有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは「わたしたちは、長年培ってきた「はかる」技術を社会に提供することを通じて、科学技術の発展、産業の高度化、人々の健康な生活に寄与し、豊かで持続的な社会づくりにグローバルに貢献する企業グループを目指します。」をグループ企業理念として掲げております。当社グループの事業は、様々なアナログ情報を計測し、エレクトロニクス技術によりデジタル変換(数値化)して表示するA(アナログ)/D(デジタル)・D(デジタル)/A(アナログ)変換技術を原点としております。この原点を軸に、お客様による新しい価値の創出を支援するツールを提供していくことで、産業と社会の発展や人々の健康な生活に貢献していきたいと考えております。 (2)中長期的な会社の経営戦略当社グループは長期ビジョンの実現に向けたSTEP1としての中期経営計画(2025年度~2027年度)を推進してまいりました。しかしながら、直近の世界経済の動向および事業環境の変化が業績に与える影響を踏まえ、2026年度以降の計画数値およびキャッシュアロケーション方針の最適化による見直しを行うことといたしました。中期経営計画の基本テーマや成長戦略の方向性は維持しつつ、収益性改善施策の推進と重点領域への投資を着実に実行することで、修正後計画の確実な達成を図ってまいります。 中期経営計画の基本戦略および経営指標は以下のとおりです。 <基本戦略>① グローバルマーケティング機能の構築② グローバル展開加速と事業ポートフォリオを意識した成長の実現 ③ 事業成長を支える研究開発/生産機能の強化④ 事業ポートフォリオマネジメントの運用⑤ 環境変化に順応するサステナビリティ経営の実装 <修正後 経営指標(2027年度)>① 売上高 755億円② 営業利益 99億円③ 営業利益率 13.1% <キャッシュアロケーション方針>当社グループは、持続的成長と資本効率の向上を両立する観点から、成長投資および株主還元のバランスを重視したキャッシュアロケーション方針のもと、資本政策を推進してまいります。成長投資、戦略投資につきましては、R&Dセンター新棟建設、国内生産拠点再編など、競争力強化および付加価値向上に資する領域に重点的に配分するとともに、投資の優先順位および実行時期の見直しを行い、より効率的かつ機動的に進めてまいります。また、株主還元につきましては、当初計画における2027年度の配当性向30%の方針を1年前倒しで実施し、これを維持することといたしました。加えて、配当を含めた機動的な株主還元により、当計画期間累計60億円以上の株主還元を目指すことといたしました。当社グループは、これらの施策を着実に推進することで、環境変化に適応しつつ中長期的な成長軌道への回帰を図り、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。 (3)会社の対処すべき課題当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりです。 ① 事業環境の変化への対応当社グループを取り巻く事業環境は、足元において短期的な変動が生じております。半導体関連事業においては、中国市場での設備投資の一巡や技術移行の端境期を背景とした需要調整が顕在化しており、2027年3月期は需要が低調に推移する見通しであります。一方で、AI等のアプリケーション拡大を背景とした中長期的な成長性に変化はなく、2028年3月期以降は需要回復を想定しております。また、計測・計量機器事業においては、EV市場の成長ペース鈍化を背景に、EV・電池関連分野向けの需要に調整が見られるほか、医療・健康機器事業を含め、米国の関税政策によるコスト増の影響が収益性に影響を及ぼしております。このような状況の下、当社グループは、中長期的な成長戦略を維持しつつ、短期的な需要変動および外部環境変化に適切に対応することを課題として認識し、生産・在庫の最適化およびコストコントロールの徹底により収益の安定化を図るとともに、需要回復局面に向けた体制整備を進めてまいります。 ② 成長戦略の着実な実行当社グループは、「事業価値の再定義と基盤の再構築」をテーマとする中期経営計画に基づき、半導体関連、計測・計量、医療・健康の各事業において成長施策を推進しております。外部環境の変化により短期的な業績変動はあるものの、各事業における中長期的な事業機会は引き続き拡大していると認識しております。このため、半導体関連事業においては次世代製品の投入およびグローバル顧客対応の強化、計測・計量機器事業においては重点地域および高付加価値分野への展開、医療・健康機器事業においては医療DX対応製品の拡充およびグローバル展開の強化を進めるなど、既定戦略の着実な実行により持続的な成長を実現してまいります。 ③ 収益性の維持・向上近年のインフレや関税政策等を背景としたコスト上昇圧力に対応するため、当社グループは販売価格の適正化、高付加価値製品の拡販、製造およびサービス体制の効率化に取り組んでおります。また、国内生産拠点の再編や設備投資の最適化、DXの活用による業務効率化を推進することにより、収益性の維持・向上とともに、将来の成長を支える収益基盤の強化を図ってまいります。 ④ ガバナンスおよびコンプライアンス体制の強化当社グループにおいて、連結子会社における計量法違反事案および海外連結子会社における資金管理上不適切な支出が行われていた事案が判明いたしました。当社はこれらの事案を重く受け止めております。計量法違反事案については、業務改善委員会の管理・監督のもと、対象機器の適切な処置等の是正対応を進めるとともに、コンプライアンス研修および計量法に関する教育の実施により、法令遵守体制の徹底を図っております。また、資金管理に関する事案については、事実関係の調査を継続するとともに、全社的な点検を実施し、再発防止策の策定およびその徹底に取り組んでおります。当社グループは、内部統制およびガバナンス体制の強化を重要な経営課題と認識し、これらの取り組みにより信頼回復を図るとともに、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは「わたしたちは、長年培ってきた「はかる」技術を社会に提供することを通じて、科学技術の発展、産業の高度化、人々の健康な生活に寄与し、豊かで持続的な社会づくりにグローバルに貢献する企業グループを目指します。」をグループ企業理念として掲げております。当社グループの事業は、様々なアナログ情報を計測し、エレクトロニクス技術によりデジタル変換(数値化)して表示するA(アナログ)/D(デジタル)・D(デジタル)/A(アナログ)変換技術を原点としております。この原点を軸に、お客様による新しい価値の創出を支援するツールを提供していくことで、産業と社会の発展や人々の健康な生活に貢献していきたいと考えております。 (2)中長期的な会社の経営戦略当社グループは長期ビジョンの実現に向けたSTEP1としての中期経営計画(2025年度~2027年度)を推進してまいりました。しかしながら、直近の世界経済の動向および事業環境の変化が業績に与える影響を踏まえ、2026年度以降の計画数値およびキャッシュアロケーション方針の最適化による見直しを行うことといたしました。中期経営計画の基本テーマや成長戦略の方向性は維持しつつ、収益性改善施策の推進と重点領域への投資を着実に実行することで、修正後計画の確実な達成を図ってまいります。 中期経営計画の基本戦略および経営指標は以下のとおりです。 <基本戦略>① グローバルマーケティング機能の構築② グローバル展開加速と事業ポートフォリオを意識した成長の実現 ③ 事業成長を支える研究開発/生産機能の強化④ 事業ポートフォリオマネジメントの運用⑤ 環境変化に順応するサステナビリティ経営の実装 <修正後 経営指標(2027年度)>① 売上高 755億円② 営業利益 99億円③ 営業利益率 13.1% <キャッシュアロケーション方針>当社グループは、持続的成長と資本効率の向上を両立する観点から、成長投資および株主還元のバランスを重視したキャッシュアロケーション方針のもと、資本政策を推進してまいります。成長投資、戦略投資につきましては、R&Dセンター新棟建設、国内生産拠点再編など、競争力強化および付加価値向上に資する領域に重点的に配分するとともに、投資の優先順位および実行時期の見直しを行い、より効率的かつ機動的に進めてまいります。また、株主還元につきましては、当初計画における2027年度の配当性向30%の方針を1年前倒しで実施し、これを維持することといたしました。加えて、配当を含めた機動的な株主還元により、当計画期間累計60億円以上の株主還元を目指すことといたしました。当社グループは、これらの施策を着実に推進することで、環境変化に適応しつつ中長期的な成長軌道への回帰を図り、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。 (3)会社の対処すべき課題当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりです。 ① 事業環境の変化への対応当社グループを取り巻く事業環境は、足元において短期的な変動が生じております。半導体関連事業においては、中国市場での設備投資の一巡や技術移行の端境期を背景とした需要調整が顕在化しており、2027年3月期は需要が低調に推移する見通しであります。一方で、AI等のアプリケーション拡大を背景とした中長期的な成長性に変化はなく、2028年3月期以降は需要回復を想定しております。また、計測・計量機器事業においては、EV市場の成長ペース鈍化を背景に、EV・電池関連分野向けの需要に調整が見られるほか、医療・健康機器事業を含め、米国の関税政策によるコスト増の影響が収益性に影響を及ぼしております。このような状況の下、当社グループは、中長期的な成長戦略を維持しつつ、短期的な需要変動および外部環境変化に適切に対応することを課題として認識し、生産・在庫の最適化およびコストコントロールの徹底により収益の安定化を図るとともに、需要回復局面に向けた体制整備を進めてまいります。 ② 成長戦略の着実な実行当社グループは、「事業価値の再定義と基盤の再構築」をテーマとする中期経営計画に基づき、半導体関連、計測・計量、医療・健康の各事業において成長施策を推進しております。外部環境の変化により短期的な業績変動はあるものの、各事業における中長期的な事業機会は引き続き拡大していると認識しております。このため、半導体関連事業においては次世代製品の投入およびグローバル顧客対応の強化、計測・計量機器事業においては重点地域および高付加価値分野への展開、医療・健康機器事業においては医療DX対応製品の拡充およびグローバル展開の強化を進めるなど、既定戦略の着実な実行により持続的な成長を実現してまいります。 ③ 収益性の維持・向上近年のインフレや関税政策等を背景としたコスト上昇圧力に対応するため、当社グループは販売価格の適正化、高付加価値製品の拡販、製造およびサービス体制の効率化に取り組んでおります。また、国内生産拠点の再編や設備投資の最適化、DXの活用による業務効率化を推進することにより、収益性の維持・向上とともに、将来の成長を支える収益基盤の強化を図ってまいります。 ④ ガバナンスおよびコンプライアンス体制の強化当社グループにおいて、連結子会社における計量法違反事案および海外連結子会社における資金管理上不適切な支出が行われていた事案が判明いたしました。当社はこれらの事案を重く受け止めております。計量法違反事案については、業務改善委員会の管理・監督のもと、対象機器の適切な処置等の是正対応を進めるとともに、コンプライアンス研修および計量法に関する教育の実施により、法令遵守体制の徹底を図っております。また、資金管理に関する事案については、事実関係の調査を継続するとともに、全社的な点検を実施し、再発防止策の策定およびその徹底に取り組んでおります。当社グループは、内部統制およびガバナンス体制の強化を重要な経営課題と認識し、これらの取り組みにより信頼回復を図るとともに、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 業績当連結会計年度における世界経済は、主要国においてインフレ率の低下傾向がみられ、金融政策面でも引締め局面の終息が意識されるなか、総じて底堅く推移しました。一方で、ウクライナ情勢の長期化や中東地域の緊張の高まりに伴う地政学リスクのほか、米国における金融・通商政策を巡る不確実性、中国経済の成長鈍化などにより、依然として先行きに対する不透明感が強い状況が続いております。このような状況のもと、当社では当期を初年度とする中期経営計画(2025年度~2027年度)に基づき、各事業の戦略およびグループ機能強化のための施策を推進してまいりました。半導体関連事業は、中期的な需要拡大基調に変化はないものの、前期までの旺盛な需要の反動により当期は調整局面に入り、その影響を受けて減収減益となりました。計測・計量機器事業は、米国においてEV関連の事業環境変化や関税の影響から厳しい状況が続いたものの、日本での安定した収益確保が下支えとなり、増収増益となりました。医療・健康機器事業は、海外での堅調な需要や為替の影響によって増収となりました。営業利益は米国関税によるコスト増の影響を受けたものの、価格適正化や生産性向上の効果により概ね前年並みの水準を維持しました。この結果、当連結会計年度の売上高は69,326百万円(前連結会計年度比3.3%増)、営業利益は9,209百万円(前連結会計年度比4.5%増)、経常利益は9,470百万円(前連結会計年度比5.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,923百万円(前連結会計年度比8.4%減)となりました。なお、このたび、当社韓国の連結子会社A&D SCALES CO., LTD.において、資金管理上不適切な支出が行われていた事案が判明したことから、当期業績に与える損害額243百万円を特別損失として計上いたしました。ただ、本件につきましては調査を継続しており、損害額に変更が生じる可能性がございます。株主・投資家の皆さまをはじめ、関係者の皆さまには、多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。今後は、再発防止策の立案と徹底を図るとともに、グループ全体での管理体制を強化してまいります。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが6,469百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△3,792百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△2,909百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が593百万円発生した結果、13,618百万円(前連結会計年度比2.7%増)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)生産高(百万円)前期比(%)半導体関連事業日本7,94882.2%米州――欧州――アジア・オセアニア――計7,94882.2%計測・計量機器事業日本24,159120.2%米州89754.2%欧州――アジア・オセアニア7,841101.4%計32,898111.6%医療・健康機器事業 日本6,820116.7%米州4,344296.6%欧州31635.9%アジア・オセアニア14,382101.1%計25,864115.4%合計66,712108.4% (注) 1.金額は販売価格によっております。2.実績には商品仕入を含んでおります。 b.受注実績当社グループは、原則として見込生産を行っておりますが、製品の一部には受注生産を行っているものがあります。当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)半導体関連事業日本4,62536.5%3,35934.3%米州----欧州----アジア・オセアニア----計4,62536.5%3,35934.3%計測・計量機器事業日本6,82579.6%3,98882.7%米州27617.7%1,17983.0%欧州----アジア・オセアニア924106.2%60222.5%計8,02773.0%5,22883.4%医療・健康機器事業日本1,527113.0%542168.3%米州----欧州----アジア・オセアニア158114.0% 01.6%計1,686117.6%543166.5%合計14,33957.1%9,13055.7% (注) 金額は販売価格によっております。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)販売高(百万円)前期比(%)半導体関連事業日本11,09990.3米州--欧州--アジア・オセアニア15-計11,11490.4計測・計量機器事業日本20,241108.2米州4,98987.2欧州61895.2アジア・オセアニア5,696102.0計31,545102.9医療・健康機器事業日本4,34890.5米州11,129111.3欧州10,598120.2アジア・オセアニア590119.7計26,667110.5合計69,326103.3 (注) セグメント間の取引は、相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高)当連結会計年度の当社グループの売上高は、前連結会計年度に比べ3.3%増収の69,326百万円となりました。 半導体関連事業につきましては、2025年3月期までの旺盛な需要増の反動の影響が大きく、当期は調整局面に入り売上は減少しました。この結果、半導体関連事業の売上高は11,114百万円(前連結会計年度比9.6%減)となりました。 計測・計量機器事業につきましては、日本においては、計量機器の堅調な需要に加え、DSP機器の大口案件も寄与し売上は増加しました。米州においては、計量機器の需要は堅調でしたが、一方でEVを取り巻く政策・市場環境の変化を受けた設備投資抑制や関税などの影響により、売上は減少しました。アジア・オセアニアにおいては、韓国では需要低迷が続いたものの、中国やインドでの計量機器需要が好調に推移したため、全体として売上は増加しました。この結果、計測・計量機器事業の売上高は31,545百万円(前連結会計年度比2.9%増)となりました。 医療・健康機器事業につきましては、日本においては、医科向け計量器の需要低迷や海外向け製品の商流変更の影響により売上は減少しました。米州においては、医療機器の大口顧客向け実績が伸長したことに加え、健康機器における医療DX対応製品や販売チャネルの拡大により売上は増加しました。欧州においては、日本からの商流変更および為替の影響により円換算後の売上が増加しました。この結果、医療・健康機器事業の売上高は26,667百万円(前連結会計年度比10.5%増)となりました。 (売上原価、販売費及び一般管理費)売上原価率については、米国関税によるコスト増が発生しましたが、DSP機器の収益改善策によるGP率改善などが奏功しました。この結果、前連結会計年度と比べ0.4ポイント減少の54.6%となりました。販売費及び一般管理費は、一部の研究開発活動が一巡したことによる支出の抑制や、諸経費の継続的な抑制を行った一方、賃上げ等による人件費の増加や、販売活動強化に伴う広告宣伝費の増加等により、前連結会計年度と比べ4.0%増加の22,241百万円となりました。研究開発費は高水準にありますが、これは当社グループの継続的な発展に不可欠な将来を見据えた投資と考えております。 (営業利益)営業利益は、9,209百万円(前連結会計年度比4.5%増)となりました。半導体関連事業の営業利益は、減収の影響と製品構成の変化に加え、サービス業務拡大に向けた先行投資の増加も影響し、前連結会計年度比12.0%減益の3,628百万円となりました。計測・計量機器事業の営業利益は、米国においてEV関連の事業環境変化や関税の影響から厳しい状況が続いたものの、日本での安定した収益確保が下支えとなり、前連結会計年度比25.2%増益の3,387百万円となりました。医療・健康機器事業の営業利益は、海外での堅調な需要や為替の影響によって増収となったものの、米国での関税および販売活動強化に伴うコスト増が影響し、前連結会計年度比2.4%減益の4,009百万円となりました。また、上記のセグメント別の営業損益の他、全社費用等として1,815百万円が発生しております。売上高営業利益率は13.3%となり、前連結会計年度より0.2ポイント上昇しました。引き続き新技術や顧客のニーズを踏まえた高付加価値製品の投入、原価低減、経費削減等、利益率の上昇につながる施策に努めてまいります。 (経常利益)営業外収益は、円安の影響による為替差益の増加に加え、各国における金利水準の高止まりを背景とした利息収支の改善により、869百万円(前連結会計年度比245百万円増加)となりました。一方、営業外費用は、過年度関税等の発生により609百万円(同125百万円増加)となりました。以上の結果、経常利益は9,470百万円(同5.8%増)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度においては、特別利益が6百万円となる一方、計量法違反に対する是正対策費用552百万円、海外連結子会社A&D SCALES CO., LTD.における不適切な支出に係る横領損失243百万円等を計上したことにより、特別損失は806百万円(前連結会計年度比729百万円増加)となり、この結果、税金等調整前当期純利益は8,669百万円となりました。また、法人税、住民税及び事業税を2,700百万円、法人税等調整額を21百万円、非支配株主に帰属する当期純利益を23百万円計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は5,923百万円(前連結会計年度比8.4%減)となりました。 (包括利益)当期純利益は5,947百万円となった他、為替換算調整勘定を中心にその他の包括利益が2,086百万円となったことにより、包括利益は8,033百万円(前連結会計年度比25.1%増)となりました。 (流動資産)当連結会計年度末における流動資産の残高は、55,292百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,624百万円増加いたしました。これは、主に受取手形、売掛金及び契約資産や商品及び製品が増加したことによるものであります。 (固定資産)当連結会計年度末における固定資産の残高は19,984百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,648百万円増加いたしました。個々の要因は以下のとおりであります。a 有形固定資産有形固定資産については、株式会社ホロンにおける新工場建設のための設備投資等があったため、建物及び構造物を中心に、前連結会計年度末に比べ1,730百万円増加いたしました。b 無形固定資産無形固定資産については、のれんやソフトウエアを中心に、前連結会計年度末に比べ204百万円増加いたしました。c 投資その他の資産投資その他の資産については、退職給付に係る資産を中心に、前連結会計年度末に比べ712百万円増加いたしました。 (流動負債)当連結会計年度末における流動負債の残高は23,149百万円となり、前連結会計年度末に比べ369百万円増加いたしました。これは主に、計量法関連損失引当金を計上したこと等によるものであります。 (固定負債)当連結会計年度末における固定負債の残高は2,550百万円となり、前連結会計年度末に比べ876百万円減少いたしました。これは、主に長期借入金が減少したこと等によるものであります。 (純資産)当連結会計年度末の純資産の残高は49,577百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,779百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益等により株主資本が4,689百万円増加したことや為替換算調整勘定の増加等により、その他の包括利益累計額が2,079百万円増加したことによるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は6,469百万円(前連結会計年度比1.7%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が8,669百万円、減価償却費が1,906百万円あった一方で、法人税等の支払額が2,523百万円、売上債権の増加額が1,828百万円、仕入債務の減少額が1,122百万円あったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は3,792百万円(前連結会計年度比89.1%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が3,047百万円、無形固定資産の取得による支出が575百万円あったことによるものであります。フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したもの)は2,677百万円のプラスとなっております。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は2,909百万円(前連結会計年度比46.5%減)となりました。これは主にリース債務の返済による支出が557百万円、長期借入金の返済による支出が731百万円、配当金の支払額が1,248百万円あったことによるものであります。 必要運転資金及び設備投資を含む投資資金は、基本的には内部資金又は金融機関からの借入金により対応しております。外部資金は、その使途の実態に合わせ、長期及び短期での調達となっております。当連結会計年度末では、長期借入金1,369百万円(1年内返済予定分含む)、短期借入金10,447百万円の構成となっており、合わせて11,817百万円を計上しております。当連結会計年度末借入金残高の売上高に対する比率は17.0%(前連結会計年度末は19.1%)となっております。また、緊急時の資金調達手段の確保を目的として、一部の取引銀行と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、資金流動性を確保しております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たって、当社経営陣は決算日における資産・負債の数値及び偶発債務の開示並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。また、経営陣は過去の実績や状況に応じ、合理的妥当性を有する要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数値についての判断の基礎としております。実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これら見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは「わたしたちは、長年培ってきた「はかる」技術を社会に提供することを通じて、科学技術の発展、産業の高度化、人々の健康な生活に寄与し、豊かで持続的な社会づくりにグローバルに貢献する企業グループを目指します。」をグループ企業理念として掲げております。当社グループの事業は、様々なアナログ情報を計測し、エレクトロニクス技術によりデジタル変換(数値化)して表示するA(アナログ)/D(デジタル)・D(デジタル)/A(アナログ)変換技術を原点としております。この原点を軸に、お客様による新しい価値の創出を支援するツールを提供してゆくことで、産業と社会の発展や人々の健康な生活に貢献していきたいと考えております。 (2)中長期的な会社の経営戦略当社グループは2025年5月に、2034年度までの長期ビジョンおよび2027年度を最終年度とする中期経営計画を策定しました。長期ビジョンでは、『Sensing the Future ~「はかる」を究め、世界を支える~』をスローガンとし、マーケット目線を最重要視する考えのもと、創業以来こだわりを持って育ててきた「はかる」技術を究め、グローバル市場を舞台として社会やお客様の課題解決に貢献する企業グループとなることを、10年後の私たちのあるべき姿としました。長期ビジョンの基本戦略および経営目標は以下のとおりです。<基本戦略>① 社会課題解決に向けた事業ポートフォリオの改革② マーケットインによる顧客への価値提供ができるビジネスモデルへ転換③ “「はかる」を究め、世界を支える”を実現する新たな開発・生産機能の構築④ ポートフォリオマネジメントの高度化⑤ サステナビリティ経営の推進<経営目標(2034年度)>① 売上高 1,500億円② 営業利益 300億円③ 営業利益率 20.0% また、長期ビジョンの実現に向けたSTEP1としての中期経営計画では、『事業価値の再定義と基盤の再構築』をテーマとし、現在の事業をあらためて見つめ直すとともに経営基盤を強固にする期間と位置付けています。長期ビジョンからバックキャストの考え方で設定した各事業の戦略およびグループ機能を強化するための施策を推進してまいります。中期経営計画の基本戦略および経営指標は以下のとおりです。<基本戦略>① グローバルマーケティング機能の構築② グローバル展開加速と事業ポートフォリオを意識した成長の実現③ 事業成長を支える研究開発/生産機能の強化④ 事業ポートフォリオマネジメントの運用⑤ 環境変化に順応するサステナビリティ経営の実装<経営指標(2027年度)>① 売上高 800億円② 営業利益 117億円③ 営業利益率 14.6%④ 配当性向 30% 長期ビジョンを基に中期経営計画を実行することで持続的な成長につなげ、さらなる企業価値向上を図ってまいります。 (3)会社の対処すべき課題昨今、当社グループを取り巻く経営環境は、変化が激しく不確実性が高まっている状況にあります。そのような環境の中においても持続的な成長を実現するため、2034年度までの長期ビジョンおよび2027年度を最終年度とする中期経営計画を策定し、グループ一丸となって計画達成を目指してまいります。半導体関連事業においては、AI、データセンター、自動運転等のアプリケーション拡大を背景に、引き続き中長期的な成長が見込まれております。高性能化や低消費電力化への要求が高まる中、微細化・構造化・複雑化といった技術革新が進展しており、当社グループにとって新たなビジネス機会が創出されています。次世代装置の開発や既存顧客との関係強化、新工場建設の推進などを通じて、今後の需要増に的確に対応し、さらなる成長に向けた基盤強化を着実に進めてまいります。医療・健康機器事業においては、医療DXや予防医療、デジタルヘルス分野における技術革新が進む中、AI・ビッグデータ解析による診断支援等が注目されています。こうした潮流を背景に、当社グループの医療・健康機器事業においても、引き続き需要の拡大が見込まれます。今後は、地政学リスクや米国関税の影響も踏まえ、販売エリアや流通の拡大とともに生産性の向上、生産の最適化を図り業績の拡大を目指してまいります。計測・計量機器事業においては、カーボンニュートラル社会やデジタル化社会への移行が加速する中、AI・IoT技術の進展により、より高度で精密な計測ニーズが高まっております。加えて、環境規制対応や人件費高騰への対処として、無人化・自動化・遠隔化といった開発・生産投資がグローバルに拡大しています。ファクトリーオートメーション市場やエネルギーシフトに対応する新製品開発を推進、米国や中国など海外の重点地域における販売、エンジニアリング、サービス対応を強化することによって業績拡大を目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは「わたしたちは、長年培ってきた「はかる」技術を社会に提供することを通じて、科学技術の発展、産業の高度化、人々の健康な生活に寄与し、豊かで持続的な社会づくりにグローバルに貢献する企業グループを目指します。」をグループ企業理念として掲げております。当社グループの事業は、様々なアナログ情報を計測し、エレクトロニクス技術によりデジタル変換(数値化)して表示するA(アナログ)/D(デジタル)・D(デジタル)/A(アナログ)変換技術を原点としております。この原点を軸に、お客様による新しい価値の創出を支援するツールを提供してゆくことで、産業と社会の発展や人々の健康な生活に貢献していきたいと考えております。 (2)中長期的な会社の経営戦略当社グループは2025年5月に、2034年度までの長期ビジョンおよび2027年度を最終年度とする中期経営計画を策定しました。長期ビジョンでは、『Sensing the Future ~「はかる」を究め、世界を支える~』をスローガンとし、マーケット目線を最重要視する考えのもと、創業以来こだわりを持って育ててきた「はかる」技術を究め、グローバル市場を舞台として社会やお客様の課題解決に貢献する企業グループとなることを、10年後の私たちのあるべき姿としました。長期ビジョンの基本戦略および経営目標は以下のとおりです。<基本戦略>① 社会課題解決に向けた事業ポートフォリオの改革② マーケットインによる顧客への価値提供ができるビジネスモデルへ転換③ “「はかる」を究め、世界を支える”を実現する新たな開発・生産機能の構築④ ポートフォリオマネジメントの高度化⑤ サステナビリティ経営の推進<経営目標(2034年度)>① 売上高 1,500億円② 営業利益 300億円③ 営業利益率 20.0% また、長期ビジョンの実現に向けたSTEP1としての中期経営計画では、『事業価値の再定義と基盤の再構築』をテーマとし、現在の事業をあらためて見つめ直すとともに経営基盤を強固にする期間と位置付けています。長期ビジョンからバックキャストの考え方で設定した各事業の戦略およびグループ機能を強化するための施策を推進してまいります。中期経営計画の基本戦略および経営指標は以下のとおりです。<基本戦略>① グローバルマーケティング機能の構築② グローバル展開加速と事業ポートフォリオを意識した成長の実現③ 事業成長を支える研究開発/生産機能の強化④ 事業ポートフォリオマネジメントの運用⑤ 環境変化に順応するサステナビリティ経営の実装<経営指標(2027年度)>① 売上高 800億円② 営業利益 117億円③ 営業利益率 14.6%④ 配当性向 30% 長期ビジョンを基に中期経営計画を実行することで持続的な成長につなげ、さらなる企業価値向上を図ってまいります。 (3)会社の対処すべき課題昨今、当社グループを取り巻く経営環境は、変化が激しく不確実性が高まっている状況にあります。そのような環境の中においても持続的な成長を実現するため、2034年度までの長期ビジョンおよび2027年度を最終年度とする中期経営計画を策定し、グループ一丸となって計画達成を目指してまいります。半導体関連事業においては、AI、データセンター、自動運転等のアプリケーション拡大を背景に、引き続き中長期的な成長が見込まれております。高性能化や低消費電力化への要求が高まる中、微細化・構造化・複雑化といった技術革新が進展しており、当社グループにとって新たなビジネス機会が創出されています。次世代装置の開発や既存顧客との関係強化、新工場建設の推進などを通じて、今後の需要増に的確に対応し、さらなる成長に向けた基盤強化を着実に進めてまいります。医療・健康機器事業においては、医療DXや予防医療、デジタルヘルス分野における技術革新が進む中、AI・ビッグデータ解析による診断支援等が注目されています。こうした潮流を背景に、当社グループの医療・健康機器事業においても、引き続き需要の拡大が見込まれます。今後は、地政学リスクや米国関税の影響も踏まえ、販売エリアや流通の拡大とともに生産性の向上、生産の最適化を図り業績の拡大を目指してまいります。計測・計量機器事業においては、カーボンニュートラル社会やデジタル化社会への移行が加速する中、AI・IoT技術の進展により、より高度で精密な計測ニーズが高まっております。加えて、環境規制対応や人件費高騰への対処として、無人化・自動化・遠隔化といった開発・生産投資がグローバルに拡大しています。ファクトリーオートメーション市場やエネルギーシフトに対応する新製品開発を推進、米国や中国など海外の重点地域における販売、エンジニアリング、サービス対応を強化することによって業績拡大を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 業績当連結会計年度における世界経済は、インフレ率の低下や個人消費の回復基調が続くなかで底堅い成長を維持したものの、長期化しているウクライナや中東地域等の地政学リスクに加え、米国の大規模な関税政策による各国経済に与える影響などにより、先行きに対する不透明感が強まっております。このような状況のもと、現中期経営計画(2022年度〜2024年度)の最終年度となる当期においても、外部環境の変化に柔軟に対応するための各事業の取り組み推進やグループシナジー強化のための施策を継続してまいりました。半導体関連事業においては、生成AI関連の先端半導体を中心とした需要拡大や各国におけるサプライチェーン強化のための継続的な設備投資を背景に当社グループ製品への需要も堅調に推移し、前年同期比増収増益となりました。医療・健康機器事業においては、顧客・地域ごとの需要変動が大きくなるなか、海外での販売活動強化に係るコスト増が影響し前年同期比増収減益となりました。計測・計量機器事業においては、DSP機器需要やアジア地域での計量機器需要が堅調に推移したことにより前年同期比増収増益となりました。この結果、当連結会計年度の売上高は67,083百万円(前連結会計年度比8.3%増)、営業利益は8,813百万円(前連結会計年度比10.8%増)、経常利益は8,954百万円(前連結会計年度比8.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,468百万円(前連結会計年度比22.1%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが6,578百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△2,005百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△5,440百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が107百万円発生した結果、13,257百万円(前連結会計年度比5.4%減)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)生産高(百万円)前期比(%)半導体関連事業日本9,667139.8米州--欧州--アジア・オセアニア--計9,667139.8医療・健康機器事業日本5,84699.4米州1,46480.5欧州883353.5アジア・オセアニア14,22898.0計22,42199.8計測・計量機器事業日本20,090106.0米州1,65490.7欧州--アジア・オセアニア7,732125.2計29,478109.4合計61,567109.3 (注) 1.金額は販売価格によっております。2.実績には商品仕入を含んでおります。 b.受注実績当社グループは、原則として見込生産を行っておりますが、製品の一部には受注生産を行っているものがあります。当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)半導体関連事業日本12,660158.39,794102.0米州----欧州----アジア・オセアニア----計12,660158.39,794102.0医療・健康機器事業日本1,29461.732258.1米州----欧州----アジア・オセアニア13988.7332,487.1計1,43363.532658.7計測・計量機器事業日本8,571109.14,822131.8米州1,561110.51,42160.4欧州----アジア・オセアニア87099.22763.3計11,003108.46,271103.5合計25,098123.016,391101.1 (注) 金額は販売価格によっております。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)販売高(百万円)前期比(%)半導体関連事業日本12,295119.0米州--欧州--アジア・オセアニア--計12,295119.0医療・健康機器事業日本4,80588.9米州10,003102.5欧州8,820110.0アジア・オセアニア493130.7計24,122102.4計測・計量機器事業日本18,712102.1米州5,719135.5欧州649107.9アジア・オセアニア5,583113.8計30,665109.3合計67,083108.3 (注) セグメント間の取引は、相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高)当連結会計年度の当社グループの売上高は、前連結会計年度に比べ8.3%増収の67,083百万円となりました。半導体関連事業につきましては、堅調な需要が続くなかで期中の受注案件含めすべての顧客要求納期に対応できたことにより売上は増加しました。この結果、半導体関連事業の売上高は12,295百万円(前連結会計年度比19.0%増)となりました。医療・健康機器事業につきましては、日本においては、大口顧客向け製品の出荷が低調に推移したことに加え、一部顧客向け製品の商流変更も影響し売上は減少しました。米州においては、家庭用血圧計需要の伸び悩みによって現地通貨ベースでの売上は前年を下回ったものの、為替の影響により円換算後の売上は増加しました。欧州においては、地域ごとの需要にばらつきが生じるなか、現地でのシェア維持、拡大に注力し売上は増加しました。この結果、医療・健康機器事業の売上高は24,122百万円(前連結会計年度比2.4%増)となりました。計測・計量機器事業につきましては、日本においては、第3四半期まで弱含みだった計量機器の需要が持ち直したことや、DSP機器需要が好調に推移したことで売上は増加しました。米州においては、計量機器需要の取り込みやDSP機器需要が好調に推移したことで売上は増加しました。アジア・オセアニアにおいては、主に韓国・台湾・インドでの計量機器需要が堅調だったことにより売上が増加しました。この結果、計測・計量機器事業の売上高は30,665百万円(前連結会計年度比9.3%増)となりました。 (売上原価、販売費及び一般管理費)売上原価率については、生成AI関連の先端半導体を中心とした需要拡大及び継続的な生産工場の効率化やコストダウン等の原価低減活動が原価率低減に寄与しました。この結果、前連結会計年度と比べ0.4%減少の55.0%となりました。販売費及び一般管理費は、営業活動費を中心とした諸経費の継続的な抑制を行った一方、賃上げ等による人件費の増加や、半導体関連事業における次世代製品開発に係る開発費の増加等により、前連結会計年度と比べ8.8%増加の21,390百万円となりました。研究開発費は高水準にありますが、これは当社グループの継続的な発展に不可欠な将来を見据えた投資と考えております。 (営業利益)営業利益は、8,813百万円(前連結会計年度比10.8%増)となりました。半導体関連事業の営業利益は、新製品開発に伴う研究開発費などのコスト増が利益率に影響したものの、売上が高水準を維持したことにより、前連結会計年度比8.9%増益の4,124百万円となりました。医療・健康機器事業の営業利益は、顧客・地域ごとの需要変動が大きくなるなか、海外での販売活動強化に係るコスト増が影響し、前連結会計年度比3.4%減益の4,106百万円となりました。計測・計量機器事業の営業利益は、DSP機器需要やアジア地域での計量機器需要が堅調に推移したことにより、前連結会計年度比53.4%増益の2,704百万円となりました。また、上記のセグメント別の営業損益の他、全社費用等として2,123百万円が発生しております。売上高営業利益率は13.1%となり、前連結会計年度より0.3%上昇しました。引き続き新技術や顧客のニーズを踏まえた高付加価値製品の投入、原価低減、経費削減等、利益率の上昇につながる施策に努めてまいります。 (経常利益)営業外収益及び営業外費用については、円高により為替が不利に働いた一方、各国における金利が上昇する中、借入金の返済を促進したことにより利息収支が改善し、営業外収益は前連結会計年度比144百万円減少の624百万円、営業外費用は前連結会計年度比0百万円減少の483百万円となりました。これらの結果、経常利益は8,954百万円(前連結会計年度比8.7%増)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度において、当社の顧問税理士法人より、当社の税務申告業務に関連して受領した補償金を中心に、特別利益が前連結会計年度比217百万円増加の218百万円となり、当社の連結子会社である株式会社ベスト測器で計上した減損損失を中心に、特別損失が前連結会計年度比211百万円減少の77百万円となったことにより、税金等調整前当期純利益は9,095百万円になりました。また法人税、住民税及び事業税を2,257百万円、法人税等調整額を343百万円、非支配株主に帰属する当期純利益を25百万円計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は6,468百万円(前連結会計年度比22.1%増)となりました。 (包括利益)当期純利益は6,494百万円となった他、退職給付に係る調整額を中心にその他の包括利益が△74百万円となったことにより、包括利益は6,420百万円(前連結会計年度比4.3%増)となりました。 (流動資産)当連結会計年度末における流動資産の残高は、51,668百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,699百万円減少いたしました。これは、主に現金及び預金や受取手形、売掛金及び契約資産が減少したことによるものであります。 (固定資産)当連結会計年度末における固定資産の残高は17,336百万円となり、前連結会計年度末に比べ281百万円減少いたしました。個々の要因は以下のとおりであります。a 有形固定資産有形固定資産については、株式会社ホロンにおける新工場建設のための設備投資等があった一方、既存設備償却が進み、前連結会計年度末に比べ42百万円減少いたしました。b 無形固定資産無形固定資産については、のれんを中心に、前連結会計年度末に比べ6百万円減少いたしました。c 投資その他の資産投資その他の資産については、事業提携を目的とした投資有価証券等の増加があった一方、繰延税金資産が減少したため、前連結会計年度末に比べ231百万円減少いたしました。 (流動負債)当連結会計年度末における流動負債の残高は22,780百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,116百万円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金や短期借入金が減少したこと等によるものであります。 (固定負債)当連結会計年度末における固定負債の残高は3,426百万円となり、前連結会計年度末に比べ900百万円減少いたしました。これは、主に長期借入金が減少したこと等によるものであります。 (純資産)当連結会計年度末の純資産の残高は42,797百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,035百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が5,359百万円増加したことによるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は6,578百万円(前連結会計年度比8.6%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が9,095百万円、減価償却費が1,781百万円、売上債権の減少額が1,255百万円あった一方で、法人税等の支払額が2,660百万円、仕入債務の減少額が1,246百万円あったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は2,005百万円(前連結会計年度比0.1%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が1,525百万円、無形固定資産の取得による支出が493百万円あったことによるものであります。フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したもの)は4,573百万円のプラスとなっております。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は5,440百万円(前連結会計年度比4.1%減)となりました。これは主に短期借入金の純減額2,499百万円、長期借入金の返済による支出が2,302百万円、配当金の支払額が1,108百万円あったことによるものであります。 必要運転資金及び設備投資を含む投資資金は、基本的には内部資金又は金融機関からの借入金により対応しております。外部資金は、その使途の実態に合わせ、長期及び短期での調達となっております。当連結会計年度末では、長期借入金1,998百万円(1年内返済予定分含む)、短期借入金10,811百万円の構成となっており、合わせて12,810百万円を計上しております。当連結会計年度末借入金残高の売上高に対する比率は19.1%(前連結会計年度末は27.1%)となっております。また、緊急時の資金調達手段の確保を目的として、一部の取引銀行と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、資金流動性を確保しております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たって、当社経営陣は決算日における資産・負債の数値及び偶発債務の開示並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。また、経営陣は過去の実績や状況に応じ、合理的妥当性を有する要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数値についての判断の基礎としております。実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これら見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは「自然界の情報を捉え活かすためのアナログとデジタルの変換技術を原点に、計測・制御技術を駆使したツールの提供によってお客様による新しい価値の創出を支援し、産業の発展と健康な生活に貢献します。」を経営理念として掲げております。当社グループの事業は、様々なアナログ情報を計測し、エレクトロニクス技術によりデジタル変換(数値化)して表示することが基本であり、A(アナログ)/D(デジタル)・D(デジタル)/A(アナログ)変換技術が当社創業のコア技術で社名の由来でもありますが、A/D・D/A変換技術や高速デジタル信号処理技術を磨き上げることで、お客様の知の拡大を可能にするツールを提供してゆくことを企業使命としております。お客様が使用することで価値が生まれるツールを提供し、新しい価値の創出に取り組む産業や健康な生活を願う人々を継続的に支援することで、社会に貢献していきたいと考えております。 (2)中長期的な会社の経営戦略変化に柔軟に対応し、未来に向けてエー・アンド・デイを持続的に発展させ、さらなる企業価値を創造してゆく為に次の施策を講じてまいります。成長戦略企業の将来を見据え、安定的な成長を続ける為には、常に新しい市場を開拓してゆかねばなりません。当社は以下の4つの成長分野に注力し、積極的に事業の拡大を図ってまいります。 ・自動車・タイヤ業界向け計測器、シミュレータ及び試験用システム ・工業計測機器 ・ウェイトチェッカ/金属異物検出装置 ・ラボラトリ(研究・分析)コーポレートガバナンス・コードへの対応 「コーポレートガバナンス・ コード」の趣旨を踏まえ、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を 図る為の指針とします。中期経営計画(連結)の基本方針・将来における売上高営業利益率10%の達成を視野に、直近3年度(2022年3月期~2024年3月期)の連結経営計画を立案しました。・グループ総合力を強化し、産業構造の変化に対応することで社会課題解決へ貢献すると共に、経営体質を強化することで成長を実現することを目指します。 また、各本部と事業単位ごとの連携強化、グローバル連携の強化、連携強化のための仕組みの充実を目標とします。 なお、各担当部門はそれぞれ次の施策を推進してまいります。営業施策 売上増加、利益増加に向けた新たな営業基盤づくり開発施策 社会課題に向けたものづくり生産施策 生産性改善とコストダウン活動の徹底推進管理施策 管理体制の高度化 (3)目標とする経営指標当社グループは、新技術による新製品の投入、原価低減、経費削減等を通じて高い収益を得ることが重要な経営課題であります。いかなる状況においても利益を確保できる体質を目指し、「売上高営業利益率10%以上」を中長期的に目指すべき目標として掲げております。 (4)会社の対処すべき課題当社グループは、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)から電子計測機器、計量機器、血圧計等、「はかる」を軸に事業を展開し、様々な製品を取り扱っております。昨今の新型コロナウイルス感染症の流行は、社会的価値観と産業構造の変化をもたらし、AI、IoT、RPAといったデジタル技術の革新が加速化しているように思われます。また同時に気候変動問題に対する取り組みとしてカーボンニュートラル社会への移行が必要となっております。これに伴い産業界では5G(第5世代移動通信システム)や自動車のEV化・エレクトロニクス化などへの取り組みが加速し、当社においても産業界の変化に対応する高度な計測技術の開発が課題となっております。そこで当社では、ICT(情報通信技術)対応健康機器の充実を通じた遠隔地医療への貢献や、DSPシステムによる自動車のEV化促進の支援、半導体の微細化に伴う半導体検査装置の高精密化等の取り組みを進めております。当社グループは、これまでの開発投資により多くの差別化された技術を蓄積しております。これらの技術を効果的に活用しながら、上記の取り組みを推進することで、持続的な事業の成長を図ってまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは「自然界の情報を捉え活かすためのアナログとデジタルの変換技術を原点に、計測・制御技術を駆使したツールの提供によってお客様による新しい価値の創出を支援し、産業の発展と健康な生活に貢献します。」を経営理念として掲げております。当社グループの事業は、様々なアナログ情報を計測し、エレクトロニクス技術によりデジタル変換(数値化)して表示することが基本であり、A(アナログ)/D(デジタル)・D(デジタル)/A(アナログ)変換技術が当社創業のコア技術で社名の由来でもありますが、A/D・D/A変換技術や高速デジタル信号処理技術を磨き上げることで、お客様の知の拡大を可能にするツールを提供してゆくことを企業使命としております。お客様が使用することで価値が生まれるツールを提供し、新しい価値の創出に取り組む産業や健康な生活を願う人々を継続的に支援することで、社会に貢献していきたいと考えております。 (2)中長期的な会社の経営戦略変化に柔軟に対応し、未来に向けてエー・アンド・デイを持続的に発展させ、さらなる企業価値を創造してゆく為に次の施策を講じてまいります。成長戦略企業の将来を見据え、安定的な成長を続ける為には、常に新しい市場を開拓してゆかねばなりません。当社は以下の4つの成長分野に注力し、積極的に事業の拡大を図ってまいります。 ・自動車・タイヤ業界向け計測器、シミュレータ及び試験用システム ・工業計測機器 ・ウェイトチェッカ/金属異物検出装置 ・ラボラトリ(研究・分析)コーポレートガバナンス・コードへの対応 「コーポレートガバナンス・ コード」の趣旨を踏まえ、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を 図る為の指針とします。中期経営計画(連結)の基本方針・将来における売上高営業利益率10%の達成を視野に、直近3年度(2022年3月期~2024年3月期)の連結経営計画を立案しました。・グループ総合力を強化し、産業構造の変化に対応することで社会課題解決へ貢献すると共に、経営体質を強化することで成長を実現することを目指します。 また、各本部と事業単位ごとの連携強化、グローバル連携の強化、連携強化のための仕組みの充実を目標とします。 なお、各担当部門はそれぞれ次の施策を推進してまいります。営業施策 売上増加、利益増加に向けた新たな営業基盤づくり開発施策 社会課題に向けたものづくり生産施策 生産性改善とコストダウン活動の徹底推進管理施策 管理体制の高度化 (3)目標とする経営指標当社グループは、新技術による新製品の投入、原価低減、経費削減等を通じて高い収益を得ることが重要な経営課題であります。いかなる状況においても利益を確保できる体質を目指し、「売上高営業利益率10%以上」を中長期的に目指すべき目標として掲げております。 (4)会社の対処すべき課題当社グループは、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)から電子計測機器、計量機器、血圧計等、「はかる」を軸に事業を展開し、様々な製品を取り扱っております。昨今の新型コロナウイルス感染症の流行は、社会的価値観と産業構造の変化をもたらし、AI、IoT、RPAといったデジタル技術の革新が加速化しているように思われます。また同時に気候変動問題に対する取り組みとしてカーボンニュートラル社会への移行が必要となっております。これに伴い産業界では5G(第5世代移動通信システム)や自動車のEV化・エレクトロニクス化などへの取り組みが加速し、当社においても産業界の変化に対応する高度な計測技術の開発が課題となっております。そこで当社では、ICT(情報通信技術)対応健康機器の充実を通じた遠隔地医療への貢献や、DSPシステムによる自動車のEV化促進の支援、半導体の微細化に伴う半導体検査装置の高精密化等の取り組みを進めております。当社グループは、これまでの開発投資により多くの差別化された技術を蓄積しております。これらの技術を効果的に活用しながら、上記の取り組みを推進することで、持続的な事業の成長を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 業績当連結会計年度の当社グループを取り巻く経済環境は、日本においては新型コロナウイルス感染症拡大による二度の緊急事態宣言により経済活動が制限されたことに伴い景気低迷となりました。海外では、中国において早期に経済活動を再開し、米国においても大規模な経済対策やワクチンの普及等により経済活動の再開が進展している一方で、欧州においては英国型等の変異株による感染再拡大に伴い経済活動の制限が長期化しています。総じて世界経済の状況は、ワクチンの接種が行われているものの、変異株の流行に加え、米中貿易摩擦が継続していることもあり先行きは不透明な状況にあります。このような状況の中、当社グループは、感染症拡大防止を目的として、WebinarやWeb会議等を活用し営業活動を推進してまいりました。また、製品のコストダウン活動を推進するとともに固定費の抑制に努めるなか、お客様や社会における多様なニーズやその変化に対応するため、引き続き成長分野に対する積極的な投資を行うことで他社との差別化を図ってまいりました。 この結果、当連結会計年度の売上高は48,424百万円(前連結会計年度比1.6%減)、営業利益は4,404百万円(前連結会計年度比19.0%増)、経常利益は4,564百万円(前連結会計年度比33.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,339百万円(前連結会計年度比111.8%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが5,194百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△2,222百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△257百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が308百万円発生した結果、12,129百万円(前連結会計年度比33.2%増)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2020年4月1日至 2021年3月31日)生産高(百万円)前期比(%)計測・計量機器事業日本20,42579.3米州59966.0欧州――アジア・オセアニア5,77688.9計26,80180.8医療・健康機器事業日本7,751143.4米州1,08966.6欧州37461.2アジア・オセアニア12,064114.8計21,279117.1合計48,08193.6 (注) 1.金額は販売価格によっております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。3.実績には商品仕入を含んでおります。 b.受注実績当社グループは、原則として見込生産を行っておりますが、製品の一部(半導体関連製品におけるA/D・D/A変換器等)には受注生産を行っているものがあります。当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2020年4月1日至 2021年3月31日)受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)計測・計量機器事業日本9,66272.94,42996.7米州1,87595.41,227145.3欧州――――アジア・オセアニア733118.549414.4計12,27177.55,706104.9医療・健康機器事業日本2,345177.1831208.0米州――――欧州――――アジア・オセアニア115134.402.0計2,460174.5831204.1合計14,73285.46,537111.8 (注) 1.金額は販売価格によっております。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2020年4月1日至 2021年3月31日)販売高(百万円)前期比(%)計測・計量機器事業日本19,32682.8米州3,19890.0欧州80294.2アジア・オセアニア3,333111.5計26,66286.7医療・健康機器事業日本6,445151.6米州7,586119.1欧州7,35098.2アジア・オセアニア379109.6計21,762117.9合計48,42498.4 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高)当連結会計年度の当社グループの売上高は、前連結会計年度に比べ1.6%減収の48,424百万円となりました。計測・計量機器事業につきましては、日本においては、新型コロナウイルス感染症拡大により、需要の低迷、設備投資の先送りが見られ、計量機器、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)を始めとして、軒並み前年同期比で売上が減少し、利益も落としています。半導体製造関連装置も計画通りの売上を獲得したものの減収となりました。米州においては、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)において前年同期比で売上は減少したものの、受注は下期から回復基調となっております。また、計量機器においても、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたため売上は伸び悩みましたが経費削減に努めた結果、増益となりました。アジア・オセアニアにおいては、豪州において金属検出機・ウェイトチェッカを始めとした計量機器全般の売上が増加し、韓国・インドにおいても経済活動が徐々に回復し売上は堅調となりました。さらに、前第4四半期連結会計期間に子会社化した台湾の子会社(A&D SCIENTECH TAIWAN LIMITED)の売上も寄与し、前年同期比で増収増益となりました。その結果、計測・計量機器事業の売上高は、前連結会計年度に比べ13.3%減収の26,662百万円となりました。医療・健康機器事業につきましては、日本においては、新型コロナウイルス感染症の拡大により、非接触型体温計を中心に健康機器事業は売上が大きく増加し、医療機器については医療用計量器が徐々に回復し堅調な売上となり、売上及び利益ともに大きく増加しました。米州においては、米国において大口案件の出荷が継続している他、遠隔医療の需要が増加したことに伴い通信機能付き血圧計及び体重計の売上が増加し、カナダにおいても家庭用血圧計が大手量販店での販売が好調で、売上及び利益は増加しました。欧州においては、英国でロックダウンの長期化もありeコマースが好調で売上は増加しております。ロシアにおいては血圧計の他、体温計も好調で現地通貨での売上は増加したものの、ルーブル安が進行し、円建ての売上は減少しております。一方、経費削減に努め利益は増加しました。その結果、医療・健康機器事業の売上高は、前連結会計年度に比べ17.9%増収の21,762百万円となりました。 (売上原価、販売費及び一般管理費)売上原価率については、生産工場の効率化及び材料費のコストダウン等の原価低減活動が寄与し、前連結会計年度に比べ0.4%減少し、55.3%となりました。販売費及び一般管理費は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による活動制限に伴う営業活動費の削減や、一部の子会社における人員配置の見直し等により、前連結会計年度と比べ4.7%減少の17,232百万円となりました。研究開発費は高水準にありますが、これは当社グループの継続的な発展に不可欠な将来を見据えた投資と考えております。グループ全体の方針としては、開発効率の向上に努め、研究開発費の伸び率を売上高の伸び率以下に抑えつつ売上高を毎年伸ばしていくことにより、中長期的に対売上高比率での抑制を図ってまいります。 (営業利益)営業利益は、4,404百万円(前連結会計年度比19.0%増)となりました。計測・計量機器事業の営業利益は新型コロナウイルス感染症拡大の影響による日本における売上高の減少が主要因となり、前連結会計年度比33.5%減益の1,693百万円となりました。医療・健康機器事業の営業利益は、当社および北米の子会社A&D ENGINEERING, INC.の増収、カナダの子会社A&D Instruments Canada Inc.における利益率の良い製品の販売増加、ロシアにおける経費削減等が主要因となり、前連結会計年度比116.4%増益の4,608百万円となりました。なお、上記のセグメント別の営業損益の他、全社費用等として1,897百万円が発生しております。売上高営業利益率は9.1%となり、前連結会計年度より1.6%上昇しました。引き続き当社が中長期的な目標としている売上高営業利益率10%を目指し、新技術や顧客のニーズを踏まえた高付加価値製品の投入、原価低減、経費削減等、利益率の上昇につながる施策に努めてまいります。 (経常利益)営業外収益は新型コロナウイルス感染拡大に伴う各国政府からの補助金の受給や円安により為替差益が生じたことを主要因とし、前連結会計年度比223百万円増加の447百万円となりました。営業外費用は、為替差損の減少の他、支払利息の減少等により、前連結会計年度比205百万円減少の287百万円となりました。これらの結果、経常利益は4,564百万円(前連結会計年度比33.0%増)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度において、多額の特別利益や特別損失の発生はなく、税金等調整前当期純利益は4,536百万円になりました。また法人税、住民税及び事業税を1,338百万円、法人税等調整額を△386百万円、非支配株主に帰属する当期純利益を245百万円計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は3,339百万円(前連結会計年度比111.8%増)となりました。 (包括利益)当期純利益は3,584百万円となった他、為替換算調整勘定を中心にその他の包括利益が682百万円となったことにより、包括利益は4,267百万円(前連結会計年度比403.5%増)となりました。 (流動資産)当連結会計年度末における流動資産の残高は、40,028百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,758百万円増加いたしました。これは主に当期純利益の大幅な増加や当社の連結子会社である㈱ホロンにおける増資等により、現金及び預金が増加したことによるものであります。 (固定資産)当連結会計年度末における固定資産の残高は14,091百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,058百万円増加いたしました。個々の要因は以下のとおりであります。a 有形固定資産有形固定資産については㈱ホロンの新工場建設による土地と建設仮勘定の増加を中心に、前連結会計年度末に比べ811百万円増加いたしました。b 無形固定資産無形固定資産についてはソフトウエアの償却額が新規投資額を上回ったこと、過去の投資に伴うのれんや商標権の償却が進んだため、前連結会計年度末に比べ230百万円減少いたしました。c 投資その他の資産投資その他の資産については棚卸資産の未実現利益に係る繰延税金資産の増加を主要因として、前連結会計年度末に比べ477百万円増加いたしました。 (流動負債)当連結会計年度末における流動負債の残高は24,588百万円となり、前連結会計年度末に比べ718百万円増加いたしました。これは主に、課税所得の増加により未払法人税等が308百万円増加した他、短期借入金や賞与引当金が増加したこと等によるものであります。 (固定負債)当連結会計年度末における固定負債の残高は6,143百万円となり、前連結会計年度末に比べ713百万円減少いたしました。これは、主に長期の借入が必要な大型の設備投資が少なく、長期借入金が減少したものであります。 (純資産)当連結会計年度末の純資産の残高は23,387百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,811百万円増加いたしました。これは主に㈱ホロンの増資等により非支配株主持分が1,252百万円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益等により株主資本が2,891百万円増加したことによるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は5,194百万円(前連結会計年度比20.5%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が4,536百万円、減価償却費が1,615百万円あった一方で、法人税等の支払額が1,089百万円あったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は2,222百万円(前連結会計年度比101.9%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が1,645百万円、無形固定資産の取得による支出が507百万円あったことによるものであります。フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したもの)は2,971百万円のプラスとなっております。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は257百万円(前連結会計年度比80.3%減)となりました。これは主に長期借入れによる収入が2,811百万円、非支配株主からの払込みによる収入が1,021百万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が3,448百万円あったことによるものであります。 必要運転資金及び設備投資を含む投資資金は、基本的には内部資金又は金融機関からの借入金により対応しております。外部資金は、その使途の実態に合わせ、長期及び短期での調達となっております。当連結会計年度末では、社債500百万円、長期借入金6,692百万円(1年内返済予定分含む)、短期借入金11,374百万円の構成となっており、合わせて18,567百万円を計上しております。当連結会計年度末の社債及び借入金残高の売上高に対する比率は38.3%(前連結会計年度末は38.5%)となっております。また、緊急時の資金調達手段の確保を目的として、一部の取引銀行と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、資金流動性を確保しております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たって、当社経営陣は決算日における資産・負債の数値及び偶発債務の開示並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。また、経営陣は過去の実績や状況に応じ、合理的妥当性を有する要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数値についての判断の基礎としております。実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これら見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 注記事項」の(重要な会計上の見積り)に記載しております。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは「自然界の情報を捉え活かすためのアナログとデジタルの変換技術を原点に、計測・制御技術を駆使したツールの提供によってお客様による新しい価値の創出を支援し、産業の発展と健康な生活に貢献します。」を経営理念として掲げております。当社グループの事業は、様々なアナログ情報を計測し、エレクトロニクス技術によりデジタル変換(数値化)して表示することが基本であり、A(アナログ)/D(デジタル)・D(デジタル)/A(アナログ)変換技術が当社創業のコア技術で社名の由来でもありますが、A/D・D/A変換技術や高速デジタル信号処理技術を磨き上げることで、お客様の知の拡大を可能にするツールを提供してゆくことを企業使命としております。お客様が使用することで価値が生まれるツールを提供し、新しい価値の創出に取り組む産業や健康な生活を願う人々を継続的に支援することで、社会に貢献していきたいと考えております。 (2)中長期的な会社の経営戦略変化に柔軟に対応し、未来に向けてエー・アンド・デイを持続的に発展させ、さらなる企業価値を創造してゆく為に次の施策を講じてまいります。成長戦略企業の将来を見据え、安定的な成長を続ける為には、常に新しい市場を開拓してゆかねばなりません。当社は以下の4つの成長分野に注力し、積極的に事業の拡大を図ってまいります。 ・自動車・タイヤ業界向け計測器、シミュレータ及び試験用システム ・工業計測機器 ・ウェイトチェッカ/金属異物検出装置 ・ラボラトリ(研究・分析)自己資本の有効活用 有形・無形の資産の圧縮を行い、自己資本をより有効に活用する体制を構築します。経営効率を高めることにより収益性の向上に努め、より積極的な企業運営を可能とする環境を整えてまいります。コーポレートガバナンス・コードへの対応 「コーポレートガバナンス・ コード」の趣旨を踏まえ、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を 図る為の指針とします。中期経営計画(連結)について 2019年5月10日に、2022年3月期を最終年度とする中期経営計画を公表しておりましたが、昨今の情勢を踏まえて一旦取り下げております。基本方針には大きな変更はないものの、数値目標について再検討を要するため、数値の算定が可能となった状態で新中期経営計画を公表する予定です。 (3)目標とする経営指標当社グループは、新技術による新製品の投入、原価低減、経費削減等を通じて高い収益を得ることが重要な経営課題であります。いかなる状況においても利益を確保できる体質を目指し、「売上高営業利益率10%以上」を中長期的に目指すべき目標として掲げております。 (4)会社の対処すべき課題当社グループは、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)から電子計測機器、計量機器、血圧計等、「はかる」を軸に事業を展開し、様々な製品を取り扱っております。この度の新型コロナウイルス感染症の流行は、社会的価値観と産業構造の変化をもたらし、今後、AI、IoT、RPAといったデジタル技術の革新が加速するものと思われます。これに伴い当社におきましても、5G(第5世代移動通信システム)、自動車業界におけるCASE(Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化))などの技術革新や、IoT、AI等普及に伴う高精度・高速データ計測要求への対応が求められ、そのための技術開発が必要となっておりますが、その実現には産業界が保有する以上の高度な計測技術を開発する必要がある一方、「はかる」マーケットは個々には大きくないため、各マーケットに対応したアプリケーションを開発しシェアを確保することで収益を上げ、継続的な開発投資を行う必要があります。 当社グループにおきましては、2021年3月期は以下の3つの基本方針を定めました。Ⅰ.顧客志向の徹底 顧客要求を徹底的に追い求め要求の先の先まで考えるⅡ.先端技術の追求 産業界が要求する精度の1桁高い精度に挑戦Ⅲ.日本品質の追求 性能・品質のみならず納期遵守やサービス品質まで 当社グループは、これまでの開発投資により多くの差別化された技術を蓄積しております。これらの技術を効果的に活用しながら、上記基本方針に基づく施策を推進することで、持続的な事業の成長を図ってまいります。 (5)新型コロナウイルス感染症の影響当社グループの各法人は様々な形で新型コロナウイルス感染症の影響を受けております。それぞれの法人が所在する国や地域における感染状況及び事業活動に係る制約は多岐に渡るため、その全てを記述することは困難ですが、概ね以下のような影響を受けております。販売・出荷業務については、ロックダウンが行われていた国又は地域において一切の事業活動が禁止されていたため製品の出荷が一切できない期間がありましたが、現在は一部の国を除いてほぼ制約を受けていない状況です。 ただし、納品に伴って設置・据付が必要なDSPシステムや試験機に係る大型機械の出荷及びメンテナンス業務については少なからず支障が生じております。一方で、健康への関心の高まり及び外出禁止や自粛の影響から、血圧計や非接触型の体温計を中心とした医療・健康機器が特にeコマースのチャネルを通じて好調な売れ行きを見せています。営業活動については、外出の制限あるいは自粛要請を受けてテレワーク等の手段も活用しながら限定的に行われております。また展示会等の活動については軒並み中止となっております。生産活動について、中国において感染拡大が見られた時期は政府当局より工場の操業が許可されず、許可された後も限定的に操業が行われた時期もありましたが、現在においてはその他の国に所在する工場も含め通常の操業を行っており、サプライチェーンの状況に注視しつつ稼働を維持していきたいと考えております。従来、グループ各社のトップを集めて定期的に各種の会議を行っておりましたが、当面はこれらの会議についても中止あるいはリモートでの開催に切り替えております。引き続き、グループ全社の従業員の安全と健康を最優先に考えつつ、お客様のご要望に応えていくように努めて参ります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは「自然界の情報を捉え活かすためのアナログとデジタルの変換技術を原点に、計測・制御技術を駆使したツールの提供によってお客様による新しい価値の創出を支援し、産業の発展と健康な生活に貢献します。」を経営理念として掲げております。当社グループの事業は、様々なアナログ情報を計測し、エレクトロニクス技術によりデジタル変換(数値化)して表示することが基本であり、A(アナログ)/D(デジタル)・D(デジタル)/A(アナログ)変換技術が当社創業のコア技術で社名の由来でもありますが、A/D・D/A変換技術や高速デジタル信号処理技術を磨き上げることで、お客様の知の拡大を可能にするツールを提供してゆくことを企業使命としております。お客様が使用することで価値が生まれるツールを提供し、新しい価値の創出に取り組む産業や健康な生活を願う人々を継続的に支援することで、社会に貢献していきたいと考えております。 (2)中長期的な会社の経営戦略変化に柔軟に対応し、未来に向けてエー・アンド・デイを持続的に発展させ、さらなる企業価値を創造してゆく為に次の施策を講じてまいります。成長戦略企業の将来を見据え、安定的な成長を続ける為には、常に新しい市場を開拓してゆかねばなりません。当社は以下の4つの成長分野に注力し、積極的に事業の拡大を図ってまいります。 ・自動車・タイヤ業界向け計測器、シミュレータ及び試験用システム ・工業計測機器 ・ウェイトチェッカ/金属異物検出装置 ・ラボラトリ(研究・分析)自己資本の有効活用 有形・無形の資産の圧縮を行い、自己資本をより有効に活用する体制を構築します。経営効率を高めることにより収益性の向上に努め、より積極的な企業運営を可能とする環境を整えてまいります。コーポレートガバナンス・コードへの対応 「コーポレートガバナンス・ コード」の趣旨を踏まえ、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を 図る為の指針とします。中期経営計画(連結)について 2019年5月10日に、2022年3月期を最終年度とする中期経営計画を公表しておりましたが、昨今の情勢を踏まえて一旦取り下げております。基本方針には大きな変更はないものの、数値目標について再検討を要するため、数値の算定が可能となった状態で新中期経営計画を公表する予定です。 (3)目標とする経営指標当社グループは、新技術による新製品の投入、原価低減、経費削減等を通じて高い収益を得ることが重要な経営課題であります。いかなる状況においても利益を確保できる体質を目指し、「売上高営業利益率10%以上」を中長期的に目指すべき目標として掲げております。 (4)会社の対処すべき課題当社グループは、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)から電子計測機器、計量機器、血圧計等、「はかる」を軸に事業を展開し、様々な製品を取り扱っております。この度の新型コロナウイルス感染症の流行は、社会的価値観と産業構造の変化をもたらし、今後、AI、IoT、RPAといったデジタル技術の革新が加速するものと思われます。これに伴い当社におきましても、5G(第5世代移動通信システム)、自動車業界におけるCASE(Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化))などの技術革新や、IoT、AI等普及に伴う高精度・高速データ計測要求への対応が求められ、そのための技術開発が必要となっておりますが、その実現には産業界が保有する以上の高度な計測技術を開発する必要がある一方、「はかる」マーケットは個々には大きくないため、各マーケットに対応したアプリケーションを開発しシェアを確保することで収益を上げ、継続的な開発投資を行う必要があります。 当社グループにおきましては、2021年3月期は以下の3つの基本方針を定めました。Ⅰ.顧客志向の徹底 顧客要求を徹底的に追い求め要求の先の先まで考えるⅡ.先端技術の追求 産業界が要求する精度の1桁高い精度に挑戦Ⅲ.日本品質の追求 性能・品質のみならず納期遵守やサービス品質まで 当社グループは、これまでの開発投資により多くの差別化された技術を蓄積しております。これらの技術を効果的に活用しながら、上記基本方針に基づく施策を推進することで、持続的な事業の成長を図ってまいります。 (5)新型コロナウイルス感染症の影響当社グループの各法人は様々な形で新型コロナウイルス感染症の影響を受けております。それぞれの法人が所在する国や地域における感染状況及び事業活動に係る制約は多岐に渡るため、その全てを記述することは困難ですが、概ね以下のような影響を受けております。販売・出荷業務については、ロックダウンが行われていた国又は地域において一切の事業活動が禁止されていたため製品の出荷が一切できない期間がありましたが、現在は一部の国を除いてほぼ制約を受けていない状況です。 ただし、納品に伴って設置・据付が必要なDSPシステムや試験機に係る大型機械の出荷及びメンテナンス業務については少なからず支障が生じております。一方で、健康への関心の高まり及び外出禁止や自粛の影響から、血圧計や非接触型の体温計を中心とした医療・健康機器が特にeコマースのチャネルを通じて好調な売れ行きを見せています。営業活動については、外出の制限あるいは自粛要請を受けてテレワーク等の手段も活用しながら限定的に行われております。また展示会等の活動については軒並み中止となっております。生産活動について、中国において感染拡大が見られた時期は政府当局より工場の操業が許可されず、許可された後も限定的に操業が行われた時期もありましたが、現在においてはその他の国に所在する工場も含め通常の操業を行っており、サプライチェーンの状況に注視しつつ稼働を維持していきたいと考えております。従来、グループ各社のトップを集めて定期的に各種の会議を行っておりましたが、当面はこれらの会議についても中止あるいはリモートでの開催に切り替えております。引き続き、グループ全社の従業員の安全と健康を最優先に考えつつ、お客様のご要望に応えていくように努めて参ります。
MD&A(経営者による分析)
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 業績当連結会計年度の当社グループを取り巻く経済環境は、日本においては当初こそ企業業績や設備投資が堅調に推移したものの、秋に相次いだ台風災害や10月からの消費増税に伴う景気の減速に加え、年明け以降は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の縮小が見られました。海外においては従来から見られた米中貿易摩擦の影響により需要が減退していたところに加えて、年明け以降は当社グループが所在する各国においても新型コロナウイルスの感染拡大に伴いロックダウン等による事業活動の停止あるいは縮小を余儀なくされました。新型コロナウイルスについては、感染の収束や事業活動再開の時期についても明確な見通しが立てられないため、全世界的に不安な状況のまま期末を迎えることになりました。このような状況の中、当社グループは、新製品開発、新規市場の開拓に注力し、お客様や社会における多様なニーズやその変化に対応してまいりました。また、引き続き成長分野に対する積極的な投資を行うことで、他社との差別化を図ってまいりました。この結果、当連結会計年度の売上高は49,197百万円(前連結会計年度比1.8%増)、営業利益は3,700百万円(前連結会計年度比34.5%増)、経常利益は3,432百万円(前連結会計年度比27.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,576百万円(前連結会計年度比17.0%減)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが4,309百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△1,100百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△1,308百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が△321百万円発生した結果、9,105百万円(前連結会計年度比21.0%増)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2019年4月1日至 2020年3月31日)生産高(百万円)前期比(%)計測・計量機器事業日本25,769100.9米州907105.3欧州--アジア・オセアニア6,49887.3計33,17598.0医療・健康機器事業日本5,40782.6米州1,636490.0欧州610103.3アジア・オセアニア10,51178.4計18,16687.0合計51,34293.8 (注) 1.金額は販売価格によっております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。3.実績には商品仕入を含んでおります。 b.受注実績当社グループは、原則として見込生産を行っておりますが、製品の一部(半導体関連製品におけるA/D・D/A変換器等)には受注生産を行っているものがあります。当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2019年4月1日至 2020年3月31日)受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)計測・計量機器事業日本13,25798.54,58190.1米州1,965122.8844130.1欧州――――アジア・オセアニア61892.61172.3計15,842100.85,43894.6医療・健康機器事業日本1,32463.8399110.8米州――――欧州――――アジア・オセアニア85113.872,814.2計1,40965.6407112.9合計17,25196.55,84595.7 (注) 1.金額は販売価格によっております。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2019年4月1日至 2020年3月31日)販売高(百万円)前期比(%)計測・計量機器事業日本23,344105.5米州3,554102.0欧州85296.6アジア・オセアニア2,99188.0計30,742102.8医療・健康機器事業日本4,25284.1米州6,371110.7欧州7,485102.8アジア・オセアニア34698.4計18,455100.0合計49,197101.8 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高)当連結会計年度の当社グループの売上高は、前連結会計年度に比べ1.8%増収の49,197百万円となりました。計測・計量機器事業につきましては、日本においては、前連結会計年度に連結子会社化した株式会社ホロンの扱う半導体機器関連を中心に大きく売上を伸ばした他、温度計類が売上を伸ばしております。また試験機やパワートレインベンチ等が好調で、前年同期比で売上を微増としております。米州においては、計量機器のうち金属検出機・ウェイトチェッカの売上が伸び悩んだものの、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)で利益率の良い案件を獲得できたため、売上・利益とも改善しました。アジア・オセアニアにおいては、豪州や韓国において前年同期にあった金属検出機・ウェイトチェッカや試験機の特需が一段落したことから売上、利益ともに減少しております。その結果、計測・計量機器事業の売上高は、前連結会計年度に比べ2.8%増収の30,742百万円となりました。医療・健康機器事業につきましては、日本においては、家庭用健康機器については前年同期に特需のあった活動量計を中心に、医療機器については全自動血圧計を中心に売上を大きく落としました。米州においては、米国において大口案件の出荷が継続している他、カナダにおいても血糖計等の販売が好調で売上を大きく伸ばしたことに加え、経費削減の効果もあり利益が改善しました。欧州においては、ロシアにおける家庭用血圧計を中心に売上・利益ともに伸ばしました。その結果、医療・健康機器事業の売上高は、概ね前連結会計年度並みの18,455百万円となりました。 (売上原価、販売費及び一般管理費)売上原価率については、資産の効率的な運用に努めた結果、グループ内で保有するたな卸資産が減少し、それに伴い連結上消去される未実現利益の額も減少したこと等から、前連結会計年度に比べ1.2%減少し55.7%となりました。販売費及び一般管理費は、売上増に伴う販売費の増加に加え、研究開発費も増加傾向にあったものの、一部の子会社において人員配置の見直しを行ったことに加え、得意先の信用状況の改善により貸倒引当金の引当額が減少したことから、概ね前連結会計年度並みの18,085百万円となりました。研究開発費は高水準にありますが、これは当社グループの継続的な発展に不可欠な将来を見据えた投資と考えております。グループ全体の方針としては、開発効率の向上に努め、研究開発費の伸び率を売上高の伸び率以下に抑えつつ売上高を毎年伸ばしていくことにより、中長期的に対売上高比率での抑制を図ってまいります。 (営業利益)営業利益は、3,700百万円(前連結会計年度比34.5%増)となりました。計測・計量機器事業の営業利益は前連結会計年度に大きく業績を落とした北米の子会社A&D Technology Inc.において利益率の高い案件を獲得でき、かつ人員配置の見直しを行い業績を回復できたことが主要因となり、前連結会計年度比2.2%増益の2,545百万円となりました。医療・健康機器事業の営業利益は、北米の子会社A&D ENGINEERING, INC.において費用の削減に努めたこと、得意先の信用状況の改善により貸倒引当金の引当額が減少したことから、前連結会計年度比8.3%増益の2,129百万円となりました。なお、上記のセグメント別の営業損益の他、全社費用等として974百万円が発生しております。売上高営業利益率は7.5%となり、前連結会計年度より1.8%上昇しました。引き続き当社が中長期的な目標としている売上高営業利益率10%を目指し、新技術や顧客のニーズを踏まえた高付加価値製品の投入、原価低減、経費削減等、利益率の上昇につながる施策に努めてまいります。 (経常利益)営業外収益は224百万円発生しました。当連結会計年度の途中でA&D SCIENTECH TAIWAN LIMITEDが持分法適用会社から連結子会社になったため持分法による投資利益が減少しております。営業外費用は493百万円発生しました。前連結会計年度に比べさらに円高傾向で推移したことから為替差損の額が増加しております。これらの結果、経常利益は3,432百万円(前連結会計年度比27.9%増)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)大きな企業結合により多額の特別利益と特別損失が発生した前連結会計年度と異なり、多額の特別利益や特別損失の発生はなく、税金等調整前当期純利益は3,423百万円になりました。また法人税、住民税及び事業税930百万円の発生に加えたな卸資産に係る未実現利益に対する繰延税金資産の取り崩しを主要因として法人税等調整額を417百万円計上し、また非支配株主に帰属する当期純利益を499百万円計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は1,576百万円(前連結会計年度比17.0%減)となりました。 (包括利益)当期純利益は2,075百万円となりましたが、為替換算調整勘定を中心にその他の包括利益累計額が△1,228百万円となった結果、包括利益は847百万円(前連結会計年度比51.9%減)となりました。 (流動資産)当連結会計年度末における流動資産の残高は、36,269百万円となり、前連結会計年度末に比べ871百万円減少いたしました。これは資産の効率的な運用に努めた結果、受取手形及び売掛金、たな卸資産等の残高削減が進んだことが主要因であります。 (固定資産)当連結会計年度末における固定資産の残高は13,033百万円となり、前連結会計年度末に比べ807百万円減少いたしました。個々の要因は以下のとおりであります。a 有形固定資産有形固定資産については新規設備投資と減価償却がほぼバランスしております。b 無形固定資産無形固定資産については、ソフトウェアの償却額が新規投資額を上回ったこと、過去の投資に伴うのれんや商標権の償却が進んだため、前連結会計年度末に比べ393百万円減少いたしました。c 投資その他の資産投資その他の資産については従来投資有価証券に含めていたA&D SCIENTECH TAIWAN LIMITEDの連結子会社化により同社の株式が連結相殺消去の対象となったために減少したこと、棚卸資産の未実現利益に係る繰延税金資産の減少を主要因として、前連結会計年度末に比べ416百万円減少いたしました。 (流動負債)当連結会計年度末における流動負債の残高は23,869百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,924百万円減少いたしました。これは短期借入金の一部を長期借入金で借り替えたことに加えて資産の効率的な運用に努めたために短期借入金を削減できたこと、前連結会計年度と異なり期末日が休日でなかったことに加え期末にかけて新型コロナウイルス感染症の影響から一部原材料の調達が遅れた影響もあり支払手形及び買掛金等が減少したことによるものであります。 (固定負債)当連結会計年度末における固定負債の残高は6,857百万円となり、前連結会計年度末に比べ761百万円増加いたしました。これは主に短期借入金の一部を長期借入金で借り替えたこと、在外子会社について新しい会計基準が適用された結果リース債務が増加したことによるものであります。 (純資産)当連結会計年度末の純資産の残高は18,576百万円となり、前連結会計年度末に比べ485百万円増加いたしました。これは主に為替換算調整勘定の減少によりその他の包括利益累計額が1,218百万円減少した一方で親会社株主に帰属する当期純利益等により株主資本が1,290百万円増加したこと、非支配株主持分が413百万円増加したことによるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は4,309百万円(前連結会計年度比92.6%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が3,423百万円、減価償却費が1,804百万円あった一方で、法人税等の支払額が1,046百万円あったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は1,100百万円(前連結会計年度比24.3%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が619百万円、無形固定資産の取得による支出が461百万円あったことによるものであります。フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したもの)は3,208百万円のプラスとなっております。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は1,308百万円(前連結会計年度比297.5%増)となりました。これは主に短期借入金の純増減額が△668百万円だったこと、配当金の支払額が416百万円あったことによるものであります。 必要運転資金及び設備投資を含む投資資金は、基本的には内部資金又は金融機関からの借入金により対応しております。外部資金は、その使途の実態に合わせ、長期及び短期での調達となっております。当連結会計年度末では、社債505百万円(1年内償還予定分含む)、長期借入金7,285百万円(1年内返済予定分含む)、短期借入金11,136百万円の構成となっており、合わせて18,926百万円を計上しております。当連結会計年度末の社債及び借入金残高の売上高に対する比率は38.5%(前連結会計年度末は40.7%)となっております。また、緊急時の資金調達手段の確保を目的として、一部の取引銀行と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、資金流動性を確保しております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たって、当社経営陣は決算日における資産・負債の数値及び偶発債務の開示並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。また、経営陣は過去の実績や状況に応じ、合理的妥当性を有する要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数値についての判断の基礎としております。実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これら見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 (繰延税金資産の回収可能性)繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、新型コロナウイルス感染症の拡大による事業への影響を考慮されていない時点で作成された予算案を踏まえつつ、2021年3月期のうち概ね第2四半期終了時点までは新型コロナウイルス感染症に伴うロックダウンをはじめとする事業活動への制約により売上及び利益が一定の割合で減少するものと想定し、それ以降の期間については影響が限定的なものであるとの前提で見積りを行っております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。