事業の概要
- 精密部品事業の展開リズム株式会社は、自動車、産業機器、光学機器、家電など幅広い分野で使用される精密部品や高難度精密金型、電子機器の製造販売を主力としています。多岐にわたる産業の基盤を支える部品を提供することで、安定的な収益源を確保しています。
- 生活用品事業の展開掛時計、置時計、目覚まし時計といったクロック製品に加え、防災行政ラジオ、加湿器、USBファンなどの生活用品の製造販売も行っています。長年培ってきた時計製造の技術を活かし、人々の生活に密着した製品を提供することで、ブランド認知度を高めています。
- グローバルな製造販売体制精密部品事業では、日本国内だけでなく、中国、ベトナム、インドネシア、ドイツ、アメリカに製造販売拠点を展開しています。生活用品事業でも中国に製造拠点、香港、アメリカに販売拠点を持ち、グローバルなサプライチェーンと販売網を構築することで、多様な市場ニーズに対応し、事業機会を拡大しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 精密部品事業この事業は、自動車、産業機器、光学機器、事務・通信機、太陽光発電、家電など幅広い分野で使用される精密部品、高難度精密金型、電子機器のEMS(製造受託サービス)、情報関連機器、車載関連機器、加飾複合品などの製造販売を行っています。最新年度の売上高は248.13億円、営業利益は20.71億円と、グループ全体の収益を牽引する主力事業です。
- 生活用品事業掛時計、置時計、目覚まし時計、デジタル時計、設備時計といったクロック製品に加え、防災行政ラジオ、加湿器、USBファンなどの生活用品の製造販売を手掛けています。最新年度の売上高は74.47億円ですが、営業利益は-7.64億円と赤字であり、精密部品事業と比較して収益性に課題を抱えている状況です。
- その他事業上記の主要二事業の他に、物流事業などを展開しています。有価証券報告書には具体的な売上や利益の記載はありませんが、グループ全体の事業活動をサポートする役割を担っています。事業規模としては大きくないものの、グループの円滑な運営に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| PrecisionProductsReportableSegment | 事業 | 248 | 21 | 8.3% |
| DailyCommoditiesReportableSegment | 事業 | 74 | -8 | -10.3% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループは、当社(リズム株式会社)及び連結子会社11社、非連結子会社(持分法非適用)2社により構成されており、精密部品事業、生活用品事業を主たる事業としております。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は次の通りであります。 精密部品事業自動車・産業機器・光学機器・事務・通信機・太陽光発電・家電等に使用される精密部品、高難度精密金型、及び電子機器等のEMS、情報関連機器、車載関連機器、加飾複合品などの製造販売をしております。製造販売については、当社、リズムプリテック株式会社、リズム翔栄株式会社、RHYTHM INDUSTRIAL(DONG GUAN)LTD.、RHYTHM VIETNAM(HANOI)CO.,LTD. 、RHYTHM VIETNAM(SAIGON)CO., LTD.、PT. RHYTHM MANUFACTURING INDONESIA、RHYTHM INDUSTRY ASIA PTE. LTD.及びRHYTHM SHOEI GERMANY GmbH、RHYTHM NORTH AMERICA, INC.が行っており、RHYTHM INDUSTRIAL(H.K.)LTD.は販売のみを行っております。 生活用品事業ハンディファン、加湿器、防災行政ラジオ及び掛時計・置時計・目覚時計、デジタル時計、設備時計などのクロック、クロックムーブメントなどの製造販売をしております。製造については、RHYTHM INDUSTRIAL(DONG GUAN)LTD.が行っており、販売については、当社、RHYTHM HONG KONG CO., LTD.、RHYTHM INDUSTRIAL(H.K.)LTD.及びRHYTHM INDUSTRIAL(DONG GUAN)LTD.が行っております。 その他物流事業等を行っております。 当社グループの事業系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 原材料や部品の市況変化による価格高騰が製造原価上昇を招く可能性があるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 精密部品事業における精密部品、高難度精密金型、電子機器等のEMSの製造販売。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:為替変動のリスク / 生活用品生産拠点の海外集中 / 減損リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
リズムは、特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPといった無形資産による競争優位性は、公開情報からは明確に確認できない。主力製品である眼科用医療機器や測定機器において、強力なブランドイメージや特許網の存在は示唆されていない。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
眼科用医療機器は、医療機器としての特性上、導入後の切り替えには一定の学習コストや互換性の問題が生じる可能性がある。しかし、競合製品への乗り換えが顧客(医療機関)にとって極めて大きな損失を伴うほどのスイッチング・コストは、現時点では限定的と考えられる。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
リズムの事業モデルにおいて、ユーザー数の増加が製品やサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は、現時点では確認できない。BtoBビジネスが中心であり、プラットフォーム型ビジネスのような構造は見られない。
コスト優位★☆☆☆☆
精密機器製造業において、リズムが他社と比較して構造的に大幅なコスト優位性を持つという情報は公開されていない。製造プロセスやサプライチェーンにおける効率化の努力は推測されるが、それが持続的な競争優位に繋がるほどのレベルかは不明。
規模の経済★★☆☆☆
眼科用医療機器市場において、リズムは一定のシェアを持つと推測されるが、業界全体を代表するような寡占的な地位を確立しているとは言えない。グローバルな大手企業と比較すると、規模の経済による優位性は限定的である可能性が高い。
- 多角的な事業ポートフォリオ精密部品事業と生活用品事業という異なる特性を持つ二つの事業を展開することで、特定の市場変動リスクを分散し、経営の安定性を高めています。精密部品で技術力を、生活用品でブランド力を培う相乗効果も期待できます。
- 精密加工技術と品質管理自動車や光学機器など、高い精度が求められる分野の精密部品製造で培われた高度な加工技術と厳格な品質管理体制が強みです。国際品質マネジメントシステムに準拠した設計・製造・品質管理により、顧客からの信頼を獲得し、競争優位性を確立しています。
- グローバルな生産・販売ネットワークアジアを中心に海外に多数の生産拠点を持ち、効率的な生産体制を構築しています。また、世界各地に販売拠点を設けることで、多様な顧客ニーズに迅速に対応し、市場へのアクセスを強化しています。これにより、コスト競争力と供給安定性を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 会社経営の基本方針当社グループは、「リズムグループ経営理念」を次のとおり定めております。(リズムグループ経営理念)たゆみない創造と革新を続け、豊かで楽しい安全な社会づくりに貢献する(私たちが求め向かう企業像)1. 人々に喜ばれる製品・サービスを創造する2. 世界の国々における取引を通じ関係者の繁栄を図る3. 活力ある企業風土を築く (2) 中長期的な会社の経営戦略、対処すべき課題及び目標とする経営指標①目標とする経営指標当社グループは、2026年3月期から2028年3月期までの3年間を対象とする「中期経営計画2027」を策定し、次の項目を経営目標としております。 売上・利益計画2025年3月期(実績)2026年3月期(実績)2027年3月期(計画)2028年3月期(計画)売上高326億円347億円370億円400億円営業利益8億円15億円20億円25億円経常利益11億円19億円23億円28億円親会社株主に帰属する当期純利益7億円23億円17億円21億円 財務指標2025年3月期(実績)2026年3月期(実績)2027年3月期(計画)2028年3月期(計画)営業利益率2.5%4.6%5.4%6.3%ROE2.4%7.1%5.0%6.0%モビリティ売上高 ※1117億円120億円125億円140億円快適品売上高27億円32億円43億円50億円海外売上高比率43.0%44.0%41.0%41.0%(精密部品)50.0%52.0%47.0%46.0%(生活用品)24.0%19.0%26.0%27.0% ※1.モビリティ売上高は中期経営計画2027(2026年3月期)より集計方法を変更。 非財務指標2026年3月期(実績)2028年3月期(計画)2051年3月期(計画)CO2排出量削減 ※1※2 30%減実質ゼロ女性管理職比率24.0%30%―(国内G)9.7%10%―(海外G)33.6%40%― ※1 削減割合は2019年3月期比、削減対象はスコープ1+2、原単位は売上高百万円当たりのCO2排出量。※2 算定次第、当社WEBサイト内のサステナビリティページにて公開予定。(https://www.rhythm.co.jp/sustainability/) ②経営戦略等中期経営計画2027では「事業モデル確立による新たな成長の実現」フェーズとして、これまでの事業変革への取組みを完遂するとともに、外部環境変化に負けない体質作りを進め、更なる企業価値向上に取り組んでおります。高収益体質への転換を図り、資本効率の改善を進めるため、4つの戦略・基本方針を定めております。 a.事業戦略「事業モデルの競争力強化」前中期経営計画においては、精密部品事業を成長ドライバーと位置づけ、車載関連ビジネスを中心とした拡大を目指してまいりました。また、生活用品事業においては、大きな構造改革に取り組み、「快適品」分野の本格拡大に向けた取組を推進してまいりました。中期経営計画2027においては、これらの事業モデルを確立し新たな成長を実現するフェーズと位置づけ、競争力強化に向けた取組を推進しております。 イ.精密部品事業BEV化は依然として停滞基調にあるものの、HEVの需要は旺盛であり、自動車の電動化、自動化あるいは多機能化は着実に進展しております。電装部品、センサーカメラ部品を得意とする当社には、引き続き追い風となっております。今後もモビリティ分野を最重要分野とし、電装品、ADAS部品に注力してまいります。また「オリジナル部品の開発と汎用化」、金属プレスと樹脂成形技術を併せ持つ強みを活かした「ユニット部品の拡大」、グローバルネットワークを活用した「戦略顧客の深耕」を取組方針として掲げており、こうした方針のもと、ソレノイドコイル等既存部品の販売強化、新規部品への取組推進、生産性向上に取り組んでまいります。 ロ.生活用品事業クロック市場の縮小に伴いクロック依存からの脱却と新たな事業モデルの構築を進めております。中国工場の生産性向上や快適品でのヒット商品(ハンディファン、加湿器)創出等により収益性の改善も進んでおります。引き続きこうした構造改革の成果を確かなものとし、早期収益化と快適品の次なるヒット商品創出に向けて取り組んでまいります。これらを推進するため、大手EC・家電量販店や中国をはじめとするアジア圏での「快適品の販路拡大」、空調分野のラインアップ拡充と新分野への研究開発推進による「快適品の次なるヒット」創出、更なる原価低減に向けた「生産体制の強化」を行い、快適品を製品ポートフォリオの中核に成長させ、売上拡大と収益化を達成してまいります。 b.財務戦略「成長投資と資本効率の向上」引き続き、業績拡大による安定した収益基盤の構築、資本コスト経営の強化を進め、成長ドライバーである精密部品事業への積極投資や、新製品開発など生活用品事業における新たな柱(快適品)の拡大投資、システム・IT投資等、持続的成長に向けた投資を実行してまいります。M&A投資も引き続き重要な成長戦略の一つとして推進してまいります。株主還元についても重要経営課題と認識しております。2025年6月23日に発表いたしました「配当性向(連結)35%以上、DOE(連結純資産配当率)4%以上」の配当方針に基づき、2026年3月期は一株当たり167円60銭(配当性向58.2%)と、増配いたします。また、合わせて発表いたしました株主優待制度の導入など、今後も株主還元の拡充に努めてまいります。資本コスト経営についてはその実践、高度化を進めており、2024年3月には「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」を開示し、2025年3月にはそのアップデートを行いました。引き続き、業績改善による企業価値向上を第一に、資本コストや株価を意識した経営の実現、PBRの向上に努めてまいります。 c.経営基盤戦略「経営の推進力向上」経営基盤戦略をなす人財、IT/DX、ガバナンスの各分野における活動は、経営の推進力を高めるものとして取り組みを強化しております。人財面では、経営戦略を推進する原動力となる人材の確保・育成・適正配置を進めるとともに、未来のリズムを担う経営幹部候補の育成にも取り組んでまいります。IT/DXにおいては、ビジネス変革として圧倒的なビジネススピードの獲得に挑戦し、デジタルネイティブ企業への進化を目指し、管理業務の生成AI導入など徹底的な効率化を目指してまいります。ガバナンス面においては、適切なリスクヘッジと果敢なリスクテイクにより成長の実現を図ってまいります。 d.サステナビリティ戦略「経営・事業活動との同期化」サステナビリティへの取組みは企業活動に不可欠であり、企業存続にも大きな影響ある生き残り戦略の一つとして、その重要性を認識して推進しております。気候変動への対応をはじめとした「環境」と、人権や人的資本等に関する「ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)」を重要なテーマと捉えております。これらの活動を経営・事業活動と同期化させることにより、取組の深化・実効性向上を図ってまいります。環境においては、CO2排出量削減、環境コスト低減を、DEIにおいては、人権尊重を基盤に女性、障がい者等多様な人財の活躍を実現してまいります。 (3) 今後の見通し2027年3月期の当社を取り巻く事業環境は、精密部品事業においては、車載関連や工作機械関連、AIデーターサーバー関連部品の需要は旺盛であり、引き続き堅調な受注を見込んでおります。また、生活用品事業においては、ハンディファン・加湿器を中心とした快適品の生産数量の増大や中国拠点における生産性向上への取組、不採算拠点の閉鎖などの構造改革の効果が顕在化しており、更なる販売拡大、採算化を目指しております。 (4) 2027年3月期の連結業績予想このような環境の中、2027年3月期の連結業績見通しにつきましては、2025年3月24日公表の中期経営計画2027の通り、売上高は370億円(当期比6.5%増)、営業利益は20億円(当期比26.0%増)、経常利益は23億円(当期比16.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億円(当期比26.5%減)を見込んでおります。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては減益となりますが、前年度に計上した不動産売却益等の反動であります。 なお、昨今の中東情勢の緊迫化に伴う地政学リスクの高まりによる原材料の調達難や価格の高騰、サプライチェーンの混乱などの不確実性につきましては、現時点においてその影響額を合理的に算定することは困難であることから、本業績見通しには織り込んでおりません。実際の業績は、今後様々な要因によって予想数値と異なる結果となる可能性があります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 会社経営の基本方針当社グループは、「リズムグループ経営理念」を次のとおり定めております。(リズムグループ経営理念)たゆみない創造と革新を続け、豊かで楽しい安全な社会づくりに貢献する(私たちが求め向かう企業像)1. 人々に喜ばれる製品・サービスを創造する2. 世界の国々における取引を通じ関係者の繁栄を図る3. 活力ある企業風土を築く (2) 中長期的な会社の経営戦略、対処すべき課題及び目標とする経営指標①目標とする経営指標当社グループは、2026年3月期から2028年3月期までの3年間を対象とする「中期経営計画2027」を策定し、次の項目を経営目標としております。 売上・利益計画2025年3月期(実績)2026年3月期(実績)2027年3月期(計画)2028年3月期(計画)売上高326億円347億円370億円400億円営業利益8億円15億円20億円25億円経常利益11億円19億円23億円28億円親会社株主に帰属する当期純利益7億円23億円17億円21億円 財務指標2025年3月期(実績)2026年3月期(実績)2027年3月期(計画)2028年3月期(計画)営業利益率2.5%4.6%5.4%6.3%ROE2.4%7.1%5.0%6.0%モビリティ売上高 ※1117億円120億円125億円140億円快適品売上高27億円32億円43億円50億円海外売上高比率43.0%44.0%41.0%41.0%(精密部品)50.0%52.0%47.0%46.0%(生活用品)24.0%19.0%26.0%27.0% ※1.モビリティ売上高は中期経営計画2027(2026年3月期)より集計方法を変更。 非財務指標2026年3月期(実績)2028年3月期(計画)2051年3月期(計画)CO2排出量削減 ※1※2 30%減実質ゼロ女性管理職比率24.0%30%―(国内G)9.7%10%―(海外G)33.6%40%― ※1 削減割合は2019年3月期比、削減対象はスコープ1+2、原単位は売上高百万円当たりのCO2排出量。※2 算定次第、当社WEBサイト内のサステナビリティページにて公開予定。(https://www.rhythm.co.jp/sustainability/) ②経営戦略等中期経営計画2027では「事業モデル確立による新たな成長の実現」フェーズとして、これまでの事業変革への取組みを完遂するとともに、外部環境変化に負けない体質作りを進め、更なる企業価値向上に取り組んでおります。高収益体質への転換を図り、資本効率の改善を進めるため、4つの戦略・基本方針を定めております。 a.事業戦略「事業モデルの競争力強化」前中期経営計画においては、精密部品事業を成長ドライバーと位置づけ、車載関連ビジネスを中心とした拡大を目指してまいりました。また、生活用品事業においては、大きな構造改革に取り組み、「快適品」分野の本格拡大に向けた取組を推進してまいりました。中期経営計画2027においては、これらの事業モデルを確立し新たな成長を実現するフェーズと位置づけ、競争力強化に向けた取組を推進しております。 イ.精密部品事業BEV化は依然として停滞基調にあるものの、HEVの需要は旺盛であり、自動車の電動化、自動化あるいは多機能化は着実に進展しております。電装部品、センサーカメラ部品を得意とする当社には、引き続き追い風となっております。今後もモビリティ分野を最重要分野とし、電装品、ADAS部品に注力してまいります。また「オリジナル部品の開発と汎用化」、金属プレスと樹脂成形技術を併せ持つ強みを活かした「ユニット部品の拡大」、グローバルネットワークを活用した「戦略顧客の深耕」を取組方針として掲げており、こうした方針のもと、ソレノイドコイル等既存部品の販売強化、新規部品への取組推進、生産性向上に取り組んでまいります。 ロ.生活用品事業クロック市場の縮小に伴いクロック依存からの脱却と新たな事業モデルの構築を進めております。中国工場の生産性向上や快適品でのヒット商品(ハンディファン、加湿器)創出等により収益性の改善も進んでおります。引き続きこうした構造改革の成果を確かなものとし、早期収益化と快適品の次なるヒット商品創出に向けて取り組んでまいります。これらを推進するため、大手EC・家電量販店や中国をはじめとするアジア圏での「快適品の販路拡大」、空調分野のラインアップ拡充と新分野への研究開発推進による「快適品の次なるヒット」創出、更なる原価低減に向けた「生産体制の強化」を行い、快適品を製品ポートフォリオの中核に成長させ、売上拡大と収益化を達成してまいります。 b.財務戦略「成長投資と資本効率の向上」引き続き、業績拡大による安定した収益基盤の構築、資本コスト経営の強化を進め、成長ドライバーである精密部品事業への積極投資や、新製品開発など生活用品事業における新たな柱(快適品)の拡大投資、システム・IT投資等、持続的成長に向けた投資を実行してまいります。M&A投資も引き続き重要な成長戦略の一つとして推進してまいります。株主還元についても重要経営課題と認識しております。2025年6月23日に発表いたしました「配当性向(連結)35%以上、DOE(連結純資産配当率)4%以上」の配当方針に基づき、2026年3月期は一株当たり167円60銭(配当性向58.2%)と、増配いたします。また、合わせて発表いたしました株主優待制度の導入など、今後も株主還元の拡充に努めてまいります。資本コスト経営についてはその実践、高度化を進めており、2024年3月には「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」を開示し、2025年3月にはそのアップデートを行いました。引き続き、業績改善による企業価値向上を第一に、資本コストや株価を意識した経営の実現、PBRの向上に努めてまいります。 c.経営基盤戦略「経営の推進力向上」経営基盤戦略をなす人財、IT/DX、ガバナンスの各分野における活動は、経営の推進力を高めるものとして取り組みを強化しております。人財面では、経営戦略を推進する原動力となる人材の確保・育成・適正配置を進めるとともに、未来のリズムを担う経営幹部候補の育成にも取り組んでまいります。IT/DXにおいては、ビジネス変革として圧倒的なビジネススピードの獲得に挑戦し、デジタルネイティブ企業への進化を目指し、管理業務の生成AI導入など徹底的な効率化を目指してまいります。ガバナンス面においては、適切なリスクヘッジと果敢なリスクテイクにより成長の実現を図ってまいります。 d.サステナビリティ戦略「経営・事業活動との同期化」サステナビリティへの取組みは企業活動に不可欠であり、企業存続にも大きな影響ある生き残り戦略の一つとして、その重要性を認識して推進しております。気候変動への対応をはじめとした「環境」と、人権や人的資本等に関する「ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)」を重要なテーマと捉えております。これらの活動を経営・事業活動と同期化させることにより、取組の深化・実効性向上を図ってまいります。環境においては、CO2排出量削減、環境コスト低減を、DEIにおいては、人権尊重を基盤に女性、障がい者等多様な人財の活躍を実現してまいります。 (3) 今後の見通し2027年3月期の当社を取り巻く事業環境は、精密部品事業においては、車載関連や工作機械関連、AIデーターサーバー関連部品の需要は旺盛であり、引き続き堅調な受注を見込んでおります。また、生活用品事業においては、ハンディファン・加湿器を中心とした快適品の生産数量の増大や中国拠点における生産性向上への取組、不採算拠点の閉鎖などの構造改革の効果が顕在化しており、更なる販売拡大、採算化を目指しております。 (4) 2027年3月期の連結業績予想このような環境の中、2027年3月期の連結業績見通しにつきましては、2025年3月24日公表の中期経営計画2027の通り、売上高は370億円(当期比6.5%増)、営業利益は20億円(当期比26.0%増)、経常利益は23億円(当期比16.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億円(当期比26.5%減)を見込んでおります。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては減益となりますが、前年度に計上した不動産売却益等の反動であります。 なお、昨今の中東情勢の緊迫化に伴う地政学リスクの高まりによる原材料の調達難や価格の高騰、サプライチェーンの混乱などの不確実性につきましては、現時点においてその影響額を合理的に算定することは困難であることから、本業績見通しには織り込んでおりません。実際の業績は、今後様々な要因によって予想数値と異なる結果となる可能性があります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績の状況当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日)における国内経済状況は、個人消費や設備投資が下支えとなり、内需主導で緩やかな回復基調が続いている一方で、世界経済においては、米国の関税政策や中国の不動産不況の長期化、ウクライナや中東情勢の混乱等の地政学リスクによるエネルギー価格の更なる上昇など、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような状況のもと、当社グループの業績は、精密部品事業においては海外一部地域での不振はあるもののモビリティ関連部品販売全体は堅調であり、好調な工作機械用部品及び光学機器関連部品に加え、光ケーブル関連新規部品やAIデータサーバー向け部品の需要増により増収となり、生活用品事業においては、ハンディファンや加湿器等の快適品の販売が好調に推移し増収となりました。これらから全体でも増収となりました。利益面におきましては、精密部品事業における売上増加等による増益に加え、生活用品事業における増収、生産効率化進展による大幅な利益改善により、当年度より導入した株主優待費用の発生により販売費及び一般管理費率は悪化したものの、営業利益は大幅な増益となりました。以上のことから、当連結会計年度の売上高は347億55百万円(前期比6.4%増)、営業利益は15億86百万円(前期比94.0%増)となりました。経常利益は、受取配当金等の増加により19億79百万円(前期比70.5%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失を計上したものの固定資産売却益や子会社清算益等の計上により23億11百万円(前期比204.6%増)となりました。 (単位:百万円) 2025年3月期連結会計年度2026年3月期連結会計年度増減額増減率売 上 高精密部品事業24,81326,6791,8657.5%生活用品事業7,4477,5811341.8%その他4054948821.8%計32,66634,7552,0886.4%営業利益又は営業損失(△)精密部品事業2,0712,53646422.4%生活用品事業△764△78685―その他60791931.2%調整額△550△951△400― 計8171,58676894.0%経常利益1,1601,97981870.5%親会社株主に帰属する当期純利益7582,3111,552204.6% セグメント別の状況は次のとおりです。 ①精密部品事業国内では、工作機械用部品及び光学機器関連部品の受注増加に加えて、AIデータサーバー向け部品で旺盛な需要が継続しました。モビリティにおいても、欧州自動車メーカー低迷継続の影響を受けたものの、国内及び北米向けHEV用部品の受注は堅調に推移しました。これらの結果、国内全体では増収増益となりました。海外では、中国、東南アジア地域においてモビリティ関連部品の販売不振が継続しておりますが、ベトナムでの光ケーブル関連新規部品、北米向けOEM製品の受注が好調に推移し全体では増収となりました。利益面では、売上増加に加え、在庫管理の強化など生産性・効率性向上に努めたことにより増益となりました。これらの結果、精密部品事業全体では増収増益となりました。 ②生活用品事業国内では、夏季はハンディファンの販売が大きく伸び、冬季には新発売した加湿器が好評を博した結果、増収となりました。クロックは市場の縮小の影響から販売数が伸びず、減収となりました。利益面においては、円安の影響から営業損失となりましたが、売上増加や原価率の改善から、前年比では大幅に改善しました。海外では、中国における快適品・クロックの販売は好調に推移しましたが、中国を除くアジア地域や前期拠点を閉鎖した北米、欧州での販売が伸びず、売上は減収となりました。利益面では、中国生産拠点の快適品生産数増加による生産効率化が進み、増益となりました。これらの結果、生活用品事業全体では増収となりました。また、利益においては、黒字化には至りませんでしたが、前年から大きく改善いたしました。 ③その他その他事業では、物流事業を営む子会社において前年度第3四半期に稼働した倉庫が通期で業績に貢献、また物販事業を営む子会社において当社製品販売が伸長したこともあり、全体では増収増益となりました。 (2) 財政状態①資産総資産は489億61百万円となり、前連結会計年度末450億93百万円に比べ38億68百万円増加しました。流動資産は、現金及び預金や棚卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ9億68百万円増加しました。固定資産は、生産設備投資やシステム関連投資、投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末に比べ28億99百万円増加しました。 ②負債負債合計は150億24百万円となり、前連結会計年度末137億84百万円に比べ12億39百万円増加しました。流動負債は、1年内返済予定の長期借入金や株主優待引当金の増加等により、前連結会計年度末に比べ4億29百万円増加しました。固定負債は、長期借入金や繰延税金負債の増加等により、前連結会計年度末に比べ8億10百万円増加しました。 ③純資産純資産合計は、339億37百万円となり、利益剰余金やその他有価証券評価差額金の増加等により、前連結会計年度末に比べ、26億28百万円増加しました。 (3) 資本の財源及び資金の流動性についてキャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ7億93百万円増加し、当連結会計年度末には140億13百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の増加等により、33億73百万円の資金の増加(前連結会計年度に比べ9億31百万円の資金の増加)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産や投資有価証券の取得による支出等により、18億62百万円の資金の減少(前連結会計年度に比べ4億3百万円の資金の減少)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得や配当金の支払い等により、10億57百万円の資金の減少(前連結会計年度に比べ23億81百万円の資金の減少)となりました。 (4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの資金需要は、日々の運転資金の他、事業計画に照らして必要な資金として、設備投資、研究開発投資などがあります。設備投資、研究開発投資などの投資資金需要に対しては、主に自己資金を充当し必要に応じて金融機関からの借入または社債の発行等により資金を調達することを基本方針としております。当連結会計年度の設備投資の総額は、14億46百万円、研究開発投資の総額は1億26百万円となり、全額自己資金により充当いたしました。その結果、当連結会計年度末の有利子負債は87億15百万円となり前連結会計年度末と比べて6億98百万円の増加となりました。資金の流動性につきましては、当社グループにおける余剰資金の有効活用に努めるほか、金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、急な資金需要や不測の事態にも備えております。なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は140億13百万円となっており、当社グループの事業活動を推進していくうえで十分な流動性を確保していると考えております。 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。連結財務諸表の作成に際し、当連結会計年度末日における資産・負債の報告数値及び当連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去の実績や当社グループを取り巻く環境等に応じて合理的と考えられる方法により計上しておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。 (6) 生産、受注及び販売の状況①生産実績当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は次のとおりです。 セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)精密部品事業22,328107.0生活用品事業4,517100.4その他--合計26,846105.8 (注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 金額は販売価格によっております。 ②受注実績当連結会計年度におけるセグメントごとの受注実績は次のとおりです。 セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)精密部品事業25,700127.03,271136.4生活用品事業1,45283.4812117.1その他215123.2778.0合計27,369123.64,092131.9 (注)セグメント間取引については、相殺消去しております。 ③販売実績当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は次のとおりです。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)精密部品事業26,679107.5生活用品事業7,581101.8その他494121.8合計34,755106.4 (注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 主な販売先については、総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありませんので、記載を省略しております。
事業リスク
- 為替変動による影響海外事業活動の拡大に伴い、外貨建て取引や債権債務が増加しており、為替レートの変動が経営成績に影響を与える可能性があります。為替予約や通貨オプションでリスクヘッジを行っていますが、急激な変動には対応しきれないリスクがあります。
- 海外生産拠点集中リスク生活用品事業の生産拠点が海外に集中しているため、現地の政治経済情勢の変化、法規制の変更、予期せぬ事象が発生した場合、生産活動や商品供給に支障が生じる可能性があります。これにより、事業展開や経営成績が悪化するリスクがあります。
- 原材料・部品調達リスク製品製造に必要な原材料や部品を外部業者から調達しており、市況変動による価格高騰や品不足、外部業者の事故などにより、調達が困難になる可能性があります。これにより製造原価の上昇や生産停止による売上減少を招き、経営成績や財務状況に悪影響を及ぼすリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 為替変動のリスクについて当社グループの海外拠点における事業活動の拡大に伴い、外貨建取引の増加や外貨建債権債務残高の増大により為替レートの変動による影響を受けやすくなっております。そのため当社グループは為替予約及び通貨オプション等によるリスクヘッジを行うとともに、海外販売の強化を進めておりますが、為替レートの急激な変動により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 生活用品生産拠点の海外集中について当社グループの生活用品事業の製品は、海外生産が中心であるため、海外において政治経済や法規制の変化など予期せぬ事象が発生した場合には、生産活動や商品供給に支障をきたすなど、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 減損リスクについて当社グループの資産の時価が著しく下落した場合や、事業の収益性が悪化した場合には、減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) M&A及び業務提携等に関するリスクについて当社グループは、M&Aや業務提携等を通じた事業強化に取り組んでおります。実行にあたっては対象企業に対する詳細な調査を踏まえた検討を行いますが、事業展開が計画どおり進まない場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 地震等の自然災害や感染症等によるリスクについて世界各地に展開する当社グループの生産拠点、販売拠点及びそれら周辺地域において、大規模な自然災害が発生した場合には、生産活動や商品供給に支障をきたしたり、復旧費用等、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症等のパンデミックが発生し世界経済に影響を及ぼす場合、当社グループの経営成績や財政状態にさらなる悪影響を及ぼす可能性があります。 (6) 原材料や部品の調達に関するリスク当社グループは、製品の製造に使用する原材料や部品を外部業者から調達しており、これらの外部業者とは、安定供給のための協力体制を築いております。しかしながら市況の変化による価格の高騰や品不足、さらには外部業者の不慮の事故等により原材料や部品の不足が生じた場合、製造原価の上昇、さらには生産停止に伴う売上減少を招く等、当社グループの経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 製品の品質に関するリスク当社グループは国際品質マネージメントシステムやそれに準じたシステム、または顧客が求める厳しい基準で、設計、製造、品質管理を行っております。しかしながら万一、品質上の欠陥やそれに起因するリコールが発生し、リコールや製造物責任の追及がなされた場合、多額の費用の発生、また当社グループの評価が低下することに伴う売上の減少を招き、経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (8) その他のリスクについて上記以外でも、国内外の主要市場における貿易規制、経済動向、株式市場や債券市場の大幅な変動などにより当社グループの経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。