (純資産)当連結会計年度末における純資産合計は128億42百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億84百万円増加しました。これは主に利益剰余金が6億48百万円、その他有価証券評価差額金が7億52百万円増加したこと等によるものであります。この結果、自己資本比率は45.3%(前連結会計年度末は46.1%)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、25億58百万円(前連結会計年度末比4億43百万円減)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果支出した資金は10億64百万円(前連結会計年度は10億62百万円の支出)となりました。支出となった主な要因は、前渡金を13億98百万円計上したこと等によるものであります。また、科目別の増減額は主に、税金等調整前当期純利益を10億50百万円計上し、負債の部で仕入債務が6億36百万円増加した一方で、資産の部で売上債権が7億27百万円増加し、棚卸資産が4億6百万円増加したこと等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は3億43百万円(前連結会計年度は2億96百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得により3億16百万円の支出があったこと等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は9億64百万円(前連結会計年度は12百万円の収入)となりました。これは主に短期借入金が10億50百万円増加したこと等によるものであります。また、キャッシュ・フローの指標のトレンドは以下のとおりであります。(キャッシュ・フローの指標) 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)35.936.640.646.145.3時価ベースの自己資本比率(%)15.415.217.717.318.7キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)--1.1--インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)--118.7--(注) 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い※各指標はいずれも連結ベースの財務数値により算出しております。※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。※営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。※2022年3月期、2023年3月期、2025年3月期及び2026年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。③仕入及び販売の実績a.商品仕入実績当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)水産物販売事業(百万円)97,625105.4冷蔵倉庫等事業(百万円)--合計(百万円)97,625105.4 b.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)水産物販売事業(百万円)105,540106.5冷蔵倉庫等事業(百万円)286108.5合計(百万円)105,826106.5(注)セグメント間の内部振替前の数値によっております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する記述は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。①当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(経営成績)当社グループが属する水産流通業界を取り巻く環境は、水産資源の減少傾向に加え、物流環境の変化や各種コストの上昇により、厳しい事業環境が継続しております。一方で、世界的な水産物需要の高まりを背景として水産物価格は上昇基調で推移しており、円安の影響も相まって水産物の輸入価格は上昇傾向にあります。国内の生鮮水産物については、天然魚の水揚げは不安定に推移するなか、養殖魚に対する需要が高まっております。このような状況のもと、当連結会計年度の売上高は1,057億70百万円(前期比6.5%増)となりました。部門別の販売状況につきましては、市場営業部門の売上高は前期を上回りました。近年不漁が続いていたサンマやイカの漁獲量が増加したことに加え、養殖魚の取扱数量が堅調に推移したことから、鮮魚関係の売上高が増加いたしました。塩冷関係では、取扱数量は減少したものの、鮭鱒、塩サバ、チリメン・シラス等の販売単価が上昇したことにより、売上高は前期を上回りました。市場外営業部門の売上高も前期を上回りました。海外向け販売部門では、サバを中心とした凍魚の販売が順調に推移したほか、冷凍スリミ等を輸入し国内メーカー向けに販売する原料開発部門の取扱も順調に伸長いたしました。利益面では、商品の仕入単価は上昇し、販管費についても、人件費や物流費を中心に増加しました。様々な物価が上昇するなか、売上総利益率を維持しながら売上高を増加させたことにより、営業利益は8億99百万円(前期比32.1%増)、経常利益は10億54百万円(前期比27.8%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期において税効果会計の影響により税金費用が減少していた反動等により、7億30百万円(前期比38.6%減)となりました。当社グループでは、中期経営計画(2023年度-2025年度)において、最終年度である当連結会計年度の数値目標として、売上高1,040億円、営業利益6億90百万円、経常利益7億90百万円を掲げておりました。当連結会計年度においては、集荷力及び販売力の強化に取り組んだ結果、売上高、営業利益及び経常利益のいずれも当該目標を達成いたしました。 (財政状態)当連結会計年度末の資産合計は283億71百万円(前期末比35億31百万円増)、負債合計は、155億28百万円(前期末比21億46百万円増)、純資産合計は、128億42百万円(前期末比13億84百万円増)となりました。資産の主な増加要因は、商品確保を目的とした仕入先への「前渡金」の増加(13億98百万円)、ならびに3月の販売実績増加に伴う「売掛金」の9億44百万円の増加であります。負債の主な増加要因は、販売増加に伴う「支払手形及び買掛金」の6億36百万円の増加に加え、運転資金需要の増加に伴う「短期借入金」の10億50百万円の増加であります。また、保有する上場有価証券の時価上昇により、「投資有価証券」が11億39百万円増加したほか、「その他有価証券評価差額金」が7億52百万円増加いたしました。 (セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討の内容)当社グループは、水産物販売事業が売上高及び利益に占める割合が極めて高く、報告セグメントごとの財政状態及び経営成績の分析内容は、上記の事業全体に係る記載内容と概ね同様であります。そのため、セグメントごとの記載は省略しております。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フロー)当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは10億64百万円の支出(前期は10億62百万円の支出)となりました。これは≪①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(財政状態)≫において記載したとおり前渡金を13億98百万円計上したこと等によるものであります。また、科目別の増減額は主に、税金等調整前当期純利益を10億50百万円計上し、負債の部で仕入債務が6億36百万円増加した一方で、資産の部で売上債権が7億27百万円増加し、棚卸資産が4億6百万円増加したこと等によるものであります。(資本の財源及び資金の流動性)当連結会計年度末の資金調達の総額は40億50百万円(前期比10億50百万円増)となりました。これらの内訳は、短期借入金は24億円(前期比10億50百万円増)、長期資金(1年内返済予定として流動負債に計上分を含む)は16億50百万円(前期比増減なし)となっております。資金調達の総額に占める流動・固定の比率は資産のバランスに見合った長期資金を調達する方針としております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されており、重要な会計方針につきましては、≪第5経理の状況1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)≫に記載しているとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたっては、会計基準の範囲内で一定の見積りがなされ、引当金の計上等の数値に反映されております。これらの見積りについては、必要に応じて見直しを行っておりますが、不確実性があるため、実際の結果が見積りと異なる場合があります。なお、この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、≪第5経理の状況1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)≫に記載しているとおりであります。

事業リスク

  • 法的規制違反のリスク
    水産物卸売会社として、卸売市場法をはじめとする関係法令の遵守が不可欠です。法令に抵触した場合、業務停止などの処分を受ける可能性があり、財政状態や経営成績に多大な悪影響を及ぼす恐れがあります。法令遵守の徹底が常に求められます。
  • 市況変動による収益悪化リスク
    水産物の販売は、天候、自然災害、海洋汚染、漁獲制限などにより、入荷量や市況が日々変動します。水産物需給の大幅な減退や市況の暴落が発生した場合、仕入価格の高騰や販売価格の下落により、収益が大きく減少する可能性があります。
  • 食品の安全性に関わるリスク
    食品の品質管理や衛生管理に不備があった場合、食品回収や廃棄、損害賠償責任が発生する可能性があります。これにより、多額の費用負担が生じるだけでなく、社会的信頼の失墜により、仕入先や販売先との関係に悪影響を及ぼす恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,056 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)法的規制について当社グループは、水産物卸売会社として中央卸売市場及び地方卸売市場を中心に活動しております。そのため、卸売市場法を中心とした関係法令等への対応は重要な事項として認識しております。卸売市場法などの法令等に抵触した場合、市場開設者から業務停止等の処分を受ける可能性があります。そのような事態に陥った場合、財政状態及び経営成績に与える影響は多大であると考えております。当該リスクが顕在化する蓋然性は高くないものの、未然防止策として関係法令等の遵守・周知徹底や開設者等の検査対応及び各種モニタリングに取り組んでおります。また、卸売市場を取り巻く環境の変化に対応できる体制を構築し、新たな需要の開拓や付加価値の向上に取り組んでおります。 (2)市況変動等について当社グループの主力事業である水産物の販売は、天候の影響により水産物の入荷量や市況が日々変動することがあります。このほか、発生頻度は高くないものの、自然災害や海洋汚染、資源保護による漁獲制限、政策的な輸出入の制限等も市況を変動させる要因となっております。当社グループは水産物販売を主な収益源としているため、水産物需給の大幅な減退や市況の暴落等の事態に陥った場合は、仕入及び販売に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応策として、営業部門が主体となり適時適切な在庫商品を確保することで価格変動リスクの低減を図っております。また、入荷が不安定にならないよう、全国各地の産地出荷者との関係を強化することで、水産物を安定的に集荷する体制づくりに努めております。 (3)食品の安全性について食品を取り扱う上で品質管理の不備や衛生管理の不備、食品情報の伝達に関する不備等、様々なリスクが常に内在しております。当該リスクが顕在化した場合、食品の回収や廃棄、損害賠償責任等に費用が必要となる他、社会的信頼の低下により仕入及び販売の状況に影響を与える可能性が考えられます。当該リスクへの対応策として、品質管理委員会を設置し、品質管理活動の方針決定や当該活動状況のチェック等を実施しております。また、営業部門内に品質管理専任者を配置し、品質管理の周知・指導を実施しております。衛生管理面においては、「HACCPに沿った衛生管理」に関する基準に基づき計画書を作成し、衛生管理にかかる手順書の作成、実施状況の記録・保存を行っております。 (4)新規人材確保と業務ノウハウの継承について当社グループの継続的な成長には、優秀な人材の確保と育成・活用が必要不可欠となります。現在当社の社員構成は、中高年者の割合が高くなっております。中長期的な業務ノウハウ継承のためには、若年層の拡充と早期育成が必要です。一方で、人口減少とともに若年層の割合が減少し、新卒採用を中心とした若年者の採用が困難となってきております。今後、若年者の人材確保や育成が停滞した場合には、基幹的な業務ノウハウの空洞化が発生することが懸念されます。そのような事態に陥った場合、仕入販売等の事業活動に影響を与える可能性が考えられます。当該リスクへの対応策として、管理部門人事法務部に専任の採用担当者を配置し、通年で採用活動を実施しております。採用手法の多様化を進めることで、必要な人材を確保し、業務ノウハウを継承できる体制を維持してまいります。また、社員各々の資格等級に求める能力要件を明確化し、それに基づき教育研修を段階的に実施しております。人事制度を充実させることで、若年社員の早期離脱防止と人財の早期育成・活用を実現しております。 (5)基幹システムについて当社グループの基幹システムは、全社各部署で使用され、業務遂行の生命線を担っております。その基幹システムのうち、水産物卸売業務で利用している「全社統合システム」は、安定的な稼働が求められるため、サーバやネットワーク機器を保守委託会社が管理するデータセンター内に設置しております。当該データセンターでは、地震や水害などの自然災害が発生した場合でも、数日間の稼働が可能な環境及び運用体制を構築しております。さらに、システムの冗長化を図ることで、不測の事態が発生した場合でも業務の復旧ができるように備えております。また、自然災害以外のリスクとして、サイバー攻撃、不正アクセス及びウィルス感染等を原因とした、システム障害及びネットワーク障害が発生する可能性があります。このようなサイバーセキュリティ対策として、情報セキュリティポリシーに基づいたUTM(統合脅威管理)や情報端末機器のセキュリティ対策管理システムを導入し、日々安全対策を講じております。基幹システムの停止や障害などが発生した場合、取引先へのサービスに支障をきたし、当社グループの仕入及び販売の状況に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応策として、上記のとおり頑健なデータセンターの利用、システムの冗長化、情報セキュリティ対策等を講じております。 (6)情報漏えいについて当社グループは全国各地に取引先を持つため、顧客の信用情報を含めた個人情報及び取引条件等の当社事業に関する情報等を扱っております。個人情報の取扱いは厳格に行っておりますが、当社グループ又は業務委託先等から、個人情報の漏えいや紛失、毀損又は不正利用等が発生する場合があります。情報漏えいが発生した場合、当社グループの信用毀損、損害賠償責任を招き、経営成績に影響を与えるおそれがあります。また、個人情報取扱事業者として法令に違反し、罰則や勧告、命令等の行政処分を受けた場合、経営状態に悪影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応策として、コンプライアンス委員会及び情報セキュリティ委員会が中心となり、個人情報並びに特定個人情報の適正な取扱いを策定し、安全管理等の維持・推進に取り組んでおります。 (7)営業債権の貸倒について販売の増加に伴い貸倒リスクは高まるほか、自然環境をはじめとする様々な要因による価格変動や需給関係の変化でも貸倒リスクは高まります。また、中小企業向けの金融支援制度により一時的に資金を確保していた取引先については、返済が本格化することで資金不足に陥り、貸倒リスクが顕在化する可能性が高まると認識しております。その他の貸倒リスクについては、顕在化する時期に偏りはありませんが、当社グループの繁忙期である年末を越えた時期は、営業債権が他の時期に比べて多い状況にあります。この時期に大口債権の貸倒が発生した場合は、貸倒引当金の計上による経営成績等に与える影響額は相対的に大きくなる可能性があります。当該リスクへの対応策として、影響の最小化を図る与信管理や販売先の定性情報の収集に努めるなどの債権管理を行っております。そのほか、販売先との契約内容の見直しや売掛金保証サービスの活用等によるリスク回避策を講じることにより、貸倒リスクの低減に取り組んでおります。 (8)在庫商品について当社グループは、市況を勘案しながら在庫商品を確保しております。市況の動向によっては、過剰在庫や評価損の計上などが発生する可能性があります。市況の予測は困難なため、当該リスクの発生時期を予見はできませんが、当社グループの経営成績に影響を及ぼすリスクを有しております。当該リスクへの対応策として、定例会議において、現在及び将来の市況情報の共有を図るとともに滞留在庫の有無を確認し、適正在庫の維持に取り組んでおります。 (9)投資有価証券の時価下落による減損処理について当社グループは売上・仕入の取引拡大及び安定した営業外収益確保のため、上場有価証券を有しております。当連結会計年度末の上場有価証券の保有状況は、連結財務諸表の注記事項(有価証券関係)に記載のとおりであります。連結貸借対照表計上額が取得原価を超える銘柄が多数を占めており、平時において減損処理を行うリスクは極めて低いと考えております。ただし、個別の銘柄の発行会社にて信用不安等の特別な事象が発生した場合には、投資有価証券評価損の計上により経営成績等に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応策として、各銘柄の保有効果、時価情報、配当率を確認し、定性情報も注視して管理しております。 (10)不動産等の事業用資産の減損処理について当社グループが保有する不動産等の事業用資産は、経営成績の低迷、不動産価額の下落の程度やその他の影響等により、減損損失の計上対象となる可能性があります。ただし、賃貸用不動産の主要な物件については安定的に収益を計上しており、直ちに経営成績等に影響を与えるものではありません。当該リスクへの対応策として、安定した業績を上げるよう努めるとともに、不動産価額の動向把握に努め、より好条件での活用を検討するなど常に活用方法の見直しに取り組んでおります。 (11)コンプライアンスに関する事項について当社グループは、コンプライアンスに則した行動をとるため、「大水行動規範」に基づきその仕組みづくりに取り組んでおります。様々な取り組みを実施しておりますが、営業取引上の不適切な売上計上、過誤による会計不正及び労務トラブル等のリスクを完全に回避することは困難であります。当該リスクが顕在化した場合には、社会的な信用が低下し、顧客との取引停止・縮小による売上高減少や多額の損害賠償請求を受けるなど、当社業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策として、コンプライアンス委員会を設置し、当社グループに内在するコンプライアンス上のリスクや課題を可視化しております。可視化されたリスクは、個々に具体策を講じており、ガバナンス体制の強化、コンプライアンス意識の徹底に取り組んでおります。また、社外に顧問弁護士を連絡先とする内部通報窓口を設置し、社内に周知することで、内在するコンプライアンス上の問題が、早期に発現する体制としております。 (12)自然災害、疫病等について当社グループは水産物流通の担い手として、生鮮食料品等の安定供給を使命としております。そのため、事業継続が脅かされるような、地震、津波、台風等の自然災害、火災及び疫病等が発生した場合でも、不測の事態への対応は重要な課題であると認識しております。しかしながら、自然災害、火災及び疫病等の発生時期を予見することは非常に困難であり、事前に準備できる対策も限定的となります。自然災害及び火災が発生した場合、当社グループの資産が毀損すること等により財務状況が悪化することが考えられます。また、疫病等が蔓延した場合、水産物需要の減少及び流通の停滞並びに従業員の多数欠勤等により、仕入及び販売等に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応策として、リスクマネジメント会議を設置し、様々なリスクについて協議を行う他、災害時のBCP計画も策定しております。また、上記会議に限らず緊急性を要する事案が発生した場合は、代表取締役の指揮の下、臨時の対策本部を設置し、適宜様々な対応策について協議、実行いたします。 (13)物流について当社グループは、物流等に係る業務の全部又は一部を外部業者へ委託しております。物流業界では、トラックドライバーの労働時間規制の強化や人手不足が深刻化しております。そのため、今後は輸送手段の確保や物流コストの上昇といった課題が、より一層大きくなることが懸念されます。当該リスクが顕在化した場合、出荷地からの慢性的な遅延や委託先からのサービスの提供が中断・停止される可能性があります。また、当社グループにおける荷役作業の増加など物流業務にも支障が生じる可能性があります。当社グループが物流費の大幅な増加に適切に対応できない場合は、経営成績等に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応策として、物流企画部を中心に、生産者及び運送事業者と連携を図ることで、物流の安定性確保に取り組んでおります。

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