7762

シチズン時計(7762)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

精密機器 電機・精密

事業の概要

  • 多角的な事業展開
    シチズングループは、時計だけでなく、工作機械、デバイス、電子機器など多岐にわたる事業を展開しています。これにより、特定の市場の変動リスクを分散し、安定した収益基盤を築いています。各事業が独立して生産・販売活動を行うことで、専門性と効率性を高めています。
  • グローバルな生産・販売網
    時計事業では、日本、中国、タイ、スイスなど世界各地に生産拠点を持ち、米国、欧州、アジアなど広範な地域で販売活動を行っています。工作機械やデバイス事業も同様に国際的な展開をしており、世界中の顧客に製品を供給することで、市場の多様なニーズに対応しています。
  • グループ会社による専門分化
    シチズン時計株式会社が時計事業の中核を担い、シチズンマシナリー株式会社が工作機械事業、シチズンファインデバイス株式会社やシチズン電子株式会社がデバイス事業、シチズン・システムズ株式会社が電子機器他事業をそれぞれ担当しています。これにより、各分野の専門知識と技術を結集し、高品質な製品とサービスを提供しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 時計事業
    シチズングループの主力事業で、ウオッチムーブメントや完成時計の生産・販売を行っています。売上高は1,771.21億円、営業利益は178.86億円と、グループ全体の収益を牽引する最大の事業セグメントです。日本、中国、スイス、タイなどに生産拠点を持ち、世界中でCITIZENブランドの時計を展開しています。
  • 工作機械事業
    CNC自動旋盤などの工作機械を生産・販売しています。売上高は743.18億円、営業利益は56.69億円で、グループの重要な収益源の一つです。シチズンマシナリー株式会社が中心となり、日本だけでなくタイ、フィリピン、ベトナム、中国などアジア地域や欧州にも拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。
  • デバイス事業
    自動車部品、水晶デバイス、小型モーター、LEDなどを手掛けています。売上高は404.64億円、営業利益は4.79億円です。シチズンファインデバイス株式会社やシチズン電子株式会社が中心となり、精密加工技術を活かした製品を提供しています。技術革新のスピードが速い分野であり、顧客のニーズに合わせた製品開発が重要です。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
WatchesAndClocksReportableSegment 事業 1,771 179 10.1%
MachineToolsReportableSegment 事業 743 57 7.6%
DevicesAndComponentsReportableSegment 事業 405 5 1.2%
ElectronicProductsAndOthersReportableSegment 事業 250 28 11.0%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,581 文字
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、その子会社76社及び関連会社2社で構成され、主として時計事業、工作機械事業、デバイス事業の分野において生産及び販売活動を営んでおります。事業区分ごとの生産及び販売を担当する主な会社は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 セグメント情報」に記載のとおりであります。 区分主要な製品名主な生産会社等主な販売会社時計事業ウオッチムーブメント 他シチズン時計㈱シチズン時計マニュファクチャリング㈱シチズンTIC㈱新星工業有限公司(中国・香港) Civis Manufacturing Limited. (中国・香港) 広州務冠電子有限公司(中国) ロイヤル・タイム・シティCo., Ltd.(タイ) Manufacture La Joux-Perret S.A.(スイス)Frederique Constant Holding SA(スイス)シチズン時計㈱シチズンリテイルプラニング㈱ シチズンTIC㈱ ㈱東京美術星辰表(香港)有限公司(中国・香港) シチズン・ウオッチ・カンパニー・オブ・アメリカInc.(米国)シチズン・ウオッチズ・オーストラリアPTY LTD.(オーストラリア)シチズン・ウオッチ・ヨーロッパGmbH(ドイツ)シチズン・ウオッチ・イタリーSPA(イタリア)シチズン・デ・メヒコS.DE R.L.DE C.V.(メキシコ)シチズン・ウオッチ・ユナイテッド・キングダム Ltd.(イギリス)西鉄城(上海)貿易有限公司(中国)Manufacture La Joux-Perret S.A.(スイス)Frederique Constant Holding SA(スイス)工作機械事業CNC自動旋盤 他シチズンマシナリー㈱シチズン・マシナリー・アジアCo., Ltd.(タイ)シチズン・マシナリー・フィリピンInc.(フィリピン)シチズン・マシナリー・ベトナムCo., Ltd.(ベトナム)西鉄城(中国)精密机械有限公司(中国)シチズンマシナリー㈱シチズン・マシナリー ヨーロッパGmbH(ドイツ)シチズン・マシナリー・UK Ltd.(イギリス)西鉄城(中国)精密机械有限公司(中国)CITIZEN MACCHINE ITALIA s.r.l.(イタリア)デバイス事業自動車部品水晶デバイスセラミックス小型モータープリンター健康機器LED他シチズンファインデバイス㈱シチズン・システムズ㈱シチズン電子㈱シチズン千葉精密㈱ シチズンマイクロ㈱シチズン電子タイメル㈱領冠電子(悟州)有限公司(中国) シチズン・セイミツ (タイランド) CO., LTD.(タイ)Citizen Finedevice Philippines Corp.(フィリピン)西鉄城精電科技(香港)有限公司(中国・香港)首軒電子有限公司(中国・香港) シチズンファインデバイス㈱シチズン・システムズ㈱シチズン電子㈱シチズン・システムズ・アメリカ・コーポレーション(米国)シチズン・システムズ・ヨーロッパGmbH(ドイツ)C-E(香港)Ltd.(中国・香港)C-E(Deutschland)GmbH(ドイツ)CECOL, Inc.(米国) 上記のように、時計事業は主にシチズン時計㈱及びその子会社で生産、販売を行っております。工作機械事業は、主にシチズンマシナリー㈱及びその子会社で生産、販売を行っております。デバイス事業は、主にシチズンファインデバイス㈱、シチズン・システムズ㈱、シチズン電子㈱及びその子会社で生産、販売を行っております。 以上の当社グループについて図示すると次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
時計事業では競合激化による単価下落、デバイス事業では技術革新による販売価格下落の可能性。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
時計の小型化・薄型ムーブメント、高精度な機械式ムーブメント、光発電エコ・ドライブ技術。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:時計事業における競争激化と単価下落 / 工作機械事業における景気変動と原材料価格高騰 / デバイス事業における技術革新と製品陳腐化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

シチズンブランドは一定の知名度を持つが、高級時計市場におけるロレックスやオメガのような圧倒的なブランド力や、セイコーのような技術的優位性は限定的。特許やIPによる明確な競争優位性も示されていない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

スマートウォッチへの移行が進む中で、従来の機械式・クォーツ時計からの乗り換えコストは低い。ただし、特定のモデルやコレクションに対する愛着を持つ顧客層は存在する可能性がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

時計事業において、ユーザー数の増加が製品価値を直接高めるネットワーク効果は基本的に存在しない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

大量生産によるスケールメリットはある程度期待できるが、スイス高級時計メーカーや、低価格帯で競争する海外メーカーと比較した場合、圧倒的なコスト優位性を持つとは言えない。生産効率の改善努力は継続している。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

時計業界において、シチズンは主要プレイヤーの一つであり、一定の生産・販売規模を持つ。しかし、業界全体で見ると寡占度はそれほど高くなく、多数の競合が存在する。グローバルな販売網は強み。

  • 時計ブランドの信頼と歴史
    シチズンは長年にわたり時計製造で培ってきた高い技術力とブランドイメージを持っています。特に、ウオッチムーブメントや完成時計の生産において、国内外に多数の生産・販売会社を展開しており、その品質と信頼性は世界中で認知されています。これは新規参入企業が容易に真似できない強みです。
  • 精密加工技術の応用力
    時計製造で培った精密加工技術は、工作機械事業やデバイス事業にも応用されています。例えば、CNC自動旋盤などの工作機械や、自動車部品、水晶デバイス、小型モーターなどのデバイス製品は、高い精度と信頼性が求められる分野であり、シチズングループの技術力が競争優位の源泉となっています。
  • グローバルな生産・販売ネットワーク
    世界中に広がる生産拠点と販売網は、効率的なサプライチェーンと市場への迅速な対応を可能にしています。特に、海外売上比率が70%を超えることから、各地域の市場特性に合わせた製品供給やマーケティング戦略を展開できる体制が整っており、これが安定した事業運営に寄与しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社は、企業理念である「市民に愛され市民に貢献する」を基盤とし、2030年を見据えて、サステナブル社会、デジタル社会に対応し成長できるシチズングループのありたい姿を描き、そこからバックキャストすることで5つのマテリアリティ「気候変動への対応と循環型社会への貢献」、「質の高い生活への貢献」、「産業分野におけるソリューションの提供」、「働きがいの向上と人財の育成」、「社会的責任の遂行」を設定しました。長期ビジョンの実現に向けて、グループ中期経営ビジョン「豊かな未来(とき)をつなぐ」、“Crafting a new tomorrow”を揚げ、「中期経営計画2024」に続き、2025 年度(2026年3月期)から 2027年度(2028年3月期)までの3か年の「中期経営計画2027」を策定し、新たな価値創造に挑戦し、世の中に安心と信頼、そして感動を届け、豊かなときをつなぐ存在になることを目指してまいります。 (2) 経営戦略等グループ中期経営ビジョン実現に向けて、本中期経営計画における以下の重点戦略に取り組んでまいります。① 事業ポートフォリオの戦略 時計事業と工作機械事業を、グループ成長を牽引するコア事業と位置付け、経営資源を戦略的に投資していくことで更なる成長を目指してまいります。デバイス事業は、安定成長を目指しながら、事業や製品の選択と集中を進めてまいります。また、成長の可能性がある新事業領域の探索も進めてまいります。本中期経営計画における事業別の戦略は、以下のとおりです。 時計事業時計事業は、グループビジョンと同じく「豊かな未来(とき)をつなぐ」、“Crafting a new tomorrow”をビジョンとして掲げ、「グローバル戦略によるブランド価値向上」、「北米市場での更なる取組み強化」、「高付加価値製品を実現するムーブメント開発」の3つの重点戦略に取り組んでまいります。グループを牽引するコア事業として、経営資源を戦略的に配分するとともに、ブランド価値向上による事業成長と収益力強化に取り組んでまいります。 工作機械事業工作機械事業は、売上高1,000億円の実現に向け、“製販イノベーション”の真価を発揮し、グローバル市場での拡販・顧客開拓を推進してまいります。アジア地域をはじめ、成長が見込まれるグローバル市場での営業、サービス体制の強化を図ることで、更なる成長を目指してまいります。 デバイス事業デバイス事業は、市場変化に合わせた製品の選択と集中、収益力改善及び当社の強みを最大限に活かせる領域における事業拡大により、確固たる競争優位を確立してまいります。当社グループの強みである小型金属加工技術を活かした自動車部品事業では、EV関連の新製品やエンジン・ブレーキなど既存領域製品の売上拡大を進めます。また、セラミックス事業では光通信向けなどのサブマウント製品の更なる競争力強化を推進し、モーター事業では市場のニーズに対応した技術、品質により高い顧客満足を獲得してまいります。プリンター事業については、フォトプリンターを中心とした売上拡大を目指します。 ② DX戦略の推進及び人財の育成「ユーザー視点での価値の創出・向上を継続的に行える企業グループへ」をDXビジョンとして掲げ、「業務プロセスの変革による高収益体質への転換」、「製品・サービスの変革による新たなユーザー価値の創出」、「企業風土の変革」の3つの方針に取り組んでまいります。「業務プロセスの変革による高収益体質への転換」では、データ活用による意思決定の高度化、データ及びデジタル活用によるモノづくりの進化を、「製品・サービスの変革による新たなユーザー価値の創出」では、新たなユーザー体験の提供、新たなビジネスモデルの構築に取り組んでまいります。人財ビジョンとして「社員一人一人が長期ビジョンの実現に貢献しシチズンで働くことへ誇りを感じていること」を掲げ、デジタル施策を着実に進めると同時に、「企業風土の変革」をグループで連携して進めてまいります。 (3) 経営環境当社を取り巻く経営環境として、主に以下の環境変化を認識しております。 ① 地政学的リスクによる世界経済への影響② 消費者行動様式、価値観の変容③ ファッションウオッチ市場の縮小等による、アナログクオーツムーブメント市場の縮小 当社は、以上のような経営環境変化の影響を受け業績下振れのリスクが高まっていることを認識し、中核事業である時計事業及び工作機械事業における以下の4つの課題について優先的に取り組んでまいります。 ① 機械式完成品の拡充及び機械式ムーブメント外販の拡大② 環境意識の高まりを捉えた、エコ・ドライブの特性や環境に配慮した素材の更なる訴求③ 情緒的価値を伴う高付加価値製品の提供④ 工作機械の市況の波にタイムリーに対応できる生産体制と販売体制の確立 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社の時計事業、工作機械事業における経営環境変化を認識し、以下の4つの課題について優先的に取り組んでまいります。 ① 機械式完成品の拡充及び機械式ムーブメント外販の拡大引き続き成長が見込まれる機械式時計市場において、シチズン機械式時計の成長に向け、機械式ムーブメントを搭載した最上位ブランド『ザ・シチズン』向けの高級機械式新ムーブメントの開発を進め、商品のラインナップをアップグレードすると共に、『シリーズエイト』に加えて、『プロマスター』も機械式商品に注力してまいります。ムーブメント事業については、更なる製造の自動化、合理化の推進と付加価値化を進めながら収益性の強化を図ってまいります。 ② 環境意識の高まりを捉えた、エコ・ドライブの特性や環境に配慮した素材の更なる訴求環境に優しいエコ・ドライブを搭載したモデルを基軸に、更なるユーザーとのコミュニケーションの強化を図ってまいります。また、リサイクル素材など、地球環境に配慮したサステナブルな素材の採用を今後も増やすと共に、環境や人に配慮した商品展開を進めてまいります。 ③ 情緒的価値を伴う高付加価値製品の提供時計事業では完成品ブランド「シチズン」、「ブローバ」、「フレデリック・コンスタント」を展開するとともに、ムーブメントについては日本(ミヨタ)とスイス(ラ・ジュー・ペレ)の両国に製造拠点を有し、部品製造から完成品の組立、販売、アフターサービスに至るまで一貫した事業体制を構築しています。保有する各ブランドを通じて、人々の時に寄り添い、時計を身に着けることで、気持ちの高揚をもたらすことが出来るような価値を追求してまいります。 ④ 工作機械の市況の波にタイムリーに対応できる生産体制と販売体制の確立工作機械事業は、売上高1,000億円の実現に向けて、“製販イノベーション”の真価を発揮することで、グローバル市場での拡販・顧客開拓を推進いたします。地域別の戦略をより一層明確にし、新市場の開拓を含めた販売拡大を目指します。また「ミヤノブランド(中・大型機)のグローバル販売戦略」を推進し、「LFV」や「FAフレンドリー」、「アルカプリソリューション」などを活用し、お客さまの「モノづくりワークフローの革新」に貢献するトータルソリューションを提案してまいります。その土台としてデジタル技術やデータを活用した、効率的かつ顧客中心の業務プロセスへの転換を目指すと同時に、データ・マネジメント体制の構築、デジタル人財の育成、デジタル活用による技術、技能継承などを推進してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社は、企業理念である「市民に愛され市民に貢献する」を基盤とし、2030年を見据えて、サステナブル社会、デジタル社会に対応し成長できるシチズングループのありたい姿を描き、そこからバックキャストすることで5つのマテリアリティ「気候変動への対応と循環型社会への貢献」、「質の高い生活への貢献」、「産業分野におけるソリューションの提供」、「働きがいの向上と人財の育成」、「社会的責任の遂行」を設定しました。長期ビジョンの実現に向けて、グループ中期経営ビジョン「豊かな未来(とき)をつなぐ」、“Crafting a new tomorrow”を揚げ、「中期経営計画2024」に続き、2025 年度(2026年3月期)から 2027年度(2028年3月期)までの3か年の「中期経営計画2027」を策定し、新たな価値創造に挑戦し、世の中に安心と信頼、そして感動を届け、豊かなときをつなぐ存在になることを目指してまいります。 (2) 経営戦略等グループ中期経営ビジョン実現に向けて、本中期経営計画における以下の重点戦略に取り組んでまいります。① 事業ポートフォリオの戦略 時計事業と工作機械事業を、グループ成長を牽引するコア事業と位置付け、経営資源を戦略的に投資していくことで更なる成長を目指してまいります。デバイス事業は、安定成長を目指しながら、事業や製品の選択と集中を進めてまいります。また、成長の可能性がある新事業領域の探索も進めてまいります。本中期経営計画における事業別の戦略は、以下のとおりです。 時計事業時計事業は、グループビジョンと同じく「豊かな未来(とき)をつなぐ」、“Crafting a new tomorrow”をビジョンとして掲げ、「グローバル戦略によるブランド価値向上」、「北米市場での更なる取組み強化」、「高付加価値製品を実現するムーブメント開発」の3つの重点戦略に取り組んでまいります。グループを牽引するコア事業として、経営資源を戦略的に配分するとともに、ブランド価値向上による事業成長と収益力強化に取り組んでまいります。 工作機械事業工作機械事業は、売上高1,000億円の実現に向け、“製販イノベーション”の真価を発揮し、グローバル市場での拡販・顧客開拓を推進してまいります。アジア地域をはじめ、成長が見込まれるグローバル市場での営業、サービス体制の強化を図ることで、更なる成長を目指してまいります。 デバイス事業デバイス事業は、市場変化に合わせた製品の選択と集中、収益力改善及び当社の強みを最大限に活かせる領域における事業拡大により、確固たる競争優位を確立してまいります。当社グループの強みである小型金属加工技術を活かした自動車部品事業では、EV関連の新製品やエンジン・ブレーキなど既存領域製品の売上拡大を進めます。また、セラミックス事業では光通信向けなどのサブマウント製品の更なる競争力強化を推進し、モーター事業では市場のニーズに対応した技術、品質により高い顧客満足を獲得してまいります。プリンター事業については、フォトプリンターを中心とした売上拡大を目指します。 ② DX戦略の推進及び人財の育成「ユーザー視点での価値の創出・向上を継続的に行える企業グループへ」をDXビジョンとして掲げ、「業務プロセスの変革による高収益体質への転換」、「製品・サービスの変革による新たなユーザー価値の創出」、「企業風土の変革」の3つの方針に取り組んでまいります。「業務プロセスの変革による高収益体質への転換」では、データ活用による意思決定の高度化、データ及びデジタル活用によるモノづくりの進化を、「製品・サービスの変革による新たなユーザー価値の創出」では、新たなユーザー体験の提供、新たなビジネスモデルの構築に取り組んでまいります。人財ビジョンとして「社員一人一人が長期ビジョンの実現に貢献しシチズンで働くことへ誇りを感じていること」を掲げ、デジタル施策を着実に進めると同時に、「企業風土の変革」をグループで連携して進めてまいります。 (3) 経営環境当社を取り巻く経営環境として、主に以下の環境変化を認識しております。 ① 地政学的リスクによる世界経済への影響② 消費者行動様式、価値観の変容③ ファッションウオッチ市場の縮小等による、アナログクオーツムーブメント市場の縮小 当社は、以上のような経営環境変化の影響を受け業績下振れのリスクが高まっていることを認識し、中核事業である時計事業及び工作機械事業における以下の4つの課題について優先的に取り組んでまいります。 ① 機械式完成品の拡充及び機械式ムーブメント外販の拡大② 環境意識の高まりを捉えた、エコ・ドライブの特性や環境に配慮した素材の更なる訴求③ 情緒的価値を伴う高付加価値製品の提供④ 工作機械の市況の波にタイムリーに対応できる生産体制と販売体制の確立 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社の時計事業、工作機械事業における経営環境変化を認識し、以下の4つの課題について優先的に取り組んでまいります。 ① 機械式完成品の拡充及び機械式ムーブメント外販の拡大引き続き成長が見込まれる機械式時計市場において、シチズン機械式時計の成長に向け、機械式ムーブメントを搭載した最上位ブランド『ザ・シチズン』向けの高級機械式新ムーブメントの開発を進め、商品のラインナップをアップグレードすると共に、『シリーズエイト』に加えて、『プロマスター』も機械式商品に注力してまいります。ムーブメント事業については、更なる製造の自動化、合理化の推進と付加価値化を進めながら収益性の強化を図ってまいります。 ② 環境意識の高まりを捉えた、エコ・ドライブの特性や環境に配慮した素材の更なる訴求環境に優しいエコ・ドライブを搭載したモデルを基軸に、更なるユーザーとのコミュニケーションの強化を図ってまいります。また、リサイクル素材など、地球環境に配慮したサステナブルな素材の採用を今後も増やすと共に、環境や人に配慮した商品展開を進めてまいります。 ③ 情緒的価値を伴う高付加価値製品の提供時計事業では完成品ブランド「シチズン」、「ブローバ」、「フレデリック・コンスタント」を展開するとともに、ムーブメントについては日本(ミヨタ)とスイス(ラ・ジュー・ペレ)の両国に製造拠点を有し、部品製造から完成品の組立、販売、アフターサービスに至るまで一貫した事業体制を構築しています。保有する各ブランドを通じて、人々の時に寄り添い、時計を身に着けることで、気持ちの高揚をもたらすことが出来るような価値を追求してまいります。 ④ 工作機械の市況の波にタイムリーに対応できる生産体制と販売体制の確立工作機械事業は、売上高1,000億円の実現に向けて、“製販イノベーション”の真価を発揮することで、グローバル市場での拡販・顧客開拓を推進いたします。地域別の戦略をより一層明確にし、新市場の開拓を含めた販売拡大を目指します。また「ミヤノブランド(中・大型機)のグローバル販売戦略」を推進し、「LFV」や「FAフレンドリー」、「アルカプリソリューション」などを活用し、お客さまの「モノづくりワークフローの革新」に貢献するトータルソリューションを提案してまいります。その土台としてデジタル技術やデータを活用した、効率的かつ顧客中心の業務プロセスへの転換を目指すと同時に、データ・マネジメント体制の構築、デジタル人財の育成、デジタル活用による技術、技能継承などを推進してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 経営成績の状況当連結会計年度における国内経済は、物価高などにより一部で足踏みが見られましたが、個人消費は緩やかに回復しました。北米経済は、雇用環境の悪化や関税コストによる物価上昇などが見られながらも、個人消費は底堅く推移しました。欧州経済は、堅調な所得環境に支えられている一方で、米国関税政策の影響による製造業の不調などで、個人消費の回復は弱いものに留まりました。また、アジア経済は、中国の補助金政策などによる消費の押上げ効果が減少しているほか、その他のアジア地域においても、内需を中心に低調な状況が続き、個人消費の回復は力強さを欠くものとなりました。このような状況のもと、当連結会計年度の連結経営成績は、主に時計事業と工作機械事業が好調に推移し、売上高は3,468億円(前年同期比9.4%増)、営業利益は302億円(前年同期比46.9%増)と増収増益となりました。また、為替差益の増加などにより経常利益は384億円(前年同期比67.0%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、過年度関税等及び過年度関税等引当金繰入額を計上した一方、投資有価証券売却益の計上や繰延税金資産の回収可能性の見直しの影響などにより、311億円(前年同期比30.3%増)となりました。なお、新たな中期経営計画の下、利益率と資本効率性の向上に注力していくことに伴い、事業ポートフォリオの最適化を図り、適切な経営管理を行うため、当連結会計年度より、報告セグメントを「時計事業」、「工作機械事業」、「デバイス事業」へ変更しております。この変更に伴い、従来の「電子機器他事業」のうち、主要な事業を「デバイス事業」に集約し、その他の事業は、「時計事業」へ含めることといたしました。前年同期比については、前年同期の数値を変更後の報告セグメントの区分に組み替えて算出しております。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 (時計事業)ウオッチ販売のうち、「シチズン」ブランドの国内市場は、レディスブランドの『クロスシー』に加え、『カンパノラ』や『ザ・シチズン』などのプレミアムブランドが堅調に推移したほか、当期後半から『アテッサ』の販売に回復がみられましたが、インバウンド向けの販売が想定を下回り、減収となりました。海外市場のうち北米は、『プロマスター』や『シチズン エル』、『アテッサ』などのグローバルサブブランドの販売拡大などにより、主要流通である百貨店流通と宝飾チェーン、専門店に加え、トラベル流通も好調に推移したほか、自社ECも高価格帯モデルを中心に大きく伸長し、増収となりました。欧州は、機械式時計の新製品が堅調に推移したほか、グローバルサブブランドである『プロマスター』が販売を伸ばし、増収となりました。アジアは、タイやインドなど一部市場で機械式時計を中心に販売が好調に推移したほか、中国の販売が増加しましたが、その他アジア地域が低調となり、減収となりました。「ブローバ」ブランドは、主力の北米において、ブランド創業150周年をフックとしたマーケティング施策が奏功し、主要流通である百貨店流通の好調が全体を牽引したほか、専門店と宝飾チェーンも堅調かつ、自社ECも大きく販売を伸ばし、増収となりました。ムーブメント販売は、アナログクオーツムーブメントが堅調を維持したほか、機械式ムーブメントが需要の高まりを背景に各地域で好調に推移し、増収となりました。なお、腕時計の生産規模は、前連結会計年度比16.0%増加し、約1,951億円(販売価格ベース)でありました。以上の結果、時計事業全体では、先行きの不透明感から消費者マインドの回復が限定的となる中、ブランド提供価値の向上や高付加価値製品の強化に向けた取り組みを進めたことで、売上高は1,970億円(前年同期比10.0%増)と増収となりました。営業利益は、北米の売上高の増加に加え、自社EC比率の向上と販売単価上昇などにより、250億円(前年同期比38.1%増)と増益となりました。 (工作機械事業)設備投資への慎重姿勢が長期化する中、国内市場は、当期後半から市況に底打ち感が見られ、緩やかな回復基調となったものの、主に自動車関連の低迷が継続したほか、建機関連なども伸び悩み、減収となりました。海外市場のうち米州は、医療関連の販売が堅調を維持したほか、設備投資への慎重姿勢が和らぎ、増収となりました。欧州は、医療関連とジョブショップ向けが堅調に推移したほか、航空機関連なども回復基調となり、増収となりました。アジアは、中国の半導体関連が旺盛な需要を背景に大きく販売を伸ばし、増収となりました。なお、工作機械の生産規模は、前連結会計年度比18.5%増加し、約886億円(販売価格ベース)でありました。以上の結果、工作機械事業全体では売上高は862億円(前年同期比16.1%増)と増収となりました。営業利益は売上高の増加により、77億円(前年同期比36.4%増)と増益となりました。 (デバイス事業)自動車部品は、自動車メーカーの生産回復が限定的なものに留まり、微増収となりました。小型モーターは、当期後半から市況に緩やかな復調がみられたものの、減収となりました。セラミックスは、光通信向けなどのサブマウント製品の好調が継続し、増収となりました。プリンターは、フォトプリンターが安定した需要を背景に堅調に推移しましたが、前年同期に獲得した大口受注の反動を受け、微減収となりましたなお、デバイスの生産規模は、前連結会計年度比7.7%増加し、約667億円(販売価格ベース)であります。以上の結果、デバイス事業全体では売上高は634億円(前年同期比0.2%増)と増収、営業利益は、37億円(前年同期比26.9%増)と増益となりました。 ② 財政状態の状況当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ527億円増加し、4,683億円となりました。資産の内、流動資産は、現金及び預金が118億円、受取手形及び売掛金が81億円、棚卸資産が107億円増加したこと等により、330億円の増加となりました。固定資産につきましては、有形固定資産が128億円増加したこと等により、196億円の増加となりました。負債は、前連結会計年度末に比べ147億円増加し、1,661億円となりました。これは、支払手形及び買掛金が57億円増加したこと等によるものです。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、利益剰余金が198億円、為替換算調整勘定が137億円増加したこと等により379億円増加し、3,021億円となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度に比べ113億円増加し、1,039億円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)前連結会計年度より30億円収入が増加し388億円のキャッシュを得ております。これは主に売上債権の増加21億円、棚卸資産の増加29億円、法人税の支払額76億円等がありました一方、税金等調整前当期純利益が361億円、減価償却費144億円等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)前連結会計年度より54億円支出が増加し、154億円の支出となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入73億円等がありました一方、有形固定資産の取得による支出212億円等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)前連結会計年度より51億円支出が増加し、176億円の支出となりました。これは主に長期借入による収入100億円等がありました一方、長期借入金の返済による支出150億円、配当金の支払額112億円等によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績当社グループの生産・販売品目は、広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様でなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことをしておりません。このため生産、受注及び販売の実績については、セグメント業績に関連付けて示しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。なお、経営者は見積り及び判断・評価につきまして、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ② 当連結会計年度の経営成績等に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度における経営成績等に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ④ 経営戦略の現状と見通し当社グループの経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報についての記載当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び部品等の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に生産設備投資であります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。自己資金につきましてはグループ会社間の資金効率を上げるためキャッシュマネージメントシステムを導入しております。設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入と債券市場からの社債等による調達を基本としております。当連結会計年度末における有利子負債(リース債務含む。)の残高は67,977百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は103,986百万円となっております。不測の事態に備えて、金融機関との良好な関係の維持に努めるとともに、複数の金融機関との間で合計20,000百万円のコミットメント・ライン契約を締結しております。なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。 ⑥ 目標とする経営指標の達成状況当社グループは、2030年に向けた長期ビジョンとして「豊かな未来(とき)をつなぐ」、“Crafting a new tomorrow”を掲げています。長期的な視点から、当社グループのありたい姿を描き、そこからバックキャストすることで我々のマテリアリティを再設定し、「中期経営計画2024」に続き、「中期経営計画2027」を策定しました。2025 年度(2026年3月期)から 2027年度(2028年3月期)の「中期経営計画2027」では、時計事業と工作機械事業を引き続き当社グループの成長を牽引するコア事業と位置づけ、「中期経営計画2024」の3年間で構築した成長基盤を活かし、各事業のさらなる成長と発展を図り、収益力のより一層の向上に取り組んでまいります。2025年度連結業績は、時計事業が北米を中心に好調に推移したほか、工作機械事業も受注の緩やかな回復を受け、増収増益となりました。ROEは11.3%となり、中期経営計画の目標指標である9.0%以上を継続して達成することができました。時計事業においては、中期経営計画の2027年度目標指標である売上高1,900億円と営業利益率12.0%以上を2年前倒しで達成することができ、好調に推移しています。引き続き、売上高水準を引き上げながら収益性の改善を進め、中長期的な視点で取り組みを進めてまいります。 中期経営計画2027 2028年3月期目標指標2026年3月期実績売上高3,600億円3,468億円営業利益率9.0%8.7%ROE9.0%以上11.3%

事業リスク

  • 激しい市場競争と技術陳腐化
    時計事業では、スイス高級時計や中国製普及価格帯時計、スマートウォッチなど多様な競合に加え、スマートフォンなどの代替製品との競争が激化しています。デバイス事業では技術革新のスピードが速く、既存製品の陳腐化や販売価格の下落が業績に影響を与える可能性があります。常に新しい技術や製品開発が求められる環境です。
  • 海外市場と為替変動の影響
    シチズングループの海外売上比率は70%を超えており、各地域の景気・消費動向や政治的・経済的な社会情勢が業績に大きな影響を及ぼします。また、為替レートの変動は、海外での売上やコストに直接影響するため、為替予約などの対策を講じていますが、業績に不確実性をもたらす要因となります。
  • 中国生産拠点への依存と地政学リスク
    中国はシチズングループの主要な生産拠点の一つであり、生産活動に支障をきたすような規制やトラブル、または人民元の大幅な変動があった場合、グループ全体の業績に影響を与える可能性があります。特定の地域への生産集中は、地政学的なリスクやサプライチェーンの脆弱性につながる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,519 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。 ① 当社グループの各事業のリスクについて当社グループは、時計、工作機械、デバイスの製造販売を主な事業とし、全世界で事業展開を行っております。そして、ユーザーは一般個人のほか、多種多様な製造業にまで広範囲に渡っております。従って、当社グループの業績は、多岐に渡る変動要因の影響を受けます。その要因の主なものは以下のとおりです。 時計事業 時計事業においては、ウオッチでは国内競合メーカーのほか、スイス高級腕時計メーカー、中国製普及価格帯時計メーカー、スマートウオッチメーカー等との競争も激しく、また、スマートフォン等の時計機能代替製品との競争も内在しております。ムーブメント事業においては、ファッションウオッチ市場の縮小やスマートウオッチ市場拡大の影響により低価格帯を中心としたアナログクオーツ市場が減少傾向にあることや中国メーカーの台頭等に基因する競争環境の激化による単価下落の環境にあるため、数量減少及びシェア低下の危険性があります。 工作機械事業 工作機械事業は、景気変動に伴う設備投資需要の落ち込み、天然資源や原材料価格の大幅な高騰、事業を展開する国及び地域における規制又は法令の重要な変更が、今後の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 デバイス事業 デバイス事業は、技術革新のスピードが早く、顧客要求の変化や新製品・サービスの導入頻度が高いことから、既存製品・サービスの陳腐化による販売価格の下落等が業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。精密加工部品においては、販売先の自動車メーカーやスマートフォンメーカーの技術革新の動向による影響を受けます。オプトデバイスにおいては、一部製品で特許実施許諾の契約を結んでおりますが、何らかの事情により提携関係が解消され、特許の実施許諾が受けられない状態になった場合、当事業に影響を及ぼす可能性があります。 電子機器製品においては、景気変動による設備投資、顧客の事業活動、個人消費の低迷に伴う需要減の影響や、製品安全関連の法規制・規格等の厳格化は、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、国内競合メーカーはもとより、中国等の電子機器メーカーとの競争が激しく、技術革新が早いことから、販売価格の下落や開発等の遅れが、業績に影響を与える可能性があります。 ② 海外売上依存度について当社グループの製品の売上高における海外比率は高く、また、全世界に販売されております。このため、各地域における景気・消費動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当該地域の政治的・経済的な社会情勢が、同様に影響を及ぼす可能性があります。 (単位:百万円) (自 2024年4月1日至 2025年3月31日)(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)売上高 構成比(%) 売上高構成比(%) 日本80,47525.479,84323.0 アジア74,45423.582,71323.8 アメリカ91,88729.0105,96230.6 欧州66,78121.175,43121.8 その他3,2861.02,8570.8 海外合計236,40974.6266,96477.0 合計316,885100.0346,808100.0 ③ 為替変動のリスクについて上記②のとおり、当社グループの製品の売上高における海外比率は高いため、為替予約及び通貨オプション等によるリスクヘッジを行うとともに、海外生産の拡充・強化を推し進めておりますが、当社グループの業績は為替変動の影響を受けます。 ④ 地政学的リスク 中東情勢の緊迫化等により、エネルギー価格の高騰や原材料費の上昇、または物流・サプライチェーンに支障が生じた場合、また、レアアース輸出規制等が長期化した場合には、当社グループの生産活動や業績に影響を与える可能性があります。 ⑤ 中国生産依存度について 中国は当社グループの製品における主な生産拠点の一つであり、中国において何らかのトラブルによる生産支障及び、生産に支障をきたすような規制等が実施された場合、または人民元が大幅に切り上げられた場合等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 ⑥ 減損損失について 当社グループの資産の時価が著しく下落した場合や事業の収益性が悪化した場合には、減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑦ 特許及びその他の知的財産について 当社グループが研究開発及び生産活動を行う中でさまざまな知的財産権にかかわる技術を使用しており、それらの知的財産権は当社グループが所有しているもの、あるいは適法に使用許諾を受けたものであると認識しておりますが、当社グループの認識の範囲外で第三者から知的財産権を侵害したと主張され、係争等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 特に一部製品において、特許実施許諾の契約を結んで製造を行っておりますが、何らかの事情により提携関係が解消され、特許の実施許諾が受けられない状態になった場合、当事業に影響を与える可能性があります。 ⑧ 地震等の自然災害によるリスクについて 当社グループの本社・工場等の設備安全について火災・地震などの自然災害の発生時に、人的被害・工場などの設備破損が生じないよう、防災シミュレーション活動などを通じて管理体制の確立を行っております。しかしながら、想定以上の地震等が発生した場合、生産活動や商品供給に支障をきたしたり、復旧などにかかる費用などで業績及び財務状況に大きな影響が出る可能性があります。 ⑨ M&A及び業務提携等に関するリスクについて 当社グループは、M&Aや業務提携等を通じた事業基盤の強化に取り組んでおります。これらを実行するにあたっては、対象企業の入念な調査、検討を行いますが、未認識債務の判明等や事業の展開等が計画どおりに進まない場合、当社グループの経営成績や財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 借入金のリスクについて 当社グループの借入金の一部は、取引先金融機関とシンジケート・ローン契約及びコミットメント・ライン契約を締結していますが、これらの契約の財務制限条項に抵触した場合には、借入金の繰上返済請求を受けることがあり、当社グループの財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑪ 情報セキュリティに関するリスク 不正なアクセスや外部からのサイバー攻撃が世界中で増え続けている中、当社グループは情報セキュリティ強化に取り組んでおりますが、外部からのサイバー攻撃やその他の原因によって情報システム機能に支障が生じた場合、またはサービスプロバイダーによるサービス停止等が発生した場合は、当社グループの事業活動、業績及び財務状況に大きな影響が出る可能性があります。 当社グループは、顧客等から入手した個人情報並びに当社グループ及び顧客の技術、研究開発、製造、販売に関する機密情報を様々な形態で保持及び管理しております。当社グループはこれらの機密情報を保護するための管理を行っておりますが、当初想定していない事態が発生した場合は有効に機能しなくなる可能性があります。そのため、これらの情報が権限なく開示された場合、当社グループが損害賠償請求、または訴訟を提起される可能性があり、当社グループの業績、財務状況、評判及び信用に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 法規制に関するリスク 当社グループの事業は、国内外の各種法令や規制等に関連しており、行政当局等との法令解釈の相違等によって、意図せざる理由により法令違反又は訴訟提起が生じた場合には、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。 ⑬ その他のリスクについて 上記以外でも、当社グループの業績は、急激な技術革新等による社会インフラや市場競争状態の変化、当社グループの財務的・経営的状況の変動、国内外の主要市場における貿易規制等各種規制、移転価格税制・関税等の国際税務リスク、株式市場や債券市場の大幅な変動により多様な影響を受けます。

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