事業の概要
- 多岐にわたる機械販売と賃貸第一実業グループは、23の子会社と2つの関連会社と共に、様々な機械・器具・部品の販売と賃貸を主な事業としています。国内だけでなく、輸出入も積極的に行っており、グローバルなビジネス展開が特徴です。一部の子会社や関連会社では、商品の製造も手掛けています。
- 幅広い産業分野をカバープラント・エネルギー、エナジーソリューションズ、産業機械、エレクトロニクス、自動車、ヘルスケア、航空・インフラといった多岐にわたる産業分野の機械・器具・部品を取り扱っています。これにより、特定の産業に依存せず、多様な収益源を確保しています。
- 「モノ」と「コト」の融合単に機械を販売するだけでなく、技術革新に対応した生産支援や技術サポートといったサービス(コト)も提供しています。これにより、顧客との関係を深め、より付加価値の高いビジネスモデルへと進化させています。特にリチウムイオン電池関連事業では、製造工程全般にわたる装置や役務を提供し、市場の成長を取り込んでいます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- エナジーソリューションズ事業リチウムイオン電池製造関連の機械・器具・部品の販売を手掛けており、売上高541.01億円、営業利益26.84億円と、グループ内で最も大きな売上を誇る稼ぎ頭です。電気自動車や電子デバイス市場の成長を背景に、国内外で設備投資が活発な分野であり、今後の成長も期待されます。
- エレクトロニクス事業電子、情報通信、電機、精密、光学、音響、楽器関連の機械・器具・部品を販売しており、売上高500.44億円、営業利益26.94億円と、エナジーソリューションズ事業に次ぐ規模です。幅広いエレクトロニクス分野をカバーし、多様な顧客ニーズに対応することで安定した収益を上げています。
- 自動車事業自動車関連の機械・器具・部品の販売を行っており、売上高407.42億円、営業利益21.86億円を計上しています。自動車産業は技術革新が著しく、特に電動化へのシフトが進む中で、関連する機械・部品の需要は今後も高いと予想されます。国内外の自動車メーカーや部品メーカーとの取引を通じて、事業を拡大しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| PlantAndEnergyBusiness | 地域 | 239 | 18 | 7.7% |
| EnergySolutionsBusiness | 地域 | 541 | 27 | 5.0% |
| IndustrialMachinery | 地域 | 295 | 9 | 3.0% |
| ElectronicsBusiness | 地域 | 500 | 27 | 5.4% |
| ConstructionInProgressAutomobileReportableSegment | 事業 | 407 | 22 | 5.4% |
| HealthcareBusinessReportableSegment | 地域 | 157 | 17 | 10.5% |
| AviationSocialInfrastructureBusinessReportableSegment | 地域 | 76 | 5 | 6.7% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社の企業集団は、当社、子会社24社及び関連会社4社で構成され、各種機械・器具・部品の販売及び各種機械・器具の賃貸等を主な内容とし、国内販売並びに輸出入を行っております。また、一部商品につきましては、子会社及び関連会社が製造を行っております。 当社グループの事業に係わる位置づけ及び各セグメントとの関連は、次のとおりであります。 (プラント・エネルギー事業)エネルギー開発生産、ガス石油精製、化学、エンジニアリング、建設、紙・パルプ関連の機械・器具・部品の販売を行っており、当社及び一部の関係会社が仕入先から直接仕入れて販売するほか、一部は子会社㈱DJ-WAVEエンジニアリング及び関連会社第一スルザー㈱から仕入れております。 (エナジーソリューションズ事業) リチウムイオン電池製造関連の機械・器具・部品の販売を行っており、当社及び一部の関係会社が仕入先から直接仕入れて販売しております。 (産業機械事業)プラスチックス、ゴム、鉄鋼、食品関連の機械・器具・部品の販売を行っており、当社及び一部の関係会社が仕入先から直接仕入れて販売するほか、一部は子会社㈱第一メカテック及び関連会社㈱浅野研究所から仕入れております。 (エレクトロニクス事業)電子、情報通信、電機、精密、光学、音響、楽器関連の機械・器具・部品の販売を行っており、当社及び一部の関係会社が仕入先から直接仕入れて販売するほか、一部は子会社㈱第一メカテックから仕入れております。 (自動車事業)自動車関連の機械・器具・部品の販売を行っており、当社及び一部の関係会社が仕入先から直接仕入れて販売しております。 (ヘルスケア事業)薬品、医薬品関連の機械・器具・部品の販売を行っており、当社及び一部の関係会社が子会社㈱第一メカテック及び第一実業ビスウィル㈱から仕入れて販売するほか、一部は仕入先から直接仕入れております。 (航空・インフラ事業)航空、防災関連の機械・器具・部品の販売を行っており、当社及び一部の関係会社が仕入先から直接仕入れて販売しております。 (その他)各種機械・器具の賃貸等を行っております。 事業の系統は次のとおりであります。 取扱商品又はサービスの内容連結子会社(国内)連結子会社(海外)持分法適用関連会社プラント・エネルギー事業エネルギー開発生産、ガス石油精製、化学、エンジニアリング、建設、紙・パルプ関連の機械・器具・部品㈱第一メカテック㈱DJ-WAVEエンジニアリングDAIICHI JITSUGYO(AMERICA), INC.DJK GLOBAL MEXICO, S.A. DE C.V. DJK EUROPE GMBH上海一実貿易有限公司DAIICHI JITSUGYO ASIA PTE. LTD.DAIICHI JITSUGYO (THAILAND) CO., LTD.DAIICHI PROJECT SERVICE CO., LTD. DAI-ICHI JITSUGYO (MALAYSIA) SDN. BHD.PT. DJK INDONESIADAIICHI JITSUGYO (VIETNAM) CO., LTD. DAIICHI JITSUGYO INDIA PVT. LTD. エナジーソリューションズ事業リチウムイオン電池製造関連の機械・器具・部品 DAIICHI JITSUGYO(AMERICA), INC.DJK EUROPE GMBH上海一実貿易有限公司 産業機械事業プラスチックス、ゴム、鉄鋼、食品関連の機械・器具・部品㈱第一メカテックDAIICHI JITSUGYO(AMERICA), INC.DJK GLOBAL MEXICO, S.A. DE C.V.DJK EUROPE GMBH上海一実貿易有限公司第一実業(香港)有限公司第一実業(広州)貿易有限公司DAIICHI JITSUGYO ASIA PTE. LTD.DAIICHI JITSUGYO (THAILAND) CO., LTD.DAI-ICHI JITSUGYO (MALAYSIA) SDN. BHD.DAIICHI JITSUGYO (PHILIPPINES), INC.PT. DJK INDONESIADAIICHI JITSUGYO (VIETNAM) CO., LTD.DAIICHI JITSUGYO INDIA PVT. LTD. ㈱浅野研究所エレクトロニクス事業電子、情報通信、電機、精密、光学、音響、楽器関連の機械・器具・部品㈱第一メカテックDAIICHI JITSUGYO(AMERICA), INC.DJK GLOBAL MEXICO, S.A. DE C.V.DJK EUROPE GMBH上海一実貿易有限公司第一実業(香港)有限公司第一実業(広州)貿易有限公司DAIICHI JITSUGYO ASIA PTE. LTD.DAIICHI JITSUGYO (THAILAND) CO., LTD.DAIICHI PROJECT SERVICE CO., LTD. DAI-ICHI JITSUGYO (MALAYSIA) SDN. BHD.DAIICHI JITSUGYO (PHILIPPINES), INC.PT. DJK INDONESIADAIICHI JITSUGYO (VIETNAM) CO., LTD.DAIICHI JITSUGYO INDIA PVT. LTD. 自動車事業自動車関連の機械・器具・部品 DAIICHI JITSUGYO(AMERICA), INC.DJK GLOBAL MEXICO, S.A. DE C.V.DJK EUROPE GMBH上海一実貿易有限公司第一実業(広州)貿易有限公司DAIICHI JITSUGYO (THAILAND) CO., LTD.DAI-ICHI JITSUGYO (MALAYSIA) SDN. BHD.DAIICHI JITSUGYO (PHILIPPINES), INC.PT. DJK INDONESIADAIICHI JITSUGYO (VIETNAM) CO., LTD. DAIICHI JITSUGYO INDIA PVT. LTD. ヘルスケア事業薬品、医薬品関連の機械・器具・部品㈱第一メカテック第一実業ビスウィル㈱DAIICHI JITSUGYO(AMERICA), INC.DAIICHI JITSUGYO (THAILAND) CO., LTD.DAIICHI PROJECT SERVICE CO., LTD. DAI-ICHI JITSUGYO (MALAYSIA) SDN. BHD.DAIICHI JITSUGYO INDIA PVT. LTD. 航空・インフラ事業航空、防災関連の機械・器具・部品 DAIICHI JITSUGYO(AMERICA), INC.DJK EUROPE GMBH 国内海外主要な非連結子会社・持分法非適用関連会社 プラントデジタルエックス㈱ 第一スルザー㈱一實股份有限公司 連結子会社及び主要な非連結子会社並びに関連会社は次のとおりであります。 連結子会社㈱第一メカテック産業用各種機械器具の修理・製造・販売第一実業ビスウィル㈱外観検査装置の開発・製造・販売㈱DJ-WAVEエンジニアリング各種プラント設備のプロセスシミュレーション・設計製作・調達・建設業務DAIICHI JITSUGYO (AMERICA), INC.産業用各種機械器具の販売DJK GLOBAL MEXICO, S.A. DE C.V.〃DJK EUROPE GMBH〃上海一実貿易有限公司〃第一実業(香港)有限公司〃第一実業(広州)貿易有限公司〃DAIICHI JITSUGYO ASIA PTE. LTD.〃DAIICHI JITSUGYO (THAILAND) CO., LTD. 〃DAIICHI PROJECT SERVICE CO., LTD.建設の請負DAI-ICHI JITSUGYO (MALAYSIA) SDN. BHD.産業用各種機械器具の販売DAIICHI JITSUGYO (PHILIPPINES), INC.〃PT. DJK INDONESIA〃DAIICHI JITSUGYO (VIETNAM) CO., LTD. 〃DAIICHI JITSUGYO INDIA PVT. LTD. 〃 非連結子会社プラントデジタルエックス㈱各種プラント設備のプロセスシミュレーション一實股份有限公司産業用各種機械器具の販売 持分法適用関連会社㈱浅野研究所プラスチックス真空成形機の製造・販売 持分法非適用関連会社第一スルザー㈱産業用ポンプ、攪拌機及び関連機器の輸入販売
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 リチウムイオン電池製造関連の機械・器具・部品、医薬品検査システムの開発・製造技術。 |
|---|---|
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:マクロ経済環境の変化による業績変動リスク / 海外売上高比率増大に伴う国際環境変動リスク / 金利・資金調達に関わるリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
第一実業は特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPを保有しているという情報は公開情報からは確認できない。卸売業という業態上、無形資産による競争優位性は限定的と考えられる。
スイッチングコスト★★☆☆☆
長年の取引実績や、顧客のサプライチェーンに深く組み込まれている場合、一定のスイッチングコストが発生する可能性がある。しかし、具体的な顧客基盤や取引の深さを示す情報は乏しく、乗り換えの障壁は高くないと推測される。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
第一実業の事業モデルは、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果を生み出す構造ではない。卸売業における取引関係はネットワーク効果とは性質が異なる。
コスト優位★☆☆☆☆
特定の製造プロセスや調達網における顕著なコスト優位性を示す情報はない。規模の経済による効率化の可能性はあるが、構造的なコスト優位性は限定的と見られる。
規模の経済★★★☆☆
第一実業は特定のニッチ市場において、長年にわたり一定のシェアを維持している可能性がある。卸売業という性質上、取引量や顧客基盤の拡大による効率化は競争優位につながりうる。ただし、業界全体での寡占度は不明。
- 多様な事業ポートフォリオ第一実業は、プラント・エネルギーからヘルスケア、航空・インフラまで、非常に幅広い産業分野で事業を展開しています。これにより、特定の市場の変動リスクを分散し、安定した収益基盤を築いていると考えられます。多様な顧客ニーズに対応できる柔軟性も強みです。
- グローバルな事業展開力中期経営計画「MT2024」で世界4軸体制を構築し、海外事業を加速させてきました。2023年度には海外売上高比率が52.6%に達しており、今後も海外でのビジネス拡大を目指しています。これにより、新興国市場の成長を取り込み、収益機会を広げています。
- エンジニアリング機能の強化単なる商社機能に留まらず、エンジニアリング機能の強化を通じて、大型で複雑なプロジェクトへの現場対応力を高めています。これにより、顧客の生産プロセス全体をサポートし、「モノ」の販売だけでなく、技術サポートやコンサルティングといった「コト」の提供も可能にしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 「次世代型エンジニアリング商社」への変革第一実業グループは、2030年を見据え、「次世代型エンジニアリング商社」を目指しています。これは、単に製品を売るだけでなく、技術的な知見やノウハウを活かして顧客の課題解決を支援し、より付加価値の高いサービスを提供するビジネスモデルへの転換を意味します。
- 「モノ×コト売り」の深化とグローバル展開中期経営計画「MT2027」では、「成長を加速する事業戦略」として、エンジニアリング機能の拡充を通じた「モノ×コト売り」の進化と、グローバルビジネスの拡大を掲げています。特に、成長市場への積極的な投資や事業領域の拡大により、持続的な成長を目指しています。
- 経営基盤の強化と資本効率の向上同時に、「変化に対応するレジリエントな経営基盤」として、人的資本の価値向上、資本効率の最大化、ガバナンスとリスク管理の強化、DX推進を重視しています。これにより、変化の激しい経営環境に対応できる強固な経営体制を構築し、株主価値の向上を図る方針です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「商事会社として経済社会の流通機構の一翼を担い、以て社会の繁栄に寄与することを目的として協力一致して積極的に活動し、堅実に運営して企業を安定成長せしめ、此処に働く人々の生活の向上幸福の増進を図る」ことを創業の精神とし、「協力一致、堅実運営、積極活動」を社是三原則に掲げ経営に取組んでまいりました。2022年には「人をつなぎ、技術をつなぎ、世界を豊かに」をミッションとする経営理念を策定しており、多様化するニーズにあって、先進的な技術や高品位なサービスを活かした提案力により、「次世代型エンジニアリング商社」をあるべき姿として目指しております。 ≪経営理念≫Mission(果たすべき使命) 人をつなぎ、技術をつなぎ、世界を豊かに Ⅴision(あるべき姿) 時代の一歩先を行くモノづくりパートナーを目指し、当社のエンジニアリング機能を核として継続的な価値の提供によりグローバルにお客様事業の成長と持続可能な社会の実現に貢献します。 Ⅴalue(価値基準) 社内外の関係者と協調し、ステークホルダーからの期待や社会的責任と当社目標を一致させながら、 やりがいに溢れ、個人が尊重され、成長を実感できる会社を目指します。 独自のエンジニアリング機能によるモノづくりへの貢献とともに、積極的な成長市場への投資・ 事業領域の拡大により継続的な成長を目指します。 経営の透明性と会社の継続的な品質の向上を通じて、重要な社会課題に積極的に取り組むことで 持続可能な社会の実現に貢献します。 (2) 目標とする経営指標(中長期的な会社の経営戦略)当社グループは、2022年度から2024年度までの前中期経営計画「MT2024」において、「成長に向けた事業戦略」と「経営基盤の強化」を両軸とし、各種重点施策に取組んでまいりました。この結果、最終年度である2024年度には、売上高2,217億55百万円、営業利益131億3百万円を達成し、当時の過去最高値を更新いたしました。このような状況の中、当連結会計年度より中期経営計画「MT2027」をスタートさせております。「創造」フェーズと位置付けた前中期経営計画「MT2024」で築いた基盤を活用しながら、「1.成長を加速する事業戦略(①事業ポートフォリオの最適化 ②事業投資の推進 ③グローバルビジネス拡大 ④エンジニアリング機能の拡充)」と、「2.変化に対応するレジリエントな経営基盤(①人的資本の価値向上 ②資本効率の最大化 ③ガバナンスとリスク管理の強化 ④DXでのイノベーションと競争力強化)」の定性目標達成に向けた各種施策への取組を進め、持続可能な「成長」フェーズへの移行を目指しております。この結果、当連結会計年度は売上高2,191億40百万円、営業利益136億96百万円を達成する等、各段階利益は前期に続き過去最高を更新いたしました。 中期経営計画「MT2027」 (単位:百万円) 2025年度(実績)2025年度(業績予想)2026年度(業績予想)2027年度(計画)受注高202,512230,000240,000270,000売上高219,140219,000210,000250,000営業利益13,69613,60012,00015,000経常利益14,35314,30012,40014,750親会社株主に帰属する当期純利益9,9519,9009,40010,300ROE11.7%10%以上10.2%10%以上 注 表中の2027年度の数値は、2025年5月9日に開示しました中期経営計画の数値となります。 成長戦略「V2030」 (単位:百万円) 2030年度目標売上高300,000営業利益18,000ROE10%以上 (3) 経営環境及び対処すべき課題今後の我が国経済の見通しにつきましては、底堅い設備投資意欲やAI関連需要の拡大、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復が期待されます。一方で、中東情勢の緊迫化による原油価格の高騰や物流網の混乱、原材料不足に伴う製品納期への影響が懸念されます。また、日中関係や米国の通商政策の動向等、海外情勢の変化がサプライチェーン全体に及ぼすリスクもあり、先行きは依然として不透明な状況にあります。当社グループでは、こうした不透明な経営環境に柔軟に対応すべく、市場動向や顧客ニーズの変化を的確に捉え、不確実性に柔軟に対応することで、持続的な成長と収益性の確保に取組んでまいります。当社グループは、2030年のあるべき姿「次世代型エンジニアリング商社」の実現に向けて、2022年度から2030年度までを「創造」「成長」「飛躍」と3年ごとに3つのフェーズに位置付け、取組んでおります。2025年度からスタートした中期経営計画「MT2027」では、前中期経営計画でのテーマ「成長に向けた事業戦略」と「経営基盤の強化」をさらに深化させるとともに、利益成長と資本効率の一層の向上を目指します。その実現に向け、「成長を加速する事業戦略」と「変化に対応するレジリエントな経営基盤」をテーマに、「創造」フェーズで築いた基盤を活用しながら、持続可能な「成長」の実現を目指し、以下の目標に取組んでおります。 I.成長戦略「Ⅴ2030」(Ⅴ:Ⅴision)経営理念を実現させるため、6つの基本戦略と2030年度の目標を掲げております。 1.「Ⅴ2030」 基本戦略① 積極的な投資② PL経営+BS経営③ マルチステークホルダーを意識した経営④ モノ売りから「モノ×コト」売り⑤ グローバルの成長を取り込む⑥ DX推進 2.「Ⅴ2030」 定量目標(連結)売上高:300,000百万円、営業利益:18,000百万円、ROE:10%以上 Ⅱ.中期経営計画「MT2027」(MT:Medium-Term Business Plan) 定性目標1.成長を加速する事業戦略 2.変化に対応するレジリエントな経営基盤① 事業ポートフォリオの最適化 ① 人的資本の価値向上 ② 事業投資の推進 ② 資本効率の最大化③ グローバルビジネス拡大 ③ ガバナンスとリスク管理の強化④ エンジニアリング機能の拡充 ④ DXでのイノベーションと競争力強化 今後とも、役職員が法令はもとより社会的規範を遵守するため「第一実業グループ行動規範」に則り行動し、企業としての社会的責任を果たすとともに社会に貢献していくことにも注力してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「商事会社として経済社会の流通機構の一翼を担い、以て社会の繁栄に寄与することを目的として協力一致して積極的に活動し、堅実に運営して企業を安定成長せしめ、此処に働く人々の生活の向上幸福の増進を図る」ことを創業の精神とし、「協力一致、堅実運営、積極活動」を社是三原則に掲げ経営に取組んでまいりました。2022年には「人をつなぎ、技術をつなぎ、世界を豊かに」をミッションとする経営理念を策定しており、多様化するニーズにあって、先進的な技術や高品位なサービスを活かした提案力により、「次世代型エンジニアリング商社」をあるべき姿として目指しております。 ≪経営理念≫Mission(果たすべき使命) 人をつなぎ、技術をつなぎ、世界を豊かに Ⅴision(あるべき姿) 時代の一歩先を行くモノづくりパートナーを目指し、当社のエンジニアリング機能を核として継続的な価値の提供によりグローバルにお客様事業の成長と持続可能な社会の実現に貢献します。 Ⅴalue(価値基準) 社内外の関係者と協調し、ステークホルダーからの期待や社会的責任と当社目標を一致させながら、 やりがいに溢れ、個人が尊重され、成長を実感できる会社を目指します。 独自のエンジニアリング機能によるモノづくりへの貢献とともに、積極的な成長市場への投資・ 事業領域の拡大により継続的な成長を目指します。 経営の透明性と会社の継続的な品質の向上を通じて、重要な社会課題に積極的に取り組むことで 持続可能な社会の実現に貢献します。 (2) 目標とする経営指標(中長期的な会社の経営戦略)当社グループは、2022年度から2024年度までの前中期経営計画「MT2024」において、「成長に向けた事業戦略」と「経営基盤の強化」を両軸とし、各種重点施策に取組んでまいりました。この結果、最終年度である2024年度には、売上高2,217億55百万円、営業利益131億3百万円を達成し、当時の過去最高値を更新いたしました。このような状況の中、当連結会計年度より中期経営計画「MT2027」をスタートさせております。「創造」フェーズと位置付けた前中期経営計画「MT2024」で築いた基盤を活用しながら、「1.成長を加速する事業戦略(①事業ポートフォリオの最適化 ②事業投資の推進 ③グローバルビジネス拡大 ④エンジニアリング機能の拡充)」と、「2.変化に対応するレジリエントな経営基盤(①人的資本の価値向上 ②資本効率の最大化 ③ガバナンスとリスク管理の強化 ④DXでのイノベーションと競争力強化)」の定性目標達成に向けた各種施策への取組を進め、持続可能な「成長」フェーズへの移行を目指しております。この結果、当連結会計年度は売上高2,191億40百万円、営業利益136億96百万円を達成する等、各段階利益は前期に続き過去最高を更新いたしました。 中期経営計画「MT2027」 (単位:百万円) 2025年度(実績)2025年度(業績予想)2026年度(業績予想)2027年度(計画)受注高202,512230,000240,000270,000売上高219,140219,000210,000250,000営業利益13,69613,60012,00015,000経常利益14,35314,30012,40014,750親会社株主に帰属する当期純利益9,9519,9009,40010,300ROE11.7%10%以上10.2%10%以上 注 表中の2027年度の数値は、2025年5月9日に開示しました中期経営計画の数値となります。 成長戦略「V2030」 (単位:百万円) 2030年度目標売上高300,000営業利益18,000ROE10%以上 (3) 経営環境及び対処すべき課題今後の我が国経済の見通しにつきましては、底堅い設備投資意欲やAI関連需要の拡大、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復が期待されます。一方で、中東情勢の緊迫化による原油価格の高騰や物流網の混乱、原材料不足に伴う製品納期への影響が懸念されます。また、日中関係や米国の通商政策の動向等、海外情勢の変化がサプライチェーン全体に及ぼすリスクもあり、先行きは依然として不透明な状況にあります。当社グループでは、こうした不透明な経営環境に柔軟に対応すべく、市場動向や顧客ニーズの変化を的確に捉え、不確実性に柔軟に対応することで、持続的な成長と収益性の確保に取組んでまいります。当社グループは、2030年のあるべき姿「次世代型エンジニアリング商社」の実現に向けて、2022年度から2030年度までを「創造」「成長」「飛躍」と3年ごとに3つのフェーズに位置付け、取組んでおります。2025年度からスタートした中期経営計画「MT2027」では、前中期経営計画でのテーマ「成長に向けた事業戦略」と「経営基盤の強化」をさらに深化させるとともに、利益成長と資本効率の一層の向上を目指します。その実現に向け、「成長を加速する事業戦略」と「変化に対応するレジリエントな経営基盤」をテーマに、「創造」フェーズで築いた基盤を活用しながら、持続可能な「成長」の実現を目指し、以下の目標に取組んでおります。 I.成長戦略「Ⅴ2030」(Ⅴ:Ⅴision)経営理念を実現させるため、6つの基本戦略と2030年度の目標を掲げております。 1.「Ⅴ2030」 基本戦略① 積極的な投資② PL経営+BS経営③ マルチステークホルダーを意識した経営④ モノ売りから「モノ×コト」売り⑤ グローバルの成長を取り込む⑥ DX推進 2.「Ⅴ2030」 定量目標(連結)売上高:300,000百万円、営業利益:18,000百万円、ROE:10%以上 Ⅱ.中期経営計画「MT2027」(MT:Medium-Term Business Plan) 定性目標1.成長を加速する事業戦略 2.変化に対応するレジリエントな経営基盤① 事業ポートフォリオの最適化 ① 人的資本の価値向上 ② 事業投資の推進 ② 資本効率の最大化③ グローバルビジネス拡大 ③ ガバナンスとリスク管理の強化④ エンジニアリング機能の拡充 ④ DXでのイノベーションと競争力強化 今後とも、役職員が法令はもとより社会的規範を遵守するため「第一実業グループ行動規範」に則り行動し、企業としての社会的責任を果たすとともに社会に貢献していくことにも注力してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度における我が国経済は、円安基調の継続やAI関連需要のさらなる拡大を背景に、製造業を中心に業況の改善が見られました。また、非製造業においても、底堅いインバウンド需要や雇用・所得環境の改善に伴う個人消費の下支えにより、安定して推移いたしました。しかしながら、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰や輸入原材料の供給不足への懸念が急速に高まり、企業収益への下押し圧力が強まっております。さらに、米国の通商政策を巡る不透明感や日中関係の悪化による影響に加え、国内における人手不足の深刻化や金利上昇への警戒感等もあり、先行きについては依然として極めて不透明な状況が続いております。このような状況の中、当社グループでは当連結会計年度より中期経営計画「MT2027」をスタートさせております。「創造」フェーズと位置付けた前中期経営計画「MT2024」で築いた基盤を活用しながら、「1.成長を加速する事業戦略(①事業ポートフォリオの最適化 ②事業投資の推進 ③グローバルビジネス拡大 ④エンジニアリング機能の拡充)」と、「2.変化に対応するレジリエントな経営基盤(①人的資本の価値向上 ②資本効率の最大化 ③ガバナンスとリスク管理の強化 ④DXでのイノベーションと競争力強化)」の定性目標達成に向けた各種施策への取組を進め、持続可能な「成長」フェーズへの移行を目指しております。 当連結会計年度において売上高は、2,191億40百万円(前期比1.2%減)となりました。 売上原価は、39億53百万円減少の1,800億30百万円(前期比2.1%減)となりました。なお、売上総利益率は、前期の17.0%から17.8%へと増加しました。この結果、売上総利益は13億38百万円増加の391億9百万円(前期比3.5%増)となりました。 販売費及び一般管理費は、エンジニアリング機能の強化等に向けた積極的な人材投資のため、給与をはじめとした人件費が増加したこと等により、7億45百万円増加の254億13百万円(前期比3.0%増)となりました。この結果、営業利益は5億93百万円増加の136億96百万円(前期比4.5%増)となり、営業利益率は前期の5.9%から6.3%へと増加しました。 営業外損益においては、営業外収益は、持分法による投資利益が増加したこと等により52百万円増加の12億93百万円(前期比4.3%増)となりました。営業外費用は、為替差損が減少したこと等により1億9百万円減少の6億36百万円(前期比14.7%減)となりました。この結果、営業外損益は前期より1億62百万円増加の656百万円の収益となり、経常利益は7億55百万円増加の143億53百万円(前期比5.6%増)となりました。 特別損益においては、特別利益として投資有価証券売却益4億58百万円を計上したものの、特別損失として投資有価証券評価損1億45百万円等を計上したため、差引き3億11百万円の利益(前期比294.7%増)となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益146億65百万円から法人税等(法人税等調整額を含む)46億59百万円並びに非支配株主に帰属する当期純利益53百万円を差引き、11億10百万円増加の99億51百万円(前期比12.6%増)となりました。 当連結会計年度における自己資本当期純利益率(ROE)は、前期の11.6%から11.7%へと増加しました。今後も、中期経営計画の基本方針に則り、さらなる収益性の向上を目指し、自己資本の充実を図りつつ、ROEの維持・向上を目指してまいります。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 プラント・エネルギー事業国内向けの各種プラント用設備の売上が減少したため、売上高は14億41百万円減少の224億15百万円(前期比6.0%減)となり、セグメント利益(営業利益)は2億17百万円減少の16億25百万円(前期比11.8%減)となりました。 エナジーソリューションズ事業国内外向けのリチウムイオン電池製造設備等の売上が減少したため、売上高は140億57百万円減少の400億44百万円(前期比26.0%減)となり、セグメント利益(営業利益)は40百万円減少の26億44百万円(前期比1.5%減)となりました。 産業機械事業プラスチックス製品・食品関連業界向けの成形機、塗装関連設備及び周辺機器等の売上は堅調に推移したものの、前期に売上を計上した大口案件が一巡した影響もあり、売上高は22億95百万円減少の272億10百万円(前期比7.8%減)となり、セグメント利益(営業利益)は1億50百万円減少の7億40百万円(前期比16.9%減)となりました。 エレクトロニクス事業海外向けの電子部品製造関連設備等の販売が伸長したため、売上高は10億29百万円増加の510億73百万円(前期比2.1%増)となり、セグメント利益(営業利益)は52百万円増加の27億47百万円(前期比2.0%増)となりました。 自動車事業自動車関連業界向けの自動組立ライン、塗装ライン、車載電子部品製造関連設備等の売上が増加したため、売上高は17億65百万円増加の425億8百万円(前期比4.3%増)となり、セグメント利益(営業利益)は3億95百万円増加の25億81百万円(前期比18.1%増)となりました。 ヘルスケア事業医療関連機器製造装置、錠剤印刷検査装置やパッケージング用機器・装置等の売上が大幅に増加したため、売上高は80億83百万円増加の238億26百万円(前期比51.4%増)となり、セグメント利益(営業利益)は7億43百万円増加の24億円(前期比44.9%増)となりました。 航空・インフラ事業エアライン向けの航空機地上支援機材及び官公庁向けの特殊車両等の売上が大幅に増加したため、売上高は43億51百万円増加の119億90百万円(前期比57.0%増)となり、セグメント利益(営業利益)は5億38百万円増加の10億49百万円(前期比105.2%増)となりました。 その他売上高は50百万円減少の71百万円(前期比41.5%減)、セグメント利益(営業利益)は52百万円増加の56百万円となりました。 受注、販売及び仕入の実績は、次のとおりであります。① 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)プラント・エネルギー事業24,838+11.427,530+9.7エナジーソリューションズ事業15,596△44.234,494△41.5産業機械事業26,880△12.817,583△1.6エレクトロニクス事業57,482+22.130,408+27.0自動車事業39,769△4.035,081△7.0ヘルスケア事業19,198△20.820,574△18.4航空・インフラ事業18,719+53.218,964+55.0その他25△91.031△88.6合計202,512△1.9184,668△8.3 注 セグメント間取引については、相殺消去しております。 ② 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)プラント・エネルギー事業22,415△6.0エナジーソリューションズ事業40,044△26.0産業機械事業27,210△7.8エレクトロニクス事業51,073+2.1自動車事業42,508+4.3ヘルスケア事業23,826+51.4航空・インフラ事業11,990+57.0その他71△41.5合計219,140△1.2 注 セグメント間取引については、相殺消去しております。 ③ 仕入実績当連結会計年度における仕入実績は、販売実績と概ね連動しているため記載を省略しております。 (2) 財政状態当連結会計年度末の総資産は、42億65百万円増加の1,756億39百万円(前期比2.5%増)となりました。流動資産は6億79百万円減少の1,492億60百万円(前期比0.5%減)、固定資産は49億44百万円増加の263億78百万円(前期比23.1%増)となりました。流動資産の減少は、現金及び預金の増加があったものの、未収入金や電子記録債権、商品及び製品が減少したことが主な要因であります。固定資産の増加は、時価評価による投資有価証券の増加及び退職給付に係る資産の増加が主な要因であります。 負債の合計は65億84百万円減少の849億37百万円(前期比7.2%減)となりました。流動負債は85億19百万円減少の792億58百万円(前期比9.7%減)、固定負債は19億35百万円増加の56億79百万円(前期比51.7%増)となりました。流動負債の減少は、短期借入金の増加があったものの、未払金や支払手形及び買掛金が減少したことが主な要因であります。固定負債の増加は、繰延税金負債や長期借入金が増加したことが主な要因であります。 純資産の合計は108億49百万円増加の907億1百万円(前期比13.6%増)となりました。これは、配当金の支払いがあったものの、親会社株主に帰属する当期純利益99億51百万円の計上、その他有価証券評価差額金が増加したことが主な要因であります。純資産及び総資産が増加した結果、自己資本比率は前期の46.5%から51.5%へと増加しました。 有利子負債は、前期比49億9百万円増加の74億95百万円(前期比189.9%増)となりました。内訳は短期借入金65億20百万円(1年内返済予定の長期借入金を含む)、その他9億75百万円であります。なお、当連結会計年度末における有利子負債比率(DER)は0.08倍となり、前期の0.03倍から増加しております。 中期経営計画「MT2027」のビジョンと基本方針に沿って、実施計画を着実に実践しながら、当社グループ全体の資金をグローバルレベルで有効に活用することにより、財務体質のさらなる強化を図ってまいります。 (3) キャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、179億46百万円の収入となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は518億29百万円となりました。 営業活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは、主に未払金や仕入債務の減少があったものの、税金等調整前当期純利益の計上、未収入金や棚卸資産が減少したため、161億36百万円の収入(前期は115億94百万円の収入)となりました。 投資活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは、主に定期預金の減少、投資有価証券の売却による収入があったものの、有形・無形固定資産や投資有価証券の取得による支出があったため、1億88百万円の支出(前期は12億90百万円の支出)となりました。 財務活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは、主に配当金の支払いがあったものの、借入金が増加したため、12億21百万円の収入(前期は76億90百万円の支出)となりました。 (4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの主要な資金は、商品やサービスの購入のために費やされており、他には販売費及び一般管理費、設備並びに新規事業分野への投資、M&Aやアライアンスにも活用しております。これらの資金需要について、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資本並びに銀行その他の金融機関からの短期・長期借入による資金調達にて対応していくこととしております。資金の流動性については、取引銀行5行と100億円の貸出コミットメント契約を締結し、機動的かつ安定的な調達手段を確保しております。世界情勢の急激な変化等による資金需要に対応するため、また、事業の拡大に伴う受注案件の大型化によるリスクに備えるため必要となる資金を十分確保しております。 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- マクロ経済環境の変動世界的な景気動向、特に中国や新興国の経済成長鈍化、米中対立、地政学リスク、保護主義の台頭などが、第一実業グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。海外売上高比率が高いため、これらの国際情勢の変化が直接的に収益を左右するリスクがあります。
- 海外事業拡大に伴うリスク海外売上高比率が52.6%と高く、今後も増加傾向にあるため、国際的な金融環境、税制、為替レートの変動、原油・原材料価格、輸送費用の動向が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、予期せぬ政治体制や経済環境の変化、法律・規制の変更による社会的混乱もリスクとして存在します。
- 事業展開の複雑化と大型化リチウムイオン電池関連事業のように、大型で複雑なプロジェクトが増加しており、取引の長期化や技術の陳腐化のリスクがあります。また、納入後の不具合発生による法的責任や追加費用の発生も想定されます。これらのリスクは、業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが数年以内に顕在化する可能性があると判断したリスクでありますが、ここに掲げられている項目に限定されるものではなく、予見が困難なリスクも存在します。そのため、記載内容と実際の結果が異なる場合があります。 (マクロ経済環境の変化によるリスク)当社グループの主な事業は各種機械・器具・部品の販売及び各種機械・器具の賃貸等であり、国内販売並びに輸出入を行っております。海外においては、2025年4月から2028年3月までの3年間にわたる中期経営計画「MT2027」において、世界5軸体制による海外事業展開を加速させていくとともに、グローバル企業とのビジネス拡大を図り、収益力の強化に取組んでおります。従いまして、国内はもとより世界的な景気動向によっては、当社グループの業績が変動する可能性があります。米州、中国、インド、アジア、欧州の政治動向又は経済動向は、当社グループの事業機会を拡大させる可能性がある一方で、各国に広がりつつある保護主義、中国や新興国経済の成長鈍化、米中対立の影響による世界経済の減速懸念、世界的な地政学リスクの発現や米国の関税措置の影響による景気減速等、これらの地域における経済活動の停滞は当社グループの業績を悪化させる要因となる可能性もあります。とりわけ中国に偏りつつあったサプライチェーンの再編や米国の政治動向、地域を問わない政治的・経済的紛争により投資が左右されることは当社グループの業績に関わる重要度の高いリスクと認識しております。当社グループでは、当社及び世界5軸体制による海外事業展開に伴い連携を強化した海外各国の当社グループ会社間での密なコミュニケーションにより、迅速な情報の入手と展開を行う体制を構築しております。また、事業ポートフォリオの機動性を活かして速やかに事業シフトを行うとともに、政治的不安定地域、経済減速地域の取引先を最大限にサポートすることにより、業績悪化のリスクを最小限にとどめる体制を敷いております。 (海外売上高比率増大に伴うリスク)我が国企業は海外市場への進出や生産拠点の海外移転を依然進めております。これに対応し、当社グループも海外拠点の拡充等によりグローバル化を推進し、ビジネスチャンスの拡大を図っております。それに向けて、商社としてのコーディネート力を活かし、国内外の取引先に対して日本及び海外の商品やサービスの提供を支援し、クロスボーダー取引の展開にも注力しております。当連結会計年度における連結売上高に占める海外売上高の割合は前期の52.6%から52.8%へと増加しており、今後も中期経営計画の着実な実行により海外売上高比率は高まっていく傾向にあるものと予想されます。このため、国際的な金融環境、税制、為替レート動向、原油や原材料価格・輸送費用の動向、顧客企業の生産拠点への設備投資動向等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、海外での事業活動には予期できない政治体制・経済環境の変動、法律・規制の変更等による社会的混乱等のリスクが存在します。このことに対し当社グループでは、当社グループのグローバルネットワークや幅広い取引先との関係を活かして迅速に情報・動向を把握し、最適な取引形態を選択することにより収益減少のリスクを最小限にとどめるように努めております。 (金利・資金調達に関わるリスク)当社グループは、取引銀行5行と貸出コミットメント契約を締結し、必要に応じて資金を調達しております。当連結会計年度における当社グループの有利子負債は74億95百万円となっており、今後も運転資金の機動的かつ安定的な調達と金利コストの削減を目指してまいります。しかし、金融市場が不安定な場合や、当社グループの信用力の悪化により格付機関から当社グループに付与されている信用格付が引き下げられた場合等においては、当社グループにとって好ましい条件で適時に資金調達をできる保証はなく、当社グループの営業活動の制約要因となる可能性があるほか、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、今後の売上高及び金利動向によっては金融収支が悪化し、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性もあります。加えて、国内外の主要金融市場において大きな混乱が生じた場合には、資金調達コストが増大する可能性もあります。このことに対して当社グループでは、金融機関との良好な関係の継続や、適時の対話による機関投資家との関係の構築と深化に努めるとともに、資金調達先の多様化を図っております。また、不測の事態に備えた資金政策や、良好な財政状態の維持による格付けの維持や向上により、運転資金の機動的かつ安定的な調達、資金調達コストや金利コストの削減に努めております。 (IT・システムリスク)当社グループの事業活動におけるシステム・ネットワークヘの依存度は年々拡大しており、セキュリティの高度化、コンピュータシステムデータのバックアップ等によりシステムやデータの保護に努めておりますが、自然災害、コンピュータ・ウイルス、不正アクセス、電力供給の制約や大規模停電、故障や不具合等によりシステムや通信ネットワークに甚大な障害が発生した場合、取引先との受発注業務をはじめ、事業活動に支障をきたすほか、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、事業継続対策の一つとして十分な安全性を備えたデータセンター及びクラウドサービスを利用しシステムやデータの保護を図っており、また、役職員が使用するコンピュータ等の末端機器への監視システムを導入することでコンピュータ・ウイルスや不正アクセスへの対応を行っております。電力・通信インフラの不具合による事業活動への影響に対しては、当社が定める事業継続対応マニュアルにおいて、速やかに通信が可能な地域へ移動し事業停止期間を最短に抑える等の対策を講じております。 (事業の展開に関わるリスク)当社グループのビジネスモデルは、設計・エンジニアリングの支援に始まり、最適な機械を選んで国内外の仕入先から調達し、据付、稼働、メンテナンスまでを一括で請け負えることが強みであります。より付加価値の高いサービスを提供する「次世代型エンジニアリング商社」を目指して事業範囲をグローバルに拡大する中で、個々の取引が大型化、複雑化、長納期化しております。それに伴い、クロスボーダー取引リスクの増加、大型工事案件の増加による事故の発生、法的責任や費用の発生、技術の陳腐化に伴う市場価値の下落等のリスクが想定されます。それらに対し、当社グループでは十分な技量を備えたエンジニアの採用とその人事評価制度の整備、経営企画本部内に設置したグローバル戦略推進部門や契約締結に関わる法務・経営管理部門の強化等、リスク回避とビジネスチャンス獲得に向けた市場への対応力、競争力を高める取組を行っております。 (与信リスク)当連結会計年度末における当社グループの売上債権の合計額は480億37百万円と、総資産の27.4%を占めており、取引先の信用悪化や経営破綻等により損失が発生する信用リスクを負っております。また、得意先からの商品及びサービスの受注に伴い、各種機械・器具等の製造を各仕入先に対して発注しております。これらのことに対し当社グループでは、取引権限やリスク管理に関する規程に則り、与信限度額・成約限度額について必要な承認手続きを行うこと、与信先の信用状態に応じて必要な担保・保証等の取り付けをすること、債権の流動化等のリスクヘッジを講じております。しかしながら、経済環境の悪化等による取引先の流動性危機、連鎖倒産、もしくは特定の大口与信先の経営不安等が発生し債権が回収不能になった場合等、発生しうるリスクを完全に排除することはできず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (長期戦略や中期経営計画におけるリスク)当社グループは、長期の成長戦略及び中期経営計画を策定しております。これらの戦略や計画は中長期に及ぶことから、従来の事業においてここに記載しているリスクが潜在する期間も中長期にわたることに加え、積極的に推進を図っていく事業関連投資やその他投資においても、十分な効果が現れなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、機能を強化している経営企画部門を中心として投資検討能力の向上によるリスクの最小化を図っており、投資実行後は、定期的検証に基づく進捗分析、変更是非の検討と判断、速やかな開示を行ってまいります。 (災害リスク)地震、台風、火災、感染症の流行等の災害発生により、当社グループの事務所、工場、役職員等に対する被害が発生し、営業・生産活動に支障が生じる可能性があります。当社では事業継続計画基本書を策定しており、加えてこれらの災害に対する事業継続対応マニュアルの作成、安否確認システムの導入、防災訓錬等の対策を講じてきております。しかしながら、これらによって災害による被害を完全に回避できる保証はなく、重大な被害が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、災害により当社グループの主要な取引先に重大な被害が発生した場合には、取引先の営業・生産活動の停滞が当社グループの業績を悪化させる要因となる可能性もあります。 (サステナビリティに関するリスク)昨今大きな影響が懸念されている気候変動に関して、当社グループでは、TCFDの提言にある種々のリスクが、当社グループのみならずサプライチェーンにおいても重要な影響を及ぼすものと認識しており、税負担の増大等による直接的かつ財務的な影響のみならず、取扱商品・製品の技術的問題や市場での需要の減少、それに伴う企業評価の低下等が当社グループの業績及び財政状態を悪化させる要因となる可能性があります。当社グループではこの課題を専門的に取扱う組織体を設置し、シナリオの設定や影響額の算定、また継続的なモニタリングを行っていくと同時に、当社グループの置かれたサプライチェーンにおいて、環境配慮製品やサービスを当社グループのお客様であるモノづくり企業へ提供することにより、脱炭素社会の実現と環境課題に積極的に取組んでおります。また、気候変動に関連する課題以外でも、環境破壊、人権、ダイバーシティ等に関連する様々な基準や市場の変化に伴って当社グループのビジネス領域での需要や競争原理が変化し、それらの変化への対応が遅れた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があると認識しており、グローバル企業が実施する様々なサプライチェーンデューデリジェンスに適合する会社基準の策定に取組んでおります。 なお、当社グループでは、上述した項目をはじめとした事業推進上のリスクを統合的に取扱う実務専門部署を設置しており、複数の階層によりリスクの監視・管理を行う統合リスクマネジメント体制を整備しております。