事業の概要
- 持株会社体制ウェーブロックホールディングスは、自社では直接事業を行わず、傘下の複数の子会社を管理・統括する「持株会社」という形態をとっています。これにより、グループ全体の経営戦略を立て、各事業会社が効率的に活動できるよう支援しています。主な事業は、プラスチックや繊維を組み合わせた複合素材の製造・販売です。
- 複合素材の製造販売主な事業会社は、様々なプラスチックと繊維を組み合わせた「複合素材」を製造し、販売しています。これらの素材は、建設資材、農業資材、自動車部品、食品容器など、非常に幅広い分野で使われており、多様なニーズに応える製品を提供することで収益を上げています。
- 多角的な事業展開グループ全体で「マテリアルソリューション事業」と「アドバンストテクノロジー事業」の2つの主要な事業を展開しています。これにより、特定の市場や製品に依存することなく、リスクを分散しながら安定的な収益基盤を構築しています。各事業が異なる市場で強みを発揮し、グループ全体の成長を支えています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- マテリアルソリューション事業この事業は、各種合成樹脂製品(シート、フィルム、ネットなど)を製造・販売しており、建設、農業、住宅、食品包材といった幅広い分野に製品を提供しています。売上高は194.7億円、営業利益は9.1億円と、グループの主要な収益源となっています。
- アドバンストテクノロジー事業この事業では、金属調加飾フィルムや高透明二層シート、医療用湿布基材への特殊印刷加工、開封テープなどを製造・販売しています。主に自動車、家電、医療分野向けに展開しており、売上高は60.9億円、営業利益は1.2億円で、成長が期待される分野として経営資源が重点的に投入されています。
- 事業ポートフォリオのバランスウェーブロックグループは、安定した収益を上げるマテリアルソリューション事業と、成長が見込まれるアドバンストテクノロジー事業という異なる特徴を持つ二つの事業を組み合わせることで、事業ポートフォリオのバランスを図っています。これにより、市場の変動リスクを分散し、グループ全体の安定的な成長を目指しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| MaterialSolution | 事業 | 195 | 9 | 4.7% |
| AdvancedTechnology | 事業 | 61 | 1 | 2.0% |
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3【事業の内容】 当社の企業グループは、当社および連結子会社11社、非連結子会社1社、関連会社2社の合計15社で構成されております。当社は持株会社として、事業会社である各子会社の事業活動を管理・統括することおよびそれに附帯する事業を行うことを主たる業務としております。事業会社は各種プラスチックと繊維等を原材料とした複合素材の製造および販売を主たる業務としております。 当連結会計年度末時点での当社グループ各社の事業内容および報告セグメントとその関連は次のとおりです。 (注)1.関連会社で持分法適用会社です。その他は全て連結子会社です。2.持分法適用会社のアァルピィ東プラ株式会社は、当連結会計年度末時点において特定の事業セグメントに帰属していないため、上記に記載しておりません。3.非連結子会社の中央プラスチック工業協同組合は、重要性が乏しいため上記に記載しておりません。 (マテリアルソリューション事業) 当事業は、独自の技術による高品質な各種合成樹脂製品(シート、フィルム、メッシュ、ネット等)を建設資材・住宅資材・産業資材・農業資材・日用雑貨・食品包材等幅広い分野に向け販促を行っており、業界別・製品群別に編成された下記のソリューション営業部に分けることで、市場の変化に対応し、最適なソリューションを提供しております。①ビルディングソリューション:主な製品として、工事用シート・メッシュといった仮設建設資材や、土木・林業資材として利用される植生網や防草フェンス、また、間仕切用資材となるカーテン・シートシャッター等を提供しております。②アグリソリューション:主に農業用向け製品として、厳しい日差しや害虫から農作物を守る遮光・遮熱ネット、防虫ネットや、霜や寒さ対策の保温シート等の各種被覆資材から土壌改良材までを幅広く提供しております。③リビングソリューション:全国のホームセンターを中心に網戸用の替え網や住宅廻りのネット資材、サッシと組合わされ網戸として住宅等に設置される防虫網、農園芸用の被覆資材、関連商品などを提供しております。④パッケージングソリューション:乳製品、菓子、コンビニエンスストア等での弁当容器などの各種食品用パッケージから電子部品用パッケージまでの幅広い製品を提供しております。⑤環境ビジネス(再生可能エネルギー活用ソリューション):お客様の熱エネルギーの課題に対し、地中熱をはじめとした再生可能エネルギー活用に関する製品、商品、関連施工工事を提供しております。 当事業は、(株)イノベックス、(株)エイゼンコーポレーション、大連嘉欧農業科技有限公司、Wavelock International (Thailand)Co.,Ltd.、(有)ミネ、掛川ソーイング(株)、威海精誠物流有限公司が担当しております。 以上で述べたマテリアルソリューション事業の事業系統図は以下のとおりです。 (アドバンストテクノロジー事業) 当事業は、金属調加飾フィルム分野として、特殊金属を蒸着したフィルムを使用した金属調テープを自動車外装用に、同じく特殊金属蒸着フィルムを使用した金属調加飾フィルムを自動車・自動二輪向け、家電、雑貨向け部品外装用に製造・販売しております。また、自動車や家電分野のディスプレー向け高透明二層シートの製造・販売、医療用湿布基材に対する特殊印刷加工、および、消費財用包装材や段ボールなどの包装材を簡易に開封できる開封テープの販売等を行っております。 当事業の製品は、自動車、家電業界の2次加工メーカーや1次サプライヤーでの加工、組み立てを経て、最終メーカーでの製品化の後、最終ユーザーに提供され、商流には商社等が介在する場合もあります。 当事業は、(株)ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジー、Wavelock Korea Co.,Ltd.、Wavelock Advanced Technology Inc.、Wavelock Advanced Technology GmbH.、Wavelock Advanced Technology India Pvt Ltd.が担当しております。 以上で述べたアドバンストテクノロジー事業の事業系統図は以下のとおりです。 なお、当社は、「有価証券の取引等の規制に関する内閣府令」第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については、連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 樹脂材料価格高騰時に製品価格への転嫁が進まない場合、粗利が大幅に低下する恐れがあるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 独自の技術による高品質な各種合成樹脂製品(シート、フィルム、メッシュ、ネット等)の製造。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:原材料調達の特定メーカー依存とコスト上昇リスク / 生産設備の長期停止による供給停止リスク / 自然災害による生産能力低下リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
特定のブランド力や特許による独占的IPの強さは不明。一部の機能性フィルム等で技術的優位性を持つ可能性はあるが、広範な無形資産の存在は確認できない。
スイッチングコスト★★☆☆☆
顧客が特定の機能性フィルムや接着剤に慣れている場合、切り替えには一定のコストや手間が発生する可能性がある。しかし、代替品の存在や価格競争力によってはスイッチングコストは限定的。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ネットワーク効果が事業の競争優位性に寄与する要素は見当たらない。製品・サービスは個別の取引に依存する。
コスト優位★★☆☆☆
化学品製造における規模の経済や効率的な生産プロセスによるコスト優位性は存在する可能性がある。しかし、原料価格の変動や競合他社のコスト構造によっては、持続的なコスト優位性は限定的。
規模の経済★★★☆☆
機能性フィルムや接着剤分野において、一定の生産規模と市場シェアを有している。これにより、効率的な生産とサプライチェーン管理が可能となり、業界内での一定の地位を確立している。
- 多様な素材と技術の融合ウェーブロックグループは、樹脂、紙、糸、金属など多様な素材と、接着、ラミネート、印刷、蒸着といった幅広い加工技術を組み合わせることで、高付加価値な製品を生み出しています。この「マテリアルシナジー」と呼ばれる独自の技術力は、他社には真似できない製品開発を可能にし、競争優位性となっています。
- 幅広い市場への対応力マテリアルソリューション事業では、建設、農業、住宅、食品包材など多岐にわたる分野に製品を提供しており、特定の業界の景気変動に左右されにくい事業構造を持っています。これにより、市場の変化に柔軟に対応し、安定した収益を確保できる可能性があります。
- グローバルな事業展開韓国、中国、北米、欧州、タイなど海外にも拠点を持ち、国際的な事業活動を展開しています。これにより、国内市場の成熟や価格競争の激化といった課題に対し、海外市場での成長機会を取り込むことで、事業規模の拡大とリスク分散を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 収益性と効率性の重視ウェーブロックグループは、安定的かつ継続的な成長を長期目標とし、利益率、ROE(自己資本利益率)、ROIC(投下資本利益率)といった収益性や効率性を重視した経営を目指しています。これにより、株主価値の最大化と持続的な企業価値向上を図る方針です。
- マテリアルシナジーの追求異なる素材や技術、事業、成長手段、地域、パートナー企業を組み合わせる「マテリアルシナジー」を事業キーワードとしています。これにより、新たな価値創造、事業ポートフォリオの最適化、スピーディーな成長、リスク分散、そして協力関係の強化を目指し、競争力を高めています。
- 多角化と新規事業探索既存事業領域の深化と新規領域の探索を通じて多角化を進めるとともに、「樹脂の加工」に限定せず、既存事業以外の分野での新規事業探索にも積極的に取り組む方針です。これにより、将来の成長ドライバーを確保し、持続的な企業成長を目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針 当社は、安定的且つ継続的な成長を長期的目標とし、中長期的視野に立った事業ポートフォリオの構築を重視し、既存事業の強化と新規事業の確立を車の両輪と捉え、バランスの取れた資源配分・事業展開を目指しております。 この方針を明確化するために、2021年4月にグループのビジョン・ミッション・バリューズを新たに制定いたしました。 「ビジョン」とは、実現を目指す、将来のありたい姿であり、ウェーブロックグループのステークホルダーの幸せを最大化するために、業界の中でも世界トップクラスの収益性を誇る存在感のある企業になることを目指します。 「ミッション」とは、企業が果たすべき使命・存在意義であり、ウェーブロックグループの製造技術、ノウハウ、ビジネス上のリレーションやネットワークを駆使して、社会が抱えるさまざまな「不」を解決することを目指します。 「バリューズ」とは、組織の共通の価値観であり、個人を尊重し、正直であり誠実に行動し、前向きな失敗は問わない、とするものです。 このような方針のもと、当社グループは、安定的成長を前提とした長期利益の獲得を企図し、利益率やROE、ROIC等、収益性や効率性を重視した経営を行っていくことを目指します。 (2)経営戦略等 当社グループは「異なる特徴を持つモノを複数組み合わせることで新たな価値を生み出すこと」すなわち『マテリアルシナジー』を事業キーワードとして、売上の伸張、収益性の向上、および事業領域の拡大に取り組んでおります。 当社グループが特に重視している「組み合わせ」は以下の5つです。 第一に、技術や素材の「組み合わせ」です。当社グループの製品は樹脂を中心に、異なる性質を持つ素材の組み合わせや、複数の加工を加えることで付加価値を提供しています。素材としては樹脂、紙、糸、金属等、技術としては接着、溶着、ラミネート、表面加工、印刷、エンボス加工、編織、蒸着、発泡等であり、それらを複数組み合わせて製商品を提供しております。 第二に、事業の「組み合わせ」です。複数の異なる事業を組み合わせることで、1つの業界、1つの市場の趨勢だけで会社全体の命運が左右されないような事業ポートフォリオの構築に努めております。また、事業の成熟度・成長性のステージが違う事業を組み合わせることで、成熟した事業が生み出すキャッシュ・フローを、成長が期待できる分野へ投入することも可能となります。 第三に、成長手段の「組み合わせ」です。スピードある成長を可能にするM&Aやパートナー企業との事業提携、JVの設立などの外的成長と、雇用の創出・士気高揚につながる内的成長(オーガニックグロース)の組み合わせをバランス良く取り入れることが重要だと考えています。 第四に、ジオグラフィック上の「組み合わせ」です。事業を展開する地域に関しても、特定地域に集中せずバランスが重要と考えております。工場および事業所、海外子会社等は、日本国内においてのみならず、海外においても1つの国や地域に集中しないよう意識しております。 第五に、パートナー企業の「組み合わせ」です。当社グループの製品の多くは中間加工製品です。このため、前工程(材料メーカー、シートメーカー等)、後工程(加工メーカー、最終メーカー等)に携わる企業との継続的な協力関係が極めて重要と考えております。単なる取引先という関係ではなく「パートナー」としての友好関係が重要であり、分野ごとに、国内・国外を問わず、パートナー企業との関係作り、関係強化は当社グループの業績の成否に直結します。 また、多角化戦略として、マテリアルソリューション事業、アドバンストテクノロジー事業それぞれの事業領域において、既存領域分野における深化と新規領域分野の探索を通じて、多角化を実現するとともに、2既存事業以外の分野における新規事業の探索も「樹脂の加工」に拘らず行っていく所存です。 (3)経営環境 当社グループの事業領域の中心である日本国内の樹脂製品、樹脂加工業界および当社グループは、近年、以下にあげる構造的な状況に直面しております。 第一に、当社グループの事業は、主として建設資材、住宅資材、農業資材等の国内の成熟市場に依拠しており、今後の人口減少に伴い、市場全体の成長性が乏しいことがあげられます。 第二に、成熟した国内市場に海外からの廉価品が輸入され、価格競争が激化しております。 第三に、当社グループの製品は、原材料に占める樹脂依存度が高く、その収益性を樹脂材料の価格に大きく依存しております。とりわけ、昨今のナフサ価格の高騰と高止まりは当社製品製造における原価上昇に直結し、利益率を下げる要因となっております。近年におきましても、世界における樹脂の需給状況や為替等により原材料価格の動向は極めて変動的であり、加えて、主要原材料メーカーの統合により当社グループの価格交渉力が低下していることが、収益性に大きく影響する可能性があります。 このような経営環境の下で、当社グループは、上述した経営方針・経営戦略のもと、売上の伸長、収益性の向上、および事業領域の拡大に取り組んでおります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、以下のような課題に優先的に取り組んでまいります。①事業戦略の見直し:事業ポートフォリオのゼロベースでの見直しと製品の取捨選択②ハード(製品)だけでなく、ソフトやサービスとの三位一体化による差別化、収益化③生産合理化による継続的なコストダウン④原材料価格上昇に伴う製造原価上昇をカバーする製品価格への転嫁⑤海外関連ビジネスの強化:日本依存度の低減⑥組織の再編と人材強化 マテリアルソリューション事業においては、生産性の向上・資材調達の見直し等による全般的なコスト削減を進め、同時に、一定の利益率を維持するために、原材料価格の上昇に伴う製品原価上昇をカバーする製品価格への転嫁など、機動的に対応することで競争力を強化しつつ、成熟した国内市場でのプレゼンスの向上に努めます。また、採算性の良い製品の一層の充実を図るための商材の選択と集中に努めつつ、市場のニーズを捉えた新製品を投入するため、技術開発や海外の廉価原材料の調達、海外企業への技術指導や提携等による高品質な製商品の輸入等、海外への積極的な展開を図ります。 アドバンストテクノロジー事業においては、成長が見込まれる金属調加飾フィルム分野への経営資源の重点投入と収益の拡大を最優先課題として取り組みながら、世界市場に対応できる独自の差別化された高付加価値製品の開発や新商材の発掘を進めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針 当社は、安定的且つ継続的な成長を長期的目標とし、中長期的視野に立った事業ポートフォリオの構築を重視し、既存事業の強化と新規事業の確立を車の両輪と捉え、バランスの取れた資源配分・事業展開を目指しております。 この方針を明確化するために、2021年4月にグループのビジョン・ミッション・バリューズを新たに制定いたしました。 「ビジョン」とは、実現を目指す、将来のありたい姿であり、ウェーブロックグループのステークホルダーの幸せを最大化するために、業界の中でも世界トップクラスの収益性を誇る存在感のある企業になることを目指します。 「ミッション」とは、企業が果たすべき使命・存在意義であり、ウェーブロックグループの製造技術、ノウハウ、ビジネス上のリレーションやネットワークを駆使して、社会が抱えるさまざまな「不」を解決することを目指します。 「バリューズ」とは、組織の共通の価値観であり、個人を尊重し、正直であり誠実に行動し、前向きな失敗は問わない、とするものです。 このような方針のもと、当社グループは、安定的成長を前提とした長期利益の獲得を企図し、利益率やROE、ROIC等、収益性や効率性を重視した経営を行っていくことを目指します。 (2)経営戦略等 当社グループは「異なる特徴を持つモノを複数組み合わせることで新たな価値を生み出すこと」すなわち『マテリアルシナジー』を事業キーワードとして、売上の伸張、収益性の向上、および事業領域の拡大に取り組んでおります。 当社グループが特に重視している「組み合わせ」は以下の5つです。 第一に、技術や素材の「組み合わせ」です。当社グループの製品は樹脂を中心に、異なる性質を持つ素材の組み合わせや、複数の加工を加えることで付加価値を提供しています。素材としては樹脂、紙、糸、金属等、技術としては接着、溶着、ラミネート、表面加工、印刷、エンボス加工、編織、蒸着、発泡等であり、それらを複数組み合わせて製商品を提供しております。 第二に、事業の「組み合わせ」です。複数の異なる事業を組み合わせることで、1つの業界、1つの市場の趨勢だけで会社全体の命運が左右されないような事業ポートフォリオの構築に努めております。また、事業の成熟度・成長性のステージが違う事業を組み合わせることで、成熟した事業が生み出すキャッシュ・フローを、成長が期待できる分野へ投入することも可能となります。 第三に、成長手段の「組み合わせ」です。スピードある成長を可能にするM&Aやパートナー企業との事業提携、JVの設立などの外的成長と、雇用の創出・士気高揚につながる内的成長(オーガニックグロース)の組み合わせをバランス良く取り入れることが重要だと考えています。 第四に、ジオグラフィック上の「組み合わせ」です。事業を展開する地域に関しても、特定地域に集中せずバランスが重要と考えております。工場および事業所、海外子会社等は、日本国内においてのみならず、海外においても1つの国や地域に集中しないよう意識しております。 第五に、パートナー企業の「組み合わせ」です。当社グループの製品の多くは中間加工製品です。このため、前工程(材料メーカー、シートメーカー等)、後工程(加工メーカー、最終メーカー等)に携わる企業との継続的な協力関係が極めて重要と考えております。単なる取引先という関係ではなく「パートナー」としての友好関係が重要であり、分野ごとに、国内・国外を問わず、パートナー企業との関係作り、関係強化は当社グループの業績の成否に直結します。 また、多角化戦略として、マテリアルソリューション事業、アドバンストテクノロジー事業それぞれの事業領域において、既存領域分野における深化と新規領域分野の探索を通じて、多角化を実現するとともに、2既存事業以外の分野における新規事業の探索も「樹脂の加工」に拘らず行っていく所存です。 (3)経営環境 当社グループの事業領域の中心である日本国内の樹脂製品、樹脂加工業界および当社グループは、近年、以下にあげる構造的な状況に直面しております。 第一に、当社グループの事業は、主として建設資材、住宅資材、農業資材等の国内の成熟市場に依拠しており、今後の人口減少に伴い、市場全体の成長性が乏しいことがあげられます。 第二に、成熟した国内市場に海外からの廉価品が輸入され、価格競争が激化しております。 第三に、当社グループの製品は、原材料に占める樹脂依存度が高く、その収益性を樹脂材料の価格に大きく依存しております。とりわけ、昨今のナフサ価格の高騰と高止まりは当社製品製造における原価上昇に直結し、利益率を下げる要因となっております。近年におきましても、世界における樹脂の需給状況や為替等により原材料価格の動向は極めて変動的であり、加えて、主要原材料メーカーの統合により当社グループの価格交渉力が低下していることが、収益性に大きく影響する可能性があります。 このような経営環境の下で、当社グループは、上述した経営方針・経営戦略のもと、売上の伸長、収益性の向上、および事業領域の拡大に取り組んでおります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、以下のような課題に優先的に取り組んでまいります。①事業戦略の見直し:事業ポートフォリオのゼロベースでの見直しと製品の取捨選択②ハード(製品)だけでなく、ソフトやサービスとの三位一体化による差別化、収益化③生産合理化による継続的なコストダウン④原材料価格上昇に伴う製造原価上昇をカバーする製品価格への転嫁⑤海外関連ビジネスの強化:日本依存度の低減⑥組織の再編と人材強化 マテリアルソリューション事業においては、生産性の向上・資材調達の見直し等による全般的なコスト削減を進め、同時に、一定の利益率を維持するために、原材料価格の上昇に伴う製品原価上昇をカバーする製品価格への転嫁など、機動的に対応することで競争力を強化しつつ、成熟した国内市場でのプレゼンスの向上に努めます。また、採算性の良い製品の一層の充実を図るための商材の選択と集中に努めつつ、市場のニーズを捉えた新製品を投入するため、技術開発や海外の廉価原材料の調達、海外企業への技術指導や提携等による高品質な製商品の輸入等、海外への積極的な展開を図ります。 アドバンストテクノロジー事業においては、成長が見込まれる金属調加飾フィルム分野への経営資源の重点投入と収益の拡大を最優先課題として取り組みながら、世界市場に対応できる独自の差別化された高付加価値製品の開発や新商材の発掘を進めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①経営成績 当連結会計年度における我が国経済は、米国の通商政策等の影響が一部にみられたほか、物価高騰の影響等により個人消費の持ち直しに鈍さがみられたものの、雇用・所得環境の改善等を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、資源価格や原材料価格が高水準で推移しているほか、円安基調の継続や金利上昇への警戒感、米国の関税等の政策動向の影響に加えて、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格への影響懸念等もあり、依然として先行きは不透明な状況が続いております。 このような状況のもと、当社グループでは、原材料価格やエネルギーコストの高止まり、EV市場の成長鈍化、米国通商政策の不透明感等、厳しい事業環境の中、生産効率の向上、低収益製商品の戦略見直し、高付加価値製品の開発や新規事業の開拓等に積極的に取り組んでまいりました。また、マテリアルソリューション事業では有限会社ミネのグループ化、アドバンストテクノロジー事業でのインド現地法人Wavelock Advanced Technology India Pvt Ltd.の営業開始等、収益基盤の強化を図ってまいりました。 この結果、当社グループ全体の売上高は251億37百万円(前年同期比1.7%減)、営業利益は4億45百万円(前年同期比9.9%増)、経常利益は6億65百万円(前年同期比4.6%減)、公開買付関連費用等の計上により親会社株主に帰属する当期純利益は3億2百万円(前年同期比42.0%減)となりました。 当連結会計年度における各セグメントの経営成績は以下のとおりであります。 なお、各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。 (マテリアルソリューション事業) マテリアルソリューション事業については、ビルディングソリューション分野において、仮設資材用ターポリン、雑貨用フィルムおよび衣料用途については低調に推移したものの、仮設資材用メッシュシートおよび間仕切用シート等の販売が好調に推移しました。アグリソリューション分野においては、猛暑の影響に加え、お茶事業の好調などを背景に、遮光網等の需要が高水準で推移しました。リビングソリューション分野においては、防虫網の販売がホームセンターおよびサッシメーカー向けにおいて、前年度同様低調に推移しました。パッケージングソリューション分野においては、物価高を背景にコンビニ向け食品容器の需要が低下し、販売数量が減少しました。この結果、事業全体の売上高は198億54百万円(前年同期比1.7%増)となりました。また、原材料価格やユーティリティコストの高騰を受けて、販売価格への転嫁に注力したことや、生産効率の向上による原価低減や継続的なコスト削減に努め、セグメント利益は10億1百万円(前年同期比10.0%増)となりました。 (アドバンストテクノロジー事業) アドバンストテクノロジー事業については、拡大するインド市場に注力することを目的として現地に営業拠点を設立し、2025年4月より活動を開始いたしました。デコレーション&ディスプレー分野において、金属調加飾フィルムおよび高透明多層フィルムともに既存製品の量産供給を継続する一方、新規案件については車載エンブレム用途を中心に量産供給を開始しました。金属調加飾フィルムは、欧州市場における車両外装大型パーツの量産移行や、インド市場での新規車載エンブレム用途の需要増加等により一部地域においては好調に推移したものの、中国市場では採用車種の生産調整の影響によりエンブレム用途の販売が大幅に減少しました。また北米市場においては追加関税措置やEV車優遇政策の打ち切り等の影響により、車載向け金属調加飾フィルムおよび成形加工品の販売が減少しました。高透明多層フィルムについては、車両内装ディスプレー、加飾パーツ、HUD(ヘッドアップディスプレー)カバーおよびEV充電スタンドカバー等に採用され量産化が進みましたが、採用車種の一部における減産等の影響を受け、販売は低調に推移しました。この結果、事業全体の売上高は53億23百万円(前年同期比12.7%減)となりました。また、品質の安定化と生産効率の向上やコスト削減に努めたものの、セグメント利益は60百万円(前年同期比50.2%減)となりました。 ②財政状態(資産) 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ8億48百万円増加し、300億35百万円となりました。 流動資産は3億7百万円増加し、180億76百万円となりました。これは主に受取手形が1億48百万円、電子記録債権が1億73百万円、製品が4億97百万円減少したものの、現金及び預金が8億93百万円、原材料が1億62百万円、仕掛品が1億52百万円増加したことによるものであります。 固定資産は5億41百万円増加し、119億59百万円となりました。これは主に有形固定資産が3億66百万円、無形固定資産が67百万円、投資有価証券が86百万円増加したことによるものであります。 (負債) 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ8億18百万円増加し、133億2百万円となりました。 流動負債は15億88百万円増加し、82億89百万円となりました。これは主に短期借入金が17億円増加したことによるものであります。 固定負債は7億70百万円減少し、50億12百万円となりました。これは主に長期借入金が8億4百万円減少したことによるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ30百万円増加し、167億33百万円となりました。これは主に退職給付に係る調整累計額が1億91百万円減少したものの、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により1億74百万円、為替換算調整勘定が22百万円、その他有価証券評価差額金が9百万円増加したことによるものであります。 ③キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して8億90百万円増加し41億12百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。 営業活動の結果得られた資金は12億23百万円(前年同期は22億28百万円の収入)となりました。これは、持分法による投資損益2億61百万円、仕入債務の減少額3億36百万円、法人税等の支払額1億94百万円等の資金の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益5億6百万円、減価償却費8億94百万円、売上債権の減少額5億37百万円の資金の増加要因があったことによるものであります。 投資活動の結果使用した資金は11億91百万円(前年同期は13億66百万円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出11億36百万円の資金の減少要因があったことによるものであります。 財務活動の結果得られた資金は8億72百万円(前年同期は1億72百万円の支出)となりました。これは、短期借入金の返済による支出85億円、長期借入金の返済による支出13億78百万円等の資金の減少要因があったものの、短期借入れによる収入102億円、長期借入れによる収入7億円等の資金の増加要因があったことによるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)前年同期比(%)マテリアルソリューション11,382,12699.2アドバンストテクノロジー3,085,58394.9合計14,467,70998.2 (注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。2.金額は、実際原価によっております。 b.仕入実績 当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)前年同期比(%)マテリアルソリューション3,677,079106.4アドバンストテクノロジー1,226,09869.6合計4,903,17893.9 (注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。2.金額は、仕入価格によっております。 c.受注実績 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)マテリアルソリューション9,774,481111.61,434,995126.0アドバンストテクノロジー4,251,35285.781,75569.4合計14,025,834102.21,516,751120.7 (注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。2.金額は標準原価によっております。 d.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)前年同期比(%)マテリアルソリューション19,814,060101.8アドバンストテクノロジー5,323,01287.3合計25,137,07398.3 (注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、当連結会計年度においては、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)(株)エフピコ2,610,85510.2-- (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループは、マテリアルソリューション事業においては、生産性の向上、資材調達の見直し、生産設備の改造、生産工程計画の見直し等を通じてコスト削減を進め、競争力を強化しつつ、市場ニーズに合った新製品を上市することで、市場でのプレゼンスの向上や収益改善に努めてまいりました。さらに、一定の利益率を維持するため、原材料価格の上昇に伴う製品価格への適切な価格転嫁を引き続き進めてまいりました。また、アドバンストテクノロジー事業においては、自動車、家電等の注力する業界の世界的なニーズに臨機応変に対応し、販売面においては自ら積極的に市場開拓するとともに、製造面においては製品品質の安定化を図り、収益の拡大を目指してまいりました。 この結果、当社グループ全体の売上高は251億37百万円(前年同期比1.7%減)、営業利益は4億45百万円(前年同期比9.9%増)、経常利益は6億65百万円(前年同期比4.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億2百万円(前年同期比42.0%減)となりました。 売上高については、農業向け遮熱・遮光網等が堅調に推移したものの、自動車向け製品において、中国市場での生産調整および北米市場での追加関税措置やEV車優遇政策の打ち切り等の影響を受け販売が減少したことにより、減収となりました。営業利益については、自動車向け製品の販売数量減少の影響を受けましたが、生産効率向上やコスト削減、原材料価格等の上昇分の価格転嫁に注力し、グループ全体としては営業増益となりました。 なお、セグメントごとの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。 (マテリアルソリューション事業) マテリアルソリューション事業については、ホームセンターやサッシメーカー向け防虫網の販売は低調に推移したものの、園芸用品については堅調に推移しました。また、全国的な猛暑の影響により農業向け遮熱・遮光網等が堅調に推移したことに加えて、抹茶人気を背景とした茶葉生産用遮光網の需要も好調に推移しました。一方、食品容器については、コンビニ向け弁当容器の需要が物価高を背景に低調に推移しました。このような事業環境の中、生産効率向上やコスト削減等による原価低減に努め、原材料価格およびユーティリティコスト上昇分の価格転嫁に注力した結果、増収増益となりました。 また、新たな成長分野として地中熱事業に取り組んでおり、当連結会計年度においては、大口施工案件の受注獲得に向けた体制強化および実績の積み上げを進めました。次年度以降は営業活動をさらに強化することで、更なる成長を見込んでおります。 (アドバンストテクノロジー事業) アドバンストテクノロジー事業については、高透明多層フィルムは、採用車種の一部における減産等の影響を受け販売が低調に推移しました、金属調加飾フィルムについては、インド市場での新規車載エンブレム用途における需要増加等があったものの、中国市場では、採用車種の生産調整の影響等によりエンブレム用途での販売が大幅に減少しました。また、北米市場においては、追加関税措置やEV車優遇政策の打ち切り等の影響により、車載向け金属調加飾フィルムおよび成形加工品の販売が大幅に減少しました。 こうした販売数量の減少による影響に対し、生産工程の見直し等による生産効率の改善、収率の向上やコスト削減に努めてまいりましたが、前事業年度比で減収減益となりました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料および商品の購入費用、製品製造のための費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものであります。 当社グループは、運転資金および設備投資資金につきましては、自己資金または金融機関からの借入によって調達することとしております。 このうち、金融機関からの借入による資金調達に関しましては、基本的に固定金利によって調達しております。長期借入金以外の資金調達については、金融機関の借入枠の実行によるものがあります。 当連結会計年度末における資金は、前連結会計年度末に比べ8億90百万円増加し、41億12百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが12億23百万円の収入(前年同期は22億28百万円の収入)、投資活動によるキャッシュ・フローが11億91百万円の支出(前年同期は13億66百万円の支出)、財務活動によるキャッシュ・フローが8億72百万円の収入(前年同期は1億72百万円の支出)であります。 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移 2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)56.456.955.4時価ベースの自己資本比率(%)20.817.029.3キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)38.22.95.3インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)3.844.218.5自己資本比率 :自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー/利払い ※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これら連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値および報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りおよび仮定設定を行わねばなりません。経営者は、債権、棚卸資産、投資、繰延税金資産、退職給付等に関する見積りおよび判断について、継続して評価を行っており、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行っております。また、その結果は資産・負債の簿価および収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これら見積りと異なる場合があります。 特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。 なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。 a.貸倒引当金 当社グループは、一般債権については貸倒実績率等による計算の結果、合理的に引当金額を算定しております。また、貸倒懸念債権等特定の債権に関しては個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を算定しております。 b.棚卸資産 当社グループの保有する棚卸資産について、「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号)に基づき、処理を実施しております。回収可能価額の評価を行うに当たっては、製品、商品について正味売却価額に基づき収益性の低下を検討しております。将来における実際の需要または市況が見積りより悪化した場合は、追加の評価損の計上が必要となる可能性があります。 c.固定資産の減損 当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会))および「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号)を適用しております。将来、企業収益が大幅に低下する場合、経済環境の著しい悪化および市場価格の著しい下落等により、固定資産の減損処理が必要となる可能性があります。 d.投資有価証券、関係会社株式の減損 当社グループは、長期的かつ戦略的な取引関係維持を目的に特定の取引先の株式を所有しております。これら株式には上場株式と非上場株式が存在します。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、減損処理を行っております。上場株式については、時価が取得原価の50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、当該金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。非上場株式および関係会社株式については、実質価額が取得原価の50%以上下落した場合に、当該金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。 e.繰延税金資産 当社グループは、繰延税金資産について将来の課税所得および税務計画につき検討し、繰延税金資産の全部または一部について、回収可能性がないものと判断した場合は、当該判断を行った期間に繰延税金資産の取り崩しを行います。 f.退職給付費用 当社グループは、従業員退職給付費用および退職給付に係る債務を数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これら前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、死亡率等が含まれます。割引率は日本の国債の市場利回りを参考に決定しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。当社グループの当連結会計年度末における退職給付に係る負債は17億27百万円であり、当連結会計年度の退職給付費用は△1億22百万円です。当連結会計年度末に発生した数理計算上の差異は23百万円であり、翌連結会計年度に一括収益処理いたします。現在、当社グループの割引率は1.54%を適用しております。
事業リスク
- 原材料調達と価格変動一部の原材料を特定のメーカーに依存しているため、調達が困難になったり、代替品の使用でコストが増加するリスクがあります。また、樹脂材料価格が原油やナフサの相場に連動して高騰した場合、製品価格への転嫁が遅れると利益率が大幅に低下する可能性があります。
- 生産設備と自然災害一部の製品は専用設備で生産されており、設備の長期停止が発生した場合、製品供給が滞るリスクがあります。特にマテリアルソリューション事業の主要工場が東海・東南海地震の想定震源地に近い静岡県西部に集中しており、大規模な自然災害が発生すると生産能力に甚大な影響が出る可能性があります。
- 海外事業と為替変動海外での事業展開は、地域特有のビジネスリスクや法規制、為替レートの変動に影響を受けます。特に、外貨建て資産や取引が増加する中で為替相場が大きく変動した場合、業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、特定の取引先への依存もリスク要因です。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。これらのリスクについては、その発生可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針であります。なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針に係る事項① 原材料等の仕入について 当社グループの一部の原材料はある特定メーカーに供給を依存しており、何らかの事情により、希望する納期、数量の原材料調達が不可能な場合には、代替原材料の使用によるコスト上昇のリスクが存在します。また、即時に代替品の調達が難しい場合、長期間製品販売が不可能となるリスクがあり、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、一部の樹脂材料価格は、原油やナフサの相場価格に連動して上下しますが、短期間での高騰が起きたにもかかわらず、当社の製品価格への転嫁が進まなかった場合、粗利が大幅に低下する恐れがあります。 ② 生産設備について 当社グループの一部製品の生産においては、当面の需要予測および経済性に鑑み、専用生産設備の重複化が図られていないものがあります。かかる設備を含め全ての生産設備について、適宜必要なメンテナンスを行っておりますが、何らかの事情により当該生産設備の長期停止を余儀なくされた場合、当該製品の供給が一時的に停止し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、製品供給の拡大・安定化を目指し、新規設備投資・設置の計画がありますが、外部環境等の変化により、その設備設置に遅れが生じる可能性があります。 ③ 自然災害の影響について 当社グループの生産工場や外注加工場は、分散されて設置されておりますが、マテリアルソリューション事業の生産工場や外注加工工場は東海・東南海地震の震源地に想定されている静岡県西部に集中しております。主要設備の建屋に関しては、耐震構造を有しておりますが、震災の被害を完全に防止できない可能性があります。同地区での震災発生により、マテリアルソリューション事業の工場が甚大な被害を被った場合、製品生産能力が低下するリスクがあります。また、同工場は浜岡原子力発電所からおよそ20kmの圏内にあり、何らかの理由により同発電所で災害が発生し避難区域等に指定された場合、長期間製造が不可能になる可能性があります。 上記を含め、不測の大規模地震や台風等の自然災害の発生により、当社グループの生産設備への被害、製品輸送時や外部倉庫保管中の被害等が生じた場合、工場の操業や顧客への製品供給に支障が生じ、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 在庫等の状況について 当社グループのうち、マテリアルソリューション事業における編織製品は計画生産を行っており、実際の販売が計画から乖離した場合、一時的に製商品在庫が増加する可能性があります。編織製品以外は受注生産を行っており、製品在庫リスクは基本的にありませんが、生産ロットや歩留りの兼ね合いで受注数量以上に製品が製造され、過剰生産分に関して一般条件と異なる条件での販売による損失計上や破棄等の処分による在庫処分損計上等を余儀なくされた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に係る事項① 財政構造について 当社グループの売上高は手形による回収が多く、仕入決済は現金決済がほとんどであります。よって、急速に売上高が伸長した場合は、必要な運転資金が増加する可能性があり、資金繰りに支障を来した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 固定資産の減損について 当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。将来、当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、減損損失が発生し、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 繰延税金資産について 当社グループは将来の課税所得に関する予測・仮定に基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断を行っております。将来の課税所得の予測・仮定が変更され、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 退職給付債務について 当社グループの退職給付債務および退職給付費用は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回り等に基づき算出しております。金利環境の変動、退職給付制度の変更等に伴い、退職給付費用が変動した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 原材料費の変動について 当社グループの主原料は石化原料であり、原材料費はナフサ価格や為替の変動により影響を受けます。この原材料費の変動は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 為替レートの変動について 当社グループは、韓国、中国、北米、欧州その他の地域における事業活動を展開しております。今後、海外企業への投資および海外での事業展開に伴い外貨建資産および外貨建取引が増加し、為替相場が大きく変動した場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、マテリアルソリューション事業の編織製品における輸入商品およびアドバンストテクノロジー事業における輸出製品においては、取扱いが多いため、為替変動リスクをヘッジする目的で、為替予約取引を行っております。ただし、この為替予約取引はデリバティブに該当し、時価評価の対象となっているため、今後の為替変動によっては、為替評価損の計上により当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 海外展開について 海外展開においては、為替リスクに加え、地域特性によるビジネスリスクや法規制等が多岐にわたり存在し、当社グループはこれらのリスクを最小限にすべく十分な対策を講じた上で海外展開を進めますが、予測困難なビジネスリスクや法規制等によるリスクが発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また昨今の東欧圏における紛争により、原油価格上昇による原材料価格への影響や国際物流に対するリスクが発生することが考えられます。 ⑧ 特定の取引先への依存について 当社グループは多数の販売先を有しておりますが、当連結会計年度においては連結売上高の34.4%を上位10社に依存しております。これら依存度の高い取引先とは現在良好な関係を維持しておりますが、何らかの事情によりこれら販売先との商権を逸失した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)法的規制、規則、取引慣行等に係る事項① 石化原料に関する規制及びその他の一般的法規制等について 当社グループの事業は、石化原料を主たる材料としている関係から「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」の適用を受けており、一部の製品に関しては「建築基準法」、「食品衛生法」等様々な法令、政令、省令等の規制を受けております。これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの事業活動が制限される可能性、および製造方法の変更等によりコストが増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 製品の欠陥に伴う損害賠償等について 当社グループは厳格な品質管理の基に製品製造を行っており、製品の品質検査についても一般的に妥当とされる基準に則り実施しておりますが、製品の性格上、全数検査は極めて困難であるため抜き取り検査によっております。出荷済み製品に対して重大な欠陥によるクレームが発生し、保険による補償額を超えた損害賠償を請求された場合、賠償金支払いにより業績に影響を与える可能性があります。また、このような欠陥が発生した場合、材料・製造方法の転換や、これに伴う設備投資が発生する可能性もあります。加えて、これら改善策の実行に時間が掛かる場合、当該製品の売上を喪失するリスクも想定されます。 ③ 従業員による発明の対価について 当社グループは従業員の発明等に対する社内報奨制度を採用しております。該当する発明等には当該制度に則り報奨金の支払い等を行っておりますが、今後何らかの事情により従業員等から訴えられ、当該裁判の結果、多額の発明対価を支払うこととなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。