7600

日本エム・ディ・エム(7600)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

精密機器 電機・精密

事業の概要

  • 医療機器の輸入販売
    日本エム・ディ・エムは、主に整形外科分野で使用される医療機器(骨折治療材料、人工関節、脊椎固定器具など)を海外から仕入れて日本国内で販売しています。これにより、日本の医療現場に最先端の医療技術を提供し、収益を上げています。
  • 自社製品の開発製造
    米国子会社のODEV社が、骨接合材料や人工関節などの医療機器を自社で開発・製造しています。ODEV社はこれらの製品を日本エム・ディ・エムに供給するだけでなく、米国市場でも独自に販売しており、グループ全体の収益源となっています。
  • 整形外科分野に特化
    事業内容の大部分が整形外科分野の医療機器に集中しています。これにより、専門性を高め、この分野における深い知識と経験を活かして事業を展開しています。特定の医療分野に特化することで、効率的な製品供給と販売戦略を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 日本事業
    日本エム・ディ・エムの主要な事業地域であり、売上高は136.34億円、営業利益は7.95億円を計上しています。主に米国子会社ODEV社や国内外メーカーから仕入れた整形外科医療機器を日本国内の医療機関に販売することで収益を上げています。グループ全体の売上を牽引する重要な市場です。
  • 米国事業
    米国子会社ODEV社が中心となって展開する事業地域で、売上高は114.80億円、営業利益は5.90億円です。ODEV社は骨接合材料や人工関節などの医療機器を自社で開発・製造し、日本エム・ディ・エムへの製品供給だけでなく、米国市場でも独自に販売活動を行っています。自社製品の製造拠点であり、海外市場での成長を担っています。
  • 整形外科医療機器
    両セグメントともに整形外科分野の医療機器が事業の中心です。骨折治療材料、人工関節、脊椎固定器具といった製品が売上の大半を占めており、専門性の高い分野に特化することで、安定した顧客基盤と技術力を築いています。この分野における市場ニーズに応えることが、グループ全体の成長戦略の要となっています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Japan 地域 136 8 5.8%
America 地域 115 6 5.1%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|327 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び海外子会社1社等で構成され、整形外科分野を中心とした医療機器類の輸入、開発、製造、販売を主な事業活動内容としております。 当社グループの売上は、整形外科分野の医療機器類の取り扱いが大半を占めております。具体的には、当社が、米国子会社ODEV社及び販売提携契約等に基づき国内外メーカーから、骨接合材料、人工関節、脊椎固定器具等の製商品を仕入れ、日本国内において販売を行っております。 また、米国子会社ODEV社は、骨接合材料、人工関節や脊椎固定器具等の開発製造を行い、当社に対して製品供給を行う一方、独自に米国市場を中心として人工関節、脊椎固定器具等の販売を行っております。 事業の系統図は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
国内においては、2年毎に診療報酬が改定されるなどの行政施策が影響を及ぼすリスクがあるため
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
医療機器の販売は、様々な法規制を受けており、薬事承認取得の可否及び取得に要する期間が計画どおりとならないリスクがある
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:サプライチェーンに関するリスク / 販売に関するリスク / 法規制、行政動向に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

財務サマリに時系列データが未収録であり、ブランド、特許、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な情報が得られないため、無形資産による競争優位性は現時点では評価できません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

医療機器、特にカテーテルなどの医療用具は、一度採用されると、その性能や安全性、医師の習熟度から、他社製品への切り替えには一定のハードルが存在すると考えられます。しかし、具体的なスイッチングコストを示すデータはありません。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業内容からは、ユーザー数の増加が製品やサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果が発生するビジネスモデルとは考えにくく、そのための具体的な証拠もありません。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

医療機器製造においては、品質管理や研究開発費が先行するため、構造的なコスト優位性を確立することは一般的に困難です。同社が他社と比較して著しく低いコスト構造を持つという情報は現時点では確認できません。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

精密機器業界の中でも、特定のニッチ市場に特化している可能性があり、業界全体の規模に対して最適な少数寡占を形成しているとは断定できません。市場シェアや生産規模に関する具体的なデータが不足しています。

  • 自社開発・製造能力
    米国子会社ODEV社が骨接合材料や人工関節などを自社で開発・製造している点は強みです。これにより、外部からの仕入れに完全に依存することなく、製品の品質管理や供給の安定性を高め、利益率の高い製品を提供できる可能性があります。
  • 国内外の調達網
    ODEV社からの自社製品供給に加え、国内外のメーカーと販売提携契約を結び、多様な医療機器を調達しています。これにより、幅広い製品ラインナップを揃え、顧客である医療機関の多様なニーズに応えることができ、市場での競争力を維持しています。
  • 整形外科分野の専門性
    整形外科分野に特化した医療機器の取り扱いが大半を占めているため、この分野における専門知識と販売ノウハウが蓄積されています。これにより、医療現場のニーズを正確に把握し、適切な製品提案やサポートを提供できることが、顧客からの信頼獲得につながっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社グループは、患者様のQOL向上に資する経営を行うべく、「最先端の優れた医療機器の開発と販売を通じて医療に貢献する」という経営理念のもと、日米共同開発を基軸に、整形外科分野の医療機器の開発・製造・輸入・販売を通じて日本だけでなく世界の医療マーケットに真に価値ある医療機器を提供していくことで、医療に貢献することを経営方針としております。 (2) 目標とする経営指標連結業績目標 2027年3月期2028年3月期2029年3月期予想百分比目標百分比目標百分比売上高(百万円)25,370100.0%27,500100.0%30,000100.0%営業利益(百万円)4301.7%1,0003.6%1,5005.0%当期純利益(注)1(百万円)600.2%5001.8%1,0003.3% (注)1 親会社株主に帰属する当期純利益 2 対ドル為替レート:1ドル155円 (3) 経営環境及び対処すべき課題当社グループは、事業環境の変化及び一連の報道事案を踏まえ、成長機会の取り込み、収益性の改善、及びガバナンスの強化を重要課題として認識しております。これらの課題に対応するため、各種施策を着実に実行し、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。 1.日本における課題 (1) 高齢化社会に対応した新製品の継続的導入 日本では高齢化の進行に伴い、骨折や骨疾患の患者数の増加が見込まれております。 当社は、こうした医療ニーズの拡大に対応するため、治療成績の向上に資する新製品を継続的に市場へ投入し、獲得症例数の増加及び市場シェアの向上を図ってまいります。 2.米国における課題 (1) 製品供給体制の強化(売上回復) 米国においては、一部製品における供給制約の影響により、販売機会が制限されております。当社は、サプライヤーの複社化及び調達先の地域分散化を推進することで供給体制の安定化を図り、販売機会を確保し、売上の回復を目指してまいります。 (2) 製造原価上昇及び為替影響への対応 人件費の上昇や為替変動の影響により、製造原価及び調達原価が上昇し、収益性が低下しております。当社は、これらの課題に対応するため、「SAICOプロジェクト」を推進し、以下の施策により収益性の改善を図ってまいります。 ① 内製化の推進による製造コストの低減 ② サプライヤー複社化による調達コスト及び供給リスクの低減 ③ アジア・欧州地域の活用による最適調達の推進 ④ 自社製品比率の向上による利益率の改善 これらの取り組みにより、原価構造の改善を進め、中期的な利益成長の基盤強化を図ってまいります。 (3) 関税影響への対応 米国の関税政策の影響により、調達コストが上昇しております。当社は、日本向け製品について米国経由を回避するため、アジア地域への生産移管及び日本への直接供給体制の構築を進め、関税影響の低減と効率的なサプライチェーンの構築を推進してまいります。 3.資本効率及びガバナンスに関する課題 (1) PBR1倍割れへの対応(資本効率の改善) 当社は、収益性の低下を背景に、株価純資産倍率(PBR)が1倍を下回る水準で推移しております。当社は、以下の施策を両輪としてROEの向上及び資本効率の改善に取り組み、企業価値の向上を図ってまいります。① 新製品投入による売上成長の加速② SAICOプロジェクトによる収益性の改善 また、株主還元については安定的な配当を基本方針とし、配当性向30%以上を目標としております。 (2) コンプライアンス及びガバナンス体制の強化 当社は、国内における一連の報道事案を踏まえ、コンプライアンス及びガバナンス体制の強化を重要な経営課題と認識しております。本件の背景には、法令及び業界ルールの遵守を確保するための内部統制、牽制機能及び監督体制が十分に機能していなかった点があります。加えて、業務運営における判断の適正性を継続的に検証する仕組みも不十分であったと認識しております。当社グループは、これらの課題への対応として、以下の施策を一体的に推進しております。① 法務・コンプライアンス機能の独立性強化② 社内規程及び承認プロセスの見直し③ 教育・研修の強化④ 内部通報制度の実効性向上⑤ 評価制度の見直し⑥ 監督機能の強化 また、国内においては、医療従事者等との関係に係る管理体制の厳格化およびモニタリングの強化を進めております。これらの取り組みを通じて、当社グループはコンプライアンスを経営の最優先事項として位置付け、企業価値の持続的向上を図ってまいります。 4.サステナビリティへの取組み 当社は、「患者さんのQOL向上に貢献する」というパーパスのもと、持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値向上の両立を目指しております。当社グループにおけるマテリアリティ(重要課題)を特定し、ESGの観点から事業活動を推進することで、社会的価値と経済的価値の創出を図ってまいります。[マテリアリティ(重要課題)]① 患者QOLの向上② 環境負荷の低減③ 人権尊重④ 多様な人材の活躍推進⑤ 医療ニーズへの高品質対応⑥ コーポレート・ガバナンスの強化
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社グループは、患者様のQOL向上に資する経営を行うべく、「最先端の優れた医療機器の開発と販売を通じて医療に貢献する」という経営理念のもと、日米共同開発を基軸に、整形外科分野の医療機器の開発・製造・輸入・販売を通じて日本だけでなく世界の医療マーケットに真に価値ある医療機器を提供していくことで、医療に貢献することを経営方針としております。 (2) 目標とする経営指標連結業績目標 2027年3月期2028年3月期2029年3月期予想百分比目標百分比目標百分比売上高(百万円)25,370100.0%27,500100.0%30,000100.0%営業利益(百万円)4301.7%1,0003.6%1,5005.0%当期純利益(注)1(百万円)600.2%5001.8%1,0003.3% (注)1 親会社株主に帰属する当期純利益 2 対ドル為替レート:1ドル155円 (3) 経営環境及び対処すべき課題当社グループは、事業環境の変化及び一連の報道事案を踏まえ、成長機会の取り込み、収益性の改善、及びガバナンスの強化を重要課題として認識しております。これらの課題に対応するため、各種施策を着実に実行し、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。 1.日本における課題 (1) 高齢化社会に対応した新製品の継続的導入 日本では高齢化の進行に伴い、骨折や骨疾患の患者数の増加が見込まれております。 当社は、こうした医療ニーズの拡大に対応するため、治療成績の向上に資する新製品を継続的に市場へ投入し、獲得症例数の増加及び市場シェアの向上を図ってまいります。 2.米国における課題 (1) 製品供給体制の強化(売上回復) 米国においては、一部製品における供給制約の影響により、販売機会が制限されております。当社は、サプライヤーの複社化及び調達先の地域分散化を推進することで供給体制の安定化を図り、販売機会を確保し、売上の回復を目指してまいります。 (2) 製造原価上昇及び為替影響への対応 人件費の上昇や為替変動の影響により、製造原価及び調達原価が上昇し、収益性が低下しております。当社は、これらの課題に対応するため、「SAICOプロジェクト」を推進し、以下の施策により収益性の改善を図ってまいります。 ① 内製化の推進による製造コストの低減 ② サプライヤー複社化による調達コスト及び供給リスクの低減 ③ アジア・欧州地域の活用による最適調達の推進 ④ 自社製品比率の向上による利益率の改善 これらの取り組みにより、原価構造の改善を進め、中期的な利益成長の基盤強化を図ってまいります。 (3) 関税影響への対応 米国の関税政策の影響により、調達コストが上昇しております。当社は、日本向け製品について米国経由を回避するため、アジア地域への生産移管及び日本への直接供給体制の構築を進め、関税影響の低減と効率的なサプライチェーンの構築を推進してまいります。 3.資本効率及びガバナンスに関する課題 (1) PBR1倍割れへの対応(資本効率の改善) 当社は、収益性の低下を背景に、株価純資産倍率(PBR)が1倍を下回る水準で推移しております。当社は、以下の施策を両輪としてROEの向上及び資本効率の改善に取り組み、企業価値の向上を図ってまいります。① 新製品投入による売上成長の加速② SAICOプロジェクトによる収益性の改善 また、株主還元については安定的な配当を基本方針とし、配当性向30%以上を目標としております。 (2) コンプライアンス及びガバナンス体制の強化 当社は、国内における一連の報道事案を踏まえ、コンプライアンス及びガバナンス体制の強化を重要な経営課題と認識しております。本件の背景には、法令及び業界ルールの遵守を確保するための内部統制、牽制機能及び監督体制が十分に機能していなかった点があります。加えて、業務運営における判断の適正性を継続的に検証する仕組みも不十分であったと認識しております。当社グループは、これらの課題への対応として、以下の施策を一体的に推進しております。① 法務・コンプライアンス機能の独立性強化② 社内規程及び承認プロセスの見直し③ 教育・研修の強化④ 内部通報制度の実効性向上⑤ 評価制度の見直し⑥ 監督機能の強化 また、国内においては、医療従事者等との関係に係る管理体制の厳格化およびモニタリングの強化を進めております。これらの取り組みを通じて、当社グループはコンプライアンスを経営の最優先事項として位置付け、企業価値の持続的向上を図ってまいります。 4.サステナビリティへの取組み 当社は、「患者さんのQOL向上に貢献する」というパーパスのもと、持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値向上の両立を目指しております。当社グループにおけるマテリアリティ(重要課題)を特定し、ESGの観点から事業活動を推進することで、社会的価値と経済的価値の創出を図ってまいります。[マテリアリティ(重要課題)]① 患者QOLの向上② 環境負荷の低減③ 人権尊重④ 多様な人材の活躍推進⑤ 医療ニーズへの高品質対応⑥ コーポレート・ガバナンスの強化
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況当社グループの当連結会計年度における売上高は23,917百万円(前連結会計年度比1,197百万円減、同4.8%減)、営業利益574百万円(前連結会計年度比981百万円減、同63.1%減)、経常利益534百万円(前連結会計年度比954百万円減、同64.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益263百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失461百万円)となりました。なお、連結売上高に占める自社製品売上高の割合は、79.2%(前連結会計年度は80.7%)となりました。 日本国内売上高は、前連結会計年度比524百万円減、同3.8%減の13,109百万円となりました(「収益認識に関する会計基準」の適用による販売促進費の一部控除後)。米国の外部顧客への売上高は、前連結会計年度比3,699千USドル減、同4.9%減の71,579千USドルとなり、円換算後は円高の影響により前連結会計年度比672百万円減、同5.9%減の10,807百万円となりました(前連結会計年度の米国売上高の換算レートは1USドル152.50円、当連結会計年度は同150.98円)。 製品セグメント別の売上高は、以下のとおりであります。 日本国内の人工関節分野では、第4四半期以降、報道事案の影響により一部の医療機関で当社製品の採用見送りが発生し、獲得症例数が減少しました。人工股関節置換術(THA)は売上高が減少となり、人工骨頭挿入術(BHA)も売上高が減少となりました。これらの結果、本分野の国内売上高は4,904百万円(前連結会計年度比6.4%減)となりました。 米国の人工膝関節分野では、外部に製造委託している人工膝関節再置換製品Balanced Knee System - Revisionの一部コンポーネントにおいて納期遅延が引き続き発生し、製品供給に制約が生じたことから、獲得症例数が減少し、人工膝関節置換術(TKA)全体の売上高は減少となりました。一方、人工股関節分野では、新製品Trivicta Hip Stemの全米展開に伴い獲得症例数が堅調に推移し、人工股関節置換術(THA)の売上高は増加となりました。これらの結果、米国人工関節分野の売上高は71,363千USドル(前連結会計年度比4.9%減)、円換算では円高の影響もあり10,774百万円(前連結会計年度比5.9%減)となりました。 骨接合材料分野は、大腿骨頚部骨折治療材料Prima Hip Screwは、引き続き獲得症例数が堅調に推移し、売上高が増加となりました。一方、大腿骨転子部骨折治療材料ASULOCKは競合環境の激化により、売上高は微減となりました。また、製品ポートフォリオ見直しによる販売中止予定製品等の影響でScrew & Plate等の売上高が減少しました。この結果、本分野の国内売上高は4,444百万円(前連結会計年度比4.5%減)となりました。 脊椎固定器具分野は、日本国内において、KMC Kyphoplastyシステムの獲得症例数が増加し、売上高は2桁成長となりました。一方、Pedicle Screw等は獲得症例数が2桁減少し、日本国内売上高は微減となりました。この結果、国内及び米国を合算した脊椎固定器具分野の売上高合計は3,525百万円(前連結会計年度比1.4%減)となりました。 売上原価は、欧州及び台湾からの調達に伴う米国相互関税の影響による調達コスト上昇に加え、供給優先対応に伴う労務費等の製造間接費の上昇により、9,775百万円(前連結会計年度比3.3%増)となり、売上原価率は40.9%(前連結会計年度は37.7%)となりました。 販売費及び一般管理費は、日米双方での賃上げによる人件費増加に加え、米国において、隔年開催している自社主催セミナー開催費用の増加があったものの、支払手数料の減少や円高影響により円換算後の費用全体が減少したことから、13,567百万円(前連結会計年度比3.7%減)となりました。なお、売上高販管費率は56.7%(前連結会計年度は56.1%)となりました。 以上の結果、営業利益は574百万円(前連結会計年度比63.1%減)となりました。 経常利益は、営業外収益として為替差益230百万円を含む243百万円を計上した一方、営業外費用として支払利息200百万円、持分法適用会社であるChangzhou Waston Ortho Medical Appliance Co., Limitedに係る投資損失58百万円等を計上した結果、534百万円(前連結会計年度比64.1%減)となりました。 また、特別損失として医療工具等の固定資産除却損32百万円、及び製品販売中止に係る損失7百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は263百万円となりました。(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失461百万円) セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。日 本・・・・ 売上高は、報道事案の影響により第2四半期以降で獲得症例数が減少したことから減収となりました。また、賃上げを実施した一方でコスト抑制を進めた結果、販売費及び一般管理費は総額として前連結会計年度を下回りました。 これらの結果、当セグメントの売上高は13,109百万円(前連結会計年度比3.8%減)、営業利益は717百万円(前連結会計年度比9.6%減)となりました。米 国・・・・ 売上高は、一部製品で供給制約が生じたこと等により減収となりました。コスト抑制に努めた結果、販売費及び一般管理費は前連結会計年度を下回りましたが、製造間接費の上昇により売上原価が増加しました。 これらの結果、内部売上高を含む当セグメントの売上高は15,412百万円(前連結会計年度比0.6%減)、営業損失は84百万円(前連結会計年度は営業利益590百万円)となりました。 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ2,011百万円増加し、35,678百万円となりました。主な増加は、商品及び製品3,161百万円、工具、器具及び備品(純額)639百万円であり、主な減少は、受取手形、売掛金及び契約資産892百万円、原材料及び貯蔵品871百万円であります。負債合計につきましては、前連結会計年度末と比べ1,325百万円増加し、10,251百万円となりました。主な増加は、短期借入金1,743百万円、長期借入金655百万円であり、主な減少は、未払金1,253百万円であります。また、当連結会計年度末の有利子負債(短期借入金、長期借入金及びリース債務の合計額)から現金及び預金を控除した純有利子負債は2,763百万円であります。純資産合計は、前連結会計年度末と比べ686百万円増加し、25,427百万円となりました。主な増加は、為替換算調整勘定828百万円であります。その結果、当連結会計年度末の自己資本比率は71.2%(前連結会計年度末は73.3%)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ75百万円減少し、3,107百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは205百万円の収入(前連結会計年度は1,046百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は減価償却費1,613百万円、支出の主な内訳は棚卸資産の増加額1,537百万円、和解関連費用支払額1,238百万円等であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは1,995百万円の支出(前連結会計年度は1,666百万円の支出)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出1,960百万円であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは1,648百万円の収入(前連結会計年度は1,490百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は短期借入金の純増額1,249百万円、長期借入れによる収入1,216百万円、支出の主な内訳は長期借入金の返済による支出390百万円、配当金の支払額396百万円であります。 ③ 生産、受注及び販売の状況 (イ)生産実績前連結会計年度及び当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称及び品目前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額 (千円)金額 (千円)医療機器類日本 151,97345,159 人工関節 79,77810,788 骨接合材料 56,43022,828 その他 15,76411,542米国 6,690,37210,446,092 人工関節 5,467,0458,624,409 骨接合材料 781,5731,092,560 脊椎固定器具 387,902654,634 その他 53,85074,488合計 6,842,34610,491,251 (注) 上記金額は製造原価により、製品の再加工等が含まれております。 (ロ)受注実績当社グループでは、見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 (ハ)販売実績前連結会計年度及び当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称及び品目前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額 (千円)金額 (千円)医療機器類日本 13,634,05713,109,982 人工関節 5,237,2114,904,378 骨接合材料 4,653,6864,444,390 脊椎固定器具 3,543,8123,493,218 その他 407,767432,313 小計 13,842,47713,274,301 売上控除 △208,420△164,318米国 11,479,97610,807,026 人工関節 11,449,25710,774,415 脊椎固定器具 30,71932,611合計 25,114,03323,917,009 比率 (%)比率 (%)自社製品売上比率 80.779.2 (注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。2 日本の販売実績は、「収益認識に関する会計基準」を適用しているため、売上高から販売促進費の一部を 控除しております。3 日本における品目別販売実績は、合理的な売上控除按分ができないため、当該売上控除額を一括で表示しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 当連結会計年度の財政状態及び経営成績及びキャッシュ・フローの分析は、以下のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。① 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者により会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。なお、上記会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 [注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績の分析当連結会計年度の経営成績の分析については、「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」をご参照ください。 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」をご参照ください。 ④ 当連結会計年度の財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析財政状態については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。また、キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性の分析財務政策につきましては、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、主に金融機関からの借入金により資金調達を行っております。 資金需要につきましては、運転資金として、仕入高、販売費及び一般管理費等の営業費用があります。また、設備資金として、主に医療工具類の取得があります。 (3) 経営者の問題認識と今後の方針について経営者の問題認識と今後の方針については、「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」をご参照ください。

事業リスク

  • サプライチェーンの脆弱性
    製品の調達は自社製造のODEV社と他社からの仕入れに依存しており、ODEV社の部材調達問題や他社の供給遅延・停止は、製品供給に支障をきたし、売上や利益に悪影響を及ぼす可能性があります。多様な調達先の確保や自社製造比率の向上が対策として挙げられます。
  • 法規制と行政施策の影響
    医療機器の販売は薬事法などの法規制に厳しく管理されており、国内の診療報酬改定や米国の医療制度変更といった行政施策が、売上や利益に直接的な影響を与えるリスクがあります。収益性の高い自社製品の販売比率を高めることで、収益悪化リスクに対応しています。
  • 研究開発と知的財産リスク
    新製品の研究開発は、期待通りの効果が得られずに中止される可能性や、薬事承認の取得が計画通りに進まないリスクがあります。また、他社の特許権に抵触した場合には、販売停止や賠償金支払いにつながる可能性があり、事業活動に大きな影響を及ぼす恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,288 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関連する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、主として以下のようなものがあります。 なお、当社グループの事業等はこれら以外にも様々なリスクを伴っており、ここに記載されたものがリスクの全てではありません。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、可能な限りリスク発生の防止に努め、リスクが発生した場合の的確な対応に努めていく方針であります。また、文中において将来について記載した事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。 (サプライチェーンに関するリスク) 当社グループが販売する製商品等は、ODEV社から調達する自社製品の他、販売提携契約等に基づいた他社からの仕入商品もあります。ODEV社の自社製造に関する部材調達先で問題が発生した場合や、他社からの調達商品の仕入・物流等が遅延又は停止した場合、損益及び財政状態に影響を及ぼすリスクがありますので、部材調達先の多様化や自社製造の比率を高める対策を行っております。 (販売に関するリスク) 予期していなかった製品不具合の発生、他社との競合等は、売上を減少させ得る要因となり損益及び財政状態に影響を及ぼすリスクがありますが、不具合の発生状況や他社の販売動向について月次でレビューする仕組みを構築し、リスク低減を図っております。(法規制、行政動向に関するリスク) 医療機器の販売は、様々な法規制を受けております。国内においては、2年毎に診療報酬が改定される等の行政施策が当社の損益及び財政状況に影響を及ぼすリスクもあります。また、米国における医療制度に関連した行政施策等が、当社の米国子会社の損益及び財政状況に影響を及ぼすリスクもあります。その対策として、より収益性が高い自社製品の販売比率を高めることや、自社製造比率を高める等の手段により売上原価の低減を図ることで、収益悪化リスクに対応しております。(繰延税金資産の回収可能性に関するリスク) 繰延税金資産の回収可能性について、将来の課税所得の額を合理的に見積ることにより判断しております。将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(研究開発に関するリスク) 新製品の研究開発は、開発期間中に、期待されていた有効性・安全性の確認ができず製品の開発を中止するリスクがあります。また、開発した製品の販売を開始するためには、各市場において薬事承認を取得する必要がありますが、薬事承認取得の可否及び取得に要する期間が当社の計画どおりとならないリスクがあります。(知的財産に関するリスク) 当社グループが取扱う製商品、及び、医療工具等が他社の保有する特許等知的財産権に抵触した場合、係争の発生や販売停止、賠償金の支払いに至る可能性があり、当社の損益及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあるため、製品の開発段階で関連する他社特許の内容を調査する、適宜外部の専門家に相談する等リスク低減に努めております。(訴訟に関するリスク) 公正取引に関する事案の他、特許、販売に関する契約、製造物責任、労務問題等に関し、訴訟を提起される可能性があり、その動向によっては損益及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。 また、当社グループの販売活動に関連して、役職員による不適切な行為や関係法令への抵触があったと判断された場合、行政機関による指導・制限等を受け、一部の販売先に対して営業活動が制約される可能性があり、このような事態が生じた場合、売上が減少し、損益及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。 なお、当社は、販売関連の法令遵守体制や社員教育を強化し、リスクの未然防止に努めております。(為替変動に関するリスク) 当社は主にODEV社からUSドル建てで輸入仕入していること、また、連結財務諸表においてODEV社のUSドル建て財務諸表を円換算していることから、為替相場の変動は当社グループの損益及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。なお、当社は為替予約方針を定め、当該方針に基づく運用により、USドル建ての輸入に関わる為替変動リスクの低減に努めております。 (感染症拡大に関するリスク) 感染症拡大に伴う各国保健行政の指針に従い、医療機関が人工関節置換術等緊急を要さない手術を延期させること等により当社グループの損益及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。(気候変動に関するリスク)世界的なGHG(温室効果ガス)排出増大に起因する地球温暖化がもたらす急性的あるいは慢性的な気候変動、及びそれに対して各国や地域行政が講じる政策・施策は、市場環境や原材料の調達等に大きな影響を与え、当社グループの事業の継続や業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。そのため、当社はサステナビリティ推進室を設置し、当社グループにおける全社的な気候変動対応に向けた施策の立案とESG活動の推進、経営陣に向けた提言、社員に向けた啓発と情報提供、そして、投資家をはじめとする社外ステークホルダーに向けた情報開示を遂行する体制を構築し、リスク低減に努めております。 (その他のリスク)上記のほか、損益及び財政状態に影響を及ぼすリスクとしては、地震等大規模な災害の発生に伴う事業活動の停滞、情報セキュリティ問題によるITシステム停止、金利の変動、販売先の経営悪化等に起因する売上債権の貸倒れ等があります。

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