事業の概要
- 多角的な事業展開セイコーグループは、時計や宝飾品を扱う「エモーショナルバリューソリューション」、電子部品などを手掛ける「デバイスソリューション」、ITシステムやIoT関連を提供する「システムソリューション」の3つの主要事業を展開しています。これにより、特定の市場に依存せず、幅広い分野で収益を上げています。
- 持株会社体制当社は持株会社として、傘下の事業会社を統括・運営しています。これにより、各事業の専門性を高めつつ、グループ全体としての経営効率と戦略的な意思決定を強化し、事業間のシナジー創出も図っています。
- グローバルな製造・販売網時計事業では世界130以上の国と地域で製品を販売し、製造拠点も日本だけでなくシンガポール、マレーシア、タイ、中国など複数の国に展開しています。これにより、地域ごとの需要に対応し、リスク分散を図りながら安定的な事業運営を目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- エモーショナルバリューソリューション事業この事業は、主に時計や高級宝飾品、服飾雑貨の製造・卸売・小売を手掛けており、セイコーウオッチや和光などが中心です。2012.47億円の売上と223.55億円の営業利益を上げており、グループの収益の柱となっています。国内外で「SEIKO」ブランドの時計を販売し、お客様に感動と喜びを提供することを目指しています。
- デバイスソリューション事業主に電子デバイスの製造・販売を行っており、セイコーインスツルなどがこの分野を担っています。売上は574.16億円、営業利益は29.4億円です。この事業は、新技術の開発と量産化が求められる競争の激しい市場であり、高機能・高品質な製品を通じて社会のニーズに応えることを目指しています。
- システムソリューション事業IT関連、IoT関連、決済関連ビジネスの製品開発・販売、保守サービス、ソフトウェア制作などを手掛けており、セイコーソリューションズなどが中心です。売上は452.35億円、営業利益は50.56億円です。社会のイノベーションをワンストップのICTソリューションで提供し、持続的な成長と顧客・社会・グループの価値向上に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| EmotionalValueSolutionsBusinessReportableSegment | 地域 | 2,012 | 224 | 11.1% |
| DevicesSolutionsBusinessReportableSegment | 地域 | 574 | 29 | 5.1% |
| SystemsSolutionsBusinessReportableSegment | 地域 | 452 | 51 | 11.2% |
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3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、エモーショナルバリューソリューション事業、デバイスソリューション事業、システムソリューション事業を主な事業としております。また、当社は持株会社として、それぞれの事業会社を連結運営する経営体制をとっております。各事業の内容と各関係会社の当該事業に係わる位置づけは次のとおりであります。なお、次の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げる報告セグメントの区分と同一であります。 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 [エモーショナルバリューソリューション事業]国内では主にセイコーウオッチ㈱がウオッチの卸売等を、㈱クロノスが時計小売を、盛岡セイコー工業㈱がウオッチ製造を、㈱和光が高級宝飾・服飾・雑貨品等の小売を行っております。海外ではGrand Seiko Corporation of America、Seiko Watch of America LLC、SEIKO Watch Europe S.A.S.等がウオッチの卸売を、SEIKO Manufacturing (H.K.) Ltd.、SEIKO Manufacturing (Singapore) Pte. Ltd.等がウオッチ製造を行っております。 [デバイスソリューション事業]国内では主にセイコーインスツル㈱が電子デバイス等の製造・販売を行っております。海外ではSeiko Instruments (Thailand) Ltd.等が電子デバイス等の製造・販売を行っております。 [システムソリューション事業]セイコーソリューションズ㈱等がシステム関連(IT性能管理含む)、IoT関連、決済関連ビジネスに係る製品の開発及び販売、並びに販売した製品の保守サービス及びソフトウエアの受注制作サービスの提供を、セイコータイムクリエーション㈱が大型表示盤、競技計時機器等の販売を行っております。 [その他]主に京橋起業㈱が不動産賃貸を行っております。 ※2025年4月1日付けでセイコータイムクリエーション㈱のクロック販売事業をセイコーウオッチ㈱に吸収分割の方法により移管しました。あわせて、同日付でセイコータイムクリエーション㈱は、SEIKO CLOCK (Hong Kong) Ltd.及びその子会社であるSEIKO CLOCK (Shenzhen) Co., Ltd.の株式を、SEIKO Hong Kong Ltd.へ譲渡しております。これに伴い、「エモーショナルバリューソリューション事業」に含めていたセイコータイムクリエーション㈱を「システムソリューション事業」に変更しております。また、「デバイスソリューション事業」に含めていたセイコーフューチャークリエーション㈱を「その他」に変更しております。 以上の企業集団の状況を事業系統図に示すと以下のとおりであります。 ※ 持分法適用会社であります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 高付加価値・高収益な製品・サービスへのシフトを推進しているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 「匠・小・省」の技術開発、精密加工や高密度実装技術、高精度時刻同期技術。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:景気変動等のリスク / 特定の調達先への依存 / デバイスソリューション事業の経営環境
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
セイコーブランドは長年にわたり、高級時計や精密機器の分野で高い信頼と認知度を確立している。特に「グランドセイコー」は、日本の高級時計ブランドとして国際的にも評価が高く、そのブランド力は無形資産として競争優位の源泉となっている。また、時計製造における長年の歴史と技術の蓄積もブランド価値を支えている。
スイッチングコスト★★☆☆☆
高級時計市場においては、ブランドへの愛着やステータスシンボルとしての価値から、一度特定のブランドに愛着を持った顧客が他ブランドへ乗り換えることは比較的少ない。しかし、時計以外の精密機器分野では、乗り換えコストは限定的である可能性が高い。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
セイコーグループの主要事業である時計や精密機器には、直接的なネットワーク効果は見られない。ユーザーが増えることで製品の価値が向上するようなビジネスモデルではない。
コスト優位★☆☆☆☆
大量生産によるスケールメリットはある程度存在するが、高級時計分野では品質やブランド価値が優先され、コスト優位性が競争力の決定要因とはなりにくい。汎用品分野でのコスト競争力は限定的と考えられる。
規模の経済★★★☆☆
時計事業においては、グローバルに展開する製造・販売網を有しており、一定の規模の経済性を享受している。特に、ムーブメント製造から組み立て、販売まで一貫して手掛ける体制は、効率的な事業運営に寄与していると考えられる。
- 長年のブランド力と信頼セイコーは創業140年以上の歴史を持ち、「SEIKO」ブランドは時計を中心に世界中で高い認知度と信頼を築いています。特に「グランドセイコー」のような高級時計は、その品質とデザインで顧客に感動を与え、強力なブランドロイヤルティを生み出しています。
- 精密技術と研究開発力長年培ってきた「匠・小・省」(精密・小型・省エネ)の技術と、デジタル技術を融合させた研究開発に注力しています。これにより、電子デバイスやシステムソリューションといった分野でも革新的な製品やサービスを生み出し、技術的な優位性を維持しています。
- 多様な事業ポートフォリオ時計、宝飾品、電子デバイス、ITシステムなど、多岐にわたる事業を展開しているため、特定の市場の変動に左右されにくい強みがあります。各事業が相互に補完し合い、安定した収益基盤を構築することで、持続的な成長を可能にしています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 感動と高収益の追求2026年度を最終年度とする中期経営計画「SMILE145」では、「人々と社会に感動をもたらす高付加価値・高収益な製品・サービスを提供するソリューションカンパニー」を目指しています。これは、単に製品を売るだけでなく、顧客体験全体を通じて感動を提供し、収益性の高い事業構造への転換を図ることを意味します。
- MVP戦略の推進高付加価値で高収益な製品に注力する「MVP戦略(Moving, Valuable, Profitable)」を基本方針としています。具体的には、時計や宝飾品、電子デバイス、ITソリューションといった各事業ドメインにおいて、顧客の感性に訴えかける製品や、社会の課題解決に貢献する高機能・高品質なサービス開発に力を入れています。
- グループコア戦略による成長サステナビリティ、人材、ブランディング、DX(デジタルトランスフォーメーション)、R&D(研究開発)の5つの「グループコア戦略」を横断的に推進しています。例えば、脱炭素目標の達成や再生可能エネルギーへの転換、多様な人材育成、デジタル技術を活用した顧客体験向上、精密技術とデジタル技術の融合による新価値創造などを通じて、持続的な成長基盤を強化しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。なお、経営環境につきましては、「4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。 (1) 企業理念当社は創業140周年を迎えた2021年に、改めて当社のパーパス(存在意義)を明確化いたしました。それは「革新へのあくなき挑戦で、人々と社会に信頼と感動をもたらし、世界中が笑顔であふれる未来を創ります」というものです。当社のすべての活動はこのパーパスを原点とし、「社会に信頼される会社であること」という企業理念のもと行われています。また、2031年に迎える150周年に向け、以下のグループ10年ビジョンも定めました。 アナログとデジタルのシナジーにより世界中の人・モノ・時をつなぐ製品・サービスを創造し、サステナブルな社会に貢献するソリューションを提供する 当社はこのグループ10年ビジョンの実現に向け、2026年度を最終年度とする第8次中期経営計画(SEIKO Milestone145=SMILE145)を策定し事業を推進しております。 (2) 経営戦略及び対処すべき課題1) SMILE145の位置づけ第8次中期経営計画SMILE145は、創業150周年のありたい姿であるグループ10年ビジョンを実現するために、その中間地点である創業145周年にあたる2026年度に向けてグループ10年ビジョンからバックキャスティングで策定し、期間を5か年計画といたしました。 2) SMILE145の目指す姿2026年のありたい姿を「人々と社会に感動をもたらす高付加価値・高収益な製品・サービスを提供する、ソリューションカンパニーになる」とし、その実現のために感動をもたらす高付加価値で高収益な製品に注力していく「MVP戦略(=Moving, Valuable, Profitable)」を基本方針といたします。 3) 2031年に向けた価値創造ストーリー当社グループを取り巻く環境認識を機会とリスクの両面から分析した上で、グループパーパスを原点に社会課題解決を実現する事業活動に取り組み、グループのたゆみない成長とともに持続可能な社会発展に貢献いたします。成長戦略として、グループコア戦略(サステナビリティ、人材、ブランディング、DX、R&D)を推進するとともに、当社グループの強みである3つの戦略ドメイン(エモーショナルバリューソリューション、デバイスソリューション、システムソリューション)を設定し、4つの事業機会(感性消費、Society5.0、ウェルネス、社会/環境)においてこれらドメインの戦略を進めます。さらにグループシナジー創出を図ることで、社会価値の創造を実現するとともに当社グループの成長を目指します。そのためにグループ10年ビジョンからバックキャスティングで描いた2026年のありたい姿の実現に向けてMVP戦略を推進いたします。 4) グループコア戦略当社グループはグループを横断した5つの戦略をグループコア戦略として掲げ、成長戦略を推進してまいります。① サステナビリティ戦略セイコーグループは、グループパーパスを原点に、“WITH”を実現する事業活動に取り組み、グループのたゆみない成長とともに持続可能な社会発展に貢献します。(“WITH”=Well-being:よりよい人生を、Inclusion:すべての人に、Trust:確かな信頼で、Harmony:地球との調和)② 人材戦略人材の開発や多様性の向上、組織風土づくりに積極的に取り組み、社員の働きがいを高め、イノベーションの創出を通じて、グループ一丸でソリューションカンパニーを目指します。③ DX戦略デジタルとデータを駆使し、顧客中心で顧客体験を重視した高付加価値ビジネスを実現します。④ R&D戦略永年培ってきた「匠・小・省」と「デジタル」を融合し、技術をさらに進化させ、新たな価値を創造します。⑤ ブランディング戦略SEIKOは、社会課題に向き合い、自社の社会的価値・技術的価値・感性的価値を通して、世界中の人々の心を豊かにし、笑顔であふれる未来を創ります。 5) ドメイン別の目指す姿① エモーショナルバリューソリューション(EVS)ドメイン・お客様に感動をもたらす美意識や信念に満ち、機能的価値・感性的価値・社会的価値の高い製品・サービスを創出します。・人生に寄り添い、悦びの時をともに歩める商品を、優れた顧客体験を通じて販売する事で、ブランド価値向上と企業価値向上を実現します。② デバイスソリューション(DS)ドメイン・「匠・小・省」の進化による技術革新が生み出すデバイスソリューションで、社会が求める高機能・高品質な製品・サービスを提供します。③ システムソリューション(SS)ドメイン・社会のイノベーションをワンストップのICTソリューションにより提供し、サステナブルな成長を実現します。・お客様ニーズに即した持続的な価値提供により、お客様・社会・グループの価値向上を実現します。 6) 財務方針・キャッシュアロケーションSMILE145では、当社グループは売上総利益率の改善により成長投資力を向上させ、サステナビリティ確立への投資を行うとともに、資本コストを踏まえた財務体質の改善、株主還元を確実に実施していくことを目指します。売上成長性やROICをベースとした積極投資、安定的収益基盤確保、新規領域への挑戦の3つをサステナビリティ確立に向けた投資方針に掲げ、ブランディング・R&D・製造設備・M&A・DX・人材など当社グループの成長に向けた投資を行ってまいります。 7) 全社経営目標SMILE145では中長期的な収益性と成長性を重視し、当社グループがサステナブルな企業であり続けることを目指します。2026年度の財務目標は、連結営業利益250億円、連結GP率 +5.0ポイント(2021年度比)、連結ROIC 6.5%超を達成し、収益性と成長性の向上を図るとともに、ROE9.0%超を達成し、資本効率の改善を図ることを目指しております。なお、既に2025年度にて営業利益、ROIC、ROEの目標値は超過達成しております。非財務(ESG)評価指標は、2024年度までに目標値を上回って進捗していることから、2026年度のScope1・2におけるCO2排出量を56,000(t-CO2)以下(2022年度比で42%削減)に改定しました。 8) 事業を取り巻く環境と課題への取組み① グループコア戦略サステナビリティ戦略においては、脱炭素・気候変動の取組みとして、グループ全体で掲げる2030年度に向けた温室効果ガス排出量削減目標が、パリ協定で定める1.5℃水準に整合した目標であるとして、SBT(Science Based Targets)の認定を取得しました。また、2024年度中の国内全拠点における使用電力の100%再生可能エネルギー化を達成し、さらに2040年度中の海外拠点も含めた全拠点の100%再エネ化達成に向けて、温室効果ガス排出量削減を引き続き推進していきます。責任ある調達の取組みとしては、サプライヤーとのエンゲージメントを強化し、グループ全体でサプライチェーン上におけるリスクの軽減に努めており、合わせて、人権リスクを低減する取組みや水資源に関する取組みも積極的に推進していきます。人材戦略においては、重点テーマとして、複雑化する経営環境の中で、企業価値を高め、サステナブルな成長を実現できる「人材育成」、女性活躍推進や仕事と育児の両立支援を中心とした「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進」、新たなイノベーションを創発するために必要な「組織風土・文化づくり」を設定し、働きがいの向上を図る取組みを推進していきます。また、これまでも積極的に取り組んできた「健康経営」「人権の尊重」についても人材戦略の基盤となる活動として位置付け、強化していきます。DX戦略においては、お客様との接点で、マーケティングDXを活用した顧客体験向上とCRMの推進を目指し、製造や物流業務では、生産性向上に向けたDXに積極的に取り組んでいます。R&D戦略においては、セイコーグループの研究開発・生産技術を担うセイコーフューチャークリエーション株式会社を軸として、グループ全体のR&D戦略の強化と新しい技術の開発を推進し、これらの活動を通して、グループ横断で新たな事業領域の創出に取り組みます。ブランディング戦略においては、社会課題に向き合い、自社の社会的価値・技術的価値・感性的価値を通して、世界中の人々の心を豊かにし、笑顔であふれる未来を創るためのブランディング活動を進めていきます。EVS事業では、日本文化の発信に通ずる感性価値を伝える取組みを強化していきます。SS事業では、社会課題を解決するソリューションが生み出す社会的価値や技術的価値を伝える活動を展開していきます。② 戦略ドメイン別の事業戦略2025年3月期から、SMILE145後期の3か年計画がスタートしました。後期3か年においては、ウオッチ事業とSS事業をグループ成長の中核と捉え、更なる成長に向けて投資の強化を進めております。DS事業については、各製品の成長性を見極めバランスの取れた投資を行っております。また、グループ内のシナジー効果を発揮し、新規事業の探索を進めております。 戦略ドメイン別の事業戦略は、EVS事業では、ウオッチ事業において、グランドセイコーを中心とした高級品ビジネス、およびセイコーグローバルブランドによる中級品ビジネスの拡大を加速することが最重要課題です。また、グローバル製造体制の見直しを進め、製造と販売の連携強化および製造拠点間の連携と全体最適の強化を図っております。クロック事業は、ウオッチ事業と事業体制を一本化し、事業の効率化に取り組んでおります。和光事業は、新規富裕層顧客の獲得とロイヤルカスタマー化を目指した顧客戦略、そして和光オリジナル商品の開発に注力します。DS事業では、市場が拡大している医療用電池や用途が拡がるインクジェットヘッドで成長を目指します。また、自動車部品を中心とする精密デバイスや、今後需要拡大が見込まれるオシレータ用ICの売上拡大を図ります。SS事業は、M&A等を通じてサービスと顧客を着実に拡大させるとともに、社会課題を解決するハードウェアとソフトウェアを融合したIoT・AI ソリューションの提供や、お客様企業のDX実現を支えるプラットフォーム系ソリューション提供を通じて、事業の成長を図ります。また、ファシリティ事業は、システムソリューションビジネスとの連携により事業の拡大を図ります。SMILE145における主要KPIの進捗は、以下の通りになります。 連結経営目標(KPI) (金額単位:億円) 2022年3月期実績2023年3月期実績2024年3月期実績2025年3月期実績2026年3月期実績2027年3月期見通し 2027年3月期SMILE145連結営業利益87112147212308335 250連結GP率41.8%42.9%44.3%45.0%46.2%46.8% 46.8% ドメイン別経営目標(KPI) (金額単位:億円) 2022年3月期実績2023年3月期実績2024年3月期実績2025年3月期実績2026年3月期実績2027年3月期見通し営業利益 EVS82115172222285310 DS565021273843 SS394347515566 注)2025年3月期実績以降については、セグメント変更後の数値を記載しております。なお、2025年3月期のセグメント変更前の営業利益は、EVS事業223億円、DS事業29億円、SS事業50億円です。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。なお、経営環境につきましては、「4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。 (1) 企業理念当社は創業140周年を迎えた2021年に、改めて当社のパーパス(存在意義)を明確化いたしました。それは「革新へのあくなき挑戦で、人々と社会に信頼と感動をもたらし、世界中が笑顔であふれる未来を創ります」というものです。当社のすべての活動はこのパーパスを原点とし、「社会に信頼される会社であること」という企業理念のもと行われています。また、2031年に迎える150周年に向け、以下のグループ10年ビジョンも定めました。 アナログとデジタルのシナジーにより世界中の人・モノ・時をつなぐ製品・サービスを創造し、サステナブルな社会に貢献するソリューションを提供する 当社はこのグループ10年ビジョンの実現に向け、2026年度を最終年度とする第8次中期経営計画(SEIKO Milestone145=SMILE145)を策定し事業を推進しております。 (2) 経営戦略及び対処すべき課題1) SMILE145の位置づけ第8次中期経営計画SMILE145は、創業150周年のありたい姿であるグループ10年ビジョンを実現するために、その中間地点である創業145周年にあたる2026年度に向けてグループ10年ビジョンからバックキャスティングで策定し、期間を5か年計画といたしました。 2) SMILE145の目指す姿2026年のありたい姿を「人々と社会に感動をもたらす高付加価値・高収益な製品・サービスを提供する、ソリューションカンパニーになる」とし、その実現のために感動をもたらす高付加価値で高収益な製品に注力していく「MVP戦略(=Moving, Valuable, Profitable)」を基本方針といたします。 3) 2031年に向けた価値創造ストーリー当社グループを取り巻く環境認識を機会とリスクの両面から分析した上で、グループパーパスを原点に社会課題解決を実現する事業活動に取り組み、グループのたゆみない成長とともに持続可能な社会発展に貢献いたします。成長戦略として、グループコア戦略(サステナビリティ、人材、ブランディング、DX、R&D)を推進するとともに、当社グループの強みである3つの戦略ドメイン(エモーショナルバリューソリューション、デバイスソリューション、システムソリューション)を設定し、4つの事業機会(感性消費、Society5.0、ウェルネス、社会/環境)においてこれらドメインの戦略を進めます。さらにグループシナジー創出を図ることで、社会価値の創造を実現するとともに当社グループの成長を目指します。そのためにグループ10年ビジョンからバックキャスティングで描いた2026年のありたい姿の実現に向けてMVP戦略を推進いたします。 4) グループコア戦略当社グループはグループを横断した5つの戦略をグループコア戦略として掲げ、成長戦略を推進してまいります。① サステナビリティ戦略セイコーグループは、グループパーパスを原点に、“WITH”を実現する事業活動に取り組み、グループのたゆみない成長とともに持続可能な社会発展に貢献します。(“WITH”=Well-being:よりよい人生を、Inclusion:すべての人に、Trust:確かな信頼で、Harmony:地球との調和)② 人材戦略人材の開発や多様性の向上、組織風土づくりに積極的に取り組み、社員の働きがいを高め、イノベーションの創出を通じて、グループ一丸でソリューションカンパニーを目指します。③ DX戦略デジタルとデータを駆使し、顧客中心で顧客体験を重視した高付加価値ビジネスを実現します。④ R&D戦略永年培ってきた「匠・小・省」と「デジタル」を融合し、技術をさらに進化させ、新たな価値を創造します。⑤ ブランディング戦略SEIKOは、社会課題に向き合い、自社の社会的価値・技術的価値・感性的価値を通して、世界中の人々の心を豊かにし、笑顔であふれる未来を創ります。 5) ドメイン別の目指す姿① エモーショナルバリューソリューション(EVS)ドメイン・お客様に感動をもたらす美意識や信念に満ち、機能的価値・感性的価値・社会的価値の高い製品・サービスを創出します。・人生に寄り添い、悦びの時をともに歩める商品を、優れた顧客体験を通じて販売する事で、ブランド価値向上と企業価値向上を実現します。② デバイスソリューション(DS)ドメイン・「匠・小・省」の進化による技術革新が生み出すデバイスソリューションで、社会が求める高機能・高品質な製品・サービスを提供します。③ システムソリューション(SS)ドメイン・社会のイノベーションをワンストップのICTソリューションにより提供し、サステナブルな成長を実現します。・お客様ニーズに即した持続的な価値提供により、お客様・社会・グループの価値向上を実現します。 6) 財務方針・キャッシュアロケーションSMILE145では、当社グループは売上総利益率の改善により成長投資力を向上させ、サステナビリティ確立への投資を行うとともに、資本コストを踏まえた財務体質の改善、株主還元を確実に実施していくことを目指します。売上成長性やROICをベースとした積極投資、安定的収益基盤確保、新規領域への挑戦の3つをサステナビリティ確立に向けた投資方針に掲げ、ブランディング・R&D・製造設備・M&A・DX・人材など当社グループの成長に向けた投資を行ってまいります。 7) 全社経営目標SMILE145では中長期的な収益性と成長性を重視し、当社グループがサステナブルな企業であり続けることを目指します。2026年度の財務目標は、連結営業利益250億円、連結GP率 +5.0ポイント(2021年度比)、連結ROIC 6.5%超を達成し、収益性と成長性の向上を図るとともに、ROE9.0%超を達成し、資本効率の改善を図ることを目指しております。なお、既に2025年度にて営業利益、ROIC、ROEの目標値は超過達成しております。非財務(ESG)評価指標は、2024年度までに目標値を上回って進捗していることから、2026年度のScope1・2におけるCO2排出量を56,000(t-CO2)以下(2022年度比で42%削減)に改定しました。 8) 事業を取り巻く環境と課題への取組み① グループコア戦略サステナビリティ戦略においては、脱炭素・気候変動の取組みとして、グループ全体で掲げる2030年度に向けた温室効果ガス排出量削減目標が、パリ協定で定める1.5℃水準に整合した目標であるとして、SBT(Science Based Targets)の認定を取得しました。また、2024年度中の国内全拠点における使用電力の100%再生可能エネルギー化を達成し、さらに2040年度中の海外拠点も含めた全拠点の100%再エネ化達成に向けて、温室効果ガス排出量削減を引き続き推進していきます。責任ある調達の取組みとしては、サプライヤーとのエンゲージメントを強化し、グループ全体でサプライチェーン上におけるリスクの軽減に努めており、合わせて、人権リスクを低減する取組みや水資源に関する取組みも積極的に推進していきます。人材戦略においては、重点テーマとして、複雑化する経営環境の中で、企業価値を高め、サステナブルな成長を実現できる「人材育成」、女性活躍推進や仕事と育児の両立支援を中心とした「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進」、新たなイノベーションを創発するために必要な「組織風土・文化づくり」を設定し、働きがいの向上を図る取組みを推進していきます。また、これまでも積極的に取り組んできた「健康経営」「人権の尊重」についても人材戦略の基盤となる活動として位置付け、強化していきます。DX戦略においては、お客様との接点で、マーケティングDXを活用した顧客体験向上とCRMの推進を目指し、製造や物流業務では、生産性向上に向けたDXに積極的に取り組んでいます。R&D戦略においては、セイコーグループの研究開発・生産技術を担うセイコーフューチャークリエーション株式会社を軸として、グループ全体のR&D戦略の強化と新しい技術の開発を推進し、これらの活動を通して、グループ横断で新たな事業領域の創出に取り組みます。ブランディング戦略においては、社会課題に向き合い、自社の社会的価値・技術的価値・感性的価値を通して、世界中の人々の心を豊かにし、笑顔であふれる未来を創るためのブランディング活動を進めていきます。EVS事業では、日本文化の発信に通ずる感性価値を伝える取組みを強化していきます。SS事業では、社会課題を解決するソリューションが生み出す社会的価値や技術的価値を伝える活動を展開していきます。② 戦略ドメイン別の事業戦略2025年3月期から、SMILE145後期の3か年計画がスタートしました。後期3か年においては、ウオッチ事業とSS事業をグループ成長の中核と捉え、更なる成長に向けて投資の強化を進めております。DS事業については、各製品の成長性を見極めバランスの取れた投資を行っております。また、グループ内のシナジー効果を発揮し、新規事業の探索を進めております。 戦略ドメイン別の事業戦略は、EVS事業では、ウオッチ事業において、グランドセイコーを中心とした高級品ビジネス、およびセイコーグローバルブランドによる中級品ビジネスの拡大を加速することが最重要課題です。また、グローバル製造体制の見直しを進め、製造と販売の連携強化および製造拠点間の連携と全体最適の強化を図っております。クロック事業は、ウオッチ事業と事業体制を一本化し、事業の効率化に取り組んでおります。和光事業は、新規富裕層顧客の獲得とロイヤルカスタマー化を目指した顧客戦略、そして和光オリジナル商品の開発に注力します。DS事業では、市場が拡大している医療用電池や用途が拡がるインクジェットヘッドで成長を目指します。また、自動車部品を中心とする精密デバイスや、今後需要拡大が見込まれるオシレータ用ICの売上拡大を図ります。SS事業は、M&A等を通じてサービスと顧客を着実に拡大させるとともに、社会課題を解決するハードウェアとソフトウェアを融合したIoT・AI ソリューションの提供や、お客様企業のDX実現を支えるプラットフォーム系ソリューション提供を通じて、事業の成長を図ります。また、ファシリティ事業は、システムソリューションビジネスとの連携により事業の拡大を図ります。SMILE145における主要KPIの進捗は、以下の通りになります。 連結経営目標(KPI) (金額単位:億円) 2022年3月期実績2023年3月期実績2024年3月期実績2025年3月期実績2026年3月期実績2027年3月期見通し 2027年3月期SMILE145連結営業利益87112147212308335 250連結GP率41.8%42.9%44.3%45.0%46.2%46.8% 46.8% ドメイン別経営目標(KPI) (金額単位:億円) 2022年3月期実績2023年3月期実績2024年3月期実績2025年3月期実績2026年3月期実績2027年3月期見通し営業利益 EVS82115172222285310 DS565021273843 SS394347515566 注)2025年3月期実績以降については、セグメント変更後の数値を記載しております。なお、2025年3月期のセグメント変更前の営業利益は、EVS事業223億円、DS事業29億円、SS事業50億円です。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度における日本経済は、インフレ傾向のなかでも個人消費や設備投資が堅調で、緩やかに回復しております。またインバウンド需要は、中国人観光客が減少したものの、欧米や東南アジア等の観光客を中心に好調に推移しました。海外経済は、米国では底堅い成長が続き、欧州はインフレ鈍化などにより緩やかな回復傾向にあります。中国は内需の減速などで持ち直しが鈍化しており、不動産不況が引き続き懸念材料です。足元では、国際情勢の変化に伴うサプライチェーンへの影響を注視すべき状況にあります。 このような中、エモーショナルバリューソリューション事業は、国内向けのウオッチ事業、和光事業が堅調な個人消費やインバウンド需要を背景に大きく売上高を伸ばし、海外向けのウオッチ事業も米国を中心に伸長して、売上高は前年度を大きく上回りました。デバイスソリューション事業は、小型電池を中心に伸長し、売上高は前年度を上回りました。システムソリューション事業も、多角化やストックビジネス拡大への取組みにより、前年度を上回る売上高となりました。その結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は、3,356億円(前年度比10.2%増)となりました。連結全体の国内売上高は1,770億円(同6.5%増)、海外売上高は1,585億円(同14.5%増)となり、海外売上高割合は47.2%でした。当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前年度に比べ85億円の増加となりました。このうち広告宣伝販促費は、前年度に対して10%以上増加しております。営業利益は、エモーショナルバリューソリューション事業が牽引し、前年度から96億円増加の308億円(同45.4%増)となりました。営業外収支は、円相場の大幅な変動による為替差益の計上等により前年度から改善し、経常利益は前年度を123億円上回る331億円(同59.5%増)となりました。特別損益は、特別利益として固定資産売却益5億円、特別損失として減損損失や事業構造改善費用など、合わせて18億円を計上しました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度から86億円増加の219億円(同65.1%増)となりました。なお、当連結会計年度の平均為替レートは1米ドル150.8円、1ユーロ174.8円でした。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、第1四半期連結会計期間より、セイコータイムクリエーション㈱のクロック販売事業をセイコーウオッチ㈱に移管するとともに、「エモーショナルバリューソリューション事業」に含めていたセイコータイムクリエーション㈱を「システムソリューション事業」に変更しております。 また、「デバイスソリューション事業」に含めていたセイコーフューチャークリエーション㈱を「その他」に変更しております。 エモーショナルバリューソリューション事業(EVS事業)EVS事業は売上高2,204億円(前年度比10.7%増)、営業利益285億円(同28.7%増)と大幅な増収増益となりました。ウオッチ事業の売上高は、「グランドセイコー」においては、国内で10月以降復調し、また海外でも米国市場で好調に推移して、前年度を上回りました。「セイコー」は、グローバルブランドである「プロスペックス」「プレザージュ」「5スポーツ」が好調に推移し、前年度から大幅に増加しました。国内はインバウンド需要を背景に広告効果もあり、また海外は米国市場を中心に大きく伸長しました。和光事業は、引き続き好調なインバウンド需要もあり、ウオッチを中心に売上高は前年度から大きく増加しました。 デバイスソリューション事業(DS事業)DS事業は売上高649億円(前年度比8.2%増)、営業利益38億円(同37.4%増)となりました。小型電池は、医療向け酸化銀電池を中心に大きく売上高を伸ばしました。また、インクジェットヘッドも、用途拡大等で前年度から売上高が増加しました。これらの結果、デバイスソリューション事業は前年度から増収増益となりました。 システムソリューション事業(SS事業)SS事業は売上高571億円(前年度比8.3%増)、営業利益55億円(同6.0%増)となりました。前年度から引き続きITインフラ関連が堅調に推移し、セキュリティ関連ビジネスも大手顧客向けの更新需要などがあり拡大しました。外食チェーン向けオーダーエントリーシステムやタクシー業界向け決済関連ビジネスも伸長しました。また、第2四半期連結会計期間に実施したM&Aもグループ内シナジー効果もあり収益に貢献したことなどから、セイコーソリューションズ㈱の事業は40四半期連続で増収増益となりました。 (2) 財政状態(資産)当連結会計年度末の総資産は3,838億円となり、前連結会計年度末に比べて146億円の増加となりました。流動資産では、現金及び預金が40億円、売掛金が58億円、仕掛品が12億円、原材料及び貯蔵品が25億円増加したことなどにより、流動資産合計は前連結会計年度末より137億円増加の1,879億円となりました。固定資産では、有形固定資産が13億円、無形固定資産が20億円増加した一方で、投資その他の資産が24億円減少したことから、固定資産合計は前連結会計年度末と比べ9億円増加の1,959億円となりました。 (負債)負債につきましては、短期借入金が79億円、長期借入金(「1年内返済予定の長期借入金」を含む)が41億円減少したことなどにより、借入金合計は954億円となりました。その他、支払手形及び買掛金が14億円、未払金が31億円、未払法人税等が14億円増加した一方、繰延税金負債が13億円減少したことなどにより、負債合計は前連結会計年度末と比べ、48億円減少の2,063億円となりました。 (純資産)純資産につきましては、株主資本が170億円、為替換算調整勘定が71億円増加する一方で、その他有価証券評価差額金が37億円減少したことなどから、純資産合計は前連結会計年度末と比べ194億円増加の1,775億円となりました。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は434億円となり、前連結会計年度末と比べて40億円の増加となりました。また、営業活動および投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは219億円となりました。これは主に以下の要因によるものです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が318億円となり、減価償却費140億円を加え、売上債権の増減額△35億円、法人税等の支払額△86億円等の調整を行った結果、367億円のプラス(前年度は326億円のプラス)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出△96億円、無形固定資産の取得による支出△42億円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出△8億円等を計上したことから、147億円のマイナス(前年度は91億円のマイナス)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、長短借入金の返済および借入がネットで△122億円、リース債務の返済による支出△28億円、配当金の支払額△47億円等があり204億円のマイナス(前年度は165億円のマイナス)となりました。 (4) 資本の財源及び資金の流動性当社グループの主な資金需要は、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要、設備投資や研究開発費、ブランディング費用などの成長及び企業価値向上を目的とした投資需要であり、資金の主な源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー、有利子負債による資金調達であります。資金の流動性につきましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は434億円であり、将来の資金需要に対し適正な水準を確保していると認識しております。また、当社および国内の事業会社においてキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、グループ全体の資金効率化を図っております。さらに、様々な不測の事態においても機動的かつ安定的に経常運転資金を確保するため、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結しております。 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (6) 生産、受注及び販売の実績① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)エモーショナルバリューソリューション事業44,87612.4デバイスソリューション事業41,66514.3システムソリューション事業26,09110.4その他1,952314.2合計114,58614.0 (注) 1.金額は、製造原価によって算出しております。2.連結消去後の金額で記載しております。3.前期比は、変更後のセグメントの区分で比較しております。 ② 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)エモーショナルバリューソリューション事業2,76011.028321.5デバイスソリューション事業14,71226.83,48644.9システムソリューション事業30,7889.75,94427.8その他2,49949.61,558167.2合計50,75915.811,27343.2 (注) 1.連結消去後の金額で記載しております。 2.前期比は、変更後のセグメントの区分で比較しております。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)エモーショナルバリューソリューション事業218,00911.1デバイスソリューション事業59,8467.1システムソリューション事業55,0639.5その他・調整額2,76716.7合計335,68610.2 (注) 1.連結消去後の金額で記載しております。2.総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はないため、「主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合」の記載は行っておりません。3.前期比は、変更後のセグメントの区分で比較しております。
事業リスク
- 景気変動と個人消費の影響時計や宝飾品、電子部品など、個人消費や企業の設備投資に直接関わる製品を多く扱っているため、国内外の景気動向、特に個人消費の低迷は業績に大きな影響を与える可能性があります。世界中で販売しているためリスクは分散されていますが、全体的な景気悪化は避けられないリスクです。
- 特定の調達先・顧客への依存時計事業では特定の調達先への依存度が高く、取引条件の変更が「エモーショナルバリューソリューション事業」の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、「デバイスソリューション事業」では一部の主要顧客への売上依存が高く、発注量の減少が業績に響くリスクがあります。
- 技術革新と価格競争電子デバイス分野は新技術の開発サイクルが速く、価格競争も激しい市場です。市場環境の変化への対応が遅れると、競争力を失い業績に大きな影響が出る可能性があります。常に高付加価値製品へのシフトが求められる事業環境です。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下の事項があります。また、当社グループでは短期的に経営成績等に重要な影響を与えるリスクに加えて、中期的なリスクとしてのブランド毀損リスクおよび従業員等の安全・健康に影響を与えるリスクを重要リスクとして位置付けております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1) 景気変動等のリスク当社グループは、ウオッチ・クロックやデジタル商品・自動車向けの電子部品、高級宝飾・服飾・雑貨品など、一部、個人消費に直接関わる商製品を取り扱っております。このため連結業績は、最終的には国内外の景気動向、中でも個人消費の動向に強い影響を受けます。特にウオッチ及びクロックは世界130以上の国及び地域で販売されており、常に何らかの影響を受ける可能性は高い一方、同時にリスクの分散もされております。 (2) 特定の調達先への依存ウオッチ事業の特定取引先への調達依存度が高く、エモーショナルバリューソリューション(EVS)事業の業績は同取引先との取引条件等の変更によって大きな影響を受ける可能性があります。 (3) デバイスソリューション(DS)事業の経営環境DS事業の業績は、国内外の電子デバイス機器等の需要動向に影響を受けています。また同事業分野は、新技術の開発及びそれらの量産化の速度が速く、価格競争も激しいため、それらの市場環境の変化への対応の遅れが業績に大きな影響を与える可能性があります。第8次中期経営計画「SMILE145」の主要戦略である「感動をもたらす高付加価値・高収益な製品・サービス」へのシフトを推進することで、事業のサステナビリティを高めてまいります。 (4) 海外製造拠点のカントリーリスクEVS事業及びDS事業は、シンガポール・マレーシア・タイ・中国に製造拠点を有しており、これら地域における政治・経済等による社会情勢変動が、同事業の生産活動に大きな影響を与える可能性があります。しかしながらそれぞれの製造ラインは概ね日本を含めた複数の地域で稼働させており、リスクによる影響を低減させる取組みを行っております。 (5) 主要顧客への依存DS事業の一部においては、主要顧客への売上依存が高い傾向にあり、これら顧客からの発注量の減少が、同事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。一主要顧客への依存を低減させるために、新規顧客の開拓を含め事業拡大に向けた活動を進めております。 (6) 資材等の不足・高騰原油・電力などのエネルギーや原材料となる資材等が需給環境の変化に伴い不足・高騰した場合、製造活動に影響が生じる、あるいは製造コストが上昇し業績に影響を与える可能性があります。一部の原材料については、市場価格を見極めつつ、短期的な変動の影響を避けるため、必要に応じて在庫の保有レベルを高く設定しております。 (7) 品質問題と製造物責任当社グループが製造販売する製品には、通常の使用において身体に影響を与える事故を発生させるものはありません。しかしながら製品事故に関する法的規制の強まりなど社会環境の変化あるいは事業環境の変化などにより、製品リコールや賠償責任など品質問題や製造物責任に関するコストが増加する可能性があります。製品にかかわる品質問題はブランドイメージ毀損リスクに繋がる可能性が高いため、当社グループでは当リスクを最も重要なリスクの一つとして取扱っており、品質問題の発生を防ぐためにすべての製造拠点等において幅広い取組みを行っております。 (8) 知的財産権当社グループでは重要な独自開発技術の保護のため、特許権の取得や機密情報の保護などの措置を講じていますが、地域によっては十分な保護が実現しない可能性があります。更にそのような措置を講じた場合でも、第三者による当社グループ類似製品を効果的に排除することができず、当社グループ製品の優位性が損なわれる可能性があります。また、当社グループは新製品の開発に際して他社の知的財産権を侵害しないよう特許調査等の対策を講じていますが、あらゆる侵害の可能性を排除することは困難であり、他社の知的財産権を侵害した場合には、差止め請求もしくは損害賠償請求などにより業績に影響を受ける可能性があります。知的財産権を侵害した場合も、侵害された場合においても、ブランドイメージを毀損するリスクが高いことから、両ケースを防ぐための調査活動等を幅広く進めています。 (9) 為替変動の影響当社グループは、主としてEVS事業及びDS事業が海外市場向けに事業を展開しております。その一部は、国内外の製造拠点からその他の国の市場向けに販売しており、為替の変動が、製品の価格等に影響を与える可能性があります。また、国内市場向け事業等において、海外製造拠点からの調達を外貨で行っている部分については、為替の変動が調達コストに影響を与える可能性があります。さらに、在外子会社の損益及び資産等現地通貨建項目のすべては、連結財務諸表作成のために円換算されており、換算時の為替レートにより、現地通貨の円貨換算価値が影響を受ける可能性があります。特に、米ドル及びユーロ等に対する円相場等の変動は、在外子会社における純資産の部の換算に係る為替換算調整も含め、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 金利変動の影響現在、当社グループと金融機関との関係は良好であり、海外も含めた事業展開上で必要とする資金は問題なく調達できております。しかしながら将来もひきつづき充分に調達可能であるという保証はありません。また、市場の金利水準が低い傾向にあるため、既存の長期借入金の金利につきましては、その90%超を固定化済みであります。大きな金利変動リスクはありませんが、将来の調達に関しては、金利動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (11) 保有資産の時価変動の影響当社グループは、事業上の理由により投資有価証券を保有しております。また、一部の旧工場跡地等の遊休不動産を保有しております。これらの投資有価証券や不動産の時価が大きく変動した場合は、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (12) 環境問題について当社グループは、気候変動対策、資源保全、大気・水質汚染、化学物質の使用、廃棄物処理、リサイクル、製品含有化学物質および土壌・地下水汚染等を規制する様々な環境法令の適用を受けながら事業活動を展開しております。そのような中、環境保全活動を経営課題の一つとして、法規への対応はもとより、さらに厳しい自主的目標を掲げるなど、様々な環境保全活動等を進めております。しかし、将来において規制強化への対応費用の増大、環境問題の発生から損害賠償や対策費用を負担する可能性、さらにこれらの課題に対する社会的期待が高まる中、取り組みが遅れることで競争力を失う可能性があります。また、当社グループやサプライヤーにおいて適切な対応が取れていない場合、ブランドイメージ毀損リスクに繋がる可能性があります。 (13) 情報管理について当社グループは、事業上入手した個人情報や機密情報等の保護・管理について、社内規定の策定、従業員教育等を通じ、情報流出の防止を行なっておりますが、予期せぬ事態により情報が流出する可能性があり、このような事態が生じた場合、当社グループの社会的信用の低下や対応のための多額な費用負担により、連結業績に影響をおよぼす可能性があります。予期せぬ情報の流出が発生した場合にはブランドイメージの毀損リスクも高く、重要なリスクの一つとして、幅広く情報セキュリティ対策を講じてまいります。 (14) 自然災害・感染症の影響地震・台風等の自然災害やウイルス等の感染症の流行により、当社グループの国内外製造拠点及び諸施設または国内外の地域経済全般が被害あるいは規制等を受けた場合、製造の中断、営業・物流・調達機能の停滞等が発生し業績に影響を与える可能性があります。なお、当社グループは、自然災害および感染症の発生時には、当社の業務に従事する方々の安全確保を第一に考えた行動計画を策定しております。 (15) コンプライアンスリスクすべての事業に従事する社員等に向けた各国における法令遵守等のための社内教育を充実させておりますが、何らかの問題が発生するリスクは皆無とは言えません。コンプライアンス違反等が発生した場合にはブランドイメージの毀損リスクへ繋がる可能性も高いため、すべてのグループ内法人において法令遵守等についての教育活動を進めるとともにブランドイメージの重要性の浸透も引き続き行ってまいります。